JP2000328000A - フィルム用コーティング組成物およびコーティングフィルム - Google Patents

フィルム用コーティング組成物およびコーティングフィルム

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JP2000328000A
JP2000328000A JP11142409A JP14240999A JP2000328000A JP 2000328000 A JP2000328000 A JP 2000328000A JP 11142409 A JP11142409 A JP 11142409A JP 14240999 A JP14240999 A JP 14240999A JP 2000328000 A JP2000328000 A JP 2000328000A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性、耐久性、透明性に優れ、光触媒機能
を有するフィルムを提供することが可能なフィルム用コ
ーティング組成物を得る。 【解決手段】 (I)(a)オルガノポリシロキサン、
(b1)水および/または有機溶剤ならびに(c)光触
媒;(II) (a)オルガノポリシロキサン、(b2)シ
リル基含有重合体および(c)光触媒;(a)オルガノ
ポリシロキサン、(b3)シリル基含有フッ素系重合体
および(c)光触媒;あるいは、(IV)(a)オルガノ
ポリシロキサンと(b2)シリル基含有重合体とを含有
する特定重合体および(c)光触媒が水系媒体中に分散
してなる水系分散体;を含有するフィルムコート用の光
触媒機能を有するコーティング組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性、耐久性、
透明性に優れ、光触媒機能を有するフィルムを提供する
ことが可能な、フィルム用コーティング組成物およびこ
れより得られるコーティングフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐候性、耐汚染性、耐薬品性に優
れ、しかも硬度の高い塗膜を形成させることのできるコ
ーティング用組成物が求められており、さらに今後は汎
用性の高いものが求められる。これまでには、シリル基
含有ビニル系樹脂とオルガノシラン化合物からなる組成
物として、特開平01−69673号公報や特開平01
−69674号公報があるが、いずれも、基材が限定さ
れている。また、特開平04−108172号公報や特
開平04−117473号公報などがあるが、いずれ
も、対象基材は広いが、具体的に塗装仕様については述
べられていない。
【0003】一方、オルガノシラン系コーティング材
は、耐候(光)性、耐汚染性などに優れたメンテナンス
フリーのコーティング材として技術開発が進められてい
る。このようなオルガノシラン系コーティング材に対す
る要求性能はますます厳しくなっており、近年では、塗
膜外観、密着性、耐候性、耐熱性、耐アルカリ性、耐有
機薬品性、耐湿性、耐(温)水性、耐絶縁性、耐摩耗
性、耐汚染性などに優れ、硬度の高い塗膜を形成するこ
とのできるコーティング材が求められている。
【0004】特に、耐汚染性を改善するためには、塗膜
表面を親水性化するとよいことが認められており、例え
ば、親水性物質や水溶性物質を添加する方法が提案され
ている。しかし、このような方法では、親水性物質や水
溶性物質が次第に光により劣化したり、水により洗い流
されたりして、塗膜表面の親水性を充分なレベルに長期
にわたり持続することが困難である。
【0005】また近年、光触媒成分を配合したコ−ティ
ング用組成物が数多く提案されており、その例として、
チタン酸化物、加水分解性ケイ素化合物(アルキルシリ
ケートまたはハロゲン化ケイ素)の加水分解物、および
溶媒(水またはアルコール)からなる光触媒用酸化チタ
ン塗膜形成性組成物(特開平8−164334号公
報)、少なくとも2個のアルコキシ基を有するケイ素化
合物、少なくとも2個のアルコキシ基を有するチタン化
合物またはジルコニウム化合物、およびグアニジル基を
有するアルコキシシランおよび/またはポリシロキサン
で処理された酸化チタンなどの親水性無機粉末からな
る、抗菌・防カビ性を付与するための表面処理組成物
(特開平8−176527号公報)のほか、テトラアル
コキシシラン20〜200重量部、トリアルコキシシラ
ン100重量部およびジアルコキシシラン0〜60重量
部を原料とし、該原料から調製されるポリスチレン換算
重量平均分子量が900以上の無機塗料と光触媒機能を
有する粉末との混合液から得られる塗膜を酸またはアル
カリで処理する無機塗膜の形成方法(特開平8−259
891号公報)などが知られている。
【0006】しかしながら、これらの塗膜形成用の組成
物や混合液は、本質的に光触媒成分あるいはグアニジル
基を有するアルコキシシランおよび/またはポリシロキ
サン成分に基づく抗菌・防カビ、脱臭や有害物質の分解
を意図したものであり、これらの作用に加えて、オルガ
ノシラン系コーティング材に求められる硬度、密着性、
耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐候性、耐汚染性などを
含めた塗膜性能が総合的に検討されてはいない。
【0007】一方、オルガノシラン系コーティング材に
対する要求性能をある程度満たすコグ用組成物として、
オルガノシランの部分縮合物、コロイダルシリカの分散
液およびシリコーン変性アクリル樹脂を配合した組成物
(特開昭60−135465号公報)、オルガノシラン
の縮合物、ジルコニウムアルコキシドのキレート化合物
および加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂を配合した
組成物(特開昭64−1769号公報)、オルガノシラ
ンの縮合物、コロイド状アルミナおよび加水分解性シリ
ル基含有ビニル系樹脂を配成した組成物(米国特許第
4,904,721号明細書)などが提案されている。
【0008】しかしながら、上記特開昭60−1354
65号公報および米国特許第4,904,721号明細
書に記載されている組成物から得られる塗膜は、長時間
の紫外線照射により光沢が低下するという欠点がある。
また、上記特開昭64−1769号公報に記載されてい
る組成物は、保存安定性が充分ではなく、固形分濃度を
高くすると、短期間でゲル化し易いという問題を有して
いる。
【0009】さらに、本願特許出願人は、既にオルガノ
シランの加水分解物および/またはその部分縮合物、加
水分解性および/または水酸基と結合したケイ素原子を
有するシリル基を有するビニル系樹脂、金属キレート化
合物ならびにβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエ
ステル類を含有するコーティング用組成物コーティング
用組成物(特開平5−345877号公報)を提案して
おり、該組成物は、オルガノシラン系コーティング材に
求められている上記塗膜性能のバランスに優れている
が、これらの性能についても、さらなる改善が求められ
ている。
【0010】さらに、特開平9−227161号公報に
は、フィルム基材の表面に、実質的に透明な光触媒性酸
化物粒子を含有する表面層を備えたセルフクリーニング
性フィルムが提案されているが、フイルムが光触媒作用
により劣化し、長期耐久性に問題が発生する場合があ
る。また、特開平9−313887号公報には、表面に
光触媒層を設けた裏面に接着剤を塗布することにより、
機器、部材などに貼付して光触媒機能を持たせた光触媒
シートが提案されているが、同様にシートが光触媒作用
により劣化し、長期耐久性に問題が発生する場合があ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術的課題を背景になされたもので、フィルム基材に対
し簡便にコーティングでき、防汚性、耐久性、透明性に
優れ、光触媒機能を有するコーティングフィルムが得ら
れるフィルム用コーティング組成物を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、(I)(a)
下記一般式(1) (R1 n Si(OR2 4-n ・・・・・(1) (式中、R1 は、2個存在するときは同一または異な
り、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一
または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた
少なくとも1種(以下「(a)成分」ともいう)、(b
1)水および/または有機溶剤(以下「(b1)成分」
ともいう)、ならびに(c)光触媒(以下、「(c)成
分」ともいう)を含有することを特徴とするフィルム用
コーティング組成物(以下「組成物(I)」ともいう)
を提供するものである。また、本発明は、(II)上記
(a)成分、(b2)加水分解性基および/または水酸
基と結合したケイ素原子を有するシリル基を含有する重
合体(以下「(b2)シリル基含有重合体」または
「(b2)成分」ともいう)、ならびに(c)光触媒を
含有することを特徴するフィルム用コーティング組成物
(以下「組成物(II)」ともいう)を提供するものであ
る。さらに、本発明は、(III)上記(a)成分、(b
3)下記一般式(2)で表される構成単位 (式中、R3 〜R5 はCm 2m+1、m=0〜5の整数、
Yはそれぞれ独立に、F、HおよびClから選ばれ
る。)および/または下記一般式(3)で表される構成
単位 〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアル
コキシアルキル基を示し、R3 〜R5 は一般式(2)と
同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR 3 〜R
5 と異なっていてもよい。〕を有し、かつ、加水分解性
基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有する
シリル基を含む重合体の群から選ばれる少なくとも1種
(以下「(b3)シリル基含有フッ素系重合体」または
「(b3)成分」ともいう)、ならびに(c)光触媒を
含有することを特徴とするフィルム用コーティング組成
物(以下「組成物(III)」ともいう)を提供するもので
ある。さらに、本発明は、(IV)上記(a)成分と上記
(b2)成分とを含有する重合体(以下「特定重合体」
ともいう)および(c)光触媒が、水系媒体中に分散し
てなる水系分散体を含有することを特徴とするフィルム
用コーティング組成物(以下「組成物(IV)」ともい
う)を提供するものである。
【0013】次に、本発明は、上記組成物(I)〜(I
V)いずれかのフィルム用コーティング組成物からなる
塗膜を有するコーティングフィルムを提供するものであ
る。
【0014】次に、本発明は、下記(i)、(ii)、
(iii)または(iv)の組成物からなる塗膜を有し、その
上に、上記組成物(I)〜(IV)いずれかのフィルム用
コーティング組成物からなる塗膜を有することを特徴と
するコーティングフィルムを提供するものである。 (i)上記(a)成分、ならびに(b1)水および/ま
たは有機溶剤を含有するコーティング組成物(以下「組
成物(i)」ともいう)。 (ii) 上記(a)成分、および上記(b2)成分を含有
するコーティング組成物(以下「組成物(ii)」ともい
う)。 (iii)上記(a)成分、および上記(b3)成分を含有
するコーティング組成物(以下「組成物(iii)」ともい
う)。 (iv)上記(a)成分と上記(b2)成分とを含有する
特定重合体が、水系媒体中に分散してなる水系分散体を
含有するコーティング組成物(以下「組成物(iv)」と
もいう)。上記コーティングフィルムとしては、ウィン
ドウフィルムが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について順次説明す
る。組成物(I) 組成物(I)は、上記(a)成分、(b1)成分および
(c)成分を主成分とする。 (a)成分;(a)成分は、上記一般式(1)で表され
るオルガノシラン(以下「オルガノシラン(1)」とい
う)、オルガノシラン(1)の加水分解物、およびオル
ガノシラン(1)の縮合物から選択された少なくとも1
種であり、本発明の組成物中においては結合剤としての
働きをするものである。すなわち、(a)成分は、これ
ら3種のうちの1種だけでもよいし、任意の2種の混合
物であってもよいし、3種類すべてを含んだ混合物であ
ってもよい。ここで、上記オルガノシラン(1)の加水
分解物は、オルガノシラン(1)に2〜4個含まれるO
2 基がすべて加水分解されている必要はなく、例え
ば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加
水分解されているもの、あるいはこれらの混合物であっ
てもよい。また、上記オルガノシラン(1)の縮合物
は、オルガノシラン(1)の加水分解物のシラノール基
が縮合してSi−O−Si結合を形成したものである
が、本発明では、シラノール基がすべて縮合している必
要はなく、僅かな一部のシラノール基が縮合したもの、
縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含し
た概念である。
【0016】一般式(1)において、R1 の炭素数1〜
8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−
ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エ
チルヘキシル基などのアルキル基;アセチル基、プロピ
オニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、ト
リオイル基、カプロイル基などのアシル基;ビニル基、
アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、エポキシ
基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイ
ド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナ
ート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げ
ることができる。
【0017】R1 の置換誘導体における置換基として
は、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミ
ノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリ
シドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メ
タ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基
などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導
体からなるR1 の炭素数は、置換基中の炭素原子を含め
て8以下である。一般式(1)中に、R1 が2個存在す
るときは、相互に同一でも異なってもよい。
【0018】また、R2 の炭素数1〜5のアルキル基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることが
でき、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カ
プロイル基などを挙げることができる。一般式(1)中
に複数個存在するR2 は、相互に同一でも異なってもよ
い。
【0019】このようなオルガノシラン(1)の具体例
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテト
ラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシ
シラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピ
ルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエ
トキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−
ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキ
シシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロ
ヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチル
トリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキ
シシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−
ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキ
シシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリル
オキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロ
ピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエ
トキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−
n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエ
トキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ
−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメ
トキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−
n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエ
トキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ
−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジ
メトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、
ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチル
ジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシ
シラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ンなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセ
チルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランな
どを挙げることができる。
【0020】これらのうち、トリアルコキシシラン類、
ジアルコキシシラン類が好ましく、また、トリアルコキ
シシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシランが好ましく、さらに、ジアルコキ
シシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシランが好ましい。
【0021】本発明において、オルガノシラン(1)と
しては、特に、トリアルコキシシランのみ、あるいは、
トリアルコキシシラン40〜95モル%とジアルコキシ
シラン60〜5モル%との組み合わせが好ましい。ジア
ルコキシシランをトリアルコキシシランと併用すること
により、得られる塗膜を柔軟化し、耐アルカリ性を向上
させることができる。
【0022】オルガノシラン(1)は、そのまま、ある
いは加水分解物および/または縮合物として使用され
る。オルガノシラン(1)を加水分解物および/または
縮合物として使用する場合は、予め加水分解・縮合させ
て(a)成分として使用することもできるが、後述する
ように、オルガノシラン(1)を残りの成分と混合して
組成物を調製する際に、適量の水〔(b1)成分など〕
を添加することにより、オルガノシラン(1)を加水分
解・縮合させて、(a)成分とすることが好ましい。
(a)成分が縮合物として使用されるとき、該縮合物の
ポリスチレン換算重量平均分子量(以下「Mw」とい
う)は、好ましくは、800〜100,000、さらに
好ましくは、1,000〜50,000である。
【0023】また、(a)成分の市販品には、三菱化学
(株)製のMKCシリケート、コルコート社製のエチル
シリケート、東レ・ダウコーニング社製のシリコンレジ
ン、東芝シリコーン(株)製のシリコンレジン、信越化
学工業(株)製のシリコンレジン、ダウコーニング・ア
ジア(株)製のヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキ
サン、日本ユニカ(株)製のシリコンオリゴマーなどが
あり、これらをそのまま、または縮合させて使用しても
よい。
【0024】本発明において、(a)成分は、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。
【0025】(b1)成分;(b1)成分は、水および
/または有機溶剤からなる。本発明の組成物(I)は、
上記(a)成分、(b1)成分および後記(c)成分を
必須とし、場合により、後述する(d)〜(f)成分な
どを含有するものであり、通常、組成物を調製する際
に、水がオルガノシラン(1)を加水分解・縮合反応さ
せ、あるいは、後述する粒子状成分を分散させるために
添加される。本発明における水の使用量は、(a)成分
中の(R1 n SiO(4-n)/2 〔R1 およびnは、上記
式(1)に準ずる。以下、同じ。〕で表される構造単位
1モルに対して、通常、0.5〜3モル、好ましくは、
0.7〜2モル程度である。
【0026】また、上記有機溶剤は、主として、(a)
成分、後記(c)成分、任意成分である(d)〜(f)
成分などを均一に混合させ、組成物の全固形分濃度を調
整すると同時に、種々の塗装方法に適用できるように
し、かつ組成物の分散安定性および保存安定性をさらに
向上させるために使用される。
【0027】このような有機溶剤としては、上記各成分
を均一に混合できるものであれば特に限定されないが、
例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル
類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤のうち、アルコール類の具体例として
は、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n
−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレンモノメチルエ
ーテルアセテート、ジアセトンアルコールなどを挙げる
ことができる。
【0028】また、芳香族炭化水素類の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どを、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを
挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。
【0029】(c)成分;(c)成分は光触媒であり、
好ましい光触媒としては、光触媒能を有する半導体の粉
体および/またはゾルが挙げられる。
【0030】光触媒能を有する半導体としては、例え
ば、TiO2 、TiO3 、SrTiO 3 、FeTi
3 、WO3 、SnO2 、Bi2 3 、In2 3 、Z
nO、Fe 2 3 、RuO2 、CdO、CdS、CdS
e、GaP、GaAs、CdFeO 3 、MoS2 、La
RhO3 、GaN、CdP、ZnS、ZnSe、ZnT
e、Nb2 5 、ZrO2 、InP、GaAsP、In
GaAlP、AlGaAs、PbS、InAs、PbS
e、InSbなどを挙げることができ、このうち、好ま
しいものは、TiO2 、ZnOであり、特に好ましいも
のはアナターゼ型の構造を含むTiO2 である。
【0031】本発明においては、(c)成分の光触媒能
により、微弱な光によっても短時間で塗膜表面が親水性
化され、その結果、他の塗膜性能を実質的に損なうこと
なく、塗膜の耐汚染性を著しく改善できることが明らか
となった。しかも、本発明の組成物(I)から得られる
塗膜中では、通常、(c)成分が上記(a)成分などと
結合を有しており、塗膜の親水性、耐汚染性が長期にわ
たり持続される。
【0032】また、上記半導体は、粉体および/または
ゾルの態様で使用されることが望ましい。詳細には、粉
体、水に分散した水系ゾル、イソプロピルアルコールな
どの極性溶媒やトルエンなどの非極性溶媒に分散した溶
媒系ゾルの3種類のうちのいずれかの態様をとることが
望ましい。溶媒系ゾルの場合、半導体の分散性によって
は、さらに水や溶媒で希釈して用いてもよい。これらの
存在形態における半導体の平均粒子径は、光触媒能の観
点では小さいほど好ましい。この場合、半導体の平均粒
子径が0.3μm以上であると、半導体の光隠ぺい作用
により、塗膜が不透明になりやすい。また、0.3μm
未満であると、塗膜が透明となる傾向にある。従って、
半導体の平均粒子径は、組成物の用途に応じて適宜選択
することができる。
【0033】(c)成分が水系ゾルあるいは溶媒系ゾル
である場合の固形分濃度は、50重量%以下が好まし
く、さらに好ましくは、40重量%以下である。
【0034】(c)成分を組成物中に配合する方法とし
ては、上記(a)成分および(b1)成分と後記(d)
〜(f)成分などからなる組成物の調製後に添加しても
よく、あるいは、この組成物の調製時に添加して、
(c)成分の存在下で、(a)成分などを加水分解・縮
合させることもできる。(c)成分を組成物の調製時に
添加すると、(c)成分中の半導体化合物を(a)成分
などと共縮合させることができ、得られる塗膜の長期耐
久性が特に改善される。また、(c)成分が水系ゾルで
ある場合は、組成物の調製時に添加するのが好ましく、
さらに、後述する(e)成分の配合により、系内の粘性
が上昇する場合にも、(c)成分を組成物の調製時に添
加する方が好ましい。さらに、本発明の組成物が着色成
分を含有するエナメルとして用いられる場合は、(c)
成分を組成物に添加したのち、調色を行ってもよく、ま
た、(c)成分と着色成分とを同時に組成物に添加して
もよい。
【0035】本発明において、(c)成分は、単独でま
たは2種以上を混合して使用するこる。(c)成分の使
用量は、(a)成分中の(R1 n SiO(4-n)/2 で表
される構造単位100重量部に対して、固形分換算で、
通常、1〜500重量部、好ましくは、5〜400重量
部である。1重量部未満では、光触媒反応による防汚効
果が不足する場合があり、一方、500重量部を超える
と、得られるコーティング組成物の成膜性が低下する場
合がある。
【0036】組成物(II) 組成物(II)は、上記(a)成分および(c)成分に、
(b2)シリル基含有重合体を配合した組成物である。
【0037】(b2)シリル基含有重合体;(b2)成
分は、加水分解性基および/または水酸基と結合したケ
イ素原子を有するシリル基(以下「特定シリル基」とい
う)を、好ましくは重合体分子鎖の末端および/または
側鎖に有する重合体からなる。組成物(II)において、
(b2)成分は、塗膜を硬化させる際に、そのシリル基
中の加水分解性基および/または水酸基が上記(a)成
分と共縮合することにより、優れた塗膜性能をもたらす
成分である。(b2)成分におけるケイ素原子の含有量
は、(b2)成分全体に対して、通常、0.001〜2
0重量%、好ましくは0.01〜15重量%である。好
ましい特定シリル基は、下記一般式(4)で表される基
である。
【0038】 (式中、Xはハロゲン原子、アルコキシル基、アセトキ
シ基、フェノキシ基、チオアルコキシル基、アミノ基な
どの加水分解性基または水酸基を示し、R6 は水素原
子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10
のアラルキル基を示し、iは1〜3の整数である。)
【0039】(b2)成分は、例えば、下記(イ)や
(ロ)などの方法により、製造することができる。 (イ)上記一般式(2)に対応するヒドロシラン化合物
(以下「ヒドロシラン化合物(イ)」という)を、炭素
−炭素二重結合を有するビニル系重合体(以下「不飽和
ビニル系重合体」という)中の該炭素−炭素二重結合に
付加反応させる方法。
【0040】(ロ)下記一般式(5) 〔式中、X、R6 、iは一般式(2)におけるそれぞれ
X、R6 、iと同義であり、R7 は重合性二重結合を
有する有機基を示す。〕で表されるシラン化合物(以下
「不飽和シラン化合物(ロ)」という)と、他のビニル
系単量体とを共重合する方法。
【0041】上記(イ)の方法に使用されるヒドロシラ
ン化合物(イ)としては、例えば、メチルジクロルシラ
ン、トリクロルシラン、フェニルジクロルシランなどの
ハロゲン化シラン類;メチルジメトキシシラン、メチル
ジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメ
トキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコキシシ
ラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセト
キシシラン、トリアセトキシシランなどのアシロキシシ
ラン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシシ
ラン、ジメチル・アミノキシシランなどのアミノキシシ
ラン類などを挙げることができる。これらのヒドロシラ
ン化合物(イ)は、単独でまたは2種以上を混合して使
用することができる。
【0042】また、上記(イ)の方法に使用される不飽
和ビニル系重合体は、水酸基を有する重合体以外であれ
ば特に限定されず、例えば、下記(イ−1)や(イ−
2)の方法あるいはこれらの組み合わせなどによって製
造することができる。 (イ−1)官能基(以下「官能基(α)」という)を有
するビニル系単量体を(共)重合したのち、該(共)重
合体中の官能基(α)に、該官能基(α)と反応しうる
官能基(以下「官能基(β)」という)と炭素・炭素二
重結合とを有する不飽和化合物を反応させることによ
り、重合体分子鎖の側鎖に炭素−炭素二重結合を有する
不飽和ビニル系重合体を製造する方法。
【0043】(イ−2)官能基(α)を有するラジカル
重合開始剤(例えば、4,4−アゾビス−4−シアノ吉
草酸など)を使用し、あるいは、ラジカル重合開始剤と
連鎖移動剤の双方に官能基(α)を有する化合物(例え
ば、4,4−アゾビス−4−シアノ吉草酸とジチオグリ
コール酸など)を使用して、ビニル系単量体を(共)重
合して、重合体分子鎖の片末端あるいは両末端にラジカ
ル重合開始剤や連鎖移動剤に由来する官能基(α)を有
する(共)重合体を合成したのち、該(共)重合体中の
官能基(α)に、官能基(β)と炭素・炭素二重結合と
を有する不飽和化合物を反応させることにより、重合体
分子鎖の片末端あるいは両末端に炭素−炭素二重結合を
有する不飽和ビニル系重合体を製造する方法。
【0044】(イ−1)および(イ−2)の方法におけ
る官能基(α)と官能基(β)との反応の例としては、
カルボキシル基と水酸基とのエステル化反応、カルボン
酸無水物基と水酸基との開環エステル化反応、カルボキ
シル基とエポキシ基との開環エステル化反応、カルボキ
シル基とアミノ基とのアミド化反応、カルボン酸無水物
基とアミノ基との開環アミド化反応、エポキシ基とアミ
ノ基との開環付加反応、水酸基とイソシアネート基との
ウレタン化反応や、これらの反応の組み合わせなどを挙
げることができる。
【0045】官能基(α)を有するビニル系単量体とし
ては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン
酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カル
ボン酸無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチ
ルビニルエーテルなどの水酸基含有ビニル系単量体;2
−アミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロ
ピル(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メ
タ)アクリレート、2−アミノエチルビニルエーテルな
どのアミノ基含有ビニル系単量体;1,1,1−トリメ
チルアミン(メタ)アクリルイミド、1−メチル−1−
エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチ
ル−1−(2−ヒドロキシプロピル)アミン(メタ)ア
クリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニ
ル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリル
イミド、1,1−ジメチル−1−(2’−ヒドロキシ−
2’−フェノキシプロピル)アミン(メタ)アクリルイ
ミドなどのアミンイミド基含有ビニル系単量体;グリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル
などのエポキシ基含有ビニル系単量体などを挙げること
ができる。これらの官能基(α)を有するビニル系単量
体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
できる。
【0046】官能基(α)を有するビニル系単量体と共
重合可能な他のビニル系単量体としては、例えば、 (イ)スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチ
レン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−
メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4
−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジ
メチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロ
ロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メ
チルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジク
ロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニル
ナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;
【0047】(ロ)メチル(メタ)アクリレート、 エ
チル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル
(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、
i−アミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)ア
クリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物;
【0048】(ハ)ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、 テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性単量
体;
【0049】(ニ)(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミ
ド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、
マレイミドなどの酸アミド化合物; (ホ)塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエス
テルなどのビニル化合物; (ヘ)1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,
3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基などの
置換基で置換された置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖
状および側鎖状の共役ヘキサジエンなどの脂肪族共役ジ
エン;
【0050】(ト)アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル化合物; (チ)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペン
タデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートなどのフ
ッ素原子含有単量体; (リ)4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイ
ルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマ
ー;そのほかジカプロラクトンなどが挙げられる。これ
らは、1種単独あるいは2種以上を併用して用いること
ができる。
【0051】官能基(β)と炭素・炭素二重結合とを有
する不飽和化合物としては、例えば、官能基(α)を有
するビニル系単量体と同様のビニル系単量体や、上記水
酸基含有ビニル系単量体とジイソシアネート化合物とを
等モルで反応させることにより得られるイソシアネート
基含有不飽和化合物などを挙げることができる。
【0052】また、上記(ロ)の方法に使用される不飽
和シラン化合物(ロ)の具体例としては、CH2 =CH
Si(CH3 ) (OCH3 ) 2 、CH2 =CHSi(O
CH3 ) 3、CH3 =CHSi(CH3 ) Cl2 、CH
2 =CHSiCl3 、CH2 =CHCOO(CH2 ) 2
Si(CH3 ) (OCH3 ) 2 、CH2 =CHCOO
(CH2 ) 2 Si(OCH3 ) 3 、CH2 =CHCOO
(CH2 ) 3 Si(CH3 ) (OCH3 ) 2 、CH2
CHCOO(CH2 ) 3 Si(OCH3 ) 3 、CH2
CHCOO(CH2 ) 2 Si(CH3 ) Cl2 、CH2
=CHCOO(CH2 ) 2 SiCl3 、CH2 =CHC
OO(CH2 ) 3 Si(CH3 ) Cl2 、CH2 =CH
COO(CH2 ) 3 SiCl3 、CH2 =C(CH3 )
COO(CH2 ) 2 Si(CH3 ) (OCH3 ) 2 、C
2 =C(CH3 ) COO(CH2 ) 2 Si(OC
3 ) 3 、CH2 =C(CH3 ) COO(CH2 ) 3
i(CH3 ) (OCH3 ) 2 、CH2 =C(CH3 ) C
OO(CH2 ) 3 Si(OCH3 ) 3 、CH2 =C(C
3 ) COO(CH2 ) 2 Si(CH3 ) Cl2 、CH
2 =C(CH3 ) COO(CH2 ) 2 SiCl3 、CH
2 =C(CH3 ) COO(CH2 ) 3 Si(CH3 ) C
2 、CH2 =C(CH3 ) COO(CH2 ) 3 SiC
3
【0053】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0054】を挙げることができる。これらは、1種単
独あるいは2種以上を併用して用いることができる。ま
た、不飽和シラン化合物(ロ)と共重合させる他のビニ
ル系単量体としては、例えば、上記(イ−1)の方法に
ついて例示した官能基(α)を有するビニル系単量体や
他のビニル系単量体などの1種以上を挙げることができ
る。
【0055】また、(b2)成分の他の例としては、特
定シリル基含有エポキシ樹脂、特定シリル基含有ポリエ
ステル樹脂などを挙げることができる。上記特定シリル
基含有エポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジル
エーテル、脂肪族ポリグリシジルエステルなどのエポキ
シ樹脂中のエポキシ基に、特定シリル基を有するアミノ
シラン類、ビニルシラン類、カルボキシシラン類、、グ
リシジルシラン類などを反応させることにより製造する
ことができる。また、上記特定シリル基含有ポリエステ
ル樹脂は、例えば、ポリエステル樹脂中に含有されるカ
ルボキシル基や水酸基に、特定シリル基を有するアミノ
シラン類、カルボキシシラン類、グリシジルシラン類な
どを反応させることにより製造することができる。
【0056】(b2)成分のMwは、好ましくは2,0
00〜100,000、さらに好ましくは4,000〜
50,000である。組成物(II) における(b2)成
分の使用量は、(a)成分中の(R1 n SiO
(4-n)/2 で表される構造単位100重量部に対して、通
常、2〜900重量部、好ましくは、10〜400重量
部、さらに好ましくは、20〜200重量部である。こ
の場合、(b2)成分の使用量が2重量部未満では、得
られる塗膜が耐アルカリ性に劣るものとなる場合があ
り、一方、900重量部を超えると、塗膜の長期耐候性
が低下する傾向がある。
【0057】上記(b2)成分を製造する際の重合方法
としては、例えば、一括して単量体を添加して重合する
方法、単量体の一部を重合したのち、その残りを連続的
にあるいは断続的に添加する方法、もしくは、単量体を
重合の始めから連続的に添加する方法などが挙げられ
る。また、これらの重合方法を組み合わせた重合方法を
採用することもできる。好ましい重合方法としては、溶
液重合が挙げられる。溶液重合に使用される溶媒は、通
常のものを使用できるが、そのうち、ケトン類、アルコ
ール類が好ましい。この重合において、重合開始剤、分
子量調整剤、キレート化剤、無機電解質は、公知のもの
を使用することができる。
【0058】本発明において、(b2)成分は、単独で
または上記のようにして得られた2種以上を混合して使
用することができる。組成物(II)においては、上記
(b2)成分を、水および/または有機溶媒の存在下で
(a)成分と共縮合させることが好ましい。
【0059】なお、組成物(II)において、(a)成分
や(c)成分の種類・量は、組成物(I)と同様である
ので、省略する。
【0060】組成物(III) 組成物(III)は、上記(a)成分および(c)成分に、
(b3)シリル基含有フッ素系重合体を配合した組成物
である。
【0061】(b3)シリル基含有フッ素系重合体;
(b3)シリル基含有フッ素系重合体は、上記一般式
(2)で表される構成単位(以下「(b3−1)構成単
位」ともいう)および/または上記一般式(3)で表さ
れる構成単位(以下「(b3−2)構成単位」ともい
う)を有し、かつ上記特定シリル基を、好ましくは、重
合体分子鎖の末端および/または側鎖に有するフッ素系
重合体である。このような(b3)成分は、本発明の組
成物から得られる塗膜を硬化させる際に、特定シリル基
中の加水分解性基および/または水酸基が、上記(a)
成分と共縮合することにより、優れた塗膜性能をもたら
すことができる。(b3)成分におけるケイ素原子の含
有量は、(b3)成分全体に対して、通常、0.1〜6
0モル%、好ましくは、0.5〜50モル%である。
【0062】(b3)成分は、上記一般式(2)で表さ
れる(b3−1)構成単位を構成する単量体(以下
「(b3−1)単量体」ともいう)および/または上記
一般式(3)で表される(b3−2)構成単位を構成す
る単量体(以下「(b3−2)単量体」ともいう)、並
びに上記一般式(4)で表される(b3−3)特定シリ
ル基を構成する、加水分解性基および/または水酸基と
結合したケイ素原子を含有する(b3−3)単量体を重
合して得られ、また、必要に応じて、(b3−4)これ
らの単量体と共重合可能な他の単量体(以下「(b3−
4)単量体」ともいう)をさらに含めて重合して得ても
よい。上記(b3−4)単量体は、(b3−1)単量体
と(b3−2)単量体に含まれない、フッ素原子を有す
るものであってもよい。
【0063】また、(b3)成分は、(b3−1)単量
体および/または(b3−2)単量体を重合して得られ
る重合体、または、これらの単量体に、必要に応じて、
(b3−4)単量体をさらに含めて重合して得られる重
合体の炭素−炭素二重結合に、上記加水分解性基または
水酸基と反応し得る官能基を有するシラン化合物(以下
「(b3−5)シラン化合物」ともいう)を付加反応さ
せて得てもよい。
【0064】(b3−1)単量体; (b3−1)単量体は、下記一般式(2)’で表され
る。 (式中、R3 〜R5 はCm 2m+1、m=0〜5の整数、
Yはそれぞれ独立に、F,HおよびClから選ばれ
る。)
【0065】上記(b3−1)単量体としては、例え
ば、1個の重合性の不飽和二重結合基および少なくとも
1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることができ
る。 (b3−1)単量体の具体例としては、 (イ)CF2 =CF2 、CHF=CF2 、CH2 =CF
2 、CH2 =CHF、CClF=CF2 、CHCl=C
2 、CCl2 =CF2 、CClF=CClF、CHF
=CCl2 、CH2 =CClF、CCl2 =CClFな
どのフルオロエチレン類;CF3 CF=CF2 、CF3
CF=CHF、CF3 CH=CF2 、CF3 CF=CH
2 、CF3 CF=CHF、CHF2 CF=CHF、CF
3 CH=CH2 、CH3 CF=CF2 、CH3 CH=C
2 、CH3 CF=CH2 、CF2 ClCF=CF2
CF3 CCl=CF2 、CF3 CF=CFCl、CF2
ClCCl=CF2 、CF2 ClCF=CFCl、CF
2 CCl=CClF、CF2 CCl=CCl2 、CCl
3 CF=CF2 、CF2 ClCCl=CCl2 、CFC
2CCl=CCl2 、CF3 CF=CHCl、CCl
2 CF=CHCl、CF3CCl=CHCl、CHF
2 CCl=CCl2 、CF2 ClCH=CCl2 、CF
2 ClCCl=CHCl、CCl3 CF=CHClなど
のフルオロプロペン類; (ロ)CF3 CF2 CF=CF2 、CF3 CF=CFC
3 、CF3 CH=CFCF3 、CF2 =CFCF2
HF2 、CF3 CF2 CF=CH2 、CF2 CH=CH
CF3 、CF2 =CFCF2 CH3 、CF2 =CFCH
2 CH3 、CF 3 CH2 CH=CH2 、CF3 CH=C
HCH3 、CF2 =CHCH2 CH3 、CH3 CF2
H=CH2 、CFH2 CH=CHCFH2 、CH3 CF
2 CH=CH2 、CH2 =CFCH2 CH3 、CF
3 (CF2 2 CF=CF2 、CF3(CF2 2 CF
=CF2 などの炭素数4以上のフルオロオレフィン類;
などが挙げられる。
【0066】これらのフッ素原子を含有する(b3−
1)単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わ
せて使用してもよい。
【0067】(b3−2)単量体;(b3−2)単量体
は、下記一般式(3)’で表される。 〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアル
コキシアルキル基を示し、R3 〜Rは、一般式(2)’
と同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR3
5 と異なっていてもよい。〕
【0068】上記(b3−2)単量体としては、例え
ば、1個の重合性の不飽和二重結合基、エーテル結合お
よび少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げ
ることができる。 (b3−2)単量体の具体例としては、 (イ)CH2 =CH−O−Rf (Rfは、フッ素原子を含むアルキル基もしくはアルコ
キシアルキル基を示す)で表される(フルオロアルキ
ル)ビニルエーテル、または、(フルオロアルコキシア
ルキル)ビニルエーテル類; (ロ)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフ
ルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロ
ピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエ
ーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)
などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類; (ハ)パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテ
ル)などのパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエ
ーテル)類;などを挙げることができる。これらのフッ
素原子を含有する(b3−2)単量体は、1種単独であ
るいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0069】なお、(b3−1)単量体と(b3−2)
単量体を組み合わせて使用する場合、その組み合わせと
しては、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロアル
キルパーフルオロビニルエーテルまたはパーフルオロア
ルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテルとを組み
合わせて使用することが好ましい。
【0070】(b3−3)単量体;(b3−3)単量体
は、1分子中に重合性の不飽和二重結合、ならびに加水
分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を
含有する単量体である。上記(b3−3)単量体として
は、例えば、上記(b2)シリル基含有重合体に用いら
れる上記一般式(5)で表される不飽和シラン化合物
(ロ)が挙げられる。
【0071】(b3−4)単量体;上記(b3−1)〜
(b3−3)単量体と共重合可能な他の単量体である
(b3−4)単量体は、例えば、上記(b2)シリル基
含有重合体の製造に用いられる「官能基(α)を有する
ビニル系単量体」と同様のものを挙げることができる。
【0072】(b3−5)シラン化合物;付加反応に用
いる(b3−5)シラン化合物としては、メチルジクロ
ルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロルシラン
などのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシラン、
メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、
トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコ
キシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジ
アセトキシシラン、トリアセトキシシランなどのアシロ
キシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノ
キシシラン、ジメチル・アミノキシシランなどのアミノ
キシシラン類などを挙げることができる。これらは、1
種単独あるいは2種以上を併用して用いることができ
る。
【0073】上記(b3)成分を製造する際の重合方法
としては、例えば、一括して単量体を添加して重合する
方法、単量体の一部を重合したのち、その残りを連続的
にあるいは断続的に添加する方法、もしくは、単量体を
重合の始めから連続的に添加する方法などが挙げられ
る。また、これらの重合方法を組み合わせた重合方法を
採用することもできる。好ましい重合方法としては、溶
液重合が挙げられる。溶液重合に使用される溶媒は、通
常のものを使用できるが、そのうち、ケトン類、アルコ
ール類が好ましい。この重合において、重合開始剤、分
子量調整剤、キレート化剤、無機電解質は、公知のもの
を使用することができる。
【0074】(b3)成分を構成する(b3−1)構成
単位と(b3−2)構成単位との合計含有量は、(b
3)成分中に、通常、0.5〜80モル%、好ましく
は、1〜70モル%である。0.5モル%未満では、透
明性、密着性などに優れたバランスの良い塗膜を得るの
が難しい場合がある。一方、80モル%を超えると、得
られる塗膜が基板との密着性に劣るものとなる場合があ
る。このうち、(b3−1)構成単位の含有量は、(b
3)成分中に、好ましくは、0.5〜70モル%であ
る。また、(b3−2)構成単位の含有量は、(b3)
成分中に、好ましくは、0.5〜70モル%である。さ
らに、(b3−3)構成単位の含有量は、特定シリル基
の含有量が、(b3)成分中に、通常、0.1〜60モ
ル%、好ましくは、0.5〜50モル%となる量であ
る。0.1モル%未満では、(a)成分との共縮合の効
果が得られない。一方、60モル%を超えると、得られ
るコーティング組成物の保存安定性が悪くなる傾向にあ
る。なお、共重合可能な他の単量体である(b3−4)
単量体からなる構成単位〔(b3−4)構成単位〕は、
(b3)成分中に、通常、90モル%以下、好ましく
は、80モル%以下程度である。
【0075】(b3)成分のMwは、好ましくは、1,
000〜100,000、さらに好ましくは、5,00
0〜50,000である。
【0076】組成物(III)において、(b3)成分は、
単独でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合
して使用することができる。
【0077】組成物(III)における(b3)成分の使用
量は、(a)成分中の(R1 n SiO(4-n)/2 で表さ
れる構造単位100重量部に対して、通常、20〜50
0重量部、好ましくは、25〜400重量部、さらに好
ましくは、50〜300重量部である。この場合、(b
3)成分の使用量が20重量部未満では、得られる塗膜
の耐アルカリ性、耐クラック性が低下する傾向がある。
一方、500重量部を超えると、塗膜の耐候性が低下す
る傾向がある。組成物(III)では、上記(b3)成分
を、水および/または有機溶媒の存在下で(a)成分と
共縮合させることが好ましい。
【0078】さらに、本発明においては、(b3)成分
と併用して、特定シリル基を含有する他のビニル系共重
合体、例えば上述した(b2)成分を、本発明の効果を
損なわない範囲で用いてもよい。組成物(III)における
他のビニル系共重合体の含有量は、(a)成分100重
量部に対して、通常、500重量部以下である。
【0079】なお、組成物(III)において、(a)成分
や(c)成分の種類・量は、組成物(I)と同様である
ので、省略する。
【0080】組成物(IV) 本発明の組成物(IV)は、上記(a)成分と(b2)シ
リル基含有重合体との重合体(特定重合体)、および
(c)成分が、水系媒体中に分散した水系分散体を含有
する組成物である。
【0081】組成物(IV)に用いられる水系分散体は、
(a)ポリオルガノシロキサンと(b2)シリル基含有
重合体とからなる特定重合体が水系媒体中に分散してい
るものである。この特定重合体は、例えば、粒子状ある
いは水性ゾル状に分散しており、粒子状体の平均粒子径
は、通常、0.001〜100μm、好ましくは、0.
001〜1μmである。水系分散体における水系媒体
は、本質的に水からなるが、場合により、アルコールな
どの有機溶媒を数重量%程度まで含まれていてもよい。
【0082】本発明に用いられる水系分散体は、好まし
くは、(a)成分と(b2)成分とを、後述する(d)
有機金属化合物等および水の存在下、有機溶媒中で加水
分解および/または部分縮合させ、得られた反応溶液を
水系媒体中に分散させて、次いで有機溶媒を除去する方
法により製造する。上記方法において、加水分解および
/または部分縮合時に存在する水は、オルガノシラン
(1)1モルに対して、通常、0.5〜3.0モル、好
ましく0.5〜2.0モル程度である。
【0083】上記(ハ)の方法において反応生成物を水
系媒体中に分散させる際には、乳化調整剤などを使用す
ることができる。上記乳化剤としては、例えば、アルキ
ル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、
アルキルりん酸エステル塩、脂肪酸塩などのアニオン系
界面活性剤;アルキルアミン塩、アルキル四級アミン塩
などのカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル、ブロック型ポリエーテルなどのノニオン系界面
活性剤;カルボン酸型(例えば、アミノ酸型、ベタイン
型など)、スルホン酸型などの両性界面活性剤などの何
れでも使用可能である。これらの乳化剤は、単独でまた
上を混合して使用することができる。
【0084】上記(ハ)の方法に使用される有機溶媒と
しては、例えば、アルコール類、芳水素類、エーテル
類、ケトン類、エステル類などが好適である。これらの
有機溶媒、反応溶液を水系媒体中に分散させる前に除去
しておくこともできる。上記(ハ)の方法における加水
分解および/または部分縮合時の反応条件は、通常、4
0〜70℃であり、反応時間は、通常、1〜8時間であ
る。
【0085】上記(ハ)の方法において、(b2)シリ
ル基含有重合体がカルボキシル基やカルボン酸無水物基
などの酸性基を有する場合は、加水分解および/または
部分縮合後に少なくとも1種の塩基性化合物を添加して
pHを調節することが好ましい。また、(b2)シリル
基含有重合体が、アミノ基やアミンイミド基などの塩基
性基を有する場合は、加水分解および/または部分縮合
後に、少なくとも1種の酸性化合物を添加してpHを調
節することが好ましい。さらに、(b2)シリル基含有
重合体が、酸性基と塩基性基とを有する場合は、加水分
解および/または部分縮合後に、これらの基の割合に応
じて少なくとも1種の塩基性化合物あるいは酸性化合物
を添加して、pHを調節することにより、得られる特定
重合体の親水性を高めて、該特定重合体の乳化分散性を
向上させることができる。
【0086】上記塩基性化合物としては、例えば、アン
モニア、メチルアミン、ジメチルアリメチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエ
タノールなどのアミン類:カセイカリ、カセイソーダな
どのアルカリ金属水酸化物などが挙げられ、また上記酸
性化合物としては、例えば、塩酸、りん酸、硫酸、硝酸
などの無機酸類;ぎ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、し
ゅう酸、くえん酸、アジピン酸、(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの有機酸類が挙
げられる。上記pH調節時のpH値は、通常、6〜1
0、好ましくは7〜8である。
【0087】本発明において、上記特定単量体は、単独
でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して
使用することができる。なお、組成物(IV)において、
特定重合体に用いられる(a)成分および(b2)シリ
ル基含有重合体、ならびに(c)成分の種類・量は、上
記組成物(I)や組成物(II)と同様であるので、省略
する。
【0088】以上、本発明の組成物(I)〜(IV)は、
防汚性、耐久性、透明性に優れ、光触媒機能を有するフ
ィルムが得られるが、光触媒による基材(フィルム)の
劣化を防止し、長期耐久密着性にも優れたコーティング
フィルムを得るために、フィルム上に、上記組成物
(i)〜(iv)の群から選ばれたいずれか1種を下塗り
することが望ましい。ここで、組成物(i)は組成物
(I)に、組成物(ii) は組成物(II) に、組成物(ii
i)は組成物(III)に、組成物(iv)は組成物(IV)にそ
れぞれ対応し、いずれも、後者の組成物〔(I)〜(I
V)〕から(c)成分を除いた組成物である。そして、
これらの組成物(i)〜(iv)において、各成分の種類
・配合量も、(c)成分を含まない以外、組成物(I)
〜(IV)と同様であるので、省略する。
【0089】本発明の組成物(I)〜(IV)、必要に応
じて用いられる下塗り用である組成物(i)〜(iv)に
は、それぞれ、さらに、下記の(d)〜(f)成分を配
合することができる。以下、これらの成分について、説
明する。
【0090】(d)成分 (d)成分は、(a)成分や(b2)成分、(b3)成
分などの加水分解・縮合反応を促進する触媒である。
(d)成分を使用することにより、得られる塗膜の硬化
速度を高めるとともに、使用されるオルガノシラン成分
の重縮合反応により生成されるポリシロキサン樹脂の分
子量が大きくなり、強度、長期耐久性などに優れた塗膜
を得ることができ、かつ塗膜の厚膜化や塗装作業も容易
となる。
【0091】このような(d)成分としては、酸性化合
物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機
金属化合物および/またはその部分加水分解物(以下、
有機金属化合物および/またはその部分加水分解物をま
とめて「有機金属化合物等」という)が好ましい。上記
酸性化合物としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、リン
酸、アルキルチタン酸、p−トルエンスルホン酸、フタ
ル酸などを挙げることができ、好ましくは、酢酸であ
る。また、上記アルカリ性化合物としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることがで
き、好ましくは、水酸化ナトリウムである。また、上記
塩化合物としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、
亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属
塩などを挙げることができる。
【0092】また、上記アミン化合物としては、例え
ば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノール
アミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピル・トリ
メトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシ
ラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・ト
リメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノ
プロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン、3
−アニリノプロピル・トリメトキシシランや、アルキル
アミン塩類、四級アンモニウム塩類のほか、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミンなどを挙げ
ることができ、好ましくは、3−アミノプロピル・トリ
メトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシ
ラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・ト
リメトキシシランである。
【0093】また、上記有機金属化合物等としては、例
えば、下記一般式(6)で表される化合物(以下「有機
金属化合物(6)」という)、同一のスズ原子に結合し
た炭素数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価ス
ズの有機金属化合物(以下「有機スズ化合物」とい
う)、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物など
を挙げることができる。
【0094】 M(OR8 r (R9 COCHCOR10s ・・・(6) 〔式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウム
を示し、R8 およびR9は、同一または異なって、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基な
どの炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R10は、
8 およびR9 と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素
基のほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリ
ルオキシ基などの炭素数1〜16のアルコキシル基を示
し、rおよびsは0〜4の整数で、(r+s)=(Mの
原子価)である。〕
【0095】有機金属化合物(6)の具体例としては、 (イ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトア
セテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合
物;
【0096】(ロ)テトラ−i−プロポキシチタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテー
ト)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチル
アセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合
物; (ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−
i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、
i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)
アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化
合物;などを挙げることができる。
【0097】これらの有機金属化合物(6)およびその
部分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルア
セトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビ
ス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいは、
これらの化合物の部分加水分解物が好ましい。
【0098】また、有機スズ化合物の具体例としては、
(C4 9 2 Sn(OCOC11232 、(C
4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 2
(C4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOC
4 9 2 、(C8 172 Sn(OCOC
8 172 、(C8 172 Sn(OCOC
11232 、(C8 172 Sn(OCOCH=CHC
OOCH3 2 、(C8 172 Sn(OCOCH=C
HCOOC4 9 2 、(C8 172 Sn(OCOC
H=CHCOOC8 172 、(C8 172 Sn(O
COCH=CHCOOC16332 、(C8 172
n(OCOCH=CHCOOC17352 、(C
8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC
18372 、(C8 172 Sn(OCOCH=CHC
OOC20412
【0099】 (C4 9 )Sn(OCOC11233 、(C4 9
Sn(OCONa)3などのカルボン酸型有機スズ化合
物;
【0100】(C4 9 2 Sn(SCH2 COOC8
172 、(C4 9 2 Sn(SCH2 CH2 COO
8 172 、(C8 172 Sn(SCH2 COOC
8 172 、(C8 172 Sn(SCH2 CH2 CO
OC8 172 、(C8 172 Sn(SCH2 COO
12252 、(C8 172 Sn(SCH2 CH2
OOC12252 、(C4 9 )Sn(SCOCH=C
HCOOC8 173 、(C8 17)Sn(SCOCH
=CHCOOC8 173
【0101】 などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0102】(C4 9 2 Sn=S、(C8 172
Sn=S、 などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0103】(C4 9 )SnCl3 、(C4 9 2
SnCl2 、(C8 172 SnCl2 などのクロライド型有機スズ化合物;(C4 9 2
nO、(C8 172 SnOなどの有機スズオキサイド
や、これらの有機スズオキサイドとシリケート、マレイ
ン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチ
ルなどのエステル化合物との反応生成物;などを挙げる
ことができる。
【0104】(d)成分は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他の
反応遅延剤と混合して使用することもできる。
【0105】(d)成分は、組成物を調製する際に配合
してもよく、また、塗膜を形成する段階で組成物に配合
してもよく、さらには、組成物の調製と塗膜の形成との
両方の段階で配合してもよい。(d)成分の使用量は、
有機金属化合物等以外の場合、上記(a)成分中の(R
1 n SiO(4-n)/2 で表される構造単位100重量部
に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは、0.
01〜80重量部、さらに好ましくは、0.1〜50重
量部であり、有機金属化合物等の場合、上記(a)成分
中の(R1 nSiO(4-n)/2 で表される構造単位10
0重量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましく
は、0.1〜80重量部、さらに好ましくは、0.5〜
50重量部である。この場合、(d)成分の使用量が1
00重量部を超えると、組成物の保存安定性が低下した
り、塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向がある。
【0106】(e)成分 (e)成分は、下記一般式(7) R9 COCH2 COR10 ・・・(7) 〔式中、R9 およびR10は、有機金属化合物(6)にお
ける上記各一般式のそれぞれR9 およびR10と同義であ
る〕で表されるβ−ジケトン類およびβ−ケトエステル
類、カルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合物、アミン化
合物、およびオキシアルデヒド化合物からなる群から選
択される少なくとも1種である。このような(e)成分
は、特に、上記(d)成分として有機金属化合物等を使
用する場合に併用することが好ましい。
【0107】(e)成分は、組成物の安定性向上剤とし
て作用するものである。すなわち、(e)成分が上記有
機金属化合物等の金属原子に配位して、該有機金属化合
物等による上記(a)成分と(b2),(b3)成分の
共縮合反応を促進する作用を適度にコントロールするこ
とにより、得られる組成物の保存安定性をさらに向上さ
せる作用をなすものと推定される。
【0108】(e)成分の具体例としては、アセチルア
セトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト
酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセ
ト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、ア
セト酢酸−t−ブチル、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘ
プタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、
オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、
5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、マロン酸、シュ
ウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸、アミノ酢
酸、イミノ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコー
ル、カテコール、エチレンジアミン、2,2−ビピリジ
ン、1,10−フェナントロリン、ジエチレントリアミ
ン、2−エタノールアミン、ジメチルグリオキシム、ジ
チゾン、メチオニン、サリチルアルデヒドなどを挙げる
ことができる。これらのうち、アセチルアセトン、アセ
ト酢酸エチルが好ましい。(e)成分は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0109】(e)成分の使用量は、上記有機金属化合
物等における有機金属化合物1モルに対して、通常、2
モル以上、好ましくは3〜20モルである。この場合、
(e)成分の使用量が2モル未満では、得られる組成物
の保存安定性の向上効果が不充分となる傾向がある。
【0110】(f)成分 (f)成分は、光触媒能を有さない無機化合物の粉体お
よび/またはゾルもしくはコロイドからなり、塗膜の所
望の特性に応じて配合される。(f)成分がゾルもしく
はコロイド状の場合には、その平均粒径は、通常、0.
001〜100μm程度である。
【0111】(f)成分をなす化合物の具体例として
は、SiO2 、Al2 3 、AlGaAs、Al(O
H)3 、Sb2 5 、Si3 4 、Sn−In2 3
Sb−In2 3 、MgF、CeF3 、CeO2 、3A
2 3 ・2SiO2 、BeO、SiC、AlN、F
e、Co、Co−FeOx 、CrO2 、Fe4 N、Ba
TiO3 、BaO−Al2 3 −SiO2 、Baフェラ
イト、SmCO5 、YCO5、CeCO5 、PrC
5 、Sm2 CO17、Nd2 Fe14B、Al4 3 、α
−Si、SiN4 、CoO、Sb−SnO2 、Sb2
5 、MnO2 、MnB、Co3 4 、Co3 B、LiT
aO3 、MgO、MgAl2 4 、BeAl2 4、Z
rSiO4 、ZnSb、PbTe、GeSi、FeSi
2 、CrSi2 、CoSi2 、MnSi1.73、Mg2
i、β−B、BaC、BP、TiB2 、ZrB2 、Hf
2 、Ru2 Si3 、TiO2 (ルチル型)、Ti
3 、PbTiO 3 、Al2 TiO5 、Zn2 Si
4 、Zr2 SiO4 、2MgO2 −Al2 3 −5S
iO2 、Nb2 5 、Li2 O−Al2 3 −4SiO
2 、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェ
ライト、Liフェライト、Srフェライトなどを挙げる
ことができる。これら(f)成分は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0112】(f)成分の存在形態には、粉体、水に分
散した水系のゾルもしくはコロイド、イソプロピルアル
コールなどの極性溶媒や、トルエンなどの非極性溶媒中
に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドがある。溶媒
系のゾルもしくはコロイドの場合、半導体の分散性によ
ってはさらに水や溶媒にて希釈して用いてもよく、また
分散性を向上させるために表面処理して用いてもよい。
【0113】(f)成分が水系のゾルもしくはコロイ
ド、あるいは溶媒系のゾルもしくはコロイドである場
合、固形分濃度は40重量%以下が好ましい。
【0114】(f)成分を組成物中に配合する方法とし
ては、組成物の調製後に添加してもよく、あるいは、組
成物の調製時に添加して、(f)成分を、上記(a)成
分、(b2)成分、(b3)成分あるいは上記縮合物な
どと共加水分解・縮合させてもよい。
【0115】(f)成分の使用量は、上記(a)成分中
の(R1 n SiO(4-n)/2 で表される構造単位100
重量部に対して、固形分で、通常、0〜500重量部、
好ましくは、0.1〜400重量部である。
【0116】他の添加剤 また、本発明の組成物には、得られる塗膜の着色、厚膜
化などのために、別途充填材を添加・分散させることも
できる。このような充填材としては、例えば、非水溶性
の有機顔料や無機顔料、顔料以外の、粒子状、繊維状も
しくは鱗片状のセラミックス、金属あるいは合金、なら
びにこれらの金属の酸化物、水酸化物、炭化物、窒化
物、硫化物などを挙げることができる。
【0117】上記充填材の具体例としては、鉄、銅、ア
ルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボ
ンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、顔料用酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガ
ン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ム
ライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石
灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、
亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー
緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン
緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリ
ーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸
銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マ
ンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カ
ルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カ
ドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、
ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン
赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモ
ン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、
酸化ジルコン、タングステン白、鉛、亜鉛華、バンチソ
ン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン
黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性
黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンな
どを挙げることができる。これらの充填材は、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。充填材
の使用量は、組成物の全固形分100重量部に対して、
通常、300重量部以下である。
【0118】さらに、本発明の組成物には、所望によ
り、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエト
キシシランなどの公知の脱水剤;ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリカ
ルボン酸型高分子界面活性剤、ポリカルボン酸塩、ポリ
リン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアミドエステル塩、
ポリエチレングリコールなどの分散剤;メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどのセルロース類や、ひまし油誘導
体、フェロけい酸塩などの増粘剤;炭酸アンモニウム、
炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホ
ウ素ナトリウム、カルシウムアジドなどの無機発泡剤
や、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ジ
フェニルスルホン−3,3’−ジスルホヒドラジンなど
のヒドラジン化合物、セミカルバジド化合物、トリアゾ
ール化合物、N−ニトロソ化合物などの有機発泡剤のほ
か、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、染料などの他の添加剤を配合することもでき
る。特に、下塗り用の組成物(i)〜(iv)には、耐候
性、耐久密着性を向上させる目的で、紫外線吸収剤、紫
外線安定剤などを配合してもよい。紫外線吸収剤として
は、ZnO、TiO2 (光触媒機能を示さないもの)、
CeO2 などの無機系半導体;サリチル酸系、ベンゾフ
ェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート
系、トリアジン系などの有機系紫外線吸収剤が挙げられ
る。また、紫外線安定剤としては、ピペリジン系などが
挙げられる。
【0119】また、組成物のコーティング性をより向上
させるためにレベリング剤を配合することができる。こ
のようなレベリング剤のうち、フッ素系のレベリング剤
(商品名。以下同様)としては、例えば、ビーエムヘミ
ー(BM−CHEMIE)社のBM1000、BM11
00;エフカケミカルズ社のエフカ772、エフカ77
7;共栄社化学(株)製のフローレンシリーズ;住友ス
リーエム(株)のFCシリーズ;東邦化学(株)のフル
オナールTFシリーズなどを挙げることができ、シリコ
ーン系のレベリング剤としては、例えば、ビックケミー
社のBYKシリーズ;シュメグマン(Sshmegma
nn)社のSshmegoシリーズ;エフカケミカルズ
社のエフカ30、エフカ31、エフカ34、エフカ3
5、エフカ36、エフカ39、エフカ83、エフカ8
6、エフカ88などを挙げることができ、エーテル系ま
たはエステル系のレベリング剤としては、例えば、日信
化学工業(株)のカーフィノール;花王(株)のエマル
ゲン、ホモゲノールなどを挙げることができる。
【0120】このようなレベリング剤を配合することに
より、塗膜の仕上がり外観が改善され、薄膜としても均
一に塗布することができる。レベリング剤の使用量は、
全組成物に対して、好ましくは、0.01〜5重量%、
さらに好ましくは0.02〜3重量%である。
【0121】レベリング剤を配合する方法としては、組
成物を調製する際に配合してもよく、また塗膜を形成す
る段階で組成物に配合してもよく、さらには組成物の調
製と塗膜の形成との両方の段階で配合してもよい。
【0122】なお、本発明に用いられる組成物、好まし
くは、下塗り用の組成物(i)〜(iv)には、他の樹脂
をブレンドしてもよい。他の樹脂としては、アクリル−
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、アクリル
樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂エマルジョン、エポキ
シ樹脂エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリ
エステルエマルジョンなどが挙げられる。
【0123】また、本発明に用いられる組成物におい
て、上記(b1)成分が規定されていない組成物(II)
〜(IV)には、別途、(b1)水および/または有機溶
剤を配合することができる。この場合、(b1)成分の
配合量は、組成物(I)と同様である。
【0124】本発明の組成物を調製するに際しては、
(d)成分と(e)成分とを使用しない場合は、各成分
の混合方法は特に限定されないが、(d)成分と(e)
成分とを使用する場合は、好ましくは、(a)〜(f)
成分のうち(e)成分を除いた混合物を得たのち、これ
に(e)成分を添加する方法が採用される。
【0125】本発明の組成物(I)〜(IV)の全固形分
濃度は、通常、10〜45重量%、好ましくは、15〜
40重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。
組成物の全固形分濃度が45重量%を超えると、保存安
定性が低下する傾向がある。
【0126】また、本発明に用いられることのある下塗
り用の組成物(i)〜(iv)の全固形分濃度は、通常、
50重量%以下、好ましくは、40重量%以下であり、
基材の種類、塗装方法、塗装膜厚なに応じて適宜調整さ
れる。
【0127】コーティングフィルム 本発明のコーティングフィルムの構成としては、例え
ば、 基材/本発明の組成物(I)〜(IV)のいずれか 基材/組成物(i)〜(iv)のいずれか/組成物
(I)〜(IV)のいずれか 基材/プライマー/組成物(i)〜(iv)のいずれか
/組成物(I)〜(IV)のいずれか などからなる。本発明の組成物をフィルムに塗布する際
には、いずれの組成物の場合も、刷毛、ロールコータ
ー、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、
(マイクロ)グラビアコーターなどを用いたり、ディッ
プコート、流し塗り、スプレー、スクリーンプロセス、
電着、蒸着などが挙げられる。
【0128】本発明の組成物(I)〜(IV)の場合、乾
燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜20μm程
度、2回塗りでは厚さ0.1〜40μm程度の塗膜を形
成することができる。その後、常温で乾燥するか、ある
いは、30〜200℃程度の温度で、通常、1〜60分
程度加熱して乾燥することにより、塗膜を形成すること
ができる。
【0129】なお、あらかじめ下塗りを施す場合には、
上記組成物(i)〜(iv)を用いることが好ましく、乾
燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜20μm程
度、2回塗りでは厚さ0.1〜40μm程度の塗膜を形
成させることができる。その後、常温で乾燥するか、あ
るいは、30〜200℃程度の温度で、通常、1〜60
分程度加熱して乾燥することにより、各種の基材に塗膜
を形成することができる。なお、下塗りと上塗りの総計
膜厚は、乾燥膜厚で、通常、0.1〜80μm、好まし
くは、0.2〜60μm程度である。
【0130】基材 本発明の組成物を適用しうる基材としては、プラスチッ
クフィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート(PEN)などのポリエ
ステル;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミ
ド;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)な
どのポリオレフィン;ポリカーボネート(PC)、ポリ
メタクリル酸メチル(PMMA)などのポリアクリルを
挙げることができ、その他に、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン
(ETFE)などのフッ素系フィルムなどが挙げられ
る。
【0131】これらの基材には、下地調整、密着性向
上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付けなどを目的
として、予め表面処理を施すこともできる。例えば、ブ
ラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸
気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処
理、イオン処理などを挙げることができる。
【0132】本発明の組成物による塗布操作は、フィル
ム基材の種類や状態、塗布方法によって異なる。例え
ば、用途に応じてプライマーを用いても用いなくてもよ
い。プライマーの種類は特に限定されず、基材と組成物
との密着性を向上させる作用を有するものであればよ
く、基材の種類、使用目的に応じて選択する。プライマ
ーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することが
でき、また顔料などの着色成分を含むエナメルでも、該
着色成分を含まないクリヤーでもよい。
【0133】プライマーの種類としては、例えば、アル
キド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ア
クリルシリコン樹脂、アクリル樹脂エマルジョン、エポ
キシ樹脂エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポ
リエステルエマルジョンなどを挙げることができる。ま
た、これらのプライマーには、厳しい条件でのフィルム
基材と塗膜との密着性が必要な場合、各種の官能基を付
与することもできる。このような官能基としては、例え
ば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド
基、アミン基、グリシジル基、アルコキシシリル基、エ
ーテル結合、エステル結合などを挙げることができる。
さらに、プライマーには、紫外線吸収剤、紫外線安定剤
などが配合されていてもよい。
【0134】また、本発明の組成物から形成した塗膜の
表面には、塗膜の耐摩耗性や光沢をさらに高めることを
目的として、例えば、米国特許第3,986,997号
明細書、米国特許第4,027,073号明細書などに
記載されたコロイダルシリカとシロキサン樹脂との安定
な分散液のようなシロキサン樹脂系塗料などからなるク
リア層を形成することもできる。
【0135】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態
をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、これら
の実施例に何ら制約されるものでない。なお、実施例お
よび比較例中の部および%は、特記しない限り重量基準
である。また、実施例および比較例における各種の測定
・評価は、下記の方法により行った
【0136】(1)Mw 下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)法により測定した。 試料:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、オルガ
ノシランの部分縮合物1gまたはシリル基含有ビニル系
樹脂0.1gを、それぞれ100ccのテトラヒドロフ
ランに溶解して調製した。 標準ポリスチレン:米国プレッシャーケミカル社製の標
準ポリスチレンを使用した。 装置:米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C ALC/GPC) カラム:昭和電工(株)製のSHODEX A−80M
(長さ50cm) 測定温度:40℃ 流速:1cc/分 (2)密着性 JIS K5400による碁盤目テスト(ます目100
個)により、テープ剥離試験を3回実施し、その平均に
拠った。 (3)硬度 JIS K5400による鉛筆硬度に拠った。 (4)耐アルカリ性 試験片を、飽和水酸化カルシウム水溶液中に60日間浸
漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。変化の
ないものを“良好”とした。 (5)耐有機薬品性 塗膜上にイソプロピルアルコールを2cc滴下し、5分
後に布で拭き取ったのち、塗膜の状態を目視により観察
した。変化のないものを“良好”とした。 (6)耐湿性 試験片を、温度50℃、湿度95%の環境下に、連続
1,000時間保持したのち、取り出して塗膜の状態を
目視により観察した。変化のないものを“良好”とし
た。 (7)耐候性 JIS K5400により、サンシャインウエザーメー
ターで3,000時間照射試験を実施して、塗膜の外観
(割れ、はがれなど)を目視により観察した。変化のな
いものを“良好”とした。 (8)耐水性 試験片を、水道水中に常温で60日間浸漬したのち、塗
膜の状態を目視により観察した。変化のないものを“良
好”とした。 (9)耐汚染性 塗膜上に、カーボンブラック/灯油=1/2(重量比)
の混合物からなるペーストを塗り付け、室温で24時間
放置したのち、スポンジを用いて水洗して、塗膜の汚染
状態を観察し、下記基準で評価した。 ○:汚染なし △:少し汚染されている ×:汚染が著しい (10)透明性 試験片の可視光の透過率を測定して、下記基準で評価し
た。 ◎;透過率が80%を超える。 ○;透過率が60〜80% △;透過率が60%未満
【0137】参考例1〔(b2)成分の合成〕 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート70部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、アク
リル酸5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13
部、1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド1
部、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン1部、i−プロピルアルコー
ル150部、メチルエチルケトン50部およびメタノー
ル25部を加えて混合したのち、攪拌しながら80℃に
加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部
をキシレン10部に溶解した溶液を30分間かけて滴下
したのち、80℃で5時間反応させて、固形分濃度40
%、Mwが11,000の重合体溶液(以下「(b2−
A)」という)を得た。
【0138】参考例2〔(b2)成分の合成〕 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート70部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、グリ
シジルメタクリレート18部、1,1,1−トリメチル
アミンメタクリルイミド1部、4−(メタ)アクリロイ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1
部、i−プロピルアルコール150部、メチルエチルケ
トン50部およびメタノール25部を加えて混合したの
ち、攪拌しながら80℃に加温し、この混合物にアゾビ
スイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した
溶液を30分間かけて滴下した後、80℃で5時間反応
させて固形分濃度40%、Mwが13,000の重合体
溶液(以下「(b2−B)」という)を得た。
【0139】参考例3〔(b2)成分の合成〕 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート70部、n−ブチルアクリレート30部、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、ヒド
ロキシアクリレート18部、アクリルアミド10部、
1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド1部、
4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン1部、i−プロピルアルコール1
50部、メチルエチルケトン50部およびメタノール2
5部を加えて混合したのち、攪拌しながら80℃に加温
し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部をキ
シレン10部に溶解した溶液を30分間かけて滴下した
のち、80℃で5時間反応させて固形分濃度40%、M
wが10,000の重合体溶液(以下「(b2−C)」
という)を得た。
【0140】参考例4〔(b3)成分の合成〕 電磁攪拌機を備えたステンレス製のオートクレーブを窒
素ガスで十分置換した後、当該オートクレーブ内にメチ
ルイソブチルケトンを150部とエチルビニルエーテル
30部と過酸化ラウロイル(ラジカル重合開始剤)2部
とを仕込み、オートクレーブ内の溶液をドライアイス−
メタノールにより−50℃まで冷却した後、窒素ガスに
よって系内の酸素を再度除去した。次いでヘキサフルオ
ロプロピレン20部、パーフルオロ(メチルビニルエー
テル)45部、ビニルトリメトキシシラン5部を添加
し、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃
に達した時点におけるオートクレーブ内の圧力は5kg
f/cm2 であった。反応系の温度を60℃に保持しな
がら攪拌することにより、20時間重合反応を継続さ
せ、オートクレーブ内の圧力が1.5kgf・cm2
低下した時点で水冷して反応を停止させ、固形分濃度4
0%、Mwが30,000の重合体溶液(以下「(b3
−A)」という)を得た。
【0141】参考例5〜7〔(b3)成分の合成〕 表1に示す単量体成分を用いた以外は、参考例4と同様
にして、固形分濃度40%の重合体溶液(b3−B)〜
(b3−D)を得た。
【0142】
【表1】
【0143】参考例8〔プライマ−の調製〕 参考例1で得られた重合体溶液(b2−A)100重量
部に、メチルエチルケトン80重量部、i−プロピルア
ルコール20重量部を加えてよく攪拌し、そこへ酸化亜
鉛(トルエン分散体固形分濃度30%)をメチルエチル
ケトンで固形分濃度20%に調整したものを20重量部
滴下、攪拌し、固形分濃度20%のプライマ−溶液(以
下、「(p−1)」という)を得た。
【0144】調製例1〜27〔フィルム用コーティング
組成物の調製〕 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、表2〜7に記載
した各成分(アセチルアセトン以外)を加えて混合し、
攪拌下、60℃で4時間反応させた。次いで、室温まで
冷却し、アセチルアセトン10部を後添加して、固形分
濃度約20%の組成物を得た。得られた組成物100部
に、i−プロピルアルコール100部を加えてよく混合
したのち、ジブチルスズジアセテートとシリケートオリ
ゴマーからなる反応物のi−プロピルアルコール溶液
(固形分15%)を10部添加、よく攪拌し、本発明の
フィルム用コーティング組成物(I−1)〜(I−
9)、(II−1)〜(II−9)および(III −1)〜
(III −9)を得た。
【0145】
【表2】
【0146】
【表3】
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
【0149】
【表6】
【0150】
【表7】 表2〜7中、*1〜7は、次のとおりである。 *1:信越化学工業(株)製 メチルシリコーンレジン
Mw:500 *2:日本ユニカー(株)製 エトキシシラン含有ポリ
ジメチルシロキサン Mw:5,000 *3:水分散(pH4)アナターゼ型酸化チタン(固形
分濃度20%) *4:i−プロピルアルコール分散アナターゼ型酸化チ
タン(固形分濃度20%) *5:水分散(pH4)アナターゼ型酸化チタン(固形
分濃度30%) *6:トルエン分散酸化亜鉛(固形分濃度30%) *7:メチルエチルケトン分散シリカゾル(固形分濃度
30%)
【0151】調製例28〔フィルム用コーティング組成
物の調製〕 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、(c)成分とし
て、酸化チタンゾル〔アナターゼ型TiO2 20%(固
形分)、硝酸水80%〕350部を入れ、メチルトリメ
トキシシラン70部、ジメチルジメトキシシラン30
部、参考例1で得られた重合体溶液(b2−A)50部
およびi−プロピルアルコール180部を滴下しながら
攪拌させたのち、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトア
セテートアルミニウム5部を加え、60℃で4時間反応
させた。次いで、アセチルアセトン5部を添加し、全固
形分濃度が20%の特定重合体溶液(以下「重合体溶液
(α)」ともいう)を得た。この重合体溶液(α)10
0部に、30℃以下の温度で、乳化剤であるアルキル硫
酸エステル塩と10%アンモニア水を加え、よく混合し
てpH7.5に調節した。次いで、i−プロピルアルコ
ール50部で希釈し、得られた溶液をイオン交換水25
0部中に2時間かけて除々に加えてエマルジョンとし
た。このエマルジョンに、アジピン酸ジヒドラジド2部
を加え、次いでこのエマルジョンから減圧下、50℃以
下の温度でi−プロピルアルコールおよび水を除去し、
全固形分濃度を20%に調整して、本発明のフィルム用
コーティング組成物(IV−1)を得た。
【0152】調製例29〜32〔フィルム用コーティン
グ組成物の調製〕 表8に示される処方で、調製例28と同様にして、特定
重合体を調製し、その後、調製例28と同様にして、本
発明のフィルム用コーティング組成物(IV−2)〜(IV
−5)を得た。
【0153】
【表8】
【0154】調製例33〔フィルム用コーティング組成
物の調製〕 調製例1において(c)成分を用いなかった以外は調製
例1と同様にして重合体溶液を得、得られた重合体溶液
100部に、30℃以下の温度で、乳化剤であるアルキ
ル硫酸エステル塩と10%アンモニア水を加え、よく混
合してpH7.5に調節した。次いで、i−プロピルア
ルコール100部で希釈し、得られた溶液をイオン交換
水200部中に2時間かけて除々に加えてエマルジョン
とした。このエマルジョンに、アジピン酸ジヒドラジド
4部を加え、次いでこのエマルジョンから減圧下、50
℃以下の温度でi−プロピルアルコールおよび水を除去
し、全固形分濃度を20%に調整した。このエマルジョ
ン100部に、pHが7に調整された酸化チタンゾル
〔アナターゼ型酸化チタン20%(固形分)、水80
%〕100部を滴下し、良く攪拌して、全固形分濃度2
0%の本発明のフィルム用コーティング組成物(IV−
6)を得た。
【0155】調製例34〜38〔下塗り用コーティング
組成物の合成〕 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表9に記載した
種類、部数の成分(水、後添加成分を除く)を加えよく
攪拌したのち、攪拌下、水30部を滴下し、60℃で4
時間反応させた。次いで、後添加成分を添加して、室温
まで冷却し固形分濃度30%の組成物を得た。得られた
組成物100部に、i−ブチルアルコール100部、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10
0部を加えてよく混合したのち、ジオクチルスズジマレ
エートエステルのi−プロピルアルコール溶液(固形分
15%)を10部添加、よく攪拌し、下塗り用コーティ
ング組成物(i−1)〜(i−2)、(ii−1)〜(ii
−2)および(iii −1)を得た。
【0156】
【表9】 *8:i−プロピルアルコール分散酸化亜鉛(固形分濃度30%)
【0157】調製例39〔下塗り用コーティング組成物
の合成〕 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、メチルトリメト
キシシラン70部、ジメチルジメトキシシラン30部、
参考例1で得られた重合体溶液(b2−A)50部およ
びジ−i−プロポキシエチルアセトアセテートアルミニ
ウム5部をi−プロピルアルコール溶液180部に溶解
した溶液を混合したのち、イオン交換水13部を加え、
60℃で4時間反応させた。次いで、この反応生成物を
室温まで冷却し、アセチルアセトン5部およびi−プロ
ピルアルコール130部を添加して、全固形分濃度が2
0%の重合体溶液を得た。この重合体溶液100部に、
30℃以下の温度で、乳化剤であるアルキル硫酸エステ
ル塩と10%アンモニア水を加え、よく混合してpH
7.5に調節した。次いで、i−プロピルアルコール5
0部で希釈し、得られた溶液をイオン交換水250部中
に2時間かけて除々に加えてエマルジョンとした。この
エマルジョンに、アジピン酸ジヒドラジド2部を加え、
次いでこのエマルジョンから減圧下、50℃以下の温度
でi−プロピルアルコールおよび水を除去し、全固形分
濃度を20%に調整して、下塗り用コーティング組成物
(iv−1)を得た。
【0158】実施例1〜38 膜厚50μmのPETフィルム表面に、表10〜14に
記載した各下塗り用コーティング組成物を必要に応じ
て、乾燥膜厚1μmとなるように塗布、乾燥したのち、
各フィルム用コーティング組成物を、観測膜厚0.2μ
mとなるように塗布、乾燥し、硬化体とした。得られた
硬化体に対して各種評価を行った。結果を表10〜14
に併せて示す。
【0159】
【表10】
【0160】
【表11】
【0161】
【表12】
【0162】
【表13】
【0163】
【表14】
【0164】実施例39〜51 表15に記載した各基材に、各下塗り用コーティング組
成物を塗布、乾燥したのち、各光触媒含有コーティング
組成物を塗布、乾燥し、硬化体とした。得られた硬化体
に対して、密着性および耐候性の評価を行った。結果を
表15に併せて示す。
【0165】
【表15】
【0166】
【発明の効果】本発明のフィルム用コーティング組成物
によれば、防汚性、耐久性、透明性に優れ、光触媒機能
を有するフィルムを提供することが可能である。従っ
て、本発明の組成物から得られるコーティングフィルム
は、例えば、好ましくはウィンドウフィルム、具体的に
は、自動車窓用フィルム、住宅などの建築物窓用フィル
ム、飛散防止フィルム、UVカットフィルム、防曇フイ
ルムなどに有用である。
フロントページの続き (72)発明者 阪上 俊規 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA18 AA22 AA35 AA36 AA38 AB39 BA02 BA11 DA04 4F100 AA21H AH08H AK01B AK15A AK15C AK17A AK17C AK42 AK52A AK52C AL05A AL05C BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B CA30A EH46A EH46C GB07 GB32 JL00 JL06 JL07 JL08A JL08H JN01 4J035 AA01 BA01 BA11 CA032 CA102 CA112 CA132 CA142 CA152 CA182 CA192 CA262 EA01 EB02 LA03 LB01 4J038 DL021 DL031 JC32 KA04 KA06 MA08 MA10 NA01 NA05 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)(a)下記一般式(1) (R1 n Si(OR2 4-n ・・・・・(1) (式中、R1 は、2個存在するときは同一または異な
    り、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一
    または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
    1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
    で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
    解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた
    少なくとも1種、 (b1)水および/または有機溶剤、ならびに (c)光触媒を含有することを特徴とするフィルム用コ
    ーティング組成物。
  2. 【請求項2】 (II)請求項1記載の(a)成分、 (b2)加水分解性基および/または水酸基と結合した
    ケイ素原子を有するシリル基を含有する重合体、ならび
    に (c)光触媒を含有することを特徴するフィルム用コー
    ティング組成物。
  3. 【請求項3】 (III)請求項1記載の(a)成分、 (b3)下記一般式(2)で表される構成単位 (式中、R3 〜R5 はCm 2m+1、m=0〜5の整数、
    Yはそれぞれ独立に、F、HおよびClから選ばれ
    る。)および/または下記一般式(3)で表される構成
    単位 〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアル
    コキシアルキル基を示し、R3 〜R5 は一般式(2)と
    同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR 3 〜R
    5 と異なっていてもよい。〕を有し、かつ、加水分解性
    基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有する
    シリル基を含む重合体の群から選ばれる少なくとも1
    種、ならびに (c)光触媒を含有することを特徴とするフィルム用コ
    ーティング組成物。
  4. 【請求項4】 (IV)請求項1記載の(a)成分と、 (b2)加水分解性基および/または水酸基と結合した
    ケイ素原子を有するシリル基を含有する重合体、とを含
    有する重合体、ならびに (c)光触媒が、水系媒体中に分散してなる水系分散体
    を含有することを特徴とするフィルム用コーティング組
    成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれか1項記載のフィル
    ム用コーティング組成物からなる塗膜を有するコーティ
    ングフィルム。
  6. 【請求項6】 下記(i)、(ii)、(iii)または(i
    v)の組成物からなる塗膜を有し、その上に、請求項1
    〜4いずれか1項記載のフィルム用コーティング組成物
    からなる塗膜を有することを特徴とするコーティングフ
    ィルム。 (i)(a)下記一般式(1) (R1 n Si(OR2 4-n ・・・・・(1) (式中、R1 は、2個存在するときは同一または異な
    り、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一
    または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
    1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
    で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
    解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれた
    少なくとも1種、ならびに (b1)水および/または有機溶剤を含有するコーティ
    ング組成物。 (ii)上記(a)成分、ならびに (b2)加水分解性基および/または水酸基と結合した
    ケイ素原子を有するシリル基を含有する重合体を含有す
    るコーティング組成物。 (iii)上記(a)成分、ならびに (b3)下記一般式(2)で表される構成単位 (式中、R3 〜R5 はCm 2m+1、m=0〜5の整数、
    Yはそれぞれ独立に、F、HおよびClから選ばれ
    る。)および/または下記一般式(3)で表される構成
    単位 〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアル
    コキシアルキル基を示し、R3 〜R5 は一般式(2)と
    同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR 3 〜R
    5 と異なっていてもよい。〕を有し、かつ、加水分解性
    基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有する
    シリル基を含む重合体の群から選ばれる少なくとも1種
    を含有するコーティング組成物。 (iv)上記(a)成分と、 上記(b2)成分、とを含有する重合体が、水系媒体中
    に分散してなる水系分散体を含有するコーティング組成
    物。
  7. 【請求項7】 ウィンドウフィルムである請求項5また
    は6記載のコーティングフィルム。
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