JP2000204319A - コ―テイング用組成物 - Google Patents

コ―テイング用組成物

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JP2000204319A
JP2000204319A JP11009356A JP935699A JP2000204319A JP 2000204319 A JP2000204319 A JP 2000204319A JP 11009356 A JP11009356 A JP 11009356A JP 935699 A JP935699 A JP 935699A JP 2000204319 A JP2000204319 A JP 2000204319A
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遵生子 嶋田
Toshiki Sakagami
俊規 阪上
Akira Nishikawa
昭 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れ、かつ密着性、耐アルカリ
性、耐有機薬品性、耐候性、耐湿性、耐(温)水性など
を低下させずに、耐汚染性などが改良された塗膜を形成
することができ、しかも、該塗膜は硬度が高く、優れた
撥水性および撥油性による防汚性機能を有する、コーテ
ィング用組成物を提供する。 【解決手段】 (A)(R1 n Si(OR2 4-n
表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分解
物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる少
なくとも1種、ならびに、(B)加水分解性基および/
または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基お
よびエーテル結合を有するフッ素系重合体を含むコーテ
ィング用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性および撥油
性による防汚性機能を有するコーテイング用組成物に関
し、詳しくは、シリル基を有するフッ素系重合体を含有
するオルガノシラン系のコーテイング組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オルガノシラン系コーティング材は、耐
候(光)性、耐汚染性などに優れたメンテナンスフリー
のコーティング材として技術開発が進められている。こ
のようなオルガノシラン系コーティング材に対する要求
性能はますます厳しくなっており、近年では、塗膜外
観、密着性、耐候性、耐熱性、耐アルカリ性、耐有機薬
品性、耐湿性、耐(温)水性、耐絶縁性、耐摩耗性、耐
汚染性などに優れ、硬度の高い塗膜を形成することので
きるコーティング材が求められている。
【0003】特に、耐汚染性を改善するためには、塗膜
表面を親水性化するとよいことが認められているが、こ
れは、汚染回復性(洗浄性)の向上を目的としてなされ
る処理であり、汚染物質の付着量に対して汚染回復性が
上回った場合のみ、耐汚染性の効果が得られる。これに
対し、塗膜に撥水・撥油性を持たせる方法によれば、汚
染物質が親水性、親油性のいずれの物質であっても、塗
膜への付着性を低減させりことができる。従来、塗膜へ
の撥水・撥油性の付与は、オイルや界面活性剤の添加に
よって行われているが、このような方法では、長期にわ
たって耐汚染性を維持することは困難である。
【0004】一方、オルガノシラン系コーティング材に
対する要求性能をある程度満たすコーティング用組成物
として、オルガノシランの部分縮合物、コロイダルシリ
カの分散液およびシリコーン変性アクリル樹脂を配合し
た組成物(特開昭60−135465号公報)、オルガ
ノシランの縮合物、ジルコニウムアルコキシドのキレー
ト化合物および加水分解性シリル基含有ビニル系樹脂を
配合した組成物(特開昭64−1769号公報)、オル
ガノシランの縮合物、コロイド状アルミナおよび加水分
解性シリル基含有ビニル系樹脂を配合した組成物(米国
特許第4,904,721号明細書)などが提案されて
いる。
【0005】しかしながら、上記特開昭60−1354
65号公報および米国特許第4,904,721号明細
書に記載されている組成物から得られる塗膜は、長時間
の紫外線照射により光沢が低下するという欠点がある。
また、上記特開昭64−1769号公報に記載されてい
る組成物は、保存安定性が充分ではなく、固形分濃度を
高くすると短期間でゲル化し易いという問題を有してい
る。
【0006】さらに、本願出願人は、既に、オルガノシ
ランの加水分解物および/またはその部分縮合物、加水
分解性および/または水酸基と結合したケイ素原子を有
するシリル基を有するビニル系樹脂、金属キレート化合
物、ならびにβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエ
スエル類を含有するコーティング用組成物(特開平5−
345877号公報)を提案している。この組成物は、
オルガノシラン系コーティング材に求められている上記
塗膜性能のバランスに優れているが、これらの性能に新
たに撥水性、撥油性、滑り性などを付与した新規な材料
が強く求められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定のオル
ガノシラン成分とシリル基を有するフッ素系重合体を含
有し、保存安定性に優れ、かつ密着性、耐アルカリ性、
耐有機薬品性、耐候性、耐湿性、耐(温)水性などを低
下させずに、耐汚染性などが改良された塗膜を形成し得
るコーテイング組成物を提供することにある。また、本
発明は、優れた撥水性および撥油性による防汚性機能を
有する高硬度の塗膜を形成することができるコーテイン
グ組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)下記一
般式(1) (R1 n Si(OR2 4-n ・・・・・(1) (式中、R1 は、2個存在するときは同一または異な
り、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一
または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる
少なくとも1種(以下「(A)成分」ともいう)、なら
びに(B)(b−1)下記一般式(2)で表される構成
単位(以下「(b−1)構成単位」ともいう)および (式中、R3 〜R5 はCm 2m+1、m=0〜5の整数
Yはそれぞれ独立に、F,HおよびClから選ばれ
る。) (b−2)下記一般式(3)で表される構成単位(以下
「(b−2)構成単位」ともいう) 〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアル
コキシアルキル基を示し、R3 〜R5 は一般式(2)と
同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR3 〜R
5 と異なっていてもよい。〕を有し、かつ加水分解性基
および/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシ
リル基(以下「特定シリル基」ともいう)を含む共重合
体(以下「(B)成分」ともいう)を含有することを特
徴とするコーティング用組成物を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の組成物を構成する
各成分について、順次説明する。(A)成分 本発明のコーテイング用組成物に配合される(A)成分
は、上記一般式(1)で表されるオルガノシラン(以下
「オルガノシラン(1)」ともいう)、オルガノシラン
(1)の加水分解物、およびオルガノシラン(1)の縮
合物から選択された少なくとも1種である。すなわち、
(A)成分は、これら3種のうちの1種だけでもよい
し、任意の2種の混合物であってもよいし、3種類すべ
てを含んだ混合物であってもよい。ここで、上記オルガ
ノシラン(1)の加水分解物は、オルガノシラン(1)
に2〜4個含まれるOR2 基がすべて加水分解されてい
る必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されている
もの、2個以上が加水分解されているもの、あるいはこ
れらの混合物であってもよい。また、上記オルガノシラ
ン(1)の縮合物は、オルガノシラン(1)の加水分解
物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成
したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて
縮合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が
縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物
などをも包含した概念である。
【0010】一般式(1)において、R1 の炭素数1〜
8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−
ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エ
チルヘキシル基などのアルキル基、アセチル基、プロピ
オニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、ト
リオイル基などのアシル基、ビニル基、アリル基、シク
ロヘキシル基、フェニル基、グリシジル基、(メタ)ア
クリルオキシ基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセ
トアミド基、イソシアナート基などのほか、これらの基
の置換誘導体などを挙げることができる。
【0011】R1 の置換誘導体における置換基として
は、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミ
ノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリ
シドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メ
タ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基
などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導
体からなるR1 の炭素数は、置換基中の炭素原子を含め
て8以下である。一般式(1)中に、R1 が2個存在す
るときは、相互に同一でも異なってもよい。
【0012】また、R2 の炭素数1〜5のアルキル基と
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることが
でき、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カ
プロイル基などを挙げることができる。一般式(1)中
に複数個存在するR2 は、相互に同一でも異なってもよ
い。
【0013】このようなオルガノシラン(1)の具体例
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテト
ラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシ
シラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピ
ルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエ
トキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−
ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキ
シシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロ
ヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチル
トリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキ
シシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−
ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキ
シシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリル
オキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロ
ピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエ
トキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−
n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエ
トキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ
−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメ
トキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−
n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエ
トキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ
−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジ
メトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、
ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチル
ジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシ
シラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ンなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセ
チルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランな
どを挙げることができる。
【0014】これらのうち、トリアルコキシシラン類、
ジアルコキシシラン類が好ましく、また、トリアルコキ
シシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシランが好ましく、さらに、ジアルコキ
シシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシランが好ましい。
【0015】本発明において、オルガノシラン(1)と
しては、特に、トリアルコキシシランのみ、あるいは、
トリアルコキシシラン40〜95モル%とジアルコキシ
シラン60〜5モル%との組み合わせが好ましい。ジア
ルコキシシランをトリアルコキシシランと併用すること
により、得られる塗膜を柔軟化し、耐アルカリ性を向上
させることができる。
【0016】オルガノシラン(1)は、そのまま、ある
いは加水分解物および/または縮合物として使用され
る。オルガノシラン(1)を加水分解物および/または
縮合物として使用する場合は、予め加水分解・縮合させ
て(A)成分として使用することもできるが、後述する
ように、オルガノシラン(1)を残りの成分と混合して
組成物を調製する際に、適量の水を添加することによ
り、オルガノシラン(1)を加水分解・縮合させて、
(A)成分とすることが好ましい。(A)成分が縮合物
として使用されるとき、該縮合物のポリスチレン換算重
量平均分子量(以下「Mw」ともいう)は、好ましく
は、800〜100,000、さらに好ましくは、1,
000〜50,000である。
【0017】また、(A)成分の市販品には、三菱化学
(株)製のMKCシリケート、コルコート製のエチルシ
リケート、東レ・ダウコーニング社製のシリコンレジ
ン、東芝シリコーン(株)製のシリコンレジン、信越化
学工業(株)製のシリコンレジン、日本ユニカ(株)製
のシリコンオリゴマーなどがあり、これらをそのまま、
または縮合させて使用してもよい。
【0018】本発明において、(A)成分は、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。
【0019】(B)成分 本発明における(B)成分は、上記(b−1)構成単位
および(b−2)構成単位を有し、かつ特定シリル基、
すなわち、加水分解性基および/または水酸基と結合し
たケイ素原子を有するシリル基(特定シリル基)を有
し、好ましくは、特定のシリル基を重合体分子鎖の末端
および/または側鎖に有するフッ素系重合体である。こ
のような(B)成分は、本発明の組成物から得られる塗
膜を硬化させる際に、そのシリル基中の加水分解性基お
よび/または水酸基が、上記(A)成分と共縮合するこ
とにより、優れた塗膜性能をもたらすことができる。
(B)成分における特定シリル基の含有量は、ケイ素原
子の量に換算して、(B)成分中に、通常、0.1〜6
0モル%、好ましくは、0.5〜50モル%である。
【0020】特定シリル基は、好ましくは下記一般式
(4) (式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アセトキシ
基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基などの
加水分解性基または水酸基を示し、R6 は水素原子、炭
素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアラ
ルキル基を示し、iは1〜3の整数である)で表され
る。
【0021】(B)成分は、上記一般式(2)で表され
る(b−1)構成単位を構成する単量体(以下「(b−
1)単量体」ともいう)、上記一般式(3)で表される
(b−2)構成単位を構成する単量体(以下「(b−
2)単量体」ともいう)、および上記一般式(4)で表
される(b−3)特定シリル基を構成する、加水分解性
基および/または水酸基と結合したケイ素原子を含有す
る(b−3)単量体を重合して得られ、また、必要に応
じて、(b−4)これらの単量体と共重合可能な他の単
量体(以下「(b−4)単量体」ともいう)をさらに含
めて重合して得てもよい。上記(b−4)単量体は、
(b−1)単量体と(b−2)単量体に含まれない、フ
ッ素原子を有するものであってもよい。
【0022】また、(B)成分は、上記の(b−1)単
量体および(b−2)単量体を重合して得られる重合
体、または、これらの単量体に、必要に応じて、(b−
4)単量体をさらに含めて重合して得られる重合体の炭
素−炭素二重結合に、上記加水分解性基または水酸基と
反応し得る官能基を有するシラン化合物(以下「(b−
5)シラン化合物」ともいう)を付加反応させて得ても
よい。
【0023】(b−1)単量体;(b−1)単量体は、
下記一般式(2)′で表される。 (式中、R3 〜R5 はCm 2m+1、m=0〜5の整数、
Yはそれぞれ独立に、F,HおよびClから選ばれ
る。)
【0024】上記(b−1)単量体としては、例えば、
1個の重合性の不飽和二重結合基および少なくとも1個
のフッ素原子を有する化合物を挙げることができる。 (b−1)単量体の具体例としては、 (イ)CF2 =CF2 、CHF=CF2 、CH2 =CF
2 、CH2 =CHF、CClF=CF2 、CHCl=C
2 、CCl2 =CF2 、CClF=CClF、CHF
=CCl2 、CH2 =CClF、CCl2 =CClFな
どのフルオロエチレン類;CF3 CF=CF2 、CF3
CF=CHF、CF3 CH=CF2 、CF3 CF=CH
2 、CF3 CF=CHF、CHF2 CF=CHF、CF
3 CH=CH2 、CH3 CF=CF2 、CH3 CH=C
2 、CH3 CF=CH2 、CF2 ClCF=CF2
CF3 CCl=CF2 、CF3 CF=CFCl、CF2
ClCCl=CF2 、CF2 ClCF=CFCl、CF
2 CCl=CClF、CF2 CCl=CCl2 、CCl
3 CF=CF2 、CF2 ClCCl=CCl2 、CFC
2CCl=CCl2 、CF3 CF=CHCl、CCl
2 CF=CHCl、CF3CCl=CHCl、CHF
2 CCl=CCl2 、CF2 ClCH=CCl2 、CF
2 ClCCl=CHCl、CCl3 CF=CHClなど
のフルオロプロペン類; (ロ)CF3 CF2 CF=CF2 、CF3 CF=CFC
3 、CF3 CH=CFCF3 、CF2 =CFCF2
HF2 、CF3 CF2 CF=CH2 、CF2 CH=CH
CF3 、CF2 =CFCF2 CH3 、CF2 =CFCH
2 CH3 、CF3 CH2 CH=CH2 、CF3 CH=C
HCH3 、CF2 =CHCH2 CH3 、CH3 CF2
H=CH2 、CFH2 CH=CHCFH2 、CH3 CF
2 CH=CH2 、CH2 =CFCH2 CH3 、CF
3 (CF2 2 CF=CF2 、CF3(CF2 2 CF
=CF2 などの炭素数4以上のフルオロオレフィン類;
などが挙げられる。
【0025】これらのフッ素原子を含有する(b−1)
単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて
使用してもよい。
【0026】(b−2)単量体;(b−2)単量体は、
下記一般式(3)′で表される。 〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアル
コキシアルキル基を示し、R3 〜Rは、一般式(2)′
と同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR3
5 と異なっていてもよい。〕
【0027】上記(b−2)単量体としては、例えば、
1個の重合性の不飽和二重結合基、エーテル結合および
少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げるこ
とができる。 (b−2)単量体の具体例としては、 (イ)CH2 =CH−O−Rf (Rfは、フッ素原子を含むアルキル基もしくはアルコ
キシアルキル基を示す)で表される(フルオロアルキ
ル)ビニルエーテル、または、(フルオロアルコキシア
ルキル)ビニルエーテル類; (ロ)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフ
ルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロ
ピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエ
ーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)
などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類; (ハ)パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテ
ル)などのパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエ
ーテル)類; などを挙げることができる。これらのフッ素原子を含有
する(b−2)単量体は、1種単独であるいは2種以上
を組み合わせて使用してもよい。
【0028】なお、(b−1)単量体と(b−2)単量
体の組み合わせとしては、ヘキサフルオロプロピレンと
パーフルオロアルキルパーフルオロビニルエーテルまた
はパーフルオロアルコキシアルキルパーフルオロビニル
エーテルとを組み合わせて使用することが好ましい。
【0029】(b−3)単量体;(b−3)単量体は、
1分子中に重合性の不飽和二重結合、ならびに加水分解
性基および/または水酸基と結合したケイ素原子を含有
する単量体である。上記(b−3)単量体としては、例
えば、下記一般式(4)′ 〔式中のX,R6 ,iは、上記一般式(4)におけるそ
れぞれX,R6 ,iと同義であり、R7 は、重合性二重
結合を有する有機基を示す)で表されるシラン化合物
(以下「不飽和シラン化合物」ともいう)などを挙げる
ことができる。
【0030】上記不飽和シラン化合物の具体例として
は、CH2 =CHSi(CH3)(OCH3)2 、CH2
CHSi(OCH3)3 、CH2 =CHSi(OC2 5)
3 、CH2 =CHSi(CH3)Cl2 、CH2 =CHS
iCl3 、CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH3)
(OCH3)2 、CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(O
CH3)3 、CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)
(OCH3)2 、CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(O
CH3)3 、CH2 =CHCOO(CH2)2 Si(CH3)
Cl2 、CH2 =CHCOO(CH2)2 SiCl3 、C
2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)Cl2 、CH
2 =CHCOO(CH2)3 SiCl3 、CH2 =C(C
3)COO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)2 、CH
2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(OCH3)3 、C
2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH3)(OC
3)2 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(O
CH3)3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si
(CH3)Cl2 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)2
SiCl3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si
(CH3)Cl2 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)3
SiCl3
【0031】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】 などを挙げることができる。これらは、1種単独あるい
は2種以上を併用して用いることができる。
【0032】(b−4)単量体;上記(b−1)〜(b
−3)単量体と共重合可能な他の単量体である(b−
4)単量体としては、例えば、 (イ)メチル(メタ)アクリレート、 エチル(メタ)
アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリ
レート、アミル(メタ)アクリレート、i−アミル(メ
タ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、2
−エチルへキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
などの炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレート
類; (ロ)スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチ
レン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−
メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4
−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジ
メチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロ
ロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メ
チルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジク
ロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニル
ナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;
【0033】(ハ)ヒドロキシメチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシアミル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレートな
どのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;アリル
グリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポ
キシ化合物;
【0034】(ニ)ジビニルベンゼン、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、 テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性単量
体;
【0035】(ホ)(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミ
ド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、
マレイミドなどの酸アミド化合物; (へ)塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエス
テルなどのビニル化合物; (ト)1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,
3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基などの
置換基で置換された置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖
状および側鎖状の共役ヘキサジエンなどの脂肪族共役ジ
エン; (チ)(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、モ
ノアルキルイタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル
酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;
【0036】(リ)アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリルなどのシアン化ビニル化合物; (ヌ)4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイ
ルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマ
ー;
【0037】(ル)ビニルグリシジルエーテル、2−ヒ
ドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピ
ルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエー
テル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒド
ロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチル
ビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテ
ルなどのビニルエーテル類;
【0038】(ヲ)アリルグリシジルエーテル、2−ヒ
ドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチル
アリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなど
のアリルエーテル類; (ワ)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチ
ルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−
オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテ
ル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルもしく
はシクロアルキルビニルエーテル類;
【0039】(カ)2,2,2−トリフルオロエチル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフル
オロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パー
フルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−
(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレー
ト、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリ
レート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル
(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプ
タデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなどのフッ
素含有(メタ)アクリル酸エステル類;などのほか、ジ
カプロラクトンなどが挙げられる。これらは、1種単独
あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0040】(b−5)シラン化合物;付加反応に用い
る(b−5)シラン化合物としては、メチルジクロルシ
ラン、トリクロルシラン、フェニルジクロルシランなど
のハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシラン、メチ
ルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリ
メトキシシラン、トリエトキシシランなどのアルコキシ
シラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセ
トキシシラン、トリアセトキシシランなどのアシロキシ
シラン類;メチルジアミノキシシラン、トリアミノキシ
シラン、ジメチル・アミノキシシランなどのアミノキシ
シラン類などを挙げることができる。これらは、1種単
独あるいは2種以上を併用して用いることができる。
【0041】上記(B)成分を製造する際の重合方法と
しては、例えば、一括して単量体を添加して重合する方
法、単量体の一部を重合したのち、その残りを連続的に
あるいは断続的に添加する方法、もしくは、単量体を重
合の始めから連続的に添加する方法などが挙げられる。
また、これらの重合方法を組み合わせた重合方法を採用
することもできる。好ましい重合方法としては、溶液重
合が挙げられる。溶液重合に使用される溶媒は、通常の
ものを使用できるが、そのうち、ケトン類、アルコール
類が好ましい。この重合において、重合開始剤、分子量
調整剤、キレート化剤、無機電解質は、公知のものを使
用することができる。
【0042】(B)成分を構成する(b−1)構成単位
の含有量は、(B)成分中に、通常、0.5〜60モル
%、好ましくは、1〜50モル%である。0.5モル%
未満では、撥水、撥油性を有しつつ、透明性、密着性な
どにも優れたバランスの良い塗膜を得るのが難しい場合
がある。一方、60モル%を超えると、得られる塗膜の
長期耐候性が劣る場合がある。また、(b−2)構成単
位の含有量は、(B)成分中に、通常、0.1〜60モ
ル%、好ましくは、0.5〜50モル%である。0.1
モル%未満では、撥水、撥油性を有しつつ、長期耐候性
にも優れた塗膜を得るのが難しい場合がある。一方、6
0モル%を超えると、コーティング組成物の溶剤への溶
解性が低下し、透明性に優れた塗膜を得るのが難しい場
合がある。(B)成分中において、(b−1)構成単位
と(b−2)構成単位との合計含有量は、80モル%以
下であることが好ましい。80モル%を超えると、得ら
れる塗膜が基板との密着性に劣るものとなる場合があ
る。さらに、(b−3)特定シリル基の含有量は、上記
のように、ケイ素原子の量に換算して、(B)成分中
に、通常、0.1〜60モル%、好ましくは、0.5〜
50モル%となる量である。0.1モル%未満では、
(A)成分との共縮合の効果が得られない。一方、60
モル%を超えると、得られるコーティング組成物の保存
安定性が悪くなる傾向にある。なお、共重合可能な他の
単量体である(b−4)単量体からなる構成単位〔(b
−4)構成単位〕は、(B)成分中に、通常、90モル
%以下、好ましくは、80モル%以下程度である。
【0043】(B)成分のポリスチレン換算数平均分子
量(以下「Mn」ともいう)は、好ましくは、1,00
0〜50,000、さらに好ましくは、5,000〜3
0,000である。
【0044】本発明において、(B)成分は、単独でま
たは上記のようにして得られた2種以上を混合して使用
することができる。
【0045】本発明における(B)成分の使用量は、
(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重量部
に対して、通常、20〜500重量部、好ましくは、2
5〜400重量部、さらに好ましくは、50〜300重
量部である。この場合、(B)成分の使用量が20重量
部未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性、耐クラック
性が低下する傾向がある。一方、500重量部を超える
と、塗膜の耐候性が低下する傾向がある。
【0046】なお、本発明においては、(B)成分と併
用して、フッ素原子を含有せず、特定シリル基を含有す
るビニル系共重合体(以下「(B′)成分」ともいう)
を、本発明の効果を損なわない範囲で用いてもよい。こ
の(B′)成分は、上記(b−3)単量体と(b−4)
単量体とを共重合させるか、または、(b−4)単量体
を重合して得られる重合体に、上記(b−5)シラン化
合物を付加反応させるなどして得られる。
【0047】さらに、本発明の組成物には、下記の
(C)〜(F)成分を配合することができる。以下、こ
れらの成分につき説明する。
【0048】(C)成分 (C)成分は、水および/または有機溶剤からなる。本
発明の組成物は、上記(A)成分、および(B)成分を
必須とし、場合により、後述する(D)〜(F)成分な
どを含有するものであり、通常、組成物を調製する際
に、水がオルガノシラン(1)や(B)成分を加水分解
・縮合反応させ、あるいは、粒子状成分を分散させるた
めに添加される。本発明における水の使用量は、(A)
成分におけるオルガノシラン(1)1モルに対して、通
常、0.5〜3モル、好ましくは、0.7〜2モル程度
である。
【0049】また、上記有機溶剤は、主として、(A)
成分、(B)成分、(D)〜(F)成分などを均一に混
合させ、組成物の全固形分濃度を調整すると同時に、種
々の塗装方法に適用できるようにし、かつ組成物の分散
安定性および保存安定性をさらに向上させるために使用
される。
【0050】このような有機溶剤としては、上記各成分
を均一に混合できるものであれば特に限定されないが、
例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル
類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤のうち、アルコール類の具体例として
は、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n
−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど
を挙げることができる。
【0051】また、芳香族炭化水素類の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサンなどを、エーテル類の具体例としては、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどを、ケトン類の具体
例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどを、エステル
類の具体例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸
ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げることができる。こ
れらの有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使
用することができる。
【0052】本発明の組成物の全固形分濃度は、好まし
くは、50重量%以下であり、使用目的に応じて適宜調
整される。例えば、薄膜形成基材への含浸を目的とする
ときには、通常、5〜30重量%であり、また厚膜形成
を目的で使用するときには、通常、20〜50重量%、
好ましくは30〜45重量%である。組成物の全固形分
濃度が50重量%を超えると、保存安定性が低下する傾
向がある。
【0053】(D)成分 (D)成分は、(A)成分、(B)成分などの加水分解
・縮合反応を促進する触媒である。(D)成分を使用す
ることにより、得られる塗膜の硬化速度を高めるととも
に、使用されるオルガノシラン成分の重縮合反応により
生成されるポリシロキサン樹脂の分子量が大きくなり、
強度、長期耐久性などに優れた塗膜を得ることができ、
かつ塗膜の厚膜化や塗装作業も容易となる。
【0054】このような(D)成分としては、酸性化合
物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機
金属化合物および/またはその部分加水分解物(以下、
有機金属化合物および/またはその部分加水分解物をま
とめて「有機金属化合物等」ともいう)が好ましい。上
記酸性化合物としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、リ
ン酸、アルキルチタン酸、p−トルエンスルホン酸、フ
タル酸などを挙げることができ、好ましくは、酢酸であ
る。また、上記アルカリ性化合物としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることがで
き、好ましくは、水酸化ナトリウムである。また、上記
塩化合物としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、
亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属
塩などを挙げることができる。
【0055】また、上記アミン化合物としては、例え
ば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノール
アミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピル・トリ
メトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシ
ラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・ト
リメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノ
プロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン、3
−アニリノプロピル・トリメトキシシランや、アルキル
アミン塩類、四級アンモニウム塩類のほか、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミンなどを挙げ
ることができ、好ましくは、3−アミノプロピル・トリ
メトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシ
ラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・ト
リエトキシシランである。
【0056】また、上記有機金属化合物等としては、例
えば、下記一般式(5)で表される化合物(以下「有機
金属化合物(5)」ともいう)、同一のスズ原子に結合
した炭素数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価
スズの有機金属化合物(以下「有機スズ化合物」ともい
う)、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物など
を挙げることができる。
【0057】 M(OR8 p (R9 COCHCOR10q ・・・(5) 〔式中、Mはジルコニウム、チタンまたはアルミニウム
を示し、R8 およびR9は、同一または異なって、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基な
どの炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R10は、
8 およびR9 と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素
基のほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリ
ルオキシ基などの炭素数1〜16のアルコキシル基を示
し、pおよびqは0〜4の整数で、(p+q)=(Mの
原子価)である。〕
【0058】有機金属化合物(5)の具体例としては、 (イ)テトラ−n−ブトキシジルコニウム、トリ−n−
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトア
セテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合
物;
【0059】(ロ)テトラ−i−プロポキシチタニウ
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテー
ト)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチル
アセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合
物; (ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−
i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、
i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)
アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化
合物;などを挙げることができる。
【0060】これらの有機金属化合物(5)およびその
部分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルア
セトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビ
ス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいは、
これらの化合物の部分加水分解物が好ましい。
【0061】また、有機スズ化合物の具体例としては、
(C4 9 2 Sn(OCOC11232 、(C
4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 2
(C4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOC
4 9 2 、(C8 172 Sn(OCOC
8 172 、(C8 172 Sn(OCOC
11232 、(C8 172 Sn(OCOCH=CHC
OOCH3 2 、(C8 172 Sn(OCOCH=C
HCOOC4 9 2 、(C8 172 Sn(OCOC
H=CHCOOC8 172 、(C8 172 Sn(O
COCH=CHCOOC16332 、(C8 172
n(OCOCH=CHCOOC17352 、(C
8 172 Sn(OCOCH=CHCOOC
18372 、(C8 172 Sn(OCOCH=CHC
OOC20412
【0062】 (C4 9 )Sn(OCOC11233 、(C4 9
Sn(OCONa)3などのカルボン酸型有機スズ化合
物;
【0063】(C4 9 2 Sn(SCH2 COOC8
172 、(C4 9 2 Sn(SCH2 CH2 COO
8 172 、(C8 172 Sn(SCH2 COOC
8 172 、(C8 172 Sn(SCH2 CH2 CO
OC8 172 、(C8 172 Sn(SCH2 COO
12252 、(C8 172 Sn(SCH2 CH2
OOC12252 、(C4 9 )Sn(SCOCH=C
HCOOC8 173 、(C8 17)Sn(SCOCH
=CHCOOC8 173
【0064】 などのメルカプチド型有機錫化合物;
【0065】(C4 9 2 Sn=S、(C8 172
Sn=S、 などのスルフィド型有機錫化合物;
【0066】(C4 9 )SnCl3 、(C4 9 2
SnCl2 、(C8 172 SnCl2 などのクロライド型有機錫化合物;(C4 9 2 Sn
O、(C8 172 SnOなどの有機スズオキサイド
や、これらの有機スズオキサイドとエチルシリケート、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジ
オクチルなどのエステル化合物との反応生成物;などを
挙げることができる。
【0067】(D)成分は、単独でまたは2種以上を混
合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他の
反応遅延剤と混合して使用することもできる。
【0068】(D)成分は、組成物を調製する際に配合
してもよく、また、塗膜を形成する段階で組成物に配合
してもよく、さらには、組成物の調製と塗膜の形成との
両方の段階で配合してもよい。(D)成分の使用量は、
有機金属化合物等以外の場合、上記(A)成分における
オルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0
〜100重量部、好ましくは、0.01〜80重量部、
さらに好ましくは、0.1〜50重量部であり、有機金
属化合物等の場合、上記(A)成分におけるオルガノシ
ラン(1)100重量部に対して、通常、0〜100重
量部、好ましくは、0.1〜80重量部、さらに好まし
くは、0.5〜50重量部である。この場合、(D)成
分の使用量が100重量部を超えると、組成物の保存安
定性が低下したり、塗膜にクラックが発生しやすくなる
傾向がある。
【0069】(E)成分 (E)成分は、下記一般式(6) R9 COCH2 COR10 ・・・(6) 〔式中、R9 およびR10は、有機金属化合物(5)にお
ける上記各一般式のそれぞれR9 およびR10と同義であ
る〕で表されるβ−ジケトン類およびβ−ケトエステル
類、カルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合物、アミン化
合物、およびオキシアルデヒド化合物からなる群から選
択される少なくとも1種である。このような(E)成分
は、特に、上記(D)成分として有機金属化合物等を使
用する場合に併用することが好ましい。
【0070】(E)成分は、組成物の安定性向上剤とし
て作用するものである。すなわち、(E)成分が上記有
機金属化合物等の金属原子に配位して、該有機金属化合
物等による上記(A)成分と(B)成分の共縮合反応を
促進する作用を適度にコントロールすることにより、得
られる組成物の保存安定性をさらに向上させる作用をな
すものと推定される。
【0071】(E)成分の具体例としては、アセチルア
セトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト
酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセ
ト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、ア
セト酢酸−t−ブチル、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘ
プタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、
オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、
5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、マロン酸、シュ
ウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸、アミノ酢
酸、イミノ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコー
ル、カテコール、エチレンジアミン、2,2−ビピリジ
ン、1,10−フェナントロリン、ジエチレントリアミ
ン、2−エタノールアミン、ジメチルグリオキシム、ジ
チゾン、メチオニン、サリチルアルデヒドなどを挙げる
ことができる。これらのうち、アセチルアセトン、アセ
ト酢酸エチルが好ましい。(E)成分は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0072】(E)成分の使用量は、上記有機金属化合
物等における有機金属化合物1モルに対して、通常、2
モル以上、好ましくは3〜20モルである。この場合、
(E)成分の使用量が2モル未満では、得られる組成物
の保存安定性の向上効果が不充分となる傾向がある。
【0073】(F)成分 (F)成分は、無機化合物の粉体および/またはゾルも
しくはコロイドからなり、塗膜の所望の特性に応じて配
合される。
【0074】(F)成分をなす化合物の具体例として
は、SiO2 、Al2 3 、AlGaAs、Al(O
H)3 、Sb2 5 、Si3 4 、SnO2 、Sn−I
2 3、In2 3 、Sb−In2 3 、InP、I
nSb、InAs、InGaAlP、MgF、Ce
3 、CeO2 、3Al2 3 ・2SiO2 、BeO、
SiC、AlN、Fe、Fe2 3 、Co、Co−Fe
x 、CrO2 、Fe4 N、BaTiO3 、BaO−A
2 3 −SiO2 、Baフェライト、SmCO5 、Y
CO5 、CeCO5 、PrCO5 、Sm2 CO17、Nd
2 Fe14B、ZrO2 、Al4 3 、AlN、SiC、
α−Si、SiN4 、CoO、Sb−SnO2 、MnO
2 、MnB、Co3 4 、Co3 B、LiTaO3 、M
gO、MgAl24 、BeAl2 4 、ZrSi
4 、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnSb、ZnT
e、PbTe、PbS、PbSe、GeSi、FeSi
2 、CrSi2 、CoSi2 、MnSi1.73、Mg2
i、β−B、BaC、BP、TiB2 、ZrB2 、Hf
2 、Ru2 Si3 、RuO2 、TiO2 、TiO3
SrTiO3 、FeTiO3 、PbTiO3 、Al2
iO5 、Zn2 SiO4 、Zr2 SiO4 、2MgO2
−Al2 3 −5SiO2 、WO3 、Bi2 3 、Cd
O、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO
3 、MoS2 、LaRhO3、GaN、CdP、Nb2
5 、GaAsP、Li2 O−Al2 3 −4Si
2 、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフ
ェライト、Liフェライト、Srフェライトなどを挙げ
ることができる。これら(F)成分は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0075】(F)成分の存在形態には、粉体、水に分
散した水系のゾルもしくはコロイド、イソプロピルアル
コールなどの極性溶媒や、トルエンなどの非極性溶媒中
に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドがある。溶媒
系のゾルもしくはコロイドの場合、半導体の分散性によ
ってはさらに水や溶媒にて希釈して用いてもよく、また
分散性を向上させるために表面処理して用いてもよい。
【0076】(F)成分が水系のゾルもしくはコロイ
ド、あるいは溶媒系のゾルもしくはコロイドである場
合、固形分濃度は40重量%以下が好ましい。
【0077】(F)成分を組成物中に配合する方法とし
ては、組成物の調製後に添加してもよく、あるいは、組
成物の調製時に添加して、(F)成分を、上記(A)成
分、(B)成分などと共加水分解・縮合させてもよい。
【0078】(F)成分の使用量は、上記(A)成分に
おけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、固
形分で、通常、0〜500重量部、好ましくは、0.1
〜400重量部である。
【0079】他の添加剤 また、本発明の組成物には、得られる塗膜の着色、厚膜
化などのために、別途充填材を添加・分散させることも
できる。このような充填材としては、例えば、非水溶性
の有機顔料や無機顔料、顔料以外の、粒子状、繊維状も
しくは鱗片状のセラミックス、金属あるいは合金、なら
びにこれらの金属の酸化物、水酸化物、炭化物、窒化
物、硫化物などを挙げることができる。
【0080】上記充填材の具体例としては、鉄、銅、ア
ルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボ
ンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、顔料用酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガ
ン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ム
ライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石
灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、
亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー
緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン
緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリ
ーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸
銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マ
ンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カ
ルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カ
ドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、
ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン
赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモ
ン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、
酸化ジルコン、タングステン白、鉛、亜鉛華、バンチソ
ン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン
黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性
黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンな
どを挙げることができる。これらの充填材は、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。充填材
の使用量は、組成物の全固形分100重量部に対して、
通常、300重量部以下である。
【0081】さらに、本発明の組成物には、所望によ
り、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエト
キシシランなどの公知の脱水剤;ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリカ
ルボン酸型高分子界面活性剤、ポリカルボン酸塩、ポリ
リン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアミドエステル塩、
ポリエチレングリコールなどの分散剤;メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどのセルロース類や、ひまし油誘導
体、フェロけい酸塩などの増粘剤;炭酸アンモニウム、
炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホ
ウ素ナトリウム、カルシウムアジドなどの無機発泡剤
や、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ジ
フェニルスルホン−3,3′−ジスルホヒドラジンなど
のヒドラジン化合物、セミカルバジド化合物、トリアゾ
ール化合物、N−ニトロソ化合物などの有機発泡剤のほ
か、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、染料などの他の添加剤を配合することもでき
る。
【0082】また、組成物のコーティング性をより向上
させるためにレベリング剤を配合することができる。こ
のようなレベリング剤のうち、フッ素系のレベリング剤
(商品名、以下同様)としては、例えば、ビーエムヘミ
ー(BM−CHEMIE)社のBM1000、BM11
00;エフカケミカルズ社のエフカ772、エフカ77
7;共栄社化学(株)製のフローレンシリーズ;住友ス
リーエム(株)のFCシリーズ;東邦化学(株)のフル
オナールTFシリーズなどを挙げることができ、シリコ
ーン系のレベリング剤としては、例えば、ビックケミー
社のBYKシリーズ;シュメグマン(Sshmegma
nn)社のSshmegoシリーズ;エフカケミカルズ
社のエフカ30、エフカ31、エフカ34、エフカ3
5、エフカ36、エフカ39、エフカ83、エフカ8
6、エフカ88などを挙げることができ、エーテル系ま
たはエステル系のレベリング剤としては、例えば、日信
化学工業(株)のカーフィノール;花王(株)のエマル
ゲン、ホモゲノールなどを挙げることができる。
【0083】このようなレベリング剤を配合することに
より、塗膜の仕上がり外観が改善され、薄膜としても均
一に塗布することができる。レベリング剤の使用量は、
全組成物に対して、好ましくは、0.01〜5重量%、
さらに好ましくは0.02〜3重量%である。
【0084】レベリング剤を配合する方法としては、組
成物を調製する際に配合してもよく、また塗膜を形成す
る段階で組成物に配合してもよく、さらには組成物の調
製と塗膜の形成との両方の段階で配合してもよい。
【0085】本発明の組成物を調製するに際しては、
(D)成分と(E)成分とを使用しない場合は、各成分
の混合方法は特に限定されないが、(D)成分と(E)
成分とを使用する場合は、好ましくは、(A)〜(E)
成分のうち(E)成分を除いた混合物を得たのち、これ
に(E)成分を添加する方法が採用される。
【0086】組成物の調製法の具体例としては、下記
(i)〜(iv)の方法などを挙げることができる。 (i)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、
(B)成分、(C)成分、(D)成分および必要量の有
機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解
・縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。 (ii)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、お
よび必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を
加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(B)成分お
よび(D)成分を加えて混合して、さらに縮合反応を行
ったのち、(E)成分を添加する方法。
【0087】(iii)(A)成分を構成するオルガノ
シラン(1)、(D)成分および必要量の有機溶剤から
なる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応
を行い、次いで(B)成分を加えて混合して、さらに部
分縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。 (iv)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)の
一部、(B)成分、(C)成分および必要量の有機溶剤
からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合
反応を行い、次いでオルガノシラン(1)の残部を添加
して、さらに加水分解・部分縮合反応を行なったのち、
(E)成分を添加する方法。
【0088】なお、本発明においては、(A)〜(E)
成分以外の成分は、組成物を調製する適宜の段階で添加
することができる。
【0089】本発明の組成物は、保存安定性に優れ、か
つ密着性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐候性、耐湿
性、耐(温)水性などを低下させずに、耐汚染性などが
改良された塗膜を形成し得る。また、本発明の組成物
は、優れた撥水性および撥油性による防汚性機能を有す
る高硬度の塗膜を形成することができる。
【0090】本発明の組成物を基材に塗布する際には、
刷毛、ロールコーター、フローコーター、遠心コータ
ー、超音波コーターなどを用いたり、ディップコート、
流し塗り、スプレー、スクリーンプロセス、電着、蒸着
などの塗布方法により、1回塗りで厚さ1〜40μm程
度、2〜3回塗りでは厚さ2〜80μm程度の塗膜を形
成することができる。その後、常温で乾燥するか、ある
いは、30〜200℃程度の温度で10〜60分程度加
熱して乾燥することにより、各種の基材に塗膜を形成す
ることができる。
【0091】本発明の組成物を適用しうる基材として
は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金
属;セメント、コンクリート、ALC、フレキシブルボ
ード、モルタル、スレート、石膏、セラミックス、レン
ガなどの無機窯業系材料;フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂)などのプラスチック成型品;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ウレタン、ポリイミドなどのプラスチックフィルムや、
木材、紙、ガラスなどを挙げることができる。また、本
発明の組成物は、劣化塗膜の再塗装にも有用である。
【0092】これらの基材には、下地調整、密着性向
上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付けなどを目的
として、予め表面処理を施すこともできる。金属系基材
に対する表面処理としては、例えば、研磨、脱脂、メッ
キ処理、クロメート処理、火炎処理、カップリング処理
などを挙げることができ、プラスチック系基材に対する
表面処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、
脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処
理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理などを
挙げることができ、無機窯業系基材に対する表面処理と
しては、例えば、研磨、目止め、模様付けなどを挙げる
ことができ、木質基材に対する表面処理としては、例え
ば、研磨、目止め、防虫処理などを挙げることができ、
紙質基材に対する表面処理としては、例えば、目止め、
防虫処理などを挙げることができ、さらに劣化塗膜に対
する表面処理としては、例えば、ケレンなどを挙げるこ
とができる。
【0093】本発明の組成物による塗布操作は、基材の
種類や状態、塗布方法によって異なる。例えば、金属系
基材の場合、防錆の必要があればプライマーを用い、無
機窯業系基材の場合、基材の特性(表面荒さ、含浸性、
アルカリ性など)により塗膜の隠ぺい性が異なるため、
通常はプライマーを用いる。また、劣化塗膜の再塗装の
場合、旧塗膜の劣化が著しいときはプライマーを用い
る。それ以外の基材、例えば、プラスチック、木材、
紙、ガラスなどの場合は、用途に応じてプライマーを用
いても用いなくてもよい。
【0094】プライマーの種類は特に限定されず、基材
と組成物との密着性を向上させる作用を有するものであ
ればよく、基材の種類、使用目的に応じて選択する。プ
ライマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができ、何層かを重ねて塗布することもできる。ま
た、顔料などの着色成分を含むエナメルでも、該着色成
分を含まないクリヤーでもよい。
【0095】プライマーの種類としては、例えば、アル
キド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ア
クリルシリコン樹脂、アクリルエマルジョン、エポキシ
エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリエステ
ルエマルジョンや、本発明における(A)成分と
(B′)成分とからなる組成物、本発明における(A)
成分と(B′)成分と(F)成分とからなる組成物など
を挙げることができる。また、これらのプライマーに
は、厳しい条件での基材と塗膜との密着性が必要な場
合、各種の官能基を付与することもできる。このような
官能基としては、例えば、シリル基、水酸基、カルボキ
シル基、カルボニル基、アミド基、アミン基、グリシジ
ル基、アルコキシシリル基、エーテル結合、エステル結
合などを挙げることができる。
【0096】また、本発明の組成物から形成した塗膜の
表面には、塗膜の耐摩耗性や光沢をさらに高めることを
目的として、例えば、米国特許第3,986,997号
明細書、米国特許第4,027,073号明細書などに
記載されたコロイダルシリカとシロキサン樹脂との安定
な分散液のようなシロキサン樹脂系塗料などからなるク
リア層を形成することもできる。
【0097】本発明の組成物を基材に適用した形態に
は、次のようなものがある。 (a)基材/組成物(クリアー、エナメル) (b)基材/他の有機塗料/組成物(クリアー) ここで、クリアーは着色成分を含まない組成物であり、
エナメルは着色成分を含む組成物である。なお、上記
(a)〜(b)の場合、必要に応じて基材に予めプライ
マー層を設けることができるのは前述したとおりであ
る。
【0098】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態
をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、これら
の実施例になんら制約されるものでない。なお、実施例
および比較例中の部および%は、特記しない限り重量基
準である。また、実施例および比較例における各種の測
定・評価は、下記の方法により行った。
【0099】(1)MwおよびMn 下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)法により測定した。 試料:テトラヒドロフランを溶媒として使用し、オルガ
ノシランの縮合物1gまたはシリル基含有ビニル系樹脂
0.1gを、それぞれ100ccのテトラヒドロフラン
に溶解して調製した。 標準ポリスチレン:米国プレッシャーケミカル社製の標
準ポリスチレンを使用した。 装置:米国ウオーターズ社製の高温高速ゲル浸透クロマ
トグラム(モデル150−C ALC/GPC) カラム:昭和電工(株)製のSHODEX A−80M
(長さ50cm) 測定温度:40℃ 流速:1cc/分
【0100】(2)保存安定性 硬化促進剤を添加しない組成物を、ポリエチレン製ビン
内に、常温で3ヶ月密栓保存して、ゲル化の有無を目視
により判定した。ゲル化を生じていないものについて
は、東京計器(株)製のBM型粘度計による粘度測定を
行い、変化率が20%以内のものを、“変化なし”とし
た。 (3)密着性 JIS K5400による碁盤目テスト(ます目100
個)により、テープ剥離試験を3回実施し、その平均に
拠った。 (4)硬度 JIS K5400による鉛筆硬度に拠った。
【0101】(5)耐アルカリ性 試験片を、飽和水酸化カルシウム水溶液中に60日間浸
漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。 (6)耐有機薬品性 塗膜上にイソプロピルアルコールを2cc滴下し、5分
後に布で拭き取ったのち、塗膜の状態を目視により観察
した。 (7)耐湿性 試験片を、温度50℃、湿度95%の環境下に、連続
1,000時間保持したのち、取り出して塗膜の状態を
目視により観察した。 (8)耐候性 JIS K5400により、サンシャインウエザーメー
ターで3,000時間照射試験を実施して、塗膜の外観
(割れ、剥がれなど)を目視により観察した。
【0102】(9)耐水性 試験片を、水道水中に常温で60日間浸漬したのち、塗
膜の状態を目視により観察した。 (10)耐温水性 無機質基材を用いた試験片を、60℃の温水中に14日
間浸漬したのち、塗膜の状態を目視により観察した。 (11)耐汚染性 塗膜上に、カーボンブラック/灯油=1/2(重量比)
の混合物からなるペーストを塗り付け、室温で24時間
放置したのち、スポンジを用いて水洗して、塗膜の汚染
状態を観察し、下記基準で評価した。 ○;汚染なし △;少し汚染されている。 ×;汚染が著しい。
【0103】(12)透明性 各組成物を、石英ガラス上に、乾燥膜厚10μmとなる
ように塗布したのち、可視光の透過率を測定して、下記
基準で評価した。 ◎;透過率が80%を超える。 ○;透過率が60〜80% △;透過率が60%未満 (13)撥水性・撥油性 塗膜に水またはサラダ油を1滴乗せ、傾けたときに液滴
の滑り落ち具合を観察し、下記基準で評価した。 ○;傾斜角60度未満で容易に滑り落ちる。 △;傾斜角60〜90度で滑り落ちる。 ×;傾斜角90度を越えても滑り落ちない。 (14)接触角 塗膜に水またはコールタールを静かに1滴乗せたときの
接触角を、協和界面化学(株)製、自動接触角計により
測定した。
【0104】参考例1〔(B)成分の重合〕 電磁攪拌機を備えたステンレス製のオートクレーブを窒
素ガスで充分置換したのち、このオートクレーブ内に、
メチルイソブチルケトンを150部とエチルビニルエー
テル86部と過酸化ラウロイル(ラジカル重合開始剤)
1.5部とを仕込み、オートクレーブ内の溶液をドライ
アイス−メタノールにより−50℃まで冷却したのち、
窒素ガスによって系内の酸素を再度除去した。次いで、
ヘキサフルオロプロピレン2部、パーフルオロ(プロピ
ルビニルエーテル)2部、ビニルトリメトキシシラン1
0部を添加し、昇温を開始した。オートクレーブ内の温
度が60℃に達した時点におけるオートクレーブ内の圧
力は、5kgf/cm2 であった。反応系の温度を60
℃に保持しながら攪拌することにより、20時間重合反
応を継続させ、オートクレーブ内の圧力が1.5kgf
/cm2 に低下した時点で水冷して反応を停止させ、固
形分濃度40%の(B)成分(以下「(B−1)」とも
いう)を得た。
【0105】参考例2〜6〔(B)成分の重合〕 表1〜2に示す単量体成分を用いた以外は、参考例1と
同様にして、(B−2)〜(B−6)の(B)成分を得
た。
【0106】参考例7〔(B′)成分の合成〕 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート70部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、アク
リル酸5部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13
部、1,1,1−トリメチルアミンメタクリルイミド2
部およびi−プロピルアルコール150部、メチルエチ
ルケトン50部、メタノール25部を加えて混合したの
ち、攪拌しながら80℃に加温し、この混合物にアゾビ
スイソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した
溶液を30分間かけて滴下したのち、80℃で5時間反
応させて固形分濃度40%の(B′)成分(以下
「(B′−1)」ともいう)を得た。
【0107】参考例8(プライマーの合成) 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、メチルトリメト
キシシラン100部、ジメチルジメトキシシラン50
部、参考例3で得たアクリル重合体50部と、ジ−i−
プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム25
部をi−プロピルアルコール50部に溶解した溶液と混
合したのち、イオン交換水40部を加え、60℃で4時
間反応させた。次いで、反応液を室温まで冷却したの
ち、アセチルアセトン30部を添加して、プライマー溶
液(以下「(P−1)」ともいう)を得た。
【0108】参考例9(プライマーの合成) 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、テトラエトキシ
シラン70部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン30部、i−プロピルアルコール60部を混合しよく
攪拌したのち、塩酸水溶液10-2mol/lを30部滴
下し、60℃で4時間反応させ、プライマー溶液(以下
「(P−2)」ともいう)を得た。
【0109】参考例10〔プライマー(エナメル)の調
製〕 参考例8で得られたプライマー溶液100部に、セルロ
ース系増粘剤0.5部を溶解させ、サンドミルにて10
分間攪拌させたのち、酸化チタン(白顔料)26部を添
加して、さらにサンドミルにて1時間攪拌させた。攪拌
後、i−プロピルアルコールにて調整し、固形分濃度5
0%の白色のプライマー溶液(エナメル)(以下「P′
−1」ともいう)を得た。
【0110】参考例11〜13(比較用共重合体の重
合) 表2に示す単量体成分を用いた以外は、参考例1と同様
にして、(b−1)〜(b−3)の比較用共重合体を得
た。
【0111】実施例1〜9 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表3〜4に示す
(A)成分、(B)成分、(C)成分のうちの水以外の
成分および(D)成分を加えて混合したのち、(C)成
分の水を添加、撹拌し、60℃で5時間反応させた。次
いで、(E)成分を後添加して、室温まで冷却し、固形
分濃度30%の本発明の組成物を得た。得られた組成物
の保存安定性を評価した。また、得られた組成物を、ア
ルカリ脱脂したアルミニウム板(JIS H4000、
A1050P)の表面に、乾燥膜厚5μmになるように
スプレー法により塗布し、150℃で10分間加熱乾燥
して、試験片を作製し、各種評価を行った。組成物の保
存安定性の評価結果および試験片の各種評価結果を、表
6〜7に示す。
【0112】比較例1〜5 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表5に示す
(A)成分、(B)成分、(C)成分のうち水以外の成
分および(D)成分を加えて混合し、撹拌下、60℃で
5時間反応させた。次いで、(E)成分を後添加して、
室温まで冷却し、固形分濃度30%の組成物を得た。得
られた組成物を用い、実施例1と同様にして、試験片を
作製し、評価を行った。組成物の保存安定性の評価結果
および試験片の各種評価結果を、表8に示す。
【0113】実施例10 下記表9に示されるとおりの組み合わせで、基板の表面
に、必要に応じてプライマーを1層〜3層、スプレー法
により塗布し、150℃で10分間加熱乾燥した。その
表面に、実施例1で得られた本発明の組成物を、乾燥膜
厚5μmになるようにスプレー法により塗布し、150
℃で10分間加熱乾燥して、試験片を作製し、得られた
塗膜を用いて、基板との密着性および耐候性の評価を行
った。試験片の評価結果を、表9に示す。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】
【表7】
【0121】
【表8】
【0122】
【表9】 *1)プライマーを2層または3層塗布した場合。左側に記載したものから順に 塗布し、積層構造とした。
【0123】
【発明の効果】本発明のコーテイング用組成物は、特定
のオルガノシラン成分とシリル基を有するフッ素系重合
体を含有しているため、保存安定性に優れ、かつ密着
性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、耐候性、耐湿性、耐
(温)水性などを低下させずに、耐汚染性などが改良さ
れた塗膜を形成することができる。しかも、該塗膜は、
硬度が高く、優れた撥水性および撥油性による防汚性機
能を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 昭 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CD091 CD121 CD131 CL001 DL051 DL071 DL081 DL111 GA12 GA15 HA156 KA04 KA06 MA07 MA08 NA03 NA04 NA05 NA07 NA12

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1) (R1 n Si(OR2 4-n ・・・・・(1) (式中、R1 は、2個存在するときは同一または異な
    り、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一
    または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
    1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
    で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
    解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる
    少なくとも1種、ならびに (B)(b−1)下記一般式(2)で表される構成単位
    および (式中、R3 〜R5 はCm 2m+1、m=0〜5の整数、
    Yはそれぞれ独立に、F,HおよびClから選ばれ
    る。) (b−2)下記一般式(3)で表される構成単位 〔式中、Rfはフッ素原子を含むアルキル基またはアル
    コキシアルキル基を示し、R3 〜R5 は一般式(2)と
    同義であり、同義の範囲内で、一般式(2)のR3 〜R
    5 と異なっていてもよい。〕を有し、かつ、加水分解性
    基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有する
    シリル基を含む共重合体を含有することを特徴とするコ
    ーティング用組成物。
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