JP2000129194A - 含フッ素水性塗料組成物 - Google Patents
含フッ素水性塗料組成物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐候性、水性分散液の安定性、造膜
性、塗膜の機械的強度、塗膜の耐水性等が向上したフッ
素系水性塗料組成物の提供。 【解決手段】 (a)フルオロオレフィンに基づく重
合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)エ
チレンに基づく重合単位及び/又は(d)ブチレンに基
づく重合単位からなる共重合体に対して、無機/有機珪
素化合物が配合されている含フッ素水性塗料組成物を使
用する。
性、塗膜の機械的強度、塗膜の耐水性等が向上したフッ
素系水性塗料組成物の提供。 【解決手段】 (a)フルオロオレフィンに基づく重
合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)エ
チレンに基づく重合単位及び/又は(d)ブチレンに基
づく重合単位からなる共重合体に対して、無機/有機珪
素化合物が配合されている含フッ素水性塗料組成物を使
用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフッ素系水性塗料組
成物に関するものである。
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フッ化ビニリデン系樹脂は、耐候
性、耐熱性、耐薬品性が良好であり高温で溶剤に溶解す
るため焼き付け型の塗料として広く使用されている。こ
のフッ化ビニリデン樹脂としては、フッ化ビニリデン単
独重合体やフッ化ビニリデンとフルオロオレフィン(テ
トラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ク
ロロトリフルオロエチレン)との共重合体が提案されて
いる。また、フルオロオレフィンとシクロヘキシルビニ
ルエーテルおよびその他各種の単量体との共重合体は、
室温で有機溶剤に可溶であり、塗料として用いた場合に
透明で高光沢を有し、しかも高耐候性、撥水撥油性、耐
汚染性、非粘着性などの優れた特性を備えた塗膜を与え
ることが知られており( 例えば特開昭55-44083号公報
)、建築などの内装用、外装用の耐候性塗料の分野で使
用が増大しつつある。
性、耐熱性、耐薬品性が良好であり高温で溶剤に溶解す
るため焼き付け型の塗料として広く使用されている。こ
のフッ化ビニリデン樹脂としては、フッ化ビニリデン単
独重合体やフッ化ビニリデンとフルオロオレフィン(テ
トラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ク
ロロトリフルオロエチレン)との共重合体が提案されて
いる。また、フルオロオレフィンとシクロヘキシルビニ
ルエーテルおよびその他各種の単量体との共重合体は、
室温で有機溶剤に可溶であり、塗料として用いた場合に
透明で高光沢を有し、しかも高耐候性、撥水撥油性、耐
汚染性、非粘着性などの優れた特性を備えた塗膜を与え
ることが知られており( 例えば特開昭55-44083号公報
)、建築などの内装用、外装用の耐候性塗料の分野で使
用が増大しつつある。
【0003】一方、近年、大気汚染等環境保全や人体に
対する安全性の観点から、問題のある有機溶剤の使用の
規制が強まりつつあり、有機溶剤を用いない水性塗料や
粉体塗料に対する社会的要望が高まっている。フッ素樹
脂についても水性分散化の検討がなされており、フッ化
ビニリデン系樹脂ではフッ化ビニリデン系樹脂粒子の存
在下にアクリルモノマーを乳化重合させる方法(特開平
3-8884号公報、特開平4-325509号公報)が提案されてい
る。
対する安全性の観点から、問題のある有機溶剤の使用の
規制が強まりつつあり、有機溶剤を用いない水性塗料や
粉体塗料に対する社会的要望が高まっている。フッ素樹
脂についても水性分散化の検討がなされており、フッ化
ビニリデン系樹脂ではフッ化ビニリデン系樹脂粒子の存
在下にアクリルモノマーを乳化重合させる方法(特開平
3-8884号公報、特開平4-325509号公報)が提案されてい
る。
【0004】またフルオロオレフィンとシクロヘキシル
ビニルエーテルおよびその他各種の単量体との共重合体
についても水性分散化の検討がなされており、乳化重合
で製造できることが報告されている(特開昭57-34107号
公報、特開昭61-231044 号公報)。さらに、親水性部位
を有するマクロモノマーに基づく重合単位を必須構成成
分とする含フッ素共重合体が水に分散された水性分散液
が提案されている(特開平2-225550号公報)。この水性
分散液は、造膜性に優れ、かつ塗膜の機械的強度も良好
であり、また乳化剤や親水性有機溶剤を用いなくても製
造することが可能であることが報告されている。
ビニルエーテルおよびその他各種の単量体との共重合体
についても水性分散化の検討がなされており、乳化重合
で製造できることが報告されている(特開昭57-34107号
公報、特開昭61-231044 号公報)。さらに、親水性部位
を有するマクロモノマーに基づく重合単位を必須構成成
分とする含フッ素共重合体が水に分散された水性分散液
が提案されている(特開平2-225550号公報)。この水性
分散液は、造膜性に優れ、かつ塗膜の機械的強度も良好
であり、また乳化剤や親水性有機溶剤を用いなくても製
造することが可能であることが報告されている。
【0005】しかしながら、フッ化ビニリデン系樹脂の
水性分散液については、水性分散液の安定性は、必ずし
も良好ではなく、また樹脂の結晶性のために塗膜の透明
性が劣っていたり、これを改良するために結晶性を落と
した場合には、塗膜のガラス転移温度が低すぎて耐汚染
性が悪くなるという問題があった。アクリルモノマーを
シード重合することでこれらの問題点は改善されるが、
十分ではない。また造膜性についても問題があった。更
に該フッ化ビニリデン系樹脂は、フルオロオレフィンの
みで構成されるためコストが高くなってしまう。フルオ
ロオレフィンとシクロヘキシルビニルエーテルおよびそ
の他各種の単量体との共重合体については、塗膜の透明
性・造膜性は良好で十分実用可能であるものの、液状の
モノマーを使用するため、僅かながら塗膜にタックが生
じると言う点で更なる改良が望まれていた。
水性分散液については、水性分散液の安定性は、必ずし
も良好ではなく、また樹脂の結晶性のために塗膜の透明
性が劣っていたり、これを改良するために結晶性を落と
した場合には、塗膜のガラス転移温度が低すぎて耐汚染
性が悪くなるという問題があった。アクリルモノマーを
シード重合することでこれらの問題点は改善されるが、
十分ではない。また造膜性についても問題があった。更
に該フッ化ビニリデン系樹脂は、フルオロオレフィンの
みで構成されるためコストが高くなってしまう。フルオ
ロオレフィンとシクロヘキシルビニルエーテルおよびそ
の他各種の単量体との共重合体については、塗膜の透明
性・造膜性は良好で十分実用可能であるものの、液状の
モノマーを使用するため、僅かながら塗膜にタックが生
じると言う点で更なる改良が望まれていた。
【0006】本出願人は、既に、フルオロオレフィン
と、エチレンやプロピレンなどのα−オレフィンの共重
合体の粒子の存在下でアクリルシード重合して得られた
水性分散液がこれらの問題点をある程度解決することを
見出した。しかしながら、各種基材などへの密着性は、
実用レベルには達しているものの、ガラスやセメント基
材への密着性などは必ずしも満足のいくものではなかっ
た。また高い耐候性のため、塗膜の表面劣化が少なく、
表面劣化を起こしやすい塗膜に比べると一度付着した汚
れが雨水の微少な力で流れ落ちるということが少ない傾
向にある。このため、耐候性が不十分で表面劣化を起こ
しやすい塗膜に比べ、外見上汚れやすく感じられるとい
う問題がある。
と、エチレンやプロピレンなどのα−オレフィンの共重
合体の粒子の存在下でアクリルシード重合して得られた
水性分散液がこれらの問題点をある程度解決することを
見出した。しかしながら、各種基材などへの密着性は、
実用レベルには達しているものの、ガラスやセメント基
材への密着性などは必ずしも満足のいくものではなかっ
た。また高い耐候性のため、塗膜の表面劣化が少なく、
表面劣化を起こしやすい塗膜に比べると一度付着した汚
れが雨水の微少な力で流れ落ちるということが少ない傾
向にある。このため、耐候性が不十分で表面劣化を起こ
しやすい塗膜に比べ、外見上汚れやすく感じられるとい
う問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術の有する問題点を解決しようとするものであり、水
性分散液の安定性、造膜性、フッ素系共重合体塗膜の機
械的強度、耐候性、耐水性に加えて各種基材などへの密
着性、塗膜の低汚染性が向上した含フッ素水性塗料組成
物を提供することを目的とする。
技術の有する問題点を解決しようとするものであり、水
性分散液の安定性、造膜性、フッ素系共重合体塗膜の機
械的強度、耐候性、耐水性に加えて各種基材などへの密
着性、塗膜の低汚染性が向上した含フッ素水性塗料組成
物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、本発明に従えば、以下
の発明が提供される。
するためになされたものであり、本発明に従えば、以下
の発明が提供される。
【0009】(1) (a)フルオロオレフィンに基づく
重合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、並びに
(c)エチレンに基づく重合単位および/または(d)
ブチレンに基づく重合単位を含むフッ素系共重合体の固
形分100重量部に対して、無機/有機ケイ素化合物の
固形分0.1〜100重量部が配合されている水性分散
液からなる含フッ素水性塗料組成物。
重合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、並びに
(c)エチレンに基づく重合単位および/または(d)
ブチレンに基づく重合単位を含むフッ素系共重合体の固
形分100重量部に対して、無機/有機ケイ素化合物の
固形分0.1〜100重量部が配合されている水性分散
液からなる含フッ素水性塗料組成物。
【0010】(2) (a)フルオロオレフィンに基づく
重合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)
エチレンに基づく重合単位および/または(d)ブチレ
ンに基づく重合単位、並びに(e)ビニルエステル、ビ
ニルエーテル、イソプロペニルエーテル及びアリルエー
テルから選ばれる少なくとも一つに基づく重合単位を含
むフッ素系共重合体の固形分100重量部に対して、無
機/有機ケイ素化合物の固形分0.1〜100重量部が
配合されている水性分散液からなる含フッ素水性塗料組
成物。
重合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)
エチレンに基づく重合単位および/または(d)ブチレ
ンに基づく重合単位、並びに(e)ビニルエステル、ビ
ニルエーテル、イソプロペニルエーテル及びアリルエー
テルから選ばれる少なくとも一つに基づく重合単位を含
むフッ素系共重合体の固形分100重量部に対して、無
機/有機ケイ素化合物の固形分0.1〜100重量部が
配合されている水性分散液からなる含フッ素水性塗料組
成物。
【0011】(3) (a)フルオロオレフィンに基づく
重合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)
エチレンに基づく重合単位および/または(d)ブチレ
ンに基づく重合単位、並びに(f)一般式:X−Y−Z
(ここでXはラジカル重合性不飽和基、Yは疎水性の2
価の連結基、Zは親水性基)で表される親水性マクロモ
ノマーに基づく重合単位を含むフッ素系共重合体の固形
分100重量部に対して、無機/有機ケイ素化合物の固
形分0.1〜100重量部が配合されている水性分散液
からなる含フッ素水性塗料組成物。
重合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)
エチレンに基づく重合単位および/または(d)ブチレ
ンに基づく重合単位、並びに(f)一般式:X−Y−Z
(ここでXはラジカル重合性不飽和基、Yは疎水性の2
価の連結基、Zは親水性基)で表される親水性マクロモ
ノマーに基づく重合単位を含むフッ素系共重合体の固形
分100重量部に対して、無機/有機ケイ素化合物の固
形分0.1〜100重量部が配合されている水性分散液
からなる含フッ素水性塗料組成物。
【0012】(4) (a)フルオロオレフィンに基づく
重合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)
エチレンに基づく重合単位および/または(d)ブチレ
ンに基づく重合単位、(e)ビニルエステル、ビニルエ
ーテル、イソプロペニルエーテル及びアリルエーテルか
ら選ばれる少なくとも一つに基づく重合単位、並びに
(f)一般式:X−Y−Z(ここでXはラジカル重合性
不飽和基、Yは疎水性の2価の連結基、Zは親水性基)
で表される親水性マクロモノマーに基づく重合単位を含
むフッ素系共重合体の固形分100重量部に対して、無
機/有機ケイ素化合物の固形分0.1〜100重量部が
配合されている水性分散液からなる含フッ素水性塗料組
成物。
重合単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)
エチレンに基づく重合単位および/または(d)ブチレ
ンに基づく重合単位、(e)ビニルエステル、ビニルエ
ーテル、イソプロペニルエーテル及びアリルエーテルか
ら選ばれる少なくとも一つに基づく重合単位、並びに
(f)一般式:X−Y−Z(ここでXはラジカル重合性
不飽和基、Yは疎水性の2価の連結基、Zは親水性基)
で表される親水性マクロモノマーに基づく重合単位を含
むフッ素系共重合体の固形分100重量部に対して、無
機/有機ケイ素化合物の固形分0.1〜100重量部が
配合されている水性分散液からなる含フッ素水性塗料組
成物。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を詳細に説明する。本発明においては、(a)フルオ
ロオレフィンに基づく重合単位、(b)プロピレンに基
づく重合単位を必須成分とし、更に(c)エチレンに基
づく重合単位および/または(d)ブチレンに基づく重
合単位からなるフッ素系共重合体の水性分散液を使用す
る。
態を詳細に説明する。本発明においては、(a)フルオ
ロオレフィンに基づく重合単位、(b)プロピレンに基
づく重合単位を必須成分とし、更に(c)エチレンに基
づく重合単位および/または(d)ブチレンに基づく重
合単位からなるフッ素系共重合体の水性分散液を使用す
る。
【0014】ここで、フッ素系共重合体は下記単量体に
基づく重合単位(以下、その単量体名で示す)の組成割
合で構成されるのが好ましい。すなわち、 (a)フルオロオレフィン 20〜80モル%、 (b)プロピレン 2〜70モル%、 (c)エチレン (5)〜(70)モル%、 (d)ブチレン (5)〜(70)モル%、
基づく重合単位(以下、その単量体名で示す)の組成割
合で構成されるのが好ましい。すなわち、 (a)フルオロオレフィン 20〜80モル%、 (b)プロピレン 2〜70モル%、 (c)エチレン (5)〜(70)モル%、 (d)ブチレン (5)〜(70)モル%、
【0015】この組成割合はさらに好ましくは、 (a)フルオロオレフィン 35〜65モル%、 (b)プロピレン 4〜55モル%、 (c)エチレン (8)〜(60)モル%、 (d)ブチレン (8)〜(60)モル%、
【0016】最も好ましくは、 (a)フルオロオレフィン 40〜60モル%、 (b)プロピレン 6〜35モル% (c)エチレン (10)〜(35)モル%、 (d)ブチレン (10)〜(35)モル%。
【0017】ここで重合単位(c)エチレンと(d)ブ
チレンについての組成割合がカッコつきで(5)、
(8)、(10)等と表記されているのは次のような意
味である。すなわち、請求項で規定されているように、
(c)と(d)のうち少なくとも一方は必ず含まれ、他
方は、全く含まれなくても良いが、(5)、(8)、
(10)等は、その場合の該含有される(c)または
(d)成分単独の含有量を示す。なお、(c)と(d)
の両者が共に含有される場合は、(5)、(8)、(1
0)は両成分の合計の含有量を示す。
チレンについての組成割合がカッコつきで(5)、
(8)、(10)等と表記されているのは次のような意
味である。すなわち、請求項で規定されているように、
(c)と(d)のうち少なくとも一方は必ず含まれ、他
方は、全く含まれなくても良いが、(5)、(8)、
(10)等は、その場合の該含有される(c)または
(d)成分単独の含有量を示す。なお、(c)と(d)
の両者が共に含有される場合は、(5)、(8)、(1
0)は両成分の合計の含有量を示す。
【0018】本発明のフッ素系共重合体を塗料に用いる
場合、フルオロオレフィン重合単位(a)の割合があま
り少なすぎると耐候性に劣り、また多すぎると耐候性の
向上に比較してコストが高くなり好ましくない。これら
を勘案して上記範囲が選択される。
場合、フルオロオレフィン重合単位(a)の割合があま
り少なすぎると耐候性に劣り、また多すぎると耐候性の
向上に比較してコストが高くなり好ましくない。これら
を勘案して上記範囲が選択される。
【0019】また、重合単位(b)の割合が少なすぎる
とフッ素系共重合体がゴム状になって塗膜の硬度が不足
し、多すぎると融点が高くなりすぎるため、塗膜の柔軟
性が不足する。これらにより上記範囲が選択される。
とフッ素系共重合体がゴム状になって塗膜の硬度が不足
し、多すぎると融点が高くなりすぎるため、塗膜の柔軟
性が不足する。これらにより上記範囲が選択される。
【0020】上記したように、重合単位(c)および
(d)は同時に使用してもよく、またどちらか一方だけ
を使用してもよいが、少なくとも一方は必ず使用する。
(c)および/または(d)の割合が少なすぎると、融
点が高くなりすぎ、また塗膜の結晶化が大きく透明度が
低下する。逆に多すぎると、フッ素系共重合体がゴム状
になり硬度が不足する。これらを考慮して上記範囲が好
ましいものとして選択される。
(d)は同時に使用してもよく、またどちらか一方だけ
を使用してもよいが、少なくとも一方は必ず使用する。
(c)および/または(d)の割合が少なすぎると、融
点が高くなりすぎ、また塗膜の結晶化が大きく透明度が
低下する。逆に多すぎると、フッ素系共重合体がゴム状
になり硬度が不足する。これらを考慮して上記範囲が好
ましいものとして選択される。
【0021】本発明において、フルオロオレフィンとし
ては、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロプロピレ
ン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピ
レン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロブチ
レン、ペンタフルオロブチレン等のフッ素原子を含む炭
素数2〜4程度のフルオロオレフィンが好ましく、特に
パーフルオロオレフィンが好ましい。最も好ましくは、
テトラフルオロエチレンである。なお、フッ素原子とと
もに塩素原子等の他のハロゲン原子を含んでいてもよ
い。
ては、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロプロピレ
ン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピ
レン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロブチ
レン、ペンタフルオロブチレン等のフッ素原子を含む炭
素数2〜4程度のフルオロオレフィンが好ましく、特に
パーフルオロオレフィンが好ましい。最も好ましくは、
テトラフルオロエチレンである。なお、フッ素原子とと
もに塩素原子等の他のハロゲン原子を含んでいてもよ
い。
【0022】また、本発明においてブチレンとしては、
1−ブチレン、2−ブチレンおよびイソブチレンが使用
可能であり、入手のし易さの点でイソブチレンが最も好
ましい。また、これらの混合物であってもよい。
1−ブチレン、2−ブチレンおよびイソブチレンが使用
可能であり、入手のし易さの点でイソブチレンが最も好
ましい。また、これらの混合物であってもよい。
【0023】本発明におけるフッ素系共重合体の重合単
位を構成する単量体は、常温、常圧でガス状の単量体の
みから構成される場合には、重合終了後に残存単量体を
パージするだけで簡単に除去できるという特徴があり、
したがって、残存単量体に起因する着色や塗膜のべとつ
きを生じない利点がある。
位を構成する単量体は、常温、常圧でガス状の単量体の
みから構成される場合には、重合終了後に残存単量体を
パージするだけで簡単に除去できるという特徴があり、
したがって、残存単量体に起因する着色や塗膜のべとつ
きを生じない利点がある。
【0024】本発明におけるフッ素系共重合体の融点の
範囲は、40〜150℃であるものが好ましく、更に好
ましくは60〜120℃である。融点がこれより低すぎ
ると塗膜の硬度が不足し、融点が高すぎると加熱塗装時
に充分な流動性が得られず塗膜の外観を損なう。なお、
フッ化ビニリデン系樹脂の場合には、上記融点の範囲で
あっても塗膜の硬度が不足したり、高い結晶性によって
透明性が低くなってしまうことになる。
範囲は、40〜150℃であるものが好ましく、更に好
ましくは60〜120℃である。融点がこれより低すぎ
ると塗膜の硬度が不足し、融点が高すぎると加熱塗装時
に充分な流動性が得られず塗膜の外観を損なう。なお、
フッ化ビニリデン系樹脂の場合には、上記融点の範囲で
あっても塗膜の硬度が不足したり、高い結晶性によって
透明性が低くなってしまうことになる。
【0025】なお、本発明において融点は、走査型示差
熱量計(DSC)により試料を10℃/分で昇温したと
きの発熱ピークを求め、その時の温度を融点とすること
により求める。融点のピークの分布が広い場合には、下
に凸となっている部分の最も低い点を融点とする。
熱量計(DSC)により試料を10℃/分で昇温したと
きの発熱ピークを求め、その時の温度を融点とすること
により求める。融点のピークの分布が広い場合には、下
に凸となっている部分の最も低い点を融点とする。
【0026】本発明におけるフッ素系共重合体のガラス
転移温度の範囲は、−20℃〜80℃であるものが好ま
しい。更に好ましくは0〜70℃である。ガラス転移温
度がこれより低すぎると塗膜の硬度が不足し、また高す
ぎると加熱塗装時に充分な流動性が得られず塗膜の外観
を損なう。これに対してフッ化ビニリデン系樹脂の場合
には、ガラス転移温度が低く、塗膜の硬度が不足する。
転移温度の範囲は、−20℃〜80℃であるものが好ま
しい。更に好ましくは0〜70℃である。ガラス転移温
度がこれより低すぎると塗膜の硬度が不足し、また高す
ぎると加熱塗装時に充分な流動性が得られず塗膜の外観
を損なう。これに対してフッ化ビニリデン系樹脂の場合
には、ガラス転移温度が低く、塗膜の硬度が不足する。
【0027】さらに、本発明におけるフッ素系共重合体
粒子の粒子径は、50nm〜300nmの範囲にあるこ
とが好ましく、更に好ましくは70〜200nmであ
る。粒子径が50nm未満であると、機械的安定性が低
下し、また造膜性も低下する傾向にあり好ましくない。
300nmよりも大きすぎると沈降安定性、熱的安定
性、機械的安定性、化学的安定性を損なう。
粒子の粒子径は、50nm〜300nmの範囲にあるこ
とが好ましく、更に好ましくは70〜200nmであ
る。粒子径が50nm未満であると、機械的安定性が低
下し、また造膜性も低下する傾向にあり好ましくない。
300nmよりも大きすぎると沈降安定性、熱的安定
性、機械的安定性、化学的安定性を損なう。
【0028】本発明におけるフッ素系共重合体のフッ素
原子の含有量は、20〜65重量%の範囲にあるものが
好ましく、更に好ましくは30〜60である。フッ素原
子の含有量がこれより少なすぎると耐候性が低下し、ま
た多すぎると塗膜の基材への密着性が低下するため好ま
しくない。
原子の含有量は、20〜65重量%の範囲にあるものが
好ましく、更に好ましくは30〜60である。フッ素原
子の含有量がこれより少なすぎると耐候性が低下し、ま
た多すぎると塗膜の基材への密着性が低下するため好ま
しくない。
【0029】本発明におけるフッ素系共重合体の分子量
の指標であるQ値は、0.1〜10,000の範囲にあ
るものが好ましく、更に好ましくは1〜1,000であ
る。
の指標であるQ値は、0.1〜10,000の範囲にあ
るものが好ましく、更に好ましくは1〜1,000であ
る。
【0030】Q値が0.1未満であると、粒子の流動性
が低下し、造膜性、塗膜の平滑性が低下する傾向にあ
り、10,000よりも大きすぎると塗膜の機械的強度
が損なわれる。
が低下し、造膜性、塗膜の平滑性が低下する傾向にあ
り、10,000よりも大きすぎると塗膜の機械的強度
が損なわれる。
【0031】なおQ値は、高化式フローテスターを用い
フッ素系共重合体を内径11.3mmのシリンダーに充
填し、140℃で7kg荷重下に内径2.1mm、長さ
8mmのノズルより押し出し、その際の単位時間内に押
し出される容量(mm3 /秒)で定義される値である。
フッ素系共重合体を内径11.3mmのシリンダーに充
填し、140℃で7kg荷重下に内径2.1mm、長さ
8mmのノズルより押し出し、その際の単位時間内に押
し出される容量(mm3 /秒)で定義される値である。
【0032】本発明におけるフッ素系共重合体において
は、上記(a)〜(d)の単量体に基づく重合単位に加
えて(e)ビニルエステル、ビニルエーテル、イソプロ
ペニルエーテル及びアリルエーテルから選ばれる少なく
とも一つの単量体に基づく重合単位を含む共重合体であ
ってもよい。この単量体に基づく重合単位が含まれてい
ると、顔料分散性、基材との密着性が向上されるばかり
でなく、アクリル単量体との親和性が向上して塗膜の透
明性、耐候性が向上するという特徴を有する。
は、上記(a)〜(d)の単量体に基づく重合単位に加
えて(e)ビニルエステル、ビニルエーテル、イソプロ
ペニルエーテル及びアリルエーテルから選ばれる少なく
とも一つの単量体に基づく重合単位を含む共重合体であ
ってもよい。この単量体に基づく重合単位が含まれてい
ると、顔料分散性、基材との密着性が向上されるばかり
でなく、アクリル単量体との親和性が向上して塗膜の透
明性、耐候性が向上するという特徴を有する。
【0033】上記(e)ビニルエステル、ビニルエーテ
ル、イソプロペニルエーテル及びアリルエーテルから選
ばれる少なくとも一つの単量体に基づく重合単位が多す
ぎると塗膜にタックが生じる。また逆に少なすぎる場合
には顔料分散性、基材との密着性、アクリル単量体との
親和性などの向上の効果は十分に奏されない。
ル、イソプロペニルエーテル及びアリルエーテルから選
ばれる少なくとも一つの単量体に基づく重合単位が多す
ぎると塗膜にタックが生じる。また逆に少なすぎる場合
には顔料分散性、基材との密着性、アクリル単量体との
親和性などの向上の効果は十分に奏されない。
【0034】従って、(e)成分に基づく重合単位の含
量は、5〜20モル%程度であることが好ましい。
量は、5〜20モル%程度であることが好ましい。
【0035】上記ビニルエステルとしては、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ステアリン
酸ビニルなどが挙げられる。またビニルエーテルとして
は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロ
ヘキシルビニルエーテルなどが挙げられる。イソプロペ
ニルエーテルとしては、メチルイソプロペニルエーテ
ル、エチルイソプロペニルエーテル、プロピルイソプロ
ペニルエーテル、ブチルイソプロペニルエーテル、シク
ロヘキシルイソプロペニルエーテルなどが挙げられる。
アリルエーテルとしては、エチルアリルエーテル、プロ
ピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチ
ルアリルエーテルなどが挙げられる。
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ステアリン
酸ビニルなどが挙げられる。またビニルエーテルとして
は、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プ
ロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロ
ヘキシルビニルエーテルなどが挙げられる。イソプロペ
ニルエーテルとしては、メチルイソプロペニルエーテ
ル、エチルイソプロペニルエーテル、プロピルイソプロ
ペニルエーテル、ブチルイソプロペニルエーテル、シク
ロヘキシルイソプロペニルエーテルなどが挙げられる。
アリルエーテルとしては、エチルアリルエーテル、プロ
ピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチ
ルアリルエーテルなどが挙げられる。
【0036】また、上記(e)の単量体に基づく重合単
位は、ヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基およ
び加水分解性シリル基から選ばれる反応性基を含有して
いてもよい。この反応性基を含有する単量体に基づく重
合単位は、上記(e)の単量体に基づく重合単位中に2
0モル%以上、好ましくは25%モル%以上の量で含有
させることができる。
位は、ヒドロキシル基、カルボン酸基、エポキシ基およ
び加水分解性シリル基から選ばれる反応性基を含有して
いてもよい。この反応性基を含有する単量体に基づく重
合単位は、上記(e)の単量体に基づく重合単位中に2
0モル%以上、好ましくは25%モル%以上の量で含有
させることができる。
【0037】フッ素系共重合体がこのような反応性基を
有していても、分散液の安定性は、損なわれない。そし
て、フッ素系共重合体が、反応性基を有している場合
は、該水性分散液を塗料ベースとした時に、硬化剤を併
用することにより、架橋して極めて優れた耐水性、耐溶
剤性を有する塗膜を形成することができるという利点が
ある。この意味で、反応性基は、硬化性部位に相当する
と考えることもできる。
有していても、分散液の安定性は、損なわれない。そし
て、フッ素系共重合体が、反応性基を有している場合
は、該水性分散液を塗料ベースとした時に、硬化剤を併
用することにより、架橋して極めて優れた耐水性、耐溶
剤性を有する塗膜を形成することができるという利点が
ある。この意味で、反応性基は、硬化性部位に相当する
と考えることもできる。
【0038】ヒドロキシル基を含有する重合単位は、こ
のようなヒドロキシル基含有単量体を共重合する方法、
または、重合体を高分子反応させてヒドロキシル基を含
有する重合単位を形成させる方法などにより導入でき
る。
のようなヒドロキシル基含有単量体を共重合する方法、
または、重合体を高分子反応させてヒドロキシル基を含
有する重合単位を形成させる方法などにより導入でき
る。
【0039】ここで、ヒドロキシル基含有単量体として
は、ヒドロキシブチルビニルエーテル〔HBVE〕のご
ときヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ヒドロキシ
エチルアリルエーテルのごときヒドロキシアルキルアリ
ルエーテル類;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレートのごときアクリル酸またはメ
タクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどが例示さ
れる。
は、ヒドロキシブチルビニルエーテル〔HBVE〕のご
ときヒドロキシアルキルビニルエーテル類;ヒドロキシ
エチルアリルエーテルのごときヒドロキシアルキルアリ
ルエーテル類;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレートのごときアクリル酸またはメ
タクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどが例示さ
れる。
【0040】また、重合体を高分子反応させてヒドロキ
シル基を含有する重合単位を形成させる方法としては、
重合後加水分解可能なビニルエステル類を共重合させた
後、加水分解せしめてヒドロキシル基を形成せしめると
いう方法などが例示される。
シル基を含有する重合単位を形成させる方法としては、
重合後加水分解可能なビニルエステル類を共重合させた
後、加水分解せしめてヒドロキシル基を形成せしめると
いう方法などが例示される。
【0041】一方、カルボン酸基を含有する重合単位
は、カルボン酸基含有単量体を共重合する方法、ヒドロ
キシル基を有する重合体に2塩基酸無水物を反応せしめ
てカルボン酸基を形成する方法などにより導入できる。
は、カルボン酸基含有単量体を共重合する方法、ヒドロ
キシル基を有する重合体に2塩基酸無水物を反応せしめ
てカルボン酸基を形成する方法などにより導入できる。
【0042】ここで、カルボン酸基含有単量体として
は、以下のようなものが例示される。 (1) CH2=CHOR1OCOR2COOM (2) CH2=CHCH2OR3OCOR4COOM (式中、R1、R3は炭素数2〜15の二価の炭化水素基、
R2、R4は飽和あるいは不飽和の直鎖状または環状の二価
の炭化水素基、Mは水素原子、炭化水素基、アルカリ金
属イオンまたは窒素原子を含む化合物である。)
は、以下のようなものが例示される。 (1) CH2=CHOR1OCOR2COOM (2) CH2=CHCH2OR3OCOR4COOM (式中、R1、R3は炭素数2〜15の二価の炭化水素基、
R2、R4は飽和あるいは不飽和の直鎖状または環状の二価
の炭化水素基、Mは水素原子、炭化水素基、アルカリ金
属イオンまたは窒素原子を含む化合物である。)
【0043】エポキシ基を含有する重合単位は、エポキ
シ基を含有する単量体を共重合することにより導入でき
る。エポキシ基を含有する単量体としては、グリシジル
ビニルエーテルなどのエポキシ基含有アルキルビニルエ
ーテル類;グリシジルアリルエーテルなどのエポキシ基
含有アルキルアリルエーテル類;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有ア
ルキルアクリレート類またはメタクリレート類などが例
示される。
シ基を含有する単量体を共重合することにより導入でき
る。エポキシ基を含有する単量体としては、グリシジル
ビニルエーテルなどのエポキシ基含有アルキルビニルエ
ーテル類;グリシジルアリルエーテルなどのエポキシ基
含有アルキルアリルエーテル類;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有ア
ルキルアクリレート類またはメタクリレート類などが例
示される。
【0044】加水分解性シリル基を含有する重合単位
は、加水分解性シリル基を含有する単量体を共重合する
ことにより導入できる。加水分解性シリル基を含有する
単量体としては、トリメトキシビニルシラン、トリエト
キシビニルシランなどが例示される。
は、加水分解性シリル基を含有する単量体を共重合する
ことにより導入できる。加水分解性シリル基を含有する
単量体としては、トリメトキシビニルシラン、トリエト
キシビニルシランなどが例示される。
【0045】本発明におけるフッ素系共重合体において
は、上記(a)〜(d)又は(a)〜(e)の単量体に
加えて(f)一般式:X−Y−Z( ここでXはラジカル
重合性不飽和基、Yは疎水性の2価の連結基、Zは親水
性基 )で表される親水性マクロモノマーを共重合しても
よい。この親水性マクロモノマーに基づく重合単位が含
まれていると、水性分散液の機械的安定性・化学的安定
性が改善されるばかりでなく、造膜性や塗膜の機械的強
度にも優れ、さらに安定化のための乳化剤をまったくあ
るいはほとんど使用しなくて済むので、耐水性や耐汚染
性が向上するという特徴を有する。
は、上記(a)〜(d)又は(a)〜(e)の単量体に
加えて(f)一般式:X−Y−Z( ここでXはラジカル
重合性不飽和基、Yは疎水性の2価の連結基、Zは親水
性基 )で表される親水性マクロモノマーを共重合しても
よい。この親水性マクロモノマーに基づく重合単位が含
まれていると、水性分散液の機械的安定性・化学的安定
性が改善されるばかりでなく、造膜性や塗膜の機械的強
度にも優れ、さらに安定化のための乳化剤をまったくあ
るいはほとんど使用しなくて済むので、耐水性や耐汚染
性が向上するという特徴を有する。
【0046】ここでラジカル重合性不飽和基Xとして
は、ビニル基( CH2=CH- )、アリル基( CH2=CHCH2- )、
プロペニル基( CH3CH=C- )、イソプロペニル基( CH2=C
(CH3)-) 、アクリロイル基( CH2=CHCO- ) 、メタクリロ
イル基( CH2=C(CH3)CO- ) などを例示しうる。
は、ビニル基( CH2=CH- )、アリル基( CH2=CHCH2- )、
プロペニル基( CH3CH=C- )、イソプロペニル基( CH2=C
(CH3)-) 、アクリロイル基( CH2=CHCO- ) 、メタクリロ
イル基( CH2=C(CH3)CO- ) などを例示しうる。
【0047】疎水性の2価の連結基Yとしては、直鎖ま
たは分岐の炭化水素基、ポリオキシプロピレン基、シク
ロヘキサン環やシクロドデカン環などの脂環基および芳
香族基などが好ましい。この連結基がより疎水性であれ
ばあるほど親水性マクロモノマーのフルオロオレフィ
ン、エチレンおよびプロピレン等の他の共重合可能な単
量体との相溶性が高くなり、該マクロモノマーの反応率
が向上し、結果として安定化のための乳化剤をまった
く、あるいはほとんど使用しなくても、安定性に優れる
フッ素系共重合体の水性分散液を得ることが可能とな
る。
たは分岐の炭化水素基、ポリオキシプロピレン基、シク
ロヘキサン環やシクロドデカン環などの脂環基および芳
香族基などが好ましい。この連結基がより疎水性であれ
ばあるほど親水性マクロモノマーのフルオロオレフィ
ン、エチレンおよびプロピレン等の他の共重合可能な単
量体との相溶性が高くなり、該マクロモノマーの反応率
が向上し、結果として安定化のための乳化剤をまった
く、あるいはほとんど使用しなくても、安定性に優れる
フッ素系共重合体の水性分散液を得ることが可能とな
る。
【0048】親水性基Zとしては、イオン性、ノニオン
性、両性およびこれらの組み合わせのいずれであっても
よいが、イオン性親水基のみからなる場合はフッ素系共
重合体の水性分散液の化学的安定性が低下するため、ノ
ニオン性または両性の親水基を有するマクロモノマーを
組み合わせることが望ましい。親水性の強さや塗膜物性
への影響という点から、ポリオキシエチレン基あるいは
ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン基等のノニ
オン性親水基が特に好ましい。
性、両性およびこれらの組み合わせのいずれであっても
よいが、イオン性親水基のみからなる場合はフッ素系共
重合体の水性分散液の化学的安定性が低下するため、ノ
ニオン性または両性の親水基を有するマクロモノマーを
組み合わせることが望ましい。親水性の強さや塗膜物性
への影響という点から、ポリオキシエチレン基あるいは
ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン基等のノニ
オン性親水基が特に好ましい。
【0049】マクロモノマーとは、片末端にラジカル重
合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴ
マーのことをいう。すなわち、片末端にラジカル重合性
不飽和基を有し、十分な安定性を得るために、繰り返し
単位を少なくとも2個有する化合物である。繰り返し単
位の種類によって異なるが、通常は繰り返し単位が10
0個以下のものが重合性、耐水性などの面から好ましく
採用される。
合性不飽和基を有する低分子量のポリマーまたはオリゴ
マーのことをいう。すなわち、片末端にラジカル重合性
不飽和基を有し、十分な安定性を得るために、繰り返し
単位を少なくとも2個有する化合物である。繰り返し単
位の種類によって異なるが、通常は繰り返し単位が10
0個以下のものが重合性、耐水性などの面から好ましく
採用される。
【0050】親水性マクロモノマーとして、片末端がビ
ニルエーテル型またはアリルエーテル型のものが好まし
い。例えば、
ニルエーテル型またはアリルエーテル型のものが好まし
い。例えば、
【0051】(1) CH2 =CHOCH2 -cycloC6H10-CH2 O(CH2
CH2 O)t X( tは2〜40の整数、Xは水素原子、低級ア
ルキル基、または低級アシル基を示す。 )、(2) CH2
=CHOC4 H8-O-(CH2 CH(CH3)O) u -CH2O(CH2 CH2 O)t X(
uは1〜10の整数、t 、X は上記と同様の意味を表
す。 )、(3) CH2 =CHO-C4 H8 ー O-(CH2CH2 O)t X
( t、X は上記と同様に意味を表す。) (4) CH2 =CH
CH2OC4 H8-O-(CH2 CH(CH3)O)u -CH2O(CH2 CH2 O)t X(
u、t 、Xは上記と同様に意味を表す。)などが例示され
る。なお、(-cycloC6H10-)の結合部位は、1,4-、 1,3
-、1,2- があるが、通常は1,4-が採用される。
CH2 O)t X( tは2〜40の整数、Xは水素原子、低級ア
ルキル基、または低級アシル基を示す。 )、(2) CH2
=CHOC4 H8-O-(CH2 CH(CH3)O) u -CH2O(CH2 CH2 O)t X(
uは1〜10の整数、t 、X は上記と同様の意味を表
す。 )、(3) CH2 =CHO-C4 H8 ー O-(CH2CH2 O)t X
( t、X は上記と同様に意味を表す。) (4) CH2 =CH
CH2OC4 H8-O-(CH2 CH(CH3)O)u -CH2O(CH2 CH2 O)t X(
u、t 、Xは上記と同様に意味を表す。)などが例示され
る。なお、(-cycloC6H10-)の結合部位は、1,4-、 1,3
-、1,2- があるが、通常は1,4-が採用される。
【0052】なかでも、片末端がビニルエーテル型の構
造を有するものが、フルオロオレフィンとの交互共重合
性に優れ、共重合体塗膜の耐候性が良好となるため好ま
しく、以下のものが例示される。 (1) CH2 =CHOC4H8-O-(CH2 CH2 O)n H( nは2〜40
の整数 ) (2) CH2 =CHOCH2 -cycloC6H10-CH2 O-(CH2 CH2 O)
n H( nは上記と同様の意味を表す。 ) (3) CH2 =CHO-cycloC6H10-C(CH3)2-cycloC6H10 -O-
(CH2 CH2O)n H( nは上記と同様の意味を表す。)
造を有するものが、フルオロオレフィンとの交互共重合
性に優れ、共重合体塗膜の耐候性が良好となるため好ま
しく、以下のものが例示される。 (1) CH2 =CHOC4H8-O-(CH2 CH2 O)n H( nは2〜40
の整数 ) (2) CH2 =CHOCH2 -cycloC6H10-CH2 O-(CH2 CH2 O)
n H( nは上記と同様の意味を表す。 ) (3) CH2 =CHO-cycloC6H10-C(CH3)2-cycloC6H10 -O-
(CH2 CH2O)n H( nは上記と同様の意味を表す。)
【0053】これらの親水性マクロモノマーは、ヒドロ
キシル基を有するアルキルビニルエーテルあるいはアル
キルアリルエーテルに、ホルムアルデヒドを重合させる
か、または、アルキレンオキシドあるいはラクトン環を
有する化合物を開環重合させるなどの方法により製造す
ることが可能である。ポリエチレングリコールなどの親
水性ポリマーの末端にビニルエーテル基やアリルエーテ
ル基などを導入することにより製造することもできる。
キシル基を有するアルキルビニルエーテルあるいはアル
キルアリルエーテルに、ホルムアルデヒドを重合させる
か、または、アルキレンオキシドあるいはラクトン環を
有する化合物を開環重合させるなどの方法により製造す
ることが可能である。ポリエチレングリコールなどの親
水性ポリマーの末端にビニルエーテル基やアリルエーテ
ル基などを導入することにより製造することもできる。
【0054】また、親水性マクロモノマーとしては、親
水性のエチレン性不飽和モノマーがラジカル重合した鎖
を有し、末端にビニルエーテルまたはアリルエーテルの
ごときラジカル重合性不飽和基を有するマクロモノマー
であってもよい。このようなマクロモノマーは、山下ら
がPolym.Bull.,5. 335(1981)に述べている方法等により
製造することが可能である。すなわち、縮合可能な官能
基を有する開始剤および連鎖移動剤の存在下に親水性基
を有するエチレン性不飽和モノマーをラジカル重合させ
ることにより、縮合可能な官能基を有する重合体を製造
し、ついでこの重合体の官能基に、グリシジルビニルエ
ーテル、グリシジルアリルエーテルのごとき化合物を反
応させ、末端にラジカル重合性不飽和基を導入する方法
などが例示される。
水性のエチレン性不飽和モノマーがラジカル重合した鎖
を有し、末端にビニルエーテルまたはアリルエーテルの
ごときラジカル重合性不飽和基を有するマクロモノマー
であってもよい。このようなマクロモノマーは、山下ら
がPolym.Bull.,5. 335(1981)に述べている方法等により
製造することが可能である。すなわち、縮合可能な官能
基を有する開始剤および連鎖移動剤の存在下に親水性基
を有するエチレン性不飽和モノマーをラジカル重合させ
ることにより、縮合可能な官能基を有する重合体を製造
し、ついでこの重合体の官能基に、グリシジルビニルエ
ーテル、グリシジルアリルエーテルのごとき化合物を反
応させ、末端にラジカル重合性不飽和基を導入する方法
などが例示される。
【0055】この親水性マクロモノマーの製造に用いら
れるエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、
N-メチロールメタクリルアミド、2-メトキシエチルアク
リレート、2-メトキシエチルメタクリレート、ジアセト
ンアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリ
レート、多価アルコールのアクリル酸エステル、多価ア
ルコールのメタクリル酸エステルおよびビニルピロリド
ンなどがある。
れるエチレン性不飽和モノマーとしては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、
N-メチロールメタクリルアミド、2-メトキシエチルアク
リレート、2-メトキシエチルメタクリレート、ジアセト
ンアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアク
リレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリ
レート、多価アルコールのアクリル酸エステル、多価ア
ルコールのメタクリル酸エステルおよびビニルピロリド
ンなどがある。
【0056】この他に、エチレン性不飽和モノマーと共
重合可能なモノマーをエチレン性不飽和モノマーと共に
使用してもよい。かかる共重合可能なモノマーとして、
アクリルアミドとその誘導体、メタクリルアミドとその
誘導体、N-メチロールアクリルアミド誘導体、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテルモノアクリレート、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテルモノアクリレ
ート、2-ヒドロキシエチルアクリレートのリン酸エステ
ル、ブトキシエチルアクリレートなどがある。
重合可能なモノマーをエチレン性不飽和モノマーと共に
使用してもよい。かかる共重合可能なモノマーとして、
アクリルアミドとその誘導体、メタクリルアミドとその
誘導体、N-メチロールアクリルアミド誘導体、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテルモノアクリレート、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテルモノアクリレ
ート、2-ヒドロキシエチルアクリレートのリン酸エステ
ル、ブトキシエチルアクリレートなどがある。
【0057】また、この親水性マクロモノマーの製造に
用いられる重合開始剤としては、4,4'- アゾビス-4- シ
アノバレリアン酸、2,2'- アゾビス-2- アミジノプロパ
ン塩酸塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾ
ビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどがあ
る。
用いられる重合開始剤としては、4,4'- アゾビス-4- シ
アノバレリアン酸、2,2'- アゾビス-2- アミジノプロパ
ン塩酸塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、アゾ
ビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなどがあ
る。
【0058】本発明におけるフッ素系共重合体中には、
親水性マクロモノマーに基づく重合単位が0.1〜25
モル%、好ましくは0.3〜20モル%の割合で含まれ
ることが好ましい。
親水性マクロモノマーに基づく重合単位が0.1〜25
モル%、好ましくは0.3〜20モル%の割合で含まれ
ることが好ましい。
【0059】この含有量があまり少ない場合は、水性分
散液の機械的安定性・化学的安定性を顕著に改善するこ
とができず、またあまり多すぎると、塗膜の耐候性、耐
水性が悪くなるため好ましくない。
散液の機械的安定性・化学的安定性を顕著に改善するこ
とができず、またあまり多すぎると、塗膜の耐候性、耐
水性が悪くなるため好ましくない。
【0060】本発明における水性分散液は、フッ素系共
重合体が水に分散されたものである。また本発明におけ
る水性分散液は、通常フッ素系共重合体水性分散液で用
いられる乳化剤を用いなくても分散安定性に優れるが、
乳化剤を用いることを排除するものではない。乳化剤と
しては、ノニオン性乳化剤やアニオン性乳化剤を単独で
または併用して用いることができる。ノニオン性乳化剤
としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加
物、高級アルコールエチレンオキシド付加物、エチレン
オキシドとプロピレンオキシドブロックコポリマーなど
を例示しうる。アニオン性乳化剤としては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル
エーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などを例示
しうる。
重合体が水に分散されたものである。また本発明におけ
る水性分散液は、通常フッ素系共重合体水性分散液で用
いられる乳化剤を用いなくても分散安定性に優れるが、
乳化剤を用いることを排除するものではない。乳化剤と
しては、ノニオン性乳化剤やアニオン性乳化剤を単独で
または併用して用いることができる。ノニオン性乳化剤
としては、アルキルフェノールエチレンオキシド付加
物、高級アルコールエチレンオキシド付加物、エチレン
オキシドとプロピレンオキシドブロックコポリマーなど
を例示しうる。アニオン性乳化剤としては、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル
エーテル硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などを例示
しうる。
【0061】また、上記乳化剤は通常重合時に添加して
使用されるが、重合後の水性分散液に同種の乳化剤およ
び/または異種の乳化剤を添加して使用してもよい。
使用されるが、重合後の水性分散液に同種の乳化剤およ
び/または異種の乳化剤を添加して使用してもよい。
【0062】ここで重合後の水性分散液に添加する乳化
剤としては上記の乳化剤の他にジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ジノニルスルホコハク酸ナトリウムなど
のジアルキルスルホコハク酸のアルカリ金属塩、および
これらとエチレングルコール、プロピレングリコールな
どのアルキレングリコールとの組み合わせなどが例示さ
れる。これらジアルキルスルホコハク酸のアルカリ金属
塩およびアルキレングルコールを添加すると上記水性分
散液の機械的安定性・熱的安定性が改善される。
剤としては上記の乳化剤の他にジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ジノニルスルホコハク酸ナトリウムなど
のジアルキルスルホコハク酸のアルカリ金属塩、および
これらとエチレングルコール、プロピレングリコールな
どのアルキレングリコールとの組み合わせなどが例示さ
れる。これらジアルキルスルホコハク酸のアルカリ金属
塩およびアルキレングルコールを添加すると上記水性分
散液の機械的安定性・熱的安定性が改善される。
【0063】本発明において、乳化重合の開始は、通常
の乳化重合の開始と同様に重合開始剤の添加により行わ
れる。重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤を用
いることができるが、特に水溶性開始剤が好ましく採用
され、具体的には、過硫酸アンモニウム塩などの過硫酸
塩、過酸化水素あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせか
らなるレドックス開始剤、さらにこれらに少量の鉄、第
一鉄塩、硫酸銀などを共存させた系の無機系開始剤、ま
たはジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシ
ドなどの二塩基酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジ
ンの塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリルなどの有機系
開始剤が例示される。
の乳化重合の開始と同様に重合開始剤の添加により行わ
れる。重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤を用
いることができるが、特に水溶性開始剤が好ましく採用
され、具体的には、過硫酸アンモニウム塩などの過硫酸
塩、過酸化水素あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせか
らなるレドックス開始剤、さらにこれらに少量の鉄、第
一鉄塩、硫酸銀などを共存させた系の無機系開始剤、ま
たはジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシ
ドなどの二塩基酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジ
ンの塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリルなどの有機系
開始剤が例示される。
【0064】重合開始剤の使用量は、その種類、乳化重
合条件などに応じて適宜変更可能であるが、通常は、乳
化重合させるべき単量体100重量部あたり0.005
〜0.5重量部程度が好ましい。また、これらの重合開
始剤は、一括添加してもよいが、必要に応じて分割添加
してもよい。
合条件などに応じて適宜変更可能であるが、通常は、乳
化重合させるべき単量体100重量部あたり0.005
〜0.5重量部程度が好ましい。また、これらの重合開
始剤は、一括添加してもよいが、必要に応じて分割添加
してもよい。
【0065】また乳化物のpHを上昇させる目的で、p
H調整剤を用いてもよい。pH調整剤としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウムなど
の無機塩基およびトリエチルアミン、トリエタノールア
ミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノール
アミンなどの有機塩基類などが例示される。
H調整剤を用いてもよい。pH調整剤としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウムなど
の無機塩基およびトリエチルアミン、トリエタノールア
ミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノール
アミンなどの有機塩基類などが例示される。
【0066】pH調整剤の添加量は、通常乳化重合媒体
100重量部あたり0.05〜2重量部程度、好ましく
は0.1〜2重量部程度である。なお、pHの高い方が
重合速度が速くなる傾向がある。
100重量部あたり0.05〜2重量部程度、好ましく
は0.1〜2重量部程度である。なお、pHの高い方が
重合速度が速くなる傾向がある。
【0067】乳化重合開始温度は、重合開始剤の種類に
応じて適宜最適値が選定されるが、通常は、0〜100
℃、特に10〜90℃程度が好ましく採用される。重合
温度は20〜120℃程度である。また反応圧力は適宜
選定可能であるが、通常は0.1〜10MPa、特に
0.2〜5MPa程度を採用するのが望ましい。
応じて適宜最適値が選定されるが、通常は、0〜100
℃、特に10〜90℃程度が好ましく採用される。重合
温度は20〜120℃程度である。また反応圧力は適宜
選定可能であるが、通常は0.1〜10MPa、特に
0.2〜5MPa程度を採用するのが望ましい。
【0068】この製造方法においては、単量体、水、乳
化剤、重合開始剤などの添加物をそのまま一括仕込みし
て重合してもよいが、分散粒子の粒子径を小さくして分
散液の安定性および塗膜の光沢などの諸物性を向上させ
る目的で、重合開始剤を添加する以前にホモジナイザー
などの撹拌機を用いて前乳化させ、その後に開始剤を添
加して重合してもよい。また、単量体は、その全量を一
括して反応器に装入する方法、単量体の全量を連続して
装入する方法、単量体全量を分割して装入する方法、単
量体の一部を仕込んで先ず反応させた後、残りを分割し
てあるいは連続して装入する方法等種々の方法が採用で
きる。また、分割添加する場合、単量体組成は異なって
もよい。
化剤、重合開始剤などの添加物をそのまま一括仕込みし
て重合してもよいが、分散粒子の粒子径を小さくして分
散液の安定性および塗膜の光沢などの諸物性を向上させ
る目的で、重合開始剤を添加する以前にホモジナイザー
などの撹拌機を用いて前乳化させ、その後に開始剤を添
加して重合してもよい。また、単量体は、その全量を一
括して反応器に装入する方法、単量体の全量を連続して
装入する方法、単量体全量を分割して装入する方法、単
量体の一部を仕込んで先ず反応させた後、残りを分割し
てあるいは連続して装入する方法等種々の方法が採用で
きる。また、分割添加する場合、単量体組成は異なって
もよい。
【0069】本発明のフッ素系共重合体は、予め重合し
ておいた当該フッ素系共重合体の粒子の存在下に、該粒
子と同じ単量体の組み合わせ、組成の単量体をさらに乳
化重合してもよい。予め共重合体粒子が水中に存在する
ことにより、ガス状の単量体が吸収されやすくなり、重
合速度が向上する。また、その際に、予め重合しておい
て当該フッ素系共重合体の粒子を希釈してから乳化重合
を行うことにより、分散液の安定性をより向上させるこ
とができる。
ておいた当該フッ素系共重合体の粒子の存在下に、該粒
子と同じ単量体の組み合わせ、組成の単量体をさらに乳
化重合してもよい。予め共重合体粒子が水中に存在する
ことにより、ガス状の単量体が吸収されやすくなり、重
合速度が向上する。また、その際に、予め重合しておい
て当該フッ素系共重合体の粒子を希釈してから乳化重合
を行うことにより、分散液の安定性をより向上させるこ
とができる。
【0070】この場合、重合時に予め仕込む該フッ素系
共重合体の粒子100重量部に対して、単量体の混合物
100〜10,000重量部の割合で重合を行うことが
望ましい。予め仕込む該フッ素系共重合体の粒子の割合
が低すぎると重合速度の向上効果が小さく、また多すぎ
ると一回の重合操作で得られる水性分散液の収量が少な
くなり、経済的ではない。
共重合体の粒子100重量部に対して、単量体の混合物
100〜10,000重量部の割合で重合を行うことが
望ましい。予め仕込む該フッ素系共重合体の粒子の割合
が低すぎると重合速度の向上効果が小さく、また多すぎ
ると一回の重合操作で得られる水性分散液の収量が少な
くなり、経済的ではない。
【0071】また、単量体のガス吸収を更に改善するた
めに、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどの
アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ールなどのアルキレングリコール類などの親水性有機化
合物を重合時に添加してもよい。この場合の添加量は水
性分散液の水に対して0.1〜10重量%使用すること
が好ましい。更に好ましくは1〜5重量%である。
めに、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノールなどの
アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ールなどのアルキレングリコール類などの親水性有機化
合物を重合時に添加してもよい。この場合の添加量は水
性分散液の水に対して0.1〜10重量%使用すること
が好ましい。更に好ましくは1〜5重量%である。
【0072】添加量がこれよりも少ないとガス吸収効果
が小さく、また多すぎると揮発性の有機化合物の含有量
が多くなって環境に悪影響を及ぼす。
が小さく、また多すぎると揮発性の有機化合物の含有量
が多くなって環境に悪影響を及ぼす。
【0073】また、上記のフッ素系共重合体が分散され
ている水性分散液中で、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(以下、(メタ)アクリル酸エステルとも記
す。)の単量体を主成分とするラジカル重合性の単量体
を乳化重合することもできる。
ている水性分散液中で、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(以下、(メタ)アクリル酸エステルとも記
す。)の単量体を主成分とするラジカル重合性の単量体
を乳化重合することもできる。
【0074】このようなフッ素系共重合体が分散されて
いる水性分散液中での(メタ)アクリル酸エステルの単
量体を主成分とするラジカル重合性の単量体の乳化重合
は、当該分散されているフッ素系共重合体に対する後反
応または、これをシード粒子とするいわゆるシード重合
と称すべきものであり、乳化重合の過程で、(メタ)ア
クリル酸エステルの単量体を主成分とするラジカル重合
性の単量体のフッ素系共重合体への侵入・膨潤等の何ら
かの相互作用が起きる結果、最終的なフッ素系共重合体
の水性分散液においては、両分散液を個別に調製してか
ら混合したものに比較して、フッ素系共重合体と(メ
タ)アクリル酸エステルの単量体を主成分とする共重合
体が互いにより均一に分散したものが得られることが期
待される。
いる水性分散液中での(メタ)アクリル酸エステルの単
量体を主成分とするラジカル重合性の単量体の乳化重合
は、当該分散されているフッ素系共重合体に対する後反
応または、これをシード粒子とするいわゆるシード重合
と称すべきものであり、乳化重合の過程で、(メタ)ア
クリル酸エステルの単量体を主成分とするラジカル重合
性の単量体のフッ素系共重合体への侵入・膨潤等の何ら
かの相互作用が起きる結果、最終的なフッ素系共重合体
の水性分散液においては、両分散液を個別に調製してか
ら混合したものに比較して、フッ素系共重合体と(メ
タ)アクリル酸エステルの単量体を主成分とする共重合
体が互いにより均一に分散したものが得られることが期
待される。
【0075】このように、(メタ)アクリル酸エステル
の単量体を主成分とするラジカル重合性の単量体をシー
ド重合することにより、フッ素系共重合体の耐候性等の
特性を保持したまま、機械的安定性、化学的的安定性、
造膜性、顔料分散性、施工性をより向上させることがで
きる。
の単量体を主成分とするラジカル重合性の単量体をシー
ド重合することにより、フッ素系共重合体の耐候性等の
特性を保持したまま、機械的安定性、化学的的安定性、
造膜性、顔料分散性、施工性をより向上させることがで
きる。
【0076】ここで、(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルとしては、アルキル基の炭素数が1〜18のものが
好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)ア
クリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、
(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸
イソヘキシル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができ
る。このうち、特に炭素数1〜5のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。また、上記
(メタ)アクリル酸エステルと共に、これと共重合可能
な単量体をアクリル酸エステルの50モル%以下、好ま
しくは25モル%以下使用してもよい。
テルとしては、アルキル基の炭素数が1〜18のものが
好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)ア
クリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、
(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸
イソヘキシル、(メタ)アクリル酸2―エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができ
る。このうち、特に炭素数1〜5のアルキル基を有する
(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。また、上記
(メタ)アクリル酸エステルと共に、これと共重合可能
な単量体をアクリル酸エステルの50モル%以下、好ま
しくは25モル%以下使用してもよい。
【0077】(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能
な単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
クロトン酸などのカルボキシル基含有単量体;(メタ)
アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ
メチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有単量体;(メ
タ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有単量
体;(メタ)アクリル酸γ−トリメトキシシラン、(メ
タ)アクリル酸γ−トリエトキシシランなどの加水分解
性シリル基含有単量体などが挙げられる。
な単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
クロトン酸などのカルボキシル基含有単量体;(メタ)
アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ
メチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有単量体;(メ
タ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有単量
体;(メタ)アクリル酸γ−トリメトキシシラン、(メ
タ)アクリル酸γ−トリエトキシシランなどの加水分解
性シリル基含有単量体などが挙げられる。
【0078】(メタ)アクリル酸エステルを主成分とす
る共重合体は、フッ素系共重合体100重量部あたり、
5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部、更
に好ましくは20〜50重量部である。従って、上記い
わゆるシード重合を採用する場合は、フッ素系共重合体
100重量部の存在下に、反応容器に5〜200重量部
の(メタ)アクリル酸を主成分とする単量体を仕込み乳
化重合を行わせることになる。
る共重合体は、フッ素系共重合体100重量部あたり、
5〜200重量部、好ましくは10〜100重量部、更
に好ましくは20〜50重量部である。従って、上記い
わゆるシード重合を採用する場合は、フッ素系共重合体
100重量部の存在下に、反応容器に5〜200重量部
の(メタ)アクリル酸を主成分とする単量体を仕込み乳
化重合を行わせることになる。
【0079】(メタ)アクリル酸エステルを主成分とす
る共重合体の乳化重合条件は、上記したフッ素系共重合
体に関する乳化重合の条件に準じて採用できる。
る共重合体の乳化重合条件は、上記したフッ素系共重合
体に関する乳化重合の条件に準じて採用できる。
【0080】当該フッ素系共重合体と、アクリル酸エス
テルおよび/またはメタクリル酸エステルを主成分とす
る共重合体の複合化された粒子の融点(以下、複合化さ
れた融点とも記す。)の範囲は、好ましくは40〜15
0℃であり、更に好ましくは60〜120℃である。融
点が低すぎると塗膜の硬度が不足し、融点が高すぎると
加熱塗装時に充分な流動性が得られず塗膜の外観を損な
う。
テルおよび/またはメタクリル酸エステルを主成分とす
る共重合体の複合化された粒子の融点(以下、複合化さ
れた融点とも記す。)の範囲は、好ましくは40〜15
0℃であり、更に好ましくは60〜120℃である。融
点が低すぎると塗膜の硬度が不足し、融点が高すぎると
加熱塗装時に充分な流動性が得られず塗膜の外観を損な
う。
【0081】また、当該フッ素系共重合体と(メタ)ア
クリル酸エステルを主成分とする共重合体の複合化され
た粒子のガラス転移温度(以下、複合化されたガラス転
移温度とも記す。)は、−20〜80℃の範囲にあるこ
とが好ましく、更に好ましくは0〜70℃である。これ
よりガラス転移温度が低すぎると塗膜にタックが生じて
しまい、高すぎると塗膜の柔軟性が損なわれてしまう。
クリル酸エステルを主成分とする共重合体の複合化され
た粒子のガラス転移温度(以下、複合化されたガラス転
移温度とも記す。)は、−20〜80℃の範囲にあるこ
とが好ましく、更に好ましくは0〜70℃である。これ
よりガラス転移温度が低すぎると塗膜にタックが生じて
しまい、高すぎると塗膜の柔軟性が損なわれてしまう。
【0082】さらに、当該フッ素系共重合体と(メタ)
アクリル酸エステルを主成分とする共重合体の複合化さ
れた粒子の粒子径は、50nm〜300nmの範囲にあ
ることが好ましく、更に好ましくは70〜200nmで
ある。粒子径が50nm未満であると、機械的安定性が
低下し、また造膜性も低下する傾向にあり好ましくな
い。300nmよりも大きすぎると沈降安定性、熱的安
定性、機械的安定性、化学的安定性を損なう。
アクリル酸エステルを主成分とする共重合体の複合化さ
れた粒子の粒子径は、50nm〜300nmの範囲にあ
ることが好ましく、更に好ましくは70〜200nmで
ある。粒子径が50nm未満であると、機械的安定性が
低下し、また造膜性も低下する傾向にあり好ましくな
い。300nmよりも大きすぎると沈降安定性、熱的安
定性、機械的安定性、化学的安定性を損なう。
【0083】本発明においては、塗料化したときに、無
機質基材、有機質基材への密着性、耐候性、耐薬品性、
成膜性に加え、可撓性をさらに向上させる目的で、上記
含フッ素共重合体の水性分散液に、無機/有機ケイ素化
合物を配合する。
機質基材、有機質基材への密着性、耐候性、耐薬品性、
成膜性に加え、可撓性をさらに向上させる目的で、上記
含フッ素共重合体の水性分散液に、無機/有機ケイ素化
合物を配合する。
【0084】無機ケイ素化合物としては、水ガラス等の
水溶性ケイ酸塩、水分散性コロイダルシリカなどが例示
される。
水溶性ケイ酸塩、水分散性コロイダルシリカなどが例示
される。
【0085】水溶性ケイ酸塩としては、例えば式
(I): M2O ・XSiO2 (I) (式中、Mは、アルカリ金属または-N(CH2CH2OH)4 、-N
H(CH2OH)4 、-N(CH2CH2OH)3 、もしくは-C(NH2)2 NH を
示し、Xは0.5〜5である。)で表される水溶性ケイ
酸塩が挙げられる。当該水溶性ケイ酸塩は結晶水を有し
ていても有していなくても良い。
(I): M2O ・XSiO2 (I) (式中、Mは、アルカリ金属または-N(CH2CH2OH)4 、-N
H(CH2OH)4 、-N(CH2CH2OH)3 、もしくは-C(NH2)2 NH を
示し、Xは0.5〜5である。)で表される水溶性ケイ
酸塩が挙げられる。当該水溶性ケイ酸塩は結晶水を有し
ていても有していなくても良い。
【0086】更に具体的に例示すると、式(I)で表さ
れる水溶性ケイ酸塩の水溶液としては、周期表第IA族
に属するアルカリ金属とケイ酸とからなるアルカリ金属
ケイ酸塩、第3級アンモニウムとケイ酸からなる第3級
アンモニウムケイ酸塩、第4級アンモニウムとケイ酸か
らなる第4級アンモニウムケイ酸塩およびグアニジンと
ケイ酸とからなるグアニジンケイ酸塩などの水溶液が挙
げられる。
れる水溶性ケイ酸塩の水溶液としては、周期表第IA族
に属するアルカリ金属とケイ酸とからなるアルカリ金属
ケイ酸塩、第3級アンモニウムとケイ酸からなる第3級
アンモニウムケイ酸塩、第4級アンモニウムとケイ酸か
らなる第4級アンモニウムケイ酸塩およびグアニジンと
ケイ酸とからなるグアニジンケイ酸塩などの水溶液が挙
げられる。
【0087】アルカリ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナ
トリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸セ
シウムなどがあり、第3級アンモニウムケイ酸塩として
はケイ酸トリエタノールアミン、第4級アンモニウムケ
イ酸塩としては、ケイ酸テトラメタノールアンモニウ
ム、ケイ酸テトラエタノールアンモニウムなどが挙げら
れる。
トリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸セ
シウムなどがあり、第3級アンモニウムケイ酸塩として
はケイ酸トリエタノールアミン、第4級アンモニウムケ
イ酸塩としては、ケイ酸テトラメタノールアンモニウ
ム、ケイ酸テトラエタノールアンモニウムなどが挙げら
れる。
【0088】またこれらの水溶性ケイ酸塩にカルシウ
ム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウムなどのフッ化物
の1種または2種以上を反応させて得られる変性水溶性
ケイ酸塩、または前記水溶性ケイ酸塩に周期表第2A族
に属する金属もしくは亜鉛、ジルコニウム、バナジウ
ム、セシウムなどの酸化物もしくは水酸化物の1種また
は2種以上を反応させて得られる変性水溶性ケイ酸塩な
どの単独使用及び併用もできる。
ム、マグネシウム、亜鉛、ジルコニウムなどのフッ化物
の1種または2種以上を反応させて得られる変性水溶性
ケイ酸塩、または前記水溶性ケイ酸塩に周期表第2A族
に属する金属もしくは亜鉛、ジルコニウム、バナジウ
ム、セシウムなどの酸化物もしくは水酸化物の1種また
は2種以上を反応させて得られる変性水溶性ケイ酸塩な
どの単独使用及び併用もできる。
【0089】水溶性ケイ酸塩のうち、ケイ酸リチウム、
ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ケイ酸塩が好まし
く使用される。特にケイ酸リチウムにおいては、SiO
2 /Li2 Oのモル比が3.0〜25.0、更に3.0
〜4.8のものが好ましく使用される。前記モル比が
3.0より小さいと、得られる塗膜の耐水性が低下しや
すく、25.0より大きいと塗料用組成物の調整時の作
業性及び貯蔵安定性が低下しやすく好ましくない。ケイ
酸ナトリウムにおいては、SiO2 /Na2 Oの重量比
が1.5〜4.0の範囲が好ましく、更に3.0〜4.
0の範囲が好ましい。前記モル比が1.5より小さい
と、得られる塗膜の耐水性が低下しやすく、4.0より
大きいと塗料用組成物の調整時の作業性及び貯蔵安定性
が低下しやすく好ましくない。更に塗膜の透明性の点か
らケイ酸リチウムが好ましい。
ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ金属ケイ酸塩が好まし
く使用される。特にケイ酸リチウムにおいては、SiO
2 /Li2 Oのモル比が3.0〜25.0、更に3.0
〜4.8のものが好ましく使用される。前記モル比が
3.0より小さいと、得られる塗膜の耐水性が低下しや
すく、25.0より大きいと塗料用組成物の調整時の作
業性及び貯蔵安定性が低下しやすく好ましくない。ケイ
酸ナトリウムにおいては、SiO2 /Na2 Oの重量比
が1.5〜4.0の範囲が好ましく、更に3.0〜4.
0の範囲が好ましい。前記モル比が1.5より小さい
と、得られる塗膜の耐水性が低下しやすく、4.0より
大きいと塗料用組成物の調整時の作業性及び貯蔵安定性
が低下しやすく好ましくない。更に塗膜の透明性の点か
らケイ酸リチウムが好ましい。
【0090】コロイダルシリカとしては、たとえば水ガ
ラスの脱ナトリウム(イオン交換法、酸分解法、解膠
法)によって製造され、一次粒子径として、4〜150
nmであり、好ましくは5〜50nmのものが、通常水
性分散液として供給されており、それをそのまま使用で
きる。
ラスの脱ナトリウム(イオン交換法、酸分解法、解膠
法)によって製造され、一次粒子径として、4〜150
nmであり、好ましくは5〜50nmのものが、通常水
性分散液として供給されており、それをそのまま使用で
きる。
【0091】前記コロイダルシリカは、水分散性の状態
で酸性側、塩基性側のいずれかであっても用いることが
でき、酸性側コロイダルシリカとしては、たとえば商品
名スノーテックス−Oまたはスノーテックス−OL(日
産化学工業(株)製)として市販されている非安定化シ
リカ(pH2〜4)が利用できる。一方、塩基性側のコ
ロイダルシリカとしては、微量のアルカリ金属イオン、
アルミニウムイオン、アンモニウムイオンまたはアミン
の添加によって安定化したシリカ(pH8.4〜10)
があり、たとえば商品名スノーテックス20、スノーテ
ックスC、スノーテックスN、(以上は日産化学工業
(株)製)、商品名ルドックスHS−40、HS−3
0、LS、SM−30、TM、AS、AM(以上は米
国、デュポン社製)、商品名ナルコーク(米国、ナルコ
ケミカル社製)、商品名ミトン(米国、モンサントケミ
カル社製)などとして市販されているものをあげること
ができる。前記pHが6〜8であるとコロイダルシリカ
の安定性だけでなく、塗料化したときの塗料の安定性が
低下し、凝集、ゲル化の傾向がある。
で酸性側、塩基性側のいずれかであっても用いることが
でき、酸性側コロイダルシリカとしては、たとえば商品
名スノーテックス−Oまたはスノーテックス−OL(日
産化学工業(株)製)として市販されている非安定化シ
リカ(pH2〜4)が利用できる。一方、塩基性側のコ
ロイダルシリカとしては、微量のアルカリ金属イオン、
アルミニウムイオン、アンモニウムイオンまたはアミン
の添加によって安定化したシリカ(pH8.4〜10)
があり、たとえば商品名スノーテックス20、スノーテ
ックスC、スノーテックスN、(以上は日産化学工業
(株)製)、商品名ルドックスHS−40、HS−3
0、LS、SM−30、TM、AS、AM(以上は米
国、デュポン社製)、商品名ナルコーク(米国、ナルコ
ケミカル社製)、商品名ミトン(米国、モンサントケミ
カル社製)などとして市販されているものをあげること
ができる。前記pHが6〜8であるとコロイダルシリカ
の安定性だけでなく、塗料化したときの塗料の安定性が
低下し、凝集、ゲル化の傾向がある。
【0092】一方、有機ケイ化合物は、例えば下記式
( II )で示される単量体が挙げられる。 R1 a Si(OR2)4-a (II) (式中、R1は、非加水分解性基または水素原子を示し、
R2は、アルキル基、アリール基、アルケニル基または水
素原子を示し、aは0、1または2である。)
( II )で示される単量体が挙げられる。 R1 a Si(OR2)4-a (II) (式中、R1は、非加水分解性基または水素原子を示し、
R2は、アルキル基、アリール基、アルケニル基または水
素原子を示し、aは0、1または2である。)
【0093】前記式(II) において非加水分解性基R1と
しては、たとえばメチル、エチル、プロピルなどのアル
キル基;フェニル基、トリル基、メシチル基などのアリ
ール基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;γ−
クロロプロピル基などのハロアルキル基;γ−アミノプ
ロピル基、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル基
などのアミノアルキル基;γ−グリシドキシプロピル
基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基
などのエポキシアルキル基;γ−メルカプトアルキル
基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基などのメタク
リロイルオキシアルキル基;γ−ヒドロキシプロピル基
などのヒドロキシアルキル基などがあげられる。
しては、たとえばメチル、エチル、プロピルなどのアル
キル基;フェニル基、トリル基、メシチル基などのアリ
ール基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;γ−
クロロプロピル基などのハロアルキル基;γ−アミノプ
ロピル基、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピル基
などのアミノアルキル基;γ−グリシドキシプロピル
基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基
などのエポキシアルキル基;γ−メルカプトアルキル
基、γ−メタクリロイルオキシプロピル基などのメタク
リロイルオキシアルキル基;γ−ヒドロキシプロピル基
などのヒドロキシアルキル基などがあげられる。
【0094】これらの置換基R1の中で本発明において特
に好ましいものは、置換基の炭素数が多いと反応性が低
下するという点から、炭素数8以下、さらに好ましくは
炭素数4以下のアルキル基およびそれに置換基の付加し
たアミノアルキル基、エポキシアルキル基、メタクリロ
イルオキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基およびア
リール基の一種であるフェニル基、炭素数2〜3のアル
ケニル基である。また、R2のアルキル基、アリール基、
アルケニル基に関しても前記R1と同様であるが、とくに
好ましいものは、置換基の炭素数が多いと反応性が低下
するという点から、炭素数4以下のアルキル基である。
に好ましいものは、置換基の炭素数が多いと反応性が低
下するという点から、炭素数8以下、さらに好ましくは
炭素数4以下のアルキル基およびそれに置換基の付加し
たアミノアルキル基、エポキシアルキル基、メタクリロ
イルオキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基およびア
リール基の一種であるフェニル基、炭素数2〜3のアル
ケニル基である。また、R2のアルキル基、アリール基、
アルケニル基に関しても前記R1と同様であるが、とくに
好ましいものは、置換基の炭素数が多いと反応性が低下
するという点から、炭素数4以下のアルキル基である。
【0095】前記式(II) で表される有機ケイ素化合物
の具体例としては、たとえばテトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシランなどがあげられるが、
反応性、成膜性、可撓性などの点からメチルトリメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどが好まし
い。
の具体例としては、たとえばテトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロ
キシプロピルトリメトキシシランなどがあげられるが、
反応性、成膜性、可撓性などの点からメチルトリメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどが好まし
い。
【0096】本発明の含フッ素水性塗料組成物中の含フ
ッ素共重合体と無機/有機ケイ素化合物との比率は、含
フッ素共重合体100重量部に対して、無機/有機ケイ
素化合物0.1〜100重量部が好ましく、より好まし
くは1〜50重量部の範囲である。無機ケイ素化合物の
比率が0.1より小さいと得られる塗膜の表面の非汚染
付着性が不十分になりやすく、100を超えると塗膜形
成時あるいは時間の経過とともに可撓性の不足から塗膜
にクラックなどの欠陥が生じやすくなり好ましくない。
ッ素共重合体と無機/有機ケイ素化合物との比率は、含
フッ素共重合体100重量部に対して、無機/有機ケイ
素化合物0.1〜100重量部が好ましく、より好まし
くは1〜50重量部の範囲である。無機ケイ素化合物の
比率が0.1より小さいと得られる塗膜の表面の非汚染
付着性が不十分になりやすく、100を超えると塗膜形
成時あるいは時間の経過とともに可撓性の不足から塗膜
にクラックなどの欠陥が生じやすくなり好ましくない。
【0097】本発明における水性分散液は、そのままで
も水性塗料として使用可能であるが、必要に応じて着色
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、顔
料分散剤、増粘剤、ハジキ防止剤、皮バリ防止剤、硬化
剤など通常水性塗料に添加される添加剤を混合してもよ
い。更に、アルミニウムペースト等のメタリック顔料を
使用してもよい。着色剤としては、染料、有機顔料、無
機顔料などが例示される。可塑剤としては、従来公知の
もの、例えばジオクチルフタレートなどの低分子量可塑
剤、ビニル重合体可塑剤、ポリエステル系可塑剤などの
高分子量可塑剤などが挙げられる。造膜助剤としては、
ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル等の多価アルコールモノアルキルエーテルや有
機酸エステル等が使用される。また、硬化剤としては、
例えばヘキサメチレンジイソシアネート三量体などのブ
ロックイソシアネート、メチル化メラミン、メチロール
化メラミン等のメラミン樹脂、等が使用される。また、
水性分散液の安定性を向上させるためにpH調整剤を添
加してもよい。
も水性塗料として使用可能であるが、必要に応じて着色
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、顔
料分散剤、増粘剤、ハジキ防止剤、皮バリ防止剤、硬化
剤など通常水性塗料に添加される添加剤を混合してもよ
い。更に、アルミニウムペースト等のメタリック顔料を
使用してもよい。着色剤としては、染料、有機顔料、無
機顔料などが例示される。可塑剤としては、従来公知の
もの、例えばジオクチルフタレートなどの低分子量可塑
剤、ビニル重合体可塑剤、ポリエステル系可塑剤などの
高分子量可塑剤などが挙げられる。造膜助剤としては、
ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル等の多価アルコールモノアルキルエーテルや有
機酸エステル等が使用される。また、硬化剤としては、
例えばヘキサメチレンジイソシアネート三量体などのブ
ロックイソシアネート、メチル化メラミン、メチロール
化メラミン等のメラミン樹脂、等が使用される。また、
水性分散液の安定性を向上させるためにpH調整剤を添
加してもよい。
【0098】
【実施例】以下に合成例、実施例を掲げて本発明を具体
的に説明するが、かかる実施例などにより本発明は何ら
限定されるものではない。なお、以下の実施例中の部数
はとくに断りのない限り重量部を示すものである。
的に説明するが、かかる実施例などにより本発明は何ら
限定されるものではない。なお、以下の実施例中の部数
はとくに断りのない限り重量部を示すものである。
【0099】(合成例1)内容積2.5Lのステンレス
製撹拌機付きオートクレーブにイオン交換水1,100
g、フッ素系のアニオン性乳化剤(FC−143:住友
3M社製)4.75g、ノニオン性乳化剤(N−111
0;日本乳化剤社製)2.2部およびt―ブタノール4
6.6gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスに
よる加圧を繰り返して空気を除去した。次に、テトラフ
ルオロエチレン72g、プロピレン1.1g、エチレン
1.4gをオートクレーブ中に導入した。
製撹拌機付きオートクレーブにイオン交換水1,100
g、フッ素系のアニオン性乳化剤(FC−143:住友
3M社製)4.75g、ノニオン性乳化剤(N−111
0;日本乳化剤社製)2.2部およびt―ブタノール4
6.6gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスに
よる加圧を繰り返して空気を除去した。次に、テトラフ
ルオロエチレン72g、プロピレン1.1g、エチレン
1.4gをオートクレーブ中に導入した。
【0100】オートクレーブ内の温度が70℃に達した
時点で圧力1.34MPaを示した。その後、過硫酸ア
ンモニウムの25%水溶液2ccを添加し、反応を開始
させた。圧力の低下に伴い加圧して圧力を維持しつつ、
テトラフルオロエチレン50モル%、プロピレン25モ
ル%、エチレン25モル%の混合ガス430.5gを連
続的に加え反応を続行させた。
時点で圧力1.34MPaを示した。その後、過硫酸ア
ンモニウムの25%水溶液2ccを添加し、反応を開始
させた。圧力の低下に伴い加圧して圧力を維持しつつ、
テトラフルオロエチレン50モル%、プロピレン25モ
ル%、エチレン25モル%の混合ガス430.5gを連
続的に加え反応を続行させた。
【0101】なお、反応進行中、過硫酸アンモニウム2
5%水溶液30ccを連続的に加えた。8時間後、混合
ガスの供給を停止しオートクレーブを水冷して室温に達
した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブを
開放して固形分濃度28.4%の水性分散液を得た。
5%水溶液30ccを連続的に加えた。8時間後、混合
ガスの供給を停止しオートクレーブを水冷して室温に達
した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブを
開放して固形分濃度28.4%の水性分散液を得た。
【0102】得られた水性分散液を遠心分離器にかけて
沈降させ、ポリマーをガラスフィルターで濾過し、4m
mHgの減圧下で5時間かけて水分を除去した後、衝撃
式ハンマーミルで粉砕し、フッ素系共重合体の粉末を得
た。この共重合体の13C−NMRによる組成分析の結果
は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位52モル
%、プロピレンに基づく重合単位28モル%、エチレン
に基づく重合単位20モル%であった。また融点は9
6.2℃であった。
沈降させ、ポリマーをガラスフィルターで濾過し、4m
mHgの減圧下で5時間かけて水分を除去した後、衝撃
式ハンマーミルで粉砕し、フッ素系共重合体の粉末を得
た。この共重合体の13C−NMRによる組成分析の結果
は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位52モル
%、プロピレンに基づく重合単位28モル%、エチレン
に基づく重合単位20モル%であった。また融点は9
6.2℃であった。
【0103】(合成例2)内容積2.5Lのステンレス
製撹拌機付きオートクレーブに、イオン交換水1010
部、炭酸カリウム(K2 CO3 )2.2部、ノニオン性
乳化剤(N−1110;日本乳化剤社製)2.2部、ア
ニオン性乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)1.1部、
t―ブタノール46.6gを仕込み、真空ポンプによる
脱気、窒素ガスによる加圧を繰り返して空気を除去し
た。次に、テトラフルオロエチレン101.2g、プロ
ピレン5.3g、エチレン3.5gをオートクレーブ中
に導入した。
製撹拌機付きオートクレーブに、イオン交換水1010
部、炭酸カリウム(K2 CO3 )2.2部、ノニオン性
乳化剤(N−1110;日本乳化剤社製)2.2部、ア
ニオン性乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)1.1部、
t―ブタノール46.6gを仕込み、真空ポンプによる
脱気、窒素ガスによる加圧を繰り返して空気を除去し
た。次に、テトラフルオロエチレン101.2g、プロ
ピレン5.3g、エチレン3.5gをオートクレーブ中
に導入した。
【0104】オートクレーブ内の温度が70℃に達した
時点で圧力1.54MPaを示した。その後、過硫酸ア
ンモニウムの25%水溶液2ccを添加し、反応を開始
させた。圧力の低下に伴い圧力を維持しつつ、テトラフ
ルオロエチレン50モル%、プロピレン40モル%、エ
チレン10モル%の混合ガス530gを連続的に加え反
応を続行させた。
時点で圧力1.54MPaを示した。その後、過硫酸ア
ンモニウムの25%水溶液2ccを添加し、反応を開始
させた。圧力の低下に伴い圧力を維持しつつ、テトラフ
ルオロエチレン50モル%、プロピレン40モル%、エ
チレン10モル%の混合ガス530gを連続的に加え反
応を続行させた。
【0105】なお、反応進行中、過硫酸アンモニウム2
5%水溶液30ccを連続的に加えた。10時間後、混
合ガスの供給を停止しオートクレーブを水冷して室温に
達した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブ
を開放して濃度34.5%のエマルションを得た。得ら
れたエマルションを遠心分離器にかけて沈降させ、ポリ
マーをガラスフィルターで濾過し、4mmHgの減圧下
で5時間かけて水分を除去した後、衝撃式ハンマーミル
で粉砕し、フッ素系共重合体の粉末を得た。この共重合
体の13C−NMRによる組成分析の結果は、テトラフル
オロエチレンに基づく重合単位52モル%、プロピレン
に基づく重合単位38モル%、エチレンに基づく重合単
位10モル%あった。また融点は49.2℃であった。
5%水溶液30ccを連続的に加えた。10時間後、混
合ガスの供給を停止しオートクレーブを水冷して室温に
達した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブ
を開放して濃度34.5%のエマルションを得た。得ら
れたエマルションを遠心分離器にかけて沈降させ、ポリ
マーをガラスフィルターで濾過し、4mmHgの減圧下
で5時間かけて水分を除去した後、衝撃式ハンマーミル
で粉砕し、フッ素系共重合体の粉末を得た。この共重合
体の13C−NMRによる組成分析の結果は、テトラフル
オロエチレンに基づく重合単位52モル%、プロピレン
に基づく重合単位38モル%、エチレンに基づく重合単
位10モル%あった。また融点は49.2℃であった。
【0106】(合成例3)温度計、攪拌機、還流、冷却
器を備えた内容量200mLのガラス製フラスコに表1
の例3に示す組成の単量体を用いた以外は例1と同様に
して、固形分濃度32.0重量%の水性分散液70gを
仕込み(分散液中のフッ素系共重合体量は24gであっ
た。)80℃になるまで加温した。80℃に達した時点
でメタクリル酸メチル10g、メタクリル酸イソブチル
1.2g、ノニオン性乳化剤(N−1110;日本乳化
剤社製)0.04g、アニオン性乳化剤(ラウリル硫酸
ナトリウム)0.02gを1重量%水溶液で乳化した水
性分散液を1時間かけて滴下した。その直後、過硫酸ア
ンモニウムの2重量%水溶液1mL を添加し反応を開始
させた。反応時間3時間後にフラスコ内温度を90℃に
上げ更に1時間反応させて重合を完結させ、フッ素樹脂
とメタクリル酸エステル重合体が2:1(重量比)で、
固形分濃度40.8重量%の水性分散液を得た。結果を
表1に示す。
器を備えた内容量200mLのガラス製フラスコに表1
の例3に示す組成の単量体を用いた以外は例1と同様に
して、固形分濃度32.0重量%の水性分散液70gを
仕込み(分散液中のフッ素系共重合体量は24gであっ
た。)80℃になるまで加温した。80℃に達した時点
でメタクリル酸メチル10g、メタクリル酸イソブチル
1.2g、ノニオン性乳化剤(N−1110;日本乳化
剤社製)0.04g、アニオン性乳化剤(ラウリル硫酸
ナトリウム)0.02gを1重量%水溶液で乳化した水
性分散液を1時間かけて滴下した。その直後、過硫酸ア
ンモニウムの2重量%水溶液1mL を添加し反応を開始
させた。反応時間3時間後にフラスコ内温度を90℃に
上げ更に1時間反応させて重合を完結させ、フッ素樹脂
とメタクリル酸エステル重合体が2:1(重量比)で、
固形分濃度40.8重量%の水性分散液を得た。結果を
表1に示す。
【0107】(合成例4)内容積1.3Lのステンレス
製撹拌機付きオートクレーブに、合成例2で得られた含
フッ素水性分散液90部、イオン交換水616部、炭酸
カリウム(K2 CO3 )3.4部、ノニオン性乳化剤
(N−1120;日本乳化剤社製)20.4部、アニオ
ン性乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)6.8部、t―
ブタノール33gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒
素ガスによる加圧を繰り返して空気を除去した。次に、
テトラフルオロエチレン52.6g、プロピレン1.3
g、エチレン2.1gをオートクレーブ中に導入した。
製撹拌機付きオートクレーブに、合成例2で得られた含
フッ素水性分散液90部、イオン交換水616部、炭酸
カリウム(K2 CO3 )3.4部、ノニオン性乳化剤
(N−1120;日本乳化剤社製)20.4部、アニオ
ン性乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)6.8部、t―
ブタノール33gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒
素ガスによる加圧を繰り返して空気を除去した。次に、
テトラフルオロエチレン52.6g、プロピレン1.3
g、エチレン2.1gをオートクレーブ中に導入した。
【0108】オートクレーブ内の温度が65℃に達した
時点で圧力2.62MPaを示した。その後、過硫酸ア
ンモニウムの15%水溶液2ccを添加し、反応を開始
させた。圧力の低下に伴い圧力を維持しつつ、テトラフ
ルオロエチレン53モル%、プロピレン27モル%、エ
チレン20モル%の混合ガス410gを連続的に加え反
応を続行させた。
時点で圧力2.62MPaを示した。その後、過硫酸ア
ンモニウムの15%水溶液2ccを添加し、反応を開始
させた。圧力の低下に伴い圧力を維持しつつ、テトラフ
ルオロエチレン53モル%、プロピレン27モル%、エ
チレン20モル%の混合ガス410gを連続的に加え反
応を続行させた。
【0109】なお、反応進行中、過硫酸アンモニウム1
5%水溶液30ccを連続的に加えた。18時間後、混
合ガスの供給を停止しオートクレーブを水冷して室温に
達した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブ
を開放して濃度34.5%のエマルションを得た。得ら
れたエマルションを遠心分離器にかけて沈降させ、ポリ
マーをガラスフィルターで濾過し、4mmHgの減圧下
で5時間かけて水分を除去した後、衝撃式ハンマーミル
で粉砕し、フッ素系共重合体の粉末を得た。この共重合
体の13C−NMRによる組成分析の結果は、テトラフル
オロエチレンに基づく重合単位53モル%、プロピレン
に基づく重合単位27モル%、エチレンに基づく重合単
位20モル%あった。また融点は89.8℃であった。
5%水溶液30ccを連続的に加えた。18時間後、混
合ガスの供給を停止しオートクレーブを水冷して室温に
達した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブ
を開放して濃度34.5%のエマルションを得た。得ら
れたエマルションを遠心分離器にかけて沈降させ、ポリ
マーをガラスフィルターで濾過し、4mmHgの減圧下
で5時間かけて水分を除去した後、衝撃式ハンマーミル
で粉砕し、フッ素系共重合体の粉末を得た。この共重合
体の13C−NMRによる組成分析の結果は、テトラフル
オロエチレンに基づく重合単位53モル%、プロピレン
に基づく重合単位27モル%、エチレンに基づく重合単
位20モル%あった。また融点は89.8℃であった。
【0110】(合成例5〜10)乳化重合に用いるモノ
マー組成を表1及び表2に示すように変更しそれ以外は
合成例1〜3に記載の方法に準じてフッ素系共重合体の
水性分散液を得た。
マー組成を表1及び表2に示すように変更しそれ以外は
合成例1〜3に記載の方法に準じてフッ素系共重合体の
水性分散液を得た。
【0111】
【表1】
【0112】
【表2】
【0113】表1及び表2における略号は次の通りであ
る。 EOVE-1 :CH2 =CHOC4H8-O-(CH2 CH2 O)n H ( 平均分子
量520 ) EOVE-2 :CH2 =CHOCH2 -cycloC6H10-CH2O-(CH2 CH2 O)
n H( 平均分子量830 ) HBVE : 4-ヒドロキシブチルビニルエーテル
る。 EOVE-1 :CH2 =CHOC4H8-O-(CH2 CH2 O)n H ( 平均分子
量520 ) EOVE-2 :CH2 =CHOCH2 -cycloC6H10-CH2O-(CH2 CH2 O)
n H( 平均分子量830 ) HBVE : 4-ヒドロキシブチルビニルエーテル
【0114】なお、融点は、走査型示差熱量計( DSC
)によりフッ素系共重合体試料を10℃/分で昇温して
発熱ピークを求め、その時の温度を融点とすることによ
り求めた。融点のピークの分布が広い場合には、下に凸
となっている部分の最も低い点を融点とした。
)によりフッ素系共重合体試料を10℃/分で昇温して
発熱ピークを求め、その時の温度を融点とすることによ
り求めた。融点のピークの分布が広い場合には、下に凸
となっている部分の最も低い点を融点とした。
【0115】また、a 、b 、c 、d 、e 、その他の組成
において、例えばテトラフルオロエzレンの組成が「9
0/52」とあるのは、分子の「90」が、供給原料モ
ノマー中の組成が90モル%であることを表し、分母の
「52」は、共重合体中のテトラフルオロエチレンに基
づく重合単位が52モル%であることを示す。
において、例えばテトラフルオロエzレンの組成が「9
0/52」とあるのは、分子の「90」が、供給原料モ
ノマー中の組成が90モル%であることを表し、分母の
「52」は、共重合体中のテトラフルオロエチレンに基
づく重合単位が52モル%であることを示す。
【0116】(実施例1〜3)合成例1〜3のフッ素系
共重合体の水性分散液71部、ケイ酸リチウム(SiO
2 /Li2 Oモル比4.5:リチウムシリケート45、
日産化学社製)3.5部、造膜助剤5.4部、増粘剤
0.3部、分散剤0.8部、消泡剤0.6部、イオン交
換水10.3部を表3に示す量用いてクリアー塗料配合
を行った。なお、造膜助剤はCs−12(チッソ社
製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト合成社製)、分
散剤はノスコスパース44−C(サンノプコ社製)、消
泡剤はFSアンチフォーム90(ダウコーニング社製)
である。
共重合体の水性分散液71部、ケイ酸リチウム(SiO
2 /Li2 Oモル比4.5:リチウムシリケート45、
日産化学社製)3.5部、造膜助剤5.4部、増粘剤
0.3部、分散剤0.8部、消泡剤0.6部、イオン交
換水10.3部を表3に示す量用いてクリアー塗料配合
を行った。なお、造膜助剤はCs−12(チッソ社
製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト合成社製)、分
散剤はノスコスパース44−C(サンノプコ社製)、消
泡剤はFSアンチフォーム90(ダウコーニング社製)
である。
【0117】(実施例4〜6)合成例4〜6のフッ素系
共重合体の水性分散液71部、コロイダルシリカ(スノ
ーテックスC−20:日産化学社製)3.5部、造膜助
剤5.4部、増粘剤0.3部、分散剤0.8部、消泡剤
0.6部、イオン交換水10.3部を表3に示す量用い
てクリアー塗料配合を行った。なお、造膜助剤はCs−
12(チッソ社製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト
合成社製)、分散剤はノスコスパース44−C(サンノ
プコ社製)、消泡剤はFSアンチフォーム90(ダウコ
ーニング社製)である。
共重合体の水性分散液71部、コロイダルシリカ(スノ
ーテックスC−20:日産化学社製)3.5部、造膜助
剤5.4部、増粘剤0.3部、分散剤0.8部、消泡剤
0.6部、イオン交換水10.3部を表3に示す量用い
てクリアー塗料配合を行った。なお、造膜助剤はCs−
12(チッソ社製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト
合成社製)、分散剤はノスコスパース44−C(サンノ
プコ社製)、消泡剤はFSアンチフォーム90(ダウコ
ーニング社製)である。
【0118】(実施例7〜9)合成例7〜9のフッ素系
共重合体の水性分散液71部、エチルシリケート(エチ
ルシリケート40:コルコート社製)7部、造膜助剤
5.4部、増粘剤0.3部、分散剤0.8部、消泡剤
0.6部、イオン交換水10.3部を表2に示す量用い
てクリアー塗料配合を行った。なお、造膜助剤はCs−
12(チッソ社製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト
合成社製)、分散剤はノスコスパース44−C(サンノ
プコ社製)、消泡剤はFSアンチフォーム90(ダウコ
ーニング社製)である。
共重合体の水性分散液71部、エチルシリケート(エチ
ルシリケート40:コルコート社製)7部、造膜助剤
5.4部、増粘剤0.3部、分散剤0.8部、消泡剤
0.6部、イオン交換水10.3部を表2に示す量用い
てクリアー塗料配合を行った。なお、造膜助剤はCs−
12(チッソ社製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト
合成社製)、分散剤はノスコスパース44−C(サンノ
プコ社製)、消泡剤はFSアンチフォーム90(ダウコ
ーニング社製)である。
【0119】(比較例1)合成例10のフッ素系共重合
体の水性分散液71部、エチルシリケート(エチルシリ
ケート40:コルコート社製)7部、造膜助剤5.4
部、増粘剤0.3部、分散剤0.8部、消泡剤0.6
部、イオン交換水10.3部を表2に示す量用いてクリ
アー塗料配合を行った。なお、造膜助剤はCs−12
(チッソ社製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト合成
社製)、分散剤はノスコスパース44−C(サンノプコ
社製)、消泡剤はFSアンチフォーム90(ダウコーニ
ング社製)である。
体の水性分散液71部、エチルシリケート(エチルシリ
ケート40:コルコート社製)7部、造膜助剤5.4
部、増粘剤0.3部、分散剤0.8部、消泡剤0.6
部、イオン交換水10.3部を表2に示す量用いてクリ
アー塗料配合を行った。なお、造膜助剤はCs−12
(チッソ社製)、増粘剤はレオビスCR(ヘキスト合成
社製)、分散剤はノスコスパース44−C(サンノプコ
社製)、消泡剤はFSアンチフォーム90(ダウコーニ
ング社製)である。
【0120】(比較例2)合成例1のフッ素系共重合体
の水性分散液71部、造膜助剤5.4部、増粘剤0.3
部、分散剤0.8部、消泡剤0.6部、イオン交換水1
0.3部を表2に示す量用いてクリアー塗料配合を行っ
た。なお、造膜助剤はCs−12(チッソ社製)、増粘
剤はレオビスCR(ヘキスト合成社製)、分散剤はノス
コスパース44−C(サンノプコ社製)、消泡剤はFS
アンチフォーム90(ダウコーニング社製)である。以
上の結果を表3及び表4に示した。
の水性分散液71部、造膜助剤5.4部、増粘剤0.3
部、分散剤0.8部、消泡剤0.6部、イオン交換水1
0.3部を表2に示す量用いてクリアー塗料配合を行っ
た。なお、造膜助剤はCs−12(チッソ社製)、増粘
剤はレオビスCR(ヘキスト合成社製)、分散剤はノス
コスパース44−C(サンノプコ社製)、消泡剤はFS
アンチフォーム90(ダウコーニング社製)である。以
上の結果を表3及び表4に示した。
【0121】
【表3】
【0122】
【表4】
【0123】これらの塗料をアルミ板上に、乾燥膜厚4
0μmとなるようにエアスプレーで塗布し、80℃で3
0分間乾燥し試験片を得た。なお、例10の水性分散液
を用いた場合には造膜せず試験片は得られなかった。こ
れらの試験片について耐候性、耐水性および耐汚染性の
試験を行った。
0μmとなるようにエアスプレーで塗布し、80℃で3
0分間乾燥し試験片を得た。なお、例10の水性分散液
を用いた場合には造膜せず試験片は得られなかった。こ
れらの試験片について耐候性、耐水性および耐汚染性の
試験を行った。
【0124】耐候性評価:Qパネル社製蛍光紫外線耐候
性試験機を用いるQUV試験3000時間後に著しく光
沢が低下したものを×、光沢の低下があまりみられない
ものを○とした。
性試験機を用いるQUV試験3000時間後に著しく光
沢が低下したものを×、光沢の低下があまりみられない
ものを○とした。
【0125】耐水性評価:60℃の温水に1週間浸漬
後、塗膜のふくれや剥離の有無で判定した。
後、塗膜のふくれや剥離の有無で判定した。
【0126】耐汚染性:屋外で南面45°で1年間暴露
を行い、保存板と水ぶき後の色差が2以下のものは○、
2〜5のものを△、5をこえるものを×とした。
を行い、保存板と水ぶき後の色差が2以下のものは○、
2〜5のものを△、5をこえるものを×とした。
【0127】密着性:JIS K 5400に基づき、
テープ剥離試験を行った。結果を表5に示した。
テープ剥離試験を行った。結果を表5に示した。
【0128】
【表5】
【0129】
【発明の効果】本発明におけるフッ素系共重合体の水性
分散液は、耐候性、耐汚染性、耐水性の優れた塗膜を与
えるものであり、耐候性水性塗料原料として極めて有用
である。
分散液は、耐候性、耐汚染性、耐水性の優れた塗膜を与
えるものであり、耐候性水性塗料原料として極めて有用
である。
【0130】したがって、このフッ素系共重合体の水性
分散液を用いた本発明の水性塗料組成物は、耐候性、耐
汚染性、耐水性の優れた塗膜を形成することができ、ま
た基本的に有機溶剤を使用しない安定な水性分散液をベ
ースとするものであるから、溶剤規制などの制限を受け
ることなく、幅広い用途に適用が可能である。例えば、
ガラス、金属、セメントなど外装用無機建材の耐候性塗
装などに特に有用である。
分散液を用いた本発明の水性塗料組成物は、耐候性、耐
汚染性、耐水性の優れた塗膜を形成することができ、ま
た基本的に有機溶剤を使用しない安定な水性分散液をベ
ースとするものであるから、溶剤規制などの制限を受け
ることなく、幅広い用途に適用が可能である。例えば、
ガラス、金属、セメントなど外装用無機建材の耐候性塗
装などに特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 171/00 C09D 171/00 B // C08F 2/22 C08F 2/22 2/44 2/44 C 20/10 20/10 214/18 214/18 290/06 290/06 (C08F 214/18 210:02 210:06 210:08)
Claims (6)
- 【請求項1】 (a)フルオロオレフィンに基づく重合
単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、並びに
(c)エチレンに基づく重合単位および/または(d)
ブチレンに基づく重合単位を含むフッ素系共重合体の固
形分100重量部に対して、無機/有機ケイ素化合物の
固形分0.1〜100重量部が配合されている水性分散
液からなる含フッ素水性塗料組成物。 - 【請求項2】 (a)フルオロオレフィンに基づく重合
単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)エチ
レンに基づく重合単位および/または(d)ブチレンに
基づく重合単位、並びに(e)ビニルエステル、ビニル
エーテル、イソプロペニルエーテル及びアリルエーテル
から選ばれる少なくとも一つに基づく重合単位を含むフ
ッ素系共重合体の固形分100重量部に対して、無機/
有機ケイ素化合物の固形分0.1〜100重量部が配合
されている水性分散液からなる含フッ素水性塗料組成
物。 - 【請求項3】 (a)フルオロオレフィンに基づく重合
単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)エチ
レンに基づく重合単位および/または(d)ブチレンに
基づく重合単位、並びに(f)一般式:X−Y−Z(こ
こでXはラジカル重合性不飽和基、Yは疎水性の2価の
連結基、Zは親水性基)で表される親水性マクロモノマ
ーに基づく重合単位を含むフッ素系共重合体の固形分1
00重量部に対して、無機/有機ケイ素化合物の固形分
0.1〜100重量部が配合されている水性分散液から
なる含フッ素水性塗料組成物。 - 【請求項4】 (a)フルオロオレフィンに基づく重合
単位、(b)プロピレンに基づく重合単位、(c)エチ
レンに基づく重合単位および/または(d)ブチレンに
基づく重合単位、(e)ビニルエステル、ビニルエーテ
ル、イソプロペニルエーテル及びアリルエーテルから選
ばれる少なくとも一つに基づく重合単位、並びに(f)
一般式:X−Y−Z(ここでXはラジカル重合性不飽和
基、Yは疎水性の2価の連結基、Zは親水性基)で表さ
れる親水性マクロモノマーに基づく重合単位を含むフッ
素系共重合体の固形分100重量部に対して、無機/有
機ケイ素化合物の固形分0.1〜100重量部が配合さ
れている水性分散液からなる含フッ素水性塗料組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載のフッ素系
共重合体の粒子100重量部の存在下に、炭素数1〜1
8のアルキル基の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を主成分とするラジカル重合性の単量体混合物5〜20
0重量部を乳化重合して得られる複合粒子の固形分10
0重量部に対して、無機/有機ケイ素化合物の固形分
0.1〜100重量部が配合されている水性分散液から
なる含フッ素水性塗料組成物。 - 【請求項6】 請求項1〜4の何れかに記載のフッ素系
共重合体の粒子100重量部の存在下に、炭素数1〜1
8のアルキル基の(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と、カルボキシル基、加水分解性シリル基及び水酸基か
ら選ばれる少なくとも一つの官能基を有するラジカル重
合性の単量体との混合物5〜200重量部を乳化重合し
て得られる複合粒子の固形分100重量部に対して、無
機/有機ケイ素化合物の固形分0.1〜100重量部が
配合されている水性分散液からなる含フッ素水性塗料組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23366299A JP2000129194A (ja) | 1998-08-20 | 1999-08-20 | 含フッ素水性塗料組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24905898 | 1998-08-20 | ||
JP10-249058 | 1998-08-20 | ||
JP23366299A JP2000129194A (ja) | 1998-08-20 | 1999-08-20 | 含フッ素水性塗料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129194A true JP2000129194A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=26531144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23366299A Withdrawn JP2000129194A (ja) | 1998-08-20 | 1999-08-20 | 含フッ素水性塗料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000129194A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009144163A (ja) * | 2002-03-21 | 2009-07-02 | Bayer Materialscience Ag | 架橋性バインダー分散体 |
WO2015111729A1 (ja) * | 2014-01-27 | 2015-07-30 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素弾性共重合体およびその製造方法 |
CN113045212A (zh) * | 2021-03-23 | 2021-06-29 | 浙江宏耀玻璃有限公司 | 一种疏油疏水灶具玻璃及其制备方法 |
CN115595031A (zh) * | 2021-07-07 | 2023-01-13 | 广东顺德三和化工有限公司(Cn) | 一种水性防腐工业漆及其制备方法 |
-
1999
- 1999-08-20 JP JP23366299A patent/JP2000129194A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009144163A (ja) * | 2002-03-21 | 2009-07-02 | Bayer Materialscience Ag | 架橋性バインダー分散体 |
WO2015111729A1 (ja) * | 2014-01-27 | 2015-07-30 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素弾性共重合体およびその製造方法 |
JPWO2015111729A1 (ja) * | 2014-01-27 | 2017-03-23 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素弾性共重合体およびその製造方法 |
CN113045212A (zh) * | 2021-03-23 | 2021-06-29 | 浙江宏耀玻璃有限公司 | 一种疏油疏水灶具玻璃及其制备方法 |
CN115595031A (zh) * | 2021-07-07 | 2023-01-13 | 广东顺德三和化工有限公司(Cn) | 一种水性防腐工业漆及其制备方法 |
CN115595031B (zh) * | 2021-07-07 | 2023-12-12 | 广东顺德三和化工有限公司 | 一种水性防腐工业漆及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061107 |