JP5479402B2 - 補修用水性下塗り塗料組成物および補修方法 - Google Patents

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本発明は、建造物の外壁を構成する外装用建材などの補修に用いられる補修用水性下塗り塗料組成物に関する。
住宅などの建造物の外壁などに用いられる外装用建材には、住宅購入者および利用者などの好み応じた、多彩な色彩および意匠性が求められている。さらに近年における高耐候性のニーズの高まりにより、外装用建材には、フッ素樹脂を含むフッ素系塗料、ケイ素樹脂および/または反応性ケイ素化合物を含む塗料といった、いわゆる無機系または無機有機複合系塗料が用いられつつある。また、外観美粧を保持することを目的とした低汚染性に対するニーズも高まっている。このため、外装用建材の表面に、親水性を有する塗膜を形成することも行われている。
ところが、これらの塗料を用いて得られた塗膜も、長期間屋外で曝露させると、太陽光、降雨、温度、湿度などの影響により塗膜が劣化することがあり、また、塗膜が劣化しなくとも、長期間の屋外暴露により汚染や、住宅の模様替えなどにより、塗り替えが必要とされる場合がある。しかしながら、上述の性能を有する塗膜は、その表面性状および機能の特殊さゆえ、通常用いられる塗り替え塗料によって設けられる塗膜が付着し難く、塗り替えが非常に困難であった。
塗り替え塗料による塗膜の付着の不具合を解消することを目的として、樹脂のガラス転移温度、親水性官能基種、架橋構造などを制御し、付着性を改良させた、種々の下塗り塗料(シーラー)が検討されつつある。しかしながら、外装用建材に塗装されている塗料の種類は多岐に亘るため、塗装されている塗料の種類に応じて下塗り塗料(シーラー)を使い分ける必要があり、作業効率の点から望ましいとは言えなかった。
特開2006−219648号公報(特許文献1)には、(A)酸価が25KOHmg/g以上200KOHmg/g以下であるカルボキシル基含有水可溶型樹脂、(B)エポキシ基を含有するシランカップリング剤、を含有することを特徴とする水性下塗材組成物が記載されている(請求項1など)。この水性下塗材組成物は、特に磁器タイル表面の改修に用いる下塗材として有効であると記載されている([0041]段落など)。
特開2009−040874号公報(特許文献2)には、(I)アルコキシシリル基含有合成樹脂エマルション、(II)アルコキシシリル基の加水分解・縮合を促進する物質、および(III)オルガノシリケートおよび/またはその変性物を含有する硬化性組成物を無機系基材へ塗布する塗装方法が記載されている(請求項1など)。この硬化性組成物は、無機系基材に対して十分な付着性を示すと記載されている。
特開2002−256221号公報(特許文献3)には、水酸基及びアミノ基を有する自己乳化型カチオン性水分散液及びエポキシ基含有オルガノシランを含み、該カチオン性水分散液のアミノ基と該オルガノシランのエポキシ基の当量比(アミノ基/エポキシ基)が0.5〜2.0の範囲である、水系プライマー組成物が記載されている(請求項1など)。この水系プライマー組成物は、各種窯業系サイディングボードに対して優れた付着性を有すると共に、各種上塗り塗料に対しても良好な付着性を有すると記載されている。
特開2006−219648号公報 特開2009−040874号公報 特開2002−256221号公報
上記特許文献1〜3に示されるように、これまでにも種々の下塗り塗料(シーラー)が提案されている。しかしながら、近年の外装用建材のさらなる多様化により、補修においてより多くの種類の塗膜に対して良好な付着性を確保できる下塗り塗料の開発が求められている。
本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、低汚染性または高耐候性といった種々の機能を発揮する塗膜を有する建造物の外壁などの補修の下塗りとして用いられる補修用水性下塗り塗料組成物を提供することを課題とする。
本発明は、
アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)、
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)、および
アミノ基含有シランカップリング剤(C)、
を含む、補修用水性下塗り塗料組成物であって、
このグリシジル基含有シランカップリング剤(B)の含有量は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して20〜65質量部であり、
このアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して2〜15質量部であり、かつ
このグリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の総量が、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して22〜70質量部である、
補修用水性下塗り塗料組成物、を提供するものであり、これにより上記課題が解決される。
上記グリシジル基含有シランカップリング剤(B)が、下記式(1)
Figure 0005479402
[式(1)中、Yはグリシジル基であり、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、Rはメチル基またはエチル基であり、nは0または1である。]
で示される化合物であるのがより好ましい。
また、上記アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)が、アクリル樹脂エマルションまたはシリコーン含有アクリル樹脂エマルションの少なくとも一方を含んでいるのがより好ましい。
また、上記補修用水性下塗り塗料組成物が、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)を含む第1液と、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)を含む第2液とからなり、および
上記グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の質量比が(B)/(C)=5〜15の範囲内であるのがより好ましい。
本発明はさらに、塗膜を有する被塗物に、上記の補修用水性下塗り塗料組成物を塗装し、次いで上塗り塗料組成物を塗装する工程を包含する、被塗物の補修方法も提供する。
上記被塗物が、その最表面に、無機塗料組成物、無機−有機複合塗料組成物、フッ素塗料組成物、アクリルシリコーン塗料組成物および低汚染性塗料組成物から選択される塗料組成物を塗装して形成された塗膜を有する無機材料基材である態様がより好ましい。
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)、およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)を含む。特に、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)を特定の質量範囲および特定の質量比で含むことによって、塗料組成物の貯蔵安定性などに悪影響を及ぼすことなく、被塗物に対する付着性を格段に向上させることができた。
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物を用いることによって、無機塗料組成物、無機−有機複合塗料組成物、フッ素塗料組成物、アクリルシリコーン塗料組成物および低汚染性塗料組成物等を塗装して形成された様々な機能性塗膜を最表面に有する基材に対しても、良好な付着性を有する補修塗膜を設けることができる。そのため、本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、種々の機能を有する様々な外装用建材の補修における下塗り塗料として、好適に用いることができる。
補修用水性下塗り塗料組成物
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)、およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)を含む。なお本明細書における補修用水性下塗り塗料組成物とは、被塗物上に既に形成された塗膜の上に塗料組成物を塗装して塗膜を形成する際に下塗りとして用いられる、水性下塗り塗料組成物を意味する。
アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、樹脂エマルション(A)を含む。そしてこの樹脂エマルション(A)として、アニオン性樹脂エマルションまたはカチオン性樹脂エマルションを用いることができる。
アニオン性樹脂エマルションとして、例えば、アクリル樹脂エマルション、シリコーン含有アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、酢酸ビニル樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、塩化ビニル樹脂エマルションなどを用いることができる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アニオン性樹脂エマルションとしては、アクリル樹脂エマルションまたはシリコーン含有アクリル樹脂エマルションを用いるのが好ましい。
アニオン性樹脂エマルションとして用いられるアクリル樹脂エマルションとして、例えば、各種重合性モノマーの重合によって得られるアクリル樹脂のエマルションなどが挙げられる。上記重合性モノマーとは、分子中にビニル基などの不飽和結合を少なくとも1つ有するものをいい、アクリル酸やメタクリル酸の誘導体を含む。上記重合性モノマーとしては、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのエチレン系不飽和カルボン酸モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのエチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどのシクロアルキル基含有重合性モノマー;マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチルなどのエチレン系不飽和ジカルボン酸のモノエステルモノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとεカプロラクトンとの反応物などのヒドロキシル基含有エチレン系不飽和カルボン酸アルキルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ブチルアミノエチルなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルエステルモノマー;アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン系不飽和カルボン酸アミノアルキルアミドモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メトキシブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのその他のアミド基含有エチレン系不飽和カルボン酸モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和脂肪酸グリシジルエステルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマーなどを挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。本明細書中(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸またはメタクリル酸を指す。このようなアクリル樹脂エマルションを用いることによって、被塗物である建材との良好な密着性、および良好な耐候性を得ることができ、好ましい。
カルボキシル基含有アクリル樹脂は、コア部とシェル部とからなる多層構造粒子が分散されてなる重合体水性分散体を形成するものであってもよい。上記多層構造粒子は、コア部を形成する樹脂がガラス転移温度−10〜70℃であるアクリル重合体であり、シェル部を形成する樹脂がガラス転移温度−25〜50℃であるアクリル重合体であることが好ましい。また、上記多層構造粒子は、コア部を形成する樹脂がガラス転移温度0〜40℃であるアクリル重合体であり、シェル部を形成する樹脂がガラス転移温度−10〜20℃であるアクリル重合体であることがより好ましい。このような多層構造粒子が分散されてなる重合体水性分散体は、特開2002−12816号公報に記載された公知の製造方法によって調製することができる。
上記アクリル重合体のガラス転移温度は、構成するモノマーまたはホモポリマーの既知のガラス転移温度および組成比に基づいて算出することができる。
シリコーン含有アクリル樹脂エマルションは、例えば、上記カルボキシル基含有アクリル性モノマーに加えて、アルコキシシリル基含有重合性モノマーを更に含むモノマー組成物の重合によって得られる重合体などを挙げることができる。
上記アルコキシシリル基含有重合性モノマーは、炭素数1〜14のアルコキシシリル基を含有する重合性モノマーであれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリブトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸ジメトキシメチルシリルプロピル、(メタ)アクリル酸メトキシジメチルシリルプロピル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シランなどを挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。これらのうち、特に、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルプロピル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルプロピル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好ましい。
また、シリコーン含有アクリル樹脂エマルションとして、有機シリコーン単位を導入することによって得られるシリコーン含有アクリル樹脂エマルションを用いてもよい。有機シリコーン単位を導入する方法としては、有機シリコーン化合物およびアクリル重合性モノマーの混合物を乳化重合し加水分解、縮合反応およびラジカル重合を行う方法、シリコーン官能基を有するモノマーを共重合する方法、アクリル重合体に対して有機シリコーン化合物を反応させることにより、アクリル重合体粒子表面に有機シリコーン化合物を結合させる方法などが挙げられる。上記の2以上の方法を組み合わせるものであってもよい。
上記方法で使用する有機シリコーン化合物としては、特に限定されず、例えば、オルガノシラン、オルガノシランの加水分解物、オルガノシランの縮合物を挙げることができる。
上記オルガノシランは、一般に、下記一般式(2)
(RnSi(OR4-n (2)
[式中、Rは、2個存在するときは同一または異なり、炭素数1〜8の1価の有機基を示す。Rは、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示す。nは0〜2の整数である。]
で表される。
上記オルガノシランの加水分解物は、上記一般式(2)で表されるオルガノシランの、OR基が加水分解されている化合物である。上記オルガノシランに2〜4個含まれるOR基がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいはこれらの混合物であってもよい。
上記オルガノシランの縮合物は、オルガノシランの加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものである。上記有機シリコーン化合物は、シラノール基がすべて縮合しているものの他、僅かな一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などであってもよい。
一般式(2)において、Rの炭素数1〜8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基、カプロイル基などのアシル基;ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、エポキシ基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるRの炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて8以下である。一般式(2)中に、Rが2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよい。
また、Rの炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。一般式(2)中に複数個存在するRは、相互に同一でも異なってもよい。
上記オルガノシランとしては、特に限定されず、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセチルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランなどを挙げることができる。
これらのうち、好ましく用いられるのは、トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類であり、また、トリアルコキシシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましく、更に、ジアルコキシシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。
カチオン性樹脂エマルションは、塗料組成物の基体樹脂として用いられるようなカチオン性のエマルションであれば、任意の適切なものを用いることができる。上記カチオン性樹脂エマルションは、好ましくは、アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーと、このアミノ基含有エチレン性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性モノマーを重合して得られるアクリル樹脂エマルションなどが挙げられる。
上記アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル、アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアミノ基含有(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。これらの中でも、反応性の点から、ジメチルアミノエチルメタクリレートが好ましい。なお、これらのモノマーも二種類以上組み合わせて使用することができる。
上記アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどのエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどのシクロアルキル基含有重合性モノマー;マレイン酸エチル、マレイン酸ブチル、イタコン酸エチル、イタコン酸ブチルなどのエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノエステルモノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルとεカプロラクトンとの反応物などのヒドロキシル基含有エチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルモノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和脂肪酸グリシジルエステルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの飽和脂肪族カルボン酸ビニルエステルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマーなどを挙げることができる。これらは1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
上記アニオン性樹脂エマルションおよびカチオン性樹脂エマルションは、例えば、上記モノマーを乳化剤および重合開始剤の存在下で乳化重合する方法、または、上記モノマーを溶剤中においてラジカル重合開始剤を用いて溶液重合した後、得られた重合体の溶液を中和剤によって中和して、水で相転移する方法、によって調製することができる。上記各方法は、当業者によってよく知られた条件で行うことができる。
上記乳化重合において、任意の適切な乳化剤を用いることができる。乳化重合において用いることができる乳化剤の具体例としては、アニオン性樹脂エマルションの場合は石鹸、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン系乳化剤、カチオン性樹脂エマルションの場合はステアリルアミン塩酸塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロライドなどのカチオン系乳化剤を挙げることができる。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系乳化剤は、何れの場合でも用いることができる。これらの乳化剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記乳化剤として、ラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する界面活性剤(以下、「反応性乳化剤」という)を用いることもできる。乳化剤として反応性乳化剤を用いれば、耐水性が高いシーラー塗膜を得ることができる。上記反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを基本構造として疎水基にラジカル重合性のプロペニル基を導入したノニオン系界面活性剤、四級アンモニウム塩の構造を持つカチオン系界面活性剤、スルホン酸基、スルホネート基、硫酸エステル基、及び/又はエチレンオキシ基を含んだエチレン性炭素原子間二重結合を有するアニオン系界面活性剤などが挙げられる。また、上記反応性乳化剤は、市販品を用いてもよい。上記反応性乳化剤の市販品として具体的には、ノニオン系界面活性剤として、アクアロンRN−10、アクアロンRN−20、アクアロンRN−30、アクアロンRN−50(いずれも第一工業製薬社製)、アデカリアソープNE−10、アデカリアソープER−10、アデカリアソープNE−20、アデカリアソープER−20(いずれもアデカ社製)等、カチオン系界面活性剤として、デカノールSDX−236(アデカ社製)、カチナールDAMLAC−1、カチナールDAMLAC−2(いずれも東邦化学工業社製)等、Antox MS−6、Antox MS−2N(いずれも日本乳化剤社製)、エレミノールJS−2(三洋化成社製)、ラテムルS−120、ラテムルPD−104(いずれも花王社製)、アデカリアソープSR−10、アデカリアソープSE−10(いずれもアデカ社製)、アクアロンKH−05、アクアロンHS−10(いずれも第一工業製薬社製)などが挙げられる。
上記乳化剤の使用量は、上記アニオン性樹脂エマルションまたはカチオン性樹脂エマルションの重合に用いるモノマーの全量に対して、好ましくは0.5〜15質量%である。
上記乳化重合において、重合開始剤としては、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスバレロニトリル、2,2'−アゾビス(2−アミノジプロパン)二塩酸塩などのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物系開始剤;過酸化水素などを使用できる。また、ロンガリット、Lアスコルビン酸、有機アミンなどの還元剤を併用したレドックス開始剤を用いてもよい。これらの開始剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合開始剤の使用量は、上記アニオン性樹脂エマルションまたはカチオン性樹脂エマルションの重合に用いる単量体の全量に対して、0.01〜10質量%であるのが好ましい。また、上記乳化重合における重合温度は30〜90℃であるのが好ましく、重合時間は3〜12時間であるのが好ましい。重合反応時の単量体濃度は、好ましくは30〜70質量%である。
上記溶液重合において用いることができるラジカル重合開始剤は、特に限定されるものではなく、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドなどを、単独もしくは数種類を混合して用いることができる。また、樹脂の分子量の調節のため、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどの連鎖移動剤を添加することも可能である。
上記溶液重合によって得られた重合体の中和に用いられる中和剤は、アニオン性樹脂エマルションの場合は無機塩基および/または有機塩基であり、カチオン性樹脂エマルションの場合は無機酸および/または有機酸類である。無機塩基または有機塩基の具体例としては、アンモニア、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジブチルアミン、アミルアミン、1−アミノオクタン、2−ジメチルアミノエタノール、エチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノール、2−プロピルアミノエタノール、エトキシプロピルアミン、アミノベンジルアルコール、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また、無機酸の具体例としては、塩酸、硝酸などが挙げられる。有機酸類の具体例としては、ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸などの脂肪族飽和カルボン酸類が挙げられる。中和剤の使用量は使用する重合性不飽和モノマーの濃度によって異なるが、通常、重合体中のカルボキシル基またはアミノ基1モルに対して中和剤0.2〜1.0モルである(中和率:20〜100%)。このように、本発明による水分散液は、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーに起因するカルボキシル基を塩基で中和、または、アミノ基含有エチレン性不飽和モノマーに起因する塩基を酸で中和することにより、アニオン性またはカチオン性の水分散液となる。なお、中和剤の量が不足する場合には、重合体が析出し分散液とすることができない場合があり、一方、中和剤が過剰の場合には、重合体自体が溶解し、分散液ではなく水溶性の樹脂となってしまう場合がある。
最終的に得られる塗料組成物に含まれる揮発性有機化合物(VOC)を低減することが望まれる場合は、無機系の塩基や酸であることが好ましい。また、臭気の弱いものであれば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基や塩酸、硝酸等の無機酸および乳酸等の有機酸等を挙げることができる。
ここで、重合を行う際の溶媒の使用量は、使用するモノマー、溶媒及び重合開始剤の総質量に対して、例えば40〜60質量%である。また、脱溶剤時における溶媒の量は、得られた重合体、溶剤及び水の総質量に対して5〜30質量%、より好ましくは10〜25質量%である。溶媒の使用量が上記範囲未満になると、水系分散剤を合成する時に溶液系の粘度が高くなってしまい十分な中和・相転換ができなくなる。一方、上記範囲を超えると、水系分散剤を得ることはできるが、多量の溶媒を留去しなければならないため好ましくない。
また、エチレン性不飽和モノマー、水酸基含有エチレン性不飽和モノマー及びアミノ基含有エチレン性不飽和モノマーの使用量は、得られる重合体のTgが、−10〜30℃となるように調節することが好ましい。
アニオン性樹脂エマルションは、酸価が5〜50mgKOH/gの範囲であるのが好ましく、5〜20mgKOH/gの範囲であるのがより好ましい。酸価が5mgKOH/g未満である場合は、アニオン性樹脂エマルションの水中での安定性が低下するおそれがある。また、酸価が50mgKOH/gを超える場合は、得られた塗膜の耐水性が低下するおそれがある。なお、本明細書において、酸価は固形分酸価を表し、JIS K 0070に記載される公知の方法によって測定することができる。
アニオン性樹脂エマルションは、水酸基価が0〜85mgKOH/gの範囲であるのが好ましく、0〜40mgKOH/gの範囲であるのがより好ましい。水酸基価が85mgKOH/gを超える場合は、得られた塗膜の耐水性が低下するおそれがある。なお、本明細書において、水酸基価は固形分水酸基価を表し、JIS K 0070に記載される公知の方法によって測定することができる。
カチオン性樹脂エマルションは、アミン価が10〜200mgKOH/gの範囲であるのが好ましく、20〜60mgKOH/gの範囲であるのがより好ましい。アミン価が10mgKOH/g未満である場合は、カチオン性樹脂エマルションの水中での安定性が低下するおそれがある。また、アミン価が200mgKOH/gを超える場合は、得られた塗膜の耐水性が低下するおそれがある。なお、本明細書において、アミン価は固形分アミン価を表し、JIS K 7237に記載される公知の方法によって測定することができる。
カチオン性樹脂エマルションは、水酸基価が0〜85mgKOH/gの範囲であるのが好ましい。水酸基価が85mgKOH/gを超える場合は、得られた塗膜の耐水性が低下するおそれがある。なお、本明細書において、水酸基価は固形分水酸基価を表し、JIS K 0070に記載される公知の方法によって測定することができる。
アニオン性樹脂エマルションまたはカチオン性樹脂エマルションの粒子径は、粒子径が20〜250nmであるのが好ましく、60〜120nmであるのがより好ましい。上記粒子径が20nm未満の場合、塗料固形分の著しい低下が生じるおそれがあり、250nmを超える場合には、被塗物との付着性が低下するおそれがある。なお、本明細書中において、粒子径とは、動的光散乱法によって決定される平均粒子径であり、具体的には、電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子社製)などを使用して測定することができる。
アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)は、種々の被塗物に対する適性の観点から、カチオン性樹脂エマルションであるのが好ましい。
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)を含む。そしてこのグリシジル基含有シランカップリング剤(B)の含有量は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して20〜65質量部であることを条件とする。グリシジル基含有シランカップリング剤(B)の含有量が20質量部未満である場合は、フッ素系塗料および親水性コーティングの組み合わせの塗膜上に塗装する場合における塗膜付着性が低下することとなる。また、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)の含有量が65質量部を超える場合は、補修用下塗り塗料組成物を塗装した後に上塗り塗料組成物を塗装して乾燥させる際に、クラックが発生する不具合がある。
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)は、下記式(1)
Figure 0005479402
[式(1)中、Yはグリシジル基であり、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、Rはメチル基またはエチル基であり、nは0または1である。]
で示される化合物であるのが好ましい。
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)の具体例として、例えば、
3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
などが挙げられる。これらの市販品としては、KBM403、KBE402、KBE403(何れも信越シリコーン社製)等を挙げることができる。グリシジル基含有シランカップリング剤(B)として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを用いるのがより好ましい。これらを用いることによって、より優れた塗膜密着性を得ることができるという利点がある。
アミノ基含有シランカップリング剤(C)
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、アミノ基含有シランカップリング剤(C)を含む。このアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して2〜15質量部であることを条件とする。アミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量が2質量部未満である場合は、無機系塗料および光触媒コーティングの組み合わせの塗膜上に塗装する場合における塗膜付着性が低下することとなる。また、アミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量が15質量部を超える場合は、補修用下塗り塗料組成物を塗装した後に上塗り塗料組成物を塗装して乾燥させる際に、クラックが発生する不具合がある。
アミノ基含有シランカップリング剤(C)の具体例として、例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの市販品としては、KBM602、KBM603、KBE603、KBM903およびKBE903(何れも信越シリコーン社製)等が挙げられる。アミノ基含有シランカップリング剤(C)として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランを用いるのがより好ましい。これらを用いることによって、より優れた塗膜付着性を得ることができるという利点がある。
本発明においてはさらに、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の総量が、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して22〜70質量部であることを条件とする。グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の総量が22質量部未満である場合は、フッ素系塗料および親水性コーティングの組み合わせの塗膜上、もしくは光触媒コーティング塗膜上に塗装する場合における塗膜付着性が低下するおそれがある。また、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の総量が70質量部を超える場合は、得られた塗膜にクラックが発生するおそれがある。
その他の成分
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、上記成分(A)〜(C)に加えて、必要に応じた添加剤などの他の成分を加えてもよい。用いることができる他の成分として、例えば、顔料、造膜助剤、粘性調整剤、表面調整剤、防腐剤、防かび剤、防藻剤、消泡剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤などが挙げられる。
補修用水性下塗り塗料組成物の調製方法
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)、アミノ基含有シランカップリング剤(C)、そして必要に応じた他の成分を、通常用いられる方法で混合することによって調製することができる。
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物の他の一例として、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)を含む第1液と、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)を含む第2液とからなる、2液型塗料組成物である態様が挙げられる。2液型塗料組成物である場合は、塗り替えを実施する現場での作業性が向上するという利点がある。
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の両方を、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の質量比が(B)/(C)=5〜15の範囲内となる量で含むのが好ましく、(B)/(C)=7〜14の範囲内となる量で含むのがより好ましく、(B)/(C)=7〜11の範囲内となる量で含むのがさらに好ましい。従来の塗料組成物においては、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の両方を含む塗料の詳細な見当はほとんどなされていない。グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)は、互いに反応しやすい成分であるため、これら両方を塗料組成物中に含めると、塗料の貯蔵安定性に悪影響を及ぼすことが多かったためである。(B)/(C)で示される質量比が15を超える場合は、光触媒コーティングの塗膜上に塗装する場合における塗膜付着性が低下するおそれがある。また、(B)/(C)で示される質量比が5未満である場合は、(B)と(C)を混合した第2液の貯蔵安定性が低下し、ゲル化するおそれがある。
被塗物の補修方法
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物を用いることによって、種々の塗膜を有する被塗物の補修塗装を容易に行うことが可能となる。ここで、補修とは、例えば、塗膜が経年劣化したり、何らかの理由で塗膜欠陥が生じた場合に、その塗膜全体またはその一部に対して塗り重ねすることを意味する。本発明の補修用水性下塗り塗料組成物を塗装する被塗物として、例えば、各種基材であって、基材の最表面に、無機塗料組成物、無機−有機複合塗料組成物、フッ素塗料組成物、アクリルシリコーン塗料組成物および低汚染性塗料組成物から選択される塗料組成物を塗装して形成された塗膜を有する基材などが挙げられる。
上記基材としては、特に限定されず、例えば、金属基材、プラスチック基材、無機材料基材などを挙げることができる。上記金属基材としては特に限定されず、例えば、アルミニウム板、鉄板、亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム亜鉛メッキ鋼板、ステンレス板、ブリキ板などを挙げることができる。上記プラスチック基材としては、アクリル板、ポリ塩化ビニル板、ポリカーボネート板、ABS板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリオレフィン板などを挙げることができる。上記無機材料基材としては、JIS A 5422、JIS A 5430などに記載された窯業建材、ガラス基材などを挙げることができる。これらのうち、本発明においては、無機材料基材、特に、住宅やビルなどの建築物の内壁若しくは外壁などの壁面または屋根、窯業建材、コンクリート、ALC、その他の無機質建材が好ましく、窯業建材がより好ましい。
基材の最表面に、無機塗料組成物、無機−有機複合塗料組成物、フッ素塗料組成物、アクリルシリコーン塗料組成物および低汚染性塗料組成物から選択される塗料組成物を塗装して形成された塗膜を有する基材の具体例として、例えば、
エクセレージ光セラ15(ケイミュー社製、無機塗料組成物および光触媒コーティング材によって形成された最表面を有する)、
モエンエクセラード18(ニチハ社製、フッ素系塗料組成物および親水コーティング材によって形成された最表面を有する)、
AT−WALL15Y(旭トステム外装社製、低汚染性フッ素系塗料組成物によって形成された最表面を有する)、
AT−WALL15X(旭トステム外装社製、低汚染性アクリルシリコーン塗料組成物によって形成された最表面を有する)、
などが挙げられる。
なお本明細書において「低汚染性塗料組成物」とは、得られる塗膜において汚れが付着し難い性質が発揮される塗料組成物を意味し、例えば光触媒コーティング材(光触媒による超親水性および有機物分解性によって低汚染性能が発揮される)、低汚染性アクリルシリコーン塗料組成物、低汚染性フッ素系樹脂塗料組成物、およびシリカ微粒子の水分散体を主成分とする親水コーティング材などが挙げられる。
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物を塗装する方法は特に限定されず、例えば、浸漬、刷毛、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、カーテンフローコーター、ローラーカーテンコーター、ダイコーターなどの一般に用いられている塗装方法などを挙げることができる。これらは基材の用途に応じて適宜選択することができる。
補修用水性下塗り塗料組成物の塗装は、乾燥膜厚が例えば5〜100μm、より好ましくは10〜40μmとなる条件で塗装するのが好ましい。
こうして塗装された塗膜は、必要に応じて、常温、好ましくは10〜30℃で、6時間〜1ヶ月の間、好ましくは1日〜1週間の間、乾燥させてもよい。
こうして、本発明の補修用水性下塗り塗料組成物を塗装した後、上塗り塗料組成物を塗装する。上塗り塗料組成物は、特に限定されるものではなく、例えば、溶剤系アクリル塗料組成物、溶剤系ウレタン塗料組成物、溶剤系シリコーン塗料組成物、溶剤系フッ素塗料組成物、水性アクリル塗料組成物、水性ウレタン塗料組成物、水性シリコーン塗料組成物、水性フッ素塗料組成物、無機塗料組成物などが挙げられる。
上塗り塗料組成物の塗装は、乾燥膜厚が例えば5〜100μm、より好ましくは10〜40μmとなる条件で塗装するのが好ましい。上塗り塗料組成物を塗装して得られた塗膜は、常温、好ましくは10〜30℃で、1日〜1週間以上、好ましくは2週間以上、乾燥させるのが好ましい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」および「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
実施例1
補修用水性下塗り塗料組成物(1)の調製
カチオン性樹脂エマルションとしてポリゾールAP−1350(昭和高分子社製アクリル樹脂エマルション、アミン価18mgKOH/g、水酸基価0mgKOH/g、粒子径65nm)100部(固形分質量換算)、造膜助剤としてテキサノール(イーストマン社製)10部および脱イオン水90部を撹拌・混合して第1液にし、KBM−403(信越シリコーン社製グリシジル基含有シランカップリング剤)45部、KBM−602(信越シリコーン社製アミノ基含有シランカップリング剤)5部(何れも固形分質量換算)を撹拌・混合して第2液を調製した。その後、上記第1液と第2液とを撹拌・混合し、さらにフォードカップ#4で13秒となるようにアデカノールUH−420(アデカ社製粘性調整剤)を加えて混合して、補修用水性下塗り塗料組成物(1)を調製した。
得られた水性下塗り塗料組成物(1)を、無機塗料組成物および光触媒コーティング材を塗布して得られた複層塗膜を最表面に有するエクセレージ光セラ15(ケイミュー社製無機材料基材)に、乾燥膜厚20μmとなるように刷毛で塗装し、室温で24時間乾燥させ、塗膜を形成した。その上に、水性シリコンセラUV(日本ペイント社製建築用上塗り塗料)を、乾燥膜厚40μmとなるように刷毛で塗布し、23℃で7日間乾燥させ、補修塗膜を形成した。
また、被塗物を、フッ素系塗料および親水コーティング材を塗布して得られた複層塗膜を最表面に有するモエンエクセラード18(ニチハ社製無機材料基材)に対しても、上記と同様にして補修塗膜を形成した。
実施例2〜27および比較例1〜9
補修用水性下塗り塗料組成物(2)〜(36)の調製
補修用水性下塗り塗料組成物(2)〜(13)は、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)の量を下記表に示す量に変更し、アミノ基含有シランカップリング剤(C)の種類、量を下記表に示すものに変更して、実施例1と同様にして調製した。
補修用水性下塗り塗料組成物(14)〜(20)は、ポリゾールAP−1350の代わりにアニオン性樹脂エマルション1としてジョンクリル537(BASF社製アクリル樹脂エマルション、固形分酸価70mgKOH/g、水酸基価0mgKOH/g、平均粒子径70nm)を用い、かつグリシジル基含有シランカップリング剤(B)の量を下記表に示す量に変更し、アミノ基含有シランカップリング剤(C)の種類、量を下記表に示すものに変更して、実施例1と同様にして調製した。
補修用水性下塗り塗料組成物(21)〜(26)は、ポリゾールAP−1350の代わりにジョンクリル537を用い、かつグリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の種類、量を下記表に示すものに変更して、実施例1と同様にして調製した。
補修用水性下塗り塗料組成物(27)は、ポリゾールAP−1350の代わりにアニオン性樹脂エマルション2としてボンコート520S−EF(DIC社製シリコーン含有アクリル樹脂エマルション、固形分酸価13mgKOH/g、水酸基価0mgKOH/g、平均粒子径150nm)を用い、かつグリシジル基含有シランカップリング剤(B)の量を下記表に示す量に変更し、アミノ基含有シランカップリング剤(C)の種類、量を下記表に示すものに変更して、実施例1と同様にして調製した。
補修用水性下塗り塗料組成物(28)〜(36)は、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の量を下記表に示すものに変更して、実施例1と同様にして調製した。
得られた補修用水性下塗り塗料組成物(2)〜(36)を用いて、実施例1と同様の手順で塗装した。
上記実施例および比較例によって形成された塗膜を用いて、下記評価を行った。
補修塗膜の付着性評価
エクセレージ光セラ15およびモエンエクセラード18上に形成した補修塗膜に、4mmゴバン目25マスクロスカットを施した後、セロテープ(登録商標、ニチバン社製)を付着させ、剥離テストを実施した。剥離度合いを下記基準に従い目視評価した。(合格ライン:3点以上)
5点 : カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥離がない
4点 : 剥離率5%未満
3点 : 剥離率5%以上15%未満
2点 : 剥離率15%以上35%未満
1点 : 剥離率35%以上
水性上塗り塗料乾燥時のクラック発生評価
前記補修塗膜作製例で得られた塗板を目視および30倍ルーペで観察して、下記基準に従い評価した。(合格ライン:3点以上)
5点 : 全く異常なし
4点 : ルーペで全体の3%以内でクラックが発生
3点 : ルーペで全体の3%を超え10%以内でクラックが発生
2点 : 目視で全体の5%以内でクラックが発生
1点 : 目視で全面にクラック発生
第2液の貯蔵安定性
グリシジル基含有シランカップリング剤とアミノ基含有シランカップリング剤を、所定配合で混合し、これを密閉容器に入れ、60℃で1週間経過した後の混合物の状態を目視評価した。
○ : 沈降、分離、固化がない。
× : 沈降、分離、固化がある。
Figure 0005479402
Figure 0005479402
Figure 0005479402
上記表中、
KBM403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシシラン、
KBE402:3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、
KBE403:3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
KBM602:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
KBM603:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
KBE603:N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
KBM903:3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
KBE903:3−アミノプロピルトリエトキシシラン、
(何れも信越シリコーン社)
を示す。
実施例で用いた補修用水性下塗り塗料組成物は、何れも、補修塗膜の付着性が合格基準に達しており、また水性上塗り塗料組成物を塗装し乾燥させた場合においても、著しいクラックの発生は生じなかった。
一方、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)の含有量が65部を超える比較例1では、水性上塗り塗料組成物を塗装し乾燥させた後に、目視でクラックの発生が認められた。
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)の含有量が20部に満たない比較例2では、モエンエクセラード18に対する補修塗膜の付着性能が劣っていた。
アミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量が15部を超える比較例3では、水性上塗り塗料組成物を塗装し乾燥させた後に、目視でクラックの発生が認められた。
アミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量が2部に満たない比較例4では、エクセレージ光セラ15に対する補修塗膜の付着性能が劣っていた。
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の総量が、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して70質量部を超える比較例5では、水性上塗り塗料組成物を塗装し乾燥させた後に、目視でクラックの発生が認められた。
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の総量が、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して22質量部未満である比較例6では、モエンエクセラード18に対する補修塗膜の付着性能が劣っていた。
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の何れも含まない比較例7では、モエンエクセラード18およびエクセレージ光セラ15の何れに対しても補修塗膜の付着性能が著しく劣っていた。
アミノ基含有シランカップリング剤(C)を含まない比較例8では、エクセレージ光セラ15に対する補修塗膜の付着性能が著しく劣っていた。
グリシジル基含有シランカップリング剤(B)を含まない比較例9では、モエンエクセラード18に対する補修塗膜の付着性能が著しく劣っていた。
本発明の補修用水性下塗り塗料組成物を用いることによって、無機塗料組成物、無機−有機複合塗料組成物、フッ素塗料組成物、アクリルシリコーン塗料組成物および低汚染性塗料組成物等を塗装して形成された様々な機能性塗膜を最表面に有する基材に対しても、良好な付着性を有する補修塗膜を設けることができる。そのため、本発明の補修用水性下塗り塗料組成物は、種々の機能を有する様々な外装用建材の補修における下塗り塗料(マルチシーラー)として、好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)、
    グリシジル基含有シランカップリング剤(B)、および
    アミノ基含有シランカップリング剤(C)、
    を含む、補修用水性下塗り塗料組成物であって、
    該窯業建材補修用水性下塗り塗料組成物が、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)を含む第1液と、グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)を含む第2液とからなり、
    該グリシジル基含有シランカップリング剤(B)の含有量は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して20〜65質量部であり、
    該アミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量は、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して2〜15質量部であり、かつ
    該グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の総量が、アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)の樹脂固形分100質量部に対して22〜70質量部であり、
    該グリシジル基含有シランカップリング剤(B)およびアミノ基含有シランカップリング剤(C)の含有量の質量比が(B)/(C)=7〜14の範囲内である、
    窯業建材補修用水性下塗り塗料組成物。
  2. 前記グリシジル基含有シランカップリング剤(B)が、下記式(1)
    Figure 0005479402
    [式(1)中、Yはグリシジル基であり、Rはエチレン基またはプロピレン基であり、Rはメチル基またはエチル基であり、nは0または1である。]
    で示される化合物である、請求項1記載の窯業建材補修用水性下塗り塗料組成物。
  3. 前記アニオン性またはカチオン性樹脂エマルション(A)が、アクリル樹脂エマルションまたはシリコーン含有アクリル樹脂エマルションの少なくとも一方を含んでいる、請求項1または2記載の窯業建材補修用水性下塗り塗料組成物。
  4. 塗膜を有する窯業建材に、請求項1〜いずれかに記載の窯業建材補修用水性下塗り塗料組成物を塗装し、次いで上塗り塗料組成物を塗装する工程を包含する、窯業建材の補修方法。
  5. 前記窯業建材が、その最表面に、無機塗料組成物、無機−有機複合塗料組成物、フッ素塗料組成物、アクリルシリコーン塗料組成物および低汚染性塗料組成物から選択される塗料組成物を塗装して形成された塗膜を有する無機材料基材である、請求項記載の窯業建材の補修方法。
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