JPH06184243A - 含フッ素共重合体 - Google Patents

含フッ素共重合体

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JPH06184243A
JPH06184243A JP4341755A JP34175592A JPH06184243A JP H06184243 A JPH06184243 A JP H06184243A JP 4341755 A JP4341755 A JP 4341755A JP 34175592 A JP34175592 A JP 34175592A JP H06184243 A JPH06184243 A JP H06184243A
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JP
Japan
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vinyl
copolymer
monomer
group
vinyl ether
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JP4341755A
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English (en)
Inventor
Haruhiko Mori
晴彦 毛利
Hiroo Mitsuhata
啓男 光畑
Shigesuke Tano
恵祐 田野
Yoshiki Shimizu
義喜 清水
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬化剤やアクリル樹脂のような汎用樹脂との
相溶性、耐熱黄変性に優れ、その硬化塗膜の耐汚染性が
優れている含フッ素共重合体をうる。 【構成】 テトラフルオロエチレンおよび/またはヘキ
サフルオロプロピレン単位30〜60モル%、安息香酸
ビニルおよび/またはp−t−ブチル安息香酸ビニル単
位10〜35モル%、および官能基を有する単量体の単
位10〜40モル%を含んでなる含フッ素共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学的に硬化しうる含フ
ッ素共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、含フッ素共重合体は分子内のC−
F結合の高い結合エネルギーおよび低い分極率が故に耐
候性、耐薬品性、撥水撥油性、耐汚染性などに優れてお
り、種々の用途に用いられている。近年、通常の有機溶
剤に可溶で室温で架橋しうる含フッ素樹脂塗料が開発さ
れた。たとえば、特公昭60−21686号公報にはフ
ルオロオレフィン、アルキルビニルエーテル、ヒドロキ
シアルキルビニルエーテルの共重合体が耐候性のある塗
料用樹脂として開示されている。また、特開昭61−2
75311号公報、同62−7767号公報にはフルオ
ロオレフィン、ビニルエステル、アルキルビニルエーテ
ル、ヒドロキシアルキルビニルエーテルの共重合体が開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記共重合体
はアルキルビニルエーテルに基づく単位を多く含むた
め、共重合体の硬化剤やアクリル樹脂との相溶性が悪
い、塗布して硬化させた硬化塗膜の耐汚染性が劣る。ま
たフルオロオレフィンに塩素を含んだクロロトリフルオ
ロエチレンをもちいたばあいは共重合体の耐熱黄変性や
硬化塗膜の耐汚染性が劣るという問題がある。
【0004】本発明者らは、かかる問題点に鑑み、硬化
剤との相溶性やアクリル樹脂のような汎用樹脂との相溶
性、耐熱黄変性に優れ、その硬化塗膜の耐汚染性が優れ
ているような含フッ素共重合体をうることを目的として
鋭意検討した結果、塩素を含まないフルオロオレフィン
を用い、共重合単量体としてのアルキルビニルエーテル
を用いないまたはその含量を少なくし、芳香族基を有す
るビニルエステル、および官能基を有する共重合単量体
を用いることにより前記目的を達成しうることを見いだ
した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、テト
ラフルオロエチレンおよび/またはヘキサフルオロプロ
ピレン単位30〜60%(モル%。以下同様)、安息香
酸ビニルおよび/またはp−t−ブチル安息香酸ビニル
単位15〜35%、および官能基を有する単量体の単位
10〜40%よりなる含フッ素共重合体に関する。
【0006】
【作用および実施例】本発明の含フッ素共重合体は、テ
トラフルオロエチレンおよび/またはヘキサフルオロプ
ロピレン単位を30〜60%、好ましくは40〜55
%、より好ましくは45〜50%含む。30%より少な
いと耐候性、耐汚染性に劣り、60%を超えると溶媒へ
の溶解性に劣る傾向がある。
【0007】本発明の含フッ素共重合体は、安息香酸ビ
ニルおよび/またはp−t−ブチル安息香酸ビニル単位
を10〜35%、好ましくは15〜30%、より好まし
くは15〜25%含む。10%より少ないと、溶解性、
相溶性などに劣るほかガラス転移温度が低くなり、35
%を超えると、耐候性に劣る傾向がある。
【0008】安息香酸ビニルまたはp−t−ブチル安息
香酸ビニル単位は、共重合体の相溶性、ガラス転移温
度、顔料分散性、および該共重合体からえられる塗膜の
光沢、耐汚染性、硬度、基材への密着性に寄与する。
【0009】本発明の含フッ素共重合体は、官能基を有
する単量体を含む。この単量体としては、カルボキシル
基、水酸基、エポキシ基、シリル基などの化学的硬化反
応性基を有する単量体があげられる。
【0010】カルボキシル基を有する単量体としては、
たとえば式(Ia):
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1 、R2 およびR3 は同じかま
たは異なり、いずれも水素原子、アルキル基、フェニル
基、カルボキシル基またはエステル基であり、nは0ま
たは1である)、または式(Ib):
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R4 およびR5 は同じかまたは異
なり、いずれも飽和または不飽和の直鎖または環状アル
キル基、nは0または1、mは0または1である)で表
わされるカルボキシル基含有ビニル単量体があげられ
る。具体例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル
酸、ビニル酢酸、クロトン酸、桂皮酸、3-アリルオキシ
プロピオン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、
マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸無水
物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタル酸ビニ
ル、ピロメリット酸ビニルなどがあげられる。
【0015】このカルボキシル基を有する単量体は、水
への分散性、硬化反応性や顔料の共重合体溶液への分散
性を改善し、与える塗膜の光沢、硬度、基材への密着性
などを改善する作用を有する。
【0016】水酸基を有する単量体としては、たとえ
ば、式(IIa): CH2 = CHR6 (IIa) (式中、R6 は -OR7 または -CH2 OR7 (ただし、R7
は水酸基を有するアルキル基である))で表わされるヒ
ドロキシアルキルビニルエーテルやヒドロキシアルキル
アリルエーテルがあげられる。R7 としては、たとえば
炭素数1〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に1
〜3個、好ましくは1個の水酸基が結合したものであ
る。これらの例としては、たとえば2-ヒドロキシエチル
ビニルエーテル、3-ヒドロキシプロピルビニルエーテ
ル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-ヒドロキ
シ-2- メチルプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブ
チルビニルエーテル、4-ヒドロキシ-2- メチルブチルビ
ニルエーテル、5-ヒドロキシペンチルビニルエーテル、
6-ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2-ヒドロキシエ
チルアリルエーテル、4-ヒドロキシブチルアリルエーテ
ル、グリセロールモノアリルエーテルなどがあげられ
る。
【0017】この水酸基を有する単量体は、塗膜の加工
性、耐衝撃性、耐汚染性を改善する作用を有する。
【0018】エポキシ基を有する単量体としては、たと
えば特開平2−232250号公報、特開平2−232
251号公報に記載されているエポキシ基含有ビニル単
量体があげられる。
【0019】エポキシ基含有ビニル単量体の具体例とし
ては、たとえば式(IIb):
【0020】
【化3】
【0021】で表わされるエポキシビニルまたはエポキ
シビニルエーテルがあげられる。これらの例としては、
たとえば
【0022】
【化4】
【0023】などがあげられる。
【0024】このエポキシ基を有する単量体は、共重合
体の耐酸性、貯蔵安定性、塗膜の基材への密着性を改善
する作用を有する。
【0025】シリル基を有する単量体としては、たとえ
ば特開昭61−141713号公報などに記載されてい
るシリル基含有ビニル単量体があげられる。
【0026】シリル基含有ビニル単量体の具体例として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニル
メチルジエトキシシラン、ビニルトリス(β- メトキシ
エトキシ)シラン、トリメトキシシリルエチルビニルエ
ーテル、トリエトキシシリルエチルビニルエーテル、ト
リメトキシシリルブチルビニルエーテル、メチルジメト
キシシリルエチルビニルエーテル、トリメトキシシリル
プロピルビニルエーテル、トリエトキシシリルプロピル
ビニルエーテル、ビニルトリイソプロペニルオキシシラ
ン、ビニルメチルジイソプロペニルオキシシラン、トリ
イソプロペニルオキシシリルエチルビニルエーテル、ト
リイソプロペニルオキシシリルプロピルビニルエーテ
ル、トリイソプロペニルオキシシリルブチルビニルエー
テル、ビニルトリス(ジメチルイミノオキシ)シラン、
ビニルトリス(メチルエチルイミノオキシ)シラン、ビ
ニルメチルビス(ジメチルイミノオキシ)シラン、ビニ
ルジメチル(ジメチルイミノオキシ)シラン、トリス
(ジメチルイミノオキシ)シリルエチルビニルエーテ
ル、メチルビス(ジメチルイミノオキシ)シリルエチル
ビニルエーテル、トリス(ジメチルイミノオキシ)シリ
ルブチルビニルエーテル、γ-(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロイ
ルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アク
リロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-
(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロペニ
ルオキシシラン、γ-(メタ)アクリロイルオキシプロピ
ルトリス(β- メトキシエトキシ)シラン、γ-(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリス(ジメチルイミノオ
キシ)シラン、アリルトリメトキシシランなどがあげら
れる。
【0027】このシリル基を有する単量体は、塗膜の基
材への密着性を改善する作用を有する。
【0028】前述の官能基を有する単量体は、それぞれ
2種以上用いてもよく、その単量体の単位の含有量は1
0〜40%、好ましくは15〜35%、より好ましくは
15〜30%である。10%より少ないと硬化性が不充
分であり、40%を超えるとゲル化が生じやすく、保存
安定性に劣り、またえられる塗膜がもろくなる傾向があ
る。
【0029】本発明は、また、テトラフルオロエチレン
および/またはヘキサフルオロプロピレン単位30〜6
0%、安息香酸ビニルおよび/またはp−t−ブチル安
息香酸ビニル単位10〜35%、官能基を有する単量体
の単位10〜40%、およびビニルアルカンカルボキシ
レート、フルオロアルキルビニルエーテルおよびフルオ
ロアルキルエチレンよりなる群から選択される少なくと
も1種の化合物1〜15%よりなる含フッ素共重合体に
も関する。
【0030】この含フッ素共重合体において、官能基を
有する単量体は前述と同じものである。
【0031】ビニルアルカンカルボキシレートとして
は、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸
ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ス
テアリン酸ビニルなどがあげられる。これらの化合物
は、共重合体の相溶性、ガラス転移温度、顔料分散性、
および該共重合体からえられる塗膜の光沢、耐汚染性、
硬度、基材への密着性を改善する作用を有する。
【0032】フルオロアルキルビニルエーテルとして
は、たとえば、2,2,2-トリフルオロエチルビニルエーテ
ル、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルビニルエーテル、
2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルビニルエーテル、2,
2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチルビニルエーテ
ル、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフル
オロノニルビニルエーテル、パーフルオロメチルビニル
エーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフ
ルオロプロピルビニルエーテルなどがあげられる。これ
らの化合物は、塗膜の仕上り観、耐汚染性、ワックスフ
リー性、撥水撥油性を改善する作用を有する。
【0033】フルオロアルキルエチレンとしては、たと
えば、
【0034】
【化5】
【0035】などがあげられる。これらの化合物は、塗
膜の仕上り観、耐汚染性、ワックスフリー性、撥水撥油
性を改善する作用を有する。
【0036】前述のビニルアルカンカルボキシレート、
フルオロアルキルビニルエーテルおよびフルオロアルキ
ルエチレンは、それぞれ、2種以上用いてもよい。
【0037】この含フッ素共重合体において、テトラフ
ルオロエチレンおよび/またはヘキサフルオロプロピレ
ン単位の含量は30〜60%、好ましくは40〜55
%、より好ましくは45〜50%である。30%より少
ないと耐候性、耐汚染性に劣り、60%を超えると溶媒
への溶解性に劣る傾向がある。
【0038】安息香酸ビニルおよび/またはp−t−ブ
チル安息香酸ビニル単位の含量は10〜35%、好まし
くは15〜30%、より好ましくは15〜25%であ
る。10%より少ないと、溶解性、相溶性などに劣るほ
かガラス転移温度が低くなり、35%を超えると、耐候
性に劣る傾向がある。
【0039】前記官能基を有する単量体の単位の含量は
10〜40%、好ましくは15〜35%、より好ましく
は15〜30%である。15%より少ないと硬化性が不
充分であり、40%を超えるとゲル化が生じやすく、保
存安定性に劣り、またえられる塗膜がもろくなる傾向が
ある。
【0040】前記ビニルアルカンカルボキシレート、フ
ルオロアルキルビニルエーテルおよびフルオロアルキル
エチレンよりなる群から選択される少なくとも一種の化
合物の含量は1〜15%、好ましくは1〜13%、より
好ましくは5〜10%である。1%より少ないと、塗膜
の仕上り観、耐汚染性、ワックスフリー性、撥水撥油性
などに劣り、15%を超えると相溶性が劣る傾向があ
る。
【0041】これらの構造単位からなる本発明の含フッ
素共重合体は、テトラヒドロフランを溶離液として用い
るゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC) によ
り測定する数平均分子量が1000〜1000000、
好ましくは1500〜50000であり、示差走査熱量
計(DSC) により求めるガラス転移温度は−20〜50
℃、好ましくは−10〜40℃である。分子量が小さす
ぎると塗膜の硬度が不充分となり、大きすぎると溶液の
粘度が大きくなり取扱いが困難となる。
【0042】本発明の含フッ素共重合体は、通常、重合
溶媒や重合開始剤を用いて、乳化、懸濁または溶液重合
法により製造される。重合温度は、いずれの重合方法で
も通常0〜150℃、好ましくは5〜95℃である。重
合圧は、いずれの重合方法でも通常1〜100kg/c
2 Gである。
【0043】重合溶媒としては、乳化重合法では水、懸
濁重合法では、たとえば水、tert-ブタノール、1,1,2-
トリクロロ-1,2,2- トリフルオロエタン、1,2-ジクロロ
-1,1,2,2-テトラフルオロエタンまたはこれらの混合物
などが用いられる。溶液重合法では、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど
のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなど
の炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタ
レンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノー
ル、tert- ブタノール、iso-プロパノール、エチレング
リコールモノアルキルエーテルなどのアルコール類;テ
トラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンな
どの環状エーテル類;ジメチルスルホキシドなど、また
はこれらの混合物などがあげられる。
【0044】重合開始剤としては、たとえば過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類(さらに必
要に応じて亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウ
ム、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの還元
剤も併用できる);酸化剤(たとえば過酸化アンモニウ
ム、過酸化カリウムなど)と還元剤(たとえば亜硫酸ナ
トリウムなど)および遷移金属塩(たとえば硫酸鉄な
ど)からなるレドックス開始剤類;アセチルパーオキサ
イド、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオ
キサイド類;イソプロポキシカルボニルパーオキサイ
ド、tert- ブトキシカルボニルパーオキサイドなどのジ
アルコキシカルボニルパーオキサイド類;メチルエチル
ケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイ
ドなどのケトンパーオキサイド類;過酸化水素、tert-
ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイドなどのハイドロパーオキサイド類;ジ-tert-ブ
チルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなどのジ
アルキルパーオキサイド類;tert- ブチルパーオキシア
セテート、tert- ブチルパーオキシピバレートなどのア
ルキルパーオキシエステル類; 2,2′- アゾビスイソブ
チロニトリル、 2,2′- アゾビス(2,4-ジメチルバレロ
ニトリル)、 2,2′- アゾビス(2-メチルバレロニトリ
ル)、 2,2′- アゾビス(2-シクロプロピルプロピオニ
トリル)、 2,2′- アゾビスイソ酪酸ジメチル、 2,2′
- アゾビス[2-(ヒドロキシメチル)プロピオニトリ
ル]、 4,4′- アゾビス(4-シアノペンテン酸)などの
アゾ系化合物などが使用できる。
【0045】いずれの重合法においても重合中に単量体
または重合体からフッ化水素または塩化水素などの酸性
物質が脱離して、重合溶液が酸性になり、重合体がゲル
化することがあるので、系内に炭酸水素ナトリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、リン
酸ナトリウム、金属酸化物、ハイドロタルサイト類など
の無機塩類;ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリエ
チルアミンなどの有機アミン類;塩基性陰イオン交換樹
脂を添加して、脱離したフッ化水素や塩化水素などの酸
性物質を中和してもよい。
【0046】本発明の含フッ素共重合体は前記のごと
く、種々の特性に優れており、種々の態様で各種の用途
に使用できる。たとえば、有機溶媒に溶解した溶液型塗
料、水性溶媒に分散した水分散型組成物、非水分散型デ
ィスパージョン、粉体化した粉体型組成物、さらにこれ
らに硬化剤を配合した硬化用組成物などの態様で利用す
ることができる。
【0047】本発明の共重合体は前記のごとく使用する
溶媒の種類や条件の制限が大きく緩和される。本発明の
共重合体に好適に使用できる有機溶媒としては、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチ
ル、酢酸セロソルブ、プロピレングリコールメチルエー
テルアセテートなどのエステル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どの環状エーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-
ジメチルアセトアミドなどのアミド類;トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類;プロピレングリコールメ
チルエーテルなどのアルコール類;ヘキサン、ヘプタン
などの炭化水素類;これらの混合溶媒などがあげられ
る。共重合体濃度は5〜95重量%、好ましくは10〜
70重量%である。
【0048】また、水分散型の組成物とするばあいは、
水または水と親水性溶媒との混合溶媒に、要すれば乳化
剤を用いて分散させ、濃度10〜80重量%とするのが
好ましい。親水性溶媒としては、たとえばメチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-
ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert- ブチ
ルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert- アミルア
ルコール、3-ペンタノール、オクチルアルコール、3-メ
チル-3- メトキシブタノールなどのアルコール類;メチ
ルセロソルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテルなどのエーテルアルコール類;アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類;酢酸エチル、セロソルブアセテート、酢酸n-ブチ
ル、酢酸イソブチル、メチルセロソルブアセテート、酢
酸カルビトールなどのエステル類などがあげられる。
【0049】乳化剤としては、たとえばアルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、高
級脂肪酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルエー
テルリン酸エステル塩、リン酸エステル塩、パーフルオ
ロアルキル脂肪酸塩などのアニオン系界面活性剤;アル
キルフェノールエチレンオキサイド付加物、エチレンオ
キサイド- プロピレンオキサイド・ブロック共重合体な
どのノニオン系界面活性剤などのほか、ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセル
ロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ポリアクリル酸ナトリウム、エチレン- 無水マレ
イン酸共重合体などの水溶性高分子化合物を保護コロイ
ドとして使用できる。
【0050】さらに、作業性や加工性の点から、トリポ
リリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポ
リアクリル酸ナトリウムなどの分散剤(分散安定剤);
前記のノニオン系界面活性剤などの湿潤剤;前記の保護
コロイド用の水溶性高分子化合物などの増粘剤;シリコ
ーン油、鉱油などの消泡剤;ジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ブチルカルビトールフタレート、メ
チルセロソルブなどの可塑剤や造膜助剤;酸化チタンに
代表される通常の着色剤;炭酸カルシウム、クレー、シ
リカなどの通常の充填剤;通常の防腐剤;防ばい剤;pH
調整剤;さらにはアクリル、酢酸ビニル、塩化ビニルな
どの単独または共重合体、アクリル- スチレン共重合
体、塩化ビニル- 酢酸ビニル共重合体、エチレン- 酢酸
ビニル共重合体、エチレン- 酢酸ビニル- 塩化ビニル共
重合体などを配合してもよい。
【0051】この水分散型組成物は、たとえば常温や加
熱硬化型の塗料などの用途に適するものである。
【0052】粉体型組成物とするばあい、共重合体を常
法により、たとえば衝撃ハンマーミルなどを用いて平均
粒径0.05〜10μmの粉体とする。この粉体型組成
物はたとえば熱硬化型粉体塗料などの用途に適するもの
である。
【0053】また、本発明の共重合体は他の樹脂とブレ
ンドしてもよく、たとえばスチレンを含有していてもよ
い(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アル
キッド樹脂、メラミン- ホルムアルデヒド樹脂、ポリイ
ソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹
脂(たとえば塩化ビニル- 酢酸ビニル共重合体など)、
ケトン樹脂、石油樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン
などのポリオレフィン類の塩素化物、シリカゲルやケイ
酸などの無機系樹脂、前記本発明の含フッ素共重合体以
外の各種フッ素樹脂(たとえばテトラフルオロエチレン
やクロロトリフルオロエチレンの単独重合体またはこれ
らと他の単量体との共重合体など)などの1種または2
種以上とブレンドできるが、これらのみに限定されるも
のではない。
【0054】これらの樹脂のうち、特に相溶性に優れた
アクリル系重合体との混合系が好ましく、えられる塗膜
に高光沢、高硬度、仕上り外観のよさを与える。
【0055】アクリル系重合体は従来より塗料用に使用
されているものがあげられるが、特に(i) (メタ)アク
リル酸の炭素数1〜10のアルキルエステルの単独重合
体または共重合体、および(ii)側鎖および/または主鎖
末端に硬化性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体が好ましく採用される。
【0056】前記(i) のアクリル系重合体としては、た
とえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレートなどの単独および共重合体、
あるいはこれらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体
との共重合体があげられる。共重合可能なエチレン性不
飽和単量体としては、たとえば芳香族基を有する(メ
タ)アクリレート類、α位にフッ素原子または塩素原子
を有する(メタ)アクリレート類、アルキル基がフッ素
原子で置換されたフルオロアルキル(メタ)アクリレー
ト類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン
などの芳香族ビニル単量体、エチレン、プロピレン、イ
ソブチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フマル酸ジ
エステル類、マレイン酸ジエステル類、(メタ)アクリ
ロニトリルなどがあげられる。この種の市販アクリル共
重合体として、たとえばヒタロイド1005、ヒタロイド12
06、ヒタロイド2330-60 、ヒタロイド4001、ヒタロイド
1628A などの日立化成工業(株)製のもの;ダイヤナー
ルLR- 1065、ダイヤナールLR-90 などの三菱レイヨン
(株)製のもの;パラロイドB-44、パラロイドA-21、パ
ラロイドB-82などのローム&ハース社製のもの;ELVACI
TE 2000 などのデュポン社製のものなどがある。
【0057】前記(ii)のタイプのアクリル共重合体とし
ては、硬化性官能基として水酸基、カルボキシル基、エ
ポキシ基、アミノ基などを有する単量体と(メタ)アク
リレートとの共重合体があげられる。具体例としては、
たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ
エチルビニルエーテル、(メタ)アクリル酸、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、2-アミノエチル(メタ)アク
リレート、2-アミノプロピル(メタ)アクリレートなど
と前記(メタ)アクリレートの低級アルキルエステルの
共重合体、または、これらと前記エチレン性不飽和単量
体との共重合体があげられるが、これらのみに限定され
るものではない。(ii)のアクリル共重合体の市販品とし
ては、ヒタロイド3004、ヒタロイド3018、ヒタロイド30
46C などの日立化成工業(株)製のもの;アクリデッイ
クA810-45 、アクリデッイクA814、アクリデッイク47-5
40などの大日本インキ化学工業(株)製造のもの;ダイ
ヤナールLR-620、ダイヤナールSS-1084 、ダイヤナール
SS-792などの三菱レイヨン(株)製のもの;オレスター
Q166、オレスターQ185などの三井東圧化学(株)製のも
のなどがある。
【0058】アクリル系重合体の数平均分子量はGPC で
測定して1000〜200000、好ましくは2000
〜100000であり、大きくなると溶剤溶解性が低下
する傾向にあり、小さくなると耐候性に問題がでる傾向
にある。
【0059】本発明の共重合体とこれらのアクリル系重
合体との混合物も前記の有機溶剤型組成物、水分散型組
成物、粉体型組成物、非水分散型ディスパージョンなど
の態様で使用できる。
【0060】本発明の共重合体は硬化剤を配合して硬化
用組成物とすることができる。用いる硬化剤としては共
重合体の硬化反応性基と反応して架橋する、たとえばイ
ソシアネート類やアミノ樹脂類、酸無水物類、ポリシラ
ン化合物、ポリエポキシ化合物、イソシアネート基含有
シラン化合物などが通常用いられる。
【0061】前記イソシアネート類の具体例としては、
たとえば2,4-トリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タン-4,4′- ジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエ
ステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、n-ペンタン-1,4
- ジイソシアネート、これらの三量体、これらのアダク
ト体やビュウレット体、これらの重合体で2個以上のイ
ソシアネート基を有するもの、さらにブロック化された
イソシアネート類などがあげられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0062】前記アミノ樹脂類の具体例としては、たと
えば尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、
グリコールウリル樹脂のほか、メラミンをメチロール化
したメチロール化メラミン樹脂、メチロール化メラミン
をメタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコー
ル類でエーテル化したアルキルエーテル化メラミン樹脂
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0063】酸無水物類の具体例としては、たとえば無
水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸など
があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0064】ポリシラン化合物としては、ケイ素原子に
直接結合した加水分解性基およびSiOH基から選ばれ
る2個以上の基を有する化合物またはそれらの縮合物で
あり、たとえば特開平2−232250号公報、特開平
2−232251号公報などに記載されているものが使
用できる。具体例としてはジメチルジメトキシシラン、
ジブチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキ
シシラン、ジフェニルジブトキシシラン、ジフェニルエ
トキシシラン、ジエチルジシラノール、ジヘキシルジシ
ラノールメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリブトキシシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、
メチルトリシラノール、フェニルトリシラノール、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロ
ポキシシラン、テトラアセトキシシラン、ジイソプロポ
キシジバレロキシシラン、テトラシラノールなどがあげ
られる。
【0065】ポリエポキシ化合物やイソシアネート基含
有シラン化合物としては、たとえば特開平2−2322
50号公報、特開平2−232251号公報などに記載
されているものが使用できる。好適な例としては、たと
えば
【0066】
【化6】
【0067】などがあげられる。
【0068】硬化剤の配合量は、前記含フッ素共重合体
中の化学的硬化反応性基1当量に対して0.1〜5当
量、好ましくは0.5〜1.5当量である。本発明の組
成物は通常0〜200℃で数分間ないし10日間程度で
硬化させることができる。
【0069】硬化用組成物には、さらに各種の添加剤を
配合することができる。添加剤としては、硬化促進剤、
顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ゲル化防止
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などがあげられる。
【0070】硬化促進剤としては、たとえば有機スズ化
合物、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミ
ンとの反応物、飽和または不飽和の多価カルボン酸また
はその酸無水物、有機チタネート化合物、アミン系化合
物、オクチル酸鉛などがあげられる。
【0071】前記有機スズ化合物の具体例としては、ジ
ブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジ
オクチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、
ジブチルスズフタレート、オクチル酸スズ、ナフテン酸
スズ、ジブチルスズメトキシドなどがあげられる。
【0072】また前記酸性リン酸エステルとは、
【0073】
【化7】
【0074】部分を含むリン酸エステルのことであり、
たとえば
【0075】
【化8】
【0076】(式中、bは1または2、R12は有機残基
を示す)で示される有機酸性リン酸エステルなどがあげ
られる。具体的には
【0077】
【化9】
【0078】などがあげられる。
【0079】前記有機チタネート化合物としては、たと
えばテトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタ
ネート、トリエタノールアミンチタネートなどのチタン
酸エステルがあげられる。
【0080】さらに前記アミン系化合物の具体例として
は、たとえばブチルアミン、オクチルアミン、ジブチル
アミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルア
ミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グア
ニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6-トリス(ジメチ
ルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N-メチルモ
ルホリン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0) ウンデセン-7(D
BU) などのアミン系化合物、さらにはそれらのカルボン
酸などの塩、過剰のポリアミンと多塩基酸よりえられる
低分量ポリアミド樹脂、過剰のポリアミンとエポキシ化
合物の反応生成物などがあげられる。
【0081】硬化促進剤は1種を用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0082】硬化促進剤の配合割合は共重合体100重
量部に対して1.0×10-6〜1.0×10-2重量部程
度が好ましく、5.0×10-5〜1.0×10-3重量部
程度がさらに好ましい。
【0083】顔料の具体例としては、たとえば酸化チタ
ン、炭酸カルシウムもしくはカーボンブラックなどの無
機顔料;フタロシアニン系、キナクリドン系もしくはア
ゾ系などの有機顔料などがあげられるが、これらのみに
限定されるものではない。顔料の添加量は通常共重合体
に対して約200重量%までである。
【0084】硬化用組成物は、前記有機溶剤型組成物、
水分散型組成物、粉体型組成物、非水分散型ディスパー
ジョンなどの態様に調製できる。
【0085】この組成物は、溶剤溶解性に優れ、形成さ
れた塗膜は高度の耐候性を有し、耐汚染性や耐薬品性、
光学的性質、機械的性質、基材への密着性、耐熱黄変性
などに優れたものであり、通常の硬化用組成物と同じく
建材、内装材などの屋内用あるいは建材、自動車、航空
機、船舶、電車などの屋外用の塗料として金属、コンク
リート、プラスチックなどに直接、あるいはウォッシュ
プライマー、錆止め塗料、エポキシ塗料、アクリル樹脂
塗料、ポリエステル樹脂塗料などの下塗り塗料の上に重
ねて塗装することができる。さらにシーリング剤やフィ
ルム形成剤としても使用できる。
【0086】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0087】実施例1 容量3000mlのステンレス製オートクレーブに酢酸
ブチル1020g、安息香酸ビニル126.6g、4−
ヒドロキシブチルビニルエーテル231.6gおよびオ
クタノイルパーオキサイド39.2gを仕込み、0℃に
冷却したのち減圧−窒素置換の操作を3回繰り返した。
最後に再度減圧してテトラフルオロエチレン285.2
gを仕込んだ。撹拌下に67.5℃まで昇温し、その温
度で20時間反応させ、反応器内圧が17.5kg/c
2 Gから3.1kg/cm2 Gへ低下した時点で反応
を停止した。重合収率は92.3%であった。えられた
含フッ素共重合体を19F−NMR、 1H−NMRおよび
元素分析法で分析したところ、テトラフルオロエチレン
45%、安息香酸ビニル18%および4−ヒドロキシブ
チルビニルエーテル37%からなる共重合体であり、G
PCで測定した数平均分子量(Mn)は1.5×104
であった。この共重合体について、あとに説明するイソ
シアネートとの相溶性、アクリル樹脂との相溶性、およ
び耐熱黄変性の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0088】えられた共重合体10gの酢酸ブチル溶液
(濃度50%)に硬化剤として日本ポリウレタン(株)
製コロネートHX(NCO/OH=1.1)6.2gを
加えて硬化用組成物を調製した。この組成物をアルミニ
ウム板(JIS H 4000A−1050P AM−
712)上に塗布し、80℃で1時間加熱して硬化させ
ることにより塗膜を形成した。この塗膜について、つぎ
の耐候性、耐汚染性、光沢、硬度、対水接触角の試験を
行なった。結果を表1に示す。
【0089】[相溶性]共重合体を固形分33重量%と
なるように酢酸ブチルに溶解し、これに日本ポリウレタ
ン(株)製コロネートHXを水酸基/NCO(モル比)
が1.1になるように加える。共重合体を酢酸ブチルに
溶解し、固形分50%の溶液とする。これに三菱レイヨン
(株)製ダイヤナールLR−620を共重合体とアクリ
ル樹脂の重量比が1/1になるように混合する。この組
成物をポリエチレンテレフタレート製のフィルム上に塗
布して室温で放置し、溶媒が蒸発したのちの塗膜の状態
を目視で観察する。
【0090】A:透明(相溶性良好) B:少し白濁 C:不透明(相溶性不良) [耐熱黄変性]共重合の酢酸ブチル溶液(固形分濃度3
0重量%)を減圧下に140 ℃で3時間加熱したのちの着
色度(黄変)を目視により観察する。
【0091】A:無色透明 B:やや着色 C:著しく黄変 [対水接触角]協和科学(株)製の対水接触角測定器C
A−A型で測定する。
【0092】[耐候性]岩崎電気(株)製アイスパーU
VテスターW−13型(Light/Dew/Rest=11/11/
1HRを1サイクルとする)にて促進耐候性試験を50
0時間行なったのち、対水接触角保持率(%)をみる。
【0093】
【数1】
【0094】[耐汚染性]赤色のフェルトペン(サクラ
ペンタッチ(商品名))により10mm×10mmの面
積を塗りつぶし、24時間後にこれをエタノールで拭き
とり、インクの残存状態を目視で観察する。評価はつぎ
の段階で行なった。
【0095】A:完全に除去された。 B:わずかに残った。 C:やや残った。 D:著しく残った。
【0096】[光沢]JIS K 5400に準じて行
なう。
【0097】[硬度]JIS K 5400に準じて行
なう。
【0098】実施例2 表1に示す成分を用いて、実施例1と同様の手順により
共重合体を調製し、その塗膜を形成し、実施例1と同様
の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0099】実施例3 容量6000mlのステンレス製オートクレーブにイソ
プロピルアルコール610.1g、酢酸ブチル610.
1g、安息香酸ビニル33.2gおよび4−ヒドロキシ
ブチルビニルエーテル39.0gを仕込み、0℃に冷却
したのち減圧−窒素置換の操作を3回繰り返し、最後に
再度減圧にした。撹拌下に溶液を72.5℃まで昇温
し、テトラフルオロエチレンをオートクレーブ内圧が7
kg/cm2 Gになるまで仕込んだ。つづいてオクタノ
イルパーオキサイド91.5g、安息香酸ビニル36
1.8gおよび4−ヒドロキシブチルビニルエーテル4
24.6gの混合溶液を9時間かけて仕込んだ。この
間、テトラフルオロエチレンをオートクレーブ内圧が7
kg/cm2 Gに保たれるよう連続的に仕込み、仕込総
量が666.4gになったところで供給をやめた。連続
仕込終了後、溶液温度を80℃まで昇温し4時間たった
ところで重合を停止した。重合収率は90.1%であっ
た。えられた含フッ素共重合体を19F−NMR、 1H−
NMRおよび元素分析法で分析したところ、テトラフル
オロエチレン46%、安息香酸ビニル22%および4−
ヒドロキシブチルビニルエーテル32%からなる共重合
体であり、ほぼ分子末端に1個の割合でイソプロピルア
ルコール単位に由来する水酸基をもっていた。GPCで
測定したMnは0.22×104 であった。この共重合
体について実施例1と同様の試験を行なった結果を表1
に示す。
【0100】えられた共重合体を用いて実施例1と同様
の塗膜を形成した。この塗膜について実施例1と同様の
試験を行なった結果を表1に示す。
【0101】実施例4〜7 表1に示す成分を用いて、実施例3と同様の手順により
共重合体を調製し、その塗膜を形成し、実施例1と同様
の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0102】なお、表1,表2および表3中の単量体符
号はつぎのものであり、各数値はモル百分率を示す。
【0103】TFE :テトラフルオロエチレン HFP :ヘキサフルオロプロピレン CTFE:クロロトリフルオロエチレン VBz :安息香酸ビニル TVBz:p−t−ブチル安息香酸ビニル HBVE:4-ヒドロキシブチルビニルエーテル HEAE:2-ヒドロキシエチルアリルエーテル VPS :3-トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル VPi :ピバリン酸ビニル VeoVa :バーサチック酸ビニル(VeoVa-10 、シェル化学
社製) 5FVE:2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルビニルエーテ
ル EVE :エチルビニルエーテル
【0104】
【表1】
【0105】実施例8〜10 表2に示す成分を用いて、実施例1と同様の手順により
共重合体を調製し、その塗膜を形成し、実施例1と同様
の試験を行なった。結果を表2に示す。
【0106】実施例11 表2に示す成分を用いて、実施例1と同様の手順により
共重合体を調製した。この共重合体について実施例1と
同様の試験を行なった結果を表2に示す。
【0107】えられた共重合体10gの酢酸ブチル溶液
(濃度30%)にジブチルチンジラウレートの酢酸ブチ
ル溶液(濃度0.1%)を0.3g加えて硬化用組成物
を調製した。この組成物をアルミニウム板(JIS H
4000A−1050PAM−712)上に塗布し、
80℃で1時間加熱硬化させることにより塗膜を形成し
た。この塗膜について実施例1と同様の試験を行なった
結果を表2に示す。
【0108】実施例12および13 表2に示す成分を用いて、実施例1と同様の手順により
共重合体を調製し、実施例11と同様の手順により硬化
用組成物を調製し、塗膜を形成し、実施例1と同様の試
験を行なった。結果を表2に示す。
【0109】
【表2】
【0110】比較例1〜3 表3に示す成分を用いて、実施例1と同様の手順により
共重合体を調製し、実施例1と同様の手順により塗膜を
形成し、実施例1と同様の試験を行なった。結果を表3
に示す。
【0111】
【表3】
【0112】
【発明の効果】本発明の含フッ素共重合体は、硬化剤と
の相溶性やアクリル樹脂のような汎用樹脂との相溶性、
耐熱黄変性に優れ、その硬化塗膜は、耐候性、耐汚染
性、光沢、硬度および耐水接触角に優れている。また、
この含フッ素共重合体は塩素原子を含まないので環境問
題を惹き起こさない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田野 恵祐 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 義喜 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)テトラフルオロエチレンおよび/
    またはヘキサフルオロプロピレン単位30〜60モル
    %、 (B)安息香酸ビニルおよび/またはp−t−ブチル安
    息香酸ビニル単位10〜35モル%、および (C)官能基を有する単量体の単位10〜40モル%よ
    りなる含フッ素共重合体。
  2. 【請求項2】 (A)テトラフルオロエチレンおよび/
    またはヘキサフルオロプロピレン単位30〜60モル
    %、 (B)安息香酸ビニルおよび/またはp−t−ブチル安
    息香酸ビニル単位10〜35モル%、 (C)官能基を有する単量体の単位10〜40モル%、
    および (D)ビニルアルカンカルボキシレート、フルオロアル
    キルビニルエーテルおよびフルオロアルキルエチレンよ
    りなる群から選択される少なくとも一種の化合物1〜1
    5モル%よりなる含フッ素共重合体。
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