JP4026297B2 - 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体 - Google Patents

画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体 Download PDF

Info

Publication number
JP4026297B2
JP4026297B2 JP2000103697A JP2000103697A JP4026297B2 JP 4026297 B2 JP4026297 B2 JP 4026297B2 JP 2000103697 A JP2000103697 A JP 2000103697A JP 2000103697 A JP2000103697 A JP 2000103697A JP 4026297 B2 JP4026297 B2 JP 4026297B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive member
image forming
hydroxyl group
charge transporting
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000103697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001005207A (ja
Inventor
明彦 伊丹
友男 ▲崎▼村
武雄 大柴
洋子 北原
雅彦 倉地
和久 志田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2000103697A priority Critical patent/JP4026297B2/ja
Publication of JP2001005207A publication Critical patent/JP2001005207A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4026297B2 publication Critical patent/JP4026297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ及び電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真感光体は有機光導電性物質を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、多数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷の発生がある事である。
【0003】
又、前記有機感光体は残留トナーの除去に用いられるクリーニングブレードとの摩擦抵抗が大きく、前記感光体の表面がクリーニングにより摩耗したり、或いは感光体表面を著しく傷つけてしまう。
【0004】
一方電子写真感光体表面の機械的強度を改良するため、これまで種々の事が検討されてきた。
【0005】
即ち、機械的耐久性に関しては、有機感光体の表面にビスフェノールZ型ポリカーボネートをバインダー(結着樹脂)として用いることにより、表面の摩耗特性、トナーフィルミング特性が改善される事が報告されている。又、特開平6−118681号公報では感光体の表面層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコン樹脂を用いることが報告されている。
【0006】
しかし、ビスフェノールZ型ポリカーボネートバインダーを用いた感光体では耐摩耗特性が不足しており、十分な耐久性を有していない。一方、コロイダルシリカ含有硬化性シリコン樹脂の表面層では耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、やはりこれも耐久性が不十分である。
このような問題を解決する1つの方法として、現像剤中に脂肪酸金属塩を添加し、現像を介して感光体表面に脂肪酸金属塩の薄層を形成し、クリーニングブレードとの摩擦抵抗を下げようとする試みがなされた。しかしながら、従来の有機感光体の表面は摩耗による膜厚減耗が大きく、脂肪酸金属塩の薄層を形成したことよる摩擦抵抗の低下も一時的な効果でしかなかった。
【0007】
更に、前記欠点を改善する方法として、本研究者等は電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂層を感光体の表面層として提案してきた(特願平11−70308号)。この表面層を有する感光体は耐摩耗特性、及び耐環境特性(温度や湿度に対する静電特性の変化)は改善されるが、しかしながら電荷輸送能を有する構造単位を組み込んだ結果、特に高温高湿環境においては従来のOPCとは異なりクリーニングブレードのエッジ摩耗が大きく、高温高湿環境(以後HH環境と云う)でのクリーニング性能が低下するといった問題が発生することが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期にわたり高画質で安定した電子写真画像が得られる画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられプロセスカートリッジ、電子写真感光体の提供にある。又、高温高湿の条件下に於いてもクリーニング性が良好で、且つ良好な電子写真画像が得られる画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられプロセスカートリッジ、電子写真感光体の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題解決のため鋭意努力した結果、本発明の目的は下記の構成のいずれかをとることにより達成されることを見出した。
【0010】
1.電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードでクリーニングを行う工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有し、且つ前記現像剤が脂肪酸金属塩を含有することを特徴とする画像形成方法。
【0011】
2.電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードを用いてクリーニングを行う工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有し、且つクリーニング補助部材を介して感光体表面に脂肪酸金属塩を供給しながら画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
【0012】
3.電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードでクリーニングを行う工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂と脂肪酸金属塩を含有する表面層を有することを特徴とする画像形成方法。
【0013】
4.前記電子写真感光体の表面層がコロイダルシリカを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成方法。
【0014】
5.前記電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂が電荷輸送能付与基を部分構造として有するポリシロキサン硬化樹脂であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の画像形成方法。
【0015】
6.前記脂肪酸金属塩がフローテスターの流出速度が5.0×10-4(ml/sec)以上であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項記載の画像形成方法。
【0016】
7.前記弾性体ゴムブレードが20℃、50±5%RHの環境下における反発弾性が20〜60であるポリウレタンゴムを材質としてなることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0017】
8.前記表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0019】
.電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードでクリーニングを行う画像形成装置において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有し、且つ前記現像剤が脂肪酸金属塩を含有することを特徴とする画像形成装置。
【0020】
.電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレード及びクリーニング補助部材を用いてクリーニングを行う画像形成装置において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有し、該クリーニング補助部材を介して感光体表面に脂肪酸金属塩を供給しながら画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【0021】
.電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードでクリーニングを行う画像形成装置において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂と脂肪酸金属塩を含有する表面層を有することを特徴とする画像形成装置。
【0022】
.電子写真感光体上の潜像を現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードを用いてクリーニングを行う画像形成装置に用いるプロセスカートリッジが、少なくとも電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体と前記弾性体ブレード、及び該感光体表面に脂肪酸金属塩を供給するクリーニング補助部材を一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に設計されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0023】
.電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂と脂肪酸金属塩を含有する表面層を有することを特徴とする電子写真感光体。
【0024】
以下に本発明について詳細に説明する。
【0025】
本発明は電荷輸送能を有するポリシロキサン硬化樹脂(以下単に電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂とも云う)の表面層を有する電子写真感光体と脂肪酸金属塩との親和性が特異的に向上し、感光体表面に均一に脂肪酸金属塩の薄膜を効果的に形成できることを見出して達成されたものである。前述のように、従来の有機感光体では、効果が一時的で、安定した脂肪酸金属塩の薄膜を形成できなかったが、本発明の感光体と脂肪酸金属塩の組み合わせでは、従来の組み合わせでは実現できなかった顕著な効果をもたらすことが分かった。この技術の具体的な実現手段として前記に記載した方法が効果的である。即ち、
▲1▼現像剤中に脂肪酸金属塩を含有させる。
【0026】
▲2▼感光体表面層に脂肪酸金属塩を含有させる。
【0027】
▲3▼クリーニング補助部材を介して脂肪酸金属塩を感光体表面に供給する。
【0028】
前記脂肪酸金属塩は一般に炭素数10以上の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩が好ましい。たとえばステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸インジウム、ステアリン酸ガリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、パルチミン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム等が挙げられ、より好ましくはステアリン酸金属塩である。
【0029】
本発明では脂肪酸金属塩の中でも特にフローテスターの流出速度が高い脂肪酸金属塩は劈開性が高く、本発明の前記感光体表面でより効果的に脂肪酸金属塩の層を形成することができる。流出速度の範囲としては1×10-7以上1×10-1以下が好ましく、5×10-4以上6.9×10-2以下であると最も好ましい。フローテスターの流出速度の測定は島津フローテスター「CFT−500」(島津製作所(株)製)を用いて測定した。
【0030】
次に脂肪酸金属塩の各供給手段について記載する。
【0031】
現像剤中に脂肪酸金属塩を含有させる場合は、トナーの後処理工程でトナー中に脂肪酸金属塩を混合撹拌して分散させるのが好ましい。添加量はトナーの粒径等にも依存するが、一般的なトナーの粒径2〜15μ(体積平均粒径)では0.01〜1重量%が好ましい。脂肪酸金属塩が0.01重量%以下だとトナー表面から感光体表面への移行が不十分となり感光体表面に薄膜を形成することが難しい。また1重量%以上だと感光体表面に形成された脂肪酸金属塩薄膜への紙粉の付着が増大し、画像ボケが発生しやすくなる。
【0032】
又、トナーへの流動性付与の観点から、無機微粒子、有機微粒子をトナーに添加し混合撹拌処理を繰り返すことが好ましい。この場合、特に無機微粒子の使用が好ましく、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、更に、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。
次に本感光体表面層に脂肪酸金属塩を含有させる場合は以下に記すような本発明の表面層の塗布溶液中に分散或いは溶解させて塗布、乾燥させればよい。該感光体表面層中の脂肪酸金属塩の存在量は0.1重量%〜10重量%が好ましい。脂肪酸金属塩が0.01重量%以下だと十分な効果が得られない。また10重量%以上だと感光体表面への紙粉の付着が増大し、画像ボケが発生しやすくなる。
【0033】
次に本発明の電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂を表面層に有する感光体について詳細に説明する。
【0034】
本発明において、ポリシロキサン硬化樹脂は公知の方法により、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される。
【0035】
【化1】
Figure 0004026297
【0036】
(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Zは水酸基又は加水分解性基を表す。)
上記一般式中のZが加水分解性基の場合は、加水分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3ージヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0037】
本発明における電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂(=電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン樹脂とも云う。)の原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めることが可能である。従って、これらをコントロールすることにより得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来る。
【0038】
又、前記ポリシロキサン硬化性樹脂の原料としては前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分解縮合物を用いることもできる。
【0039】
尚、本発明のポリシロキサン硬化樹脂とは前記の如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキサン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網目構造を形成させ、その結果生成したポリシロキサン樹脂を意味する。
【0040】
又、前記ポリシロキサン硬化樹脂は該樹脂中に水酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂としてもよい。
【0041】
また本発明中の電荷輸送能の定義としては、通常のTime−Of−Flight法の電荷輸送能を検知できる公知の方法にて、電荷輸送に起因する検出電流が得られるものとして表現することがきる。
【0042】
本発明における電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂とは電荷輸送能を有する部分構造を含むポリシロキサン硬化樹脂である。即ち、電子或いは正孔のドリフト移動特性を有する化学構造(=電荷輸送能付与基)をポリシロキサン硬化樹脂中に化学構造として組み込ませた樹脂である。具体的には本発明の電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂とは一般的に電荷輸送物質として用いられる化合物(以後電荷輸送性化合物又はCTMとも云う)をポリシロキサン硬化樹脂中に化学構造として有している。
【0043】
以下にポリシロキサン硬化樹脂中に有機珪素化合物との反応により部分構造としての電荷輸送能付与基を形成することのできる電荷輸送性化合物について説明する。
【0044】
例えば正孔輸送型CTM:キサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記ポリシロキサン硬化樹脂の部分構造として含有する。
【0045】
一方、電子輸送型CTMとしては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記ポリシロキサン硬化樹脂の部分構造として含有する。
【0046】
本発明において、好ましい電荷輸送能付与基は、前記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物を含み、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又は珪素原子を介して或いは該電荷輸送性化合物を部分構造として有する化合物の炭素原子又は珪素原子を介して下記式中Yの連結原子又は連結基を介してポリシロキサン硬化樹脂中に有される。
【0047】
【化2】
Figure 0004026297
【0048】
(式中、Xは電荷輸送能付与基であって、該付与基を構成する炭素原子又は珪素原子を介して式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価以上の原子又は基である。)
但し、Yが3価以上の原子の時は上式中のSiとC以外のYの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0049】
又、前記一般式の中で、Y原子として、特に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。
【0050】
ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は1価の有機基である。)
電荷輸送付与基Xは上式中では1価の基として示されているが、ポリシロキサン硬化樹脂と反応させる電荷輸送性化合物(以後反応性電荷輸送性化合物とも云う)が2つ以上の反応性官能基を有している場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0051】
前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞれ電荷輸送性化合物中に導入された水酸基、メルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機珪素化合物との反応によって形成され、ポリシロキサン硬化樹脂中に電荷輸送化合物を部分構造として取り込む連結基である。
【0052】
次に本発明中の水酸基、メルカプト基、アミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
【0053】
前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよい。
【0054】
X−(R7−OH)m m≧1
ここにおいて、
X:電荷輸送能付与基、
7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0055】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を電荷輸送能付与基=Xとして有し、前記Xを構成する炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく用いられる。
【0056】
トリアリールアミン系化合物
【0057】
【化3】
Figure 0004026297
【0058】
2.ヒドラジン系化合物
【0059】
【化4】
Figure 0004026297
【0060】
3.スチルベン系化合物
【0061】
【化5】
Figure 0004026297
【0062】
4.ベンジジン系化合物
【0063】
【化6】
Figure 0004026297
【0064】
5.ブタジエン系化合物
【0065】
【化7】
Figure 0004026297
【0066】
6.その他の化合物
【0067】
【化8】
Figure 0004026297
【0068】
次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の合成例について述べる。
【0069】
例示化合物T−1の合成
【0070】
【化9】
Figure 0004026297
【0071】
ステップA
温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いた四頭コルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっくり冷却した。
【0072】
析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリカゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30gであった。
【0073】
ステップB
化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベンに投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗して、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。
【0074】
例示化合物S−1の合成
【0075】
【化10】
Figure 0004026297
【0076】
ステップA
温度計及び攪拌装置を付けた300mlコルベンに、Cuを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して20時間攪拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化合物(3)7gを得た。
【0077】
ステップB
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気にし、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化ホスホリル3gを投入した。室温下で攪拌しながら、DMF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温して16時間攪拌した。約70℃の温水にあけてから冷却した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
【0078】
ステップC
アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間攪拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44gを得た。
【0079】
ステップD
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温した。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間攪拌した。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間攪拌した。その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル200mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを得た。
【0080】
次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化合物の具体例を下記に例示する。
【0081】
メルカプト基を有する電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つメルカプト基を有している化合物であればよい。
【0082】
X−(R8−SH)m m≧1
ここにおいて、
X:電荷輸送能付与基、
8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0083】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0084】
【化11】
Figure 0004026297
【0085】
更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
【0086】
アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つアミノ基を有している化合物であればよい。
【0087】
X−(R9−NR10H)m m≧1
ここにおいて、
X:電荷輸送能付与基、
9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置換のアリーレン基、
10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非置換のアリール基、
m:1〜5の整数である。
【0088】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0089】
【化12】
Figure 0004026297
【0090】
アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10はブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0091】
更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
【0092】
ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化合物は化合物中の珪素原子を介してポリシロキサン硬化樹脂中に部分構造として含有される。
【0093】
X−(−Y−Si(R113-a(R12an
(式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基であり、R11は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、Yは置換若しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を示す。)
前記硬化性シロキサン樹脂の形成原料:前記一般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)という)組成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)成分1モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モルを用いることが好ましい。
【0094】
またコロイダルシリカ(E)を添加する場合は前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(E)を1〜30重量部を用いることが好ましい。
【0095】
また前記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物(F)を加える場合は、前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(F)を1〜500重量部を用いることが好ましい。前記(A)+(B)成分が少ない場合はポリシロキサン硬化樹脂層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)+(B)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分だが、脆い樹脂層となる。(E)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も、(A)+(B)成分と同様の傾向がみられる。一方、(F)成分が少ない場合はポリシロキサン硬化樹脂層の電荷輸送能が小さく、感度の低下、残電の上昇を生じ、(F)成分が多い場合はポリシロキサン硬化樹脂層の膜強度が弱くなる傾向がみられる。
【0096】
本発明のポリシロキサン硬化樹脂は予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させモノマー、オロゴマー、ポリマーから3次元網目構造を形成する事もできる。
【0097】
一般的には、アルコキシシランを有する組成物や、又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成することができる。
【0098】
また前記の3次元網目構造を形成させる触媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0099】
また本発明中の表面層にはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファイト部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0100】
ここでヒンダードフェノールとはフェノール化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を有する化合物類及びその誘導体を云う。(但し、水酸基がアルコキシに変成されていても良い。)
又、ヒンダードアミンは、例えば下記構造式で示される有機基を有する化合物類が挙げられる。
【0101】
【化13】
Figure 0004026297
【0102】
(式中のR21は水素原子又は1価の有機基,R22、R23、R24、R25はアルキル基,R26は水素原子、水酸基又は1価の有機基を示す。)
ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0103】
ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定されるものではない。
【0104】
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダートフェノール系、「サノールLS2626」、「サノールLS765」「サノールLS2626」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上ヒンダートアミン系、「スミライザ−TPS」、「スミライザーTP−D」以上チオエーテル系、「マーク2112」、「マークPEP−8」、「マークPEP−24G」、「マークPEP−36」、「マーク329K」、「マークHP−10」以上ホスファイト系が挙げられる。これらの中で特にヒンダードフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。
【0105】
酸化防止剤の添加量としては表面層組成物の総重量100部に対し、0.1〜10重量部を用いることが好ましい。
【0106】
本発明の電子写真感光体の層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有する単層型感光層)等の感光層とその上に本発明の表面層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、前記電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層が複数の層から構成されていてもよい。
【0107】
本発明に於ける感光層に含有される電荷発生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われる。
【0108】
前記感光層に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレンポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0109】
単層構成の感光層及び積層構成の場合の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0110】
本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物質とバインダー樹脂との割合は重量比で1:10〜10:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0111】
又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥することによって形成される。電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合割合は重量比で10:1〜1:10が好ましい。
【0112】
電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特に10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0113】
本発明のポリシロキサン硬化樹脂層は、表面層が電荷輸送層の場合は前記電荷輸送層を兼ねても良いが、好ましくは、電荷輸送層もしくは電荷発生層或いは単層型の電荷発生・輸送層等の感光層の上に、これらとは別層の表面層として設けるのがよい。この場合、前記感光層と本発明の表面層の間に接着層を設けても良い。
【0114】
次に本発明の電子写真感光体の導電性支持体としては、
1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、
2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネート若しくは蒸着によって設けたもの、
3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が挙げられる。
【0115】
本発明で用いられる導電性支持体の材料としては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられる。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0116】
本発明の感光体の製造に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0117】
次に本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0118】
本発明の感光体は前記表面層が塗布形成された後、50℃以上好ましくは、60〜200℃の温度で加熱乾燥する事が好ましい。この加熱乾燥により、残存塗布溶媒を少なくすると共に、表面層を十分に硬化させることができる。
【0119】
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましい。
【0120】
中間層用の材料としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップリング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜5μmが好ましい。
【0121】
本発明においては、更に、支持体と中間層との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すことや、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設けることができる。この導電層は、カーボンブラック、金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当なバインダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好ましく、特には10〜30μmが好ましい。
【0122】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0123】
次に、クリーニング補助部材を介して脂肪酸金属塩を感光体表面に供給する場合を説明する。
【0124】
図1に脂肪酸金属塩の固形部材をブラシローラーのフリッカーとして用いた例の断面図を示した。
【0125】
図1に於いてクリーニングブレード6とその下流側(感光体回転方向に対して)にブラシローラー4を感光体に当接する。このブラシのトナーをはたき落とす為のフリッカー3に脂肪酸金属塩の固形素材を用い、このフリッカーからブラシローラーを介して感光体表面に前記脂肪酸金属塩を供給することができる。尚、図中1は感光体、2は円筒状ブラシ支持体、5はブラシローラー位置決め部材、7はクリーニングブレード位置決め部材を示している。又、これ以外の方法としては脂肪酸金属塩を織布の編み目中にしみこませ、図1の前記ブラシローラーの代わりにウェブローラーとして感光体表面に当接しても良い。
【0126】
尚、クリーニングブレードはウレタンゴムで作られたものが最も好ましいがその中でも反発弾性が20〜60(20℃、50±5%RHの条件下)のポリウレタンゴムが好ましい。反発弾性が20未満だとクリーニング性が十分でなく、60%を越えるとブレードメクレが発生しやすい(ウレタンゴム物性値はJIS−K6301に準じる)。
【0127】
図2は本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置の1例を示す断面図である。
【0128】
図2において10は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の表面層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0129】
感光体への一様帯電ののち像露光器13により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0130】
その静電潜像は次いで現像器14で現像される。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキャリアを有する現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によって行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからなるもので、現像剤は図示していない層形成手段によって現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。
【0131】
カラー画像形成に於いては、1色目の顕像化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0132】
一方モノクロの電子写真装置では現像器14は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成することができる。
【0133】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域へと給紙される。
【0134】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)18が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が一括して転写される。
【0135】
次いで記録紙(普通紙、OHP紙等で記録材とも云う)Pは転写ローラとほぼ同時に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ202の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラ21を介して装置外部に排出される。なお前記の転写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0136】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム10は、クリーニング器22のブレード221の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わせて形成する場合には、前記のブレード221は感光体面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の周面より退避する。
【0137】
尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なカートリッジである。
【0138】
電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0139】
像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
【0140】
尚、ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、像露光器13は受信データをプリントするための露光を行うことになる。
【0141】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0142】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0143】
実施例1〜8及び比較例1〜2
(1)感光体1〜4の作製
導電性支持体として表面粗さRz(十点平均粗さ)=1.5μm、直径80mm、高さ355mmのアルミニウム支持体を用いた。
【0144】
〈中間層〉
チタンキレート化合物(TC−750:松本製薬製) 30g
シランカップリング剤 17g
2−プロパノール 150ml
を混合し、溶解して中間層塗布液を調整した。この塗布液を円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、120℃1時間乾燥して膜厚1.5μmの中間層を形成した。
【0145】
〈電荷発生層〉
チタニルフタロシアニン 60g
シリコン樹脂溶液 (KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液
:信越化学社製) 700g
2−ブタノン 2000ml
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0146】
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(D1) 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300
:三菱ガス化学社製) 300g
1,2−ジクロロエタン 2000ml
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、表1記載の膜厚の電荷輸送層を形成した。
【0147】
【化14】
Figure 0004026297
【0148】
〈表面層〉
トリメトキシメチルシラン 180g
1−ブタノール 280ml
1%酢酸水溶液 106ml
を混合して60℃で2時間攪拌した後、さらに370mlの1−ブタノールを加えて48時間攪拌を続けた。
【0149】
これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)67.5g、酸化防止剤(サノールLS2626:三共社製)1.7g、ジブチル錫アセテート4.5gを加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1μmの表面層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い感光体1を作製した。
【0150】
次に感光体1において表面層のジヒドロキシトリフェニルアミン(T−1)の代わりに4−[2−(トリエトキシシリル)エチル]トリフェニルアミンに代えたほかは感光体1と同様にして感光体2を作製した。
【0151】
次に感光体1において表面層の酸化防止剤を除いたほかは感光体1と同様にして感光体3を作製した。
【0152】
次に感光体1において表面層のジヒドロキシトリフェニルアミン(T−1)を除いたほかは感光体1と同様にして感光体4を作製した。
【0153】
次に感光体1において表面層を以下のように形成した以外が感光体1と同様にして感光体5を作製した。
<表面層>
トリメトキシメチルシラン 180g
エタノール 650ml
2%酢酸水溶液 50ml
を混合して室温にて20時間攪拌を行った。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)67.5g、メタノールシリカゾル(30%メタノール溶液:日産化学社製)60g、酸化防止剤(サノールLS2626:三共社製)1.7g、アルミニウムアセチルアセトナート(川研ケミカル社製)1.35gを加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として塗布して、110℃、1時間の加熱硬化を行った。これによって、感光体5の表面層はコロイダルシリカを含むものとなった。
【0154】
次に感光体1において表面層を除いたほかは感光体1と同様にして感光体6を作製した。
以上の感光体中、感光体4は表面層が硬化していない感光体である。また、感光体6は感光体1における電荷輸送層が最上層であり、いわば従来の感光体でのポリカーボネートバインダを用いた層により最上層が構成されている。
【0155】
(2)現像剤の作製
下記トナーとキャリアよりなる現像剤を調製した。
【0156】
〈トナー〉
スチレン−アクリル共重合樹脂 100g
カーボンブラック 10g
ワックス 4g
シリカ微粉体 1g
脂肪酸金属塩 (表1に種類と量を記載)
上記スチレン−アクリル共重合樹脂、カーボンブラック、ワックスとを溶融、混練、粉砕して体積平均粒径8.5μmの着色粒子を得た。この着色粒子にシリカ微粉体、脂肪酸金属塩を添加して混合しトナー粒子を得た。
【0157】
〈キャリア〉
粒子径70μmのアクリレート樹脂被覆フェライトキャリアを用いた。
【0158】
〈現像剤〉
上記トナーとキャリアをトナー濃度が5重量%となるように混合した。
【0159】
(3)画像形成装置
上記のようにして作製された感光体及びトナーを用いて表1に示したように組み合わせ、実施例1〜8及び比較例1〜2を作製し、デジタル複写機「konica7050」の改造機に組み込み評価を行った。
【0160】
クリーニングのためにゴム硬度JISA70°、反発弾性25、厚さ2mm、自由長9mmのポリウレタン製弾性ゴムブレードを当接角20°で感光体の回転に対してカウンター方向に、重り荷重方式で押圧力20g/cmで当接した。
【0161】
更に単繊維太さ15デニール、繊維密度9.3×102f/cm2のアクリル性導電性ブラシを直径6mmのSUS製の芯金に外径15mmになるように作製したローラーを前記ブレードの下部に食い込み量1mmになるように設置し、感光体に対し順方向に回転数500rpmで感光体と同期して動作するように設定した。また、このときブラシに対して食い込み量1mmになるように、トナーをはたき落とすためのSUS製のフリッカーを設けた。
【0162】
30℃、80%RH(高温高湿)の条件で5万コピーの実写テストを行い、複写画像の品質(濃度、カブリの評価)、ブレードめくれ、トナーのすり抜け有無を評価した。
【0163】
【表1】
Figure 0004026297
【0164】
Figure 0004026297
クリーニングブレードエッジ摩耗量測定方法
図3はクリーニングブレードエッジ摩耗量の測定方法を説明する模式図である。図3に示すようにクリーニングブレードエッジ摩耗量44は光学或いはレーザー顕微鏡を用い、エッジ部を拡大してその画像から実測する。
【0165】
図3では41が感光体ドラム、42がクリーニングブレード、43はブレードの支持板金、44はエッジ摩耗量を示す。
【0166】
以上の結果から以下のことがわかる。
比較例3、4のように、従来のタイプの感光体表面(感光体6)と脂肪酸金属塩との組み合わせでは、カブリが発生した他、ブレードのめくれが発生した。特に比較例3では、脂肪酸金属塩を用いているにもかかわらずブレードめくれが発生している。これは、従来の感光体表面と脂肪酸金属塩とは親和性が悪く、脂肪酸金属塩の薄層を安定して形成することが困難なためと考えられる。
また、比較例2に示すように、従来の感光体とは異なるが表面層が硬化していない場合(感光体4)は脂肪酸金属塩を加えても問題が残る。
また、比較例1に示すように、従来の感光体と異なる表面層(感光体1)を有していても、脂肪酸金属塩がなく、感光体単独では画像およびブレードとの問題が解決できないことが分かる。
それに対して、従来の感光体と異なる表面層(感光体1)と脂肪酸金属塩の組み合わせでは、従来の組み合わせではなし得なかった特異な効果を奏することがわかる(実施例1〜4、6)。
【0167】
更に、感光体1、感光体5及び感光体6を用いて脂肪酸金属塩の有無による繰り返し画像形成時におけるブレードトルクの変化を測定した。評価は実施例1〜8と同様の条件にて、高温高湿下で5万コピーの実写を行った。尚、トルクの測定は、各測定感覚毎に実写を停止し、ドラムの回転軸にトルクメータを連結して、外力を加え、ドラムが静止状態から回転を始める最小のトルク値(kgf・cm)を測定した。結果を図4、図5に示した。
【0168】
図5から明らかなように、脂肪酸金属塩を用いない場合は、いずれの感光体とも常に高いトルクが発生し、クリーニングブレードと感光体との摩擦やクリーニングブレードの与える負荷が大きい。一方、図4から明らかなように、本発明の樹脂層を有する感光体に脂肪酸金属塩を含有する現像を併用して画像形成を行うことにより、トルクを低いレベルで安定に維持することが可能となった。この結果、クリーニング時のトナーのすり抜けや、クリーニングブレードのめくれを起こすことなく、長期にわたって良好な画像を提供することができるものと思われる。一方、本発明の樹脂層を用いない場合には、初期的なトルクの低減は見られるものの、トルクの変動が大きく、効果を長期にわたって維持することが困難であることが明らかとなった、トルク変動が大きいと、繰り返し画像形成を行う過程で、ブレードめくれやトナーのすり抜け等の不具合が発生しやすいことがわかる。
【0169】
また、以下の実施例では、クリーニングブレード、ブラシローラを変更した結果(実施例9,10)、脂肪酸金属塩の添加の対象を変更した結果(実施例11)を示す。いずれも良好な結果を示した。
【0170】
実施例9
実施例1においてクリーニングブレードをゴム硬度JISA70°、反発弾性65、厚さ2mm、自由長9mmのポリウレタン製に代えたほかは実施例1と同様にして評価を行った。
【0171】
評価結果は5万のコピー実写テスト後のブレード摩耗量は38μm、軽微な部分めくれ発生はあるが、画質は良好であった。
【0172】
実施例10
比較例1においてブラシローラーのSUS製フリッカーの代わりに同一径のステアリン酸亜鉛棒を用いた他は比較例1と同様にして5万コピーの実写評価を行い、複写画像の品質を評価した。
【0173】
評価結果は5万のコピー実写テスト後のブレード摩耗量は24μm、ブレードの部分めくれ発生もなく、画質は良好であった。
【0174】
実施例11
比較例1において感光体の表面層にステアリン酸亜鉛0.5重量部を加えた他は比較例1と同様にして5万コピーの実写評価を行い、複写画像の品質を評価した。
【0175】
評価結果は5万のコピー実写テスト後のブレード摩耗量は35μm、ブレードの部分めくれ発生もなく、画質は良好であった。
【0176】
【発明の効果】
以上の実施例より、電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂を含有する表面層を有し、該表面層に現像剤から、クリーニングブラシローラーから脂肪酸金属塩を供給することにより、或いは該表面層自体に脂肪酸金属塩を含有させることにより、高温高湿環境に於いても多数枚の良好な電子写真画像を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】脂肪酸金属塩の固形部材をブラシローラーのフリッカーとして用いた例の断面図。
【図2】本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置の1例を示す断面図。
【図3】クリーニングブレードエッジ摩耗量の測定方法を説明する模式図である。
【図4】脂肪酸金属塩を含有する感光体のトルク変動図である。
【図5】脂肪酸金属塩を含有しない感光体のトルク変動図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 円筒状ブラシ支持体
3 フリッカー
4 ブラシローラー
5 ブラシローラー位置決め部材
6 クリーニングブレード
7 クリーニングブレード位置決め部材
10 感光体ドラム(又は感光体)
11 発光ダイオード等を用いた露光部
12 帯電器
13 像露光器
14 現像器
17 給紙ローラ
18 転写ローラ(転写器)
19 分離ブラシ(分離器)
20 定着装置
21 排紙ローラ
22 クリーニング器
30 感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジ
41 感光体ドラム
42 クリーニングブレード
43 ブレードの支持板金
44 エッジ摩耗量

Claims (13)

  1. 電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードでクリーニングを行う工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有し、且つ前記現像剤が脂肪酸金属塩を含有することを特徴とする画像形成方法。
  2. 電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードを用いてクリーニングを行う工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有し、且つクリーニング補助部材を介して感光体表面に脂肪酸金属塩を供給しながら画像形成を行うことを特徴とする画像形成方法。
  3. 電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードでクリーニングを行う工程を有する画像形成方法において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂と脂肪酸金属塩を含有する表面層を有することを特徴とする画像形成方法。
  4. 前記電子写真感光体の表面層がコロイダルシリカを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成方法。
  5. 前記電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂が電荷輸送能付与基を部分構造として有するポリシロキサン硬化樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の画像形成方法。
  6. 前記脂肪酸金属塩がフローテスターの流出速度が5.0×10-4(ml/sec)以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の画像形成方法。
  7. 前記弾性体ゴムブレードが20℃、50±5%RHの環境下における反発弾性が20〜60であるポリウレタンゴムを材質としてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記表面層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードでクリーニングを行う画像形成装置において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有し、且つ前記現像剤が脂肪酸金属塩を含有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレード及びクリーニング補助部材を用いてクリーニングを行う画像形成装置において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有し、該クリーニング補助部材を介して感光体表面に脂肪酸金属塩を供給しながら画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
  11. 電子写真感光体上の潜像を現像剤により現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードでクリーニングを行う画像形成装置において、該電子写真感光体が電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性 化合物とを反応させて得られた樹脂と脂肪酸金属塩を含有する表面層を有することを特徴とする画像形成装置。
  12. 電子写真感光体上の潜像を現像し、顕像化されたトナー像を記録材に転写後、該感光体上に残留するトナーを弾性体ブレードを用いてクリーニングを行う画像形成装置に用いるプロセスカートリッジが、少なくとも電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体と前記弾性体ブレード、及び該感光体表面に脂肪酸金属塩を供給するクリーニング補助部材を一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に設計されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  13. 電荷輸送性ポリシロキサン硬化樹脂であって、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物とを反応させて得られた樹脂と脂肪酸金属塩を含有する表面層を有することを特徴とする電子写真感光体。
JP2000103697A 1999-04-21 2000-04-05 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体 Expired - Fee Related JP4026297B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000103697A JP4026297B2 (ja) 1999-04-21 2000-04-05 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11361899 1999-04-21
JP11-113618 1999-04-21
JP2000103697A JP4026297B2 (ja) 1999-04-21 2000-04-05 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001005207A JP2001005207A (ja) 2001-01-12
JP4026297B2 true JP4026297B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=26452565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000103697A Expired - Fee Related JP4026297B2 (ja) 1999-04-21 2000-04-05 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4026297B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3858644B2 (ja) 2001-08-28 2006-12-20 富士ゼロックス株式会社 画像形成方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置
JP4604960B2 (ja) * 2004-11-26 2011-01-05 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 画像形成方法及び画像形成装置
JP5239691B2 (ja) 2008-09-26 2013-07-17 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP7034768B2 (ja) * 2018-02-28 2022-03-14 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001005207A (ja) 2001-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6143452A (en) Electrophotographic photoreceptor
JP2000171990A (ja) 電子写真感光体とその製造方法及び前記感光体を用いたプロセスカ―トリッジと画像形成装置
JP2000284514A (ja) 電子写真感光体と該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4427867B2 (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ
US6406825B1 (en) Electrophotographic photoreceptor
JP4026297B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体
JP4058879B2 (ja) 電子写真感光体と、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4356228B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP3870606B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4172487B2 (ja) 電子写真感光体とその製造方法及びプロセスカートリッジと画像形成装置
JP4360008B2 (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ
JP4169435B2 (ja) 有機感光体とそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001013707A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001100441A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP3785851B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4148433B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP4023070B2 (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2000284515A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4306684B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2000305291A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2001100447A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001022106A (ja) 電子写真感光体用塗布液、電子写真感光体、その製造方法、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001125287A (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001013705A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001100440A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070522

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071001

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131019

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees