JPH1130706A - 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 - Google Patents
反射防止膜およびそれを配置した表示装置Info
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- JPH1130706A JPH1130706A JP9186288A JP18628897A JPH1130706A JP H1130706 A JPH1130706 A JP H1130706A JP 9186288 A JP9186288 A JP 9186288A JP 18628897 A JP18628897 A JP 18628897A JP H1130706 A JPH1130706 A JP H1130706A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】広範な波長領域において一様に低い反射率(反
射率1%以下)を示し、同時に膜強度、耐熱性に優れた
反射防止膜を提供する。 【解決手段】(a) 一般式R1Si(OR2)3(式中、R1 は炭素
数1〜8の有機基、R2は炭素原子数1〜5のアルキル
基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表されるオ
ルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合
物をオルガノシラン換算で100重量部、(b) 一般式R1
2Si(OR2)2(式中、R1 およびR2 は前記に同じ)で表さ
れるジオルガノシランの加水分解物および/またはその
部分縮合物をジオルガノシラン換算で0〜150重量
部、(c) 末端あるいは側鎖に加水分解性基および/また
は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合
体中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂
2〜300重量部からなる組成物より形成された低屈折
率層(1) とそれに隣接して屈折率が1.7以上である高
屈折率層(2) からなる反射防止膜。
射率1%以下)を示し、同時に膜強度、耐熱性に優れた
反射防止膜を提供する。 【解決手段】(a) 一般式R1Si(OR2)3(式中、R1 は炭素
数1〜8の有機基、R2は炭素原子数1〜5のアルキル
基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表されるオ
ルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮合
物をオルガノシラン換算で100重量部、(b) 一般式R1
2Si(OR2)2(式中、R1 およびR2 は前記に同じ)で表さ
れるジオルガノシランの加水分解物および/またはその
部分縮合物をジオルガノシラン換算で0〜150重量
部、(c) 末端あるいは側鎖に加水分解性基および/また
は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合
体中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂
2〜300重量部からなる組成物より形成された低屈折
率層(1) とそれに隣接して屈折率が1.7以上である高
屈折率層(2) からなる反射防止膜。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置(L
CD)等の画像表示装置の表面の反射率低下に有効な反
射防止膜および反射防止膜を有する画像表示装置に関す
る。特に、量産性と高い膜強度を実現する反射防止膜お
よびそれを配置した表示装置に関する。
CD)等の画像表示装置の表面の反射率低下に有効な反
射防止膜および反射防止膜を有する画像表示装置に関す
る。特に、量産性と高い膜強度を実現する反射防止膜お
よびそれを配置した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置の普及、大型化や野
外使用化に伴い、その使用条件下でのタフネス化、例え
ば、反射光耐性(視認性確保)、防汚性や耐熱性の向上
が求められている。表示装置の視認性向上は該装置の主
機能に関わる課題であり、当然その重要性も高く、活発
に視認性向上のための施策が検討されている。一般に視
認性を低下させるのは外光の表面反射による景色の写り
込みであり、これらに対する対処として最表面に反射防
止膜を設ける方法が一般的に行われる。しかしながら、
この反射防止膜はその機能発現のために最表面に設けら
れるため、必然的に反射防止膜の性能に対してタフネス
化の観点から多くの高品質化の課題が集中してくる。例
えば、極限までの反射率低下(反射率1%以下)、炎天
下や自動車室内のような高温環境下での諸性能の維持な
どである。
外使用化に伴い、その使用条件下でのタフネス化、例え
ば、反射光耐性(視認性確保)、防汚性や耐熱性の向上
が求められている。表示装置の視認性向上は該装置の主
機能に関わる課題であり、当然その重要性も高く、活発
に視認性向上のための施策が検討されている。一般に視
認性を低下させるのは外光の表面反射による景色の写り
込みであり、これらに対する対処として最表面に反射防
止膜を設ける方法が一般的に行われる。しかしながら、
この反射防止膜はその機能発現のために最表面に設けら
れるため、必然的に反射防止膜の性能に対してタフネス
化の観点から多くの高品質化の課題が集中してくる。例
えば、極限までの反射率低下(反射率1%以下)、炎天
下や自動車室内のような高温環境下での諸性能の維持な
どである。
【0003】従来、可視光の波長域を全てカバーできる
性能を有する広波長域/低反射率の反射防止膜として
は、金属酸化物等の透明薄膜を積層させた多層膜が用い
られてきた。単層膜では単色光に対しては有効であるも
のの、ある程度の波長域を有する光に対しては有効に反
射防止できないのに対し、このような多層膜においては
積層数が多いほど広い波長領域で有効な反射防止膜とな
るためである。しかしながら、そのため、従来の反射防
止膜には、物理又は化学蒸着法等の手段によって金属酸
化物等を3層以上積層したものが用いられてきた。この
ような多層蒸着した反射防止膜は、予め最適に設計され
た各層の屈折率と膜厚との関係に従い、その膜厚を高精
度に制御した蒸着を何回も行う必要があり、非常に高コ
ストなものであり、かつ、広い面積の膜を得ることの非
常に困難な大量製造適性に乏しいものであった。
性能を有する広波長域/低反射率の反射防止膜として
は、金属酸化物等の透明薄膜を積層させた多層膜が用い
られてきた。単層膜では単色光に対しては有効であるも
のの、ある程度の波長域を有する光に対しては有効に反
射防止できないのに対し、このような多層膜においては
積層数が多いほど広い波長領域で有効な反射防止膜とな
るためである。しかしながら、そのため、従来の反射防
止膜には、物理又は化学蒸着法等の手段によって金属酸
化物等を3層以上積層したものが用いられてきた。この
ような多層蒸着した反射防止膜は、予め最適に設計され
た各層の屈折率と膜厚との関係に従い、その膜厚を高精
度に制御した蒸着を何回も行う必要があり、非常に高コ
ストなものであり、かつ、広い面積の膜を得ることの非
常に困難な大量製造適性に乏しいものであった。
【0004】一方、上述のような多層膜による方法の他
に、空気との界面において屈折率が除去に変化する様な
膜によって有効な反射防止効果を得る方法が従来知られ
ている。例えば、特開平2−245702号公報には、
ガラス基板とMgF2 の中間の屈折率を持つSiO2 超
微粒子とMgF2 超微粒子を混合してガラス基板に塗布
し、ガラス基板面から塗布膜面に向かって徐々にSiO
2 の混合比を減少させてMgF2 の混合比を増加させる
事により、塗布面とガラス基板との界面における屈折率
変化が緩やかとなり、反射防止効果が得られる事が記載
されている。
に、空気との界面において屈折率が除去に変化する様な
膜によって有効な反射防止効果を得る方法が従来知られ
ている。例えば、特開平2−245702号公報には、
ガラス基板とMgF2 の中間の屈折率を持つSiO2 超
微粒子とMgF2 超微粒子を混合してガラス基板に塗布
し、ガラス基板面から塗布膜面に向かって徐々にSiO
2 の混合比を減少させてMgF2 の混合比を増加させる
事により、塗布面とガラス基板との界面における屈折率
変化が緩やかとなり、反射防止効果が得られる事が記載
されている。
【0005】また、特開平5−13021号公報には、
エチルシリケート中に分散したMgF2 、SiO2 を有
する超微粒子を用いた二層からなる反射防止膜が開示さ
れている。例えば、第一層は、MgF2 /SiO2 が7
/3の層で、第二層は、MgF2 /SiO2 が1/1の
層で、第一層の屈折率が1.42そして第二層の屈折率
が1.44である。従って、屈折率変化は大きいとは言
えず、充分な反射防止効果は得られない。
エチルシリケート中に分散したMgF2 、SiO2 を有
する超微粒子を用いた二層からなる反射防止膜が開示さ
れている。例えば、第一層は、MgF2 /SiO2 が7
/3の層で、第二層は、MgF2 /SiO2 が1/1の
層で、第一層の屈折率が1.42そして第二層の屈折率
が1.44である。従って、屈折率変化は大きいとは言
えず、充分な反射防止効果は得られない。
【0006】また、特開平7−92305号公報には、
コア部とその周囲のシェル部からなる屈折率1.428
の超微粒子からなり、空気と微粒子とから形成された表
面が凹凸の上層部(低屈折率)と、微粒子のみから形成
された下層部とからなる反射防止膜が開示されている。
そして、上記超微粒子のコア部が、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸、トリフルオロエチルアクリレート、
N−イソブトキシメチルアクリルアミドから形成され、
シェル部がスチレン、アクリル酸、アクリル酸ブチルか
ら形成されている。
コア部とその周囲のシェル部からなる屈折率1.428
の超微粒子からなり、空気と微粒子とから形成された表
面が凹凸の上層部(低屈折率)と、微粒子のみから形成
された下層部とからなる反射防止膜が開示されている。
そして、上記超微粒子のコア部が、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸、トリフルオロエチルアクリレート、
N−イソブトキシメチルアクリルアミドから形成され、
シェル部がスチレン、アクリル酸、アクリル酸ブチルか
ら形成されている。
【0007】更に、特開平7−168006号公報に
は、空気と微粒子(例、MgF2 )とから形成された表
面が凹凸の上層部(低屈折率)、微粒子のみの中層部
(中屈折率)、及び微粒子とバインダーから形成された
下層部とからなる反射防止膜が開示されている。
は、空気と微粒子(例、MgF2 )とから形成された表
面が凹凸の上層部(低屈折率)、微粒子のみの中層部
(中屈折率)、及び微粒子とバインダーから形成された
下層部とからなる反射防止膜が開示されている。
【0008】しかしながら、前記の特開平2−2457
02号公報、特開平5−13021号公報、特開平7−
92305号公報及び特開平7−168006号公報に
記載の反射防止膜は、空気に対する屈折率が膜厚方向に
徐々に変化する原理を利用したものである。これらの反
射防止膜は、その作成に、煩雑な操作と、熟練した技術
が必要であり、また得られる膜も満足な反射防止効果が
得られていない。
02号公報、特開平5−13021号公報、特開平7−
92305号公報及び特開平7−168006号公報に
記載の反射防止膜は、空気に対する屈折率が膜厚方向に
徐々に変化する原理を利用したものである。これらの反
射防止膜は、その作成に、煩雑な操作と、熟練した技術
が必要であり、また得られる膜も満足な反射防止効果が
得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広範
な波長領域において一様に低い反射率(反射率1%以
下)を示し、同時に膜強度、耐久性、耐熱性に優れた反
射防止膜を低コストで、また、大量かつ大面積製造の適
性のある方法で提供することにある。また、その反射防
止膜を配置した表示装置を提供することにある。
な波長領域において一様に低い反射率(反射率1%以
下)を示し、同時に膜強度、耐久性、耐熱性に優れた反
射防止膜を低コストで、また、大量かつ大面積製造の適
性のある方法で提供することにある。また、その反射防
止膜を配置した表示装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題は、(a) 一般
式R1Si(OR2)3(式中、R1 は炭素数1〜8の有機基、R
2 は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4
のアシル基を示す)で表されるオルガノシランの加水分
解物および/またはその部分縮合物をオルガノシラン換
算で100重量部、(b) 一般式R1 2Si(OR2)2(式中、R1
およびR2 は前記に同じ)で表されるジオルガノシラン
の加水分解物および/またはその部分縮合物をジオルガ
ノシラン換算で0〜150重量部、(c) 末端あるいは側
鎖に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ
素原子を有するシリル基を重合体中に少なくとも1個有
するシリル基含有ビニル系樹脂2〜300重量部からな
る組成物より形成された低屈折率層(1) とそれに隣接し
て屈折率が1.7以上である高屈折率層(2) からなるこ
とを特徴とする反射防止膜、およびそれを配置した表示
装置により達成される。
式R1Si(OR2)3(式中、R1 は炭素数1〜8の有機基、R
2 は炭素原子数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4
のアシル基を示す)で表されるオルガノシランの加水分
解物および/またはその部分縮合物をオルガノシラン換
算で100重量部、(b) 一般式R1 2Si(OR2)2(式中、R1
およびR2 は前記に同じ)で表されるジオルガノシラン
の加水分解物および/またはその部分縮合物をジオルガ
ノシラン換算で0〜150重量部、(c) 末端あるいは側
鎖に加水分解性基および/または水酸基と結合したケイ
素原子を有するシリル基を重合体中に少なくとも1個有
するシリル基含有ビニル系樹脂2〜300重量部からな
る組成物より形成された低屈折率層(1) とそれに隣接し
て屈折率が1.7以上である高屈折率層(2) からなるこ
とを特徴とする反射防止膜、およびそれを配置した表示
装置により達成される。
【0011】本発明の好ましい実施態様は、該低屈折層
の組成物に、(d) 一般式 Zr(OR3)p(R4COCHCOR5)4-p 、
Ti(OR3)q (R4COCHCOR5)4-p 、および Al(OR3)p (R4COCH
COR 5)3-p (式中R3 およびR4 は同一または異なり炭
素数1〜6のアルキル基、R 5 は炭素数1〜5のアルキ
ル基または炭素数1〜16のアルコキシ基、p〜qは0
〜3の整数、rは0〜2の整数を示す)で表される化合
物の群から選ばれた少なくとも1種の金属キレート化合
物を0.01〜50重量部、(e) 有機溶媒、(f) 一般式
R4COCH2COR5(式中、R4 およびR5 は前記に同じ)で表
されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
類を(d) 金属キレート化合物1モルに対し2モル以上添
加することである。
の組成物に、(d) 一般式 Zr(OR3)p(R4COCHCOR5)4-p 、
Ti(OR3)q (R4COCHCOR5)4-p 、および Al(OR3)p (R4COCH
COR 5)3-p (式中R3 およびR4 は同一または異なり炭
素数1〜6のアルキル基、R 5 は炭素数1〜5のアルキ
ル基または炭素数1〜16のアルコキシ基、p〜qは0
〜3の整数、rは0〜2の整数を示す)で表される化合
物の群から選ばれた少なくとも1種の金属キレート化合
物を0.01〜50重量部、(e) 有機溶媒、(f) 一般式
R4COCH2COR5(式中、R4 およびR5 は前記に同じ)で表
されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
類を(d) 金属キレート化合物1モルに対し2モル以上添
加することである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の構成要件を詳細に説明す
る。 (a) 成分 (a) 成分は、一般式R1Si(OR2)3で表される(a′) オルガ
ノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物およ
び/または部分縮合物であり、本発明で得られる組成物
中においては結合剤としての働きをするものである。か
かる(a′) オルガノシラン中のR1 は、炭素数1〜8有
機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−ク
ロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロロプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリ
ルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェ
ニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基など
が挙げられる。また、(a′) オルガノシラン中のR
2 は、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4の
アシル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル
基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。
る。 (a) 成分 (a) 成分は、一般式R1Si(OR2)3で表される(a′) オルガ
ノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物およ
び/または部分縮合物であり、本発明で得られる組成物
中においては結合剤としての働きをするものである。か
かる(a′) オルガノシラン中のR1 は、炭素数1〜8有
機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−ク
ロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフロロプ
ロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリ
ルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェ
ニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基など
が挙げられる。また、(a′) オルガノシラン中のR
2 は、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4の
アシル基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル
基、tert−ブチル基、アセチル基などが挙げられる。
【0013】これらの(a′) オルガノシランの具体例と
しては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プ
ロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシ
シラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルト
リメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ランなどを挙げることができるが、好ましくはメチルト
リメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランであ
る。
しては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエト
キシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プ
ロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシ
シラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロ
プロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルト
リメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルト
リエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ランなどを挙げることができるが、好ましくはメチルト
リメトキシシランおよびメチルトリエトキシシランであ
る。
【0014】これらの(a′) オルガノシランは、1種単
独で使用することも、または2種以上を併用することも
できる。また、前記(a′) オルガノシランのうち、80
モル%以上が、CH3Si(OR2)3 である場合が好ましい。な
お、(a) 成分の重量平均分子量は、好ましくは800 〜10
0,000 、さらに好ましくは1,000 〜50,000である。
独で使用することも、または2種以上を併用することも
できる。また、前記(a′) オルガノシランのうち、80
モル%以上が、CH3Si(OR2)3 である場合が好ましい。な
お、(a) 成分の重量平均分子量は、好ましくは800 〜10
0,000 、さらに好ましくは1,000 〜50,000である。
【0015】(b) 成分 (b) 成分は、一般式R1 2Si(OR2)2 〔式中、R1 およびR
2 は前記(a) 成分に使用されるオルガノシランに使用さ
れるR1 およびR2 に同じ)で表される(b′)ジオルガ
ノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物およ
び/または部分縮合物であり、本発明で得られる組成物
中においては結合剤としての働きをするとともに、塗膜
を柔軟化し耐アルカリ性を向上させるものである。かか
る(b′)ジオルガノシラン中のR1 およびR2 は、前記
オルガノシランのR1 およびR2と同様である。
2 は前記(a) 成分に使用されるオルガノシランに使用さ
れるR1 およびR2 に同じ)で表される(b′)ジオルガ
ノシランを加水分解、縮合して得られる加水分解物およ
び/または部分縮合物であり、本発明で得られる組成物
中においては結合剤としての働きをするとともに、塗膜
を柔軟化し耐アルカリ性を向上させるものである。かか
る(b′)ジオルガノシラン中のR1 およびR2 は、前記
オルガノシランのR1 およびR2と同様である。
【0016】これらの(b′) ジオルガノシランの具体例
は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−
プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキ
シシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランな
どを挙げることができるが、好ましくはジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシランである。これら
の(b′) ジオルガノシランは、1種単独であるいは2種
以上を併用することができる。なお、(b) 成分は、(a)
成分との共縮合体として用いられ、この共縮合体の重量
平均分子量は好ましくは800 〜100,000 、さらに好まし
くは1,000 〜50,000である。(b) 成分の本発明の組成物
中における割合は、(a′) 成分100重量部に対して0
〜150重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに
好ましくは10〜60重量部であり、150重量部を超
えると得られる塗膜の密着性、硬化性が低下する。
は、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシ
シラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−
プロピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキ
シシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランな
どを挙げることができるが、好ましくはジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシランである。これら
の(b′) ジオルガノシランは、1種単独であるいは2種
以上を併用することができる。なお、(b) 成分は、(a)
成分との共縮合体として用いられ、この共縮合体の重量
平均分子量は好ましくは800 〜100,000 、さらに好まし
くは1,000 〜50,000である。(b) 成分の本発明の組成物
中における割合は、(a′) 成分100重量部に対して0
〜150重量部、好ましくは5〜100重量部、さらに
好ましくは10〜60重量部であり、150重量部を超
えると得られる塗膜の密着性、硬化性が低下する。
【0017】(c) シリル基含有ビニル系樹脂 (c) シリル基含有ビニル系樹脂は、主鎖がビニル系重合
体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および/
または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を
重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上
含有するものであり、該シリル基の多くは、下記一般式
体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および/
または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を
重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上
含有するものであり、該シリル基の多くは、下記一般式
【0018】
【化1】
【0019】(式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ
基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオ
アルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基および/ま
たは水酸基、R6 は水素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、または炭素数1〜10のアラルキル基、nは1〜
3の整数である)で表される。
基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオ
アルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基および/ま
たは水酸基、R6 は水素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、または炭素数1〜10のアラルキル基、nは1〜
3の整数である)で表される。
【0020】(c) シリル基含有ビニル系樹脂は、(イ)
ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有するビニ
ル系樹脂と反応させることにより製造してもよく、また
(ロ)下記一般式
ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有するビニ
ル系樹脂と反応させることにより製造してもよく、また
(ロ)下記一般式
【0021】
【化2】
【0022】(ただし、X、R6 、nは前記に同じ、R
7 は重合性二重結合を有する有機基である)で表される
シラン化合物と、各種ビニル系化合物とを重合すること
により製造してもよく、その製造方法は限定されるもの
ではない。
7 は重合性二重結合を有する有機基である)で表される
シラン化合物と、各種ビニル系化合物とを重合すること
により製造してもよく、その製造方法は限定されるもの
ではない。
【0023】ここで、前記(イ)で示される製造方法で
使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチル
ジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロル
シランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェ
ニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどの
アシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリ
アミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリア
ミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチル
ジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロル
シランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェ
ニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどの
アシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリ
アミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリア
ミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
【0024】また、(イ)で示される製造方法で使用さ
れるビニル系樹脂としては、水酸基を含むビニル系樹脂
を除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの
酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポ
キシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;
(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エ
チルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミ
ド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル系
化合物を共重合したビニル系樹脂が好ましい。
れるビニル系樹脂としては、水酸基を含むビニル系樹脂
を除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)ア
クリル酸エステル;(メタ)アクリル酸、イタコン酸、
フマル酸などのカルボン酸および無水マレイン酸などの
酸無水物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポ
キシ化合物;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ化合物;
(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、α−エ
チルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸ジアミ
ド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル(メタ)
アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロニトリ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどから選ばれるビニル系
化合物を共重合したビニル系樹脂が好ましい。
【0025】一方、(ロ)で示される製造方法で使用さ
れるシラン化合物としては、次のものが挙げられる。
れるシラン化合物としては、次のものが挙げられる。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】また、(ロ)で示される製造方法で使用さ
れるビニル系化合物としては、前記(イ)の製造方法で
ビニル系樹脂の重合時に用いられるビニル系化合物を使
用することが可能であるが、かかる(イ)の製造方法に
記載された以外に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロールア
クリルアミドなどの水酸基を含むビニル系化合物を挙げ
ることもできる。
れるビニル系化合物としては、前記(イ)の製造方法で
ビニル系樹脂の重合時に用いられるビニル系化合物を使
用することが可能であるが、かかる(イ)の製造方法に
記載された以外に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロールア
クリルアミドなどの水酸基を含むビニル系化合物を挙げ
ることもできる。
【0029】以上のようなシリル基含有ビニル系樹脂の
具体的な例としては、例えば下記一般式
具体的な例としては、例えば下記一般式
【0030】
【化5】
【0031】(式中、R8 は水素原子またはメチル基、
R9 はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基
などの炭素数1〜6のアルキル基、R10はR8 と同様で
あり、R11はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基、R12は
R9 と同様であり、m/(1+m)=0.01〜0.
4、好ましくは0.02〜0.2である)で表されるト
リアルコキシシリル基含有アクリル重合体を挙げること
ができる。このシリル基含有ビニル系樹脂の数平均分子
量は、好ましくは2,000 〜100,000 、さらに好ましくは
4,000 〜50,000である。
R9 はメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基
などの炭素数1〜6のアルキル基、R10はR8 と同様で
あり、R11はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、
ブチレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基、R12は
R9 と同様であり、m/(1+m)=0.01〜0.
4、好ましくは0.02〜0.2である)で表されるト
リアルコキシシリル基含有アクリル重合体を挙げること
ができる。このシリル基含有ビニル系樹脂の数平均分子
量は、好ましくは2,000 〜100,000 、さらに好ましくは
4,000 〜50,000である。
【0032】以上のような本発明に使用される(c) シリ
ル基含有ビニル系樹脂の具体例としては、鐘淵化学工業
(株)製、カネカゼムラックなどが挙げられる。(c) シ
リル基含有ビニル系樹脂の組成物中の割合は、(a) 成分
の原料である(a′) オルガノシラン100重量部に対
し、2〜300重量部、好ましくは5〜200重量部、
さらに好ましくは10〜100重量部であり、2重量部
未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性が低く、一方3
00重量部を超えると得られる塗膜の耐候性の悪化を招
く。
ル基含有ビニル系樹脂の具体例としては、鐘淵化学工業
(株)製、カネカゼムラックなどが挙げられる。(c) シ
リル基含有ビニル系樹脂の組成物中の割合は、(a) 成分
の原料である(a′) オルガノシラン100重量部に対
し、2〜300重量部、好ましくは5〜200重量部、
さらに好ましくは10〜100重量部であり、2重量部
未満では、得られる塗膜の耐アルカリ性が低く、一方3
00重量部を超えると得られる塗膜の耐候性の悪化を招
く。
【0033】(d) 金属キレート化合物 本発明の(d) 金属キレート化合物は、一般式 Zr(OR3)p
(R4COCHCOR5)4-p 、Ti(OR3)q (R4COCHCOR5)4-q および
Al(OR3)r (R4COCHCOR5)3-r で表される化合物の群れか
ら選ばれた少なくとも1種であり、前記(a) 〜(b) 成分
と(c) シリル基含有ビニル系樹脂との縮合反応を促進
し、(a) 〜(b) 成分と(c) 成分との共重合体を形成する
作用をなすものと考えられる。
(R4COCHCOR5)4-p 、Ti(OR3)q (R4COCHCOR5)4-q および
Al(OR3)r (R4COCHCOR5)3-r で表される化合物の群れか
ら選ばれた少なくとも1種であり、前記(a) 〜(b) 成分
と(c) シリル基含有ビニル系樹脂との縮合反応を促進
し、(a) 〜(b) 成分と(c) 成分との共重合体を形成する
作用をなすものと考えられる。
【0034】(d) 金属キレート化合物中のR3 およびR
4 は、同一または異なり炭素数1〜6のアルキル基、具
体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、sec −ブチル基、t−ブチル基、n−ペ
ンチル基、フェニル基などである。また、R5 は、前記
と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜
16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル基、
ステアリル基などである。また、(d) 金属キレート化合
物中のp〜qは0〜3の整数、rは0〜2の整数を示
す。
4 は、同一または異なり炭素数1〜6のアルキル基、具
体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、sec −ブチル基、t−ブチル基、n−ペ
ンチル基、フェニル基などである。また、R5 は、前記
と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、炭素数1〜
16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、
n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ
基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリル基、
ステアリル基などである。また、(d) 金属キレート化合
物中のp〜qは0〜3の整数、rは0〜2の整数を示
す。
【0035】これらの(d) 金属キレート化合物の具体例
としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテート
ジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトア
セテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プ
ロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジル
コニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ
・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチ
タニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセ
トアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチル
アセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチ
ルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビ
ス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エ
チルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチ
ルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナ
ート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムな
どのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。こ
れらの(d) 金属キレート化合物のうち好ましいものは、
トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウ
ム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チ
タニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウムである。これらの(d) 金属キレート化合物は、1
種単独であるいは2種以上混合して使用することができ
る。また、(d) 成分としては、これらの金属キレート化
合物の部分加水分解物を使用することもできる。
としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテート
ジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトア
セテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プ
ロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジル
コニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ
・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチ
タニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセ
トアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチル
アセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチ
ルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビ
ス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エ
チルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチ
ルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナ
ート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムな
どのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。こ
れらの(d) 金属キレート化合物のうち好ましいものは、
トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウ
ム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チ
タニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートア
ルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミ
ニウムである。これらの(d) 金属キレート化合物は、1
種単独であるいは2種以上混合して使用することができ
る。また、(d) 成分としては、これらの金属キレート化
合物の部分加水分解物を使用することもできる。
【0036】(d) 金属キレート化合物の組成物中の割合
は、(a) 成分の原料である(a′) オルガノシラン100
重量部に対し、0.01〜50重量部、好ましくは0.
1〜50重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部
であり、0.01重量部未満では、(a) 〜(b) 成分と
(c) 成分との共重合体の作成が不充分であり、塗膜の耐
候性が悪化し、一方50重量部を超えると、組成物の保
存安定性が悪化し、また得られる塗膜にクラックが発生
する場合があり好ましくない。
は、(a) 成分の原料である(a′) オルガノシラン100
重量部に対し、0.01〜50重量部、好ましくは0.
1〜50重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部
であり、0.01重量部未満では、(a) 〜(b) 成分と
(c) 成分との共重合体の作成が不充分であり、塗膜の耐
候性が悪化し、一方50重量部を超えると、組成物の保
存安定性が悪化し、また得られる塗膜にクラックが発生
する場合があり好ましくない。
【0037】(e) 有機溶媒 (e) 有機溶媒は主として(a) 〜(d) 成分を均一に混合さ
せ、本発明の組成物の固形分を調整すると同時に、種々
の塗装方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性
および保存安定性を向上させるものである。この(e) 有
機溶媒としては(a) 〜(d) 成分を均一に混合させるもの
であれば特に限定されないが、例えばアルコール類、芳
香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類な
とが好適である。
せ、本発明の組成物の固形分を調整すると同時に、種々
の塗装方法に適用できるようにし、組成物の分散安定性
および保存安定性を向上させるものである。この(e) 有
機溶媒としては(a) 〜(d) 成分を均一に混合させるもの
であれば特に限定されないが、例えばアルコール類、芳
香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類な
とが好適である。
【0038】このうち、アルコール類としては、例えば
1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることがで
き、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽
和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類
の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエ
ーテルなどを挙げることができる。
1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることがで
き、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽
和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類
の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエ
ーテルなどを挙げることができる。
【0039】また、芳香族炭化水素類の具体例として
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
ど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げ
ることができる。これらの(e) 有機溶媒は、1種単独で
あるいは2種以上を混合して使用することもできる。
(e) 有機溶媒の組成物中の割合は特に限定されるもので
はなく、全固形分濃度を使用目的に応じて調節する量が
用いられる。
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
ど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ンなどを、エステル類の具体例としては、酢酸エチル、
酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プロピレンなどを挙げ
ることができる。これらの(e) 有機溶媒は、1種単独で
あるいは2種以上を混合して使用することもできる。
(e) 有機溶媒の組成物中の割合は特に限定されるもので
はなく、全固形分濃度を使用目的に応じて調節する量が
用いられる。
【0040】(f) 成分 本発明で使用される(f) 成分は、一般式R4COCH2COR5 で
表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステ
ル類であり、本発明の組成物の安定性向上剤として作用
するものである。すなわち、前記(a) 〜(e) 成分を主成
分とする組成物中に存在する(d) 金属キレート化合物
(ジルコニウム、チタニウムおよび/またはアルミニウ
ム化合物)中の金属原子に配位することにより、これら
の金属キレート化合物による(a) 〜(b) 成分および/ま
たは(c) 成分の縮合反応を促進する作用を抑制し、得ら
れる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと
考えられる。(f) 成分を構成するR4 およびR5 は、前
記(d) 金属キレート化合物を構成するR4 およびR5 と
同様である。
表されるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステ
ル類であり、本発明の組成物の安定性向上剤として作用
するものである。すなわち、前記(a) 〜(e) 成分を主成
分とする組成物中に存在する(d) 金属キレート化合物
(ジルコニウム、チタニウムおよび/またはアルミニウ
ム化合物)中の金属原子に配位することにより、これら
の金属キレート化合物による(a) 〜(b) 成分および/ま
たは(c) 成分の縮合反応を促進する作用を抑制し、得ら
れる組成物の保存安定性を向上させる作用をなすものと
考えられる。(f) 成分を構成するR4 およびR5 は、前
記(d) 金属キレート化合物を構成するR4 およびR5 と
同様である。
【0041】この(f) β−ジケトン類および/またはβ
−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセト
ン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸
−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢
酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸
−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘ
プタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−
オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチ
ル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これ
らのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが
好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらの
β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、
1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもで
きる。かかる(f) β−ジケトン類および/またはβ−ケ
トエステル類は、(d) 金属キレート化合物1モルに対し
2モル以上、好ましくは3〜20モルであり、2モル未
満では得られる組成物の保存安定性に劣るものとなる。
−ケトエステル類の具体例としては、アセチルアセト
ン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸
−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢
酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸
−t−ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘ
プタン−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−
オクタン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチ
ル−ヘキサン−ジオンなどを挙げることができる。これ
らのうち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが
好ましく、特にアセチルアセトンが好ましい。これらの
β−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、
1種単独でまたは2種以上を混合して使用することもで
きる。かかる(f) β−ジケトン類および/またはβ−ケ
トエステル類は、(d) 金属キレート化合物1モルに対し
2モル以上、好ましくは3〜20モルであり、2モル未
満では得られる組成物の保存安定性に劣るものとなる。
【0042】なお、本発明の好ましい組成物は、前記
(a) 〜(f) 成分を主成分とするが、通常、(a) 〜(e) 成
分を含有する組成物を調製する際に(a) 成分を構成する
(a′)オルガノシランおよび/または(b) 成分を構成す
る(b′) ジオルガノシランの加水分解・縮合用として
(g) 水が添加される。(g) 水の使用量は、(a′) オルガ
ノシラン1モルに対し、通常、1.2〜3.0モル、好
ましくは1.3〜2.0モル、また(b′) ジオルガノシ
ラン1モルに対し、通常、0.8〜2.0モル、好まし
くは0.9〜1.5モル程度である。
(a) 〜(f) 成分を主成分とするが、通常、(a) 〜(e) 成
分を含有する組成物を調製する際に(a) 成分を構成する
(a′)オルガノシランおよび/または(b) 成分を構成す
る(b′) ジオルガノシランの加水分解・縮合用として
(g) 水が添加される。(g) 水の使用量は、(a′) オルガ
ノシラン1モルに対し、通常、1.2〜3.0モル、好
ましくは1.3〜2.0モル、また(b′) ジオルガノシ
ラン1モルに対し、通常、0.8〜2.0モル、好まし
くは0.9〜1.5モル程度である。
【0043】本発明の好ましい組成物は、前記(a) 〜
(f) 成分を含有してなるが、その全固形分濃度は、好ま
しくは50重量%以下であり、使用目的に応じてその全
固形分濃度を適宜調整して用いられる。薄膜形成基材へ
の含浸を目的とするときには、通常、全固形分濃度は5
〜30重量%である。また、厚膜形成や、後述の(h) 充
填材を分散させる目的で使用するときは、通常、全固形
分濃度は20〜50重量%、好ましくは25〜40重量
%であり、50重量%を超えると、組成物の保存安定性
が悪化して好ましくない。
(f) 成分を含有してなるが、その全固形分濃度は、好ま
しくは50重量%以下であり、使用目的に応じてその全
固形分濃度を適宜調整して用いられる。薄膜形成基材へ
の含浸を目的とするときには、通常、全固形分濃度は5
〜30重量%である。また、厚膜形成や、後述の(h) 充
填材を分散させる目的で使用するときは、通常、全固形
分濃度は20〜50重量%、好ましくは25〜40重量
%であり、50重量%を超えると、組成物の保存安定性
が悪化して好ましくない。
【0044】なお、本発明の組成物には、得られる塗膜
の硬度向上を目的としてコロイド状シリカを添加するこ
とも可能である。このコロイド状シリカとしては、水分
散コロイド状シリカ、メタノールもしくはイソプロピル
アルコールなどの有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げ
ることができる。
の硬度向上を目的としてコロイド状シリカを添加するこ
とも可能である。このコロイド状シリカとしては、水分
散コロイド状シリカ、メタノールもしくはイソプロピル
アルコールなどの有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げ
ることができる。
【0045】また、本発明の組成物には、得られる塗膜
の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付
与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、
(h) 充填材を添加・分散させることも可能である。この
(h) 充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの
非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしく
は鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水
酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。こ
の(h) 充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしく
は鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜
鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二
酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロ
ム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コ
バルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化
鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケ
イソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベント
ナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジ
アン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑
上、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピ
グメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブ
ルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、
マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸
化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム
黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン
黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウ
ム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛
白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポ
ン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛
華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、
黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミッ
ク黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二流化
モリブデンなどを挙げることができる。
の着色、厚膜化、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付
与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、別途、
(h) 充填材を添加・分散させることも可能である。この
(h) 充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの
非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしく
は鱗片状の金属および合金ならびにこれらの酸化物、水
酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。こ
の(h) 充填材の具体例としては、粒子状、繊維状もしく
は鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、亜
鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス鋼、二
酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化クロ
ム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化コ
バルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水酸化
鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレー、ケ
イソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ベント
ナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト緑、ビリジ
アン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェーレ緑、緑
上、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、紺青、ピ
グメントグリーン、岩群青、コバルト青、セルリアンブ
ルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバルト紫、
マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレット、亜酸
化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化鉛、クロム
黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム黄、チタン
黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化銅、カドミウ
ム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベンガラ、亜鉛
白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン白、リトポ
ン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン白、鉛亜鉛
華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン白、硫酸鉛、
黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、サーマトミッ
ク黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィスカー、二流化
モリブデンなどを挙げることができる。
【0046】これらの(h) 充填材の平均粒径または平均
長さは、通常、50〜50,000nm、好ましくは100 〜5,000n
m である。(h) 成分の組成物中の割合は、(a) 〜(f) 成
分の全固形分100重量部に対し、10〜300重量部
程度である。また、本発明の組成物をより速く硬化させ
るにあたっては、硬化条件により硬化促進剤を使用して
もよく、比較的低い温度で硬化させるためには、硬化促
進剤を併用する方が効果的である。
長さは、通常、50〜50,000nm、好ましくは100 〜5,000n
m である。(h) 成分の組成物中の割合は、(a) 〜(f) 成
分の全固形分100重量部に対し、10〜300重量部
程度である。また、本発明の組成物をより速く硬化させ
るにあたっては、硬化条件により硬化促進剤を使用して
もよく、比較的低い温度で硬化させるためには、硬化促
進剤を併用する方が効果的である。
【0047】かかる硬化促進剤としては、ナフテン酸、
オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などの
アルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p
−トルエンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エ
チレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミ
ン、エタノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのア
ミン系化合物、(C4H9)2Sn(OCOC11H23)2 、(C4H9)2Sn(OC
OCH=CHCOOCH3)2、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2 、(C8H
17)2Sn(OCOC11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、
(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHC
OOC8H17)2 、Sn(OCOCC8H17)2などのカルボン酸型有機ス
ズ化合物;(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C4H9)2Sn(SCH2
COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C8H17)2Sn
(SCH2CH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C
8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2、
オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などの
アルカリ金属塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ性化合物;アルキルチタン酸、リン酸、p
−トルエンスルホン酸、フタル酸などの酸性化合物;エ
チレンジアミン、ヘキサンジアミン、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ピペリジン、ピペラジン、メタフェニレンジアミ
ン、エタノールアミン、トリエチルアミン、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いられる各種変性アミン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどのア
ミン系化合物、(C4H9)2Sn(OCOC11H23)2 、(C4H9)2Sn(OC
OCH=CHCOOCH3)2、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2 、(C8H
17)2Sn(OCOC11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2 、
(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHC
OOC8H17)2 、Sn(OCOCC8H17)2などのカルボン酸型有機ス
ズ化合物;(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C4H9)2Sn(SCH2
COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C8H17)2Sn
(SCH2CH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C
8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2、
【0048】
【化6】
【0049】などのメルカプチド型有機スズ化合物;
【0050】
【化7】
【0051】などのスルフィド型有機スズ化合物;
【0052】(C4H9)2SnO、(C8H17)2SnO 、または(C4H9)
2SnO、(C8H17)2SnO などの有機スズオキサイドとエチル
シリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチ
ル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応
生成物などの有機スズ化合物などが使用される。これら
の硬化促進剤の組成物中における割合は、本発明の組成
物の固形分100重量部に対して、通常、0.1〜15
重量部、好ましくは0.5〜10重量部用いられる。
2SnO、(C8H17)2SnO などの有機スズオキサイドとエチル
シリケート、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチ
ル、フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応
生成物などの有機スズ化合物などが使用される。これら
の硬化促進剤の組成物中における割合は、本発明の組成
物の固形分100重量部に対して、通常、0.1〜15
重量部、好ましくは0.5〜10重量部用いられる。
【0053】なお、本発明の組成物には、そのほかオル
トギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシラ
ンなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分
散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加するこ
ともできる。
トギ酸メチル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシラ
ンなどの公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分
散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加するこ
ともできる。
【0054】さらに、本発明の組成物中には、前記(e)
有機溶媒以外の有機溶剤を含有させることができ、かか
る有機溶剤としては、前記(a) 〜(d) 成分を混合した際
に、沈澱を生起しない溶剤であればどのようなものでも
よく、一般の塗料、コーティング剤などに用いられる脂
肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水
素類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ケトンエー
テル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類などを
挙げることができ、この具体例としては例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミルなどである。
これらの有機溶剤は、本発明の組成物100重量部に対
し、通常、100重量部以下程度使用される。
有機溶媒以外の有機溶剤を含有させることができ、かか
る有機溶剤としては、前記(a) 〜(d) 成分を混合した際
に、沈澱を生起しない溶剤であればどのようなものでも
よく、一般の塗料、コーティング剤などに用いられる脂
肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水
素類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ケトンエー
テル類、ケトンエステル類、エステルエーテル類などを
挙げることができ、この具体例としては例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミルなどである。
これらの有機溶剤は、本発明の組成物100重量部に対
し、通常、100重量部以下程度使用される。
【0055】本発明の組成物を調製するに際しては、ま
ず前記(a) 〜(e) 成分を含有する組成物を調製し、これ
に(f) 成分を添加する方法であれば如何なる方法でもよ
いが、例えば下記〜の調製方法が好ましい。 (a)成分を構成する(a′) オルガノシラン、(b) 成分
を構成する(b′) ジオルガノシラン、(c) シリル基含有
ビニル系樹脂、(d) 金属キレート化合物および(e) 有機
溶媒からなる溶液に、(a′) オルガノシラン1モルに対
し1.2〜3モルの水、(b′) ジオルガノシラン1モル
に対して0.8〜2モルの水を加えて加水分解・縮合反
応を行い、(a) 〜(e) 成分からなる組成物を形成させた
のち、(f) β−ジケトン類および/またはβ−ケトエス
テル類を添加する方法。
ず前記(a) 〜(e) 成分を含有する組成物を調製し、これ
に(f) 成分を添加する方法であれば如何なる方法でもよ
いが、例えば下記〜の調製方法が好ましい。 (a)成分を構成する(a′) オルガノシラン、(b) 成分
を構成する(b′) ジオルガノシラン、(c) シリル基含有
ビニル系樹脂、(d) 金属キレート化合物および(e) 有機
溶媒からなる溶液に、(a′) オルガノシラン1モルに対
し1.2〜3モルの水、(b′) ジオルガノシラン1モル
に対して0.8〜2モルの水を加えて加水分解・縮合反
応を行い、(a) 〜(e) 成分からなる組成物を形成させた
のち、(f) β−ジケトン類および/またはβ−ケトエス
テル類を添加する方法。
【0056】 (a)成分を構成する(a′) オルガノシラ
ン、(b) 成分を構成する(b′) ジオルガノシランおよび
(e) 有機溶媒からなる溶液に、(a′) オルガノシラン1
モルに対し1.2〜3モルの水、(b′) ジオルガノシラ
ン1モルに対して0.8〜2モルの水を加えて加水分解
・縮合反応を行い、次いで(c) シリル基含有ビニル系樹
脂、(d) 金属キレート化合物を加えて混合し、さらに縮
合反応を行い、(a) 〜(e) 成分からなる組成物を形成し
たのち、(f) 成分を添加する方法。 (a ′) オルガノシラン、(b′) ジオルガノシラン、
(d) 金属キレート化合物、(e) 有機溶媒からなる溶液
に、(a′) オルガノシラン1モルに対し1.2〜3モル
の水、(b′) ジオルガノシラン1モルに対して0.8〜
2モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで
(c) シリル基含有ビニル系樹脂を加えて混合し、さらに
縮合反応を行い、(a) 〜(e) 成分からなる組成物を形成
したのち、(f) 成分を添加する方法。
ン、(b) 成分を構成する(b′) ジオルガノシランおよび
(e) 有機溶媒からなる溶液に、(a′) オルガノシラン1
モルに対し1.2〜3モルの水、(b′) ジオルガノシラ
ン1モルに対して0.8〜2モルの水を加えて加水分解
・縮合反応を行い、次いで(c) シリル基含有ビニル系樹
脂、(d) 金属キレート化合物を加えて混合し、さらに縮
合反応を行い、(a) 〜(e) 成分からなる組成物を形成し
たのち、(f) 成分を添加する方法。 (a ′) オルガノシラン、(b′) ジオルガノシラン、
(d) 金属キレート化合物、(e) 有機溶媒からなる溶液
に、(a′) オルガノシラン1モルに対し1.2〜3モル
の水、(b′) ジオルガノシラン1モルに対して0.8〜
2モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで
(c) シリル基含有ビニル系樹脂を加えて混合し、さらに
縮合反応を行い、(a) 〜(e) 成分からなる組成物を形成
したのち、(f) 成分を添加する方法。
【0057】本発明の組成物を、カーテンフローコー
ト、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の
塗布法によって、透明フィルムあるいは高または中屈折
率層等に塗布し、常温での乾燥、あるいは30〜200
℃程度の温度で10分〜100時間程度加熱することに
より、低屈折率層は形成される。
ト、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の
塗布法によって、透明フィルムあるいは高または中屈折
率層等に塗布し、常温での乾燥、あるいは30〜200
℃程度の温度で10分〜100時間程度加熱することに
より、低屈折率層は形成される。
【0058】本発明の反射防止膜は、上記の組成物を塗
設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも高い屈
折率を有する高屈折率層(2) の上に形成され、2層以上
の層より構成されることが好ましい。低屈折率層に隣接
する高屈折率層の屈折率として、1.7以上が好まし
く、特に1.75以上が好ましい。また、これらの層が
支持体、好ましくは透明フィルム上に塗設されているこ
とが好ましい。
設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも高い屈
折率を有する高屈折率層(2) の上に形成され、2層以上
の層より構成されることが好ましい。低屈折率層に隣接
する高屈折率層の屈折率として、1.7以上が好まし
く、特に1.75以上が好ましい。また、これらの層が
支持体、好ましくは透明フィルム上に塗設されているこ
とが好ましい。
【0059】また、本発明の反射防止膜は、上記の組成
物を塗設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも
高い屈折率を有する高屈折率層(2) の上に形成され、高
屈折率層(2) に隣接し、低屈折率層(1) の反対側に中屈
折率層(3) が、さらに層(4)(支持体下塗など)の屈折
率と高屈折率層の屈折率の中間の屈折率を有する中屈折
率層の上に高屈折率層が形成された4層より構成される
ことが特に好ましい。低屈折率層に隣接する高屈折率層
の屈折率として、1.7以上が好ましく、特に1.75
以上が好ましい。また、これらの層が支持体、好ましく
は透明フィルム上に塗設されていることが好ましい。
物を塗設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも
高い屈折率を有する高屈折率層(2) の上に形成され、高
屈折率層(2) に隣接し、低屈折率層(1) の反対側に中屈
折率層(3) が、さらに層(4)(支持体下塗など)の屈折
率と高屈折率層の屈折率の中間の屈折率を有する中屈折
率層の上に高屈折率層が形成された4層より構成される
ことが特に好ましい。低屈折率層に隣接する高屈折率層
の屈折率として、1.7以上が好ましく、特に1.75
以上が好ましい。また、これらの層が支持体、好ましく
は透明フィルム上に塗設されていることが好ましい。
【0060】本発明の反射防止膜の代表例を図1に示
す。高屈折率層12が透明フィルム(支持体)13上に
形成され、さらに低屈折率層11が高屈折率層12上に
形成されている。反射防止膜を構成する層数の増加は、
通常反射防止膜が適用可能な光の波長範囲を拡大する。
これは、金属化合物を用いる従来の多層膜の形成原理に
基づくものである。
す。高屈折率層12が透明フィルム(支持体)13上に
形成され、さらに低屈折率層11が高屈折率層12上に
形成されている。反射防止膜を構成する層数の増加は、
通常反射防止膜が適用可能な光の波長範囲を拡大する。
これは、金属化合物を用いる従来の多層膜の形成原理に
基づくものである。
【0061】上記二層を有する反射防止膜では、高屈折
率層12及び低屈折率層11がそれぞれ下記の条件(1)
及び(2) を一般に満足する。 mλ/4×0.7<n1 d1 < mλ/4×1.3 (1) nλ/4×0.7<n2 d2 < nλ/4×1.3 (2) 上記式に於て、mは正の整数(一般に、1、2又は3)
を表し、n1は高屈折率層の屈折率を表し、d1は高屈
折率層の層厚(nm)を表し、nは正の奇数(一般に、
1)を表し、n2は低屈折率層の屈折率を表し、そして
d2は低屈折率層の層厚(nm)を表す。高屈折率層の屈
折率n1は、一般に透明フィルムより少なくとも0.0
5高く、そして、低屈折率層の屈折率n2は、一般に高
屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明フ
ィルムより少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層
の屈折率n1は、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
上記条件(1) 及び(2) は、従来から良く知られた条件で
あり、例えば、特開昭59−50401号公報に記載さ
れている。
率層12及び低屈折率層11がそれぞれ下記の条件(1)
及び(2) を一般に満足する。 mλ/4×0.7<n1 d1 < mλ/4×1.3 (1) nλ/4×0.7<n2 d2 < nλ/4×1.3 (2) 上記式に於て、mは正の整数(一般に、1、2又は3)
を表し、n1は高屈折率層の屈折率を表し、d1は高屈
折率層の層厚(nm)を表し、nは正の奇数(一般に、
1)を表し、n2は低屈折率層の屈折率を表し、そして
d2は低屈折率層の層厚(nm)を表す。高屈折率層の屈
折率n1は、一般に透明フィルムより少なくとも0.0
5高く、そして、低屈折率層の屈折率n2は、一般に高
屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明フ
ィルムより少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層
の屈折率n1は、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
上記条件(1) 及び(2) は、従来から良く知られた条件で
あり、例えば、特開昭59−50401号公報に記載さ
れている。
【0062】本発明の反射防止膜の他の代表例を図2に
示す。下塗層20と中屈折率層22が透明フィルム(支
持体)23上に形成され、高屈折率層24が中屈折層2
2上に形成され、さらに低屈折率層21が高屈折率層2
4上に形成されている。中屈折層率22の屈折率は、高
屈折率層24と下塗層20との間の値を有する。図2の
反射防止膜は、図1の反射防止膜に比較して、更に適用
可能な光の波長領域が拡がっている。
示す。下塗層20と中屈折率層22が透明フィルム(支
持体)23上に形成され、高屈折率層24が中屈折層2
2上に形成され、さらに低屈折率層21が高屈折率層2
4上に形成されている。中屈折層率22の屈折率は、高
屈折率層24と下塗層20との間の値を有する。図2の
反射防止膜は、図1の反射防止膜に比較して、更に適用
可能な光の波長領域が拡がっている。
【0063】三層を有する反射防止膜の場合、中、高及
び低屈折率層がそれぞれ下記の条件(3) 〜(5) を一般に
満足する。 hλ/4×0.7<n3 d3 <hλ/4×1.3 (3) kλ/4×0.7<n4 d4 <kλ/4×1.3 (4) jλ/4×0.7<n5 d5 <jλ/4×1.3 (5) 上記式に於て、hは正の整数(一般に、1、2又は3)
を表し、n3は中屈折率層の屈折率を表し、d3は中屈
折率層の層厚(nm)を表し、kは正の整数(一般に、
1、2又は3)を表し、n4は高屈折率層の屈折率を表
し、d4は高屈折率層の層厚(nm)を表し、jは正の奇
数(一般に、1)を表し、n5は低屈折率層の屈折率を
表し、そしてd5は低屈折率層の層厚(nm)を表す。中
屈折率層の屈折率n3は、一般に1.5〜1.7の範囲
にあり、高屈折率層の屈折率n4は、一般に1.7〜
2.2の範囲にある。
び低屈折率層がそれぞれ下記の条件(3) 〜(5) を一般に
満足する。 hλ/4×0.7<n3 d3 <hλ/4×1.3 (3) kλ/4×0.7<n4 d4 <kλ/4×1.3 (4) jλ/4×0.7<n5 d5 <jλ/4×1.3 (5) 上記式に於て、hは正の整数(一般に、1、2又は3)
を表し、n3は中屈折率層の屈折率を表し、d3は中屈
折率層の層厚(nm)を表し、kは正の整数(一般に、
1、2又は3)を表し、n4は高屈折率層の屈折率を表
し、d4は高屈折率層の層厚(nm)を表し、jは正の奇
数(一般に、1)を表し、n5は低屈折率層の屈折率を
表し、そしてd5は低屈折率層の層厚(nm)を表す。中
屈折率層の屈折率n3は、一般に1.5〜1.7の範囲
にあり、高屈折率層の屈折率n4は、一般に1.7〜
2.2の範囲にある。
【0064】本発明の反射防止膜は、一般に、支持体と
その上に設けられた低屈折率層からなる。支持体は通
常、透明フィルムである。透明フィルムを形成する材料
としては、セルロース誘導体(例、ジアセチルセルロー
ス、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニル
セルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニ
ルセルロース及びニトロセルロース)、ポリアミド、ポ
リカーボネート(例、米国特許第3,023,101号
に記載のもの)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシ
エタン−4,4′−ジカルボキシレート及び特公昭48
−40414号公報に記載のポリエステル)、ポリスチ
レン、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピ
レン及びポリメチルペンテン)、ポリメチルメタクリレ
ート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルイミド及びポリオキシエチレンを挙げることが
できる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート及
びポリエチレンテレフタレートが好ましい。透明フィル
ムの屈折率は1.40〜1.60が好ましい。
その上に設けられた低屈折率層からなる。支持体は通
常、透明フィルムである。透明フィルムを形成する材料
としては、セルロース誘導体(例、ジアセチルセルロー
ス、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニル
セルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニ
ルセルロース及びニトロセルロース)、ポリアミド、ポ
リカーボネート(例、米国特許第3,023,101号
に記載のもの)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシ
エタン−4,4′−ジカルボキシレート及び特公昭48
−40414号公報に記載のポリエステル)、ポリスチ
レン、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピ
レン及びポリメチルペンテン)、ポリメチルメタクリレ
ート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルイミド及びポリオキシエチレンを挙げることが
できる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート及
びポリエチレンテレフタレートが好ましい。透明フィル
ムの屈折率は1.40〜1.60が好ましい。
【0065】本発明の反射防止膜が、多層膜である場
合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率
を有する少なくとも一層の層(即ち、前記の高屈折率
層、中屈折率層)と共に用いられる。上記より高い屈折
率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可
塑性樹脂(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、
ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素
環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外
のハロゲン基を有するポリマー);熱硬化性樹脂組成物
(例、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ないしエポキシ
樹脂などを硬化剤とする樹脂組成物);ウレタン形成性
組成物(例、脂環式ないしは芳香族イソシアネートおよ
びポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組
成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入す
ることにより、ラジカル硬化を可能にした変性樹脂また
はプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができ
る。高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。上記より
高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系
微粒子も使用することができる。上記に使用される有機
材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有する
ため有機材料単独で用いられる場合よりも低屈折率もの
も用いることができる。そのような材料として、上記に
述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合
体、ポリエステル、アルキド樹脂、繊維素系重合体、ウ
レタン樹脂およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、
硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系
微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げるこ
とができる。
合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率
を有する少なくとも一層の層(即ち、前記の高屈折率
層、中屈折率層)と共に用いられる。上記より高い屈折
率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可
塑性樹脂(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、
ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素
環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外
のハロゲン基を有するポリマー);熱硬化性樹脂組成物
(例、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ないしエポキシ
樹脂などを硬化剤とする樹脂組成物);ウレタン形成性
組成物(例、脂環式ないしは芳香族イソシアネートおよ
びポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組
成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入す
ることにより、ラジカル硬化を可能にした変性樹脂また
はプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができ
る。高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。上記より
高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系
微粒子も使用することができる。上記に使用される有機
材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有する
ため有機材料単独で用いられる場合よりも低屈折率もの
も用いることができる。そのような材料として、上記に
述べた有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合
体、ポリエステル、アルキド樹脂、繊維素系重合体、ウ
レタン樹脂およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、
硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系
微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げるこ
とができる。
【0066】さらに有機置換されたケイ素系化合物をこ
れに含めることができる。これらのケイ素系化合物は一
般式: R51 m R52 n SiZ(4-m-n) (ここでR51及びR52は、それぞれアルキル基、アルケ
ニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミ
ノ、メルカプト、メタクリロイルないしシアノで置換さ
れた炭化水素基を表し、Zは、アルコキシル基、アルコ
キシアルコキシル基、ハロゲン原子ないしアシルオキシ
基から選ばれた加水分解可能な基を表し、m+nが1ま
たは2である条件下で、m及びnはそれぞれ0、1また
は2である。)で表される化合物ないしはその加水分解
生成物である。
れに含めることができる。これらのケイ素系化合物は一
般式: R51 m R52 n SiZ(4-m-n) (ここでR51及びR52は、それぞれアルキル基、アルケ
ニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミ
ノ、メルカプト、メタクリロイルないしシアノで置換さ
れた炭化水素基を表し、Zは、アルコキシル基、アルコ
キシアルコキシル基、ハロゲン原子ないしアシルオキシ
基から選ばれた加水分解可能な基を表し、m+nが1ま
たは2である条件下で、m及びnはそれぞれ0、1また
は2である。)で表される化合物ないしはその加水分解
生成物である。
【0067】これらに分散される無機系微粒子の好まし
い無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジ
ルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げ
ることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち
粉末ないしは水および/またはその他の溶媒中へのコロ
イド状分散体として、市販されている。これらをさらに
上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散し
て使用する。
い無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジ
ルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げ
ることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち
粉末ないしは水および/またはその他の溶媒中へのコロ
イド状分散体として、市販されている。これらをさらに
上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散し
て使用する。
【0068】上記より高い屈折率を有する層を形成する
材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自
身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシ
ド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物
(例、キレート化合物)、活性無機ポリマー)を挙げる
ことができる。これらの好適な例としては、チタンテト
ラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタ
ンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブト
キシド、チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテト
ラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、
アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムト
リブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモン
トリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジル
コニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテト
ラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブト
キシド、ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド及びジ
ルコニウムテトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコ
レート化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニ
ウム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニ
ウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、
アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトア
セテート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエ
チルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには
炭素ジルコニールアンモニウムあるいはジルコニウムを
主成分とする活性無機ポリマーなどを挙げることができ
る。上記に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化
合物と併用できるものとしてとくに各種のアルキルシリ
ケート類もしくはその加水分解物、微粒子状シリカとく
にコロイド状に分散したシリカゲルも使用することがで
きる。
材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自
身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシ
ド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物
(例、キレート化合物)、活性無機ポリマー)を挙げる
ことができる。これらの好適な例としては、チタンテト
ラエトキシド、チタンテトラ−i−プロポキシド、チタ
ンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブト
キシド、チタンテトラ−sec −ブトキシド、チタンテト
ラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、
アルミニウムトリ−i−プロポキシド、アルミニウムト
リブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモン
トリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジル
コニウムテトラ−i−プロポキシド、ジルコニウムテト
ラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブト
キシド、ジルコニウムテトラ−sec −ブトキシド及びジ
ルコニウムテトラ−tert−ブトキシドなどの金属アルコ
レート化合物;ジイソプロポキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ジエトキシチタニウムビス(アセ
チルアセトネート)、ビス(アセチルアセトンジルコニ
ウム)、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニ
ウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、
アルミニウムジ−i−プロポキシドモノメチルアセトア
セテート及びトリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエ
チルアセトアセテートなどのキレート化合物;さらには
炭素ジルコニールアンモニウムあるいはジルコニウムを
主成分とする活性無機ポリマーなどを挙げることができ
る。上記に述べた他に、屈折率が比較的低いが上記の化
合物と併用できるものとしてとくに各種のアルキルシリ
ケート類もしくはその加水分解物、微粒子状シリカとく
にコロイド状に分散したシリカゲルも使用することがで
きる。
【0069】本発明の反射防止膜は、表面にアンチグレ
ア機能(即ち、入射光を表面で散乱させて膜周囲の景色
が膜表面に移るのを防止する機能)を有するように処理
することができる。例えば、このような機能を有する反
射防止膜は、透明フィルムの表面に微細な凹凸を形成
し、そしてその表面に反射防止膜(例、低屈折率層等)
を形成することにより得られる。上記微細な凹凸の形成
は、例えば、無機又は有機の微粒子を含む層を透明フィ
ルム表面に形成することにより行なわれる。50nm〜2
μm の粒径を有する微粒子を低屈折率層形成塗布液に、
0.1〜50重量%の量で導入し、反射防止膜の最上層
に凹凸を形成しても良い。アンチグレア機能を有する
(即ち、アンチグレア処理された)反射防止膜は、一般
に3〜30%のヘイズを有する。
ア機能(即ち、入射光を表面で散乱させて膜周囲の景色
が膜表面に移るのを防止する機能)を有するように処理
することができる。例えば、このような機能を有する反
射防止膜は、透明フィルムの表面に微細な凹凸を形成
し、そしてその表面に反射防止膜(例、低屈折率層等)
を形成することにより得られる。上記微細な凹凸の形成
は、例えば、無機又は有機の微粒子を含む層を透明フィ
ルム表面に形成することにより行なわれる。50nm〜2
μm の粒径を有する微粒子を低屈折率層形成塗布液に、
0.1〜50重量%の量で導入し、反射防止膜の最上層
に凹凸を形成しても良い。アンチグレア機能を有する
(即ち、アンチグレア処理された)反射防止膜は、一般
に3〜30%のヘイズを有する。
【0070】本発明の反射防止膜(アンチグレア機能を
有する反射防止膜が好ましい)は、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイ(PDP)、エクレトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置
(CRT)等の画像表示装置に組み込むことができる。
このような反射防止膜を有する画像表示装置は、入射光
の反射が防止され、視認性が格段に向上する。本発明の
反射防止膜を備えた液晶表示装置(LCD)は、たとえ
ば、下記の構成を有する。透明電極を有する一対の基板
とその間に封入されたネマチック液晶からなる液晶セ
ル、及び液晶セルの両側に配置された偏光板からなる液
晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が表面に
本発明の反射防止膜を備えている液晶表示装置。
有する反射防止膜が好ましい)は、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイ(PDP)、エクレトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置
(CRT)等の画像表示装置に組み込むことができる。
このような反射防止膜を有する画像表示装置は、入射光
の反射が防止され、視認性が格段に向上する。本発明の
反射防止膜を備えた液晶表示装置(LCD)は、たとえ
ば、下記の構成を有する。透明電極を有する一対の基板
とその間に封入されたネマチック液晶からなる液晶セ
ル、及び液晶セルの両側に配置された偏光板からなる液
晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が表面に
本発明の反射防止膜を備えている液晶表示装置。
【0071】本発明においては、中間層としてハードコ
ート層、防湿防止層、帯電防止層等を、透明フィルム上
に設けることもできる。ハードコート層としては、アク
リル系、ウレタン系、エポキシ系のポリマー及び/又は
オリゴマー及びモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)の他
に、シリカ系の材料も使用することができる。
ート層、防湿防止層、帯電防止層等を、透明フィルム上
に設けることもできる。ハードコート層としては、アク
リル系、ウレタン系、エポキシ系のポリマー及び/又は
オリゴマー及びモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)の他
に、シリカ系の材料も使用することができる。
【0072】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準で
ある。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準で
ある。
【0073】(1) シリル基含有ビニル系樹脂の調製 還流冷却器、攪拌機を備えた反応器に、メチルメタクリ
レート90部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、キシ
レン130部を加え混合したのち、攪拌しながら80℃
に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4
部をキシレン10部に溶解したものを30分間かけて滴
下し、さらに80℃で5時間反応させて固形分濃度50
%のシリル基含有ビニル系樹脂溶液(イ)を得た。この
シリル基含有ビニル系樹脂のゲルバーミエーションクロ
マトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量は
12,000であり、ポリマー1分子あたり平均6個の
シリル基を含有していることが推定された。
レート90部、n−ブチルアクリレート40部、γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン20部、キシ
レン130部を加え混合したのち、攪拌しながら80℃
に加温し、この混合物にアゾビスイソバレロニトリル4
部をキシレン10部に溶解したものを30分間かけて滴
下し、さらに80℃で5時間反応させて固形分濃度50
%のシリル基含有ビニル系樹脂溶液(イ)を得た。この
シリル基含有ビニル系樹脂のゲルバーミエーションクロ
マトグラフィーによるポリスチレン換算数平均分子量は
12,000であり、ポリマー1分子あたり平均6個の
シリル基を含有していることが推定された。
【0074】(2) 低屈折率層組成物の調製 攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、(a′) メチルトリ
メトキシシラン100部、(b′) ジメチルジメトキシシ
ラン50部、(c) カネカゼムラック〔鐘淵化学工業
(株)製、固形分含量50%〕、(d) ジイソプロポキシ
アルミニウムエチルアセトアセテート20部(0.07
モル当量)、(e) i−プロパノール40部を加え混合し
たのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反
応させたのち、室温まで冷却し、(f) アセチルアセトン
20部(0.2モル当量)を添加し、低屈折率層組成物
Aを得た。同様の反応器を用い、表1に示す組成物B〜
E、X、Yを得た。
メトキシシラン100部、(b′) ジメチルジメトキシシ
ラン50部、(c) カネカゼムラック〔鐘淵化学工業
(株)製、固形分含量50%〕、(d) ジイソプロポキシ
アルミニウムエチルアセトアセテート20部(0.07
モル当量)、(e) i−プロパノール40部を加え混合し
たのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反
応させたのち、室温まで冷却し、(f) アセチルアセトン
20部(0.2モル当量)を添加し、低屈折率層組成物
Aを得た。同様の反応器を用い、表1に示す組成物B〜
E、X、Yを得た。
【0075】
【表1】
【0076】(3) 第1層(ハードコート層)の塗設 25重量部のジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサア
クリレート(商品名:DPHA、日本化薬(株)製)、
25重量部のウレタンアクリレートオリゴマー(商品
名:UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)、
2重量部の光重合開始剤(商品名:イルガキュアー90
7、チバ−ガイギー社製)及び0.5重量部の増感剤
(商品名:カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)
を50重量部のメチルエチルケトンに溶解した塗布液
を、90μm の厚みを有するTACフィルム上にワイヤ
ーバーを用いて塗布し、次いで塗布膜に紫外線照射して
ハードコート層(屈折率:1.53、層厚:5μm )を
形成した。
クリレート(商品名:DPHA、日本化薬(株)製)、
25重量部のウレタンアクリレートオリゴマー(商品
名:UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)、
2重量部の光重合開始剤(商品名:イルガキュアー90
7、チバ−ガイギー社製)及び0.5重量部の増感剤
(商品名:カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)
を50重量部のメチルエチルケトンに溶解した塗布液
を、90μm の厚みを有するTACフィルム上にワイヤ
ーバーを用いて塗布し、次いで塗布膜に紫外線照射して
ハードコート層(屈折率:1.53、層厚:5μm )を
形成した。
【0077】(4) 第2層(中屈折率層)の塗設 TiO2 の微分散液とバインダーとしてポリメチルメタ
クリレート(屈折率:1.48)を含む塗布液(固形
分:2重量%、TiO2 /バインダー=22/78、重
量比)を、ハードコート層の上にワイヤーバーを用いて
塗布し、100℃で乾燥して、中屈折率層(屈折率:
1.62、層厚:78nm)を形成した。 (5) 第3層(高屈折率層)の塗設 TiO2 の微分散液と上記バインダーを含む塗布液(固
形分:2重量%、TiO2 /バインダー=68/32、
重量比)を、中屈折率層の上にワイヤーバーを用いて塗
布し、100℃で乾燥して、高屈折率層(屈折率:2.
00、層厚:127nm)を形成した。
クリレート(屈折率:1.48)を含む塗布液(固形
分:2重量%、TiO2 /バインダー=22/78、重
量比)を、ハードコート層の上にワイヤーバーを用いて
塗布し、100℃で乾燥して、中屈折率層(屈折率:
1.62、層厚:78nm)を形成した。 (5) 第3層(高屈折率層)の塗設 TiO2 の微分散液と上記バインダーを含む塗布液(固
形分:2重量%、TiO2 /バインダー=68/32、
重量比)を、中屈折率層の上にワイヤーバーを用いて塗
布し、100℃で乾燥して、高屈折率層(屈折率:2.
00、層厚:127nm)を形成した。
【0078】(6) 第4層(低屈折率層)の塗設 上記の表1の組成物を高屈折率層の上にワイヤーバーを
用いて塗布し、100℃1時間乾燥して低屈折率層(層
厚:93nm)を形成した。層の屈折率は1.3〜1.5
の範囲であった。
用いて塗布し、100℃1時間乾燥して低屈折率層(層
厚:93nm)を形成した。層の屈折率は1.3〜1.5
の範囲であった。
【0079】(7) 塗設フィルムの性能評価 こうして得られた第1〜4層を塗設してフィルムについ
て、表面反射率(光波長400〜800nmの平均反射
率)および膜表面強度の測定を実施した。膜表面強度
は、指先、ティッシュ、消しゴム、爪先でそれぞれこす
り、目視観察し、指先こすりで傷付くものを0、ティッ
シュでこすり傷付くものを1、消しゴムこすりで傷付く
ものを2、爪先こすりで傷付くものを3、どの方法でも
傷が認められないものを4とした。結果を表2に示し
た。
て、表面反射率(光波長400〜800nmの平均反射
率)および膜表面強度の測定を実施した。膜表面強度
は、指先、ティッシュ、消しゴム、爪先でそれぞれこす
り、目視観察し、指先こすりで傷付くものを0、ティッ
シュでこすり傷付くものを1、消しゴムこすりで傷付く
ものを2、爪先こすりで傷付くものを3、どの方法でも
傷が認められないものを4とした。結果を表2に示し
た。
【0080】
【表2】
【0081】本実施例から明らかなように、本発明の反
射防止膜は非常に低い表面反射率と広い波長領域を有
し、かつ十分に強靱な膜強度を有していることがわか
る。一方、比較例では表面反射率あるいは膜強度が不十
分であった。
射防止膜は非常に低い表面反射率と広い波長領域を有
し、かつ十分に強靱な膜強度を有していることがわか
る。一方、比較例では表面反射率あるいは膜強度が不十
分であった。
【0082】(8) (反射防止フィルムを設置した表示装
置の作成) 上記実施例で作成した実施例1〜5、比較例1の反射防
止フィルムを日本電気株式会社より入手したパーソナル
コンピューターPC9821NS/340Wの液晶ディ
スプレイ表面に貼り付け、表面装置サンプルを作成し、
その表面反射による風景映り込み程度を目視にて評価し
た。本発明の実施例1〜5の反射防止フィルムを設置し
た表示装置は周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視
認性を示したのに対し、比較例1のフィルムを設置した
表示装置は周囲の映り込みが多く、視認性が劣るもので
あった。
置の作成) 上記実施例で作成した実施例1〜5、比較例1の反射防
止フィルムを日本電気株式会社より入手したパーソナル
コンピューターPC9821NS/340Wの液晶ディ
スプレイ表面に貼り付け、表面装置サンプルを作成し、
その表面反射による風景映り込み程度を目視にて評価し
た。本発明の実施例1〜5の反射防止フィルムを設置し
た表示装置は周囲の風景映り込みが殆どなく、快適な視
認性を示したのに対し、比較例1のフィルムを設置した
表示装置は周囲の映り込みが多く、視認性が劣るもので
あった。
【0083】
【発明の効果】本発明では、有機ポリマーとアルコキシ
シランの縮重合反応により得られた組成物により低屈折
率層を作成し、さらにそれに隣接した高屈折率層の屈折
率を1.7以上とすることにより、良好な光学特性、膜
強度に優れた、安価で面積の大きい反射防止膜を製造適
性を有した形で提供できる。
シランの縮重合反応により得られた組成物により低屈折
率層を作成し、さらにそれに隣接した高屈折率層の屈折
率を1.7以上とすることにより、良好な光学特性、膜
強度に優れた、安価で面積の大きい反射防止膜を製造適
性を有した形で提供できる。
【図1】本発明の反射防止膜の代表的な一例の断面図を
示す。
示す。
【図2】本発明の反射防止膜の代表的な別の一例の断面
図を示す。
図を示す。
11、21:低屈折率層 12、24:高屈折率層 22:中屈折率層 13、23:透明フィルム 20:下層層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明の好ましい実施態様は、該低屈折層
の組成物に、(d)一般式Zr(OR3)p(R4CO
CHCOR5)4−p、Ti(OR3)q(R4COC
HCOR5)4−q、およびAl(OR3)r(R4C
OCHCOR5)3−r(式中R3およびR4は同一ま
たは異なり炭素数1〜6のアルキル基、R5は炭素数1
〜5のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキシ
基、p〜qは0〜3の整数、rは0〜2の整数を示す)
で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種の金
属キレート化合物を0.01〜50重量部、(e)有機
溶媒、(f)一般式R4COCH2COR5(式中、R
4およびR5は前記に同じ)で表されるβ−ジケトン類
および/またはβ−ケトエステル類を(d)金属キレー
ト化合物1モルに対し2モル以上添加することである。
の組成物に、(d)一般式Zr(OR3)p(R4CO
CHCOR5)4−p、Ti(OR3)q(R4COC
HCOR5)4−q、およびAl(OR3)r(R4C
OCHCOR5)3−r(式中R3およびR4は同一ま
たは異なり炭素数1〜6のアルキル基、R5は炭素数1
〜5のアルキル基または炭素数1〜16のアルコキシ
基、p〜qは0〜3の整数、rは0〜2の整数を示す)
で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種の金
属キレート化合物を0.01〜50重量部、(e)有機
溶媒、(f)一般式R4COCH2COR5(式中、R
4およびR5は前記に同じ)で表されるβ−ジケトン類
および/またはβ−ケトエステル類を(d)金属キレー
ト化合物1モルに対し2モル以上添加することである。
Claims (5)
- 【請求項1】 (a) 一般式R1Si(OR2)3(式中、R1 は炭
素数1〜8の有機基、R2 は炭素原子数1〜5のアルキ
ル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表される
オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮
合物をオルガノシラン換算で100重量部、(b) 一般式
R1 2Si(OR2)2(式中、R1 およびR2 は前記に同じ)で表
されるジオルガノシランの加水分解物および/またはそ
の部分縮合物をジオルガノシラン換算で0〜150重量
部、(c) 末端あるいは側鎖に加水分解性基および/また
は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合
体中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂
2〜300重量部からなる組成物より形成された低屈折
率層(1) とそれに隣接して屈折率が1.7以上である高
屈折率層(2) からなることを特徴とする反射防止膜。 - 【請求項2】 該低屈折層の組成物に、(d) 一般式 Zr
(OR3)p (R4COCHCOR5) 4-p 、 Ti(OR3)q (R4COCHCOR5)
4-p 、および Al(OR3)p (R4COCHCOR5)3-p (式中R3 お
よびR4 は同一または異なり炭素数1〜6のアルキル
基、R5 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜
16のアルコキシ基、p〜qは0〜3の整数、rは0〜
2の整数を示す)で表される化合物の群から選ばれた少
なくとも1種の金属キレート化合物を0.01〜50重
量部、(e) 有機溶媒、(f) 一般式R4COCH2COR5(式中、R
4 およびR5 は前記に同じ)で表されるβ−ジケトン類
および/またはβ−ケトエステル類を(d) 金属キレート
化合物1モルに対し2モル以上添加したことを特徴とす
る請求項1に記載の反射防止膜。 - 【請求項3】 該高屈折率層(2) に隣接し、低屈折率層
(1) の反対側に層(3) を有し、更に層(4) を有するもの
であって、層(3) が層(4) の屈折率と高屈折率層(2) の
屈折率の中間の屈折率を有することを特徴とする請求項
1または2に記載の反射防止膜。 - 【請求項4】 (a) 一般式R1Si(OR2)3(式中、R1 は炭
素数1〜8の有機基、R2 は炭素原子数1〜5のアルキ
ル基または炭素数1〜4のアシル基を示す)で表される
オルガノシランの加水分解物および/またはその部分縮
合物をオルガノシラン換算で100重量部、(b) 一般式
R1 2Si(OR2)2(式中、R1 およびR2 は前記に同じ)で表
されるジオルガノシランの加水分解物および/またはそ
の部分縮合物をジオルガノシラン換算で0〜150重量
部、(c) 末端あるいは側鎖に加水分解性基および/また
は水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基を重合
体中に少なくとも1個有するシリル基含有ビニル系樹脂
2〜300重量部からなる組成物より形成された低屈折
率層(1) とそれに隣接して屈折率が1.7以上である高
屈折率層(2) からなることを特徴とする反射防止膜を配
置した表示装置。 - 【請求項5】 該低屈折層の組成物に、(d) 一般式 Zr
(OR3)p (R4COCHCOR5) 4-p 、 Ti(OR3)q (R4COCHCOR5)
4-p 、および Al(OR3)p (R4COCHCOR5)3-p (式中、R3
およびR4 は同一または異なり炭素数1〜6のアルキル
基、R5 は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜
16のアルコキシ基、p〜qは0〜3の整数、rは0〜
2の整数を示す)で表される化合物の群から選ばれた少
なくとも1種の金属キレート化合物を0.01〜50重
量部、(e) 有機溶媒、(f) 一般式R4COCH2COR5(式中、R
4 およびR5 は前記に同じ)で表されるβ−ジケトン類
および/またはβ−ケトエステル類を(d) 金属キレート
化合物1モルに対し2モル以上添加したことを特徴とす
る請求項4に記載の反射防止膜を配置した表示装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9186288A JPH1130706A (ja) | 1997-07-11 | 1997-07-11 | 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 |
US09/114,139 US6129980A (en) | 1997-07-11 | 1998-07-13 | Anti-reflection film and display device having the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9186288A JPH1130706A (ja) | 1997-07-11 | 1997-07-11 | 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1130706A true JPH1130706A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16185696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9186288A Pending JPH1130706A (ja) | 1997-07-11 | 1997-07-11 | 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1130706A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001089679A (ja) * | 1999-09-24 | 2001-04-03 | Ube Nitto Kasei Co Ltd | 有機−無機複合傾斜材料、その製造方法及びその用途 |
JP2001330706A (ja) * | 2000-05-19 | 2001-11-30 | Nof Corp | 減反射材およびその用途 |
JP2004277596A (ja) * | 2003-03-17 | 2004-10-07 | Nitto Denko Corp | 硬化膜、反射防止フィルム、光学素子、及び画像表示装置 |
JP2008052088A (ja) * | 2006-08-25 | 2008-03-06 | Bridgestone Corp | ディスプレイ用反射防止フィルム、および、これを用いたディスプレイ |
JP5505569B1 (ja) * | 2012-12-11 | 2014-05-28 | 東レ株式会社 | 熱硬化性着色組成物及び硬化膜、その硬化膜を具備したタッチパネル、その熱硬化性着色組成物を用いるタッチパネルの製造方法 |
US11680172B2 (en) | 2016-02-19 | 2023-06-20 | Lg Chem, Ltd. | Photocurable coating composition for forming low refractive layer |
-
1997
- 1997-07-11 JP JP9186288A patent/JPH1130706A/ja active Pending
Cited By (7)
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WO2014091811A1 (ja) * | 2012-12-11 | 2014-06-19 | 東レ株式会社 | 熱硬化性着色組成物及び硬化膜、その硬化膜を具備したタッチパネル、その熱硬化性着色組成物を用いるタッチパネルの製造方法 |
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