JP2005281339A - 樹脂粒子分散体、その製造方法、およびその用途 - Google Patents

樹脂粒子分散体、その製造方法、およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 固形分濃度が高く、濾過および乾燥を施すことなく懸濁重合で得られた分散体の形態のまま樹脂粒子含有組成物に用いることができる樹脂粒子分散体と、該分散体を重合安定性を損なうことなく安全に得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】 樹脂粒子分散体は、水を媒体として単量体成分を懸濁重合させることにより得られる平均粒子径3〜100μmの樹脂粒子の分散体であって、固形分濃度が40〜60質量%である。樹脂粒子分散体の製造方法は、前記懸濁重合を行うにあたり、前記単量体成分の一部を反応性乳化剤の存在下で懸濁重合させる初期重合工程と、初期重合工程における反応率が80%以上になった時点で引き続き前記単量体成分の残部を添加して懸濁重合を行う本重合工程とを経ることによって固形分濃度が40〜60質量%の分散体を得るものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高固形分濃度の樹脂粒子分散体と、該分散体の製造方法と、該分散体を用いた樹脂粒子含有組成物とに関する。詳しくは、本発明は、懸濁重合により高固形分濃度の樹脂粒子分散体を得、これを濾過および乾燥を要することなくそのまま樹脂粒子含有組成物に用いることを可能にするものである。
従来から、例えば(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を懸濁重合させることにより得られるアクリル系樹脂粒子のような樹脂粒子は、例えば、塗料、コーティング剤、光学部品材料、電子材料等の各種用途における艶消し剤や光拡散剤等として汎用されている。
これまで、アクリル系樹脂粒子のような樹脂粒子は、通常、水を媒体とした懸濁重合により水性分散体の形で樹脂粒子を得たのちに濾過および乾燥を施し、粉末状の乾燥粒子の形態で前述した用途の樹脂粒子含有組成物に用いられていた。しかし、用途によっては、粉末状の乾燥粒子として供給された樹脂粒子は再度水性媒体に分散して使用されることになるので、懸濁重合後に行う濾過および乾燥の工程を省き分散体の形態で樹脂粒子を用いることができれば、大幅な低コスト化を図ることができると考えられる。なお、近年、懸濁重合後に濾過工程のみを施し、乾燥工程を省いて濾過後の湿体の形態のままで樹脂粒子含有組成物に用いることにより、低コスト化を図る試みもなされているが、湿体の形態で得られた樹脂粒子は、ハードケーキ化しやすいため水性媒体に再分散して使用する際に上手く分散させることができないという欠点があった。そのため、やはり濾過および乾燥の両方を省き、懸濁重合で得られた分散体の形態のまま樹脂粒子含有組成物に用いることが最も望ましいと考えられている。
ところが、従来知られている樹脂粒子分散体の製造方法においては、単量体成分を水を媒体として懸濁重合させるにあたり、20〜25質量%のモノマー濃度で単量体成分を一括して仕込み重合反応させており、得られる分散体は通常、固形分濃度が20〜25質量%程度のものであった(例えば、特許文献1参照)。これは、該重合反応においては単位時間あたりの発熱量が大きいため、約25質量%を超える高いモノマー濃度で重合を行うと、安全面での問題や、発熱に伴い重合安定性が悪化して粒子の融着による凝集物が生じやすくなるといった問題が起こるからである。このように固形分濃度が20〜25質量%程度と低い分散体をそのままの状態で前述した各種用途の樹脂粒子含有組成物に用いると、例えば塗料等としたときに最終固形分濃度が極端に低くなってしまうという問題を生じることになる。したがって、従来の樹脂粒子分散体の製造方法では、得られた分散体をそのままの形態で前述した各種用途の樹脂粒子含有組成物に用いることはできなかった。
特許第3467399号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、固形分濃度が高く、濾過および乾燥を施すことなく懸濁重合で得られた分散体の形態のまま樹脂粒子含有組成物に用いることができる樹脂粒子分散体と、前記高固形分濃度の分散体を重合安定性を損なうことなく安全に得ることができる樹脂粒子分散体の製造方法と、前記分散体を用いた樹脂粒子含有組成物とを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、水を媒体として単量体成分を懸濁重合させるにあたり、重合を、単量体成分の一部を懸濁重合させる初期重合工程と、該初期重合工程における反応率が80%以上になった時点で引き続き単量体成分の残部を添加して懸濁重合を行う本重合工程とに分けて行うことにより、重合安定性を損なうことなく安全に高固形分濃度の分散体を得ることができることを見出し、それを確認した。
ところで、水を媒体として単量体成分を懸濁重合させる際には、通常、分散剤を使用する必要があり、懸濁重合で得られる分散体中にも分散剤が含有することになる。従来のように懸濁重合ののちに濾過や乾燥を施して得た樹脂粒子を樹脂粒子含有組成物に用いる場合には、濾過や乾燥の工程で分散剤を除くことができるが、濾過および乾燥の工程を省き分散体の形態で樹脂粒子を樹脂粒子含有組成物に用いるようにすると、分散体中に残存する分散剤が前述した各種用途に用いた際に耐水性等を低下させる原因となることがある。したがって、懸濁重合で得られた樹脂粒子の分散体を濾過および乾燥の工程を経ることなくそのまま樹脂粒子含有組成物に用いる場合、できるだけ少ない量の分散剤で懸濁重合を行うようにすることが望ましいと考えられるが、一般に、分散剤の量を低減すると、重合安定性が低下する傾向があり、粒子の融着による凝集物が生じやすくなるといった問題が生じやすくなる。
前述のように懸濁重合を初期重合工程と本重合工程とに分けて行う場合には、特に、より多くの分散剤を要することになるため、本発明者は、懸濁重合で得られた分散体を濾過および乾燥の工程を経ることなくそのまま樹脂粒子含有組成物に用いるためには、前述の方法において分散剤の使用量を低減することが重要になると考え、重合安定性を低下させずに分散剤の使用量低減を図るべく、さらに検討を行った。その結果、前記初期重合工程において用いる分散剤として反応性乳化剤を用いることにより、分散剤を低減しても重合安定性を損なうことなく懸濁重合を行うことができることを見出し、それを確認した。
本発明は、以上の知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明にかかる樹脂粒子分散体は、水を媒体として単量体成分を懸濁重合させることにより得られる平均粒子径3〜100μmの樹脂粒子の分散体であって、固形分濃度が40〜60質量%である、ことを特徴とする。
本発明にかかる樹脂粒子分散体の製造方法は、水を媒体として単量体成分を懸濁重合させることにより樹脂粒子分散体を得る方法において、下記2つの工程を経ることによって固形分濃度が40〜60質量%の分散体を得る、ことを特徴とする。
(1)前記単量体成分の一部を反応性乳化剤の存在下で懸濁重合させる初期重合工程。
(2)初期重合工程における反応率が80%以上になった時点で引き続き前記単量体成分の残部を添加して懸濁重合を行う本重合工程。
本発明にかかる樹脂粒子含有組成物は、樹脂粒子とベースポリマーとを含む樹脂粒子含有組成物であって、前記樹脂粒子を、前記本発明の樹脂粒子分散体の形で含有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、固形分濃度が高く、濾過および乾燥を施すことなく懸濁重合で得られた分散体の形態のまま樹脂粒子含有組成物に用いることができる樹脂粒子分散体と、前記高固形分濃度の分散体を重合安定性を損なうことなく安全に得ることができる樹脂粒子分散体の製造方法と、前記分散体を用いた樹脂粒子含有組成物とを提供することができる。その結果、樹脂粒子を用いる各種用途において該樹脂粒子にかかるコストの大幅な低減を図ることが可能になるとともに、樹脂粒子分散体を得る際の生産性の向上を図ることもできる。
以下、本発明にかかる樹脂粒子分散体、樹脂粒子分散体の製造方法、および樹脂粒子含有組成物について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔樹脂粒子分散体〕
本発明の樹脂粒子分散体は、固形分濃度が40〜60質量%であることが重要である。好ましくは、固形分濃度が45〜55質量%であるのがよい。固形分濃度が40質量%未満であると、例えば塗料等の樹脂粒子含有組成物に用いた際に最終固形分濃度が極端に低くなってしまうため、分散体の形態のまま樹脂粒子含有組成物に用いることができない。一方、固形分濃度が60%を超えると、ペーストに近い状態となるため、ベースポリマー等と混合して樹脂粒子含有組成物とする際に非常に高いシェアを要することになり、作業性や生産効率が悪化することになる。
本発明の樹脂粒子分散体は、水を媒体として単量体成分を懸濁重合させることにより得られる分散体である。
まず、前記単量体成分について説明する。
前記単量体成分は、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須とするものであることが、塗料等の樹脂粒子含有組成物として用いる際に優れた耐候性や耐水性を発揮しうる点から好ましい。前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、具体的には、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸とC1〜C18(脂肪族、脂環族、芳香族を含む)のアルコールとのエステルである(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールとのモノエステル等のヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート(市販品では、例えば、共栄社化学社製「ライトエステルIB−X」など)、イソボルニルアクリレート(市販品では、例えば、日立化成工業社製「FA−544A」、共栄社化学社製「ライトアクリレートIB−XA」など)、ジシクロペンタニルメタクリレート(市販品では、例えば、日立化成工業社製「FA−513M」など)、ジシクロペンタニルアクリレート(市販品では、例えば、日立化成工業社製「FA−513A」など)、4−メチロールシクロヘキシルメチルアクリレート(市販品では、例えば、日立化成工業社製「CHDMMA」など)、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基(好ましくは、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘブチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基など)を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸t−ブチル等のt−ブチル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
等が挙げられる。これらの中でも、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類、t−ブチル基を有する(メタ)アクリル酸類が好ましく、より好ましくはシクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸類がよい。特に、シクロアルキル基を有する(メタ)アクリル酸類の中でも、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−メチルシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが耐候性や耐水性の点で最も好ましい。なお、(メタ)アクリル酸エステル系単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分に占める(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは5〜99質量%、より好ましくは30〜90質量%であるのがよい。
前記単量体成分は、さらに、多官能架橋性単量体を含有することが好ましい。多官能架橋性単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル;ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物;(メタ)アクリル酸アリル等の(メタ)アクリル酸とアリルエステル類;等が挙げられる。なお、多官能架橋性単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分に占める多官能架橋性単量体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%であるのがよい。
前記単量体成分は、さらに、紫外線安定基(すなわち、紫外線安定化作用を有する基)および/または紫外線吸収基を有する不飽和単量体を含有することが好ましい。紫外線安定基および/または紫外線吸収基を有する不飽和単量体を含有することにより、耐候性を向上させることができる。紫外線安定基および/または紫外線吸収基を有する不飽和単量体としては、具体的には、例えば、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2,2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとグリシジル(メタ)アクリレートとを反応させて得られる2−ヒドロキシ−4−〔3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−〔3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系単量体や、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ─5’−(メタクリロイルオキシプロピル〕フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシヘキシル〕フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ─3’−t−ブチル−5’−(メタクリロイルオキシエチル〕フェニル〕−2−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチル−3’−(メタクリロイルオキシエチル〕フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−メトキシ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−シアノ−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕−5−t−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系単量体等の紫外線吸収能を有する単量体;
4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトイル−4−クロトイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のピペリジン系重合性単量体等の紫外線安定化能を有する単量体;
等が挙げられる。なお、紫外線安定基および/または紫外線吸収基を有する不飽和単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分に占める紫外線安定基および/または紫外線吸収基を有する不飽和単量体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%であるのがよい。
前記単量体成分は、さらに、必要に応じて、上記の単量体と共重合可能なその他の重合性単量体を含有していてもよい。その他の重合性単量体としては、特に制限はないが、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、イタコン酸の不飽和多価カルボン酸類;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノエチル等のエチレン性不飽和多価モノカルボン酸の部分エステル化合物等のカルボキシル基を有する重合性単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−メチルグリシジル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を有する重合性単量体;メタアクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸2−アジリジニルエチル等のアジリジニル基を有する重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン等のオキサゾリン基を有する重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド誘導体類;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン等の塩基性重合性単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−プトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の架橋性(メタ)アクリルアミド類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルメチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基を有する重合性単量体;(メタ)アクリル酸2−スルホン酸エチルおよびその塩、ビニルスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有する重合性単量体;ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン等の有機珪素基を有する不飽和単量体:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化単量体類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;エチレン、プロピレン、プテン類のオレフィン類;等が挙げられる。なお、その他の重合性単量体は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記単量体成分に占めるその他の重合性単量体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0〜70質量%、より好ましくは0〜30質量%であるのがよい。
本発明の樹脂粒子分散体においては、〔本発明の樹脂粒子分散体の製造方法〕の項で後述するように、前記単量体成分の懸濁重合が反応性乳化剤の存在下で行われるものであることが、少ない使用量で重合安定性を損なうことなく重合することができる点で、好ましい。このように懸濁重合において反応性乳化剤を用いた場合、本発明の樹脂粒子分散体には、反応性乳化剤が含有されることとなるが、分散体中の反応性乳化剤の含有量は3.0質量%以下であることが好ましい。分散体中の反応性乳化剤の含有量が3.0質量%を超えると、例えば、塗料等の樹脂粒子含有組成物に用いた際に耐水性等を低下させる恐れがある。ここで言う分散体中の反応性乳化剤の含有量は、下記式
(〔反応性乳化剤の使用量〕/〔懸濁重合に用いた全原料の合計量〕)×100
で求められるものであり、懸濁重合時に用いた各原料の仕込み量から算出することができる。なお、分散体中の反応性乳化剤の含有量を前記範囲にするには、懸濁重合で用いる反応性乳化剤の使用量を後述の範囲とすればよい。
本発明の樹脂粒子分散体は、本発明の樹脂粒子分散体の製造方法によって容易に得ることができるものであり、前記単量体成分を水を媒体として懸濁重合させる方法については、後述する〔本発明の樹脂粒子分散体の製造方法〕の項で詳しく説明する。ただし、本発明の樹脂粒子分散体は、本発明の樹脂粒子分散体の製造方法によって得られたものに限定されるわけではなく、例えば、後述する反応性乳化剤ではなく非反応性乳化剤を用いて前記単量体成分を懸濁重合することにより得られたものであってもよい。なお、非反応性乳化剤を用いる場合、良好な重合安定性を維持するためには、後述する反応性乳化剤の使用量よりも若干多く用いることが好ましいのであるが、その使用量が多すぎると、例えば、塗料等の樹脂粒子含有組成物に用いた際に耐水性等を低下させる恐れがあるため、具体的には、非反応性乳化剤の使用量は、前記単量体成分(初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計)の使用量に対し0.05〜10質量%とすることが望ましい。
前記非反応性乳化剤としては、特に制限はなく、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤等を用いることができる。
前記アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、アルカリ金属アルキルサルフェート(例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カルシウムドデシルサルフェートなど)、アンモニウムアルキルサルフェート(例えば、アンモニウムドデシルサルフェートなど)、ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート、ナトリウムスルホリシノエート、アルキルスルホネート(例えば、スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩など)、脂肪酸塩(例えば、ナトリウムラウリレート、トリエタノールアミンオレエート、トリエタノールアミンアビエテートなど)、アルキルアリールスルホネート(例えば、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェートなど)、高アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(市販品では、例えば、第一工業製薬(株)製「ハイテノールN−08」)など)等が挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド(例えば、グリセロールのモノラウレートなど)、ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体、エチレンオキサイドと脂肪族のアミン、アミドまたは酸との縮合生成物等が挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルピリジニルクロライド、アルキルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
前記両性界面活性剤の具体例としては、例えば、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
前記高分子界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)アクリル酸アンモニウム、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、これらの重合体の構成単位である重合性モノマーの2種以上の共重合体や他のモノマーとの共重合体、クラウンエーテル類のような相関移動触媒等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子分散体は、平均粒子径3〜100μmの樹脂粒子の分散体である。好ましくは5〜80μmであり、より好ましくは10〜50μmであるのがよい。樹脂粒子の平均粒子径が3μm未満であると、例えば、艶消し剤として用いた場合の艶消し効果や光拡散剤として用いた場合の光拡散効果が不充分となり、一方、100μmを超えると、分散体の貯蔵安定性が低下することとなる。
本発明の樹脂粒子分散体において、前記樹脂粒子は、コアシェル構造の樹脂粒子であることが好ましい。分散体中に含まれる樹脂粒子をコアシェル構造とするには、後述する初期重合工程と本重合工程において、初期重合工程で用いる単量体成分の一部と、本重合工程で用いる単量体成分の残部とが、異なる組成を有するようにすればよい。このようにしてコアシェル構造の樹脂粒子とすることにより、初期重合工程で用いる単量体成分の一部によって形成されるコア部分と、本重合工程で用いる単量体成分の残部によって形成されるシェル部分とにそれぞれ異なる物性を付与することができ、これら各部分の物性とその割合とを調整することで、用途に応じて所望の特性を発現する樹脂粒子を設計することが可能となる。例えば、コア部分のガラス転移温度を高く、シェル部分のガラス転移温度を低く設計し、両者の比率をコア部分よりもシェル部分の方が質量比で多くなるようにすることで、良好な耐凍害性を発現させることができる。
〔樹脂粒子分散体の製造方法〕
本発明の樹脂粒子分散体の製造方法(以下「本発明の製造方法」と称することもある)は、水を媒体として単量体成分を懸濁重合させることにより樹脂粒子分散体を得る方法であって、下記2つの工程を経ることによって固形分濃度が40〜60質量%の分散体を得る方法である。
(1)前記単量体成分の一部を反応性乳化剤の存在下で懸濁重合させる初期重合工程。
(2)初期重合工程における反応率が80%以上になった時点で引き続き前記単量体成分の残部を添加して懸濁重合を行う本重合工程。
本発明の製造方法においては、このように、懸濁重合を前記初期重合工程と前記本重合工程とに分けて複数段で行うことにより、重合安定性を損なうことなく安全に高固形分濃度の分散体を得ることができるのである。
前記初期重合工程においては、前記単量体成分の一部、すなわち〔樹脂粒子分散体〕の項で前述した単量体成分(これは、初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計である)のうちの一部を用いる。具体的には、前記単量体成分(初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計)の30〜70質量%を用いることが好ましい。
前記初期重合工程においては、反応性乳化剤の存在下で重合を行う。これにより、その使用量を低減しても重合安定性を損なうことなく重合を行うことができる。該反応性乳化剤は分散剤として用いるものであり、具体的には、前記単量体成分の一部と反応性乳化剤とをあらかじめ混合してプレエマルションとしておくことが望ましい。
前記反応性乳化剤は、重合系内の単量体と共重合し得る二重結合を分子内に有するとともに、乳化能を発揮する分子構造を有しているものであり、該反応性乳化剤としてはアニオン性の反応性乳化剤を使用することが好ましい。より好ましくは、反応性基として(メタ)アクリロイル基を有する反応性乳化剤を使用するのがよい。
前記反応性乳化剤としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレン−1−(アリルアキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(市販品では、例えば、第一工業製薬(株)製「アクアロンKH−10」など)、ポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテル硫酸エステル塩(市販品では、例えば、第一工業製薬(株)製「アクアロンHS」、「アクアロンBC−10」など)、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩(市販品では、例えば、旭電化(株)製「アデカリアソープSE」など)、アルキルアリルスルホコハク酸ソーダ(市販品では、例えば、三洋化成工業(株)製「エレミノールJS−2」など)、メタクリル酸ポリオキシアルキレン硫酸エステル塩(市販品では、例えば、三洋化成工業(株)製「エレミノールRS−30」など)、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩(市販品では、例えば、日本乳化剤(株)製「アントックスMS−60」など)、エチレングリコールメタクリレート硫酸エステル塩(市販品では、例えば、日本乳化剤(株)製「アントックスMS−2N」、「アントックスMS−NH4」など)、その他の構造をもつもの(市販品では、例えば、花王(株)製「ラテムル」、第一工業製薬(株)製「ニューフロンティア」、日本乳化剤(株)製「RA−1823」、「RA−2320」など)等の、プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、アクリレート基、メタクリレート基等の反応性基を有するアニオン性反応性乳化剤;
ポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテル(市販品では、例えば、第一工業製薬(株)製「アクアロンRN」など)、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル(市販品では、例えば、旭電化(株)製「アデカリアソープNE」など)、ポリオキシアルキレングリコールモノアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーAET」、「プレンマーAPT」など)、ラウロキシポリエチレンクリコールモノアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーALE」など)、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーPSE」など)、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーPSE」など〉、ステアロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーASEP」など)、アリロキシポリアルキレシグリコールモノメタクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマーPNEP」、「プレンマーPNPE」など)、ノニルフェノキシポリオキシアルキレングリコールモノアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマー43ANEP−500」、「プレンマー70ANEP−550」など)、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールジメタクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマー80PDC」など〉、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコールジアクリレート(市販品では、例えば、日本油脂(株)製「プレンマー30ADC」など〉等の、プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、アクリレート基、メタクリレート基等の反応性基を有するノニオン性反応乳化剤;
等が挙げられる。なお、反応性乳化剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記初期重合工程で用いる反応性乳化剤の使用量は、前記単量体成分(初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計)の使用量に対し、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%であるのがよい。反応性乳化剤の使用量が0.01質量%未満であると、その効果を充分に発揮できず、重合安定性を損なう恐れがあり、一方、10質量%を超えると、得られた分散体を例えば塗料等の樹脂粒子含有組成物に用いた際に耐水性等を低下させる恐れがある。
前記初期重合工程において前記単量体成分の一部(もしくは前記単量体成分の一部と反応性乳化剤とのプレエマルション)を添加するにあたっては、一括投入してもよいし、一定時間をかけて滴下するようにしてもよい。
前記本重合工程においては、前記単量体成分の残部、すなわち〔樹脂粒子分散体〕の項で前述した単量体成分(これは、初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計である)のうち初期重合工程で用いていない分を用いる。具体的には、前記単量体成分(初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計)の30〜70質量%を用いることが好ましい。
前記本重合工程は、前記初期重合工程における反応率が80%以上になった時点で引き続き前記単量体成分の残部を添加して行う。好ましくは、前記初期重合工程における反応率が85%以上になった時点で前記単量体成分の残部を添加するのがよい。通常、前記初期重合工程における反応率が80%になった時点は、おおよそ懸濁重合における発熱のピークと一致すると考えられ、このように、前記初期重合工程における発熱のピーク後に前記単量体成分の残部を添加することにより、単量体成分全体によって生じる発熱を分散させることができ、その結果、重合安定性を損なうことなく安全に高固形分濃度の分散体を得ることができることとなる。なお、前記初期重合工程における反応率は、実施例で後述する方法により測定することができる。
前記本重合工程においては、必ずしも分散剤として前記反応性乳化剤を用いる必要はないが、前記単量体成分の残部と反応性乳化剤とをあらかじめ混合してプレエマルションとしておき、添加するようにしてもよい。
前記本重合工程においても反応性乳化剤を用いる場合、その使用量は、前記単量体成分(初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計)の使用量に対し、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%であるのがよい。反応性乳化剤の使用量が0.01質量%未満であると、その効果を充分に発揮できず、重合安定性を損なう恐れがあり、一方、10質量%を超えると、得られた分散体を例えば塗料等の樹脂粒子含有組成物に用いた際に耐水性等を低下させる恐れがある。
前記本重合工程において前記単量体成分の残部(もしくは前記単量体成分の一部と反応性乳化剤とのプレエマルション)を添加するにあたっては、一括投入してもよいし、一定時間をかけて滴下などにより投入するようにしてもよいが、好ましくは、一定時間をかけて滴下する方がよい。また、前記単量体成分の残部の添加は、複数回に分けて行うようにしてもよい。
本発明の製造方法においては、前記初期重合工程で用いる前記単量体成分の一部と、前記本重合工程で用いる前記単量体成分の残部との比率は、特に制限されないが、その合計量、すなわち前記単量体成分(初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計)の使用量を、得られる分散体の固形分濃度が前記範囲になるよう設定することは重要である。
前記初期重合工程および前記本重合工程における重合には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、油溶性の開始剤が好ましく、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルケキサノエート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクヘキサン等の過酸化物系開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系開始剤;等が挙げられる。なお、重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記重合開始剤を用いるにあたっては、前記初期重合工程と前記本重合工程の両方で添加するようにしてもよいし、初期重合工程においてのみ添加するようにしてもよい。また、前記重合開始剤は、前述した前記単量体成分の一部もしくは残部と反応性乳化剤とのプレエマルションに一緒に加えるようにしてもよいし、別途加えるようにしてもよい。
前記重合開始剤の使用量は、特に限定はされないが、前記単量体成分(初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計)100質量部に対し、好ましくは0.01〜5質量部であり、より好ましくは0.5〜3質量部であるのがよい。重合開始剤の使用量が多すぎると、耐水性を低下させる原因となり、一方、少なすぎると、重合速度が遅くなり未反応の単量体が残存しやすくなるので、いずれも好ましくない。
懸濁重合の際には、前記重合開始剤のほかに、必要に応じて、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤を用いる場合、その添加時機は特に限定されないが、初期重合工程において単量体成分とともに添加することが好ましい。連鎖移動剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン等のチオール基を有する化合物や、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。なお、連鎖移動剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、連鎖移動剤の添加時機や添加方法、さらにその使用量については、特に制限はなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定すればよい。
前記初期重合工程および前記本重合工程における重合温度は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、それぞれ特に限定されないが、通常は、両工程とも50〜100℃とするのが好ましく、より好ましくは60〜90℃でとするのがよい。なお、反応温度は、各重合工程の間、常に一定であってもよいし、工程途中で変化させてもよい。
前記初期重合工程および前記本重合工程における重合時間については、それぞれ特に限定はなく、反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、初期重合工程の開始から本重合工程の終了まで、通常、1〜10時間とするのが好ましく、より好ましくは2〜5時間とするのがよい。
前記初期重合工程および前記本重合工程における懸濁重合は、水を媒体として行うものであるが、必要に応じて、水とともに、低級アルコールやケトン等の親水性溶媒を併用することもできる。なお、水を必須とする媒体の使用量は、前記単量体成分(初期重合工程で用いる分と本重合工程で用いる分の合計)の使用量に対して、得られる樹脂粒子分散体の固形分濃度が前述した範囲になるように用いられる。
〔樹脂粒子含有組成物〕
本発明の樹脂粒子含有組成物は、樹脂粒子とベースポリマーとを含む樹脂粒子含有組成物であって、前記樹脂粒子を、前記本発明の樹脂粒子分散体の形で含有するものである。
前記ベースポリマーは、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。例えば、塗料やコーティング剤に用いる場合には、前記ベースポリマーとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの水分散性樹脂等を用いることができ、特に、アクリルエマルションを用いることが好ましい。また、光学部品や電子材料に用いる場合には、前記ベースポリマーとして、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミドなどの水分散性樹脂等を用いることができる。
本発明の樹脂含有組成物における樹脂粒子(前記本発明の樹脂粒子分散体)とベースポリマーとの割合は、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定はされない。
本発明の樹脂含有組成物は、増粘剤を含有していることが好ましい。増粘剤を含有することにより、分散体中の樹脂粒子間にネットワークが形成され、該ネットワークによって樹脂粒子同士の接触が抑えられて、ハードケーキ化することを防ぎ、分散体中の樹脂粒子の沈降を抑制することができる。
前記増粘剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、水溶性高分子、会合性増粘剤、アクリル系会合性増粘剤が好ましく挙げられる。
前記水溶性高分子の具体例として、例えば、メチルセルロース、セルロースエーテル類(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセスロース等)、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記会合性増粘剤は、一般的には、親水性の高分子主鎖の末端や途中に高級アルキル基等の疎水性ペンダント基をグラフトしたものである。会合性増粘剤の増粘作用の発現メカニズムは、疎水性ペンダント基の二次的結合力(例えば、疎水結合力)による会合性によることが知られている。会合性増粘剤の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコールの両端に疎水性ペンダント基を結合せしめたもののようなポリエチレングリコール系会合性増粘剤や、アクリル系会合性増粘剤等が挙げられる。
前記アクリル系会合性増粘剤は、親水性のアクリル系高分子主鎖の末端や途中に高級アルキル基等の疎水性ペンダント基をグラフトしたものである。アクリル系会合性増粘剤の具体例としては、例えば、アクリル系モノマーと、高級アルキル基等の疎水性ペンダント基を有する会合性モノマー(例えば、アルキル基、アラルキル基などの疎水ペンダント基を有し、かつ、アクリル系モノマーと共重合し得るエチレン性不飽和単量体である反応性界面活性剤等)との共重合体等が挙げられる。具体的には、特開2001−240633号公報に開示されている増粘剤が好ましい。
本発明の樹脂含有組成物が増粘剤を含有する場合、その含有量は、前記本発明の樹脂粒子分散体100質量部に対し0.05〜2質量部、好ましくは0.1〜1.5質量部、さらに好ましくは0.1〜0.7質量部であるのがよい。増粘剤が少なすぎると、増粘効果が発現できず、一方、多すぎると、耐水性が低下する。
本発明の樹脂含有組成物は、その用途に応じて、種々の添加剤を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有するものであってもよい。添加剤としては、例えば、溶媒、顔料、成膜助剤、充填剤(フィラー)、トナー、湿潤剤、帯電防止剤、顔料分散剤、可塑剤、酸化防止剤、流れコントロール剤、粘度調整剤等が挙げられる。これら添加剤の中で、特に、顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化カルシウム、三酸化アンチモン、亜鉛華、リトポン、鉛白等の白色顔料や、カーボンブラック、黄鉛、モリブデン赤、ベンガラ、黄色酸化鉄、黄華等の着色顔料のような無機顔料;ベンジジン、ハンザイエロー等のアゾ化合物や、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン類のような有機顔料;等が挙げられる。なお、添加剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明の樹脂粒子含有組成物は、例えば、塗料、コーティング剤、光学部品、電子材料等として好適に用いられるものであるが、とりわけ、本発明の樹脂粒子含有組成物は、水性塗料として用いられるものであることが好ましい。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下では、特に断りのない限り、「質量部」を単に「部」と、「質量%」を単に「%」と記すこととする。
実施例および比較例において行った各種測定および評価の方法は、下記の通りである。
<分散体中の樹脂粒子の平均粒子径>
コールターカウンター(ベックマンコールター社製「コールターマルチサイザーII」)にて測定した。
<分散体の固形分濃度>
均一に攪拌した状態の分散体から約1gをサンプリングし、重量(g)を測定した(この重量をXとする)。これに100ppmのハイドロキノンを溶解させたトルエン溶液0.1gを添加したのち、110℃のオーブンで3時間加熱乾燥させ、乾燥後の重量(g)を測定した(この重量をYとする)。そして、下記式により算出した。
固形分濃度(%)=〔Y(g)/X(g)〕×100
<塗料組成物のpH>
pHメーター((株)堀場製作所製「F−23」)を用いて、25℃にて測定した。
<塗料組成物の粘度>
BM型粘度計(東京計器(株)製)を用いて、30rpm、25℃にて測定した。また、測定には、粘度に応じて使用するローターを選定した。
<塗料組成物の分散性>
粒ゲージ(BYK Gardner社製「Grindometer Cat−No.1510」)および透過型光学顕微鏡(オリンパス(株)製「SZH」)を用いて、分散状態を観察し、下記の基準で評価した。
○:塊状物が確認できない
×:塊状物が確認できる
<塗料組成物の耐マッドクラック性>
ガラス板に10milアプリケーターを用いて塗料組成物を塗装し、直ちに100℃の熱風乾燥機内で10分間乾燥させたのち、塗膜外観を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
○:マッドクラックが発生していない
×:マッドクラックが発生している
〔実施例1−1〕
まず、反応容器中で、乳化剤としての(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化硫酸エステルアンモニウム塩(日本乳化剤(株)製「アントックスMS−60」)の25%水溶液12部を脱イオン水850部に溶解させ、次いで、この反応容器の中に、単量体成分(一部)としてのメチルメタクリレート(MMA)270部、およびトリメチロールプロパントリメタクリレート((株)日本触媒製「TMPTMA」)30部と、開始剤としてのラウロイルパーオキサイド(LPO)3部およびt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製「パーブチルO」)3部とをあらかじめ混合したものを添加し、均一に攪拌、混合して、初期重合用プレエマルションを得た。
次に、上記で得られた初期重合用プレエマルションの全量を2リットルセパラブルフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素雰囲気に置換したのち、200rpmで攪拌しながら65℃に昇温して初期重合を開始した。初期重合開始後、反応熱により徐々に85℃まで発熱した。85℃に到達した直後に重合液をサンプリングし、この段階での反応率を測定したところ、反応率は90%になっていた。そこで、引き続き、85℃を維持したまま、乳化剤としての(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化硫酸エステルアンモニウム塩(日本乳化剤(株)製「アントックスMS−60」)の25%水溶液15.6部と、脱イオン水134部と、単量体成分(残部)としてのメチルメタクリレート(MMA)351部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート((株)日本触媒製「TMPTMA」)39部とをあらかじめ均一に混合した本重合用プレエマルションを、滴下ロートから1時間かけて均一に滴下して、本重合を開始した。滴下終了後、脱イオン水20部を用いて滴下ロートを洗浄し、この洗浄水も本重合用プレエマルションとしてフラスコに投入した。その後、85℃で1時間維持したのち本重合を終了し、平均粒子径が約20μmのアクリル系樹脂粒子の分散体を、重合率99.9%で得た。得られた分散体の固形分濃度は、表1に示す。
なお、初期重合開始後、85℃に到達した直後にサンプリングした重合液の反応率は、以下のようにして測定した。すなわち、均一に攪拌した状態の重合液から約1gをサンプリングし、重量(g)を測定した(この重量をXとする)。これに100ppmのハイドロキノンを溶解させたトルエン溶液0.1gを添加したのち、110℃のオーブンで3時間加熱乾燥させ、乾燥後の重量(g)を測定した(この重量をYとする)。そして、下記式に基づき反応率を算出した。
反応率(%)=〔実測固形分濃度(%)/理論固形分濃度(%)〕×100
ここで、実測固形分濃度(%)=〔Y(g)/X(g)〕×100
理論固形分濃度(%)=〔理論生成樹脂量(g)/全仕込み量(g)〕×100
ただし、上記式において、理論生成樹脂量とは、重合液のサンプリング時点より前に仕込んだ単量体成分の全てが反応したときに生成する樹脂の重量のことであり、重合液のサンプリング時点より前に仕込んだ単量体成分の仕込み量から理論的に算出される値である。また、上記式において、全仕込み量とは、重合液のサンプリング時点でフラスコ内に存在する重合液の重量のことであり、重合液のサンプリング時点より前に仕込んだ全ての原料の重量を合計して算出される値である。
〔実施例1−2〜1−7〕
実施例1−1で用いた各成分の種類と量を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、アクリル系樹脂粒子の分散体を得た。なお、本重合用プレエマルション滴下直前の反応率(初期重合開始後、85℃に到達した直後に重合液をサンプリングし、実施例1−1と同様の方法で測定したときの反応率)は、それぞれ表1に示す通りであった。各実施例において得られた分散体中の樹脂粒子の平均粒子径、重合率および得られた分散体の固形分濃度は、表1に示す。
なお、表1においては、下記の略号を用いた。
<単量体成分>
・MMA:メチルメタクリレート
・CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
・t−BMA:t−ブチルメタクリレート
・2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
・St:スチレン
・TMPTMA:トリメチロールプロパントリメタクリレート((株)日本触媒製「TMPTMA」)
・LA−82:4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(アデカ(株)製「アデカスタブLA−82」)
<乳化剤(反応性乳化剤)>
・MS−60:(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化硫酸エステルアンモニウム塩(日本乳化剤(株)製「アントックスMS−60」)の25%水溶液
・RS−30:メタクリル酸ポリオキシアルキレン硫酸エステル塩(三洋化成工業(株)製「エレミノールRS−30」)の25%水溶液
・BC−10:ポリオキシエチレンノニルプロペニルエーテル硫酸エステル塩(第一工業製薬(株)製「アクアロンBC−10」)の25%水溶液
<乳化剤(非反応性乳化剤)>
・N−08:ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(第一工業製薬(株)製「ハイテノールN−08」)の25%水溶液
<開始剤>
・LPO:ラウロイルパーオキサイド
・パーブチルO:t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製「パーブチルO」)
・BPO:ベンゾイルパーオキサイド
Figure 2005281339
〔比較例1−1〕
反応容器中で、(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化硫酸エステルアンモニウム塩(日本乳化剤(株)製「アントックスMS−60」)の25%水溶液12部を脱イオン水850部に溶解させた。次いで、この反応容器の中に、メチルメタクリレート(MMA)270部、トリメチロールプロパントリメタクリレート((株)日本触媒製「TMPTMA」)30部、ラウロイルパーオキサイド(LPO)3部をあらかじめ均一に混合したものを添加し、均一に攪拌、混合して、プレエマルションを得た。
次に、上記で得られたプレエマルションの全量を2リットルセパラブルフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素雰囲気に置換したのち、200rpmで攪拌しながら65℃に昇温して重合を開始した。重合開始後、反応熱により徐々に85℃まで発熱した。85℃に到達したのち、該温度を1時間維持して重合を終了した。得られた反応物を室温まで冷却したのち、100メッシュの金網で濾過し、平均粒子径が約13μmのアクリル系樹脂粒子の分散体を、重合率97%で得た。得られた分散体の固形分濃度は、表1に示す。
〔実施例2−1〕
実施例1−1で得られた分散体50部に、25%アンモニア水溶液0.5部およびアルカリ可溶型会合性増粘剤(ローム・アンド・ハース(株)製「プライマルTT−615」:不揮発分5%)4部を、200rpmで攪拌しながら添加した。次いで、アクリルエマルション((株)日本触媒製「アクリセットEX−41」:不揮発分44%)200部と、成膜助剤としてブチルセロソルブ/2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(チッソ(株)製「CS−12」)=1/1(質量比)の混合液11部、抑泡剤(サンノプコ社製「SN−デフォーマー777」)0.4部、および希釈水2.6部を添加して、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分40.5%、粘度2000mPa・s、pH8.7であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
〔実施例2−2〕
実施例1−1で得られた分散体50部の代わりに、実施例1−2で得られた分散体50部を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分40.4%、粘度1900mPa・s、pH8.7であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
〔実施例2−3〕
実施例1−1で得られた分散体50部の代わりに、実施例1−3で得られた分散体50部を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分40.4%、粘度2100mPa・s、pH8.8であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
〔実施例2−4〕
実施例1−1で得られた分散体50部の代わりに、実施例1−4で得られた分散体50部を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分42.0%、粘度2500mPa・s、pH8.5であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
〔実施例2−5〕
実施例1−1で得られた分散体50部の代わりに、実施例1−5で得られた分散体50部を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分42.0%、粘度2400mPa・s、pH8.4であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
〔実施例2−6〕
実施例1−1で得られた分散体50部の代わりに、実施例1−6で得られた分散体50部を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分40.3%、粘度1800mPa・s、pH8.7であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
〔実施例2−7〕
実施例1−1で得られた分散体50部の代わりに、実施例1−7で得られた分散体50部を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分40.0%、粘度1900mPa・s、pH8.7であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
〔比較例2−1〕
実施例1−1で得られた分散体50部の代わりに、比較例1−1で得られた分散体50部を用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分37.5%、粘度1100mPa・s、pH8.9であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
〔比較例2−2〕
アクリルエマルション((株)日本触媒製「アクリセットEX−41」:不揮発分44%)200部に、メチルメタクリレート微粒子((株)日本触媒製「エポスターMA1010」)20部、25%アンモニア水溶液0.5部およびアルカリ可溶型会合性増粘剤(ローム・アンド・ハース(株)製「プライマルTT−615」:不揮発分5%)4部を、200rpmで攪拌しながら添加した。次いで、成膜助剤としてブチルセロソルブ/2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(チッソ(株)製「CS−12」)=1/1(質量比)の混合液11部、抑泡剤(サンノプコ社製「SN−デフォーマー777」)0.4部、および希釈水30部を添加して、塗料組成物を得た。得られた塗料組成物の物性は、不揮発分40.4%、粘度2000mPa・s、pH8.8であった。また、得られた塗料組成物の分散性および耐マッドクラック性については表2に示す。
Figure 2005281339
本発明にかかる樹脂粒子分散体は、例えば、艶消し剤、光拡散剤等として好適に用いることができるものであり、前記分散体を用いた本発明にかかる樹脂粒子含有組成物は、例えば、塗料、コーティング剤、光学部品、電子材料等の用途に有用であり、とりわけ水性塗料として好適に使用できる。

Claims (8)

  1. 水を媒体として単量体成分を懸濁重合させることにより得られる平均粒子径3〜100μmの樹脂粒子の分散体であって、固形分濃度が40〜60質量%である、ことを特徴とする樹脂粒子分散体。
  2. 前記単量体成分は(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須とする、請求項1に記載の樹脂粒子分散体。
  3. 前記懸濁重合が反応性乳化剤の存在下で行われるものであり、分散体中の反応性乳化剤の含有量が3.0質量%以下である、請求項1または2に記載の樹脂粒子分散体。
  4. 前記樹脂粒子がコアシェル構造の樹脂粒子である、請求項1から3までのいずれかに記載の樹脂粒子分散体。
  5. 水を媒体として単量体成分を懸濁重合させることにより樹脂粒子分散体を得る方法において、下記2つの工程を経ることによって固形分濃度が40〜60質量%の分散体を得る、ことを特徴とする樹脂粒子分散体の製造方法。
    (1)前記単量体成分の一部を反応性乳化剤の存在下で懸濁重合させる初期重合工程。
    (2)初期重合工程における反応率が80%以上になった時点で引き続き前記単量体成分の残部を添加して懸濁重合を行う本重合工程。
  6. 前記単量体成分として(メタ)アクリル酸エステル系単量体を必須とする単量体成分を用いる、請求項5に記載の樹脂粒子分散体の製造方法。
  7. 樹脂粒子とベースポリマーとを含む樹脂粒子含有組成物であって、前記樹脂粒子を、請求項1から4までのいずれかに記載の樹脂粒子分散体の形で含有する、ことを特徴とする樹脂粒子含有組成物。
  8. 水性塗料として用いられる、請求項7に記載の樹脂粒子含有組成物。
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