JP2001337477A - 電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

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JP2001337477A
JP2001337477A JP2001079669A JP2001079669A JP2001337477A JP 2001337477 A JP2001337477 A JP 2001337477A JP 2001079669 A JP2001079669 A JP 2001079669A JP 2001079669 A JP2001079669 A JP 2001079669A JP 2001337477 A JP2001337477 A JP 2001337477A
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electrophotographic
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JP2001079669A
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Kazuhisa Shida
和久 志田
Satoru Uchino
哲 内野
Akihiko Itami
明彦 伊丹
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニングブレードトルクを効果的に低減
でき、高温高湿下での画像流れのない良好な特性が得ら
れる電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真
画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)、(2)及び(3)で
表される化合物若しくはこれらの加水分解生成物を硬化
して得られるシロキサン系樹脂層で、電荷輸送性能を有
する構造単位を含有する樹脂層を有する電子写真感光体
において、一般式(1)又は(2)で表される化合物の
モル数の和(M1)と一般式(3)の化合物のモル数
(M2)の比M1/M2が0.01以上1以下の電子写
真感光体。一般式(1) Si(OR1′)4 一般
式(2) R1Si(OR2′)3一般式(3) R1
R2Si(OR3′)2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプ
ロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機感光体の耐久性を向上するた
めにクリーニングブレード等の擦過による摩耗を抑制す
ることが強く求められてきた。そのためのアプローチと
して、感光体の表面に高強度の保護層を設置するなどの
技術が検討されてきた。例えば特開平9−190004
号公報や特開平10−251277号公報には強度的に
優れるシロキサン系樹脂を表面層に用いた感光体が記載
されている。
【0003】しかしながら、シロキサン系樹脂を用いた
表面層は、特に高温高湿下環境でのクリーニングブレー
ドにかかるトルクが大きく、ブレードメクレが起こりや
すい問題があった。
【0004】ブレードメクレを防止するためには表面層
の表面エネルギーを低減させクリーニングブレードとの
摩擦力を低減させることが有効である。例えば特開平1
0−83094号公報には水との接触角が90°以上の
表面エネルギーの小さい表面層を用いる方法が記載され
ている。しかしながらブレードトルクは化学的親和力の
みならず、表面層の粘弾性特性に起因する要素も存在
し、上記公報記載のごとくシラン化合物へのF原子含有
置換基の導入のみでは解決できないことが明らかとなっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、クリ
ーニングブレードトルクを効果的に低減できるととも
に、従来のハードコートで課題とされてきた高温高湿下
での顕著な画像流れの起こらない良好な特性が得られる
電子写真感光体、電子写真画像形成方法、電子写真画像
形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この問題
を解決するために鋭意検討を行った結果、従来のシリコ
ーン系ハードコートで主に用いられてきた三官能のシラ
ン化合物に代わって、二官能のシラン化合物を主成分と
したシロキサン架橋膜と電荷輸送性能を有する構造単位
を併せ持つ樹脂層を感光体表面に用いることにより、ブ
レードトルクを効果的に低減できるとともに、従来のハ
ードコートで課題とされてきた高温高湿下での顕著な画
像流れの起こらない良好な特性が得られることを見いだ
した。
【0007】即ち、本発明の目的は、下記構成の何れか
を採ることにより達成される。 〔1〕 前記一般式(1)、(2)及び(3)で表され
る化合物若しくはこれらの加水分解生成物を硬化して得
られるシロキサン系樹脂層で、且つ電荷輸送性能を有す
る構造単位を含有する樹脂層を有する電子写真感光体に
おいて、一般式(1)又は(2)で表される化合物のモ
ル数の和(M1)と一般式(3)の化合物のモル数(M
2)の比M1/M2が0.01以上1以下であることを
特徴とする電子写真感光体。
【0008】〔2〕 前記樹脂層が体積平均粒径1nm
以上10μm以下の微粒子を含有することを特徴とする
〔1〕記載の電子写真感光体。
【0009】〔3〕 前記樹脂層が該感光体の表面層で
あることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の電子写真
感光体。
【0010】〔4〕 前記シロキサン系樹脂が前記一般
式(4)で表される構造を含むシロキサン系樹脂である
ことを特徴とする〔1〕〜〔3〕の何れか1項記載の電
子写真感光体。
【0011】〔5〕 前記電子写真感光体が円筒状導電
性支持体と感光層の間に中間層を有することを特徴とす
る〔1〕〜〔4〕の何れか1項記載の電子写真感光体。
【0012】〔6〕 前記樹脂層が酸化防止剤を含有す
ることを特徴とする〔1〕〜〔5〕の何れか1項記載の
電子写真感光体。
【0013】〔7〕 電子写真感光体上に、少なくとも
帯電、像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する
電子写真画像形成方法において、該電子写真感光体に
〔1〕〜〔6〕の何れか1項記載の電子写真感光体を用
いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
【0014】〔8〕 電子写真感光体と、少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写
真画像形成装置において、該電子写真感光体に〔1〕〜
〔6〕の何れか1項記載の電子写真感光体を用いること
を特徴とする電子写真画像形成装置。
【0015】
〔9〕 電子写真感光体と少なくとも帯
電、像露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写
真画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが
〔1〕〜〔6〕の何れか1項記載の電子写真感光体と帯
電器、像露光器、現像器、クリーニング器のいずれか1
つとを一体に組み合わせて有しており、該電子写真画像
形成装置に出し入れ自由に設計されていることを特徴と
するプロセスカートリッジ。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において、架橋構造を有す
るシロキサン系樹脂は公知の方法により、即ち、下記の
一般式(1)、(2)及び(3)で表される加水分解性
基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造される。
【0017】一般式(1) Si(OR1′)4 一般式(2) R1Si(OR2′)3 一般式(3) R1R2Si(OR3′)2 式中、R1、R2は炭素数1〜10のアルキル基、フェ
ニル基、アリール基、ビニル基、アミノ基、γ−グリシ
ドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、
n2n+124−を表し、R1、R2は同一であって
もよい。R1′、R2′、R3′は炭素数1以上のアル
キル基を表し、R1′、R2′、R3′は同一であって
も良い。
【0018】又、上記架橋構造を有する樹脂の原料とし
ては上記有機ケイ素化合物を酸性条件下又は塩基性条件
下で加水分解してオリゴマー化或いはポリマー化した加
水分解縮合物を用いることもできる。
【0019】尚、本発明中の架橋構造を有する樹脂と
は、上記シロキサン結合を含有する架橋性樹脂の原料が
塗布液中或いは塗布乾燥工程等において樹脂成分の一部
が架橋(クロスリンク)することにより、硬度の高い樹
脂層を形成する樹脂をいう。
【0020】上記表面層には水酸基或いは加水分解性基
を有するコロイダルシリカを含ませて、架橋構造の一部
にシリカ粒子を取り込んだ表面層としてもよい。
【0021】本発明において、上記した如く、樹脂層中
に例えばコロイダルシリカ、コロイダルチタン等の平均
粒径1nm〜10μm、好ましくは5nm〜5μmの微
粒子を含有すると更に効果的にブレードトルクを低減す
ることができる。
【0022】次に本発明の樹脂層に前記コロイダルシリ
カと併用したり、或いはコロイダルシリカの代わりに用
いることができる有機粒子及び無機粒子としては、以下
のものを挙げることができる。
【0023】上記有機粒子としては、例えばシリコーン
樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニル、
ポリ四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロ
ピレン共重合体、ポリエチレン−三フッ化エチレン共重
合体、ポリ四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル、ステアリン酸金属塩、ポリメチ
ルメタクリレート又はメラミン等を挙げることができ、
体積平均粒径で1nm〜5μmが好ましく、より好まし
くは1nm〜500nmである。又、本発明の樹脂層に
含有する有機粒子の量は、該樹脂層のバインダー樹脂に
対して、好ましくは0.1〜100質量%、より好まし
くは1〜50質量%である。
【0024】上記無機粒子としては金属酸化物として、
例えば酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニウム、
酸化ケイ素(シリカ)、酸化インジウム、酸化ベリリウ
ム、酸化鉛、酸化ビスマス等を挙げることができ、窒化
物として、例えば窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化
ケイ素を挙げることができ、又炭化物としては、例えば
炭化ケイ素、炭化ホウ素等を挙げることができる。又上
記無機粒子は、好ましくはチタンカップリング剤、シラ
ンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、高分
子脂肪酸等の疎水化処理剤により疎水化処理を行っても
よい。
【0025】上記無機粒子の粒径は体積平均粒径で1n
m〜5μmが好ましく、より好ましくは1nm〜500
nmである。又、感光体表面層に含有する上記無機粒子
の量は、該表面層のバインダー樹脂に対して、好ましく
は0.1〜100質量%、より好ましくは1〜50質量
%である。
【0026】尚、上記有機粒子、及び無機粒子の体積平
均粒径はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA
−700」(堀場製作所製)により測定される。
【0027】又前記シロキサン系樹脂の表面層には酸化
防止剤を添加することにより、残留電位上昇や画像ボケ
を効果的に防止することができる。
【0028】又、本発明中の電荷輸送性能の定義として
は、通常のTime−Of−Flight法の電荷輸送
能を検知できる公知の方法にて、電荷輸送に起因する検
出電流が得られるものとして表現することが出来る。電
荷輸送能を有する構造単位とはこの構造単位自体が電子
或いは正孔のドリフト移動度を有する性質を示すもの
(=電荷輸送性能付与基)である。本発明中の架橋構造
を有するシロキサン系樹脂は一般的には電荷輸送物質と
して用いられる化合物(以後電荷輸送性化合物又はCT
Mとも云う)を前記硬化性シロキサン系樹脂中に部分構
造として含有せしめ、前記樹脂に電荷輸送能を付与して
いる。
【0029】例えば正孔輸送型CTMとしては、キサゾ
ール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、
イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミ
ダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラ
ゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベ
ンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベ
ンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベ
ン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニル
ピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造
を有する、あるいは部分構造として含有するものであ
る。
【0030】一方、電子輸送型CTMとしては、無水コ
ハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリ
ット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テト
ラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベン
ゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニ
トロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロ
ルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナ
フトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラ
キノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラ
キノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニト
ロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリ
ル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−
(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフ
ルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フル
オレニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニ
トロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジ
ニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニト
ロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオ
ロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロ
サリチル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を有
する、あるいは部分構造として含有するものである。
【0031】本発明において、好ましい電荷輸送性能付
与基(下記一般式(4)のX)とは、上記の如き通常用
いられる電荷輸送性化合物を含み、該電荷輸送性化合物
を構成する炭素原子を介して或いは上記電荷輸送性化合
物を部分構造として含有する化合物の炭素原子を介し、
下記式中Yの連結原子を介して架橋構造を有するシロキ
サン系樹脂中に含有される。
【0032】一般式(4) −Si−Y−X式中、
Yは隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価以上の
原子である。但し、Yが3価以上の原子の時は上式中の
SiとCと結合している以外のYの結合手は結合が可能
な上記架橋構造を有するシロキサン系樹脂中のいずれか
の構成原子と結合しているか、又は他の原子、分子基と
連結した構造を有する。又、無論Siは2価ではなく通
常4価であるから、Siの上記以外の結合子を持って他
の原子につながっている。
【0033】又、Y原子として、特に酸素原子(O)、
硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。
【0034】電荷輸送性能を有する構造単位(=電荷輸
送性能付与基)Xは上式中では1価の基として図示され
ているが、硬化性シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸
送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合
は硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合
してもよく、単にペンダント基として接合していてもよ
い。
【0035】次に本発明に好ましく用いられる水酸基、
メルカプト基、アミン基を有する電荷輸送性化合物につ
いて説明する。
【0036】水酸基を有する電荷輸送性化合物とは、通
常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有し
ている化合物である。即ち、代表的には硬化性有機ケイ
素化合物と結合して、樹脂層を形成することが出来る下
記一般式で示される電荷輸送性化合物を挙げることがで
きる。電荷輸送性能を有し、且つ水酸基を有している化
合物であればよい。
【0037】X−(R1−OH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基 R1:単結合子、各々置換又は非置換のアルキレン、ア
リーレン基 m:好ましくは1〜5 である。
【0038】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。又、例えばトリアリールアミン系化
合物とは、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン
構造を含み、該基を構成する炭素原子を介して炭素原子
と結合する水酸基を有する化合物である。
【0039】1.トリアリールアミン系化合物
【0040】
【化1】
【0041】2.ヒドラジン系化合物
【0042】
【化2】
【0043】3.スチルベン系化合物
【0044】
【化3】
【0045】4.ベンジジン系化合物
【0046】
【化4】
【0047】5.ブタジエン系化合物
【0048】
【化5】
【0049】6.その他の化合物
【0050】
【化6】
【0051】次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化
合物の具体例を下記に例示する。メルカプト基を有する
電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送
物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。
即ち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、
樹脂層を形成することが出来る下記一般式で示される電
荷輸送性化合物を挙げることができる。電荷輸送性能を
有し、且つメルカプト基を有している化合物であればよ
い。
【0052】X−(R1−SH)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基 R1:単結合子、各々置換又は非置換のアルキレン、ア
リーレン基 m:好ましくは1〜5 である。
【0053】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0054】
【化7】
【0055】更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物
の具体例を下記に例示する。アミノ基を有する電荷輸送
性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、
且つアミノ基を有している化合物である。即ち、代表的
には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成
することが出来る下記一般式で示される電荷輸送性化合
物を挙げることができる。電荷輸送性能を有し、且つア
ミノ基を有している化合物であればよい。
【0056】X−(R1−NR2H)m m≧1 ここにおいて、 X:電荷輸送性能付与基 R1:単結合子、各々置換又は非置換のアルキレン、ア
リーレン基 R2:H、各々置換又は非置換のアルキル基、アリール
基 m:好ましくは1〜5 である。
【0057】その中でも代表的なものを挙げれば下記の
ごときものがある。
【0058】
【化8】
【0059】アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中
で、第一アミン化合物(−NH2)の場合は2個の水素
原子が有機珪素化合物と反応し、シロキサン構造に連結
することもあり得る。
【0060】第2アミン化合物(−NHR)の場合は1
個の水素原子が有機珪素化合物と反応し、残りのRはブ
ランチとして残存する基でも良く、架橋反応を起こす基
でも良く、電荷輸送物質を含む化合物基でもよい。
【0061】本発明中の硬化性のシロキサン系樹脂とは
予め構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリ
ゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結
合を形成させ3次元網目構造を形成することもあり、又
加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合
を促進させモノマー、オリゴマー、ポリマーから3次元
網目構造を形成することもできる。
【0062】又、上記の3次元網目構造を形成させる触
媒としては有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン
酸、炭酸及びチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機ア
ミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチ
ルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナ
スオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチル
チンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチ
ルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート
等)、アルミニウム、亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸
塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0063】本発明中の樹脂層にはヒンダードフェノー
ル、ヒンダードアミン、チオエーテル又はホスファイト
部分構造を持つ酸化防止剤を添加することができ、環境
変動時の電位安定性・画質の向上に効果的である。
【0064】ヒンダードフェノール部分構造を持つ酸化
防止剤としては、例えば特開平1−118137号公報
のP7〜14に記載の化合物が挙げられるがこれに限定
されるものではない。
【0065】ヒンダードアミン部分構造を持つ酸化防止
剤としては、例えば特開平1−118138号公報のP
7〜9に記載の化合物が挙げられるがこれに限定される
ものではない。
【0066】酸化防止剤としては具体的には以下のよう
な化合物、例えば「イルガノックス1076」、「イル
ガノックス1010」、「イルガノックス1098」、
「イルガノックス245」、「イルガノックス133
0」、「イルガノックス3114」、「イルガノックス
1076」「3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
ビフェニル」以上ヒンダードフェノール系、「サノール
LS2626」、「サノールLS765」、「サノール
LS770」、「サノールLS744」、「チヌビン1
44」、「チヌビン622LD」、「マークLA5
7」、「マークLA67」、「マークLA62」、「マ
ークLA68」、「マークLA63」以上ヒンダードア
ミン系、「スミライザーTPS」、「スミライザーTP
−D」以上チオエーテル系、「マーク2112」、「マ
ークPEP8」、「マークPEP24G」、「マークP
EP・36」、「マーク329K」、「マークHP1
0」以上ホスファイト系が挙げられる。特にはヒンダー
ドフェノール、ヒンダードアミン系酸化防止剤が好まし
い。
【0067】酸化防止剤の添加量としては樹脂層組成物
の総質量100部に対し、0.1〜10質量部を用いる
ことが好ましい。
【0068】本発明の電子写真感光体の層構成は、特に
限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発
生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の両方の機能を有
する単層型感光層)等の感光層とその上に本発明の樹脂
層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、上記電荷発
生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層は各層
が複数の層から構成されていてもよい。
【0069】本発明の感光層に含有される電荷発生物質
(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環
キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、
キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム
染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム
染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチ
リル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質(CG
M)は単独で又は適当なバインダー樹脂と共に層形成が
行われる。
【0070】前記感光層に含有される電荷輸送物質(C
TM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリ
ジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベン
ジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、
アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール
誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導
体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジ
ン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビ
ニルアントラセン等が挙げられこれらの電荷輸送物質
(CTM)は通常バインダー樹脂と共に層形成が行われ
る。
【0071】単層構成の感光層、及び積層構成の場合の
電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)に含有さ
れるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹
脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルア
セテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無
水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹
脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール
等が挙げられる。
【0072】本発明に於いて電荷発生層中の電荷発生物
質とバインダー樹脂との割合は質量比で1:5〜5:1
が好ましい。また電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ま
しく、特には0.05〜2μmが好ましい。
【0073】又、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバ
インダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾
燥することによって形成される。電荷輸送物質とバイン
ダー樹脂との混合割合は質量比で3:1〜1:3が好ま
しい。
【0074】電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、特には
10〜40μmが好ましい。また、電荷輸送層が複数設
けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μ
m以下が好ましく、かつ、電荷輸送層の上層の下に設け
られた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0075】本発明のシロキサン系樹脂層は、上記電荷
輸送層を兼ねても良いが、好ましくは、電荷輸送層もし
くは電荷発生層或いは単層型の電荷発生・輸送層等の感
光層の上に、これらとは別層として設けるのがよい。こ
の場合、上記感光層と本発明の樹脂層の間に接着層を設
けるのが更に良い。
【0076】次に本発明の電子写真感光体の導電性支持
体としては、 1)アルミニウム板、ステンレス板などの金属板、 2)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネ
ート若しくは蒸着によって設けたもの、 3)紙或いはプラスチックフィルムなどの支持体上に、
導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性
化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が
挙げられる。
【0077】本発明で用いられる導電性支持体の材料と
しては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、
ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベ
ルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられ
る。中でもコスト及び加工性等に優れたアルミニウムが
好ましく用いられ、通常押出成型または引抜成型された
薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
【0078】支持体の形状は円筒状でもシート状でもベ
ルト状でもよく、適用する電子写真装置に適した形状で
あればよいが、円筒状導電性支持体を用いることが最も
多く、また好ましい。
【0079】本発明で用いられる導電性支持体は、その
表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを
用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム
酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等
の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最
も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場
合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイ
オン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電
圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定される
ものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常2
0μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0080】本発明の感光体の製造に用いられる溶媒又
は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミ
ン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパ
ン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、
メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、
メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限
定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いら
れる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合
溶媒として用いることもできる。
【0081】次に本発明の電子写真感光体を製造するた
めの塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、
円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光
層の表面層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させない
ため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又
は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)
塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記
スプレー塗布については例えば特開平3−90250号
公報及び特開平3−269238号公報に詳細に記載さ
れ、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58
−189061号公報に詳細に記載されている。
【0082】本発明の感光体は前記表面層が塗布形成さ
れた後、50℃以上好ましくは、60〜200℃の温度
で加熱乾燥するのが好ましい。この加熱乾燥により、残
存塗布溶媒を少なくすると共に、硬化性樹脂層を十分に
硬化させることができる。
【0083】本発明においては導電性支持体と感光層の
間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けるのが好まし
い。
【0084】中間層用の材料としては、カゼイン、ポリ
ビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アク
リル酸共重合体、ポリビニルブチラール、フェノール樹
脂ポリアミド類(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン
等)、ポリウレタン、ゼラチン及び酸化アルミニウムを
用いた中間層、或いは特開平9−68870号公報の如
く金属アルコキシド、有機金属キレート、シランカップ
リング剤による硬化型中間層等が挙げられる。中間層の
膜厚は、0.1〜10μmが好ましく、特には0.1〜
5μmが好ましい。
【0085】本発明においては、更に、支持体と中間層
との間に支持体の表面欠陥を補うための被覆を施すこと
や、特に画像入力がレーザー光の場合には問題となる干
渉縞の発生を防止することなどを目的とした導電層を設
けることができる。この導電層は、カーボンブラック、
金属粒子又は金属酸化物粒子等の導電性粉体を適当なバ
インダー樹脂中に分散した溶液を塗布乾燥して形成する
ことができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好まし
く、特には10〜30μmが好ましい。
【0086】本発明の電子写真感光体は、複写機、レー
ザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式
プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであ
るが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記
録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用
し得るものである。
【0087】図1は本発明の電子写真感光体を有する画
像形成装置の1例を示す断面図である。
【0088】図1において10は像担持体である感光体
ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、
その上に本発明の樹脂層を塗設した感光体で、接地され
て時計方向に駆動回転される。12はスコロトロンの帯
電器で、感光体ドラム10周面に対し一様な帯電をコロ
ナ放電によって与える。この帯電器12による帯電に先
だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発
光ダイオード等を用いた露光部11による露光を行って
感光体周面の除電をしてもよい。
【0089】感光体への一様帯電ののち像露光器13に
より画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像
露光器13は図示しないレーザーダイオードを露光光源
とする。回転するポリゴンミラー131、fθレンズ等
を経て反射ミラー132により光路を曲げられた光によ
り感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成され
る。
【0090】その静電潜像は次いで現像器14で現像さ
れる。感光体ドラム10周縁にはイエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)、黒色(K)等のトナーとキ
ャリアとから成る現像剤をそれぞれ内蔵した現像器14
が設けられていて、先ず1色目の現像がマグネットを内
蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ141によ
って行われる。現像剤は、例えばフェライトをコアとし
てそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリア
と、ポリエステルを主材料として色に応じた顔料と荷電
制御剤、シリカ、酸化チタン等を加えたトナーとからな
るもので、現像剤は図示していない層形成手段によって
現像スリーブ141上に100〜600μmの層厚に規
制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時
通常は感光体ドラム10と現像スリーブ141の間に直
流及び/又は交流バイアス電圧をかけて現像が行われ
る。
【0091】カラー画像形成に於いては、1色目の顕像
化が終った後2色目の画像形成行程にはいり、再びスコ
ロトロン帯電器12による一様帯電が行われ、2色目の
潜像が像露光器13によって形成される。3色目、4色
目についても2色目と同様の画像形成行程が行われ、感
光体ドラム10周面上には4色の顕像が形成される。
【0092】一方モノクロの電子写真装置では現像器1
4は黒トナー1種で構成され、1回の現像で画像を形成
することができる。
【0093】記録紙Pは画像形成後、転写のタイミング
の整った時点で給紙ローラ17の回転作動により転写域
へと給紙される。
【0094】転写域においては転写のタイミングに同期
して感光体ドラム10の周面に転写ローラ(転写器)1
8が圧接され、給紙された記録紙Pを挟着して多色像が
一括して転写される。
【0095】次いで記録紙Pは転写ローラとほぼ同時に
圧接状態とされた分離ブラシ(分離器)19によって除
電がなされ、感光体ドラム10の周面により分離して定
着装置20に搬送され、熱ローラ201と圧着ローラ2
02の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ロ
ーラ21を介して装置外部に排出される。なお前記の転
写ローラ18及び分離ブラシ19は記録紙Pの通過後感
光体ドラム10の周面より退避離間して次なるトナー像
の形成に備える。
【0096】一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム
10は、クリーニング器22のブレード221の圧接に
より残留トナーを除去・清掃し、再び露光部11による
除電と帯電器12による帯電を受けて次なる画像形成の
プロセスに入る。なお感光体上にカラー画像を重ね合わ
せて形成する場合には、前記のブレード221は感光体
面のクリーニング後直ちに移動して感光体ドラム10の
周面より退避する。
【0097】尚、30は感光体、帯電器、転写器・分離
器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプ
ロセスカートリッジである。
【0098】電子写真画像形成装置としては、上述の感
光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセ
スカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニ
ットを装置本体に対して出し入れ自由に設計しても良
い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、
及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに
一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本
体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールな
どの案内手段を用いて出し入れ自由にした構成としても
良い。
【0099】像露光は、画像形成装置を複写機やプリン
ターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過
光を感光体に照射すること、或いはセンサーで原稿を読
み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走
査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの
駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われ
る。
【0100】尚、ファクシミリのプリンターとして使用
する場合には、像露光器13は受信データをプリントす
るための露光を行うことになる。
【0101】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0102】 感光体1の作製 下引き層 チタンキレート化合物(TC−750 松本製薬社製) 30g シランカップリング剤(KBM−503 信越化学社製) 17g 2−プロパノール 150ml 上記塗布液を用いて直径60mmの円筒形の導電性支持
体上に、膜厚0.5μmとなるよう塗布した。
【0103】 電荷発生層 Y型チタニルフタロシアニン 60g シリコーン変性ブチラール樹脂(X−40−1211 信越化学社製) 700g 2−ブタノン 2000ml を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発
生層塗布液を調製した。この塗布液を前記下引き層の上
に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を
形成した。
【0104】 電荷輸送層 電荷輸送物質(D1) 225g ポリカーボネート(粘度平均分子量30,000) 300g ジクロロメタン 2000ml を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この
塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、表
1記載の膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0105】
【化9】
【0106】 樹脂層 フェニルトリメトキシシラン 15g ジメトキシジメチルシラン 145g 化合物(T−1) 52g 酸化防止剤(サノールLS2626 三共社社製) 2.6g エタノール 280g 4%酢酸 31g トリスアセチルアセトナトアルミニウム 2g を混合し、樹脂層用の塗布液を調製した。この塗布液を
前記電荷輸送層の上に円形量規制型塗布装置により厚さ
3μmの樹脂層を形成し、110℃、1時間の加熱硬化
を行い、架橋構造を有するシロキサン系樹脂層を形成
し、感光体1を作製した。
【0107】感光体2の作製 感光体1の作製において、樹脂層のフェニルトリメトキ
シシランを30gに、ジメトキシジメチルシランを13
0gに、4%酢酸を31.4gに変えた他は感光体1の
作製と同様にして感光体2を作製した。
【0108】感光体3の作製 感光体1の作製において、樹脂層のフェニルトリメトキ
シシランを80gに、ジメトキシジメチルシランを80
gに、4%酢酸を32.7gに変えた他は感光体1の作
製と同様にして感光体3を作製した。
【0109】感光体4の作製 感光体2の作製において、樹脂層にコロイダルシリカ
(メタノールシリカゾル、30%メタノール溶液 日産
化学社製)を100g加えた他は感光体2の作製と同様
にして感光体4を作製した。
【0110】感光体5の作製 感光体2の作製において、樹脂層にジルコニアゾル(N
ZS−30A、30.7%水溶液 日産化学社製)を1
00g加えた他は感光体2の作製と同様にして感光体5
を作製した。
【0111】感光体6の作製 感光体2の作製において、樹脂層にメラミン・ホルムア
ルデヒド縮合物(エポスターS 日本触媒社製)を30
g加えた他は感光体2の作製と同様にして感光体6を作
製した。
【0112】感光体7の作製 感光体4の作製において、樹脂層のフェニルトリメトキ
シシラン30gをトリメトキシメチルシラン40gに変
えた他は感光体4の作製と同様にして感光体7を作製し
た。
【0113】感光体8の作製 感光体4の作製において、樹脂層のフェニルトリメトキ
シシラン30gをトリメトキシプロピルシラン35gに
変えた他は感光体4の作製と同様にして感光体8を作製
した。
【0114】感光体9の作製 感光体2の作製において、樹脂層の酸化防止剤を除いた
他は感光体2の作製と同様にして感光体9を作製した。
【0115】感光体10の作製 感光体1の作製において、樹脂層のフェニルトリメトキ
シシランを155gに、ジメトキシジメチルシランを1
6gに変え、樹脂層の酸化防止剤を除いた他は感光体1
の作製と同様にして感光体10を作製した。
【0116】感光体11の作製 感光体1の作製において、樹脂層のフェニルトリメトキ
シシランを162gに、樹脂層のジメトキシジメチルシ
ラン及び酸化防止剤を除いた他は感光体1の作製と同様
にして感光体11を作製した。
【0117】感光体12の作製 感光体1の作製において、樹脂層のフェニルトリメトキ
シシランを120gに、ジメトキシジメチルシランを3
6gに変え、樹脂層の酸化防止剤を除いた他は感光体1
の作製と同様にして感光体12を作製した。
【0118】画像特性、ドラムの起動トルクの評価 特性評価は本感光体をコニカ社製デジタル複写機Kon
ica7040(レーザ露光、反転現像、爪分離、ブレ
ードクリーニングプロセスを有する)に搭載し、初期帯
電電位を−750Vに設定し、高温高湿環境(30℃、
80%RH)にてA4普通紙20万枚の連続コピー実写
評価を行った。
【0119】画像特性は、画素率が7%の文字画像、人
物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等
分にあるオリジナル画像をA4普通紙での複写を行い、
1000枚毎にハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像
を評価した。
【0120】ドラムの起動トルク及びブレードメクレは
ドラム測定用ドラムカートリッジ(コニカ社製デジタル
複写機Konica7040のカートリッジ利用)に感
光体を装着し、中心軸を通して固定した感光体に対して
クリーニングブレードを当接角10°、食い込み量1.
5mmで当接し、ドラムの起動トルクを測定し、ブレー
ドメクレの状況を調べた。ドラムの起動トルク及びブレ
ードメクレ測定は初期トルクを測定した後、10万コピ
ー毎に測定した。
【0121】ブレードメクレ状況 ◎:20万枚でブレードメクレ発生なし ○:10万枚までブレードメクレ発生なし ×:10万枚未満でブレードメクレ発生 画像特性 ◎:20万枚の1枚も画像不良なし ○:10万枚まで1枚も画像不良なし △:10万枚まで画像不良が1〜4枚以下 ×:10万枚までに画像不良が5枚以上発生
【0122】
【表1】
【0123】表1から明らかなように、本発明内の感光
体1〜9の如く、一般式(1)、(2)で表される化合
物のモル数の和(M1)と一般式(3)の化合物のモル
数(M2)の比M1/M2が0.01以上1以下である
とき、好ましい特性が得られる。
【0124】その中でも特に微粒子を含有しかつ酸化防
止剤を加えると画像評価さらにはブレードトルク低減に
良好な結果が得られるのに対し、本発明外のもの(感光
体10〜12)では、画像不良、さらには高トルクによ
るブレードめくれが発生し、本発明の効果は得られない
ことがわかる。
【0125】
【発明の効果】本発明により、クリーニングブレードト
ルクを効果的に低減できるとともに、従来のハードコー
トで課題とされてきた高温高湿下での顕著な画像流れの
起こらない良好な特性が得られる電子写真感光体、電子
写真画像形成方法、電子写真画像形成装置、及びプロセ
スカートリッジを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を搭載した画像形成装
置の1例を示す断面図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム(又は感光体) 11 発光ダイオード等を用いた露光部 12 帯電器 13 像露光器 14 現像器 17 給紙ローラ 18 転写ローラ(転写器) 19 分離ブラシ(分離器) 20 定着装置 21 排紙ローラ 22 クリーニング器 30 感光体、帯電器、転写器・分離器及びクリーニン
グ器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H068 AA03 AA04 AA41 AA54 BB33 BB44 BB53 BB57 FA07 FA27 FC15

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)、(2)及び(3)で
    表される化合物若しくはこれらの加水分解生成物を硬化
    して得られるシロキサン系樹脂層で、且つ電荷輸送性能
    を有する構造単位を含有する樹脂層を有する電子写真感
    光体において、一般式(1)又は(2)で表される化合
    物のモル数の和(M1)と一般式(3)の化合物のモル
    数(M2)の比M1/M2が0.01以上1以下である
    ことを特徴とする電子写真感光体。 一般式(1) Si(OR1′)4 一般式(2) R1Si(OR2′)3 一般式(3) R1R2Si(OR3′)2 (式中、R1、R2は炭素数1〜10のアルキル基、フ
    ェニル基、アリール基、ビニル基、アミノ基、γ−グリ
    シドキシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル
    基、Cn2n+124−を表し、R1とR2は同一であ
    ってもよい。R1′、R2′、R3′は炭素数1以上の
    アルキル基を表し、R1′、R2′、R3′は同一であ
    っても良い。)
  2. 【請求項2】 前記樹脂層が体積平均粒径1nm以上1
    0μm以下の微粒子を含有することを特徴とする請求項
    1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層が該感光体の表面層であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記シロキサン系樹脂が下記一般式
    (4)で表される構造を含むシロキサン系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の電子写
    真感光体。 一般式(4) Si−Y−X (式中、Xは電荷輸送性能を有する構造単位、Yは隣接
    する結合原子(SiとC)を除いた二価以上の原子又は
    基を表す。)
  5. 【請求項5】 前記電子写真感光体が円筒状導電性支持
    体と感光層の間に中間層を有することを特徴とする請求
    項1〜4の何れか1項記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記樹脂層が酸化防止剤を含有すること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の電子写真
    感光体。
  7. 【請求項7】 電子写真感光体上に、少なくとも帯電、
    像露光、現像、クリーニングを行う工程を有する電子写
    真画像形成方法において、該電子写真感光体に請求項1
    〜6の何れか1項記載の電子写真感光体を用いることを
    特徴とする電子写真画像形成方法。
  8. 【請求項8】 電子写真感光体と、少なくとも帯電、像
    露光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画像
    形成装置において、該電子写真感光体に請求項1〜6の
    何れか1項記載の電子写真感光体を用いることを特徴と
    する電子写真画像形成装置。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体と少なくとも帯電、像露
    光、現像、クリーニングの手段を有する電子写真画像形
    成装置に用いられるプロセスカートリッジが請求項1〜
    6の何れか1項記載の電子写真感光体と帯電器、像露光
    器、現像器、クリーニング器のいずれか1つとを一体に
    組み合わせて有しており、該電子写真画像形成装置に出
    し入れ自由に設計されていることを特徴とするプロセス
    カートリッジ。
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JP2006267467A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体及びその製造方法、並びに、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
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