JP2013124280A - 耐汚染性塗料、及び建築板 - Google Patents

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孝之 榎本
Katsuyuki Tsugita
克幸 次田
Fusae Ishiwatari
房恵 石渡
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Abstract

【課題】本発明は、耐汚染性が高く、且つこの耐汚染性が長期に亘って維持される被覆層を形成することができる耐汚染性塗料を提供する。
【解決手段】耐汚染性塗料は、シロキサン系樹脂;フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(A)と、オキシエチレン基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(B)と、ケイ素アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(C)とを有する重合体であるフッ素系化合物;アスペクト比が3〜100の範囲である無機充填材;及び前記フッ素系化合物に対する貧溶媒である溶剤を、含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐汚染性を有する被覆層を形成するための耐汚染性塗料、並びにこの被覆層を備える建築板に関する。
建物の外装などに適用される建築板などには、良好な外観の維持のために、優れた耐汚染性が要求されている。そのために、従来、建築板等の表面の親水性を向上するための塗装を施すことが行われている。すなわち、塗装によって形成される被覆層の親水性を向上し、このため被覆層の表面に汚染物質が付着しても、雨などの流水によって汚染物質が容易に除去されるようにし、これにより外観の維持を図っている。
このような親水性の高い被覆層を形成するための塗料として、特許文献1に開示されている親水性コーティング材組成物が挙げられる。この親水性コーティング材組成物は、(X)ケイ素アルコキシド及びその部分加水分解物から選ばれる少なくとも1種、及び、(Y)フルオロアルキル基を含有する成分と、エチレンオキサイド鎖を含有する成分と、ケイ素アルコキシ基を含有する成分とを含んで共重合してなるフッ素系オリゴマー、を含み、前記(X)成分の固形分100質量部に対して、前記(Y)成分が固形分換算で1〜30質量部含有される。このような親水性コーティング材組成物から形成される被覆層は、当初から汚染物質が付着しにくく、また汚染物質が付着しても流水等により容易に除去される。
特開2011−173966号公報
しかし、特許文献1に開示されている塗料であっても、長期に亘って屋外に曝露されていると被覆層から汚染物質が除去されなくなってくる。一方、近年、住宅に対する品質の向上への要求は益々高まっている。このため、建築板等における被覆層の耐汚染性が更に向上すると共に、この耐汚染性がより長期に亘って維持されることが、求められている。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐汚染性が高く、且つこの耐汚染性が長期に亘って維持される被覆層を形成することができる耐汚染性塗料、並びにこの耐汚染性塗料から形成される被覆層を備える建築板を提供することにある。
本発明に係る耐汚染性塗料は、次の成分を含有する;
シロキサン系樹脂;
フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(A)と、オキシエチレン基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(B)と、ケイ素アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(C)とを有する重合体であるフッ素系化合物;
アスペクト比が3〜100の範囲である無機充填材;及び
前記フッ素系化合物に対する貧溶媒である溶剤。
本発明に係る耐汚染性塗料において、前記無機充填材がチタン酸カリウムを含むことが好ましい。
本発明に係る耐汚染性塗料において、前記無機充填材がタルクを含むことも好ましい。
本発明における耐汚染性塗料において、前記無機充填材全量の割合が、前記フッ素系化合物100質量部に対して100〜400質量部の範囲であり、且つ前記シロキサン系樹脂100質量部に対して10〜50質量部の範囲であることが好ましい。
本発明に係る耐汚染性塗料において、前記溶剤がトルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
本発明に係る建築板は、基材と、この基材を覆う被覆層とを備え、前記被覆層が前記耐汚染性塗料から形成されている。
本発明によれば、耐汚染性塗料によって、耐汚染性が高く、且つこの耐汚染性が長期に亘って維持される被覆層が形成される。
本実施形態による耐汚染性塗料は、シロキサン系樹脂;フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(A)と、オキシエチレン基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(B)と、ケイ素アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(C)とを有する重合体であるフッ素系化合物;アスペクト比が3〜100の範囲である無機充填材;及びフッ素系化合物に対する貧溶媒である溶剤を、含有する。
シロキサン系樹脂は、耐汚染性塗料から被覆層が形成される際に硬化することで、シロキサン結合を有するマトリックスを構成する樹脂である。このため、硬化することでシロキサン結合が形成されるのであれば、硬化前のシロキサン系樹脂はシロキサン結合を有さなくてもよい。
シロキサン系樹脂は、加水分解性シラン化合物及びその部分加水分解縮合物から選択される少なくとも一種からなるケイ素化合物を含有することが好ましい。加水分解性シラン化合物は、好ましくは、次の一般式で示される化合物である。
(R1mSiX4-m …(1)
一般式(1)中、R1は、メチル基、エチル基又はフェニル基を示し、一分子にRが複数ある場合はこれらは互いに同一でも異なっていてもよい。Xは加水分解性基を示し、一分子中にXが複数ある場合はこれらは互いに同一でも異なっていてもよい。mは0、1又は2の整数を示す)
一般式(1)中の加水分解性基Xとしては、例えばOR2(R2は、炭素数1〜8のアルキル基を示し、一分子にRが複数ある場合はこれらは互いに同一でも異なっていてもよい。)であることが好ましい。
このケイ素化合物は、その有する官能基の影響により撥水性を発揮する。その際、上記の加水分解性シラン化合物が3官能及び2官能の化合物の少なくともいずれか1種(すなわちm=1,2)を含むことが好ましい。
ケイ素化合物が、一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物が、有機溶媒及び水のうち少なくも一種からなる溶媒中で、コロイド状シリカの存在下、部分加水分解することで生成するものであることも好ましい。すなわち、耐汚染性塗料が、前記手法により生成するオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液を含むことも好ましい。
(R7n3SiX4-n3 …(2)
一般式(2)中、複数のR7は各々独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭化水素基を示し、Xは加水分解性基を示し、n3は0〜3の整数を示す。
7としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基などのアラルキル基;フェニル基、トリル基などのアリール基;ビニル基、アリル基などのアルケニル基;クロロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などのハロゲン置換炭化水素基;γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、γ−メルカプトプロピル基などの置換炭化水素基等を例示することができる。これらの中でも合成の容易さ、あるいは入手の容易さから、R7が炭素数1〜4のアルキル基及び、フェニル基から選ばれることが好ましい。
一般式(2)中の加水分解性基Xとしては、例えば、アルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基などが挙げられる。これらの中でも入手の容易さ及びシリカ分散オリゴマー溶液を調製し易いことからアルコキシ基が好ましい。このような加水分解性オルガノシランとしては、例えば、n3が0〜3の整数である、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−の各官能性のアルコキシシラン類、アセトキシシラン類、オキシムシラン類、エノキシシラン類、アミノシラン類、アミノキシシラン類、アミドシラン類などが挙げられる。これらの中でも入手の容易さ及びシリカ分散オリゴマー溶液を調製し易いことからアルコキシシラン類が好ましい。
一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物の好ましい具体例として、特に、n3=0のテトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどを例示することができる。またn3=1のオルガノトリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシランなどを例示することができる。またn3=2のジオルガノジアルコキシシランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシランなどを例示することができる。さらにn3=3のトリオルガノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルイソプロポキシシラン、ジメチルイソブチルメトキシシランなどを例示することができる。また一般にシランカップリング剤とよばれるオルガノシラン化合物も加水分解性シラン化合物として用いることができる。
一般式(2)で表される加水分解性シラン化合物のうち、3官能性の化合物(n3=1)の割合が50モル%以上であることが好ましい。この3官能性の化合物の割合が60モル%以上であればより好ましく、70モル%以上であれば最も好ましい。n3=1の3官能性のものが50モル%未満では、十分な被覆層硬度を得られなくなるおそれがあり、また乾燥硬化性が劣り易くなるおそれがある。
オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液を得るためのコロイド状シリカとしては、水分散性あるいはアルコールなどの非水系の有機溶媒分散性コロイド状シリカを使用することができる。一般にこのようなコロイド状シリカは固形分としてのシリカを20〜50質量%含有しており、この値からシリカ量を決定できる。
水分散性コロイド状シリカを使用する場合、この水分散性コロイド状シリカ中の水を加水分解反応のために利用することができる。水分散性コロイド状シリカは、通常、水ガラスから調製される。このようなコロイド状シリカは、市場から容易に入手され得る。
有機溶媒分散性のコロイド状シリカは、水分散性コロイド状シリカ中の水を有機溶媒と置換することで容易に調製される。有機溶媒分散性コロイド状シリカも、市場から容易に入手され得る。有機溶媒分散性のコロイド状シリカにおける分散媒である有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどの低級脂肪族アルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどのエチレングリコール誘導体;ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのジエチレングリコール誘導体、ジアセトンアルコール等が挙げられ、これらのうち一種のみが用いられても二種以上が併用されてもよい。
また、有機溶媒には、前記のような親水性有機溶媒と共に、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトオキシム等が含まれていてもよい。但し、耐汚染性塗料中のフッ素系化合物に対する貧溶媒であるトルエン、キシレン等の溶媒との相溶性の良い有機溶媒は用いられないことが、より好ましい。
オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液が用いられると、コロイド状シリカによって、被覆層の硬度が向上する。オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液中のシリカ固形分の割合は、5〜95質量%の範囲であることが好ましく、10〜90質量%の範囲であればより好ましく、20〜85質量%の範囲であれば最も好ましい。これらの場合、被覆層の硬度が充分に高くなると共に、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液中や耐汚染性塗料中でのシリカの良好な分散性が確保されて、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液等のゲル化などの不都合が抑制される。
オルガノシランのシリカ分散オリゴマーは、例えば上記の一般式(2)で表される加水分解性ケイ素化合物が、水分散性コロイド状シリカまたは有機溶媒分散性コロイド状シリカの少なくとも一方の存在下で、部分加水分解することで得られる。部分加水分解反応のための水の量は、一般式(2)で表される加水分解性ケイ素化合物中の加水分解性基X1モルに対して0.001〜0.5モルの範囲であることが好ましく、この場合、部分加水分解反応を充分に進行させることができると共に、生成物の安定性が良好となる。部分加水分解反応を進行させるための手法に特に制限はないが、例えば一般式(2)で表される加水分解性ケイ素化合物とコロイド状シリカとを混合すると共に必要量の水を添加することで、部分加水分解反応を進行させることができる。部分加水分解反応は常温(例えば25℃)でも進行するが、反応を促進させるために反応系を60〜100℃に加熱してもよい。また、部分加水分解反応を促進させる目的で、塩酸、酢酸、ハロゲン化シラン、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタル酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュウ酸などの無機酸や有機酸を、触媒として用いてもよい。
オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液のpHは、この溶液が長期的に安定した性能を発揮するためには、2.0〜7.0の範囲であることが好ましく、2.5〜6.5の範囲であれば更に好ましく、3.0〜6.0のであれば特に好ましい。オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液のpHは適宜の手法により調整され得る。例えば溶液のpHの値が前記範囲よりも小さい場合には、溶液にアンモニア、エチレンジアミン等の塩基性化合物を添加することができる。また、溶液のpHの値が前記範囲よりも大きい場合には、溶液に塩酸、硝酸、酢酸等の酸性化合物を添加することができる。
シロキサン系樹脂は、上記ケイ素化合物に加えて、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンを更に含有してもよい。特に、上記のオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液と、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンとが、併用されることが好ましい。
シラノール基含有ポリオルガノシロキサンの平均組成は、次の一般式(3)で表されることが好ましい。
(R8dSi(OH)e(4-d-e)/2 …(3)
一般式(3)中、R8は置換もしくは非置換の炭素数1〜8の1価の炭化水素基であり、一分子中にR8が複数ある場合にはこれらは互いに同一でも異なっていてもよい。一般式(3)中、dは0.2≦d≦2を満たす数、eは0.0001≦e≦3を満たす数である。更に、dとeは、d+e<4の関係を満たす。
一般式(3)中、R8の具体例としては、上述の一般式(2)中のR7の具体例として示したものが挙げられる。特にシラノール基含有ポリオルガノシロキサン中のR8がフェニル基とフェニル基以外の基とを含むと共に、R8全体に対するフェニル基の割合が5〜50質量%の範囲であることが好ましい。このようにフェニル基の割合が5質量%以上であると被覆層の伸び性が向上してクラックが生じにくくなり、またこの割合が50質量%以下であることで耐汚染性塗料が速やかに硬化成膜して被覆層が形成されるようになる。この場合、フェニル基以外の基は、炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−アミノプロピル基、並びに3,3,3−トリフルオロプロピル基などの置換炭化水素基から選ばれることが好ましく、特にメチル基およびエチル基から選ばれることが好ましい。
また、一般式(3)において、dが0.2以上であり、eが3以下であることで、被覆層にクラックが生じにくくなり、またdが2以下であり、eが0.0001以上であることで、耐汚染性塗料の硬化が速やかに進行する。
シラノール基含有ポリオルガノシロキサンは、例えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、もしくはこれらに対応してクロロ基をアルコキシ基に置換したアルコキシシランの1種もしくは2種以上の混合物を公知の方法により大量の水で加水分解することによって、得られる。なお、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンを得るために、アルコキシシランを用いて公知の方法で加水分解する場合、加水分解されないアルコキシ基が微量に残ることがある。つまり、シラノール基と極微量のアルコキシ基が共存するようなポリオルガノシロキサンが得られることがある。しかしながら、シラノール基含有ポリオルガノシロキサンに、このようなアルコキシ基を微量に含有するポリオルガノシロキサンが含まれていても差し支えない。
シラノール基含有ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は700〜20000の範囲であることが好ましい。この重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定による標準ポリスチレン換算による測定値である。
この重量平均分子量が700以上であることで耐汚染性塗料が速やかに硬化すると共に被覆層にクラックが生じにくくなる。またこの重量平均分子量が20000以下であることで、被覆層が無機充填材を含有していても被覆層の良好な光沢と良好な平滑性とが維持される。
耐汚染性塗料中に上記のオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液とシラノール基含有ポリオルガノシロキサンとが共に含まれる場合、前者対後者の質量比は99:1〜1:99の範囲であることが好ましく、5:95〜95:5の範囲であれば更に好ましい。この場合、耐汚染性塗料が速やかに硬化すると共に硬化性が安定し、更に硬度が充分に高く良好な被覆層が形成される。
フッ素系化合物は、フルオロアルキル基と、オキシエチレン基と、ケイ素アルコキシ基とを有する。尚、本明細書においては、このフッ素系化合物は上記シロキサン系樹脂には分類されない。このフッ素系化合物は、耐汚染性塗料から形成される被覆層の耐候性と耐汚染性を向上する。すなわち、被覆層は初期には撥水性を発揮し、このため被覆層には初期には汚染物が付着しにくいが、経時的には汚染物が付着しやすくなる。しかし、耐汚染性塗料にフッ素系化合物が含有されていることで、被覆層が降雨に曝される場合などに汚染物が容易に洗浄される。
このフッ素系化合物内において、フルオロアルキル基は撥水性を発揮する。このフルオロアルキル基は、優れた表面エネルギー低下能を有し、このため被覆層への汚染物質の付着を抑制する。
また、フッ素系化合物内において、オキシエチレン基が親水性を発揮する。このオキシエチレン基は、被覆層の親水性を向上し、このため上記の通り被覆層に付着した汚染物質が除去されやすくなる。
また、フッ素系化合物は、ケイ素アルコキシ基を有することで反応性を発揮する。ケイ素アルコキシ基が存在することで、耐汚染性塗料から被覆層が形成される際のフッ素系化合物とケイ素化合物との反応が促進され、このため被覆層の耐候性及び耐汚染性が長期に亘って維持されるようになる。
耐汚染性塗料中のフッ素系化合物の割合は、シロキサン系樹脂の固形分100質量部に対して、固形分換算で1〜30質量部の範囲であることが好ましい。シロキサン系樹脂とフッ素系化合物との比率がこの範囲となることによって、被覆層に充分な強度と耐久性が付与されるとともに、被覆層が高い易洗浄性を発揮するようになる。すなわち、フッ素系化合物の割合が1質量部以上であることで、被覆層の表面が高い親水性を発現し、このため被覆層が充分な易洗浄性を発揮する。また、フッ素系化合物の割合が30質量部以下であることで、被覆層の白濁及び白化が抑制され、被覆層に充分な強度や耐久性が付与される。
フッ素系化合物は、フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(A)と、オキシエチレン基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(B)と、ケイ素アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(C)とを有する重合体である。
フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート(以下、「第一の単量体」とも記す。)としては、下記式(a)で表される化合物が好ましい。オキシエチレン基を有する(メタ)アクリレート(以下、「第二の単量体」とも記す。)としては、下記式(b)で表される化合物が好ましい。ケイ素アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート(以下、「第三の単量体」とも記す。)としては、下記式(c)で表される化合物が好ましい。
CH2=CRa1−COO−(CH2−Rf (a)
CH2=CRb1−COO−(Rb2O)−Rb3 (b)
CH2=CRc1−COO−(CH2−Si(OAk)3 (c)
a1,Rb1,及びRc1は、水素原子またはメチル基を示す。
b2及びRb2は、炭素数2〜4のアルキレン基を示す。ただし、yが1である場合は、Rb1はエチレン基である。また、yが2以上である場合は、式(b)で表される化合物1分子中のy個のRb2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、且つ少なくとも一つはエチレン基である。
b3は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基またはCH2=CRb1−CO基を示す。
Akは、それぞれ独立に炭素数1−8のアルキル基を示す。
xは1−3の整数、yは1−100の整数、zは0−10の整数である。
Rfは、主鎖の鎖長が炭素数1〜20であるフルオロアルキル基を示す。
第一の単量体におけるRfとしては、フルオロアルキル基(アルキル基における1個以上の水素原子がフッ素原子で置換された基)であれば特に制限はないが、製造の容易さや表面張力低下能力の優秀性から、パーフルオロアルキル基(アルキル基における水素原子の全てがフッ素原子で置換された基)であることが好ましい。Rfの炭素数は4〜18の範囲であることが好ましく、4〜12の範囲であれば更に好ましい。また、第一の単量体が、上記一般式(a)で表される一種類の化合物のみを含んでも、上記一般式で表される複数種の化合物を含んでもよい。
炭素数4〜12のパーフルオロアルキル基を有する第一の単量体の具体例としては、C817CH2CH2OCOCH=CH2、C817CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C1021CH2CH2OCOCH=CH2、C1021CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C1225CH2CH2OCOCH=CH2、C1225CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C613CH2CH2OCOCH=CH2、C613CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C817CH2CH2CH2OCOCH=CH2、C817CH2CH2CH2OCOC(CH3)=CH2、C49CH2CH2OCOCH=CH2、C49CH2CH2OCOC(CH3)=CH2等が挙げられる。
第二の単量体は、上記通り一般式(b)で表される化合物であることが好ましい。この第二の単量体により、フッ素系化合物にオキシアルキレン基が導入される。第二の単量体はオキシアルキレン基を有する。被覆層の親水性発現のため、第二の単量体は少なくともオキシエチレン基を有する必要がある。また、被覆層の親水性向上のためには、第二の単量体は、その末端に水酸基あるいはメチル基を有することが特に好ましい。
第二の単量体としては、例えばCH2=CH−COO−(C24O)−H、CH2=C(CH3)−COO−(C24O)−H、CH=CH−COO−(C24O)−CH、CH=C(CH)−COO−(C24O)−CH3等が挙げられる。また、第二の単量体が、上記一般式(b)で表される一種類の化合物のみを含んでも、上記一般式(b)で表される複数種の化合物を含んでもよい。
第三の単量体は、上記の通り一般式(c)で表される化合物であることが好ましい。この第三の単量体により、フッ素系化合物にケイ素アルコキシ基が導入される。
この第三の単量体は、ケイ素アルコキシ基(アルコキシシラン基)を有している。上記一般式(c)に示されるように、3官能のアルコキシシランが用いられることが好ましい。第三の単量体の具体例としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。なお、第三の単量体の代わりに、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン等が用いられてもよい。これらのうち、特に、反応の制御のし易さ及び入手の安易さから、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。また、第三の単量体が、上記一般式(c)で表される一種類の化合物のみを含んでも、上記一般式(c)で表される複数種の化合物を含んでもよい。
フッ素系化合物が生成されるにあたっての第一の単量体、第二の単量体、及び第三の単量体の共重合割合に関しては、第一の単量体と第二の単量体との前者対後者の質量比が1:99〜60:40の範囲であることが好ましく、また第一の単量体及び第二の単量体の合計量と第三の単量体との前者対後者の質量比が100:1〜100:15の範囲であることが好ましい。
フッ素系化合物が生成する際の各単量体の共重合割合に関しては、耐汚染性塗料の組成、被覆層に要求される物性レベルなどによっても異なるが、第一の単量体と第二の単量体との前者対後者の質量比が、1:99〜60:40の範囲であることが好ましく、1:99〜50:50の範囲であれば更に好ましく、1:99〜12:88の範囲であれば特に好ましい。これらの範囲において、フッ素系化合物の水への溶解性が充分に高くなると共に、フッ素系化合物による表面張力低下能力が充分に発揮されて被覆層の表面付近にフッ素系化合物が集中しやすくなり、このため被覆層の親水性が充分に高くなる。
また、各単量体の共重合割合に関し、第一の単量体及び第二の単量体の合計量と第三の単量体との前者対後者の質量比が、100:1〜100:15の範囲であることが好ましい。この場合、被覆層が形成される際にフッ素系化合物が表面に配向する前にケイ素化合物から構成されるマトリックスに取り込まれにくくなって、被覆層の親水性が向上する。また、フッ素系化合物の安定性が向上して耐汚染性塗料がゲル化しにくくなる。更に、フッ素系化合物とケイ素化合物との良好な反応性が維持されることで被覆層の表面の親水性が長期に亘って維持される。
フッ素系化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互、グラフト重合体などいずれの構造であってもよい。また、例えば、グラフト共重合体の場合のグラフト率、ランダム共重合体の場合のランダム性にも、特に制限はない。
フッ素系化合物の重量平均分子量は1000〜100000の範囲であることが好ましく、2000〜100000の範囲であることが特に好ましい。この重量平均分子量が1000以上であることで、フッ素系化合物が充分な表面張力低下能力を発揮し、またこの重量平均分子量が100000以下であることでフッ素系化合物の耐汚染性塗料中の溶解性(耐汚染性塗料中の成分との相溶性)が向上する。尚、フッ素系オリゴマーの重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定される値である。
フッ素系化合物の製造方法には何ら制限はなく、公知の重合方法が採用され得る。例えばフッ素系化合物は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の重合機構に応じて、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法等によって製造できる。すなわち、炭素−炭素二重結合を重合させる方法を採用することができ、特に第一の単量体、第二の単量体、及び第三の単量体は、アクリル基やメタクリル基を有しているので、このアクリル基やメタクリル基を重合させる適宜の方法を採用することができる。このうち特に、ラジカル重合法が簡便であり、工業的に好ましい。
ラジカル重合の場合、公知の重合開始剤が使用されてよい。重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、リビングラジカル重合を引き起こす遷移金属触媒等が挙げられる。さらに必要に応じて、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等の連鎖移動剤等が使用されてもよい。
重合は、溶剤もしくは水の存在下でおこなわれても、無溶媒条件下でおこなわれてもよいが、作業性の点から溶剤存在下でおこなわれることが好ましい。溶剤としては、特に制限されないが、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶媒、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のエーテル類、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びエステル類、クロロホルム、1,1,1−トリクロルエタン等のハロゲン化合物類、さらにパーフルオロオクタン等のフッ素化イナ−トリキッド等が挙げられる。これらは一種単独で用いられても二種以上併用されてもよい。
耐汚染性塗料は、反応性金属化合物を含有してもよい。この反応性金属化合物は、シロキサン系樹脂との反応性を有するとともに、フッ素系化合物とも反応性を有する。この場合、被覆層形成時に反応性金属化合物がフッ素系化合物と反応して結合するとともにシロキサン系樹脂とも反応して結合することで、被覆層中で反応性金属化合物を介してフッ素系化合物とシロキサン系樹脂とが結合し、フッ素系化合物が被覆層を構成する樹脂マトリクス中に固定されるようになる。このため、フッ素系化合物の被覆層からの流出が抑制されて、フッ素系化合物による被覆層表面の親水性と撥油性が長期に亘って維持される。
この反応性金属化合物の重量平均分子量は150〜800の範囲にあることが好ましい。重量平均分子量があまりにも大きくなると反応性金属化合物の官能基などが嵩高くなってしまって、反応性金属化合物の反応性が低下し、結合に関与しなくなる分子が生じるおそれがある。またその結果、耐汚染性塗料から形成される被覆層中における未反応物の残存量が多くなってしまい、未反応物の乾燥による除去がより困難になってしまう。このように未反応のアルコキシシラン等が被覆層中に多量に残存していると、被覆層の耐水白化や耐薬品性の低下の原因になる。また耐汚染性塗料中の反応性金属化合物の含有量はシロキサン系樹脂100質量部に対して1〜12質量部の範囲であることが好ましい。反応性金属化合物の含有量があまりにも多い場合は、耐汚染性塗料のコーティング時に被覆層にヨリが発生してしまって、フラットな被覆層を形成することが容易ではなくなってしまう。また、反応性金属化合物の含有量があまりにも少ない場合は、反応性金属化合物が前述のようなフッ素系化合物とシロキサン系樹脂とを結合させる作用を充分に発揮することが困難になる。
反応性金属化合物としては適宜の化合物を使用し得るが、特に下記構造式(4)に示す構造を有するテトラアルコキシシランを使用することが好ましい。
Si(OR34 …(4)
構造式(2)中のR3は一価の炭化水素基を示し、四つのR3は互いに同一であっても異種であってもよい。この一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。上記アルキル基のうち、炭素数3以上のものについては、n−プロピル基、n−ブチル基のように直鎖状のものであってもよいし、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものであってもよい。また、R3は特にエチル基であることが好ましい。この構造式(4)で示されるテトラアルコキシシランは一種のみを使用しても、複数種を併用してもよい。
耐汚染性塗料は、更に硬化触媒を含有してもよい。硬化触媒としては、酸性触媒、塩基性触媒、有機金属触媒などが挙げられる。更に具体的には、硬化触媒としては、アルキルチタン酸塩、オクチル酸錫およびジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジマレート等のカルボン酸の金属塩;ジブチルアミン−2−ヘキソエート、ジメチルアミンアセテート、エタノールアミンアセテート等のアミン塩;酢酸テトラメチルアンモニム等のカルボン酸第4級アンモニウム塩;テトラエチルペンタミン等のアミン類;N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;p−トルエンスルホン酸、フタル酸、塩酸等の酸類;アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート等のアルミニウム化合物、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のチタニウム化合物、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルモノクロロシラン等のハロゲン化シラン等が例示される。もちろん硬化触媒はこれらの化合物のみに限定されない。
耐汚染性塗料中の硬化触媒の量は、シロキサン系樹脂とフッ素系化合物の合計量100質量部に対して、0.0001〜10質量部の範囲であることが好ましく、0.0005〜8質量部の範囲であればより好ましく、0.0007〜5質量部の範囲であれば更に好ましい。すなわち、常温下で耐汚染性塗料が優れた硬化性を発揮するためには、硬化触媒の前記割合は0.0001質量部以上であることが好ましく、0.0005質量部以上であることが好ましく、0.0007質量部以上であれば更に好ましい。また、被覆層の耐熱性及び耐候性が向上するためには、硬化触媒の前記割合は10質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であればより好ましく、5質量部以下であれば更に好ましい。
また、耐汚染性塗料は、フッ素系化合物に対する貧溶媒である溶剤を含有する。これにより、被覆層の耐汚染性が更に向上する。ここで、本発明においては、ある有機溶剤を、この有機溶剤と同量のフッ素系化合物と混合して混合液を調製し、この混合液を24時間常温にて静置し、続いてこの混合液の外観を目視で観察すると、混合液が2層に分離していることが認められる場合に、有機溶剤は貧溶媒であると判断される。逆に、混合液が2層に分離せずに有機溶媒とフッ素系化合物とが相溶し、混合液が濁りなく透明になる場合、有機溶剤は良溶媒であると判断される。フッ素系化合物に対する貧溶媒である溶剤として、特にトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が使用されることが好ましい。
フッ素系化合物に対する貧溶媒である溶剤の、耐汚染性塗料中の割合は、フッ素系化合物の固形分量100質量部に対して1000〜5000質量部の範囲であることが好ましい。更に、耐汚染性塗料中での貧溶媒と良溶媒との割合は、貧溶媒合計100質量部に対して良溶媒合計100質量部以下であることが好ましく、更に良溶媒合計25〜100質量部であることが好ましい。尚、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒などの良溶媒は、フッ素系化合物とシロキサン系樹脂の合成のために用いられる場合があり、このため耐汚染性塗料中に良溶媒が含まれる場合があるが、良溶媒の割合が貧溶媒100質量部に対して100質量部以下であれば、貧溶媒は、耐汚染性塗料中の揮発成分の主成分となる。ここで、貧溶媒がフッ素系化合物の固形分量100質量部に対して1000質量部以上である場合、並びに貧溶媒合計100質量部に対して良溶媒合計が100質量部以下である場合には、耐汚染性塗料中の貧溶媒の作用が効果的に発揮され、その結果、被覆層中でのフッ素系化合物の表面移行が貧溶媒によって特に促進され、被覆層の防汚性が特に高くなる。また、貧溶媒がフッ素系化合物の固形分量100質量部に対して5000質量部以下である場合、並びに貧溶媒合計100質量部に対して良溶媒合計が25質量部以上である場合には、耐汚染性塗料の粘度、固形分濃度、有効成分濃度等がより適切に維持され、耐汚染性塗料の取り扱い性が向上する。
耐汚染性塗料は、アスペクト比が3〜100の範囲である無機充填材を含有する。これにより、被覆層の良好な耐汚染性が、長期間に亘って維持される。
本明細書において、無機充填材が繊維状フィラーである場合、そのアスペクト比は、平均繊維長を平均繊維径で割った値と定義される。繊維状フィラーの平均繊維長は、光学顕微鏡、電子顕微鏡等で繊維状フィラーの画像を取得し、この画像に現れる繊維状フィラーの繊維長を導出し、この繊維長の平均値を導出することで求められる。同様に、繊維状フィラーの平均径は、光学顕微鏡、電子顕微鏡等で繊維状フィラーの画像を取得し、この画像に現れる繊維状フィラーの径を導出し、この径の平均値を導出することで求められる。
本明細書において、無機充填材が板状フィラーである場合には、そのアスペクト比は、平均長径を平均厚みで割った値と定義される。板状フィラーの平均長径は、光学顕微鏡、電子顕微鏡等で板状フィラーの画像を取得し、この画像に現れる板状フィラーの長径を導出し、この長径の平均値を導出することで求められる。同様に、板状フィラーの平均厚みは、光学顕微鏡、電子顕微鏡等で板状フィラーの画像を取得し、この画像に現れる板状フィラーの厚みを導出し、この厚みの平均値を導出することで求められる。
このようなアスペクト比3〜100の無機充填材としては、特に制限されないが、チタン酸カリウム及びタルクから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
ここで、アスペクト比が3未満であると、被覆層の表面側に移行したフッ素化合物を無機充填材によって物理的に固定する作用が充分に発揮されず、このため被覆層の防汚性が十分に高くならない。また、アスペクト比が100よりも大きい無機充填材を入手することは困難である。また、アスペクト比が100よりも大きい無機充填材が用いられると、このような無機充填材は折れやすく、また、アスペクト比が100よりも大きい無機充填材が添加されると耐汚染性塗料の粘度が上がりすぎたり、被覆層の表面が粗くなりすぎたりするなどの問題が生じやすくなる。
また、耐汚染性塗料中のアスペクト比3〜100の無機充填材の量は、フッ素系化合物100質量部に対して100〜400質量部の範囲であることが好ましい。また、このアスペクト比3〜100の無機充填材の量は、シロキサン系樹脂100質量部に対して10〜50質量部の範囲であることが好ましい。この無機充填材の量が、フッ素系化合物100質量部に対して100質量部以上であり、またシロキサン系樹脂100質量部に対して10質量部以上であると、被覆層の表面側に移行したフッ素化合物を無機充填材によって物理的に固定する作用が充分に発揮される。また、この無機充填材の量が、フッ素系化合物100質量部に対して400質量部以下であり、またシロキサン系樹脂100質量部に対して50質量部以下であると、耐汚染性塗料の粘度の上昇が抑制されると共に、被覆層の表面の粗さの上昇が抑制される。
アスペクト比3〜100の無機充填材の粒子のサイズは特に制限されないが、この無機充填材が繊維状フィラーである場合にはその平均繊維径が0.2〜1.0μmの範囲、平均繊維長が10〜20μmの範囲であることが好ましい。また、この無機充填材が板状フィラーである場合にはその平均長径が3〜30μmの範囲、平均厚みが1〜3μmの範囲であることが好ましい。無機充填材の繊維長や板状の径が大きいと被覆層の表面粗度が大きくなりすぎるおそれがあるが、無機充填材の粒子のサイズが前記の好ましい範囲内であれば、被覆層の表面粗さの上昇が抑制される。また、無機充填材の粒子の繊維径や板状厚みが小さすぎる場合には、耐汚染性塗料のチクソ性が上がりすぎ、この耐汚染性塗料のハンドリングが悪くなるおそれがあるが、無機充填材の粒子のサイズが前記の好ましい範囲内であれば、耐汚染性塗料のチクソ性の上昇が抑制され、このため耐汚染性塗料のハンドリングが向上する。尚、無充填材の粒子のサイズは、無機充填材の粒子の画像を光学顕微鏡、電子顕微鏡等で取得し、この画像に基づいて測定される値の平均値である。
耐汚染性塗料は、上記アスペクト比が3〜100の範囲である無機充填材以外に、適宜、必要に応じて顔料、充填材等を含有してもよい。顔料としては、カーボンブラック、キナクリドン、ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリーン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、硫酸バリウム、ベンガラ、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化鉄赤、複合金属酸化物等の無機顔料が、挙げられる。特に被覆層の耐候性を向上させる観点からは、無機顔料が使用されることが好ましい。充填材としては、シリカ粉、硫酸バリウム等が挙げられる。顔料及び充填材の粒径は特に限定されないが、平均粒径で0.01〜4μm程度であることが好ましい。
耐汚染性塗料中の顔料及び充填材の含有量は、これらの種類により隠蔽性等の性能が異なるので、特に限定されないが、無機顔料の場合、耐汚染性塗料中の樹脂固形分100質量部に対して15〜150質量部の範囲であることが好ましい。顔料やフィラーの分散は通常の方法でおこなうことができ、またその際に分散剤、分散助剤、増粘剤、カップリング剤等を使用することが可能である。
このような耐汚染性塗料は、適宜の基材の塗装のために適用され得る。この耐汚染性塗料は、特に建築用外装材などの屋外で使用される基材の塗装に適用されることが好ましい。
耐汚染性塗料を基材上に塗布成膜することにより、基材上に被覆層が形成される。塗布方法としては、特に制限されないが、エアスプレー、カーテンコータ、ロールコータ、ハンドローラー、刷毛塗り等の手法が挙げられる。基材上に塗布された耐汚染性塗料は、適切な温度雰囲気下に曝露されることで硬化し、これにより被覆層が形成される。耐汚染性塗料を硬化させる際の温度条件は、常温でもよく、常温よりも高い温度でもよい。この温度条件は、成膜時に耐汚染性塗料の硬化が充分に進行すると共に被覆層の親水性が充分に向上するためには、25〜130℃の範囲であることが好ましい。被覆層の厚みは、特に制限されないが、レベリング性を向上する観点からは、2〜100μmの範囲であることが好ましい。
このようにして形成される被覆層は、形成された当初から優れた耐汚染性を発揮すると共に、この耐汚染性が長期間持続する。
このような被覆層の特性は、次に示す機序により生じると推察される。基材上に耐汚染性塗料が塗布されると、表面エネルギーの低いフルオロアルキル基の作用によってフッ素系化合物が耐汚染性塗料の表層に移動する。このフッ素系化合物の移動が、耐汚染性塗料中にフッ素系化合物の貧溶媒である溶剤が存在することによって、促進される。これにより、フッ素系化合物が、基材上の耐汚染性塗料の表層に著しく偏在する。この状態で耐汚染性塗料が硬化して被覆層が形成されることで、被覆層中のフッ素系化合物に由来する構造が、被覆層の表層に著しく偏在する。更に、耐汚染性塗料が硬化する過程において、フッ素系化合物に由来する構造がアスペクト比の大きい無機充填材に絡みつきやすくなり、このためフッ素系化合物に由来する構造が被覆層中で強固に固定される。このため、フッ素系化合物に由来するフルオロアルキル基により、或いは更にケイ素化合物等に由来する官能基により発揮される撥水性によって、被覆層が形成された当初から被覆層の表層に汚染物質が付着しにくくなると考えられる。更に、経時的に被覆層に汚染物が付着しやすくなっても、フッ素系化合物に由来するオキシエチレン基により発揮される親水性により、被覆層が降雨に曝される場合などに汚染物が容易に洗浄される。しかも、被覆層の表層ではフッ素系化合物に由来する構造が強固に固定されるため、前記のような被覆層の作用が長期間持続する。このため、被覆層が形成された当初から優れた被覆層が耐汚染性を発揮すると共に、この耐汚染性が長期間持続すると考えられる。
本実施形態による耐汚染性塗料は、適宜の用途に適用可能であるが、特に屋外に曝露される部材の塗装に適用されることが好ましい。この耐汚染性塗料の用途の好ましい一例としては、屋外に設置される建築板の塗装のために使用することが挙げられる。
本実施形態による耐汚染性塗料から形成される被覆層を備える建築板の例について、説明する。この建築板は、基材に耐汚染性塗料による塗装が施されることで得られる。基材の材質は特に制限されないが、例えばフレキシブルボード、珪酸カルシウム板、石膏スラグパーライト板、木片セメント板、プレキャストコンクリート板、ALC板、石膏ボード等の無機質板が、使用される。
基材上には、シーラーが設けられてもよい。シーラーは、基材の表面の目止めをしたり、基材への耐汚染塗料の付着性を向上したりするために、用いられる。シーラーとしては、溶剤系、水溶液系、エマルション系などの、適宜の組成物が使用されてよい。また、シーラーの樹脂系は、特に限定されず、例えばアクリル系、ラテックス系等であってよい。シーラー上には、意匠性や耐久性の向上のために、アクリル系やラテックス系の有機被覆層が形成されてもよい。
本実施形態による耐汚染塗料は無機充填材を含有するため、被覆層は、まったくの透明にはなりにくいが、薄く濁った外観を有するようになる。このため、被覆層の下層に淡彩色や濃色の単色あるいは多彩色の塗装を施したり、インク受容層の形成、インクジェット印刷、クリアーコート形成を順次施したりすることで、建築板に良好な意匠性を付与することが可能である。このように意匠性を付与した上に、耐汚染性塗料を塗布することで、耐久性の高いかつ汚れにくい塗装板を提供することが可能となる。
[シロキサン系樹脂の準備]
(シロキサン系樹脂1)
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備える反応容器に、コルコート株式会社製のメチルシリケートMS−51を100質量部、エチルアルコールを50質量部、蒸留水を19質量部、0.2%HCl水溶液を2質量部仕込み、この反応容器内で部分加水分解反応を進行させた。これにより、シロキサン系樹脂を含む樹脂混合液(樹脂固形分11質量%)を得た。
(シロキサン系樹脂2)
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシランを100質量部、テトラエトキシシランを20質量部、イソプロピルアルコールオルガノシリカゾル(触媒化学化成工業株式会社製、品番OSCAL1432、SiO2含有量30質量%)を150質量部、ジメチルジメトキシシランを40質量部、イソプロピルアルコールを100質量部、イオン交換水を200質量部仕込み、この反応容器を恒温槽により60℃に維持することで、重量平均分子量1200のシロキサン系樹脂を含む樹脂混合液(樹脂固形分25質量%)を得た。
(シロキサン系樹脂3)
攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー及び温度計を取り付けたフラスコ中に、イソプロピルアルコール分散コロイダルシリカゾル(日産化学工業株式会社製、品番IPA−ST、粒子径10〜20μm、固形分30質量%、H2O量0.5質量%)を100質量部、メチルトリメトキシシランを68質量部、ジメチルジメトキシシランを18質量部、水を2.7質量部仕込み、これらを攪拌しながら80℃の温度で3時間加熱することで、部分加水分解反応を進行させ、続いてこれらを冷却した。これにより、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液を得た。このオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液を室温で48時間放置した場合の固形分量は、36質量%であった。尚、この場合の加水分解性基1モルに対する水のモル数は0.1モル、シリカ分含有量は40.2質量%、3官能(n3=1)の加水分解性基含有オルガノシランのモル%は77モル%である。
また、攪拌機、加温ジャケット、コンデンサー、滴下ロート及び温度計を取り付けたフラスコに、水1000質量部、アセトン50質量部を仕込んだ。また、トルエン200質量部に、メチルトリクロロシランを59.7質量部(0.4モル%)、ジメチルジクロロシランを51.6質量部(0.4モル%)、フェニルトリクロロシランを42.3質量部(0.2モル%)加え、これにより得られた溶液をフラスコ内に滴下しながら、フラスコ内の液を攪拌した。これにより、フラスコ内で加水分解反応を進行させた。溶液を滴下してから40分間経過した時点で攪拌を止め、続いて、フラスコ内の液を分液ロートに移し入れて静置した。続いて、分液ロート内の2層に分離した液のうち、下層の液(塩酸水)を分液除去した。次に、上層の液(オルガノポリシロキサンのトルエン溶液)内に残存している水および塩酸を、減圧ストリッピングによって、過剰のトルエンと共に留去して除去した。これにより、重量平均分子量3000のシラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン60質量%溶液を得た。このオルガノポリシロキサンの平均組成は、上記一般式(3)において、R8中のフェニル基量が14%であり、且つd=1、e=3/5である場合に相当する。
このようにして得られたオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液を56質量部、シラノール基含有オルガノポリシロキサンのトルエン60質量%溶液を43質量部配合し、更に、硬化触媒としてN−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランを1質量部配合して、攪拌した。これにより、シロキサン系樹脂を含む樹脂混合液(樹脂固形分47質量%)を得た。
[フッ素系化合物の準備]
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えた耐圧密閉反応容器に、第一の単量体に相当するCH2=C(CH3)COOC24613を5質量部、第二の単量体に相当するCH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)2Hを32質量部、第三の単量体に相当するCH2=C(CH3)COO(CH23Si(OCH33を2質量部、HSCH2CH(OH)CH2OHを2質量部、2,2’−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル)を0.4質量部、1−メトキシ−2−プロパノールを58.6質量部仕込み、窒素パージを実施した後に、65℃で加熱しながら15時間反応させた。室温付近まで冷却した後、テトラエトキシシラン20部を混合し、フッ素系化合物を含む液を得た。このフッ素系化合物の数平均分子量は3690、重量平均分子量は9820であり、液中の固形分量は36質量%であった。尚、重量平均分子量は、GPC装置(昭和電工株式会社製Shodex GPC−104)を用いて測定した値である。
[実施例及び比較例]
各実施例及び比較例について、上述の通り準備されたシロキサン系樹脂及びフッ素系化合物を用いて、塗料を調製した。すなわち、下記表に示す成分を混合し、これらをよく攪拌することで、塗料を調製した。
尚、表1に示す無機充填材の詳細は、次の通りである。
・無機充填材1:チタン酸カリウム、大塚化学株式会社製、商品名ティスモN、平均径0.2μm、平均長20μm、アスペクト比100。
・無機充填材2:タルク、竹原化学工業株式会社製、商品名Pタルク、平均径10μm、平均厚み1μm、アスペクト比10。
・無機充填材3:タルク、竹原化学工業株式会社製、商品名ハイトロン、平均径3μm、平均厚み1μm、アスペクト比3。
・無機充填材4:ベーマイト、大明化学工業株式会社製、商品名ベーマイトC20、平均径2μm(立方体状)、アスペクト比1。
また、使用されている溶剤のうち、トルエン及びキシレンはフッ素系化合物に対する貧溶媒であり、イソプロパノールはフッ素系化合物に対する良溶媒である。
各実施例及び比較例で得られた塗料を、ガラス板上に、バーコータ#24を用いて塗布した。続いて、このガラス板上の塗料を30分室温で静置し、続いて、この塗料を電気式乾燥機で90℃で30分加熱した。これにより、ガラス板上に被覆層を形成した。
[評価]
塗装された各ガラス板について、下記項目を評価した。
(成膜性)
被覆層を目視で観察し、次の基準により評価した。
○:クラック及びハガレが認められない。
△:一部にクラック又はハガレが認められる。
×:全面にクラック又はハガレが認められる。
(親水性)
被覆層の表面上に霧吹きによって水を吹き付け、それから30秒経過した時点での、被覆層上の水に覆われている部分の総面積(濡れ面積)を測定し、その結果を、次の基準により評価した。
○:濡れ面積90%以上。
△:濡れ面積70%以上〜90%未満。
×:濡れ面積70%未満。
(耐候性試験後の親水性)
被覆層に、促進耐候試験機(スガ試験機 サンシャインウェザーメーター)を用いて促進耐候試験を500時間実施した。続いて、被覆層の表面上に霧吹きによって水を吹き付け、それから30秒経過した時点での、被覆層上の水に覆われている部分の総面積(濡れ面積)を測定し、その結果を、次の基準により評価した。
○:濡れ面積90%以上。
△:濡れ面積70%以上〜90%未満。
×:濡れ面積70%未満。
(防汚性)
被覆層を備えるガラス板を屋外に垂直に設置し、この状態で1か月間と6か月間放置した。続いて、被覆層を目視で観察し、次の基準により評価した。
○:雨筋汚れが認められない。
×:雨筋汚れが認められる。
Figure 2013124280

Claims (6)

  1. 次の成分を含有する耐汚染性塗料;
    シロキサン系樹脂;
    フルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(A)と、オキシエチレン基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(B)と、ケイ素アルコキシ基を有する(メタ)アクリレートから導かれる構成単位(C)とを有する重合体であるフッ素系化合物;
    アスペクト比が3〜100の範囲である無機充填材;及び
    前記フッ素系化合物に対する貧溶媒である溶剤。
  2. 前記無機充填材がチタン酸カリウムを含む請求項1に記載の耐汚染性塗料。
  3. 前記無機充填材がタルクを含む請求項1又は2に記載の耐汚染性塗料。
  4. 前記無機充填材全量の割合が、前記フッ素系化合物100質量部に対して100〜400質量部の範囲であり、且つ前記シロキサン系樹脂100質量部に対して10〜50質量部の範囲である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の耐汚染性塗料。
  5. 前記溶剤がトルエン及びキシレンから選ばれる少なくとも一種を含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の耐汚染性塗料。
  6. 基材と、この基材を覆う被覆層とを備え、前記被覆層が請求項1乃至5のいずれか一項に記載の耐汚染性塗料から形成されている建築板。
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