JPH1152103A - 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 - Google Patents

反射防止膜およびそれを配置した表示装置

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JPH1152103A
JPH1152103A JP9205094A JP20509497A JPH1152103A JP H1152103 A JPH1152103 A JP H1152103A JP 9205094 A JP9205094 A JP 9205094A JP 20509497 A JP20509497 A JP 20509497A JP H1152103 A JPH1152103 A JP H1152103A
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JP9205094A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Yasuda
知一 安田
Yoshihisa Tsukada
芳久 塚田
Junichi Yamanouchi
淳一 山之内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】広範な波長領域において一様に低い反射率(反
射率1%以下)を示し、同様に膜強度、耐熱性に優れ、
大量かつ大面積製造の適性のある反射防止膜を提供す
る。 【解決手段】(a)一般式R1 Si(OR2)3 (式中、
1 は炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素原子数1〜5
のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で
表されるオルガノシランの加水分解物および/またはそ
の部分縮合物、(b)一般式R1 2Si(OR2)2 (式
中、R1 およびR2は前記に同じ)で表されるジオルガ
ノシランの加水分解物および/またはその部分縮合物、
(c)末端あるいは側鎖に加水分解性基および/または
水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合体
中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂、
(d)平均粒子径が5〜200nmの含フッ素重合体微
粒子から形成された低屈折率層を有する反射防止膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置(L
CD)等の画像表示装置の表面の反射率低下に有効な反
射防止膜および反射防止膜を有する画像表示装置に関す
る。特に、量産性と高い膜強度を実現する反射防止膜お
よびそれを配置した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置の普及、大型化や野
外使用化に伴い、その使用条件下でのタフネス化、例え
ば、反射光耐性(視認性確保)、防汚性や耐熱性の向上
が求められている。表示装置の視認性向上は該装置の主
機能に関わる課題であり、当然その重要性も高く、活発
に視認性向上のための施策が検討されている。一般に視
認性を低下させるのは外光の表面反射による景色の写り
込みであり、これらに対する対処として最表面に反射防
止膜を設ける方法が一般的に行われる。しかしながら、
この反射防止膜はその機能発現のために最表面に設けら
れるため、必然的に反射防止膜の性能に対してタフネス
化の観点から多くの高品質化の課題が集中してくる。例
えば、極限までの反射率低下(反射率1%以下)、炎天
下や自動車室内のような高温環境下での諸性能の維持な
どである。
【0003】従来、可視光の波長域を全てカバーできる
性能を有する広波長域/低反射率の反射防止膜として
は、金属酸化物等の透明薄膜を積層させた多層膜が用い
られてきた。単層膜では単色光に対しては有効であるも
のの、ある程度の波長域を有する光に対しては有効に反
射防止できないのに対し、このような多層膜においては
積層数が多いほど広い波長領域で有効な反射防止膜とな
るためである。そのため、従来の反射防止膜には、物理
又は化学蒸着法等の手段によって金属酸化物等を3層以
上積層したものが用いられてきた。しかしながら、この
ような多層蒸着した反射防止膜は、予め最適に設計され
た各層の屈折率と膜厚との関係に従い、その膜厚を高精
度に制御した蒸着を何回も行う必要があり、非常に高コ
ストなものであり、かつ、広い面積の膜を得ることの非
常に困難な大量製造適性に乏しいものであった。
【0004】一方、上述のような多層膜による方法の他
に、空気との界面において屈折率が徐々に変化する様な
膜によって有効な反射防止効果を得る方法が従来知られ
ている。例えば、特開平2−245702号公報には、
ガラス基板とMgF2 の中間の屈折率を持つSiO2
微粒子とMgF2 超微粒子を混合してガラス基板に塗布
し、ガラス基板面から塗布膜面に向かって徐々にSiO
2 の混合比を減少させてMgF2 の混合比を増加させる
事により、塗布面とガラス基板との界面における屈折率
変化が緩やかとなり、反射防止効果が得られる事が記載
されている。
【0005】また、特開平5−13021号公報には、
エチルシリケート中に分散したMgF2 、SiO2 を有
する超微粒子を用いた二層からなる反射防止膜が開示さ
れている。例えば、第一層は、MgF2 /SiO2 が7
/3の層で、第二層は、MgF2 /SiO2 が1/1の
層で、第一層の屈折率が1.42そして第二層の屈折率
が1.44である。従って、屈折率変化は大きいとは言
えず、充分な反射防止効果は得られない。
【0006】また、特開平7−92305号公報には、
コア部とその周囲のシェル部からなる屈折率1.428
の超微粒子からなり、空気と微粒子とから形成された表
面が凹凸の上層部(低屈折率)と、微粒子のみから形成
された下層部とからなる反射防止膜が開示されている。
そして、上記超微粒子のコア部が、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸、トリフルオロエチルアクリレート、
N−イソブトキシメチルアクリルアミドから形成され、
シェル部がスチレン、アクリル酸、アクリル酸ブチルか
ら形成されている。
【0007】更に、特開平7−168006号公報に
は、空気と微粒子(例、MgF2 )とから形成された表
面が凹凸の上層部(低屈折率)、微粒子のみの中層部
(中屈折率)、及び微粒子とバインダーから形成された
下層部とからなる反射防止膜が開示されている。
【0008】しかしながら、前記の特開平2−2457
02号公報、特開平5−13021号公報、特開平7−
92305号公報及び特開平7−168006号公報に
記載の反射防止膜は、空気に対する屈折率が膜厚方向に
徐々に変化する原理を利用したものである。これらの反
射防止膜は、その作成に、煩雑な操作と、熟練した技術
が必要であり、また得られる膜も満足な反射防止効果が
得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広範
な波長領域において一様に低い反射率(反射率1%以
下)を示し、同時に膜強度、耐久性、耐熱性に優れた反
射防止膜を低コストで、また、大量かつ大面積製造の適
性のある方法で提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題は、 (イ)(a)一般式R1 Si(OR2)3 (式中、R1
炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素原子数1〜5のアル
キル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表され
るオルガノシランの加水分解物および/またはその部分
縮合物をオルガノシラン換算で100重量部、(b)一
般式R1 2Si(OR2)2 (式中、R1 およびR2 は前記
に同じ)で表されるジオルガノシランの加水分解物およ
び/またはその部分縮合物をジオルガノシラン換算で0
〜150重量部、(c)末端あるいは側鎖に加水分解性
基および/または水酸基と結合したケイ素原子を有する
シリル基を重合体中に少なくとも1個有するシリル基含
有ビニル系樹脂2〜300重量部、(d)平均粒子径が
5〜200nmの含フッ素重合体微粒子2〜300重量
部からなる組成物を塗設して形成された低屈折率層
(1)を有する反射防止膜により達成される。
【0011】好ましい態様として以下が挙げられる。 (ロ)該低屈折層の組成物に、(e)一般式R3 OH
(式中、R3 は同炭素数1〜6のアルキル基を示す)、
で表されるアルコールとR4 COCH2 COR5(式中、
4 は炭素数1〜6のアルキル基、R5 は炭素数1〜5
のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキシ基を示
す)で表されるジケトンを配位子とした、Zr、Ti、
Alから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種
の金属キレート化合物を0.01〜50重量部、(f)
有機溶媒、(g)一般式R4 COCH 2 COR5(式中、
4 およびR5 は前記に同じ)で表されるβ−ジケトン
類および/またはβ−ケトエステル類を(e)の金属キ
レート化合物1モルに対し2モル以上添加したこと特徴
とする前記(イ)に記載の反射防止膜。 (ハ)該低屈折率層(1)とそれに隣接して屈折率が
1.7以上である高屈折率層(2)からなることを特徴
とする前記(イ)または(2)に記載の反射防止膜。 (ニ)該高屈折率層(2)に隣接し、低屈折率層(1)
の反対側に層(3)を有し、更に層(4)を有するもの
であって、層(3)が層(4)の屈折率と高屈折率層
(2)の屈折率の中間の屈折率を有することを特徴とす
る前記(イ)ないし(ハ)に記載の反射防止膜。 (ホ)前記(イ)記載の低屈折率層(1)を有する反射
防止膜を配置したこと特徴とする表示装置。 (ヘ)前記(ロ)記載の低屈折率層(1)を有する反射
防止膜を配置したこと特徴とする表示装置。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の構成要件を詳細に説明す
る。 (a) 成分 (a) 成分は、一般式R1Si(OR2)3で表される(a′) オルガ
ノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物およ
び/または部分縮合物であり、本発明で得られる組成物
中においては結合剤としての働きをするものである。か
かる(a′) オルガノシラン中のR1 は、炭素数1〜8有
機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−ク
ロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロロプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリ
ルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェ
ニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基など
が挙げられる。また、(a′) オルガノシラン中のR
2 は、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4の
アシル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル
基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。
【0013】これらの(a′) オルガノシランの具体例と
しては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プ
ロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシ
シラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルト
リメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ランなどを挙げることができるが、好ましくはメチルト
リメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランであ
る。
【0014】これらの(a′) オルガノシランは、1種単
独で使用することも、または2種以上を併用することも
できる。また、前記(a′) オルガノシランのうち、80
モル%以上が、CH3Si(OR2)3 である場合が好ましい。な
お、(a) 成分の重量平均分子量は、好ましくは800 〜10
0,000 、さらに好ましくは1,000 〜50,000である。
【0015】(b) 成分 (b) 成分は、一般式R1 2Si(OR2)2 〔式中、R1 およびR
2 は前記(a) 成分に使用されるオルガノシランに使用さ
れるR1 およびR2 に同じ)で表される(b′)ジオルガ
ノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物およ
び/または部分縮合物であり、本発明で得られる組成物
中においては結合剤としての働きをするとともに、塗膜
を柔軟化し耐アルカリ性を向上させるものである。かか
る(b′)ジオルガノシラン中のR1 およびR2 は、前記
オルガノシランのR1 およびR2と同様である。
【0016】これらの(b′) ジオルガノシランの具体例
は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−
プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキ
シシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランな
どを挙げることができるが、好ましくはジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシランである。これら
の(b′) ジオルガノシランは、1種単独であるいは2種
以上を併用することができる。なお、(b) 成分は、(a)
成分との共縮合体として用いられ、この共縮合体の重量
平均分子量は好ましくは800 〜100,000 、さらに好まし
くは1,000 〜50,000である。(b) 成分の本発明の組成物
中における割合は、(a′) 成分100重量部に対して0
〜150重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに
好ましくは10〜60重量部であり、150重量部を超
えると得られる塗膜の密着性、硬化性が低下する。
【0017】(c) シリル基含有ビニル系樹脂 (c) シリル基含有ビニル系樹脂は、主鎖がビニル系重合
体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および/
または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を
重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上
含有するものであり、該シリル基の多くは、下記一般式
【0018】
【化1】
【0019】(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ
基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオ
アルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基および/ま
たは水酸基、R6 は水素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、または炭素数1〜10のアラルキル基、nは1〜
3の整数である)で表される。
【0020】(c) シリル基含有ビニル系樹脂は、(イ)
ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有するビニ
ル系樹脂と反応させることにより製造してもよく、また
(ロ)下記一般式
【0021】
【化2】
【0022】(ただし、X、R6 、nは前記に同じ、R
7 は重合性二重結合を有する有機基である)で表される
シラン化合物と、各種ビニル系化合物とを重合すること
により製造してもよく、その製造方法は限定されるもの
ではない。
【0023】ここで、前記(イ)で示される製造方法で
使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチル
ジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロル
シランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェ
ニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどの
アシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリ
アミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリア
ミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
【0024】また、(イ)で示される製造方法で使用さ
れるビニル系樹脂としては、水酸基を含むビニル系樹脂
を除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの
酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポ
キシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;
(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エ
チルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミ
ド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル系
化合物を共重合したビニル系樹脂が好ましい。
【0025】一方、(ロ)で示される製造方法で使用さ
れるシラン化合物としては、次のものが挙げられる。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】また、(ロ)で示される製造方法で使用さ
れるビニル系化合物としては、前記(イ)の製造方法で
ビニル系樹脂の重合時に用いられるビニル系化合物を使
用することが可能であるが、かかる(イ)の製造方法に
記載された以外に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロールア
クリルアミドなどの水酸基を含むビニル系化合物を挙げ
ることもできる。
【0029】以上のようなシリル基含有ビニル系樹脂の
具体的な例としては、例えば下記一般式
【0030】
【化5】
【0031】(式中、R8 は水素原子またはメチル基、
9 はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基
などの炭素数1〜6のアルキル基、R10はR8 と同様で
あり、R11はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基、R12
9 と同様であり、m/(1+m)=0.01〜0.
4、好ましくは0.02〜0.2である)で表されるト
リアルコキシシリル基含有アクリル重合体を挙げること
ができる。このシリル基含有ビニル系樹脂の数平均分子
量は、好ましくは2,000 〜100,000 、さらに好ましくは
4,000 〜50,000である。
【0032】以上のような本発明に使用される(c) シリ
ル基含有ビニル系樹脂の具体例としては、鐘淵化学工業
(株)製、カネカゼムラックなどが挙げられる。 (c) シリル基含有ビニル系樹脂の組成物中の割合は、
(a) 成分の原料である(a′) オルガノシラン100重量
部に対し、2〜300重量部、好ましくは5〜200重
量部、さらに好ましくは10〜100重量部であり、2
重量部未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性が低く、
一方300重量部を超えると得られる塗膜の耐候性の悪
化を招く。
【0033】(d)含フッ素重合体微粒子 本発明において用いられる(d)含フッ素重合体微粒子
の平均粒径は、5〜200nmの範囲が一般的で、5〜
100nmが好ましく、5〜50nmが特に好ましい。
このような微粒子は、例えば、ポリマーラテックスなど
の形態で容易に得られる。微粒子の粒径が増大すると膜
表面での散乱が増加し、200nmを超えると散乱光に
色付きが生じ、好ましくない。本発明の反射防止膜に使
用される含フッ素重合体微粒子としては、結晶性、非晶
性のいずれのものも用いることができる。これまで結晶
性を有する含フッ素重合体は光線透過率を低減させるた
めに光学材料の膜としては用いることができなかった
が、光の波長よりも充分に小さな粒径を有する微粒子を
用いることによって、結晶性を有するものであっても光
線透過率を低減すること無く反射防止膜として用いるこ
とができる。
【0034】本発明の含フッ素重合体微粒子を形成する
モノマー単位は粒子の構成モノマー群がフッ素原子を有
するモノマーを少なくとも一種含有していれば特に制限
はない。これらの含フッ素モノマーの具体例としては、
例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレ
ン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエ
ン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソールなど)、アクリルまたはメタクリル酸の部分及び
完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル
類(例えば下記一般式で表される化合物)、完全または
部分フッ素化ビニルエーテル類、完全または部分フッ素
化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケ
トン類等であり、これらの任意のモノマーを任意の比率
で組み合わせて共重合により目的のポリマーを得ること
ができる。
【0035】
【化6】
【0036】式中、R13は水素原子、炭素数1ないし3
のアルキル基またはハロゲン原子を表す。Rfは完全ま
たは部分フッ素化されたアルキル基、アルケニル基、ヘ
テロ環またはアリール基を表す。R14およびR15はそれ
ぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、ヘテ
ロ環、アリール基または上記Rfで定義される基を表
す。R13、R14、R15およびRfはそれぞれフッ素原子
以外の置換基を有していても良い。また、R14、R15
よびRfの任意の2つ以上の基が互いに結合して環構造
を形成しても良い。
【0037】
【化7】
【0038】式中、Aは完全または部分フッ素化された
n価の有機基を表す。R16は水素原子、炭素数1ないし
3のアルキル基またはハロゲン原子を表す。R16はフッ
素原子以外の置換基を有していても良い。nは2ないし
8の整数を表す。
【0039】以下に本発明の微粒子に好ましく用いられ
るモノマーの例を挙げるが、本発明はこれらの具体的構
造に限定されるものではない。
【0040】
【化8】
【0041】
【化9】
【0042】
【化10】
【0043】
【化11】
【0044】また、上記の含フッ素モノマーの他に粒子
の硬度、形状、表面特性、粒子径、粒度分布等を制御す
る目的でフッ素原子を含有しないモノマーを併用しても
良い。併用可能なモノマー単位には特に制限はなく、通
常のラジカル重合またはイオン重合法で共重合可能なも
のであれば、好適に用いることができる。この様なモノ
マーの好ましい例として、例えば、オレフィン類(エチ
レン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、
シクロペンタジエン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メ
チル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、ト
リメトキシビニルシランなど)、不飽和カルボン酸およ
びその塩類(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アン
モニウム、イタコン酸カリウムなど)、β−不飽和カル
ボン酸のエステル類(メチルアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
2−クロロエチルアクリレート、ベンジルアクリレー
ト、2−シアノエチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリ−レート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリセリ
ンモノメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、テトラヒドロフルフ
リルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレー
ト、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレー
ト(付加モル数=2ないし100のもの)、ω−ヒドロ
キシポリエチレングリコールメタクリレート(付加モル
数=2ないし100のもの)、ω−ヒドロキシポリプロ
ピレングリコールメタクリレート(付加モル数=2ない
し100のもの)、3−N,N−ジメチルアミノプロピ
ルメタクリレート、クロロ−3−N,N,N−トリメチ
ルアンモニオプロピルメタクリレート、2−カルボキシ
エチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレ
ート、4−オキシスルホブチルメタクリレート、マレイ
ン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノ
メチル、イタコン酸ジブチル、3−トリメトキシシリル
プロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−
イソシアナトエチルメタクリレートなど)、不飽和カル
ボン酸のアミド類(アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアク
リルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタク
リルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−
tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシ
ルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−
(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−
アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミ
ド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−
アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸など)、不
飽和ニトリル類(アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ルなど)、スチレン誘導体類(スチレン、ビニルトルエ
ン、p−tertブチルスチレン、ビニル安息香酸メチ
ル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、
ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p
−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスル
フィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレンな
ど)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、ブチ
ルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルな
ど)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、安息香酸びにる、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビ
ニルなど)、その他の重合性単量体(N−ビニルイミダ
ゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドンな
ど)などを挙げることができる。但し、これらのモノマ
ーは粒子の屈折率を上昇させない必要最小量を共重合し
て用いることが望ましい。
【0045】上記例中の親水基を有するモノマーを必要
量用いて粒子の表面エネルギーを調節することができ
る。親水基の種類は特に限定はなく、例えばカルボン酸
およびその塩、スルホン酸およびその塩、硫酸半エステ
ルおよび塩、水酸基、ポリオキシエチレン基などの構造
を有するモノマーが好ましい。
【0046】また、上記の単官能モノマーに加え、任意
の多官能モノマーを共重合することで粒子の硬度、溶剤
に対する膨潤を制御することができる。用いる多官能モ
ノマーには特に制限はなく市販、または合成の一分子中
に複数個の重合性不飽和基を有するものであればこれを
好適に使用できる。形成される低屈折層の屈折率低下の
観点から、この多官能モノマーを先に例示したフッ素原
子を含有する多官能モノマーから選択しても良い。該多
官能モノマーの具体例としては、例えばオレフィン類
(ブタジエン、ペンタジエン、1,4−ジビニルシクロ
ヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサンな
ど)、アクリル酸およびメタクリル酸のエステル類(エ
チレングリコールジアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
メタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレー
トなど)、スチレン誘導体(1,4−ジビニルベンゼ
ン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエス
テルなど)、ビニルスルホン類(ジビニルスルホンな
ど)、アクリルアミド類(メチレンビスアクリルアミ
ド、ジアクリロイルピペラジンなど)、メタクリルアミ
ド類(メチレンビスメタクリルアミド、ジメタクリロイ
ルピペラジンなど)などを挙げることができる。
【0047】含フッ素重合体微粒子がフッ素原子を多く
含有し素材の低屈折率化に貢献するコア部と、比較的フ
ッ素原子の含有量に乏しいシェル部からなるものでも良
い。こうすることで、シェル部は微粒子間または微粒子
とバインダーや下層との密着性の改善することができ
る。シェル部表面に、アクリロイル基、エポキシ基、イ
ソシアナート基等の官能基を有していることも好まし
い。
【0048】以下に、本発明で用いられる含フッ素重合
体微粒子の例を示す。本発明はこれら具体的構造に限定
されるものではない。( )内は重合体中の各モノマー
成分の重量%を示す。
【0049】FP−1 FM−1/メチルメタクリレート/ジビニルベンゼン
(75/15/10)の共重合体。平均粒子径=43n
m。 FP−2 FM−3/FM−5/2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート/ジビニルベンゼン(60/10/5/20)の共
重合体。平均粒子径=38nm。 FP−3 FM−4/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ジビ
ニルベンゼン(75/5/20)の共重合体。平均粒子
径=72nm。 FP−4 FM−7/グリシジルメタクリレート/エチレングリコ
ールジメタクリレート(70/10/20)の共重合
体。平均粒子径=88nm。 FP−5 FM−9/アクリル酸/トリビニルシクロヘキサン(7
5/5/20)の共重合体。平均粒子径=69nm。 FP−6 FM−12/メチルメタクリレート/グリシジルアクリ
レート/トリビニルシクロヘキサン(75/5/20)
の共重合体。平均粒子径=69nm。 FP−7 テトラフルオロエチレン/FM−4(75/25)の共
重合体。平均粒子径=120nm。 FP−8 FM−4/メチルメタクリレート/3−トリメトキシシ
リルプロピルメタクロレート/ジビニルベンゼン(70
/10/5/15)の共重合体。平均粒子径=63n
m。
【0050】FP−9 FM−4/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ジビ
ニルベンゼン(80/5/15)の共重合体。平均粒子
径=55nm。 FP−10 FM−4/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/FM
−24(80/5/15)の共重合体。平均粒子径=4
8nm。 FP−11 FM−8/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/FM
−24(80/5/15)の共重合体。平均粒子径=4
8nm。 FP−12 FM−24/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(9
5/5)の共重合体。平均粒子径=79nm。 FP−13 FM−7/FM−26(80/20)の共重合体。平均
粒子径=66nm。 FP−14 FM−4/ポリエチレングリコール(平均付加モル数
8)モノメタクリレート/ジビニルベンゼン(75/5
/20)の共重合体。平均粒子径=62nm。 FP−15 FM−4/ポリプロピレングリコール(平均付加モル数
12)モノメタクリレート/ジビニルベンゼン(75/
5/20)の共重合体。平均粒子径=102nm。 FP−16 FM−10/FM−26/ω−メトキシポリエチレング
リコール(平均付加モル数23)モノメタクリレート
(70/20/10)の共重合体。平均粒子径=86n
m。 FP−17 FM−4/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタ
クリル酸ナトリウム/ジビニルベンゼン(72/4/4
/20)の共重合体。平均粒子径=72nm。
【0051】含フッ素重合体微粒子の屈折率は、フッ素
原子の含有量に比例してほぼ直線的に低下する。従っ
て、本発明の低屈折率層の屈折率は膜のフッ素原子の含
有量の増加と共に低下する。低屈折率層の屈折率を充分
に低くするためには、含フッ素重合体微粒子は、一般に
0.30重量分率以上、好ましくは、0.30〜0.7
5重量分率、特に好ましくは0.35〜0.75重量分
率のフッ素原子を含むものである。
【0052】(e)金属キレート化合物 本発明の(e)金属キレート化合物は、一般式R3 OH
(式中、R3 は同炭素数1〜6のアルキル基を示す)、
で表されるアルコールとR4 COCH2 COR 5 (式
中、R4 は炭素数1〜6のアルキル基、R5 は炭素数1
〜5のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキシ基
を示す)で表されるジケトンを配位子とした、Zr、T
i、Alから選ばれる金属を中心金属とするものであれ
ば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇で
あれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良
い。
【0053】本発明の(e) 金属キレート化合物は、一般
式 Zr(OR3)p1(R4COCHCOR5)p2、Ti(OR3) q1(R4COCHCOR5)
q2および Al(OR3)r1(R4COCHCOR5)r2で表される化合物の
群れから選ばれるものが好ましい。前記(a) 〜(b) 成分
と(c) シリル基含有ビニル系樹脂との縮合反応を促進
し、(a) 〜(b) 成分と(c) 成分との共重合体を形成する
作用をなすものと考えられる。
【0054】(e) 金属キレート化合物中のR3 およびR
4 は、同一または異なり炭素数1〜6のアルキル基、具
体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、sec −ブチル基、t−ブチル基、n−ペ
ンチル基、フェニル基などである。また、R5 は、前記
と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜
16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル基、
ステアリル基などである。また、(e) 金属キレート化合
物中のp1 〜r2は4あるいは6座配位となる様に決定
される整数を示す。
【0055】これらの(e) 金属キレート化合物の具体例
としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテート
ジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトア
セテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プ
ロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジル
コニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ
・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチ
タニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセ
トアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチル
アセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチ
ルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビ
ス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エ
チルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチ
ルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナ
ート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムな
どのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。こ
れらの(e) 金属キレート化合物のうち好ましいものは、
トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウ
ム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チ
タニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウムである。これらの(e) 金属キレート化合物は、1
種単独であるいは2種以上混合して使用することができ
る。また、(e) 成分としては、これらの金属キレート化
合物の部分加水分解物を使用することもできる。
【0056】(e) 金属キレート化合物の組成物中の割合
は、(a) 成分の原料である(a′) オルガノシラン100
重量部に対し、0.01〜50重量部、好ましくは0.
1〜50重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部
であり、0.01重量部未満では、(a) 〜(b) 成分と
(c) 成分との共重合体の作成が不充分であり、塗膜の耐
候性が悪化し、一方50重量部を超えると、組成物の保
存安定性が悪化し、また得られる塗膜にクラックが発生
する場合があり好ましくない。
【0057】(f) 有機溶媒 (f) 有機溶媒は主として(a) 〜(e) 成分を均一に混合さ
せ、本発明の組成物の固形分を調整すると同時に、種々
の塗装方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性
および保存安定性を向上させるものである。この(f) 有
機溶媒としては(a) 〜(e) 成分を均一に混合させるもの
であれば特に限定されないが、例えばアルコール類、芳
香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類な
とが好適である。
【0058】このうち、アルコール類としては、例えば
1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることがで
き、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽
和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類
の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエ
ーテルなどを挙げることができる。
【0059】また、芳香族炭化水素類の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
ど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げ
ることができる。これらの(f) 有機溶媒は、1種単独で
あるいは2種以上を混合して使用することもできる。
(f) 有機溶媒の組成物中の割合は特に限定されるもので
はなく、全固形分濃度を使用目的に応じて調節する量が
用いられる。
【0060】(g) 成分 本発明で使用される(g) 成分は、一般式R4COCH2COR5
表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステ
ル類であり、本発明の組成物の安定性向上剤として作用
するものである。すなわち、前記(a) 〜(f) 成分を主成
分とする組成物中に存在する(e) 金属キレート化合物
(ジルコニウム、チタニウムおよび/またはアルミニウ
ム化合物)中の金属原子に配位することにより、これら
の金属キレート化合物による(a) 〜(b) 成分および/ま
たは(c) 成分の縮合反応を促進する作用を抑制し、得ら
れる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと
考えられる。(g) 成分を構成するR4 およびR5 は、前
記(e) 金属キレート化合物を構成するR4 およびR5
同様である。
【0061】この(g) β−ジケトン類および/またはβ
−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセト
ン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸
−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢
酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸
−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘ
プタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−
オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチ
ル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これ
らのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが
好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらの
β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、
1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもで
きる。かかる(g) β−ジケトン類および/またはβ−ケ
トエステル類は、(e) 金属キレート化合物1モルに対し
2モル以上、好ましくは3〜20モルであり、2モル未
満では得られる組成物の保存安定性に劣るものとなる。
【0062】なお、本発明の好ましい組成物は、前記
(a) 〜(g) 成分を主成分とするが、通常、(a) 〜(f) 成
分を含有する組成物を調製する際に(a) 成分を構成する
(a′)オルガノシランおよび/または(b) 成分を構成す
る(b′) ジオルガノシランの加水分解・縮合用として
(h) 水が添加される。(h) 水の使用量は、(a′) オルガ
ノシラン1モルに対し、通常、1.2〜3.0モル、好
ましくは1.3〜2.0モル、また(b′) ジオルガノシ
ラン1モルに対し、通常、0.8〜2.0モル、好まし
くは0.9〜1.5モル程度である。
【0063】本発明の好ましい組成物は、前記(a) 〜
(g) 成分を含有してなるが、その全固形分濃度は、好ま
しくは50重量%以下であり、使用目的に応じてその全
固形分濃度を適宜調整して用いられる。薄膜形成基材へ
の含浸を目的とするときには、通常、全固形分濃度は5
〜30重量%である。また、厚膜形成や、後述の(i) 充
填材を分散させる目的で使用するときは、通常、全固形
分濃度は20〜50重量%、好ましくは25〜40重量
%であり、50重量%を超えると、組成物の保存安定性
が悪化して好ましくない。
【0064】なお、本発明の組成物には、得られる塗膜
の硬度向上を目的としてコロイド状シリカを添加するこ
とも可能である。このコロイド状シリカとしては、水分
散コロイド状シリカ、メタノールもしくはイソプロピル
アルコールなどの有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げ
ることができる。
【0065】また、本発明の組成物には、得られる塗膜
の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付
与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、
(i) 充填材を添加・分散させることも可能である。この
(i) 充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの
非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしく
は鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水
酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。こ
の(i) 充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしく
は鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜
鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二
酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロ
ム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コ
バルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化
鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケ
イソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベント
ナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジ
アン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑
上、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピ
グメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブ
ルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、
マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸
化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム
黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン
黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウ
ム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛
白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポ
ン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛
華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、
黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミッ
ク黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二流化
モリブデンなどを挙げることができる。
【0066】これらの(i) 充填材の平均粒径または平均
長さは、通常、5〜200nm、好ましくは5〜100nm
である。(i) 成分の組成物中の割合は、(a) 〜(g) 成分
の全固形分100重量部に対し、10〜300重量部程
度である。また、本発明の組成物をより速く硬化させる
にあたっては、硬化条件により硬化促進剤を使用しても
よく、比較的低い温度で硬化させるためには、硬化促進
剤を併用する方が効果的である。
【0067】かかる硬化促進剤としては、ナフテン酸、
オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などの
アルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p
−トルエンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エ
チレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミ
ン、エタノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのア
ミン系化合物、(C4H9)2Sn(OCOC11H23)2 、(C4H9)2Sn(OC
OCH=CHCOOCH3)2、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2 、(C8H
17)2Sn(OCOC11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2
(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHC
OOC8H17)2 、Sn(OCOCC8H17)2などのカルボン酸型有機ス
ズ化合物;(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C4H9)2Sn(SCH2
COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C8H17)2Sn
(SCH2CH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C
8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2
【0068】
【化12】
【0069】などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0070】
【化13】
【0071】などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0072】(C4H9)2SnO、(C8H17)2SnO 、または(C4H9)
2SnO、(C8H17)2SnO などの有機スズオキサイドとエチル
シリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチ
ル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応
生成物などの有機スズ化合物などが使用される。これら
の硬化促進剤の組成物中における割合は、本発明の組成
物の固形分100重量部に対して、通常、0.1〜15
重量部、好ましくは0.5〜10重量部用いられる。
【0073】なお、本発明の組成物には、そのほかオル
トギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシラ
ンなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分
散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加するこ
ともできる。
【0074】さらに、本発明の組成物中には、前記(f)
有機溶媒以外の有機溶剤を含有させることができ、かか
る有機溶剤としては、前記(a) 〜(e) 成分を混合した際
に、沈澱を生起しない溶剤であればどのようなものでも
よく、一般の塗料、コーティング剤などに用いられる脂
肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水
素類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ケトンエー
テル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類などを
挙げることができ、この具体例としては例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミルなどである。
これらの有機溶剤は、本発明の組成物100重量部に対
し、通常、100重量部以下程度使用される。
【0075】本発明の組成物を調製するに際しては、ま
ず前記(a) 〜(f) 成分を含有する組成物を調製し、これ
に(g) 成分を添加する方法であれば如何なる方法でもよ
いが、例えば下記〜の調製方法が好ましい。 (a)成分を構成する(a′) オルガノシラン、(b) 成分
を構成する(b′) ジオルガノシラン、(c) シリル基含有
ビニル系樹脂、(e) 金属キレート化合物および(f) 有機
溶媒からなる溶液に、(a′) オルガノシラン1モルに対
し1.2〜3モルの水、(b′) ジオルガノシラン1モル
に対して0.8〜2モルの水を加えて加水分解・縮合反
応を行い、(a) 〜(f) 成分からなる組成物を形成させた
のち、(g) β−ジケトン類および/またはβ−ケトエス
テル類を添加する方法。
【0076】 (a)成分を構成する(a′) オルガノシラ
ン、(b) 成分を構成する(b′) ジオルガノシランおよび
(e) 有機溶媒からなる溶液に、(a′) オルガノシラン1
モルに対し1.2〜3モルの水、(b′) ジオルガノシラ
ン1モルに対して0.8〜2モルの水を加えて加水分解
・縮合反応を行い、次いで(c) シリル基含有ビニル系樹
脂、(e) 金属キレート化合物を加えて混合し、さらに縮
合反応を行い、(a) 〜(f) 成分からなる組成物を形成し
たのち、(g) 成分を添加する方法。 (a ′) オルガノシラン、(b′) ジオルガノシラン、
(e) 金属キレート化合物、(f) 有機溶媒からなる溶液
に、(a′) オルガノシラン1モルに対し1.2〜3モル
の水、(b′) ジオルガノシラン1モルに対して0.8〜
2モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで
(c) シリル基含有ビニル系樹脂を加えて混合し、さらに
縮合反応を行い、(a) 〜(f) 成分からなる組成物を形成
したのち、(g) 成分を添加する方法。
【0077】本発明の反射防止膜は、上記の組成物を塗
設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも高い屈
折率を有する高屈折率層(2) の上に形成され、2層以上
の層より構成されることが好ましい。低屈折率層に隣接
する高屈折率層の屈折率として、1.7以上が好まし
く、特に1.75以上が好ましい。また、これらの層が
支持体、好ましくは透明フィルム上に塗設されているこ
とが好ましい。
【0078】また、本発明の反射防止膜は、上記の組成
物を塗設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも
高い屈折率を有する高屈折率層(2) の上に形成され、高
屈折率層(2) に隣接し、低屈折率層(1) の反対側に中屈
折率層(3) が、さらに層(4)(支持体下塗など)の屈折
率と高屈折率層の屈折率の中間の屈折率を有する中屈折
率層の上に高屈折率層が形成された4層より構成される
ことが特に好ましい。低屈折率層に隣接する高屈折率層
の屈折率として、1.7以上が好ましく、特に1.75
以上が好ましい。また、これらの層が支持体、好ましく
は透明フィルム上に塗設されていることが好ましい。
【0079】本発明の反射防止膜の代表例を図1に示
す。高屈折率層12が透明フィルム(支持体)13上に
形成され、さらに低屈折率層11が高屈折率層12上に
形成されている。反射防止膜を構成する層数の増加は、
通常反射防止膜が適用可能な光の波長範囲を拡大する。
これは、金属化合物を用いる従来の多層膜の形成原理に
基づくものである。
【0080】上記二層を有する反射防止膜では、高屈折
率層22及び低屈折率層21がそれぞれ下記の条件
(1)及び(2)を一般に満足する。 mλ/4×0.7<n1 1 <mλ/4×1.3 (1) nλ/4×0.7<n2 2 <nλ/4×1.3 (2) 上記式に於て、mは正の整数(一般に、1、2又は3)
を表わし、n1 は高屈折率層の屈折率を表わし、d1
高屈折率層の層厚(nm)を表わし、nは正の奇数(一
般に、1)を表わし、n2 は低屈折率層の屈折率を表わ
し、そしてd2は低屈折率層の層厚(nm)を表わす。
高屈折率層の屈折率n1 は、一般に透明フィルムより少
なくとも0.05高く、そして、低屈折率層の屈折率n
2 は、一般に高屈折率層の屈折率より少なくとも0.1
低くかつ透明フィルムより少なくとも0.05低い。更
に、高屈折率層の屈折率n1 は、一般に1.7〜2.2
の範囲にある。
【0081】上記条件(1)及び(2)は、従来から良
く知られた条件であり、例えば、特開昭59−5040
1号公報に記載されている。
【0082】本発明の反射防止膜の他の代表例を図2に
示す。中屈折率層22が透明フィルム(支持体)23上
に形成され、高屈折率層24が中屈折率層22上に形成
され、さらに低屈折率層21が高屈折率層24上に形成
されている。中屈折率層22の屈折率は、高屈折率層2
4と低屈折率層21との間の値を有する。図2の反射防
止膜は、図1の反射防止膜に比較して、更に適用可能な
光の波長領域が拡がっている。
【0083】上記三層を有する反射防止膜では、中、高
及び低屈折率層がそれぞれ下記の条件(3)〜(5)を
一般に満足する。 hλ/4×0.7<n3 3 <hλ/4×1.3 (3) kλ/4×0.7<n4 4 <kλ/4×1.3 (4) jλ/4×0.7<n5 5 <jλ/4×1.3 (5) 上記式に於て、hは正の整数(一般に、1、2又は3)
を表わし、n3 は中屈折率層の屈折率を表わし、d3
中屈折率層の層厚(nm)を表わし、kは正の整数(一
般に、1、2又は3)を表わし、n4 は高屈折率層の屈
折率を表わし、d4 は高屈折率層の層厚(nm)を表わ
し、jは正の奇数(一般に、1)を表わし、n5 は低屈
折率層の屈折率を表わし、そしてd5 は低屈折率層の層
厚(nm)を表わす。中屈折率層の屈折率n3 は、一般
に1.5〜1.7の範囲にあり、高屈折率層の屈折率n
4 は、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
【0084】本発明の反射防止膜は、一般に、支持体と
その上に設けられた低屈折率層からなる。支持体は通
常、透明フィルムである。透明フィルムを形成する材料
としては、セルロース誘導体(例、ジアセチルセルロー
ス、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニル
セルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニ
ルセルロース及びニトロセルロース)、ポリアミド、ポ
リカーボネート(例、米国特許番号3023101号に
記載のもの)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエ
タン−4,4’−ジカルボキシレート及び特公昭48−
40414号公報に記載のポリエステル)、ポリスチレ
ン、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン及びポリメチルペンテン)、ポリメチルメタクリレー
ト、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエー
テルイミド及びポリオキシエチレンを挙げることができ
る。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート及びポ
リエチレンテレフタレートが好ましい。透明フィルムの
屈折率は1.40〜1.60が好ましい。
【0085】本発明の反射防止膜が、多層膜である場
合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率
を有する少なくとも一層の層(即ち、前記の高屈折率
層、中屈折率層)と共に用いられる。上記より高い屈折
率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可
塑性樹脂(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、
ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素
環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外
のハロゲン基を有するポリマー);熱硬化性樹脂組成物
(例、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ないしエポキシ
樹脂などを硬化剤とする樹脂組成物);ウレタン形成性
組成物(例、脂環式ないしは芳香族イソシアネートおよ
びポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組
成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入す
ることにより、ラジカル硬化を可能にした変性樹脂また
はプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができ
る。高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。上記より
高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系
微粒子も使用することができる。上記に使用される有機
材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有する
ため有機材料単独で用いられる場合よりも低屈折率もの
も用いることができる。そのような材料例として、上記
に述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重
合体、ポリエステル、アルキド樹脂、繊維素系重合体、
ウレタン樹脂およびこれらを硬化せしめる各種の硬化
剤、硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無
機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げ
ることができる。
【0086】さらに有機置換されたケイ素系化合物をこ
れに含めることができる。これらのケイ素系化合物は一
般式:
【0087】R51 x 52 y SiZ(4-x-y) (ここでR51及びR52は、それぞれアルキル基、アルケ
ニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミ
ノ、メルカプト、メタクリロイルないしシアノで置換さ
れた炭化水素基を表わし、Zは、アルコキシル基、アル
コキシアルコキシル基、ハロゲン原子ないしアシルオキ
シ基から選ばれた加水分解可能な基を表わし、x+yが
1または2である条件下で、x及びyはそれぞれ0、1
または2である。)で表わされる化合物ないしはその加
水分解生成物である。
【0088】これらに分散される無機系微粒子の好まし
い無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジ
ルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げ
ることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち
粉末ないしは水および/またはその他の溶媒中へのコロ
イド状分散体として、市販されている。これらをさらに
上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散し
て使用する。
【0089】上記より高い屈折率を有する層を形成する
材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自
身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシ
ド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物
(例、キレート化合物)、活性無機ポリマー)を挙げる
ことができる。これらの好適な例としては、チタンテト
ラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタ
ンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブト
キシド、チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテト
ラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、
アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムト
リブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモン
トリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジル
コニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテト
ラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブト
キシド、ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド及びジ
ルコニウムテトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコ
レート化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニ
ウム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニ
ウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、
アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトア
セテート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエ
チルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには
炭酸ジルコニールアンモニウムあるいはジルコニウムを
主成分とする活性無機ポリマーなどを挙げることができ
る。上記に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化
合物と併用できるものとしてとくに各種のアルキルシリ
ケート類もしくはその加水分解物、微粒子状シリカとく
にコロイド状に分散したシリカゲルも使用することがで
きる。
【0090】本発明の反射防止膜は、表面にアンチグレ
ア機能(即ち、入射光を表面で散乱させて膜周囲の景色
が膜表面に移るのを防止する機能)を有するように処理
することができる。例えば、このような機能を有する反
射防止膜は、透明フィルムの表面に微細な凹凸を形成
し、そしてその表面に反射防止膜(例、低屈折率層等)
を形成することにより得られる。上記微細な凹凸の形成
は、例えば、無機又は有機の微粒子を含む層を透明フィ
ルム表面に形成することにより行なわれる。50nm〜
2μmの粒径を有する微粒子を低屈折率層形成用塗布液
に、0.1〜50重量%の量で導入し、反射防止膜の最
上層に凹凸を形成しても良い。アンチグレア機能を有す
る(即ち、アンチグレア処理された)反射防止膜は、一
般に、3〜30%のヘイズを有する。
【0091】本発明の反射防止膜(アンチグレア機能を
有する反射防止膜が好ましい)は、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置
(CRT)等の画像表示装置に組み込むことができる。
このような反射防止膜を有する画像表示装置は、入射光
の反射が防止され、視認性が格段に向上する。本発明の
反射防止膜を備えた液晶表示装置(LCD)は、たとえ
ば、下記の構成を有する。透明電極を有する一対の基板
とその間に封入されたネマチック液晶からなる液晶セ
ル、及び液晶セルの両側に配置された偏光板からなる液
晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が表面に
本発明の反射防止膜を備えている液晶表示装置。
【0092】本発明の組成物を、カーテンフローコー
ト、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の
塗布法によって、透明フィルムあるいは高または中屈折
率層等に塗布し、常温での乾燥、あるいは30〜200
℃程度の温度で10分〜100時間程度加熱することに
より、低屈折率層は形成される。
【0093】本発明においては、中間層としてハードコ
ート層、防湿防止層、帯電防止層等を、透明フィルム上
に設けることもできる。ハードコート層としては、アク
リル系、ウレタン系、エポキシ系のポリマー及び/又は
オリゴマー及びモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)の他
に、シリカ系の材料も使用することができる。
【0094】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準で
ある。
【0095】(1) 素材の合成 (1)-1 シリル基含有ビニル系樹脂の調製 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート90部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、キシ
レン130部を加え混合したのち、攪拌しながら80℃
に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4
部をキシレン10部に溶解したものを30分間かけて滴
下し、さらに80℃で5時間反応させて固形分濃度50
%のシリル基含有ビニル系樹脂溶液(イ)を得た。この
シリル基含有ビニル系樹脂のゲルバーミエーションクロ
マトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量は
12,000であり、ポリマー1分子あたり平均6個の
シリル基を含有していることが推定された。 (1)-2 含フッ素重合体微粒子の合成 1)FP-3の合成 冷却管と攪拌装置を取り付けた2リットル三ツ口フラスコに
ドデシル硫酸ナトリウム20gを蒸留水1350mlに溶
解した溶液を入れ、次いでメタクリル酸ヘキサフルオロ
イソプロピルエステル150g(0.63モル)、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル10g(0.076モ
ル)とジビニルベンゼン40g(0.31モル)の混合
溶液を加え、窒素気流下で200rpm の速度で攪拌し
た。この反応容器を75℃に加熱し、8%過硫酸ナトリ
ウム水溶液40mlを添加して2時間重合させた。更に、
8%過硫酸ナトリウム水溶液40mlを加えて2時間重合
した。この反応液を室温まで冷却し、分画分子量1万の
セルロース膜を用いて透析し、過剰な界面活性剤や無機
塩類を除去した後、濾過にて不溶分を除去して微乳濁白
色の水溶液2020gを得た。この溶液は不揮発分9.
9重量%を含む平均粒子径72nmの微細ラテックス液で
あった。粒子サイズはコールター社粒子測定装置N4を
用いて動的光散乱法により評価した。
【0096】(2) 低屈折率層組成物の調製 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、(a′) メチルトリ
メトキシシラン100部、(b′) ジメチルジメトキシシ
ラン50部、(c) カネカゼムラック〔鐘淵化学工業
(株)製、固形分含量50%〕、(e) ジイソプロポキシ
アルミニウムエチルアセトアセテート20部(0.07
モル当量)、(f) i−プロパノール40部を加え混合し
たのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反
応させたのち、室温まで冷却し、(g) アセチルアセトン
20部(0.2モル当量)を添加し、低屈折率層組成物
Aを得た。同様の反応器を用い、表1に示す組成物B〜
F、X〜Zを得た。得られた反応液に(d) 表1に記載の
含フッ素重合体微粒子液(固形分含量5%)を加えて低
屈折率層塗布組成物とした。
【0097】
【表1】
【0098】(3) 第1層(ハードコート層)の塗設 25重量部のジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサア
クリレート(商品名:DPHA、日本化薬(株)製)、
25重量部のウレタンアクリレートオリゴマー(商品
名:UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)、
2重量部の光重合開始剤(商品名:イルガキュアー90
7、チバ−ガイギー社製)及び0.5重量部の増感剤
(商品名:カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)
を50重量部のメチルエチルケトンに溶解した塗布液
を、90μm の厚みを有するTACフィルム上にワイヤ
ーバーを用いて塗布し、次いで塗布膜に紫外線照射して
ハードコート層(屈折率:1.53、層厚:5μm )を
形成した。
【0099】(4) 第2層(中屈折率層)の塗設 TiO2 の微分散液とバインダーとしてポリメチルメタ
クリレート(屈折率:1.48)を含む塗布液(固形
分:2重量%、TiO2 /バインダー=22/78、重
量比)を、ハードコート層の上にワイヤーバーを用いて
塗布し、100℃で乾燥して、中屈折率層(屈折率:
1.62、層厚:78nm)を形成した。 (5) 第3層(高屈折率層)の塗設 TiO2 の微分散液と上記バインダーを含む塗布液(固
形分:2重量%、TiO2 /バインダー=68/32、
重量比)を、中屈折率層の上にワイヤーバーを用いて塗
布し、100℃で乾燥して、高屈折率層(屈折率:2.
00、層厚:127nm)を形成した。
【0100】(6) 第4層(低屈折率層)の塗設 上記の表1の組成物を高屈折率層の上にワイヤーバーを
用いて塗布し、100℃1時間乾燥して低屈折率層(層
厚:93nm)を形成した。得られた低屈折率層の屈折率
は表1に記載した。
【0101】(7) 塗設フィルムの性能評価 こうして得られた第1〜4層を塗設したフィルムについ
て、表面反射率(光波長400〜800nmの平均反射
率)および膜表面強度の測定を実施した。膜表面強度
は、指先、ティッシュ、消しゴム、爪先でそれぞれこす
り、目視観察し、指先こすりで傷付くものを0、ティッ
シュでこすりで傷付くものを1、消しゴムこすりで傷付
くものを2、爪先こすりで傷付くものを3、どの方法で
も傷が認められないものを4とした。結果を表2に示し
た。
【0102】
【表2】
【0103】本実施例から明らかなように、本発明の反
射防止膜は非常に低い表面反射率と広い波長領域を有
し、かつ十分に強靱な膜強度を有していることがわか
る。一方、比較例では表面反射率あるいは膜強度が不十
分であった。
【0104】(8) (反射防止フィルムを設置した表示装
置の作成) 上記実施例で作成した実施例1〜6、比較例1の反射防
止フィルムを日本電気株式会社より入手したパーソナル
コンピューターPC9821NS/340Wの液晶ディ
スプレイ表面に貼り付け、表面装置サンプルを作成し、
その表面反射による風景映り込み程度を目視にて評価し
た。本発明の実施例1〜6の反射防止フィルムを設置し
た表示装置は周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視
認性を示したのに対し、比較例1のフィルムを設置した
表示装置は周囲の映り込みが多く、視認性が劣るもので
あった。
【0105】
【発明の効果】本発明では、有機ポリマーとアルコキシ
シランの縮重合反応により得られた組成物により低屈折
率層を作成し、さらにその直下層の屈折率を1.7以上
とすることにより、良好な光学特性、膜強度に優れた、
安価で面積の大きい反射防止膜を製造適性を有した形で
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜の代表的な一例の断面図を
示す。
【図2】本発明の反射防止膜の代表的な別の一例の断面
図を示す。
【符号の説明】
11、21:低屈折率層 12、24:高屈折率層 22:中屈折率層 13、23:透明フィルム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一般式R1 Si(OR2)3 (式
    中、R1 は炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素原子数1
    〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示
    す)で表されるオルガノシランの加水分解物および/ま
    たはその部分縮合物をオルガノシラン換算で100重量
    部、(b)一般式R1 2Si(OR2)2 (式中、R1 およ
    びR2 は前記に同じ)で表されるジオルガノシランの加
    水分解物および/またはその部分縮合物をジオルガノシ
    ラン換算で0〜150重量部、(c)末端あるいは側鎖
    に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素
    原子を有するシリル基を重合体中に少なくとも1個有す
    るシリル基含有ビニル系樹脂2〜300重量部、(d)
    平均粒子径が5〜200nmの含フッ素重合体微粒子2
    〜300重量部からなる組成物を塗設して形成された低
    屈折率層(1)を有することを特徴とする反射防止膜。
  2. 【請求項2】 該低屈折層の組成物に、(e)一般式R
    3 OH(式中、R3は同炭素数1〜6のアルキル基を示
    す)、で表されるアルコールとR4 COCH 2 COR5
    (式中、R4 は炭素数1〜6のアルキル基、R5 は炭素
    数1〜5のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキ
    シ基を示す)で表されるジケトンを配位子とした、Z
    r、Ti、Alから選ばれる金属を中心金属とする少な
    くとも1種の金属キレート化合物を0.01〜50重量
    部、(f)有機溶媒、(g)一般式R4 COCH2 CO
    5 (式中、R4 およびR5 は前記に同じ)で表される
    β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を
    (e)の金属キレート化合物1モルに対し2モル以上添
    加したこと特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 【請求項3】該低屈折率層(1)とそれに隣接して屈折
    率が1.7以上である高屈折率層(2)からなることを
    特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜。
  4. 【請求項4】 該高屈折率層(2)に隣接し、低屈折率
    層(1)の反対側に層(3)を有し、更に層(4)を有
    するものであって、層(3)が層(4)の屈折率と高屈
    折率層(2)の屈折率の中間の屈折率を有することを特
    徴とする請求項1ないし3に記載の反射防止膜。
  5. 【請求項5】 (a)一般式R1 Si(OR2)3 (式
    中、R1 は炭素数1〜8の有機基、R2 は炭素原子数1
    〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基を示
    す)で表されるオルガノシランの加水分解物および/ま
    たはその部分縮合物をオルガノシラン換算で100重量
    部、(b)一般式R1 2Si(OR2)2 (式中、R1 およ
    びR2 は前記に同じ)で表されるジオルガノシランの加
    水分解物および/またはその部分縮合物をジオルガノシ
    ラン換算で0〜150重量部、(c)末端あるいは側鎖
    に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ素
    原子を有するシリル基を重合体中に少なくとも1個有す
    るシリル基含有ビニル系樹脂2〜300重量部、(d)
    平均粒子径が5〜200nmの含フッ素重合体微粒子2
    〜300重量部からなる組成物を塗設して形成された低
    屈折率層(1)を有する反射防止膜を配置したことを特
    徴とする表示装置。
  6. 【請求項6】 該低屈折層の組成物に、(e)一般式R
    3 OH(式中、R3は同炭素数1〜6のアルキル基を示
    す)、で表されるアルコールとR4 COCH 2 COR5
    (式中、R4 は炭素数1〜6のアルキル基、R5 は炭素
    数1〜5のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキ
    シ基を示す)で表されるジケトンを配位子とした、Z
    r、Ti、Alから選ばれる金属を中心金属とする少な
    くとも1種の金属キレート化合物を0.01〜50重量
    部、(f)有機溶媒、(g)一般式R4 COCH2 CO
    5 (式中、R4 およびR5 は前記に同じ)で表される
    β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類を
    (e)の金属キレート化合物1モルに対し2モル以上添
    加した反射防止膜を配置したことを特徴とする表示装
    置。
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