JP4213257B2 - 含フッ素共重合体及びその製造方法 - Google Patents

含フッ素共重合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は保存安定性、基材との密着性に優れ、フッ素樹脂の特徴である耐汚染性、耐薬品性、耐候性等の優れた特徴を有し、かつ1液硬化型フッ素樹脂塗料として使用出来る新規な含フッ素共重合体、ならびに基材との密着性(金属表面との密着性、重ね塗り性等)、撥水性においてさらに改善された類似の含フッ素共重合体に関し、さらにはそれらを主成分とするフッ素樹脂塗料、ワニスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
硬化性官能基を含む含フッ素共重合体は、一般的に水酸基を有するものであり、例えばヒドロキシアルキルビニルエーテルとフルオロオレフイン、また必要に応じてアルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステル等を溶液重合して得られ、得られた反応液はそのままあるいは芳香族炭化水素類や塗料用シンナーで希釈されて硬化型塗料用ベースとして用いられている。
【0003】
かかる含フッ素共重合体をベースとする塗料は、一般的な塗料溶剤への溶解性を得るために、炭化水素モノマーを40%以上含んでいる。そのため樹脂中のフッ素含有量が低下し、含フッ素樹脂に求められる撥水性、耐汚染性等の塗膜特性が充分ではない。
【0004】
一方、該含フッ素共重合体に少量のポリフルオロアルキル基含有共重合体を混合することにより、撥水性、耐汚染性は向上する。しかし、その塗膜表面の特性から基材との密着性、特に部分補修時に必要とされる重ね塗り性が充分ではなく、塗膜の補修時にはサンディング等の前処理が必要である。
【0005】
また、該含フッ素共重合体を、常温で硬化させる場合にはイソシアネート等と混合して使用する。そのため、作業前に2液を混合する必要があり、混合後は可使時間内で作業を終了しなければならない。
【0006】
また、該含フッ素共重合体とメラミン樹脂を混合すれば1液型硬化性樹脂として使用できるが、この架橋構造は、現在環境問題の一つである酸性雨に対して弱いことが問題となっている。
【0007】
また、含フッ素共重合体中にエポキシ基とカルボキシル基を含有させるべく重合を行っても、重合中に架橋反応が起こり、ゲル化してしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は従来の硬化性含フッ素共重合体が有していた前述の問題点を解決すべく鋭意検討を行った結果、フッ素樹脂塗膜の優れた特徴(耐汚染性、耐薬品性、耐候性等)を有し、保存安定性、基材との密着性に優れ、1液型硬化性としても使用出来る新規な含フッ素共重合体、また基材との密着性(金属表面との密着性、重ね塗り性等)と撥水性において特に優れた類似の含フッ素共重合体と、それらを主成分とするフッ素系塗料、ワニスを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1態様は、フルオロオレフィン、一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルを必須の構成成分とすることを特徴とした保存安定性、基材との密着性、耐汚染性、耐薬品性、耐候性に優れた1液硬化型としても使用出来る含フッ素共重合体およびその製造法に関するものである。
【0010】
【化5】
Figure 0004213257
(ここで、R1、R2は水素原子あるいはメチル基、n,pは0〜11、R3は炭素数1〜18のアルキル基、R4は水素原子あるいは炭素数1〜18のアルキル基あるいは一般式(2)で示される基;
【化6】
Figure 0004213257
ここで、R5は炭素数1〜18のアルキル基、m,pは0〜11)。
【0011】
すなわち、本発明の第1態様は重合単位として、フルオロオレフィンが15〜85モル%であり、一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルが2〜50モル%含まれていることを特徴とする保存安定性、基材との密着性に優れ、1液硬化型としても使用出来る含フッ素共重合体及びその製造方法である。またこの含フッ素共重合体を主成分とする耐汚染性、耐薬品性、耐候性などに優れた塗膜を与えるフッ素系塗料、ワニスを提供するものである。
【0012】
本発明第2態様は、フルオロオレフィン、炭素数4〜12のアルキル基を有するパーフルオロアルキルアクリレート系単量体、一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルを必須の構成成分とすることを特徴とした基材との密着性(金属との密着性、重ね塗り性等)、撥水性、耐汚染性、耐薬品性、耐候性に優れた1液型硬化性としても使用出来る含フッ素共重合体およびその製造法に関するものである。
【0013】
【化7】
Figure 0004213257
(ここで、R1、R2は水素原子あるいはメチル基、n,pは0〜11、R3は炭素数1〜18のアルキル基、R4は水素原子あるいはメチル基あるいは炭素数1〜18のアルキル基あるいは一般式(2)で示される基;
【化8】
Figure 0004213257
ここで、R5は炭素数1〜18のアルキル基、m,pは0〜11)
すなわち、本発明の第2態様は重合単位として、フルオロオレフィンが15〜85モル%、炭素数4〜12のアルキル基を有するパーフルオロアルキルアクリレート系単量体が0.1〜20モル%、一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルが2〜50モル%含まれていることを特徴とする基材との密着性(金属との密着性、重ね塗り性等)、撥水性に優れる1液型硬化性としても使用出来る含フッ素共重合体およびその製造方法である。またこの含フッ素共重合体を主成分とする基材との密着性(金属への密着性、重ね塗り性等)、撥水性、耐汚染性、耐薬品性、耐候性などに優れた塗膜を与えるフッ素系塗料、ワニスを提供するものである。
【0014】
本発明の第1及び第2態様の共重合体において、フルオロオレフィンとしては、分子中に一つ以上のフッ素原子を有するオレフインであって、例えばフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等が好適である。これらのフルオロオレフィンは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0015】
本発明の第2態様の共重合体において使用する炭素数4〜12のアルキル基を有するパーフルオロアルキルアクリレート系単量体としては、例えば、
CH2=C(CH3)CO22449
CH2=C(CH3)CO224613
CH2=C(CH3)CO224817
CH2=C(CH3)CO2241021
CH2=C(CH3)CO2241225
CH2=CHCO22449
CH2=CHCO224613
CH2=CHCO224817
CH2=CHCO2241021
等が挙げられる。特に、 CH2=C(CH3)CO224817(2−(パーフルオロオクチル)エチルメタクリレート)、CH2=CHCO22HCH2=CHCO224817(2−(パーフルオロオクチル)エチルアクリレートが好ましい。これらのパーフルオロアルキルアクリレート系単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0016】
本発明の第1及び第2態様の共重合体で使用の一般式(1)のヘミアセタールエステルは、酸性リン酸エステルを触媒に使用し、常温で17時間〜20時間、不飽和カルボン酸とアルキルビニルエーテル又はアルキルアリルエーテルを1:1.5〜1:2.0(モル比)で反応させて得ることができる。
【0017】
不飽和カルボン酸は下記一般式(3)で表される不飽和カルボン酸から選択する:
【化9】
Figure 0004213257
(ここで、R6は水素原子あるいはカルボキシル基、m,nは0〜11)。
【0018】
前記一般式(3)で表される化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、チグリン酸等が挙げられる。
【0019】
アルキルビニルエーテル又はアルキルアリルエーテルは、下記一般式(4)で表されるエーテルから選択する:
【化10】
CH2=CH−(CH2p−O−R7 (4)
(ここで、R7は炭素数1〜18のアルキル基、pは、0〜11)。
【0020】
前記一般式(4)で表される化合物の例としては、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、アリルエチルエーテル、アリルn−プロピルエーテル等が挙げられる。
【0021】
本発明の第1の態様は、重合単位として、フルオロオレフィンを15〜85モル%、及び 一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルを2〜50モル%含むことを特徴とする含フッ素共重合体である。また、その残部がアルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、(メタ)アクリル酸エステルの内から選択された一種によって構成されてもよい含フッ素共重合体である。
【0022】
本発明の第2の態様は、重合単位として、フルオロオレフィンを15〜85モル%、炭素数4〜12のアルキル基を有するパーフルオロアルキルアクリレート系単量体を0.1〜20モル%、及び一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルを2〜50モル%含むことを特徴とする含フッ素共重合体である。また、その残部がアルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの内から選択された一種によって構成されてもよい含フッ素共重合体である。
【0023】
本発明の第1及び第2態様の含フッ素共重合体に導入しうるアルキルビニルエーテルの具体例としては、エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、グリシジルオキシメチルビニルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、グリシジルオキシブチルビニルエーテル、グリシジルオキシペンチルビニルエーテル、グリシジルオキシシクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
【0024】
また、アルキルアリルエーテルの具体例としては、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロへキシルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、n−プロピルアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、3−アリルオキシ−1,2プロパンジオール、グリセロールモノアリルエーテル等が挙げられる。
【0025】
また、アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシブチル等が挙げられる。
【0026】
また、メタアクリル酸エステルの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸t−ブチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
【0027】
本発明の第1の態様の含フッ素共重合体は、保存安定性、基材との密着性に優れ、耐汚染性、耐薬品性、耐候性などに優れた塗膜を形成することができるが、さらにこれらの単位に加えて、使用目的などに応じて20モル%を越えない範囲で他の共重合可能な単量体単位を含むこともできる。
【0028】
該共重合可能な単量体としては、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のアルカンカルボン酸とビニルアルコールとのエステル類が挙げられる。
【0029】
本発明の第1の態様の含フッ素共重合体は、必須構成成分として、フルオロオレフィンを15モル%〜85モル%、一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルを2〜50モル%の割合で含有する。
【0030】
該第1態様の含フッ素共重合体において重合単位フルオロオレフィンが15モル%より少ない場合には、塗料ベースとして使用した場合に、十分な耐汚染性が得られず好ましくない。また85モル%より多い場合には各種溶剤に対する溶解性が低下し好ましくない。好ましくは30〜80モル%、さらに好ましくは55〜75モル%である。
【0031】
またヘミアセタールエステルの割合が2モル%より少ないと、基材との密着性が低下し好ましくなく、50モル%より多い場合には十分な耐汚染性、耐薬品性が得られず好ましくない。好ましくは5〜30モル%、さらに好ましくは10〜25モル%である。
【0032】
本発明の第2の態様の含フッ素共重合体は、基材との密着性(金属との密着性、重ね塗り性等)、撥水性、耐汚染性、耐薬品性、耐候性などに優れた塗膜を形成することができるが、さらにこれらの単位に加えて、使用目的などに応じて20モル%を越えない範囲で他の共重合可能な単量体単位を含むこともできる。
【0033】
該共重合可能な単量体としては、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロオレフィン類、酢酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のアルカンカルボン酸とビニルアルコールとのエステル類が挙げられる。
【0034】
本発明の第2の態様の含フッ素共重合体は、必須構成成分として、フルオロオレフィンを15モル%〜85モル%、炭素数4〜12のアルキル基を有するパーフルオロアルキルアクリレート系単量体を0.1〜20モル%、一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルを2〜50モル%の割合で含有する。
【0035】
該第2態様の共重合体において、第1態様と同様に、重合単位フルオロオレフィンが15モル%より少ない場合には、塗料ベースとして使用した場合に、十分な耐汚染性が得られず好ましくない。また85モル%より多い場合には各種溶剤に対する溶解性が低下し好ましくない。
【0036】
該第2態様の共重合体において、パーフルオロアルキルアクリレート系単量体が0.1モル%より少ない場合には、充分な撥水性が得られず、20モル%より多いと重合困難となり、好ましくない。
【0037】
またヘミアセタールエステルの割合が2モル%より少ないと、基材との密着性、特に重ね塗り性が低下し好ましくなく、50モル%より多い場合には十分な耐汚染性、耐薬品性が得られず好ましくない。
【0038】
本発明の第1及び第2の両態様の含フッ素共重合体の分子量は500〜50000が望ましい。分子量500未満のものは塗料ベースとして使用した場合、塗膜の強度が低く、また50000を越えるものは塗料化、塗装作業性等が悪くなり好ましくない。
【0039】
本発明の第1及び第2態様の硬化性含フッ素共重合体は、所定割合の単量体混合物を、重合開始剤を用い共重合させることにより製造することができる。
【0040】
該重合開始剤としては、重合形式や所望に応じて用いられる溶媒の種類に応じて、水溶性のものあるいは油溶性のものが適宜用いられる。
【0041】
油溶性開始剤としては、例えばt−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル型過酸化物、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、などのジアルキルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなどが用いられる。
【0042】
また、水溶性重合開始剤としては、例えば過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせからなるレドックス開始剤、さらには、これらに少量の鉄、第一鉄塩、硝酸銀等を共存させた無機系開始剤やコハク酸パーオキサイド、ジグルタル酸パーオキサイド、モノコハク酸パーオキサイドなどの二塩基酸塩などの有機系開始剤等が用いられる。
【0043】
これらの重合開始剤の使用量は、その種類、共重合反応条件などに応じて適宜選ばれるが、通常使用する単量体全量に対して、0.005〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲で選ばれる。
【0044】
また、重合方法については特に制限はなく、例えば塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等を用いることが出来るが、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル等のエステル類、フッ素原子1個以上有する飽和ハロゲン化炭化水素類等を溶媒とする溶液重合法や水性媒体中での乳化重合法等が好ましい。
【0045】
本発明の含フッ素共重合体を溶液重合法により得るための特に好ましい溶媒としては酢酸エチル、酢酸ブチルが挙げられる。
【0046】
水性媒体中で共重合させる場合には、通常分散安定剤として懸濁剤や乳化剤を用い、かつ塩基性緩衝剤を添加して、重合中の反応液のpH値を4以上、好ましくは6以上にすることが望ましい。
【0047】
該共重合反応における反応温度は、通常−30℃〜150℃での範囲内で重合開始剤や重合媒体の種類に応じて適宜選ばれる。例えば溶媒中で共重合を行う場合には、通常0〜100℃、好ましくは10〜90℃の範囲で選ばれる。また、反応圧力については特に制限はないが、通常1〜100kg/cm2、好ましくは1〜50kg/cm2の範囲で選ばれる。さらに、該共重合反応は、適当な連鎖移動剤を添加して行うことができる。
【0048】
本発明の第1及び第2の両態様の含フッ素共重合体は、エポキシ樹脂等と混合して1液型硬化性フッ素樹脂塗料として使用できる。該フッ素樹脂塗料は、官能基であるカルボキシル基がアルキルビニルエーテルあるいはアルキルアリルエーテルのようなエーテルによりブロックされているので、常温では硬化反応を起こさず、良好な保存安定性を示す。カルボン酸とエーテルの解離反応は140℃以上の温度で容易に進行する。また、ブレンステッド酸、ルイス酸等の触媒添加によって硬化を促進させることが可能である。
【0049】
混合するエポキシ樹脂は、従来より塗料用に使用されているものが挙げられる。市販のエポキシ樹脂には、アデカレジンEP−4000、4005、1307、5100、4340[旭電化工業(株)製]等がある。
【0050】
触媒の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル等のリン酸アルキルモノエステル及びジエステル等のブレンステッド酸、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ等の金属ハロゲン化物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズエステルマレート、2−エチルヘキシル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸鉄、オクチル酸スズ、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等の有機金属化合物等のルイス酸、前述のブレンステッド酸をトリエチルアミン、ピリジン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、トリエタノールアミン等の塩基で中和した化合物が挙げられる。
【0051】
また、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のような脂肪族アミン類またはその変成物やメタフェニレンジアミン、p,p’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノフェニルスルホン等のような芳香族アミン類またはその変成物や無水フタル酸、無水マレイン酸、無水修酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピメリン酸等の多価のカルボン酸またはその無水物等も触媒として使用できる。
【0052】
特に多塩基酸、あるいはその無水物を用いる場合には、本発明の含フッ素共重合体と加熱混合後、乾燥、粉砕して粉体塗料として使用できる。
【0053】
また本発明の第1及び第2の態様の含フッ素共重合体に硬化性部位が含有されている場合には、該共重合体のみで140℃以上の温度により硬化することができるが、必要に応じて前述触媒を使用しても良い。
【0054】
さらに、本発明の第1及び第2の態様の含フッ素共重合体は多価イソシアネート類を用いて常温で硬化させることもできる。該多価イソシアネート類としては例えばへキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の無黄変性ジイソシアネートやその付加物、イソシアヌレート類を有する多価イソシアネートが好ましく挙げられるが、これらの中でイソシアヌレート類を有する多価イソシアネートが特に有効である。イソシアネート類を用いて常温硬化を行わせる場合には、ジブチルスズジラウレート等の公知触媒の添加によって硬化を促進させることも可能である。
【0055】
本発明の第1の態様の含フッ素共重合体を主成分とするフッ素樹脂塗料又は硬化性フッ素樹脂塗料を製造する場合には種々の溶媒が使用可能であり、例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類、市販の各種シンナー類等が挙げられるが、酢酸ブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレンが特に好ましい。また、必要に応じてアクリル樹脂、エポキシ樹脂を添加することが可能で、これら他樹脂に対して含フッ素共重合体を塗料中に5〜80重量%、特に20〜60重量%含むように調節して使用するのが好ましい。
【0056】
本発明の第2の態様の含フッ素共重合体を主成分とする硬化性フッ素樹脂塗料を製造する場合には種々の溶媒が使用可能であり、例えばキシレン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エチルセロソルブ等のグリコールエーテル類、市販の各種シンナー類等が挙げられるが、酢酸ブチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレンが特に好ましい。
【0057】
また、本発明の第2の態様の含フッ素共重合体は、基材との密着性(金属との密着性、重ね塗り性等)、撥水性、耐汚染性に優れた塗膜を与える塗料ベース又は塗料添加剤として使用可能でこれらの他の樹脂に対して含フッ素共重合体を塗料中に任意の割合で混合することが出来る。塗料添加剤として使用する場合には、塗料中に1〜30重量%含むように調節して使用するのが好ましい。
【0058】
本発明の含フッ素共重合体と溶媒との混合は、ボールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、3本ロールミル、ニーダー等の通常の塗料化に用いられる種々の機器を用いて行うことができる。この際、必要に応じてアクリル樹脂、顔料、分散安定剤、粘度調節剤、レベリング剤、紫外線吸収剤などを添加することもできる。
【0059】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。実施例1〜7は第1態様、実施例8〜15は第2態様の含フッ素共重合体に係る。
【0060】
【実施例1】
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、フッ化ビニリデン(以下VDFと略す)47.0g、テトラフルオロエチレン(以下TFEと略す)99.0g、下記構造式で示されるヘミアセタールエステルA53.4g、エチルビニルエーテル(以下EVEと略す)26.7g、酢酸ブチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.13gを仕込み、撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
【化11】
Figure 0004213257
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は197g、モノマー反応率は87%であった。得られたポリマーの燃焼法によるフッ素含有量は43%、GPCで測定した数平均分子量は1.9×104、酸価は105KOHmg/gの樹脂であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
上記50%酢酸ブチル溶液とアデカレジンEP−4005(エポキシ当量510)をヘミアセタールエステルとエポキシ基の比が1/1となるように混合し、これにヘミアセタールエステルに対して2.5eq%の2−エチルヘキシル酸亜鉛を添加した。
上記50%酢酸ブチル溶液及び混合溶液の保存安定性、混合共重合体の硬化塗膜の基材との密着性を調べた。結果を表1に示す。
【0061】
[保存安定性] 上記50%酢酸ブチル溶液、混合溶液をそれぞれガラス瓶に入れ密栓した後50℃に保ち溶液の粘度変化を経時に調べたところ、両者につき30日後も粘度の増加はほとんど見られず、実質的に初期粘度のままであった。
【0062】
[基材との密着性] 上記混合溶液をJIS.H.4000のアルミニウム板上にアプリケーターにより塗布し、140℃で30分熱処理した厚さ25μの試験片を作成し、JIS−K5400 6.15(ゴバン目セロテープ(登録商標)試験)により、測定した。結果を表1に示す。
【0063】
【実施例2】
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF40.0g、TFE74.0g、下記構造式のヘミアセタールエステルB73.4g、シクロヘキシルビニルエーテル(以下CHVEと略す)31.1g、ブチルビニルエーテル(以下BVEと略す)49.5g、酢酸ブチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.34gを仕込み、撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
【化12】
Figure 0004213257
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は241g、モノマー反応率は90%であった。得られたポリマーの燃焼法によるフッ素含有量は26%、GPCで測定した数平均分子量は2.1×104、酸価は86KOHmg/gの樹脂であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
実施例1と同様に、上記50%酢酸ブチル溶液とアデカレジンEP−4005との混合溶液を調整した。上記50%酢酸ブチル溶液及び混合溶液の保存安定性、混合共重合体の硬化塗膜の透明性、塗膜特性を表1に示す。
【0064】
【実施例3】
内容積1Lのステンレス製撹伴機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF40.0g、TFE74.0g、下記構造式のヘミアセタールエステルC63.8g、CHVE31.1g、BVE49.5g、酢酸エチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.27gを仕込み、撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
【化13】
Figure 0004213257
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は235g、モノマー反応率は91%であった。得られたポリマーの燃焼法によるフッ素含有量は28%、GPCで測定した数平均分子量は1.7×104、酸価は110KOHmg/gの樹脂であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
実施例1と同様に、上記50%酢酸ブチル溶液とアデカレジンEP−4005との混合溶液を調整した。上記50%酢酸ブチル溶液及び混合溶液の保存安定性、混合共重合体の硬化塗膜の透明性、塗膜特性を表1に示す。
【0065】
【比較例1】
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF47.0g、TFE62.0g、EVE26.7g、BVE37.1g、メタクリル酸(以下MAと略す)31.9g、酢酸ブチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.02gを撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は176g、モノマー反応率は86%であった。得られたポリマーの燃焼法によるフッ素含有量は32%、GPCで測定した数平均分子量は1.9×104、酸価は118KOHmg/gの樹脂であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
実施例1と同様に上記50%酢酸ブチル溶液及び混合溶液の保存安定性、混合共重合体の硬化塗膜の基材との密着性を調べた。結果を表1に示す。
【0066】
[保存安定性] 上記50%酢酸ブチル溶液、混合溶液をそれぞれガラス瓶に入れ密栓した後50℃に保ち溶液の粘度変化を経時に調べた。50%酢酸ブチル溶液は、30日後も粘度の増加はほとんど見られず、実質的に初期粘度のままであったが、混合溶液は、14日でゲル化した。
【0067】
【実施例4】
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF47.0g、TFE74.0g、ヘミアセタールエステルA71.2g、アリルグリシジルエーテル(以下AGEと略す)56.4g、酢酸ブチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.25gを仕込み、撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は222g、モノマー反応率は89%であった。得られたポリマーの塩酸−ジオキサン法によって測定したエポキシ当量は460、燃焼法によるフッ素含有量は30%、GPCで測定した数平均分子量は1.9×104であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
また上記50%酢酸ブチル溶液の保存安定性、共重合体の硬化塗膜の透明性、基材との密着性を次の方法で調べた。結果を表1に示す。
【0068】
[保存安定性] 上記50%酢酸ブチル溶液をガラス瓶に入れ密栓した後50℃に保ち粘度変化を経時に調べたところ、30日後も粘度の増加はほとんど見られず、実質的に初期粘度のままであった。
【0069】
[基材との密着性]上記50%酢酸ブチル溶液にヘミアセタールエステルに対して2.5eq%の2−エチルヘキシル酸亜鉛を添加したものをJIS.H.4000のアルミニウム板上にアプリケータにより塗布し、140℃で30分熱処理した厚さ25μの試験片を作成し、JIS−K5400 6.15(ゴバン目セロテープ(登録商標)試験)により、測定した。結果を表1に示す。
【0070】
【実施例5〜7】
表1に示す単量体を用いて前記実施例の操作に準拠して共重合体を製造し、これらの特性を同様に調べた。結果を表1に示す。
【0071】
【比較例2】
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF47.0g、TFE74.0g、EVE17.8g、AGE42.3g、アクリル酸(以下AAと略す)26.7g、酢酸ブチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.04gを仕込み、撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られた反応物は、ゲル状であった。
【0072】
【比較例3】
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF47.0g、TFE74.0g、BVE49.5g、AGE56.4g、酢酸エチル400ml、およびt−ブチルパーオキシビバレート(日本油脂(株)製品)1.14gを仕込み、撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹伴を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は200g、モノマー反応率は88%であった。得られたポリマーの塩酸−ジオキサン法によって測定したエポキシ当量は425、燃焼法によるフッ素含有量は35%、GPCで測定した数平均分子量は1.6×104であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
この50%酢酸ブチル溶液の保存安定性を表1に示す。
【0073】
[基材との密着性] また、上記50%酢酸ブチル溶液に該ポリマーのエポキシ基とカルボキシル基が1/1になるようにアデカハードナーEH−3326〔旭電化工業(株)製〕を加え、JIS.H.4000のアルミニウム板上にアプリケータにより塗布し、140℃で30分熱処理した厚さ25μの試験片を作成し、JIS−K5400 6.15(ゴバン目セロテープ試験)により、測定した。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
Figure 0004213257
【0075】
【実施例8】
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、フッ化ビニリデン(以下VDFと略す)40.0g、テトラフルオロエチレン(以下TFEと略す)74.0g、CH2=CHCO22481764.0g、CH2=C(CH3)CO22461357.0g、下記構造式で示されるヘミアセタールエステルA73.4g、エチルビニルエーテル(以下EVEと略す)8.9g、アリルグリシジルエーテル(以下AGEと略す)42.3g、酢酸ブチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.80gを撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
【化14】
Figure 0004213257
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は320g、モノマー反応率は89%であった。得られたポリマーの塩酸−ジオキサン法によって測定したエポキシ当量は864、GPCで測定した数平均分子量は2.2×104、燃焼法によるフッ素含有量は39%であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
さらに上記50%酢酸ブチル溶液にヘミアセタールエステルに対して2.5eq%の2−エチルヘキシル酸亜鉛を添加したものをJIS、H.4000のアルミニウム板上にアプリケータにより塗布し、140℃で30分熱処理した。得られた塗膜の基材との密着性、重ね塗り性、撥水性を以下の方法により調べた。結果を表2に示す。
【0076】
[基材との密着性] 上記塗膜をJIS−K5400 6.15(ゴバン目セロテープ(登録商標)試験)により、測定した。
【0077】
[重ね塗り性] 上記塗膜上に再度同じ塗料組成物を塗布、熱処理した試験片を作成し、JIS−K5400 6.15(ゴバン目セロテープ試験)により、測定した。
【0078】
[撥水性] 水の接触角(単位:度)で評価した。
【0079】
【実施例9】
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF8.0g、TFE111.0g、CH2=CHCO22481789.6g、下記構造で示されるヘミアセタールエステルB71.2g、シクロヘキシルビニルエーテル(以下CHVEと略す)9.4g、AGE56.4g、酢酸ブチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.73g撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
【化15】
Figure 0004213257
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は301g、モノマー反応率は87%であった。得られたポリマーの塩酸−ジオキサン方法によって測定したエポキシ当量は615、GPCで測定した数平均分子量は2.3×104、燃焼法によるフッ素含有量は39%であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
実施例8と同様に試験片を作成し、塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
【0080】
【実施例10】
内容積1Lのステンレス製撹伴機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF47.0g、TFE74.0g、CH2=C(CH3)CO22481765.7g、下記構造で示されるヘミアセタールエステルC63.8g、CHVE15.6g、AGE42.3g、酢酸エチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.54gを撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
【化16】
Figure 0004213257
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は281g、モノマー反応率は91%であった。得られたポリマーの塩酸−ジオキサン法によって測定したエポキシ当量は763、GPCで測定した数平均分子量は2.2×104、燃焼法によるフッ素含有量は38%であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
実施例8と同様に試験片を作成し、塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
【0081】
【実施例11〜13】
表2に示す単量体を用いて前記実施例の操作に準拠して共重合体を製造し、これらの特性を同様に調べた。結果を表2に示す。
【0082】
実施例14
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF40.0g、TFE74.0g、ヘミアセタールエステルB53.4g、AGE42.3g、EVE17.8g、CHVE15.6g、酢酸ブチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.21gを撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は216g、モノマー反応率は89%であった。得られたポリマーの塩酸−ジオキサン法によって測定したエポキシ当量は584、GPCで測定した数平均分子量は1.4×104、燃焼法によるフッ素含有量は32%であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
実施例8と同様に試験片を作成し、塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
【0083】
【比較例
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF47.0g、TFE74.0g、AGE56.4g、ブチルビニルエーテル(以下BVEと略す)49.5g、酢酸エチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.13gを撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は200g、モノマー反応率は88%であった。得られたポリマーの塩酸−ジオキサン法によって測定したエポキシ当量は425、GPCで測定した数平均分子量は1.6×104、燃焼法によるフッ素含有量は35%であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
また、上記50%の酢酸ブチル溶液に該ポリマーのエポキシ基とカルボキシル基が1/1になるようにアデカハードナーEH−3326[旭電化工業(株)製]を加えた溶液を作成した。
実施例8と同様に試験片を作成し、塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
【0084】
【実施例15
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF40.0g、TFE74.0g、CH2=CHCO22481764.0g、ヘミアセタールエステルA73.4g、CHVE15.6g、BVE49.4g、酢酸エチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.56gを撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は272g、モノマー反応率は86%であった。得られたポリマーの塩価は73KOHmg/g樹脂、GPCで測定した数平均分子量は2.0×104、燃焼法によるフッ素含有量は36%であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
さらに上記50%酢酸ブチル溶液とアデカレジンEP−4000(エポキシ当量320)をヘミアセタールエステルとエポキシ基の比が1/1になるように混合した溶液を作成した。
実施例8と同様に試験片を作成し、塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
【0085】
【実施例16
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF47.0g、TFE86.0g、CH2=CHCO2248176.4g、ヘミアセタールエステルB53.4g、CHVE31.2g、BVE423.5g、酢酸エチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.24gを撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は220g、モノマー反応率は89%であった。得られたポリマーの酸価は95KOHmg/g樹脂、GPCで測定した数平均分子量は2.3×104、燃焼法によるフッ素含有量は37%であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
さらに上記50%酢酸ブチル溶液とアデカレジンEP−4000(エポキシ当量320)をヘミアセタールエステルとエポキシ基の比が1/1になるように混合した溶液を作成した。
実施例8と同様に試験片を作成し、塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
【0086】
実施例17
内容積1Lのステンレス製撹拌機付きオートクレーブ(耐圧100kg/cm2)に、脱気したのち、VDF40.0g、TFE74.0g、ヘミアセタールエステルB53.4g、EVE35.6g、CHVE31.2g、酢酸エチル400ml、およびt−ブチルパーオキシピバレート(日本油脂(株)製品)1.17gを撹拌しながら内温を60℃に昇温した。
その後、撹拌しながら反応を続け、20時間後撹拌を停止し、反応を終了した。
得られたポリマーを減圧乾燥により単離した。
ポリマー収量は199g、モノマー反応率は85%であった。得られたポリマーの酸価は104KOHmg/gの樹脂、GPCで測定した数平均分子量は1.9×104、燃焼法によるフッ素含有量は29%であった。
このポリマーを酢酸ブチルに溶解させ50%の酢酸ブチル溶液とした。
さらに上記50%酢酸ブチル溶液とアデカレジンEP−4000(エポキシ当量320)をヘミアセタールエステルとエポキシ基の比が1/1になるように混合した溶液を作成した。
実施例8と同様に試験片を作成し、塗膜特性を調べた。結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
Figure 0004213257

Claims (7)

  1. 重合単位として、フルオロオレフィンを15〜85モル%、炭素数4〜12のアルキル基を有するパーフルオロアルキルアクリレート系単量体0.1〜20モル%、一般式(1)で示されるヘミアセタールエステルを2〜50モル%、及び残部がアルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステルの内から選択された一種以上によって、構成されることを特徴とする含フッ素共重合体。
    Figure 0004213257
    (ここで、R1、R2は水素原子あるいはメチル基、n,pは0〜11、R3は炭素数1〜18のアルキル基、R4は水素原子あるいはメチル基あるいは炭素数1〜18のアルキル基あるいは一般式(2)で示される基;
    Figure 0004213257
    ここで、R5は炭素数1〜18のアルキル基、m,pは0〜11)
  2. パーフルオロアルキルアクリレート系単量体が、
    CH2=C(CH3)CO22449 、CH2=C(CH3)CO224613
    CH2=C(CH3)CO224817 、CH2=C(CH3)CO2241021
    CH2=C(CH3)CO2241225 、CH2=CHCO22449
    CH2=CHCO224613 、CH2=CHCO224817 、及び
    CH2=CHCO2241021 の内から選択された一種以上である請求項記載の含フッ素共重合体。
  3. 数平均分子量が500〜50000である請求項1又は2記載の含フッ素共重合体。
  4. 溶媒として酢酸エチル又は/及び酢酸ブチルを使用する請求項1、2又は3記載の含フッ素共重合体の製造方法。
  5. 水性溶媒中で重合させる場合、反応液のpHを4以上とする請求項1、2又は3記載の含フッ素共重合体の製造方法。
  6. 請求項1、2又は3記載の含フッ素共重合体を主成分とするワニス
  7. 請求項1、2又は3記載の含フッ素共重合体を主成分とするフッ素樹脂塗料
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