JP2001013705A - 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Info

Publication number
JP2001013705A
JP2001013705A JP11182014A JP18201499A JP2001013705A JP 2001013705 A JP2001013705 A JP 2001013705A JP 11182014 A JP11182014 A JP 11182014A JP 18201499 A JP18201499 A JP 18201499A JP 2001013705 A JP2001013705 A JP 2001013705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophotographic
layer
resin
photoreceptor
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11182014A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanari Asano
真生 浅野
Akihiko Itami
明彦 伊丹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP11182014A priority Critical patent/JP2001013705A/ja
Publication of JP2001013705A publication Critical patent/JP2001013705A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は安価な導電性支持体加工でも
耐摩耗性、耐傷性が高く、高温高湿下での画像ボケの発
生を起こさない、しかも可干渉光によるモアレの発生の
ない、従って、良好な画像が繰り返し得られる電子写真
感光体を提供する事にあり、又、該感光体を用いた電子
写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセ
スカートリッジを提供することにある。 【解決手段】 導電性支持体上に感光層、樹脂層を有す
る電子写真感光体において、該樹脂層が電荷輸送性能を
有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサ
ン系樹脂及び酸化防止剤を含有する層であって、前記導
電性支持体と前記感光層の間に導電層を有することを特
徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体(以
下、単に感光体とも云う)と、該感光体を用いた電子写
真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセス
カートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体は有機光導電性物
質を含有する有機感光体が最も広く用いられている。有
機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応し
た材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択で
きること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対し
て有利な点であるが、唯一の欠点は機械的強度が弱く、
多数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷の発
生がある事である。
【0003】一般に、カールソン法の電子写真画像形成
方法においては、感光体を一様に帯電させた後、露光に
よって画像様に電荷を消去して静電潜像を形成し、その
静電潜像をトナーによって現像、可視化し、次いでその
トナーを紙等に転写、定着させる。
【0004】しかしながら、感光体上のトナーは全てが
転写されることはなく、一部のトナーは感光体に残留
し、この状態で繰り返し画像形成した場合、残留トナー
の影響で潜像形成が乱されるため汚れのない高画質な複
写を得ることができない。このため、残留トナーの除去
が必要となる。クリーニング手段にはファーブラシ、磁
気ブラシまたはブレード等が代表的であるが、性能、構
成等の点からブレードが主に用いられている。このとき
のブレード部材としては、板状のゴム弾性体が一般的で
ある。
【0005】このように、電子写真感光体の表面は、帯
電器、現像器、転写手段、及びクリーニング器等によ
り、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それ
らに対する耐久性が要求され、特に摺擦による感光体表
面の摩耗や傷の発生、異物の混入や紙詰まり処理時の衝
撃等による膜剥がれ等に対する機械的耐久性が要求され
る。なかでも衝撃による傷や膜剥がれに対する耐久性に
ついては、無機感光体並みの強度が強く求められてい
る。
【0006】前記のような要求される様々な特性を満た
すため、これまで種々の事が検討されてきた。
【0007】例えば、機械的耐久性に関しては、有機感
光体の表面にBPZポリカーボネートをバインダー(結
着樹脂)として用いることにより、表面の摩耗特性、ト
ナーフィルミング特性が改善される事が報告されてい
る。又、特開平6−118681号公報では感光体の表
面層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹
脂を用いることが報告されている。
【0008】しかし、ビスフェノールZ型ポリカーボネ
ートバインダーを用いた感光体では、なお耐摩耗特性が
不足しており、十分な耐久性を有していない。一方、コ
ロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層では
耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真
特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやす
く、やはりこれも耐久性が不十分である。
【0009】これらの問題について発明者らは電荷輸送
性能付与基を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系
樹脂を感光体の表面層とすることで、低湿環境での電位
特性が改善されることを見いだした(特願平11−70
380号)。
【0010】しかし、表面層に電荷輸送性能付与基を有
し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を有する電
子写真感光体は高温高湿条件(以後HH条件とも云う)
下において、カブリの発生や画像ボケが発生しやすい傾
向にある。
【0011】導電性微粒子或いは半導体特性を有する微
粒子をバインダー中に分散させた導電層を導電性支持体
と感光層の間に形成し、導電性支持体からの電荷の注入
を防止する方法が知られている。この導電層(以下CP
Lとも云う)はポリアミド下引層等に比し膜厚を厚く形
成できるのでアルミ支持体の表面加工を安価に仕上げて
もアルミ支持体表面の凹凸を十分覆うことができ、且つ
近年著しく市場を拡大したレーザープリンター等のモア
レの発生を防止する利点がある。しかしながら、このC
PLは金属に比し導電率が低く、又湿度依存性が大きい
ため高湿度下でフィルミングや画像ボケの発生が著し
く、画像劣化が大きい。
【0012】この問題を解決する1つの方法として感光
体の表面をクリーニングブレード等で擦過し、少しづつ
削り取ることが試みられてきた。しかし、この方法では
感光体表面の減耗量を比較的大きめに設定する為、感光
体の膜厚低下に起因する濃度低下、カブリの増加等が生
じるし、そして何よりも前記電荷輸送性能付与基を有
し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を表面層に
用いた感光体の低減耗量という利点を生かすことが出来
ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決し、安価な導電性支持体加工でも耐摩耗
性、耐傷性が高く、高温高湿下での画像ボケの発生を起
こさない、しかも可干渉光によるモアレの発生のない、
従って、良好な画像が繰り返し得られる電子写真感光体
を提供する事にあり、又、該感光体を用いた電子写真画
像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカー
トリッジを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
解決のため鋭意努力した結果、下記構成の何れかをとる
ことにより本発明の目的が達成されることを見いだし
た。
【0015】1.導電性支持体上に感光層、樹脂層を有
する電子写真感光体において、該樹脂層が電荷輸送性能
を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキ
サン系樹脂及び酸化防止剤を含有する層であって、前記
導電性支持体と前記感光層の間に導電層を有することを
特徴とする電子写真感光体。
【0016】2.前記酸化防止剤がヒンダードフェノー
ル系又はヒンダードアミン系酸化防止剤を含有すること
を特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
【0017】3.前記電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が水酸基
或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基
を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られる樹脂で
あることを特徴とする前記1又は2に記載の電子写真感
光体。
【0018】4.前記導電性支持体が引き抜き加工によ
り作製されたアルミニウム管であることを特徴とする前
記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0019】5.前記導電層が導電性微粒子をバインダ
ー樹脂中に分散した層であることを特徴とする前記1〜
4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0020】6.前記導電層の体積抵抗が1×1010Ω
cm以下であることを特徴とする前記1〜5のいずれか
1項に記載の電子写真感光体。
【0021】7.前記樹脂が表面層であることを特徴と
する前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光
体。
【0022】8.電子写真感光体上に、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電
子写真画像形成方法に於いて、該電子写真感光体に前記
1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いる
ことを特徴とする電子写真画像形成方法。
【0023】9.電子写真感光体と、少なくとも帯電、
像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画
像形成装置に於いて、該電子写真感光体に前記1〜7の
いずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特
徴とする電子写真画像形成装置。
【0024】10.電子写真感光体と少なくとも帯電、
像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画
像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが前記1
〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と帯電器、
像露光器、現像器、クリーニング器のいずれか1つとを
一体に組み合わせて有しており、該電子写真画像形成装
置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプ
ロセスカートリッジ。
【0025】本発明について更に詳細に説明する。
【0026】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの、 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。
【0027】本発明で用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、特に、押出成型または引抜成型され
た薄肉円筒状のアルミニウム素管が好ましく用いられ
る。
【0028】本発明の電子写真感光体の導電性支持体
は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成され
たものでもよい。
【0029】また、支持体の形状はドラム状でもシート
状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に最適
した形状であることが好ましい。
【0030】本発明に於ける導電層は導電性微粒子をバ
インダー樹脂中に分散した層から構成されるのが好まし
い。該導電性微粒子は一次粒径が1000nm以下、好
ましくは1〜500nmのものが用いられる。又、材料
としては例えば、導電性酸化亜鉛、導電性酸化チタン、
Al、Au、Cu、Ag、Co、Ni、Fe、カーボン
ブラック、ITO、酸化スズ、酸化インジウム、インジ
ウム等が用いられる。又、これらを絶縁性微粒子の表面
にコーティングしても良い。又2種以上の導電性微粒子
を加工した複合微粒子でも良い。又、導電層のバインダ
ー樹脂としては後記する電荷発生層や電荷輸送層中に用
いられるバインダーの他にボリアミド、フェノール樹
脂、ポリウレタン等が用いられる。又、上記導電性微粒
子の分散方法としては微粒子分散の一般的な分散法、例
えばサンドグラインダー法、高圧ホモジナイザー等が用
いられる。このときの分散溶媒としてはこれも又後記す
る一般的に感光体製造に使用される溶媒類が用いられ
る。
【0031】前記導電性微粒子の含有量は導電層の体積
抵抗が十分低くなるように使用される。好ましくは1×
1010Ωcm以下となるように、より好ましくは1×1
8Ωcm以下で用いられる。前記導電層の膜厚は1〜
50μm、好ましくは3〜30μmである。
【0032】上記導電層には前記導電性微粒子とバイン
ダー樹脂以外に必要により、分散安定剤、酸化防止剤、
その他の添加剤を加えても良い。
【0033】本発明において、電荷輸送性能を有する構
造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂
中のシロキサン系樹脂は公知の方法により、即ち水酸基
或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて
製造される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式(A)
〜(D)の化学式で示される。
【0034】
【化1】
【0035】(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が
直接結合した形の有機基を表し、Z1〜Z4は水酸基又は
加水分解性基を表す。) 上記一般式中のZ1〜Z4が加水分解性基の場合は、加水
分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチル
ケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プ
ロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエ
トキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に
炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリ
ル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシ
ドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピ
ル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリ
ロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3ージヒドロ
キシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プ
ロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の
含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノ
エチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−ク
ロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノ
ナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の
含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等
を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機
基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0036】前記シロキサン系樹脂の原料として用いら
れる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結
合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素
化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4
のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4
では高度に架橋反応を進めることが可能である。従っ
て、これらをコントロールすることにより得られる塗布
層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来
る。
【0037】又、前記シロキサン系樹脂の原料としては
前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で
加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分
解縮合物を用いることもできる。
【0038】尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の
如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノ
マー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反
応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構
造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキ
サン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその
後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網
目構造を形成させ、その結果生成した架橋構造を有する
シロキサン系樹脂を意味する。
【0039】又、前記シロキサン系樹脂は水酸基或いは
加水分解性基を有するコロイダルシリカを含ませて、架
橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂としてもよ
い。
【0040】本発明における電荷輸送性能を有する構造
単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂と
は電子或いは正孔のドリフト移動度を示す特性を有する
化学構造(=電荷輸送性能を有する構造単位、又は電荷
輸送性能付与基ともいう)をシロキサン系樹脂中に部分
構造として組み込んだものである。具体的には本発明の
電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を
有するシロキサン系樹脂は一般的に電荷輸送物質として
用いられる化合物(以後電荷輸送性化合物又はCTMと
も云う)を該シロキサン系樹脂中に部分構造として有し
ている。
【0041】尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位
(=電荷輸送性能付与基)とは電子或いは正孔のドリフ
ト移動度を有する性質を示す構造単位、或いは電荷輸送
性化合物残基であり、又別の定義としてはTime−O
f−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公
知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる
構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基として表現する
こともできる。
【0042】以下にシロキサン系樹脂中に有機珪素化合
物との反応により電荷輸送性能付与基を形成することの
できる電荷輸送性化合物について説明する。
【0043】例えば正孔輸送型CTM:キサゾール、オ
キサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾ
ール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジ
ン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、
スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチア
ゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラ
ン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、
ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0044】一方、電子輸送型CTMとしては無水コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリッ
ト酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼ
ン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニト
ロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロル
イミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフ
トキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキ
ノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキ
ノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロ
ベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレ
ニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ
−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニト
リル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安
息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安
息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリ
チル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シ
ロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0045】本発明において、好ましい電荷輸送性能付
与基は、前記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物の
残基であり、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又
は珪素原子を介して下記式中のYで示される連結原子又
は連結基に結合し、Yを介してシロキサン系樹脂中に含
有される。
【0046】
【化2】
【0047】(式中、Xは電荷輸送性能付与基であっ
て、該付与基を構成する炭素原子又は珪素原子を介して
式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原子(Siと
C)を除いた2価以上の原子又は基である。) 但し、Yが3価以上の原子の時は式中のSiとC以外の
Yの結合手は結合が可能な前記硬化性樹脂中のいずれか
の構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と連
結した構造(基)を有する。
【0048】又、前記一般式の中で、Y原子として、特
に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が
好ましい。
【0049】ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記
連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は1価
の有機基である。) 電荷輸送性能付与基Xは式中では1価の基として示され
ているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性化
合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合は硬化
性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合しても
よく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0050】前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞ
れ電荷輸送能を有する化合物中に導入された水酸基、メ
ルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有
する有機珪素化合物との反応によって形成され、シロキ
サン系樹脂中に電荷輸送性能付与基を部分構造として取
り込む連結基である。
【0051】次に本発明中の水酸基、メルカプト基、ア
ミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物につ
いて説明する。
【0052】前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、
通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよ
い。
【0053】X−(R7−OH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリー
レン基、 m:1〜5の整数である。
【0054】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物
は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を
電荷輸送性能付与基=Xとして有し、前記Xを構成する
炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、
アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく
用いられる。
【0055】1.トリアリールアミン系化合物
【0056】
【化3】
【0057】2.ヒドラジン系化合物
【0058】
【化4】
【0059】3.スチルベン系化合物
【0060】
【化5】
【0061】4.ベンジジン系化合物
【0062】
【化6】
【0063】5.ブタジエン系化合物
【0064】
【化7】
【0065】6.その他の化合物
【0066】
【化8】
【0067】次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の
合成例について述べる。
【0068】例示化合物T−1の合成
【0069】
【化9】
【0070】ステップA 温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いた四頭コ
ルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184
gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルム
アミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85
〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液
を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっく
り冷却した。
【0071】析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリ
カゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結
晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30
gであった。
【0072】ステップB 化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベン
に投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを
徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時
間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々
にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗し
て、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであっ
た。
【0073】例示化合物S−1の合成
【0074】
【化10】
【0075】ステップA 温度計及び攪拌装置を付けた300mlコルベンに、C
uを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化
合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して
20時間攪拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化
合物(3)7gを得た。
【0076】ステップB 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装
置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気に
し、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化
ホスホリル3gを投入した。室温下で攪拌しながら、D
MF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温し
て16時間攪拌した。約70℃の温水にあけてから冷却
した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが
7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後
に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
【0077】ステップC アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100ml
コルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投
入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)
2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間
攪拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出
し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、
濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44g
を得た。
【0078】ステップD 温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装
置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、ア
ルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサ
ン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温し
た。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml
溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間攪拌し
た。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド
8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間攪拌した。
その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル2
00mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。
洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムに
て乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを
得た。
【0079】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。
【0080】メルカプト基を有する電荷輸送性化合物と
は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカ
プト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬
化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成するこ
とが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙
げることができるが、下記構造に限定されるものではな
く、電荷輸送能を有し、且つメルカプト基を有している
化合物であればよい。
【0081】X−(R8−SH)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレ
ン基、 m:1〜5の整数である。
【0082】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0083】
【化11】
【0084】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
について説明する。
【0085】アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通
常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有
している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケ
イ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る
下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることが
できるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸
送能を有し、且つアミノ基を有している化合物であれば
よい。
【0086】X−(R9−NR10H)m ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基、 R9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置
換のアリーレン基、 R10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非
置換のアリール基、 m:1〜5の整数である。
【0087】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0088】
【化12】
【0089】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水
素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連
結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場
合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10
ブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす
基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0090】更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送
性化合物について説明する。
【0091】ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合
物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化
合物も硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形
成することが出来る。
【0092】 X−(−Y−Si(R113a(R12an (式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基で
あり、R11は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル
基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基
を示し、Yは置換若しくは未置換のアルキレン基、アリ
ーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を
示す。) その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものが
ある。
【0093】前記シロキサン系樹脂の形成原料:前記一
般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)という)組
成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)成分1
モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モルを用
いることが好ましい。
【0094】またコロイダルシリカ(E)を添加する場
合は前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量
100部に対し(E)を1〜30重量部を用いることが
好ましい。
【0095】また前記有機ケイ素化合物やコロイダルシ
リカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電
荷輸送性化合物(F)の添加量は、前記(A)+(B)
+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(F)を
1〜500重量部を用いることが好ましい。前記(A)
+(B)成分が前記の範囲を超えて使用されると、
(A)+(B)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層は
架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)+
(B)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分
だが、脆い樹脂層となる。(E)成分のコロイダルシリ
カ成分の過不足も、(A)+(B)成分と同様の傾向が
みられる。一方、(F)成分が少ない場合はシロキサン
樹脂層の電荷輸送能が小さく、感度の低下、残電の上昇
を生じ、(F)成分が多い場合はシロキサン樹脂層の膜
強度が弱くなる傾向がみられる。
【0096】本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を
有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は予め構
造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマ
ー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を
形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分
解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進
させモノマー、オロゴマー、ポリマーから3次元網目構
造を形成する事もできる。
【0097】一般的には、アルコキシシランを有する組
成物又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有する
組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成すること
ができる。
【0098】また前記の3次元網目構造を形成させる触
媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0099】また本発明中の樹脂層には酸化防止剤を添
加することにより、高温高湿時のカブリの発生や画像ボ
ケを効果的に防止することができる。
【0100】本発明の酸化防止剤とは、その代表的なも
のは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存在する自
動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素
の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質であ
る。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0101】(1)ラジカル連鎖禁止剤 ・フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系) ・アミン系酸化防止剤(ヒンダードアミン系、ジアリル
ジアミン系、ジアリルアミン系) ・ハイドロキノン系酸化防止剤 (2)過酸化物分解剤 ・硫黄系酸化防止剤(チオエーテル類) ・燐酸系酸化防止剤(亜燐酸エステル類) 上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止
剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダー
ドアミン系酸化防止剤が好ましい。又、2種以上のもの
を併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤
との併用も良い。更に、分子中に上記構造単位、例えば
ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造
単位を含んでいるものでも良い。
【0102】前記酸化防止剤の中でも特にヒンダードフ
ェノール系、ヒンダードアミン系酸化防止剤が高温高湿
時のカブリの発生や画像ボケ防止に特に効果がある大き
い。
【0103】ヒンダードフェノール系或いはヒンダード
アミン系酸化防止剤の樹脂層中の含有量は0.01〜1
0重量%が好ましい。0.01重量%未満だと高温高湿
時のカブリや画像ボケに効果がなく、10重量%より多
い含有量では樹脂層中の電荷輸送能の低下がおこり、残
留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生す
る。
【0104】又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或
いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させて良
い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に対
して0.01〜10重量%が好ましい。
【0105】ここでヒンダードフェノールとはフェノー
ル化合物の水酸基に対しオルト位置に分岐アルキル基を
有する化合物類及びその誘導体を云う(但し、水酸基が
アルコキシに変成されていても良い。)。
【0106】ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ
高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基とし
ては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好
ましい。例えば下記構造式で示される有機基を有する化
合物類が好ましい。
【0107】
【化13】
【0108】(式中のR13は水素原子又は1価の有機
基、R14、R15、R16、R17はアルキル基、R18は水素
原子、水酸基又は1価の有機基を示す。) ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化防止剤として
は、例えば特開平1−118137号(P7〜P14)
記載の化合物が挙げられるが本発明はこれに限定される
ものではない。
【0109】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号(P7〜
P9)記載の化合物も挙げられるが本発明はこれに限定
されるものではない。
【0110】有機リン化合物としては、例えば、一般式
RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なも
のとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素
原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニ
ル基又はアリール基を表す。
【0111】有機硫黄系化合物としては、例えば、一般
式R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下
記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々
置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はア
リール基を表す。
【0112】以下に各種代表的な化合物を例示する。
【0113】
【化14】
【0114】
【化15】
【0115】
【化16】
【0116】
【化17】
【0117】
【化18】
【0118】
【化19】
【0119】
【化20】
【0120】
【化21】
【0121】
【化22】
【0122】
【化23】
【0123】
【化24】
【0124】
【化25】
【0125】
【化26】
【0126】
【化27】
【0127】
【化28】
【0128】
【化29】
【0129】
【化30】
【0130】
【化31】
【0131】
【化32】
【0132】
【化33】
【0133】
【化34】
【0134】
【化35】
【0135】又、製品化されている酸化防止剤としては
以下のような化合物、例えば「イルガノックス107
6」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス
1098」、「イルガノックス245」、「イルガノッ
クス1330」、「イルガノックス3114」、「イル
ガノックス1076」、「3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール
系、「サノールLS2626」、「サノールLS76
5」、「サノールLS2626」、「サノールLS77
0」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、
「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マー
クLA67」、「マークLA62」、「マークLA6
8」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン系が挙
げられる。
【0136】本発明の電子写真感光体の層構成は、特に
限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発
生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有
する単層型感光層)等の感光層とその上に本発明の樹脂
層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、前記電荷発
生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層
が複数の層から構成されていてもよい。
【0137】本発明の電荷発生層に含有される電荷発生
物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔料、
多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔
料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリ
ウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリ
ウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、
スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質(C
GM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成
が行われる。
【0138】前記電荷輸送層に含有される電荷輸送物質
(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾー
ル誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、
イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダ
ゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、
ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合
物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾ
ール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘
導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナ
ジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−
ビニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0139】電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CT
L)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メ
タクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、
塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化
ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、
シリコン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹
脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカル
バゾール等が挙げられる。
【0140】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は重量比で1:10〜1
0:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下
が好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
【0141】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は重量比で10:1〜1:10が
好ましい。
【0142】電荷輸送層の膜厚は通常5〜50μm、特
に10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数
設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10
μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設
けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好まし
い。
【0143】本発明の電子写真感光体の層構成は、特に
限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発
生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有
する単層型感光層)等の感光層とその上に本発明の樹脂
層を塗設した構成をとるのが好ましい。しかし、前記電
荷輸送層や単層型感光層それ自体を本発明の樹脂層構成
とする事もできる。又、前記電荷発生層、電荷輸送層、
或いは電荷発生・電荷輸送層は各層が複数の層から構成
されていてもよい。電子写真感光体の表面特性を改良す
る目的で該樹脂層の上に更に薄層の表面層を設けても良
い。
【0144】本発明の感光体の製造に用いられる溶媒又
は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、
メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、
メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限
定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いら
れる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合
溶媒として用いることもできる。
【0145】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の樹脂層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させない
ため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又
は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)
塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記
スプレー塗布については例えば特開平3−90250号
及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、
前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−1
89061号公報に詳細に記載されている。
【0146】本発明の感光体は前記樹脂層が塗布形成さ
れた後、50℃以上、好ましくは60〜200℃の温度
で加熱乾燥する事が好ましい。この加熱乾燥により、残
存塗布溶媒を少なくすると共に、硬化性樹脂層を十分に
硬化させることができる。
【0147】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ま
しい。
【0148】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを
用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如
く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップ
リング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の
膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜
5μmが好ましい。
【0149】本発明においては、更に、支持体と中間層
との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すこと
や、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干
渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設
けることができる。この導電層は、カーボンブラック、
金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当なバ
インダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成する
ことができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好まし
く、特には10〜30μmが好ましい。
【0150】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0151】図1は本発明の電子写真感光体を有する画
像形成装置の1例を示す断面図である。
【0152】図1において10は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電
に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすため
に発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行
って感光体周面の除電をしてもよい。
【0153】感光体への一様帯電ののち像露光器13に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等
を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0154】その静電潜像は次いで現像器14で現像さ
れる。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキ
ャリアを有する現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14が
設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内蔵
し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によっ
て行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとして
そのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電
制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからな
るもので、現像剤は図示していない層形成手段によって
現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規
制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時
通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直
流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われ
る。
【0155】カラー画像形成に於いては、1色目の顕像
化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコ
ロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の
潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色
目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感
光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0156】一方モノクロの電子写真装置では現像器1
4は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成
することができる。
【0157】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域
へと給紙される。
【0158】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)1
8が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が
一括して転写される。
【0159】次いで記録紙Pは転写ローラとほぼ同時に
圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除
電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定
着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ2
02の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ロ
ーラ21を介して装置外部に排出される。なお前記の転
写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感
光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像
の形成に備える。
【0160】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
10は、クリーニング器22のブレード221の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による
除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わ
せて形成する場合には、前記のブレード221は感光体
面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の
周面より退避する。
【0161】尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器を一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0162】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。
又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及び
クリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体
に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に
着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの
案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0163】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0164】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器13は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0165】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0166】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0167】実施例1 下記のごとくして感光体を作製した。
【0168】 〈導電層組成物〉 フェノール樹脂 160g 導電性酸化チタン(一次粒径:100nm) 200g メチルセロソルブ 100ml 引き抜き加工より得られた円筒状アルミニウム基体上
に、上記分散物を作製、塗布し、乾燥膜厚15μの導電
層を形成した。この層の体積抵抗は1×107Ω・cm
以下であった。
【0169】 〈中間層〉 ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g メタノール 1600ml 1−ブタノール 400ml 上記各成分を混合し、溶解して中間層塗布液を調製し
た。この塗布液を直径80mmの円筒状アルミニウム基
体上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.3μmの中間層を
形成した。
【0170】 〈電荷発生層〉 チタニルフタロシアニン 60g シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液 :信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml 上記各成分を混合し、サンドミルを用いて10時間分散
し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中
間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷
発生層を形成した。
【0171】 〈電荷輸送層〉 4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル) トリフェニルアミン 200g ビスフェノールZ型ポリカーボネート (ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300g 1,2−ジクロロエタン 2000ml 上記各成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製
した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で
塗布し、25μmの膜厚の電荷輸送層を形成した。
【0172】 〈樹脂層〉 トリメトキシメチルシラン 180g 1−ブタノール 280ml 1%酢酸水溶液 106ml 上記各成分を混合して60℃で2時間攪拌した後、さら
に370mlの1−ブタノールを加えて48時間攪拌を
続けた。
【0173】これにジヒドロキシメチルトリフェニルア
ミン(例示化合物T−1)67.5g、酸化防止剤(例
示化合物2−1)1.7g、ジブチル錫アセテート4.
5gを加えて混合し、この溶液を表1記載の乾燥膜厚と
なる樹脂層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬
化を行い、本発明の樹脂層を有する感光体1を作製し
た。
【0174】実施例2 実施例1において樹脂層中のジヒドロキシメチルトリフ
ェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリル)エチ
ル]トリフェニルアミン(特開平10−251277の
合成例1のケイ素原子含有化合物)に代えた以外は全く
同様にして本発明の樹脂層を有する感光体2を作製し
た。
【0175】実施例3 実施例1において樹脂層中のヒンダードアミンをヒンダ
ードフェノール(例示化合物1−32)に代えた以外は
全く同様にして本発明の樹脂層を有する感光体3を作製
した。
【0176】実施例4 実施例1において樹脂層中のヒンダードアミンをリン系
酸化防止剤(例示化合物3−10)に代えた以外は全く
同様にして本発明の樹脂層を有する感光体4を作製し
た。
【0177】実施例5 実施例1において樹脂層中のヒンダードアミンを硫黄系
酸化防止剤(例示化合物4−6)に代えた以外は全く同
様にして本発明の樹脂層を有する感光体5を作製した。
【0178】実施例6 実施例1において導電層を下記組成物に代えた以外は全
く同様にして本発明の感光体6を作製した。この導電層
の体積抵抗は1×107Ω・cm以下であった。
【0179】 〈導電層組成物〉 フェノール樹脂 160g 導電性硫酸バリウム(一次粒径:50nm) 200g メチルセロソルブ 100ml 実施例7 実施例1の樹脂層に換えて以下の樹脂層を塗布した以外
は全く同様にして本発明の感光体7を作製した。
【0180】 〈樹脂層〉 トリメトキシメチルシラン 120g γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 60g 1−ブタノール 280ml 1%酢酸水溶液 106ml 上記各成分を混合して60℃で2時間攪拌した後、さら
に370mlの1−ブタノールを加えて48時間攪拌を
続けた。
【0181】これに例示化合物H−1を60g、コロイ
ダルシリカ(固形分30%メタノール溶液)100g、
ヒンダードアミン系酸化防止剤(例示化合物2−1)
1.2gを加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚1μmの
樹脂層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を
行い、感光体7を作製した。
【0182】実施例8 実施例7において導電層を下記組成物に代えた以外は全
く同様にして感光体8を作製した。この層の体積抵抗は
1×107Ω・cm以下であった。
【0183】 〈導電層組成物〉 フェノール樹脂 160g 導電性硫酸バリウム(一次粒径:50nm) 200g メチルセロソルブ 100ml シリコーン樹脂粒子(平均粒径2μ) 3g 比較例1 樹脂層中のヒンダードアミンを添加しない以外は実施例
1と同様にして感光体9を作製した。
【0184】比較例2 導電層を除いた以外は実施例1と同様にして感光体を1
0作製した。
【0185】比較例3 樹脂層中のヒンダードアミンを添加しない以外は実施例
7と同様にして感光体11を作製した。
【0186】〈評価〉評価は本感光体をコニカ社製デジ
タル複写機Konica7050を改造し、露光量を適
正化した評価機に搭載し、初期帯電電位を−650Vに
設定し、30℃、80%RHの条件下で5万枚コピーの
実写評価を行った。
【0187】評価は、画素率が7%の文字画像、人物顔
写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分に
あるオリジナル画像を)をA4で1枚間欠モードにて5
万枚の複写を行い、1000枚毎にハーフトーン、ベタ
白画像、ベタ黒画像を評価した。画像濃度はベタ黒画像
の濃度をマクベス社製RD−918を使用し絶対反射濃
度で測定し、初期と10万枚後の画像で比較した。さら
に、カブリについてはベタ白画像を使用し、初期と10
万枚後カブリを目視で確認した。
【0188】又、画像ボケの有無、モアレ発生の有無も
目視判定で評価を行った。
【0189】画像濃度 ◎:1.2以上:良好 ○:1.2未満〜0.8:実用上問題ないレベル ×:0.8未満:実用上問題となるレベル カブリ ○ :カブリ発生無し × :時々カブリ発生有り ××:連続したカブリ発生有り 画像ボケの発生 ◎:5万枚中5枚以下の発生 ○:5万枚中6枚〜20枚の発生 ×:5万枚中20枚以上の発生 モアレの発生 ◎:5万枚の1枚の発生も無し ○:5万枚中1枚〜5枚の発生 ×:5万枚中5枚以上の発生
【0190】
【表1】
【0191】表1から明らかなように本発明に係わる実
施例に於いては、実写評価において画像濃度は十分であ
り、カブリの発生もなく、画像ボケ、モアレの発生も少
なく、本発明以外の比較例に対し、明らかに優れた画像
が得られている。
【0192】即ち、導電性支持体上に電荷輸送性能を有
する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン
系樹脂及び酸化防止剤を含有する樹脂層と支持体と感光
層の間に導電層を設けた本発明の感光体はこのような構
成を有しない他の感光体に比し、特別の表面加工をしな
い安価な導電性支持体を用いても、高温高湿環境下での
実写評価に於いて、高耐久、高画質の画像を達成してい
る。
【0193】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体及び該感光体を
用いた電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置
及び該装置に用いられるプロセスカートリッジを用いる
ことにより高温高湿の環境下でも画像ボケやモアレの発
生のない良好な画像を達成できる。又、安価で信頼性の
高い電子写真感光体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有する画像形成装置
の1例を示す断面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体) 11 発光ダイオード等を用いた露光部 12 帯電器 13 像露光器 14 現像器 17 給紙ローラ 18 転写ローラ(転写器) 19 分離ブラシ(分離器) 20 定着装置 21 排紙ローラ 22 クリーニング器 30 プロセスカートリッジ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層、樹脂層を有す
    る電子写真感光体において、該樹脂層が電荷輸送性能を
    有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサ
    ン系樹脂及び酸化防止剤を含有する層であって、前記導
    電性支持体と前記感光層の間に導電層を有することを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記酸化防止剤がヒンダードフェノール
    系又はヒンダードアミン系酸化防止剤を含有することを
    特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記電荷輸送性能を有する構造単位を有
    し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂が水酸基或
    いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と水酸基を
    有する電荷輸送性化合物を反応させて得られる樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感
    光体。
  4. 【請求項4】 前記導電性支持体が引き抜き加工により
    作製されたアルミニウム管であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記導電層が導電性微粒子をバインダー
    樹脂中に分散した層であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記導電層の体積抵抗が1×1010Ωc
    m以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記樹脂が表面層であることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光
    体。
  8. 【請求項8】 電子写真感光体上に、少なくとも帯電、
    像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電子写
    真画像形成方法に於いて、該電子写真感光体に請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いるこ
    とを特徴とする電子写真画像形成方法。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体と、少なくとも帯電、像
    露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画像
    形成装置に於いて、該電子写真感光体に請求項1〜7の
    いずれか1項に記載の電子写真感光体を用いることを特
    徴とする電子写真画像形成装置。
  10. 【請求項10】 電子写真感光体と少なくとも帯電、像
    露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画像
    形成装置に用いられるプロセスカートリッジが請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と帯電器、
    像露光器、現像器、クリーニング器のいずれか1つとを
    一体に組み合わせて有しており、該電子写真画像形成装
    置に出し入れ自由に設計されていることを特徴とするプ
    ロセスカートリッジ。
JP11182014A 1999-06-28 1999-06-28 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Pending JP2001013705A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11182014A JP2001013705A (ja) 1999-06-28 1999-06-28 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11182014A JP2001013705A (ja) 1999-06-28 1999-06-28 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001013705A true JP2001013705A (ja) 2001-01-19

Family

ID=16110837

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11182014A Pending JP2001013705A (ja) 1999-06-28 1999-06-28 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001013705A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7534537B2 (en) 2005-04-12 2009-05-19 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7534537B2 (en) 2005-04-12 2009-05-19 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
US7727691B2 (en) 2005-04-12 2010-06-01 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6203962B1 (en) Electrophotographic image forming method, electrophotographic image forming apparatus, and processing cartridge and electrophotographic photoreceptor used therein
JP2000171990A (ja) 電子写真感光体とその製造方法及び前記感光体を用いたプロセスカ―トリッジと画像形成装置
JP2000275886A (ja) 電子写真感光体、それを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2000284514A (ja) 電子写真感光体と該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
US6442367B1 (en) Electrophotographic image forming method, electrophotographic image forming apparatus, and processing cartridge
JP2001034001A (ja) 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4427867B2 (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ
JP4026297B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置、及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ、電子写真感光体
JP3870606B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001013707A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4360008B2 (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及び該装置に用いられるプロセスカートリッジ
JP2001166522A (ja) 電子写真感光体と、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001100441A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4169435B2 (ja) 有機感光体とそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP3785851B2 (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001188377A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001013705A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP4148433B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2000305291A (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
JP2000284515A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4306684B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP4023070B2 (ja) 電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001100447A (ja) 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001337477A (ja) 電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2001142242A (ja) 電子写真感光体とその製造方法、該感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041012

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051206