JP2015229757A - 塗料組成物 - Google Patents

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Hiroaki Matsuyoshi
弘明 松好
典男 村上
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典男 村上
理一郎 飯田
Riichiro Iida
理一郎 飯田
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Abstract

【課題】安価で、且つ、十分な撥水性、摺動性、及び非粘着性を有する塗料組成物を提供することを目的とする。また、当該塗料組成物を用いたローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、若しくは調理器具の最表面用部材、並びにローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、若しくは調理器具を提供することも目的とする。
【解決手段】トリアルコキシシラン化合物、無機フィラー、触媒、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体、水、並びに有機溶媒を含有する塗料組成物。また、無機フィラー、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体、水、並びに有機溶媒を含むA材と、トリアルコキシシラン化合物、触媒、及び有機溶媒を含むB材とを混合して塗料組成物を得てもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物に関する。また、本発明は、当該塗料組成物を用いたローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、若しくは調理器具の最表面用部材、並びにローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、若しくは調理器具にも関する。
近年、粘着テープ、衛材(紙おむつ、生理用品等)、ゴムタイヤ等を製造する際に、コスト削減や品質の向上が求められている。これらの工程で使用する、ローラーや金型等は、粘着テープではアクリル系接着剤、衛材では不織布と高分子吸収体を接着するホットメルト接着剤を使用しており、ゴムタイヤでは架硫前の生ゴムに対する非粘着性を付与するために、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂を用いたシリコーン樹脂コーティングが行われている。
また、ガス調理器具で調理する際には、食品に対する防汚性、非粘着性、耐久性の向上が求められている。これらのガス調理器具で使用する、焼き網やグリル皿等は、一般には、防汚性を付与するために、フッ素樹脂を用いたコーティングが行われている。
ただし、フッ素樹脂の耐熱性は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を例にとると、約260℃程度であり、他のフッ素樹脂においても耐熱性は十分ではない。また、フッ素樹脂自体が柔らかく、耐摩耗性も不十分である。このため、ガス調理器具においても、シロキサン結合(Si−O−Si)を有するセラミックコーティングが採用されている。
しかしながら、これらのいずれのコーティングであっても、十分な撥水性、非粘着性、及び摺動性を兼ね備えたコーティングは得られていない。
一方、アルキルトリアルコキシシランを出発原料としたシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッドコーティングを得るための塗料も市販されている。この種の塗料の非粘着性を向上させた発明例としては、特許文献1等が知られている。
特許第5017457号
特許文献1の非粘着性塗料組成物においては、アルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン等)の他に六方晶窒化ホウ素を含ませることにより、耐食性、耐水性等を改善したことを主な特徴としている。しかしながら、このようなアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン等)を含む非粘着性塗料組成物は、シロキサン結合を有する三次元構造マトリックス構造のコーティングとなっており、コーティング膜中又は表面に未反応のシラノール(Si−OH)基が残存するため、撥水性、摺動性、及び非粘着性が不十分であり、六方晶窒化ホウ素を添加したとしても十分とは言えない。また、六方晶窒化ホウ素は板状結晶であるため、塗料中への均一分散が困難であり、さらに高価な材料であるため、塗料のコストが高くなるというデメリットも有する。
これらの理由から、本発明は、安価で、且つ、十分な撥水性、摺動性、及び非粘着性を有する塗料組成物を提供することを目的とする。また、当該塗料組成物を用いたローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、若しくは調理器具の最表面用部材、並びにローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、若しくは調理器具を提供することも目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、トリアルコキシシラン化合物を出発原料としたシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含むコーティング膜を形成するための塗料組成物中に、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体を添加することにより、コーティング膜中又は表面に残存する未反応のシラノール(Si−OH)基に、ポリビニルアルコールの水酸基又はポリビニルアルコールのエステル誘導体のカルボニル部位が水素結合することで、未反応シラノール基を低減することができることを見出した。また、本発明者らは、トリアルコキシシラン化合物を出発原料としたシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質を含むコーティング膜を形成するための塗料組成物中にポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体を添加することにより、塗料組成物の撥水性、摺動性、及び非粘着性が向上することも見出した。この際使用されるポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体は安価な材料であり、出発原料を混合するだけで塗料組成物を作製することができるため、安価に塗料組成物を得ることもできる。このような塗料組成物は、撥水性、摺動性、及び非粘着性に優れるため、ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、調理器具等、多種多様な用途に使用することができる。
本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.トリアルコキシシラン化合物、無機フィラー、触媒、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体、水、並びに有機溶媒を含有する塗料組成物。
項2.さらに、無機顔料を含有する、項1に記載の塗料組成物。
項3.前記塗料組成物中の前記トリアルコキシシラン化合物の含有量が15〜50重量%、前記無機フィラーの含有量が5〜40重量%、前記触媒の含有量が0.02〜5重量%、前記水の含有量が5〜50重量%、前記有機溶媒の含有量が5〜50重量%であり、前記ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量が前記トリアルコキシシラン化合物100重量部に対して0.01〜5重量部である、項1又は2に記載の塗料組成物。
項4.前記無機顔料の含有量が5〜40重量%である、項2又は3に記載の塗料組成物。
項5.A材とB材との混合物からなる塗料組成物であって、
前記A材は、無機フィラー、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体、水、並びに有機溶媒を含み、
前記B材は、前記トリアルコキシシラン化合物、触媒、及び有機溶媒を含む、塗料組成物。
項6.前記A材が、さらに、無機顔料を含有する、項5に記載の塗料組成物。
項7.前記A材中の前記無機フィラーの含有量が10〜50重量%、前記ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量が0.01〜5重量%、前記水の含有量が10〜50重量%、前記有機溶媒の含有量が5〜50重量%であり、
前記B材中の前記トリアルコキシシラン化合物の含有量が80〜98重量%、前記触媒の含有量が0.1〜10重量%、前記有機溶媒の含有量が1〜10重量%である、項5又は6に記載の塗料組成物。
項8.前記A材中の前記無機顔料の含有量が10〜50重量%である、項6又は7に記載の塗料組成物。
項9.前記塗料組成物中のA材の含有量が50〜90重量%、前記B材の含有量が10〜50重量%である、項5〜8のいずれかに記載の塗料組成物。
項10.前記トリアルコキシシラン化合物が、アルキルトリアルコキシシラン、アルケニルトリアルコキシシラン、及びアリールトリアルコキシシランよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜9のいずれかに記載の塗料組成物。
項11.前記トリアルコキシシラン化合物は、一般式(1):
Figure 2015229757
[式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、又は単環若しくは二環アリール基;R〜Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基又は単環若しくは二環アリール基である。]
で示される化合物である、項1〜10のいずれかに記載の塗料組成物。
項12.前記トリアルコキシシラン化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ(n−プロポキシ)シラン、メチルトリ(i−プロポキシ)シラン、メチルトリ(n−ブトキシ)シラン、メチル(n−ペントキシ)シラン、メチル(n−ヘキトキシ)シラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ(n−プロポキシ)シラン、エチルトリ(i−プロポキシ)シラン、エチルトリ(n−ブトキシ)シラン、エチルトリ(n−ペントキシ)シラン、エチル(n−ヘキトキシ)シラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチル(n−プロポキシ)シラン、シクロペンチル(i−プロポキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリシクロペントキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリシクロヘキトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ(n−プロポキシ)シラン、フェニルトリ(n−ブトキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、フェニルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、及びフェニルトリ(フェノキシ)シランよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜11のいずれかに記載の塗料組成物。
項13.前記無機フィラーは、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化鉄及びマイカよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜12のいずれかに記載の塗料組成物。
項14.前記触媒が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、塩酸、硫酸、及び硝酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜13のいずれかに記載の塗料組成物。
項15.前記ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体が、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニル、及びポリ酪酸ビニルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜14のいずれかに記載の塗料組成物。
項16.前記有機溶媒がアルコールである、項1〜15のいずれかに記載の塗料組成物。
項17.前記アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール及び2−メチル−2−プロパノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項16に記載の塗料組成物。
項18.前記無機顔料は、Cr、Fe、TiO、CuCr、Cu(Cr,Mn)、Cu(Fe,Mn)、Co(Fe,Cr)、CoAl、CoTiO、及びシリカブラックよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項2〜17のいずれかに記載の塗料組成物。
項19.ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用組成物である、項1〜18のいずれかに記載の塗料組成物。
項20.項1〜19のいずれかに記載の塗料組成物を用いたコーティング膜。
項21.厚みが5μm以上である、項20に記載のコーティング膜。
項22.ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用コーティング膜である、項20又は21に記載のコーティング膜。
項23.項20〜22のいずれかに記載のコーティング膜からなる、ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用部材。
項24.項23に記載のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用部材を最表面に備える、ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具。
本発明によれば、安価で、且つ、十分な撥水性、摺動性、及び非粘着性を有する塗料組成物を提供することができる。また、当該塗料組成物を用いたローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用部材、並びにローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具を提供することもできる。また、本発明の塗料組成物を使用すれば、ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、調理器具等の最表面のコーティングが有する撥水性、摺動性、及び非粘着性を損ねることなく、長期間に渡って使用することが可能となり、紙、不織布、フィルム、シート、樹脂、金型成形品、食品等製品の品質向上や製品の歩留まり、お手入れ性等を向上させることができる。
1.塗料組成物
本発明の塗料組成物は、トリアルコキシシラン化合物、無機フィラー、触媒、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体、水、並びに有機溶媒を含む。
三官能基性のトリアルコキシシラン化合物を使用することにより、シリカマトリックスの架橋密度が小さくなり、成膜性や柔軟性に優れたコーティング膜が得られる。
このような三官能基性のトリアルコキシシラン化合物としては、アルキルトリアルコキシシラン、アルケニルトリアルコキシシラン、アリールトリアルコキシシラン等が好ましく例示され、なかでも、一般式(1):
Figure 2015229757
[式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、又は単環若しくは二環アリール基;R〜Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基又は単環若しくは二環アリール基である。]
で示される化合物が挙げられる。
一般式(1)において、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、又は単環若しくは二環アリール基である。
で示されるアルキル基としては、長い(炭素数が大きい)ほうが疎水性に優れる傾向にあるが、炭素数が1、2、3、4、5、6のいずれも使用可能である。
で示されるアルケニル基としては、長い(炭素数が大きい)ほうが疎水性に優れる傾向にあるが、炭素数が2、3、4、5、6のいずれも使用可能であり、ビニル基、アリル基等が例示される。
で示されるアリール基としては、単環及び二環のいずれも使用できるが、フェニル基、ナフチル基等、特にフェニル基が好ましく例示される。
一般式(1)において、R〜Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、又は単環若しくは二環アリール基である。
〜Rで示されるアルキル基としては長い(炭素数が大きい)と加水分解速度が遅くなることから、炭素数1〜4、特に1〜3、さらには1〜2のアルキル基が好ましい。
〜Rで示されるアリール基としては、単環及び二環のいずれも使用できるが、フェニル基、ナフチル基等、特にフェニル基が好ましく例示される。
このような三官能基性のトリアルコキシシラン化合物としては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ(n−プロポキシ)シラン、メチルトリ(i−プロポキシ)シラン、メチルトリ(n−ブトキシ)シラン、メチル(n−ペントキシ)シラン、メチル(n−ヘキトキシ)シラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ(n−プロポキシ)シラン、エチルトリ(i−プロポキシ)シラン、エチルトリ(n−ブトキシ)シラン、エチルトリ(n−ペントキシ)シラン、エチル(n−ヘキトキシ)シラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチル(n−プロポキシ)シラン、シクロペンチル(i−プロポキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリシクロペントキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリシクロヘキトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ(n−プロポキシ)シラン、フェニルトリ(n−ブトキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、フェニルトリフェノキシシラン等が挙げられる。これらのトリアルコキシシラン化合物は、原料として1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の1種以上、特にメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン等の1種以上を出発原料とすると、コーティング膜が柔軟で非粘着性をより向上させることができるため、特に好ましい。
なお、出発物質として三官能基性のトリアルコキシシラン化合物ではなく、四官能基性のテトラアルコキシシランを単独で使用すると、シリカ膜が得られるが、硬くてもろいコーティング膜になるため、1μm以上の厚膜にした場合にクラック等が発生する。また、有機成分がないため、非粘着性が不十分である。ただし、本発明の効果を損なわない範囲であれば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシランを本発明の塗料組成物に含ませてもよい。具体的には、テトラアルコキシシランをトリアルコキシシラン化合物100重量部に対して、10重量部以下(特に0.1〜10重量部)の少量を添加すると、シロキサン架橋密度が上昇する。また、テトラアルコキシシランが不純物として入っているトリアルコキシシラン化合物を用いてもよい。
このような三官能基性のトリアルコキシシラン化合物を出発物質として用いて、加水分解反応により、一般式(2):
Figure 2015229757
[式中、Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、又は単環若しくは二環アリール基である。]
で示される構造を有するシロキサン結合を有する三次元架橋マトリックス構造の有機−無機ハイブリッド物質が得られる。一般式(2)において、Rは、前記に同じである。つまり、本発明の塗料組成物を用いて形成される有機−無機ハイブリッド物質は、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂とは異なるものである。
本発明の塗料組成物において、前記トリアルコキシシラン化合物の含有量は、15〜50重量%が好ましく、20〜45重量%がより好ましい。トリアルコキシシラン化合物の含有量をこの範囲とすることにより、より均一な有機−無機ハイブリッドコーティング膜を形成させることができる。
上記のような有機−無機ハイブリッド物質は、上記の三官能基性のトリアルコキシシラン化合物を出発物質とし、触媒(酸、塩基等)を併用して加水分解させて得ることができる。触媒を併用して加水分解させることにより、加水分解速度をより適度に調整できるため、得られるコーティング膜の硬さをより適度に調整し、より柔軟性のある膜とすることができる。
このような触媒としては、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、塩酸、硫酸、硝酸等の1種以上の酸、特にギ酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、塩酸等の1種以上の酸が好適に使用されるが、これらに限定されない。
なお、加水分解は、触媒として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化カルシウム、グアニジン等の塩基を併用して行ってもよい。ただし、加水分解速度がより遅く、得られるコーティング膜がより柔軟になることから、触媒としては酸を使用することが好ましい。
本発明の塗料組成物において、前記の触媒の含有量は、0.02〜5重量%が好ましく、0.05〜3重量%がより好ましい。触媒の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物のアルコキシ基を加水分解して、シラノール基とし、縮合反応をよりスムーズに進行させることができる。
また、前記の触媒の含有量は、前記トリアルコキシシラン化合物100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。触媒の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物のアルコキシ基を加水分解してシラノール基とし、縮合反応をよりスムーズに進行させることができる。
また、本発明の塗料組成物の溶媒としては、水と有機溶媒の双方を使用することが好ましく、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール誘導体;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;1−メチル−2−ピロリドン;N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。有機溶媒としては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。有機溶媒としては、特に、アルコールを含むことが好ましい。
本発明の塗料組成物において、溶媒として水の含有量は、5〜50重量%が好ましく、10〜45重量%がより好ましい。水の含有量をこの範囲とすることにより、無機フィラーをより均一に分散し、トリアルコキシシラン化合物をより適切に加水分解することができる。
本発明の塗料組成物において、溶媒として有機溶媒の含有量は、5〜50重量%が好ましく、10〜45重量%がより好ましい。有機溶媒の含有量をこの範囲とすることにより、塗料組成物の安定性がより向上する。
本発明の塗料組成物中には、上記成分以外にも、無機フィラーも含有している。無機フィラーとしては、塗料組成物中への均一分散をより容易にする観点から、無機粒子が好ましい。
無機フィラーの平均一次粒子径は、1〜1000nmが好ましく、5〜500nmがより好ましい。この範囲とすることで、無機フィラー同士の凝集をより抑制し、トリアルコキシシラン化合物との均一な混合(分散)をより可能とするとともに、コーティング膜表面をより平滑にし、無機フィラーがより脱落しにくくすることができる。なお、無機フィラーの平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定するものとする。
無機フィラーとしては、特に制限されるわけではないが、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化鉄、マイカ等が挙げられる。無機フィラーは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の塗料組成物において、前記の無機フィラーの含有量は、5〜40重量%が好ましく、10〜35重量%がより好ましい。無機フィラーの含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物が脱水縮合する際にコーティング膜の体積収縮を抑制して、コーティング膜にクラック等が入ることを防止できる。
本発明の塗料組成物中には、上記成分以外にも、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体も含有している。これにより、コーティング膜中又は表面に残存する未反応のシラノール(Si−OH)基に、ポリビニルアルコールの水酸基又はポリビニルアルコールのエステル誘導体のカルボニル部位が水素結合し、未反応のシラノール基を減らすことができる。このため、本発明の塗料組成物を用いて作成したコーティング膜に十分な撥水性、摺動性、及び非粘着性を付与することが可能である。
このようなポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体としては、特に制限はないが、重量平均分子量が1,000〜1,500,000が好ましく、1,500〜1,000,000がより好ましい。平均分子量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物の縮合物のシラノール残基とより好適に水素結合し、コーティング膜の硬さや強度をより損なわない。
このような条件を満たすポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体としては、特に制限されないが、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニル、ポル酪酸ビニル等が挙げられる。これらのポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記のポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量は、前記トリアルコキシシラン化合物100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.05〜3重量部がより好ましい。ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物が加水分解してシラノールとなり縮合反応した際、より適切に残存したシラノール基と水素結合により結合することができる。
本発明の塗料組成物中には、上記成分以外にも、無機顔料も含有していることが好ましい。無機顔料としては、塗料組成物中への均一分散をより容易にする観点から、無機粒子が好ましい。
無機顔料の平均粒子径は、100〜2000nmが好ましく、300〜1000nmがより好ましい。この範囲とすることで、無機顔料同士の凝集をより抑制し、トリアルコキシシラン化合物との均一な混合(分散)をより可能とするとともに、コーティング膜表面をより平滑にし、無機顔料がより脱落しにくくすることができる。なお、無機顔料の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法(マイクロトラック法)により測定するものとする。
無機顔料としては、特に制限されるわけではないが、例えば、Cr、Fe、TiO、CuCr、Cu(Cr,Mn)、Cu(Fe,Mn)、Co(Fe,Cr)、CoAl、CoTiO、シリカブラック等が挙げられる。無機顔料は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の塗料組成物に無機顔料を含ませる場合には、前記の無機顔料の含有量は、5〜40重量%が好ましく、10〜35重量%がより好ましい。無機顔料の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物の脱水縮合反応をより阻害することなく、コーティング膜により均一に着色することができる。
本発明の塗料組成物には、上記成分以外にも、炭素粒子(カーボンブラック、グラファイト等)、流動助剤、帯電助剤、脱ガス剤、増粘剤、沈降防止剤、タレ防止剤、分散剤、消泡剤、平滑剤(レベリング剤)、乾燥防止剤、界面活性剤等の1種以上を、本発明の効果を損なわない範囲内で含ませてもよい。
本発明の塗料組成物の形態は特に制限されない。
例えば、上記各成分を同時又は逐次的に混合したものであってもよい。
上記各成分を同時に混合する場合は、上記成分が上記含有量となるように混合すればよい。
一方、上記各成分を逐次的に混合する場合は、前記無機フィラー、前記ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体、並びに水を含むA材と、前記トリアルコキシシラン化合物、前記触媒及び前記有機溶媒を含むB材とを混合して、液体組成物(液体塗料)としてもよい。本発明の塗料組成物中に前記無機顔料を含ませる場合には、A材中に含ませることが好ましい。この場合、A材と混合する前のB材のみの時点で、トリアルコキシシラン化合物のアルコキシ基は水酸基に置換されていないと考えられる。A材と混合することにより、アルコキシ基は加水分解されて、水酸基となり、重合反応が開始されて、Si−O−Siネットワークが形成される。また、A材中にポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体が含まれていることにより、未反応のシラノール(Si−OH)基に、ポリビニルアルコールの水酸基又はポリビニルアルコールのエステル誘導体のカルボニル部位が水素結合することで、未反応のシラノール(Si−OH)基を大きく低減することができ、十分な撥水性、摺動性、及び非粘着性を付与することができる。
なお、A材及びB材中の溶媒は特に制限されないが、A材中の溶媒は水及び上記した有機溶媒が好ましく、B材中の溶媒は上記した有機溶媒が好ましい。
上記のようなA材とB材とを混合して本発明の塗料組成物を得る場合、A材中の無機フィラーの含有量は、10〜50重量%が好ましく、20〜40重量%がより好ましい。無機フィラーの含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物が脱水縮合する際にコーティング膜の体積収縮をより抑制して、コーティング膜にクラック等が入ることをより防止できる。
また、A材中の無機フィラーの含有量は、B材中のトリアルコキシシラン化合物100重量部に対して、20〜100重量部が好ましく、30〜90重量部がより好ましい。無機フィラーの含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物が脱水縮合する際にコーティング膜の体積収縮をより抑制して、コーティング膜にクラック等が入ることをより防止できる。
上記のようなA材とB材とを混合して本発明の塗料組成物を得る場合、A材中のポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量は、0.01〜5重量%が好ましく、0.05〜3重量%がより好ましい。ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物が加水分解してシラノールとなり縮合反応した際、より残存したシラノール基と水素結合により結合することで未反応シラノール基の量をより低減することができる。また、有機−無機ハイブリッドコーティング膜の硬度や強度をより維持することができる。
また、A材中のポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量は、B材中のトリアルコキシシラン化合物100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.02〜3重量部がより好ましい。ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物が加水分解してシラノールとなり縮合反応した際、より残存したシラノール基と水素結合により結合することで未反応シラノール基の量をより低減することができる。また、有機−無機ハイブリッドコーティング膜の硬度や強度をより維持することができる。
上記のようなA材とB材とを混合して本発明の塗料組成物を得る場合、A材中の水の含有量は、10〜50重量%が好ましく、15〜45重量%がより好ましい。水の含有量をこの範囲とすることにより、無機フィラーをより均一に分散し、トリアルコキシシラン化合物を加水分解することができる。また、A材中の有機溶媒の含有量は、5〜50重量%が好ましく、10〜45重量%がより好ましい。有機溶媒の含有量をこの範囲とすることにより、無機フィラーをより均一に分散し、塗料組成物の安定性が向上する。
上記のようなA材とB材とを混合して本発明の塗料組成物を得る場合、無機顔料を含ませる場合には、A材中の無機顔料の含有量は、10〜50重量%が好ましく、20〜40重量%がより好ましい。無機顔料の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物が脱水縮合する際にコーティング膜の体積収縮をより抑制して、コーティング膜にクラック等が入ることをより防止できる。
また、無機顔料を含ませる場合には、A材中の無機顔料の含有量は、B材中のトリアルコキシシラン化合物100重量部に対して、20〜100重量部が好ましく、30〜90重量部がより好ましい。無機顔料の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物が脱水縮合する際にコーティング膜の体積収縮をより抑制して、コーティング膜にクラック等が入ることをより防止できる。
上記のようなA材とB材とを混合して本発明の塗料組成物を得る場合、B材中のトリアルコキシシラン化合物の含有量は、80〜98重量%が好ましく、85〜95重量%がより好ましい。トリアルコキシシラン化合物の含有量をこの範囲とすることにより、より均一な有機−無機ハイブリッドコーティング膜を形成させることができる。
上記のようなA材とB材とを混合して本発明の塗料組成物を得る場合、B材中の触媒の含有量は、0.1〜10重量%が好ましく、0.2〜5重量%がより好ましい。触媒の含有量をこの範囲とすることにより、トリアルコキシシラン化合物のアルコキシ基をより加水分解してシラノール基とし、縮合反応をよりスムーズに進行させることができる。
上記のようなA材とB材とを混合して本発明の塗料組成物を得る場合、B材中の有機溶媒の含有量は、1〜10重量%が好ましく、2〜8重量%がより好ましい。有機溶媒の含有量をこの範囲とすることにより、塗料組成物の安定性がより向上する。
上記のようなA材とB材とを混合して本発明の塗料組成物を得る場合、A材とB材との混合比は、より均一な組成の有機−無機ハイブリッドコーティング膜を得る観点から、A材の含有量が50〜90重量%(特に60〜80重量%)、B材の含有量が10〜50重量%(特に20〜40重量%)となるように混合することが好ましい。
上記説明した本発明の塗料組成物は、十分に優れた撥水性、摺動性、及び非粘着性を兼ね備えることから、多種多様な用途に適用することができ、例えば、ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、調理器具等に適用することができる。この際には、本発明の塗料組成物は、十分に優れた撥水性、摺動性、及び非粘着性を兼ね備えることから、これらの最表面用組成物として使用することが好ましい。
本発明の塗料組成物を使用できるローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具は特に制限されない。
ローラーとしては、例えば、乾燥ローラー、塗布ローラー、転写ローラー、貼り合わせローラー、圧着ローラー、ガイドローラー、サイディング材(外壁材)に模様を付すためのローラー、製紙ローラー、印刷ローラー等のいずれにも適用可能である。金型としては、例えば、衛材製造用金型、ゴムタイヤ製造用金型、自動車の部品製造用金型、各種ウレタン金型、ホットメルト接着剤を固体状に成型する金型、固体状ホットメルト接着剤を押し出す金型等のいずれにも適用可能である。プレートとしては、例えば、不織布と吸水性高分子材料とを貼り合わせる工程で使用されるプレート、樹脂ペレットを摺動させるプレート等のいずれにも適用可能である。シュートとしては、食品を計量する機械のシュート、樹脂材料を成型機に投入するシュート等のいずれにも適用可能である。ホッパーとしては、食品を計量する機械のホッパー、粉体を投入するホッパー等のいずれにも適用可能である。調理器具としては、焼き網、鍋、フライパン、グリル皿等のいずれにも適用可能である。
2.コーティング膜
本発明のコーティング膜は、本発明の塗料組成物を用いて得られる。
本発明のコーティング膜を形成する際には、対象物(ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、調理器具等)に対して、エアースプレーを用いて塗装を行うことが好ましい。
塗装後は、乾燥及び焼成を行うことが好ましい。乾燥条件としては、10〜120分程度室温で乾燥させてもよいし、50〜100℃程度で1〜60分間程度強制的に乾燥させてもよい。また、焼成することにより、アルキルトリアルコキシシランを脱水重合させてより均一なコーティング膜とすることができる。焼成温度は80〜250℃程度が好ましく、100〜230℃程度がより好ましい。加熱時間は、基材の大きさや熱容量によって決めればよく、特に限定されるものではないが、通常は10〜120分程度が好ましい。これにより、本発明のコーティング膜が得られる。
このコーティング膜の厚みは、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。コーティング膜の厚みを5μm以上とすることで、より耐久性を向上させることができる。また、コーティング膜の厚みの上限値は特に制限はないが、通常50μm程度である。
3.ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、調理器具等の最表面用部材
本発明のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具の最表面用部材は、上記説明した本発明の塗料組成物を用いたコーティング膜からなり、ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具の最表面に形成される。より具体的には、本発明の塗料組成物が液体塗料である場合には、エアースプレーを用いて塗装されたコーティング膜からなることが好ましい。コーティング膜の形成方法等については上記したとおりである。
4.ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具
本発明のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具は、上記説明した本発明のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具の最表面用部材を備える。このローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具は、具体的には、基材上に、本発明のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具の本発明のコーティング膜を備えることが好ましい。また、コーティング膜の耐摩耗性を向上させるためには基材と本発明のコーティング膜の間に溶射層を導入してもよい。
基材の材質としては、特に制限されない。例えば、一般鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属類;プラスチック等の樹脂類;炭素材、セラミックス等の非金属類;繊維強化プラスチック(FRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の複合材料、いずれもが使用できる。
基材の形状は、特に制限されず、ローラーにおいては円筒型が好ましいが、円筒型でなくてもよい。
基材と本発明のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具の最表面用部材との密着性を高めるため、基材の表面は凹凸状態にしておく(表面を粗す)ことが好ましい。基材の表面を凹凸状態にする手法としては、酸又はアルカリ水溶液中でのエッチング処理、粗面形成剤の塗布、金属又はセラミック溶射、ショットブラスト等があるが、この中でも金属、セラミックス、サーメット溶射が均一に表面を凹凸状態にすると同時にコーティング層を強固に保持できるため、好ましい。
本発明のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具においては、基材とコーティング層(本発明のコーティング膜)の密着性を高めるために、基材と本発明のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、及び調理器具の最表面用部材との間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層としては、市販のシリコーン樹脂コーティング用の製品を用いた層が使用できる。プライマー層の主成分としては、ビニルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
プライマー層の厚みは、凹凸状態にした基材の表面を均一にコーティングして、最表面のコーティング層(コーティング膜)との密着性を高める点から、1〜20μmが好ましく、5〜15μmがより好ましい。
この後、本発明の塗料組成物を用いて、最表面を形成する。本発明の塗料組成物が液体塗料である場合には、エアースプレーを用いて塗装することが好ましい。この際、上述のように、最表面層の厚みが5μm以上となるように調整することが好ましい。
塗装後は、乾燥及び焼成を行うことが好ましい。乾燥条件としては、10〜120分程度室温で乾燥させてもよいし、50〜100℃程度で1〜60分間程度強制的に乾燥させてもよい。また、焼成することにより、アルキルトリアルコキシシランを脱水縮合させてより均一なコーティング膜とすることができる。焼成温度は80〜280℃程度が好ましく、100〜250℃程度がより好ましい。加熱時間は、基材の大きさや熱容量によって決めればよく、特に限定されるものではないが、通常は10〜120分程度が好ましい。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。
なお、各実施例及び比較例の評価は以下のようにして行った。
[FT−IR測定]
Nicolet 6700 FT-IR装置を用いて、1回反射ATR(Ge)法にて、以下の条件:
分解能:4 cm-1
積算回数:128回
検出器:DTGS
にて、平板テストピース表面のFT-IRスペクトルを測定した。得られたスペクトルのSi-OHピーク強度(3425 cm-1)[A]と、Si-O-Siピーク強度(1090 cm-1)[B]との強度比[A]/[B]を算出した。この[A]/[B]の値が小さいほど、Si-OHの残存量が少なくなることが示唆される。
[水の接触角]
協和界面科学(株)製のCA-A型接触角測定装置に平板テストピースを固定して、水の接触角を測定した。
[摩擦係数]
新東科学(株)製のHEIDON TYPE 38装置に平板テストピースを固定して、以下の条件:
ボール圧子:φ3 mm(SUJ-2ボール)
垂直加重:100 g
移動距離:10 mm
移動速度:100 mm/min
にて、静摩擦係数及び動摩擦係数を測定した。
[鉛筆硬度]
JIS K5600-5-4に準拠して、新東科学(株)製のHEIDON TYPE 38装置に平板テストピースを固定して、以下の条件:
荷重:750g
掃引速度:1 mm/sec
掃引距離:20 mm
にて、鉛筆硬度を測定した。
[粘着テープ荷重測定]
新東科学(株)製のHEIDON TYPE 38装置に平板テストピースを固定して、以下の条件:
ニチバン(株)製のセロテープ(登録商標) 品番CT405AP-18
幅:18 mm
180°引き剥がし法:JIS Z0237規格に準ずる評価試験
測定条件:引き剥がし速度 300 mm/min、掃引距離 80 mm
にて、粘着テープ剥離荷重測定を行った。
実施例1
2リットルのポリプロピレン容器に水194.4g、2−プロパノール100g、ポリ酢酸ビニル(ACROS製、平均分子量170,000)5.6g、黒色顔料Cu(Cr,Mn)2O4(東罐マテリアル・テクノロジー(株)製、42-302A、平均粒子径800nm)175g、及びシリカ粉末(日本アエロジル(株)製、AEROSIL50、平均一次粒子径30nm)155gを加えた。600rpmプロペラ撹拌(3時間)と超音波ホモジナイザー撹拌(30分)して、A材700gを調製した。
次に、1リットルのポリプロピレン容器に、メチルトリメトキシシラン280g、メタノール15g、酢酸5gを加えた。600rpmプロペラ撹拌(1時間)して、B材300gを調製した。
上記B材をA材の容器に加えて混合し、2リットルのポリプロピレン容器ごと200rpmにて25℃で12時間撹拌を行い、塗料組成物1000gを調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記の塗料組成物を使用して、エアースプレーにてコーティング層(コーティング膜)の塗装を行った。塗装後に80℃で30分間の乾燥を行った。その後、さらに250℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
この平板テストピースを用いて、上記のFT−IR測定、水の接触角測定、静摩擦係数測定、動摩擦係数測定、鉛筆硬度測定、及び粘着テープ荷重試験の各試験を行った。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、A材の水の量を194.4gでなく、197.2g、ポリ酢酸ビニルの量を5.6gでなく2.8gとしたこと以外は同様にして、塗料組成物1000gを調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記の塗料組成物を使用して、エアースプレーにてコーティング層(コーティング膜)の塗装を行った。塗装後に80℃で30分間の乾燥を行った。その後、さらに250℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
この平板テストピースを用いて、上記のFT−IR測定、水の接触角測定、静摩擦係数測定、動摩擦係数測定、鉛筆硬度測定、及び粘着テープ荷重試験の各試験を行った。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、A材の水の量を194.4gでなく、198.6g、ポリ酢酸ビニルの量を5.6gでなく1.4gとしたこと以外は同様にして、塗料組成物1000gを調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記の塗料組成物を使用して、エアースプレーにてコーティング層(コーティング膜)の塗装を行った。塗装後に80℃で30分間の乾燥を行った。その後、さらに250℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
この平板テストピースを用いて、上記のFT−IR測定、水の接触角測定、静摩擦係数測定、動摩擦係数測定、鉛筆硬度測定、及び粘着テープ荷重試験の各試験を行った。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、A材の水の量を194.4gでなく、199.72g、ポリ酢酸ビニルの量を5.6gでなく0.28gとしたこと以外は同様にして、塗料組成物1000gを調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記の塗料組成物を使用して、エアースプレーにてコーティング層(コーティング膜)の塗装を行った。塗装後に80℃で30分間の乾燥を行った。その後、さらに250℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
この平板テストピースを用いて、上記のFT−IR測定、水の接触角測定、静摩擦係数測定、動摩擦係数測定、鉛筆硬度測定、及び粘着テープ荷重試験の各試験を行った。結果を表1に示す。
実施例5
実施例3において、ポリ酢酸ビニルではなく、ポリビニルアルコール(関東化学(株)製、平均分子量2,000)1.4gを使用したこと以外は同様にして、塗料組成物1000gを調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記の塗料組成物を使用して、エアースプレーにてコーティング層(コーティング膜)の塗装を行った。塗装後に80℃で30分間の乾燥を行った。その後、さらに250℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
この平板テストピースを用いて、上記のFT−IR測定、水の接触角測定、静摩擦係数測定、動摩擦係数測定、鉛筆硬度測定、及び粘着テープ荷重試験の各試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、A材にポリ酢酸ビニルを用いず(0g)、水の量を194.4gでなく200gとしたこと以外は同様にして、塗料組成物1000gを調製した。
基材として、平板テストピース(厚さ1mm、60mm×90mm、材質アルミニウム)をメチルエチルケトンにて溶剤脱脂処理した後、#80番のアルミナ粒子を用いてショットブラスト加工を行った。
この基材に上記の塗料組成物を使用して、エアースプレーにてコーティング層(コーティング膜)の塗装を行った。塗装後に80℃で30分間の乾燥を行った。その後、さらに250℃で20分間の焼成を行った。膜厚を測定したところ、30μmであった。
この平板テストピースを用いて、上記のFT−IR測定、水の接触角測定、静摩擦係数測定、動摩擦係数測定、鉛筆硬度測定、及び粘着テープ荷重試験の各試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2015229757

Claims (24)

  1. トリアルコキシシラン化合物、無機フィラー、触媒、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体、水、並びに有機溶媒を含有する塗料組成物。
  2. さらに、無機顔料を含有する、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記塗料組成物中の前記トリアルコキシシラン化合物の含有量が15〜50重量%、前記無機フィラーの含有量が5〜40重量%、前記触媒の含有量が0.02〜5重量%、前記水の含有量が5〜50重量%、前記有機溶媒の含有量が5〜50重量%であり、前記ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量が前記トリアルコキシシラン化合物100重量部に対して0.01〜5重量部である、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. 前記無機顔料の含有量が5〜40重量%である、請求項2又は3に記載の塗料組成物。
  5. A材とB材との混合物からなる塗料組成物であって、
    前記A材は、無機フィラー、ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体、水、並びに有機溶媒を含み、
    前記B材は、前記トリアルコキシシラン化合物、触媒、及び有機溶媒を含む、塗料組成物。
  6. 前記A材が、さらに、無機顔料を含有する、請求項5に記載の塗料組成物。
  7. 前記A材中の前記無機フィラーの含有量が10〜50重量%、前記ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体の含有量が0.01〜5重量%、前記水の含有量が10〜50重量%、前記有機溶媒の含有量が5〜50重量%であり、
    前記B材中の前記トリアルコキシシラン化合物の含有量が80〜98重量%、前記触媒の含有量が0.1〜10重量%、前記有機溶媒の含有量が1〜10重量%である、請求項5又は6に記載の塗料組成物。
  8. 前記A材中の前記無機顔料の含有量が10〜50重量%である、請求項6又は7に記載の塗料組成物。
  9. 前記塗料組成物中のA材の含有量が50〜90重量%、前記B材の含有量が10〜50重量%である、請求項5〜8のいずれかに記載の塗料組成物。
  10. 前記トリアルコキシシラン化合物が、アルキルトリアルコキシシラン、アルケニルトリアルコキシシラン、及びアリールトリアルコキシシランよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれかに記載の塗料組成物。
  11. 前記トリアルコキシシラン化合物は、一般式(1):
    Figure 2015229757
    [式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、又は単環若しくは二環アリール基;R〜Rは同じか又は異なり、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基又は単環若しくは二環アリール基である。]
    で示される化合物である、請求項1〜10のいずれかに記載の塗料組成物。
  12. 前記トリアルコキシシラン化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ(n−プロポキシ)シラン、メチルトリ(i−プロポキシ)シラン、メチルトリ(n−ブトキシ)シラン、メチル(n−ペントキシ)シラン、メチル(n−ヘキトキシ)シラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ(n−プロポキシ)シラン、エチルトリ(i−プロポキシ)シラン、エチルトリ(n−ブトキシ)シラン、エチルトリ(n−ペントキシ)シラン、エチル(n−ヘキトキシ)シラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリ(n−プロポキシ)シラン、i−プロピルトリ(i−プロポキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ブチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチル(n−プロポキシ)シラン、シクロペンチル(i−プロポキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロペンチルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロペンチルトリシクロペントキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(i−プロポキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、n−ヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリ(n−プロポキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ブトキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ペントキシ)シラン、シクロヘキシルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、シクロヘキシルトリシクロヘキトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ(n−プロポキシ)シラン、フェニルトリ(n−ブトキシ)シラン、フェニルトリ(n−ペントキシ)シラン、フェニルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、フェニルトリ(n−ヘキトキシ)シラン、及びフェニルトリ(フェノキシ)シランよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜11のいずれかに記載の塗料組成物。
  13. 前記無機フィラーは、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化鉄及びマイカよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜12のいずれかに記載の塗料組成物。
  14. 前記触媒が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、塩酸、硫酸、及び硝酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜13のいずれかに記載の塗料組成物。
  15. 前記ポリビニルアルコール又はそのエステル誘導体が、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニル、及びポリ酪酸ビニルよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜14のいずれかに記載の塗料組成物。
  16. 前記有機溶媒がアルコールである、請求項1〜15のいずれかに記載の塗料組成物。
  17. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール及び2−メチル−2−プロパノールよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項16に記載の塗料組成物。
  18. 前記無機顔料は、Cr、Fe、TiO、CuCr、Cu(Cr,Mn)、Cu(Fe,Mn)、Co(Fe,Cr)、CoAl、CoTiO、及びシリカブラックよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項2〜17のいずれかに記載の塗料組成物。
  19. ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用組成物である、請求項1〜18のいずれかに記載の塗料組成物。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の塗料組成物を用いたコーティング膜。
  21. 厚みが5μm以上である、請求項20に記載のコーティング膜。
  22. ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用コーティング膜である、請求項20又は21に記載のコーティング膜。
  23. 請求項20〜22のいずれかに記載のコーティング膜からなる、ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用部材。
  24. 請求項23に記載のローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具の最表面用部材を最表面に備える、ローラー、金型、プレート、シュート、ホッパー、又は調理器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016033190A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 大阪ガスケミカル株式会社 塗料組成物
CN111805171A (zh) * 2020-06-01 2020-10-23 江门市伊尔乐厨卫电器有限公司 内表面滚压喷涂的冷轧板锅具生产方法

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