JP3077377B2 - セメント系成型体塗布用組成物 - Google Patents

セメント系成型体塗布用組成物

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JP3077377B2
JP3077377B2 JP04113948A JP11394892A JP3077377B2 JP 3077377 B2 JP3077377 B2 JP 3077377B2 JP 04113948 A JP04113948 A JP 04113948A JP 11394892 A JP11394892 A JP 11394892A JP 3077377 B2 JP3077377 B2 JP 3077377B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗布用組成物、特にセ
メント系成型体塗布用組成物に関し、更に詳細にはセメ
ントコンクリート,セメントモルタル,アスベスト,A
LC(オートクレーブ軽量コンクリート),PC(プレ
キャストコンクリート),スレート,無機ボード等のセ
メント系成型体の中性化防止性,遮塩性,撥水性,耐候
性,耐水性および耐吸水性に優れたセメント系成型体塗
布用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】土木建築分野に使用されるセメントコン
クリート,セメントモルタル,ALC板,PC板等のセ
メント製品は、環境の変化、例えば、炭酸ガス,亜硫酸
ガス濃度の上昇や酸性雨等の影響による、中性化が原因
で劣化が著しく促進され、このことが社会的に大きな問
題となっている。
【0003】従来、このような問題を軽減するために、
これらのセメント製品の製造に当たって、合成ゴム系ラ
テックス,天然ラテックスをセメントに混和して硬化成
型されることが検討され、実施されている。しかし、こ
の方法では、土木構造物全体のセメント製品にラテック
スを含有させることになり、ラテックスの使用量が大き
い割りにはセメント製品の中性化を防止することに関し
てあまり効果的ではなく、また経済的にも困難であっ
た。
【0004】また、セメントコンクリートの表面にジメ
チルポリシロキサンを主成分とするシリコーンオイルや
エマルジョンのような撥水性を有する物質を塗布してセ
メントコンクリートの劣化を防止する方法も試みられて
いる。しかし、この方法では成膜性がないこと、並びに
撥水性の経時的低下も大きいことから、中性化防止性,
遮塩性等の性能が持続しないという問題がある。
【0005】さらに、セメントコンクリートの劣化防止
と表面の美装を兼ねて、コンクリート構造体表面に塗料
やアクリル系重合体エマルジョンを塗布することが知ら
れている。しかし、これらの方法では、塗料あるいはエ
マルジョンをセメントコンクリートの内部に深く浸透さ
せることができず、そのため、中性化防止性,耐吸水
性,遮塩性等の性能が劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した技
術的問題を背景になされたもので、中性化防止性,遮塩
性,浸透性,密着性,耐候性,耐水性,撥水性,耐吸水
性に優れたセメントコンクリート,セメントモルタル等
の各種セメント系成型体に適した塗布用組成物を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のセメント系成型
塗布用組成物(以下、「塗布用組成物」という)は、
平均粒子径が150nm以下である、アクリル系重合体
エマルジョン(I)100重量部(固形分換算)に対し
て、加水分解基を有する有機ケイ素系単量体の乳化分散
体(II)を有機ケイ素系単量体成分として5〜1,0
00重量部含有して成り、かつpHが5〜9であること
を特徴とする。
【0008】すなわち、本発明においては、アクリル系
重合体エマルジョンと特定の有機ケイ素系単量体の乳化
分散体とを含む組成物をセメントコンクリート成型体等
に塗布した場合、加水分解基を有する有機ケイ素系単量
体の乳化分散体(II)が表面から前記成型体の奥深く
まで浸透し、セメントコンクリートのアルカリ成分によ
り加水分解反応を経て縮合反応が起こり、ポリシロキサ
ン構造を形成する。そして、このポリシロキサンが吸水
防止層を形成し、その結果セメント系成型体の耐水性,
撥水性を向上させる。
【0009】また、アクリル系重合体エマルジョンはコ
ンクリートの表層で確実に成膜して二酸化炭素,亜硫酸
ガス,塩分などの浸入をくい止めることができ、その結
果、コンクリートの中性化,塩害を防止する機能を有す
る。そして、アクリル系重合体エマルジョンは、その成
膜をより強じんとするために、重合体の平均粒子径が1
50nm以下であることが好ましい。
【0010】そして、本発明において特に特徴的なこと
は、加水分解基を有する有機ケイ素系単量体を乳化分散
体の状態で用いることにより、セメントコンクリート表
層および浸透した領域において撥水性が優れ、その結
果、長期間にわたって吸水防止効果が優れる。
【0011】(発明の構成)本発明のアクリル系重合体
エマルジョン(I)の製造に使用される単量体としては
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が主成分で
あり、必要に応じて芳香族ビニル系単量体,シアン化ビ
ニル系単量体,(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル
エステル単量体,酢酸ビニル単量体,不飽和酸単量体,
エチレン系不飽和カルボン酸アミド系単量体,ハロゲン
含有ビニル系単量体などを共重合することができる。
【0012】これらのうち、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル単量体としては、例えば、アクリル酸メチ
ル,アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル,アクリ
ル酸イソブチル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル
酸イソブチル,アクリル酸ペンチル,メタクリル酸ペン
チル,アクリル酸ヘキシル,メタクリル酸ヘキシル,ア
クリル酸ヘプチル,メタクリル酸ヘプチル,アクリル酸
2−エチルヘキシル,アクリル酸オクチル,メタクリル
酸メチル,メタクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸イ
ソブチル,メタクリル酸オクチル,アクリル酸n−ノニ
ル,アクリル酸イソノニル,メタクリル酸ノニル,アク
リル酸デシル,メタクリル酸デシル,アクリル酸ウンデ
シル,メタクリル酸ウンデシル,アクリル酸ドデシル,
メタクリル酸ドデシル,アクリル酸n−アミル,アクリ
ル酸イソアミル,メタクリル酸n−アミル,メタクリル
酸イソアミル,アクリル酸ラウリル,メタクリル酸ラウ
リル,アクリル酸ベンジル,メタクリル酸ベンジル,ア
クリル酸シクロヘキシル,メタクリル酸シクロヘキシル
等を挙げることができる。
【0013】芳香族ビニル系単量体としては、スチレ
ン,α−メチルスチレン,p−メチルスチレン,ビニル
トルエン,クロルスチレン,スチレンスルホン酸ナトリ
ウムなどが挙げられる。
【0014】シアン化ビニル単量体としては、アクリロ
ニトリル,メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0015】エチレン性不飽和カルボン酸ヒドロキシア
ルキルエステル単量体としては、ヒドロキシエチルアク
リレート,ヒドロキシエチルメタクリレートなどが挙げ
られる。
【0016】不飽和酸単量体としては、カルボン酸基,
スルホン酸基を有する単量体が挙げられる。カルボン酸
基を含有する単量体としては例えば、イタコン酸,アク
リル酸,メタクリル酸,フマル酸,マレイン酸,無水マ
レイン酸,無水フマル酸などが挙げられる。
【0017】エチレン性不飽和カルボン酸アミド系単量
体としては、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ノルマル
プロピオキシメチル(メタ)アクリルアミド、アクリル
アミド、メタクリルアミド、メチルメタクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
エチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)ア
クリルアミドなどを挙げることができる。
【0018】ハロゲン含有ビニル系単量体としては、塩
化ビニル,塩化ビニリデンなどを挙げることができる。
【0019】本発明のアクリル系重合体は、前記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル単量体の単独重合体、
あるいは他の単量体との共重合体であってもよい。
【0020】アクリル系重合体エマルジョンは、単量体
として好ましくは、アクリル酸n−ブチルとメタアクリ
ル酸メチル,アクリル酸n−ブチルとスチレンとメタク
リル酸メチル,アクリル酸2−エチルとメタクリル酸メ
チル,あるいはアクリル酸n−ブチルとスチレンとを主
成分とする共重合体エマルジョン,さらに好ましくはア
クリル酸n−ブチルとメタアクリル酸メチルとを主成分
とする共重合体エマルジョンである。
【0021】本発明のアクリル系重合体エマルジョン
(I)は、前記単量体成分を公知の乳化剤,重合開始
剤,連鎖移動剤などを使用して乳化重合されたものであ
る。
【0022】ここで、乳化剤としては、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム,ドデシ
ルベンセンスルホン酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリ
ウム,ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム,コ
ハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウムなどの
アニオン系乳化剤;あるいはポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルエス
テル,ポリオキシエチレンアルキアリルエーテルなどの
ノニオン系乳化剤;フッ素系界面活性剤を挙げることが
できる。これらは1種または2種以上組合せて使用する
ことができる。
【0023】特に、本発明の効果が著しく発揮できる乳
化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウム,ジフェニルエーテルジスルホン
酸ナトリウム,ラウリル硫酸ナトリウムである。
【0024】乳化剤の使用量は、前記単量体成分の総計
量に対して、好ましくは0.5〜10重量%、特に好ま
しくは1〜8重量%である。乳化剤の使用割合が0.5
重量%未満では凝固物が発生するなど、重合安定性が悪
くなり、共重合体エマルジョンの製造に支障があるので
好ましくなく、一方10重量%を越えるとセメントモル
タル,コンクリート等の下地への密着性,耐水性および
耐吸水性が低下するので好ましくない。
【0025】連鎖移動剤としては、α−メチルスチレン
ダイマー、好ましくは2−4−ジフェニル−4−メチル
−1−ペンテン成分を60重量%以上含むα−メチルス
チレンダイマー,ターピノーレン,α−テルピネン,γ
−テルピネン,ジペンテン,オクチルメルカプタン,n
−ドデシルメルカプタン,t−ドテシルメルカプタン,
n−ヘキサデシルメルカプタン,ジエチルキサントゲン
ジスルフィド,ジメチルキサントゲンジスルフィド,ジ
イソプロピルキサントゲンジスルフィド,テトラメチル
チウラムモノスルフィド,テトラエチルチウラムジスル
フィド,テトラブチルチウラムジスルフィド,ジペンタ
メチルチウラムジスルフィドなどを用いることができ、
これらは単量体全体に対し通常0〜15重量%使用され
る。
【0026】さらに、重合開始剤としては、過硫酸カリ
ウム,過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩系開始剤,あ
るいは過酸化水素などの無機系開始剤;クメンハイドロ
パーオキサイド,イソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド,パラメンタンハイドロパーオキサイド,ベン
ゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物,あるいはア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤で代表さ
れる有機系開始剤を挙げることができる。
【0027】この重合開始剤の使用量は、単量体全体に
対し好ましくは0.03〜2重量%、特に好ましくは
0.05〜1重量%である。なお、乳化重合を促進させ
るために、例えばピロ重亜硫酸ナトリウム,亜硫酸ナト
リウム,亜硫酸水素ナトリウム,硫酸第一鉄,グルコー
ス,ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート,L
−アスコルビン酸およびその塩,亜硫酸水素ナトリウム
などの還元剤;グリシン,アラニン,エチレンジアミン
四酢酸ナトリウムなどのキレート剤を併用することもで
きる。
【0028】乳化重合に際しては、前記乳化剤,連鎖移
動剤,重合開始剤などのほかに、必要に応じて各種電解
質,pH調整剤などを併用し、前記単量体成分100重
量部に対して水100〜300重量部と前記乳化剤,開
始剤,連鎖移動剤などを前記範囲内の量で使用して、重
合温度10〜90℃、好ましくは40〜80℃、重合時
間は5〜40時間の重合条件で乳化重合される。
【0029】前記単量体の添加方法は特に制限されるも
のではなく、一括添加法,連続添加法あるいは分割添加
法などの任意の方法が採用される。
【0030】なお、重合体エマルジョンの最終的な重合
転化率は90〜100%、特に95〜100%であるこ
とが好ましい。
【0031】このようにして乳化重合によって得られた
本発明のアクリル系重合体エマルジョン(I)の平均粒
子径は、好ましくは150nm以下、より好ましくは1
30〜10nm、特に好ましくは100〜20nmであ
る。
【0032】ここでいう平均粒子径とは、重合体ラテッ
クスを酢酸ウラニルおよびオスミウム酸で処理し、これ
を例えば6万倍で電子顕微鏡写真にとり粒子100個以
上について粒子径を測定し数平均より算出した値であ
る。
【0033】アクリル系重合体エマルジョン(I)の平
均粒子径が150nmを越えると、例えばセメントコン
クリートへの浸透性が悪くなるため、中性化防止性,遮
塩性,耐吸水性等の持続性に欠ける。
【0034】さらに、本発明のアクリル系重合体エマル
ジョン(I)の重合体のガラス転移点は、好ましくは−
50℃〜+40℃、より好ましくは−40℃〜+30℃
である。重合体のガラス転移点が−50℃未満ではセメ
ントコンクリート等の基材に塗布した後の粘着性が著し
く大きいため、ゴミの付着や汚れが生じやすくなる。
【0035】一方、重合体のガラス転移温度が+40℃
を越えるとセメントコンクリート等の基材に塗布した後
の成膜性が悪いために塗膜にクラックが生じ、中性化防
止性,遮塩性,耐吸水性が劣る。
【0036】なお、本発明の重合体エマルジョンのガラ
ス転移点は理学電気(株)製の示差走査熱量分析計(D
SC)を用い、次の条件で測定した。
【0037】製品の約5gをガラス板に薄く引き伸
し、25℃で7日間乾燥させ、ポリマーフィルムを得
る。
【0038】得られた乾燥フィルムのガラス転移点を
測定する。
【0039】条件;昇温速度 20℃/分 雰囲気 窒素ガス サンプル量 20mg また、本発明においては、加水分解基を有する有機ケイ
素系単量体(II)の乳化分散体が使用される。
【0040】このような有機ケイ素系単量体としては、
テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラ
プロポキシシラン,テトラブトキシシラン,メチルトリ
メトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,エチルト
リメトキシシラン,エチルトリエトキシシラン,n−プ
ロピルトリメトキシシラン,n−プロピルトリエトキシ
シラン,i−ブチルトリメトキシシラン,i−ブチルト
リエトキシシラン,i−プロピルトリメトキシシラン,
i−プロピルトリエトキシシラン,γ−クロロプロピル
トリメトキシシラン,γ−クロロプロピルトリエトキシ
シラン,ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキ
シシラン,3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキ
シシラン,3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキ
シシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン,γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン,γ
−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン,γ−
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン,フェニルトリメトキシシ
ラン,フェニルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン,3,4−エポキシシクロヘキシ
ルエチルトリメトキシシラン,3,4−エポキシシクロ
ヘキシルエチルトリエトキシシラン,ジメチルジメトキ
シシラン,ジメチルジエトトキシシラン,ジエチルジメ
トキシシラン等を挙げることができる。好ましくは、テ
トラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,メチルト
リメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,ジメチ
ルジメトキシシラン,ジメチルジエトキシシランであ
る。
【0041】これらの有機ケイ素系単量体は、1種単独
または2種以上を併用することができる。
【0042】そして上記有機ケイ素系単量体を乳化する
ための界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム,
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,ジフェニルエ
ーテルジスルホン酸ナトリウム,ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム,ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン
系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオ
キシエチレンアルキルアミン,ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンエーテル,ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル,ポリ
オキシエチレンアルキルエステル,ソルビタン脂肪酸エ
ステルなどのノニオン系界面活性剤;フッ素系界面活性
剤などを1種又は2種以上挙げることができ、これらの
うち好ましくはポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテルとの組合せである。
【0043】分散安定性のよい有機ケイ素系単量体の乳
化分散体を得るためには、これらの界面活性剤の使用量
は、有機ケイ素系単量体100重量部に対して、好まし
くは0.3〜20重量部、より好ましくは0.5〜18
重量部である。界面活性剤が0.3重量部未満では分散
安定性の良好な有機ケイ素系単量体の乳化分散体を得る
ことができない。一方、界面活性剤が20重量部を越え
るとセメントコンクリートに塗布後の耐吸水性,撥水性
が劣る。
【0044】また、有機ケイ素系単量体を水系媒体に乳
化して分散体を形成する際の分散相(単量体)の濃度
は、好ましくは0.1〜75重量%、より好ましくは
0.5〜50重量%である。この濃度が0.1重量%未
満では、セメント系成型体塗布用組成物としての固形分
濃度が低くなるため、例えばセメントコンクリート表面
に塗布したとき、十分な成膜性が得られない。従って、
中性化防止性,遮塩性が劣る。一方、前記濃度が75
量%を越えると、有機ケイ素系単量体の乳化分散性が悪
い。
【0045】また、前記有機ケイ素系単量体の乳化分散
の方法は特に制限されるものではなく、前記有機ケイ素
系単量体,界面活性剤および水を混合した後、機械的撹
拌(ホモミキサー,高速スターラー),超音波,振と
う,噴射等の任意の方法を採用することができる。
【0046】本発明の塗布用組成物を構成するアクリル
系重合体エマルジョン(I)と、加水分解基を有する有
機ケイ素系単量体(II)との混合割合は、アクリル系
重合体エマルジョン(I)100重量部(固形換算)
に対して、前記有機ケイ素系単量体(II)を有機単量
体成分として5〜1,000重量部、好ましくは7〜8
00重量部、特に好ましくは10〜600重量部であ
る。
【0047】前記有機ケイ素系単量体(II)が5重量
部未満では、撥水性,耐吸水性が劣る。一方、前記有機
ケイ素系単量体(II)が1,000重量部を越える
と、撥水性は優れるものの中性化防止性,遮塩性が劣
る。
【0048】また、本発明の塗布用組成物のpHは5〜
9、好ましくは6〜8である。pHが5未満では有機ケ
イ素系単量体の加水分解が生起し始めるため好ましくな
い。一方pHが9を越えても同様の理由で好ましくな
い。
【0049】本発明の加水分解基を有する有機ケイ素系
単量体はセメントコンクリートに塗布されることによ
り、セメントコンクリートの強アルカリ成分によって加
水分解と縮合反応とが生起されることが好ましく、この
事が撥水性,耐吸水性,中性化防止性,遮塩性等に著し
い効果をもたらす。
【0050】本発明の塗布用組成物は、必要に応じて、
ジエチレングリコール,モノエチルエーテル,ジオクチ
ルフタレート等の成膜助剤,防腐剤,着色剤,老化防止
剤,紫外線吸収剤,難ねん剤等を添加することができ
る。
【0051】
【実施例】以下、実施例をあげ本発明をさらに詳細に説
明する。
【0052】なお、実施例中における「部」および
「%」は特に断らないかぎり、重量基準である。
【0053】(実施例1〜4,比較例1〜6) (1)アクリル系重合体エマルジョン(I)の製造 内容積5Lのステンレス製オートクレーブを用い、窒素
ガス雰囲気下において表1および表2に示す単量体およ
び乳化剤、さらに、重合開始剤として過硫酸アンモニウ
ム0.5部,キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸
ナトリウム0.02部,その他適量の重合安定剤および
水250部を仕込み、重合温度60〜80℃で撹拌しな
がら乳化重合し、4種類のアクリル系重合体エマルジョ
ンA〜Dを製造した。
【0054】なお、単量体は、連続添加方式により添加
した。得られたアクリル系重合体エマルジョンの重合転
化率はいずれも99.5%以上で、かつ重合安定性も良
好で凝固物はほとんどなかった。
【表1】
【表2】 (2)有機ケイ素系単量体の乳化分散体(II)の製造 表1および表2に示す加水分解基を有する有機ケイ素系
単量体および比較例として加水分解基を有しないジメチ
ルポリシロキサンを用い、下記に示す配合により、界面
活性剤および水を併用して乳化分散体を得た。乳化分散
は、TKホモミキサー(回転数10,000rmpで3
0分間)を用いて実施した。
【0055】 配 合 (部) 有機ケイ素系単量体あるいはジメチルポリシロキサン 100 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 3 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム 2 水 200 (3)セメント系成型体塗布用組成物の調整 上記で得られたアクリル系重合体エマルジョン(I)と
有機ケイ素系単量体乳化分散体(II)とを表1および
表2に示す割合で混合し、スターラーを用いて回転数5
00r.p.m.で5分間撹拌し組成物を得た。
【0056】ただし、比較例6においては、有機ケイ素
系単量体を乳化せずに用いた。 (4)セメント系成型体塗布用組成物の試験方法 中性化防止性 JIS A 1171に従って作製した1/3セメント
モルタル供試体(セメントモルタルを用い、寸法10c
m×10cm×10cmの立方体に成型し、20±2
℃,湿度80%以上の条件下で2日間養生した後、脱型
する。その後、温度20±2℃、湿度60±10%で3
週間養生したもの)の全面に塗布量が300g/m2
なるように各セメント系成型体塗布用組成物を刷毛にて
塗布し、24時間後中性化試験槽(CO2 環境槽)にい
れ、温度30℃,湿度80%,CO2 濃度20%の条件
で1ヶ月間放置してサンプルを形成した。
【0057】その後、このサンプルを割裂させ、その断
面にフェノールフタレインの1%アルコール液を噴霧し
て、赤変しない部分を中性化域として表面からの距離を
測定した。この距離が長いほど中性化防止性が劣る。 遮塩性 前記中性化防止性の試験で用いたと同様の1/3セメ
ントモルタル供試体を作製し、さらにこの供試体に各セ
メント成型体塗布用組成物を塗布してサンプルを形成し
た。これらのサンプルを3%の塩化ナトリウム水溶液に
1週間浸漬した。その後、サンプルを割裂し、その断面
に0.1%のフルオレセインナトリウム水溶液と0.1
Nの硝酸銀水溶液とを噴霧して変色域を塩化物イオンの
浸透領域として測定した。変色域が多いほど塩化物イオ
ンが多く浸透したことになり、遮塩性が劣る。 耐候性 前記の中性化防止性の試験と同様の方法によって、各
セメント系成型体塗布用組成物を1/3セメントモルタ
ル供試体に塗布してサンプルを形成した。これらのサン
プルにつきカーボンアーク式フェードメータを用いて6
3℃の条件で促進暴露試験を実施した。1ヶ月後のサン
プル表面の変色を目視で観察し、以下の3段階で評価し
た。
【0058】○;変色がなかった。
【0059】△;やや黄変した。
【0060】×;かなり黄変した。 耐水性 前記と同様の方法によって各セメント系成型体塗布用
組成物を1/3セメントモルタル供試体に塗布してサン
プルを形成した。このサンプルを常温水に48時間浸漬
させた後、表面の白化の程度を観察し、以下の3段階で
評価した。
【0061】○;白化がなかった。
【0062】△;やや白化した。
【0063】×;かなり白化した。 撥水性 前記と同様の方法によって各セメント系成型体塗布用
組成物を1/3セメントモルタル供試体に塗布してサン
プルを形成した。このサンプルについて接触角をゴニオ
メータを用いて測定した。角度が大きいほど撥水性が大
きい。
【0064】以上の評価結果を表1および表2に示す。 (5)評価結果 表1および表2から明らかなように、本発明のセメント
系成型体塗布用組成物を用いた実施例1〜4は、中性化
防止性,遮塩性,耐光性,耐水性,撥水性のいずれにお
いても良好であることがわかる。
【0065】これに対して比較例1〜6は本発明の範囲
外であり、物性の全般にわたって劣っていることがわか
る。ここで、比較例1は、加水分解基を有しない有機ケ
イ素系単量体を用いた例、比較例2は、有機ケイ素系単
量体の乳化分散体が過少の例、比較例3は、有機ケイ素
系単量体の乳化分散体が過大の例、比較例4は、塗布用
組成物のpHが小さすぎる例、比較例5は、塗布用組成
物のpHが大きすぎる例、および比較例6は有機ケイ素
系単量体を乳化しないで用いた例である。
【0066】
【発明の効果】本発明の塗布用組成物は、アクリル系重
合体エマルジョンと加水分解基を有する有機ケイ素系単
量体の乳化分散体とを特定の比率で混合することによ
り、セメントコンクリート,モルタル,ALC等のセメ
ント系成型体の表面塗布剤として、撥水性,耐水性およ
び耐光性に優れ、その結果中性化防止性,遮塩性に優れ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡部 康久 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−97542(JP,A) 特開2000−86372(JP,A) 特開 平9−278562(JP,A) 特開 平8−151757(JP,A) 特開 昭61−9463(JP,A) 特開 昭55−130879(JP,A) 特開 昭53−96023(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/10 C09D 5/00 C09D 5/02 C04B 41/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒子径が150nm以下である、
    クリル系重合体エマルジョン(I)100重量部(固形
    分換算)に対して、加水分解基を有する有機ケイ素系単
    量体の乳化分散体(II)を有機ケイ素系単量体成分と
    して5〜1,000重量部含有して成り、かつpHが5
    〜9である、セメント系成型体塗布用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記アクリル系重合体エマルジョン(I)の平均粒子径
    130〜10nmである、セメント系成型体塗布用組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記アクリル系重合体エマルジョン(I)の平均粒子径
    が100〜20nmである、セメント系成型体塗布用組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記加水分解基を有する有機ケイ素系単量体の乳化分散
    体(II)を前記アクリル系重合体エマルジョン(I)
    100重量部(固形分換算)に対して、有機ケイ素系単
    量体成分として7〜800重量部含有している、セメン
    ト系成型体塗布用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記アクリル系重合体エマルジョン(I)の重合体のガ
    ラス転移点が−50℃〜+40℃である、セメント系成
    型体塗布用組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記有機ケイ素系単量体の乳化分散体の分散相(単量
    体)の濃度が、0.1〜75重量%である、セメント系
    成型体塗布用組成物。
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