JP2712584B2 - 含フッ素共重合体及び塗料用組成物 - Google Patents

含フッ素共重合体及び塗料用組成物

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JP2712584B2 JP16710289A JP16710289A JP2712584B2 JP 2712584 B2 JP2712584 B2 JP 2712584B2 JP 16710289 A JP16710289 A JP 16710289A JP 16710289 A JP16710289 A JP 16710289A JP 2712584 B2 JP2712584 B2 JP 2712584B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、含フッ素共重合体及び塗料用組成物に関す
る。
[従来の技術] 自動車上塗り塗料用としては従来アルキド/メラミン
樹脂塗料、アクリルメラミン樹脂塗料などが使用されて
いるが、耐候性、撥水性などの点で必ずしも充分とはい
えず、長期間の美観を維持するためにワックスがけを入
念に行っているが、満足できるものではなかった。
かかる問題を解決するためにフルオロオレフィン、シ
クロヘキシルビニルエーテル、アルキルビニルエーテル
及びヒドロキシアルキルビニルエーテルの共重合物と多
塩基酸の無水物の反応によって得られる含フッ素共重合
体を塗料用組成物に用いることが提案されている(特開
昭61-200145)。
しかし、この場合の樹脂は、一般的な塗料用溶剤への
溶解性を付与するために、フルオロオレフィンを60モル
%以下にすることが必要とされている。その結果、樹脂
のフッ素含有量が一般のフッ素樹脂に比べて低い値とな
り、塗膜の煤塵などのつきにくさ、撥水撥油性など含フ
ッ素樹脂特有の表面特性はポリテトラフルオロエチレン
などに比べて必ずしも充分といえなくなる。
一方、塗膜の防汚性、撥水撥油性などを改良するため
に、フルオロオレフィンとビニルエーテルを必須構成成
分とし架橋部分を有する含フッ素共重合体100重量部当
り、該フッ素共重合体と共強化可能なポリフルオロアル
キル基含有重合体0.1〜30重量部が配合された塗料用樹
脂組成物が提案されている(特開昭61-152771)。
しかし該塗料用組成物から得られる塗膜は耐候性、防
汚性、撥水撥油性に優れるものの、リコート時の密着性
に劣るため塗膜の補修時にサンディングなどの前処理を
必要とするという欠点があった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、従来技術が有していた前述の問題点を解決
し、塗膜外観及び塗膜性能(例えば、耐候性、撥水性、
リコート密着性など)に優れた塗膜を与える塗料組成物
に使用される含フッ素共重合体を提供しようとするもの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明は、フルオロオレフィンに基づく重合単位
(1)を20〜60モル%、CF2=CFORf(Rfはパーフルオロ
アルキル基又はパーフルオロアルコキシアルキル基)で
表わされるパーフルオロビニルエーテルに基づく重合単
位(2)を1〜40モル%、水酸基を有する重合単位
(3)を5〜40モル%の割合で含み、水酸基を有する重
合単位(3)の少なくとも10モル%が第二級の水酸基を
有する重合単位(4)である含フッ素共重合体で、未架
橋状態でテトラヒドロフラン中30℃における固有粘度が
0.05〜2.0dL/gである含フッ素共重合体を提供する。
本発明のフッ素共重合体において、フルオロオレフィ
ンとしては、テトラフルオロエチレン、クロロトリフル
オロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピ
レンなど炭素数2〜4程度のフルオロオレフィンが好ま
しく採用される。特に、テトラフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレンのようなパーハロオレフィンが
好ましい。またフルオロオレフィンとしては1種単独で
あってもよく、また、複数種が併用されていてもよい。
また、パーフルオロビニルエーテルとしては、式CF2
=CFORfで表わされるものが採用される。ここでRfは直
鎖状、分岐状又は環状のパーフルオロアルキル基又はパ
ーフルオロアルコキシアルキル基である。Rfとしては、
炭素数1〜8のものを採用することが好ましい。Rfの炭
素数が大きすぎると、フルオロオレフィンや他の単量体
との共重合性が低下し、所望の重合体が得にくくなる。
具体的なRfとしては以下のものが例示される。
−CF3 −CF2 CF3 −CF2 CF2 CF3 −CF2 CF(CF3)CF3 −CF2 CF(CF3)OCF2 CF2 CF3 水酸基を有する重合単位(3)は、水酸基含有単量体
を共重合する、又は、重合体に水酸基を導入するなどの
方法で形成されうる。ここで、水酸基含有単量体として
は、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシア
ルキルアリルエーテルのような、水酸基含有エチレン性
不飽和単量体などがある。重合体に水酸基を導入する方
法としては、重合後、加水分解により水酸基を形成しう
る単量体を共重合した後、加水分解により水酸基を形成
せしめるなどの方法がある。
また、第二級の水酸基を有する重合単位は、第二級の
水酸基を有する単量体を共重合せしめる、又は第一級の
水酸基を第二級の水酸基に変換せしめるなどの方法によ
り形成される。ここで第二級の水酸基を有する単量体と
しては、次式で表わされる第二級の水酸基を有するビニ
ルエーテルなどがある。
CH2=CH−O−(CH2)n−CH(OH)−CH3 上式において、nは1以上の整数であるが、nがあま
りに大きくなると、塗膜がやわらかくなり、塗膜がベタ
ついたり汚れやすくなるため、好ましくない。好ましく
はnは1〜6の整数である。また、nが小さいと塗膜が
硬くなり塗膜が脆くなる傾向があるが、特に問題になる
ほどではない。特に好ましくは、nは1〜3の整数であ
る。また、nは異なる第二級の水酸基を有するビニルエ
ーテルの併用もできる。
かかる第二級の水酸基を有するビニルエーテルとして
は、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、3−ヒド
ロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシペンチル
ビニルエーテル等が例示される。
また、第一級の水酸基を第二級の水酸基に変換せしめ
る方法としては、プロピレンオキシドのようなアルキレ
ンオキシドを付加させるなどの方法がある。このアルキ
レンオキシドの付加反応は通常のポリエーテル化合物の
製造の際と同様の方法で行うことができる。
本発明の含フッ素共重合体は、フルオロオレフィンに
基づく重合単位(1)を20〜60モル%、CF2=CFORfで表
わされるパーフルオロビニルエーテルに基づく重合単位
(2)を1〜40モル%、水酸基を有する重合単位(3)
を5〜40モル%の割合で含有し、水酸基を有する重合単
位(3)の少なくとも10モル%が第二級の水酸基を有す
る重合単位(4)である。
重合単位(1)の割合が上記割合よりも少ないと、塗
料ベースとして使用した場合に充分な耐候性が得られ
ず、好ましくない。また、多いと、各種溶剤に対する溶
解性が低下し、塗料ベース又は塗料添加剤としての使用
が難しくなる。
また、重合単位(2)が上記割合で含まれているた
め、塗料ベース又は塗料添加剤として使用した場合に、
塗膜の優れた撥水撥油性、防汚性、非粘着性等が発揮さ
れる。重合単位(2)の割合が上記割合よりも少ないと
塗膜の性質が充分なものにならず、多いと溶剤に対する
溶解性が低下するため、塗料ベース又は塗料添加剤とし
ての使用が難しくなる。
重合単位(3)の割合が上記割合よりも少ないと塗料
ベースとして使用した場合に、硬化塗膜の耐溶剤性が低
下することがあまり好ましくない。また、多いと、塗膜
が固く脆いものになったり、硬化塗膜中に残存する水酸
基に基づく耐水性の低下の原因になったりするため好ま
しくない。
また、重合単位(3)の少なくとも10モル%が第二級
の水酸基を有する重合単位(4)であることが重要であ
る。重合単位(4)をこの割合で含有する本発明の含フ
ッ素共重合体は、これを用いて形成した塗膜上へ塗料を
再塗装した場合に優れた密着性が得られる。また、重合
単位(4)がこの割合で含まれているため、塗料に配合
して使用する場合にも、少量で表面改質の効果が得ら
れ、かつ、長期間にわたって表面特性の維持が達成され
る。
すなわち、従来知られている、ポリフルオロアルキル
基含有重合体を配合した場合には少量で改質硬化は得ら
れるが、再塗装性、長期耐久性に難点がある。第一級の
水酸基しか有しない、特開昭63-218715記載のような共
重合体の場合は、表面改良の硬化特性はされるが、少量
添加では充分な改良効果は得られず、再塗装性も悪いと
いう難点がある。本発明ではこれらが同時に解消される
ものである。さらに本発明の重合体を用いた塗膜は、特
開昭63-218715記載のような共重合体を用いた塗膜に比
べ鮮映性が優れるという利点がある。これも第二級の水
酸基を有するためであると考えられる。
また、本発明の含フッ素共重合体は、含フッ素共重合
体の融点又はガラス転移点を下げ、塗装作業性をさらに
向上せしめる、塗膜に適当な硬度、可撓性、光沢等の物
性を付与する、硬化剤、顔料、他の樹脂等との相溶性を
向上させるなどの目的に応じ、上記重合単位(1)〜
(4)の他に重合単位(5)が含まれていてもよい。
かかる重合単位(5)を形成せしめる共重量体として
は、フルオレフィンと共重合可能な程度に活性な不飽和
基を有し、塗膜の耐候性を著しく損なわないものが採用
される。
この共単量体としては、通常、エチレン性不飽和化合
物、例えば、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエー
テル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニ
ルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸
ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、シクロヘキサ
ンカルボン酸ビニル等のアルカンカルボン酸とビニルア
ルコールとのエステル類、エチルアリルエーテル、プロ
ピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチ
ルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等の
アルキルアリルエーテル類、エチレン、プロピレン、ブ
チレン、イソブチレン等のアルケン類、(メタ)アクリ
ル酸、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリ
ル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ルなどの(メタ)アクリル酸エステル類など、またこれ
らの部分的にフッ素置換された化合物などが挙げられ
る。
かかる共単量体は1種又は2種以上を選択して使用し
てもよい。また、共重量体としては、フルオロオレフィ
ンとの共重合性の優れるビニル系、アリル系化合物又は
アルケン類が好ましく採用される。またビニル系、アリ
ル系のアルキルエーテルを採用する場合、アルキル基は
炭素数2〜10程度の直鎖状、分岐状又は脂環状のアルキ
ル基であることが好ましい。
また、本発明の含フッ素共重合体は、水酸基以外に、
イソシアネート基と反応しうる基や、顔料分散性を向上
せしめる基、例えば、カルボン酸基、エポキシ基、アミ
ノ基などを有してもよい。これらの基を有する含フッ素
共重合体は、それらの基を有する単量体を共重合せしめ
る、又は、共重合体中の水酸基と多価カルボン酸無水物
と反応せしめてカルボン酸基を導入するなどの変性など
により製造できる。
また、重合単位(5)は、1種のみで構成されていて
もよく、また複数種で構成されていてもよい。かかる重
合単位(5)は含フッ素共重合体中、0〜60モル%の割
合であることが好ましい。重合単位(5)の割合が多す
ぎると塗料ベース又は塗料添加剤として使用した場合に
塗膜の充分な耐候性が得られなくなることがあり、好ま
しくない。
本発明の含フッ素共重合体は、未架橋状態でテトラヒ
ドロフラン中30℃における固有粘度(以下[η]とい
う)が0.05〜2.0dL/gである。[η]が上記範囲より小
さいものは、塗料ベースとして使用した場合、塗膜の強
度を得にくく、また大きいものは、塗料化、塗装作業性
等が悪く好ましくない。
上記のような共重合体は、所定割合の単量体混合物に
重合触媒の共存下又は非共存下に重合開始剤又は電離性
放射線などの重合開始源を作用せしめて共重合反応を行
なわしめることによって製造できる。
重合開始剤としては、重合形式又は重合媒体に応じ
て、水溶性のもの又は油溶性のものが適宜使用できる。
具体的には、水溶性開始剤としては、過硫酸カリウム
のような過硫酸塩、過酸化水素又はこれらと亜硫酸水素
ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムのような還元剤との組
み合わせからなるレドックス開始剤、さらにはこれらに
少量の鉄、第一鉄塩、硝酸銀等を共存させた系等の無機
系開始剤、又はジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸
パーオキシド、モノコハク酸パーオキシドのような二塩
基酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジン二塩酸塩等
の有機系開始剤が例示される。
油溶性開始剤としては、t−ブチルパーオキシイソブ
チレート、t−ブチルパーオキシアセテートのようなパ
ーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネートのようなジアルキルパーオキシジカー
ボネート、ベンゾイルパーオキシド、アゾビスイソブチ
ロニトリル等が例示される。
重合開始剤の使用量は、種類、共重合反応条件などに
応じて適宜変更でき、通常は共重合されるべき単量体全
量に対して0.005〜5重量%、特に0.05〜0.5重量%程度
が採用される。
上記共重合反応に際して、反応形式としては特に限定
されず、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等が
採用できる。重合操作の安定性、生成共重合体の分離の
容易性等から、水性媒体中での乳化重合又はt−ブタノ
ール等のアルコール類、エステル類、1個以上のフッ素
原子を含む飽和ハロゲン化炭化水素類、キシレン等の芳
香族炭化水素等の溶媒とする溶液重合等が好ましく採用
される。
なお、水性媒体中で共重合反応を行わせる場合には、
塩基性緩衝剤を添加して、重合中の液のpH値を4以上、
好ましくは6以上であるようにすることが好ましい。溶
液重合による場合にも塩基性物質の添加は有効である。
また、これらの方法は回分式、半連続式、連続式等の
操作によって行いうる。
かかる共重合反応に際しては、共重合反応温度は−30
℃〜+150℃の範囲内で重合開始剤、重合媒体等の種類
等に応じて適宜最適値が選定でき、水性媒体中で共重合
反応を行わせる場合には0℃〜+100℃、好ましくは10
℃〜90℃程度が採用されうる。また、反応圧力は適宜選
定でき、通常は1〜100kg/cm2、特に2〜50kg/cm2程度
を採用するのが望ましい。
また、生成共重合体の固有粘度を前記範囲に抑えるた
めに、連鎖移動定数の比較的大きい反応媒体を使用した
り、適宜連鎖移動剤の共存下に共重合反応を行わしめる
ことが好ましい。
本発明の含フッ素共重合体は、耐候性、撥水撥油性、
防汚性、非粘着性を有する塗膜を与える塗料ベース又は
塗料添加剤として有用である。特に他の合成樹脂塗料に
本発明の含フッ素共重合体を添加した場合、本発明の含
フッ素共重合体は塗膜表面に配向する傾向があるため、
表面層に本発明の含フッ素共重合体に基づく塗膜層が形
成されることになる。
したがって、本発明の含フッ素共重合体は、合成樹脂
塗料に少量添加した場合でも、優れた耐候性、撥水撥油
性、防汚性などの塗膜物性を達成できる。
合成樹脂塗料に本発明の含フッ素共重合体を添加して
使用する場合、塗膜形成性樹脂成分100重量部当り本発
明の含フッ素共重合体を1〜40重量部配合して塗料用組
成物とすることが好ましい。
含フッ素共重合体の配合量が少ないと塗膜に優れた諸
性質を付与できず、また、あまりに多く配合しても改良
硬化の向上が望めず、コストアップ等経済的に不利にな
ることがあり好ましくない。特に配合量を3〜30重量%
とすることが好ましい。ここで、合成樹脂塗料として
は、アクリル系、ウレタン系、フッ素系、フェノール
系、エポキシ系、シリコーン系などの一般の合成樹脂塗
料の全般が採用される。
また、上記のような本発明の含フッ素共重合体が配合
された塗料用組成物による上塗り塗装が施された鋼板は
自動車外板としてきわめて有用である。通常このような
自動車外板は、意匠性等のため、合成樹脂塗料により中
塗り塗装が施されている。本発明の含フッ素共重合体の
配合された塗料用組成物による上塗り塗装は、中塗り塗
料の乾燥、硬化前の塗装、いわゆるウエットオンウエッ
ト塗装でもよく、中塗り塗料の乾燥、硬化後の塗装、い
わゆるドライオンウエット塗装でもよい。さらに、合成
樹脂塗料が塗装されて、使用されているものに上塗り塗
装してもよい。
本発明の含フッ素共重合体が配合された塗料による上
塗り塗装が施された自動車用外板は、撥水撥油性、防汚
性などの優れた性質が長期にわたって持続するため、洗
浄、ワックスがけといった作業を軽減できる。またこの
自動車用外板はリコート性が優れるため、キズが生じた
場合の補修も容易にすることができる。
本発明の含フッ素共重合体は塗料ベースとしても使用
できる。本発明の含フッ素共重合体を塗料ベースとして
使用する場合は、硬化剤などを配合して塗料用組成物と
することが好ましい。
ここで、硬化剤としては、通常塗料用硬化剤として使
用されている、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソ
シアネート系硬化剤、アミノプラスト系硬化剤、金属ア
ルコキシドなど、さらには、シランカップリング剤のよ
うなカップリング剤などが採用できる。また、硬化反応
を促進する硬化触媒が適宜配合されていてもよい。
また、この他に、各種機能を付与する紫外線吸収剤、
光安定剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、安定剤、着
色剤などの添加剤が配合されていてもよい。これらは、
液状担体に溶解又は分散されていると、塗装の作業上か
ら好ましい。液状担体としては水系、有機溶剤系などが
あるが、上記配合物及び含フッ素共重合体が液状担体に
不溶、非分散性の場合には、適当な分散剤、例えば界面
活性剤を用いて分散せしめることが好ましい。
[実施例] 以下に実施例・比較例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、かかる実施例・比較例によって、本発明は限定
されない。
「例1(実施例)」 内容積200mLのステンレス製撹拌機付オートクレーブ
にキシレン50.7g、エタノール50.7g及び第1表に示す割
合のパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(以下PP
VEという)、シクロヘキシルビニルエーテル(以下CHVE
という)、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(以下
4−HBVEという)、3−ヒドロキシブチルビニルエーテ
ル(以下3−HBVEという)及び炭酸カリウム0.8g、t−
ブチルパーオキシピバレート0.1gを仕込み、液体窒素に
よる固化・脱気により、溶存酸素を除去した。しかるの
ちに第1表に示す割合のクロロトリフルオロエチレン
(以下CTFEという)をオートクレーブ中に導入し、徐々
に昇温した。
オートクレーブ中の温度が65℃に達した後、24時間撹
拌下に反応を続けた後、オートクレーブを氷冷し、反応
を停止した。室温に達した後、未反応モノマーをパージ
し、オートクレーブを開放した。
得られた重合体を水/メタノール(1:1)中に投入
し、上澄み液を除去した後60℃に加熱し、1mmHgの減圧
下で24時間かけて乾燥後、衝撃式ハンマーキルで粉砕
し、含フッ素共重合体を得た。第2表に、得られた含フ
ッ素共重合体の19F‐NMRスペクトルによる測定結果から
計算された該含フッ素共重合体の組成(上段)と、テト
ラヒドロフラン中30℃で測定した固有粘度[η]の値
(下段)を示す。
「例2〜3(実施例)」 単量体の種類と割合が第1表に示すとおりである他は
全て例1と同様に行った。第2表に得られた共重合体の
組成と[η]の値を示す。
「例4(実施例)」 内容積2Lのステンレス製撹拌機付オートクレーブにキ
シレン960g、エタノール270g、及び第1表に示す割合の
PPVE、CHVE、4-HBVE及び炭酸カリウム6.2g、2−ブチル
パーオキシピバレート1.4gを仕込み、氷冷下で脱気して
溶存酸素を除去した。しかるのちに第1表に示す割合の
CTFEをオートクレーブ中に導入し、徐々に昇温した。オ
ートクレーブ内の温度が65℃に達した後、24時間撹拌を
続け、オートクレーブを氷冷して反応を停止した。
未反応モノマーをパージし、反応器を開放した後、反
応液を濾過後、エバポレータで溶剤を除き、含フッ素共
重合体を得た。第2表にこの含フッ素共重合体の組成及
び[η]の値を示す。
次いで内容積2Lのステンレス製撹拌機付オートクレー
ブにこの含フッ素共重合体を500g、95%濃度の水酸化カ
リウム3gを仕込み、プロピレンオキシド50gを徐々に加
えて行く。110℃で10時間反応を行い、得られた透明褐
色液体を合成マグネシアで精製し、含フッ素共重合体を
得た。13C‐NMRの測定結果から、この含フッ素共重合体
は全水酸基中、第二級の水酸基を10モル%以上有するも
のであることが確認された。また、このものの[η]は
0.11であった。
「例5(比較例)」 例4においてプロピレンオキシドを付加しない他は、
例4と同様に行った。
「例6(比較例)」 単量体の割合が第1表に示す割合で、パーフルオロビ
ニルエーテルを含まない他は全て例1と同様に行った。
さらに各例で得られた含フッ素共重合体100部にキシ
レン110部とイソシアネート硬化剤(日本ポリウレタン
社製「コロネートEH」)を[OH]/[NCO]=1/1となる
ように配合した塗料組成物とした後、0.8mm厚のアルミ
ニウム板(三菱アルミニウム社製“5052-H34")のクロ
メート処理した面に、フィルムアプリケータにより乾燥
膜厚が20〜30μmとなるように塗布し、140℃で30分間
熱硬化させた。得られた塗膜について試験を行った結果
を第3表に示す。
リコート付着製(碁盤目試験):一旦形成した塗膜の上
に再度同じ塗料組成物を塗装し、塗膜に1mmの間隔で100
個の碁盤目をつくり、#400のサイディングペーパーで
サンディングし、セロハン粘着テープによるひきはがし
を行い、残った碁盤目の数で評価。
撥水製:水の接触角(単位:度)で評価。
汚れ落ち性:1ヶ月の屋外曝露後、水拭き洗浄を行い汚れ
の落ち具合をみる。
貯蔵安定性:50℃で1ヶ月間貯蔵し、E型粘度計により
粘度を測定する。
「例7〜8(実施例)、例9〜10(比較例)」 合成樹脂塗料(旭硝子製ルミフロンLT-200を主成分と
し、イソシアネート系硬化剤を含む)に第4表に示す添
加量(塗料樹脂100重量部当りの添加量)で例1の含フ
ッ素共重合体(ただし例10においては例5で得られた第
二級の水酸基を持たない含フッ素共重合体)を添加し、
撹拌混合し、塗料用組成物を得た。この塗料用組成物に
ついて、第3表脚注と同様の塗装を行い、得られた塗膜
の物製を第4表に示す。
「例11(実施例)」 例7の塗料用組成物を自動車外板の一部に塗装したと
ころ、この部分は、他の部位に比べ、撥水性等で明らか
に優位性があることが確認された。
[発明の効果] 本発明の含フッ素共重合体はパーフルオロ基を有して
いるために従来の溶剤可溶型含フッ素共重合体に比べ塗
膜の撥水撥油性等に優れ、かつ第二級の水酸基を有して
いるために、易洗浄性及びリコート付着性に優れるの
で、特に自動車用などの塗料用樹脂として用いた場合に
優れた効果を発揮する。また第一級の水酸基のみを含有
する含フッ素共重合体に比べ、ワニスの貯蔵安定性に優
れるという効果も認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 201/00 C09D 201/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィンに基づく重合単位
    (1)を20〜60モル%、CF2=CFORf(Rfはパーフルオロ
    アルキル基又はパーフルオロアルコキシアルキル基)で
    表わされるパーフルオロビニルエーテルに基づく重合単
    位(2)を1〜40モル%、水酸基を有する重合単位
    (3)を5〜40モル%の割合で含み、水酸基を有する重
    合単位(3)の少なくとも10モル%が第二級の水酸基を
    有する重合単位(4)である含フッ素共重合体で、未架
    橋状態でテトラヒドロフラン中30℃における固有粘度が
    0.05〜2.0dL/gである含フッ素共重合体。
  2. 【請求項2】塗膜形成性樹脂成分100重量部当り、請求
    項1の含フッ素共重合体が1〜40重量部配合された塗料
    用組成物。
  3. 【請求項3】合成樹脂塗料により形成された中塗り塗装
    上に、請求項2の塗料用組成物による上塗り塗装が施さ
    れた自動車外板。
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