JP4829531B2 - 水性被覆材 - Google Patents

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本発明は耐候性に優れた水性被覆材に関し、より詳しくは単独膜として長期に渡って優れた光沢保持性、耐黄変性、耐水性、耐溶剤性等の耐候性を有すると共に、下地塗膜の上に塗装した場合、下地の退色を予防することを可能とし、各種塗料用樹脂として用いたときに、優れた顔料分散性、樹脂ビーズ、シリカ分散性、発色性、貯蔵安定性を示すだけでなく、低温での耐クラック性も同時に向上することができる水性被覆材に関する。また本発明は他の水性樹脂に少量添加することで、他の樹脂の特性を損なうことなく、同量の紫外線安定化剤を後添加した樹脂と比較して、耐候性を飛躍的に向上させることができる水性被覆材に関する物である。
近年、建築物、土木構造物に使用する塗料分野においては、塗装作業環境等への配慮から、有機溶剤を溶媒とする溶剤系塗料から、水を分散媒とする水性塗料への変換が図られている。そのため、水性塗料の用途が拡大され、それに伴って水性塗料への要求性能が高度になってきている。そのような要求性能の中でも、塗膜の外観や耐水性、耐候性等の性能は常にその向上の重要性が指摘されている。
特許文献1では、紫外線吸収剤(以下UVA)、ヒンダードアミン系ラジカル補足剤(以下HALS)を添加することにより耐候性が向上するとの記載がある。
特許文献2では、疎水性の高いターシャリーブチル基含有重合性単量体と少量の重合性紫外線安定性単量体を共重合することにより、紫外線安定化部位の塗膜からのブリードアウトがなく長期間に渡り優れた耐候性が得られるとの記載がある。
特許文献3では、多段乳化重合法においてヒンダードアミン及びシクロアルキル基を有するシランカップリング剤をエマルション粒子の最外層に局在化させることで、相溶性に優れた均質なコーティング膜が得られ長期耐候性に優れた皮膜が得られるとの記載がある。
特公平3−46506号公報 特許第3354906号公報 特開2004−10805号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、前記添加剤を配合すると経時的に塗装皮膜からブリードアウトする為、長期間に渡って耐候性を維持することが困難であり、さらに前記添加剤は水性塗料の主たる媒体である水に溶解しにくいため、塗料に均一に分散させるには分散剤等を加え前記添加剤をあらかじめ水に分散しておく等の手法をとる必要があり製法が煩雑である。また製造された塗料の長期安定性にも問題があった。特許文献2の方法では、粒子の機械的安定性と顔料分散性の為、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を共重合せねばならず、重合性のHALS及びUVAを多量に共重合する場合、乳化重合の系中が不安定となる為、多量の非反応性ノニオン乳化剤を用いて重合を行わなければならず、高度化する耐水性、耐温水性への対応は不十分であった。特許文献3の方法では、重合性のHALSを最終段で重合することで安定に重合を行っているが、HALS共重合層が最外層に、カルボキシル基を含有している層が内層となる為、機械安定性や初期光沢が低下し、高度化する塗料の高意匠化への対応や塗料安定性の面では不十分であった。
近年では市場の長期耐候性への要求を満たす為、シリコーン系やフッ素系の樹脂を成分として含有する水性塗料も開発されている。特にフッ素系の樹脂の促進耐候性試験での光沢保持性は5000時間以上と非常に優れた性能を有することが知られている。しかし顔料分散性や塗装作業性、住宅での改修時におけるリコート性が不十分である。また、前記課題への対処としてアクリル成分とシリコーンやフッ素成分とハイブリッドされたものについても知られているが、シリコーンやフッ素成分の効果により光沢保持性は良好であるものの、アクリル部位の分子量低下により、初期塗膜と比較し塗膜の強度や付着性が著しく低下する為、長期耐候性という点では未だ不十分である。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、塗膜からのHALSのブリードアウトがほとんど無く、塗膜の耐候性、退色防止性、耐温水性、低温クラック性に優れており、かつ機械安定性や顔料、樹脂ビーズ、シリカ分散性に優れる水性被覆材を提供することを目的とする。
本発明の水性被覆材は、−COOH、−P(=O)OH、及び−SOHのいずれも含まないエチレン性不飽和単量体(a)40〜93質量部と、下記一般式(I)で表される、分子内にピペリジル基を持つエチレン性不飽和単量体(b)6〜50質量部と、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つアニオン性反応性乳化剤を含む反応性乳化剤(c)1〜10質量部(但し(a)、(b)、(c)の合計は100質量部)のみからなる単量体を乳化重合することで得られるエマルション粒子(A)と、
紫外線吸収剤(d)10〜50質量部と、
を含有することを特徴とする。
Figure 0004829531
式(I)中、R3は水素原子または炭素数1若しくは2のアルキル基、Xは酸素原子またはイミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、またはアルコキシル基、Zは水素原子またはシアノ基を示す。
本発明によれば、劣化防止成分の塗膜からのブリードアウトがほとんど無く、ピペリジル基に対し影響を及ぼすカルボキシル基を含有することなく、塗膜の耐候性、耐温水性、低温クラック性に優れており、機械安定性や顔料、樹脂ビーズ、シリカ分散性に優れ、かつ低温での耐クラック性も同時に向上することができる水性被覆材を提供できる。
本発明の水性被覆材は、−COOH、−P(=O)2OH、及び−SO4Hのいずれも含まないエチレン性不飽和単量体(a)40〜93質量部と、下記一般式(I)で表される、分子内にピペリジル基を持つエチレン性不飽和単量体(b)6〜50質量部と、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つアニオン性反応性乳化剤を含む反応性乳化剤(c)1〜10質量部(但し(a)、(b)、(c)の合計は100質量部)と、を含む単量体を乳化重合することで得られるエマルション粒子(A)と、紫外線吸収剤(d)10〜50質量部と、を含有する。
Figure 0004829531
式(I)中、R3は水素原子または炭素数1若しくは2のアルキル基、Xは酸素原子またはイミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、またはアルコキシル基、Zは水素原子またはシアノ基を示す。
エチレン性不飽和単量体(a)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、p−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート類;ヒドロキシポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ(ポリエチレンオキシド−プロピレンオキシド)モノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレンオキシド基含有(メタ)アクリレート類;ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有エチレン性不飽和単量体;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルクロライド塩、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等の他の(メタ)アクリレート系単量体;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、メトキシスチレン等の芳香族エチレン性不飽和単量体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系単量体;酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピオン酸ビニル等が挙げられるが、−COOH、−P(=O)2OH、及び−SO4Hのいずれも含有せずラジカル重合可能なものであればこれらに限られるものではない。単量体(a)は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。単量体(a)として、(メタ)アクリレート類を単独または2種以上組み合わせて用いることが、耐候性の点から好ましく、分子量低下を大幅に抑制する為にはメタクリレート類であることが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル」の表現は、アクリルまたはメタクリルを意味するものとする(以下同様)。なお、下記単量体(b)に分類される単量体は、単量体(a)には含まれないものとする。
チレン性不飽和単量体(a)の使用量は、各種塗料に要求される耐候性、耐水性、密着性の点から、単量体(a)と単量体(b)と反応性乳化剤(c)との合計を100質量部としたとき、40〜93質量部とすることが必要である。好ましい使用量は45〜85質量部である。
式(I)において、Yは炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜13のアルキル基またはアルコキシ基であることがより好ましい。Yは直鎖でも分岐状でも環状構造を形成していても良い。
式(I)で表されるエチレン性不飽和単量体(b)としては、主に紫外線安定化機能を有するものを使用することができ、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。単量体(b)は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。単量体(b)としてR=CHであるメタクリレートを単独または2種以上組み合わせて用いることが、耐候性の点から特に好ましい。
式(I)で表されるエチレン性不飽和単量体(b)の使用量は、塗装被膜の耐候性、顔料、樹脂ビーズ、シリカの分散性の点から、単量体(a)と単量体(b)と反応性乳化剤(c)との合計を100質量部としたとき、6〜50質量部とすることが必要である。単量体(b)を5質量部以上とすることで、顔料分散性が向上する為、樹脂ビーズを容易に分散でき、各種顔料系においても良好な発色性を発揮できる。また塗装被膜の耐候性、リコート性が向上する。また50質量部以下とすることで、重合安定性を低下させることなく塗装被膜の耐候性をさらに向上することができる。高度な顔料分散性、耐候性の点から好ましい使用量は10〜50質量部である。
分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つアニオン性反応性乳化剤としては、例えば反応部位としてアリル基を分子内に有する反応性乳化剤を用いることができる。具体的には、旭電化社製アデカリアソープSR−10、SE−10(以上商品名)、第一工業製薬社製アクアロンKH−05、KH−10、HS−10(以上商品名)等が挙げられる。アニオン性反応性乳化剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応性乳化剤(c)としては、アニオン性反応性乳化剤のみでも良いが、高い機械安定性が必要とされる用途では、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つノニオン性反応性乳化剤を併用することが好ましい。ノニオン性反応性乳化剤としては、旭電化社製アデカリアソープNE−10、ER−10、NE−20、ER−20、NE−30、ER−30、NE−40、ER−40(以上商品名)、第一工業製薬社製アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50(以上商品名)等が挙げられる。アニオン性反応性乳化剤:ノニオン系反応性乳化剤が8:2〜2:8(質量比)であることが特に好ましい。
反応性乳化剤(c)の使用量は、重合安定性、機械的安定性及び水性被覆材の耐水性、耐温水性、耐候性の点から、単量体(a)と単量体(b)と反応性乳化剤(c)との合計を100質量部としたとき、1〜10質量部とすることが必要である。反応性乳化剤(c)を1質量部以上とすることで、重合安定性と機械的安定性が向上する。また10質量部以下とすることで、水性被覆材の耐水性を低下させることなく塗装被膜の耐候性をさらに向上することができる。より好ましい使用量は1〜8質量部である。
本発明の水性被覆材を構成するエマルション粒子(A)を合成する際に用いる単量体としては、上記の単量体(a)と単量体(b)と反応性乳化剤(c)とのみでも良いが、他のラジカル重合可能な不飽和二重結合持つ単量体を併用することもできる。
エマルション粒子(A)を形成する乳化重合体の分子量を調整する場合には、分子量調整剤として、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化合物;α−メチルスチレンダイマー等の公知の連鎖移動剤を用いることで、その調整が可能である。耐候性を低下させない為に、連鎖移動剤の使用量は単量体全体に対して1質量%以下であることが好ましい。
また粒子径の制御や特に高いレベルでの機械的安定性が求められる場合には、反応性乳化剤(c)以外に、非反応性界面活性剤を併用することも可能である。界面活性剤としては、従来より知られる各種のアニオン性、またはノニオン性の界面活性剤、さらには高分子乳化剤が挙げられる。その場合、耐水性の点から単量体全体に対して5質量%以下であることが好ましい。非反応性界面活性剤を5質量%以下とすることによって、耐水性を損なうことなくエマルション粒子(A)の機械的安定性、経時的安定性を更に向上することができる。
乳化重合を行うための重合開始剤は、一般にラジカル重合に使用されるものが使用可能であり、その具体例としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の油溶性アゾ化合物類;2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシエチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]およびその塩類、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}およびその塩類、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)およびその塩類2,2’−アゾビス(2−メチルプロピンアミジン)およびその塩類、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]およびその塩類等の水溶性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物類;などが挙げられる。重合開始剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、重合速度の促進、70℃以下での低温の重合が望まれるときには、例えば、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、アスコルビン酸塩等の還元剤をラジカル重合触媒と組み合わせて用いると有利である。
重合開始剤の使用量は、単量体全体に対して0.01〜10質量%の範囲とすることが好ましいが、重合の進行や反応の制御を考慮に入れると、0.05〜5質量%の範囲とすることがより好ましい。
本発明の水性被覆材を構成するエマルション粒子(A)は、例えば水媒体中で、単量体(a)、単量体(b)、及び乳化剤(c)を用い、ラジカル性重合開始剤を用いて乳化重合することで作製することができる。また、後述する紫外線吸収剤(d)とプレエマルション化したものを用いて乳化重合することもできる。なおエマルション粒子(A)は単層構造であっても多層構造であってもよいが、多層構造の場合、生産効率の観点から3層構造以下であることが好ましい。
本発明において、エマルション粒子(A)のガラス転移温度(以下Tgとする)については特に限定されないが、塗膜の可とう性の面から好ましくは100℃以下であり、特に好ましくは造膜性の点から70℃以下である。また汚染性の面から好ましくは−30℃以上である。
なお、上記Tgとしては、Foxの計算式により求められる計算ガラス転移温度を使用する。Foxの式とは、以下に示すような、共重合体のガラス転移温度(℃)と、共重合モノマーのそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度(℃)との関係式である
1/(273+Tg)=Σ(Wi/(273+Tgi))
[式中、Wiはモノマーiの質量分率、TgiはモノマーiのホモポリマーのTg(℃)を示す。]
ホモポリマーのTgとしては、具体的には、「Polymer Handbook 3rd Edition」(A WILEY−INTERSCIENCE PUBLICATION、1989年)に記載された値を使用することができる。
重量平均粒子径が30nm〜200nmであることが好ましい。30nm未満では、重合中に凝集物が生じやすく、また凝集物を生じさせない為には多量の乳化剤を必要とし塗膜の耐水性を低下させる場合がある。また200nmより大きいと粒子融着が困難となりやすく、耐水性が悪化する場合がある。高度な耐水性、耐候性を発揮させる為には、重量平均粒子径が50nm〜150nmであることが特に好ましい。
本発明の水性被覆材には、上記のエマルション粒子(A)以外に、紫外線吸収剤(d)を含有する。紫外線吸収剤(d)としては、例えば、2,2−ジヒドロキシ−4,4−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系;2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、α−[3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]−1−オキソプロピル]−ω−ヒドロキシポリ(オキソ−1,2−エタンジイル等のベンゾトリアゾール系;2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチロキシフェニル)−s−トリアジン等のヒドロキシフェニルトリアジン系;などが挙げられる。紫外線吸収剤(d)は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の水性被覆材における紫外線吸収剤(d)の含有量は、塗装被膜の耐候性、下地の退色防止、樹脂ビーズ、シリカの分散性の点から、エマルション粒子(A)を形成する単量体(a)と単量体(b)と反応性乳化剤(c)との合計を100質量部としたとき、10〜50質量部である必要がある。紫外線吸収剤(d)の含有量が10質量部以上とすることで、顔料、樹脂ビーズ、シリカの分散性を向上でき、各種顔料による着色時の凝集等を回避することができ、長期にわたって塗装被膜の耐候性、下地の退色防止能が向上し、低温時の耐クラック性を向上することができる。また50質量部以下とすることで、重合安定性を低下させることなく塗装被膜の耐候性、退色防止能をさらに向上することができる。
紫外線吸収剤(d)は、乳化重合時にプレ乳化して添加しても良く、乳化重合後添加してもかまわない。皮膜への均一分散の点からは重合時にプレ乳化して添加するほうが好ましい。
乳化重合法により得たエマルションは、重合後、塩基性化合物の添加により系のpHを弱アルカリ性、すなわちpH7.5〜10.0程度の範囲に調整することで系の安定性を高めることができる。この塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。VOCを含まないことが望まれる内装用途などの場合は、無機系塩基化合物を用いることが好ましい。さらに僅かな臭気もないことが望まれる場合は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の不揮発性無機系塩基化合物を用いることが好ましい。
本発明の水性被覆材は、上記の得られたエマルションのままで使用することもできるが、通常、固形分20〜80質量%の範囲に適宜調整して使用される。また、コーティング材料として高度な性能を発現させるために、各種顔料、消泡剤、顔料分散剤、レベリング剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱性向上剤、スリップ剤、防腐剤を含んでもよい。さらに、他のエマルション樹脂、水溶性樹脂、粘性制御剤、メラミン類等の硬化剤と混合して使用してもよい。
本発明の水性被覆材を用いて各種材料の表面に塗膜を形成する為には、例えば、噴霧コート法、ローラーコート法、バーコート法、エアナイフコート法、刷毛塗り法、ディッピング法等の各種の塗装法を適宜選択して実施すればよい。また、本発明の水性被覆材は、単独または必要量の造膜助剤を添加することで、室温乾燥において十分に造膜した塗膜を得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」は質量基準である。塗料としての試験については、下記配合組成で塗料を調製し、下記方法に従って試験を実施した。
<つや消しクリアー塗料の作製>
水性被覆材100gに対し、CS−12(商品名、チッソ(株)製、造膜助剤)を最低造膜温度が5℃となるまで加え、SPシールH(商品名、(株)カレイド製、シリカ系つや消し剤)10g、RHEOLATE350(商品名、RHEOX(株)製、増粘剤)を0.5g、サーフィノールDF−58(商品名、エア・プロダクツ(株)製、消泡剤)0.5gを加え、十分に攪拌し100メッシュナイロン紗を用いてろ過を行い、評価用つや消しクリアー塗料を得た。
<白エナメル塗料の作製>
タイペークCR−97(商品名、石原産業(株)製、塩素法酸化チタン)707g、アデカコールW−193(商品名、旭電化工業(株)製、顔料分散剤)12g、サーフィノールDF−58(商品名、エア・プロダクツ(株)製、消泡剤)25g、脱イオン水256gを十分に混合し、ガラスビーズを加えて高速分散機で30分間顔料分散を行い、次いでガラスビーズ等を300メッシュナイロン紗で濾別し、評価用ミルベースを得た(固形分71質量%)。
次に、水性被覆材100g(固形分50質量%基準)に対し、CS−12(商品名、チッソ(株)製、造膜助剤)を最低造膜温度が5℃となるまで加え、上記の評価用ミルベースを47g、RHEOLATE350(商品名、RHEOX(株)製、増粘剤)を0.5g、順に加え、十分に攪拌し、フォードカップ#4で30秒程度になるように脱イオン水を加えて調整した。その後、再度300メッシュナイロン紗を用いてろ過を行い、PWC=40%の評価用白エナメル塗料を得た。
<試験方法>
(1)耐候性試験
リン酸亜鉛処理鋼鈑(ボンデライト#100処理鋼鈑、板厚0.8mm、70mm×150mm)に評価用白エナメル塗料を乾燥膜厚が50μmになるようにスプレー塗装し、その後室温で1時間放置し、80℃で1時間強制乾燥したものを、耐候性評価用の塗板とした。この塗板を70mm×50mmの大きさに切り取り、ダイプラ・メタルウエザーKU−R4−W型(商品名、ダイプラ・ウィンテス(株)製)にこの試験板を入れ、試験サイクル:照射4時間/結露4時間、UV強度:85mW/cm2、ブラックパネル温度:照射時63℃/結露時30℃、湿度:照射時50%RH/結露時96%RHの条件で、3000時間経過後の60゜グロスの保持率を耐候性の指標とし、以下の基準で判定した。
なお、60゜グロスは日本電色工業(株)製偏光光沢計VG−2000型(商品名)を用いて測定した。
「◎」 :90%以上。
「○」 :75%以上、90%未満。
「○△」 :60%以上、75%未満。
「△」 :40%以上、60%未満。
「×」 :40%未満。
(2)下地退色防止能試験
リン酸亜鉛処理鋼鈑(ボンデライト#100処理鋼鈑、板厚0.8mm、70mm×150mm)に着色下地として、(株)アサヒペン製無臭水性ビッグ10ツヤあり屋外用青色塗料を乾燥膜厚が50μmになるようにスプレー塗装し、その後室温で1時間放置し、80℃で1時間強制乾燥した。続いてつや消しクリアー塗料を乾燥膜厚が30μmになるようにスプレー塗装し、その後室温で1時間放置し、80℃で1時間強制乾燥し、下地退色防止能試験用の塗板とした。この塗板を70mm×50mmの大きさに切り取り、ダイプラ・メタルウエザーKU−R4−W型(商品名、ダイプラ・ウィンテス(株)製)にこの試験板を入れ、試験サイクル:照射4時間/結露4時間、UV強度:85mW/cm2、ブラックパネル温度:照射時63℃/結露時30℃、湿度:照射時50%RH/結露時96%RHの条件で、3000時間経過後のΔEを退色防止能の指標とし、以下の基準で判定した。
なお、ΔEは日本電色工業(株)製スペクトロカラーメーターSE−2000(商品名)を用いて測定した。
「◎」 :1未満。
「○」 :1以上3未満。
「△」 :3以上5未満。
「×」 :5以上。
(3)顔料分散性
リン酸亜鉛処理鋼鈑(ボンデライト#100処理鋼鈑、板厚0.8mm、70mm×150mm)に評価用白エナメル塗料を乾燥膜厚が50μmになるようにスプレー塗装し、その後室温で1時間放置し、80℃で1時間強制乾燥したものを、顔料分散性評価用の塗板とした。この試験板の60゜グロスの値を顔料分散性の指標とし、以下の基準で判定した。
なお、60゜グロスは日本電色工業(株)製偏光光沢計VG−2000型(商品名)を用いて測定した。
「◎」 :85以上。
「○」 :80以上、85未満。
「△」 :70以上、80未満。
「×」 :70未満。
(4)シリカ分散性試験
リン酸亜鉛処理鋼鈑(ボンデライト#100処理鋼鈑、板厚0.8mm、70mm×150mm)に評価用クリアー塗料を乾燥膜厚が30μmになるようにスプレー塗装し、その後室温で1時間放置し、80℃で1時間強制乾燥したものを、シリカ分散性評価用の塗板とした。この試験板の20゜グロスの値の指標とし、以下の基準で判定した。
なお、20゜グロスは日本電色工業(株)製偏光光沢計VG−2000型(商品名)を用いて測定した。
「○」 :2未満。
「△」 :2以上、5未満。
「×」 :5以上。
(5)耐温水性試験
ガラス板上に8MILアプリケーターを用いてクリアー塗料を塗布し、その後室温にて1時間乾燥させた後、80℃で1時間強制乾燥したものを、耐温水性評価用の塗板とした。評価塗板を50℃の水に1週間浸漬させた。取り出し直後の塗膜白化および膨れ、ブリスターの発生を確認し、以下の基準で判定した。
「◎」 :全く変化が見られない。
「○」 :わずかに青白化するが膨れ・剥がれは見られない。
「△」 :白化は見られるが膨れ・剥がれは見られない。
「×」 :著しい白化または膨れ・剥がれが見られる。
(6)低温クラック試験
スレート版(ボンデライト#100処理鋼鈑、板厚3mm、70mm×150mm)に評価用白エナメル塗料を乾燥膜厚が100μmになるように刷毛で塗装し、その後室温で1時間放置し、80℃で1時間強制乾燥したものを、低温クラック試験用の塗板とした。この試験板を18時間25℃±3℃の水道水に浸漬し、引き出し直後に−20℃±3℃の低温層の中で3時間冷却し、取り出してすぐに50℃の高温槽内で加熱した。以上の作業を1サイクルとし20サイクル行い、以下の基準で判定した。
「○」 :異常なし。
「△」 :20サイクル終了時に、厚膜部に若干クラックあり。
「×」 :20サイクル終了時に、前面にクラックあり。
(7)機械的安定性試験
実施例1〜8、比較例1〜5のエマルションについて、各100gをマローン試験機にて15Kgのシェアをかけて10分間試験を行い、100メッシュのナイロン紗によってろ過し、その残渣の量を測定し、以下の基準で評価をした。
「◎」 :残渣の量が0.01g未満であるかほとんど見られない。
「○」 :残渣の量が0.01g以上0.1g未満である。
「△」 :残渣の量が0.1以上0.5g未満である。
「×」 :残渣の量が0.5g以上である、または試験中にゲル化する。
(8)貯蔵安定性
実施例1〜8、比較例1〜5のエマルションについて、各200gをマヨネーズビンに入れ50℃の恒温水槽に1週間入れた。その後取り出し、凝固物の有無と粘度を確認し、以下の基準で評価をした。
「○」 :凝固物は無く、粘度の変化率は±20%未満である。
「○△」 :凝固物は無く、粘度の変化率は±20%以上±30%未満である。
「△」 :凝固物は無く、粘度の変化率は±30%以上である。
「×」 :凝固物が見られる。
(9)重合安定性
実施例1〜8、比較例1〜5において重合時のカレットについて、100メッシュのナイロン紗で濾過捕集し、50℃の乾燥炉で24時間乾燥させその重量を測定し、以下の基準で評価した。
「◎」 :ドライ状態のカレット量が100ppm未満である。
「○」 :ドライ状態のカレット量が100ppm以上1000ppm未満である。
「△」 :ドライ状態のカレット量は1000ppm以上であるが、重合は可能。
「×」 :不安定な為、重合が不可能。
<実施例>
(実施例1)
攪拌機、還流冷却管、温度制御装置、滴下ポンプおよび窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水45部、表1に示す割合で配合された乳化物Aのプレエマルション化物の5質量%を反応容器内に仕込み、反応容器内部を窒素で置換しながら75℃まで昇温した後、過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.1部を1部の水に溶解した開始剤溶液を加えシード粒子を形成した。溶液の温度を温度計にて計測し、発熱ピークを確認した後、過硫酸アンモニウム(重合開始剤)0.2部を3部の水に溶解した開始剤溶液と乳化物Aの残りを内温75℃で4時間かけて滴下し、さらに内温75℃のまま2時間熟成することで乳化物Aの単量体の重合を行い、エマルション粒子(A)を形成した。
その後冷却を行い、60℃以下の温度で0.2部の28質量%アンモニア水溶液により中和を行い、水性被覆材を得た。
(実施例2〜8)
実施例1と同様な方法で、表1に示す割合で配合された乳化物Aを用いた水性被覆材を調製した。
(比較例1〜5)
実施例1と同様な方法で、表1に示す割合で配合された乳化物Aを用いた水性被覆材を調製した。比較例3では、重合滴下開始10分にて凝固物を生じ攪拌が困難となった為、重合を中止した。
実施例1〜8、比較例1〜5において、エマルション粒子(A)の計算Tg、最低造膜温度(膜にクラックを生じることなく造膜可能な温度)、得られた水性被覆材の固形分(NV)、粘度、pH、エマルション粒子(A)の重量平均粒子径についての結果を表1に示す。固形分は、水性被覆材を105℃にて2時間乾燥させ、乾燥前後の重量より求めた値を用いた。粘度は、水性被覆材の温度を25℃にし、東機産業(株)社製R−100型粘度計(商品名)にて測定した値を用いた。重量平均粒子径は、濃度1%に調整した試料を大塚電子(株)製濃厚系アナライザーFPAR−1000(商品名)を用い、25℃にて測定して得られた値を用いた。
また、実施例1〜8、比較例1〜5で得られた水性被覆材にて、重合安定性評価、機械安定性試験、貯蔵安定性試験を行い、また水性被覆材を用いて作製した白エナメル塗料を用いて耐候性試験、顔料分散性試験、低温クラック性を、クリアー塗料を用いて退色防止性、シリカ分散性、耐温水試験を行った。その結果を下記表2に示す。
Figure 0004829531
MMA:メチルメタクリレート
t−BMA:ターシャリーブチルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
n−BMA:ノルマルブチルメタクリレート
n−BA:ノルマルブチルアクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
AA:アクリル酸
4−MO−TMP:4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
4−MO−PMP:4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン
4−MA−TMP:4−メタクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
アデカリアソープSR−10:反応型アニオン性界面活性剤(商品名、旭電化(株)製)
アクアロンHS−10:反応型アニオン性界面活性剤(商品名、第一工業製薬(株)製)
アデカリアソープNE−20:反応型ノニオン性界面活性剤(商品名、旭電化(株)製)
アデカリアソープER−30:反応型ノニオン性界面活性剤(商品名、旭電化(株)製)
アデカリアソープER−40:反応型ノニオン性界面活性剤(商品名、旭電化(株)製)
Tinuvin1130:紫外線吸収剤(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
Tinuvin400:紫外線吸収剤(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
リボノックスNC−300:非反応型ノニオン性界面活性剤(商品名、ライオン(株)製)
ラテムルE−118B:非反応型アニオン性界面活性剤(商品名、花王(株)製)
Figure 0004829531
表2から明らかなように、本発明の水性被覆材は、耐候性、耐温水性、退色防止性、低温クラック性に優れると共に顔料分散性、シリカ分散性、機械安定性、貯蔵安定性、重合安定性に優れている。これに対して、比較例のように、特定の組成範囲に入っていないものは、重合安定性が劣っていたり、重合可能であったとしても耐候性、耐温水性等の性能が不足している。以上の説明から明らかなように、本発明によれば、重合安定性が良く、塗装皮膜からのブリードアウトが無い、すぐれた耐候性を有する水性被覆材を提供することが可能である。
本発明の水性被覆材は、セメントモルタル、スレート板、石膏ボード、押し出し成形板、発泡性コンクリート、金属、ガラス、磁器タイル、アスファルト、木材、防水ゴム材、プラスチック、珪酸カルシウム基材等の各種素材の表面仕上げに使用することができ、工業上極めて有益なものである。

Claims (1)

  1. −COOH、−P(=O)OH、及び−SOHのいずれも含まないエチレン性不飽和単量体(a)40〜93質量部と、下記一般式(I)で表される、分子内にピペリジル基を持つエチレン性不飽和単量体(b)6〜50質量部と、分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つアニオン性反応性乳化剤を含む反応性乳化剤(c)1〜10質量部(但し(a)、(b)、(c)の合計は100質量部)のみからなる単量体を乳化重合することで得られるエマルション粒子(A)と、
    紫外線吸収剤(d)10〜50質量部と、
    を含有することを特徴とする水性被覆材。
    Figure 0004829531

    式(I)中、Rは水素原子または炭素数1若しくは2のアルキル基、Xは酸素原子またはイミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、またはアルコキシル基、Zは水素原子またはシアノ基を示す。
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