JP3131985B2 - 含フッ素共重合体および該重合体を含む塗料用組成物 - Google Patents

含フッ素共重合体および該重合体を含む塗料用組成物

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は溶媒可溶である含フッ素共重合体およびその
共重合体を含む塗料用組成物に関する。
[従来の技術] 一般にフルオロオレフィンからえられる含フッ素重合
体は耐候性、耐熱性、耐薬品性、撥水撥油性などの特徴
的な性質にすぐれるため、産業用から家庭用まで幅広い
分野で用いられている。しかしながら、フルオロオレフ
ィンと共重合できる単量体が限られるため、共重合体の
改質がしにくいことや、汎用の有機溶媒への溶解性が低
いという性質を有している。一方、α,β−不飽和カル
ボン酸エステルは汎用性の高い単量体であり、エステル
基の種類が豊富であるので新規重合体の合成や重合体の
改質が容易にでき、えられる重合体は溶媒溶解性に富ん
でいる。したがって、フルオロオレフィンとα,β−不
飽和カルボン酸エステルとを共重合できれば含フッ素共
重合体の特徴と利用分野が広がることになる。しかし、
フルオロオレフィンとα,β−不飽和カルボン酸エステ
ルを有機溶媒中ラジカル重合開始剤を用いて反応させて
も、容易に共重合体はえられない。また重合体がえられ
るばあいでも、ほぼ一方の単量体のみが重合しているこ
とが多い。
ところで、α,β−不飽和カルボン酸エステルのひと
つであるマレイン酸ジエステルは単独重合しにくいが、
電子供与性ビニル単量体とは交互共重合しやすい。ま
た、フルオロオレフィンも電子供与性ビニル単量体と交
互共重合しやすいことが知られている。
一方、マレイン酸ジエステルの異性体であるフマル酸
ジエステルはフルオロオレフィンとの共重合性がわる
く、えられる共重合体のフルオロオレフィン単位の含有
量が低い。また、それからえられる塗膜は撥水撥油性、
耐候性などに劣る。
[発明が解決しようとする課題] このような従来の技術に鑑み、溶媒溶解性のよいフル
オロオレフィンとマレイン酸ジエステル単位を含む共重
合体をうるべく本発明者らが鋭意検討した結果、フルオ
ロオレフィンとマレイン酸ジエステル、さらに電子供与
性ビニル単量体とを共重合させることにより、その目的
を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は、 (1)フルオロオレフィン、(2)マレイン酸ジエス
テルおよび(3)電子供与性ビニル単量体(ただし、イ
ソブチレンは除く)、必要に応じて(4)化学的硬化性
を付与する官能基を有するビニル単量体を共重合させる
ことによりえられる含フッ素共重合体およびえられる共
重合体と溶媒および必要に応じて硬化剤とからなる塗料
用組成物に関する。
本発明の含フッ素共重合体は、溶媒溶解性や硬化剤と
の相溶性、顔料分散性などに優れ、該共重合体が与える
塗膜は透明で光沢があり、撥水撥油性、防汚性、基材と
の密着性、機械的性質、耐候性、耐溶剤性などの塗膜性
能に優れている。
[作用および実施例] 本発明で用いるフルオロオレフィン(1)としては、
たとえばテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロ
エチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ビニリデンフル
オライド、フッ化ビニル、トリフルオロエチレンなどが
あげられる。えられる共重合体中の構造単位(1)の含
有量は10〜80モル%である。10%未満のばあいは撥水撥
油性、防汚性、耐候性、耐溶剤性に劣り、80モル%を超
えるばあいは溶媒溶解性に劣る。
マレイン酸ジエステル(2)としては、たとえばマレ
イン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプ
ロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジシクロヘキ
シル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ジベンジル、
マレイン酸ジトリチル、マレイン酸ジトリフルオロメチ
ル、マレイン酸ジトリフルオロエチル、マレイン酸ジヘ
キサフルオロプロピルなどがあげられる。共重合体中の
構造単位(2)の含有量は1〜50モル%である。50モル
%を超えるばあいは共重合体の合成が困難である。
電子供与性ビニル単量体(3)としては、たとえばメ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロ
ピルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、ter
t−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテ
ル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニル
エーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−ク
ロロメチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテ
ル類;シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシル
ビニルエーテル、メチルシクロヘキシルビニルエーテ
ル、シクロオクチルビニルエーテルなどのシクロアルキ
ルビニルエーテル類;ベンジルビニルエーテル、フェネ
チルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ペンタ
フルオロフェニルビニルエーテルなどの芳香族基を含有
するビニルエーテル類;2,2,2−トリフルオロエチルビニ
ルエーテル、ペンタフルオロエチルビニルエーテル、2,
2,3,3−テトラフルオロプロピルビニルエーテル、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロピルビニルエーテル、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルビニルエーテ
ル、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフ
ルオロノニルビニルエーテルなどのフルオロアルキルビ
ニルエーテル類;エチレン、プロピレン、イソブチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテンなどのα−オレフィン
類;酢酸アリル、プロピオン酸アリル、酪酸アリル、ピ
バリン酸アリル、ラウリン酸アリル、トリフルオロ酢酸
アリル、安息香酸アリルなどのアリルエステル類などが
あげられる。構造単位(3)の含有量は5〜60モル%で
ある。この範囲外では共重合体の合成が容易でない。
官能基を有するビニル単量体(4)は含フッ素共重合
体に化学的硬化性を付与するものであり、官能基として
は水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、シ
リル基などがあげられる。単量体(4)の具体例として
は、たとえば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3
−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ
プロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニル
エーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエ
ーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−
ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、アリルアルコー
ル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−ブテン、5−ヒドロキシ−2−
メチル−1−ペンテン、3−(トリメトキシシリル)プ
ロピルビニルエーテル、3−(トリエトキシシリル)プ
ロピルビニルエーテル、3−(トリメトキシシリル)プ
ロピルアリルエーテル、3−(トリエトキシシリル)プ
ロピルアリルエーテル、グリシジルビニルエーテル、グ
リシジルアリルエーテル、3−アリルオキシプロピオン
酸、クロトン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、トリメトキ
シシリルプロピルビニルエーテルなどがあげられる。構
造単位(4)の含有量は1〜30モル%である。1%未満
では化学的な硬化性が不充分であり、30モル%を超える
ばあいはゲル化が生じやすく保存安定性に劣り、またえ
られる塗膜がもろくなる。
構造単位(1)、(2)、(3)および(4)はいず
れも2種以上含有されていてもよい。
本発明の共重合体の数平均分子量は、テトラヒドロフ
ランを溶離液に用いたゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)による測定で1000〜200000である。ま
た、示差走査熱量計(DSC)により求めた共重合体のガ
ラス転移温度は−30〜100℃である。分子量が小さすぎ
ると塗膜の硬度が不充分となり、大きすぎると共重合体
の溶液の粘度が大きすぎて取扱いが困難となる。したが
って、好ましい範囲は1000〜80000である。
構造単位(1)〜(4)に加えて、共重合可能な他の
単量体に由来する構造単位(5)を30モル%以下、好ま
しくは1〜25モル%含有せしめ、前記含フッ素共重合体
の特性を損なわずに該他の単量体が有する他の性質を付
与せしめてもよい。他の単量体としては、たとえば酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビ
ニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサテ
ィック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、安息香酸ビニル、p−tert−ブチル安息香酸ビニ
ル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニ
ル、トリフルオロ酢酸ビニル、ヘキサフルオロプロピオ
ン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;パーフ
ルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニ
ルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテルなど
のフルオロアルキルフルオロビニルエーテル類;メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸またはアクリル酸
のエステル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレ
ン、α−メチルスチレンなどが代表的なものとしてあげ
られる。
本発明の共重合体の製法は、通常、乳化、懸濁または
溶液重合法で行なわれる。重合温度は、いずれの重合方
法でも通常0〜100℃、好ましくは5〜80℃である。重
合圧は、いずれの重合方法でも通常1〜100kg/cm2Gであ
る。
重合媒体としては、乳化重合法では水、懸濁重合法で
は、たとえば水、tert−ブタノール、1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエタン、1,2−ジクロロ−1,1,
2,2−テトラフルオロエタンまたはこれらの混合物など
が用いられる。溶液重合法では、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類;アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケ
トン類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなどの炭
化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メタキシレ
ンヘキサフルオライドなどの芳香族炭化水素類;メタノ
ール、エタノール、tert−ブタノール、iso−プロパノ
ール、エチレングリコールモノアルキルエーテルなどの
アルコール類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン、ジオキサンなどの環状エーテル類;ジメチルスルホ
キシド、ニトロメタンなど、またはこれらの混合物など
があげられる。
重合開始剤としては、たとえば過硫酸アンモニウム、
過硫酸カリウムなどの過硫酸塩類(さらに必要に応じて
亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ナフテ
ン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの還元剤も併用で
きる);酸化剤(たとえば過酸化アンモニウム、過酸化
カリウムなど)と還元剤(たとえば亜硫酸ナトリウムな
ど)および遷移金属塩(たとえば硫酸鉄など)からなる
レドックス開始剤類;アセチルパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;
イソプロポキシカルボニルパーオキサイド、tert−ブト
キシカルボニルパーオキサイドなどのジアルコキシカル
ボニルパーオキサイド類;メチルエチルケトンパーオキ
サイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトン
パーオキサイド類;過酸化水素、tert−ブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどの
ハイドロパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイドなどのジアルキルパー
オキサイド類;tert−ブチルパーオキシアセテート、ter
t−ブチルパーオキシピバレートなどのアルキルパーオ
キシエステル類;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2′−アゾビス(2−メチルバレロニトリル)、2,2′−
アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニル)、2,2′
−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2′−アゾビス[2−
(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、4,4′−ア
ゾビス(4−シアノペンテン酸)などのアゾ系化合物な
どが使用できる。
いずれの重合法においても重合中に単量体または重合
体からフッ化水素または塩化水素が脱離して、重合媒体
中が酸性になり、重合体がゲル化することがあるので、
系内に炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、金属酸化
物、ハイドロタルサイト類などの無機塩類;ジエチルア
ミン、ジブチルアミン、トリエチルアミンなどの有機ア
ミン類;塩基性陰イオン交換樹脂を添加して、脱離した
フッ化水素や塩化水素を中和してもよい。
本発明の含フッ素共重合体はそのまま溶媒に溶解して
塗料用組成物とし、たとえばラッカー型塗料として使用
できる。
本発明の共重合体は前記のごとく使用する溶媒の種類
や条件の制限が大きく緩和される。したがって、本発明
の塗料用組成物の溶媒としては、前記した重合溶媒など
があげられる。
塗料用組成物中の共重合体濃度は5〜95重量%、好ま
しくは10〜70重量%である。
共重合体が官能基を有する構造単位(4)を有してい
るばあい、硬化剤を配合して硬化型塗料用組成物とする
ことができる。硬化剤としては共重合体中の官能基と反
応して架橋する、たとえばイソシアネート類やアミノ樹
脂類、酸無水物類、シランカップリング剤などが通常用
いられる。
前記イソシアネート類の具体例としては、たとえば2,
4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエステ
ルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、n−ペンタン−1,4
−ジイソシアネート、これらの三量体、これらのアダク
ト体やビュウレット体、これらの重合体で2個以上のイ
ソシアネート基を有するもの、さらにブロック化された
イソシアネート類などがあげられるが、これらに限定さ
れるものではない。
前記アミノ樹脂類の具体例としては、たとえば尿素樹
脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコール
ウリル樹脂のほか、メラミンをメチロール化したメチロ
ール化メラミン樹脂、メチロール化メラミンをメタノー
ル、エタノール、ブタノールなどのアルコール類でエー
テル化したアルキルエーテル化メラミン樹脂などがあげ
られるが、これらに限定されるものではない。
酸無水物類の具体例としては、たとえば無水フタル
酸、無水ピコメリット酸、無水メリット酸などがあげら
れるが、これらに限定されるものではない。
シランカップリング剤の具体例としては、たとえば3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシランなどがあげられるが、
これらに限定されるものではない。
硬化剤の配合量は、前記含フッ素共重合体中の官能基
(−OH基)1当量に対して0.1〜5当量、好ましくは0.5
〜1.5当量である。本発明の組成物は通常0〜200℃で数
分間ないし10日間程度で硬化させることができる。
本発明の硬化用組成物には、さらに各種の添加剤を配
合することができる。添加剤としては、硬化促進剤、顔
料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ゲル化防止
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などがあげられる。
硬化促進剤としては、たとえば有機スズ化合物、酸性
リン酸エステル、酸性リン酸エステルとアミンとの反応
物、飽和または不飽和の多価カルボン酸またはその酸無
水物、有機チタネート化合物、アミン系化合物、オクチ
ル酸鉛などがあげられる。
硬化促進剤は1種を用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
硬化促進剤の配合割合は共重合体100重量部に対して
1.0×10-6〜1.0×10-2重量部程度が好ましく、5.0×10
-5〜1.0×10-3重量部程度がさらに好ましい。
顔料の具体例としては、たとえば酸化チタン、炭酸カ
ルシウムもしくはカーボンブラックなどの無機顔料;フ
タロシアニン系、キナクリドン系もしくはアゾ系などの
有機顔料などがあげられるが、これらのみに限定される
ものではない。顔料の添加量は通常共重合体に対して約
200重量%までである。
本発明の組成物は、前記各成分を充分混合することに
よって調製できる。
本発明の組成物は、溶剤溶解性に優れ、形成された塗
膜は高度の耐候性を有し、耐汚染性や耐薬品性、光学的
性質、機械的性質、基材への密着性、耐熱黄変性などに
優れたものであり、通常の硬化用組成物と同じく建材、
内装材などの屋内用あるいは建材、自動車、航空機、船
舶、電車などの屋外用の塗料として金属、木材、コンク
リート、プラスチックなどに直接、あるいはウオッシュ
プライマー、錆止め塗料、エポキシ塗料、アクリル樹脂
塗料、ポリエステル樹脂塗料などの下塗り塗料の上に重
ねて塗装することができる。さらにシーリング剤やフィ
ルム形成剤としても使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 (共重合体の製造) 1000mlのステンレス製オートクレーブに酢酸ブチル
(BuOAu)250g、マレイン酸ジエチル(DEM)96.4g、エ
チルビニルエーテル(EVE)60.6g、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.2gを仕込み、0℃
に氷冷したのちチッ素置換し、減圧下に脱気した。この
ものにクロロトリフルオロエチレン(CTFE)163gを仕込
み、撹拌下に50℃に加熱し、25時間反応させ、反応器内
圧が4.3kg/cm2Gから3.2kg/cm2Gへ下がった時点で反応を
停止した(重合収率54重量%)。えられた硬化性含フッ
素共重合体を19F−NMR、1H−NMRおよび元素分析法で分
析したところ、CTFE35モル%、EVE50モル%およびDEM15
モル%とからなる共重合体であり、GPCで測定した数平
均分子量(n)は3.7×104であった。
また、共重合体の溶解性をつぎの方法で調べた。結果
を第1表に示す。
溶解性試験 共重合体の小片と酢酸ブチルを混合し、よく撹拌する
(要すれば加熱する)。室温で放置したのち目視により
溶解状態を観察する。
◎:完全に溶解 ○:一部溶解 ×:不 溶 (組成物の調整) えられた共重合体50gを酢酸ブチル100gに溶解し、塗
料用組成物を調製した。
この組成物をアルミニウム板上に塗布し、風乾したの
ち100℃で1時間乾燥して硬化皮膜を形成させた。
この硬化皮膜の透明性および光沢を目視により観察し
た。結果を第1表に示す。
なお、判定基準はつぎのとおりとした。
(透明性) ◎:透明 ○:少し濁りあり ×:不透明 (光沢) ◎:光沢あり ○:少し光沢あり ×:光沢なし 実施例2〜6および比較例 第1表に示す各単量体を用いたほかは実施例1と同様
にして共重合体を製造し、その溶解性を調べた。
ついで、えられた共重合体を用いて実施例1と同様に
して組成物を調製し、塗布硬化させて硬化皮膜の透明性
を調べた。結果を第1表に示す。
なお、実施例4〜6および比較例では、組成物の調製
時に硬化剤として武田薬品工業(株)製のタケネートD
−140N(NCO含量10.6重量%)を共重合体中の水酸基に
対してイソシアネート基が等モルとなるように加えた。
なお、第1表中の単量体符号はつぎのものである。
CTFE:クロロトリフルオロエチレン TFE :テトラフルオロエチレン HFP:ヘキサフルオロプロピレン VdF:ビニリデンフルオライド DEM:マレイン酸ジエチル DBM:マレイン酸ジブチル DEF:フマル酸ジエチル EVE:エチルビニルエーテル 4FVE:2,2,3,3−テトラフルオロプロピルビニルエーテ
ル IB:イソブチレン E :エチレン HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル HMP:5−ヒドロキシ−2−メチル−1−ペンテン [発明の効果] 本発明の製法でえられる含フッ素共重合体は溶剤溶解
性がよく汎用の溶剤が使用でき、かつ硬化剤と併用する
ことにより耐候性、撥水撥油性、耐汚染性、基材への密
着性、光学的性質などにすぐれた塗膜を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 127/12 C09D 127/12 129/10 129/10 135/02 135/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 214/18 - 214/28 C08F 216/14 - 216/16 C08F 218/12 C08F 222/14 C09D 127/12 - 127/20 C09D 129/10 C09D 135/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)フルオロオレフィン、(2)マレイ
    ン酸ジエステルおよび(3)アルキルビニルエーテル
    類、シクロアルキルビニルエーテル類、芳香族基含有ビ
    ニルエーテル類、フルオロアルキルビニルエーテル類、
    α−オレフィン類(ただし、イソブチレンは除く)およ
    びアリルエステル類よりなる群から選ばれた電子供与性
    ビニル単量体を共重合させることによりえられ、かつ単
    量体(1)、(2)および(3)に由来する構造単位を
    それぞれ10〜80モル%、1〜50モル%および5〜60モル
    %含む数平均分子量が1000〜200000の含フッ素共重合
    体。
  2. 【請求項2】(1)フルオロオレフィン、(2)マレイ
    ン酸ジエステル、(3)アルキルビニルエーテル類、シ
    クロアルキルビニルエーテル類、芳香族基含有ビニルエ
    ーテル類、フルオロアルキルビニルエーテル類、α−オ
    レフィン類(ただし、イソブチレンは除く)およびアリ
    ルエステル類よりなる群から選ばれた電子供与性ビニル
    単量体および(5)共重合可能な他の単量体を共重合さ
    せることによりえられ、かつ単量体(1)、(2)、
    (3)および(5)に由来する構造単位をそれぞれ10〜
    80モル%、1〜50モル%、5〜60モル%および0〜30モ
    ル%含む数平均分子量が1000〜200000の含フッ素共重合
    体と溶媒とからなる塗料用組成物。
  3. 【請求項3】(1)フルオロオレフィン、(2)マレイ
    ン酸ジエステル、(3)アルキルビニルエーテル類、シ
    クロアルキルビニルエーテル類、芳香族基含有ビニルエ
    ーテル類、フルオロアルキルビニルエーテル類、α−オ
    レフィン類(ただし、イソブチレンは除く)およびアリ
    ルエステル類よりなる群から選ばれた電子供与性ビニル
    単量体および(4)化学的硬化性を付与する官能基を有
    するビニル単量体を共重合させることによりえられ、か
    つ単量体(1)、(2)、(3)および(4)に由来す
    る構造単位をそれぞれ10〜80モル%、1〜50モル%、5
    〜60モル%および1〜30モル%含む数平均分子量が1000
    〜200000の含フッ素共重合体。
  4. 【請求項4】(1)フルオロオレフィン、(2)マレイ
    ン酸ジエステル、(3)アルキルビニルエーテル類、シ
    クロアルキルビニルエーテル類、芳香族基含有ビニルエ
    ーテル類、フルオロアルキルビニルエーテル類、α−オ
    レフィン類(ただし、イソブチレンは除く)およびアリ
    ルエステル類よりなる群から選ばれた電子供与性ビニル
    単量体、(4)化学的硬化性を付与する官能基を有する
    ビニル単量体および(5)共重合可能な他の単量体を共
    重合させることによりえられ、かつ単量体(1)、
    (2)、(3)、(4)および(5)に由来する構造単
    位をそれぞれ10〜80モル%、1〜50モル%、5〜60モル
    %、1〜30モル%および0〜30モル%含む数平均分子量
    が1000〜200000の含フッ素共重合体と溶媒と硬化剤とか
    らなる硬化型塗料用組成物。
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