JP2000047004A - 反射防止膜およびそれを配置した表示装置 - Google Patents
反射防止膜およびそれを配置した表示装置Info
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Abstract
射率1%以下)を示し、同時に膜強度、密着性、耐熱
性、製造適性に優れた反射防止膜を提供する。 【解決手段】支持体の上にオルガノシラン類の加水分解
物および/またはその部分縮合物を含有する組成物を塗
設して形成された低屈折率層を有する反射防止膜であっ
て、該低屈折率層の下に膜厚が50〜200nmであり、
多官能エポキシ化合物を光カチオン重合硬化して形成さ
れる高屈折率層が塗設された反射防止膜。
Description
CD)等の画像表示装置の表面の反射率低下に有効な反
射防止膜および反射防止膜を有する画像表示装置に関す
る。特に、量産性と高い膜強度を実現する反射防止膜お
よびそれを配置した表示装置に関する。
外使用化に伴い、その使用条件下でのタフネス化、例え
ば、反射光耐性(視認性確保)、防汚性や耐熱性の向上
が求められている。表示装置の視認性向上は該装置の主
機能に関わる課題であり、当然その重要性も高く、活発
に視認性向上のための施策が検討されている。一般に視
認性を低下させるのは外光の表面反射による景色の写り
込みであり、これらに対する対処として最表面に反射防
止膜を設ける方法が一般的に行われる。しかしながら、
この反射防止膜はその機能発現のために最表面に設けら
れるため、必然的に反射防止膜の性能に対してタフネス
化の観点から多くの高品質化の課題が集中してくる。例
えば、極限までの反射率低下(反射率1%以下)、指紋
や油脂等の付着防止や易除去性、炎天下や自動車室内の
ような高温環境下での諸性能の維持、高い表面硬度およ
び耐擦傷性などである。
しては、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムのような無機
化合物の多層蒸着膜が用いられてきた。しかしながら蒸
着法は高コストでありまた大量製造適性に乏しいため、
近年塗布法による反射防止膜製造の試みが盛んに行われ
ている。例えば、アルコキシシラン化合物の加水分解部
分縮合物の塗布(ゾルゲル法)により得られる反射防止
膜は、無機マトリックスが得られるため非常に高い膜強
度が期待できる。このような技術としては、特公平6−
98703号、特開昭63−21601号には、アルコ
キシシラン化合物の加水分解部分縮合物からなる組成物
をプラスチック表面に塗布して反射光を低減させる技術
が開示されている。しかしながらこれらの無機マトリッ
クスは一般に多くの基材との密着性に乏しく、剥離故障
が生じやすい欠点を有する。上記の公報では、基板の上
に0.5μm程度の膜厚のコーティング層を設け、更に
必要に応じて活性化ガス処理や薬品処理を行うことによ
り密着の改良を行っている。しかしながら該コーティン
グ層とオルガノシラン層との屈折率差が小さいため、反
射防止性能が不十分であり、膜強度と反射防止性能の高
いレベルでの両立が実現できていなかった。
な波長領域において一様に低い反射率(反射率1%以
下)を示し、同時に膜強度、密着性、耐久性、耐汚れ付
着性、耐熱性に優れた反射防止膜を低コストで、大量か
つ大面積製造の適性のある方法で提供することにある。
また、その反射防止膜を配置した表示装置を提供するこ
とにある。
支持体の上にオルガノシランの加水分解物および/また
はその部分縮合物を含有する組成物を塗設して形成され
た低屈折率層を有する反射防止膜であって、該低屈折率
層の下に膜厚が50〜200nmであり、屈折率が1.7
0〜2.20である高屈折率層を有し、該高屈折率層が
多官能エポキシ化合物の光カチオン重合硬化膜であるこ
とを特徴とする反射防止膜によって達成された。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)支持体の上にオルガノシランの加水分解物および
/またはその部分縮合物を含有する組成物を塗設して形
成された低屈折率層を有する反射防止膜であって、該低
屈折率層の下に膜厚が50〜200nmであり、屈折率が
1.70〜2.20である高屈折率層を有し、該高屈折
率層が多官能エポキシ化合物の光カチオン重合硬化膜で
あることを特徴とする反射防止膜。 (2)該多官能エポキシ化合物が3官能以上のエポキシ
化合物であることを特徴とする項1記載の反射防止膜。 (3)該高屈折率層が酸化チタンを主成分とする無機物
微粒子を含有することを特徴とする項1または2記載の
反射防止膜。 (4)該低屈折率層が金属キレート化合物を含有するこ
とを特徴とする項1〜3のいずれかに記載の反射防止
膜。 (5)該反射防止膜が、少なくとも表層より順に、低屈
折率層、高屈折率層、中屈折率層を有し、該中屈折率層
は低屈折率層と高屈折率層の中間の屈折率を有し、膜厚
が50〜200nmであることを特徴とする項1〜4のい
ずれかに記載の反射防止膜。 (6)項1〜5に記載の反射防止膜を配置したことを特
徴とする表示装置。
防止膜について詳細に説明する。以下本発明において
は、オルガノシランの加水分解およびその部分縮合物か
らなる塗布液をゾル液、ゾル液を塗設して形成される膜
をゾルゲル膜と称する。
率層用素材として、低屈折率かつ高い強度を有するゾル
ゲル膜を使用し、更にこのゾルゲル膜の下層に、高屈折
率層として高屈折率かつゾルゲル膜との密着に優れたエ
ポキシバインダー層を使用することにより、ゾルゲル膜
の密着不良による膜強度損失を防ぎ、優れた膜強度を有
する反射防止膜を得ることを特徴とする。
ついて以下に説明する。本発明では低屈折率層としてゾ
ルゲル膜を用いることを特徴とし、その原料となるオル
ガノシランについて以下に説明する。オルガノシランは
分子内に少なくとも1つの加水分解によりシラノールを
与えることのできる官能基を有するシラン化合物を表
し、本発明の組成物中では、加水分解、縮合して得られ
る加水分解物および/または部分縮合物となり組成物中
における結合剤としての働きをするものである。一般的
には式(R9)4Si で表される化合物である。式中、R9 は
炭素数1〜10のアルキル基またはアリール基、炭素数
1〜5のアルコキシル基または炭素数1〜4のオキシア
シル基、ハロゲン原子を表す。1分子中の4個のR9 は
この定義の範疇であれば互いに同じであっても異なって
いても良く、自由に組み合わせて選択することができる
が、4つが同時に炭素数1〜10のアルキル基またはア
リール基になることはない。
ル基またはアリール基としてメチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほ
かγ−クロロプロピル基、ビニル基、 CF3- 、CF3CH2CH
2-、CF3CH2CH2CH2- 、C2F5CH 2CH2CH2-、C3F7CH2CH2CH
2-、C2F5CH2CH2- 、CF3OCH2CH2CH2-、C2F5OCH2CH2CH
2-、C3F7OCH2CH2CH2- 、(CF3)2CHOCH2CH2CH2- 、C4F9CH
2OCH2CH2CH2-、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキ
シ)プロピル、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2- 、H(CF2)4CH2CH
2CH2- 、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリル
オキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニ
ル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などが
挙げられる。炭素数1〜5のアルコキシ基または炭素数
1〜4のオキシアシル基としては、例えばメトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n
−ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ア
セトキシ基、ハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素などを挙げられる。
は、以下で説明する(a) 〜(c) 成分のものを挙げること
ができる。 (a) 成分 (a) 成分は、一般式Si(OR1)4で表されるアルコキシシラ
ンであり、本発明の組成物中では、加水分解、縮合して
得られる加水分解物および/または部分縮合物となり組
成物中における結合剤としての働きをするものである。
かかるアルコキシシラン中のR1 は、炭素数1〜5のア
ルキル基または炭素数1〜4のアシル基であり、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、ア
セチル基などが挙げられる。
は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラn−プロポキシシラン、テトラ-i−プロポキシシラ
ン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−アセトキシ
シランなどを挙げることができる。上記アルコキシシラ
ンは1種単独でも、その2種以上を併用しても良い。
ンであり、本発明の組成物中では、加水分解、縮合して
得られる加水分解物および/または部分縮合物となり組
成物中における結合剤としての働きをするものである。
かかるオルガノシラン中のR2 は、炭素数1〜10の有
機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほかγ−ク
ロロプロピル基、ビニル基、CF3-、CF3CH2- 、CF3CH2CH
2-、CF3CH2CH2CH2- 、C2F5CH2CH2CH2-、C3F7CH2CH2CH
2-、C2F5CH2CH2- 、CF3OCH2CH2CH2-、C2F5OCH2CH2CH2-
、C3F7OCH2CH2CH2- 、(CF3)2CHOCH2CH2CH2- 、C4F9CH2
OCH2CH2CH2-、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキ
シ)プロピル、H(CF2)4CH2OCH2CH2CH2- 、H(CF2)4CH2CH
2CH2- 、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メタクリル
オキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、フェニ
ル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基などが
挙げられる。また、オルガノシラン中のR3 は、炭素数
1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアシル基であ
り、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−
プロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチ
ル基、アセチル基などが挙げられる。
は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラ
ン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシ
ラン、CF3CH2CH2Si(OCH3)3、CF3CH2CH2CH2Si(OCH3)3 、
C2H5CH2CH2CH2Si(OCH3)3、C2F5CH2CH2Si(OCH3)3 、C3F7
CH2CH2CH2Si(OCH3)3、C2F5OCH2CH2CH2Si(OCH3)3 、C3F7
OCH2CH2CH2Si(OC2H5)3、(CF3)2CHOCH2CH2CH2Si(OCH3)
3 、C4F9CH2OCH2CH2CH2Si(OCH3)3、H(CF2)4CH2OCH2CH2C
H2Si(OCH3)3 、3−(パーフルオロシクロヘキシルオ
キシ)プロピルシラン等を挙げることができる。
ランが好ましい。また、R2 としてフッ素原子を有さな
いオルガノシランを用いる場合、メチルトリメトキシシ
ランまたはメチルトリエトキシシランを用いる事が好ま
しい。上記のオルガノシランは1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用する事もできる。
5 は前記(b) 成分に使用されるオルガノシランで定義さ
れたR2 およびR3 と同義)で表されるジオルガノシラ
ンである。ただし、R4 およびR5 は(b) 成分と同じ置
換基でなくてもよい。本発明の組成物中では加水分解、
縮合して得られる加水分解物および/または部分縮合物
となり、組成物中における結合剤としての働きをすると
ともに、塗膜を柔軟化し耐アルカリ性を向上させるもの
である。
メチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラ
ン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロ
ピルジエトキシシラン、ジ−i−プロピルジメトキシシ
ラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、ジフェニル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、(CF3
CH2CH2)2Si(OCH3)2 、(CF3CH2CH2CH2)2Si(OCH3)2、(C3F
7OCH2CH2CH2)2Si(OCH3)2、〔H(CF2)6CH2OCH2CH2CH2〕2
Si(OCH3)2 、(C2F5CH2CH2)2Si(OCH3)2などを挙げる事が
でき、好ましくはフッ素原子を有するオルガノシランで
ある。またR4 としてフッ素原子を有さないオルガノシ
ランを用いる場合には、ジメチルジメトキシシラン、ジ
メチルジエトキシシランが好ましい。このようなR4 2Si
(OR5)2 で表されるオルガノシランは、1種単独で用い
てもよいし、あるいは2種以上を併用することもでき
る。
〜(c) 成分を用いる場合、混合して用いることができ
る。混合割合は、それぞれ(a) 0〜90重量%、(b) 0
〜90重量%、(c) 0〜50重量%、かつ(a) と(b) の
合計が50〜100重量%、であることが好ましく、よ
り好ましくは、(a) 0〜70重量%、(b) 20〜90重
量%、(c) 0〜30重量%、かつ(a) と(b) の合計が6
0〜100重量%、である。
のオルガノシラン類の他に以下に説明するような(d) シ
リル基含有ビニルポリマーを添加して用いることも好ま
しい。この(d) シリル基含有ビニルポリマーは上記(a)
〜(c) のオルガノシラン類とともにゾルゲル反応を行な
い、低屈折率層ゾルゲル膜中に組みこまれるものであ
り、塗膜の製膜性や脆性の改良に効果がある。以下に本
発明の(d) シリル基含有ビニルポリマーについて説明す
る。
合体からなり、末端あるいは側鎖に加水分解性基および
/または水酸基と結合したケイ素原子を有するシリル基
を重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以
上含有するものであり、該シリル基の多くは、下記一般
式
基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオ
アルコキシ基、アミノ基などの加水分解性基および/ま
たは水酸基、R10は水素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、または炭素数1〜10のアラルキル基、aは1〜
3の整数である)で表される。
(イ)ヒドロシラン化合物を炭素−炭素二重結合を有す
るビニルポリマーと反応させることにより製造してもよ
く、また(ロ)下記一般式
11は重合性二重結合を有する有機基である)で表される
シラン化合物と、各種ビニル系化合物とを重合すること
により製造してもよく、その製造方法は限定されるもの
ではない。
使用されるヒドロシラン化合物としては、例えばメチル
ジクロルシラン、トリクロルシラン、フェニルジクロル
シランなどのハロゲン化シラン類;メチルジエトキシシ
ラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシ
ラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシランなどの
アルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェ
ニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシランなどの
アシロキシシラン類;メチルジアミノキシシラン、トリ
アミノキシシラン、ジメチルアミノキシシラン、トリア
ミノシランなどのアミノシラン類が挙げられる。
れるビニルポリマーとしては、水酸基を含むビニルポリ
マーを除く以外に特に限定はなく、例えば(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ベンジル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートな
どの(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル
酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸および無水
マレイン酸などの酸無水物;グリシジル(メタ)アクリ
レートなどのエポキシ化合物;ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、アミノエチルビニルエーテルな
どのアミノ化合物;(メタ)アクリルアミド、N−t−
ブチル(メタ)アクリルアミド、イタコン酸ジアミド、
α−エチルアクリルアミド、クロトンアミド、フマル酸
ジアミド、マレイン酸ジアミド、N−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミドなどのアミド化合物;アクリロ
ニトリル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチ
レン、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
N−ビニルピロリドン、
メタクリレートのような側鎖に二重結合を有するモノマ
ーと共重合したビニルポリマーが好ましく、共重合モノ
マーとして含フッ素モノマーを少くとも1種用いたもの
が特に好ましい。
れるシラン化合物としては、次のものが挙げられる。
れるビニル系化合物としては、前記(イ)の製造方法で
ビニルポリマーの重合時に用いられるビニル系化合物を
使用することが可能であるが、かかる(イ)の製造方法
に記載された以外に、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシビニルエーテル、N−メチロール
アクリルアミドなどの水酸基を含むビニル系化合物を挙
げることもできる。また、含フッ素モノマーを1種用い
たものが特に好ましい。
の好ましい具体例としては、例えば下記一般式
子またはメチル基、R13は水素原子、炭素数1〜12の
アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
アリル、n−ブチル、i−ブチル、n−ペンテル、n−
ヘキシル、ベンジル、(CF3)2CH- 、CF3CH2- 、C7F15CH2
- 、C2F15CH2CH2-、等の(a) 成分で説明したフッ素原子
を含むアルキル基)を表し、R15はメチレン基、エチレ
ン基、プロピレン基、ブチレン基などの炭素数1〜4の
アルキレン基、R16はR13と同様であり、m/(1+
m)=0.01〜0.4、好ましくは0.02〜0.2
である)で表されるトリアルコキシシリル基含有アクリ
ル重合体を挙げることができる。このシリル基含有ビニ
ルポリマーの数平均分子量は、好ましくは2,000 〜100,
000 、さらに好ましくは4,000 〜50,000である。
ル基含有ビニルポリマーの具体例としては、鐘淵化学工
業(株)製、カネカゼムラックや下記のポリマーを挙げ
ることができるが、これらに限定されるものではない。
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(90/10:
重量比) P−2 n−ブチルメタクリレート/γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン(85/15:重量比) P−3 メチルメタクリレート/γ−アクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン(80/20:重量比) P−4 メチルメタクリレート/γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン(70/30:重量比) P−5 メチルメタクリレート/エチルアクリレート/
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(50
/35/15:重量比)
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(80/20:
重量比) P−7 n−ブチルメタクリレート/スチレン/γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン(50/35
/15:重量比) P−8 メチルメタクリレート/シクロヘキシルアクリ
レート/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン(40/45/15:重量比) P−9 メチルメタクリレート/メチルアクリレート/
γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(40/
40/20:重量比) P−10 メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレー
ト/ビニルトリメトキシシラン(60/30/10:重
量比)
ルトリメトキシシラン(85/15:重量比) P−12 FM-4/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン(85/15:重量比) P−13 FM-2/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン(85/15:重量比) P−14 FM-4/γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン(70/30:重量比) P−15 FM-4/FM-7/γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン(30/55/15:重量比)
ピルトリメトキシシラン(30/50/20:重量比) P−17 FM-3/FM-4/γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン(25/60/15:重量比) P−18 FM-9/メチルメタクリレート/γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン(60/25/15:
重量比) P−19 FM-7/メチルメタクリレート/γ−アクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン(40/45/15:重
量比) P−20 FM-4/メチルメタクリレート/ビニルトリメト
キシシラン(65/20/15:重量比) (d) シリル基含有ビニルポリマーの組成物中の割合は、
(a) 〜(c) 成分の原料であるオルガノシランに対し、0
〜100重量%、好ましくは0〜80重量%、さらに好
ましくは0〜50重量%であり、100重量%を超える
と得られる塗膜の耐久性の悪化を招く。
た有機珪素を主成分とする網目高分子構造により形成さ
れている。この網目構造を構築する主成分(モノマー)
は上述の(a) ないし(d) の化合物である。これら有機珪
素モノマー化合物の本発明における好ましい組み合わせ
について下記および実施例に例示する。混合比はゾル液
調製時に使用した各化合物の重量(g) を示す。
シシラン 5g、上記化合物P−12 2.5g LN−2 メチルトリメトキシシラン 12g、ジメチルジエトキ
シシラン 8g、3,3,3−トリフルオロプロピルト
リメトキシシラン 4g、上記化合物P−12 3g LN−3 テトラエトキシシラン 15g、3,3,3−トリフル
オロブチルトリエトキシシラン 15g LN−4 テトラエトキシシラン 10g、ジメチルジメトキシシ
ラン 5g、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエ
トキシシラン 10g、上記化合物P−121.5g LN−5 メチルトリメトキシシラン 10g、ジメチルジメトキ
シシラン 5g、3−パーフルオロエトキシプロピルト
リメトキシシラン 5g、上記化合物P−52.5g
リフルオロプロピル)ジエトキシシラン 5g、上記化
合物P−7 3g LN−7 テトラエトキシシラン 5g、メチルトリメトキシシラ
ン 10g、ジメチルジメトキシシラン 5g、3,
3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 1
2g LN−8 シクロヘキシルトリメトキシシラン 18g、ビス
(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシ
ラン 12g、テトラエトキシシラン 15g LN−9 テトラエトキシシラン 12g、ジメチルジクロロシラ
ン 10g、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエ
トキシシラン 15g LN−10 メチルトリエトキシシラン 12g、ジメチルジメトキ
シシラン 5g、ビス(3,3,3−トリフルオロプロ
ピル)トリメトキシシラン 5g、上記化合物P−8
4.5g
類から得られるゾル液に加えて、金属キレート化合物の
添加が望ましい。この金属キレート化合物は通常ゾル液
の硬化促進剤として用いられるものでもあるが、本発明
においては単に低屈折率層の硬化促進のみならず、隣接
する高屈折率層がエポキシ基を有するので、このエポキ
シ基とも反応することにより高屈折率層も含めた硬化促
進も行い、この結果両層の密着および膜強度が著しく改
善する。
(e) 成分、について以下に説明する。 (e) 成分 (e) の金属キレート化合物は、一般式R17OH(式中、
R17は炭素数1〜6のアルキル基を示す)、で表される
アルコールとR18COCH2 COR19(式中、R18は炭
素数1〜6のアルキル基、R19は炭素数1〜5のアルキ
ル基または炭素数1〜16のアルコキシ基を示す)で表
されるジケトンを配位子とした、遷移金属を中心金属と
するものであれば特に制限なく好適に用いることができ
る。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物
を併用しても良い。本発明の(e) 金属キレート化合物と
して好ましいものは中心金属にAl、Ti、Zrを有す
るものであり、一般式 Zr(OR17) p1(R18COCHCO
R19) p2 、Ti (OR17) q1(R18COCHCOR19) q2 および Al
(OR17) r1(R18COCHCOR19) r2 で表される化合物群から
選ばれるものが好ましく、より好ましくは中心金属にAl
を有するものである。
18は、同一または異なってもよく炭素数1〜6のアルキ
ル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、sec −ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R
5 は、前記と同様の炭素数1〜6のアルキル基のほか、
炭素数1〜16のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−
ブトキシ基、sec −ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウ
リル基、ステアリル基などである。また、(e) 金属キレ
ート化合物中のp 1 〜r2 は4あるいは6座配位となる
様に決定される整数を表す。
としては、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテート
ジルコニウム、ジ−n−ブトキシビス(エチルアセトア
セテート)ジルコニウム、n−ブトキシトリス(エチル
アセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(n−プ
ロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス
(アセチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキ
ス(エチルアセトアセテート)ジルコニウムなどのジル
コニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エ
チルアセトアセテート)チタニウム、ジイソプロポキシ
・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジイソプロ
ポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどのチ
タニウムキレート化合物;ジイソプロポキシエチルアセ
トアセテートアルミニウム、ジイソプロポキシアセチル
アセトナートアルミニウム、イソプロポキシビス(エチ
ルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビ
ス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エ
チルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチ
ルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナ
ート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムな
どのアルミニウムキレート化合物などが挙げられる。こ
れらの(e) 金属キレート化合物のうち好ましいものは、
トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウ
ム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チ
タニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートア
ルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニ
ウムであり、より好ましくはトリス(アセチルアセトナ
ート)アルミニウムである。これらの(e) 金属キレート
化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用す
ることができる。また、(e) 成分としては、これらの金
属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもで
きる。
は、ゾル液の原料であるオルガノシランに対し、0.0
1〜50重量%、好ましくは0.1〜50重量%、さら
に好ましくは0.5〜15重量%である。
外に、ゾル液硬化促進剤として他の通常の硬化促進剤も
お互いの促進効果が阻害されない範囲内で併用すること
ができる。本発明に用いられる硬化反応促進剤としては
特に制限はなく、用いたゾル液の構成成分に応じて縮合
反応を促進可能な成分を有するものであれば好適に用い
ることができる。一般的に有効なのは上記(e) および下
記(f) 〜(h) の化合物群であり、これらの中から好まし
い化合物を必要量添加することができる。また、これら
の群の中から2種以上をお互いの促進効果が阻害されな
い範囲内で適宜選択して併用することができる。なお、
硬化反応は促進化合物をオルガノシランに対して1〜2
0重量%用いることが好ましい。
硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、燐酸、亜燐酸など、有機
酸化合物としてはカルボン酸類(蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、コハク酸、シクロヘキサンカルボン酸、オ
クタン酸、マレイン酸、2−クロロプロピオン酸、シア
ノ酢酸、トリフルオロ酢酸、パーフルオロオクタン酸、
安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フタル酸など)、
スルホン酸類(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、
トリフルオロメタンスルホン酸)、p−トルエンスルホ
ン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸など)、燐酸
・ホスホン酸類(燐酸ジメチルエステル、フェニルホス
ホン酸など)、ルイス酸類(三フッ化ホウ素エーテラー
ト、スカンジウムトリフレート、アルキルチタン酸、ア
ルミン酸など)、ヘテロポリ酸(燐モリブデン酸、燐タ
ングステン酸など)を挙げることができる。
ウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化
アルミニウム、アンモニアなど、有機塩基化合物として
はアミン類(エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、テトラメチル
エチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリ
ン、エタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン、キ
ヌクリジン、アニリン、ピリジンなど)、ホスフィン類
(トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィンな
ど)、金属アルコキサイド(ナトリウムメチラート、カ
リウムエチラートなど)を挙げることができる。
が有機遷移金属が活性が高く、好ましい。中でもスズの
化合物は安定性と活性が良く特に好ましい。これらの具
体的化合物例としては、(C4H9)2Sn(OCOC11H23)2 、(C4H
9)2Sn(OCOCH=CHCOOCH3)2、(C4H9)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)
2 、(C8H17)2Sn(OCOC11H23)2、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOO
CH3)2 、(C8H17)2Sn(OCOCH=CHCOOC4H9)2、(C8H17)2Sn(O
COCH=CHCOOC8H17)2 、Sn(OCOCC8H17)2などのカルボン酸
型有機スズ化合物;(C4H9)2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C4H9)
2Sn(SCH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H17)2 、(C
8H 17)2Sn(SCH2CH2COOC8H17)2、(C8H17)2Sn(SCH2COOC8H
17)2 、(C8H17)2Sn(SCH2COOC12H25)2、
2SnO、(C8H17)2SnO などの有機スズオキサイドとエチル
シリケートマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、
フタル酸ジオクチルなどのエステル化合物との反応生成
物などの有機スズ化合物などを挙げることができる。
ばナフテン酸ナトリウム、ナフテン酸カリウム、オクタ
ン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム、ラ
ウリル酸カリウムなど)が好ましく用いられる。
要に応じて種々の化合物を添加して使用することができ
る。以下に主な併用素材を挙げて説明する。
分調整をすると同時に、種々の塗布方法に適用できるよ
うにし、組成物の分散安定性及び保存安定性を向上させ
るものである。これらの溶媒は上記目的の果たせるもの
であれば特に限定されない。これらの溶媒の好ましい例
として、例えば水、アルコール類、芳香族炭化水素類、
エーテル類、ケトン類、エステル類等が好適である。
1価アルコールまたは2価アルコールを挙げることがで
き、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽
和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類
の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロ
ピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコール、sec −ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエ
ーテルなどを挙げることができる。
は、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを、エーテル類
の具体例としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
ど、ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどを、エステル類の具体例とし
ては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸プ
ロピレンなどを挙げることができる。これらの有機溶媒
は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用するこ
ともできる。有機溶媒の組成物中の割合は特に限定され
るものではなく、全固形分濃度を使用目的に応じて調節
する量が用いられる。
応速度の調節や液安定性向上の観点でキレート配位能の
ある化合物を用いることも好ましい。好ましく用いられ
るものとしては一般式R18COCH2COR19 で表されるβ−ジ
ケトン類および/またはβ−ケトエステル類であり、本
発明の組成物の安定性向上剤として作用するものであ
る。すなわち、(e) 金属キレート化合物(好ましくはジ
ルコニウム、チタニウムおよび/またはアルミニウム化
合物)中の金属原子に配位することにより、これらの金
属キレート化合物による(a) 〜(d) 成分の縮合反応を促
進する作用を抑制し、得られる膜の硬化速度をコントロ
ールするものと考えられる。R18およびR19は、前記
(g) 金属キレート化合物を構成するR18およびR19と同
義であるが、使用に際して同一構造である必要はない。
トエステル類の具体例としては、アセチルアセトン、ア
セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−
プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n
−ブチル、アセト酢酸−sec-ブチル、アセト酢酸−t−
ブチル、2,4−ヘキサン−ジオン、2,4−ヘプタン
−ジオン、3,5−ヘプタン−ジオン、2,4−オクタ
ン−ジオン、2,4−ノナン−ジオン、5−メチル−ヘ
キサン−ジオンなどを挙げることができる。これらのう
ち、アセト酢酸エチルおよびアセチルアセトンが好まし
く、特にアセチルアセトンが好ましい。これらのβ−ジ
ケトン類および/またはβ−ケトエステル類は、1種単
独でまたは2種以上を混合して使用することもできる。
かかるβ−ジケトン類および/またはβ−ケトエステル
類は、(e) 金属キレート化合物1モルに対し2モル以
上、好ましくは3〜20モルであり、2モル未満では得
られる組成物の保存安定性に劣るものとなる。
成分した混合物の加水分解・縮合用として水を添加す
る。水の使用量は、(a) 〜(d) 成分の加水分解基1モル
に対し、通常、1.2〜3.0モル、好ましくは1.3
〜2.0モル、程度である。本発明の好ましいゾル液
は、その全固形分濃度が、0.1〜50重量%、好まし
くは1〜40重量%であり、50重量%を超えると、組
成物の保存安定性が悪化して好ましくない。
してコロイド状シリカを添加することも可能である。こ
のコロイド状シリカとしては、水分散コロイド状シリ
カ、メタノールもしくはイソプロピルアルコールなどの
有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げることができる。
色、凹凸性の付与、下地への紫外線透過防止、防蝕性の
付与、耐熱性などの諸特性を発現させるために、上記コ
ロイド状シリカの他に充填材を添加・分散させることも
可能である。この充填材としては、例えば有機顔料、無
機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、
繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれら
の酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙
げられる。この充填材の具体例としては、粒子状、繊維
状もしくは鱗片状の鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、
銀、亜鉛、フェライト、カーボンブラック、ステンレス
鋼、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸
化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、
酸化コバルト、合成ムライト、水酸化アルミニウム、水
酸化鉄、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、クレ
ー、ケイソウ土、消石灰、石膏、タルク、炭酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、ベントナイト、雲母、亜鉛緑、クロム緑、コバルト
緑、ビリジアン、ギネー緑、コバルトクロム緑、シェー
レ緑、緑上、マンガン緑、ピグメントグリーン、群青、
紺青、ピグメントグリーン、岩群青、コバルト青、セル
リアンブルー、ホウ酸銅、モリブデン青、硫化銅、コバ
ルト紫、マルス紫、マンガン紫、ピグメントバイオレッ
ト、亜酸化鉛、鉛酸カルシウム、ジンクエロー、硫化
鉛、クロム黄、黄土、カドミウム黄、ストロンチウム
黄、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、亜酸化
銅、カドミウム赤、セレン赤、クロムバーミリオン、ベ
ンガラ、亜鉛白、アンチモン白、塩基性硫酸鉛、チタン
白、リトポン、ケイ酸鉛、酸化ジルコン、タングステン
白、鉛亜鉛華、バンチソン白、フタル酸鉛、マンガン
白、硫酸鉛、黒鉛、ボーン黒、ダイヤモンドブラック、
サーマトミック黒、植物性黒、チタン酸カリウムウィス
カー、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
は、通常、5〜500nm、好ましくは10〜200nmで
ある。充填材を用いる場合の組成物中の割合は、(a) 〜
(d)成分の全固形分100重量部に対し、10〜300
重量部程度である。
チル、オルト酢酸メチル、テトラエトキシシランなどの
公知の脱水剤、各種界面活性剤、前記以外のシランカッ
プリング剤、チタンカップリング剤、染料、分散剤、増
粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加することもでき
る。
以外の溶剤を含有させることができ、かかる溶剤として
は、前記(a) 〜(d) 成分を混合した際に、沈澱を生起し
ない溶剤であればどのようなものでもよく、一般の塗
料、コーティング剤などに用いられる脂肪族炭化水素
類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン
類、エステル類、エーテル類、ケトンエーテル類、ケト
ンエステル類、エステルエーテル類などを挙げることが
でき、この具体例としては例えばベンゼン、トルエン、
キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル、酢酸イソアミルなどである。これらの有機溶
剤は、本発明の組成物100重量部に対し、通常、10
0重量部以下程度使用される。
ず前記(a) 〜(d) 成分を含有する組成物を調製し、これ
に水を添加して加水分解する方法であれば如何なる方法
でもよい。この時必要に応じて加水分解を促進するため
に触媒を用いても良い。用いる触媒の量は、液の経時安
定性を損なわない範囲であれば特に制限はない。例えば
下記〜の調製方法が好ましい。 (a)〜(c) 成分の混合物にオルガノシラン類の加水分
解基1モルに対し0.2〜3モルの塩酸水を加えて加水
分解・縮合反応を行う方法。 (a)〜(d) 成分と溶媒及び加水分解触媒からなる溶液
に、オルガノシラン類の加水分解基1モルに対し0.2
〜3モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行う方法。
オルガノシラン類の加水分解基1モルに対し0.2〜3
モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで
(d) シリル基含有ビニルポリマーと加水分解触媒を添加
する方法。 (a)〜(c) 成分と溶媒及び加水分解触媒からなる溶液
に、オルガノシラン類の加水分解基1モルに対し0.2
〜3モルの水を加えて加水分解・縮合反応を行い、次い
で(d) シリル基含有ビニルポリマーを加えて混合し、さ
らに縮合反応を行なう方法。
ーコート、ディップコート、スピンコート、ロールコー
ト等の方法により塗布することができる。この低屈折率
層は、後述の本発明の高屈折率層や中屈折率層等と同時
塗布されても良いし、透明フィルム上に予め形成された
中屈折率層、高屈折率層の上に塗布する形態であっても
よい。塗布後、常温での乾燥、あるいは30〜200℃
程度の温度で1分〜100時間程度加熱することによ
り、低屈折率層を形成することができる。
を有するスライドギーサー上で下層塗布液と上層塗布液
のそれぞれが必要な塗布量になる様に吐出流量を調整
し、形成した多層流を連続的に支持体に乗せ、乾燥させ
る方法(同時重層法)が特に好ましい。
る。本発明において高屈折率層は低屈折率層の下層に設
置され、反射率低下に寄与するとともに、通常下層との
密着が弱いゾルゲル膜を密着させるための接着層の役割
も果たす。上記のような性能を持つ高屈折率層の素材構
成としては、高屈折率無機微粒子と多官能エポキシ化合
物の光カチオン重合バインダーの混合物が好ましく、両
者の混合比により屈折率を調節することができる。ここ
で該バインダーはゾルゲル膜に対して特に良好な密着性
を有し、低屈折率層との密着性に大きく寄与する。
折率の無機微粒子について説明する。該無機微粒子は、
屈折率が1.80〜2.80、一次粒子の平均粒径が1
〜150nmである。屈折率が1.80未満の粒子で
は、皮膜の屈折率を高める効果が小さく、屈折率が2.
80を越える粒子は着色しているため好ましくない。ま
た、一次粒子の平均粒径が150nmを越える粒子では
皮膜を形成したときのヘイズ値が高くなり、皮膜の透明
性を損なうので好ましくなく、1nm未満で屈折率が
1.80〜2.80の無機微粒子は存在しない。本発明
で、より好ましい無機微粒子は屈折率が1.90〜2.
80で、一次粒子の平均粒径が1〜100nmの粒子で
あり、更に好ましいのは屈折率が1.90〜2.80
で、一次粒子の平均粒径が1〜80nmの粒子である。
酸化チタン(ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナ
ターゼ、アモルファス構造)、酸化錫、酸化インジウ
ム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛を主成分と
する粒子である。ここで、主成分とは粒子を構成する成
分の中で最も含有量(重量%)が多い成分をさす。本発
明で好ましいのは酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム
を主成分とする粒子であり、特に酸化チタンが好まし
い。本発明で使用される無機微粒子には、粒子の中に種
々の元素が含有されていても構わない。例えば、Ti、
Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、A
s、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P、Sなど
が挙げられる。酸化錫、酸化インジウムにおいては粒子
の導電性を高めるために、Sb、Nb、P、B、In、
V、ハロゲンなどの元素を含有させることが好ましく、
特に、酸化アンチモンを約5〜20重量%含有させたも
のが最も好ましい。本発明で使用される無機微粒子は表
面処理されていても構わない。無機化合物による表面処
理としてはアルミナ処理、シリカ処理、酸化ジルコニウ
ム処理、酸化鉄処理などがあるが、特にアルミナ処理、
シリカ処理が好ましい。また、有機化合物による表面処
理としてはポリオール系処理、アルカノールアミン系処
理、ステアリン酸処理、シランカップリング剤処理、チ
タネートカップリング剤処理などが挙げられ、シランカ
ップリング剤処理が最も好ましい。これらの表面処理は
公知の手法によって行われ、2種類以上を組み合わせて
処理されていても構わない。
特に限定されないが米粒状、球形状、立方体状、紡錘形
状、不定形状が好ましい。本発明の無機微粒子は単独で
用いてもよいが、2種類以上を併用して用いることもで
きる。これらの無機粒子は公知の方法により分散されて
用いられる。分散剤としては、アニオン性、カチオン
性、両性、ノニオン性の何れの界面活性剤も好ましく用
いることができるが、特にアニオン性界面活性剤が好ま
しい。更にブロック共重合体等の高分子分散剤、シラン
カップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニ
ウムカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング
剤などのカップリング剤も好ましく用いることができ
る。またこれらの分散剤が同一分子中にバインダーと共
重合可能な官能基を有する、いわゆる重合性分散剤も好
ましく用いることができる。
ル類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノールなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンな
ど)、エステル類(酢酸、蟻酸などのメチル、エチル、
プロピル、ブチルエステルなど)、炭化水素系(ヘキサ
ン、シクロヘキサンなど)ハロゲン化炭化水素系(メチ
レンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素など)、芳
香族炭化水素系(ベンゼン、トルエン、キシレン、ベン
ジルアルコールなど)、アミド系(ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、n-メチルピロリドンな
ど)、エーテル系(ジエチルエーテル、ジオキサン、テ
トラハイドロフランなど)、エーテルアルコール類(1
−メトキシ−2−プロパノールなど)などがあげられる
が、中でもアルコール類、ケトン類、エステル類が好ま
しい。特に好ましい溶媒はトルエン、キシレン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、ブタノールである。これらのバインダー、溶媒
は、無機微粒子の分散液の保存性を更に高める目的で適
宜使用される。分散機としては、例えば、サンドグライ
ンダーミル(ピン付きビーズミルなど)、高速インペラ
ーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライター、
コロイドミルなどが挙げられ、特に好ましいのは、サン
ドグラインダーミル、高速インペラーミルである。ま
た、予備分散としてボールミル、三本ロールミル、ニー
ダー、エクストルーダーなどを用いて分散することも好
ましい。
ズに分散する必要がある。粒子サイズが200nmより
大きくなると、皮膜の透明性が損なわれるので好ましく
なく、一方、粒子サイズを1nmより小さくすることは
非常に難しい。無機微粒子は好ましくは5〜150n
m、さらに好ましくは10〜100nm、特に好ましく
は10〜80nmの粒子サイズに分散することが好まし
い。無機微粒子の粒子サイズは種々の手法によって評価
され、例えば、光散乱法、電子顕微鏡写真などから見積
もることができる。
て用いられる多官能エポキシ化合物について説明する。
本発明において多官能エポキシ化合物は一分子中に2つ
以上のエポキシ基を有する化合物を表す。好ましいエポ
キシ化合物は3官能以上のエポキシ化合物であり、4官
能以上であると特に好ましい。該多官能エポキシ化合物
の光カチオン重合膜は、ゾルゲル膜との密着性に優れ、
高屈折率微粒子のバインダーとしてだけでなく、ゾルゲ
ル膜に対する接着層としても機能する。接着層として機
能する際には、多官能エポキシ化合物のうち重合に寄与
しなかったエポキシ基が、ゾルゲル膜のシラノール基お
よびゾルゲル硬化剤の金属キレート化合物などと反応す
ることにより密着効果が得られていると考えられる。こ
のような多官能エポキシ化合物の具体例を以下に示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。また2
種以上の多官能モノマーを混合して用いてもよい。
性を有するため、通常のカチオン重合開始剤を用いて重
合硬化可能であるが、塗布液安定性、製造適性などの観
点では好ましくなく、光カチオン重合開始剤が好ましい
ことがわかった。光カチオン重合開始剤としてはジアリ
ールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、芳
香族ジアゾニウム塩などのオニウム塩が挙げられる。ま
た上記光カチオン重合開始剤と併用して増感色素も好ま
しく用いることができる。光カチオン重合開始剤の添加
量としては全モノマー成分に対して0.1〜15重量%
が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%であ
る。
低圧、高圧、超高圧の各種水銀ランプやケミカルラン
プ、メタルハライドランプなどが使用可能であるが、照
射効率が良好な高圧水銀ランプがより好ましい。光照射
の条件としては、バインダー及び支持体の光分解及び熱
分解が生じない範囲で、なるべく高照度、高照射量であ
ることが望ましく、照度としては100〜1000mW
/cm2 、より好ましくは200〜800mW/c
m2 、照射量としては100〜1500mJ/cm2、
より好ましくは300〜1000mJ/cm2 である。
連続照射による膜面温度の上昇を抑えるために分割して
光照射を行うことも好ましい。
は、上記の多官能エポキシ化合物以外のバインダーも混
合して用いることができる。この多官能エポキシ化合物
以外のバインダーは上層の低屈折率層との密着不良を生
じない範囲で適量用いることが好ましく、好ましい添加
量としては全バインダー成分に対して0〜70重量%、
より好ましくは0〜50重量%である。該バインダーと
しては、多官能エポキシ化合物と相溶するバインダーで
あれば特に制限はなく、例えば、ビニルモノマー重合体
類、オルガノシラン縮合体、ポリエステル樹脂、メラミ
ン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂
などが使用でき、特にビニルモノマー重合体類、オルガ
ノシラン縮合体が好ましい。ビニルモノマー重合体類と
しては、例えばジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの
多官能ビニルモノマーの製膜重合体、ポリメタクリル酸
メチル、ポリスチレンおよびこれらに架橋性官能基を有
するモノマーである、3−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、メタクリル酸グリシジル、メタクリ
ルオキシエチルイソシアナート等を共重合した重合体等
が挙げられる。上記ビニルモノマー重合体類に必要なラ
ジカル重合開始剤や硬膜剤などは、多官能エポキシ化合
物のカチオン重合を阻害しない範囲で適量用いることが
好ましい。オルガノシラン縮合体としては、前述の低屈
折率層用素材を同様に用いることができる。
について説明する。上述の高屈折率無機微粒子の分散
物、高屈折率層用のバインダー、光カチオン重合開始剤
その他添加剤などは、高屈折率層塗布液の塗布性、保存
性、被膜の屈折率、耐傷性や耐薬品性などの膜強度等を
高める目的で適宜調節される。本発明の高屈折率層塗布
液に含有される無機粒子の含有量は、該塗布液に含有さ
れる全固形分に対し5〜65体積%である。ここで言う
固形分とは塗布液を乾固したときに残存する成分であ
る。無機微粒子の更に好ましい含有量は10〜60体積
%で、特に好ましい含有量は20〜55体積%である。
5体積%未満では高い屈折率を有する被膜を形成する組
成物を得ることができず、また65体積%を越えると被
膜にしたときに脆化が起こりやすく好ましくない。本発
明の高屈折率層塗布液は透明基材に塗布して用いること
が好ましく、該組成物から作製される被膜も透明である
ことが好ましい。従って、本発明の組成物から作製され
る被膜は、ヘイズが5%以下であることが好ましく、更
に好ましいヘイズ値は3%以下、特に好ましいヘイズ値
は1%以下である。
ト、ディップコート、スピンコート、ロールコートなど
の塗布方法によって、透明基材、中屈折率層を有する透
明基材等の上に塗布することができる。塗布後加熱乾
燥、紫外線照射などの必要に応じた処理を行うことによ
り本発明の高屈折率層を形成することができる。
示すが本発明はこれらに限定されるものではない。
物を塗設して形成された低屈折率層(1) が、それよりも
高い屈折率を有する高屈折率層(2)の上に形成された2
層以上の層により構成される。低屈折率層の屈折率は
1.45以下が好ましく、特に1.40以下が好まし
い。高屈折率層の屈折率は1.7以上が好ましく、特に
1.75以上が好ましい。また、これらの層が支持体、
好ましくは透明フィルム上に塗設されていることが好ま
しい。
で組成物を塗設して形成された低屈折率層(1)が、それ
よりも高い屈折率を有する高屈折率層(2)の上に形成さ
れ、高屈折率層(2)に隣接し、低屈折率層(1) の反対側
に支持体の屈折率と高屈折率層の屈折率の中間の屈折率
を有する中屈折率層(3) が形成された3層構造が好まし
い。さらに中屈折率層と支持体との間に支持体下塗り層
やハードコート層等の層(4) を設けた4層以上の構成と
しても良い。高屈折率層の屈折率としては、1.7以上
が好ましく、特に1.75以上が好ましい。また、これ
らの層が支持体、好ましくは透明フィルム上に塗設され
ていることが好ましい。
00nm、層(2) が50〜200nm、層(3) が50〜20
0nm、層(4) が1μm〜100μmが好ましく、更に好
ましくは層(1) が60〜150nm、層(2) が50〜15
0nm、層(3) が60〜150nm、層(4) が5〜20μ
m、特に好ましくは層(1) が60〜120nm、層(2) が
50〜100nm、層(3) が60〜120nm、層(4) が5
〜10μmである。層(4) は屈折率が1.60以下であ
ることが好ましく、層(3) は層(2) と層(4) の中間の屈
折率が好ましい。
す。各層はそれぞれ、低屈折率層11、高屈折率層1
2、支持体13を示す。反射防止膜を構成する層数の増
加は、通常反射防止膜が適用可能な光の波長範囲を拡大
する。これは、金属化合物を用いる従来の多層膜の形成
原理に基づくものである。
率層12及び低屈折率層11がそれぞれ下記の条件(1)
及び(2) を一般に満足する。 mλ/4×0.7<n1 d1 < mλ/4×1.3 (1) nλ/4×0.7<n2 d2 < nλ/4×1.3 (2) 上記式に於て、mは正の整数(一般に、1、2又は3)
を表し、n1 は高屈折率層の屈折率を表し、d1 は高屈
折率層の層厚(nm)を表し、nは正の奇数(一般に、
1)を表し、n2 は低屈折率層の屈折率を表し、そして
d2 は低屈折率層の層厚(nm)を表す。高屈折率層の屈
折率n1 は、一般に透明フィルムより少なくとも0.0
5高く、そして、低屈折率層の屈折率n2 は、一般に高
屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明フ
ィルムより少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層
の屈折率n1 は、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
上記条件(1) 及び(2) は、従来から良く知られた条件で
あり、例えば、特開昭59−50401号公報に記載さ
れている。
示す。ハードコート層20と中屈折率層22が透明フィ
ルム(支持体)23上に形成され、高屈折率層24が中
屈折層22上に形成され、さらに低屈折率層21が高屈
折率層24上に形成されている。中屈折層率22の屈折
率は、高屈折率層24とハードコート層20との間の値
を有する。図2の反射防止膜は、図1の反射防止膜に比
較して、更に適用可能な光の波長領域が拡がっている。
び低屈折率層がそれぞれ下記の条件(3) 〜(5) を一般に
満足する。 hλ/4×0.7<n3 d3 <hλ/4×1.3 (3) kλ/4×0.7<n4 d4 <kλ/4×1.3 (4) jλ/4×0.7<n5 d5 <jλ/4×1.3 (5) 上記式に於て、hは正の整数(一般に、1、2又は3)
を表し、n3 は中屈折率層の屈折率を表し、d3 は中屈
折率層の層厚(nm)を表し、kは正の整数(一般に、
1、2又は3)を表し、n4 は高屈折率層の屈折率を表
し、d4 は高屈折率層の層厚(nm)を表し、jは正の奇
数(一般に、1)を表し、n5 は低屈折率層の屈折率を
表し、そしてd5 は低屈折率層の層厚(nm)を表す。中
屈折率層の屈折率n3 は、一般に1.5〜1.7の範囲
にあり、高屈折率層の屈折率n4 は、一般に1.7〜
2.2の範囲にある。
その上に設けられた反射防止層からなる。支持体は通
常、透明フィルムである。透明フィルムを形成する材料
としては、セルロース誘導体(例、ジアセチルセルロー
ス、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニル
セルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニ
ルセルロース及びニトロセルロース)、ポリアミド、ポ
リカーボネート(例、米国特許第3,023,101号
に記載のもの)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレン
テレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシ
エタン−4,4′−ジカルボキシレート及び特公昭48
−40414号公報に記載のポリエステル)、ポリスチ
レン、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピ
レン及びポリメチルペンテン)、ポリメチルメタクリレ
ート、シンジオタクチックポリスチレン、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルイミド及びポリオキシエチレンを挙げることが
できる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート及
びポリエチレンテレフタレートが好ましい。透明フィル
ムの屈折率は1.40〜1.60が好ましい。
ア機能(即ち、入射光を表面で散乱させて膜周囲の景色
が膜表面に移るのを防止する機能)を有するように処理
することができる。例えば、このような機能を有する反
射防止膜は、透明フィルムの表面に微細な凹凸を形成
し、そしてその表面に反射防止膜(例、低屈折率層等)
を形成することにより得られる。上記微細な凹凸の形成
は、例えば、無機又は有機の微粒子を含む層を透明フィ
ルム表面に形成することにより行なわれる。50nm〜2
μm の粒径を有する微粒子を低屈折率層形成塗布液に、
0.1〜50重量%の量で導入し、反射防止膜の最上層
に凹凸を形成しても良い。アンチグレア機能を有する
(即ち、アンチグレア処理された)反射防止膜は、一般
に3〜30%のヘイズを有する。
有する反射防止膜が好ましい)は、液晶表示装置(LC
D)、プラズマディスプレイ(PDP)、エクレトロル
ミネッセンスディスプレイ(ELD)、陰極管表示装置
(CRT)等の画像表示装置に組み込むことができる。
このような反射防止膜を有する画像表示装置は、入射光
の反射が防止され、視認性が格段に向上する。本発明の
反射防止膜を備えた液晶表示装置(LCD)は、たとえ
ば、下記の構成を有する。透明電極を有する一対の基板
とその間に封入されたネマチック液晶からなる液晶セ
ル、及び液晶セルの両側に配置された偏光板からなる液
晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板が表面に
本発明の反射防止膜を備えている液晶表示装置。
ート層、防湿防止層、帯電防止層等を、透明フィルム上
に設けることもできる。ハードコート層としては、アク
リル系、ウレタン系、エポキシ系のポリマー及び/又は
オリゴマー及びモノマー(例、紫外線硬化型樹脂)の他
に、シリカ系の材料も使用することができる。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例中、部および%は、特に断らない限り重量基準で
ある。
の調製 還流冷却器、攪拌機を装着した1リットル三ツ口フラスコ
に、フッ素モノマーFM−4を30.6g、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン5.4gを入れ、
窒素気流下70℃に加熱攪拌した。2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)
よりV−65の名称で市販)4.8gをメチルエチルケ
トン25mlに溶解した溶液を添加すると同時に、27
5.4gのFM−4、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン48.6gに19.2gのV−65を溶
解した溶液の滴下を開始し、等速で6時間かけて滴下し
た。滴下終了後、4.8gのV−65と25mlのメチル
エチルケトン溶液を加え、80℃でさらに4時間加熱攪
拌を行ったのちメチルエチルケトン280mlを加え、冷
却する事により標記P−12の溶液635gを得た。固
形分含量は54.4%、得られたポリマーのゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算
数平均分子量は9600であった。
ルトリメトキシシラン100g、ジメチルジメトキシシ
ラン50g、シリル基含有ビニル樹脂P−12(固形分
50%に調製)50g、エタノール40gを加え混合し
たのち、0.01N塩酸水溶液30gを加え、60℃で
4分間反応させたのち、室温まで冷却し、低屈折率層用
ゾル液Aを得た。
反応器にテトラエトキシシラン25g、3,3,3−ト
リフルオロプロピルトリメトキシシラン25g、0.0
1N塩酸水溶液15gを加え、25℃で20時間攪拌
し、低屈折率層用ゾル液Bを得た。
し、酸化チタンの分散液を作成した。 酸化チタン(一次粒子の平均粒径50nm、屈折率2.70) 30重量部 アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート (味の素製プレンアクトAL−M) 6重量部 シクロヘキサノン 64重量部 上記の酸化チタン分散液にグリセロールポリグリシジル
エーテル(ナガセ化成工業製デコナールEX−314)
と光カチオン重合開始剤(ユニオンカーバイド日本製サ
イラキュアUVI−6990)とメチルエチルケトンを
添加し、高屈折率層塗布液(イ)を得た。ここで酸化チ
タンとバインダーの体積比が40/60(重量比68/
32)となるように、また光カチオン重合開始剤はバイ
ンダーに対し5重量%となるように添加した。 (ロ)上記(イ)のバインダーをナガセ化成工業製のデ
コナールEX−411に変更し、高屈折率層塗布液
(ロ)を得た。 (ハ)上記(イ)のバインダーをナガセ化成工業製のデ
コナールEX−521に変更し、高屈折率層塗布液
(ハ)を得た。
ートに変更し、比較用の高屈折率層塗布液(ニ)を得
た。 (ホ)上記(イ)で酸化チタンを添加しないこと以外は
(イ)と同様にして比較用の高屈折率層塗布液(ホ)を
得た。
クリレート(商品名:DPHA、日本化薬(株)製)、
25重量部のウレタンアクリレートオリゴマー(商品
名:UV−6300B、日本合成化学工業(株)製)、
2重量部の光重合開始剤(商品名:イルガキュアー90
7、チバ−ガイギー社製)及び0.5重量部の増感剤
(商品名:カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)
を50重量部のメチルエチルケトンに溶解した塗布液
を、90μm の厚みを有するTACフィルム上にワイヤ
ーバーを用いて塗布し、次いで塗布膜に紫外線照射して
ハードコート層(屈折率:1.53、層厚:5μm )を
形成した。
クリレート(屈折率:1.48)を含む塗布液(固形
分:2重量%、TiO2 /バインダー=22/78、重
量比)を、ハードコート層の上にワイヤーバーを用いて
塗布し、100℃で乾燥して、中屈折率層(屈折率:
1.62、層厚:78nm)を形成した。 (6) 第3層(高屈折率層)の塗設 上記(3)の高屈折率層塗布液(イ)〜(ハ)および比較
用塗布液(ニ)、(ホ)をメチルエチルケトンで希釈し
中屈折率層の上に下記表1に示す膜厚になるよ1にワイ
ヤーバーを用いて塗布した。この塗布膜を100℃で1
分間乾燥した後、高圧水銀灯を用いて紫外線照射(照射
量750mJ/cm2 、照度450mW/cm2)し重合硬化
させ高屈折率層を形成した。
金属キレート化合物をゾル液に対して8重量%加え、さ
らにメチルエチルケトンで希釈し、表1の高屈折率層の
上に膜厚95nmとなる様にワイヤーバーを用いて塗布
し、120℃、5分間乾燥して低屈折率層を形成した。
層の屈折率は1.3〜1.5の範囲であった。
て、表面反射率(光波長400〜650nmの平均反射
率)および膜表面強度の測定および剥離試験を実施し
た。膜表面強度は、ティッシュ、消しゴム、手指爪先、
スチールウールでそれぞれこすり、目視観察し、ティッ
シュこすりで傷付くものを0、消しゴムこすりで傷付く
ものを1、手指爪先こすりで傷付くものを2、スチール
ウールこすりで傷付くものを3、どの方法でも傷が認め
られないものを4とした。剥離試験は、セロハンテープ
を用いて行ない、全く剥離しないものを○、剥離したも
のを×、とした。結果を表2に示した。
射防止膜は非常に低い表面反射率を有し、かつ十分に強
靱な膜強度および密着性を有していることがわかる。ま
た、指紋跡もティッシュふき取りで容易に消す事ができ
耐汚れ付着性も良好であった。一方、比較例では表面反
射率あるいは密着性が不十分のものが多かった。
置の作成) 上記実施例で作成した実施例1〜8、比較例1〜3の反
射防止フィルムを日本電気株式会社より入手したパーソ
ナルコンピューターPC9821NS/340Wの液晶
ディスプレイ表面に貼り付け、表面装置サンプルを作成
し、その表面反射による風景映り込み程度を目視にて評
価した。本発明の実施例1〜10の反射防止フィルムを
設置した表示装置は周囲の風景映り込みが殆どなく、快
適な視認性を示しかつ充分な表面強度および密着性を有
するものであった。これに対して、比較例1および3の
フィルムを設置した表示装置は周囲の映り込みが多く、
視認性が劣るものであった。また、比較例2のフィルム
を設置したものは密着性が劣るものであった。
物および/またはその部分縮合物からなる低屈折率層
を、多官能エポキシ化合物の光カチオン重合硬化バイン
ダーからなる高屈折率層の上に塗設することにより、光
学特性と物理的強度を両立させた大面積の反射防止膜を
安価にかつ製造適性を有した形で提供できる。
示す。
図を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 支持体の上にオルガノシランの加水分解
物および/またはその部分縮合物を含有する組成物を塗
設して形成された低屈折率層を有する反射防止膜であっ
て、該低屈折率層の下に膜厚が50〜200nmであり、
屈折率が1.70〜2.20である高屈折率層を有し、
該高屈折率層が多官能エポキシ化合物の光カチオン重合
硬化膜であることを特徴とする反射防止膜。 - 【請求項2】 該多官能エポキシ化合物が3官能以上の
エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1記載の
反射防止膜。 - 【請求項3】 該高屈折率層が酸化チタンを主成分とす
る無機物微粒子を含有することを特徴とする請求項1ま
たは2記載の反射防止膜。 - 【請求項4】 該低屈折率層が金属キレート化合物を含
有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
の反射防止膜。 - 【請求項5】 該反射防止膜が、少なくとも表層より順
に、低屈折率層、高屈折率層、中屈折率層を有し、該中
屈折率層は低屈折率層と高屈折率層の中間の屈折率を有
し、膜厚が50〜200nmであることを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜。 - 【請求項6】 請求項1〜5に記載の反射防止膜を配置
したことを特徴とする表示装置。
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