JP2000327722A - 微粒子エマルジョン及びその製造方法 - Google Patents
微粒子エマルジョン及びその製造方法Info
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Abstract
耐水性、耐アルカリ性等の諸特性に優れた緻密な塗膜を
形成可能な微粒子エマルジョンを提供する。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステルと、該(メ
タ)アクリル酸エステルに対し0.1〜20重量%のス
チレンと、界面活性剤とを少なくとも含有するモノマー
組成物を乳化重合することを特徴とする微粒子エマルジ
ョンの製造方法である。(メタ)アクリル酸エステル
が、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルから選択される少なくとも1
種である態様、界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤及
びアニオン系界面活性剤から選択される少なくとも1種
である態様、などが好ましい。
Description
好適に使用でき、耐候性、耐水性、耐アルカリ性等の諸
特性に優れた緻密な塗膜を形成可能な微粒子エマルジョ
ン、及び、該微粒子エマルジョンを安定的にかつ容易に
得ることができる微粒子エマルジョンの製造方法に関す
る。
工期の短縮化等を図るためプレハブ化が一段と進み、サ
イディングボードや新生瓦等の高耐久性の窯業系外装用
建材が多く用いられてきている。前記窯業系外装用建材
の表面には、一般に、用途に応じた外観を付与し、ま
た、該窯業系外装用建材自体を保護する目的で、外装用
塗料が塗装され、該外装用塗料による被膜が形成されて
いる。前記外装用塗料による被膜は、凍結と融解とを繰
り返すような寒冷期の厳しい環境をはじめとする多様な
環境下で常時晒されても劣化しないように、耐候性、耐
水性、耐久性等の諸物性に優れることが求められ、特に
高耐久性の窯業系外装用建材の表面に塗装される場合に
は前記諸物性により優れることが求められる。
料と溶剤系の塗料とが知られており、これらの中でも前
記水系の塗料、特に合成樹脂エマルジョン系の塗料は、
前記溶剤系の塗料に比べて作業時の安全性が高い点で有
利である。しかし、前記水系の塗料、特に前記合成樹脂
エマルジョン系の塗料の場合、乳化剤を含有しており、
また、エマルジョン粒子の融着を経て造膜がなされるた
め、前記諸物性が市場の要求に対し十分でないという問
題がある。
提案がなされている。即ち、エマルジョン粒子を微粒子
化すると、エマルジョン粒子の造膜に寄与する毛細管力
などが向上する結果、大きな粒径のエマルジョン粒子に
比べて緻密な被膜を形成することができることから、エ
マルジョン粒子を微粒子化する提案である。しかしなが
ら、エマルジョン粒子を安定的に微粒子化し得る技術は
未だ提供されていないのが現状である。
を安定的に微粒子化し得る技術としては、界面活性剤や
保護コロイドなどの親水性成分を多量に用いる方法があ
るが、この方法の場合、得られるエマルジョン中に前記
親水性成分が多く含まれているため、該エマルジョンを
塗布し乾燥して得た被膜の耐水性が不十分になり、更
に、該被膜に取り込まれた水に起因する光酸化触媒反応
により耐候性が低下するという問題がある。
ロゲルエマルジョンが知られているが、その製造には、
使用する単量体、界面活性剤、重合プロセスなどに多く
の制限があり、容易に得ることができないという問題が
ある。
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、外装用塗料として好適に使
用でき、耐候性、耐水性、耐アルカリ性等の諸特性に優
れた緻密な塗膜を形成可能な微粒子エマルジョン、及
び、該微粒子エマルジョンを安定的にかつ容易に得るこ
とができる微粒子エマルジョンの製造方法を提供するこ
とを目的とする。
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> (メタ)アクリル酸エステルと、該(メタ)ア
クリル酸エステルに対し0.1〜20重量%のスチレン
と、界面活性剤とを少なくとも含有するモノマー組成物
を乳化重合することを特徴とする微粒子エマルジョンの
製造方法である。 <2> (メタ)アクリル酸エステルが、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸アルキル
エステルから選択される少なくとも1種である前記<1
>に記載の微粒子エマルジョンの製造方法である。 <3> 界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤及びアニ
オン系界面活性剤から選択される少なくとも1種である
前記<1>又は<2>に記載の微粒子エマルジョンの製
造方法である。 <4> 界面活性剤の微粒子エマルジョンにおける含有
量が、0.1〜10重量%である前記<1>から<3>
のいずれかに記載の微粒子エマルジョンの製造方法であ
る。 <5> スチレンの使用量が、(メタ)アクリル酸エステ
ルに対し0.5〜10重量%である前記<1>から<4
>のいずれかに記載の微粒子エマルジョンの製造方法で
ある。 <6> 微粒子エマルジョンに含まれるエマルジョン粒
子の平均粒径が200nm以下である前記<1>から<
5>のいずれかに記載の微粒子エマルジョンの製造方法
である。 <7> 微粒子エマルジョンに含まれるエマルジョン粒
子の平均粒径が100nm以下である前記<1>から<
5>のいずれかに記載の微粒子エマルジョンの製造方法
である。 <8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の微粒
子エマルジョンの製造方法により得られることを特徴と
する微粒子エマルジョンである。
製造方法においては、(メタ)アクリル酸エステルと、
該(メタ)アクリル酸エステルに対し0.1〜20重量
%のスチレンと、界面活性剤とを少なくとも含有するモ
ノマー組成物を乳化重合するので、得られる微粒子エマ
ルジョンに含まれるエマルジョン粒子中にスチレンが共
重合されており、該スチレンの連鎖移動効果により、乳
化重合時において、(メタ)アクリル酸エステルの種類
により異なる反応性が緩和され、重合系内の単一の単量
体による急激な反応が抑制されるため、微粒子エマルジ
ョンが安定的にかつ容易に得られる。また、得られた微
粒子エマルジョンによる塗膜は、長期の露光によっても
黄変せず耐候性にも優れる。
製造方法においては、(メタ)アクリル酸エステルが、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルから選択される少なくとも1種で
あるので、耐候性、耐水性、重合安定性に優れた微粒子
エマルジョンが安定的にかつ容易に得られる。前記<3
>に記載の微粒子エマルジョンの製造方法においては、
界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤及びアニオン系界
面活性剤から選択される少なくとも1種であるので、乳
化重合時及びエマルジョンの安定性が良好であり、応用
用途での安定性も良好である。前記<4>に記載の微粒
子エマルジョンの製造方法においては、界面活性剤の微
粒子エマルジョンにおける含有量が0.1〜10重量%
であるので、重合安定性に優れ、また、塗膜の吸水性が
低く、塗膜が白化し難く耐候性も良好である。前記<5
>に記載の微粒子エマルジョンの製造方法においては、
スチレンの使用量が、(メタ)アクリル酸エステルに対し
0.5〜10重量%であるので、乳化重合がより安定的
に行われ、また、得られた微粒子エマルジョンによる塗
膜が、長期の露光によっても黄変せず耐候性も向上す
る。前記<6>に記載の微粒子エマルジョンの製造方法
においては、微粒子エマルジョンに含まれるエマルジョ
ン粒子の平均粒径が200nm以下であるので、塗膜形
成時に寄与する毛細管力などが十分であり、緻密な塗膜
が得られる。前記<7>に記載の微粒子エマルジョンの
製造方法においては、微粒子エマルジョンに含まれるエ
マルジョン粒子の平均粒径が100nm以下であるの
で、塗膜形成時に寄与する毛細管力などが良好であり、
より緻密な塗膜が得られる。前記<8>に記載の微粒子
エマルジョンは、前記<1>から<7>のいずれかに記
載の微粒子エマルジョンの製造方法により得られるの
で、得られる微粒子エマルジョンに含まれるエマルジョ
ン粒子が、通常、製造し難い微粒子である。
製造方法においては、モノマー組成物を乳化重合する。
前記モノマー組成物は、(メタ)アクリル酸エステル
と、スチレンと、界面活性剤とを少なくとも含有し、更
に必要に応じてその他の成分を含有する。
タ)アクリル酸エステルとしては、特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができ、直鎖状又は分岐状
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、シクロヘキシル基を有する(メタ)アクリル酸シク
ロヘキシル、などが好適に挙げられる。
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチ
ルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、メチルシクロヘキシルメタク
リレート、メチルシクロヘキシルアクリレート、などが
挙げられる。
2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐候性、
耐水性、重合安定性の点で、(メタ)アクリル酸シクロ
ヘキシル、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ま
しく、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ートが特に好ましい。
ノマー組成物における含有量としては、全単量体に対し
50〜99.9重量%が好ましく、70〜99.5重量
%がより好ましい。前記含有量が、50重量%未満であ
ると、耐水性や耐候性などの期待する物性を満足しない
ことがあり、99.9重量%を超えると、スチレンの含
有量が少なくなり微粒子径のエマルジョンができなかっ
たり、重合安定性が不良となることがある。
(メタ)アクリル酸シクロヘキシルを使用する場合、そ
の前記モノマー組成物における含有量としては、全単量
体に対し90重量%以下が好ましい。前記含有量が、全
単量体に対し90重量%を超えると、前記スチレンの前
記モノマー組成物における含有量が減り、該スチレンの
連鎖移動効果が十分でないことがある。
動効果により、前記(メタ)アクリル酸エステルの種類に
より異なる反応性を緩和し、重合系内の単一の単量体に
よる急激な反応を抑制し、前記乳化重合の際に該重合系
を安定化させる。
タ)アクリル酸エステルに対し0.1〜20重量%であ
り、0.5〜10重量%が好ましく、0.5〜7重量%
がより好ましい。前記使用量が、全単量体に対し、0.
5重量%未満であると、重合反応を安定的に行うことが
できず、10重量%を超えると、長期の露光により塗膜
が黄変することがあり、塗膜の耐候性が低下してしま
う。
通常の乳化重合に用いられるアニオン系界面活性剤、ノ
ニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げ
られる。
ば、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルスル
ホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテルス
ルホン酸ソーダ、などが挙げられる。
ば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンか
ポリオキシプロピレングリコール型、などが挙げられ
る。
制限はなく、目的に応じて公知のもの中から適宜選択す
ることができる。
てもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、乳化重合時やエマルジョンの安定性、及び塗料など
の応用用途での安定性の点で、前記アニオン系界面活性
剤と前記ノニオン系界面活性剤とを併用するのが好まし
い。
における含有量としては、0.1〜10重量%が好まし
く、0.1〜5重量%がより好ましい。前記含有量が、
0.1重量%未満であると、乳化重合の安定性に欠け、
10重量%を超えると、乳化重合は安定的に進行するも
のの、得られる塗膜の吸水性が高くなり、白化し易く耐
候性に劣る塗膜しか形成できないことがある。
に、ラジカル重合性不飽和結合を有する重合性界面活性
剤を好適に使用することができ、全量を併用することが
できる。前記重合性界面活性剤としては、公知のものの
中から適宜選択することができ、例えば、アニオン性界
面活性剤、非イオン性反応性界面活性剤、第4級アンモ
ニウム塩や第3級アミン塩と重合性基を含むカチオン性
反応性界面活性剤などが挙げられるが、その具体例とし
ては、以下に示す化合物1)〜15)が挙げられる。こ
れらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
際、前記(メタ)アクリル酸エステル及び前記スチレン
と重合反応してポリマー鎖中に共有結合しているため、
フリーな状態で単独には存在せず、塗膜形成時に吸水ポ
ケットを形成せず、水分を塗膜内部へ誘引し難いため、
耐水性、耐候性等を低下させることがない点で好まし
い。
は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
でき、例えば、共重合可能なモノマー、架橋性モノマ
ー、アルコキシシラン、紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン系光安定剤、重合開始剤、連鎖移動剤、水性媒体、p
H調整剤、増粘剤、凍結防止剤、消泡剤、防腐剤、など
の公知の添加剤が挙げられる。前記その他の成分は、本
発明の目的を害しない範囲内で、前記モノマー組成物中
に添加させることができる。
チレン、ビニルホスフェート、アクリロニトリル、アク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、グリシジ
ルメタアクリレート、アクリル酸アルコキシエチル、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸等の
エチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これら
は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用して
もよい。
組成物における含有量としては、その種類により異なり
一概に規定することはできないが、微粒子エマルジョン
全体に対し30重量%以下が好ましい。
モノマーなどが挙げられる。前記官能基を有するモノマ
ーとしては、例えば、重合性不飽和基を2個以上有する
モノマーなどが好適に挙げられる。前記重合性不飽和基
を2個以上有するモノマーとしては、例えば、ジビニル
化合物、ジ(メタ)アクリレート化合物、トリ(メタ)
アクリレート化合物、テトラ(メタ)アクリレート化合
物、ジアリル化合物、トリアリル化合物、テトラアリル
化合物などが挙げられ、具体的には、ジビニルベンゼ
ン、ジビニルアジペート、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,3−ブチルジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリッ
トトリ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ト
リアリルジシアヌレート、テトラアリルオキシエタンな
どが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
のいずれかで表される化合物である。 R−Si(X)3 ・・・・(1) R−Si(R’)(X)2・・・・(2) 前記一般式(1)及び(2)において、Rは、ビニル
基、エポキシ基、メルカプト基、アミノ基、イソシアネ
ート基等を有する有機基を表す。R’は、炭素数1〜3
の低級アルキル基を表す。Xは、メトキシ基又はエトキ
シ基を表す。
ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニル(2−メトキシエトキシ)シラン、
ビニルトリアセトキシシラン等のビニルアルコキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,
4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラ
ン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルジメトキシ
シラン等のエポキシアルコキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン等のメルカプトアルコキシ
シラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよい。
前記(メタ)アクリル酸エステルに対し、0.01〜10
重量%が好ましい。前記使用量が、10重量%を超える
と、強固なシロキサン結合によりポリマー鎖の自由度が
低下してエマルジョン粒子の融着が阻害されて、塗膜が
脆くなってしまうことがある。
ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体など
が好適に挙げられる。これらは、例えば、USP316
2676号明細書、特開昭58-189204号、特開昭58-1320
39号、特開昭58-179245号、特開昭59-4452号、特開平2
−142778号、特開平7−126536号の各公報に記載
されている。
ヒドロキシベンゾフェノン誘導体、2-ヒドロキシベン
ゾトリアゾール誘導体、2−(2’−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール誘導体、などが挙げられる。こ
れらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。これらの中でも、構造中にラジカル重合性
不飽和結合を有するものは、得られる微粒子エマルジョ
ンに含まれるエマルジョン粒子中に組み込まれるため、
紫外線吸収効果が長期に持続する点で好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルに対し、0.01〜10重量
%が好ましい。前記使用量が、10重量%を超えると、
共重合反応を阻害し、重合中に析出物が発生したり、塗
膜の形成が不良となってしまうことがあり、0.01重
量%未満であると、紫外線吸収効果が十分でないことが
ある。
開昭61-91257号公報に記載のピペリジン化合物などが挙
げられる。前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、
例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、1−(3,5−ジ−第3ブチル−
4−ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシエチル)−
4−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ルプロピオニルオキシ) 4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、などが挙げられ
る。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上
を併用してもよい。これらの中でも、ラジカル重合性不
飽和結合を有するものは、得られる微粒子エマルジョン
に含まれるエマルジョン粒子中に組み込まれるため、そ
の効果が長期に持続するので好ましい。
粒子エマルジョンにおける使用量としては、前記(メタ)
アクリル酸エステルに対し、0.01〜10重量%が好
ましい。前記使用量が、10重量%を超えると、前記紫
外線吸収剤の場合と同様に、塗膜形成不良となってしま
うことがあり、重合性不飽和結合を有するものでは重合
反応阻害となってしまうことがある、0.01重量%未
満であると光酸化触媒反応を十分に抑制できず所望の物
性が得られなくってしまうことがある。
硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過
酸化水素、ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、及
びこれらと還元剤とを組み合わせたレドックス重合開始
剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。
の中から適宜選択すればよく、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、アセ
トフェノン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、フルフラール、ベンズアル
デヒド等の炭素数2〜8のカルボン酸類、ドデシルメル
カプタン、ラウリルメルカプタン、ノルマルメルカプタ
ン、ノルマルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコ
レート、チオグリコール酸、チオグリコール酸オクチ
ル、チオグリセロール等のメルカプタン類などが挙げら
れる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以
上を併用してもよい。
適宜選択することができ、例えば、水、アルコール系水
溶液などが挙げられる。これらの中でも、取扱面、コス
ト面等の点で、水が好ましい。前記水としては、水道
水、イオン交換水などのいずれであってもよい。
は、特に制限はなく、公知の装置を用いて適宜選択した
条件下で行なうことができ、例えば、重合反応缶に、前
記モノマー組成物を仕込み、昇温して、適宜、前記重合
開始剤を添加して乳化重合を進行させるバッチ重合法、
重合反応缶に、水、前記界面活性剤を仕込み、昇温し
て、前記モノマー組成物を滴下するモノマー滴下法、滴
下する前記モノマー組成物を予め前記界面活性剤と水と
で乳化させた後、滴下する乳化モノマー滴下法、などが
挙げられる。さらに、コア/シェル型のエマルジョン粒
子を形成する多段重合法、エマルジョン粒子内部と外部
の組成を段階的に変化させるパワーフィード重合法、シ
ード粒子の存在下で重合を行うシード重合法などで乳化
重合しても良い。
子エマルジョンの製造方法により得られた本発明の微粒
子エマルジョンは、エマルジョン粒子を含有してなる。
前記エマルジョン粒子の平均粒径としては、200nm
以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。前記
エマルジョン粒子の平均粒径が200nmを超えると、
塗膜形成時に寄与する毛細管力などが十分でないことが
あり、緻密な塗膜が得られないことがある。
ーのガラス転移点(Tg)としては、外装用塗料への応
用を考えた場合、常温でのタック性、汚染性及びブロッ
キング性を考慮すると,10〜70℃程度が好ましく、
20〜50℃がより好ましい。
耐水性等に優れた緻密な被膜を形成することができ、外
壁、屋根等の外装用塗料などとして特に好適に使用する
ことができる。
本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものでは
ない。
剤として、ラジカル重合性のアニオン系界面活性剤(第
一工業製薬(株)製、アクアロンHS−20)4重量部、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(花王
(株)製、エマルゲン930、ノニオン系界面活性剤:
EO=17)2重量部、及び、水150重量部を仕込
み、内温が85℃になるまで加温した。次に、下記モノ
マー組成物の10重量%と、3重量%過硫酸カリウム水
溶液1.1重量部とを添加し、内温を85℃に維持して
初期重合を行った。
90重量%と3重量%過硫酸カリウム水溶液4.4重量
部とを4時間にかけて滴下し、滴下後1時間熟成して乳
化重合の反応を完結させた。これを室温まで冷却し、1
0%アンモニア水1.6重量部にてpHを弱アルカリに
調整した。得られた微粒子エマルジョンは、計算上のガ
ラス転移温度(Tg)が36.8℃で均一な乳白色であ
った。
例1において、前記モノマー組成物の組成及び重合反応
缶中の仕込みを表1〜3に示す通りに変更した以外は、
実施例1と同様にして微粒子エマルジョンを製造した。
なお、表1〜3において、「アクアロンRN−20」
は、第一工業製薬(株)製、ノニオン性のラジカル重合
性界面活性剤である。
粒子エマルジョンについて、以下の評価を行なった。そ
の結果を表4〜6に示した。なお、表4〜6において、
「ポリマーのTg」は、微粒子エマルジョンに含まれる
エマルジョン粒子中のポリマーのガラス転移点温度
(℃)を意味する。
ンを、156×100メッシュの濾布にて濾過し、濾布
に付着した粗粒子量(mg/100g微粒子エマルジョ
ン(EM))に従い以下の基準にて評価した。 ◎・・・10未満 ○・・・10を超え20未満 △・・・20を超え30未満 ×・・・31を超え
に含まれるエマルジョン粒子の平均粒径を、レーザー解
析/散乱式粒度分布計(NICOMPModel37
0:ParticleSizingSystem社製)
を用いて測定した。
ト板に、刷毛塗りし乾燥させ、下記組成にて調製した黒
色塗料を、スプレーを用いてその塗布量が50g/m2
となるように2回塗工し、80℃×20分間乾燥し、そ
の後室温で24時間養生したものを試験塗板とした −黒色塗料− 微粒子エマルジョン(40重量%)・・・・・・・・・・・・100部 造膜助剤(ダイセル(株)製BCA)・・・・・・・・・・・・5.0部 黒色着色ペースト(クラリアントシ゛ャハ゜ン(株)製、コラニールフ゛ラックGR130)・0.5部
UV テスター SUV-W-13)を用い、ライト/デュー=
6/2時間サイクルにて500時間後の光沢保持率
(%)を測定し、下記の基準にて評価した。 評価基準 ◎・・・・・・・・・・・・・・・・・光沢保持率>80% ○・・・・・・・・・・・・・80%≧光沢保持率>60% △・・・・・・・・・・・・・60%≧光沢保持率>40% ×・・・・・・・・・・・・・・・・・光沢保持率<40%
た試験板を使用した。試験板を、60℃の温水に24時
間浸漬した後、室温にて24時間再乾燥し、塗膜の状態
を目視にて観察して、以下の基準で評価した。 ◎・・・・・・・・・・・・・・・・・白化がない状態 ○・・・・・・・・・・・・・・・・・僅かに白化が観られる状態 △・・・・・・・・・・・・・・・・・白化が観られる状態 ×・・・・・・・・・・・・・・・・・著しい白化が観られる状態
に使用でき、耐候性、耐水性、耐アルカリ性等の諸特性
に優れた緻密な塗膜を形成可能な微粒子エマルジョン、
及び、該微粒子エマルジョンを安定的にかつ容易に得る
ことができる微粒子エマルジョンの製造方法を提供する
ことができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 (メタ)アクリル酸エステルと、該
(メタ)アクリル酸エステルに対し0.1〜20重量%
のスチレンと、界面活性剤とを少なくとも含有するモノ
マー組成物を乳化重合することを特徴とする微粒子エマ
ルジョンの製造方法。 - 【請求項2】 (メタ)アクリル酸エステルが、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル及び(メタ)アクリル酸
アルキルエステルから選択される少なくとも1種である
請求項1に記載の微粒子エマルジョンの製造方法。 - 【請求項3】 界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤
及びアニオン系界面活性剤から選択される少なくとも1
種である請求項1又は2に記載の微粒子エマルジョンの
製造方法。 - 【請求項4】 界面活性剤の微粒子エマルジョンにお
ける含有量が、0.1〜10重量%である請求項1から
3のいずれかに記載の微粒子エマルジョンの製造方法。 - 【請求項5】 スチレンの使用量が、(メタ)アクリル
酸エステルに対し0.5〜10重量%である請求項1か
ら4のいずれかに記載の微粒子エマルジョンの製造方
法。 - 【請求項6】 微粒子エマルジョンに含まれるエマル
ジョン粒子の平均粒径が200nm以下である請求項1
から5のいずれかに記載の微粒子エマルジョンの製造方
法。 - 【請求項7】 微粒子エマルジョンに含まれるエマル
ジョン粒子の平均粒径が100nm以下である請求項1
から5のいずれかに記載の微粒子エマルジョンの製造方
法。 - 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の微
粒子エマルジョンの製造方法により得られることを特徴
とする微粒子エマルジョン。
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---|---|---|---|
JP11143956A JP2000327722A (ja) | 1999-05-24 | 1999-05-24 | 微粒子エマルジョン及びその製造方法 |
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