JP2002201227A - フッ素系共重合体の水性分散液 - Google Patents

フッ素系共重合体の水性分散液

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JP2002201227A
JP2002201227A JP2000401773A JP2000401773A JP2002201227A JP 2002201227 A JP2002201227 A JP 2002201227A JP 2000401773 A JP2000401773 A JP 2000401773A JP 2000401773 A JP2000401773 A JP 2000401773A JP 2002201227 A JP2002201227 A JP 2002201227A
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JP2000401773A
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Toru Ishida
徹 石田
Naomi Ichikuni
尚美 一國
Masao Unoki
正夫 鵜木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性分散液の安定性、造膜性、塗膜の機械的
強度や透明性、耐水性、耐汚染性が向上したフッ素系共
重合体の水性分散液を提供する。 【解決手段】 フルオロオレフィン(フッ化ビニリデン
を除く)に基づく重合単位、フッ化ビニリデンに基づく
重合単位、プロピレンに基づく重合単位、エチレンに基
づく重合単位及び/又はブチレンに基づく重合単位から
なる共重合体等であって、その融点が40〜150℃の
範囲にあり、特にフッ化ビニリデンを必須として含有す
るフッ素系共重合体が水に分散されている水性分散液を
基本組成として、使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素系共重合体
の水性分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フッ化ビニリデン系樹脂は、耐候
性、耐熱性、耐薬品性が良好であり高温で溶剤に溶解す
るため焼き付け型の塗料として広く使用されている。こ
のフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデン
単独重合体やフッ化ビニリデンとフルオロオレフィン
(テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレ
ン、クロロトリフルオロエチレン等)との共重合体が提
案されている。
【0003】また、フルオロオレフィンとシクロヘキシ
ルビニルエーテル及びその他各種の単量体との共重合体
は、室温で有機溶剤に可溶であり、塗料として用いた場
合に透明で高光沢を有し、しかも高耐候性、耐汚染性な
どの優れた特性を備えた塗膜を与えることが知られてお
り(例えば、特開昭55-44083号公報を参照。)、
建築などの内装用、外装用の耐候性塗料の分野で使用が
増大しつつある。
【0004】一方、近年、大気汚染等環境保全などの観
点から、有機溶剤の使用の規制が強まりつつあり、有機
溶剤を用いない水性塗料や粉体塗料に対する社会的要望
が高まっている。
【0005】かかる観点から、フッ素樹脂についても水
性分散化の検討がなされており、フッ化ビニリデン系樹
脂では、フッ化ビニリデン系樹脂粒子の存在下にアクリ
ルモノマを乳化重合させる方法(例えば、特開平3−8
884号公報、特開平4−325509号公報を参
照。)が提案されている。
【0006】また、フルオロオレフィンとシクロヘキシ
ルビニルエーテル及びその他各種の単量体との共重合体
についても水性分散化の検討がなされており、乳化重合
で製造できることが報告されている(例えば、特開昭5
7−34107号公報、特開昭61−231044号公
報を参照。)。さらに、親水性部位を有するマクロモノ
マに基づく重合単位を必須構成成分とする含フッ素共重
合体が水に分散された水性分散液が提案されている(例
えば、特開平2−225550号公報を参照。)。この
水性分散液は、造膜性に優れ、かつ塗膜の機械的強度も
良好であり、また乳化剤や親水性有機溶剤を用いなくて
も製造できることが報告されている。
【0007】しかしながら、フッ化ビニリデン系樹脂の
水性分散液については、水性分散液の安定性は、必ずし
も良好ではなく、また樹脂の結晶性のために塗膜の透明
性が劣っており、これを改良するために結晶性を落とし
た場合には、塗膜のガラス転移温度が低すぎて耐汚染性
が悪くなるという問題があった。アクリルモノマをシー
ド重合することでこれらの問題点は改善されるが、充分
ではない。また造膜性についても問題があった。
【0008】更に当該フッ化ビニリデン系樹脂は、フル
オロオレフィンのみで構成されるためコストが高くなっ
てしまう。フルオロオレフィンとシクロヘキシルビニル
エーテル及びその他各種の単量体との共重合体について
は、塗膜の透明性・造膜性は良好で充分実用性があるも
のの、単量体が比較的高価であるという点で更なる改良
が望まれていた。
【0009】本発明者らは、フルオロオレフィンとエチ
レン、プロピレンなどの共重合体と(メタ)アクリル酸
エステル共重合体の複合化された水性分散液が上記の問
題点を解決することを見いだしたが(例えば、特開20
00-128934号公報を参照。)、用途によっては
フッ素系共重合体と(メタ)アクリル酸エステル共重合
体の相溶性が必ずしも充分ではなく、200℃以上の高
温での焼き付け条件では、塗膜の白化が生じるという問
題点が残されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術の有する問題点を解決しようとするものであり、水
性分散液の安定性、造膜性や、フッ素系共重合体塗膜の
機械的強度に優れ、塗膜の耐候性、耐水性や耐汚染性、
及び特に透明性が向上したフッ素系共重合体の水性分散
液を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、本発明に従えば、以下
の発明が提供される。
【0012】(1) (a)フルオロオレフィン(ただ
し、フッ化ビニリデンを除く。)に基づく重合単位、
(b)フッ化ビニリデンに基づく重合単位、(c)プロ
ピレンに基づく重合単位、及び(d)エチレンに基づく
重合単位及び/又は(e)ブチレンに基づく重合単位、
を含む共重合体であって、かつ、その融点が40〜15
0℃の範囲にあるフッ素系共重合体が水に分散されてい
ることを特徴とする水性分散液。
【0013】(2) (a)フルオロオレフィン(ただ
し、フッ化ビニリデンを除く。)に基づく重合単位、
(b)フッ化ビニリデンに基づく重合単位、(c)プロ
ピレンに基づく重合単位、(d)エチレンに基づく重合
単位及び/又は(e)ブチレンに基づく重合単位、及び
(f)親水性基を有するマクロモノマに基づく重合単位
及び/又は(g)官能基を有するビニル単量体より選ば
れる少なくとも一つに基づく重合単位(ただし、前記
(f)を除く。)、を含む共重合体であって、かつ、そ
の融点が40〜150℃の範囲にあるフッ素系共重合体
が水に分散されていることを特徴とする水性分散液。
【0014】(3) (1)又は(2)に記載のフッ素
系共重合体の粒子(A)の存在下に、(h)(メタ)ア
クリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)
アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択される
少なくとも一種を含むラジカル重合性の単量体(B1)
を乳化重合して得られ、かつ、(A)の100質量部に
対して(B1)が5〜100質量部である、複合粒子が
水に分散されていることを特徴とする水性分散液。
【0015】(4) (1)又は(2)に記載のフッ素
系共重合体の粒子(A)の存在下に、(h)(メタ)ア
クリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)
アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択される
少なくとも一種を含むラジカル重合性の単量体、及び
(i)親水性基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル及び/又は(j)官能基を有する(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル(ただし、前記(i)を除
く。)、を含むラジカル重合性の単量体(B2)を乳化
重合して得られ、かつ、(A)の100質量部に対して
(B2)が5〜100質量部である、複合粒子が水に分
散されていることを特徴とする水性分散液。
【0016】(5) (1)又は(2)に記載のフッ素
系共重合体の粒子(A)の水性分散液に、(h)(メ
タ)アクリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜18の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選
択される少なくとも一種を含むラジカル重合性の単量体
を乳化重合して得られる重合体(C1)の水性分散液を
混合して得られ、かつ、(A)の100質量部に対して
(C1)が5〜100質量部であることを特徴とする水
性分散液。
【0017】(6) (1)又は(2)に記載のフッ素
系共重合体の粒子(A)の水性分散液に、(h)(メ
タ)アクリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜18の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選
択される少なくとも一種を含むラジカル重合性の単量
体、及び(i)親水性基を有する(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル及び/又は(j)官能基を有する(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル(ただし、前記(i)
を除く。)を含むラジカル重合性の単量体を乳化重合し
て得られる重合体(C2)の水性分散液を混合して得ら
れ、かつ、(A)の100質量部に対して(C2)が5
〜100質量部であることを特徴とする水性分散液。
【0018】(7) (1)〜(6)のいずれかに記載
の水性分散液に、当該水性分散液中の固形分100質量
部に対して、無機ケイ素化合物及び/又は有機ケイ素化
合物が、固形分として0.1〜100質量部配合されて
いることを特徴とする水性塗料用組成物。
【0019】(8) (1)〜(7)のいずれかに記載
の水性分散液に、紫外線吸収剤、造膜助剤及び増粘剤か
らなる群より選択される少なくとも一種が配合されてい
ることを特徴とする水性塗料用組成物。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を詳細に説明する。
【0021】本発明においては、基本的に、(a)フル
オロオレフィン(ただし、フッ化ビニリデンを除く。)
に基づく重合単位、(b)フッ化ビニリデンに基づく重
合単位、(c)プロピレンに基づく重合単位、及び
(d)エチレンに基づく重合単位及び/又は(e)ブチ
レンに基づく重合単位、を含むフッ素系共重合体の水性
分散液を使用する。
【0022】ここで、フッ素系共重合体は、下記単量体
に基づく重合単位(以下、その単量体名で示すことがあ
る。)の組成割合で構成されるのが好ましい。すなわ
ち、 (a)フルオロオレフィン 20〜70モル%、 (b)フッ化ビニリデン 1〜30モル%、 (c)プロピレン 10〜60モル%、 (d)エチレン (2)〜(40)モル%、 (e)ブチレン (2)〜(40)モル%。
【0023】この組成割合はさらに好ましくは、 (a)フルオロオレフィン 25〜65モル%、 (b)フッ化ビニリデン 2〜28モル%、 (c)プロピレン 12〜55モル%、 (d)エチレン (3)〜(35)モル%、 (e)ブチレン (3)〜(35)モル%、
【0024】最も好ましくは、 (a)フルオロオレフィン 30〜60モル%、 (b)フッ化ビニリデン 3〜26モル%、 (c)プロピレン 14〜50モル%、 (d)エチレン (4)〜(30)モル%、 (e)ブチレン (4)〜(30)モル%。
【0025】ここで重合単位(d)エチレンと(e)ブ
チレンについての組成割合がカッコつきで(40)、
(35)、(30)等と表記されているのは次のような
意味である。すなわち、請求項で規定されているよう
に、(d)と(e)のうち少なくとも一方は必ず含ま
れ、他方は、全く含まれなくてもよいが、(40)、
(35)、(30)等は、その場合の該含有される
(d)又は(e)成分単独の含有量を示す。なお、
(d)と(e)の両者が共に含有される場合は、(4
0)、(35)、(30)等は両成分の合計の含有量を
示す。
【0026】本発明におけるフッ素系共重合体は、フル
オロオレフィンに基づく重合単位(a)の割合があまり
少なすぎると耐候性に劣り、また多すぎると耐候性の向
上に比較してコストが高くなり好ましくない。これらを
勘案して上記範囲が選択される。
【0027】本発明においては、上記の範囲の量のフッ
化ビニリデンに基づく重合単位(b)が存在することに
より、樹脂の結晶性を低くならしめ、塗膜の高温下にお
ける白濁を防止していると考えられる。すなわち、重合
単位(b)の割合が少なすぎると樹脂の結晶性が高くな
り、塗膜の透明性が低下する。また、多すぎると樹脂の
ガラス転移温度が低くなり塗膜の硬度が不足する。これ
らを考慮して上記範囲が好ましいものとして選択され
る。
【0028】また、プロピレンに基づく重合単位(c)
の割合が少なすぎると融点が高くなりすぎるため、塗膜
の柔軟性が不足し、多すぎるとフッ素系共重合体がゴム
状になって塗膜の硬度が不足する。これらにより上記範
囲が選択される。
【0029】上記したように、エチレンに基づく重合単
位(d)及びブチレンに基づく重合単位(e)は両者を
共に使用してもよく、また、いずれか一方だけを使用し
てもよいが、少なくとも一方は、必ず使用する。(d)
及び/又は(e)の割合が多すぎると、融点が高くなり
すぎ、また塗膜の結晶化が大きくなり透明度が低下す
る。逆に少なすぎると、フッ素系共重合体がゴム状にな
り硬度が不足する。これらを考慮して上記範囲が好まし
いものとして選択される。
【0030】本発明において(a)のフルオロオレフィ
ンとしては、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン、トリフルオロプ
ロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロ
プロピレン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオ
ロブチレン、ペンタフルオロブチレン等のフッ素原子を
含む炭素数2〜4程度のフルオロオレフィン(ただし、
フッ化ビニリデンを除く。)が好ましく、特にパーフル
オロオレフィンが好ましい。最も好ましくは、テトラフ
ルオロエチレンである。なお、フッ素原子とともに塩素
原子等の他のハロゲン原子を含んでいてもよい。
【0031】また、本発明において(e)のブチレンと
しては、1−ブチレン、2−ブチレン及びイソブチレン
が使用できる。入手の容易性の点で、イソブチレンが最
も好ましい。また、これらの混合物であってもよい。
【0032】本発明において、フッ素系共重合体に含ま
れる重合単位を構成する単量体は、常温、常圧でガス状
の単量体のみから構成される場合には、重合終了後に残
存単量体をパージするだけで簡単に除去できるという特
徴があり、従って、残存単量体に起因する着色や塗膜の
べとつきを生じない利点がある。
【0033】本発明におけるフッ素系共重合体の融点の
範囲は、40〜150℃であり、好ましくは60〜12
0℃である。融点がこれより低すぎると塗膜の硬度が不
足し、融点が高すぎると加熱塗装時に充分な流動性が得
られず塗膜の外観を損なう。
【0034】本発明におけるフッ素系共重合体のガラス
転移温度の範囲は、−20℃〜80℃が好ましく、より
好ましくは0〜70℃である。ガラス転移温度が低すぎ
ると塗膜の硬度が不足し、高すぎると加熱塗装時に充分
な流動性が得られず塗膜の外観を損なう。
【0035】なお、融点は、走査型示差熱量計(DS
C)により試料を10℃/分で昇温したときの発熱ピー
クを求め、その時の温度を融点とすることにより決め
た。融点のピークの分布が広い場合には、下に凸となっ
ている部分の最も低い点を融点とした。また、ガラス転
移温度は、同じくDSCの昇温カーブにおいて、温度勾
配の急激な変化が生じる部分での2本の接線の交わる点
とした。
【0036】本発明におけるフッ素系共重合体の分子量
の指標であるQ値は、0.1〜10000の範囲にある
ことが好ましい。より好ましくは1〜1000であり、
更に好ましくは10〜500である。
【0037】Q値が0.1未満であると、粒子の流動性
が低下し、造膜性、塗膜の平滑性が低下する傾向にあ
る。10000よりも大きくなると、塗膜の機械的強度
が損なわれる。
【0038】なおQ値は、高化式フローテスタを用いフ
ッ素系共重合体を内径11.3mmのシリンダに充填
し、140℃、68.6Nの荷重下に直径2.1mm、
長さ8.0mmのノズルより押し出し、その際の単位時
間に押し出される容量(mm3/秒)によって定義され
る値である。
【0039】本発明におけるフッ素系共重合体の粒子径
の範囲は、50nm〜300nmが好ましく、より好ま
しくは70〜200nmである。
【0040】なお、この粒子径は、レーザー光散乱粒径
測定装置(大塚電子社製:ELS−3000)を用いて
測定した平均粒子径である。
【0041】粒子径が50nm未満であると、機械的安
定性が低下し、また造膜性も低下する傾向にある。30
0nmよりも大きすぎると、沈降安定性、熱的安定性、
機械的安定性、化学的安定性を損なう。ただし、30質
量%未満ならば、この範囲外の粒子径の粒子が混在して
いても構わない。
【0042】本発明におけるフッ素系共重合体において
は、上記(a)〜(e)の単量体に基づく重合単位に加
えて、さらに(f)親水性基を有するマクロモノマ(以
下、親水性マクロモノマと略記することがある。)に基
づく重合単位を共重合してもよい。
【0043】この親水性マクロモノマに基づく重合単位
(f)が含まれていると、本発明における水性分散液の
機械的安定性・化学的安定性が改善されるばかりでな
く、造膜性や塗膜の機械的強度にも優れ、さらに安定化
のための乳化剤をまったくあるいはほとんど使用しなく
て済むので、耐水性や耐汚染性が向上するという特徴を
有する。
【0044】マクロモノマとは、分子中又は片末端にラ
ジカル重合性不飽和基を有する低分子量のポリマ又はオ
リゴマのことをいう。すなわち、分子中又は片末端にラ
ジカル重合性不飽和基を有し、充分な水分散安定性を得
るために、下記ポリオキシエチレン基などの繰り返し単
位を少なくとも4個有する化合物である。片末端にラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物の方が重合反応性が
良く好ましい。繰り返し単位の種類によって異なるが、
通常は繰り返し単位が50個以下のものが重合性、耐水
性などの面から好ましく採用される。
【0045】上記親水性マクロモノマ(f)の分子量は
250以上であることが好ましい。分子量が250未満
であると粒子を安定に水分散させる効果が不充分とな
る。
【0046】ここで、ラジカル重合性不飽和基として
は、ビニル基(CH2=CH−)、アリル基(CH2=C
HCH2−)、プロペニル基(CH3CH=CH−)、イ
ソプロペニル基(CH2=C(CH3)−)、アクリロイ
ル基(CH2=CHCO−)、メタクリロイル基(CH2
=C(CH3)CO−)などを例示しうる。特に、片末
端がビニルエーテル型又はアリルエーテル型のものが好
ましい。
【0047】親水性基としては、アニオン性、カチオン
性、ノニオン性などが使用できるが、特にノニオン性の
親水基が望ましい。親水性の強さや塗膜物性への影響と
いう点から、ポリオキシエチレン基あるいはポリオキシ
プロピレン/ポリオキシエチレン基などのノニオン性親
水基が特に好ましい。
【0048】例えば、 (1)CH2=CHOCH2-cyclo-C6H10-CH2O(CH2CH2O)tX (ここで、tは4〜40の整数、Xは水素原子、低級ア
ルキル基、又は低級アシル基を示す。)
【0049】(2)CH2=CHO-R-O-(CH2CH2O)tX (ここで、t、Xは上記と同様の意味を表す。Rは炭素
数2〜15の二価の炭化水素基を示す。)
【0050】 (3)CH2=CHO-R-O-(CH2CH(CH3)O)u-CH2O(CH2CH2O)tX (ここで、uは1〜10の整数、R、t、Xは上記と同
様の意味を表す。)
【0051】(4)CH2=CHCH2O-R-O-(CH2CH(CH3)O)u-CH
2O(CH2CH2O)tX (ここで、R、u、t、Xは上記と同様の意味を表
す。)などが例示される。なお、(-cyclo-C6H10- )の結
合部位は、1,4−、1,3−、1,2−があるが、通
常は1,4−が採用される。
【0052】なかでも、片末端がビニルエーテル型の構
造を有する(f)が、フルオロオレフィンとの交互共重
合性に優れ、共重合体塗膜の耐候性が良好となるため好
ましい。たとえば、以下のものが例示される。
【0053】 (5)CH2=CHOCH2-cyclo-C6H10-CH2O-(CH2CH2O)nH (6)CH2=CHO-C4H8-O-(CH2CH2O)nH (7)CH2=CHO-C4H8-O-(CH2CH(CH3)O)m-CH2O(CH2CH2O)n
H 上記の(5)、(6)、(7)式において、mは1〜1
0の整数、nは4〜40の整数を示す。
【0054】これらの親水性マクロモノマは、ヒドロキ
シル基を有する、アルキルビニルエーテル又はアルキル
アリルエーテルに、ホルムアルデヒドを重合させるか、
又は、アルキレンオキシドあるいはラクトン環を有する
化合物を開環重合させるなどの方法により製造すること
ができる。ポリエチレングリコールなどの親水性ポリマ
の末端にビニルエーテル基やアリルエーテル基などを導
入することにより製造することもできる。
【0055】本発明におけるフッ素系共重合体中には、
親水性マクロモノマに基づく重合単位(f)が好ましく
は0.1 〜25モル%、さらに好ましくは0.3〜2
0モル%の割合で含まれることが望ましい。親水性マク
ロモノマに基づく重合単位の含有量があまり少ない場合
は、水性分散液の機械的安定性・化学的安定性を顕著に
改善することができず、またあまり多すぎると、塗膜の
耐候性、耐水性が低下するため好ましくない。
【0056】本発明において、フッ素系共重合体は、上
記(a)〜(e)又は上記(a)〜(f)の単量体に基
づく重合単位に加えて、さらに(g)官能基を有するビ
ニル単量体より選ばれる少なくとも一つに基づく重合単
位(ただし、(f)を除く。)を含む共重合体であって
もよい。
【0057】この官能基を有するビニル単量体(g)が
含まれていると、顔料分散性、基材との密着性が向上さ
れるばかりでなく、アクリル単量体との親和性が向上し
て塗膜の透明性、耐候性が向上するという特徴を有す
る。
【0058】なお、上記(g)官能基を有するビニル単
量体より選ばれる少なくとも一つに基づく重合単位が多
すぎると塗膜にタックが生じ、また逆に少なすぎる場合
には、顔料分散性、基材との密着性、アクリル単量体と
の親和性などの向上の効果は十分に奏されない。
【0059】従って、(g)官能基を有するビニル単量
体より選ばれる少なくとも一つに基づく重合単位の含量
は、5〜20モル%程度であることが好ましい。
【0060】かかる(g)官能基を有するビニル単量体
としては、ビニルエステル、ビニルエーテル、イソプロ
ペニルエーテル又はアリルエーテルなどが挙げられる。
また、(g)官能基を有するビニル単量体としては、水
酸基(ヒドロキシル基)、カルボキシル基、エポキシ
基、加水分解性シリル基及びアミノ基からなる群より選
ばれる少なくとも一つの官能基を有するビニル単量体も
挙げられる。
【0061】上記(g)としてのビニルエステルとして
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニ
ル、ステアリン酸ビニルなどが挙げられる。また、ビニ
ルエーテルとしては、メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチ
ルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなど
が挙げられる。イソプロペニルエーテルとしては、メチ
ルイソプロペニルエーテル、エチルイソプロペニルエー
テル、プロピルイソプロペニルエーテル、n−ブチルイ
ソプロペニルエーテル、シクロヘキシルイソプロペニル
エーテルなどが挙げられる。アリルエーテルとしては、
エチルアリルエーテル、イソプロピルアリルエーテル、
n−ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル
などが挙げられる。
【0062】上記(g)としての水酸基を有するビニル
単量体としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテ
ル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、1―ヒドロ
キシメチル−4−ビニロキシメチルシクロヘキサン、ク
ロトン酸2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル
アリルエーテル、アリルアルコール、(メタ)アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒド
ロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が
挙げられる。
【0063】上記(g)としてのカルボキシル基を有す
るビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、イソクロトン酸、10−ウンデセン酸、9
−オクタデセン酸(オレイン酸)、フマール酸、マレイ
ン酸のごとき不飽和脂肪酸等のカルボキシル基を有する
単量体や、下式(8)、(9)で表されるカルボン酸基
含有単量体などが例示される。
【0064】 (8) CH2=CHOR1OCOR2COOM (9) CH2=CHCH2OR3OCOR4COOM (式中、R1、R3は、炭素数2〜15の二価の炭化水素
基、R2、R4は、飽和あるいは不飽和の直鎖状又は環状
の二価の炭化水素基、Mは、水素原子、炭化水素基、ア
ルカリ金属又は窒素原子含有基である。)
【0065】また、上記(g)としてのエポキシ基を含
有するビニル単量体としては、グリシジルビニルエーテ
ルなどのエポキシ基含有アルキルビニルエーテル類;グ
リシジルアリルエーテルなどのエポキシ基含有アルキル
アリルエーテル類;グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレートなどのエポキシ基含有アルキルアクリ
レート又はメタクリレートなどが例示される。
【0066】上記(g)としての加水分解性シリル基を
有するビニル単量体としては、トリメトキシビニルシラ
ン、トリエトキシビニルシラン、γ−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
イソプロペニルオキシシラン等の加水分解性シリル基含
有エステルなどが例示される。加水分解性シリル基を含
有する重合単位は、これら加水分解性シリル基を含有す
る単量体を共重合することにより導入できる。
【0067】上記(g)としてのアミノ基を有するビニ
ル単量体としては、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノ
エチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエ
チルエステル等が挙げられる。
【0068】本発明の水性分散液は、フッ素系共重合体
が水に分散されたものである。ここで本発明の水性分散
液は、基本的に、通常フッ素系共重合体水性分散液で用
いられる乳化剤を用いなくても分散安定性に優れるが、
乳化剤を用いることを排除するものではない。
【0069】乳化剤としては、通常使用されるノニオン
性乳化剤やアニオン性乳化剤を単独で又は併用して用い
ることができる。
【0070】また、上記乳化剤は、通常重合時に添加し
て使用されるが、重合後の水性分散液に同種の乳化剤及
び/又は異種の乳化剤を添加して使用してもよい。
【0071】本発明における乳化重合の開始は、通常の
乳化重合の開始と同様に重合開始剤の添加により行われ
る。重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤を用い
ることができるが、特に水溶性開始剤が好ましく採用さ
れ、具体的には、過硫酸アンモニウム塩などの過硫酸
塩、過酸化水素あるいはこれらと亜硫酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせか
らなるレドックス開始剤、さらにこれらに少量の鉄、第
一鉄塩、硫酸銀などを共存させた系の無機系開始剤、又
はジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシド
などの二塩基酸過酸化物、アゾビスイソブチルアミジン
の塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリルなどの有機系開
始剤が例示される。
【0072】重合開始剤の使用量は、その種類、乳化重
合条件などに応じて適宜変更可能であるが、通常は、乳
化重合させるべき単量体100質量部あたり0.005
〜0.5質量部程度が好ましい。また、これらの重合開
始剤は、一括添加してもよいが、必要に応じて分割添加
してもよい。
【0073】なお乳化物のpHを上昇させる目的で、p
H調整剤を用いてもよい。pH調整剤としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸水素ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム、テトラホウ酸ナトリウムなど
の無機塩基類及びトリエチルアミン、トリエタノールア
ミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノール
アミンなどの有機塩基類などが例示される。
【0074】pH調整剤の添加量は、通常乳化重合媒体
100質量部あたり0.05〜2質量部程度、好ましく
は0.1〜2質量部程度である。なお、pHの高い方が
重合速度が速くなる傾向がある。
【0075】また、乳化重合の開始温度は、重合開始剤
の種類に応じて適宜最適値が選定されるが、通常は0〜
100℃、特に10〜90℃程度が好ましく採用され
る。重合温度は、20〜120℃程度である。また反応
圧力は、適宜選定できるが、通常は0.1〜10MP
a、特に0.2〜5MPa程度を採用するのが望まし
い。
【0076】本発明における乳化重合において、単量
体、水、乳化剤、重合開始剤などの添加物をそのまま一
括仕込みして重合してもよいが、分散粒子の粒子径を小
さくして分散液の安定性及び塗膜の光沢などの諸物性を
向上させる目的で、重合開始剤を添加する以前に、ホモ
ジナイザなどの撹拌機を用いて前乳化させ、その後に開
始剤を添加して重合してもよい。また、単量体の装入方
法は、その全量を一括して反応器に装入する方法、単量
体の全量を連続して装入する方法、単量体全量を分割し
て装入する方法、単量体の一部を仕込んで先ず反応させ
た後、残りを分割してあるいは連続して装入する方法等
種々の方法が採用できる。なお、分割添加する場合、単
量体組成は異なってもよい。
【0077】本発明におけるフッ素系共重合体は、予め
重合しておいた当該フッ素系共重合体の粒子の存在下
に、当該粒子と同じ単量体の組み合わせ、組成の単量体
を、さらに乳化重合してもよい。このように予め共重合
体粒子が水中に存在することにより、ガス状の単量体が
吸収されやすくなり、重合速度が向上する。また、その
際に、予め重合しておいて当該フッ素系共重合体の粒子
を希釈してから乳化重合を行うことにより、分散液の安
定性をより向上させることができる。
【0078】この場合、重合時に予め仕込む当該フッ素
系共重合体の粒子100質量部に対して、単量体の混合
物100〜10,000質量部の割合で重合を行うこと
が望ましい。予め仕込む当該フッ素系共重合体の粒子の
割合が少なすぎると、重合速度の向上効果が小さく、ま
た多すぎると、一回の重合操作で得られる水性分散液の
収量が少なくなり、経済的ではない。
【0079】また、ガス状の単量体の水性分散液へのガ
ス吸収を更に改善するために、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、イソブ
チルアルコール、tert−ブチルアルコールなどのア
ルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのアルキレングリコール類などの親水性有機化合
物を重合時に添加してもよい。この場合の添加量は、水
性分散液の水に対して0.1〜10質量%程度が好まし
い。更に好ましくは1〜5質量%である。
【0080】添加量がこれよりも少ないと、ガス吸収効
果が小さく、また多すぎると、水性分散液の粘度が上昇
し、塗料化が困難になるため好ましくない。
【0081】本発明においては、上記したようなフッ素
系共重合体をベースとして、さらに(I)(メタ)アク
リル酸アルキルエステル等で複合化処理をするか、又
は、(II)この(メタ)アクリル酸アルキルエステル系
共重合体の水性分散液と混合処理をすることにより優れ
た塗膜物性を付与するフッ素系共重合体の水性分散液と
することができる。
【0082】ここで、(I)複合化処理とは、ベースと
なるフッ素系共重合体(粒子)の存在下に、(メタ)ア
クリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルから
なる群より選択される少なくとも一種を含むラジカル重
合性の単量体を乳化重合するものである。すなわち、当
該粒子をシード粒子とするアクリルシード重合によっ
て、フッ素系/(メタ)アクリル酸アルキルエステル系
のいわゆるコア・シェル型複合水性分散液(以下、複合
系水性分散液と略記することがある。)とするものであ
る。本発明においては、コア部分に極性を有するフッ化
ビニリデンが含まれているため、乳化重合の過程で(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル等の極性を有する単量
体を主成分とする単量体が、当該ベースとなるフッ素系
共重合体粒子中へより効果的に侵入・膨潤する結果、き
わめて均一に分散したものが得られると考えられる。
【0083】また、(II)混合処理とは、(メタ)アク
リル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからな
る群より選択される少なくとも一種を含むラジカル重合
性の単量体を乳化重合して(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系重合体の水性分散液を調製し、この水性分散
液を、上記のベースとなるフッ素系共重合体の水性分散
液に加えてよく混合せしめることにより、ベースとなる
フッ素系共重合体粒子と(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル系重合体粒子が均一によく分散し、安定化された
フッ素系共重合体の水性分散液(以下、混合系水性分散
液と略記することがある。)が得られるものである。こ
の場合において、(メタ)アクリル酸アルキルエステル
系重合体粒子と混合させるべき、ベースとなるフッ素系
共重合体粒子に極性を有するフッ化ビニリデンが含まれ
ているため、これらの粒子は、互いに親和性を有し、物
理的に混合するだけでもきわめて均一に分散した安定な
水性分散液が得られると考えられる。
【0084】このように、ベースとなるフッ素系共重合
体の粒子を、(メタ)アクリル酸エステル等で複合化処
理又は混合処理した水性分散液とすることにより、フッ
素系共重合体の耐候性等の特性を保持したまま、機械的
安定性、化学的安定性、造膜性、透明性、顔料分散性、
施工性をより向上させることができる。
【0085】通常、フッ素系共重合体は、(メタ)アク
リル酸エステル等との相溶性に劣るため、その共重合体
からなる塗膜を形成すると、塗膜の透明性など塗料に必
要な物性が不足する場合が多いが、本発明においては、
ベースとして、フッ化ビニリデンを含むフッ素系共重合
体を使用し、これを(メタ)アクリル酸エステル等で複
合化処理するか、又は混合処理するため、いずれの処理
においても、フッ素系共重合体と(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体が親和性を持つものと考えられる。
【0086】従って、本発明の水性分散液から得られる
塗膜は、その塗膜の乾燥時に、ベースとなるフッ素系共
重合体の粒子とそれを複合化している(メタ)アクリル
酸エステル系重合体や、それと混合している(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体の粒子が互いに親和性をもっ
て密着して融合するので、得られる塗膜は、透明性に優
れ、ガスバリア性や透水性が良好であると考えられる。
【0087】上記の複合化処理又は混合処理に使用する
(h)(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を主成分
とする単量体や共重合体(B1、B2、C1又はC2)
の割合は、ベースとなるフッ素系共重合体の粒子(A)
の100質量部に対して、5〜100質量部、好ましく
は10〜80質量部、更に好ましくは20〜50質量部
である。従って、上記複合化処理を行う場合は、ベース
となるフッ素系共重合体の粒子(A)の100質量部の
存在下に、反応容器に5〜100質量部の(メタ)アク
リル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからな
る群より選択される少なくとも一種を含む単量体(B1
又はB2)を仕込み、乳化重合を行わせる。また、混合
処理の場合は、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルからなる群より選択される少なく
とも一種を含む単量体を乳化重合して、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル系重合体(C1又はC2)の水性
分散液を調製し、この(C1)又は(C2)の5〜10
0質量部を含む水性分散液と、ベースとなるフッ素系共
重合体の粒子(A)の100質量部を含む水性分散液と
を混合すればよい。
【0088】ここで、(h)としては(メタ)アクリル
酸又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げら
れ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、ア
ルキル基の炭素数が1〜18のものであり、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸
n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)
アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−
アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アク
リル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル等を挙げることができる。このうち、特に炭素数1〜
5のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルが好ましい。
【0089】また上記(h)(メタ)アクリル酸エステ
ルなどと共重合可能な単量体として、(i)親水性基を
有する(メタ)アクリル酸エステルを、上記(メタ)ア
クリル酸エステル(h)に対し50モル%以下、好まし
くは30モル%以下の範囲で使用してもよい。
【0090】親水性基としては、通常ノニオン性の親水
基が好ましい。なかでも親水性の強さや塗膜物性への影
響という点から、ポリオキシエチレン基あるいはポリオ
キシプロピレン/ポリオキシエチレン基等のノニオン性
親水基が好ましい(例えば、商品名NK−エステルM9
0G:新中村化学社製)。
【0091】ポリオキシエチレン基あるいはポリオキシ
プロピレン/ポリオキシエチレン基等の繰り返し単位
は、4個以上かつ50個以下であることが重合性や耐久
性の面から好ましい。また、上記(i)親水性基を有す
る(メタ)アクリル酸エステルの分子量は250以上で
あることが好ましい。250未満であると、粒子の水分
散安定性が低下する。
【0092】また、上記(h)又は上記(h)〜(i)
とともに、これと共重合可能な他の単量体として、
(j)官能基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル(ただし、前記(i)を除く。)を、上記(h)又
は上記(h)〜(i)に対して、50モル%以下、好ま
しくは30モル%以下の範囲で使用してもよい。
【0093】(j)官能基を有する(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとしては、水酸基(ヒドロキシル
基)、カルボキシル基、エポキシ基、加水分解性シリル
基及びアミノ基から選ばれる官能基を含有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
【0094】このような(j)官能基を有する(メタ)
アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチ
ル等のヒドロキシル基含有エステル;2−カルボキシル
エチル(メタ)アクリル酸等のオキシカルボン酸等のカ
ルボキシル基含有エステル;(メタ)アクリル酸グリシ
ジルなどのエポキシ基含有エステル;γ−(メタ)アク
リロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシシ
ラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイ
ソプロペニルオキシシラン等の加水分解性シリル基含エ
ステル;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエス
テル等のアミノ基含有エステル等が挙げられる。
【0095】上記(メタ)アクリル酸エステル等を含む
単量体の乳化重合の条件は、上記したフッ素系共重合体
に関する乳化重合の条件に準じて採用できる。
【0096】なお、当該混合処理を行う装置としては、
通常の撹拌機を備えた容器中に、ベースとなるフッ素系
共重合体の水性分散液と(メタ)アクリル酸エステル系
重合体の水性分散液を装入して両者を撹拌混合すればよ
い。なお、かかる混合を行うための容器としては、乳化
重合に使用した反応容器を使用することもできる。ま
た、両者をより充分均一に分散するために、上記したホ
モジナイザータイプの装置により混合してもよい。
【0097】当該フッ素系共重合体と(メタ)アクリル
酸エステルを主成分とする重合体の複合化された、又は
混合された粒子の融点の範囲は、好ましくは40〜15
0℃であり、更に好ましくは60〜120℃である。融
点が低すぎると塗膜の硬度が不足し、融点が高すぎると
加熱塗装時に充分な流動性が得られず塗膜の外観が損な
われる。
【0098】また、上記複合化された、又は混合された
粒子のガラス転移温度は、−20℃〜80℃の範囲にあ
ることが好ましく、更に好ましくは0〜70℃である。
ガラス転移温度が低すぎると塗膜にタックが生じてしま
い、高すぎると塗膜の柔軟性が損なわれてしまう。
【0099】なお、上記複合化された、又は混合された
粒子の分子量の指標であるQ値は、0.1〜10,00
0の範囲にあることが好ましい。より好ましくは1〜
1,000であり、更に好ましくは10〜500であ
る。
【0100】Q値が0.1未満であると、粒子の流動性
が低下し、造膜性、塗膜の平滑性が低下する傾向にあ
る。10,000よりも大きすぎると塗膜の機械的強度
が充分ではなくなる。
【0101】また、上記複合化、又は混合された粒子の
平均粒子径は、50nm〜300nmの範囲にあること
が好ましい。更に好ましくは70〜200nmである。
粒子径が50nm未満であると、機械的安定性が低下
し、また造膜性も低下する傾向にある。300nmより
も大きすぎると沈降安定性、熱的安定性、機械的安定
性、化学的安定性を損なう。ただし、30質量%未満な
らば範囲外の粒子径の粒子が混在していてもよい。
【0102】本発明における水性分散液は、これを塗料
ベースとして使用して、塗料化したときに、被塗装基材
である無機質基材、有機質基材への密着性、耐候性、耐
薬品性、成膜性に加え、耐汚染性をさらに向上させる目
的で、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の水性分散
液に、無機ケイ素化合物及び/又は有機ケイ素化合物
(以下、無機/有機ケイ素化合物と略記する。)を配合
して水性塗料用組成物とすることができる。かかる無機
ケイ素化合物としては、水ガラス等の水溶性ケイ酸塩、
水分散性コロイダルシリカなどが例示される。
【0103】水溶性ケイ酸塩としては、例えば式
(I): T2O・kSiO2・・・(I) (式中、Tはアルカリ金属又はN(CH2CH2
H)4、−N(CH2OH)4、−N(CH2CH2OH)3
若しくは−C(NH22NHであり、kは0.5〜5で
ある。)で表される水溶性ケイ酸塩が挙げられる。当該
水溶性ケイ酸塩は、結晶水を有していても有していなく
てもよい。
【0104】また、コロイダルシリカとしては、例え
ば、水ガラスの脱ナトリウム(イオン交換法、酸分解
法、解膠法)によって製造され、一次粒子径としては、
4〜150nm、好ましくは5〜50nmのもので、通
常水性分散液として供給されており、本発明において
は、これをそのまま使用できる。(たとえば商品名スノ
ーテックス−O又はスノーテックス20:日産化学工業
社製)
【0105】また、有機ケイ素化合物の具体例として
は、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シランなどが好ましい。
【0106】本発明の水性塗料用組成物中のフッ素系共
重合体等の固形分と、配合される無機/有機ケイ素化合
物との比率は、当該固形分100質量部に対して、無機
/有機ケイ素化合物0.1〜100質量部である。より
好ましくは1〜50質量部の範囲である。無機/有機ケ
イ素化合物の比率が0.1より小さいと得られる塗膜の
表面の非汚染付着性が不充分になることがあり、100
を超えると塗膜形成時あるいは時間の経過とともに可撓
性の不足から塗膜にクラックなどの欠陥が生じやすくな
る。
【0107】本発明の水性分散液は、塗料バインダとし
てそのままでも水性塗料として使用できるが、必要に応
じて着色剤、可塑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、消
泡剤、顔料分散剤、造膜助剤、増粘剤、ハジキ防止剤、
皮バリ防止剤、硬化剤など通常水性塗料に添加される添
加剤を適宜選択して混合してもよい。更に、アルミニウ
ムペースト等のメタリック顔料を使用してもよい。
【0108】本発明においては、前記(1)〜(7)の
いずれかに記載の水性分散液に、紫外線吸収剤、造膜助
剤及び増粘剤からなる群より選択される少なくとも一種
が配合されている水性塗料用組成物が好ましいものとし
て例示できる。
【0109】着色剤としては、染料、有機顔料、無機顔
料などが例示される。可塑剤としては、従来公知のも
の、例えばジオクチルフタレートなどの低分子量可塑
剤、ビニル重合体可塑剤、ポリエステル系可塑剤などの
高分子量可塑剤などが挙げられる。紫外線安定剤として
は、高分子量変性ヒンダードアミン(例えば、アデカ・
アーガス社製、商品名:MARK LA 57、62、
63、67、68)、チバ・スペシャルティ・ケミカル
ズ社製のチヌビン292(商品名)等が挙げられる。
【0110】造膜助剤としては、ジプロピレングリコー
ル−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アル
コールモノアルキルエーテルや有機酸エステル等が使用
される。また、増粘剤としては、ヒドロキシエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースなどで代表される
セルロース系増粘剤などが例示される。
【0111】硬化剤としては、例えば、水性分散液中の
フッ素系共重合体が、反応性架橋部位としてヒドロキシ
ル基を有する場合には、トリグリシジルイソシアヌレー
ト等のブロックイソシアネート、メチル化メラミン、メ
チロール化メラミン等のメラミン樹脂等が使用され、反
応性架橋部位としてカルボニル基を有する場合には、ア
ジピン酸ジヒドラジドなどが使用される。
【0112】なお、水性分散液の安定性を向上させるた
めに、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、オルトリン酸ナ
トリウム、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等
のpH調整剤を添加してもよい。
【0113】
【実施例】以下に合成例、実施例を掲げて本発明を具体
的に説明するが、かかる実施例などにより本発明は何ら
限定されるものではない。なお、以下の実施例中の部数
はとくに断りのない限り質量部を示すものである。
【0114】(合成例1) (1)内容積2Lのステンレス製撹拌機付きオートクレ
ーブにイオン交換水1100g、フッ素系のアニオン性
乳化剤(商品名:FC−143、住友3M社製)4.7
5g、ノニオン性乳化剤(商品名:N−1110、日本
乳化剤社製)24.7g及びtert−ブチルアルコー
ル39.8gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガ
スによる加圧を繰り返して空気を除去した。次に、
(a)テトラフルオロエチレン70.4g、(c)プロ
ピレン1.7g、(d)エチレン1.1g、(b)フッ
化ビニリデン12.6gをオートクレーブ中に導入し
た。
【0115】(2)オートクレーブ内の温度が65℃に
達した時点で圧力2.42MPaを示した。その後、過
硫酸アンモニウムの30%水溶液7mLを添加し、反応
を開始させた。圧力の低下に伴い加圧して圧力を維持し
つつ、(a)テトラフルオロエチレン53モル%、
(c)プロピレン17モル%、(d)エチレン20モル
%及び(b)フッ化ビニリデン10モル%の混合ガス6
30gを連続的に加え反応を続行させた。
【0116】15時間後、混合ガスの供給を停止しオー
トクレーブを水冷して室温に達した後、未反応モノマを
パージし、オートクレーブを開放して固形分濃度38.
5%の水性分散液を得た。
【0117】(3)得られた水性分散液を遠心分離器に
かけて沈降させ、ポリマをガラスフィルターで濾過し、
532Paの減圧下で5時間かけて水分を除去した後、
衝撃式ハンマーミルで粉砕し、フッ素系共重合体の粉末
を得た。この共重合体の13C−NMRによる組成分析の
結果は、(a)テトラフルオロエチレンに基づく重合単
位55モル%、(c)プロピレンに基づく重合単位19
モル%、(d)エチレンに基づく重合単位19モル%、
(b)フッ化ビニリデンに基づく重合単位7モル%であ
った。また融点は、117.2℃であった。結果を表1
に示す。
【0118】(合成例2) (1)内容積2Lのステンレス製撹拌機付きオートクレ
ーブに、イオン交換水1100g、炭酸カリウム(K2
CO3)3.2部、ノニオン性乳化剤(商品名:N−1
110、日本乳化剤社製)20.7部、アニオン性乳化
剤(ラウリル硫酸ナトリウム)7.3g、tert−ブ
チルアルコール28.4g、及び(g)酢酸ビニル2.
3gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスによる
加圧を繰り返して空気を除去した。次に、(a)テトラ
フルオロエチレン69.2g、(c)プロピレン2.5
g、(d)エチレン1.1g、及び(b)フッ化ビニリ
デン12.6gをオートクレーブ中に導入した。
【0119】(2)オートクレーブ内の温度が65℃に
達した時点で圧力2.35MPaを示した。その後、過
硫酸アンモニウムの30%水溶液10mLを添加し、反
応を開始させた。圧力の低下に伴い圧力を維持しつつ、
(a)テトラフルオロエチレン53モル%、(c)プロ
ピレン27モル%、(d)エチレン10モル%及び
(b)フッ化ビニリデン10モル%の混合ガス630g
を連続的に加え反応を続行させた。
【0120】(3)12時間後、混合ガスの供給を停止
しオートクレーブを水冷して室温に達した後、未反応モ
ノマをパージし、オートクレーブを開放して濃度37.
2%のエマルションを得た。得られたエマルションを遠
心分離器にかけて沈降させ、ポリマをガラスフィルター
で濾過し、133Paの減圧下で5時間かけて水分を除
去した後、衝撃式ハンマーミルで粉砕し、フッ素系共重
合体の粉末を得た。この共重合体の13C−NMRによる
組成分析の結果は、(a)テトラフルオロエチレンに基
づく重合単位54モル%、(c)プロピレンに基づく重
合単位29モル%、(d)エチレンに基づく重合単位1
0モル%、(b)フッ化ビニリデンに基づく重合単位5
モル%、(g)酢酸ビニルに基づく重合単位1.8モル
%であった。また融点は、61.4℃であった。結果を
表1に示す。
【0121】(合成例3〜5)乳化重合に用いるモノマ
組成を表1に示すように変更し、それ以外は合成例1及
び2に記載の方法に準じて、フッ素系共重合体の水性分
散液を得た。
【0122】(合成例6)温度計、撹拌機、還流、冷却
器を備えた内容量500mLのガラス製フラスコに表1
の合成例1で得られた水性分散液300gを仕込み(分
散液中のフッ素系共重合体量は、116gであっ
た。)、80℃になるまで加温した。80℃に達した時
点で(h)メタクリル酸メチル31.5g、(h)メタ
クリル酸tert−ブチル3.5g、ノニオン性乳化剤
(商品名:N−1110、日本乳化剤社製)0.3g、
アニオン性乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)0.02
g、水29.7gから成る水性分散液を1時間かけて滴
下した。その直後、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶
液1mLを添加し反応を開始させた。反応時間3時間後
にフラスコ内温度を90℃に上げ更に1時間反応させて
重合を完結させ、フッ素系共重合体とメタクリル酸エス
テル系重合体が80:20(質量比)で、固形分濃度3
9.2質量%の複合系水性分散液を得た。結果を表2に
示す。
【0123】(合成例7)温度計、撹拌機、還流、冷却
器を備えた内容量500mLのガラス製フラスコに表1
の合成例2で得られた水性分散液300gを仕込み(分
散液中のフッ素系共重合体量は、112gであっ
た。)、70℃になるまで加温した。70℃に達した時
点で(h)メタクリル酸tert−ブチル19.5g、
(h)メタクリル酸n−ブチル3.5g、(i)NK−
エステル(商品名:M90G、新中村化学社製)0.6
g、ノニオン性乳化剤(商品名:N−1110、日本乳
化剤社製)0.3g、アニオン性乳化剤(ラウリル硫酸
ナトリウム)0.03g、水28.8gから成る水性分
散液を1時間かけて滴下した。その直後、過硫酸アンモ
ニウムの2質量%水溶液1mLを添加し反応を開始させ
た。反応時間3時間後にフラスコ内温度を80℃に上げ
更に1時間反応させて重合を完結させ、フッ素系共重合
体とメタクリル酸エステル系重合体が80:20(質量
比)で、固形分濃度38.7質量%の複合系水性分散液
を得た。結果を表2に示す。
【0124】(合成例8〜10)乳化重合に用いるモノ
マ組成を表2に示すように変更し、それ以外は合成例6
に記載の方法に準じて複合系水性分散液を得た。
【0125】(合成例11)混合系水性分散液を調製す
るためのアクリル水性分散液の調製を行った。温度計、
撹拌機、還流、冷却器を備えた内容量300mLのガラ
ス製フラスコに、イオン交換水150mL、ノニオン性
乳化剤(商品名:N−1110、日本乳化剤社製)0.
04g、アニオン性乳化剤(ラウリル硫酸ナトリウム)
0.02gを仕込み、80℃になるまで加温した。80
℃に達した時点で(h)メタクリル酸tert−ブチル
105g、(h)メタクリル酸n−ブチル42g、
(i)NK−エステル(商品名:M−90G、新中村化
学社製)3gの混合液を1時間かけて滴下した。その直
後、過硫酸アンモニウムの2質量%水溶液3mLを添加
し反応を開始させた。反応時間3時間後にフラスコ内温
度を90℃に上げ更に1時間反応させて重合を完結さ
せ、アクリル酸エステル系重合体の水性分散液を得た。
結果を表2に示す。
【0126】
【表1】
【0127】表1における略号は次の通りである。 HBVE:4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、 EOVE:CH2=CHO-C4H8-O-(CH2CH2O)nH(平均分子量5
20)。
【0128】
【表2】
【0129】表2における略号は次の通りである。 NK-エステル M-90G:CH2=C(CH3)-CO-O-(CH2CH2O)nCH3
n≒9(新中村化学社製)
【0130】なお、融点は、走査型示差熱量計(DS
C)により試料を10℃/分で昇温したときの発熱ピー
クを求め、その時の温度を融点とすることにより決め
た。融点のピークの分布が広い場合には、下に凸となっ
ている部分の最も低い点を融点とした。また、ガラス転
移温度は、同じくDSCの昇温カーブにおいて、温度勾
配の急激な変化が生じる部分での2本の接戦の交わる点
とした。
【0131】また、表1の各組成において、例えばテト
ラフルオロエチレンの組成が「72/55」とあるの
は、分子の「72」が、供給原料モノマ中の組成が72
モル%であることを表し、分母の「55」は、共重合体
中のテトラフルオロエチレンに基づく重合単位が55モ
ル%であることを示す。
【0132】(実施例1)合成例1により得られたフッ
素系共重合体の水性分散液71部、無機/有機ケイ素化
合物であるケイ酸リチウム(SiO2/Li2O(モル比
4.5):リチウムシリケート45、日産化学工業社
製)3.5部、造膜助剤5.4部、増粘剤0.3部、分
散剤0.8部、消泡剤0.6部、イオン交換水10.3
部を表3に示す量用いてクリア塗料配合を行った。な
お、造膜助剤は、Cs−12(商品名:チッソ社製)、
増粘剤は、レオビスCR(商品名:ヘキスト合成社
製)、分散剤は、ノスコスパース44−C(商品名:サ
ンノプコ社製)、消泡剤は、FSアンチフォーム90
(商品名:ダウコーニング社製)である。
【0133】(実施例2)フッ素系共重合体の水性分散
液を、合成例2により得られたものとする他は実施例1
と同様にして塗料配合を行った。
【0134】(実施例3)合成例3により得られたフッ
素系共重合体の水性分散液71部、無機/有機ケイ素化
合物であるエチルシリケート(エチルシリケート40:
コルコート社製)7部、造膜助剤5.4部、増粘剤0.
3部、分散剤0.8部、消泡剤0.6部、イオン交換水
10.3部を表2に示す量用いてクリア塗料配合を行っ
た。なお、造膜助剤は、Cs−12(商品名:チッソ社
製)、増粘剤は、レオビスCR(商品名:ヘキスト合成
社製)、分散剤は、ノスコスパース44−C(商品名:
サンノプコ社製)、消泡剤は、FSアンチフォーム90
(商品名:ダウコーニング社製)である。
【0135】(実施例4)フッ素系共重合体の水性分散
液を、合成例4により得られたものとする他は実施例3
と同様にして塗料配合を行った。
【0136】(比較例1)フッ素系共重合体の水性分散
液を合成例5により得られたものとする他は実施例1と
同様にして塗料配合を行った。
【0137】(実施例5〜6)各々フッ素系共重合体の
水性分散液を合成例6、合成例7により得られたものと
する他は実施例1と同様にして塗料配合を行った。
【0138】(実施例7、8)各々フッ素系共重合体の
水性分散液を合成例8、合成例9により得られたものと
する他は実施例3と同様にして塗料配合を行った。
【0139】(実施例9)合成例1の水性分散液を56
部、合成例11の水性分散液を14部、無機/有機ケイ
素化合物であるエチルシリケート(エチルシリケート4
0:コルコート社製)7部、造膜助剤5.4部、増粘剤
0.3部、分散剤0.8部、消泡剤0.6部、イオン交
換水10.3部を表2に示す量用いてクリア塗料配合を
行った。なお、造膜助剤は、Cs−12(商品名:チッ
ソ社製)、増粘剤は、レオビスCR(商品名:ヘキスト
合成社製)、分散剤は、ノスコスパース44−C(商品
名:サンノプコ社製)、消泡剤は、FSアンチフォーム
90(商品名:ダウコーニング社製)である。
【0140】(比較例2)フッ素系共重合体の混合系水
性分散液を合成例10により得られたものとする他は、
実施例1と同様にして塗料配合を行った。
【0141】(塗膜試験)以上配合されたこれらのクリ
ア塗料をアルミニウム板上に、乾燥膜厚40μmとなる
ようにエアスプレーで塗布し、80℃で30分間乾燥し
試験片を得た。これらの試験片について耐候性、耐水
性、耐汚染性、透明性、密着性及び塗膜の機械的強度の
試験を行った。試験方法は、以下のとおりとした。
【0142】耐候性評価:Qパネル社製蛍光紫外線耐候
性試験機を用いるQUV試験3000時間後に著しく光
沢が低下したものを×、光沢の低下があまりみられない
ものを○とした。
【0143】耐水性評価:60℃の温水に1週間浸漬
後、塗膜のふくれや剥離の有無で判定した。ふくれや剥
離のあるものを×、無いものを○とした。
【0144】耐汚染性:屋外で南面45ーで1年間暴露
を行い、保存板と水ぶき後の色差が5以下のものは○、
5を超えるものを×とした。
【0145】透明性:試験片を200℃で10分間加熱
し、目視で完全に透明なものを○、やや白濁しているも
のを△、相当白濁しているものを×とした。
【0146】密着性:JIS K5400に基づきテー
プ剥離試験を行い、完全に剥離が見られないものを○、
一部剥離しているものを△、相当剥離しているものを×
とした。
【0147】機械的強度:上記のクリアー塗料を、ガラ
ス板上に乾燥膜厚40μmとなるようにエアスプレーで
塗布し、80℃で30分乾燥後ガラス板から塗膜のフィ
ルムを引き剥がした。このフィルムの引張降伏伸び(単
位:%)及び引張降伏強度(単位:MPa)をJIS
K7127により測定した。値の高い方がそれぞれ基材
の膨張収縮に対する追従性、基材の割れに対する抵抗性
に優れることを示す。以上の結果を表3と表4に示し
た。
【0148】
【表3】
【0149】
【表4】
【0150】
【発明の効果】本発明のフッ素系共重合体の水性分散液
は、機械的強度、透明性、耐候性、耐汚染性、耐水性、
密着性の優れた塗膜を与えるものであり、耐候性水性塗
料原料として極めて有用である。
【0151】また本発明のフッ素系共重合体の水性分散
液を用いた水性塗料は、基本的に有機溶剤を使用しない
安定な水性分散液をベースとするものであるから、溶剤
規制などの制限を受けることなく、幅広い用途に適用が
可能である。例えば、ガラス、金属、セメントなど外装
用無機建材の耐候性塗装などに特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 210/08 C08F 210/08 214/22 214/22 259/08 259/08 290/06 290/06 C09D 5/02 C09D 5/02 123/00 123/00 127/12 127/12 133/06 133/06 151/06 151/06 (72)発明者 鵜木 正夫 神奈川県川崎市幸区塚越3丁目474番地2 号 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 4J011 KB19 KB29 PA66 PC02 PC06 4J026 AA26 AC34 BA27 BA50 DA04 DB04 FA04 GA08 4J027 AC03 AC04 AC07 AJ01 AJ05 BA02 BA04 CD08 4J038 BA022 CB091 CD091 CD121 CD131 CG142 CH032 CH042 CH072 CJ082 CJ132 CJ252 CP061 GA01 GA03 GA12 HA446 HA456 JA26 JA53 JC32 KA03 KA04 KA07 KA12 LA02 MA08 MA10 NA01 NA03 NA04 NA05 NA09 NA25 NA26 PC02 PC03 PC04 4J100 AA02S AA03R AA04T AA05T AA06T AC22P AC24Q AC25P AC26P AC27P AC28P AC31P AD03T AE02T AE03T AE04T AE09T AE10T AE13T AE18T AE19T AE21T AE26T AG02T AG04T AG05T AJ01T AJ02T AJ09T AL08T AL09T AL10T AL16T AP16T BA03T BA04T BA31T BA54T BA72T BC04T CA03 DA24 EA07 FA20 FA34 JA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)フルオロオレフィン(ただし、フ
    ッ化ビニリデンを除く。)に基づく重合単位、(b)フ
    ッ化ビニリデンに基づく重合単位、(c)プロピレンに
    基づく重合単位、及び(d)エチレンに基づく重合単位
    及び/又は(e)ブチレンに基づく重合単位、を含む共
    重合体であって、かつ、その融点が40〜150℃の範
    囲にあるフッ素系共重合体が水に分散されていることを
    特徴とする水性分散液。
  2. 【請求項2】 (a)フルオロオレフィン(ただし、フ
    ッ化ビニリデンを除く。)に基づく重合単位、(b)フ
    ッ化ビニリデンに基づく重合単位、(c)プロピレンに
    基づく重合単位、(d)エチレンに基づく重合単位及び
    /又は(e)ブチレンに基づく重合単位、及び(f)親
    水性基を有するマクロモノマに基づく重合単位及び/又
    は(g)官能基を有するビニル単量体より選ばれる少な
    くとも一つに基づく重合単位(ただし、前記(f)を除
    く。)、を含む共重合体であって、かつ、その融点が4
    0〜150℃の範囲にあるフッ素系共重合体が水に分散
    されていることを特徴とする水性分散液。
  3. 【請求項3】 (b)フッ化ビニリデンに基づく重合単
    位の量が1〜30モル%の範囲にある請求項1又は2に
    記載の水性分散液。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素
    系共重合体の粒子(A)の存在下に、(h)(メタ)ア
    クリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)
    アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択される
    少なくとも一種を含むラジカル重合性の単量体(B1)
    を乳化重合して得られ、かつ、(A)の100質量部に
    対して(B1)が5〜100質量部である、複合粒子が
    水に分散されていることを特徴とする水性分散液。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素
    系共重合体の粒子(A)の存在下に、(h)(メタ)ア
    クリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)
    アクリル酸アルキルエステルからなる群より選択される
    少なくとも一種のラジカル重合性の単量体、及び(i)
    親水性基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル
    及び/又は(j)官能基を有する(メタ)アクリル酸ア
    ルキルエステル(ただし、前記(i)を除く。)、を含
    むラジカル重合性の単量体(B2)を乳化重合して得ら
    れ、かつ、(A)の100質量部に対して(B2)が5
    〜100質量部である、複合粒子が水に分散されている
    ことを特徴とする水性分散液。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素
    系共重合体の粒子(A)の水性分散液に、(h)(メ
    タ)アクリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜18の
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選
    択される少なくとも一種を含むラジカル重合性の単量体
    を乳化重合して得られる重合体(C1)の水性分散液を
    混合して得られ、かつ、(A)の100質量部に対して
    (C1)が5〜100質量部であることを特徴とする水
    性分散液。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素
    系共重合体の粒子(A)の水性分散液に、(h)(メ
    タ)アクリル酸及びアルキル基の炭素数が1〜18の
    (メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群より選
    択される少なくとも一種のラジカル重合性の単量体、及
    び(i)親水性基を有する(メタ)アクリル酸アルキル
    エステル及び/又は(j)官能基を有する(メタ)アク
    リル酸アルキルエステル(ただし、前記(i)を除
    く。)を含むラジカル重合性の単量体を乳化重合して得
    られる重合体(C2)の水性分散液を混合して得られ、
    かつ、(A)の100質量部に対して(C2)が5〜1
    00質量部であることを特徴とする水性分散液。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の水性分
    散液に、当該水性分散液中の固形分100質量部に対し
    て、無機ケイ素化合物及び/又は有機ケイ素化合物が、
    固形分として0.1〜100質量部配合されていること
    を特徴とする水性塗料用組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の水性分
    散液に、紫外線吸収剤、造膜助剤及び増粘剤からなる群
    より選択される少なくとも一種が配合されていることを
    特徴とする水性塗料用組成物。
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