JP4264678B2 - コーティング用組成物およびこれより形成される塗膜 - Google Patents

コーティング用組成物およびこれより形成される塗膜 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、撥水性および撥油性による防汚性機能を有するコーテング用組成物に関し、詳しくは、シリル基を有するフッ素系重合体を含有するオルガノシラン系のコーテング組成物およびこれより形成しうる塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
オルガノシラン系コーティング材は、耐候(光)性、耐汚染性などに優れたメンテナンスフリーのコーティング材として技術開発が進められている。このようなオルガノシラン系コーティング材に対する要求性能はますます厳しくなっており、近年では、塗膜外観、密着性、耐候性、耐熱性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐湿性、耐(温)水性、耐絶縁性、耐摩耗性、耐汚染性などに優れ、硬度の高い塗膜を形成することのできるコーティング材が求められている。
【0003】
特に、耐汚染性を改善するためには、塗膜表面を親水性化するとよいことが認められているが、これは、汚染回復性(洗浄性)の向上を目的としてなされる処理であり、汚染物質の付着量に対して汚染回復性が上回った場合のみ、耐汚染性の効果が得られる。これに対し、塗膜に撥水・撥油性を持たせる方法によれば、汚染物質が親水性、親油性のいずれの物質であっても、塗膜への付着性を低減させすることができる。従来、塗膜への撥水・撥油性の付与は、オイルや界面活性剤の添加によって行われているが、このような方法では、長期にわたって耐汚染性を維持することは困難である。
【0004】
一方、オルガノシラン系コーティング材に対する要求性能をある程度満たすコーティング用組成物として、オルガノシランの部分縮合物、コロイダルシリカの分散液およびシリコーン変性アクリル樹脂を配合した組成物(特開昭60−135465号公報)、オルガノシランの縮合物、ジルコニウムアルコキシドのキレート化合物および加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂を配合した組成物(特開昭64−1769号公報)、オルガノシランの縮合物、コロイド状アルミナおよび加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂を配合した組成物(米国特許第4,904,721号明細書)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、上記特開昭60−135465号公報および米国特許第4,904,721号明細書に記載されている組成物から得られる塗膜は、長時間の紫外線照射により光沢が低下するという欠点がある。また、上記特開昭64−1769号公報に記載されている組成物は、保存安定性が充分ではなく、固形分濃度を高くすると短期間でゲル化し易いという問題を有している。
【0006】
さらに、本願出願人は、既に、オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、加水分解性および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するビニル系樹脂、金属キレート化合物、ならびにβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエスエル類を含有するコーティング用組成物(特開平5−345877号公報)を提案している。この組成物は、オルガノシラン系コーティング材に求められている上記塗膜性能のバランスに優れているが、これらの性能に新たに撥水性、撥油性、滑り性などを付与した新規な材料が強く求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特定のオルガノシラン成分とシリル基を有するフッ素系重合体を含有し、保存安定性に優れ、かつ密着性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐候性、耐湿性、耐(温)水性などを低下させずに、耐汚染性などが改良された塗膜を形成し得るコーテング組成物を提供することにある。
また、本発明は、優れた撥水性および撥油性による防汚性機能を有する高硬度の塗膜を形成することができるコーテング組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)下記一般式(1)
(RSi(OR4−n・・・・・(1)
(式中、Rは、2個存在するときは同一または異なり、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、Rは、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少なくとも1種(以下「(A)成分」ともいう)、ならびに
(B)(b−1)下記一般式(2)で表される構成単位(以下「(b−1)構成単位」ともいう)および
(式中、R〜RはC2m+1、m=0〜5の整数、Yはそれぞれ独立に、F,HおよびClから選ばれる。)
(b−2)下記一般式(3)で表される構成単位(以下「(b−2)構成単位」ともいう)
〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、R〜Rは一般式(2)と同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR〜Rと異なっていてもよい。〕
を有し、かつ
加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基(以下「特定シリル基」ともいう)
を含む共重合体(以下「(B)成分」ともいう)
を含有することを特徴とするコーティング用組成物を提供するものである。
ここで、前記(B)成分の使用量は、(A)成分を構成する一般式(1)で表わされるオルガノシラン100重量部に対し、好ましくは20〜500重量部である。
また、前記(B)成分のポリスチレン換算数平均分子量は、好ましくは1,000〜50,000である。
さらに、前記オルガノシランが、トリアルコキシシラン類またはジアルコキシシラン類であることが好ましい。
上記(B)成分における加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基の含有量が、(B)成分中にケイ素原子の量に換算して、0.1〜60モル%であることが好ましい。
また、前記(b−1)単量体がフルオロエチレン類、フルオロプロペン類または炭素数4以上のフルオロオレフィン類であるであることが好ましい。
さらに、前記(b−2)単量体が(イ)(フルオロアルキル)ビニルエーテル、または、(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル類、(ロ)パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類または(ハ)パーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類であるであることが好ましい。
さらに、(B)成分中に、(b−1)構成単位の含有量が、0.5〜60モル%、(b−2)構成単位の含有量が0.1〜60モル%であり、(b−1)構成単位と(b−2)構成単位との合計含有量が80モル%以下であることが好ましい。
次に、本発明は、さらに(C)として、水および/または有機溶剤を含有することが好ましい。
次に、本発明は、上記記載のコーティング用組成物から形成しうる塗膜に関する。
【0009】
以下、本発明の組成物を構成する各成分について、順次説明する。
(A)成分
本発明のコーテング用組成物に配合される(A)成分は、上記一般式(1)で表されるオルガノシラン(以下「オルガノシラン(1)」ともいう)、オルガノシラン(1)の加水分解物、およびオルガノシラン(1)の縮合物から選択された少なくとも1種である。すなわち、(A)成分は、これら3種のうちの1種だけでもよいし、任意の2種の混合物であってもよいし、3種類すべてを含んだ混合物であってもよい。
ここで、上記オルガノシラン(1)の加水分解物は、オルガノシラン(1)に2〜4個含まれるOR基がすべて加水分解されている必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されているもの、2個以上が加水分解されているもの、あるいはこれらの混合物であってもよい。
また、上記オルガノシラン(1)の縮合物は、オルガノシラン(1)の加水分解物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて縮合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物などをも包含した概念である。
【0010】
一般式(1)において、R1 の炭素数1〜8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などのアルキル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基などのアシル基、ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることができる。
【0011】
1 の置換誘導体における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導体からなるR1 の炭素数は、置換基中の炭素原子を含めて8以下である。
一般式(1)中に、R1 が2個存在するときは、相互に同一でも異なってもよい。
【0012】
また、R2 の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることができ、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基などを挙げることができる。
一般式(1)中に複数個存在するR2 は、相互に同一でも異なってもよい。
【0013】
このようなオルガノシラン(1)の具体例としては、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセチルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランなどを挙げることができる。
【0014】
これらのうち、トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類が好ましく、また、トリアルコキシシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランが好ましく、さらに、ジアルコキシシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましい。
【0015】
本発明において、オルガノシラン(1)としては、特に、トリアルコキシシランのみ、あるいは、トリアルコキシシラン40〜95モル%とジアルコキシシラン60〜5モル%との組み合わせが好ましい。ジアルコキシシランをトリアルコキシシランと併用することにより、得られる塗膜を柔軟化し、耐アルカリ性を向上させることができる。
【0016】
オルガノシラン(1)は、そのまま、あるいは加水分解物および/または縮合物として使用される。オルガノシラン(1)を加水分解物および/または縮合物として使用する場合は、予め加水分解・縮合させて(A)成分として使用することもできるが、後述するように、オルガノシラン(1)を残りの成分と混合して組成物を調製する際に、適量の水を添加することにより、オルガノシラン(1)を加水分解・縮合させて、(A)成分とすることが好ましい。
(A)成分が縮合物として使用されるとき、該縮合物のポリスチレン換算重量平均分子量(以下「Mw」ともいう)は、好ましくは、800〜100,000、さらに好ましくは、1,000〜50,000である。
【0017】
また、(A)成分の市販品には、三菱化学(株)製のMKCシリケート、コルコート製のエチルシリケート、東レ・ダウコーニング社製のシリコンレジン、東芝シリコーン(株)製のシリコンレジン、信越化学工業(株)製のシリコンレジン、日本ユニカ(株)製のシリコンオリゴマーなどがあり、これらをそのまま、または縮合させて使用してもよい。
【0018】
本発明において、(A)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0019】
(B)成分
本発明における(B)成分は、上記(b−1)構成単位および(b−2)構成単位を有し、かつ特定シリル基、すなわち、加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基(特定シリル基)を有し、好ましくは、特定のシリル基を重合体分子鎖の末端および/または側鎖に有するフッ素系重合体である。
このような(B)成分は、本発明の組成物から得られる塗膜を硬化させる際に、そのシリル基中の加水分解性基および/または水酸基が、上記(A)成分と共縮合することにより、優れた塗膜性能をもたらすことができる。
(B)成分における特定シリル基の含有量は、ケイ素原子の量に換算して、(B)成分中に、通常、0.1〜60モル%、好ましくは、0.5〜50モル%である。
【0020】
特定シリル基は、好ましくは下記一般式(4)
(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アセトキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基または水酸基を示し、R6 は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアラルキル基を示し、iは1〜3の整数である)で表される。
【0021】
(B)成分は、上記一般式(2)で表される(b−1)構成単位を構成する単量体(以下「(b−1)単量体」ともいう)、上記一般式(3)で表される(b−2)構成単位を構成する単量体(以下「(b−2)単量体」ともいう)、および上記一般式(4)で表される(b−3)特定シリル基を構成する、加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を含有する(b−3)単量体を重合して得られ、また、必要に応じて、(b−4)これらの単量体と共重合可能な他の単量体(以下「(b−4)単量体」ともいう)をさらに含めて重合して得てもよい。上記(b−4)単量体は、(b−1)単量体と(b−2)単量体に含まれない、フッ素原子を有するものであってもよい。
【0022】
また、(B)成分は、上記の(b−1)単量体および(b−2)単量体を重合して得られる重合体、または、これらの単量体に、必要に応じて、(b−4)単量体をさらに含めて重合して得られる重合体の炭素−炭素二重結合に、上記加水分解性基または水酸基と反応し得る官能基を有するシラン化合物(以下「(b−5)シラン化合物」ともいう)を付加反応させて得てもよい。
【0023】
(b−1)単量体;
(b−1)単量体は、下記一般式(2)′で表される。
(式中、R3 〜R5 はCm 2m+1、m=0〜5の整数、Yはそれぞれ独立に、F,HおよびClから選ばれる。)
【0024】
上記(b−1)単量体としては、例えば、1個の重合性の不飽和二重結合基および少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることができる。
(b−1)単量体の具体例としては、
(イ)CF2 =CF2 、CHF=CF2 、CH2 =CF2 、CH2 =CHF、CClF=CF2 、CHCl=CF2 、CCl2 =CF2 、CClF=CClF、CHF=CCl2 、CH2 =CClF、CCl2 =CClFなどのフルオロエチレン類;
CF3 CF=CF2 、CF3 CF=CHF、CF3 CH=CF2 、CF3 CF=CH2 、CF3 CF=CHF、CHF2 CF=CHF、CF3 CH=CH2 、CH3 CF=CF2 、CH3 CH=CF2 、CH3 CF=CH2 、CF2 ClCF=CF2 、CF3 CCl=CF2 、CF3 CF=CFCl、CF2 ClCCl=CF2 、CF2 ClCF=CFCl、CF2 CCl=CClF、CF2 CCl=CCl2 、CCl3 CF=CF2 、CF2 ClCCl=CCl2 、CFCl2 CCl=CCl2 、CF3 CF=CHCl、CClF2 CF=CHCl、CF3 CCl=CHCl、CHF2 CCl=CCl2 、CF2 ClCH=CCl2 、CF2 ClCCl=CHCl、CCl3 CF=CHClなどのフルオロプロペン類;
(ロ)CF3 CF2 CF=CF2 、CF3 CF=CFCF3 、CF3 CH=CFCF3 、CF2 =CFCF2 CHF2 、CF3 CF2 CF=CH2 、CF2 CH=CHCF3 、CF2 =CFCF2 CH3 、CF2 =CFCH2 CH3 、CF3 CH2 CH=CH2 、CF3 CH=CHCH3 、CF2 =CHCH2 CH3 、CH3 CF2 CH=CH2 、CFH2 CH=CHCFH2 、CH3 CF2 CH=CH2 、CH2 =CFCH2 CH3 、CF3 (CF2 2 CF=CF2 、CF3 (CF2 2 CF=CF2 などの炭素数4以上のフルオロオレフィン類;
などが挙げられる。
【0025】
これらのフッ素原子を含有する(b−1)単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0026】
(b−2)単量体;
(b−2)単量体は、下記一般式(3)′で表される。
〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、R3 〜Rは、一般式(2)′と同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR3 〜R5 と異なっていてもよい。〕
【0027】
上記(b−2)単量体としては、例えば、1個の重合性の不飽和二重結合基、エーテル結合および少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることができる。
(b−2)単量体の具体例としては、
(イ)CH2 =CH−O−Rf
(Rfは、フッ素原子を含むアルキル基もしくはアルコキシアルキル基を示す)で表される(フルオロアルキル)ビニルエーテル、または、(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル類;
(ロ)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;
(ハ)パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)などのパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;
などを挙げることができる。
これらのフッ素原子を含有する(b−2)単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0028】
なお、(b−1)単量体と(b−2)単量体の組み合わせとしては、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルまたはパーフルオロアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテルとを組み合わせて使用することが好ましい。
【0029】
(b−3)単量体;
(b−3)単量体は、1分子中に重合性の不飽和二重結合、ならびに加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を含有する単量体である。
上記(b−3)単量体としては、例えば、
下記一般式(4)′
〔式中のX,R6 ,iは、上記一般式(4)におけるそれぞれX,R6 ,iと同義であり、R7 は、重合性二重結合を有する有機基を示す)で表されるシラン化合物(以下「不飽和シラン化合物」ともいう)などを挙げることができる。
【0030】
上記不飽和シラン化合物の具体例としては、
CH2 =CHSi(CH3)(OCH3)2 、CH2 =CHSi(OCH3)3
CH2 =CHSi(OC2 5)3
CH2 =CHSi(CH3)Cl2 、CH2 =CHSiCl3
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(OCH3)3
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(OCH3)3
CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH3)Cl2
CH2 =CHCOO(CH2)2 SiCl3
CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)Cl2
CH2 =CHCOO(CH2)3 SiCl3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(OCH3)3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH3)(OCH3)2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(OCH3)3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(CH3)Cl2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 SiCl3
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH3)Cl2
CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 SiCl3
【0031】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
などを挙げることができる。
これらは、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0032】
(b−4)単量体;
上記(b−1)〜(b−3)単量体と共重合可能な他の単量体である(b−4)単量体としては、例えば、
(イ)メチル(メタ)アクリレート、 エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどの炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート類;
(ロ)スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニルナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;
【0033】
(ハ)ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアミル(メタ)アクリレート、ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;
【0034】
(ニ)ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、 テトラプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性単量体;
【0035】
(ホ)(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、マレイミドなどの酸アミド化合物;
(へ)塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステルなどのビニル化合物;
(ト)1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、イソプレン、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基などの置換基で置換された置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖状および側鎖状の共役ヘキサジエンなどの脂肪族共役ジエン;
(チ)(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、モノアルキルイタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;
【0036】
(リ)アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;
(ヌ)4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマー;
【0037】
(ル)ビニルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;
【0038】
(ヲ)アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどのアリルエーテル類;
(ワ)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;
【0039】
(カ)2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類;
などのほか、ジカプロラクトンなどが挙げられる。
これらは、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0040】
(b−5)シラン化合物;
付加反応に用いる(b−5)シラン化合物としては、メチルジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロルシランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどのアシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシシラン、ジメチル・アミノキシシランなどのアミノキシシラン類などを挙げることができる。
これらは、1種単独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0041】
上記(B)成分を製造する際の重合方法としては、例えば、一括して単量体を添加して重合する方法、単量体の一部を重合したのち、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法、もしくは、単量体を重合の始めから連続的に添加する方法などが挙げられる。また、これらの重合方法を組み合わせた重合方法を採用することもできる。好ましい重合方法としては、溶液重合が挙げられる。溶液重合に使用される溶媒は、通常のものを使用できるが、そのうち、ケトン類、アルコール類が好ましい。この重合において、重合開始剤、分子量調整剤、キレート化剤、無機電解質は、公知のものを使用することができる。
【0042】
(B)成分を構成する(b−1)構成単位の含有量は、(B)成分中に、通常、0.5〜60モル%、好ましくは、1〜50モル%である。0.5モル%未満では、撥水、撥油性を有しつつ、透明性、密着性などにも優れたバランスの良い塗膜を得るのが難しい場合がある。一方、60モル%を超えると、得られる塗膜の長期耐候性が劣る場合がある。
また、(b−2)構成単位の含有量は、(B)成分中に、通常、0.1〜60モル%、好ましくは、0.5〜50モル%である。0.1モル%未満では、撥水、撥油性を有しつつ、長期耐候性にも優れた塗膜を得るのが難しい場合がある。一方、60モル%を超えると、コーティング組成物の溶剤への溶解性が低下し、透明性に優れた塗膜を得るのが難しい場合がある。
(B)成分中において、(b−1)構成単位と(b−2)構成単位との合計含有量は、80モル%以下であることが好ましい。80モル%を超えると、得られる塗膜が基板との密着性に劣るものとなる場合がある。
さらに、(b−3)特定シリル基の含有量は、上記のように、ケイ素原子の量に換算して、(B)成分中に、通常、0.1〜60モル%、好ましくは、0.5〜50モル%となる量である。0.1モル%未満では、(A)成分との共縮合の効果が得られない。一方、60モル%を超えると、得られるコーティング組成物の保存安定性が悪くなる傾向にある。
なお、共重合可能な他の単量体である(b−4)単量体からなる構成単位〔(b−4)構成単位〕は、(B)成分中に、通常、90モル%以下、好ましくは、80モル%以下程度である。
【0043】
(B)成分のポリスチレン換算数平均分子量(以下「Mn」ともいう)は、好ましくは、1,000〜50,000、さらに好ましくは、5,000〜30,000である。
【0044】
本発明において、(B)成分は、単独でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して使用することができる。
【0045】
本発明における(B)成分の使用量は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、20〜500重量部、好ましくは、25〜400重量部、さらに好ましくは、50〜300重量部である。この場合、(B)成分の使用量が20重量部未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性、耐クラック性が低下する傾向がある。一方、500重量部を超えると、塗膜の耐候性が低下する傾向がある。
【0046】
なお、本発明においては、(B)成分と併用して、フッ素原子を含有せず、特定シリル基を含有するビニル系共重合体(以下「(B′)成分」ともいう)を、本発明の効果を損なわない範囲で用いてもよい。この(B′)成分は、上記(b−3)単量体と(b−4)単量体とを共重合させるか、または、(b−4)単量体を重合して得られる重合体に、上記(b−5)シラン化合物を付加反応させるなどして得られる。
【0047】
さらに、本発明の組成物には、下記の(C)〜(F)成分を配合することができる。以下、これらの成分につき説明する。
【0048】
(C)成分
(C)成分は、水および/または有機溶剤からなる。
本発明の組成物は、上記(A)成分、および(B)成分を必須とし、場合により、後述する(D)〜(F)成分などを含有するものであり、通常、組成物を調製する際に、水がオルガノシラン(1)や(B)成分を加水分解・縮合反応させ、あるいは、粒子状成分を分散させるために添加される。
本発明における水の使用量は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)1モルに対して、通常、0.5〜3モル、好ましくは、0.7〜2モル程度である。
【0049】
また、上記有機溶剤は、主として、(A)成分、(B)成分、(D)〜(F)成分などを均一に混合させ、組成物の全固形分濃度を調整すると同時に、種々の塗装方法に適用できるようにし、かつ組成物の分散安定性および保存安定性をさらに向上させるために使用される。
【0050】
このような有機溶剤としては、上記各成分を均一に混合できるものであれば特に限定されないが、例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤のうち、アルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどを挙げることができる。
【0051】
また、芳香族炭化水素類の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどを、エーテル類の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどを、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。
これらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0052】
本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、50重量%以下であり、使用目的に応じて適宜調整される。例えば、薄膜形成基材への含浸を目的とするときには、通常、5〜30重量%であり、また厚膜形成を目的で使用するときには、通常、20〜50重量%、好ましくは30〜45重量%である。組成物の全固形分濃度が50重量%を超えると、保存安定性が低下する傾向がある。
【0053】
(D)成分
(D)成分は、(A)成分、(B)成分などの加水分解・縮合反応を促進する触媒である。
(D)成分を使用することにより、得られる塗膜の硬化速度を高めるとともに、使用されるオルガノシラン成分の重縮合反応により生成されるポリシロキサン樹脂の分子量が大きくなり、強度、長期耐久性などに優れた塗膜を得ることができ、かつ塗膜の厚膜化や塗装作業も容易となる。
【0054】
このような(D)成分としては、酸性化合物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物(以下、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物をまとめて「有機金属化合物等」ともいう)が好ましい。
上記酸性化合物としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、アルキルチタン酸、p−トルエンスルホン酸、フタル酸などを挙げることができ、好ましくは、酢酸である。
また、上記アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができ、好ましくは、水酸化ナトリウムである。
また、上記塩化合物としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩などを挙げることができる。
【0055】
また、上記アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノールアミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン、3−アニリノプロピル・トリメトキシシランや、アルキルアミン塩類、四級アンモニウム塩類のほか、エポキシ樹脂の硬化剤として用いられる各種変性アミンなどを挙げることができ、好ましくは、3−アミノプロピル・トリメトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・トリエトキシシランである。
【0056】
また、上記有機金属化合物等としては、例えば、下記一般式(5)で表される化合物(以下「有機金属化合物(5)」ともいう)、同一のスズ原子に結合した炭素数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価スズの有機金属化合物(以下「有機スズ化合物」ともいう)、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物などを挙げることができる。
【0057】
M(OR (RCOCHCOR10・・・(5)
〔式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウムを示し、RおよびRは、同一または異なって、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R10は、RおよびRと同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素基のほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基などの炭素数1〜16のアルコキシ基を示し、pおよびqは0〜4の整数で、(p+q)=(Mの原子価)である。〕
【0058】
有機金属化合物(5)の具体例としては、
(イ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;
【0059】
(ロ)テトラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合物;
(ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物;
などを挙げることができる。
【0060】
これらの有機金属化合物(5)およびその部分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物が好ましい。
【0061】
また、有機スズ化合物の具体例としては、
(C4 9 2 Sn(OCOC11232
(C4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 2
(C4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOC4 9 2
(C8 172 Sn(OCOC8 172
(C8 172 Sn(OCOC11232
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 2
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC4 9 2
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC8 172
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC16332
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC17352
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC18372
(C8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC20412
【0062】
などのカルボン酸型有機スズ化合物;
【0063】
(C4 9 2 Sn(SCH2 COOC8 172
(C4 9 2 Sn(SCH2 CH2 COOC8 172
(C8 172 Sn(SCH2 COOC8 172
(C8 172 Sn(SCH2 CH2 COOC8 172
(C8 172 Sn(SCH2 COOC12252
(C8 172 Sn(SCH2 CH2 COOC12252
(C4 9 )Sn(SCOCH=CHCOOC8 173
(C8 17)Sn(SCOCH=CHCOOC8 173
【0064】
などのメルカプチド型有機錫化合物;
【0065】
などのスルフィド型有機錫化合物;
【0066】
などのクロライド型有機錫化合物;
(C4 9 2 SnO、(C8 172 SnOなどの有機スズオキサイドや、これらの有機スズオキサイドとエチルシリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成物;
などを挙げることができる。
【0067】
(D)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他の反応遅延剤と混合して使用することもできる。
【0068】
(D)成分は、組成物を調製する際に配合してもよく、また、塗膜を形成する段階で組成物に配合してもよく、さらには、組成物の調製と塗膜の形成との両方の段階で配合してもよい。
(D)成分の使用量は、有機金属化合物等以外の場合、上記(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは、0.01〜80重量部、さらに好ましくは、0.1〜50重量部であり、有機金属化合物等の場合、上記(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0〜100重量部、好ましくは、0.1〜80重量部、さらに好ましくは、0.5〜50重量部である。この場合、(D)成分の使用量が100重量部を超えると、組成物の保存安定性が低下したり、塗膜にクラックが発生しやすくなる傾向がある。
【0069】
(E)成分
(E)成分は、下記一般式(6)
9 COCH2 COR10 ・・・(6)
〔式中、R9 およびR10は、有機金属化合物(5)における上記各一般式のそれぞれR9 およびR10と同義である〕で表されるβ−ジケトン類およびβ−ケトエステル類、カルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合物、アミン化合物、およびオキシアルデヒド化合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
このような(E)成分は、特に、上記(D)成分として有機金属化合物等を使用する場合に併用することが好ましい。
【0070】
(E)成分は、組成物の安定性向上剤として作用するものである。すなわち、(E)成分が上記有機金属化合物等の金属原子に配位して、該有機金属化合物等による上記(A)成分と(B)成分の共縮合反応を促進する作用を適度にコントロールすることにより、得られる組成物の保存安定性をさらに向上させる作用をなすものと推定される。
【0071】
(E)成分の具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、マロン酸、シュウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸、アミノ酢酸、イミノ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコール、カテコール、エチレンジアミン、2,2−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、ジエチレントリアミン、2−エタノールアミン、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、メチオニン、サリチルアルデヒドなどを挙げることができる。これらのうち、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルが好ましい。
(E)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0072】
(E)成分の使用量は、上記有機金属化合物等における有機金属化合物1モルに対して、通常、2モル以上、好ましくは3〜20モルである。この場合、(E)成分の使用量が2モル未満では、得られる組成物の保存安定性の向上効果が不充分となる傾向がある。
【0073】
(F)成分
(F)成分は、無機化合物の粉体および/またはゾルもしくはコロイドからなり、塗膜の所望の特性に応じて配合される。
【0074】
(F)成分をなす化合物の具体例としては、SiO2 、Al2 3 、AlGaAs、Al(OH)3 、Sb2 5 、Si3 4 、SnO2 、Sn−In2 3 、In2 3 、Sb−In2 3 、InP、InSb、InAs、InGaAlP、MgF、CeF3 、CeO2 、3Al2 3 ・2SiO2 、BeO、SiC、AlN、Fe、Fe2 3 、Co、Co−FeOx 、CrO2 、Fe4 N、BaTiO3 、BaO−Al2 3 −SiO2 、Baフェライト、SmCO5 、YCO5 、CeCO5 、PrCO5 、Sm2 CO17、Nd2 Fe14B、ZrO2 、Al4 3 、AlN、SiC、α−Si、SiN4 、CoO、Sb−SnO2 、MnO2 、MnB、Co3 4 、Co3 B、LiTaO3 、MgO、MgAl2 4 、BeAl2 4 、ZrSiO4 、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnSb、ZnTe、PbTe、PbS、PbSe、GeSi、FeSi2 、CrSi2 、CoSi2 、MnSi1.73、Mg2 Si、β−B、BaC、BP、TiB2 、ZrB2 、HfB2 、Ru2 Si3 、RuO2 、TiO2 、TiO3 、SrTiO3 、FeTiO3 、PbTiO3 、Al2 TiO5 、Zn2 SiO4 、Zr2 SiO4 、2MgO2 −Al2 3 −5SiO2 、WO3 、Bi2 3 、CdO、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO3 、MoS2 、LaRhO3 、GaN、CdP、Nb2 5 、GaAsP、Li2 O−Al2 3 −4SiO2 、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフェライト、Liフェライト、Srフェライトなどを挙げることができる。
これら(F)成分は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0075】
(F)成分の存在形態には、粉体、水に分散した水系のゾルもしくはコロイド、イソプロピルアルコールなどの極性溶媒や、トルエンなどの非極性溶媒中に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドがある。溶媒系のゾルもしくはコロイドの場合、半導体の分散性によってはさらに水や溶媒にて希釈して用いてもよく、また分散性を向上させるために表面処理して用いてもよい。
【0076】
(F)成分が水系のゾルもしくはコロイド、あるいは溶媒系のゾルもしくはコロイドである場合、固形分濃度は40重量%以下が好ましい。
【0077】
(F)成分を組成物中に配合する方法としては、組成物の調製後に添加してもよく、あるいは、組成物の調製時に添加して、(F)成分を、上記(A)成分、(B)成分などと共加水分解・縮合させてもよい。
【0078】
(F)成分の使用量は、上記(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、固形分で、通常、0〜500重量部、好ましくは、0.1〜400重量部である。
【0079】
他の添加剤
また、本発明の組成物には、得られる塗膜の着色、厚膜化などのために、別途充填材を添加・分散させることもできる。
このような充填材としては、例えば、非水溶性の有機顔料や無機顔料、顔料以外の、粒子状、繊維状もしくは鱗片状のセラミックス、金属あるいは合金、ならびにこれらの金属の酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などを挙げることができる。
【0080】
上記充填材の具体例としては、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、顔料用酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛、亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
これらの充填材は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
充填材の使用量は、組成物の全固形分100重量部に対して、通常、300重量部以下である。
【0081】
さらに、本発明の組成物には、所望により、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの公知の脱水剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリカルボン酸型高分子界面活性剤、ポリカルボン酸塩、ポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアミドエステル塩、ポリエチレングリコールなどの分散剤;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース類や、ひまし油誘導体、フェロけい酸塩などの増粘剤;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、カルシウムアジドなどの無機発泡剤や、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホヒドラジンなどのヒドラジン化合物、セミカルバジド化合物、トリアゾール化合物、N−ニトロソ化合物などの有機発泡剤のほか、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料などの他の添加剤を配合することもできる。
【0082】
また、組成物のコーティング性をより向上させるためにレベリング剤を配合することができる。このようなレベリング剤のうち、フッ素系のレベリング剤(商品名、以下同様)としては、例えば、ビーエムヘミー(BM−CHEMIE)社のBM1000、BM1100;エフカケミカルズ社のエフカ772、エフカ777;共栄社化学(株)製のフローレンシリーズ;住友スリーエム(株)のFCシリーズ;東邦化学(株)のフルオナールTFシリーズなどを挙げることができ、シリコーン系のレベリング剤としては、例えば、ビックケミー社のBYKシリーズ;シュメグマン(Sshmegmann)社のSshmegoシリーズ;エフカケミカルズ社のエフカ30、エフカ31、エフカ34、エフカ35、エフカ36、エフカ39、エフカ83、エフカ86、エフカ88などを挙げることができ、エーテル系またはエステル系のレベリング剤としては、例えば、日信化学工業(株)のカーフィノール;花王(株)のエマルゲン、ホモゲノールなどを挙げることができる。
【0083】
このようなレベリング剤を配合することにより、塗膜の仕上がり外観が改善され、薄膜としても均一に塗布することができる。
レベリング剤の使用量は、全組成物に対して、好ましくは、0.01〜5重量%、さらに好ましくは0.02〜3重量%である。
【0084】
レベリング剤を配合する方法としては、組成物を調製する際に配合してもよく、また塗膜を形成する段階で組成物に配合してもよく、さらには組成物の調製と塗膜の形成との両方の段階で配合してもよい。
【0085】
本発明の組成物を調製するに際しては、(D)成分と(E)成分とを使用しない場合は、各成分の混合方法は特に限定されないが、(D)成分と(E)成分とを使用する場合は、好ましくは、(A)〜(E)成分のうち(E)成分を除いた混合物を得たのち、これに(E)成分を添加する方法が採用される。
【0086】
組成物の調製法の具体例としては、下記(i)〜(iv)の方法などを挙げることができる。
(i)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、(B)成分、(C)成分、(D)成分および必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。
(ii)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、および必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(B)成分および(D)成分を加えて混合して、さらに縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。
【0087】
(iii)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、(D)成分および必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(B)成分を加えて混合して、さらに部分縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。
(iv)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)の一部、(B)成分、(C)成分および必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いでオルガノシラン(1)の残部を添加して、さらに加水分解・部分縮合反応を行なったのち、(E)成分を添加する方法。
【0088】
なお、本発明においては、(A)〜(E)成分以外の成分は、組成物を調製する適宜の段階で添加することができる。
【0089】
本発明の組成物は、保存安定性に優れ、かつ密着性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐候性、耐湿性、耐(温)水性などを低下させずに、耐汚染性などが改良された塗膜を形成し得る。
また、本発明の組成物は、優れた撥水性および撥油性による防汚性機能を有する高硬度の塗膜を形成することができる。
【0090】
本発明の組成物を基材に塗布する際には、刷毛、ロールコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーターなどを用いたり、ディップコート、流し塗り、スプレー、スクリーンプロセス、電着、蒸着などの塗布方法により、1回塗りで厚さ1〜40μm程度、2〜3回塗りでは厚さ2〜80μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは、30〜200℃程度の温度で10〜60分程度加熱して乾燥することにより、各種の基材に塗膜を形成することができる。
【0091】
本発明の組成物を適用しうる基材としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属;セメント、コンクリート、ALC、フレキシブルボード、モルタル、スレート、石膏、セラミックス、レンガなどの無機窯業系材料;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)などのプラスチック成型品;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリイミドなどのプラスチックフィルムや、木材、紙、ガラスなどを挙げることができる。また、本発明の組成物は、劣化塗膜の再塗装にも有用である。
【0092】
これらの基材には、下地調整、密着性向上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付けなどを目的として、予め表面処理を施すこともできる。
金属系基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、脱脂、メッキ処理、クロメート処理、火炎処理、カップリング処理などを挙げることができ、プラスチック系基材に対する表面処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理などを挙げることができ、無機窯業系基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、模様付けなどを挙げることができ、木質基材に対する表面処理としては、例えば、研磨、目止め、防虫処理などを挙げることができ、紙質基材に対する表面処理としては、例えば、目止め、防虫処理などを挙げることができ、さらに劣化塗膜に対する表面処理としては、例えば、ケレンなどを挙げることができる。
【0093】
本発明の組成物による塗布操作は、基材の種類や状態、塗布方法によって異なる。例えば、金属系基材の場合、防錆の必要があればプライマーを用い、無機窯業系基材の場合、基材の特性(表面荒さ、含浸性、アルカリ性など)により塗膜の隠ぺい性が異なるため、通常はプライマーを用いる。また、劣化塗膜の再塗装の場合、旧塗膜の劣化が著しいときはプライマーを用いる。
それ以外の基材、例えば、プラスチック、木材、紙、ガラスなどの場合は、用途に応じてプライマーを用いても用いなくてもよい。
【0094】
プライマーの種類は特に限定されず、基材と組成物との密着性を向上させる作用を有するものであればよく、基材の種類、使用目的に応じて選択する。プライマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができ、何層かを重ねて塗布することもできる。また、顔料などの着色成分を含むエナメルでも、該着色成分を含まないクリヤーでもよい。
【0095】
プライマーの種類としては、例えば、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、アクリルシリコン樹脂、アクリルエマルジョン、エポキシエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリエステルエマルジョンや、本発明における(A)成分と(B′)成分とからなる組成物、本発明における(A)成分と(B′)成分と(F)成分とからなる組成物などを挙げることができる。また、これらのプライマーには、厳しい条件での基材と塗膜との密着性が必要な場合、各種の官能基を付与することもできる。このような官能基としては、例えば、シリル基、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、アミン基、グリシジル基、アルコキシシリル基、エーテル結合、エステル結合などを挙げることができる。
【0096】
また、本発明の組成物から形成した塗膜の表面には、塗膜の耐摩耗性や光沢をさらに高めることを目的として、例えば、米国特許第3,986,997号明細書、米国特許第4,027,073号明細書などに記載されたコロイダルシリカとシロキサン樹脂との安定な分散液のようなシロキサン樹脂系塗料などからなるクリア層を形成することもできる。
【0097】
本発明の組成物を基材に適用した形態には、次のようなものがある。
(a)基材/組成物(クリアー、エナメル)
(b)基材/他の有機塗料/組成物(クリアー)
ここで、クリアーは着色成分を含まない組成物であり、エナメルは着色成分を含む組成物である。
なお、上記(a)〜(b)の場合、必要に応じて基材に予めプライマー層を設けることができるのは前述したとおりである。
【0098】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例になんら制約されるものでない。なお、実施例および比較例中の部および%は、特記しない限り重量基準である。また、実施例および比較例における各種の測定・評価は、下記の方法により行った。
【0099】
(1)MwおよびMn
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
試料:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、オルガノシランの縮合物1gまたはシリル基含有ビニル系樹脂0.1gを、それぞれ100ccのテトラヒドロフランに溶解して調製した。
標準ポリスチレン:米国プレッシャーケミカル社製の標準ポリスチレンを使用した。
装置:米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマトグラム(モデル150−C ALC/GPC)
カラム:昭和電工(株)製のSHODEX A−80M(長さ50cm)
測定温度:40℃
流速:1cc/分
【0100】
(2)保存安定性
硬化促進剤を添加しない組成物を、ポリエチレン製ビン内に、常温で3ヶ月密栓保存して、ゲル化の有無を目視により判定した。ゲル化を生じていないものについては、東京計器(株)製のBM型粘度計による粘度測定を行い、変化率が20%以内のものを、“変化なし”とした。
(3)密着性
JIS K5400による碁盤目テスト(ます目100個)により、テープ剥離試験を3回実施し、その平均に拠った。
(4)硬度
JIS K5400による鉛筆硬度に拠った。
【0101】
(5)耐アルカリ性
試験片を、飽和水酸化カルシウム水溶液中に60日間浸漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。
(6)耐有機薬品性
塗膜上にイソプロピルアルコールを2cc滴下し、5分後に布で拭き取ったのち、塗膜の状態を目視により観察した。
(7)耐湿性
試験片を、温度50℃、湿度95%の環境下に、連続1,000時間保持したのち、取り出して塗膜の状態を目視により観察した。
(8)耐候性
JIS K5400により、サンシャインウエザーメーターで3,000時間照射試験を実施して、塗膜の外観(割れ、剥がれなど)を目視により観察した。
【0102】
(9)耐水性
試験片を、水道水中に常温で60日間浸漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。
(10)耐温水性
無機質基材を用いた試験片を、60℃の温水中に14日間浸漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。
(11)耐汚染性
塗膜上に、カーボンブラック/灯油=1/2(重量比)の混合物からなるペーストを塗り付け、室温で24時間放置したのち、スポンジを用いて水洗して、塗膜の汚染状態を観察し、下記基準で評価した。
○;汚染なし
△;少し汚染されている。
×;汚染が著しい。
【0103】
(12)透明性
各組成物を、石英ガラス上に、乾燥膜厚10μmとなるように塗布したのち、可視光の透過率を測定して、下記基準で評価した。
◎;透過率が80%を超える。
○;透過率が60〜80%
△;透過率が60%未満
(13)撥水性・撥油性
塗膜に水またはサラダ油を1滴乗せ、傾けたときに液滴の滑り落ち具合を観察し、下記基準で評価した。
○;傾斜角60度未満で容易に滑り落ちる。
△;傾斜角60〜90度で滑り落ちる。
×;傾斜角90度を越えても滑り落ちない。
(14)接触角
塗膜に水またはコールタールを静かに1滴乗せたときの接触角を、協和界面化学(株)製、自動接触角計により測定した。
【0104】
参考例1〔(B)成分の重合〕
電磁攪拌機を備えたステンレス製のオートクレーブを窒素ガスで充分置換したのち、このオートクレーブ内に、メチルイソブチルケトンを150部とエチルビニルエーテル86部と過酸化ラウロイル(ラジカル重合開始剤)1.5部とを仕込み、オートクレーブ内の溶液をドライアイス−メタノールにより−50℃まで冷却したのち、窒素ガスによって系内の酸素を再度除去した。次いで、ヘキサフルオロプロピレン2部、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)2部、ビニルトリメトキシシラン10部を添加し、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点におけるオートクレーブ内の圧力は、5kgf/cm2 であった。
反応系の温度を60℃に保持しながら攪拌することにより、20時間重合反応を継続させ、オートクレーブ内の圧力が1.5kgf/cm2 に低下した時点で水冷して反応を停止させ、固形分濃度40%の(B)成分(以下「(B−1)」ともいう)を得た。
【0105】
参考例2〜6〔(B)成分の重合〕
表1〜2に示す単量体成分を用いた以外は、参考例1と同様にして、(B−2)〜(B−6)の(B)成分を得た。
【0106】
参考例7〔(B′)成分の合成〕
還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリレート70部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、アクリル酸5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13部、1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド2部およびi−プロピルアルコール150部、メチルエチルケトン50部、メタノール25部を加えて混合したのち、攪拌しながら80℃に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した溶液を30分間かけて滴下したのち、80℃で5時間反応させて固形分濃度40%の(B′)成分(以下「(B′−1)」ともいう)を得た。
【0107】
参考例8(プライマーの合成)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン50部、参考例3で得たアクリル重合体50部と、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム25部をi−プロピルアルコール50部に溶解した溶液と混合したのち、イオン交換水40部を加え、60℃で4時間反応させた。次いで、反応液を室温まで冷却したのち、アセチルアセトン30部を添加して、プライマー溶液(以下「(P−1)」ともいう)を得た。
【0108】
参考例9(プライマーの合成)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、テトラエトキシシラン70部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン30部、i−プロピルアルコール60部を混合しよく攪拌したのち、塩酸水溶液10-2mol/lを30部滴下し、60℃で4時間反応させ、プライマー溶液(以下「(P−2)」ともいう)を得た。
【0109】
参考例10〔プライマー(エナメル)の調製〕
参考例8で得られたプライマー溶液100部に、セルロース系増粘剤0.5部を溶解させ、サンドミルにて10分間攪拌させたのち、酸化チタン(白顔料)26部を添加して、さらにサンドミルにて1時間攪拌させた。攪拌後、i−プロピルアルコールにて調整し、固形分濃度50%の白色のプライマー溶液(エナメル)(以下「P′−1」ともいう)を得た。
【0110】
参考例11〜13(比較用共重合体の重合)
表2に示す単量体成分を用いた以外は、参考例1と同様にして、(b−1)〜(b−3)の比較用共重合体を得た。
【0111】
実施例1〜9
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表3〜4に示す(A)成分、(B)成分、(C)成分のうちの水以外の成分および(D)成分を加えて混合したのち、(C)成分の水を添加、撹拌し、60℃で5時間反応させた。次いで、(E)成分を後添加して、室温まで冷却し、固形分濃度30%の本発明の組成物を得た。得られた組成物の保存安定性を評価した。
また、得られた組成物を、アルカリ脱脂したアルミニウム板(JIS H4000、A1050P)の表面に、乾燥膜厚5μmになるようにスプレー法により塗布し、150℃で10分間加熱乾燥して、試験片を作製し、各種評価を行った。
組成物の保存安定性の評価結果および試験片の各種評価結果を、表6〜7に示す。
【0112】
比較例1〜5
還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表5に示す(A)成分、(B)成分、(C)成分のうち水以外の成分および(D)成分を加えて混合し、撹拌下、60℃で5時間反応させた。次いで、(E)成分を後添加して、室温まで冷却し、固形分濃度30%の組成物を得た。
得られた組成物を用い、実施例1と同様にして、試験片を作製し、評価を行った。
組成物の保存安定性の評価結果および試験片の各種評価結果を、表8に示す。
【0113】
実施例10
下記表9に示されるとおりの組み合わせで、基板の表面に、必要に応じてプライマーを1層〜3層、スプレー法により塗布し、150℃で10分間加熱乾燥した。その表面に、実施例1で得られた本発明の組成物を、乾燥膜厚5μmになるようにスプレー法により塗布し、150℃で10分間加熱乾燥して、試験片を作製し、得られた塗膜を用いて、基板との密着性および耐候性の評価を行った。試験片の評価結果を、表9に示す。
【0114】
【表1】
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|参考例 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|重合体名称 |(B-1) |(B-2) |(B-3) |(B-4) |(B-5) |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|(b−1)単量体 | | | | | |
|ヘキサフルオロプロピレン | 2 | 10 | 30 | 10 | 30 |
|(b−2)単量体 | | | | | |
|パーフルオロ(プロピルビニ| 2 | 10 | 30 | 10 | - |
|ルエーテル) | | | | | |
|パーフルオロ(エチルビニル| - | - | - | - | 30 |
|エーテル) | | | | | |
|(b−3)単量体 | | | | | |
|ビニルトリメトキシシラン | 10 | 10 | 10 | 50 | 10 |
|(b−4)単量体 | | | | | |
|エチルビニルエーテル | 86 | 70 | 30 | 30 | 70 |
|メチルイソブチルケトン | 150 | 150 | 150 | 150 | 150 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|固形分濃度(%) | 40 | 40 | 40 | 40 | 40 |
|Mn (×104) | 3.5 | 3.0 | 2.5 | 3.5 | 4.0 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
【0115】
【表2】
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|参考例 | 6 | 11 | 12 |13 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|重合体名称 |(B-6) |(b-1) |(b-2) |(b-3) |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|(b−1)単量体 | | | | |
|ヘキサフルオロプロピレン | 30 | 30 | - | - |
|(b−2)単量体 | | | | |
|パーフルオロ(プロピルビニ| 0.5 | - | 30 | - |
|ルエーテル) | | | | |
|パーフルオロ(エチルビニル| - | - | - | - |
|エーテル) | | | | |
|(b−3)単量体 | | | | |
|ビニルトリメトキシシラン | 10 | 10 | 10 | 20 |
|(b−4)単量体 | | | | |
|エチルビニルエーテル | 60 | 60 | 60 | 80 |
|メチルイソブチルケトン | 150 | 150 | 150 | 150 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|固形分濃度(%) | 40 | 40 | 40 | 40 |
|Mn (×104) | 3.2 | 3.8 | 3.0 | 5.0 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
【0116】
【表3】
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|実施例 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
混合成分(部) | | | | | |
|(A)成分 | | | | | |
|メチルトリメトキシラン | 70 | 70 | 70 | 70 | 70 |
|ジメチルジメトキシシラン | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 |
|(B)成分;(B−1) | 50 | - | - | - | - |
| (B−2) | - | 50 | - | - | - |
| (B−3) | - | - | 50 | - | - |
| (B−4) | - | - | - | 50 | - |
| (B−5) | - | - | - | - | 50 |
| (B−6) | - | - | - | - | - |
|(B′)成分;(B′−1)| - | - | - | - | - |
|(C)成分 | | | | | |
|メチルイソブチルケトン | 175 | 175 | 175 | 175 | 175 |
|水 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 |
|(D)成分 | | | | | |
|ジ -i-プロポキシ・エチルア| 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
|セトアセテートアルミニウム| | | | | |
|トリス(エチルアセトアセテ| - | - | - | - | - |
|ート)アルミニウム | | | | | |
後添加成分(部) | | | | | |
|(E) 成分;アセチルアセトン| 10 | 10 | 10 | 10 | 10 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|固形分濃度(%) | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
【0117】
【表4】
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|実施例 | 6 | 7 | 8 | 9 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
混合成分(部) | | | | |
|(A)成分 | | | | |
|メチルトリメトキシシラン | 70 | 70 | 70 | 70 |
|ジメチルジメトキシシラン | 30 | 30 | 30 | 30 |
|(B)成分;(B−1) | - | - | - | - |
| (B−2) | - | 25 | 300 | 20 |
| (B−3) | - | - | - | - |
| (B−4) | - | - |- | - |
| (B−5) | - | - | - | - |
| (B−6) | 50 | - | - | - |
|(B′)成分;(B′−1)| - | - | - | 30 |
|(C)成分 | | | | |
|メチルイソブチルケトン | 175 | 150 | 425 | 175 |
|水 | 30 | 30 | 30 | 30 |
|(D)成分 | | | | |
|ジ -i-プロポキシ・エチルア| 10 | 10 | - | 10 |
|セトアセテートアルミニウム| | | | |
|トリス(エチルアセトアセテ| - | - | 15 | - |
|ート)アルミニウム | | | | |
後添加成分(部) | | | | |
|(E) 成分;アセチルアセトン| 10 | 10 | 10 | 10 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
|固形分濃度(%) | 30 | 30 | 30 | 30 |
|−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−|−−−|−−−|
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
|実施例 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
|保存安定性 |変化なし|変化なし|変化なし|変化なし|変化なし|
|密着性(個/100) | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
|鉛筆硬度 | 4H | 4H | 4H | 4H | 4H |
|耐アルカリ性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐有機薬品性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐湿性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐候性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐水性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐温水性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐汚染性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|透明性 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
|撥水・撥油性 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
|水の接触角(度) | 110 | 110 | 110 | 110 | 110 |
|油の接触角(度) | 71 | 72 | 70 | 74 | 74 |
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
【0120】
【表7】
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
|実施例 | 6 | 7 | 8 | 9 |
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
|保存安定性 |変化なし|変化なし|変化なし|変化なし|
|密着性(個/100) | 100 | 100 | 100 | 100 |
|鉛筆硬度 | 4H | 3H | 4H | 3H |
|耐アルカリ性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐有機薬品性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐湿性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐候性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐水性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐温水性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐汚染性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|透明性 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
|撥水・撥油性 | ○ | ○ | ○ | ○ |
|水の接触角(度) | 110 | 110 | 110 | 105 |
|油の接触角(度) | 72 | 74 | 72 | 70 |
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
【0121】
【表8】
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
|比較例 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
|保存安定性 |変化なし|変化なし|変化なし|粘度増加|変化なし|
|密着性(個/100) | 100 | 100 | 100 | 50 | 100 |
|鉛筆硬度 | 4H | 4H | 2H | 2H | 3H |
|耐アルカリ性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐有機薬品性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐湿性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐候性 |部分剥離|異常なし|異常なし|光沢低下|割れ発生|
|耐水性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐温水性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|耐汚染性 |異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|異常なし|
|透明性 | ◎ | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
|撥水・撥油性 | ○ | ○ | △ | ○ | ○ |
|水の接触角(度) | 105 | 108 | 90 | 108 | 108 |
|油の接触角(度) | 72 | 70 | 55 | 70 | 70 |
|−−−−−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|−−−−|
【0122】
【表9】
|−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−−|
|基材 | プライマー |密着性|耐候性 |
|−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−−|
|金属; | | | |
|軟質アルミ板A1050P| − | 100 |異常なし|
|軟質アルミ板A1050P| (P−1) | 100 |異常なし|
|硬質アルミ板A2024P| − | 100 |異常なし|
|鋼板 | エポキシ樹脂 | 100 |異常なし|
|SUS304 | エポキシ樹脂 | 100 |異常なし|
|無機窯業系基材12mm| エポキシ樹脂/(B'-1) *1 | 100 |異常なし|
|無機窯業系基材12mm|エポキシ樹脂/(B'-1)/(P'-1)*1| 100 |異常なし|
|発泡コンクリート | エポキシ樹脂/(B'-1) *1 | 100 |異常なし|
| (ALC)| | | |
|発泡コンクリート |エポキシ樹脂/(B'-1)/(P'-1)*1| 100 |異常なし|
| (ALC)| | | |
|プラスチックス; | | | |
|PMMA板,2mm| (P−1) | 100 |異常なし|
|PC板,2mm | (P−1) | 100 |異常なし|
|ABS板,2mm | (P−1) | 100 |異常なし|
|PETフィルム | (P−1) | 100 |異常なし|
|PETフィルム | シリル基変性ポリエステル | 100 |異常なし|
|PETフィルム | シリル基変性アクリル樹脂 | 100 |異常なし|
|アクリルフィルム | (P−1) | 100 |異常なし|
|タイル; | − | 100 |異常なし|
|ガラス; | (P−2) | 100 |異常なし|
|木材; | ポリエステルエマルジョン | 100 |異常なし|
|−−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−|−−−|−−−−|
*1)プライマーを2層または3層塗布した場合。左側に記載したものから順に塗布し、積層構造とした。
【0123】
【発明の効果】
本発明のコーティング用組成物は、特定のオルガノシラン成分とシリル基を有するフッ素系重合体を含有しているため、保存安定性に優れ、かつ密着性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐候性、耐湿性、耐(温)水性などを低下させずに、耐汚染性、透明性などが改良された塗膜を形成することができる。しかも、該塗膜は、硬度が高く、優れた撥水性および撥油性による防汚性機能を有する。

Claims (10)

  1. (A)下記一般式(1)
    (RSi(OR4−n・・・・・(1)
    (式中、Rは、2個存在するときは同一または異なり、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、Rは、同一または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
    で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少なくとも1種、ならびに
    (B)(b−1)下記一般式(2)で表される構成単位および
    (式中、R〜RはC2m+1、m=0〜5の整数、Yはそれぞれ独立に、F,HおよびClから選ばれる。)









    (b−2)下記一般式(3)で表される構成単位
    〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアルコキシアルキル基を示し、R〜Rは一般式(2)と同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR〜Rと異なっていてもよい。〕を有し、かつ、
    加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を含む共重合体を
    含有することを特徴とするコーティング用組成物。
  2. (B)成分の使用量が、(A)成分を構成する一般式(1)で表わされるオルガノシラン100重量部に対し、20〜500重量部である請求項1記載のコーティング用組成物。
  3. (B)成分のポリスチレン換算数平均分子量が1,000〜50,000である請求項1または2記載のコーティング用組成物。
  4. 前記オルガノシランが、トリアルコキシシラン類またはジアルコキシシラン類である請求項1記載のコーティング用組成物。
  5. (B)成分における加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基の含有量が、(B)成分中にケイ素原子の量に換算して、0.1〜60モル%である請求項1〜4いずれかに記載のコーティング用組成物。
  6. 前記(b−1)単量体がフルオロエチレン類、フルオロプロペン類または炭素数4以上のフルオロオレフィン類である請求項1〜いずれか記載のコーティング用組成物。
  7. 前記(b−2)単量体が(イ)(フルオロアルキル)ビニルエーテル、または、(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル類;(ロ)パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類または(ハ)パーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類である請求項1〜いずれか記載のコーティング用組成物。
  8. (B)成分中に、(b−1)構成単位の含有量が、0.5〜60モル%、(b−2)構成単位の含有量が0.1〜60モル%であり、(b−1)構成単位と(b−2)構成単位との合計含有量が80モル%以下である請求項1〜いずれか記載のコーティング用組成物。
  9. さらに(C)として、水および/または有機溶剤を含有する請求項1〜いずれか記載のコーティング用組成物。
  10. 請求項1〜いずれか記載のコーティング用組成物から形成しうる塗膜。
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