JP2002022905A - 反射防止膜、反射防止膜を含む積層体、および反射防止膜の製造方法 - Google Patents
反射防止膜、反射防止膜を含む積層体、および反射防止膜の製造方法Info
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Abstract
とともに、熱硬化により、あるいは、酸素存在下におい
ても光硬化反応により、形成可能である反射防止膜を提
供する。 【解決手段】 (A)一般式(R1 )n Si(OR2 )
4-n で表されるオルガノシランの加水分解縮合物、なら
びに、下記(B−1)および/または(B−2)、さら
に必要に応じて、下記(B−3)や、(G)光酸発生剤
および(H)脱水剤を含有するコーティング組成物を熱
硬化/および/または光硬化硬化してなる反射防止膜。 (B−1)加水分解性基および/または水酸基と結合し
たケイ素原子を有するシリル基を有するフッ素含有アク
リル系重合体 (B−2)加水分解性基および/または水酸基と結合し
たケイ素原子を有するシリル基を有するフッ素含有ビニ
ルエーテル系重合体 (B−3)加水分解性基および/または水酸基と結合し
たケイ素原子を有するシリル基を有するアクリル系重合
体
Description
得られる反射防止膜および反射防止膜を含む積層体に関
する。より詳細には、優れた反射防止効果や耐汚染性な
どを有するとともに、熱硬化および/または酸素存在下
において光硬化反応により形成可能である反射防止膜お
よびその反射防止膜を含む積層体、ならびにその反射防
止膜の製造方法に関する。
熱硬化型ポリシロキサン組成物が知られており、特開昭
61−2477453号公報、特開平6−25599号
公報、特開平7−331115号公報および特開平10
−232301号公報などに開示されている。しかしな
がら、この熱硬化型ポリシロキサン組成物から得られる
反射防止膜は、高温で長時間にわたって加熱処理をする
必要があり、生産性が低かったり、あるいは適用基材の
種類が限定されるという問題が見られる。
線などの光を利用して硬化させる光硬化性樹脂組成物も
知られており、特開平1−197570号公報、特開平
6−136062号公報、特開平9−203861号公
報および特開平10−239502号公報などに開示さ
れている。しかしながら、光硬化性樹脂組成物における
主成分は、フッ素含有ビニル系樹脂であり、光硬化に際
してラジカル重合を利用しているため、大気中の酸素に
よる活性ラジカルの失活が生じやすく、しばしば硬化不
良を生じる場合が見られる。特に、本発明が対象とする
反射防止膜のような薄膜用途においては、大気中の酸素
の影響を受けやすく、実質的に光硬化性樹脂組成物を光
硬化できないという問題が見られる。また、フッ素含有
ビニル系樹脂からなる反射防止膜は、硬度が低く、耐擦
傷性に乏しかったり、あるいは、耐候性や耐汚染性に劣
るという問題点を有している。
成材料として、熱硬化型ポリシロキサン組成物は、硬化
時間が長く、高温加熱処理を必要とするため、適用でき
る基材が限定され、さらには保存安定性に乏しいという
問題点を有している。一方、従来のフッ素含有ビニル系
樹脂からなる光硬化性組成物は、酸素の影響を受けやす
く、また、得られた反射防止膜における耐擦傷性や耐候
性あるいは耐汚染性に劣るという問題点を有している。
討した結果、反射防止膜の形成材料として、特定の加水
分解性シラン化合物と特定のフッ素含有重合体を組み合
わせた熱硬化性組成物、および/またはこれにさらに光
酸発生剤とを組み合わせた光硬化性組成物を使用するこ
とにより、上述した問題を解決できることを見出した。
本発明は、優れた反射防止効果や耐汚染性などを有する
とともに、熱硬化、あるいは酸素存在下においても光硬
化反応により形成可能である反射防止膜およびその反射
防止膜を含む積層体、ならびにその反射防止膜の製造方
法を提供することを目的とする。
般式(1) (R1 )n Si(OR2 )4-n ・・・・・(1) (式中、R1 は、2個存在するときは同一または異な
り、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一
または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる
少なくとも1種、ならびに(B−1)加水分解性基およ
び/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル
基を有するフッ素含有アクリル系重合体(以下「(B−
1)フッ素含有アクリル系重合体」ともいう)を含有す
るコーティング組成物を硬化してなる反射防止膜に関す
る。また、本発明は、上記(A)成分、ならびに(B−
2)加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ
素原子を有するシリル基を有するフッ素含有ビニルエー
テル系重合体(以下「(B−2)フッ素含有ビニルエー
テル系重合体」ともいう)を含有するコーティング組成
物を硬化してなる反射防止膜に関する。以上の本発明の
反射防止膜に使用されるコーティング組成物中には、さ
らに、(B−3)加水分解性基および/または水酸基と
結合したケイ素原子を有するシリル基を有するアクリル
系重合体(以下「(B−3)シリル基含有アクリル系重
合体」ともいう)を含有させてもよい。また、本発明の
反射防止膜に使用されるコーティング組成物中には、さ
らに、(G)光酸発生剤や、(H)脱水剤を含有させる
ことにより、この組成物を光硬化性組成物として用いる
ことができる。次に、本発明は、上記コーティング組成
物を成形する工程と、成形したコーティング組成物を熱
硬化および/または光硬化する工程を含むことを特徴と
する反射防止膜の製造方法に関する。次に、本発明は、
上記反射防止膜を基材上に含むことを特徴とする反射防
止膜を含む積層体に関する。本発明の反射防止膜は、大
気中においても酸素の影響を受けることなく形成するこ
とが可能であり、例えば、ガラス、ポリカーボネート系
樹脂、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂からな
る基材を含む積層体とすることにより、カメラのレンズ
部、テレビ(CRT)の画面表示部、あるいは液晶表示
装置におけるカラーフィルターなどの広範な反射防止膜
の利用分野において、優れた反射防止効果や耐久性、耐
汚染性を得ることができる。
ィング組成物を構成する各成分について、順次説明す
る。(A)成分 本発明のコーティング組成物に配合される(A)成分
は、上記一般式(1)で表されるオルガノシラン(以下
「オルガノシラン(1)」という)、オルガノシラン
(1)の加水分解物、およびオルガノシラン(1)の縮
合物から選択された少なくとも1種である。すなわち、
(a)成分は、これら3種のうちの1種だけでもよい
し、任意の2種の混合物であってもよいし、3種類すべ
てを含んだ混合物であってもよい。ここで、上記オルガ
ノシラン(1)の加水分解物は、オルガノシラン(1)
に2〜4個含まれるOR2 基がすべて加水分解されてい
る必要はなく、例えば、1個だけが加水分解されている
もの、2個以上が加水分解されているもの、あるいはこ
れらの混合物であってもよい。また、上記オルガノシラ
ン(1)の縮合物は、オルガノシラン(1)の加水分解
物のシラノール基が縮合してSi−O−Si結合を形成
したものであるが、本発明では、シラノール基がすべて
縮合している必要はなく、僅かな一部のシラノール基が
縮合したもの、縮合の程度が異なっているものの混合物
などをも包含した概念である。
8の1価の有機基としては、例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−
ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エ
チルヘキシル基などのアルキル基や、ビニル基、アリル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、アシル基、グリシ
ジル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アミ
ド基、フルオロアセトアミド基、イソシアナート基など
のほか、これらの基の置換誘導体などを挙げることがで
きる。
は、例えば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミ
ノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアナート基、グリ
シドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシル基、(メ
タ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基
などを挙げることができる。ただし、これらの置換誘導
体からなるR1 の炭素数は、置換基中の炭素原子を含め
て8以下である。一般式(1)中に、R1 が2個存在す
るときは、相互に同一でも異なってもよい。
しては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基などを挙げることが
でき、炭素数1〜6のアシル基としては、例えば、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カ
プロイル基などを挙げることができる。一般式(1)中
に複数個存在するR2 は、相互に同一でも異なってもよ
い。
としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロ
ポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテト
ラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシ
シラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピ
ルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエ
トキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−
ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキ
シシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロ
ヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、
3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラ
ン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチル
トリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキ
シシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−
ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエ
トキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキ
シシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシ
ラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリル
オキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロ
ピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエ
トキシシランなどのトリアルコキシシラン類;ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチ
ルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−
n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエ
トキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、ジ
−i−プロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメ
トキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−
n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエ
トキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ
−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジ
メトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、
ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチル
ジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシ
シラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジ
フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ンなどのジアルコキシシラン類のほか、メチルトリアセ
チルオキシシラン、ジメチルジアセチルオキシシランな
どを挙げることができる。
ジアルコキシシラン類が好ましく、また、トリアルコキ
シシラン類としては、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシランが好ましく、さらに、ジアルコキ
シシラン類としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシランが好ましい。
しては、特に、トリアルコキシシランのみ、あるいは、
トリアルコキシシラン40〜95モル%とジアルコキシ
シラン60〜5モル%との組み合わせが好ましい。ジア
ルコキシシランをトリアルコキシシランと併用すること
により、得られる塗膜を柔軟化し、耐アルカリ性を向上
させることができる。
いは加水分解物および/または縮合物として使用され
る。オルガノシラン(1)を加水分解物および/または
縮合物として使用する場合は、予め加水分解・縮合させ
て(A)成分として使用することもできるが、後述する
ように、オルガノシラン(1)を残りの成分と混合して
組成物を調製する際に、適量の水を添加することによ
り、オルガノシラン(1)を加水分解・縮合させて、
(A)成分とすることが好ましい。(A)成分が縮合物
として使用されるとき、該縮合物のポリスチレン換算重
量平均分子量(以下「Mw」という)は、好ましくは、
800〜100,000、さらに好ましくは、1,00
0〜50,000である。
(株)製のMKCシリケート、コルコート社製のエチル
シリケート、東レ・ダウコーニング社製のシリコンレジ
ン、東芝シリコーン(株)製のシリコンレジン、信越化
学工業(株)製のシリコンレジン、日本ユニカ(株)製
のシリコンオリゴマーなどがあり、これらをそのまま、
または縮合させて使用してもよい。
たは2種以上を混合して使用することができる。
たは水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基(以
下「特定シリル基」という)を有するフッ素系重合体で
ある。これらのフッ素系重合体としては、上記(B−
1)成分および(B−2)成分が挙げられる。なお、
(B)成分としては、上記(B−1)成分および/また
は(B−2)成分に、さらに上記(B−3)シリル基含
有アクリル系重合体を併用することができる。このよう
な(B)成分は、本発明の組成物から得られる塗膜を硬
化させる際に、そのシリル基の加水分解性基および/ま
たは水酸基が、上記(A)成分と共縮合することによ
り、優れた塗膜性能をもたらすことができる。また、
(B)成分〔(B−1)〜(B−2)成分〕は、フッ素
原子を含有することから、優れた撥水性および撥油性に
よる防汚性機能のほか、剥離・非粘着機能を有する高硬
度の塗膜を形成することができる。
は、ケイ素原子の量に換算して、特定シリル基の導入前
の重合体に対して、通常、0.001〜20重量%、好
ましくは0.005〜18重量%である。
リル基を有し、好ましくは、特定シリル基が重合体分子
鎖の末端および/または側鎖に有するフッ素含有アクリ
ル系重合体である。
(2) (式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシロキシ
基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ基、
アミノ基などの加水分解性基または水酸基を示し、R3
は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数
1〜10のアラルキル基を示し、iは1〜3の整数であ
る)で表される。
ッ素原子を含有する単量体(以下「(B−a)単量体」
という)、(B−b)アルキル(メタ)アクリレート
(以下「(B−b)単量体」という)、(B−c)シリ
ル基を有する単量体(以下「(B−c)単量体」とい
う)を重合して得られ、また、必要に応じて、(B−
d)これらの単量体と共重合可能な他の単量体(以下
「(B−d)単量体」という)をさらに含めて重合して
得てもよい。
少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合基および少な
くとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることが
できる。具体的には、 (イ)テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピ
レン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレ
ン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフル
オロエチレンなどのフルオロオレフィン類; (ロ)CH2 =CH−O−Rf (Rfは、フッ素原子を含むアルキル基もしくはアルコ
キシアルキル基を示す)で表される(フルオロアルキ
ル)ビニルエーテル、または、(フルオロアルコキシア
ルキル)ビニルエーテル類; (ハ)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフ
ルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロ
ピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエ
ーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)
などのパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類; (ニ)パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテ
ル)などのパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエ
ーテル)類; (ホ)2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリ
レート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エ
チル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシ
ル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ
オクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフ
ルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1
H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレー
ト、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシ
ル(メタ)アクリレートなどのフッ素含有(メタ)アク
リル酸エステル類;などを挙げることができる。
1種単独であるいは2種以上を組み合わせて使用しても
よい。好ましくは、(ホ)群の単量体単独、または、
(ホ)群の単量体と(イ)〜(ニ)群から選ばれる単量
体との組み合わせが使用される。特に、フッ素含有単量
体として、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロア
ルキルパーフルオロビニルエーテルまたはパーフルオロ
アルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテルとを組
み合わせて使用することが好ましい。なお、(B−a)
フッ素原子を含有する単量体の使用量は、(B)成分を
構成する全単量体中に、好ましくは5〜95重量%、さ
らに好ましくは10〜90重量%程度である。
〜12のものが好ましく、具体的には、メチル(メタ)
アクリレート、 エチル(メタ)アクリレート、プロピ
ル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレ
ート、i−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メ
タ)アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、
へキシル(メタ)アクリレート、2−エチルへキシル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられ
る。これらは、1種単独あるいは2種以上を併用して用
いることができる。なお、(B−b)単量体の使用量
は、(B)成分を構成する全単量体中に、好ましくは5
〜95重量%、さらに好ましくは10〜90重量%程度
である。
下記一般式(3) 〔式中のX,R3 ,iは、上記一般式(2)におけるそ
れぞれX,R3 ,iと同義であり、R4 は、重合性二重
結合を有する有機基を示す)で表されるシラン化合物
(以下「不飽和シラン化合物」という)などを挙げるこ
とができる。
は、CH2 =CHSi(CH3)(OCH3)2 、CH2 =
CHSi(OCH3)3 、CH2 =CHSi(OC
2 H5 )3 、CH2 =CHSi(CH3)Cl2 、CH2
=CHSiCl3 、CH2 =CHCOO(CH2)2 Si
(CH3)(OCH3)2 、CH2 =CHCOO(CH2)2
Si(OCH3)3 、CH2 =CHCOO(CH2)3 Si
(CH3)(OCH3)2 、CH2 =CHCOO(CH2)3
Si(OCH3)3 、CH2 =CHCOO(CH2)2 Si
(CH3)Cl2 、CH2 =CHCOO(CH2)2 SiC
l3 、CH2 =CHCOO(CH2)3 Si(CH3)Cl
2 、CH2 =CHCOO(CH2)3 SiCl3 、CH2
=C(CH3)COO(CH2)2 Si(CH3)(OCH3)
2 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)2 Si(OCH
3)3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)3 Si(CH
3)(OCH3)2 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)3
Si(OCH3)3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)
2 Si(CH3)Cl2 、CH2 =C(CH3)COO(C
H2)2 SiCl3 、CH2 =C(CH3)COO(CH2)
3 Si(CH3)Cl2 、CH2 =C(CH3)COO(C
H2)3 SiCl3 、
独あるいは2種以上を併用して用いることができる。な
お、(B−c)単量体の使用量は、(B)成分を構成す
る全単量体中に、好ましくは0.1〜95重量%、さら
に好ましくは1〜90重量%程度である。
レン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−
メトキシスチレン、2−ヒドロキシメチルスチレン、4
−エチルスチレン、4−エトキシスチレン、3,4−ジ
メチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2−クロ
ロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3−メ
チルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジク
ロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビニル
ナフタレンなどの芳香族ビニル単量体;
ート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシアミル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシへキシル(メタ)アクリレートな
どのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;アリル
グリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、メチルグリシジル(メタ)アクリレートなどのエポ
キシ化合物;
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、 テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレートなどの多官能性単量
体;
ロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミド、N,N′−メチレンビスアクリルアミ
ド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド、
マレイミドなどの酸アミド化合物; (ホ)塩化ビニル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエス
テルなどのビニル化合物; (ヘ)1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−
ネオペンチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,
3−ブタジエン、2−シアノ−1,3−ブタジエン、イ
ソプレン、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基などの
置換基で置換された置換直鎖共役ペンタジエン類、直鎖
状および側鎖状の共役ヘキサジエンなどの脂肪族共役ジ
エン; (ト)(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、モ
ノアルキルイタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル
酸などのエチレン性不飽和カルボン酸;
トリルなどのシアン化ビニル化合物;トリフルオロエチ
ル(メタ)アクリレート、ペンタデカフルオロオクチル
(メタ)アクリレートなどのフッ素原子含有単量体; (リ)4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイ
ルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジンなどのピペリジン系モノマ
ー;そのほかジカプロラクトンなどが挙げられる。
用して用いることができる。なお、(B−d)単量体の
使用量は、(B)成分を構成する全単量体中に、好まし
くは0.1〜80重量%、さらに好ましくは0.5〜6
0重量%程度である。
法としては、例えば、一括して単量体を添加して重合す
る方法、単量体の一部を重合したのち、その残りを連続
的にあるいは断続的に添加する方法、もしくは、単量体
を重合の始めから連続的に添加する方法などが挙げられ
る。また、これらの重合方法を組み合わせた重合方法を
採用することもできる。好ましい重合方法としては、溶
液重合が挙げられる。溶液重合に使用される溶媒は、通
常のものを使用できるが、そのうち、ケトン類、アルコ
ール類が好ましい。この重合において、重合開始剤、分
子量調整剤、キレート化剤、無機電解質は、公知のもの
を使用することができる。
分子量(以下「Mn」という)は、好ましくは、1,0
00〜50,000、さらに好ましくは、3,000〜
30,000である。
でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して
使用することができる。
は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重
量部に対して、通常、30〜500重量部、好ましく
は、40〜400重量部、さらに好ましくは、50〜3
00重量部である。この場合、(B−1)成分の使用量
が30重量部未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性、
耐クラック性が低下するがある。一方、500重量部を
超えると、塗膜の耐候性、耐熱性、耐摩耗性などが低下
する傾向がある。
合体;本発明における(B−2)成分は、上記特定シリ
ル基を重合体分子鎖の末端および/または側鎖に有する
フッ素含有ビニルエーテル系重合体である。
体、上記の(B−c)単量体、(B−e)ビニルエーテ
ル単量体(以下「(B−e)単量体」という)を重合し
て得られ、また、必要に応じて、(B−f)これらの単
量体と共重合可能な他の単量体(以下「(B−f)単量
体」という)をさらに含めて重合して得てもよい。
ルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエー
テル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒ
ドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチル
ビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテ
ル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテルなどのビニ
ルエーテル類;
ドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチル
アリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなど
のアリルエーテル類; (ハ)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチ
ルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−
オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテ
ル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシ
ルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルもしく
はシクロアルキルビニルエーテル類;などを挙げること
ができる。これらは、1種単独であるいは2種以上を併
用して用いることができる。なお、(B−e)単量体の
使用量は、(B)成分を構成する全単量体中に、好まし
くは0.1〜95重量%、さらに好ましくは0.5〜9
0重量%程度である。
単量体の種類および使用量は、(B−1)フッ素含有ア
クリル系重合体におけるものと同様である。また、(B
−f)単量体の種類は、(B−1)成分において示した
(B−d)成分のほかに、(B−b)成分も適用するこ
とができ、(B−f)成分のその使用量も、これらの単
量体の使用量と同様である。
は、(B−1)成分において例示した重合方法を適用す
ることができ、好ましい重合方法としては、溶液重合が
挙げらる。溶液重合の際に用いられる溶媒は、通常のも
のを使用することができ、好ましくは、ケトン類、アル
コール類を挙げることができる。また、この重合におい
ても、重合開始剤、分子量調整剤、キレート化剤および
無機電解質は、公知のものを使用することができる。
1,000〜70,000、さらに好ましくは、3,0
00〜30,000である。
でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して
使用することができる。
は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重
量部に対して、通常、50〜800重量部、好ましく
は、60〜700重量部、さらに好ましくは、80〜5
00重量部である。この場合、(B−2)成分の使用量
が50重量部未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性、
耐クラック性が低下する傾向がある。一方、800重量
部を超えると、塗膜の耐候性が低下する傾向がある。
分と上記(B−2)成分とを組み合わせて、本発明の組
成物を得てもよい。
体;(B−3)成分は、加水分解性基および/または水
酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を有するア
クリル系重合体である。(B−3)成分は、例えば、上
記(B−b)アルキル(メタ)アクリレート、および
(B−c)シリル基を有する単量体を重合して得られ、
また、必要に応じて、(B−d)これらの単量体と共重
合可能な他の単量体をさらに含めて重合して得てもよ
い。(B−3)成分における各単量体の組成比は、上記
(B−1)成分や(B−2)成分における各単量体の組
成比と同様である。
方法は、(B−1)成分において例示した重合方法を適
用することができ、好ましい重合方法としては、溶液重
合が挙げられる。溶液重合の際に用いられる溶媒は、通
常のものを使用することができ、好ましくは、ケトン
類、アルコール類を挙げることができる。また、この重
合においても、重合開始剤、分子量調整剤、キレート化
剤および無機電解質は、公知のものを使用することがで
きる。
分子量(以下「Mn」という)は、好ましくは、1,0
00〜50,000、さらに好ましくは、3,000〜
30,000である。
でまたは上記のようにして得られた2種以上を混合して
使用することができる。
は、(A)成分におけるオルガノシラン(1)100重
量部に対して、0〜800重量部、好ましくは、0.5
〜700重量部、さらに好ましくは、1〜600重量部
である。この場合、(B−3)成分の使用量が800重
量部を超えると、塗膜の硬度や耐候性、耐熱性、耐摩耗
性などの塗膜強度や耐久性が低下する傾向がある。
(C)〜(F)成分を配合することができる。以下、こ
れらの成分につき説明する。
発明の組成物は、上記(A)成分および(B)成分を必
須とし、後述する(D)〜(F)成分などを含有するも
のであり、通常、組成物を調製する際に、水がオルガノ
シラン(1)や(B)成分を加水分解・縮合反応させ、
あるいは、粒子状成分を分散させるために添加される。
本発明における水の使用量は、(A)成分におけるオル
ガノシラン(1)1モルに対して、通常、0.5〜3モ
ル、好ましくは、0.7〜2モル程度である。
〜(B)成分や、(D)〜(F)成分などを均一に混合
させ、組成物の全固形分濃度を調整すると同時に、種々
の塗装方法に適用できるようにし、かつ組成物の分散安
定性および保存安定性をさらに向上させるために使用さ
れる。
を均一に混合できるものであれば特に限定されないが、
例えば、アルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル
類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。
これらの有機溶剤のうち、アルコール類の具体例として
は、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n
−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど
を挙げることができる。
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どを、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを
挙げることができる。これらの有機溶剤は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。
くは、50重量%以下であり、使用目的に応じて適宜調
整される。例えば、薄膜形成基材への含浸を目的とする
ときには、通常、20重量%以下であり、また厚膜形成
を目的で使用するときには、通常、20〜50重量%、
好ましくは30〜45重量%である。組成物の全固形分
濃度が50重量%を超えると、保存安定性が低下する傾
向がある。
・縮合反応を促進する触媒である。(D)成分を使用す
ることにより、得られる塗膜の硬化速度を高めるととも
に、使用されるオルガノシラン成分の重縮合反応により
生成されるポリシロキサン樹脂の分子量が大きくなり、
強度、長期耐久性などに優れた塗膜を得ることができ、
かつ塗膜の厚膜化や塗装作業も容易となる。
物、アルカリ性化合物、塩化合物、アミン化合物、有機
金属化合物および/またはその部分加水分解物(以下、
有機金属化合物および/またはその部分加水分解物をま
とめて「有機金属化合物等」という)が好ましい。上記
酸性化合物としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、リン
酸、アルキルチタン酸、p−トルエンスルホン酸、フタ
ル酸などを挙げることができ、好ましくは、酢酸であ
る。また、上記アルカリ性化合物としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることがで
き、好ましくは、水酸化ナトリウムである。また、上記
塩化合物としては、例えば、ナフテン酸、オクチル酸、
亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属
塩などを挙げることができる。
ば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ピペリジン、ピペラジン、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、エタノール
アミン、トリエチルアミン、3−アミノプロピル・トリ
メトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシ
ラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・ト
リメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)−アミノ
プロピル・トリエトキシシラン、3−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピル・メチル・ジメトキシシラン、3
−アニリノプロピル・トリメトキシシランや、アルキル
アミン塩類、四級アンモニウム塩類のほか、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミンなどを挙げ
ることができ、好ましくは、3−アミノプロピル・トリ
メトキシシラン、3−アミノプロピル・トリエトキシシ
ラン、3−(2−アミノエチル)−アミノプロピル・ト
リエトキシシランである。
えば、下記一般式(4)で表される化合物(以下「有機
金属化合物(4)」という)、同一のスズ原子に結合し
た炭素数1〜10のアルキル基を1〜2個有する4価ス
ズの有機金属化合物(以下「有機スズ化合物」とい
う)、あるいは、これらの化合物の部分加水分解物など
を挙げることができる。
を示し、R5 およびR6は、同一または異なって、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基な
どの炭素数1〜6の1価の炭化水素基を示し、R7 は、
R5 およびR6 と同様の炭素数1〜6の1価の炭化水素
基のほか、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブト
キシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリ
ルオキシ基などの炭素数1〜16のアルコキシル基を示
し、pおよびqは0〜4の整数で、(p+q)=(Mの
原子価)である。〕
ブトキシ・エチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−
n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコ
ニウム、n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテー
ト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトア
セテート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセト
アセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセト
アセテート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合
物;
ム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテー
ト)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチル
アセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス
(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合
物; (ハ)トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プ
ロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−
i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、
i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アル
ミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナー
ト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)
アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミ
ニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセ
トアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化
合物などを挙げることができる。
部分加水分解物のうち、トリ−n−ブトキシ・エチルア
セトアセテートジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビ
ス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロ
ポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス
(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいは、
これらの化合物の部分加水分解物が好ましい。
(C4 H9 )2 Sn(OCOC11H23)2 、(C
4 H9 )2 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 )2 、
(C4 H9 )2 Sn(OCOCH=CHCOOC
4 H9 )2 、(C8 H17)2 Sn(OCOC
8 H17)2 、(C8 H17)2 Sn(OCOC
11H23)2 、(C8 H17)2 Sn(OCOCH=CHC
OOCH3 )2 、(C8 H17)2 Sn(OCOCH=C
HCOOC4 H9 )2 、(C8 H17)2 Sn(OCOC
H=CHCOOC8 H17)2 、(C8 H17)2 Sn(O
COCH=CHCOOC16H33)2 、(C8 H17)2 S
n(OCOCH=CHCOOC17H35)2 、(C
8 H17)2 Sn(OCOCH=CHCOOC
18H37)2 、(C8 H17)2 Sn(OCOCH=CHC
OOC20H41)2 、
Sn(OCONa)3などのカルボン酸型有機スズ化合
物;
H17)2 、(C4 H9 )2 Sn(SCH2 CH2 COO
C8 H17)2 、(C8 H17)2 Sn(SCH2 COOC
8 H17)2 、(C8 H17)2 Sn(SCH2 CH2 CO
OC8 H17)2 、(C8 H17)2 Sn(SCH2 COO
C12H25)2 、(C8 H17)2 Sn(SCH2 CH2 C
OOC12H25)2 、(C4 H9 )Sn(SCOCH=C
HCOOC8 H17)3 、(C8 H17)Sn(SCOCH
=CHCOOC8 H17)3 、
Sn=S、 などのスルフィド型有機スズ化合物;
SnCl2 、(C8 H17)2 SnCl2 、 などのクロライド型有機スズ化合物;(C4 H9 )2 S
nO、(C8 H17)2 SnOなどの有機スズオキサイド
や、これらの有機スズオキサイドとエチルシリケート、
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フタル酸ジ
オクチルなどのエステル化合物との反応生成物などを挙
げることができる。
合して使用することができ、また亜鉛化合物やその他の
反応遅延剤と混合して使用することもできる。
してもよく、また、塗膜を形成する段階で組成物に配合
してもよく、さらには、組成物の調製と塗膜の形成との
両方の段階で配合してもよい。(D)成分の使用量は、
有機金属化合物等以外の場合、上記(A)成分における
オルガノシラン(1)100重量部に対して、通常、0
〜100重量部、好ましくは、0.01〜80重量部、
さらに好ましくは、0.1〜50重量部であり、有機金
属化合物等の場合、上記(A)成分におけるオルガノシ
ラン(1)100重量部に対して、通常、0〜100重
量部、好ましくは、0.1〜80重量部、さらに好まし
くは、0.5〜50重量部である。この場合、(D)成
分の使用量が100重量部を超えると、組成物の保存安
定性が低下したり、塗膜にクラックが発生しやすくなる
傾向がある。
ける上記各一般式のそれぞれR6 およびR7 と同義であ
る〕で表されるβ−ジケトン類およびβ−ケトエステル
類、カルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合物、アミン化
合物、およびオキシアルデヒド化合物からなる群から選
択される少なくとも1種である。このような(E)成分
は、特に、上記(D)成分として有機金属化合物等を使
用する場合に併用することが好ましい。
て作用するものである。すなわち、(E)成分が上記有
機金属化合物等の金属原子に配位して、該有機金属化合
物等による上記(A)成分と(B)成分の共縮合反応を
促進する作用を適度にコントロールすることにより、得
られる組成物の保存安定性をさらに向上させる作用をな
すものと推定される。
セトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト
酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセ
ト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、ア
セト酢酸−t−ブチル、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘ
プタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、
オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、
5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、マロン酸、シュ
ウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸、アミノ酢
酸、イミノ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコー
ル、カテコール、エチレンジアミン、2,2−ビピリジ
ン、1,10−フェナントロリン、ジエチレントリアミ
ン、2−エタノールアミン、ジメチルグリオキシム、ジ
チゾン、メチオニン、サリチルアルデヒドなどを挙げる
ことができる。これらのうち、アセチルアセトン、アセ
ト酢酸エチルが好ましい。(E)成分は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
物等における有機金属化合物1モルに対して、通常、2
モル以上、好ましくは3〜20モルである。この場合、
(E)成分の使用量が2モル未満では、得られる組成物
の保存安定性の向上効果が不充分となる傾向がある。
しくはコロイドからなり、塗膜の所望の特性に応じて配
合される。
は、SiO2 、Al2 O3 、AlGaAs、Al(O
H)3 、Sb2 O5 、Si3 N4 、SnO2 、Sn−I
n2 O3、In2 O3 、Sb−In2 O3 、InP、I
nSb、InAs、InGaAlP、MgF、Ce
F3 、CeO2 、3Al2 O3 ・2SiO2 、BeO、
SiC、AlN、Fe、Fe2 O3 、Co、Co−Fe
Ox 、CrO2 、Fe4 N、BaTiO3 、BaO−A
l2 O3 −SiO2 、Baフェライト、SmCO5 、Y
CO5 、CeCO5 、PrCO5 、Sm2 CO17、Nd
2 Fe14B、ZrO2 、Al4 O3 、AlN、SiC、
α−Si、SiN4 、CoO、Sb−SnO2 、MnO
2 、MnB、Co3 O4 、Co3 B、LiTaO3 、M
gO、MgAl2O4 、BeAl2 O4 、ZrSi
O4 、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnSb、ZnT
e、PbTe、PbS、PbSe、GeSi、FeSi
2 、CrSi2 、CoSi2 、MnSi1.73、Mg2 S
i、β−B、BaC、BP、TiB2 、ZrB2 、Hf
B2 、Ru2 Si3 、RuO2 、TiO2 、TiO3 、
SrTiO 3 、FeTiO3 、PbTiO3 、Al2 T
iO5 、Zn2 SiO4 、Zr2 SiO4 、2MgO2
−Al2 O3 −5SiO2 、WO3 、Bi2 O3 、Cd
O、CdS、CdSe、GaP、GaAs、CdFeO
3 、MoS2 、LaRhO3、GaN、CdP、Nb2
O5 、GaAsP、Li2 O−Al2 O3 −4Si
O 2 、Mgフェライト、Niフェライト、Ni−Znフ
ェライト、Liフェライト、Srフェライトなどを挙げ
ることができる。これら(F)成分は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
散した水系のゾルもしくはコロイド、イソプロピルアル
コールなどの極性溶媒や、トルエンなどの非極性溶媒中
に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドがある。溶媒
系のゾルもしくはコロイドの場合、半導体の分散性によ
ってはさらに水や溶媒にて希釈して用いてもよく、また
分散性を向上させるために表面処理して用いてもよい。
ド、あるいは溶媒系のゾルもしくはコロイドである場
合、固形分濃度は40重量%以下が好ましい。
ては、組成物の調製後に添加してもよく、あるいは、組
成物の調製時に添加して、(F)成分を、上記(A)成
分、(B)成分などと共加水分解・縮合させてもよい。
おけるオルガノシラン(1)100重量部に対して、固
形分で、通常、0〜500重量部、好ましくは、0.1
〜400重量部である。
化などのために、別途充填材を添加・分散させることも
できる。このような充填材としては、例えば、非水溶性
の有機顔料や無機顔料、顔料以外の、粒子状、繊維状も
しくは鱗片状のセラミックス、金属あるいは合金、なら
びにこれらの金属の酸化物、水酸化物、炭化物、窒化
物、硫化物などを挙げることができる。
ルミニウム、ニッケル、銀、亜鉛、フェライト、カーボ
ンブラック、ステンレス鋼、二酸化ケイ素、顔料用酸化
チタン、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化マンガ
ン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コバルト、合成ム
ライト、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、炭化ケイ素、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケイソウ土、消石
灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、雲母、
亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジアン、ギネー
緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑土、マンガン
緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピグメントグリ
ーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブルー、ホウ酸
銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、マルス紫、マ
ンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸化鉛、鉛酸カ
ルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム黄、黄土、カ
ドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン黄、リサージ、
ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウム赤、セレン
赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛白、アンチモ
ン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポン、ケイ酸鉛、
酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛華、バンチソン
白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン
黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミック黒、植物性
黒、チタン酸カリウムウィスカー、二硫化モリブデンな
どを挙げることができる。これらの充填材は、単独でま
たは2種以上を混合して使用することができる。充填材
の使用量は、組成物の全固形分100重量部に対して、
通常、300重量部以下である。
り、オルトギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエト
キシシランなどの公知の脱水剤;ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリカ
ルボン酸型高分子界面活性剤、ポリカルボン酸塩、ポリ
リン酸塩、ポリアクリル酸塩、ポリアミドエステル塩、
ポリエチレングリコールなどの分散剤;メチルセルロー
ス、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースなどのセルロース類や、ひまし油誘導
体、フェロけい酸塩などの増粘剤;炭酸アンモニウム、
炭酸水素アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホ
ウ素ナトリウム、カルシウムアジドなどの無機発泡剤
や、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ジ
フェニルスルホン−3,3′−ジスルホヒドラジンなど
のヒドラジン化合物、セミカルバジド化合物、トリアゾ
ール化合物、N−ニトロソ化合物などの有機発泡剤のほ
か、界面活性剤、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、染料などの他の添加剤を配合することもでき
る。
させるためにレベリング剤を配合することができる。こ
のようなレベリング剤のうち、フッ素系のレベリング剤
(商品名。以下同様)としては、例えば、ビーエムヘミ
ー(BM−CHEMIE)社のBM1000、BM11
00;エフカケミカルズ社のエフカ772、エフカ77
7;共栄社化学(株)製のフローレンシリーズ;住友ス
リーエム(株)のFCシリーズ;東邦化学(株)のフル
オナールTFシリーズなどを挙げることができ、シリコ
ーン系のレベリング剤としては、例えば、ビックケミー
社のBYKシリーズ;シュメグマン(Sshmegma
nn)社のSshmegoシリーズ;エフカケミカルズ
社のエフカ30、エフカ31、エフカ34、エフカ3
5、エフカ36、エフカ39、エフカ83、エフカ8
6、エフカ88などを挙げることができ、エーテル系ま
たはエステル系のレベリング剤としては、例えば、日信
化学工業(株)のカーフィノール;花王(株)のエマル
ゲン、ホモゲノールなどを挙げることができる。
より、塗膜の仕上がり外観が改善され、薄膜としても均
一に塗布することができる。レベリング剤の使用量は、
全組成物に対して、好ましくは、0.01〜5重量%、
さらに好ましくは0.02〜3重量%である。
成物を調製する際に配合してもよく、また塗膜を形成す
る段階で組成物に配合してもよく、さらには組成物の調
製と塗膜の形成との両方の段階で配合してもよい。
(D)成分と(E)成分とを使用しない場合は、各成分
の混合方法は特に限定されないが、(D)成分と(E)
成分とを使用する場合は、好ましくは、(A)〜(F)
成分のうち(E)成分を除いた混合物を得たのち、これ
に(E)成分を添加する方法が採用される。
(i)〜(iv)の方法などを挙げることができる。 (i)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、
(B)成分、(C)成分、(D)成分および必要量の有
機溶剤からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解
・縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。 (ii)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)、お
よび必要量の有機溶剤からなる混合物に、所定量の水を
加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで(B)成分お
よび(D)成分を加えて混合して、さらに縮合反応を行
ったのち、(E)成分を添加する方法。
シラン(1)、(D)成分および必要量の有機溶剤から
なる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合反応
を行い、次いで(B)成分を加えて混合して、さらに部
分縮合反応を行ったのち、(E)成分を添加する方法。 (iv)(A)成分を構成するオルガノシラン(1)の
一部、(B)成分、(D)成分および必要量の有機溶剤
からなる混合物に、所定量の水を加えて加水分解・縮合
反応を行い、次いでオルガノシラン(1)の残部を添加
して、さらに加水分解・部分縮合反応を行なったのち、
(E)成分を添加する方法。
成分以外の成分は、組成物を調製する適宜の段階で添加
することができる。
れ、優れた反射防止効果、耐汚染性を有するとともに熱
硬化により形成可能である反射防止膜およびその反射防
止膜を含む積層体ならびにその反射防止膜を提供するこ
とができる。
刷毛、ロールコーター、フローコーター、遠心コータ
ー、超音波コーターなどを用いたり、ディップコート、
流し塗り、スプレー、スクリーンプロセス、電着、蒸着
などの塗布方法により、1回塗りで厚さ0.05〜10
0μm程度、2〜3回塗りでは厚さ0.1〜200μm
程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾
燥するか、あるいは、30〜200℃程度の温度で数秒
〜数十分程度加熱して乾燥(熱硬化)することにより、
各種の基材に塗膜を形成することができる。
は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金
属;セメント、コンクリート、ALC、フレキシブルボ
ード、モルタル、スレート、石膏、セラミックス、レン
ガなどの無機窯業系材料;フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂)などのプラスチック成型品;ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、
ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ウレタン、ポリイミドなどのプラスチックフィルムや、
木材、紙、ガラスなどを挙げることができる。また、本
発明の組成物は、劣化塗膜の再塗装にも有用である。
上、多孔質基材の目止め、平滑化、模様付けなどを目的
として、予め表面処理を施すこともできる。金属系基材
に対する表面処理としては、例えば、研磨、脱脂、メッ
キ処理、クロメート処理、火炎処理、カップリング処理
などを挙げることができ、プラスチック系基材に対する
表面処理としては、例えば、ブラスト処理、薬品処理、
脱脂、火炎処理、酸化処理、蒸気処理、コロナ放電処
理、紫外線照射処理、プラズマ処理、イオン処理などを
挙げることができ、無機窯業系基材に対する表面処理と
しては、例えば、研磨、目止め、模様付けなどを挙げる
ことができ、木質基材に対する表面処理としては、例え
ば、研磨、目止め、防虫処理などを挙げることができ、
紙質基材に対する表面処理としては、例えば、目止め、
防虫処理などを挙げることができ、さらに劣化塗膜に対
する表面処理としては、例えば、ケレンなどを挙げるこ
とができる。
種類や状態、塗布方法によって異なる。例えば、金属系
基材の場合、防錆の必要があればプライマーを用い、無
機窯業系基材の場合、基材の特性(表面荒さ、含浸性、
アルカリ性など)により塗膜の隠ぺい性が異なるため、
通常はプライマーを用いる。また、劣化塗膜の再塗装の
場合、旧塗膜の劣化が著しいときはプライマーを用い
る。それ以外の基材、例えば、プラスチック、木材、
紙、ガラスなどの場合は、用途に応じてプライマーを用
いても用いなくてもよい。
と組成物との密着性を向上させる作用を有するものであ
ればよく、基材の種類、使用目的に応じて選択する。プ
ライマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができ、また顔料などの着色成分を含むエナメルで
も、該着色成分を含まいクリヤーでもよい。
キド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ア
クリルシリコン樹脂、アクリルエマルジョン、エポキシ
エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、ポリエステ
ルエマルジョンや、本発明における(A)成分からなる
組成物、(A)成分と(B−3)成分とからなる組成物
などを挙げることができる。また、これらのプライマー
には、厳しい条件での基材と塗膜との密着性が必要な場
合、各種の官能基を付与することもできる。このような
官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カ
ルボニル基、アミド基、アミン基、グリシジル基、アル
コキシシリル基、エーテル結合、エステル結合などを挙
げることができる。なお、これらのプライマー成分は、
密着性を向上させるための密着性向上成分として、本発
明に用いられるコーティング組成物中に添加することも
できる。
成物は、熱硬化性組成物として用いられるが、この組成
物に、さらに(G)光酸発生や、(H)脱水剤を配合す
ることにより、光硬化性組成物として用いることができ
る。以下、光硬化性組成物について説明する。
は、光などのエネルギー線を照射することにより、
(A)成分である加水分解性のオルガノシランを光硬化
(架橋)可能な酸性活性物質を放出することができる化
合物と定義される。なお、光酸発生剤を分解させて、カ
チオンを発生するするために照射する光エネルギー線と
しては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、
γ線などを挙げることができる。ただし、一定のエネル
ギーレベルを有し、硬化速度が大(速く)であり、しか
も照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を
使用することが好ましい。
て、組成物に、光酸発生剤とともに後述するラジカル発
生剤を併用することも好ましい。中性の活性物質である
ラジカルは、シラノール基の縮合反応を促進することは
ないが、(A)成分中にラジカル重合性の官能基を有す
る場合に、この官能基の重合を推進させることができ
る。したがって、光硬化性組成物をより効率的に硬化さ
せることができる。
る。この光酸発生剤としては、一般式(6)で表される
構造を有するオニウム塩(第1群の化合物)や一般式
(7)で表される構造を有するスルホン酸誘導体(第2
群の化合物)を挙げることができる。
WはS,Se,Te,P,As,Sb,Bi,O,I,
Br,Clまたは−N≡Nであり、R8 〜R11は同一ま
たは異なる有機基であり、a,b,cおよびdはそれぞ
れ0〜3の整数であって、(a+b+c+d)はWの価
数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯体〔MXm+n 〕
の中心原子を構成する金属またはメタロイドであり、例
えば、B,P,As,Sb,Fe,Sn,Bi,Al,
Ca,In,Ti,Zn,Sc,V,Cr,Mn,Co
である。Zは、例えば、F,Cl,Brなどのハロゲン
原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物錯体イ
オンの正味の電荷であり、nはMの原子価である。〕
12は炭素数1〜12の一価の有機基、添え字sは0また
は1、添え字tは1または2である。〕
は、光を受けることにより酸性活性物質を放出すること
ができる化合物である。このような第1群の化合物のう
ち、より有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、
特に好ましくは下記一般式(8)で表されるジアリール
ヨードニウム塩である。 [R13−Ar1 −I+ −Ar2 −R14][Y- ] (8) 〔一般式(8)中、R13およびR14は、それぞれ1価の
有機基であり、同一でも異なっていてもよく、R13およ
びR14の少なくとも一方は炭素数が4以上のアルキル基
を有しており、Ar1 およびAr2 はそれぞれ芳香族基
であり、同一でも異なっていてもよく、Y- は1価の陰
イオンであり、周期律表3族,5族のフッ化物陰イオ
ン、もしくはClO4 - ,CF3 - およびSO3 - から
選ばれる陰イオンである。〕
(7)で表されるスルホン酸誘導体の例を示すと、ジス
ルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニル
メタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスル
ホネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ−
2−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネー
ト類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルスル
ホネート類を挙げることができる。また、一般式(7)
で表されるスルホン酸誘導体のうち、より好ましくはイ
ミドスルホネート類であり、さらに好ましくはイミドス
ルホネートのうち、トリフルオロメチルスルホネート誘
導体である。
(含有割合)について説明する。この光酸発生剤の添加
量は特に制限されるものではないが、(A)成分を構成
するオルガノシラン(1)100重量部に対して、通
常、0.1〜15重量部の範囲内の値とするのが好まし
い。光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満となると、
光硬化性が低下し、充分な硬化速度が得られない場合が
ある。一方、光酸発生剤の添加量が15重量部を超える
と、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する場合が
ある。したがって、光硬化性と得られる硬化物の耐候性
などとのバランスがより良好な観点から、光酸発生剤の
添加量を、オルガノシラン(1)100重量部に対して
1〜10重量部の範囲内の値とすることがより好まし
い。
応により水以外の物質に変換する化合物、物理吸着また
は包接により、光硬化性および保存安定性に影響を与え
なくする化合物と定義される。すなわち、このような脱
水剤を含有することにより、光硬化性組成物の耐候性や
耐熱性を損なうことなく、保存安定性や光硬化性という
相反する特性を向上させることができる。この理由とし
て、外部から侵入してくる水を、脱水剤が有効に吸収す
るために光硬化性組成物の保存安定性が向上し、一方、
光硬化反応である縮合反応においては、生成した水を順
次に脱水剤が有効に吸収するために光硬化性組成物の光
硬化性が向上するものと考えられる。
する。この脱水剤の種類は特に制限されるものでない
が、有機化合物として、カルボン酸エステル、アセター
ル類(ケタール類を含む)、およびカルボン酸無水物か
らなる群から選択される少なくとも一つの化合物である
ことが好ましい。また、無機化合物として、脱水機能を
有するセラミック粉体の使用も好ましい。これらの脱水
剤は、優れた脱水効果を示し、少量の添加で脱水剤の機
能を効率的に発揮することができる。
は、カルボン酸オルトエステルやカルボン酸シリルエス
テルなどの中から選ばれる。ここで、好ましいカルボン
酸オルトエステルとしては、オルトギ酸メチル、オルト
ギ酸エチル、オルトギ酸プロピル、オルトギ酸ブチル、
オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルト酢酸プロ
ピル、オルト酢酸ブチル、オルトプロピオン酸メチルお
よびオルトプロピオン酸エチルなどが挙げられる。ま
た、これらのカルボン酸オルトエステルのうち、より優
れた脱水効果を示し、保存安定性や光硬化性をより向上
させることができる観点から、オルトギ酸エステルが、
本発明における脱水剤として特に好ましい。また、好ま
しいカルボン酸シリルエステルとしては、酢酸トリメチ
ルシリル、酢酸トリブチルシリル、ギ酸トリメチルシリ
ル、シュウ酸トリメチルシリルなどが挙げられる。
えば、アセトンジメチルアセタール、アセトンジエチル
アセタール、メチルエチルケトンジメチルアセタール、
メチルエチルケトンジメチルアセタール、シクロヘキサ
ノンジメチルアセタールおよびシクロヘキサノンジエチ
ルアセタールが挙げられる。これらのアセタール類は、
優れた脱水効果を示し、光硬化性組成物の保存安定性や
光硬化性をより向上させることができる。
は、例えば、ギ酸無水物、無水酢酸、無水コハク酸、無
水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸無水物、酢酸安
息香酸無水物などが挙げられる。特に、無水酢酸および
無水コハク酸は、脱水効果に特に優れており好ましい。
ク粉体としては、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、シリ
カアルミナ粒子、活性白土、ゼオライトなどが挙げられ
る。これらのセラミック粉体は、水に対して、強い親和
力を有しており、優れた脱水効果を発揮することができ
る。
いて説明する。脱水剤の添加量は特に制限されるもので
はないが、(A)成分を構成するオルガノシラン(1)
100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部の
範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、脱水剤の
添加量が0.1重量部未満となると、添加効果の発現に
乏しく、保存安定性や光硬化性の向上効果が低い場合が
あるためであり、一方、脱水剤の添加量が100重量部
を超えると、保存安定性や光硬化性の向上効果が飽和す
る場合がある。したがって、より好ましくは、脱水剤の
添加量を、オルガノシラン(1)100重量部に対し
て、0.5〜50重量部の範囲内の値とすることであ
り、さらに好ましくは、1〜10重量部の範囲内の値と
することである。
範囲において、ラジカル性光重合開始剤、光増感剤、有
機溶剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡
れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、無機充填
剤、顔料、染料などの添加剤をさらに含有させることも
好ましい。
イングする方法を採ることが好ましい。このようなコー
テイング方法としては、ディッピング法、スプレー法、
バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カー
テンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、
またはインクジェット法などの方法を用いることができ
る。これらのうち、基材が板状の場合には、特にディッ
ピング法を用いることが好ましい。
特に制限されるものではないが、例えば、高圧水銀ラン
プ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマ
ーランプなどの光源を用いて、波長150〜400nm
の光を照射することが好ましい。また、レーザ光、ある
いはレンズ、ミラーなどを用いて得られた収束光などを
走査させながら光硬化性組成物に光照射することも好ま
しい。さらに、所定のパターンの光透過部を有するマス
クを用い、このマスクを介して非収束光を組成物に光照
射したり、あるいは、多数の光ファイバーを束ねてなる
導光部材を用い、この導光部材における所定のパターン
に対応する光ファイバーを介して光照射することも好ま
しい。
えば一層の場合、0.05〜50μmの範囲内の値であ
ることが好ましい。この理由は、厚さが0.05μm未
満となると、反射防止効果や基材に対する密着力が低下
する場合があるためであり、一方、厚さが50μmを超
えると、光干渉が生じて反射防止効果が低下する場合が
あるためである。したがって、反射防止膜が一層の場
合、その厚さを0.05〜50μmの範囲内の値とする
のがより好ましく、0.6〜20μmの範囲内の値とす
るのがさらに好ましい。
とする場合には、その厚さを反射防止膜が一層の場合の
好ましい厚さに層数を掛けた値とするのが良い。例え
ば、反射防止膜を2層設ける場合には、合計した厚さを
0.1〜200μmの範囲内の値とするのが好ましい。
果が得られるものの、具体的に、1.7(−)以下の値
が好ましく、より好ましくは1.3〜1.6(−)の範
囲内の値であり、1.3〜1.5(−)の範囲内の値で
あることがさらに好ましい。この理由は、屈折率が1.
3(−)未満となると、使用可能な材料の種類が過度に
制限される場合があるためであり、一方、屈折率が1.
7(−)を超えると、反射防止効果が著しく低下する場
合があるためである。
は、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折
率の値を有していれば良く、したがって、その他の反射
防止膜は1.7(−)を超える屈折率の値を有していて
も良い。
有する積層体である。なお、積層体は、少なくとも基材
と、反射防止膜とを含んでいれば良く、種々の変形例が
含まれる。なお、以下の積層体の構成例は、(G)〜
(H)成分を含まない、上記の熱硬化性組成物にも適用
可能である。以下、本発明の積層体を、図1〜図3を参
照しつつ具体的に説明する。図1は、基材上12に直接
形成された反射防止膜10を含む積層体14の断面図で
あり、図2は、基材12と反射防止膜10との間にハー
ドコート層16を介在させた積層体18の断面図であ
る。また、図3は、下側から、基材12と、ハードコー
ト層16と、第1の高屈折率層20と、第1の反射防止
膜22と、第2の高屈折率層24と、第2の反射防止膜
26とを順次に形成して構成した多層構造の積層体28
の断面図である。
10を直接基材12上に形成することができるので、構
成が単層とシンプルであり、しかも精度良く形成するこ
とができる。また、図2に示す積層体18のように、反
射防止膜10と基材12との間に、ハードコート層16
を介在させると、反射防止膜10の基材12に対する密
着力をより向上させることができ、また、ハードコート
層16の機械的特性に起因して積層体18としての耐久
性がより向上する。なお、ハードコート層16は、例え
ば、SiO2 、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、メラ
ミン系樹脂などの材料から構成するのが好ましく、さら
には、その厚さを1〜50μmの範囲内の値とするのが
好ましく、より好ましくは5〜10μmの範囲内の値と
する。
1および第2の反射防止層22,26のほかに、比較的
高い屈折率の値、例えば、1.5〜2.0(−)の範囲
内の値を有する、厚さ50〜200nmの第1および第
2の高屈折率層20,24を、それぞれ第1および第2
の反射防止層22,26と接して設けることも好まし
い。このように、本発明の反射防止層に接して高屈折率
層20,24を設け、しかも複数層設けることにより、
より優れた反射防止効果を得ることができる。また、高
屈折率層20,24を設ける場合、より優れた反射防止
効果が得られることから、反射防止層22,26と、高
屈折率層20,24との間の屈折率差を0.05(−)
以上の値とするのが好ましく、0.1〜0.5(−)の
範囲内の値とするのがより好ましく、0.15〜0.5
(−)の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
すように、ハードコート層16や高屈折率層20,24
あるいはプライマー層(図示しない)を設ける場合に
も、その上に本発明の光硬化性組成物をコーティングし
たのち、紫外線などを照射することにより、反射防止膜
10,22,26を容易に形成することができる。その
場合、反射防止効果の一端を担う高屈折率層20,24
を含めて、本発明の反射防止膜(反射防止層)と称する
場合がある。
8,28における基材12の種類は、光が透過する際に
反射防止効果が所望されるものであれば特に制限される
ものではないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート系
樹脂、ポリエステル系樹脂またはアクリル系樹脂などを
挙げることができる。基材12がガラスの場合には、具
体的な積層体として、カメラのレンズ部やテレビ(CR
T、LCD)の画面表示部あるいは窓ガラスなどが挙げ
られる。また、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル
系樹脂またはアクリル系樹脂からなる基材12の場合に
は、液晶表示装置におけるカラーフィルターなどが挙げ
られる。
上述した光硬化性組成物を基材上で成形する工程(成形
工程と称する場合がある)であり、第2の工程は、露光
機を用いて露光することにより、光硬化性組成物を光硬
化させる工程(露光工程と称する場合がある)である。
いが、例えば、ディップコータやスピンコータ、あるい
はバーコータを用いて、光硬化性組成物を塗布、形成す
ることが好ましい。具体的に、スピンコータを用いた場
合、スピンコータ内に、基材を固定したのち、一例とし
て、回転数1,000rpmの条件で、予め粘度調整し
た光硬化性組成物を回転塗布することが好ましい。ま
た、光硬化性組成物の成形後(光硬化前)の厚さは特に
制限されるものではないが、例えば、50〜1,000
nmの範囲内の値であることが好ましい。この理由は、
成形後の厚さが50nm未満では、光硬化性組成物を所
定形状に保持することが困難となる場合があり、一方、
1,000nmを超えると、光干渉などが生じて、反射
防止膜としたときに、反射防止効果が乏しくなる場合が
あるためである。
物の成形後に、100〜150℃の温度で予備加熱(プ
リベイク)することが好ましい。このような条件で光硬
化性組成物を予備加熱することにより、光硬化性組成物
における揮発部分を有効に除去することができ、光硬化
性組成物の成形品が型崩れすることがなくなる。また、
(A)成分を構成するオルガノシラン(1)のシラノー
ルの一部を反応させることができ、基材に対する密着力
や現像時における耐薬品(現像剤)性を向上させること
もできる。ただし、過度に加熱して、現像特性が逆に低
下しないように、110〜140℃の温度で加熱するこ
とがより好ましく、115〜130℃の温度で加熱する
ことがより好ましい。
考慮して定めるのが好ましいが、100〜150℃の温
度で予備加熱する場合、1〜20分の加熱時間とするの
が好ましい。この理由は、加熱時間が1分未満となる
と、シラノールの反応が不均一となる場合があり、一
方、加熱時間が10分を超えると、シラノールが過度に
反応して、現像液を用いて精度良く現像することが困難
となる場合があるためである。したがって、加熱時間を
2〜15分の範囲内の値とするのが好ましく、3〜10
分の範囲内の値とするのがさらに好ましい。なお、加熱
手段については特に制限されるものではなく、例えば、
オーブンや赤外線ランプを用いることができる。
光硬化させることはもちろんのこと、所定パターンを有
するフォトマスク介して非収束光を光硬化性組成物にパ
ターン露光したり、あるいは、多数の光ファイバーを束
ねた導光部材を用い、フォトマスクのパターンに対応す
る光ファイバーからのみ光照射して、パターン露光する
ことも好ましい。このようにパターン露光することによ
り、露光して硬化させた光硬化物部分と、露光せず未硬
化の光硬化性組成物部分とを精度良く形成することがで
きる。具体的に、マスクパターンのライン/スペース
(比率50/50)が10μm以上の範囲、より好まし
くは30μm以上の範囲、さらに好ましくは、50μm
以上の範囲において、光硬化させたのち、現像により基
材の露出部を再現性良く形成できることが確認されてい
る。したがって、未硬化の光硬化性組成物部分のみを、
現像液を用いて容易にウエット現像(除去)することが
でき、基材の露出部、すなわち反射防止膜が設けられて
いない部分を短時間かつ容易に形成することができる。
よって、このような基材の露出部を利用して、所望の部
材を強固に接着固定などをすることができる。
ある反射防止膜をさらに加熱することも好ましい。その
場合、基材もしくは塗膜の分解開始温度以下である温度
25〜200℃、5分〜72時間の条件で加熱するのが
好ましい。このように反射防止膜を加熱することによ
り、より耐熱性や耐候性に優れた反射防止膜(積層体)
を得ることができる。
の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではな
い。また、実施例中、各成分の配合量は特に記載のない
限り重量部を意味している。
(B−1)の調製〕 還流冷却器、撹拌機を備えた反応器に、表1に示す単量
体成分と、イソブチルアルコール105部、メチルエチ
ルケトン70部、メタノール35部を加えて混合したの
ち、撹拌下で80℃に加温し、この混合物に、アゾビス
イソバレロニトリル4部をキシレン10部に溶解した溶
液を30分かけて滴下し、さらに80℃で5時間反応さ
せて、固形分濃度40%のフッ素含有アクリル系重合体
〔(B−1)成分〕を得た。
ロペンチルメタクリレート (*2)4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,
6−ペンタメチルピペリジン
合体(B−2)の調製〕 (1)フッ素含有ビニルエーテル系重合体の重合 内容積1.0リットルの電磁攪拌機を備えたステンレス
製のオートクレーブを窒素ガスを用いて充分に置換し
た。次いで、このオートクレーブ内に、メチルイソブチ
ルケトン(重合溶剤)150部と、エチルビニルエーテ
ル30部とビニルトリメトキシシラン5部、ノニオン性
反応性乳化剤NE−30〔旭電化工業(株)製〕10部
と、ラジカル発生剤としてアゾ基含有ポリジメチルシロ
キサンVPS−1001〔和光純薬工業(株)製〕1部
と、過酸化ラウロイル0.5部とを収容した。そして、
共重合成分などを充分に攪拌したのち、ドライアイスお
よびメタノールを用いて−50℃まで冷却し、再度窒素
ガスを用いて系内の酸素を除去した。次いで、ヘキサフ
ルオロプロピレン(ガス)65部をオートクレーブ内に
導入したのち、オートクレーブ内の温度を70℃に昇温
した。なお、70℃に達した時点での、オートクレーブ
内の圧力は5.9kgf/cm2 であった。
どを攪拌しながら、温度を70℃に保持したまま20時
間かけてラジカル重合反応を行った。そして、オートク
レーブ内の圧力が2.5kgf/cm2 まで低下した時
点で、オートクレーブを水冷し て反応を停止させた。
オートクレーブ内の温度が室温まで降下したのを確認し
たのち、オートクレーブを開放し、未反応モノマーを系
外に放出させるとともに、フッ素含有共重合体溶液(ポ
リマー溶液)を取り出した。得られたフッ素含有共重合
体溶液を、多量のメタノールに投入し、フッ素含有共重
合体を析出させた。その後、多量のメタノールを用いて
フッ素含有共重合体を洗浄し、さらに温度50℃の真空
乾燥を行い、水酸基を有するフッ素含有重合体の精製物
を得た。得られた共重合体について、以下のような評価
項目をそれぞれ5回測定し平均した。
となるようにTHF(テトラヒドロフラン)に溶解させ
た。次いで、GPC装置HLC−8020〔東ソー
(株)製〕を用いて、フッ素含有共重合体のGPCカラ
ムからの溶出時間を屈折率計(RI)で検出し、得られ
た溶出時間から、ポリスチレン換算分子量として、フッ
素含有共重合体の重量平均分子量を算出した。その結
果、得られたフッ素含有共重合体の重量平均分子量は、
30,000であった。
ンコンプレクソン法に準拠して測定した。その結果、得
られたフッ素含有共重合体のフッ素含量は、46.1%
であった。結果を表2に示す。
2’)、(B−2'')、(B−2''' )を得た。結果を
表2に示す。
(B−3)の調製〕 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート63部、2−エチルヘキシルアクリレート5.7
部、n−ブチルアクリレート4.3部、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン11.3部、アクリル
酸3.9などを混合し、1,1−トリメチルアミンメタ
クリルイミド2部およびi−プロピルアルコール150
部、メチルエチルケトン50部、メタノール25部を加
えて混合したのち、攪拌しながら80℃に加温し、この
混合物にアゾビスイソバレロニトリル4部をキシレン1
0部に溶解した溶液を30分間かけて滴下したのち、8
0℃で5時間反応させて固形分40%のシリル基含有ア
クリル系重合体〔(B−3)成分〕を得た。結果を表3
に示す。
ロペンチルメタクリレート (*2)4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,
6−ペンタメチルピペリジン
た容器内に、メチルトリメトキシシラン70部、参考例
1で得られたB成分、ジ−iプロポキシエチルアセトア
セテートトリス(エチルアセトアセテート)アルミニウ
ム5部と、電気伝導率が8×10-5S・cm-1のイオン
交換水10部、メチルエチルケトン、イソプロピルアル
コールとを収容したのち、温度60℃、5時間の条件で
加熱攪拌したのち、アセチルアセトンを加えて熱硬化性
組成物Aを得た。得られたポリシロキサン溶液1につい
て、GPCを用いてポリスチレン換算の重量平均分子量
を測定したところ、16,000という値が得られた。
また、表4〜6に示すように、同様にして、組成物B〜
Sを得た。結果を表4〜6に示す。なお、表5中、「M
TMS」は「メチルトリメトキシシラン」を、「PTM
S」は「フェニルトリメトキシシラン」を、「γ−MP
TMS」は「γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン」を、「GPTMS」は「グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン」を、「DMDMS」は「ジメチル
ジメトキシシラン」を示す。
濃度30%) (*2):水分散(pH4)アナターゼ型酸化チタン
(固形分30%) (*3):メチルエチルケトン分散シリカゾル(固形分
30%) (*4);下記合成例20の組成物 (*5);下記合成例21の組成物
キシシラン70部、グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン30部、水20部、i−プロピルアルコール15
0部および10-2mol/L塩酸水溶液20部を加えて
よく攪拌し、60℃で4時間反応させた。次いで、室温
まで冷却し、トルエン分散酸化亜鉛(固形分濃度30
%)20部を添加して、固形分濃度20%の組成物を得
た。得られた組成物100部に、ジ−i−プロポキシ・
ビス(アセチルアセテート)チタニウムのイソプロピル
アルコール溶液20%品を30部添加、よく攪拌し、コ
ーティング組成物(ii−1)を得た。表7に示す。
種類、部数の各成分(後添加成分以外)を加えてよく攪
拌し、60℃で4時間反応させた。次いで、室温まで冷
却し、後添加成分を添加して固形分濃度20%の組成物
を得た。
ロイダルシリカ(固形分濃度30%) (*2):トルエン分散酸化亜鉛(固形分濃度30%)
ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チ
タニウムのi−プロピルアルコール溶液(固形分濃度2
0%)を15部添加しよく混合したのち、ポリカーボネ
ート板上にディップコートし、100℃×10分加熱乾
燥して0.1μmの反射防止膜を含む積層体を形成し
た。得られた積層体(反射防止膜)の反射防止効果を分
光反射率測定装置〔大型試料室積分球付属装置150−
09090を組み込んだ自記分光光度計U−3410、
日立製作所(株)製〕により、図4に示すように波長4
00〜800nmの範囲で反射率を測定して評価した。
すなわち、アルミの蒸着膜における反射率を基準(10
0%)として、各波長における積層体(反射防止膜)の
反射率を測定し、そのうち波長550nmにおける光の
反射率から以下の基準で反射防止効果を評価した。結果
を表8〜10に示す。 ◎:反射率が1%以下の値である。 ○:反射率が2%以下の値である。 △:反射率が3%以下の値である。 ×:反射率が3%を超える値である。
ンコートし加熱乾燥したのち、厚さ10μmの透明性測
定用の光硬化物(反射防止膜)を形成した。次いで、分
光光度計を用いて、得られた光硬化物における波長55
0nmの光透過率(T/%)を測定し、得られた光透過
率から以下の基準で透明性を評価した。結果を表8〜1
0に示す。 ○:光透過率が95%以上の値である。 △:光透過率が80〜95%未満の値である。 ×:光透過率が80%未満の値である。
オロエチレン製フィルムにバーコーターを用いて塗布し
加熱硬化したのち、厚さ20μmの屈折率測定用の反射
防止膜を形成した。得られた光硬化物におけるNa−D
線の屈折率を、測定温度25℃の条件で、アッベ屈折率
計を用いて測定した。結果を表8〜10に示す。
ンコートし加熱硬化したのち、厚さ2μmの反射防止
膜)を形成した。得られた硬化物についてJISD02
05に準拠して(湿度50%、温度63℃、降雨18分
/120分照射の条件)、サンシャインカーボンアーク
灯式耐光性試験機を用い、促進耐候試験を実施した。そ
して、促進耐候試験1,000時間後および2,000
時間後における光硬化物の外観を目視で観察し、以下の
基準で以て耐候性を評価した。また、同時に、JIS
K7103に準拠した黄変度を△YI値で以て測定し、
同様に光硬化物の耐候性を評価した。結果を表8〜10
に示す。 ○:外観変化(クラックなど)が無く、また△YI値が
0.1以下である。 △:外観変化(クラックなど)がほとんど無く、また△
YI値が2以下である。 ×:外観変化(クラックなど)が認められるか、△YI
値が2を超えている。
ト板上にディップコートし加熱硬化したのち、厚さ0.
1μmの反射防止膜を含む積層体を形成した。得られた
積層体における反射防止膜の表面を、ペーパー(キムワ
イプ、十条キンバリー(株)製)により、荷重1kg/
cm2 の条件で25回こすり、傷の発生具合 や剥離具
合および鉛筆硬度試験から、以下の基準に照らして反射
防止膜の耐擦傷性を評価した。結果を表8〜10に示
す。 ◎:反射防止膜に傷の発生や剥離は観察されず、鉛筆硬
度が2H以上である。 ○:反射防止膜に傷の発生や剥離は観察されず、鉛筆硬
度が2H未満である。 △:反射防止膜の剥離は観察されないが、微細な傷の発
生が観察される。 ×:反射防止膜の一部が剥離したり、筋状の傷の発生が
多数観察される。
ト板上にディップコートし加熱硬化したのち、厚さ0.
1μmの反射防止膜を含む積層体を形成した。得られた
積層体における反射防止膜の耐汚染性を、汚染物質(指
紋および黒マジック(登録商標))を用いてスポット試
験を行い、以下の基準で判断した。結果を表8〜10に
示す。 ◎:指紋および黒マジックについて、それぞれ乾布を用
いて1回で拭き取ることができる。 ○:指紋については、乾布を用いて10回未満で拭き取
ることができ、黒マジックについては、エチルアルコー
ルを用いて10回未満で拭き取ることができる。 △:指紋については、乾布を用いて10回以上で拭き取
ることができ、黒マジックについては、エチルアルコー
ルを用いて10回以上で拭き取ることができる。 ×:指紋については、乾布を用いて拭き取ることができ
ず、黒マジックについては、エチルアルコールを用いて
拭き取ることができない。
た容器内に、メチルトリメトキシシラン70部、参考例
1で得られたB成分30部、、ジ−iプロポキシエチル
アセトアセテートトリス(エチルアセトアセテート)ア
ルミニウム5部と、電気伝導率が8×10 -5S・cm-1
のイオン交換水10部、メチルエチルケトン100部と
を収容したのち、温度60℃、5時間の条件で加熱攪拌
することにより加水分解縮合を行った。次いで、容器内
の温度を80℃に昇温させたのち、メチルイソブチルケ
トン(以下「MIBK」と略記)を滴下しながら、加水
分解により副生したメタノールを蒸留除去した。そし
て、最終的に固形分を22%に調整し、(A)成分であ
るポリシロキサンを含有する溶液(以下「ポリシロキサ
ン溶液2」と称する)を得た。得られたポリシロキサン
溶液2について、GPCを用いてポリスチレン換算の重
量平均分子量を測定したところ、12,000という値
が得られた。次いで、得られたポリシロキサン溶液2
(固形分および溶剤の合計)100部あたり、(B)成
分の光酸発生剤として、SI−100L〔三新化学
(株)製〕を3部、脱水剤として、オルト蟻酸メチル
〔和光純薬工業(株)製〕5部をそれぞれ添加して、光
硬化性組成物Tを得た。同様にして、光硬化性組成物U
〜Zを調製した。結果を表11に示す。なお、表11
中、「MTMS」は「メチルトリメトキシシラン」を、
「PTMS」は「フェニルトリメトキシシラン」を、
「γ−MPTMS」は「γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン」を、「GPTMS」は「グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン」を、「DMDMS」は
「ジメチルジメトキシシラン」を示す。
タノールとの等量混合溶媒を添加して、固形分濃度を3
%に調整した。次いで、大気条件下に、ポリカーボネー
ト板〔厚さ1mm、帝人化成(株)製〕上に、ディップ
コータを用いて塗膜を形成した。次いで、室温(25
℃)、2分の条件で乾燥して、厚さ0.1μmの塗膜を
得たのち、大気下、温度25℃、露光量が100mJ/
cm2 (照射時間1秒)、200mJ/cm2 (照射時
間2秒)および300mJ/cm2 (照射時間3秒)と
なるように、オーク製作所(株)製のコンベア式高圧水
銀ランプ(2kW)を用いて紫外線を照射し、反射防止
膜を形成した。また、窒素中、温度25℃の条件で、同
様に紫外線を照射して、反射防止膜を形成した。得られ
た反射防止膜につき、指触で表面タックを測定し、以下
の基準で光硬化性を評価した。結果を表12に示す。 ◎:100mJ/cm2 露光後、反射防止膜の表面タッ
クがない。 ○:200mJ/cm2 露光後、反射防止膜の表面タッ
クがない。 △:300mJ/cm2 露光後、反射防止膜の表面タッ
クがない。 ×:300mJ/cm2 露光後、反射防止膜の表面タッ
クがある。
間および3ヶ月間保管したのち、目視で外観変化(粘度
増加)を測定し、さらに上記(1)の光硬化性を測定し
て、以下の基準で長期保存後の光硬化性を評価した。得
られた結果を表12に、保存安定性として示す。 ◎:3ヶ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察
されない。 ○:1ヶ月経過後も、外観変化や光硬化性の変化は観察
されない。 ×:1ヶ月経過後に、外観変化あるいは光硬化性の低下
が観察される。
トしたのち、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、
大気中で露光量が200mJ/cm2 となるように紫外
線を照射して、厚さ0.1μmの反射防止膜を含む積層
体を形成した。得られた積層体(反射防止膜)の反射防
止効果を分光反射率測定装置〔大型試料室積分球付属装
置150−09090を組み込んだ自記分光光度計U−
3410、日立製作所(株)製〕により図4に示すよう
に波長400〜800nmの範囲で反射率を測定して評
価した。すなわち、アルミの蒸着膜における反射率を基
準(100%)として、各波長における積層体(反射防
止膜)の反射率を測定し、そのうち波長550nmにお
ける光の反射率から以下の基準で反射防止効果を評価し
た。結果を表12に示す。 ◎:反射率が1%以下の値である。 ○:反射率が2%以下の値である。 △:反射率が3%以下の値である。 ×:反射率が3%を超える値である。
記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、大気中で露光量
が200mJ/cm2 となるように紫外線を照射し、厚
さ10μmの透明性測定用の光硬化物(反射防止膜)を
形成した。次いで、分光光度計を用いて、得られた光硬
化物における波長550nmの光透過率(T/%)を測
定し、得られた光透過率から以下の基準で透明性を評価
した。結果を表12に示す。 ○:光透過率が95%以上の値である。 △:光透過率が80〜95%未満の値である。 ×:光透過率が80%未満の値である。
ム上にバーコータを用いて塗布したのち、前記コンベア
式高圧水銀ランプを用いて、大気中で露光量が200m
J/cm2 となるように紫外線を照射し、厚さ20μm
の屈折率測定用の 光硬化物(反射防止膜)を形成し
た。得られた光硬化物におけるNa−D線の屈折率を、
測定温度25℃の条件で、アッベ屈折率計を用いて測定
した。結果を表12に示す。
記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、大気中で露光量
が200mJ/cm2 となるように紫外線を照射し、厚
さ2μmの耐候性測定用の光硬化物(反射防止膜)を形
成した。得られた光硬化物についてJIS D0205
に準拠して(湿度50%、温度63℃、降雨18分/1
20分照射の条件)、サンシャインカーボンアーク灯式
耐光性試験機を用い、促進耐候試験を実施した。そし
て、促進耐候試験1,000時間後および2,000時
間後における光硬化物の外観を目視で観察し、以下の基
準で以て耐候性を評価した。また、同時に、JIS K
7103に準拠した黄変度を△YI値で以て測定し、同
様に光硬化物の耐候性を評価した。結果を表12に示
す。 ○:外観変化(クラックなど)が無く、また△YI値が
0.1以下である。 △:外観変化(クラックなど)がほとんど無く、また△
YI値が2以下である。 ×:外観変化(クラックなど)が認められるか、△YI
値が2を超えている。
トしたのち、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、
大気中で露光量が200mJ/cm2 となるように紫外
線を照射し、厚さ0.1μmの反射防止膜を含む積層体
を形成した。得られた積層体における反射防止膜の表面
を、ペーパー〔キムワイプ、十条キンバリー(株)製〕
により、荷重1kg/cm2 の条件で25回こすり、傷
の発生具合や剥離具合および鉛筆硬度試験から、以下の
基準に照らして反射防止膜の耐擦傷性を評価した。結果
を表12に示す。 ◎:反射防止膜に傷の発生や剥離は観察されず、鉛筆硬
度が2H以上である。 ○:反射防止膜に傷の発生や剥離は観察されず、鉛筆硬
度が2H未満である。 △:反射防止膜の剥離は観察されないが、微細な傷の発
生が観察される。 ×:反射防止膜の一部が剥離したり、筋状の傷の発生が
多数観察される。
トしたのち、前記コンベア式高圧水銀ランプを用いて、
大気中で、露光量が200mJ/cm2 となるように紫
外線を照射し、厚さ0.1μmの反射防止膜を含む積層
体を形成した。得られた積層体における反射防止膜の耐
汚染性を、汚染物質(指紋および黒マジック)を用いて
スポット試験を行い、以下の基準で判断した。結果を表
12に示す。 ◎:指紋および黒マジックについて、それぞれ乾布を用
いて1回で拭き取ることができる。 ○:指紋については、乾布を用いて10回未満で拭き取
ることができ、黒マジックについては、エチルアルコー
ルを用いて10回未満で拭き取ることができる。 △:指紋については、乾布を用いて10回以上で拭き取
ることができ、黒マジックについては、エチルアルコー
ルを用いて10回以上で拭き取ることができる。 ×:指紋については、乾布を用いて拭き取ることができ
ず、黒マジックについては、エチルアルコールを用いて
拭き取ることができない。
リエチレンテレフタレートフィルム〔厚さ188μm、
東洋紡(株)製〕を基材として用いたほかは、実施例2
0の組成物Tを用いて反射防止膜を形成して、図5に示
すように反射率などを測定し、評価した。得られた結果
を表13に示す。ただし、透明性、屈折率および耐候性
については、実施例1の繰り返し試験となるため、実施
例27ではこれらの評価試験を省略し、表には実施例2
0で得られた結果を示してある。
o.1352〔住友大阪セメント(株)製〕100部
と、シランカップリング剤TESOX〔東亜合成(株)
製〕5部と、光ラジカル発生剤イルガキュア184〔チ
バスペシャリティケミカルズ(株)製〕3部とを混合
後、さらにMIBKとt−ブチルアルコールとの等量混
合溶液を添加して、固形分3%の高屈折率膜溶液を光硬
化性組成物T′として調製した。得られた光硬化性組成
物T′を、ディップコータを用いてポリカーボネート板
に塗布したのち、高圧水銀ランプを用いて、窒素中で、
露光量が200mJ/cm2 となるように紫外線を照射
し、厚さが0.1μmであり、屈折率の値が1.7
(−)である高屈折率膜を形成した。
高屈折率膜上に、実施例20で調製した光硬化性組成物
Tと同様の光硬化性組成物から反射防止膜(評価用の光
硬化物を含む)を形成して評価した。なお、透明性、屈
折率および耐候性については、実施例20の繰り返し試
験となるため、実施例28ではこれらの評価試験を省略
し、表13には実施例20で得られた結果を示してあ
る。
を用いたほかは同様に、高屈折率膜および反射防止膜を
形成して評価した。結果を表13に示す。なお、透明
性、屈折率および耐候性については前記の繰り返し試験
となるため、これらの評価試験を省略し、表には前記実
施例で得られた結果を示してある。
HA40部と、アロニックスTO−756〔東亜合成
(株)製〕60部と、前述したイルガキュア184を3
部混合してハードコート層用の光硬化性組成物U′を調
製した。得られた光硬化性組成物U′を、バーコータを
用いてポリカーボネート板に塗布したのち、高圧水銀ラ
ンプを用いて、窒素中で、露光量が500mJ/cm2
となるように紫外線を照射し、厚さが5.0μmである
ハードコート層を形成した。
ハードコート層上に、上記実施例20と同様に、高屈折
率膜および反射防止膜を形成して評価した。結果を表1
3に示す。
止膜を含む積層体によれば、反射防止膜の形成材料とし
て特定の加水分解性シラン化合物とフッ素系重合体を含
む熱硬化性組成物、あるいは、これにさらに光酸発生剤
を含む光硬化性組成物を使用することから、熱硬化によ
り、あるいは酸素存在下においても光硬化反応により、
反射防止膜が形成可能であり、しかも得られた反射防止
膜あるいは当該反射防止膜を含む積層体において、優れ
た反射防止効果や耐汚染性を得ることが可能となった。
の加水分解性シラン化合物とフッ素系重合体、さらには
これに光酸発生剤と、脱水剤とを組み合わせることによ
り、保存安定性や光硬化性に優れた光硬化性組成物を得
ることができ、したがって、熱硬化により、あるいは酸
素存在下においてもより速い光硬化反応により、反射防
止膜が形成可能であり、しかも得られた反射防止膜ある
いは当該反射防止膜を含む積層体において、優れた反射
防止効果や耐汚染性を得ることが可能となった。
よれば、反射防止膜の形成材料として特定の加水分解性
シラン化合物とフッ素系重合体を含む熱硬化性組成物、
あるいはこれにさらに光酸発生剤とからなる光硬化性組
成物を使用して、基材上に反射防止膜を形成することか
ら、優れた反射防止効果や耐汚染性を有する反射防止膜
を、熱硬化により、あるいは酸素存在下においても光硬
化反応を利用として形成することが可能となった。その
ほか、本発明の反射防止膜の製造方法によれば、パター
ン露光することにより、任意の箇所に反射防止膜を形成
することが可能となった。
1)。
2)。
3)。
用した基板(ポリカーボネート板)における反射率測定
チャートである。
用した基板(PETフィルム)における反射率測定チャ
ートである。
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)下記一般式(1) (R1 )n Si(OR2 )4-n ・・・・・(1) (式中、R1 は、2個存在するときは同一または異な
り、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一
または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる
少なくとも1種、ならびに(B−1)加水分解性基およ
び/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル
基を有するフッ素含有アクリル系重合体を含有するコー
ティング組成物を硬化してなる反射防止膜。 - 【請求項2】 (A)下記一般式(1) (R1 )n Si(OR2 )4-n ・・・・・(1) (式中、R1 は、2個存在するときは同一または異な
り、炭素数1〜8の1価の有機基を示し、R2 は、同一
または異なり、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数
1〜6のアシル基を示し、nは0〜2の整数である。)
で表されるオルガノシラン、該オルガノシランの加水分
解物および該オルガノシランの縮合物の群から選ばれる
少なくとも1種、ならびに(B−2)加水分解性基およ
び/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル
基を有するフッ素含有ビニルエーテル系重合体を含有す
るコーティング組成物を硬化してなる反射防止膜。 - 【請求項3】 コーティング組成物中に、さらに、(B
−3)加水分解性基および/または水酸基と結合したケ
イ素原子を有するシリル基を有するアクリル系重合体を
含有する請求項1または2記載の反射防止膜。 - 【請求項4】 コーティング組成物中に、さらに、
(G)光酸発生剤を含有する請求項1〜3いずれか1項
記載の反射防止膜。 - 【請求項5】 コーティング組成物中に、さらに、
(H)脱水剤を含有する請求項1〜4いずれか1項記載
の反射防止膜。 - 【請求項6】 請求項1〜5いずれか1項記載のコーテ
ィング組成物を成形する工程と、成形したコーティング
組成物を熱硬化および/または光硬化する工程を含むこ
とを特徴とする反射防止膜の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜5いずれか1項記載の反射防
止膜を基材上に含むことを特徴とする反射防止膜を含む
積層体。
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