JP2001235914A - 電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置

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JP2001235914A JP2000378496A JP2000378496A JP2001235914A JP 2001235914 A JP2001235914 A JP 2001235914A JP 2000378496 A JP2000378496 A JP 2000378496A JP 2000378496 A JP2000378496 A JP 2000378496A JP 2001235914 A JP2001235914 A JP 2001235914A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は高耐久で且つ高画質の電子写真画像
形成方法を提供することであり、該画像形成方法に用い
られる電子写真感光体の膜厚減耗量が少なく、電位安定
性が良好で、且つ該感光体へのフィルミングが少ない電
子写真画像形成方法を提供すること、該電子写真画像形
成装置を提供することである。 【解決手段】 電子写真感光体を30万回転以上の画像
形成工程を行ったときの該電子写真感光体1回転あたり
の膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<3×10-6
であり、且つ1回転あたりの残留電位変動量ΔVr
(V)が0≦ΔVr<1×10-5の範囲にあることを特
徴とする電子写真画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やプリンター
等の技術分野で有用な電子写真画像形成方法、電子写真
画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、有機感光体の耐久性向上の課題の
一つとしてとして、クリーニングブレード等の擦過によ
る摩耗の抑制が強く求められてきた。そのためのアプロ
ーチとして、電子写真感光体(以下感光体とも云う)の
表面に高強度の保護層を設けることが検討され、例えば
特開平6−118681号公報では感光体の表面層に、
コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いるこ
とが報告されている。また、特開平9−190004号
公報や特開平10−251277号公報では強度的に優
れるシロキサン樹脂を表面層に用いた感光体が報告され
ている。しかしながら、これらの技術では当初の課題で
あった感光体の耐久性向上の達成を見出すことができた
が、高強度を有する表面層は、その低摩耗性という性質
から繰返し使用の過程で感光体に接触する現像剤や紙に
よって発生するフィルミングの問題が新たな課題となっ
ていた。
【0003】従来の摩耗速度の大きな感光体では、紙粉
等の付着速度に比べて感光体表面の摩耗速度が大きいた
めに、これらの付着物を効果的に除去することが可能で
あったが、低摩耗性を有する感光体は、その表面の高硬
度性から紙粉等の付着速度が摩耗速度よりも大きいため
に、感光体表面に付着した紙粉等の付着物を効果的に除
去することが困難でフィルミング問題を発生させ易い性
質を有する。この様な表面硬度の高い低摩耗性の感光体
上に発生するフィルミングを防止する技術として、保護
層の表面エネルギーを低減させて物理的な付着力を低減
させる試みがなされてきており、例えば特開平10−8
3094号公報には水との接触角が90°以上の表面エ
ネルギーの小さい保護層を用いる技術が開示されてい
る。
【0004】しかしながら、感光体表面におけるフィル
ミングの問題は、保護層の表面エネルギー等の感光体表
面への物理的付着によるものに加えて、感光体表面に紙
粉等が静電的に付着していることも大きな因子となって
いる。この様な静電的な付着とは、例えば反転現像方式
などの場合、転写工程において感光体の帯電極性と逆極
に転写媒体を帯電させるため、転写媒体に起因する紙粉
等は感光体と逆極性に帯電される結果、感光体との間に
静電的な作用で付着するのである。したがって、感光体
表面の物理的付着力のみを低減しただけでは、静電的に
付着したものまで充分に除去することができず、フィル
ミングの防止が困難であった。
【0005】更に、同一感光体を繰り返し長期にわたっ
て使用した場合、有機感光体では光や放電生成物による
酸化等の劣化を受けて残留電位が上昇する性質を有して
いる。この残留電位により生ずる電界が静電的な付着力
をおこす原因となってしまう。すなわち、残留電位の上
昇によってより強い電界が発生し、前述の転写工程にお
いて感光体と逆極に帯電を受けた紙粉は、更に大きな静
電力を得るためにより強固な付着力を生じ、その結果感
光体表面への紙粉付着が促進されてしまう。この様に感
光体上に付着した紙粉が核となり、微粉トナー等のトナ
ー成分が感光体表面に強固に付着することで、フィルミ
ングを発生させ、この様に強固に付着したものはクリー
ニング工程でも除去できなくなってしまうのである。
【0006】この様に、静電的な付着によるフィルミン
グの発生を効果的に抑制するには、感光体の減耗速度に
対して残留電位の上昇速度をある範囲以下に抑えること
が重要である。感光体表面における膜厚減耗量や残留電
位変動量に着目した技術としては、例えば、特開平7−
225541号等に感光体の膜厚減耗量を特定すること
によりフィルミング発生抑制を達成させた技術が開示さ
れているが、これらは低摩耗性の表面層を有する感光体
に関するものではなかった。また、特開平 9−288
373号等には、感光体表面の残留電位変動量に着目し
た技術が開示されているが、これらも低摩耗性の感光体
の残留電位についてのものではなかった。
【0007】この様な低摩耗性を有する感光体につい
て、その残留電位の変動を減耗速度以下に抑えようとす
る技術思想は、もともと技術者の間ではそれ程注目され
るものでなかったといえる。なぜなら、低摩耗性の高硬
度表面層を有する感光体は、感光体の減耗速度と残留電
位の上昇速度とでは、その速度差があまりに大きくかけ
離れているため、残留電位の上昇速度を減耗速度以下に
抑えること自体不可能であると思われていたからであ
る。言い換えれば低摩耗性の感光体は、その表面は殆ど
減耗しないものであると考えられていたため、感光体の
残留電位変動量と減耗量とを比較検討して両者間に何ら
かの相関性を見出そうとすること自体考えられていなか
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は高耐久
で且つ高画質の電子写真画像形成方法を提供することで
あり、更に詳しくは、該画像形成方法に用いられる電子
写真感光体の膜厚減耗量が少なく、電位安定性が良好
で、且つ該感光体へのフィルミング発生の少ない電子写
真画像形成方法を提供すること、該電子写真画像形成装
置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】研究者等は上記課題を解
決すべく、鋭意研究、検討を重ねた末、本発明を達成し
た。すなわち、低摩耗性の感光体でも、画像形成工程を
繰り返し行うことで生ずる極めて微量ではあるが感光体
表面の膜厚の減耗量、減耗速度と繰り返しの画像形成に
より生ずる残留電位の変動との間に、明確な相関性を有
することを見出したのである。更に、研究者等は不眠不
休の研究を重ねた結果、膜厚の減耗量と残留電位の上昇
速度を特定の範囲内に制御させることにより、良好な電
位安定性を有し、かつフィルミングの発生を効果的に抑
えることを見出し、本発明を完成させたのである。本発
明は、以下に示される構成により上記課題を達成させた
ものである。
【0010】1.円筒状導電性支持体上に少なくとも複
数の樹脂層を有する電子写真感光体を用いて、少なくと
も帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレードの
各工程を有する電子写真画像形成方法において、該現像
工程における現像により、該電子写真感光体上に該電子
写真感光体全面の平均トナー付着量が少なくとも0.5
mg/cm2でトナーが付着する画像形成が行われる条
件の下で、該電子写真感光体を30万回転以上の画像形
成工程を行ったときの該電子写真感光体1回転あたりの
膜厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<3×10-6
あり、かつ該電子写真感光体1回転あたりの残留電位変
動量ΔVr(V)が0≦ΔVr<1×10-5の範囲にあ
ることを特徴とする電子写真画像形成方法。
【0011】2.円筒状導電性支持体上に少なくとも複
数の樹脂層を有する電子写真感光体を用いて、少なくと
も帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレードの
各工程を有する電子写真画像形成方法において、該複数
の樹脂層の1つが電荷輸送性を有する構造単位を含むシ
ロキサン系樹脂を含有する表面層であり、該表面層を有
する電子写真感光体上に該電子写真感光体全面の平均ト
ナー付着量が少なくとも0.5mg/cm2でトナーが
付着する画像形成が行われる条件の下で、該電子写真感
光体を30万回転以上の画像形成工程を行ったときの該
電子写真感光体の1回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μ
m)が0≦ΔHd<3×10-6であり、かつ該電子写真
感光体1回転あたりの残留電位変動量ΔVr(V)が0
≦ΔVr<1×10-5の範囲にあることを特徴とする電
子写真画像形成方法。
【0012】3.前記クリーニングブレード工程に用い
られるクリーニングブレードの硬度が65°〜75°、
反発弾性が15%〜60%であり、かつ感光体に5〜5
0(g/cm)の線圧で当接されていることを特徴とす
る前記1又は2記載の電子写真画像形成方法。
【0013】4.前記現像工程に用いられる現像剤のト
ナーが個数平均粒径10〜300(nm)の粉体が外添
剤として混合され、かつ下式で示される外添剤固着率F
dが10〜90(%)であることを特徴とする前記1〜
3のいずれか1項に記載の電子写真画像形成方法。
【0014】 Fd=[1−{(Sw1−Sw2)/Sw3}]×100 (Sw1:外添剤を固定化したトナーのBET比表面積
(m2/g) Sw2:外添剤混合前トナーのBET比表面積(m2
g) Sw3:外添剤のBET比表面積(m2/g))
【0015】5.前記現像工程に用いられる現像剤のト
ナーが個数平均粒径50(nm)以下の粉体と個数平均
粒径60(nm)以上の粉体が併用して外添剤として混
合されることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に
記載の電子写真画像形成方法。
【0016】6.前記現像工程が反転現像方式であるこ
とを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の電子
写真画像形成方法。
【0017】7.前記表面層がコロイダルシリカを含有
することを特徴とする前記2〜6のいずれか1項に記載
の電子写真画像形成方法。
【0018】8.前記表面層が酸化防止剤を含有するこ
とを特徴とする前記2〜7のいずれか1項に記載の電子
写真画像形成方法。
【0019】9.電子写真感光体が円筒状導電性支持体
上に下引層、電荷発生層、電荷輸送層、及び前記表面層
を有することを特徴とする前記2〜8のいずれか1項に
記載の電子写真画像形成方法。
【0020】10.前記電荷発生層にCu−Kα線に対
するブラッグ角の27.2°に最大ピークを有するチタ
ニルフタロシアニンを含有することを特徴とする前記9
に記載の電子写真画像形成方法。
【0021】11.電子写真感光体の表面の接触角が9
0°以上であることを特徴とする前記1〜10のいずれ
か1項に記載の電子写真画像形成方法。
【0022】12.電子写真感光体を1,000,00
0回転以上繰り返し画像形成に用いることを特徴とする
前記1〜11に記載の電子写真画像形成方法。
【0023】13.円筒状導電性支持体上に形成された
感光層を有する有機電子写真感光体を用いて、少なくと
も帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレードの
各手段を有する電子写真画像形成装置において、該現像
手段における現像により、該電子写真感光体上に該電子
写真感光体全面の平均トナー付着量が少なくとも0.5
mg/cm2でトナーが付着する画像形成が行われる条
件の下で、該電子写真感光体を30万回転以上の画像形
成を行ったときの該電子写真感光体の1回転あたりの膜
厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<3×10-6であ
り、かつ該電子写真感光体1回転あたりの残留電位変動
量ΔVr(V)が0≦ΔVr<1×10 -5の範囲にある
ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
【0024】14.円筒状導電性支持体上に少なくとも
複数の樹脂層を有する電子写真感光体を用いて、少なく
とも帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレード
の各手段を有する電子写真画像形成装置において、該複
数の樹脂層の1つが電荷輸送性を有する構造単位を含む
シロキサン系樹脂を含有する表面層であり、該表面層を
有する電子写真感光体上に該電子写真感光体全面の平均
トナー付着量が少なくとも0.5mg/cm2でトナー
が付着する画像形成が行われる条件の下で、該電子写真
感光体を30万回転以上の画像形成を行ったときの該電
子写真感光体の1回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μ
m)が0≦ΔHd<3×10-6であり、かつ該電子写真
感光体1回転あたりの残留電位変動量ΔVr(V)が0
≦ΔVr<1×10-5の範囲にあることを特徴とする電
子写真画像形成装置。
【0025】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明は、膜厚減耗量の少ない低摩耗性の感光体において
も効果的にフィルミングを抑制させることを達成したも
のである。すなわち、前述した様に、減耗速度の大きな
感光体は、紙粉等の感光体表面への付着速度に比べて感
光体表面の減耗速度が大きいため感光体表面上に付着し
たものを減耗により効果的に除去することが可能であっ
たが、低摩耗性の感光体は、付着物を摩耗によって除去
することが期待できないものである。
【0026】にもかかわらず、本発明では、極めて微量
ではあるが感光体表面における膜厚の減耗量とその減耗
の生ずる間の残留電位の変動量との間に相関性のあるこ
とを見出し、更に、両者をそれぞれ特定の範囲内の値と
することでフィルミングの発生を効果的に抑えることを
可能にすることを見出したものである。この様に、本発
明は、膜厚の減耗速度の極めて小さい感光体でも帯電電
位の変動量に着目してフィルミングの発生を効果的に抑
えることを可能にした画期的な発明である。
【0027】本発明の電子写真画像形成方法は該画像形
成方法に用いられる電子写真感光体の1回転あたりの膜
厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<3×10-6であ
り、かつ1回転あたりの残留電位変動量ΔVr(V)が
0≦ΔVr<1×10-5の範囲にあることを特徴とす
る。
【0028】・1回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μ
m) 本発明において、電子写真感光体の1回転あたりの膜厚
減耗量ΔHd(μm)とは、画像形成工程を行う前の感
光体の膜厚から、一連の画像形成工程を特定回数行った
後の膜厚をさし引き、得られた差を減耗した感光体の膜
厚の変動量とするものである。
【0029】すなわち、本発明では、帯電、像露光、現
像、転写、クリーニングの各工程よりなる一連の画像形
成工程を特定回数行うことで、電子写真感光体を少なく
とも30万回回転させ、その前後の膜厚測定値の差を感
光体の総回転数で除した値を膜厚減耗量(μm)とする
ものである。尚、後記の実施例に示される様に、本発明
における具体的な膜厚変動量の測定方法は、以下の方法
によって行われるものである。
【0030】*膜厚測定法 感光層の膜厚は均一膜厚部分をランダムに10ケ所測定
し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦
電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT
FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行
った。ここで、均一膜厚部分とは、感光体の両端2cm
を除く部分のことをいい、通常感光層が均一に塗布され
たと考えられている領域である。
【0031】本発明の膜厚減耗量ΔHd(μm)は、0
≦ΔHd<3×10 6であるが、好ましくは、0.1
×10-6〜2.7×10 6μm、特に好ましくは、
0.5×10-6〜2.2×10-6μmである。また、本
発明ではΔHd=0、すなわち上記条件で画像形成を繰
り返しても感光体表面が全く摩耗されない場合であって
も、残留電位変動量が本願発明の範囲内にあれば問題な
いことを見出したものである。
【0032】また、上記膜厚減耗量ΔHdが3×10
6μmを超えるものは、感光体表面の耐久性が大幅に低
下するものであって、クリーニングブレード等により感
光体表面にキズを発生し易く画質に問題を与えてしまう
ため好ましくない。
【0033】・1回転あたりの残留電位変動量ΔVr
(V) 一般に残留電位Vrとは通常の画像形成に必要な表面電
位(通常は絶対値で300V以上)に帯電した感光体を
露光することにより得られる最小電位のことを示し、具
体的には照射する露光量を横軸にとり、縦軸に感光体の
表面電位プロットした場合に得られる曲線のカーブが極
めて緩慢となるところの表面電位の値をもって残留電位
とする。
【0034】本発明では、前記残留電位をより客観的に
下記の様に測定して得られた値として定義した。 残留電位測定法 即ち、本発明の残留電位とは絶対値で300〜900V
に帯電した感光体に半減露光量の10倍以上の光量を照
射して露光1秒後〜1分以内に得られる感光体の表面電
位と定義する。
【0035】本発明の前記1回転あたりの残留電位変動
量ΔVr(V)は電子写真感光体を同一画像形成装置に
より30万回以上の画像形成工程を行った時の画像形成
工程一回目の前に測定された残留電位値と最後の画像形
成工程後測定された残留電位値の差を画像形成工程を行
った感光体の総回転数で除した値である。
【0036】本発明において、残留電位変動量ΔVr
は、0≦ΔVr<1×10-5Vの範囲内にあるが、好ま
しくは、0〜0.7×10-5Vであり、特に好ましく
は、0〜0.5×10-5Vである。また、本発明ではΔ
Vr=0、すなわち、感光体を30万回回転以上回転さ
せて画像形成工程を行っても残留電位変動のないもので
あっても上記の範囲内の膜厚減耗量であれば本発明の効
果を見出すものである。
【0037】また、前記残留電位変動量が1×10 5
Vを超えてしまうと、残留電位上昇による紙粉等の感光
体表面への静電的な付着力が強くなりすぎるために膜厚
減耗量が前述の範囲内にあっても本願発明の課題を達成
することができなくなってしまう。
【0038】本発明において、電子写真感光体の前記1
回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μm)、及び残留電位
変動量ΔVr(V)は両者とも極めて小さい値であるの
で、正確な数値を得るためには、電子写真感光体上で少
なくとも30万回転以上の画像形成工程を行った後、該
電子写真感光体を画像形成工程から取り出し、膜厚及び
残留電位のそれぞれの値を求める必要がある。30万回
転以上の画像形成を行うことで感光体は収斂状態とな
る。
【0039】一方、本発明の現像工程における現像によ
り、該電子写真感光体上に該電子写真感光体全面の平均
トナー付着量が少なくとも0.5mg/cm2でトナー
が付着する画像形成が行われる条件の下でとは、本発明
の画像形成方法が、広く、一般的な画像形成条件の下で
行われる使用条件を規定したものであって、作製された
画像に全くトナーが付着しない様な画像形成条件で多数
枚の画像形成を行うことを規定するものではない。ま
た、上述の平均トナー付着量が0.5mg/cm 2とい
う値は、特開平11−224038号等に記されている
様によく知られたものである。更に、前記少なくとも3
0万回転以上の画像形成工程は連続に行われてもよく、
間欠的に行われてもよい。
【0040】なお、本発明において、上述の電子写真感
光体全面の平均トナー付着量が0.5mg/cm2とな
る様にするためには、例えば、スリーブ間周速制御等を
行うことによりトナー付着量を制御させることで達成さ
れる。また、感光体全面の平均トナー付着量の算出方法
は、感光体表面に現像され付着したトナーを粘着テープ
上に転写し、トナー転写前後の該粘着テープの質量差を
求め、その値を単位面積(cm2)あたりに換算するこ
とによって得られるものである。
【0041】更に、本発明の画像形成方法の温室度環境
条件は一般に画像形成が行われるオフィス環境の条件で
有れば良く、一般的には、温度では約0℃以上から40
℃の条件、湿度では10%以上の環境で行われているも
のと思われ、このような条件下で前記膜厚減耗量及び残
留電位変動量を達成する事が必要である。
【0042】前記電子写真感光体の膜厚減耗量及び残留
電位変動量を本発明の範囲に小さくする為の画像形成方
法は以下に記載する画像形成方法が好ましいが、これ以
外の画像形成方法を用いてもよい。以下、本発明の画像
形成方法に好ましく用いられる電子写真感光体と関連す
る画像形成工程について説明する。
【0043】電子写真画像形成方法において、電子写真
感光体の1回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μm)を決
定する重要な要因は主として、該画像形成方法に用いる
電子写真感光体の膜強度(A)、クリーニング工程中に
用いるクリーニングブレードの特性と当接条件(B)、
及びクリーニングブレードと共に感光体表面を擦過する
トナー(C)が最も大きな要因と考えられる。
【0044】一方、残留電位変動量ΔVr(V)は帯
電、露光の繰り返しによる感光体の電子写真特性、特に
キャリア発生能とキャリア移動度の劣化が重要な要因と
されている。即ち電子写真感光体の電子写真特性の劣化
(D)が最も大きな要因と考えられる。
【0045】この最も重要な(A)、(B)、(C)、
(D)の4つの要因を制御する事が電子写真感光体の1
回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μm)と残留電位変動
量ΔVr(V)を本発明の範囲内に制御する為には重要
である。以下、本発明に好ましく用いられる電子写真感
光体、クリーニングブレードの特性と当接条件、及びト
ナーについて詳細に説明する。
【0046】本発明には膜厚減耗量が小さいと残留電位
変動量が小さい優れた特性を有する電子写真感光体の開
発が必要である。この両者を満たす感光体として本発明
者等は以下に示す電荷輸送性能を有するシロキサン系樹
脂層を表面層とする電子写真感光体を開発した。
【0047】即ち、膜厚減耗量が小さいと同時に、残留
電位変動量も小さい優れた特性を有する電子写真感光体
は以下に示す電荷輸送性能を有するシロキサン系樹脂層
の表面層と感光層、下引層処方との総合的な相乗効果に
よって達成される。
【0048】以下にこの電子写真感光体の構成について
記載する。 円筒状導電性支持体 本発明の円筒状導電性支持体とは回転することによりエ
ンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状支持体を意
味する。円筒状支持体の真直度が0.10mm以下、振
れ0.10mm以下の範囲にあるのが好ましい。この真
円度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難
になる。
【0049】導電性の材料としてはアルミニウム、ニッ
ケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸
化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又
は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用
することができる。
【0050】本発明において、円筒状導電性支持体上に
少なくとも複数の樹脂層を有するとは、樹脂が層形成に
主要な機能を有している層が2つ以上円筒状導電性支持
体上にあることを意味し、該樹脂層としては下引層、感
光層、表面層、更には電荷発生層、電荷輸送層等の層の
内2つ以上の層が円筒状導電性支持体上に有ればよい。
【0051】以下、本発明の電子写真感光体の好ましい
層構成について記載する。 下引層 本発明の感光体に好ましく用いられる下引層(UCL)
は導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは
該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と
前記感光層の間に設けられるが、該下引層の材料として
は、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂
並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上
を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の
中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹
脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂
を用いた下引層の膜厚は0.01〜0.5μmが好まし
い。
【0052】又本発明に最も好ましく用いられる下引層
はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有
機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた下
引層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた下引層の膜
厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0053】感光層 本発明の感光体に好ましく用いられる感光層構成は、前
記下引層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に
持たせた単層構造の感光層構成でもよいが、より好まし
くは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層
(CTL層)に分離した構成をとるのがよい。機能を分
離した構成をとることにより繰り返し使用に伴う残留電
位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的
に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では下引層
の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(C
TL層)の構成をとることが好ましい。正帯電用の感光
体では、前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆と
なる。本発明の感光体として最も好ましい感光層構成は
前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0054】以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成
について説明する。 電荷発生層 電荷発生層:電荷発生層には電荷発生物質(CGMとも
云う)を含有する。その他の物質としては必要によりバ
インダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0055】電荷発生物質としては公知の電荷発生物質
を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、ア
ゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いる
ことができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電
位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定
な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであ
り、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン
顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu
−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピ
ークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.
4°に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン
等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、
残留電位の増加を小さくすることができる。
【0056】電荷発生層にCGMの分散媒としてバイン
ダーを用いる場合、バインダーとしては、公知の樹脂を
用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホル
マール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコ
ーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられ
る。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バイン
ダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ま
しい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用
に伴う残留電位の増加を最も小さくすることができる。
電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0057】電荷輸送層 電荷輸送層:電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及
びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。
その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤
を含有しても良い。
【0058】電荷輸送物質(CTM)としては公知の電
荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばト
リフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用
いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当な
バインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これら
の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくで
きるCTMは高移動度で、かつ組み合わされるCGMと
のイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性
を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下
である。
【0059】CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは
表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0060】電荷輸送層(CTL層)に用いられる樹脂
としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタク
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、
フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、
ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂
並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上
を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ
−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げ
られる。
【0061】これらCTLのバインダーとして最も好ま
しいものは、ポリカーボネート樹脂である。ポリカーボ
ネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にす
ることにおいて最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸
送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し
10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚
は10〜40μmが好ましい。
【0062】表面層(電荷輸送性能を有するシロキサン
系樹脂を含有する表面層) 本発明に必要な高硬度で且つ残留電位上昇が小さい電子
写真感光体としては電荷輸送性を有する構造単位を含む
シロキサン系樹脂を含有する樹脂層を表面層とした感光
体が好ましい。このシロキサン系樹脂層は代表的には下
記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を原料とし
た塗布組成物を塗布乾燥することにより形成される。こ
れらの原料は親水性溶媒中では加水分解とその後に生じ
る縮合反応により、溶媒中で有機ケイ素化合物の縮合物
(オリゴマー)を形成する。これら塗布組成物を塗布、
乾燥することにより、3次元網目構造を形成したシロキ
サン系樹脂を含有する樹脂層を形成することができる。
【0063】一般式(1) (R)n−Si−(X)4-n (式中、Rはケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機
基を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、nは0
〜3の整数を表す。)
【0064】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物
において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形
の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル
等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェ
ニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポ
キシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロ
キシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロ
キシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプ
ロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル
基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−
アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,
1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシ
ル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、そ
の他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。特に
はメチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基が
好ましい。又Xの加水分解性基としてはメトキシ、エト
キシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が
挙げられ、特に、炭素数6以下のアルコキシ基が好まし
い。
【0065】また、一般式(1)で表される有機ケイ素
化合物は、単独でもよいし、2種以上組み合わせて使用
しても良い。但し、使用される一般式(1)で表される
有機ケイ素化合物の少なくとも一種がnが0又は1の有
機ケイ素化合物を使用することが好ましい。
【0066】又一般式(1)で表される有機ケイ素化合
物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同
一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場
合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般
式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用い
るとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良
く、異なっていても良い。
【0067】前記樹脂層は上記有機ケイ素化合物又はそ
の加水分解縮合物を含有する組成物にコロイダルシリカ
を含有させて形成されることが好ましい。コロイダルシ
リカとは分散媒中にコロイド状に分散した二酸化ケイ素
粒子であるが、コロイダルシリカの添加は塗布液組成物
調整のどの段階で加えても良い。コロイダルシリカは水
性またはアルコール性のゾルの形で添加しても良いし、
気相でつくられたエアロゾルを本発明の塗布液に直接分
散しても良い。
【0068】このほかチタニヤ、アルミナなどの金属酸
化物をゾルまたは粒子分散の形で添加しても良い。
【0069】コロイダルシリカや4官能(n=0)或い
は3官能(n=1)の前記有機ケイ素化合物は架橋構造
を生じること等により、本発明の樹脂層膜に弾性と剛性
を与える。2官能有機ケイ素化合物(n=2)の比率が
多くなるとゴム弾性が増すとともに疎水性があがり、1
官能有機ケイ素化合物(n=3)は高分子にはならない
が未反応残存SiOH基と反応して疎水性を上げる働き
がある。
【0070】本発明の高硬度でかつ高弾性が求められる
表面層としては、前記有機ケイ素化合物の4官能(n=
0)或いは3官能(n=1)の少なくともいずれか一種
を原料として用い、弾性と剛性を備えたシロキサン系樹
脂層を形成することが好ましい。
【0071】前記樹脂層は、更に、下記一般式(2)で
示された化合物が前記有機ケイ素化合物又は該縮合物等
との縮合反応により、電荷輸送性を有する構造単位を含
むシロキサン系樹脂を含む樹脂層に改質する事により、
該樹脂層の残留電位上昇を小さく抑えることができる。
【0072】一般式(2) B−(R1−ZH)m (式中、Bは電荷輸送性能を有する構造単位を含む1価
又は多価の基を表し、R 1は単結合又は2価のアルキレ
ン基を表し、Zは酸素原子、硫黄原子又はNHを表し、
mは1〜4の整数を表す。)
【0073】又、前記一般式(2)で示された化合物は
コロイダルシリカの表面の水酸基との縮合反応により、
前記シロキサン系樹脂層に取り込まれても良い。
【0074】前記シロキサン系樹脂層には、コロイダル
シリカ以外の他の金属水酸化物(例えばアルミ、チタ
ン、ジルコニウムの各アルコキシドの加水分解物)を加
えて複合化したシロキサン系セラミック樹脂層としても
よい。
【0075】一般式(2)のBは電荷輸送性化合物構造
を含む1価以上の基である。ここでBが電荷輸送性化合
物構造を含むとは、一般式(2)中の(R1−ZH)基
を除いた化合物構造が電荷輸送性能を有しているか、又
は前記一般式(2)中の(R 1−ZH)基を水素原子で
置換したBHの化合物が電荷輸送性能を有することを意
味する。
【0076】尚、前記の電荷輸送性化合物とは、電子或
いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す化合物で
あり、又別の定義としてはTime−Of−Fligh
t法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により
電荷輸送に起因する検出電流が得られる化合物として定
義できる。
【0077】前記水酸基又は加水分解性基を有する有機
ケイ素化合物、及び水酸基又は加水分解性基を有する有
機ケイ素化合物から形成された縮合物との総量(H)と
前記一般式(2)の化合物(I)の組成物中の組成比と
しては、質量比で100:3〜50:100であること
が好ましく、より好ましくは100:10〜50:10
0の間である。
【0078】また前記シロキサン系樹脂層においては、
コロイダルシリカ又は他の金属酸化物を添加しても良い
が、コロイダルシリカ又は他の金属酸化物(J)を添加
する場合は前記総量(H)+化合物(I)成分の総質量
100部に対し(J)を1〜30質量部を用いることが
好ましい。
【0079】前記総量(H)成分が前記の範囲内で使用
されると、感光体表面層の硬度が高く、かつ弾力性があ
る。(J)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も前記
総量(H)成分と同様の傾向がみられる。一方、前記化
合物(I)成分が前記の範囲内で使用されると感度や残
留電位特性等の電子写真特性が良好であり、前記感光体
表面層の硬度が高い。
【0080】前記のシロキサン系樹脂層を形成するには
縮合反応を促進するために縮合触媒を用いることが好ま
しい。ここで用いられる縮合触媒とは縮合反応に接触的
に作用する触媒、及び縮合反応の反応平衡を生成系に移
動させる働きをするものの少なくともいずれか一方の作
用をもつものであればよい。
【0081】具体的な縮合触媒としては、酸、金属酸化
物、金属塩、アルキルアミノシラン化合物など従来シリ
コーンハードコート材料に用いられてきた公知の触媒を
用いることができる。例えば、有機カルボン酸、亜硝
酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各ア
ルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアン
モニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、ス
ズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジ
アセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチン
メルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジ
ブチルチンマリエート等)等が挙げられる。
【0082】一般式(2)において、Bで示される電荷
輸送性化合物構造を有する基としては、正孔輸送型と電
子輸送型がある。正孔輸送型はオキサゾール、オキサジ
アゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、
イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、ス
チリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、トリア
リールアミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベン
ゾイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジ
ン、フェナジン等の構造単位を含む基及びこれらの誘導
体から派生する基が挙げられる。一方、電子輸送型とし
ては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無
水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトタシアノエチ
レン、テトタシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジ
ニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベ
ンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、
キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾ
キノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノ
ン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニ
トロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4、
4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマ
ロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニ
ル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−
ジニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、
9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロニトリル、
ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマ
ロニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニ
トロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、パーフルオ
ロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸等の化学構造単位を
含む基及びこれらの誘導体から派生する基が挙げられる
が、これらの構造に限定されるものではない。
【0083】以下に一般式(2)で表される代表的な化
合物例をあげる。一般式(2)に於いてZが酸素原子の
化合物例を下記に挙げる。
【0084】
【化1】
【0085】
【化2】
【0086】
【化3】
【0087】
【化4】
【0088】
【化5】
【0089】次に、一般式(2)において、ZがNH基
である化合物例を下記に挙げる。
【0090】
【化6】
【0091】次に、一般式(2)に於いて、Zがメルカ
プト基(SH)である化合物例を下記に挙げる。
【0092】
【化7】
【0093】下記一般式(2)で示された化合物の内最
も好ましい化合物はZが水酸基(OH)でかつmが2以
上の化合物である。Zが水酸基(OH)でかつmが2以
上の化合物は該化合物が前記有機ケイ素化合物と反応
し、その結果シロキサン系樹脂の網目構造中に入り込む
ことにより高硬度で且つ残留電位上昇が小さい樹脂層を
形成することができる。
【0094】上記では本発明に用いられる最も好ましい
感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感
光体層構成の感光体を用いても良い。例えば、電荷輸送
性を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する
樹脂層を電荷輸送層に適用すれば上記した感光体層構成
の表面層を除くことも可能である。又、電荷輸送性を有
する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する樹脂層
を単層構造の感光層に適用すれば円筒状導電性支持体上
には下引層と単層構造の感光層の2つの樹脂層から電子
写真感光体を用いてもよい。
【0095】又、本発明に用いる電子写真感光体の表面
層は水に対する接触角が90°以上であることが好まし
い。水に対する接触角が90°以上にすることにより紙
粉やトナー微粉のフィルミングをより少なくすることが
できる。
【0096】前記電荷輸送性能を有するシロキサン系樹
脂層の水に対する接触角を90°以上にする方法として
はシロキサン樹脂層の疎水性を高めることが有効であ
る。このための方法としてはシロキサン樹脂にF原子含
有基を導入する方法、ジメチルシロキサン骨格を導入す
る方法、芳香族基を導入する方法或いは撥水性を有する
PTFE等の樹脂粒子や有機ポリマーを添加する方法等
が挙げられる。
【0097】また前記シロキサン系樹脂の表面層には酸
化防止剤を添加することにより、残留電位上昇や画像ボ
ケを効果的に防止することができる。
【0098】ここで、酸化防止剤とは、その代表的なも
のは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存在する自
動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素
の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質であ
る。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0099】(1)ラジカル連鎖禁止剤 ・フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系) ・アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリル
ジアミン系、ジアリルアミン系) ・ハイドロキノン系酸化防止剤 (2)過酸化物分解剤 ・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類) ・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類) 上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止
剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダー
ドアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のもの
を併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤
との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えば
ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造
単位を含んでいるものでも良い。
【0100】前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフ
ェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿
時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある。
【0101】ヒンダードフェノール系或いはヒンダード
アミン系酸化防止剤の樹脂層中の含有量は0.01〜2
0質量%が好ましい。0.01質量%未満だと高温高湿
時のカブリや画像ボケに効果がなく、20質量%より多
い含有量では樹脂層中の電荷輸送能の低下がおこり、残
留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生す
る。
【0102】又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或
いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させて良
い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に対
して0.01〜20質量%が好ましい。
【0103】ここでヒンダードフェノールとは、フェノ
ール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基
を有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基
がアルコキシに変成されていても良い)。
【0104】ヒンダードアミンとは、N原子近傍にかさ
高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基とし
ては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好
ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化
合物類が好ましい。
【0105】
【化8】
【0106】式中のR13は水素原子又は1価の有機基、
14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素原
子、水酸基又は1価の有機基を示す。
【0107】ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化
防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P
7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれ
に限定されるものではない。
【0108】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0109】有機リン化合物としては、例えば、一般式
RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なも
のとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素
原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニ
ル基又はアリール基を表す。
【0110】有機硫黄系化合物としては、例えば、一般
式R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下
記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々
置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はア
リール基を表す。
【0111】以下に代表的な酸化防止剤の化合物例を挙
げる。
【0112】
【化9】
【0113】
【化10】
【0114】
【化11】
【0115】
【化12】
【0116】又、製品化されている酸化防止剤として
は、以下のような化合物、例えばヒンダードフェノール
系として「イルガノックス1076」、「イルガノック
ス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガ
ノックス245」、「イルガノックス1330」、「イ
ルガノックス3114」、「イルガノックス107
6」、「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフ
ェニル」、ヒンダードアミン系として「サノールLS2
626」、「サノールLS765」、「サノールLS7
70」、「サノールLS744」、「チヌビン14
4」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、
「マークLA67」、「マークLA62」、「マークL
A68」、「マークLA63」が挙げられ、チオエーテ
ル系として「スミライザ−TPS」、「スミライザーT
P−D」が挙げられ、ホスファイト系として「マーク2
112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−2
4G」、「マークPEP−36」、「マーク329
K」、「マークHP−10」が挙げられる。
【0117】前記シロキサン系樹脂を含有した層を形成
するには、通常溶剤にシロキサン系樹脂組成物を溶解し
て塗布により形成する。溶剤としてはメタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、メチルセルソル
ブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導
体;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類;酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が使用される。
【0118】前記シロキサン系樹脂層は加熱乾燥する事
が好ましい。この加熱のよりシロキサン系樹脂層の架橋
・硬化反応が促進される。該架橋硬化条件としては使用
する溶剤種、触媒有無によって異なるが、およそ60〜
160℃の範囲で10分〜5時間の加熱が好ましく、よ
り好ましくは90〜120℃の範囲で30分〜2時間の
加熱が好ましい。
【0119】電荷発生物質、電荷輸送物質の分散、溶解
の使用される溶媒としては、トルエン、キシレン等の炭
化水素類;メチレンクロライド、1,2−ジクロルエタ
ン等のハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類;メタノール、エタノール、メチルセルソ
ルブ、エチルセルソルブ等のアルコール類及びこの誘導
体;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3
−ジオキソラン等のエーテル類;ピリジンやジエチルア
ミン等のアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド等の
アミド類;その他脂肪酸及びフェノール類;二硫化炭素
や燐酸トリエチル等の硫黄、燐化合物等の1種又は2種
以上を用いることができる。
【0120】前記表面層を有する電子写真感光体を製造
するための塗布加工方法としては、塗布液をディップ塗
布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等を用いることが
できる。特に感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を
極力溶解させないため、又均一塗布加工を達成するため
にスプレー塗布、円形量規制型塗布(円形スライドホッ
パーがその代表例である)を用いるのが好ましい。尚前
記スプレー塗布については特開平3−90250号、同
3−269238号にその記載があり、前記円形量規制
型塗布については特開昭58−189061号に詳細が
記載されている。
【0121】本発明に用いられる画像形成方法は、少な
くとも帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレー
ドの各工程を有するが、本発明の画像形成方法はこれら
の画像形成工程以外の画像形成工程を付加してもよく、
又、これら画像形成工程を改良した画像形成方法にも適
用される。
【0122】本発明の円筒状感光体周辺に配置される好
ましい画像形成工程を以下に順次記載する。
【0123】帯電前露光工程(直前の画像形成で感光体
上に残留する電荷を消去する為の露光):帯電前露光工
程としてはLED等による光照射が用いられる。帯電前
露光は感光体の応答の遅れによる残留電位の上昇や露光
パターンに起因するメモリーの発生を抑制することがで
きるため、長期に亘って安定した画像を得ることができ
る。但し、本発明の画像形成方法は帯電前露光のない系
でも適用される。
【0124】帯電工程:コロナ帯電、接触帯電方式のい
ずれも好適に用いることができる。感光体上への帯電電
位は使用する感光体により適宜決定されるが、帯電電圧
で300〜1500Vになるようにこの帯電工程で帯電
される。
【0125】像露光工程:露光光源は白色光、LED、
LDいずれも好適に用いることができる。デジタル画像
の場合、像露光光源はLED、LDが好ましい。
【0126】現像工程:現像工程には一成分、二成分の
いずれの現像剤も使用可能であり、磁性、非磁性トナー
のいずれも好適に用いることができる。
【0127】転写工程:転写工程にはコロナ転写、ロー
ラー転写、中間転写体を用いる転写方式のいずれも好適
に用いられる。
【0128】分離工程:大径の円筒状支持体に形成され
た電子写真感光体では分離性が劣るため、爪分離が有効
である。しかしながら爪分離方式では電子写真感光体が
分離爪の接触により発生する爪傷の影響を受けやすいた
め、感光体径を小さくして曲率の効果で分離する方法も
有効である。この場合分離手段は用いなくてもよい。
【0129】転写工程:転写工程にはコロナ転写、中間
転写体を用いる転写方式のいずれも好適に用いられる
が、コロナ転写では紙粉の静電的な付着が起こりやすく
なるため残留電位の変動が小さい本発明の画像形成方法
は顕著な効果が得られる。
【0130】クリーニング工程:クリーニング工程には
クリーニングブレードが用いられるが、更にクリーニン
グの補助部材としてファーブラシやローラーを用いるこ
とができる。クリーニング条件は感光体の減耗に大きく
影響するため適正な条件を設定することが重要である。
【0131】本発明の画像形成方法は上記に記した画像
形成工程を応用、展開したプロセスにも適用される。
【0132】例えば、カラー現像では帯電器、或いは現
像器が複数感光体周辺に配置される画像形成方法にも本
発明の画像形成方法は適用される。
【0133】次に前記した膜厚減耗変動量の重要な要因
となるクリーニングブレードの特性と感光体への当接条
件及び現像剤中に用いられるトナーについてについて説
明する。
【0134】《クリーニングブレードの特性と当接条
件》本発明で用いられるクリーニング手段は、感光体に
圧接配置されたブレード状のクリーニング部材を備えた
クリーニング手段である。このクリーニングブレードを
用いて、転写されず感光体上に残留したトナーをクリー
ニングする。クリーニングブレードの感光体に対する当
接条件は、クリーニング性を向上させる観点から線圧5
〜50g/cmの圧接力P′で当接することが好まし
い。圧接力P′が5g/cm未満だとトナーのすり抜け
が発生しやすくなり、50g/cmより大きいとブレー
ドメクレが発生し易くなる。圧接の方法としては予めブ
レードの当接位置を決めてブレードを固定する方法、重
りにより荷重を調節する方法、ばねを利用する方法等が
あるが、圧接力のばらつきを低減させるには重り荷重方
式が好ましい。
【0135】なお、クリーニング工程の前段階において
は、クリーニングを容易にするために感光体表面を除電
する除電工程を付加する事が好ましい。この除電工程
は、例えば交流コロナ放電を生じさせる除電器により行
われる。
【0136】本発明に用いられるクリーニングブレード
の硬度は65°〜75°、反発弾性が15%〜60%
(20℃、50±5%RHの条件下)のゴム弾性体が好
ましい。反発弾性が15%未満だとブレードのバウンデ
ィングが起こりや易くなり、低温環境でのクリーニング
性の確保が難しく、75%を越えると逆にブレードの追
随性が大きくなりブレードメクレが発生し易くなる。前
記クリーニングブレードに用いられる弾性体ゴムブレー
ドの物性値;硬度と反発弾性はJISA硬度及び反発弾
性として、JISK6301の加硫ゴム物理試験方法に
基づいて測定される。
【0137】図1はクリーニングブレードの感光体への
当接条件の説明図である。図1に於いて、電子写真感光
体は1、ブレード当接角はθで表される。又、前記クリ
ーニングブレード2の自由長Lは図1に示すようにホル
ダー3(ブレードホルダー)の端部Bから変形前のブレ
ードの先端点の長さを表す。hはブレードの厚さを示
す。又ブレード当接角θは感光体の当接点Aにおける接
線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)との
なす角を表す。又食い込み量aは図1に示すように感光
体外周S0の半径r0と変形前のブレード(図面では点線
で示した)の位置A′を一点とする感光体と同一中心軸
Cを中心とした円S1の半径r1との差である。
【0138】本発明の感光体へのクリーニングブレード
の線圧Fは、ホルダーの支点4を基準にホルダー重心に
かかる重力とブレード圧力に対する反発力のモーメント
の釣り合いの下記式から求めることができる。
【0139】{〔m(ホルダーの重さ+荷重m1)〕/
3(ブレード全長)}×L2sinθ1=FL1cosθ
0 (Fは線圧) 図2に上式を説明するためのブレードと感光体の関係を
図示する。
【0140】図2において、電子写真感光体は1、クリ
ーニングブレードは2、ホルダー(ブレードホルダー)
は3、ホルダーの支点は4、Mはホルダーの重心、θは
ブレード当接角、θ0はホルダー取付角、αは感光体へ
の当接角、L1は当接点Aとホルダー支点4間の距離、
2はホルダーの重心Mとホルダー支点4間の距離、θ1
はホルダーの重心Mとホルダー支点4間を結ぶ直線が垂
直方向と成す角度、Aはブレードと感光体の当接点、L
3はブレード長手方向の長さ(全長)、m1はクリーニン
グブレードにかける荷重を示す。
【0141】本発明に用いられるクリーニングブレード
は、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が用いられるが、
ウレタンゴムで作られたものが最も好ましい。
【0142】更に、クリーニングの補助部材としてファ
ーブラシや発泡ウレタン等を用いた補助ローラー等の機
構を併用すると、クリーニングブレードの負荷を軽減で
きるだけでなく、紙粉等異物の感光体への付着を抑制で
きるので好ましい。
【0143】次に、本発明に好ましく用いられるトナー
の特性とその製造方法について説明する。
【0144】《外添剤固着率Fdが10〜90%のトナ
ー》本発明の現像工程に用いられる現像剤のトナーは個
数平均粒径10〜300(nm)の粉体が外添剤として
混合され、かつ下式で示される外添剤固着率Fdが10
〜90(%)であることが好ましい。
【0145】 Fd=[1−{(Sw1−Sw2)/Sw3}]×100 (Sw1:外添剤を固定化したトナーのBET比表面積
(m2/g) Sw2:外添剤混合前トナーのBET比表面積(m2
g) Sw3:外添剤のBET比表面積(m2/g) 上記外添剤の個数平均粒径は、透過型電子顕微鏡観察に
よって2000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子
を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向
平均径としての測定値である。
【0146】上記トナーは以下に記す方法により作製す
ることができる。本発明で用いられるトナーは、結着樹
脂と着色剤、さらに必要に応じて使用されるその他の添
加剤とを含有した着色粒子に、外添剤粒子を外部添加
し、固定化を行ったトナーである。
【0147】本発明に用いられる外添剤は大別して無機
粒子と有機粒子が挙げられる。本発明で用いられる粒子
の粒径は個数平均粒径で10〜300nmのものが好ま
しく用いられる。外添剤の個数平均粒径が300nmよ
り大きい場合には外添剤のトナーからの離脱が起こりや
すくなり、そのことが原因となり感光体上へのフィルミ
ングが発生し易くなる。10nmより小さい場合は、外
添剤の流動性向上化剤としての効果が小さくクリーニン
グ不良が発生しやすい。
【0148】又個数平均一次粒子径が10〜49nmの
粒子と50〜300nmの粒子をそれぞれ着色粒子に対
して0.1〜3.0質量%、外添してなるトナーがより
好ましく、本発明の目的を達成する上で著しい効果を発
揮する。前記無機粒子としては、各種無機酸化物、窒化
物、ホウ化物等が好適に使用される。例えば、シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、
チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタ
ン酸マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化クロ
ム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステ
ン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ
素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ
素、窒化チタン、窒化ホウ素等があげられる。
【0149】さらに、上記無機粒子に疎水化処理をおこ
なったものでもよい。疎水化処理を行う場合には、各種
チタンカップリング剤、シランカップリング剤等のいわ
ゆるカップリング剤によって疎水化処理することが好ま
しく、さらに、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩
によって疎水化処理したものも好ましく使用される。
【0150】一方、有機粒子としては特にその組成が限
定されるものでは無い。一般的にはビニル系の有機粒子
が好ましい。この理由としては乳化重合法や懸濁重合法
等の製造方法によって容易に製造することが可能である
からである。具体的には、スチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロ
スチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレ
ン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン、あるい
はスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプ
ロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブ
チル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリ
ル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアクリル酸
エステル誘導体等が有機粒子を構成する材料としてあげ
ることができる。これらは単独あるいは組み合わせて使
用することができる。
【0151】さらに、その他のビニル系樹脂粒子を構成
するための材料としては、エチレン、プロピレン、イソ
ブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン系ビニル類、
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ペンゾエ酸ビニル等
のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケト
ン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビ
ニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイ
ンドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合
物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合
物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチ
ルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタ
クリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等のア
クリル酸、あるいはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
これらビニル系単量体も単独あるいは組み合わせて使用
することができる。
【0152】さらに、樹脂粒子としては、現像剤を長期
に渡って使用した場合でも安定であることが必要であ
る。このためには、種々の架橋剤によって樹脂粒子自体
を架橋し、硬度の高いものとして使用することが好まし
い。この架橋剤の例としては、ジビニルベンゼン、エチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコーリジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート等が挙げられる。架橋剤の使用量は必
要とする架橋度によって適宜使用量を調整して使用され
るが、ビニル系単量体に対して0.1〜5質量%使用さ
れることが望ましい。架橋剤が過多となると硬度は高く
なるものの、もろくなり、逆に耐久性が低下する問題を
発生し、架橋剤の添加量が過小であると架橋剤の効果を
発揮することができない。
【0153】樹脂粒子の製造方法としては乳化重合法や
懸濁重合法によって作製することができる。乳化重合法
は、界面活性剤を含有する水中に上記単量体を添加し乳
化させた後に重合する方法であり、界面活性剤としては
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリビニル
アルコール、エチレンオキサイド付加物、高級アルコー
ル硫酸ナトリウム等の界面活性剤として使用されている
物ならば全て使用することができ、特に限定されない。
さらに、反応性乳化剤の使用や、親水性単量体、例えば
酢酸ビニルやアクリル酸メチル等の過硫酸塩系開始剤に
よる重合や、水溶性単量体を共重合する方法や、水溶性
樹脂やオリゴマーを使用する方法や、分解型乳化剤を使
用する方法や、架橋型乳化剤を使用する方法等のいわゆ
る無乳化重合法も好適である。反応性乳化剤としてはア
クリル酸アミドのスルフォン酸塩やマレイン酸誘導体の
塩類等があげられる。無乳化重合法は残存乳化剤の影響
が無く、有機粒子を単体で使用する場合には好適であ
る。
【0154】樹脂粒子を合成するために必要な重合開始
剤には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロ
ニトリル等のアゾ系の重合開始剤があげられる。これら
の添加量は単量体に対して0.1〜2質量%が好まし
い。この量よりも過小であると重合反応が不足し、単量
体自体の残留の問題を発生する。さらに、過多であると
重合開始剤の分解物が残留し帯電性に影響を与え、さら
に重合反応が早すぎるために分子量が小さくなる問題を
生じる。さらに、乳化重合法等では重合開始剤として過
硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム等を使用することが
できる。
【0155】なお、上記無機粒子及び有機粒子は組み合
わせて使用してもよい。粒子の添加量は、トナーに対し
て概ね0.1〜5.0質量%添加することがよい。この
添加量が過小であると流動性の改善効果が少なく、過多
であると添加する粒子の遊離による感光体に対する傷や
現像剤の搬送不良の問題等を発生する恐れがある。
【0156】本発明において、外添剤をトナー表面に固
定化する方法としては、トナーと外添剤を撹拌混合し、
機械的衝撃力を付与しながらトナー表面に外添剤を均一
に固定化することが好ましい。本発明において、外添剤
を固定化したトナーとは、上記の如く、外添剤をトナー
表面に固定化処理を行ったトナーを意味する。具体的な
混合装置としては、ヘンシェルミキサー、V型混合機、
レーディゲミキサー、ナウターミキサー、Wコーンミキ
サー、バイブローミル等を使用することが出来る。なか
でもヘンシェルミキサーは、外添剤の混合処理と固着処
理を同一の装置で行えること、また混合撹拌の容易性や
外部からの加熱の容易性などの観点で、好適に使用する
ことができる。
【0157】また、上記固定処理時の混合条件として
は、撹拌羽根の先端の周速が5〜50m/sで処理され
ることが望ましい。さらに好ましくは10〜40m/s
で処理されることが望ましい。また、固定処理において
必要に応じ、外部より温水等を用いて必要な温度に調整
してもよい。
【0158】さらに目的に応じ2種類以上の外添剤を同
時に使用しても良い。なお、本発明において、外添剤を
固定化したトナーとは、上記の如く、外添剤をトナー表
面に固定化処理を行ったトナーを意味する。
【0159】本発明に用いられるトナーは、その平均粒
径が体積平均粒径で通常1〜30μm、好ましくは5〜
15μmである。
【0160】これらのトナーの体積平均粒径は、コール
ターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定す
ることができる。
【0161】トナー(着色粒子とも云う)を構成する結
着樹脂としては特に限定されず、従来公知の種々の樹脂
が用いられる。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹
脂、スチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が
挙げられる。ここで、樹脂のガラス転移温度としては定
着性及びブロッキング性改善のため45〜70℃、好ま
しくは52〜65℃である。この温度が低い場合には粒
子の固着は良好となるが、ブロッキング性が低下し、い
わゆる現像器内部で凝集やトナーのキャリアに対する融
着の問題を発生する。一方、ガラス転移温度が高い場合
には、ブロッキングの問題は発生しないが、紙に対する
接着性が低下し、定着性が低下する問題を発生する。
【0162】着色剤としては特に限定されず、公知の着
色剤が使用できる。例えば、カーボンブラック、ニグロ
シン染料等を好適に使用することができる。
【0163】一成分トナーの場合は着色剤としてマグネ
タイト等の磁性粒子を用いても良い。
【0164】その他の添加剤としては例えばサリチル酸
誘導体、アゾ系金属錯体等の荷電制御剤、低分子量ポリ
オレフィン、カルナウバワックス等の定着性改良剤等が
挙げられる。
【0165】本発明のトナーを二成分現像剤として用い
る場合には、該トナーとキャリアが必要となるが、該キ
ャリアとしては体積平均粒子径で20〜200μm、好
ましくは30〜100μmの磁性体粒子が用いられる。
【0166】オレフィン系樹脂を構成する単量体として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレ
ン、1−オクテン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブ
テン、1−ヘキセン、1−ノネン、1−デセン等の脂肪
族不飽和炭化水素系単量体がよい。また、その他のビニ
ル系単量体から得られる樹脂あるいは共重合体も使用す
ることができる。好ましくは、エチレンを単量体として
用いたポリエチレンがよい。これら磁性体の材料として
はフェライト、マグネタイト、鉄粉等があげられる。
【0167】本発明に用いられるキャリアは、その表面
が低表面エネルギー層を形成できる樹脂で被覆されるこ
とが好ましい。例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、或
いはポリオレフィン樹脂で被覆されたキャリアが好まし
い。その被覆量は磁性体粒子に対し1〜20質量%、好
ましくは2.5〜8質量%である。1質量%未満では被
覆層の均一な膜が形成されない場合があり、樹脂被覆キ
ャリアの優れた特性が発揮できない場合がある。また、
20質量%を越えると膜厚が厚く成りすぎてキャリアの
流動性が悪化し、帯電立ち上がりが悪くなって、カブリ
やトナー飛散が起きる場合がある。
【0168】本発明に用いられるキャリアの製造方法と
しては、一般的に知られている種々の被覆方法、例え
ば、ポリオレフィンを適当な溶剤に溶かし磁性粒子の表
面にスプレーコートする方法、磁性粒子の表面にポリオ
レフィン粉末を付着させ樹脂材料を必要により融点以上
に加熱しながら機械的に固定化する方法、特開昭60−
106808号公報等に記載されている表面重合被覆
法、等のいずれを使用してもよい。
【0169】図3は本発明の画像形成装置の1例として
の電子写真画像形成装置の断面図である。
【0170】図3において50は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電
に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすため
に発光ダイオード等を用いた露光部51による露光を行
って感光体周面の除電をしてもよい。
【0171】感光体への一様帯電ののち像露光器53に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等
を経て反射ミラー542により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0172】その静電潜像は次いで現像器54で現像さ
れる。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとか
ら成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、
マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリ
ーブ541によって現像が行われる。現像剤は、例えば
前述のフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂
をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリ
ル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と
荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる
着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーと
からなるもので、現像剤は層形成手段によって現像スリ
ーブ541上に100〜600μmの層厚に規制されて
現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感
光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイア
ス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行わ
れる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接
触の状態で現像される。
【0173】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写
域へと給紙される。
【0174】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム50の周面に転写ローラー(転写器)
58が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して転写さ
れる。
【0175】次いで記録紙Pは転写ローラーとほぼ同時
に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)59によって
除電がなされ、感光体ドラム50の周面により分離して
定着装置60に搬送され、熱ローラー601と圧着ロー
ラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち
排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。な
お、前記の転写ローラー58及び分離ブラシ59は記録
紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して
次なるトナー像の形成に備える。
【0176】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
50は、クリーニング器62のブレード621の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部51による
除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。
【0177】尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0178】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0179】プロセスカートリッジには、一般には以下
に示す一体型カートリッジ及び分離型カートリッジがあ
る。一体型カートリッジとは、帯電器、像露光器、現像
器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも
1つを感光体とともに一体に構成し、装置本体に着脱可
能な構成であり、分離型カートリッジとは感光体とは別
体に構成されている帯電器、像露光器、現像器、転写又
は分離器、及びクリーニング器であるが、装置本体に着
脱可能な構成であり、装置本体に組み込まれた時には感
光体と一体化される。本発明におけるプロセスカートリ
ッジは上記双方のタイプのカートリッジを含む。
【0180】次に、転写紙は代表的には普通紙である
が、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定
されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0181】像露光は、電子写真画像形成装置を複写機
やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射
光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで
原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービ
ームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッター
アレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどによ
り行われる。
【0182】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器53は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0183】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0184】また、本発明の電子写真感光体は、図4に
示される様なY、M、C、Kの各色毎の感光体、露光、
帯電、現像部を有し、中間転写体上で各色の感光体上で
形成されたトナー像を重ね合わせて多色画増を形成する
カラー画像形成装置にも適用可能なものである。この様
な中間転写体を使用した画像形成装置では紙が各感光体
と接触しないために、紙粉が感光体に付着することが少
なくなり、フィルミングのより少ない構成とすることが
できる。
【0185】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中
「部」とは「質量部」を表す。
【0186】本発明の画像形成方法が広い範囲で有用で
あることを実証するために本明細書中では膜厚減少速
度、及び残留電位変動量に大きく影響を及ぼす感光体、
クリーニング条件、トナーの種類を感光体は5レベル、
クリーニング条件、トナーの種類は各2レベル変化させ
た条件で実施例を行い評価した。
【0187】感光体 感光体1(表面層有り) 感光体2(表面層有り) 感光体3(表面層有り) 感光体4(表面層なし) 感光体5(表面層有り) クリーニング条件評価レベル: 低反発弾性ブレード、高荷重条件 高反発弾性ブレード、低荷重条件 トナーの種類評価レベル: 小粒径外添剤 大粒径、小粒径外添剤混合 感光体1の作製 ・下引層 チタンキレート化合物(TC−750:松本製薬製) 30g シランカップリング剤(KBM−503:信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml を混合し、φ60mmの円筒形の導電性支持体上に、乾
燥膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0188】 ・電荷発生層 Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα線に対するブラッグ角の27.2° に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、IP=5.2(eV)) 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211:信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引層の上に
浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.2μmの電荷発生層
を形成した。
【0189】 ・電荷輸送層 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−〔4−{(β−ジフェニル )スチリル}フェニル〕−p−トルイジン:IP=5.4(eV)) 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g 酸化防止剤(例示化合物1−3) 6g ジクロロメタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾
燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。電荷発生物質
と電荷輸送物質のIP差は0.2(eV)であった。
【0190】 ・樹脂層(表面層) メチルトリメトキシシラン 182g 化合物(例示化合物B−1) 40g コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 106g 酸化防止剤(例示化合物2−1) 1g 2−プロパノール 225g 2%酢酸 106g アルミニウムトリスアセチルアセトナート 1g を混合し、樹脂層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥
膜厚3μmの樹脂層を形成し、110℃、1時間の加熱
硬化を行い、架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を形
成し、感光体1を作製した。
【0191】感光体2の作製 感光体1と同様にして電荷輸送層までを作製した。
【0192】 ・樹脂層(表面層) メチルトリメトキシシラン 100g ジメトキシジメチルシラン 53g 化合物(例示化合物B−1) 45g 酸化防止剤(例示化合物1−8) 1g 2−プロパノール 225g 3%酢酸 30g トリスアセチルアセトナートアルミニウム 3g を混合し、樹脂層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥
膜厚2μmの樹脂層を形成し、110℃、1時間の加熱
硬化を行い、架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を形
成し、感光体2を作製した。
【0193】感光体3の作製 感光体1において樹脂層(表面層)の化合物(例示化合
物B−1)を用いない以外は感光体1と同様にして感光
体3を作製した。
【0194】感光体4の作製 感光体1において電荷輸送層の乾燥膜厚を23μmに変
更し、樹脂層(表面層)を用いず100℃、1時間の乾
燥を行った以外は同様にして感光体4を作製した。
【0195】 感光体5の作製 ・下引き層 ジルコニウム化合物(ZC−540 松本製薬製) 100g シラン化合物(A1110 日本ユンカー社製) 10g 1−プロパノール 400g ブタノール 200g 上記塗布液を用いてホーニング処理したφ60mmの円
筒型の導電性支持体上に、乾燥後の膜厚が0.5μmと
なるよう塗布し、150℃で10分間の乾燥処理を行っ
た。
【0196】 ・電荷発生層 X型無金属フタロシアニン 100g ブチラール樹脂(エスレックBM−5:積水化学社製) 100g 酢酸n−ブチル 1000g を混合し、ガラスビーズとペイントシェーカーを用いて
1時間分散し、電荷発生層塗布液を作製した。この塗布
液を前記下引き層の上に浸漬塗布法で塗布した後、10
0℃、10分間の乾燥を行い、膜厚0.2μmの電荷発
生層を形成した。
【0197】 ・電荷輸送層 電荷輸送物質(N−(4−メチルフェニル)−N−(3,4−ジメチルフェニル )ビフェニル−4−アミン) 320g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 30g モノクロロベンゼン 200g を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布後、1
20℃で1時間の加熱乾燥を行い、膜厚20μmの電荷
輸送層を形成した。
【0198】 ・表面保護層 フェニルトリエトキシシラン 10g シラン化合物(A) 30g シリコンハードコート剤(X−40−2239:信越化学社製) 60g 酢酸エチル 50g を混合し、樹脂層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により乾燥
後の厚さ3μmの樹脂層を形成し、室温で乾燥を行い、
架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を形成し、比較用
感光体5を作製した。
【0199】現像剤1の作製 スチレン:ブチルアクリレート:ブチルメタクリレート
=75:20:5の質量比からなるスチレンアクリル樹
脂100部、カーボンブラック10部、低分子量ポリプ
ロピレン(数平均分子量=3500)4部とを溶融、混
練した後、機械式粉砕機を使用し、微粉砕を行い、分級
して体積平均粒径が6.5μmの着色粒子を得た。
【0200】得られた着色粒子100部に対して外添剤
として個数平均粒径12nmの疎水性シリカ粒子0.4
部、個数平均粒径30nmのチタニア粒子0.6部を混
合し、ヘンシェルミキサーで常温下、撹拌羽根の周速4
0(m/sec)で10分間混合し、負帯電性トナーを
得た。このトナーの外添剤固着率は45%であった。
【0201】上記トナーに、シリコーン樹脂を被覆した
体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し
て、トナー濃度が5%の現像剤1を調整した。
【0202】現像剤2の作製 現像剤1で得られる得られた着色粒子100部に対して
外添剤として個数平均粒径12nmの疎水性シリカ粒子
(R805:日本アエロジル社製)0.4部、個数平均
粒径30nmのチタニア粒子(T805:日本アエロジ
ル社製)0.6部、更に個数平均粒径100nmの酸化
チタン粒子0.4部を混合し、ヘンシェルミキサーで常
温下、撹拌羽根の周速40(m/sec)で10分間混
合し、負帯電性トナーを得た。このトナーの外添剤固着
率は42%であった。
【0203】上記トナーに、シリコーン樹脂を被覆した
体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し
て、トナー濃度が5%の現像剤2を調整した。
【0204】なお、前記外添剤固着率の測定に必要な各
種BET比表面積は島津製作所(株)製Flowsor
b 2300を用いBET一点法により測定した。
【0205】前記感光体を用いた画像形成方法及びその
評価 画像形成方法の評価は前記感光体1〜4、現像剤1、2
をコニカ社製デジタル複写機Konica7060(コ
ロナ帯電、レーザ露光、反転現像、静電転写、爪分離、
クリーニングブレード、クリーニング補助ローラー採用
プロセスを有する)に搭載し、下記のクリーニング条件
で行った。
【0206】クリーニング条件1 クリーニング部に硬度70°、反発弾性34%、厚さ2
(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウ
ンター方向に線圧20(g/cm)となるように重り荷
重方式で当接した。
【0207】クリーニング条件2 クリーニング部に硬度67°、反発弾性60%、厚さ2
(mm)、自由長9mmのクリーニングブレードをカウ
ンター方向に線圧10(g/cm)となるように重り荷
重方式で当接した。
【0208】・画像評価、及び1回転あたりの膜厚減耗
量、残留電位変動量の算出 画像評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベ
タ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリ
ジナル画像を画像濃度ノーマルポジションの位置でA4
紙への複写を行い(画像濃度ノーマルポジションでの画
だしでは感光体全面の平均トナー付着量が優に0.5m
g/cm2以上であった。このトナーの付着量は感光体
表面に現像され付着したトナーを粘着テープ上に転写
し、トナー転写前後の該粘着テープの質量差を求め、単
位面積(cm2)あたりに換算することによって求めら
れる。)、100,000回転毎にハーフトーン、ベタ
白画像、ベタ黒画像を評価した。連続して複写を行いな
がら感光体の回転数をカウントし、トータル1,00
0,000回転になるまで実写評価を行った。膜厚減
耗、残留電位変動量は100,000回転ごとに感光体
を前記デジタル複写機から取り出し本文中に記載した方
法で減耗膜厚と残留電位(10分以内に)を測定し、初
期膜厚及び残留電位との差を回転数で除して変動量を算
出した。尚、残留電位の測定は本文中に記載の如く、前
記画像評価100,000回転ごとに絶対値で300〜
900Vに帯電した感光体に半減露光量の10倍以上の
光量を照射して露光1秒後〜1分以内に得られる表面電
位とした。
【0209】また残留電位変動の指標としての画像濃度
評価を行い、ベタ黒画像の濃度をマクベス社製RD−9
18を使用し絶対反射濃度で測定した。残留電位の上昇
が大きくなると画像濃度は低下する。同様に膜厚減耗の
指標としてのカブリについてはベタ白画像を使用し目視
で確認した。膜厚減耗が大きくなると帯電性が低下し、
カブリが発生し易くなる。また、表面のフィルミング状
態を目視判定で評価を行った。膜厚変動量に対して残留
電位変動量が大きくなるとフィルミングが発生し易くな
る。
【0210】画像濃度 ◎:100万回転のコピー画像全てが1.2以上:良好 ○:100万回転のコピー画像全てが0.8以上である
が、一部には1.2未満〜0.8のコピー画像もある ×:100万回転のコピー画像の中に1枚以上が0.8
未満
【0211】カブリ ○:100万回転のコピー画像全てがカブリ発生無し ×:100万回転のコピー画像中時々カブリ発生有り ××:100万回転のコピー画像中連続したカブリ発生
有り
【0212】感光体表面観察 ◎:100万回転でフィルミング発生なし ○:10万回転までフィルミング発生なし ×:10万回転未満でフィルミング発生
【0213】画像欠陥(コピー画像の黒筋、白筋の発生
と感光体表面のフィルミングや傷観察と対応させて評価
した) ◎:100万回転のコピー画像中1枚も黒筋、白筋発生
無し ○:100万回転のコピー画像中1枚〜10枚の黒筋又
は白筋発生 ×:100万回転のコピー画像中11枚以上の黒筋又は
白筋発生
【0214】・表面接触角測定 感光体表面の接触角は1,000,000回転の実写後
に純水に対する接触角を接触角計(CA−DT・A型:
協和界面科学社製)を用いて測定した。感光体表面の劣
化が進行したり紙粉等のフィルミングが発生すると水と
の親和性が向上して接触角は低下する。
【0215】
【表1】
【0216】
【表2】
【0217】表1、2より明らかなように本発明の構成
要件を満たした実施例は感光体の膜厚減耗量と残留電位
上昇の両方が十分に小さく、100万回転の複写画だし
による画像評価も良好な性能を示している。これに反し
本発明の構成要件を満たしていない比較例では膜厚減耗
量か残留電位上昇のいずれかの特性が悪く、画像評価も
満足な特性を示していない。
【0218】
【発明の効果】以上、実施例からも明らかなように本発
明により初めて電子写真画像形成の繰り返しに伴う感光
体の膜厚減耗量と残留電位上昇の両方を十分に小さく
し、感光体上へのフィルミング等を防止した電子写真画
像形成方法が開発され、有機電子写真感光体を用いた1
00万コピーの対応の電子写真画像形成方法、電子写真
画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーニングブレードの感光体への当接条件の
説明図。
【図2】式を説明するためのブレードと感光体の関係
図。
【図3】本発明の画像形成装置の1例としての電子写真
画像形成装置の断面図。
【図4】本発明の画像形成装置の10としての多色画像
形成用電子写真画像形成装置の断面図。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 クリーニングブレード 3 ホルダー 4 ホルダー支点 L 自由長 P 記録紙 a 食い込み量 A ブレードと感光体の当接点 M ホルダーの重心 θ ブレード当接角 θ0 ホルダー取付角 α 感光体への当接角 L1 当接点Aとホルダー支点4間の距離 L2 ホルダーの重心Mとホルダー支点4間の距離 L3 ブレード長手方向の長さ(全長) θ1 ホルダーの重心Mとホルダー支点4間を結ぶ直線
が垂直方向と成す角度 m1 クリーニングブレードにかける荷重 C 感光体の中心軸 50 感光体ドラム(又は感光体) 51 露光部 52 帯電器 53 像露光器 54 現像器 57 給紙ローラー 58 転写ローラー(転写器) 59 分離ブラシ(分離器) 60 定着装置 61 排紙ローラー 62 クリーニング器 70 プロセスカートリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 502 G03G 5/147 502 503 503 504 504 9/08 9/08 371 371 13/00 13/00 21/10 21/00 318

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状導電性支持体上に少なくとも複数
    の樹脂層を有する電子写真感光体を用いて、少なくとも
    帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレードの各
    工程を有する電子写真画像形成方法において、該現像工
    程における現像により、該電子写真感光体上に該電子写
    真感光体全面の平均トナー付着量が少なくとも0.5m
    g/cm2でトナーが付着する画像形成が行われる条件
    の下で、該電子写真感光体を30万回転以上の画像形成
    工程を行ったときの該電子写真感光体1回転あたりの膜
    厚減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<3×10-6であ
    り、かつ該電子写真感光体1回転あたりの残留電位変動
    量ΔVr(V)が0≦ΔVr<1×10-5の範囲にある
    ことを特徴とする電子写真画像形成方法。
  2. 【請求項2】 円筒状導電性支持体上に少なくとも複数
    の樹脂層を有する電子写真感光体を用いて、少なくとも
    帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレードの各
    工程を有する電子写真画像形成方法において、該複数の
    樹脂層の1つが電荷輸送性を有する構造単位を含むシロ
    キサン系樹脂を含有する表面層であり、該表面層を有す
    る電子写真感光体上に該電子写真感光体全面の平均トナ
    ー付着量が少なくとも0.5mg/cm2でトナーが付
    着する画像形成が行われる条件の下で、該電子写真感光
    体を30万回転以上の画像形成工程を行ったときの該電
    子写真感光体の1回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μ
    m)が0≦ΔHd<3×10-6であり、かつ、該電子写
    真感光体1回転あたりの残留電位変動量ΔVr(V)が
    0≦ΔVr<1×10-5の範囲にあることを特徴とする
    電子写真画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記クリーニングブレード工程に用いら
    れるクリーニングブレードの硬度が65°〜75°、反
    発弾性が15%〜60%であり、且つ感光体に5〜50
    (g/cm)の線圧で当接されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の電子写真画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記現像工程に用いられる現像剤のトナ
    ーが個数平均粒径10〜300(nm)の粉体が外添剤
    として混合され、かつ下式で示される外添剤固着率Fd
    が10〜90(%)であることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の電子写真画像形成方法。 Fd=[1−{(Sw1−Sw2)/Sw3}]×100 (Sw1:外添剤を固定化したトナーのBET比表面積
    (m2/g) Sw2:外添剤混合前トナーのBET比表面積(m2
    g) Sw3:外添剤のBET比表面積(m2/g))
  5. 【請求項5】 前記現像工程に用いられる現像剤のトナ
    ーが個数平均粒径50(nm)以下の粉体と個数平均粒
    径60(nm)以上の粉体が併用して外添剤として混合
    されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の電子写真画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記現像工程が反転現像方式であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子
    写真画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記表面層がコロイダルシリカを含有す
    ることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載
    の電子写真画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記表面層が酸化防止剤を含有すること
    を特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の電子
    写真画像形成方法。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体が円筒状導電性支持体上
    に下引層、電荷発生層、電荷輸送層、及び前記表面層を
    有することを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に
    記載の電子写真画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記電荷発生層にCu−Kα線に対す
    るブラッグ角の27.2°に最大ピークを有するチタニ
    ルフタロシアニンを含有することを特徴とする請求項9
    に記載の電子写真画像形成方法。
  11. 【請求項11】 電子写真感光体の表面の接触角が90
    °以上であることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    か1項に記載の電子写真画像形成方法。
  12. 【請求項12】 電子写真感光体を1,000,000
    回転以上繰り返し画像形成に用いることを特徴とする請
    求項1〜11に記載の電子写真画像形成方法。
  13. 【請求項13】 円筒状導電性支持体上に形成された感
    光層を有する有機電子写真感光体を用いて、少なくとも
    帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレードの各
    手段を有する電子写真画像形成装置において、該現像手
    段における現像により、該電子写真感光体上に該電子写
    真感光体全面の平均トナー付着量が少なくとも0.5m
    g/cm2でトナーが付着する画像形成が行われる条件
    の下で、該電子写真感光体を30万回転以上の画像形成
    を行ったときの該電子写真感光体の1回転あたりの膜厚
    減耗量ΔHd(μm)が0≦ΔHd<3×10-6であ
    り、かつ該電子写真感光体の1回転あたりの残留電位変
    動量ΔVr(V)が0≦ΔVr<1×10-5の範囲にあ
    ることを特徴とする電子写真画像形成装置。
  14. 【請求項14】 円筒状導電性支持体上に少なくとも複
    数の樹脂層を有する電子写真感光体を用いて、少なくと
    も帯電、像露光、現像、転写、クリーニングブレードの
    各手段を有する電子写真画像形成装置において、該複数
    の樹脂層の1つが電荷輸送性を有する構造単位を含むシ
    ロキサン系樹脂を含有する表面層であり、該表面層を有
    する電子写真感光体上に該電子写真感光体全面の平均ト
    ナー付着量が少なくとも0.5mg/cm2でトナーが
    付着する画像形成が行われる条件の下で、該電子写真感
    光体を30万回転以上の画像形成を行ったときの該電子
    写真感光体の1回転あたりの膜厚減耗量ΔHd(μm)
    が0≦ΔHd<3×10 -6であり、かつ該電子写真感光
    体1回転あたりの残留電位変動量ΔVr(V)が0≦Δ
    Vr<1×10-5の範囲にあることを特徴とする電子写
    真画像形成装置。
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JP2006251736A (ja) * 2005-03-14 2006-09-21 Ricoh Co Ltd プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2009229750A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Ricoh Co Ltd 転写装置およびこの転写装置を備える画像形成装置

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