JP3562249B2 - 電子写真感光体とその製造方法及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリなど、広い分野に適用される電子写真感光体及びその製造方法、並びにその電子写真感光体を用いた電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、普通紙複写機(PPC)、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶プリンター等の電子写真装置は、回転ドラム型等の感光体に帯電、露光、現像の作像プロセスを適用して像形成し、転写材に転写後定着して複写物を得る。これらに用いる感光体は、セレニウム、ヒ素−セレニウム、硫化カドミウム、酸化亜鉛、a−Si等の無機系感光体が用いられているが、安価で製造性及び廃棄性の点で優れた有機感光体(OPC)の研究開発も活発化しており、中でも電荷発生層と電荷輸送層を積層した、いわゆる機能分離型積層感光体が、感度、帯電性及びその繰り返し安定性等の電子写真特性が優れているため種々の提案がなされ、実用化されている。
【0003】
しかし、電子写真感光体に要求される耐久性は年々厳しいものとなっており、繰り返し使用による表面層の摩耗及び傷、特に接触帯電下の使用で著しく増長される表面層の摩耗及び傷、コロナ帯電器から発生するオゾンなどの酸化性ガスによる表面層の酸化劣化等の問題に対して、耐久性向上に必要な技術の検討が続けられている。これら表面層の問題を解決するために、電荷輸送層の上に有機ポリシロキサン等の架橋硬化性樹脂を主成分とする表面保護層を形成する方法が提案されている(特開昭54−148537号公報)
【0004】
しかし、表面保護層を架橋硬化性樹脂のみで構成すると、表面保護層は絶縁性となるため、感光体としての光電特性を低下させることになる。具体的には、露光時の明部電位が上昇すると、現像電位マージンが狭くなり、除電後の残留電位が上昇し、特に長期の繰り返し印刷を行なった場合に画像濃度が低下するという問題があった。
【0005】
光電特性を改良する手法として、導電性の金属酸化物微粉末を抵抗制御材として表面保護層中に分散する方法が提案されている(特開昭57−128344号公報)。この方法による感光体光電特性の低下は小さく、上記の問題は顕著に改善される。しかし、一般に導電性微粉末として用いる金属酸化物の抵抗値は、環境の湿度により大きく変動するという問題がある。そのため、特に高温高湿下において感光体表面抵抗が低下し、静電潜像がぼやけ画像品位が大きく低下してしまうという本質的な問題があった。
【0006】
光電特性を改良する他の手法として、バインダー樹脂中に電荷輸送性化合物を分散した後、バインダー樹脂を硬化させて表面保護層を形成するという方法が提案されている(特開平4−15659号公報)。この方法では感光体表面抵抗が湿度により変動することもなく、画像品位上の問題はなかった。しかし、電荷輸送性化合物として低分子量成分を添加すると、前記の硬化反応が阻害され、表面保護層の機械的強度が低下する。このように、機械的強度の高い架橋硬化性樹脂を単独で用いても、光電特性の改良に必須の電荷輸送性化合物が低分子成分であるため、表面保護層の機械強度を大きく低下させるという問題点が発生する。
【0007】
そこで、官能基を有する電荷輸送性化合物を用いて、これを熱可塑性のバインダー樹脂と反応させることにより表面層の機械的強度を向上させることが提案されている(特開平6−202354号公報、特開平5−323630号公報)。この方法によれば、感光体の光電特性を低下させず、当初は十分な機械的強度を得ることができる。しかし、これらの表面層構成では、接触帯電又はスコロトロン帯電条件下で長期間使用すると、機械的強度が急激に低下するという問題があった。この原因は、接触帯電時の交流電圧印加により、熱可塑性バインダー樹脂の結合が切断されたり、スコロトロン帯電で発生するオゾンにより、電荷輸送性化合物が酸化・分解されるといった強い外的ストレスが発生したためと考えられる。また、表面保護層の機械的強度のみを単に高めようとすると、感光体表面に紙粉やトナーが付着しやすくなり、その結果、画像品質が低下するという問題が発生する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、これらの諸問題を解決し、感光体の光電特性及び画像品位の低下を抑制し、十分な機械的強度を確保するとともに、強い外的ストレス下の長期使用においても高い耐久性を示す表面保護層を有する電子写真感光体及びその製造方法、並びに、その感光体を用いた画像形成装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記構成を採用することにより上記問題の解消を可能にした。
(1) 導電性支持体上に感光層と表面保護層を有する電子写真感光体において、前記表面保護層が、下記構造式(A)で表される電荷輸送性化合物、及び、フッ素原子を有し、かつ官能基数が3以上のイソシアネート化合物の少なくとも2種類の化合物を3次元的に架橋させた重合体で構成されてなることを特徴とする電子写真用感光体。
【0010】
【化6】
【0011】
(式中、R1 ,R2 ,R3 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲にあるアルキル基、炭素数が1〜5の範囲にあるアルコキシ基、又は、炭素数が1〜2の範囲にあるアルキルで置換されたアミノ基を表し、Tは炭素数が1〜10の範囲にある枝別れしていてもよい2価の炭化水素基、aは0又は1の整数である。)
【0012】
(2) 前記フッ素原子を有し、かつ官能基数が3以上のイソシアネート化合物が、下記構造式(B)で表されたものであることを特徴とする前記(1) 記載の電子写真用感光体。
【0013】
【化7】
【0014】
(式中、X1 ,X2 は同一でも異なっていてもよく、炭素数が2〜10の範囲にあるパーフルオロカーボン基含有の有機基を表す。R4 ,R5 は同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜5の範囲にあるアルキル基を表し、Y1 は炭素数が2〜10の範囲にある2価の炭化水素基、又は、炭素数が2〜10の範囲にあるパーフルオロカーボン基含有の有機基を表す。b,c,d,eは0,1,又は2の整数であり、0≦b+c≦2,及びd+e=2を満たす数である。)
【0015】
(3) 前記フッ素原子を有し、かつ官能基数が3以上のイソシアネート化合物が、下記構造式(C)で表されたものであることを特徴とする前記(1) 記載の電子写真用感光体。
【0016】
【化8】
【0017】
(式中、Y2 は炭素数が2〜10の範囲にあるパーフルオロカーボン基含有の有機基を表す。)
【0018】
(4) 前記感光層がクロロガリウムフタロシアニン又はヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有することを特徴とする前記(1) 〜(3) のいずれか1つに記載の電子写真用感光体。
【0019】
(5) 前記感光層が下記構造式(D)及び/又は下記構造式(E)で表される電荷輸送性化合物を含有することを特徴とする前記(1) 〜(4) のいずれか1つに記載の電子写真用感光体。
【0020】
【化9】
【0021】
(式中、R6 ,R7 は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲にあるアルキル基、又は、炭素数が1〜5の範囲にあるアルコキシ基を表し、R8 ,R9 ,R10,R11は同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲にあるアルキル基、炭素数が1〜5の範囲にあるアルコキシ基、又は、炭素数が1〜2の範囲にあるアルキル基で置換されたアミノ基を表し、f及びgは0〜2の範囲の整数である。)
【0022】
【化10】
【0023】
(式中、R12は水素原子又はメチル基を表し、hは1又は2の整数である。Ar1又はAr2は置換又は未置換のアリール基を表し、前記アリール基の置換基は、ハロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲にあるアルキル基、炭素数が1〜5の範囲にあるアルコキシ基、又は、炭素数が1〜3の範囲にあるアルキル基で置換されたアミノ基である。)
【0024】
(6) 導電性支持体上に感光層及び表面保護層を形成する電子写真感光体の製造方法において、前記表面保護層が、前記構造式(A)で表される電荷輸送性化合物、及び、フッ素原子を有し、かつ官能基数が3以上のイソシアネート化合物を含有する塗布液を前記感光層上に塗布した後、架橋反応させて前記表面保護層を形成することを特徴とする電子写真用感光体の製造方法。
【0025】
(7) 電子写真感光体、帯電手段、露光による静電潜像形成手段、現像手段、及び、転写手段を有する電子写真方式の画像形成装置において、前記(1) 〜(5) のいずれか1つに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【0026】
(8) 前記帯電手段が接触帯電方式であることを特徴とする前記(7) 記載の画像形成装置。
【0027】
(9) 前記帯電手段の印加電圧が交流成分を含むことを特徴とする前記(8) 記載の画像形成装置。
【0028】
本発明は、表面保護層中に架橋硬化性結合材料による三次元網目構造をもたせると同時に、その網目構造の中に電荷輸送性化合物を直接結合させることによって前記問題の解消を可能にした。即ち、末端にヒドロキシ基を複数個有する電荷輸送性化合物と、3つ以上のイソシアネート基を有する化合物とを混合し、ヒドロキシ基とイソシアネート基を互いに反応させて3次元的に架橋した表面保護層を形成することにより、感光体の光電特性を維持しつつ、機械的強度も備わった、耐久性に優れた感光体を得ることに成功した。特に、電荷輸送性化合物として前記構造式(A)で表されるものを用いた場合、優れた光電特性、画像品位及び耐摩耗性・耐傷性を得ることができた。
【0029】
また、前記イソシアネート化合物にフッ素原子を導入することにより表面保護層に潤滑性を付与することができ、同時に表面エネルギーが低下するため、紙粉やトナーが表面保護層に付着したり、固着することを防止することができる。
【0030】
本発明では、ヒドロキシ基を複数個有する電荷輸送性化合物を、イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネート化合物と架橋重合反応させることにより、高い架橋密度で三次元網目構造を容易に形成することができる。本発明の表面保護層は、このような高密度の架橋構造を有するため、接触帯電における交流電圧印加やスコロトロン帯電で発生するオゾンなどの強い外的ストレスによって、結合が部分的に切断されたとしても、機械的強度の急激な低下が抑制されると考えられる。
【0031】
一般に電荷輸送層は、バインダー樹脂中に低分子量の電荷輸送性化合物を相溶させて形成する。それ故、高い機械的強度を保持するためには、電荷輸送性化合物をあまり多く添加することはできなかった。本発明の表面保護層は、結合という形で三次元構造に取り込むため、通常の電荷輸送層より多くの電荷輸送性化合物を導入でき、感光体の光電特性を維持することができるようになった。
【0032】
このように3次元的に架橋した高分子化合物は、通常はいかなる溶剤に対しても不溶であるため、従来のような溶剤に溶解して塗布し、乾燥して成膜することができない。しかし、架橋させる前の化合物を混合又は溶剤に溶解して塗布・成膜し、その後に加熱等により架橋重合反応させて表面保護層を形成することはできる。逆に、架橋密度の低い高分子電荷輸送性化合物なども溶剤に溶解して塗布・成膜することもできるが、これらは架橋密度が低いため、機械的強度が弱く、十分な耐摩耗性を得ることができない。特に、接触帯電法を用いた電子写真画像形成装置においては、摩耗が大きくなる傾向がある。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明の感光層は、いわゆる単層型感光体、又は、電荷発生層と電荷輸送層からなる積層型感光体のいずれでもよい。積層型感光体における電荷発生層と電荷輸送層との積層順序もどちらでもよいが、本発明の表面保護層は主としてホール輸送性を有するものであるため、電荷発生層、電荷輸送層、表面保護層の順に積層した負帯電型積層感光体の場合に特に優れた特性を示す。
【0034】
本発明の表面保護層は、前記構造式(A)で表される電荷輸送性化合物、及び、フッ素原子を有し、かつ官能基数が3以上のイソシアネート化合物の少なくとも2種類の化合物を互いに反応させて網目状に架橋結合させることによって形成される。
前記構造式(A)で示される電荷輸送性化合物の例を表1、2に示す。なお、前記電荷輸送性化合物中の置換基Tの例を表3、4に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
架橋して3次元網目構造を形成するためには、イソシアネート化合物として3官能以上、即ち反応可能なイソシアネート基を3個以上有するものを用いることが必要である。これにより表面保護層は高密度の架橋構造をとることができる。
3個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、イソシアネート単量体から得られる誘導体や、プレポリマーなどのポリイソシアネート変性体を用いることがより望ましい。これらの例としては、官能基数3以上のポリオールにイソシアネートを付加したアダクト変性体、ウレア結合を有する化合物をイソシアネート化合物で変成したビュレット変性体、ウレタン基にイソシアネートが付加したアロファネート変性体、イソシアヌレート変性体、などが特に好ましく、他にもカルボジイミド変性体などが用いられる。
【0040】
このイソシアネート化合物として、分子内にフッ素原子を有するものは、これを用いた表面保護層に紙粉やトナーなどが付着・固着しにくくなる。フッ素原子の導入は、表面保護層の表面エネルギーを低下させるためと考えられる。
特に、前記構造式(B)及び前記構造式(C)で表されるイソシアネート化合物は、これを用いた保護層の表面エネルギーを低下させ、紙粉、タルク等の保護層への付着が原因となって起こる画像流れを防止すると同時に、表面での摩耗抵抗を低減するために耐摩耗性が良好となる。さらに、これらのイソシアネート化合物では、イソシアネート化合物間の架橋重合反応も容易に生ずるため、これを用いた保護層は架橋構造密度が高くなって、機械的強度が高まり、摩耗量を小さくできる。
なお、前記構造式(B)で表されるイソシアネート化合物の例を表5に、また、前記構造式(C)で表されるイソシアネート化合物の例を表6に示す。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
本発明の表面保護層の構成成分として、さらに必要に応じてグリコール化合物、ビスフェノール化合物等のヒドロキシ基を有する化合物を用いることができる。これらの化合物は、前記構造式(A)の化合物の一部と置き換えるかたちで導入し、前記構造式(A)の化合物と同様に前記イソシアネート化合物と反応することによって3次元的な架橋構造を形成する。
【0044】
これらのヒドロキシ基を有する化合物としては、分子内に2個以上のヒドロキシ基を有し、イソシアネートと重合可能なものの中から自由に選択でき、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、及びビスフェノール化合物などを用いることができる。2個以上のヒドロキシ基を有するビスフェノール化合物の例を表7、8に示す。
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
ヒドロキシ基を有する化合物の他の例として、アクリルポリオール及びそのオリゴマー、ポリエステルポリオール及びそのオリゴマーなどの反応性ヒドロキシ基を有する各種ポリマー及びオリゴマーを用いることもできる。
【0048】
表面保護層の構成成分として、さらに必要に応じて他のイソシアネート化合物を補助的に添加してもよい。これらのイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、リジンイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェートなどの通常のイソシアネート単量体を挙げることができる。
【0049】
これら補助的に添加されるイソシアネート化合物は、3個以上のイソシアネート基を有するものが望ましく、イソシアネート単量体から得られる誘導体やプレポリマーなどのポリイソシアネート変性体を用いることがより望ましい。これらの例としては、官能基数3以上のポリオールにイソシアネートを付加したアダクト変性体、ウレア結合を有する化合物をイソシアネート化合物で変成したビュレット変性体、ウレタン基にイソシアネートが付加したアロファネート変性体、イソシアヌレート変性体などが特に好ましく、その他にも、カルボジイミド変性体などが用いられる。特に、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット変性体、及び、ヘキサメチレンジイソシアネートとイソシアヌレート変性体は、表面保護層の機械的強度及び電気特性が特に優れている。
【0050】
本発明の表面保護層は、その成膜性や可撓性を向上させるために、各種のバインダー樹脂を補助的に添加してもよい。このようなバインダ樹脂としては、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル、ポリビニルアルコール、ポリアミドなどの各種ポリマーを用いることができる。しかし、機械的強度、光電特性を維持するためには、表面保護層におけるこれらバインダ樹脂の含有量は60重量%以下、好ましくは30重量%以下とするのが望ましい。
【0051】
本発明の表面保護層の形成は、前記構造式(A)で表されるヒドロキシ基を有する電荷輸送性化合物、並びに、フッ素原子及びケイ素原子を含有するイソシアネート化合物、必要に応じて、他のヒドロキシ基を有する化合物、イソシアネート化合物、添加剤、溶剤等を加えたものを混合して塗布液を調整し、これを感光層の上に塗工した後、架橋重合させることにより成膜して表面保護層を得る。
【0052】
これらの混合比は、(反応するヒドロキシ基の総数):(反応するイソシアネート基の総数)の比が2:1〜1:2の範囲となるように調合することが好ましい。この混合比を越えて過剰のヒドロキシ基が残ると保護層表面の親水性が増し、高温高湿下での画像解像度特性が低下するという問題があり、逆にこの範囲を越えて過剰のイソシアネート基が残ると架橋密度が低下し、機械強度が不足という不都合が生ずるので、反応条件等も含めて注意する必要がある。なお、前記の混合比のより好ましい範囲は1.5:1〜1:1.5である。
また、イソシアネート化合物は、空気中の水分等で失活し、反応可能なイソシアネート基数が減少する場合があるので注意を要する。その場合、イソシアネート基を若干過剰になるように調合するのがよい。
【0053】
感光体の電気特性を維持しつつ、機械強度も持たせるためには、表面保護層における前記構造式(A)の電荷輸送性化合物の含有率を、5〜90重量%の範囲とする必要があり、好ましくは25〜75重量%の範囲が望ましい。
本発明の表面保護層は、電荷輸送性化合物を網目構造の中に取り込んで結合しているため、通常の低分子電荷輸送性化合物を分散させた電荷輸送層よりも多くの電荷輸送物質を導入することが可能である。
【0054】
本発明の表面保護層を架橋重合するためには、感光体上に塗工した後、加熱すればよい。ヒドロキシ基とイソシアネート基の反応は、用いる化合物間の反応性によもよるが、一般的には触媒等を必要とせず、加熱するだけでよい。塗工時に溶剤を用いている場合には、乾燥工程と同時、あるいはそれに引き続いて加熱処理を行なってもよい。
【0055】
架橋反応を促進したい場合には、ジブチルチンジラウレート等の有機金属化合物類、無機金属化合物類、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類などの触媒を、常法に準じて添加してもよい。
【0056】
表面保護層には、帯電器で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系又はヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量は、表面保護層の15重量%以下が望ましく、10重量%以下がさらに望ましい。
【0057】
本発明の感光体に用いる導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、クロム、ステンレス鋼等の金属類、及び、アルミニウム、チタニウム、ニッケル、クロム、ステンレス、金、バナジウム、酸化錫、酸化インジウム、ITO等で薄く被覆したプラスチックフィルム等、及び、導電性付与剤を塗布又は含浸させた紙又はプラスチックフィルム等を挙げることができる。これらの導電性支持体は、ドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状で使用されるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
さらに必要に応じて、導電性支持体の表面は、画質に影響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、表面の酸化処理や薬品処理、着色処理等、又は、砂目立てなどの乱反射処理等を行うことができる。
【0059】
前記導電性支持体と感光層の間に下引層を設けてもよい。この下引層は積層構造からなる感光層の帯電時において導電性支持体から感光層への電荷の注入を阻止するとともに、感光層を導電性支持体に対して一体的に接着保持させるための接着層とし、又は、導電性支持体の光の反射を防止にも有効である。
【0060】
この下引層に用いる結着樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、ニトリセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリグルタミン酸、澱粉、スターチアセテート、アミノ澱粉、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ジルコニウムキレート化合物、チタニルキレート化合物、チタニルアルコキシド化合物、有機チタニル化合物、シランカップリング剤等の公知の材料を用いることができ、これらの材料は単独、又は、2種以上混合して用いることができる。さらに、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、シリコーン樹脂等の微粒子と混合して用いることができる。
【0061】
下引層の厚みは0.01〜10μm、好ましくは0.05〜2μmが適当である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0062】
本発明の積層型感光体における電荷発生層は、電荷発生材料及びバインダー樹脂を含有する。電荷発生材料としては、非晶質セレン、結晶性セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、その他セレン化合物及びセレン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電性材料、フタロシアニン系、スクアリリウム系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アントラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の有機顔料及び染料が用いられる。
【0063】
それらの中でもフタロシアニン系化合物は光感度が高いので特に適しており、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンなどが好適である。
【0064】
特に、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2q±0.2°)が7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つ特定の結晶形を有するクロロガリウムフタロシアニン、及び、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2q±0.2°)が、7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い回折ピークを持つ特定の結晶形を有するヒドロキシガリウムフタロシアニンは、可視光から近赤外光の広い領域の光に対して高い電荷発生効率を有しており、特に好ましいものである。これらのフタロシアニン結晶は以下のようにして合成される。
【0065】
[合成例1]
1,3−ジイミノイソインドリン30部及び三塩化ガリウム9.1部をキノリン230部中に入れ、200℃で3時間反応させた後、生成物を濾別し、アセトン、メタノールで洗浄し、得られた湿ケーキを乾燥することによりクロロガリウムフタロシアニン結晶28部を得た。続いて、得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶3部を自動乳鉢(Lab Mill UT−21型、ヤマト科学社製)で3時間乾式粉砕し、その粉砕物0.5部をガラスビーズ(1mmφ)60部とともに室温下、ベンジルアルコール20部中で24時間ミリング処理した後、ガラスビーズを濾別し、メタノール10部で洗浄し、乾燥することにより、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0066】
[合成例2]
合成例1で得たクロロガリウムフタロシアニン結晶3部を濃硫酸60部に0℃で溶解し、5℃の蒸留水450部中に前記の溶解溶液を滴下し、結晶を再析出させた。その後、蒸留水、希アンモニア水等で洗浄した後乾燥し、2.5部のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。この結晶を自動乳鉢にて5.5時間粉砕した後、0.5部をジメチルホルムアミド15部、ガラスビーズ(1mmφ)30部とともに24時間ミリングした後結晶を分離し、メタノールで洗浄後乾燥することにより、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2q±0.2°)が7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°、28.3°に強い回折ピークを持つヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を得た。
【0067】
本発明の電荷発生層に用いる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、フェノール樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0068】
電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量比)は10:1〜1:10の範囲、好ましくは5:1〜1:5の範囲が適当である。また、本発明で用いる電荷発生層の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。
【0069】
電荷発生層の塗布方法は、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
【0070】
さらに、電荷発生層の形成に際して用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム等の通常の有機溶剤を単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0071】
本発明の積層型感光体における電荷輸送層は、電荷輸送性化合物及びバインダ樹脂を少なくとも含有する。電荷輸送性化合物としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子吸引性物質、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などを挙げることができる。これらの電荷輸送性化合物は単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0072】
前記電荷輸送性化合物の中でも、前記構造式(D)で表わされるベンジジン系化合物、及び、前記構造式(E)で表わされるトリフェニルアミン系化合物は、高い電荷(ホール)輸送能と優れた安定性を有しているため、特に好ましく用いることができる。前記構造式(D)の化合物例を表9に、前記構造式(E)の化合物例を表10〜12に示す。これらは、単独又は2種以上混合して用いることができる。
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
前記電荷輸送性化合物の結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの公知の樹脂を用いることができる。
【0078】
電荷輸送層には、帯電器で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加してもよい。電荷輸送層は最表層ではないので酸化性ガスに直接触れることはないが、これら酸化性ガスが表面保護層を透過して電荷輸送層まで浸入するこがあり、これによる酸化劣化を防止するためのものである。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤又はヒンダードアミン系酸化防止剤が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量は、電荷輸送層の15重量%以下が望ましく、10重量%以下がさらに望ましい。
【0079】
電荷輸送層の形成時に用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等の環状又は直鎖状のエーテル類などの通常の有機溶剤を単独又は2種以上混合して用いることができる。
電荷輸送層の形成方法は、電荷発生層の場合と同様の方法を用いることができる。電荷輸送層の膜厚は5〜50μmの範囲であり、好ましくは10〜40μmの範囲である。
【0080】
積層型感光層を形成する場合は、前記の電荷発生物質とバインダ樹脂を配合して形成される。バインダ樹脂としては、前記電荷発生層及び電荷輸送層に用いるバインダ樹脂と同様のものを用いることができる。単層型感光層中の電荷発生物質の含有量は10〜85重量%の範囲、好ましくは20〜50重量%の範囲が適当である。
【0081】
単層型感光層には、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%の範囲にすることが好ましい。さらに単層型感光層には、必要に応じて電荷輸送層の場合と同様の理由から酸化防止剤を添加してもよい。添加量は15重量%以下、好ましくは10重量%以下がよい。
【0082】
本発明の画像形成装置は、前記の電子写真感光体、及び、感光体を所定の電位に帯電させる帯電手段を少なくとも有し、静電潜像を形成するための露光手段、静電潜像を可視化するための現像手段、感光体上の現像剤を紙等に転写させる転写手段を適宜有するものである。本発明の電子写真感光体は、帯電手段として、スコロトロン帯電等の非接触帯電方式を用いた画像形成装置に用いることができ、優れた光電特性と耐久性、特に耐オゾン性を有している。さらに、帯電手段として帯電ロール等の接触帯電方式を用いた画像形成装置に適用した場合には、接触帯電で顕著に現れる感光体の摩耗に対して非常に強い耐久性を示す。
【0083】
図1には本発明の画像形成装置の一例を示す。帯電手段として帯電ロールによる接触帯電器3、レーザー露光光学系4、磁性一成分トナーを用いた現像器5、転写用コロトロン6、除電用LED10、クリーニングブレード7、定着ロール9を有している。
【0084】
接触帯電を行う導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、又はローラー状等何れでもよいが、特にローラー状部材が好ましい。通常ローラー状部材は外側から抵抗層とそれらを支持する弾性層と芯材から構成される。さらに必要に応じて、抵抗層の外側に保護層を設けることができる。
【0085】
芯材の材質としては導電性を有するもので、一般には鉄、銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等が用いられる。また、その他、導電性粒子等を分散した樹脂成形品等を用いることができる。
【0086】
弾性層の材質としては、導電性又は半導電性を有するもので、一般的にはゴム材に導電性粒子又は半導電性粒子を分散したものを使用することができる。
ゴム材としては、EPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソブチレン、SBR、CR、NBR、シリコンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、SBS、熱可塑性エラストマー、ノルボーネンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレンオキシドゴム等を用いることができる。
【0087】
導電性粒子又は半導電性粒子としては、カーボンブラック、亜鉛、アルミニウム、銅、鉄、ニッケル、クロム、チタニウム等の金属、ZnO−Al2 O3 、SnO2 −Sb2 O3 、In2 O3 −SnO2 、ZnO−TiO2 、MgO−Al2 O3 、FeO−TiO2 、TiO2 、SnO2 、Sb2 O3 、In2 O3 、ZnO、MgO等の金属酸化物が用いることができ、これらの材料は単独又は2種以上混合して用いてもよい。
【0088】
抵抗層及び保護層の材質としては、結着樹脂に導電性粒子又は半導電性粒子を分散してその抵抗を制御したもので、抵抗率としては103 〜1014Ωcmの範囲、好ましくは105 〜1012Ωcmの範囲、さらに好ましくは107 〜1012Ωcmの範囲が適当である。また、その膜厚は0.01〜1000μmの範囲、好ましくは0.1〜500μmの範囲、さらに好ましくは0.5〜100μmの範囲が適当である。
【0089】
抵抗層及び保護層に用いる結着樹脂としては、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、メトキシメチル化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリチオフェン樹脂、PFA、FEP、PET等のポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂等を挙げることができる。導電性粒子又は半導電性粒子としては、弾性層と同様のカーボンブラック、金属、金属酸化物などが用いられる。
【0090】
また、抵抗層及び保護層には、必要に応じてヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の酸化防止剤、クレー、カオリン等の充填剤、シリコーンオイル等の潤滑剤を添加することができる。
これらの層を形成する手段としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等を用いることができる。
【0091】
これらの導電性部材を用いて感光体を帯電させる方法としては、導電性部材に電圧を印加するが、印加電圧は直流電圧に交流電圧を重畳したものが好ましく、直流電圧のみでは均一な帯電を得ることが難しい。
印加電圧は、直流電圧として要求される感光体帯電電位に応じて正又は負の50〜2000Vの範囲が好ましく、特に100〜1500Vの範囲が好ましい。重畳する交流電圧としては、ピーク間電圧が400〜1800Vの範囲、好ましくは800〜1600Vの範囲、さらに好ましくは1200〜1600Vの範囲が好ましい。交流電圧の周波数は50〜20,000Hzの範囲、好ましくは100〜2,000Hzの範囲である。
【0092】
【実施例】
〔実施例1〕
アルミニウムパイプ(外径30mm)上にジルコニウム化合物(マツモト製薬社製、オルガノチックスZC540)10部、シラン化合物(日本ユニカー社製、A1110)1部、イソプロパノール40部、及びブタノール20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃で10分間加熱乾燥し膜厚0.1μmの下引層を形成した。
【0093】
合成例1で得たクロロガリウムフタロシアニン1部を、ポリビニルブチラール(積水化学社製、エスレックBM−S)1部、及び酢酸n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散させた後、得られた塗布液を前記下引き層上にディップコートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0094】
表9記載の例示化合物(D−27)のベンジジン化合物2部、下記の構造式 (F)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39,000)3部をクロロベンゼン20部に溶解して塗布液を調製し、前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布して110℃で40分間加熱を行なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0095】
【化11】
【0096】
表2記載の例示化合物(A−36)2部、表5記載の例示化合物(B−2)5部、シクロヘキサノン10部からなる溶液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布し、150℃で60分間加熱硬化させ、膜厚約4μmの表面保護層を形成した。
【0097】
〔比較例1〕
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を24μmと厚くし、表面保護層を省略したこと以外は実施例1と全く同様にして感光体を作製した。
【0098】
〔比較例2〕
実施例1において、表面保護層の電荷輸送性化合物である例示化合物(A−36)の代わりに、表7記載の例示化合物(H−2)のビスフェノール1部を用いたこと以外は実施例1と全く同様にして感光体を作製した。比較例2の感光体は、表面保護層が三次元架橋構造を有しているが、電荷輸送性化合物は含んでいない。
【0099】
〔比較例3〕
実施例1において、表面保護層のイソシアネート化合物(B−2)の代わりに、イソシアネート基を有する化合物として官能基数が2個の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを1.5部用いた以外は、実施例1と全く同様にして感光体を作製した。
【0100】
〔比較例4〕
実施例1において、表面保護層のイソシアネート化合物(B−2)の代わりに、下記構造式(G)で表わされるヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット変性体(固形分67%)3部を用いた以外は、実施例1と全く同様にして感光体を作製した。
【0101】
【化12】
【0102】
〔実施例2〕
アルミニウムパイプ(外径30mm)上にジルコニウム化合物(マツモト製薬社製、オルガノチックスZC540)10部、シラン化合物(日本ユニカー社製、A1110)1部、イソプロパノール40部、及びブタノール20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃で10分間加熱乾燥し膜厚0.1μmの下引層を形成した。
【0103】
合成例2で得たヒドロキシガリウムフタロシアニン1部を、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂(ユニオンカーバイド社製、ビニライトVMCH)1部、及びクロロベンゼン100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散させた後、得られた塗布液を前記下引き層上にディップコートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0104】
表9記載の例示化合物(D−27)のベンジジン化合物2部、実施例1で用いた構造式(F)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39,000)3部をクロロベンゼン20部に溶解して塗布液を調製し、前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布して110℃で40分間加熱を行なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0105】
表1記載の例示化合物(A−22)2部、表6記載の例示化合物(C−2)5部、シクロヘキサノン10部からなる溶液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布し、150℃で60分間加熱硬化させ、膜厚約4μmの表面保護層を形成した。
【0106】
〔実施例3〕
アルミニウムパイプ(外径30mm)上にジルコニウム化合物(マツモト製薬社製、オルガノチックスZC540)10部、シラン化合物(日本ユニカー社製、A1110)1部、イソプロパノール40部、及びブタノール20部からなる溶液を浸漬コーティング法で塗布し、150℃で10分間加熱乾燥し膜厚0.1μmの下引層を形成した。
【0107】
合成例1で得たクロロガリウムフタロシアニン1部を、ポリビニルブチラール(積水化学社製、エスレックBM−S)1部、及び酢酸n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散させた後、得られた塗布液を前記下引き層上にディップコートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
【0108】
表11記載の例示化合物(E−25)のトリフェニルアミン化合物2部、実施例1で用いた構造式(F)で表される高分子化合物(粘度平均分子量:39,000)3部をクロロベンゼン20部に溶解して塗布液を調製し、前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布して110℃で40分間加熱を行なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0109】
表1記載の例示化合物(A−1)2部、表5記載の例示化合物(B−4)3部、シクロヘキサノン10部からなる溶液を前記電荷輸送層上にスプレー塗布し、150℃で60分間加熱硬化させ、膜厚約4μmの表面保護層を形成した。
【0110】
〔実施例4〕
実施例1において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−2)の代わりに表5記載の例示化合物(B−6)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして感光体を作製した。
【0111】
〔実施例5〕
実施例1において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−2)の代わりに表5記載の例示化合物(B−7)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして感光体を作製した。
【0112】
〔実施例6〕
実施例1において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−2)の代わりに表6記載の例示化合物(C−2)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして感光体を作製した。
【0113】
〔実施例7〕
実施例1において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−2)の代わりに表6記載の例示化合物(C−3)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして感光体を作製した。
【0114】
〔実施例8〕
実施例3において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−4)の代わりに表5記載の例示化合物(B−5)を用いた以外は、実施例3と全く同様にして感光体を作製した。
【0115】
〔実施例9〕
実施例3において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−4)の代わりに表5記載の例示化合物(B−8)を用いた以外は、実施例3と全く同様にして感光体を作製した。
【0116】
〔実施例10〕
実施例3において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−4)の代わりに表5記載の例示化合物(B−9)を用いた以外は、実施例3と全く同様にして感光体を作製した。
【0117】
〔実施例11〕
実施例3において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−4)の代わりに表6記載の例示化合物(C−5)を用いた以外は、実施例3と全く同様にして感光体を作製した。
【0118】
〔実施例12〕
実施例3において、表面保護層のイソシアネート化合物である表5記載の例示化合物(B−4)の代わりに表6記載の例示化合物(C−7)を用いた以外は、実施例3と全く同様にして感光体を作製した。
【0119】
(耐刷試験)
実施例1〜12及び比較例1〜4で得た感光体を、毎分30枚の印字速度(A4横)の画像形成装置(富士ゼロックス社製、Able 1321改造機)に搭載し、耐刷試験を行なった。前記装置は、図1と同様の構成を有する画像形成装置であるが、除電用手段は有していない。また、接触帯電器への印加電圧は、直流電圧−550Vに交流電圧(1kHz、1.8kVpp)を重畳したものを用いた。
【0120】
耐刷試験は、まず初期の画質評価(コピー画像上の欠陥発生状態を目視観察にて評価する)を行なった後、10万枚の連続印刷試験を行ない、試験後の画質評価を再び行なった。連続印刷試験は、富士ゼロックス社製PPC用紙(酸性紙)を用いた。また、渦電流式膜厚測定装置を用いて、連続試験前後の感光層膜厚を測定し、その変化量から感光体の摩耗量を評価した。そして、試験結果は表13に記載した。
【0121】
【表13】
【0122】
実施例1〜12の感光体では、10万枚印刷後の感光体の摩耗量はいずれも小さく、また、初期及び10万枚印刷後の画像評価における印字品質に問題はなかった。
【0123】
比較例1の感光体では、5万枚印刷後の感光体の摩耗量が14.5μmと大きいため、光電特性が変化し、表面電位が十分下がらず、画像濃度の低下が観察された。また、現像剤、転写紙などの接触によるものと思われる筋状の傷が感光体表面に多発し、画像欠陥となって表れた。なお、摩耗量が大きいため、5万枚印刷で試験を終了した。
【0124】
比較例2の感光体では、感光体の摩耗量は0.5μmと小さいものの、1万枚印刷したあたりから画像濃度が低下し、10万枚印刷時にはほとんど画像が得られなかった。これは、表面保護層が電荷輸送性を持たないため、明部電位が上昇し、光電特性が低下したことによる。
【0125】
比較例3の感光体では、10万枚印刷後の感光体の摩耗量が6.5μmと大きく、さらに、感光体表面に筋状の傷が多発し、これが画像欠陥となって表れた。この表面保護層では、官能基数が2個のイソシアネート化合物を用いたので、架橋密度を高くすることができず、接触帯電における交流電圧印加に対する耐久性が十分に向上していなかったものと考えられる。
【0126】
比較例4の感光体では、酸性紙を用いた10万枚印刷後の画像評価において、画像流れが発生してしまっていた。これは、酸性紙に多く含まれるタルク等の紙粉が感光体上に付着し、表面抵抗値が減少したことにより、感光体表面の静電潜像がぼやけたためであると考えられる。
【0127】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用してことにより、電荷輸送性化合物が表面保護層中に結合した状態で三次元架橋構造を形成しているため、電子写真感光体は、良好な光電特性と優れた耐摩耗性、及び、交流電圧印加、放電生成ガスといった外的ストレスに対する高い耐久性を有し、これを用いた電子写真画像形成装置は、多数枚の印刷後にも良好な画質を維持することができるようになった。また、表面保護層の結着樹脂がフッ素原子を含有しているため、タルクなどの紙粉が感光体表面に付着して画質が劣化するのを防止できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する画像形成装置の概念図である。
Claims (9)
- 前記感光層がクロロガリウムフタロシアニン又はヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用感光体。
- 前記感光層が下記構造式(D)及び/又は下記構造式(E)で表される電荷輸送性化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用感光体。
- 導電性支持体上に感光層及び表面保護層を形成する電子写真感光体の製造方法において、前記表面保護層が、請求項1記載の構造式(A)で表される電荷輸送性化合物、及び、フッ素原子を有し、かつ官能基数が3以上のイソシアネート化合物を含有する塗布液を前記感光層上に塗布した後、架橋反応させて前記表面保護層を形成することを特徴とする電子写真用感光体の製造方法。
- 電子写真感光体、帯電手段、露光による静電潜像形成手段、現像手段、及び、転写手段を有する電子写真方式の画像形成装置において、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体を用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 前記帯電手段が接触帯電方式であることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
- 前記帯電手段の印加電圧が交流成分を含むことを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
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