JP5089114B2 - 水性樹脂組成物、及びその製造方法、並びに水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
本発明はまた、オキサゾリン基含有単量体(a)、反応性基含有単量体(b)及びシランカップリング剤(d)を必須とする単量体成分を重合して得られる重合体(A2)を含む水性樹脂組成物でもある。
本発明はまた、オキサゾリン基含有単量体(a)と反応性基含有単量体(b)とを必須とする単量体成分を重合して得られる重合体(A0)を含む水性樹脂組成物であって、上記重合体(A0)は、Tgの異なる2種類以上の重合体から構成される水性樹脂組成物でもある。
本発明は更に、オキサゾリン基含有単量体(a)と反応性基含有単量体(b)とを必須とする単量体成分を重合して得られる重合体(A0)、及び、反応性基含有単量体(b)を必須とする単量体成分を重合して得られる重合体(B)を含む水性樹脂組成物でもある。
以下に本発明を詳述する。
なお、上記重合体中のオキサゾリン基の含有量は、1質量%以上であることが好ましい。1質量%未満であると、オキサゾリン基が有する架橋性能が不充分となるおそれがある。
上記反応性基は、反応性水素原子を含むものであることが好ましい。反応性水素原子を含む反応性基としては、強酸基、弱塩基、脂肪族アルコール基、芳香族アルコール基(フェノール基)、アミノ基等が挙げられる。このような反応性が高い基は、一般にアミンや脂肪族アルコールのような反応性が低い基よりも温和な条件下で迅速にオキサゾリン基と反応する。好ましくは、カルボン酸基である。カルボン酸基含有単量体の好適な単量体の例として、イタコン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、フマル酸、マレイン酸、ビニル安息香酸及びイソプロペニル安息香酸が挙げられる。更に好ましいものとして、アクリル酸、メタアクリル酸が挙げられる。無水マレイン酸もまた、好適な単量体の例である。
このような反応性乳化剤(c)の例を以下に示す。
上記その他の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸等の酸性官能基を有する(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール等のオキソ基を有する重合性単量体類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等のビニル化合物類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有重合性単量体類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の窒素原子含有重合性単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有する重合性単量体類;2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−(メタ)アクロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン等の紫外線吸収性重合性単量体類;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の紫外線安定性重合性単量体類;等である。これらの単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
なお、上記耐ブロッキング性は、後述する耐ブロッキング性試験により評価するものとする。
(R1)n−Si−(R2)4−n (1)
(式(1)中、R1は、ラジカル重合性を有する基であり、R2は、水酸基、アルキル基、エポキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ基、フェノキシ基、メルカプト基のうちから選択される1種以上を有する置換基であり、nは、1〜3の整数である。)で示されるSi含有単量体を含むことが好ましい。これによりアクリルポリマー鎖をシロキサン結合によって強固に架橋した構造を形成し、例えば、光酸化触媒反応によるポリマー劣化の抑制や、耐温水白化性、更に耐ブロッキング性を向上させることができる。更に、オキサゾリン基含有単量体(a)と反応性基含有単量体(b)の架橋により、耐候性、耐水白化性、耐ブロッキング性、耐汚染性を大幅に向上させることができる。
なお、オキサゾリン基含有単量体(a)と反応性基含有単量体(b)の具体例については上述したものであることが好ましく、また、更に含んでもよいその他の単量体成分についても上述したとおりである。
上記カチオン性乳化剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド等のアルキルアンモニウム塩;等が挙げられる。
上記両性乳化剤としては、例えば、ベタインエステル型乳化剤;等が挙げられる。
各重合性単量体成分のホモポリマーのガラス転移温度(Tg)は、下記Foxの式より計算される計算Tg(K)を意味するものである。
1/Tg=Σ(Wn/Tgn)/100
ここで、Wnは単量体nの重量%、Tgnは単量体nからなるホモポリマーのTg(K:絶対温度)を示す。なお、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)を含む重合性単量体については、該TMPTMAを除いて算出したTgを該重合性単量体成分のガラス転移温度とする。
上記重合体(A0)の重合工程としては、上述した重合体(A2)の重合条件等と同様に行うことが好ましい。
このような水性樹脂組成物において、上記重合体(A0)と上記重合体(B)との質量比としては、例えば、上記重合体(A0)100重量部に対し、上記重合体(B)が0.1〜30質量%であることが好ましい。より好ましくは、0.3〜20質量%であり、最も好ましくは、0.5〜10質量%である。
上記(4)の形態の水性樹脂組成物の形態としては、水分散体でも、水溶性のどの形態でもよいが、粒子間架橋のしやすさを考えると、水溶性が好ましい。
上記重合体(A0)及び(B)の重合工程としては、上述した重合体(A2)の重合条件等と同様に行うことが好ましい。
上記耐温水白化性は、後述する耐温水白化性試験により評価するものとする。なお、耐温水白化性試験において、ΔL≦3であると、充分な耐温水白化性を有するため、建築建材の塗料として用いる際に、色調の変化を防止することで鮮やかな色彩を保つことが可能となる。本発明の水性樹脂組成物は、水性として用いることができるものであり、このような水性樹脂組成物は、本来、水性であることから耐温水白化性が低いものである。しかしながら、本発明の水性樹脂組成物は、高い耐温水白化性を有すことから、環境への付加を低減し、高い作業性や安全性を有しつつも、高い色彩保持機能を有する塗料として用いることが可能となる点において、技術的意義を有するものである。より好ましくは、ΔL≦2であり、更に好ましくは、ΔL≦1.5である。水性であるにもかかわらず耐温水白化性の良好な本樹脂組成物は、高耐久性塗料として用いることが可能となる可能性を持っている。
上記水性塗料用組成物は、環境への負荷を低減することができ、作業性や安全性等に優れ、上記樹脂組成物を含有するものであるため、加熱乾燥により形成した硬化物の耐侯性、耐温水白化性及び耐汚染性を向上させることができるのみならず、工場塗装用途において、耐ブロッキング性を有する等、優れた塗膜性能を与える水性塗料用組成物とすることができる。
上記段階的重合工程は、まず、上記反応性基含有単量体(b)を重合し、ここに上記オキサゾリン基含有単量体(a)及び他の物質を更に加えて重合を行うものである。
上記重合工程は、乳化重合であることが好ましく、上述した重合体(A2)の重合条件等と同様に行うことが好ましい。
<Tg>
各段で用いた単量体組成から、上述したFoxの式を用いて算出した。なお、全ての段で用いた単量体組成から算出したTgを「トータルTg」として記載した。
得られた水性樹脂組成物約1gを秤量し、熱風乾燥機にて110℃1時間乾燥させ、乾燥残量を、不揮発分として、乾燥前質量に対する比率を質量%で算出し表示した。
pHメーター(堀場製作所社製「F−23」)により25℃での値を測定した。
BM型粘度計(東京計器社製)により30min−1、25℃にて測定した。粘度測定時には、粘度に応じてローターを選定した。
動的光散乱法による粒度分布測定器(Particle Sizing Systems社製「NICOMP Model 380」)を用い、体積平均粒子径を測定した。
熱勾配試験機の上に置いたガラス板上に厚さ0.2mmのアプリケーターで得られた水性樹脂分散体を塗工、乾燥し、その塗膜にクラックの生じた温度を最低成膜温度(MFT)とした。
反応終了後、300メッシュの金網でろ過し、ろ過後の金網を熱風乾燥機にて110℃1時間乾燥させ、金網内の乾燥残量を、重合時凝集物として、水性樹脂組成物に対する比率を質量%で算出し以下の評価基準で表示した。
一評価基準−
○:重合時凝集物量は0.01%未満
△:重合時凝集物量は0.01%以上〜0.1%未満
×:重合時凝集物量は0.1%以上
製造例A1
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコに、脱イオン水292部を仕込んだ。滴下ロートに、脱イオン水123部、乳化剤(「アクアロンHS−10/第一工業製薬社製」)の25%水溶液42部、2−エチルヘキシルアクリレート77部、メチルメタクリレート266部、アクリル酸7部からなる一段目のプレエマルションを調整し、そのうち全重合性単量体成分の総量の10%にあたる103部をフラスコに添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹込みながら80℃まで昇温し、過硫酸アンモニウムの5%水溶液29.4部添加し重合を開始した。その後、一段目のプレエマルションの残部を120分にわたり均一に滴下した。滴下終了後、同温度で60分間維持し、一段目の重合を終了した。次に25%アンモニア水13.1部添加し、系のpHが7以上になったことを確認し、引き続いて、脱イオン水123部、乳化剤(「アクアロンHS−10/第一工業製薬社製」の25%アンモニア水溶液42部、2−エチルヘキシルアクリレート77部、メチルメタクリレート238部、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン35部からなる2段目のプレエマルションを120分間にわたって均一に滴下した。滴下終了後、同温度で180分間維持し二段目の重合を終了した。得られた反応液を室温まで冷却後、300メッシュの金網でろ過して水性樹脂組成物(水性樹脂組成物(A1)とする。)を得た。
なお、表1に、一段目、二段目にそれぞれ使用した各単量体の量を、両段で使用した全単量体成分合計量100重量部に対する比率(重量部)で示した。
得られた水性樹脂組成物(A1)について、各種物性を評価した。評価結果を表1に示す。
表1に示す乳化剤及び単量体成分を用いて重合(製造例A26及びA27については3段重合)した他は、製造例A1と同様にして水性樹脂組成物(A2)〜水性樹脂組成物(A29)を得た。これらについて各種物性を評価した。結果を表1に示す。
<乳化剤>
アクアロンHS−10:第一工業製薬社製
アクアロンKH−10:第一工業製薬社製
アデカリアソープSR−10:旭電化工業社製
アデカリアソープSR−30:旭電化工業社製
アデカリアソープER−20:旭電化工業社製
アントックスMS−60:日本乳化剤社製
ハイテノールN−08:第一工業製薬社製
なお、表1で示す乳化剤の数値は、各段(各段での使用量は全て同量)で用いた乳化剤の合計量を示す。すなわち、例えば、「3(部)」と記載していた場合、2段重合の場合は、1段目及び2段目の重合にそれぞれ1.5部ずつ使用したことを示し、また3段重合の場合は、1段目〜3段目の重合にそれぞれ1部ずつ使用したことを示す。
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート(Tg:−70℃)
MMA:メチルメタクリレート(Tg:105℃)
St:スチレン(Tg:100℃)
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート(Tg:83℃)
t−BMA:ターシャリーブチルメタクリレート(Tg:107℃)
AA:アクリル酸(Tg:106℃)
MAA:メタクリル酸(Tg:130℃)
TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート
TMSMA:γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(Tg:70℃)
n−BMA:n−ブチルメタクリレート(Tg:20℃)
CHA:シクロヘキシルアクリレート(Tg:20℃)
IPO:2−イソプロペニル−2−オキサゾリン(Tg:100℃)
RUVA:2−[2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(Tg:100℃)
HALS:4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン(Tg:130℃)
なお、上記単量体の化合物名の後に括弧書きにて示したTgは、当該単量体からなるホモポリマーのTg(℃)である。
製造例B1
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコに、脱イオン水1391部を仕込んだ。滴下ロートに、脱イオン水204部、乳化剤(「ハイテノールN−08/第一工業製薬社製」)の25%水溶液84部、エチルアクリレート385部、メタクリル酸315部からなるプレエマルションを調整し、そのうち全重合性単量体成分の総量の10%にあたる99部をフラスコに添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら75℃まで昇温し、過硫酸アンモニウムの5%水溶液29.4部添加し重合を開始した。その後、1段目のプレエマルションの残部を240分にわたり均一に滴下した。滴下終了後、同温度で180分間維持し、重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却後、300メッシュの金網でろ過して水性樹脂組成物(B1)を得た。
得られた水性樹脂組成物(B1)について、各種物性を評価した。評価結果を表2に示す。
表2に示す乳化剤及び単量体成分を用いて重合した他は、製造例B1と同様にして水性樹脂組成物(B2)を得た。これらについて各種物性を評価した。結果を表2に示す。
表2に示す乳化剤及び単量体成分を用いた他は、製造例B1と同様にして重合を開始した。その後、1段目のプレエマルションの残部を240分にわたり均一に滴下した。滴下終了後、同温度で180分間維持し、次に25%アンモニア水65部添加し、系のpHが7.5以上になったことを確認し、重合を終了した。
得られた反応液を室温まで冷却後、300メッシュの金網でろ過して水性樹脂組成物(B3)を得た。
得られた水性樹脂組成物(B3)について、各種物性を評価した。評価結果を表2に示す。
水溶性アクリル樹脂(ジョンソンポリマー社、商品名;JDX−C3000)に脱イオン水を加え、アンモニアでpH8に調整し、80℃1時間攪拌した後、室温まで冷却後、300メッシュの金網でろ過して、不揮発分30%の水性樹脂組成物(B4)を得た。
得られた水性樹脂組成物(B4)について、各種物性を評価した。評価結果を表2に示す。
TDM:ターシャリードデシルメルカプタン(連鎖移動剤)
その他の記載は表1と同様である。
製造例A1〜A27で得た水性樹脂組成物(A1)〜(A27)は、そのままで本発明の水性樹脂組成物である。これらを用い、下記試験方法に従って物性を評価した。結果を表3、4に示す。
1、配合
得られた水性樹脂組成物に、成膜助剤として、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(CS−12:チッソ社製)、及び、ブチルセロソルブの1/1混合溶液を、該樹脂組成物のMFTが0〜5℃になるように添加し、1日以上経過後、下記2〜5の各試験に供した。
上記1で得られた樹脂組成物を、JIS K6717(2006年)に準ずるメタクリル酸メチルを用いて押出成形により作製した黒アクリル板(75mm×150mm×3mm、日本テストパネル社製)に5milアプリケーターで塗装し、100℃の熱風乾燥機にて10分間乾燥して、試験板を作成し、23℃にて24時間養生した。養生後、該試験板のL値(L0)を色差計(日本電色工業社製、分光式色差計SE−2000)にて測定し、続けて60℃に調温した温水中に没水浸漬させ試験を開始した。同温度で240時間後、該試験板を温水から引き上げ、キムタオル(クレシア社製)で水分をふき取り、1分以内に上記色差計でL値(L1)を測定した。
ΔL=(L1)−(L0)として、L値の変化値を算出し、下記の基準に従って耐温水白化性を評価した。
−評価基準−
◎:ΔL=2.0未満
〇:ΔL=2.0以上、3.0未満
△:ΔL=3.0以上、4.0未満
×:ΔL=4.0以上、5.0未満
××:ΔL=5.0以上
上記1で得られた樹脂組成物を、JIS R3202(1996年)に準ずるフロートガラス板(70mm×150mm×2mm、日本テストパネル社製)に5milアプリケーターで塗装し、100℃の熱風乾燥機にて10分間乾燥して、試験板を作成した後、直ちに該試験板を60℃の熱風乾燥機内に速やかに移動させ、1分間調温後に、該試験板上に、ガーゼ(萬星衛生材料社製、日本薬局方ガーゼタイプ1)、フロートガラス板(70mm×75mm×2mm、日本テストパネル社製)、おもりの順で積載し、同温度で10分間放置した。このとき、荷重は280g/cm2になるようにした。その後、試験板を室温まで冷却した後、該試験板上のガーゼをゆっくりと剥離して塗膜の状態を目視にて観察し、下記の基準に従って評価した。
−評価基準−
◎:異常なし(ガーゼ痕なし)
○:わずかにガーゼ痕あり
△:浅くガーゼ痕あり
×:深くガーゼ痕あり
××:ガーゼの剥離が困難
JIS A5430(2004年)に準ずるスレート板(70mm×150mm×6mm、日本テストパネル社製)に、溶剤系シーラー(エスケー化研社製、商品名「EXシーラー」)を乾燥重量20g/m2になるようにエアスプレーにて塗装し、23℃にて24時間乾燥させた後、下記に示す配合で調整したベースコート用塗料(I)を5milアプリケーターにて塗装し、100℃の熱風乾燥機にて10分間乾燥させた。
(ベースコート用塗料(I))
(1)アクリルエマルション(アクリセットEX−41:日本触媒社製):300部
(2)白色ペースト(下記の調整ペースト):135部
・分散剤(デモールEP:花王社製):60部
(ディスコートN−14:第一工業製薬社製):50部
・湿潤剤(エマルゲンLS−106:花王社製):10部
・プロピレングリコール:60部
・脱イオン水:210部
・酸化チタン(CR−95:石原産業社製):1000重量部
・抑泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ社製):10重量部
・ガラスビーズ(直径1mm):500重量部
上記をホモディスバー3000rpm撹拌下で配合。全て加えて60分間撹拌して調製。
(3)成膜助剤(ブチルセロソルブ):15重量部
(CS−12:チッソ社製):15重量部
(4)黒色ペースト(ユニラント88:横浜化成社製):10重量部
(5)抑泡剤(ノプコ8034L:サンノプコ社製):1.5重量部
その後、上記1で得られた樹脂組成物を5milアプリケーターにて塗装し、100℃の熱風乾燥機にて10分間乾燥させ、試験板を作成し、23℃にて24時間養生した。
養生後の試験板の側面、背面をアルミテープでシールし、該試験板の色差(L0、a0、b0)を色差計(日本電色工業社製、分光式色差計SE−2000)にて測定し、下記の耐侯性試験条件にて1000h試験を行い、上記色差計で、該試験板の色差(L1、a1、b1)を測定し、下記式によりΔEを算出した。
試験機:メタルウェザー(KU−R4型:ダイプラウィンテス社製)
照射:60℃−50% 4時間(照射強度:80mW/cm2)
湿潤:35℃−98% 4時間
シャワー:湿潤前後各30秒
−評価基準−
◎:ΔE=2.0未満
〇:ΔE=2.0以上、3.0未満
△:ΔE=3.0以上、4.0未満
×:ΔE=4.0以上、5.0未満
××:ΔE=5.0以上
ベースコート用塗料(I)に代えてベースコート用塗料(II)を使用した以外は全て上記4の耐候性試験と同じ条件で試験板を作製した。なお、ベースコート用塗料(II)とは、上述したベースコート用塗料(I)のうち、(4)黒色ペーストを使用しない以外は全て同じ配合にて調製したものである。
養生後、該試験板のL値(L0)を色差計(日本電色工業社製、分光式色差計SE−2000)にて測定し、JIS Z2381(大気暴露試験方法通則)に準じ、以下の条件にて屋外暴露試験を行った。3ヶ月後、試験板を引き上げ、上記色差計でL値(L1)を測定した。
ΔL=(L1)−(L0)として、L値の変化値を算出し、耐汚染性を評価した。
−試験条件−
南面30度、直接暴露(暴露地:大阪市吹田市/(株)日本触媒敷地内)
−評価基準−
◎:ΔL=2.0未満
〇:ΔL=2.0以上、3.0未満
△:ΔL=3.0以上、4.0未満
×:ΔL=4.0以上、5.0未満
××:ΔL=5.0以上
上記製造例で得た水性樹脂組成物(A)と水性樹脂組成物(B)とを、表5、6に記載の質量比で混合し、本発明の水性樹脂組成物を得た後、これらについて、上述した試験方法に従って各種物性を評価した。結果を表5、6に示す。なお、使用した水性樹脂組成物(A)及び(B)については表5、6のとおりである。
上記製造例A28、A29で得た水性樹脂組成物(A28)、(A29)を用い、上述した試験方法に従って物性を評価した。結果を表7に示す。
上記製造例で得た水性樹脂組成物(A29)と水性樹脂組成物(B1)とを、表7に記載の質量比で混合し、比較用の水性樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用い、上述した試験方法に従って物性を評価した。結果を表7に示す。
Claims (4)
- オキサゾリン基含有単量体(a)、反応性基含有単量体(b)及び反応性乳化剤(c)を必須とする単量体成分を重合して得られる重合体粒子(A1)を含む水性樹脂組成物であって、
該重合体粒子(A1)は、反応性基含有単量体(b)及び反応性乳化剤(c)を含む単量体成分を重合した後、オキサゾリン基含有単量体(a)及び反応性乳化剤(c)を含む単量体成分を更に加えて重合して得られるものであって、反応性基含有単量体(b)及び反応性乳化剤(c)を含む単量体成分を重合して得られる重合体と、オキサゾリン基含有単量体(a)及び反応性乳化剤(c)を含む単量体成分を重合して得られる重合体とを含んで構成される重合体粒子であり、
該反応性乳化剤(c)は、不飽和二重結合を有する単量体であって、オキサゾリン基含有単量体(a)及び/又は反応性基含有単量体(b)と重合可能な界面活性剤であることを特徴とする水性樹脂組成物。 - 前記水性樹脂組成物の耐温水白化性は、ΔL≦3であることを特徴とする請求項1に記載の水性樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載の水性樹脂組成物を含有することを特徴とする水性塗料用組成物。
- 請求項1又は2に記載の水性樹脂組成物の製造方法であって、
該製造方法は、オキサゾリン基含有単量体(a)を含む単量体成分を重合する工程と、反応性基含有単量体(b)を含む単量体成分を重合する工程との少なくとも2段階以上の工程を含むことを特徴とする水性樹脂組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
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