JP4148433B2 - 電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体とそれを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル信号処理されたデータを書き込むため、有機感光体上にドット光露光して静電潜像を形成し、反転現像方式により画像形成を行う電子写真画像形成方法が盛んに行われるようになった。
【0003】
このような方式に用いられる電子写真感光体には長期の使用にわたって安定でかつ高い解像度を要する書き込みにも対応できることが要求される。通常、有機感光体(OPCということもある)は無機感光体に比べて材料選択の幅が広いために種々の露光光源への対応が容易で、かつ電位安定性に優れる点から特に高画質を要求されるプロセスには必須の技術とされてきた。
【0004】
一方で有機感光体は強度的に弱く、感光層の減耗や傷による欠陥が発生し易く、耐久性の面で改良が求められてきた。表面強度に優れるシロキサン系樹脂を架橋させて得られる保護層は、有機感光体で、従来問題とされてきた傷や摩耗に対する耐久性を向上させることができる技術として注目されている。
【0005】
近年、特開平9−190004号公報に記載の如く、電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する感光体が研究されている。これは強度特性及び電気的特性に優れ、従来有機感光体の欠点であった強度特性を大幅に改善できるものであるが、未だ耐久性、画質の点で不十分である。
【0006】
一方、電子写真プロセスにおいては帯電や転写・分離電極でオゾンやNOxなどの酸化性ガスが発生し、これが感光層中の電荷輸送物質を劣化させることが知られている。酸化を受けた感光体は帯電性の低下や光感度の低下を招き、その結果カブリや濃度低下といった画像不良が発生する。しかしながら、従来の感光体では適度な感光層の摩耗が発生するため最も劣化を受ける最表面が適度に擦過され劣化物や表面汚染物資が除去され、見た目の劣化を抑制してきた。電荷輸送性能を有する構造単位を含むシロキサン系樹脂を含有する樹脂層を有する感光体は、本来のシロキサン系樹脂の強度特性と電荷輸送性能を有する構造単位の存在により電子写真特性を向上させることができ、減耗量が非常に少ない利点はある。しかし、この減耗量が少ないことがかえって、長期にわたってオゾンやNOx等の酸化性ガスの作用により生成する劣化物質の影響を排除することを困難にしている。それゆえ摩耗の起こりにくい環境では特に劣化を抑制することが強く求められるようになってきている。
【0007】
一方、従来、高耐久化の向上の為に、微粒子を表面層に添加し、滑り性をアップさせ、クリーニング性、耐摩耗性を上げることが試みられてきた。シリコーンハードコート系材料は、摩耗や傷の防止に特に優れるのであるが、クリーニング性や滑り性の点で未だ不十分、更には下層との接着性が弱い欠点がある。微粒子の添加でクリーニング性や滑り性の改良が試みられたのであるが、シリコーンハードコート剤と微粒子間の接着性が弱く、繰り返し使用中に微粒子とバインダー間の間隙が出来やすく、オゾン、窒素酸化物等が直接層内部に及ぼしやすい。特に低湿下での劣化が大きく、フィルミング、画像ボケ等の画像劣化が顕著である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記したごとく、表面強度に優れる架橋構造を有するシロキサン系樹脂は低摩耗であるが故に長期に亘って使用する過程で酸化性ガスにより劣化し、生成した劣化物質が蓄積し、感光体電位の安定性及び画質を低下させる問題が指摘されている。本発明はこの問題を解決するためになされた。
【0009】
本発明の目的は、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層の性能を長期にわたって保持し、帯電特性がよく高感度で、長期使用によっても帯電電位変動が無く、画像特性の良い電子写真感光体と、それを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題に対して検討した結果、前述の樹脂層が電荷輸送性能を有する構造を含み、且つ微粒子と酸化防止剤を含有させることにより、樹脂層の劣化を、有効に防止できることを見いだし本発明に至った。
【0011】
即ち、本発明の目的は、下記構成の何れかを採ることにより達成される。
【0012】
〔1〕 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する電子写真感光体において、前記樹脂層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する層からなり、前記樹脂層が平均粒径0.05〜10μmの珪素含有有機ポリマー粒子を含有し、且つ酸化防止剤として、ヒンダートアミン又はヒンダードフェノ−ルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0013】
〔2〕 電子写真感光体が樹脂層を有し、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、電荷輸送性能を有する構造単位を含む化合物とを反応させて得られる架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、前記樹脂層が平均粒径0.05〜10μmの珪素含有有機ポリマー粒子を含有し、且つ酸化防止剤として、ヒンダートアミン又はヒンダードフェノ−ルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
【0014】
〔3〕 前記樹脂層が下記一般式(1)で表される構造を含む架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕記載の電子写真感光体。
【0015】
【化2】
Figure 0004148433
【0016】
(式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位、ZはO、S、NR(RはH又は一価の有機基)、或いは単結合、各々置換若しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を表す。)
【0022】
〕 前記珪素含有有機ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする前記〔1〕〜〔〕の何れか1項記載の電子写真感光体。
【0027】
〕 前記樹脂層が最外層であることを特徴とする前記〔1〕〜〔〕の何れか1項記載の電子写真感光体。
【0028】
〕 前記〔1〕〜〔〕の何れか1項記載の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写、クリーニングの工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【0029】
〕 前記〔1〕〜〔〕の何れか1項記載の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写、クリーニングの工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装置。
【0030】
〕 感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写、クリーニングの工程を経る画像形成に使用するプロセスカートリッジにおいて、前記〔1〕〜〔〕の何れか1項記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少なくとも何れか1つとを組み合わせて造られていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0031】
本発明の目的を達成するため、酸化防止剤(AO剤ということもある)の添加によりCTMの劣化を阻止出来ることは、ある程度予想できることであるが、本発明の如く、微粒子添加の問題点を、酸化防止剤の添加により阻止できることは予想外のことである。
【0032】
その理由は明確ではないが、AO剤が微粒子活性表面に吸着することにより、バインダー樹脂との接着性が改良されたことによると推測している。即ちAO剤の存在下で、シリコーンハードコート剤と微粒子間の接着性が改良され、間隙が出来にくくなったことによりオゾン等のガス透過が低下し、劣化阻止されたことと、下層との接着性が改良されたことによる相乗効果で耐久性、画像特性が著しく改善されたと推測している。
【0033】
本発明の樹脂層は、本発明の目的を達成するには、通常感光体の最上層に設けるのが好ましい。しかし、感光体の他の性能の関係から、更にその上にオーバーコート層を設けても良い。
【0034】
又、本発明の樹脂層は、シロキサン系樹脂を上記本発明の目的を達成するに必要な量含有されている必要があるが、同時に他の機能を付与するための物質が含有されていても良い。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に用いられる電子写真感光体について詳細に説明する。
【0036】
本発明において、電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂に於けるシロキサン系樹脂は公知の方法により、即ち水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造される。前記有機ケイ素化合物は下記一般式(A)〜(D)の化学式で示される。
【0037】
【化3】
Figure 0004148433
【0038】
(式中、R1〜R6は式中のケイ素に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Y1〜Y4は水酸基又は加水分解性基を表す。)
上記一般式中のY1〜Y4が加水分解性基の場合は、加水分解性基としてメトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。R1〜R6に示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフルオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基等を挙げることができる。又、R1〜R6はそれぞれの有機基が同一でも良く、異なっていてもよい。
【0039】
前記シロキサン系樹脂の原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが1のとき、有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制される。nが2、3又は4のときは高分子化反応が起こりやすく、特に3或いは4では高度に架橋反応を進めることが可能である。従って、これらをコントロールすることにより得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが出来る。
【0040】
又、前記シロキサン系樹脂の原料としては前記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件下で加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加水分解縮合物を用いることもできる。
【0041】
尚、本発明のシロキサン系樹脂とは前記の如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。即ち、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網目構造を形成させ、その結果生成した架橋構造を有するシロキサン系樹脂を意味する。
【0042】
又、前記シロキサン系樹脂は水酸基或いは加水分解性基を有するコロイダルシリカを含ませて、架橋構造の一部にシリカ粒子を取り込んだ樹脂としてもよい。
【0043】
本発明における電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂とは電子或いは正孔のドリフト移動度を示す特性を有する化学構造(=電荷輸送性能を有する構造単位)をシロキサン系樹脂中に部分構造として組み込んだものである。具体的には本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は一般的に電荷輸送物質として用いられる化合物(以後電荷輸送性化合物又はCTMとも云う)を該シロキサン系樹脂中に部分構造として有している。
【0044】
尚、前記の電荷輸送性能を有する構造単位とは電子或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基であり、又別の定義としてはTime−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法により電荷輸送に起因する検出電流が得られる構造単位、或いは電荷輸送性化合物残基として表現することもできる。
【0045】
以下にシロキサン系樹脂中に有機ケイ素化合物との反応により電荷輸送性能を有する構造単位を形成することのできる電荷輸送性化合物について説明する。
【0046】
例えば正孔輸送型CTM:オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記シロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0047】
一方、電子輸送型CTMとしては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シロキサン系樹脂の部分構造として含有する。
【0048】
本発明において、好ましい電荷輸送性能を有する構造単位は、前記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物の残基であり、該電荷輸送性化合物を構成する炭素原子又はケイ素原子を介して下記式中のZで示される連結原子又は連結基に結合し、Zを介してシロキサン系樹脂中に含有される。
【0049】
【化4】
Figure 0004148433
【0050】
(式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位、Zは二価以上の任意の連結基を表す。)
好ましくは前記一般式(1)のZが、隣接する結合原子(ケイ素原子Siと前記電荷輸送性能を有する構造単位の一部を構成する炭素原子C)を除いた二価以上の原子又は基である。
【0051】
但し、Zが3価以上の原子の時は式中のSiとC以外のZの結合手は結合が可能な樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか又は他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0052】
又、前記一般式の中で、Z原子として、特に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。
【0053】
ここで、Zが窒素原子(N)の場合、前記連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子又は一価の有機基である。)
電荷輸送性能を有する構造単位Xは式中では一価の基として示されているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
【0054】
前記原子、即ちO、S、Nの原子はそれぞれ電荷輸送性能を有する化合物中に導入された水酸基、メルカプト基、アミン基と水酸基或いは加水分解性基を有する有機珪素化合物との反応によって形成され、シロキサン系樹脂中に電荷輸送性能を有する構造単位を部分構造として取り込む連結基である。
【0055】
次に本発明中の水酸基、メルカプト基、アミン基、有機珪素含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
【0056】
前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送性能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよい。
【0057】
X−(R7−OH)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位、
7:単結合、置換又は無置換のアルキレン基、アリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0058】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を電荷輸送性能を有する構造単位=Xとして有し、前記Xを構成する炭素原子を介して、又はXから延長されたアルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく用いられる。
【0059】
1.トリアリールアミン系化合物
【0060】
【化5】
Figure 0004148433
【0061】
【化6】
Figure 0004148433
【0062】
【化7】
Figure 0004148433
【0063】
【化8】
Figure 0004148433
【0064】
2.ヒドラジン系化合物
【0065】
【化9】
Figure 0004148433
【0066】
【化10】
Figure 0004148433
【0067】
【化11】
Figure 0004148433
【0068】
3.スチルベン系化合物
【0069】
【化12】
Figure 0004148433
【0070】
【化13】
Figure 0004148433
【0071】
【化14】
Figure 0004148433
【0072】
4.ベンジジン系化合物
【0073】
【化15】
Figure 0004148433
【0074】
【化16】
Figure 0004148433
【0075】
5.ブタジエン系化合物
【0076】
【化17】
Figure 0004148433
【0077】
6.その他の化合物
【0078】
【化18】
Figure 0004148433
【0079】
次に、水酸基を有する電荷輸送性化合物の合成例について述べる。
【0080】
例示化合物T−1の合成
【0081】
【化19】
Figure 0004148433
【0082】
ステップA
温度計、冷却管、攪拌装置、滴下ロートの付いた四頭コルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85〜95℃に保ち、約15時間攪拌を行った。次に反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、攪拌しながらゆっくり冷却した。
【0083】
析出した結晶を濾過及び乾燥した後、シリカゲル等により不純物吸着及びアセトニトリルでの再結晶により精製を行って化合物(2)を得た。収量は30gであった。
【0084】
ステップB
化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベンに投入し攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間攪拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々にあけ、攪拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗して、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。
【0085】
例示化合物S−1の合成
【0086】
【化20】
Figure 0004148433
【0087】
ステップA
温度計及び攪拌装置を付けた300mlコルベンに、Cuを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して20時間攪拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化合物(3)7gを得た。
【0088】
ステップB
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気にし、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化ホスホリル3gを投入した。室温下で攪拌しながら、DMF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温して16時間攪拌した。約70℃の温水にあけてから冷却した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
【0089】
ステップC
アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間攪拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44gを得た。
【0090】
ステップD
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び攪拌装置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温した。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間攪拌した。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間攪拌した。その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル200mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを得た。
【0091】
次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化合物の具体例を下記に例示する。
【0092】
メルカプト基を有する電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送性能を有し、且つメルカプト基を有している化合物であればよい。
【0093】
X−(R8−SH)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位、
8:単結合、置換又は無置換のアルキレン、アリーレン基、
m:1〜5の整数である。
【0094】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0095】
【化21】
Figure 0004148433
【0096】
【化22】
Figure 0004148433
【0097】
更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
【0098】
アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つアミノ基を有している化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送性能を有し、且つアミノ基を有している化合物であればよい。
【0099】
X−(R9−NR10H)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位、
9:単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置換のアリーレン基、
10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非置換のアリール基、
m:1〜5の整数である。
【0100】
その中でも代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【0101】
【化23】
Figure 0004148433
【0102】
【化24】
Figure 0004148433
【0103】
アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中で、第一級アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連結しても良い。第2級アミン化合物(−NHR10)の場合は1個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、R10はブランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0104】
更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
【0105】
ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合物は、以下のような構造の電荷輸送物質である。この化合物も硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る。
【0106】
X−(−Z−Si(R113-a(R12an
(式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基であり、R11は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基又は水酸基を示し、Zは置換若しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を示す。)
その中で代表的なものを挙げれば下記の如くである。
【0107】
【化25】
Figure 0004148433
【0108】
【化26】
Figure 0004148433
【0109】
【化27】
Figure 0004148433
【0110】
前記シロキサン系樹脂の形成原料:前記一般式(A)から(D)(以下(A)〜(D)という)組成比としては、有機珪素化合物:(A)+(B)成分1モルに対し、(C)+(D)成分0.05〜1モルを用いることが好ましい。
【0111】
またコロイダルシリカ(E)を添加する場合は前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(E)を1〜30重量部を用いることが好ましい。
【0112】
また前記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物(F)の添加量は、前記(A)+(B)+(C)+(D)成分の総重量100部に対し(F)を1〜500重量部を用いることが好ましい。前記(A)+(B)成分が前記の範囲を超えて使用されると、(A)+(B)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層は架橋密度が小さすぎ硬度が不足する。又、(A)+(B)成分が多すぎると架橋密度が大きすぎ硬度は十分だが、脆い樹脂層となる。(E)成分のコロイダルシリカ成分の過不足も、(A)+(B)成分と同様の傾向がみられる。一方、(F)成分が少ない場合はシロキサン樹脂層の電荷輸送性能が小さく、感度の低下、残電の上昇を生じ、(F)成分が多い場合はシロキサン樹脂層の膜強度が弱くなる傾向がみられる。
【0113】
本発明の電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ3次元網目構造を形成する事もあり、又加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させモノマー、オロゴマー、ポリマーから3次元網目構造を形成する事もできる。
【0114】
一般的には、アルコキシシランを有する組成物又はアルコキシシランとコロイダルシリカを有する組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成することができる。
【0115】
また前記の3次元網目構造を形成させる触媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0116】
次に本発明の樹脂層に含有される有機微粒子及び無機微粒子としては、以下のものを挙げることができる。
【0117】
〈有機微粒子〉
上記有機微粒子では、例えばシリコーン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリエチレン−三フッ化エチレン共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ステアリン酸金属塩、ポリメチルメタクリレート又はメラミン等を挙げることができ、体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましい。更に好ましくは0.1〜5μmである。又、感光体表面層に含有する有機微粒子の量は、該表面層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜100wt%、より好ましくは1〜50wt%であり、0.1%未満の場合は感光層に十分な耐刷性や潤滑性を付与することができず、画像形成の際クリーニング不良となり易く、下層との接着性に問題が出る可能性がある。100wt%を越えると感光体の光感度が低下し、カブリを生じ易くなる。
【0118】
〈無機微粒子〉
上記無機微粒子において、金属酸化物としては、例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化ケイ素(シリカ)、酸化インジウム、酸化ベリリウム、酸化鉛、酸化ビスマス等を挙げることができ、窒化物として、例えば窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素を挙げることができ、又炭化物としては、例えば炭化ケイ素、炭化ホウ素等を挙げることができる。又上記無機微粒子は、好ましくはチタンカップリング剤、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、高分子脂肪酸等の疎水化処理剤により疎水化処理を行っても良い効果が得られる。
【0119】
上記無機微粒子の粒径は体積平均粒径で0.05〜10μmが好ましく、更には0.1〜5μmが良い。又、感光体表面層に含有する上記無機微粒子の量は、該表面層のバインダー樹脂に対して、好ましくは0.1〜100wt%、より好ましくは1〜50wt%であり、0.1%未満の場合は感光体表面層に十分な耐刷性や機械的強度及び下層との接着性を付与することができず、画像形成の際感光体表面層が剥離し易く、100wt%を越えると感光体表面層の表面粗さが大きくなり、クリーニング部材を損傷してクリーニング不良を引き起こすことがある。
【0120】
なお、上記有機微粒子、及び無機微粒子の体積平均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−700」(堀場製作所(株)社製)により測定される。
【0121】
次に、本発明の酸化防止剤とは、その代表的なものは電子写真感光体中ないしは感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。詳しくは下記の化合物群が挙げられる。
【0122】
(1)ラジカル連鎖禁止剤
・フェノール系酸化防止剤
ヒンダードフェノール系
・アミン系酸化防止剤
ヒンダードアミン系
ジアリルジアミン系
ジアリルアミン系
・ハイドロキノン系酸化防止剤
(2)過酸化物分解剤
・硫黄系酸化防止剤
チオエーテル類
・燐酸系酸化防止剤
亜燐酸エステル類
尚、ヒンダードフェノール系とは、フェノール性OH基ないしはフェノール性OHのアルコキシ化基のオルト位にかさ高い有機基を有する化合物であり、ヒンダードアミン系とはN原子近傍にかさ高い有機基を有する化合物である。かさ高い有機基としては分岐状アルキル基があり、例えばt−ブチル基が好ましい。
【0123】
上記酸化防止剤のうちでは、(1)のラジカル連鎖禁止剤が良く、特にヒンダードフェノール系或いはヒンダードアミン系酸化防止剤が好ましい。
【0124】
又、2種以上のものを併用してもよく、例えば(1)のヒンダードフェノール系酸化防止剤と(2)のチオエーテル類の酸化防止剤との併用も良い。
【0125】
本発明において、更に好ましいものとしては、分子中に上記ヒンダードアミン構造を有するものが画像ボケ防止や黒ポチ対策等の画質改善に良く、別の態様として、ヒンダードフェノール構造単位とヒンダードアミン構造単位を分子内に含んでいるものも同様に好ましい。
【0126】
本発明において好ましく用いられるヒンダードフェノール系及びヒンダードアミン系酸化防止剤として、下記一般式〔A〕及び〔B〕を構造単位として有する化合物がある。
【0127】
【化28】
Figure 0004148433
【0128】
式中、R1、R2、R3及びR4は各水素原子又はアルキル基、アリール基を表し、Zは含窒素脂環を構成するに必要な原子団を表す。またR1、R2の組及びR3、R4の組の夫々の組においてその1つはZの中に組込まれて二重結合を与えてもよい。
【0129】
更に、R5は分岐状アルキル基、R6、R7及びR8はそれぞれ水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基又はアリール基を表し、R6、R7及びR8は相互に連結して環を形成してもよい。
【0130】
9は水素原子、アルキル基又はアルキリデン基を表す。
【0131】
前記R1、R2、R3及びR4は好ましくは炭素数1〜40個のアルキル基であって、該アルキル基は置換基を有してもよく、置換基としては、例えばアリール基、アルコキシ基、カルボン酸基、アミド基、ハロゲン原子等任意のものが挙げられる。
【0132】
Zは含窒素脂環を構成するに必要な原子団であり、好ましくは5員環、6員環を構成する原子団である。
【0133】
好ましい環構造としては、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、セレナゾリジン、ピロリン、イミダゾリン、イソインドリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロイソキノリン、オキサゾリン、チアゾリン、セレナゾリン、ピロール等の各環が挙げられ、特に好ましくはピペリジン、ピペラジン、モルホリン及びピロリジンの各環である。
【0134】
前記R5、R6は炭素数3〜40のtert−もしくはsec−アルキル基が好ましい。
【0135】
7及びR8はアルキル基としては、炭素数1〜40のものが好ましく、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基、ピリジル基等が挙げられる。またR6とR7が環となる場合にはクロマン環が好ましい。
【0136】
9の表すアルキル基、アルキリデン基を表し、炭素数1〜40のものが好ましく、特に好ましいのは、炭素数1〜18のものである。
【0137】
下記(1)ヒンダードフェノール系或いは(2)ヒンダードアミン系、(3)ヒンダードアミン・ヒンダードフェノール系、(4)有機リン系、(5)有機硫黄系等の構造酸化防止剤の樹脂中の含有量は0.01〜25重量%が好ましい。25重量%より多い含有量では樹脂層中の電荷輸送性能の低下が起こり、残留電位が増加しやすくなり、又膜強度の低下が発生する可能性がある。更に好ましくは0.1〜10重量%がよい。
【0138】
又、前記酸化防止剤は下層の電荷発生層或いは電荷輸送層、中間層等にも必要により含有させても良い。これらの層への前記酸化防止剤の添加量は各層に対して0.01〜25重量%が好ましい。
【0139】
本発明に用いられる酸化防止剤としては、上記の条件に適合するものであれば特に限定は無いが、具体例を下記にあげる。
【0140】
(1)ヒンダードフェノール構造単位を有する化合物例
【0141】
【化29】
Figure 0004148433
【0142】
【化30】
Figure 0004148433
【0143】
【化31】
Figure 0004148433
【0144】
【化32】
Figure 0004148433
【0145】
【化33】
Figure 0004148433
【0146】
【化34】
Figure 0004148433
【0147】
【化35】
Figure 0004148433
【0148】
【化36】
Figure 0004148433
【0149】
【化37】
Figure 0004148433
【0150】
【化38】
Figure 0004148433
【0151】
【化39】
Figure 0004148433
【0152】
【化40】
Figure 0004148433
【0153】
(2)ヒンダードアミン構造単位を有する化合物例
【0154】
【化41】
Figure 0004148433
【0155】
【化42】
Figure 0004148433
【0156】
【化43】
Figure 0004148433
【0157】
【化44】
Figure 0004148433
【0158】
【化45】
Figure 0004148433
【0159】
【化46】
Figure 0004148433
【0160】
【化47】
Figure 0004148433
【0161】
【化48】
Figure 0004148433
【0162】
【化49】
Figure 0004148433
【0163】
【化50】
Figure 0004148433
【0164】
【化51】
Figure 0004148433
【0165】
【化52】
Figure 0004148433
【0166】
【化53】
Figure 0004148433
【0167】
(3)ヒンダードアミン構造単位とヒンダードフェノール構造単位を有する化合物例
【0168】
【化54】
Figure 0004148433
【0169】
【化55】
Figure 0004148433
【0170】
【化56】
Figure 0004148433
【0171】
(4)有機リン系化合物例
例えば、一般式RO−P(OR)−ORで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0172】
【化57】
Figure 0004148433
【0173】
【化58】
Figure 0004148433
【0174】
(5)有機硫黄系化合物
例えば、一般式R−S−Rで表される化合物で代表的なものとして下記のものがある。尚、ここにおいてRは水素原子、各々置換もしくは未置換のアルキル基、アルケニル基又はアリール基を表す。
【0175】
【化59】
Figure 0004148433
【0176】
又、製品化されている酸化防止剤としては以下のような化合物、例えば「イルガノックス1076」、「イルガノックス1010」、「イルガノックス1098」、「イルガノックス245」、「イルガノックス1330」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス1076」「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシビフェニル」以上ヒンダードフェノール系、「サノールLS2626」、「サノールLS765」「サノールLS2626」、「サノールLS770」、「サノールLS744」、「チヌビン144」、「チヌビン622LD」、「マークLA57」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マークLA68」、「マークLA63」以上ヒンダードアミン系が挙げられる。
【0177】
さらに本発明の構成につき説明する。
【0178】
本発明の電子写真感光体の層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層等の感光層とその上に本発明の樹脂層を塗設した構成をとるのが好ましいことはすでに述べた。
【0179】
本発明の感光層に含有される電荷発生物質(CGM)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が行われる。電荷発生物質の代表的なものの例としては、ピリリウム系染料、チオピリリウム系染料、フタロシアニン系顔料、アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料、ピラントロン系顔料、アゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、シアニン系顔料等がある。
【0180】
前記感光層に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質(CTM)は通常バインダーと共に層形成が行われる。
【0181】
単層構成の感光層、及び積層構成の場合の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0182】
本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物質とバインダー樹脂との割合は重量比で1:5〜5:1が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0183】
又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥することによって形成される。電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合割合は重量比で3:1〜1:3が好ましい。
【0184】
電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、特には10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μm以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0185】
本発明に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0186】
次に本発明の電子写真感光体の導電性支持体としては、
1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、
2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネート若しくは蒸着によって設けたもの、
3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が挙げられる。
【0187】
本発明で用いられる導電性支持体の材料としては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられる。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0188】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0189】
次に本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0190】
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0191】
中間層用の材料としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップリング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜5μmが好ましい。
【0192】
又、支持体の形状はドラム状でもシート状でもベルト状でもよく、適用する電子写真装置に適した形状であればよい。
【0193】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0194】
図1に本発明の電子写真感光体を搭載する画像形成装置の例として、カラー画像形成装置の断面図を示す。しかし、本発明はカラー画像形成に限られるものではなく、モノクロ画像形成にも適用できる。
【0195】
図1において10は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器12による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0196】
感光体への一様帯電の後、像露光器13により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0197】
その静電潜像は次いで現像器14で現像される。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によって行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからなるもので、現像剤は図示していない層形成手段によって現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。
【0198】
カラー画像形成に於いては、1色目の顕像化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0199】
一方モノクロの電子写真装置では現像器14は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成することができる。
【0200】
記録紙Pは、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域へと給紙される。
【0201】
転写域においては転写のタイミングに同期して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)18が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が一括して転写される。
【0202】
次いで記録紙Pは転写ローラとほぼ同時に圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ202の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラ21を介して装置外部に排出される。なお前記の転写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0203】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム10は、クリーニング器22のブレード221の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わせて形成する場合には、前記のブレード221は感光体面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の周面より退避する。
【0204】
尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0205】
電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
【0206】
プロセスカートリッジには、一般には以下に示す一体型カートリッジ及び分離型カートリッジがある。一体型カートリッジとは、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に構成し、装置本体に着脱可能な構成であり、分離型カートリッジとは感光体とは別体に構成されている帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器であるが、装置本体に着脱可能な構成であり、装置本体に組み込まれた時には感光体と一体化される。本発明におけるプロセスカートリッジは上記双方のタイプのカートリッジを含む。
【0207】
像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
【0208】
尚、ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、像露光器13は受信データをプリントするための露光を行うことになる。
【0209】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0210】
下記のごとくして感光体を作製した。
【0211】
実施例1
〈中間層UCL〉
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
を混合し、溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布液を円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
【0212】
〈電荷発生層CGL〉
Y型チタニルフタロシアニン 60g
シリコーン樹脂溶液(KR5240、15%キシレン−ブタノール溶液:
信越化学社製) 700g
2−ブタノン 2000ml
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0213】
〈電荷輸送層(CTL)〉
電荷輸送物質(D1) 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:
三菱ガス化学社製) 300g
1,2−ジクロロエタン 2000ml
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
【0214】
【化60】
Figure 0004148433
【0215】
この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0216】
〈表面樹脂層(OCL)〉
前記CTL上にメチルシロキサン単位80モル%、メチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂10重量部にモレキュラーシーブ4Aを添加し、15時間静置し脱水処理した。この樹脂をトルエン10重量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5重量部、ジブチル錫アセテート0.2重量部を加え均一な溶液にした。
【0217】
これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6重量部、酸化防止剤としてヒンダードアミン(2−31)1.8重量部及び0.25重量部の平均粒径1μmのシリコーン樹脂粒子を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの保護層として塗布して、120℃、1時間の加熱硬化を行い、実施例1の感光体を作製した。
【0218】
実施例2
実施例1において酸化防止剤の量を1.8重量部から0.03重量部に代えた他は実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0219】
実施例3
実施例1において保護層中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミンを4−[2−(トリエトキシシリル)エチル]トリフェニルアミンに代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0220】
実施例4
実施例1において保護層中のヒンダードアミンをヒンダードフェノール(1−43)に代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0221】
実施例5
実施例1において保護層中のヒンダードアミンを酸化防止剤(3−10)に代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0222】
実施例6
実施例1において保護層中のヒンダードアミンを酸化防止剤(4−7)に代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0223】
実施例7
実施例1において保護層中のヒンダードアミンを酸化防止剤(5−6)に代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0224】
実施例8
実施例1において保護層中のヒンダードアミンを、酸化防止剤(1−1)及び酸化防止剤(4−1)混合物(混合比1/1)に代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0225】
実施例9
実施例1において保護層中のシリコーン樹脂粒子を平均粒径2μmに代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0226】
実施例10
実施例1において保護層中のシリコーン樹脂粒子を平均粒径0.5μmのシリカ粒子、3重量部に代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0227】
実施例11
実施例10において保護層中のシリカ粒子を平均粒径3μmのシリカ粒子に代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0228】
実施例12
実施例1において電荷発生層までは同様に塗布した。
【0229】
〈電荷輸送層CTL〉
電荷輸送物質(例示化合物T−1) 200g
メチルトリメトキシシラン 300g
ヒンダードフェノール化合物(1−35) 1.0g
コロイダルシリカ(30%メタノール溶液) 8g
1−ブタノール 50g
1%酢酸 50g
アルミニウムテトラアセチルアセテート 2.0g
フッ素樹脂粒子(平均粒径1μm) 10g
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃、2時間の加熱硬化を行い膜厚12μmの電荷輸送層を形成した。
【0230】
評価は上記同様に行った。
【0231】
実施例13
実施例12において保護層中のヒンダードフェノールを酸化防止剤(2−31)に代え、フッソ樹脂粒子をシリカ粒子(平均粒径5μm)に代えた以外は全く同様にして感光体を作製し評価した。
【0232】
比較例1
実施例1において、保護層中にヒンダードアミンを添加しない以外は実施例1と同様にして感光体を作製し評価した。
【0233】
比較例2
実施例1において、保護層中にシリコーン樹脂粒子を添加しない以外は実施例1と同様にして感光体を作製し評価した。
【0234】
〔特性評価〕
評価は、上記感光体をデジタル方式で画像形成する装置に搭載して行った。
【0235】
即ち、コニカ社製デジタル複写機「Konica 7050」を改造し、露光量を適正化した評価機に搭載し、初期帯電電位を−650Vに設定し、低湿下(10℃、20RH%)にて、A4紙を用いて5万回繰り返しコピーを行い、5万コピー後の露光部電位(VL)及び未露光部電位(VH)の変動、膜厚減耗量の測定及び画質評価を行った。
【0236】
その結果実施例1〜13で得られた感光体は表1の如く、カブリ、画像ボケ、画像流れ、フィルミング、スリキズ、膜剥がれ等による故障が発生せず、且つベタ黒部の反射濃度が1.2以上と高濃度で、高解像度の画像が得られた。一方、比較例1、2の感光体はそれらの電位変動量、画像特性、接着性のいずれもが悪く、実用性に乏しいことがわかる。
【0237】
尚、画像濃度の測定は、ベタ黒画像の濃度を濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用して絶対濃度を測定し、カブリについてはベタ白画像を使用して、初期と5万枚のカブリを目視で確認した。又、画像ボケの有無を目視で評価した。
【0238】
Figure 0004148433
【0239】
Figure 0004148433
【0240】
Figure 0004148433
【0241】
感光体の膜厚減耗量はコピー1回目と5万回目の感光層の膜厚の差から求めた。
【0242】
接着性評価は、感光体上に1mm角の碁盤目を形成し、100個の碁盤目の内、セロテープの剥離により除去される碁盤目の数を数えて接着性評価を行った。
【0243】
結果を表1に示す。
【0244】
【表1】
Figure 0004148433
【0245】
表1の結果から明らかなように、本発明内の実施例1〜13はいずれの特性も良好であるのに対し、本発明外の比較例1、2は電位変動量、画像評価、接着性において劣ることがわかる。
【0246】
【発明の効果】
本発明により、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する樹脂層の性能を長期にわたって保持し、帯電特性がよく高感度で、長期使用によっても帯電電位変動が無く、画像特性の良い電子写真感光体と、それを用いた画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる画像形成装置の断面図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体)
11 発光ダイオード等を用いた露光部
12 帯電器
13 像露光器
14 現像器
17 給紙ローラ
18 転写ローラ(転写器)
19 分離ブラシ(分離器)
20 定着装置
21 排紙ローラ
22 クリーニング器
30 感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジ

Claims (8)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層、樹脂層を有する電子写真感光体において、前記樹脂層が電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する層からなり、前記樹脂層が平均粒径0.05〜10μmの珪素含有有機ポリマー粒子を含有し、且つ酸化防止剤として、ヒンダートアミン又はヒンダードフェノ−ルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 電子写真感光体が樹脂層を有し、水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、電荷輸送性能を有する構造単位を含む化合物とを反応させて得られる架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する層であり、前記樹脂層が平均粒径0.05〜10μmの珪素含有有機ポリマー粒子を含有し、且つ酸化防止剤として、ヒンダートアミン又はヒンダードフェノ−ルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  3. 前記樹脂層が下記一般式(1)で表される構造を含む架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
    Figure 0004148433
    (式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位、ZはO、S、NR(RはH又は一価の有機基)、或いは単結合、各々置換若しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を表す。)
  4. 前記珪素含有有機ポリマー粒子の平均粒径が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の電子写真感光体。
  5. 前記樹脂層が最外層であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1〜4の何れか1項記載の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写、クリーニングの工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項1〜4の何れか1項記載の電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写、クリーニングの工程を経て画像形成することを特徴とする画像形成装置。
  8. 感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写、クリーニングの工程を経る画像形成に使用するプロセスカートリッジにおいて、請求項1〜4の何れか1項記載の電子写真感光体と帯電器、像露光器、現像器、転写器、クリーニング器の少なくとも何れか1つとを組み合わせて造られていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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