JP2006139309A - 電子写真感光体とその製造方法及びプロセスカートリッジと画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記部分構造を有する硬化性シロキサン系樹脂を含有させた樹脂層を有し、該硬化性シロキサン系樹脂が、少なくとも水酸基或いは加水分解性基の数が3の有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られることを特徴とする電子写真感光体。
【化1】
(式中、Xは電荷輸送性能付与基であって、該付与基を構成する炭素原子を介して式中のYと結合する基、Yは酸素原子(O)を示す)
【選択図】なし
Description
1.下記部分構造を有する硬化性シロキサン系樹脂を含有させた樹脂層を有し、該硬化性シロキサン系樹脂が、少なくとも水酸基或いは加水分解性基の数が3の有機ケイ素化合物と水酸基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られることを特徴とする電子写真感光体。
2.下記部分構造を有する硬化性シロキサン系樹脂を含有させた樹脂層を有し、該硬化性シロキサン系樹脂が、少なくとも水酸基或いは加水分解性基の数が3の有機ケイ素化合物とアミノ基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られることを特徴とする電子写真感光体。
3.下記部分構造を有する硬化性シロキサン系樹脂を含有させた樹脂層を有し、該硬化性シロキサン系樹脂が、少なくとも水酸基或いは加水分解性基の数が3の有機ケイ素化合物とメルカプト基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られることを特徴とする電子写真感光体。
4.前記シロキサン系樹脂を含有させた樹脂層を硬化したことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
5.前記樹脂層が表面層であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
6.前記表面層の下に電荷発生層と電荷輸送層を有することを特徴とする前記5記載の電子写真感光体。
7.前記表面層の下に電荷発生・輸送層を有することを特徴とする前記5記載の電子写真感光体。
8.導電性支持体上に中間層、その上に電荷発生層、更にその上に電荷輸送層を有することを特徴とする前記5又は6記載の電子写真感光体。
9.前記表面層の層厚が0.1〜20μmであることを特徴とする前記5〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
10.前記表面層と隣接する層間に接着層を設けたことを特徴とする前記5〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
11.前記電荷輸送性能付与基がトリアリールアミン系化合物基であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
12.前記電荷輸送性能付与基がヒドラゾン系化合物基であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
13.前記電荷輸送性能付与基がスチリルトリフェニルアミン系化合物基であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
14.前記電荷輸送性能付与基がベンジジン系化合物基であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
15.前記電荷輸送性能付与基がブタジエン系化合物基であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
16.電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写・分離、クリーニングの工程を経て画像形成を行う画像形成装置において、前記電子写真感光体に前記1〜15のいずれか1項記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
17.電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写・分離、クリーニングの工程を経て画像形成を行う画像形成装置に使用するプロセスカートリッジにおいて、前記1〜15のいずれか1項記載の電子写真感光体と、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、クリーニング器の、少なくともいずれか1つとを組み合わせて造られていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
18.導電性支持体上に水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、水酸基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られる硬化性シロキサン系樹脂を含有する樹脂層を塗布し、その後50℃以上の温度で硬化させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
19.導電性支持体上に水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、アミノ基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られる硬化性シロキサン系樹脂を含有する樹脂層を塗布し、その後50℃以上の温度で硬化させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
20.導電性支持体上に水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、メルカプト基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られる硬化性シロキサン系樹脂を含有する樹脂層を塗布し、その後50℃以上の温度で硬化させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
本発明中の硬化性シロキサン樹脂とは予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーを反応させて(加水分解反応、触媒や架橋剤を加えた反応等を含む)3次元網目構造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。一般的には、シロキサン結合を有する有機珪素化合物を加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させ3次元網目構造を形成させ、その結果生成したシロキサン樹脂を意味する。例えば、アルコキシシランからなる組成物や、又はアルコキシシランとコロイダルシリカからなる組成物の縮合反応により3次元網目構造を形成した樹脂を意味する。
上記中、
X:電荷輸送性能付与基、
R1:単結合子、各々置換又は非置換のアルキレン、アリーレン基、
m:好ましくは1〜5である。
1.トリアリールアミン系化合物
温度計、冷却管、撹拌装置、滴下ロートの付いた四頭コルベンに、化合物(1)49gとオキシ塩化リン184gを入れ加熱溶解した。滴下ロートよりジメチルホルムアミド117gを徐々に滴下し、その後反応液温を85〜95℃に保ち、約15時間撹拌を行った。次に反応液を大過剰の温水に徐々に注いだ後、撹拌しながらゆっくり冷却した。
ステップB
化合物(2)30gとエタノール100mlをコルベンに投入し撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム1.9gを徐々に添加した後、液温を40〜60℃に保ち、約2時間撹拌を行った。次に反応液を約300mlの水に徐々にあけ、撹拌して結晶を析出させた。濾過後充分水洗して、乾燥し化合物(3)を得た。収量は30gであった。
例示化合物S−1の合成
温度計及び撹拌装置を付けた300mlコルベンに、Cuを30g、K2CO3を60g、化合物(1)8g、化合物(2)100gを投入し、約180℃まで昇温して20時間撹拌した。冷却後濾過し、カラム精製により化合物(3)7gを得た。
ステップB
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び撹拌装置を付けた100mlコルベンをアルゴンガス雰囲気にし、これに化合物(3)7g、トルエン50ml、塩化ホスホリル3gを投入した。室温下で撹拌しながら、DMF2gをゆっくりと滴下し、その後約80℃に昇温して16時間撹拌した。約70℃の温水にあけてから冷却した。これをトルエンにて抽出し、抽出液を水のpHが7になるまで水洗した。硫酸ナトリウムにて乾燥した後に濃縮し、カラム精製により化合物(4)5gを得た。
ステップC
アルゴンガス導入装置及び撹拌装置を付けた100mlコルベンにt−BuOK1.0g、DMF60mlを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これに化合物(4)2.0g、化合物(5)2.2gを加え、室温で1時間撹拌した。これを大過剰の水にあけ、トルエンにて抽出し、抽出液を水洗した後、硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮してからカラム精製を行い化合物(6)2.44gを得た。
ステップD
温度計、滴下ロート、アルゴンガス導入装置及び撹拌装置を付けた100mlコルベンにトルエンを投入し、アルゴンガス雰囲気にした。これにn−BuLiのヘキサン溶液(1.72M)15mlを加え、50℃に加温した。これに化合物(6)2.44gをトルエン30ml溶解させた液を滴下し、50℃に保って3時間撹拌した。これを−40℃に冷却した後、エチレンオキサイド8mlを加え、−15℃まで昇温して1時間撹拌した。その後室温まで昇温し、水5mlを加えて、エーテル200mlにて抽出後、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。洗浄液がpHになるまで洗浄した後、硫酸ナトリウムにて乾燥、濃縮、カラム精製して化合物(7)1.0gを得た。
上記式中、
X:電荷輸送性能付与基、
R1:単結合子、各々置換又は非置換のアルキレン、アリーレン基、
m:好ましくは1〜5である。
上記式中、
X:電荷輸送性能付与基、
R1:単結合子、置換又は非置換のアルキレン、置換又は非置換のアリーレン基、
R2:H、置換又は非置換のアルキル基、置換又は非置換のアリール基、
m:好ましくは1〜5である。
1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、
2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネート若しくは蒸着によって設けたもの、
3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が挙げられる。
実施例−1
下記のごとくして、感光体を作製した。
ポリアミド樹脂(CM8000,東レ社製) 60g
メタノール 2000ml
を混合し、溶解して、中間層塗布液を調製した。この塗布液を円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、室温乾燥して、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
電荷発生物質(C1) 60g
シリコーン樹脂溶液(KR5240,15%キシレン−ブタノール溶液,
信越化学社製) 700g
メチルエチルケトン 2000ml
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送物質(D1) 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300,三菱瓦斯化学社製) 300g
1,2−ジクロルエタン 2000ml
を混合し、溶解して、電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
比較例−1
一方、上記保護層中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミンを4−〔2−(トリエトキシシリル)エチル〕トリフェニルアミンに代えた以外は全く同じにして比較例−1の感光体を作製した。
実施例−2
実施例−1中のポリシロキサン樹脂を、メチルシロキサン単位80モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%から成るポリシロキサン樹脂(2質量%のシラノール基を含む)に代えた以外は全く同様にして実施例−2の感光体を作製した。
実施例−3
実施例−1中のポリシロキサン樹脂を、メチルシロキサン単位30モル%、エチルシロキサン単位40モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%、ジエチルシロキサン単位10モル%から成るポリシロキサン樹脂(2質量%のシラノール基を含む)に代えた以外は全く同様にして実施例−3の感光体を作製した。
実施例−4
実施例−1中のポリシロキサン樹脂を、メチルシロキサン単位30モル%、フェニルシロキサン単位30モル%、ジメチルシロキサン単位20モル%、ジエチルシロキサン単位20モル%から成るポリシロキサン樹脂(2質量%のシラノール基を含む)に代えた以外は全く同様にして実施例−4の感光体を作製した。
実施例−5
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、ヒドラゾン型の例示化合物H−1に代えた以外は全く同じにして実施例−5の感光体を作製した。
実施例−6
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、スチルベン型の例示化合物S−1に代えた以外は全く同じにして実施例−6の感光体を作製した。
実施例−7
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、ベンジジン型の例示化合物Be−1に代えた以外は全く同じにして実施例−7の感光体を作製した。
実施例−8
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、ブタジエン型の例示化合物Bu−1に代えた以外は全く同じにして実施例−8の感光体を作製した。
実施例−9
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、例示化合物So−1に代えた以外は全く同じにして実施例−9の感光体を作製した。
実施例−10
実施例−1と同様に接着層まで作製した。
実施例−11
実施例−10のシロキサン樹脂KP−854の代わりにX−40−2239(信越化学工業社製)を用いた以外は全く同様にして実施例−11の感光体を作製した。
実施例−12
実施例−10のシロキサン樹脂KP−854の代わりにX−40−2269(信越化学工業社製)を用いた以外は全く同様にして実施例−12の感光体を作製した。
実施例−13
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、例示化合物V−1に代えた以外は全く同じにして実施例−13の感光体を作製した。
実施例−14
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、例示化合物V−3に代えた以外は全く同じにして実施例−14の感光体を作製した。
実施例−15
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、例示化合物W−1に代えた以外は全く同じにして実施例−15の感光体を作製した。
実施例−16
実施例−1中のジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)を、例示化合物W−3に代えた以外は全く同じにして実施例−16の感光体を作製した。
11 発光ダイオード等を用いた露光部
12 帯電器
13 像露光器
14 現像器
17 給紙ローラ
18 転写ローラ(転写器)
19 分離ブラシ(分離器)
20 定着装置
21 排紙ローラ
22 クリーニング器
30 感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジ
Claims (20)
- 前記シロキサン系樹脂を含有させた樹脂層を硬化したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記樹脂層が表面層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層の下に電荷発生層と電荷輸送層を有することを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体。
- 前記表面層の下に電荷発生・輸送層を有することを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体。
- 導電性支持体上に中間層、その上に電荷発生層、更にその上に電荷輸送層を有することを特徴とする請求項5又は6記載の電子写真感光体。
- 前記表面層の層厚が0.1〜20μmであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層と隣接する層間に接着層を設けたことを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性能付与基がトリアリールアミン系化合物基であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性能付与基がヒドラゾン系化合物基であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性能付与基がスチリルトリフェニルアミン系化合物基であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性能付与基がベンジジン系化合物基であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送性能付与基がブタジエン系化合物基であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写・分離、クリーニングの工程を経て画像形成を行う画像形成装置において、前記電子写真感光体に請求項1〜15のいずれか1項記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
- 電子写真感光体を用い、帯電、像露光、現像、転写・分離、クリーニングの工程を経て画像形成を行う画像形成装置に使用するプロセスカートリッジにおいて、請求項1〜15のいずれか1項記載の電子写真感光体と、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、クリーニング器の、少なくともいずれか1つとを組み合わせて造られていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 導電性支持体上に水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、水酸基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られる硬化性シロキサン系樹脂を含有する樹脂層を塗布し、その後50℃以上の温度で硬化させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 導電性支持体上に水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、アミノ基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られる硬化性シロキサン系樹脂を含有する樹脂層を塗布し、その後50℃以上の温度で硬化させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 導電性支持体上に水酸基或いは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物と、メルカプト基を有する電荷輸送性化合物を反応させて得られる硬化性シロキサン系樹脂を含有する樹脂層を塗布し、その後50℃以上の温度で硬化させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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