JP2004018638A - 含フッ素重合体水性分散液 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗料用として有用であり、常温乾燥でも付着性、強度および透明性に優れ、アミンなどの耐性にも優れた塗膜を与えることのできる水性分散液を提供する。
【解決手段】テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(a)、プロピレンに基づく重合単位(b)およびカルボン酸基を有するエチレン性不飽和単量体に基づく重合単位(c)を含むフッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる含フッ素重合体水性分散液であって、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が100〜1000質量部であることを特徴とする含フッ素重合体水性分散液。
【選択図】なし
【解決手段】テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(a)、プロピレンに基づく重合単位(b)およびカルボン酸基を有するエチレン性不飽和単量体に基づく重合単位(c)を含むフッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる含フッ素重合体水性分散液であって、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が100〜1000質量部であることを特徴とする含フッ素重合体水性分散液。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は含フッ素重合体水性分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2000−128934号公報にはテトラフルオロエチレン、プロピレンおよびエチレンに基づく重合単位を有する重合体の存在下に(メタ)アクリル酸アルキルエステルを乳化重合して得られる水性分散液が記載されている。この水性分散液は、外装用無機建材の耐候性塗装などに有用であることが示されている。しかし、この水性分散液は、強制乾燥用を目的としており、80℃などの高温で乾燥することによって塗膜を得ている。したがって、この水性分散液は、常温乾燥では、塗膜が得られないという問題があった。実際の塗装現場では、既存の建築物に塗装したり、工場で塗装した物品の傷等を補修したりする場合には、常温乾燥で成膜可能な塗料が必要となる。上記水性分散液は、フッ素系重合体が常温で成膜できず、しかも溶剤に対する溶解性が低いため、造膜助剤を添加しても成膜温度を充分に低下させることが困難である。
【0003】
また、特公平4−55441号公報には、テトラフルオロエチレン−プロピレン2成分系共重合体粒子の存在下にエチレン性不飽和単量体を乳化重合した塗布用水性重合体分散液が記載されている。また、該分散液を25℃にて14日間乾燥させることにより、乾燥フィルムが得られることが記載されている。さらに、塗料用として用いた場合、鉄板に塗装し130℃にて30分間乾燥することによって、付着性、不粘着性、耐揮発油性、耐酸性、耐アルカリ性などに優れた塗膜が得られることが記載されている。しかし、この分散液か得られる塗膜は透明性が充分でなく、さらに常温で乾燥させると基材に対する充分な付着性が達成されないという問題があった。
【0004】
一方、弗化ビニリデンを主成分とする重合体粒子の存在下に(メタ)アクリル酸アルキルエステルを乳化重合して得られる水性分散液が塗料用として市販されている。また、そのような水性分散液はWO95/08582号公報などに記載されている。しかし、弗化ビニリデンを主成分とする重合体は、耐アミン性に問題があり、燃料油や潤滑油のかかる部分では、機械的強度の低下や、黄変などの問題があり、使用できる分野に制約があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術の有していた問題点を解決しようとするのものであり、塗料用として有用であり、常温乾燥でも付着性、強度および透明性に優れ、アミンなどの耐性にも優れた塗膜を与えることのできる水性分散液を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(a)、プロピレンに基づく重合単位(b)およびカルボン酸基を有するエチレン性不飽和単量体に基づく重合単位(c)を含むフッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる含フッ素重合体水性分散液であって、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が100〜1000質量部であることを特徴とする含フッ素重合体水性分散液を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における重合単位(c)を与える単量体(以下、単にエチレン性不飽和単量体(c)とも記す。)としては、テトラフルオロエチレンまたはプロピレンと共重合可能なエチレン性不飽和基を有し、かつ、カルボン酸基を有する化合物であれば、特に限定なく使用できる。具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、ピバリン酸、10−ウンデセン酸、イタコン酸、マレイン酸、および無水カルボン酸と水酸基を有するエチレン性不飽和化合物との反応生成物が挙げられる。該反応生成物とは、無水カルボン酸基と水酸基とが反応してエステル結合により結合した生成物である。無水カルボン酸としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸が挙げられる。また、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリセリンモノメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテルなどの反応物などが例示される。
【0008】
エチレン性不飽和単量体(c)としては、エチレン性不飽和基とカルボン酸基とが、2価の有機基を介して結合していることが好ましい。2価の有機基としては、エチレン性不飽和基とカルボン酸基を結合する最短の原子鎖が4以上の原子で構成されるものが好ましい。特に、最短の原子鎖を構成する原子が炭素のみまたは炭素と酸素によって構成されるものが好ましい。また最短の原子鎖が4〜20の原子によって構成されていることが好ましく、2価の有機基が炭素数4〜20のアルキレン基であることが特に好ましい。エチレン性不飽和基とカルボン酸基との間に2価の有機基が存在していることにより、フッ素系共重合体(A)の水性分散液の分散安定性が高まるとともに、常温乾燥においても各種基材への付着性が向上する。
【0009】
本発明におけるフッ素系共重合体(A)中の、テトラフルオロエチレン、プロピレン、エチレン性不飽和単量体(c)の共重合割合は特に限定されないが、テトラフルオロエチレンが少なくとも30モル%以上の割合で共重合されていることが、本発明の含フッ素重合体水性分散液から形成される塗膜の優れた耐候性を達成することができるので好ましい。エチレン性不飽和単量体(c)は、0.1〜10モル%の割合で共重合されていることが、フッ素系共重合体(A)の水性分散液の安定性および本発明の含フッ素重合体水性分散液から形成される塗膜の各種基材への付着性が良好となることから好ましい。
【0010】
また、本発明におけるフッ素系共重合体(A)は、(a)、(b)および(c)以外の重合単位を含んでいてもよい。
【0011】
好ましいフッ素系共重合体(A)としては、テトラフルオロエチレンが25〜70モル%、プロピレンが25〜70モル%、カルボン酸基を有するエチレン性不飽和単量体(c)が0.1〜10モル%で共重合したものである。特に好ましくは、それぞれ、30〜65%、30〜65%、0.5〜5%で共重合したものである。
【0012】
また、本発明におけるフッ素系共重合体(A)の融点が30℃以下であるかまたは融点を有していないことが好ましい。融点が30℃以下であるかまたは融点を有していないことで、本発明の含フッ素重合体水性分散液の室温での造膜が容易となる。特に、融点を有していないことが好ましい。また、フッ素系共重合体(A)は、ガラス転移温度(以下、Tgと記す。)が0℃以下であることが、該造膜性がさらに良好となることから好ましい。さらに、融点を有しておらずかつTgが0℃以下であることが最も好ましい。ここで、融点およびTgは、走査型示差熱量計(DSC)により測定した値である。融点を有していないとは、融点に基づくピークが観察されないことを意味する。また、Tgは10℃/分で昇温したときの温度勾配の急激な変化が生じる部分での2本の接線の交わる点とした。
【0013】
かかるフッ素系共重合体(A)の水性分散液は、懸濁重合、溶液重合などによって製造したフッ素系共重合体(A)を水に分散してもよいが、均一で安定な水性分散液を得るためには乳化重合によって製造することが最も好ましい。乳化重合の方法は、たとえば以下に挙げる方法などによって行うことができる。反応器にイオン交換水、乳化剤、エチレン性不飽和単量体(c)、重合開始剤、およびテトラフルオロエチレン、プロピレンを仕込み、撹拌しながら昇温させることによってフッ素系共重合体(A)の水性分散液を得ることができる。高濃度の水性分散液を得るためには、モノマーおよび必要により乳化剤を、連続的または断続的に供給することが好ましい。さらに低級アルコールなどの水溶性有機溶剤を少量仕込んでおくことによって、テトラフルオロエチレン、プロピレンが水性媒体中に溶解しやすくなるため重合速度を高めることもできる。
【0014】
本発明におけるエチレン性不飽和単量体(D)としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸誘導体、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類、イソプロペニルエーテル類、イソプロペニルエステル類、スチレンまたはスチレン誘導体などが挙げられる。具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート類、メタクリル酸ヒドロキシブチル、グリセリンモノメタクリレート、n−メチロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。かかるエチレン性不飽和単量体(D)は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
本発明におけるエチレン性不飽和単量体(D)は、入手が容易で、重合性が良好な(メタ)アクリル酸誘導体を主成分とすることが好ましい。特に、フッ素系共重合体(A)との相溶性が良好であり、本発明の含フッ素重合体水性分散液からなる塗膜の透明性が良好となることから、炭素数1〜18のアルキル基の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とすることが好ましい。さらに、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、カルボン酸基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和単量体を含むことが好ましい。カルボン酸と反応する官能基を有することで、本発明の含フッ素重合体水性分散液から形成される塗膜の耐熱性などが向上する。また、透明性がさらに良好となり、透明性の経時変化が少なくなる。この理由は必ずしも明確ではないが、該官能基がフッ素系共重合体(A)中のカルボン酸基と反応することにより、相分離が抑制されるとともに、相構造が時間とともに変化することがないためと考えられる。
【0016】
前記カルボン酸基と反応する官能基としては、水酸基、エポキシ基、アミノ基、ヒドラジノ基などが挙げられるが、水酸基またはエポキシ基であることが好ましく、特にエポキシ基であることが好ましい。
【0017】
本発明におけるカルボン酸基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和単量体は、重合安定性や、得られる水性分散液の安定性が良好であることから、エチレン性不飽和単量体(D)の合計100質量部あたり、30質量部以下であることが好ましく、特に1〜30質量部とすることが好ましい。なお、該官能基を有するエチレン性不飽和単量体は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】
また、エチレン性不飽和単量体(D)に、さらにエチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤が含有されていることが好ましい。該反応性乳化剤が含有されていることによって本発明の含フッ素重合体水性分散液の安定性が向上する。該反応性乳化剤としては、アニオン性、カチオン性およびノニオン性のものがあるが、ノニオン性の反応性乳化剤が、塗料配合時のpHによる影響を受けにくいなどの理由から好ましい。該反応性乳化剤としては、メタクリル酸ヒドロキシエチルにエチレンオキシドを付加させたものや、ポリオキシエチレンモノメチルエーテルとメタクリル酸ヒドロキシエチルの反応生成物などが挙げられ、これらは市販されている。該反応性乳化剤の量は、エチレン性不飽和単量体(D)の合計100質量部あたり、0.5〜20質量部とすることが好ましい。反応性乳化剤の量を0.5質量部以上とすることで充分な安定性が得られ、20質量部以下とすることで塗膜の耐水性を良好に保つことができるため好ましい。特に1〜15質量部であることが好ましい。
【0019】
本発明の含フッ素重合体水性分散液において、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が100〜1000質量部であることが好ましい。フッ素系共重合体(A)の割合が少ないと、本発明の含フッ素重合体水性分散液から形成される塗膜の耐候性が低下し、多すぎると該塗膜の充分な硬度が得られ難くなる。より好ましくは、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が150〜900質量部である。
【0020】
本発明は、フッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる含フッ素重合体水性分散液である。エチレン性不飽和単量体(D)の重合体水性分散液中でテトラフルオロエチレン、プロピレンおよびエチレン性不飽和単量体(D)を重合した場合や、テトラフルオロエチレン、プロピレン、エチレン性不飽和単量体(c)およびとエチレン性不飽和単量体(c)以外のエチレン性不飽和単量体(D)を同時に重合した場合には、安定で高濃度の水性分散液が得られなかったり、得られた水性分散液を用いて常温(約23℃)にて乾燥させて形成された塗膜の透明性が低いなどの問題がある。ここでいう高濃度とは、40%以上であり、透明性が低いとは、0.025mmのフィルムのHAZE値が5以上であることをいう。
【0021】
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、フッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる。反応器にフッ素系共重合体(A)の水性分散液、エチレン性不飽和単量体(D)、重合開始剤、および必要により乳化剤を仕込み、昇温して重合させることによって得ることができる。また、エチレン性不飽和単量体(D)および必要により乳化剤、重合開始剤、イオン交換水を連続的または断続的に添加しながら重合を進行させることにより、高濃度で安定な水性分散液を得ることもできる。
【0022】
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、通常水性塗料用に使用される各種添加剤を添加して水性塗料とすることができる。かかる添加剤としては、顔料、顔料分散剤、湿潤剤、消泡剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、スリップ剤などのワックス類、造膜助剤、凍結防止剤、濡れ調整剤、界面活性剤などが挙げられる。特に造膜助剤としては、水溶性の化合物を使用することが好ましい。添加量は、目標の最低成膜温度にあわせて調整可能であるが、水に溶解する範囲内で使用することが好ましい。難水溶性の造膜助剤を使用すると、塗料の貯蔵安定性が低下することがある。また、カルボン酸基と反応する硬化剤やエチレン性不飽和単量体(D)に官能基を有する化合物が含まれる場合にはその官能基と反応する硬化剤を使用してもよい。
【0023】
本発明の含フッ素重合体水性分散液を用いた水性塗料は、セメントなどのアルカリ性無機硬化体や、金属、プラスチックなど幅広い基材に適用可能である。さらに、プライマーや下塗り剤の塗装された物品への適用も可能である。また、防水材などへも塗装可能である。さらに、既存の構造物には、劣化した塗膜を除去するか、適当なプライマーを適用した後、本発明の含フッ素重合体水性分散液を用いた水性塗料を塗装することによって付着性に優れ、耐候性の良い塗膜を得ることができる。
【0024】
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、耐候性に優れるばかりか、耐アミン性にも優れるため、燃料を使用する自動車、航空機、船舶、機関車など輸送機の給油口周りにも使用可能である。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。(例1)〜(例4)は実施例、(例5)〜(例8)は比較例である。
【0026】
(合成例1)分散液1の合成
内容積2.5Lの撹拌機付きステンレス製オートクレーブにイオン交換水の1100g、フッ素系アニオン性乳化剤(商品名:FC−143、住友3M社製)の4.75g、ノニオン性乳化剤(商品名:N−1110、日本乳化剤製)の2.2g、tert−ブチルアルコールの46.6gおよび10−ウンデセン酸の23.5gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスによる加圧を繰り返して空気を除去した。次に、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとも記す。)の72gおよびプロピレン(以下、Prとも記す。)の4.1gをオートクレーブ中に導入した。
【0027】
オートクレーブを加温、内部温度が70℃に達した時点で、1.34MPaの圧力を示した。その後、過硫酸アンモニウム25%水溶液の2cm3を添加し、重合を開始させた。TFEとPrの混合ガス(モル比で55/45)の混合ガスを連続的に供給して圧力を維持しつつ、重合を続行させた。なお、反応進行中、過硫酸アンモニウム25%水溶液の30cm3を連続的に加えた。8時間後、TFEとPrの混合ガスの861.5gを導入した時点で、混合ガスの供給を停止し、オートクレーブを水冷して室温に戻した。未反応モノマーをパージし、オートクレーブを開放して固形分濃度42.6%の分散液1を得た。固形分濃度は、150℃の乾燥機で1時間乾燥し、乾燥後の質量を乾燥前の分散液質量に対する百分率で表した。
【0028】
得られた分散液1の一部を遠心分離器にかけて沈降させ、得られたポリマーをガラスフィルターで濾別し、4mmHgの減圧下で5時間かけて水分を除去して共重合体を得た。この共重合体の13C NMRによる組成分析の結果は、TFEに基づく重合単位54モル%、Prに基づく重合単位45モル%、10−ウンデセン酸に基づく重合単位1モル%であった。また、220CU(セイコーインスツルメンツ社製熱分析装置)を用いて測定したところ、融点はなく、Tgは−5.5℃であった。
【0029】
(合成例2)分散液2の合成
合成例1において、10−ウンデセン酸を用いないほかは合成例1と同様にして固形分濃度40.9%の分散液2を得た。得られた分散液2の一部を合成例1と同様に分析したところ、TFEに基づく重合単位54モル%、Prに基づく重合単位46モル%であった。また融点はなく、Tgは−6.4℃であった。
【0030】
(合成例3)分散液3の合成
内容積1Lの撹拌機付きステンレス製オートクレーブにイオン交換水の500g、パーフルオロオクタン酸アンモニウム塩の0.5gおよびノニオン性乳化剤(商品名:MYS25、日光ケミカルズ製)の2gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスによる加圧を繰り返して空気を除去した。オートクレーブを加温して内部温度が70℃に達した後、弗化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンとの混合ガス(モル比で93/7)を連続供給し、30時間重合を行った。混合ガスの供給を停止し、オートクレーブを水冷して室温に達した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブを開放して固形分濃度25.8%の分散液3を得た。
【0031】
(合成例4)分散液4の合成
合成例1のTFEの72gおよびPrの1.4gを、TFEの72g、Prの1.1gおよびエチレンの1.4gに変更し、TFEとPrの混合ガス(モル比で55/45)の861.5gを、TFE、Prおよびエチレンの混合ガス(モル比で50/25/25)の861.5gに変更した以外は、合成例1と同様に操作して、固形分濃度43.1%の分散液4を得た。
【0032】
得られた分散液4の一部を、遠心分離器にかけて沈降させ、ポリマーをガラスフィルターで濾別し、4mmHgの減圧下で5時間かけて水分を除去した。得られたポリマーを衝撃式ハンマーミルで粉砕し、フッ素系共重合体の粉末を得た。この共重合体を合成例1と同様に分析した結果、TFEに基づく重合単位52モル%、Prに基づく重合単位28モル%、エチレンに基づく重合単位20モル%であった。また融点は96.2℃であった。
【0033】
(例1)
内容積2.2Lの撹拌機付きオートクレーブに合成例1で得られた分散液1の1650g、iso−ブチルメタクリレート(以下、i−BMAと記す。)の243.2g、グリシジルメタクリレート(以下、GMAと記す。)の30.4g、ヒドロキシエチルメタクリレートのエチレングリコール付加物(平均付加量10モル、以下、反応性乳化剤と記す。)の30.4gおよび過硫酸アンモニウム25%水溶液の2cm3を仕込み、窒素置換した後、室温で1時間撹拌した。撹拌しながら65℃に昇温し、発熱の終了を確認した後さらに65℃で2時間撹拌を継続した。オートクレーブを室温まで冷却し含フッ素重合体水性分散液1を得た。以下、含フッ素重合体水性分散液を含F水性分散液とも記す。
【0034】
(例2〜8)
例1と同様にして、表1に示す組成で含F水性分散液2〜8を得た。
なお、表中、MMAはメチルメタクリレート、t−BMAはtert−ブチルメタクリレート、HEMAはヒドロキシエチルメタクリレートを示す。比率はエチレン性不飽和単量体(D)の合計100質量部に対するフッ素系共重合体(A)の質量部を示す。単量体(D)の欄は、エチレン性不飽和単量体(D)中の各単量体の質量%を示す。例6は水性分散液の固形分濃度が50%になる計算量のイオン交換水をあらかじめ仕込んでおいた。
【0035】
【表1】
【0036】
(試験例)
例1〜8の含F水性分散液を用いて、以下に示す塗料配合にて、以下に示す各種試験を行った。
【0037】
酸化チタン(商品名:CR−97、石原産業社製)の70g、顔料分散剤(商品名:Disperbyk190、ビックケミー・ジャパン社製)の8.4g、イオン交換水の21.6gを均一に分散させ、ミルベースを得た。
【0038】
各含F水性分散液の固形分100質量部あたり、酸化チタンが50質量部になるようにミルベースを混合し、さらに造膜助剤としてジチレングリコールジエチルエーテルを、含F水性分散液の固形分100質量部に対して10質量部になるように混合し、白色水性塗料を得た。
また、各含F水性分散液の固形分100質量部あたり、10質量部のジエチレングリコールジエチルエーテルを混合して透明水性塗料を得た。
【0039】
成膜性:ガラス板上に、乾燥膜厚0.025mmとなるように白色水性塗料を塗布し、5℃にて7日間乾燥させた。乾燥後、ワレなどが無く、均一に膜が形成されたものを○、ワレなどが発生したものを×とした。
【0040】
付着性1:クロム酸処理したアルミニウム板(商品名:アロジン1000、日本パーカライジング社製によって処理したアルミニウム板)上に、乾燥膜厚0.025mmになるよう白色水性塗料を塗布し、23℃にて7日間乾燥させた後、JIS K5600.5.6に従って付着性の試験を行った。
付着性2:スレート板に水性プライマー(商品名:プライマーS、旭硝子コートアンドレジン社製)を120g/mm2塗布し、23℃で1日乾燥させた基材に、白色水性塗料を乾燥膜厚0.03mmとなるよう塗布し、23℃にて7日間乾燥させた後、JIS K5600.5.6に従って付着性の試験を行った。
【0041】
透明性1:ガラス板に乾燥膜厚0.025mmとなるよう透明水性塗料を塗布し、23℃にて7日間乾燥させた。この塗装ガラス板のHAZE値を測定し、ガラス板のHAZEを減算して塗膜のHAZE値とした。
透明性2:透明性1で得た塗装ガラス板を150℃にて1時間乾燥し、同様に塗膜のHAZE値を求めた。
【0042】
耐候性:クロム酸処理したアルミニウム板(商品名:アロジン1000、日本パーカライジング社製によって処理したアルミニウム板)上に、乾燥膜厚0.025mmになるよう白色水性塗料を塗布し、23℃にて7日間乾燥させた後、JIS K5400−9.8.1のサンシャインカーボンアーク灯式促進耐候性試験を行った。5000時間試験後の60度光沢を初期の60度光沢に対する百分率であらわした。
【0043】
耐エンジンオイル性(耐EO性):ポリプロピレン板上に、乾燥膜厚0.025mmになるように透明水性塗料を塗布し、23℃にて7日間乾燥させた。この塗装板を水中に浸漬し、塗膜を剥離した。剥離した塗膜を、20℃の真空乾燥機で24時間乾燥して試験フィルムを得た。試験フィルムをエンジンオイル(商品名:シェルヒリックススーパー、昭和シェル石油社製)に30℃にて3日間浸漬した。浸漬後のフィルムを乾燥し、引張速度10mm/分にて引張試験を行った。浸漬前のフィルムの引張強度および破断伸度に対して、浸漬後の引張強度および破断伸度が何れも90%以上であるものを○、何れかまたは両方が90%未満であるものを×とした。
【0044】
各試験結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、塗料用として有用であり、常温乾燥でも基材に対する付着性、強度および透明性に優れ、しかもアミンなどの耐性にも優れた塗膜を与えることのできる水性分散液を提供するものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は含フッ素重合体水性分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2000−128934号公報にはテトラフルオロエチレン、プロピレンおよびエチレンに基づく重合単位を有する重合体の存在下に(メタ)アクリル酸アルキルエステルを乳化重合して得られる水性分散液が記載されている。この水性分散液は、外装用無機建材の耐候性塗装などに有用であることが示されている。しかし、この水性分散液は、強制乾燥用を目的としており、80℃などの高温で乾燥することによって塗膜を得ている。したがって、この水性分散液は、常温乾燥では、塗膜が得られないという問題があった。実際の塗装現場では、既存の建築物に塗装したり、工場で塗装した物品の傷等を補修したりする場合には、常温乾燥で成膜可能な塗料が必要となる。上記水性分散液は、フッ素系重合体が常温で成膜できず、しかも溶剤に対する溶解性が低いため、造膜助剤を添加しても成膜温度を充分に低下させることが困難である。
【0003】
また、特公平4−55441号公報には、テトラフルオロエチレン−プロピレン2成分系共重合体粒子の存在下にエチレン性不飽和単量体を乳化重合した塗布用水性重合体分散液が記載されている。また、該分散液を25℃にて14日間乾燥させることにより、乾燥フィルムが得られることが記載されている。さらに、塗料用として用いた場合、鉄板に塗装し130℃にて30分間乾燥することによって、付着性、不粘着性、耐揮発油性、耐酸性、耐アルカリ性などに優れた塗膜が得られることが記載されている。しかし、この分散液か得られる塗膜は透明性が充分でなく、さらに常温で乾燥させると基材に対する充分な付着性が達成されないという問題があった。
【0004】
一方、弗化ビニリデンを主成分とする重合体粒子の存在下に(メタ)アクリル酸アルキルエステルを乳化重合して得られる水性分散液が塗料用として市販されている。また、そのような水性分散液はWO95/08582号公報などに記載されている。しかし、弗化ビニリデンを主成分とする重合体は、耐アミン性に問題があり、燃料油や潤滑油のかかる部分では、機械的強度の低下や、黄変などの問題があり、使用できる分野に制約があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術の有していた問題点を解決しようとするのものであり、塗料用として有用であり、常温乾燥でも付着性、強度および透明性に優れ、アミンなどの耐性にも優れた塗膜を与えることのできる水性分散液を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(a)、プロピレンに基づく重合単位(b)およびカルボン酸基を有するエチレン性不飽和単量体に基づく重合単位(c)を含むフッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる含フッ素重合体水性分散液であって、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が100〜1000質量部であることを特徴とする含フッ素重合体水性分散液を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における重合単位(c)を与える単量体(以下、単にエチレン性不飽和単量体(c)とも記す。)としては、テトラフルオロエチレンまたはプロピレンと共重合可能なエチレン性不飽和基を有し、かつ、カルボン酸基を有する化合物であれば、特に限定なく使用できる。具体的には、アクリル酸、メタアクリル酸、ピバリン酸、10−ウンデセン酸、イタコン酸、マレイン酸、および無水カルボン酸と水酸基を有するエチレン性不飽和化合物との反応生成物が挙げられる。該反応生成物とは、無水カルボン酸基と水酸基とが反応してエステル結合により結合した生成物である。無水カルボン酸としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸が挙げられる。また、水酸基を有するエチレン性不飽和化合物としては、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリセリンモノメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテルなどの反応物などが例示される。
【0008】
エチレン性不飽和単量体(c)としては、エチレン性不飽和基とカルボン酸基とが、2価の有機基を介して結合していることが好ましい。2価の有機基としては、エチレン性不飽和基とカルボン酸基を結合する最短の原子鎖が4以上の原子で構成されるものが好ましい。特に、最短の原子鎖を構成する原子が炭素のみまたは炭素と酸素によって構成されるものが好ましい。また最短の原子鎖が4〜20の原子によって構成されていることが好ましく、2価の有機基が炭素数4〜20のアルキレン基であることが特に好ましい。エチレン性不飽和基とカルボン酸基との間に2価の有機基が存在していることにより、フッ素系共重合体(A)の水性分散液の分散安定性が高まるとともに、常温乾燥においても各種基材への付着性が向上する。
【0009】
本発明におけるフッ素系共重合体(A)中の、テトラフルオロエチレン、プロピレン、エチレン性不飽和単量体(c)の共重合割合は特に限定されないが、テトラフルオロエチレンが少なくとも30モル%以上の割合で共重合されていることが、本発明の含フッ素重合体水性分散液から形成される塗膜の優れた耐候性を達成することができるので好ましい。エチレン性不飽和単量体(c)は、0.1〜10モル%の割合で共重合されていることが、フッ素系共重合体(A)の水性分散液の安定性および本発明の含フッ素重合体水性分散液から形成される塗膜の各種基材への付着性が良好となることから好ましい。
【0010】
また、本発明におけるフッ素系共重合体(A)は、(a)、(b)および(c)以外の重合単位を含んでいてもよい。
【0011】
好ましいフッ素系共重合体(A)としては、テトラフルオロエチレンが25〜70モル%、プロピレンが25〜70モル%、カルボン酸基を有するエチレン性不飽和単量体(c)が0.1〜10モル%で共重合したものである。特に好ましくは、それぞれ、30〜65%、30〜65%、0.5〜5%で共重合したものである。
【0012】
また、本発明におけるフッ素系共重合体(A)の融点が30℃以下であるかまたは融点を有していないことが好ましい。融点が30℃以下であるかまたは融点を有していないことで、本発明の含フッ素重合体水性分散液の室温での造膜が容易となる。特に、融点を有していないことが好ましい。また、フッ素系共重合体(A)は、ガラス転移温度(以下、Tgと記す。)が0℃以下であることが、該造膜性がさらに良好となることから好ましい。さらに、融点を有しておらずかつTgが0℃以下であることが最も好ましい。ここで、融点およびTgは、走査型示差熱量計(DSC)により測定した値である。融点を有していないとは、融点に基づくピークが観察されないことを意味する。また、Tgは10℃/分で昇温したときの温度勾配の急激な変化が生じる部分での2本の接線の交わる点とした。
【0013】
かかるフッ素系共重合体(A)の水性分散液は、懸濁重合、溶液重合などによって製造したフッ素系共重合体(A)を水に分散してもよいが、均一で安定な水性分散液を得るためには乳化重合によって製造することが最も好ましい。乳化重合の方法は、たとえば以下に挙げる方法などによって行うことができる。反応器にイオン交換水、乳化剤、エチレン性不飽和単量体(c)、重合開始剤、およびテトラフルオロエチレン、プロピレンを仕込み、撹拌しながら昇温させることによってフッ素系共重合体(A)の水性分散液を得ることができる。高濃度の水性分散液を得るためには、モノマーおよび必要により乳化剤を、連続的または断続的に供給することが好ましい。さらに低級アルコールなどの水溶性有機溶剤を少量仕込んでおくことによって、テトラフルオロエチレン、プロピレンが水性媒体中に溶解しやすくなるため重合速度を高めることもできる。
【0014】
本発明におけるエチレン性不飽和単量体(D)としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸誘導体、オレフィン類、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類、イソプロペニルエーテル類、イソプロペニルエステル類、スチレンまたはスチレン誘導体などが挙げられる。具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレート類、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレートなどのアルキルメタクリレート類、メタクリル酸ヒドロキシブチル、グリセリンモノメタクリレート、n−メチロールメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、グリシジルメタクリレートなどが挙げられる。かかるエチレン性不飽和単量体(D)は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
本発明におけるエチレン性不飽和単量体(D)は、入手が容易で、重合性が良好な(メタ)アクリル酸誘導体を主成分とすることが好ましい。特に、フッ素系共重合体(A)との相溶性が良好であり、本発明の含フッ素重合体水性分散液からなる塗膜の透明性が良好となることから、炭素数1〜18のアルキル基の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とすることが好ましい。さらに、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、カルボン酸基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和単量体を含むことが好ましい。カルボン酸と反応する官能基を有することで、本発明の含フッ素重合体水性分散液から形成される塗膜の耐熱性などが向上する。また、透明性がさらに良好となり、透明性の経時変化が少なくなる。この理由は必ずしも明確ではないが、該官能基がフッ素系共重合体(A)中のカルボン酸基と反応することにより、相分離が抑制されるとともに、相構造が時間とともに変化することがないためと考えられる。
【0016】
前記カルボン酸基と反応する官能基としては、水酸基、エポキシ基、アミノ基、ヒドラジノ基などが挙げられるが、水酸基またはエポキシ基であることが好ましく、特にエポキシ基であることが好ましい。
【0017】
本発明におけるカルボン酸基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和単量体は、重合安定性や、得られる水性分散液の安定性が良好であることから、エチレン性不飽和単量体(D)の合計100質量部あたり、30質量部以下であることが好ましく、特に1〜30質量部とすることが好ましい。なお、該官能基を有するエチレン性不飽和単量体は、1種類を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】
また、エチレン性不飽和単量体(D)に、さらにエチレン性不飽和基を有する反応性乳化剤が含有されていることが好ましい。該反応性乳化剤が含有されていることによって本発明の含フッ素重合体水性分散液の安定性が向上する。該反応性乳化剤としては、アニオン性、カチオン性およびノニオン性のものがあるが、ノニオン性の反応性乳化剤が、塗料配合時のpHによる影響を受けにくいなどの理由から好ましい。該反応性乳化剤としては、メタクリル酸ヒドロキシエチルにエチレンオキシドを付加させたものや、ポリオキシエチレンモノメチルエーテルとメタクリル酸ヒドロキシエチルの反応生成物などが挙げられ、これらは市販されている。該反応性乳化剤の量は、エチレン性不飽和単量体(D)の合計100質量部あたり、0.5〜20質量部とすることが好ましい。反応性乳化剤の量を0.5質量部以上とすることで充分な安定性が得られ、20質量部以下とすることで塗膜の耐水性を良好に保つことができるため好ましい。特に1〜15質量部であることが好ましい。
【0019】
本発明の含フッ素重合体水性分散液において、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が100〜1000質量部であることが好ましい。フッ素系共重合体(A)の割合が少ないと、本発明の含フッ素重合体水性分散液から形成される塗膜の耐候性が低下し、多すぎると該塗膜の充分な硬度が得られ難くなる。より好ましくは、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が150〜900質量部である。
【0020】
本発明は、フッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる含フッ素重合体水性分散液である。エチレン性不飽和単量体(D)の重合体水性分散液中でテトラフルオロエチレン、プロピレンおよびエチレン性不飽和単量体(D)を重合した場合や、テトラフルオロエチレン、プロピレン、エチレン性不飽和単量体(c)およびとエチレン性不飽和単量体(c)以外のエチレン性不飽和単量体(D)を同時に重合した場合には、安定で高濃度の水性分散液が得られなかったり、得られた水性分散液を用いて常温(約23℃)にて乾燥させて形成された塗膜の透明性が低いなどの問題がある。ここでいう高濃度とは、40%以上であり、透明性が低いとは、0.025mmのフィルムのHAZE値が5以上であることをいう。
【0021】
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、フッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる。反応器にフッ素系共重合体(A)の水性分散液、エチレン性不飽和単量体(D)、重合開始剤、および必要により乳化剤を仕込み、昇温して重合させることによって得ることができる。また、エチレン性不飽和単量体(D)および必要により乳化剤、重合開始剤、イオン交換水を連続的または断続的に添加しながら重合を進行させることにより、高濃度で安定な水性分散液を得ることもできる。
【0022】
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、通常水性塗料用に使用される各種添加剤を添加して水性塗料とすることができる。かかる添加剤としては、顔料、顔料分散剤、湿潤剤、消泡剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、スリップ剤などのワックス類、造膜助剤、凍結防止剤、濡れ調整剤、界面活性剤などが挙げられる。特に造膜助剤としては、水溶性の化合物を使用することが好ましい。添加量は、目標の最低成膜温度にあわせて調整可能であるが、水に溶解する範囲内で使用することが好ましい。難水溶性の造膜助剤を使用すると、塗料の貯蔵安定性が低下することがある。また、カルボン酸基と反応する硬化剤やエチレン性不飽和単量体(D)に官能基を有する化合物が含まれる場合にはその官能基と反応する硬化剤を使用してもよい。
【0023】
本発明の含フッ素重合体水性分散液を用いた水性塗料は、セメントなどのアルカリ性無機硬化体や、金属、プラスチックなど幅広い基材に適用可能である。さらに、プライマーや下塗り剤の塗装された物品への適用も可能である。また、防水材などへも塗装可能である。さらに、既存の構造物には、劣化した塗膜を除去するか、適当なプライマーを適用した後、本発明の含フッ素重合体水性分散液を用いた水性塗料を塗装することによって付着性に優れ、耐候性の良い塗膜を得ることができる。
【0024】
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、耐候性に優れるばかりか、耐アミン性にも優れるため、燃料を使用する自動車、航空機、船舶、機関車など輸送機の給油口周りにも使用可能である。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は、かかる実施例によって限定されるものではない。(例1)〜(例4)は実施例、(例5)〜(例8)は比較例である。
【0026】
(合成例1)分散液1の合成
内容積2.5Lの撹拌機付きステンレス製オートクレーブにイオン交換水の1100g、フッ素系アニオン性乳化剤(商品名:FC−143、住友3M社製)の4.75g、ノニオン性乳化剤(商品名:N−1110、日本乳化剤製)の2.2g、tert−ブチルアルコールの46.6gおよび10−ウンデセン酸の23.5gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスによる加圧を繰り返して空気を除去した。次に、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとも記す。)の72gおよびプロピレン(以下、Prとも記す。)の4.1gをオートクレーブ中に導入した。
【0027】
オートクレーブを加温、内部温度が70℃に達した時点で、1.34MPaの圧力を示した。その後、過硫酸アンモニウム25%水溶液の2cm3を添加し、重合を開始させた。TFEとPrの混合ガス(モル比で55/45)の混合ガスを連続的に供給して圧力を維持しつつ、重合を続行させた。なお、反応進行中、過硫酸アンモニウム25%水溶液の30cm3を連続的に加えた。8時間後、TFEとPrの混合ガスの861.5gを導入した時点で、混合ガスの供給を停止し、オートクレーブを水冷して室温に戻した。未反応モノマーをパージし、オートクレーブを開放して固形分濃度42.6%の分散液1を得た。固形分濃度は、150℃の乾燥機で1時間乾燥し、乾燥後の質量を乾燥前の分散液質量に対する百分率で表した。
【0028】
得られた分散液1の一部を遠心分離器にかけて沈降させ、得られたポリマーをガラスフィルターで濾別し、4mmHgの減圧下で5時間かけて水分を除去して共重合体を得た。この共重合体の13C NMRによる組成分析の結果は、TFEに基づく重合単位54モル%、Prに基づく重合単位45モル%、10−ウンデセン酸に基づく重合単位1モル%であった。また、220CU(セイコーインスツルメンツ社製熱分析装置)を用いて測定したところ、融点はなく、Tgは−5.5℃であった。
【0029】
(合成例2)分散液2の合成
合成例1において、10−ウンデセン酸を用いないほかは合成例1と同様にして固形分濃度40.9%の分散液2を得た。得られた分散液2の一部を合成例1と同様に分析したところ、TFEに基づく重合単位54モル%、Prに基づく重合単位46モル%であった。また融点はなく、Tgは−6.4℃であった。
【0030】
(合成例3)分散液3の合成
内容積1Lの撹拌機付きステンレス製オートクレーブにイオン交換水の500g、パーフルオロオクタン酸アンモニウム塩の0.5gおよびノニオン性乳化剤(商品名:MYS25、日光ケミカルズ製)の2gを仕込み、真空ポンプによる脱気、窒素ガスによる加圧を繰り返して空気を除去した。オートクレーブを加温して内部温度が70℃に達した後、弗化ビニリデンとクロロトリフルオロエチレンとの混合ガス(モル比で93/7)を連続供給し、30時間重合を行った。混合ガスの供給を停止し、オートクレーブを水冷して室温に達した後、未反応モノマーをパージし、オートクレーブを開放して固形分濃度25.8%の分散液3を得た。
【0031】
(合成例4)分散液4の合成
合成例1のTFEの72gおよびPrの1.4gを、TFEの72g、Prの1.1gおよびエチレンの1.4gに変更し、TFEとPrの混合ガス(モル比で55/45)の861.5gを、TFE、Prおよびエチレンの混合ガス(モル比で50/25/25)の861.5gに変更した以外は、合成例1と同様に操作して、固形分濃度43.1%の分散液4を得た。
【0032】
得られた分散液4の一部を、遠心分離器にかけて沈降させ、ポリマーをガラスフィルターで濾別し、4mmHgの減圧下で5時間かけて水分を除去した。得られたポリマーを衝撃式ハンマーミルで粉砕し、フッ素系共重合体の粉末を得た。この共重合体を合成例1と同様に分析した結果、TFEに基づく重合単位52モル%、Prに基づく重合単位28モル%、エチレンに基づく重合単位20モル%であった。また融点は96.2℃であった。
【0033】
(例1)
内容積2.2Lの撹拌機付きオートクレーブに合成例1で得られた分散液1の1650g、iso−ブチルメタクリレート(以下、i−BMAと記す。)の243.2g、グリシジルメタクリレート(以下、GMAと記す。)の30.4g、ヒドロキシエチルメタクリレートのエチレングリコール付加物(平均付加量10モル、以下、反応性乳化剤と記す。)の30.4gおよび過硫酸アンモニウム25%水溶液の2cm3を仕込み、窒素置換した後、室温で1時間撹拌した。撹拌しながら65℃に昇温し、発熱の終了を確認した後さらに65℃で2時間撹拌を継続した。オートクレーブを室温まで冷却し含フッ素重合体水性分散液1を得た。以下、含フッ素重合体水性分散液を含F水性分散液とも記す。
【0034】
(例2〜8)
例1と同様にして、表1に示す組成で含F水性分散液2〜8を得た。
なお、表中、MMAはメチルメタクリレート、t−BMAはtert−ブチルメタクリレート、HEMAはヒドロキシエチルメタクリレートを示す。比率はエチレン性不飽和単量体(D)の合計100質量部に対するフッ素系共重合体(A)の質量部を示す。単量体(D)の欄は、エチレン性不飽和単量体(D)中の各単量体の質量%を示す。例6は水性分散液の固形分濃度が50%になる計算量のイオン交換水をあらかじめ仕込んでおいた。
【0035】
【表1】
【0036】
(試験例)
例1〜8の含F水性分散液を用いて、以下に示す塗料配合にて、以下に示す各種試験を行った。
【0037】
酸化チタン(商品名:CR−97、石原産業社製)の70g、顔料分散剤(商品名:Disperbyk190、ビックケミー・ジャパン社製)の8.4g、イオン交換水の21.6gを均一に分散させ、ミルベースを得た。
【0038】
各含F水性分散液の固形分100質量部あたり、酸化チタンが50質量部になるようにミルベースを混合し、さらに造膜助剤としてジチレングリコールジエチルエーテルを、含F水性分散液の固形分100質量部に対して10質量部になるように混合し、白色水性塗料を得た。
また、各含F水性分散液の固形分100質量部あたり、10質量部のジエチレングリコールジエチルエーテルを混合して透明水性塗料を得た。
【0039】
成膜性:ガラス板上に、乾燥膜厚0.025mmとなるように白色水性塗料を塗布し、5℃にて7日間乾燥させた。乾燥後、ワレなどが無く、均一に膜が形成されたものを○、ワレなどが発生したものを×とした。
【0040】
付着性1:クロム酸処理したアルミニウム板(商品名:アロジン1000、日本パーカライジング社製によって処理したアルミニウム板)上に、乾燥膜厚0.025mmになるよう白色水性塗料を塗布し、23℃にて7日間乾燥させた後、JIS K5600.5.6に従って付着性の試験を行った。
付着性2:スレート板に水性プライマー(商品名:プライマーS、旭硝子コートアンドレジン社製)を120g/mm2塗布し、23℃で1日乾燥させた基材に、白色水性塗料を乾燥膜厚0.03mmとなるよう塗布し、23℃にて7日間乾燥させた後、JIS K5600.5.6に従って付着性の試験を行った。
【0041】
透明性1:ガラス板に乾燥膜厚0.025mmとなるよう透明水性塗料を塗布し、23℃にて7日間乾燥させた。この塗装ガラス板のHAZE値を測定し、ガラス板のHAZEを減算して塗膜のHAZE値とした。
透明性2:透明性1で得た塗装ガラス板を150℃にて1時間乾燥し、同様に塗膜のHAZE値を求めた。
【0042】
耐候性:クロム酸処理したアルミニウム板(商品名:アロジン1000、日本パーカライジング社製によって処理したアルミニウム板)上に、乾燥膜厚0.025mmになるよう白色水性塗料を塗布し、23℃にて7日間乾燥させた後、JIS K5400−9.8.1のサンシャインカーボンアーク灯式促進耐候性試験を行った。5000時間試験後の60度光沢を初期の60度光沢に対する百分率であらわした。
【0043】
耐エンジンオイル性(耐EO性):ポリプロピレン板上に、乾燥膜厚0.025mmになるように透明水性塗料を塗布し、23℃にて7日間乾燥させた。この塗装板を水中に浸漬し、塗膜を剥離した。剥離した塗膜を、20℃の真空乾燥機で24時間乾燥して試験フィルムを得た。試験フィルムをエンジンオイル(商品名:シェルヒリックススーパー、昭和シェル石油社製)に30℃にて3日間浸漬した。浸漬後のフィルムを乾燥し、引張速度10mm/分にて引張試験を行った。浸漬前のフィルムの引張強度および破断伸度に対して、浸漬後の引張強度および破断伸度が何れも90%以上であるものを○、何れかまたは両方が90%未満であるものを×とした。
【0044】
各試験結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
本発明の含フッ素重合体水性分散液は、塗料用として有用であり、常温乾燥でも基材に対する付着性、強度および透明性に優れ、しかもアミンなどの耐性にも優れた塗膜を与えることのできる水性分散液を提供するものである。
Claims (5)
- テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(a)、プロピレンに基づく重合単位(b)およびカルボン酸基を有するエチレン性不飽和単量体に基づく重合単位(c)を含むフッ素系共重合体(A)の水性分散液中で、エチレン性不飽和単量体(D)を重合して得られる含フッ素重合体水性分散液であって、エチレン性不飽和単量体(D)の100質量部に対して、フッ素系共重合体(A)が100〜1000質量部であることを特徴とする含フッ素重合体水性分散液。
- エチレン性不飽和単量体(D)の主成分が、炭素数1〜18のアルキル基の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである請求項1に記載の含フッ素重合体水性分散液。
- エチレン性不飽和単量体(D)が、さらにカルボン酸基と反応する官能基を有するエチレン性不飽和単量体を含む請求項2に記載の含フッ素重合体水性分散液。
- フッ素系共重合体(A)の融点が30℃以下であるか、またはフッ素系共重合体(A)が融点を有しない請求項1〜3のいずれかに記載の含フッ素重合体水性分散液。
- フッ素系共重合体(A)のガラス転移温度が0℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載の含フッ素重合体水性分散液。
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