JP2004126234A - 画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤 - Google Patents

画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】画像グロスを安定させ、長期にわたって安定して良画質のコピー画像を得ることのできる画像形成方法を提供する。
【解決手段】定着体と加圧体とにより形成されるニップ部に、トナー像が担持された転写材を通過させて、トナー像を転写材に加熱接触圧着させる定着工程において、定着体は加圧体以外の接触部材を具備せず、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段を設けることに備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知し、
トナーは重量平均粒径が5〜10μmであり、粒径が4μm以下のトナーのトナー全体に対する個数%が25%以下であり、カーの流動性指数が50〜98であり、カーの噴粒性指数が65〜98であることを特徴とする。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法あるいは静電印刷法などにおいて、電気的潜像の形成及び現像を行う画像形成方法及びこの画像形成方法に使用する画像形成法用トナー、画像形成方法用二成分現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの記録材(転写材)にトナーを転写させた後、熱・圧力により記録材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。転写されず感光体上に残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年、このような複写装置はより小型化、より軽量化、より高速化そしてより高信頼性が厳しく追及されてきている。また、単なる一般に言うオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけでなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリンターあるいはグラフィックデザイン等の高細密画像のコピー用にも使われはじめた。
【0004】
感光体のクリーニング工程については、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラークリーニング等の手段が用いられていた。該手段は力学的に感光体上の転写残トナーを掻き落とすかまたはせき止めて、廃トナー容器へと転写残トナーを捕集するものであった。よって、このような手段を構成する部材が感光体表面に押し当てられることに起因し、問題が生じやすかった。例えば、クリーニング部材を強く押し当てることにより感光体表面が摩耗される。さらに、クリーニング手段を具備するために装置全体が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を目指すときのネックになっていた。また、エコロジーの観点より、廃トナーのでないシステムが待望されている。
【0005】
上述の問題点を解決するために、現像兼クリーニング又は、クリーナーレスと呼ばれた技術を採用した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。該画像形成装置では感光体一回転につき一画像を形成し、転写残留トナーの影響が同一画像に現れないようにしている。また、転写残留トナーを散らし部材により感光体上に散らし、非パターン化することで、一画像につき感光体同一表面が複数回利用される場合でも、画像上で顕在化しにくい技術も提案されている(例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8参照)。これらの技術は確かに装置のコンパクト化に対しては優れた方法であるが、高画質を長期にわたり安定して供する点においては若干の課題を有している。
【0006】
このような、小型化、環境対応化という観点に加え、今まで以上にプリント物あるいは複写物に対し、高速でかつ高画質なものを多数枚安定して出力することへのユーザーの欲求が強まっているのが現状である。そのために最も重要であり技術的に困難な工程の中に定着工程がある。
【0007】
定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は少なくとも加熱させた定着体(ローラーやフィルムあるいはベルト)と加圧体とによる圧着加熱方式である。
【0008】
圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料(シリコーンゴムやフッ素樹脂)で表面を形成した定着体の表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過させることにより定着を行うものである。この方法は、定着体の表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら、上記方法では、定着体表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着、転移し、次の被定着シートを汚すことがある(これを「オフセット現象」という)。
【0009】
定着体表面にトナーが付着しないようにすることは、圧着加熱定着方式の必須条件の一つとされている。
【0010】
これまでに、低温時の定着性と高温時の耐オフセット性を両立すべく、種々のトナーが提案されている。例えば、低温定着性、高温耐オフセット性、耐ブロッキング性を向上させる目的で2種の非線状ポリエステルを含有してなるトナーがある(例えば、特許文献9、特許文献10および特許文献11参照)。しかしながら、低速から高速まで適用できる定着温度領域の広い、耐オフセット性に優れたトナーとしては、後述の画像特性と併せて未だ改良すべき課題を残している。
【0011】
フルカラーの画像形成方法は、色材の3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー又はそれに黒色トナーを加えた4色のトナーを用いて色再現を行うものであり、多色面像を紙上に定着し、且つオーバーヘッドプロジェクターシート(OHT)に定着して、色再現・透過性を満足しなくてはならない。
【0012】
このためトナー層を充分に溶融し、画像表面を平滑にすることが要求され、オフセットを防止する目的で、定着体に例えばシリコーンオイル等のオイルを供給し定着体表面上に均一に被覆する方法が現在の主流となっている。
【0013】
しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑になるという問題点を有しており、小型で安価なシステムを設計する上での阻害因子となっている。さらに、プレゼンテーション用としての必要性が増しているオーバーヘッドプロジェクターを利用するトランスペアレンシーフィルム(OHPフィルム)においては、紙と異なりオイル吸収能力が低いため、定着後のOHPフィルム表面のべたつきが問題となっている。このような背景からオイルレス又はオイルの塗布量の少ない定着が可能なフルカラートナーが強く求められている。
【0014】
さらに、フルカラー画像のグロスに対する市場の要求も変化してきており、従来は高グロスの画像のみが好まれていたのに対し、最近では、自然なしっとりとした質感の中〜低グロスの画像の方が適する場合もあるようになってきている。また、グロスの温度安定性に対しても要求が高まっている。例えば装置を小型化するほど定着器の熱容量は小さくなり、その場合定着させるトナー画像を定着器に通した際に加熱ローラーの温度が低下してしまうため、定着画像の先端と後端部での定着時にかかる熱量に差が生じ、グロスに差が生じてしまう現象が起こりやすい。また小サイズ紙連続プリント直後にそれよりも大きいサイズのプリントをした場合、小サイズ紙の通紙部と非通紙部とで温度差が生じ、同様の現象が起こりやすいという問題がある。特に全面ベタのフルカラー画像の場合、非常に違和感がある。
【0015】
また、定着ローラーを一定温度に制御する方法としてはこれまで、サーミスタ等を定着ローラーに直接接触させて、ローラーの温度をモニターする方法が取られてきた。
【0016】
この方法は低コストで定着温度をコントロールできる方法ではあるものの、次の欠点を有している。ひとつには、定着体上のサーミスタの接触部分にオフセットしたトナーが滞留することで、検出性能が低下し定着設定温度が上昇することで出力画像のグロスが高まり、多数枚の出力の安定性を欠く。また、特に磁性トナー等を使用した場合、滞留したトナーにより定着体表面部が傷ついてしまい、その部分の定着性が低下することで他の部分とのグロス差を生じ、定着画像の品位がその部分のみ異なる。さらには、サーミスタ部に滞留したトナーは、あるタイミングで剥がれ落ち、加圧体まで転移し、出力画像の裏面を汚す所謂裏汚れを発生する。その現象を低減させるために、シリコーンオイル等を含浸させたウエッブ等を当接させることが試みられているが、定着器の小型化・低コスト化に反する。
【0017】
画像欠陥とならないために、定着体の端部に温度検知センサーを当接することも行われているが、この方法では、本来コントロールされるべき画像通紙域の定着温度を正確にモニターすることができないため、例えば多数枚通紙時の出力画像のグロスを安定して供することができないという問題を残す。
【0018】
上述のように、特にフルカラー画像では定着画像の問題を多く抱えている。これら問題以外にも、画像の高画質化・高精細化へのユーザーの欲求に対応するための種々の問題が生じる。
【0019】
高画質化・高精細を達成するためには、ひとつの手法として、トナーの微粒子化での対応が行われている。確かに潜像を忠実に再現させるという意味で、トナーの微粒子化の効果は大きい。しかし、長期にわたり安定した画像を提供するには大きな問題を有する。
【0020】
先ず第一にトナーの小粒径化により、ハーフトーン部の定着性が悪くなる。この現象は特に高速定着において顕著である。これは、ハーフトーン部分のトナーののり量が少なく、被定着シートの凹部に転写されたトナーは、加熱ローラーから与えられる熱量が極めて少なく、さらに定着圧力も、被定着シートの凸部によって抑制される為に悪くなるからである。ハーフトーン部分で被定着シートの凸部に転写されたトナーは、トナー層厚が薄い為に、トナー粒子1個当たりにかかるせん断力はトナー層厚の厚いベタ黒部分に比べ非常に大きいものとなり、オフセット現象が発生したり、低画質のコピー画像となる。
【0021】
また、カブリの問題がある。トナー粒子径を小さくすることにより、トナーの表面積が増え、従って帯電量分布の幅が大きくなり、カブリを生じ易くなる。トナー表面積が増えることにより、トナーの帯電特性がより環境の影響を受け易くなる。さらに、トナー粒子径を小さくすると、荷電制御剤や着色剤の分散状態がトナーの帯電性に大きく影響を及ぼす。この様な小粒径トナーを高速機に適用すると、低湿下では特に帯電過剰となり、カブリや濃度低下を生じることがある。
【0022】
また、上述の小粒径トナーを用いた場合、感光体上の転写残トナーをクリーニングするシステムにおいては、クリーニング不良が発生し易くなる。一方、前述したクリーナーレスシステムでは、カブリトナーによる転写残トナーが増大し、その存在により帯電部位での潜像担持体の帯電を阻害し、更なるカブリの悪化等を引き起こし、高品位な画像を提供できなくなる。
【0023】
高画質化対応及びオゾンを発生させない意味からの環境対応として、感光体の帯電手法として従来のコロナ帯電にかわり、ローラーやキャリアによる接触帯電方式が主流となってきた。画質の面では、コロナ帯電使用の場合、飛散したトナーが帯電ワイヤーを汚染し易く、その汚染部での放電が不十分となり、感光ドラムに所定の電位を付与することができない。そのため、スジ画像という画像欠陥が生じ易い。接触帯電方式の中でも長期にわたり十分に潜像担持体である感光体を帯電させるといった観点から、直流の帯電に交流を重畳し印加する帯電方式が用いられている。
【0024】
上記方式は、長期にわたり高画質化を維持できるものの、交流成分を印加することで、帯電部位に介在したトナーが帯電部材または感光体に強固に付着しやすい。トナーが感光体に付着された場合は所謂トナー融着となり、帯電部材に付着された場合は帯電不良を引き起こし、両者ともを付着部分に応じた画像欠陥となる。
【0025】
以上のように、低コスト・小型・高速マシンを達成しうる定着性、画像品位を長期にわたり充分に満足させる画像形成方法及びそのトナーが未だ提供できていない現状にある。
【0026】
【特許文献1】
米国特許第2,297,691号明細書
【特許文献2】
特公昭42−23910号公報
【特許文献3】
特公昭43−24748号公報
【特許文献4】
特公平5−69427号公報
【特許文献5】
特開昭64−20587号公報
【特許文献6】
特開平2−259784号公報
【特許文献7】
特開平4−50886号公報
【特許文献8】
特開平5−165378号公報
【特許文献9】
特開昭63−225244号公報
【特許文献10】
特開昭63−225245号公報
【特許文献11】
特開昭63−225246号公報、
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、同一プリント物の面内及び多数枚複写した後の画像グロスを安定させることができる画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤を提供することを課題とする。
【0028】
また、本発明は、低速から高速複写機又はプリンタに至るまで、小粒径化してもハーフトーン部分においてすぐれた定着性を示し、かつ、長期にわたって安定して良画質のコピー画像を得ることのできる画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤を提供することを課題とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、画像形成方法の定着工程において特定の温度検知方法を用いるとともに、特定の物性を有するトナーを用いることにより、定着画像のグロスを安定させ、長期にわたって安定して良画質のコピー画像が得られることを見いだし、本発明を完成させた。
【0030】
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0031】
(1)感光体表面を帯電させる帯電工程と、
前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
現像ユニット中のトナーを含む現像剤と、感光体との間の電界の作用により、前記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と、
定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有し、
前記定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知し、
前記トナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、
前記トナーの重量平均粒径D4が5〜10μmであり、且つ粒径が4μm以下のトナーのトナー全体に対する個数%が25%以下であり、
前記トナーのカーの流動性指数が50〜98であり、且つカーの噴粒性指数が65〜98であることを特徴とする画像形成方法。
【0032】
(2)前記非接触型の温度検知手段は、定着体から放出される赤外線を検知する感熱素子と、雰囲気温度を検知する感熱素子とを有することを特徴とする(1)の画像形成方法。
【0033】
(3)前記帯電工程は接触帯電方式により帯電を行う工程であることを特徴とする(1)または(2)の画像形成方法。
【0034】
(4)前記現像工程は、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの画像形成方法。
【0035】
(5)前記各工程が繰り返されることによって画像形成が行われ、前記転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程を経た後に帯電工程が行われ、前記現像工程において前記転写残トナーが回収されることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの画像形成方法。
【0036】
(6)前記トナーの重量平均粒径D4が5.5〜9μmであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかの画像形成方法。
【0037】
(7)前記トナーの粒径が4μm以下のトナーの、トナー全体に対する個数%が15%以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかの画像形成方法。
【0038】
(8)前記トナーのカーの流動性指数が60〜95であり、カーの噴粒性指数が75〜95であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかの画像形成方法。
【0039】
(9)前記トナーの、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が、0.950〜0.999であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかの画像形成方法。
【0040】
(10)前記トナーの、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が、0.960〜0.995であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれかの画像形成方法。
【0041】
(11)前記トナーの、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差が、0.010〜0.040であることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかの画像形成方法。
【0042】
(12)前記トナーの、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差が、0.015〜0.035であることを特徴とする(1)〜(11)のいずれかの画像形成方法。
【0043】
(13)前記離型剤の吸熱ピークの半値幅が15℃以下であることを特徴とする(1)〜(12)のいずれかの画像形成方法。
【0044】
(14)前記離型剤の吸熱ピークの半値幅が7℃以下であることを特徴とする(1)〜(13)のいずれかの画像形成方法。
【0045】
(15)前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が、50〜150℃であることを特徴とする(1)〜(14)のいずれかの画像形成方法。
【0046】
(16)前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が、60〜120℃であることを特徴とする(1)〜(15)のいずれかの画像形成方法。
【0047】
(17)前記無機微粒子がそれぞれ疎水化処理されたシリカ、チタニア、アルミナから選ばれる1種類以上を含有することを特徴とする(1)〜(16)のいずれかの画像形成方法。
【0048】
(18)前記無機微粒子は、前記トナー粒子100質量部に対して0.5〜4.5質量部含有されることを特徴とする(1)〜(17)のいずれかの画像形成方法。
【0049】
(19)前記無機微粒子は、前記トナー粒子100質量部に対して0.8〜3.5質量部含有されることを特徴とする(1)〜(18)のいずれかの画像形成方法。
【0050】
(20)前記トナーは、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーを有するフルカラートナーであることを特徴とする(1)〜(19)のいずれかの画像形成方法。
【0051】
(21)前記感光体をトナー各色毎に個別に有することを特徴とする(20)の画像形成方法。
【0052】
(22)前記現像剤がトナーとキャリアとからなる二成分現像剤であることを特徴とする(1)〜(21)のいずれかの画像形成方法。
【0053】
(23)前記キャリアは、1000/4π[kA/m]における磁化の強さが、30〜60[Am/kg]であることを特徴とする(22)の画像形成方法。
【0054】
(24)前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする(22)または(23)の画像形成方法。
【0055】
(25)前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする(22)〜(24)のいずれかの画像形成方法。
【0056】
(26)前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする(22)〜(25)のいずれかの画像形成方法。
【0057】
(27)前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする(22)〜(26)のいずれかの画像形成方法。
【0058】
(28)前記トナーの重量平均粒径Aと前記キャリアの体積平均粒径Bとが下記式(1)を満足することを特徴とする(22)〜(27)のいずれかの画像形成方法。
【0059】
【数3】
0.1 ≦ A/B ≦ 0.3     (1)
【0060】
(29)前記キャリアは磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする(22)〜(28)のいずれかの画像形成方法。
【0061】
(30)感光体表面に担持された静電潜像を可視化するためのトナーであって、
(I)感光体表面を帯電させる帯電工程と、(II)前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、(III)現像ユニット中のトナーを含む現像剤と、感光体との間の電界の作用により、前記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、(IV)前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに、転写材上に転写する転写工程と、(V)定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有し、前記定着工程において前記定着体は加圧体以外の接触部材を具備せず、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知する画像形成方法に適用され、
前記トナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、
前記トナーの重量平均粒径D4が5〜10μmであり、且つ粒径が4μm以下のトナーのトナー全体に対する個数%が25%以下であり、
前記トナーのカーの流動性指数が50〜98であり、且つカーの噴粒性指数が65〜98であることを特徴とするトナー。
【0062】
(31)前記非接触型の温度検知手段は、定着体から放出される赤外線を検知する感熱素子と、雰囲気温度を検知する感熱素子とを有することを特徴とする(30)のトナー。
【0063】
(32)前記帯電工程は接触帯電方式により帯電を行う工程であることを特徴とする(30)または(31)のトナー。
【0064】
(33)前記現像工程は、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることを特徴とする(30)〜(32)のいずれかのトナー。
【0065】
(34)前記各工程が繰り返されることによって画像形成が行われ、前記転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程を経た後に帯電工程が行われ、前記現像工程において前記転写残トナーが回収されることを特徴とする(30)〜(33)のいずれかのトナー。
【0066】
(35)前記重量平均粒径D4が5.5〜9μmであることを特徴とする(30)〜(34)のいずれかのトナー。
【0067】
(36)前記粒径が4μm以下のトナーの、トナー全体に対する個数%が15%以下であることを特徴とする(30)〜(35)のいずれかのトナー。
【0068】
(37)前記カーの流動性指数が60〜95であり、前記カーの噴粒性指数が75〜95であることを特徴とする(30)〜(36)のいずれかのトナー。
【0069】
(38)フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.950〜0.999であることを特徴とする(30)〜(37)のいずれかのトナー。
【0070】
(39)フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.960〜0.995であることを特徴とする(30)〜(38)のいずれかのトナー。
【0071】
(40)フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度標準偏差が0.010〜0.040であることを特徴とする(30)〜(39)のいずれかのトナー。
【0072】
(41)フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度標準偏差が0.015〜0.035であることを特徴とする(30)〜(40)のいずれかのトナー。
【0073】
(42)前記離型剤の吸熱ピークの半値幅が15℃以下であることを特徴とする(30)〜(41)のいずれかのトナー。
【0074】
(43)前記離型剤の吸熱ピークの半値幅が7℃以下であることを特徴とする(30)〜(42)のいずれか一項に記載のトナー。
【0075】
(44)前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が、50〜150℃であることを特徴とする(30)〜(43)のいずれかのトナー。
【0076】
(45)前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が、60〜120℃であることを特徴とする(30)〜(44)のいずれかのトナー。
【0077】
(46)前記無機微粒子がそれぞれ疎水化処理されたシリカ、チタニア、アルミナから選ばれる1種類以上を含有することを特徴とする(30)〜(45)のいずれかのトナー。
【0078】
(47)前記無機微粒子は、前記トナー粒子100質量部に対して0.5〜4.5質量部含有されることを特徴とする(30)〜(46)のいずれかのトナー。
【0079】
(48)前記無機微粒子は、前記トナー粒子100質量部に対して0.8〜3.5質量部含有されることを特徴とする(30)〜(47)のいずれかのトナー。
【0080】
(49)前記トナーは、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーを有するフルカラートナーであることを特徴とする(30)〜(48)のいずれかのトナー。
【0081】
(50)前記感光体をトナー各色毎に個別に有することを特徴とする(49)のトナー。
【0082】
(51)(30)〜(48)のいずれかのトナーと、キャリアとからなる二成分現像剤。
【0083】
(52)前記キャリアは、1000/4π[kA/m]における磁化の強さが、30〜60[Am/kg]であることを特徴とする(51)の二成分現像剤。
【0084】
(53)前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする(51)または(52)の二成分系現像剤。
【0085】
(54)前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする(51)〜(53)のいずれかの二成分現像剤。
【0086】
(55)前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする(51)〜(54)のいずれかの二成分現像剤。
【0087】
(56)前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする(51)〜(55)のいずれかの二成分現像剤。
【0088】
(57)前記トナーの重量平均粒径Aとキャリアの平均粒径Bとが下記式(1)を満足することを特徴とする(51)〜(56)のいずれかの二成分現像剤。
【0089】
【数4】
0.1 ≦ A/B ≦ 0.3     (1)
【0090】
(58)前記キャリアは磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする(51)〜(56)のいずれかの二成分現像剤。
【0091】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成方法は、感光体表面に担持された静電潜像をトナーによって可視化してトナー像を形成し、このトナー像を転写材に転写して定着させるものである。そして、本発明の画像形成方法は、定着体と加圧体とにより形成されるニップ部に、トナー像が転写された転写材を通過させて、トナー像を転写材に加熱接触圧着させる定着工程を有し、この定着工程において定着体は加圧体以外の接触部材を具備せず、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度を定着体の表面温度として検知することを特徴とする。また、本発明のトナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、重量平均粒径D4が5〜10μmであり、粒径が4μm以下のトナーのトナー全体に対する個数%が25%以下であり、カーの流動性指数が50〜98であり、且つカーの噴粒性指数が65〜98であることを特徴とする。
【0092】
本発明者らは鋭意検討の結果、以下のことを見出した。特開2000−284633号公報に示すように、長期にわたり多数枚出力する際も安定した定着グロスを有する画像を提供すべく、非接触型の定着体温度検知手段を転写紙が通紙する部分、すなわち概ね定着体の長手方向長さをLとした時の、定着体両端からL/6以外の部分に用いることで、実際に定着物が定着される温度を精密に制御できるため、グロスの安定性を達成し得ることを見出した。
【0093】
なお、本発明において、定着体の長手方向とは、定着体の回転方向に沿った長さ(すなわち、通紙方向に直交する方向に沿った長さ)を表す。すなわち、定着体両端からL/6の部分以外が本発明における画像通紙域である。
【0094】
また、長期耐久性に関しても用いるトナーの帯電性を均一化させる構成にすることで、トナー飛散を抑制し、定着体の温度の検知誤差を押さえ込むことに成功した。また、本発明は定着体に接触する部材を加圧体以外に有しないため、定着体の寿命を著しく延ばすことができ、高速高耐久マシンに適合し得る画像形成方法である。また、トナー中に含有される離型剤をコントロールすることにより、定着性と画質を両立させ得た。さらには、トナーの粒度分布、外添剤量をコントロールすることにより、接触帯電系及びクリーナーレスシステムにも適用し得る画像形成方法を達成した。
【0095】
以下に本発明について詳述する。
定着ローラー等の定着体を傷つけずに定着体の温度を非接触で検知するセンサ(非接触型温度検知手段)としては、非接触型のサーミスタが用いられる。接触型のサーミスタをただ単に非接触とした場合、従来のようなサーミスタ接触部に付着したオフセットトナーがはがれ落ちることによる汚れを解決することは出来るが、定着体近傍の温度変化の追従性に関して不十分なものとなる。そのため例えば、連続通紙時に定着体の温度が低下し、画像グロスの低下を招き易い。これは、定着体の長手方向長さをLとした時の、定着体両端からL/6以内の部分に非接触サーミスタを用いた場合も、同様の現象として起こり得る。
【0096】
そこで、本発明においては、温度検知手段は定着体から放出される赤外線を検知する赤外放射温度センサのような、非接触で定着ローラの表面温度を直接測定出来るものが好ましい。しかしながら、赤外放射温度センサはセンサ部の温度により得られる信号値に誤差が生じやすい。これを補正するために上記赤外放射温度センサのセンサ部に接触型のサーミスタや熱電対を隣接させて該センサ部の温度やその近傍の雰囲気温度を検知し、そのサーミスタや熱電対により測定された検知温度を用いて赤外放射温度センサにより得られる信号値の補正を行うことでより正確な温度検知を行うことが好ましい。
【0097】
上記好ましい赤外放射温度センサは、特開平11−223555号公報等に記載のように、フィルム等で赤外線を吸収しその温度を感熱素子で検知するものが挙げられる。しかしながら、このような赤外放射センサを用いた方法では、フィルムがトナーで汚染されると、定着体からの輻射率とトナーからの輻射率の違いから、検知温度に誤差が生じる。そのため、定着画像のグロスが変動するという課題を残す。
【0098】
また、本発明の帯電方式はオゾンレス、装置のコンパクト化及び感光ドラムを十分に帯電させる点から、注入キャリアや帯電ローラーが好ましい形態であり、さらに交流成分を直流成分に重畳することが好ましい。その場合に問題として発生し易い、感光ドラムの融着等の課題を残す。
【0099】
それらの観点から、我々は、長期耐久使用に際してもトナー飛散や感光ドラムへの融着等の諸問題を充分に抑制し得るトナー及び二成分現像剤の改良を行い、本発明に至ったものである。
【0100】
上述したように、本発明のトナーの重量平均粒径は5〜10μmであることを特徴とする。トナーの重量平均粒径は5.5〜9μmであることが好ましく、5.8〜8.7μmであることがより好ましく、6.0〜8.5μmであることがさらに好ましい。トナーの重量平均粒径が5μmより小さいと過剰帯電を引き起こし、カブリや画像濃度の低下といった弊害をもたらす場合がある。逆に、トナーの重量平均粒径が10μmより大きいと、ドラム上の微細な潜像を忠実に再現することが困難となり、現像画像の画質が劣ったものとなりやすい。
【0101】
本発明のトナーの粒度分布は、トナーの帯電を均一にし、飛散を押さえ込むという観点から、粒径が4μm以下のトナーのトナー全体に対する個数%が25個数%以下であることを特徴とする。この値は好ましくは15個数%以下であり、より好ましくは10個%以下である。
【0102】
また、本発明のトナーは粒径が12.7μm以上のトナーのトナー全体に対する割合が3.5体積%以下であることが好ましく、より好ましくは1.5体積%以下であり、さらに好ましくは0.8質量体積%以下である。
【0103】
粒径4μm以下のトナーが25個数%より多いと、感光体上の転写残トナーをクリーニングするシステムにおいては、クリーニング不良を発生し易くなり、クリーナーレスシステムでは、カブリトナーによる転写残トナーが増大し、その存在により帯電部位での潜像担持体の帯電を阻害し、更なるカブリの悪化等を引き起こし、高品位な画像を提供できなくなることがある。
【0104】
一方、粒径12.7μm以上のトナーが3.5体積%より多いと、これら粗めのトナー粒子の帯電性は非常に低くなりがちであり、特に、中間転写体を有する画像形成装置に用いた場合、飛び散りが発生しやすくなる。また、これら粒子の転写性が損なわれ易く、部分的な転写抜けによる画像欠陥を生じ易い。
【0105】
本発明において、トナーの重量平均粒径および粒度分布を上記範囲に調整するには、以下の方法を例示することができる。すなわち、特公平6−19586号公報および特公平6−19587号公報に記載されているように、粉砕法または重合法のいずれの方法により製造されたトナーにおいても、風力分級により微粉及び粗粉を除去することで上記したような範囲にトナーの粒度分布を調整することが可能である。
【0106】
本発明のトナーにおいて、本発明の効果を好適に発現し得るためには、カーの流動性指数が50以上98以下であり、カーの噴粒性指数が65以上98以下であることを特徴とする。カーの流動性指数は好ましくは60以上95以下、より好ましくは65以上95以下であり、カーの噴粒性指数は好ましくは75以上95以下、より好ましくは80以上95以下である。カーの流動性指数が50より小さく、噴粒性指数が65より小さい場合、トナー粒子の十分な帯電がなされず、画質の低下、特に高湿環境下でのハーフトーン画像の再現性が低下することがある。また、かぶりの発生も引き起こしやすい。さらに、このようなトナーを2成分現像剤として使用する場合、現像器内へのトナー補給が不安定となり、トナー濃度の安定化が困難となる。この場合、トナー濃度が下がりすぎると画像濃度の低下を招き、トナー濃度が上がりすぎると、かぶりやトナー飛散を生じやすくなる。
【0107】
カーの流動性指数が98より大きく、噴粒性指数が98より大きいトナーの作製は粒度分布が非常にシャープであり、外添剤を大量に添加しなければならないため、生産コストが上がり好ましくない。さらには、トナーボトルへの充填の際に、トナー漏れを生じ易く生産性の悪化が生じる。
【0108】
上記範囲の流動性指数及び噴粒性指数を有するトナーの調製方法としては、外添剤の添加前のトナー粒子の特性及び外添混合させる外添剤の種類、粒径、添加量、添加条件等を適宜コントロールすることにより調整する方法が挙げられる。
【0109】
本発明のトナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度は、0.950〜0.999であることが好ましく、0.960〜0.995であることがより好ましい。平均円形度が0.950未満の場合には、トナー形状がかなり不定形になるために、連続通紙時のトナー転写効率が悪くなり、感光体上の転写残トナーが多く、クリーナーレスシステムでは転写残トナー増による帯電不良を引き起こす。
【0110】
一方、平均円形度が0.999を超える場合には、製造面において、再現性、収率が著しく悪化し、コストアップにつながるばかりでなく、感光体上のクリーニング性が不十分となる。
【0111】
また、本発明のトナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差は、0.010〜0.040であることが好ましく、0.015〜0.035であることがより好ましい。
【0112】
本発明のトナーの円形度標準偏差が0.040を超える場合には、トナーの形状分布が拡がるために、均一転写が悪化し、クリーナーレスシステムでは転写残トナー増による帯電不良を引き起こす。また、本発明のトナーの円形度標準偏差が0.010未満の場合には製造面において、再現性、収率が著しく悪化し、コストアップにつながるばかりでなく、感光体上のクリーニング性が不十分となる。
【0113】
本発明におけるトナーの平均円形度、円形度の標準偏差の測定方法及び算出方法を以下に示す。フロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出する。
【0114】
【数5】
円相当径 = (粒子投影面積/π)1/2×2
【0115】
【数6】
Figure 2004126234
【0116】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0117】
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0118】
【数7】
Figure 2004126234
【0119】
【数8】
Figure 2004126234
【0120】
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cと円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0121】
【数9】
Figure 2004126234
【0122】
【数10】
Figure 2004126234
【0123】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として5φmmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行って測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
【0124】
トナー粒子の形状測定には、フロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナー粒子の円相当径や円形度頻度分布等を求める。
【0125】
また、本発明の効果を好適に発現させる円形度及び円形度標準偏差をもつトナーの調整するには、懸濁重合法により製造されたトナーを用いるか、粉砕法により製造されたトナーであればターボミル等の機械式粉砕を用い、適宜分級を行って得ることが可能となる。なかでも、生産性や収率等を考慮すると、懸濁重合法により製造されたトナーの方が好ましい。
【0126】
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックス等のポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、ケトンワックス、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物等の誘導体が挙げられ、必要に応じて蒸留などしても構わない。
【0127】
上記各ワックスの中でも、下記一般構造式で表されるエステルワックスが特に好ましい。
【0128】
【化1】
Figure 2004126234
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、且つRとRとの炭素数差が3以上である基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0129】
【化2】
Figure 2004126234
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、Rは炭素数が1〜40の有機基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0130】
【化3】
Figure 2004126234
(式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以下であり、R及びRは炭素数が1〜40の有機基であり、且つRとRとの炭素数差が3以上である基を示し、Rは炭素数が1以上の有機基を示し、kは1〜3の整数を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
【0131】
本発明のトナーに含有される離型剤の吸熱ピークの半値幅は、ASTM D3418−82に準拠して測定される。そして15℃以下であることが好ましく、7℃以下であることがより好ましい。この半値幅が15℃を超える場合には、結晶性が高くないことから、離型剤の硬度も軟らかく、感光体や帯電ローラーへの汚染を促進させてしまう。
【0132】
本発明における離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値はASTM D3418−82に準拠して測定される。上記離型剤は50〜150℃の値を示す化合物であることが好ましく、60〜120℃の値を示す化合物であることがより好ましい。
【0133】
吸熱ピーク値が50℃未満であると離型剤の自己凝集力が弱い為に、トナー粒子の内部又は中心部を構成しづらく、トナー粒子の製造時にトナー粒子表面に離型剤が析出し、感光体や帯電ローラーを汚染しやすい。一方、吸熱ピークが150℃を超えると、定着時に離型剤が浸み出しにくく、低温時の定着性や、トナー現像量が多い2次色(レッド、グリーン、ブルー)の定着性が低下する。更に、直接重合方法によりトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体組成物中への溶解性が低下し、水系媒体中での重合性単量体組成物のトナー粒子径サイズの液滴の造粒中に離型剤が析出して造粒が困難となり好ましくない。
【0134】
そして、上記離型剤が吸熱ピーク値が50〜100℃である化合物がさらに好ましく、特に、DSC曲線の接線離脱温度が40℃以上の離型剤が一層好ましい。
【0135】
なお、ここでいう吸熱ピークの半値幅とは、吸熱ピークにおけるベースラインからピークの高さの2分の1の吸熱チャートの温度幅である。
【0136】
離型剤の吸熱ピーク値の測定に際し、測定試料は、2〜10mgの範囲内で正確に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜160℃の間で、昇温温度10℃/minで、常温常湿下で測定を行う。
【0137】
離型剤の分子量としては、質量平均分子量(Mw)が300〜1,500のものが好ましい。質量平均分子量が300未満になると離型剤のトナー粒子表面への露出が生じ易く、現像性が悪化し、高温高湿環境下でのカブリが悪区なる場合がある。また、帯電ローラーへの汚染も著しくなりやすい。一方、質量平均分子量が1,500を超えると低温定着性が低下し、かつオーバーヘッドプロジェクターシート(OHT)に画像を形成した際の透明性も悪化する。
【0138】
離型剤の質量平均分子量は、特に400〜1,250の範囲のものが好ましい。更に、質量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以下になると、離型剤のDSC吸熱曲線の極大ピークがよりシャープになり、室温時のトナー粒子の機械的強度が向上し、定着時にはシャープな溶融特性を示す、特に優れたトナー物性が得られる。
【0139】
離型剤の分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により次の条件で測定される。
【0140】
(GPC測定条件)
装置  :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム :GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度  :135℃
溶媒  :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速  :1.0ml/min
試料  :0.15%の試料を0.4ml注入
【0141】
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0142】
本発明で用いられる離型剤の針入度はJIS K2235に準拠し測定される。測定温度は25℃とする。上記離型剤の針入度は15度以下、より好ましくは8度以下である。離型剤の進入度が15度を超える場合には、離型剤の吸熱ピーク値の半値幅が10℃を超える場合と同様に、感光体や帯電ローラーへの汚染を促進させてしまう。
【0143】
離型剤は、溶融混練粉砕法によりトナー粒子を生成する場合は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部使用することが好ましく、2〜8質量部使用することがより好ましく、3〜6質量部使用することがさらに好ましい。重合性単量体組成物を使用して、水系媒体中で直接的にトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体100質量部に対して5〜40質量部配合することが好ましく、6〜30質量部配合することがより好ましく、7〜15質量部配合することがさらに好ましい。その結果として、重合性単量体から生成された結着樹脂100質量部当たり離型剤を5〜40質量部トナー粒子に含有されるのが好ましく、6〜30質量部がトナー粒子に含有されるのがより好ましく、7〜15質量部がトナー粒子に含有されるのがさらに好ましい。
【0144】
溶融混練粉砕法による乾式トナー製法に比べ、重合法によるトナー製法においては、極性樹脂によりトナー粒子内部に多量の離型剤を内包化させ易いので、乾式トナー製法と比較して一般に多量の離型剤を用いることが可能となる。従って、定着時のオフセット防止効果には特に有効となる。
【0145】
本発明のトナーは粉砕法または重合法により製造することができる。粉砕法によるトナーの製造方法の概略は以下の通りである。まず、結着樹脂、着色剤、離型剤および必要に応じた他の添加物をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合する。その混合物をニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融、混練して樹脂類を互いに相溶させ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級してトナー粒子を得る。
【0146】
本発明のトナーを粉砕方法で製造する際に用いられるトナーの結着樹脂としては、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は混合して使用される。
【0147】
結着樹脂の主成分としてはスチレンと他のビニルモノマーとの共重合体であるスチレン共重合体が現像性、定着性の点で好ましい。
【0148】
スチレン共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらビニル単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
【0149】
スチレン共重合体はジビニルベンゼン等の架橋剤で架橋されていることがトナーの定着温度領域を広げ、耐オフセット性を向上させる上で好ましい。
【0150】
次に懸濁重合を例示して、重合法によるトナーの製造方法を説明する。重合性単量体、着色剤および離型剤、更に必要に応じた他の添加剤などをホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解または分散させた単量体系を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加する時同時に加えても良いし、水系媒体中に懸濁する直前に混合しても良い。又、造粒直後、重合反応を開始する前に重合性単量体あるいは溶媒に溶解した重合開始剤を加えることも出来る。
【0151】
本発明のトナーを重合法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトンが挙げられる。
【0152】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0153】
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独で或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
【0154】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等のパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0155】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0156】
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0157】
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
【0158】
本発明のトナーに用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。このような黒色着色剤をトナーに含有させることにより、ブラックトナーを得ることができる。
【0159】
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3.7.10.12.13.14.15.17.23.24.60.62.74.75.83.93.94.95.99.100.101.104.108.109.110.111.117.123.128.129.138.139.147.148.150.155.166.168.169.177.179.180.181.183.185.191:1.191.192.193.199等が好適に用いられる。染料系としては、例えば、C.I.solvent Yellow33.56.79.82.93.112.162.163、C.I.disperse Yellow42.64.201.211などが挙げられる。このようなイエロー着色剤をトナーに含有させることにより、イエロートナーを得ることができる。
【0160】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19が特に好ましい。このようなマゼンタ着色剤をトナーに含有させることにより、マゼンタトナーを得ることができる。
【0161】
シアン着色剤としては、フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用される。このようなシアン着色剤をトナーに含有させることにより、シアントナーを得ることができる。
【0162】
上記ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナーおよびシアントナーを組み合わせてフルカラー画像を形成するフルカラートナーを得ることができる。
【0163】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐侯性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から適宜選択される。これら着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0164】
本発明のトナーは、荷電制御剤を併用しても構わない。トナーを負荷電性に制御するものとしては下記物質がある。
【0165】
例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
【0166】
さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
【0167】
トナーを正荷電性に制御するものとしては下記物質がある。
【0168】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0169】
荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0170】
本発明のトナーが重合法により製造されたトナーである場合には、縮合系樹脂が添加されていても良い。
【0171】
本発明で用いられる縮合系樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0172】
また、トナーの結着樹脂として、上記したもの以外にも、トナーに一般的に用いられる樹脂は好適に用いることができる。特にカラートナーとして使用する際は、色の混色性、定着性等を考慮すると、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。ポリエステル以外の樹脂成分を主成分として、ポリエステル樹脂を副成分として用いる場合には、ポリエステル樹脂の酸価を5〜40mgKOH/gとすることが好ましく、6〜30mgKOH/gとすることがより好ましく、7〜15mgKOH/gとすることがさらに好ましい。また、このポリエステル樹脂の酸価は、トナーとしての酸価が5〜30mgKOH/gとなる様に調整することが好ましく、6〜20mgKOH/gとなる様に調整することがより好ましく、7〜13mgKOH/gとなる様に調整することがさらに好ましい。
【0173】
また重合法によるトナーの製造において、ポリエステル樹脂を添加する場合、酸価が30mgKOH/gを超えると、ポリエステル相互間の親和力が強くなるために重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになるため好ましくない。
【0174】
本発明において、トナーの樹脂成分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による分子量分布において、質量平均分子量(Mw)が、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは7,000〜500,000である。また質量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、好ましくは2〜100、より好ましくは3〜50であると、広い定着ラチチュードが得られ、トナー帯電付与部材の如き部材の汚染を抑制できるという点で良い。
【0175】
トナーの樹脂成分の質量平均分子量(Mw)が5,000未満の場合には、高温側の非オフセット領域が狭くなると同時に、トナー帯電付与部材等の部材への汚染が生じやすく、トナーの帯電不良が生じやすい。質量平均分子量(Mw)が1,000,000を超える場合には、定着性が低下してしまう。
【0176】
さらに、トナーの樹脂成分のMw/Mnが2未満の場合には、定着可能温度領域が極端に狭くなり、Mw/Mnが100を超える場合には、フルカラー画像を形成する際のブラックトナーとして用いる場合、画像上の黒色部が沈んだ感じになってしまい、フルカラー画像として違和感が生じるため、好ましくない。
【0177】
また、本発明のトナーは、流動性向上のための無機微粒子を有する。本発明で用いられる無機微粒子としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)カーボンブラック、フッ化カーボンなどが挙げられる。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。特にシリカ、アルミナ、チタニアの微粒子が上記観点から好ましく用いられ、併用することも良好な形態である。
【0178】
本発明におけるトナーに添加される無機微粒子の総添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.5〜4.5質量部が好ましく、0.8〜3.5質量部がより好ましい。無機微粒子の総添加量が0.5質量部未満であるとトナーの流動性が不十分となり、帯電性の低下、トナー飛散を招き本発明の効果を充分に発揮し得ない。
【0179】
逆に4.5質量部以上であると、過剰な流動性の高さから、特に高速マシンに適用する際、現像部からトナー飛散を生じ、画像欠陥となるばかりでなく定着温度検知誤差を生む。また、低温定着性に障害をきたす。
【0180】
上記無機微粒子はBET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m/g以上(より好ましくは30〜400m/g、さらに好ましくは50〜200m/g)の範囲内のものが少量で充分な流動性をトナーに与える観点から好ましい。
【0181】
上記無機微粒子は、疎水性、帯電性、さらには転写性を向上させる目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤を単独或いは併せて用いることによって、処理されていることが好ましい。その処理量は、トナーの帯電性及び流動性をコントロールする点で、無機微粒子に対し5〜40質量部であることが好ましく、7〜30質量部であることがより好ましく、9〜20質量部であることがさらに好ましい。
【0182】
本発明におけるトナーには、帯電安定性、現像性、部材付着抑制、耐久性向上の為、種々の微粉末を添加することが好ましい。
【0183】
本発明で用いられる滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
【0184】
荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)・カーボンブラックなどが挙げられる。研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げられる。
【0185】
他の添加剤としては、例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデン等の滑剤(中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい);酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤(中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい)、ケーキング防止剤;酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付与剤;現像性向上剤が挙げられる。これらの添加剤の添加量としては、トナー100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜8質量部である。
【0186】
本発明において、トナーの体積固有抵抗値は、好ましくは1010〜1016Ω・cm、より好ましくは1012〜1016Ω・cm、さらに好ましくは1013〜1016Ω・cmであることが、長期にわたってトナーの帯電を安定化させる点で好ましく用いられる形態である。
【0187】
トナーの体積固有抵抗値が1010Ω・cm未満の場合には、特に高湿下においてトナーの帯電が低下しやすく、1016Ω・cmを超える場合には、特に低湿下で画像面積比率が2%以下のオリジナル原稿を連続プリントした際、画像濃度が低下しやすくなるため好ましくない。
【0188】
トナー粒子の形状が球形に近いことがよく、具体的にはトナー粒子の形状係数は、SF−1が100〜150、より好ましくは100〜140、さらに好ましくは100〜130の範囲である。また、SF−2が100〜140、より好ましくは、100〜130、さらに好ましくは100〜120の範囲内である。
【0189】
トナーの形状係数SF−1が150を超える場合またはSF−2が140を超える場合には、トナーの転写効率の低下、トナーの再転写の増大、潜像担持体表面の磨耗量の増大が生じ易くなり好ましくない。
【0190】
このSF−1、SF−2は、日立製作所FE−SEM(S−800)を用い、拡大倍率3000倍でトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行い下式より算出し得られた値を定義している。
【0191】
【数11】
SF−1 = {(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×100
SF−2 = {(PERI)2/AREA}×(π/4)×100
(式中、MXLNGはトナー像の絶対最大長を、AREAはトナー像の投影面積を、PERIはトナー像の周長を、それぞれ表す。)
【0192】
このトナーの形状係数SF−1は球形度合いを示し、100から大きくなるにつれて球形から徐々に不定形となる。SF−2は凹凸度合いを示し、100から大きくなるにつれてトナーの表面の凹凸が顕著になる。
【0193】
本発明のトナーを重合法で製造する場合には、得られるトナーの球形度が高くなり、クリーナーレスシステムに適する。また粉砕法の場合は、機械的あるいは熱的、さらには溶剤処理による球形化を施すことで、クリーナーレスシステムに好ましく適用し得るものとなる。
【0194】
本発明のトナーを、キャリアと混合して二成分系現像剤として使用することも、本発明の好ましい形態である。キャリアとしては、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉等の磁性を有する粉体;樹脂中に磁性材料を分散させた粉体;芯材となる粒子の表面を樹脂で処理したものが挙げられる。
【0195】
本発明に用いられるキャリアとしては、磁性材料、又は磁性材料と非磁性材料の混合物からなる芯材粒子を、樹脂及び/またはシラン化合物で被覆した、磁性体分散型樹脂キャリアが好ましい。特に、負帯電性のトナーと混合して用いる場合には、アミノシラン化合物を被覆層中に含有せしめることが好ましい。
【0196】
上述したような微粒径な粒度分布をもつ本発明のトナーは、キャリア粒子の表面を汚染し易い傾向にあるので、これを予防する為にも芯材粒子の表面を樹脂で被覆したキャリアが好ましい。
【0197】
表面を樹脂で被覆したキャリアは、高速機に適用した際の耐久性に於いても利点があり、トナーの電荷を制御するという点でも優れたものである。
【0198】
キャリアの表面を被覆するための被覆樹脂としては、例えばフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーン系化合物を好ましく用いることができる。
【0199】
キャリアの被覆樹脂であるフッ素系樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリトリフルオルクロルエチレン等のハロフルオロポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオルプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオルクロルエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化単量体とのターポリマーの共重合体等のフルオロターポリマーが好ましく用いられる。
【0200】
上記フッ素系樹脂の質量平均分子量は、50,000〜400,000(より好ましくは100,000〜250,000)が好ましい。
【0201】
キャリアの表面を被覆する被覆樹脂としては、該フッ素系樹脂をそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上をブレンドしたものを用いてもよい。更には、これらに非フッ素系の重合体をブレンドして用いてもよい。
【0202】
非フッ素系の重合体としては、以下に挙げる様なモノマーの単重合体或いは共重合体が用いられる。
【0203】
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メチキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシシエチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、メタクリル酸エチルモレホリン、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸エチルモルホリン及びビニルピリジン等の1分子中に1個のビニル基を有するビニル系モノマー;ジビニルベンゼン;グリコールとメタクリル酸あるいはアクリル酸との反応生成物、例えばエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、トリスメタクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリーコルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングレコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、メタクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、ビスフェノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、アクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物等の1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系モノマー;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ3フェニルオキシプロピル等のヒドロキシ基を有するビニル系モノマーを挙げることができる。
【0204】
これらのモノマーは、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等公知の方法で共重合される。これらの共重合体は、質量平均分子量が10,000〜70,000であるものが好ましい。またこの共重合体をメラミンアルデヒド架橋、或いはイソシアネート架橋させてもよい。
【0205】
フッ素系樹脂と他の重合体との質量基準のブレンド比は、20〜80:80〜20が好ましく、特には40〜60:60〜40が好ましい。
【0206】
キャリアの表面を被覆するためのシリコーン系樹脂またはシリコーン系化合物としては、ジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等のポリシロキサンが用いられる。またアルキド変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アクリル変性シリコーンの如き変性シリコーン樹脂も使用可能である。変性の形態としては、ブロック共重合体、グラフト共重合体、くし形グラフト共重合体が挙げられる。
【0207】
芯材粒子表面への被覆樹脂の塗布に際しては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はシリコーン系化合物(固形メチルシリコーンワニス、固形フェニルシリコーンワニス、固形メチルフェニルシリコーンワニス、固形エチルシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス等、シリコーン樹脂)をワニス状にしておいて磁性粒子をその内へ分散させる方法、或いはワニスを磁性粒子に噴霧する方法がとられる。
【0208】
上記被覆樹脂の処理量は、被覆材の成膜性や耐久性の観点から、キャリア芯材に対し0.1〜30質量%(好ましくは0.5〜20質量%)であることが好ましい。
【0209】
上記キャリアの体積平均粒径としては25〜55μm(好ましくは30〜50μm)のものが小粒径トナーとのマッチングにおいて好ましい。キャリアの体積平均粒径が25μm未満では、現像工程において、キャリアがトナーと共に潜像保持体上に転写され易くなり、潜像保持体やクリーニングブレードを傷つけ易くなる。一方、キャリアの体積平均粒径が55μmより大きいと、キャリアのトナー保持能力が低下し、ベタ画像が不均一となり、トナー飛散、かぶり等も発生し易くなる。
【0210】
本発明におけるキャリアの体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いて、フィードエア圧力3bar、吸引圧力0.1barの条件で測定することにより得られる。なお、キャリアの平均粒径とはキャリア粒子の体積基準による50%粒径を示す。
【0211】
本発明の効果を好適に発現させるためにキャリアの体積平均粒径を上記範囲に調整するには、トナーの場合と同様に粉砕、分級工程を経て調整する方法を適用することができる。
【0212】
本発明においては、トナー濃度が3〜12質量%(より好ましくは5〜10質量%)となるように、キャリアとトナーとを混合することが画像濃度、画像特性を良好に満足させる上で好ましい。
【0213】
本発明において、上記キャリアの比抵抗は、1×10〜1×1016Ω・cmであることが好ましく、より好ましくは、1×10〜1×1015Ω・cmである。キャリアの比抵抗が1×10Ω・cm未満であると、感光体表面へのキャリア付着を起こし易く、感光体に傷を生じさせたり、直接紙上に転写されたりして画像欠陥を起こし易くなる。さらに、現像バイアスが、キャリアを介してリークし、感光体ドラム上に描かれた静電潜像を乱してしまうことがある。
【0214】
上記キャリアの比抵抗が1×1016Ω・cmを超えると、エッジ強調のきつい画像が形成され易く、さらに、キャリア表面の電荷がリークしづらくなるため、チャージアップ現象による画像濃度の低下や、新たに補給されたトナーへの帯電付与ができなくなくなることによるカブリ及び飛散などを起こしてしまうことがある。さらに、現像器の内壁等の物質と帯電してしまい、本来与えられるべきトナーの帯電量が不均一になってしまうこともある。その他、静電気的な外添剤付着など、画像欠陥を引き起こしやすい。
【0215】
キャリアの比抵抗の測定は、真空理工(株)社製の粉体用絶縁抵抗測定器を用いて測定する。測定条件は、23℃,相対湿度60%の条件下に24時間以上放置したキャリアを直径20mm(0.283cm)の測定セル中にいれ、120g/cmの荷重電極で挟み、セルの厚みを2mmとし、印加電圧を500Vで測定する。
【0216】
キャリアの比抵抗は、例えばフェライトからなるキャリアの場合、Li等の第3金属の種類または添加量で調整を行うことができ、磁性体分散型キャリアの場合、マグネタイトやヘマタイトの種類または量により調整することが可能である。
【0217】
上記キャリアの磁気特性は、1000/4π(kA/m)における磁化の強さが、30〜60(Am/kg)であるような低磁気力であることが良い。
【0218】
上記キャリアの磁化の強さが60(Am/kg)を超えると、キャリア粒径にも関係するが、現像極での現像スリーブ上に形成される磁気ブラシの密度が減少し、穂長が長くなり、かつ剛直化してしまうためコピー画像上に掃き目ムラが生じやすく、特に多数枚の複写又はプリントによるトナーの耐久劣化が生じやすい。
【0219】
キャリアの磁化の強さが30(Am/kg)未満では、キャリア微粉を除去してもキャリアの磁気力が低下し、キャリア付着が生じやすく、トナー搬送性が低下し易い。
【0220】
キャリアの磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−35を用いて行う。測定条件としては、1000/4π(kA/m)の外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。円筒状のプラスチック容器にキャリア粒子が動かないように十分密になるようにパッキングした状態に作製し、この状態で磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の質量を測定して、磁化の強さ(Am/kg)を求める。
【0221】
キャリアの磁気特性は、キャリアの比抵抗と同様に、例えばフェライトからなるキャリアの場合、Li等の第3金属の種類または添加量で調整を行うことができ、磁性体分散型キャリアの場合、マグネタイトやヘマタイトの種類または量により調整することが可能である。
【0222】
また、上記キャリアの見かけ密度は2.3g/cm以下であることが好ましい。見かけ密度が2.3g/cmより大きいと、現像器内でのトナーへの圧縮が強まり,耐久後半でのトナーの凝集性が大きくなりトナー飛散等の弊害を生じる。
【0223】
本発明におけるキャリアの見かけ密度の測定方法はJIS−Z02504に従って行う。また、キャリアの見かけ密度は、キャリア製造段階における温度や粉砕・分級条件等を適宜変更することにより調整することが可能である。
【0224】
上記キャリアの形状係数SF−1は100〜130であることが好ましい。キャリアのSF−1が130より大きいと、キャリアへのトナー粒子又は無機微粒子による汚染が顕著となり、長期にわたる耐久的な使用における帯電付与性能が低下し、トナー飛散、かぶり等の弊害を生じる。
【0225】
キャリアのSF−1は上述したトナーのSF−1と同様に、日立製作所FE−SEM(S−800)を用い、拡大倍率3000倍でキャリア像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入して解析を行うことにより測定することができる。
また、キャリアのSF−1値を上記範囲に調整するには、上述したキャリアの見かけ密度の調整方法と同様に、キャリア製造段階における温度や粉砕・分級条件等を適宜変更することにより調整することが可能である。
【0226】
トナーの重量平均粒径Aとキャリアの体積平均粒径Bとの比A/Bは0.1〜0.3であることが好ましい。A/Bの値が0.1より小さいと、トナーへの帯電付与性が不十分となり、トナー飛散、かぶり等の弊害を生じることがある。A/Bの値が0.3より大きいと、トナーが過剰に帯電し、チャージアップによるかぶり、濃度低下等を引き起こすことがある。
【0227】
また、キャリアは、上記物性を全て満足させる点からも、磁性体分散型樹脂キャリアであることが好ましい。
【0228】
以下、本発明に係る各種測定方法について説明する。
(1)トナーの重量平均粒径(D4)及びトナーの粒度分布の測定
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンタTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続して測定を行う。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、上記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。これらの値を用いて、質量基準(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)の重量平均粒径(D4)、粒径が4.0μm以下のトナーのトナー全体に対する個数%及び粒径が12.7μm以上のトナーのトナー全体に対する体積%を求める。
【0229】
(2)トナーの樹脂成分による分子量分布測定方法
トナーの樹脂成分の具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いてトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去させる。次に、必要により、トナーに含有されるワックスは溶解するが、樹脂成分は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルムを加え十分洗浄を行う。その後、THF(テトラヒドロフラン)に溶解し、得られた溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したものを測定サンプルとする。ウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し、標準ポリスチレン樹脂の検量線を用いて、該サンプルの分子量分布を測定する。
【0230】
得られた分子量分布から質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出する。
【0231】
(3)樹脂の酸価
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、次によって試験を行う。
【0232】
(A)試薬
(a)溶剤  エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)で、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
【0233】
(b)フェノールフタレイン溶液  フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95 vol%)100mlに溶かす。
【0234】
(c)0.1mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液  水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
【0235】
(B)操作  試料1〜20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
【0236】
(C)計算式  次式によって酸価を算出する。
【0237】
【数12】
Figure 2004126234
【0238】
ここで、
A:酸価(mgKOH/g)
B:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターS:試料(g)
【0239】
(4)樹脂の水酸基価
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作および計算式によって試験を行う。
【0240】
(A)試薬
(a)アセチル化試薬  無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
【0241】
(b)フェノールフタレイン溶液  フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95vol%)100mlに溶かす。
【0242】
(c)N/2水酸化カリウム−エチルアルコール溶液  水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。標定はJIS K 8006によって行う。
【0243】
(B)操作  試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱を受けて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬としてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。
【0244】
(C)計算式  つぎの式によって水酸基価を算出する。
【0245】
【数13】
Figure 2004126234
【0246】
ここで、
A:水酸基価
B:空試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
D:酸価
(5)トナーの、カーの流動性指数及びカーの噴流性指数
カーの流動性指数及び噴流性指数は、パウダーテスターPT−R型(ホソカワミクロン株式会社製)を用い、「改訂 増補 粉体物性図説(粉体工学会 日本粉体工業技術協会編)」151〜155頁に記載の方法に準じて測定されるものであり、具体的には以下のような方法によって求められる。
【0247】
[カーの流動性指数の測定方法]
下記の4項目に関する測定を行い、「改訂 増補 粉体物性図説(粉体工学会日本粉体工業技術協会編)」153頁の表7.3(下記表1に示す)の換算表に基づき、各々の指数を算出する。その合計値を流動性指数とする。
【0248】
A)安息角
B)圧縮度
C)スパチュラ角
D)凝集度
【0249】
【表1】
Figure 2004126234
【0250】
A)安息角測定方法
直径8cmの円板上に漏斗を介してトナーを落下させ、形成された円錐状の堆積層の角度を分度器を用いて直接測定する。その際のトナーの供給は、漏斗の上に目開き608μm(24メッシュ)の篩いを配置し、その上にトナーを乗せ、振動を加え漏斗へ供給する。
【0251】
B)圧縮度測定方法
圧縮度Cは下記式により算出する。
【0252】
【数14】
C=〔(ρP−ρA)/ρP〕×100
【0253】
ここで、ρAは嵩密度であり、直径5.03cm、高さ5.03cmの円筒容器へ目開き608μm(24メッシュ)の篩いを通してトナーを上方から均一に供給し、上面をすり切って秤量することによりρAを得る。
【0254】
ρPはタッピング密度であり、上記ρA測定後円筒状のキャップをはめ、この上縁まで粉体(トナー)を加えてタップ高さ1.8cmのタッピングを180回行う。終了後、キャップを外して容器の上面で粉体をすり切って秤量し、この状態の密度をρPとする。
【0255】
C)スパチュラ角測定方法
22×120mmの金属製のスパチュラを、上下に昇降する受け皿のすぐ上に水平にセットし、その上に目開き658μm(24メッシュ)の篩いを通過させた粉体(トナー)を堆積させる。十分に堆積させた後、受け皿を静かに下げ、その時のスパチュラ上に堆積した粉体の側面の角度を▲1▼とする。次にスパチュラを支持するアーム上に重錐落下による衝撃を一回加えて再び測定した角度を▲2▼とする。上記▲1▼と▲2▼の平均値をスパチュラ角とする。
【0256】
D)凝集度測定方法
測定は3種類の目開きの篩いを目開きの粗い方から上、中、下段に重ね、その上に2gの粉体を設置し、1mmの振幅で振動を加えた後の篩い上の残存量から凝集度を算出する。用いる篩いは嵩密度の値により決定する。
【0257】
嵩密度が0.4g/cm未満の場合には、目開き355μm(40メッシュ)、263μm(60メッシュ)、154μm(100メッシュ)の篩いを使用し、嵩密度が0.4g/cm以上0.9g/cm未満の場合には、目開き263μm(60メッシュ)、154μm(100メッシュ)、77μm(200メッシュ)の篩いを使用し、嵩密度が0.9g/cm以上である場合には、目開き154μm(100メッシュ)、77μm(200メッシュ)、43μm(325メッシュ)の篩いを使用する。
【0258】
その際の振動時間T(sec)は、下記式より決定される。
【0259】
【数15】
T=20+{(1.6−ρW)/0.016}
【0260】
【数16】
ρW=(ρP−ρA)×(C/100)+ρA
【0261】
凝集度は上、中、下段の篩い上の振動後のトナーの残存量w、w、wを測定し、下記式により求める。
【0262】
【数17】
 = w×100×(1/2)
+w×100×(1/2)×(3/5)
+w×100×(1/2)×(1/5)
【0263】
[カーの噴粒性指数測定方法]
下記の4項目に関する測定を行い、「改訂 増補 粉体物性図説(粉体工学会日本粉体工業技術協会編)」153頁の表7.4(下記表2に示す)の換算表に基づき、各々の指数を算出する。その合計値を流動性指数とする。
【0264】
E)流動性
F)崩壊角
G)差角
H)分散度
【0265】
【表2】
Figure 2004126234
【0266】
E)流動性換算方法
流動性は、流動性指数をそのまま、上記表2により求める。
【0267】
F)崩壊角
崩壊角は、安息角を測定した後に、注入安息角ベースを乗せた矩形バットに重錐落下による一定の衝撃を与えて堆積層を崩壊させ、崩壊後の斜面の角度を崩壊角とする。
【0268】
G)差角
安息角と崩壊角との差を差角とする。
【0269】
H)分散度
図10に示すように、内径98mm、長さ344mmのガラス円筒を通して上方から10gの粉体を一度に落下させて時計皿の上にたまった量wを測定して、下記式より求める。
【0270】
【数18】
分散度(%) = (10−w)×100/10
【0271】
本発明のトナーは、キヤノン製複写機及びプリンターの中のIR6000、IR3000等の白黒複写機、LBP720,950等のレーザービームプリンター、これらの二成分改造機、LBP2040、CLC500、700、1000、CP2150やCP660等のフルカラー機を、定着器構成を上記本発明のように加圧体以外の接触部材を持たない構成に変更した画像形成装置に、好ましく用いることができる。
【0272】
本発明の画像形成方法について、さらに詳しく説明する。本発明の画像形成方法は、(I)感光体表面を帯電させる帯電工程と、(II)帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、(III)現像ユニット中のトナーを含む現像剤と、感光体との間の電解の作用により、上記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、(IV)上記トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と、(V)定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、上記転写材を通過させて、トナー像を転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有する。
【0273】
以下、本発明の本発明の画像形成方法の一例を図面を参照しながら以下に説明する。図1は、本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例を示す部分的模式図である。詳細は後述するが、この画像形成装置は、静電潜像を担持する感光体としての感光ドラム1と、この感光ドラム1表面を帯電させる帯電手段2と、帯電された感光ドラム1表面に静電潜像を形成する図示せぬ報書き込み手段と、感光ドラム1表面に形成された静電潜像をトナーにより可視化して、トナー像を形成する現像する現像装置4と、現像装置4により形成されたトナー像を転写材25に転写する転写手段としての転写ブレード27とを有している。
【0274】
本発明のトナーを使用した現像方法として、例えばこの図1に示すような現像手段を用いて現像を行うことができる。本発明においては、現像工程は直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることが好ましい。具体的には、交番電界を印加しつつ、磁気ブラシが潜像担持体である感光体、例えば感光ドラム1に接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光ドラム1の距離(S−D間距離)Bは100〜800μmであることが、キャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。Bが100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になりやすく、画像濃度が低くなり、800μmを超えると磁極S1からの磁力線が広がり磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣ったり、磁性コートキャリアを拘束する力が弱まりキャリア付着が生じやすくなる。
【0275】
交番電界のピーク間の電圧は300〜3000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hz、好ましくは1000〜7000Hzであり、それぞれプロセスにより適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界等種々選択して用いることができる。印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のカブリトナーを良好に回収することができない場合がある。また、5000Vを超える場合には磁気ブラシを介して、潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0276】
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、カブリ取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが350V以下、より好ましくは300V以下が良い。
【0277】
コントラスト電位としては、十分画像濃度が出るように100〜500Vが好ましく用いられる。
【0278】
周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、感光体に接触したトナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与えられずカブリが生じやすくなる。10000Hzを超えると、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0279】
本発明の現像方法で重要なことは、十分な画像濃度を出し、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うために現像スリーブ11上の磁気ブラシの感光ドラム1との接触幅(現像ニップC)を好ましくは3〜8mmにすることである。現像ニップCが3mmより狭いと十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難であり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になる。現像ニップの調整方法としては、現像剤規制部材としての規制ブレード15と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像スリーブ11と感光ドラム1との距離Bを調整することでニップ幅を適宜調整する。
【0280】
本発明の画像形成方法は、特にハーフトーンを重視するような画像の出力において、本発明の現像剤および現像方法を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、トナーを介しての電荷注入の影響がなく、潜像を乱さないためにドット潜像に対して忠実に現像することが可能となる。転写工程においても微粉カットした粒度分布のシャープなトナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部、ベタ部共に高画質を達成できる。
【0281】
さらに初期の高画質化と併せて、上述の二成分系現像剤を用いることで現像器内でのトナーの帯電量変化が小さく、多数枚の複写においても画質低下のない本発明の効果が十分に発揮できる。
【0282】
好ましくは、マゼンタ用、シアン用、イエロー用、ブラック用の現像器を有し、ブラックの現像が最後に行われることにより引き締まった画像を呈することができる。
【0283】
図1を参照しながら、さらに本発明の画像形成方法について説明する。
【0284】
図1において、マグネットローラ21の有する磁力によって、搬送スリーブ22の表面に磁性粒子23よりなる磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを感光ドラム1の表面に接触させて感光ドラム1を帯電する。搬送スリーブ22には、図示されないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されている。
【0285】
帯電された感光ドラム1に、図示されない潜像形成手段としての露光装置によりレーザー光24を照射することにより、デジタルな静電潜像を形成する。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、マグネットローラ12を内包し、図示されないバイアス印加装置によって現像バイアスを印加されている現像スリーブ11に担持された現像剤19中のトナー19aによって現像される。
【0286】
現像装置4は、隔壁17により現像剤室R1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュー13、14が設置されている。撹拌室R2の上方には、補給用トナー18を収容したトナー貯蔵室R3が設置され、貯蔵室R3の下部には補給口20が設けられている。
【0287】
現像剤搬送スクリュー13は回転することによって、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現像スリーブ11の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁17には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられており、スクリュー13によって現像剤室R1の一方に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁17の開口を通って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー14に受け渡される。スクリュー14の回転方向はスクリュー13と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像剤室R1から受け渡された現像剤及びトナー貯蔵室R3から補給されたトナーを撹拌、混合しながら、スクリュー13とは逆方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁17の他方の開口を通って現像剤室R1に送り込む。
【0288】
感光ドラム1上に形成された静電潜像を現像するには、現像剤室R1内の現像剤19がマグネットローラ12の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ11の表面に担持される。現像スリーブ11上に担持された現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない規制ブレード15に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層に規制された後、現像スリーブ11と感光ドラム1とが対向した現像領域に至る。マグネットローラ12の現像領域に対応した部位には、磁極(現像極)N1が位置されており、現像極N1が現像領域に現像磁界を形成し、この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現像剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感光ドラム1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに付着しているトナーおよび現像スリーブ11の表面に付着しているトナーが、感光ドラム1上の静電潜像の領域に転移して付着し、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0289】
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない現像装置4内に戻され、磁極S1、S2間の反撥磁界により現像スリーブ11から剥ぎ取られ、現像剤室R1および撹拌室R2内に落下して回収される。
【0290】
上記の現像工程により現像装置4内の現像剤19のT/C比(トナーとキャリアの混合比、すなわち現像剤中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3から補給用トナー18が現像で消費された量に見あった量で撹拌室R2に補給され、現像剤19のT/Cが所定量に保たれる。現像装置4内の現像剤19のT/C比の検知には、コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサーを使用する。該トナー濃度検知センサーは、図示されないコイルを内部に有している。
【0291】
現像スリーブ11の下方に配置され、現像スリーブ11上の現像剤19の層厚を規制する規制ブレード15は、アルミニウム又はSUS316のような非磁性材料で作製される非磁性ブレードである。その端部と現像スリーブ11面との距離は150〜1000μm、好ましくは250〜900μmである。この距離が150μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためにはこの距離は250μm以上が好ましい。1000μmより大きいと現像スリーブ11上へ塗布される現像剤量が増加し所定の現像剤層厚の規制が行いにくく、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に現像剤の循環、規制ブレード15による現像規制が弱まりトナーのトリボが低下しカブリやすくなる。
【0292】
また、現像されたトナー画像は、搬送されてくる転写材(記録材)25上へ、バイアス印加手段26により転写バイアス印加されている転写手段である転写ブレード27により転写され、転写材上に転写されたトナー画像は、図示されていない定着装置により転写材に定着される。転写工程において、転写材に転写されずに感光ドラム1上に残った転写残トナーは、帯電工程において、帯電状態が調整され、現像時に回収される。
【0293】
また、本発明の画像形成方法は、転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程をさらに有し、この帯電量制御工程を経た後に帯電工程が行われ、現像工程において転写残トナーが回収されるものであることも好ましい。図11はこのような帯電量制御工程を有する画像形成方法が好ましく用いられる画像形成装置の一例を示す模式的断面図である。以下、図11を用いて帯電量制御工程をさらに有する本発明の画像形成方法に関して説明する。
【0294】
この実施形態の画像形成装置は、感光体としての感光ドラム1と、この感光ドラム1表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラー2と、感光ドラム1に静電潜像を形成する情報書き込み手段としてのレーザー系3と、レーザー系3により感光ドラム1表面に形成された静電潜像をトナーにより可視化して、トナー像を形成する現像装置4と、現像装置4により形成されたトナー像を転写材Pに転写する転写手段としての転写ローラー5と、転写材Pに転写されたトナー像を転写材上に定着させる定着手段6と、転写ローラー5によってトナー像の転写材Pへの転写が行われた後に感光ドラム1表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御部材7と、を有する。
【0295】
図11に示すように、帯電ローラー2には電源S1から所定の帯電バイアスが印加され、感光ドラムを帯電させる。この時の帯電バイアスは直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧が良い。その後、レーザー系3により公知の方法で像露光が行われ、静電潜像が形成される。
【0296】
感光ドラム1上に形成された静電潜像は現像装置4によって現像され、トナー像となる。現像装置4において、現像スリーブ4bは、静電潜像が形成された感光ドラム1の表面に近接させて対向配設されている。この感光ドラム1と現像スリーブ4bとの対向部が現像部cである。現像スリーブ4bは、現像部cにおいて感光ドラム1の進行方向とは逆方向に回転駆動されることが好ましい。現像スリーブ4bはマグネットローラ4cを内包しており、このマグネットローラ4cの磁力により、現像スリーブ4bの外周面に、現像容器4a内に収容された二成分現像剤4eの一部が磁気ブラシ層として吸着保持される。現像スリーブ4bに吸着保持された二成分現像剤4eは、該スリーブ4bの回転に伴い回転搬送され、現像剤コーティングブレード4dにより所定の薄層に整層され、現像部cにおいて感光ドラム1の面に接触して感光ドラム面を適度に摺擦する。
【0297】
現像スリーブ4bには電源S2から所定の現像バイアスが印加される。本実施形態において、現像スリーブ4bに印加される現像バイアスは直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧である。これにより、感光ドラム1の潜像が現像剤4e中のトナーにより現像され、トナー像が形成される。形成されたトナー像は、転写ローラー5によって転写部dにて転写材P(あるいは中間転写体等)に転写される。感光ドラム1表面に残留したトナー(転写残トナー)は、以下の帯電量制御工程を経る。
【0298】
感光ドラム1に接触配置された帯電量制御部材7には、電源S4から所定の電圧が印加される。帯電量制御部材7と感光ドラム1との接触部であるブラシ接触部eに、感光ドラム1上の転写残トナーが接触することで正規極性に調整される。負帯電トナーの場合、負の電圧が感光ドラムに印加され、正帯電トナーの場合、正の電圧が感光ドラムに印加される。このような工程を経ることで、クリーナーレスシステムの場合、現像時に転写残トナーが良好に回収されるものとなる。また、図11には明示していないが、本発明において、転写工程と帯電量制御工程の間に、感光ドラムの残存電荷を除去し、ドラムゴーストを改善する目的で、帯電量制御工程で用いられる帯電量制御部材7と同様の部材を用い、帯電工程で印加される反対極性の電位差を感光ドラムに与える工程をさらに有することも有効な手段である。
【0299】
図3は、本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成装置に適用した概略図を示す。
【0300】
フルカラー画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0301】
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
【0302】
第1の画像形成ユニットPaは、静電潜像担持体である感光体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム61aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向へ回転移動される。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、直径16mmのスリーブの表面に形成された磁気ブラシが感光ドラム61aの表面に接触するように配置されている。67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電潜像を形成するためのレーザー光であり、図示されていない露光装置により照射される。63aは、感光体ドラム61a上に担持されている静電潜像を現像してカラートナー画像を形成するための現像手段としての現像装置でありカラートナーを保持している。64aは感光体ドラム61aの表面に形成されたカラートナー画像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されて来る転写材(記録材)の表面に転写するための転写手段としての転写ブレードであり、この転写ブレード64aは、転写材担持体68の裏面に当接して転写バイアスを印加し得るものである。
【0303】
第1画像形成ユニットPaは、一次帯電器62aによって感光体ドラム61aを均一に一次帯電した後、露光装置67aにより感光体に静電潜像を形成し、現像装置63aで静電潜像をカラートナーを用いて現像し、この現像されたトナー画像を第1の転写部(感光ドラム61aと転写材の当接位置)で転写材を担持搬送するベルト状の転写材担持体68の裏面側に当接する転写ブレード64aから転写バイアスを印加することによって転写材の表面に転写する。
【0304】
現像によりトナーが消費され、T/C比が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー85で検知し、消費されたトナー量に応じて補給用トナー65aが補給される。なお、トナー濃度検知センサー85は図示されないコイルを内部に有している。
【0305】
本画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、トナー各色毎に設けられた感光体上に画像を形成し、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行われる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルトの如き搬送手段によって定着器70に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0306】
定着器70は、一対の直径40mmの定着ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72を有し、定着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有している。
【0307】
転写材上に転写された未定着のカラートナー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。
【0308】
図3において、転写材担持体68は、無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、80の駆動ローラによって矢印e方向に移動するものである。79は転写ベルトクリーニング装置であり、81はベルト従動ローラであり、82はベルト除電器である。83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するための一対のレジストローラである。
【0309】
転写手段としては、転写材担持体の裏面側に当接する転写ブレードに代えて、ローラ状の転写ローラの如き転写材担持体の裏面側に当接して、転写バイアスを直接印加可能な接触転写手段を用いることが可能である。
【0310】
さらに、上記の接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。
【0311】
しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることが、より好ましい。
【0312】
次に、図4を参照しながら本発明の他の画像形成方法の一例を説明する。
【0313】
図4は、本発明の画像形成方法を実施可能な画像形成装置の例を示す概略構成図である。
【0314】
この画像形成装置は、フルカラー複写機に構成されている。フルカラー複写機は、図4に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部35、下部にデジタルカラー画像プリンタ部36を有する。
【0315】
画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
【0316】
画像プリンタ部において、静電潜像担持体である感光体としての感光ドラム1は、例えば有機光導電体のような感光体であり、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム1の回りには、前露光ランプ11、一次帯電部材としてのコロナ帯電器2、潜像形成手段としてのレーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる4個の現像器4Y、4C、4M、4K、ドラム上光量検知手段13、転写装置5Aおよびクリーニング器6が配置されている。
【0317】
レーザ露光光学系3において、リーダ部からの画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
【0318】
プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上に潜像を形成する。
【0319】
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂を基体とした負帯電性トナーによる可視像、すなわちトナー像を形成する。現像器4Y、4C、4M、4Kは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、24Kの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム1に接近して、現像を行う。
【0320】
転写装置5Aは、転写ドラム5、転写帯電器5b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよびこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを有している。転写ドラム5は、回転駆動可能に軸支され、その周囲の開口域に記録材(転写材)を担持する記録材担持体である転写シート5fが、円筒状に一体的に調節されている。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムなどが使用される。
【0321】
記録材は、記録材カセット7a、7bまたは7cから記録材搬送系を通って転写ドラム5に搬送され、その転写シート5f上に担持される。転写ドラム5上に担持された記録材は、転写ドラム5の回転にともない感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用により、記録材上に感光ドラム1上のトナー像が転写される。
【0322】
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)について繰り返し、転写ドラム5上の記録材上に4色のトナー像を重ねて転写したカラー画像が得られる。
【0323】
片面の画像形成の場合は、このようにして4色のトナー像を転写された記録材が、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5から分離して加熱定着装置9に送られる。この加熱定着装置9は、内部に加熱手段を有する加熱定着ローラ9aと加圧ローラ9bによって構成されている。加熱部材としてのこの加熱定着ローラ9aと加圧ローラ9bの圧接部を記録材が通過することにより記録材上に担持されているフルカラー画像が記録材に定着される。すなわち、この定着工程によりトナーの混色、発色および記録材への固定が行われて、フルカラーの永久像とされたのちトレイ10に排紙され、1枚のフルカラー複写が終了する。一方、感光ドラム1は、表面の残留トナーをクリーニング器6で清掃して除去された後、再度、画像形成工程に供せられる。
【0324】
本発明の画像形成方法においては、潜像担持体に形成された静電潜像を現像したトナー像を中間転写体を介して記録材に転写することも可能である。
【0325】
すなわち、この画像形成方法は、静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像することによって形成したトナー像を中間転写体に転写する工程及び中間転写体に転写されたトナー像を記録材に転写する工程を有するものである。
【0326】
図5を参照しながら、中間転写体を用いた画像形成方法の一例を具体的に説明する。
【0327】
図5に示す装置システムにおいて、シアン現像器54−1、マゼンタ現像器54−2、イエロー現像器54−3、ブラック現像器54−4に、それぞれシアントナーを有するシアン現像剤、マゼンタトナーを有するマゼンタ現像剤、イエロートナーを有するイエロー現像剤及びブラックトナーを有するブラック現像剤が導入されている。レーザー光等の潜像形成手段53によって潜像保持体としての感光体51上に静電潜像が形成される。磁気ブラシ現像方式、非磁性一成分現像方式又は磁性ジャンピング現像方式等の現像方式によって、感光体51に形成された静電潜像をこれらの現像剤によって現像し、各色トナー像が感光体51に形成される。感光体51は導電性基体51b及び導電性基体51b上に形成されたアモルファスセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、有機光導電体、アモルファスシリコン等の光導電絶縁物質層51aを持つ感光ドラムもしくは感光ベルトである。感光体51は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転する。感光体51としては、アモルファスシリコン感光層又は有機系感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0328】
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でもよく、又は、電荷輸送層と電荷発生層とを成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0329】
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂がクリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0330】
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体51とは非接触タイプの方式と、ローラ等の接触帯電部材を用いる接触タイプの方式があり、いずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図5に示すような接触方式のものが好ましく用いられる。
【0331】
一次帯電部材としての帯電ローラ52は、中心の芯金52bとその外周を形成した導電性弾性層52aとを基本構成とするものである。帯電ローラ52は、感光体51面に押圧力をもって圧接され、感光体51の回転に伴い従動回転する。
【0332】
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が5〜500g/cmで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いたときには、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=50Hz〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±5kVである。
【0333】
この他の接触帯電部材としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電部材は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減するといった効果がある。
【0334】
接触帯電部材としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリル樹脂が適用可能である。
【0335】
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、±0.1〜±5kV)が印加されている中間転写体55に転写される。中間転写体55は、パイプ状の導電性芯金55bと、その外周面に形成した中抵抗の弾性体層55aとからなる。芯金55bは、プラスチックの表面に導電層(例えば導電性メッキ)を設けたものでも良い。
【0336】
中抵抗の弾性体層55aは、シリコーンゴム、テフロンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンの3元共重合体)などの弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素等の導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を10〜1011Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0337】
中間転写体55は、感光体51に対して並行に軸受けさせて感光体51の下面部に接触させて配設してあり、感光体51と同じ周速度で矢印の反時計方向に回転する。
【0338】
感光体51の面に形成担持された第1色のトナー像は、感光体51と中間転写体55とが接する転写ニップ部を通過する過程で、中間転写体55に対する印加転写バイアスで転写ニップ域に形成された電界によって、中間転写体55の外面に対して順次に中間転写されていく。
【0339】
中間転写体55に転写されなかった感光体51上の転写残トナーは、感光体用クリーニング部材58によってクリーニングされ感光体用クリーニング容器59に回収される。
【0340】
転写手段57は中間転写体55に対して並行に軸受けされ、且つ中間転写体55の下面部に接触させて配設されている。この転写手段57は例えば転写ローラ又は転写ベルトであり、中間転写体55と同じ周速度で矢印の時計方向に回転する。転写手段57は直接中間転写体55と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体55と転写手段57との間に接触するように配置されても良い。
【0341】
転写ローラの場合、中心の芯金57bとその外周を形成した導電性弾性層57aとを基本構成とするものである。
【0342】
中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
【0343】
中間転写体及び転写ローラの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ローラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成され、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0344】
転写手段57は中間転写体55と等速度或いは周速度に差をつけて回転させる。転写材56は中間転写体55と転写手段57との間に搬送されると同時に、転写手段57にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって中間転写体55上のトナー像が転写材56の表面側に転写される。
【0345】
転写材56に転写されなかった中間転写体上の転写残トナーは、中間転写体用クリーニング部材60によってクリーニングされ中間転写体用クリーニング容器62に回収される。転写材56に転写されたトナー像は、加熱定着装置61により転写材56に定着される。
【0346】
転写ローラーの材質しては、帯電ローラーと同様のものを用いることができ、好ましい転写プロセス条件としては、ローラーの当接圧が2.94〜490N/m(3〜500g/cm)、より好ましくは19.6〜294N/mであり、直流電圧=±0.2〜±10kVである。
【0347】
当接圧力としての線圧が2.94N/m未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0348】
例えば転写ローラー57の導電性弾性層57bはポリウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエン三元重合体)等の弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化硅素等の導電性付与剤を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を10〜1010Ω・cmの中抵抗に調整した、ソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0349】
接触一成分現像方法としては、非磁性トナーを用いて、例えば図6に示すような現像装置90を用いて現像することが可能である。
【0350】
現像装置90は、磁性又は非磁性のトナーを有する一成分現像剤98(以下単に「現像剤」と表記することもある)を収容する現像容器91、現像容器91に収納されている一成分現像剤98を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体92、現像剤担持体上に現像剤を供給するための供給ローラー95、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード96、現像容器91内の現像剤98を撹拌するための撹拌部材97を有している。
【0351】
現像剤担持体92としては、ローラー基体93上に、発泡シリコーンゴム等の弾性を有するゴム又は樹脂等の弾性部材によって形成された弾性層94を有する弾性ローラーを用いることが好ましい。
【0352】
この弾性ローラー(92)は、潜像保持体である感光体としての感光体ドラム99の表面に圧接して、弾性ローラー表面に塗布されている一成分系現像剤98により感光体ドラム99に形成されている静電潜像を現像する共に、転写後に感光体上に存在する不要な一成分現像剤98を回収する。
【0353】
本発明において、現像剤担持体92は実質的に感光体ドラム99の表面と接触している。これは、現像剤担持体から一成分系現像剤を除いたときに現像剤担持体が感光体と接触しているということを意味する。このとき、現像剤を介して、感光体と現像剤担持体との間に働く電界によってエッジ効果のない画像が得られると同時にクリーニングが行われる。現像剤担持体としての弾性ローラー表面或いは、表面近傍が電位を持ち感光体表面と弾性ローラー表面との間で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラーの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、又は導電性ローラーの表面層に薄層の誘電層を設ける方法も利用できる。さらには、導電性ローラー上に感光体表面と接触する側の面を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体と接触しない側の面に導電層を設けた構成も可能である。
【0354】
この一成分系現像剤を担持する弾性ローラーは、感光体ドラムと同方向に回転しても良いし、逆方向に回転しても良い。その回転が同方向である場合、感光体ドラムの周速に対して、周速比で100%より大きいことが好ましい。100%以下であるとラインの鮮明性が悪いなどの画像品質に問題を生じやすい。周速比が高まれば高まるほど、現像部位に供給される現像剤の量は多く、静電潜像に対し現像剤の脱着頻度が多くなり、不要な部分の現像剤は掻き落とされ、必要な部分には現像剤が付与されるという繰り返しにより、静電潜像に忠実な画像が得られる。さらに好ましくは周速比は100%以上が良い。
【0355】
現像剤層厚規制部材96は、現像剤担持体92の表面に弾性力で圧接するものであれば、弾性ブレードに限られることなく、弾性ローラーを用いることも可能である。
【0356】
弾性ブレード、弾性ローラーとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR等のゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼等の金属弾性体が使用できる。さらに、それらの複合体であっても使用できる。
【0357】
弾性ブレードの場合には、弾性ブレード上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向或いは逆方向にたわみ状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ表面に適度に弾性押圧をもって当接させる。
【0358】
供給ローラー95はポリウレタンフォームの如き発泡材より成っており、現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、一成分系現像剤の供給とともに、現像剤担持体上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。
【0359】
現像領域において、現像剤担持体上の一成分系現像剤によって感光体の静電潜像を現像する際には、現像剤担持体と感光体ドラムとの間に直接及び/又は交流の現像バイアスを印加して現像することが好ましい。
【0360】
次に非接触ジャンピング現像方式について説明する。
【0361】
非接触ジャンピング現像方式としては、非磁性トナーを有する一成分系磁性現像剤を用いる現像方法が挙げられる。
【0362】
ここでは、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤を用いる現像方法を図7に示す概略構成図に基づいて説明する。
【0363】
現像装置170は、非磁性トナーを有する一成分系非磁性現像剤176(以下、単に「現像剤」と表記することもある)を収容する現像容器171、現像容器171に収容されている一成分系非磁性現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体172、現像剤担持体172上に一成分系非磁性現像剤を供給するための供給ローラー173、現像剤担持体172上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174、現像容器171内の一成分系非磁性現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を有している。
【0364】
169は静電潜像保持体としての感光体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリーブであり、アルミニウム或いはステンレスからなる非磁性スリーブである。
【0365】
現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズを吹き付けて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、或いは樹脂でコートしたものが良い。
【0366】
一成分系非磁性現像剤176は現像容器171に貯蔵されており、供給ローラー173によって現像剤担持体172上へ供給される。供給ローラー173はポリウレタンフォームのような発泡材より成っており、現像剤担持体172に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。現像剤担持体172上に供給された一成分系非磁性現像剤176は現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174によって均一且つ薄層に塗布される。
【0367】
弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として0.3〜25kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効である。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、一成分系非磁性現像剤の均一塗布が困難となり、一成分系非磁性現像剤の帯電量分布がブロードとなりカブリや飛散の原因となる。当接圧力が25kg/mを超えると、一成分系非磁性現像剤に大きな圧力がかかり、一成分系非磁性現像剤が劣化するため、一成分系非磁性現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明のトナーを用いた一成分系非磁性現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに、一成分系非磁性現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
【0368】
現像剤層厚規制部材は、弾性ブレード、弾性ローラーを用いることができ、これらは所望の極性に現像剤を帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
【0369】
本発明において、現像剤層厚規制部材の材質としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の有機樹脂層を設けても良い。導電性ゴム、導電性樹脂を使用し、さらに金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカー、無機繊維等のフィラーや荷電制御剤をブレードのゴム中や樹脂中に分散することも、現像剤層厚規制部材により適度の導電性、帯電付与性を与え、一成分系非磁性現像剤を適度に帯電させることができて好ましい。
【0370】
この非磁性一成分現像方法において、弾性ブレード174により現像スリーブ172上に一成分系非磁性現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ172上の一成分系非磁性現像剤層の厚さを現像スリーブと潜像保持体との対抗空隙長βよりも小さくし、この空隙に交番電場を印加することが好ましい。即ち、図7に示すバイアス電源177により、現像スリーブ172と感光体169との間に交番電場又は交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ172上から感光体169への一成分系非磁性現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
【0371】
次に定着工程を説明する。図8は本発明で好ましく用いられる定着装置の一例を示す模式的断面図であり、図9は図8の定着ローラーおよび加圧ローラーを示す斜視図である。
【0372】
定着装置は、定着体としての円筒状の円筒ローラー95と、この定着ローラー95に押圧された加圧体としての加圧ローラー96と、定着ローラー95の表面温度を検知するための非接触型の温度検知手段としての非接触温度検知センサー91とを有する。定着ローラー95は、厚さ2mmの中空のアルミニウムの芯金と、この芯金上に設けられた中間層としてのシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の上に被覆された厚さ20μm程度のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂からなる表層を有している。また、定着ローラー95は、芯金内部に該定着ローラーを加熱するための発熱体としてのハロゲンヒーター97をさらに有している。一方、加圧ローラー96は、ステンレスの芯金と、この芯金上に設けられたシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の上に被覆された厚さ50μm程度のPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)チューブとを有している。非接触温度検知センサー91は、定着ローラー95に対向して配置されており、定着ローラー95から発せられる赤外線量を検知する赤外線吸収フィルムを有している。
【0373】
定着ローラー95に加圧ローラー96が押圧されることにより形成されるニップ部に、転写工程においてトナー像が転写された転写材92が搬送体98によって通過されることにより、トナー99が転写材92に定着される。このとき、定着ローラー95において、転写材の通過する画像通紙域93(図中定着ローラー95の濃色部分)の温度が非接触温度検知センサーによって検出され、検出された温度に対応する電気信号が制御装置100に入力される。この制御装置への入力信号に応じてハロゲンヒーター97への電流のON−OFFが制御され、定着ローラー95の温度が一定温度(本実施形態においては190℃)に制御される。
【0374】
また、本発明のプロセス条件としては、通常の転写紙(105g/m以下)を通紙する場合の定着速度が、白黒機の場合は100〜700mm/s、フルカラー機の場合は100〜400mm/sであることが好ましい。
【0375】
さらに、定着ニップの幅は3〜20mmであることが好ましく、5〜15mmであることがより好ましい。
【0376】
【実施例】
以下、トナーの具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明する。「部」は「質量部」を意味する。
【0377】
〈トナーの製造例1〉
スチレン単量体100部に対して、カーボンブラック[平均一次粒子径31nm]を20部、アゾ系鉄化合物を1.0部、およびジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物を2.0部を組み合わせたものを用意した。これをアトライター(三井鉱山社製)に添加し、1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液1を調製した。
【0378】
一方、イオン交換水710部に、0.1M−NaPO水溶液450部を投入し、60℃に加温した後、クレアミキサー(エムテクニック社製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.0MCaCl水溶液68部を徐々に添加し、リン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
【0379】
次に、
・マスターバッチ分散液1                 123部
・スチレン単量体                      66部
・n−ブチルアクリレート                  34部
・エステルワックス                     25部
(総炭素数:36,半値幅:4℃、DSC吸熱ピーク:70℃)
・飽和ポリエステル樹脂                   10部
(Mw:12000、Mw/Mn:2.0、Tg(ガラス転移温度):70℃、酸価:11.0、水酸基価:23.0)
・不飽和ポリエステル樹脂                 0.5部
(Mw:17000、Mw/Mn:4.5、Tg:54℃、酸価:19.9、水酸基価:7.5)
・ジビニルベンゼン                  0.225部
を60℃に加温し、撹拌して均一に溶解、分散した。これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0380】
そして、前記水系媒体中をpH6に維持し、上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N雰囲気下において、クレアミキサー(エムテクニック社製)にて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、反応容器に移し、水系媒体中をpH6に維持し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃に昇温し、5時間反応させた。さらに、水溶性開始剤を添加して80℃に昇温し5時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウム化合物を溶解させた後、ろ過、水洗、真空下で乾燥させ、多段分割式分級機にて分級して黒色トナー粒子を得た。
【0381】
得られた黒色トナー粒子98.5部に対して、BET法による比表面積が110m/gである疎水性シリカ1.3部をヘンシェルミキサーで外添した後、#400メッシュを具備したターボスクリーナーで粗粒を除去し、黒色非磁性トナーNo.1を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.8μm(粒径4μm以下のトナー:6個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.4体積%)であった。また、流動性指数は75、噴流性指数は85であった。また、トナー円形度は0.982、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
【0382】
〈トナーの製造例2〉
トナーの製造例1において、0.1M−NaPO水溶液の使用量を600部、クレアミキサーの回転数を13000rpmとし、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤(疎水性シリカ)の添加量を1.8質量部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、重量平均粒径3.5μm(4μm以下:62.0個数%、12.7μm以上:0体積%)の黒色トナーNo.2を得た。このトナーの流動性指数は62、噴流性指数は76であった。また、トナー円形度は0.968、トナー円形度標準偏差は0.029であった。
【0383】
〈トナーの製造例3〉
トナーの製造例1において、0.1M−NaPO水溶液の使用量を190部、クレアミキサーの回転数を4300rpmとし、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤(疎水性シリカ)の添加量を0.8質量部とした以外は上記製造1と同様の方法を用いて、重量平均粒径10.6μm(4μm以下:2.7個数%、12.7μm以上:1.4体積%)の黒色トナーNo.3を得た。このトナーの流動性指数は81、噴流性指数は89であった。また、トナー円形度は0.978、トナー円形度標準偏差は0.024であった。
【0384】
〈トナーの製造例4〉
トナーの製造例1において、0.1M−NaPO水溶液の使用量を530部、クレアミキサーの回転数を12000rpmとし、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤である疎水性シリカの添加量を1.5質量部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、重量平均粒径5.2μm(4μm以下:24.0個数%、12.7μm以上:0体積%)の黒色トナーNo.4を得た。このトナーの流動性指数は65、噴流性指数は81であった。また、トナー円形度は0.971、トナー円形度標準偏差は0.027であった。
【0385】
〈トナーの製造例5〉
トナーの製造例1において、0.1M−NaPO水溶液の使用量を280部、クレアミキサーの回転数を5550rpmとし、多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤である疎水性シリカの添加量を0.9質量部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、重量平均粒径9.5μm(4μm以下:3.8個数%、12.7μm以上:1.0体積%)の黒色トナーNo.5を得た。このトナーの流動性指数は77、噴流性指数は87であった。また、トナー円形度は0.983、トナー円形度標準偏差は0.022であった。
【0386】
〈トナーの製造例6〉
トナーの製造例1において、疎水性シリカの添加量を0.3部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて黒色トナーNo.6を得た。この黒色トナーNo.6の流動性指数は45、噴粒性指数は60であった。他のトナー物性は、重量平均粒径7.8μm(4μm以下:6.0個数%、12.7μm以上:0.5体積%)であった。また、トナー円形度は0.988、トナー円形度標準偏差は0.021であった。
【0387】
〈トナーの製造例7〉
トナーの製造例1において、疎水性シリカの添加量を0.6部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて黒色トナーNo.7を得た。この黒色トナーNo.7の流動性指数は55、噴粒性指数は69であった。他のトナー物性は、重量平均粒径7.8μm(4μm以下:6.0個数%、12.7μm以上:0.6体積%)であった。また、トナー円形度は0.986、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
【0388】
Figure 2004126234
これらを4つ口フラスコに仕込み、還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び拡販装置を付し、フラスコ内に窒素を導入しながら縮合重合して、酸価:10.5mgKOH/g、Tg:56℃、Mn:4000、Mw:10500のポリエステル樹脂(A)を得た。
【0389】
上記ポリエステル樹脂(A)100部にカーボンブラック[平均一次粒子径32nm、pH9.1、比表面積64m/g、揮発分0.4%、DBP吸油量41ml/100g、トルエン抽出量0.02%、フルイ残分32ppm、嵩密度400g/リットル]を6部、ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のアルミ化合物を5部、エステルワックス(総炭素数:36)2部、炭酸カリウムを0.03部を、75Eヘンシェルミキサーにより1800RPMで8分間の予備混合を行い、二軸押出し混練機を120℃に設定し溶融混練を行った。冷却後ハンマーミルを用いて、約1〜2mm程度に粗粉際した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で40μm以下の粒径に微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を分級して黒色トナー粒子を得た。
【0390】
得られた黒色トナー粒子98.5部に対して、BET法による比表面積が110m/gである疎水性シリカ1.3質量部をヘンシェルミキサーにて外添した後、#400メッシュを具備したターボスクリーナーで粗粒を除去し、重量平均粒径7.7μm(4μm以下:6.7個数%、12.7μm以上:1.2体積%)の黒色トナーNo.8を得た。このトナーの円形度は0.940、円形度標準偏差は0.045であった。また、流動性指数は71、噴粒性指数は77であった。
【0391】
〈トナーの製造例9〉
トナーの製造例8において、黒色トナー粒子をターボミルT800(ターボ工業(株)製)で機械式粉砕した以外は上記製造例8と同様の方法を用いて、黒色トナーNo.9を得た。このトナーの円形度は0.958、円形度標準偏差は0.038であった。またこのトナーの重量平均粒径7.9μm(4μm以下:6.3個数%、12.7μm以上:1.1体積%)、流動性指数は74、噴粒性指数は84であった。
【0392】
〈トナーの製造例10〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスを半値幅16℃、DSCピーク温度が72℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.10を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.8μm(粒径4μm以下のトナー:6.3個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.5体積%)であった。また、流動性指数は72、噴流性指数は83であった。また、トナー円形度は0.968、トナー円形度標準偏差は0.029であった。
【0393】
〈トナーの製造例11〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスを半値幅9℃、DSCピーク温度が73℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.11を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.7μm(粒径4μm以下のトナー:6.4個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.6体積%)であった。また、流動性指数は74、噴流性指数は84であった。また、トナー円形度は0.978、トナー円形度標準偏差は0.024であった。
【0394】
〈トナーの製造例12〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスを半値幅8℃、DSCピーク温度が49℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.12を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.8μm(粒径4μm以下のトナー:6.3個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.5体積%)であった。また、流動性指数は75、噴流性指数は83であった。また、トナー円形度は0.971、トナー円形度標準偏差は0.027であった。
【0395】
〈トナーの製造例13〉
トナーの製造1において、含有させるエステルワックスを半値幅7℃、DSCピーク温度が58℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.13を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.6μm(粒径4μm以下のトナー:6.5個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.6体積%)であった。また、流動性指数は74、噴流性指数は84であった。また、トナー円形度は0.983、トナー円形度標準偏差は0.022であった。
【0396】
〈トナーの製造例14〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスの代わりに半値幅が11℃、DSCピーク温度が153℃のポリプロピレンワックスに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.14を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.8μm(粒径4μm以下のトナー:12.3個数%、粒径12.7μm以上のトナー:1.6体積%)であった。また、流動性指数は73、噴流性指数は82であった。また、トナー円形度は0.978、トナー円形度標準偏差は0.024であった。
【0397】
〈トナーの製造例15〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスの代わりに半値幅が12℃、DSCピーク温度が124℃のポリプロピレンワックスに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.15を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.8μm(粒径4μm以下のトナー:10.6個数%、粒径12.7μm以上のトナー:1.2体積%)であった。また、流動性指数は71、噴流性指数は80であった。また、トナー円形度は0.977、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
【0398】
〈トナーの製造例16〉
トナーの製造例1において、疎水性シリカの代わりに、添加する無機微粒子を110m/gの疎水性シリカを2質量部、120m/gの疎水性酸化チタンを2質量部、110m/gの疎水性アルミナを0.7質量部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.16を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.4μm(粒径4μm以下のトナー:8.2個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.8体積%)であった。また、流動性指数は82、噴流性指数は92であった。また、トナー円形度は0.977、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
【0399】
〈トナーの製造例17〉
トナーの製造例16において、添加する無機微粒子を110m/gの疎水性シリカを1.5質量部、120m/gの疎水性酸化チタンを1.5質量部、100m/gの疎水性アルミナを0.7質量部に変更した以外は上記製造例16と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.17を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.4μm(粒径4μm以下のトナー:8.9個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.8体積%)であった。また、流動性指数は72、噴流性指数は82であった。また、トナー円形度は0.981、トナー円形度標準偏差は0.024であった。
【0400】
〈トナーの製造例18〉
トナーの製造例1において、疎水性シリカの代わりに、添加する無機微粒子を110m/gの未処理シリカに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.18を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.6μm(粒径4μm以下のトナー:6.2個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.6体積%)であった。また、流動性指数は71、噴流性指数は81であった。また、トナー円形度は0.978、トナー円形度標準偏差は0.024であった。
【0401】
〈トナーの製造例19〉
トナーの製造例1において、マスターバッチ分散液作製の際の着色剤として、カーボンブラックの代わりに、アゾ系イエロー顔料であるC.I. Pigment yellow 93を15質量部用いた以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性イエロートナーNo.19を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.2μm(粒径4μm以下のトナー:10.3個数%、粒径12.7μm以上のトナー:1.3体積%)であった。また、流動性指数は77、噴流性指数は88であった。また、トナー円形度は0.977、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
【0402】
〈トナーの製造例20〉
トナーの製造例1において、マスターバッチ分散液作製の際の着色剤として、カーボンブラックの代わりに、キナクリドン系マゼンタ顔料であるC.I. Pigment Red 122を16質量部用いた以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性マゼンタトナーNo.20を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.1μm(粒径4μm以下のトナー:9.7個数%、粒径12.7μm以上のトナー:1.1体積%)であった。また、流動性指数は77、噴流性指数は89であった。また、トナー円形度は0.981、トナー円形度標準偏差は0.024であった。
【0403】
〈トナーの製造例21〉
トナーの製造例1において、マスターバッチ分散液作製の際の着色剤として、カーボンブラックの代わりに、フタロシアニン系シアン顔料であるC.I. Pigment Blue 15:3を12質量部用いた以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性シアントナーNo.21を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.1μm(粒径4μm以下のトナー:9.8個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.7体積%)であった。また、流動性指数は76、噴流性指数は87であった。また、トナー円形度は0.982、トナー円形度標準偏差は0.026であった。
【0404】
〈トナーの製造例22〉
トナーの製造例1において、外添剤である疎水性シリカの量を0.7質量部に変更し、さらに120m/gのイソブチルトリメトキシシランで疎水化処理された酸化チタンを0.7質量部添加した以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.22を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.7μm(粒径4μm以下のトナー:6.2個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.6体積%)であった。また、流動性指数は74、噴流性指数は84であった。また、トナー円形度は0.981、トナー円形度標準偏差は0.022であった。
【0405】
〈トナーの製造例23〉
トナーの製造例4において、外添剤として疎水性シリカの量を1質量部に変更し、さらに120m/gのイソブチルトリメトキシシランで疎水化処理された酸化チタンを1質量部添加した以外は、上記製造例4と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.23を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径5.2μm(粒径4μm以下のトナー:24.0個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0体積%)であった。また、流動性指数は65、噴流性指数は81であった。また、トナー円形度は0.971、トナー円形度標準偏差は0.027であった。
【0406】
〈トナーの製造例24〉
トナーの製造例5において、外添剤として疎水性シリカの量を0.5質量部に変更し、さらに120m/gのイソブチルトリメトキシシランで疎水化処理された酸化チタンを0.5質量部添加した以外は、上記製造例5と同様の方法を用いて、黒色非磁性トナーNo.24を得た。このトナーの粒度分布を測定したところ、重量平均粒径9.5μm(粒径4μm以下のトナー:3.8個数%、粒径12.7μm以上のトナー:1.9体積%)であった。また、流動性指数は77、噴流性指数は87であった。また、トナー円形度は0.983、トナー円形度標準偏差は0.022であった。
【0407】
〈トナーの製造例25〜27〉
トナーの製造例19、20または21において、外添剤である疎水性シリカの量を0.7質量部に変更し、さらに120m/gのイソブチルトリメトキシシランで疎水化処理された酸化チタンを0.7質量部添加した以外は同様にし、マゼンタトナー26、シアントナー27、イエロートナー25を得た。
【0408】
マゼンタトナー26の粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.1μm(粒径4μm以下のトナー:9.7個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.7体積%)であった。また、流動性指数は77、噴流性指数は89であった。また、トナー円形度は0.982、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
【0409】
シアントナー27の粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.1μm(粒径4μm以下のトナー:9.8個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.7体積%)であった。また、流動性指数は76、噴流性指数は87であった。また、トナー円形度は0.982、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
【0410】
イエロートナー25の粒度分布を測定したところ、重量平均粒径7.2μm(粒径4μm以下のトナー:10.3個数%、粒径12.7μm以上のトナー:0.7体積%)であった。また、流動性指数は77、噴流性指数は88であった。また、トナー円形度は0.982、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
得られた各トナー1〜27の処方を表3に、物性を表4に示す。
【0411】
【表3】
Figure 2004126234
【0412】
【表4】
Figure 2004126234
【0413】
次に、用いるキャリアの製造例を示す。
〈磁性キャリアの製造例1〉
MnO:10mol%、MgO:39mol%、Fe:50mol%及びSnO:1mol%を用い、これを湿式ボールミルで6時間粉砕、混合し、乾燥させた後、860℃で1.5時間保持し、仮焼成を行った。これを湿式ボールミルで10時間粉砕し、粒径を3μm以下とした。この仮焼成物を含むスラリーに分散剤及びバインダーを適量添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、造粒物を得た。
【0414】
この造粒物を大気雰囲気の電気炉にて、1250℃で5時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さらに分級して平均粒径35μmのフェライトキャリアを得た。シリコーン系樹脂をトルエン溶剤で希釈し、これを用いてキャリア芯材に対して1.3質量%のシリコーン樹脂を被覆し、さらに180℃で2時間焼き付けを行い、樹脂被覆されたフェライトキャリアを得た。このコートキャリアの体積平均粒径は44μmであり、比抵抗1×1010Ω・cm、1000/4πkA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は58Am/kg、見かけ密度2.4g/cm、SF−1が147の磁性キャリアNo.1を得た。
【0415】
Figure 2004126234
上記材料を四つ口フラスコに入れ、撹拌混合しながら60分間で85℃まで昇温保持し、120分間反応、硬化させた。その後30℃まで冷却し500質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いでこれを減圧下(5mmHg)150〜180℃で24時間乾燥して、フェノール樹脂を結着樹脂とする磁性キャリアコア(A)を得た。磁性キャリアコア(A)には、30℃/相対湿度80%で24時間放置後、0.4wt%の吸着水が存在していた。
【0416】
得られた磁性キャリアコア(A)の表面に下記式
【0417】
【化4】
Figure 2004126234
【0418】
で表されるγ−アミノプロピルトリメトキシシランの5質量%トルエン溶液を塗布した。
【0419】
磁性キャリアコア(A)の表面は、0.3質量%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランで処理されていた。塗布中は、磁性キャリアコア(A)に剪断応力を連続して印加しながら、塗布しつつトルエンを揮発させた。磁性キャリアコア(A)の表面に下記式
【0420】
【化5】
Figure 2004126234
【0421】
で表される構造が存在しているのが確認された。
上記処理機内のシランカップリング剤で処理された磁性キャリア(A)を70℃で撹拌しながら、シリコーン樹脂 KR−221(信越化学工業(株)製)に、シリコーン樹脂固型分に対して4%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを添加し、シリコーン樹脂固型分として25%になるようトルエンで希釈した後、減圧下で添加して、樹脂被覆を行った。以後、2時間撹拌した後、窒素ガスによる雰囲気下で140℃2時間熱処理を行い、凝集をほぐした後、200メッシュ以上の粗粒を除去し、磁性体分散型樹脂キャリアである磁性キャリアNo.2を得た。
【0422】
得られた磁性キャリア2の1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は40Am/kg、みかけ密度は1.9g/cm、体積平均粒径は35μmであり、SF−1が110、比抵抗は1×1013Ω・cmであった。
【0423】
〈磁性キャリアの製造例3〉
磁性キャリアの製造例2において、マグネタイトとヘマタイトの比率を40/60に変更した以外は上記製造例2と同様の方法を用いて磁性キャリアNo.3を得た。このキャリアの1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は28Am/kg、みかけ密度は2.2g/cm、体積平均粒径は36μmであり、SF−1が107、比抵抗は8.0×1013Ω・cmであった。
【0424】
〈磁性キャリアの製造例4〉
磁性キャリアの製造例2において、マグネタイトとヘマタイトの比率を95/5に変更した以外は上記製造例2と同様の方法を用いて磁性キャリアNo.4を得た。このキャリアの1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は68Am/kg、みかけ密度は2.2g/cm、体積平均粒径は34μmであり、SF−1が114、比抵抗は2.1×1011Ω・cmであった。
【0425】
〈磁性キャリアの製造例5〉
磁性キャリアの製造例2において、マグネタイト及びヘマタイトを、アルミナ含有マグネタイト微粒子2(個数平均粒径0.11μm,比抵抗値3×10Ω・cm)とα−Fe微粒子2(個数平均粒径0.30μm,比抵抗値6×10Ω・cm)に変更した以外は上記製造例2と同様の方法を用いて磁性キャリアNo.5を得た。このキャリアの1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は41Am/kg、みかけ密度は2.7g/cm、体積平均粒径は37μmであり、SF−1が111、比抵抗は1.0×1013Ω・cmであった。
【0426】
〈磁性キャリアの製造例6〉
磁性キャリアの製造例2において、コア粒子造粒時の攪拌速度を5倍に変更した以外は上記製造例2と同様の方法を用いて磁性キャリアNo.6を得た。このキャリアの1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は42Am/kg、みかけ密度は1.9/cm、体積平均粒径は23μmであり、SF−1が112、比抵抗は3.0×1013Ω・cmであった。
【0427】
〈磁性キャリアの製造例7〉
磁性キャリアの製造例2において、コア粒子造粒時の攪拌速度を0.4倍に変更した以外は上記製造例2と同様の方法を用いて磁性キャリアNo.7を得た。このキャリアの1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は40Am/kg、みかけ密度は2.0g/cm、体積平均粒径は58μmであり、SF−1が113、比抵抗は1.5×1013Ω・cmであった。
【0428】
〈磁性キャリアの製造例8〉
磁性キャリアの製造例2において、使用するヘマタイトをα−Fe微粒子3(個数平均粒径0.50μm、比抵抗値6×10Ω・cm)に変更した以外は上記製造例2と同様の方法を用いて磁性キャリアNo.8を得た。このキャリアの1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は41Am/kg、みかけ密度は1.9g/cm、体積平均粒径は35μmであり、SF−1が137、比抵抗は2.5×1013Ω・cmであった。
【0429】
〈磁性キャリアの製造例9〉
磁性キャリアの製造例2において、使用するマグネタイト及びヘマタイトをアルミナ含有マグネタイト微粒子3(個数平均粒径0.11μm,比抵抗値2×10Ω・cm)とα−Fe微粒子4(個数平均粒径0.30μm、比抵抗値5×10Ω・cm)に変更した以外は上記製造例2と同様の方法を用いて磁性キャリアNo.9を得た。このキャリアの1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は41Am/kg、みかけ密度は1.9g/cm、体積平均粒径は36μmであり、SF−1が113、比抵抗は1.0×10Ω・cmであった。
【0430】
〈磁性キャリアの製造例10〉
キャリア製造例2において、使用するマグネタイト及びヘマタイトをアルミナ含有マグネタイト微粒子4(個数平均粒径0.13μm,比抵抗値2×10Ω・cm)とα−Fe微粒子5(個数平均粒径0.30μm,比抵抗値5×1010Ω・cm)に変更する以外は同様にし、磁性キャリアNo.10を得た。このキャリアの1000/4π kA/mにおける磁化の強さ(σ1000)は40Am/kg、みかけ密度は1.9g/cm、体積平均粒径は36μmであり、SF−1が112、比抵抗は3.0×1016Ω・cmであった。
得られた各磁性キャリアNo.1〜No.10の組成及び物性を表5に示す。
【0431】
【表5】
Figure 2004126234
【0432】
〈現像剤の製造例1〜18〉
トナーNo.1、4、5、7を1成分現像剤として使用し、現像剤No.1、2、3、4とした。また、トナーNo.8〜21を1成分現像剤として使用し、現像剤No.5〜18とした。
【0433】
〈現像剤の比較製造例1〜3〉
トナーNo.2、3、6を1成分現像剤として使用し、比較現像剤No.1〜3とした。
【0434】
〈現像剤の製造例19〉
トナーNo.22とキャリアNo.1をトナー濃度8%となる様に総量200gを500ccのポリ瓶に採取し密封した。YS−LD〔(株)ヤヨイ社製振とう機〕にて目盛150で1分間約220回の混合を行い、現像剤No.19を作製した。
【0435】
〈現像剤の製造例20〜33〉
現像剤の製造例19において、用いたトナー及びキャリアを表6に示すように変更した以外は上記製造例19と同様の方法を用いて、現像剤No.21〜33を作製した。
得られた各現像剤の組成を表6に示す。
【0436】
【表6】
Figure 2004126234
【0437】
〈実施例1〉
画像形成装置としては図4の様に、市販のCP660(キヤノン社製)の帯電部材をコロナ帯電とし、コロナ帯電器に直流電圧のみを印加して400μAの電流を流したものを用いた。また、定着分離爪、ウエッブを排除し、定着ローラー温度検知センサーを非接触で定着ローラーの長手方向における長さLの中心位置近傍に非接触で設置する方式に変更した。感光ドラムとしては、積層型感光層を有しポリカーボネートを結着樹脂とする有機感光ドラムを用いた。現像装置は、全色非磁性1成分用現像器に変更した。
【0438】
評価画像としては、A4紙におけるべた画像面積比率が10%のパターンを23℃/相対湿度5%(N/L)、32.5℃/90%(H/H)の各環境でそれぞれ1万枚の通紙試験を行い、以下の評価方法に基づいて評価した。評価条件を表7に、評価結果を表8および表9に示す。1万枚通紙試験後の両環境の画質評価にて帯電ワイヤー汚れに起因するスジ画像がわずかながら発生したが、問題となるレベルではなかった。
【0439】
(1)トナー飛散
H/H環境で1万枚画出しした際のマシン内トナー飛散量を、以下の基準に従い目視により総合的に8段階評価した。
【0440】
A:トナー飛散が全くない
B:トナー飛散がほとんどない
C:若干飛散があるが実使用上全く問題ないレベル
D:飛散あり、耐久後半に画像を汚染する場合あり
E:飛散あり、耐久前半から画像を汚染する場合あり
F:飛散悪く実使用に耐えない
G:飛散が著しく悪く実使用に耐えない
H:初期から飛散が激しく現像剤のトナーとキャリアが分離している状態
【0441】
(2)定着ローラー温度検知部材汚れ
H/H環境で1万枚画出しした際の温度検知部材を目視及びSEM(走査型電子顕微鏡、FE−SEM S800)により総合的に確認し、以下の基準に従い8段階評価した。
【0442】
A:検知部汚染が目視及びSEM確認で全く認められない
B:検知部汚染がSEMで微量確認できるが、目視では確認できないレベル
C:検知部汚染がSEMで若干量確認できるが、目視では確認できないレベルD:検知部汚染が目視でも微量確認できるレベル
E:検知部汚染が目視でも若干量確認できるレベル
F:検知部汚染が目視でも多量に確認できるレベル
G:検知部汚染が目視でも大量に確認できるレベルであり、実使用に耐えない
H:温度検知部分全面に汚染していることが目視確認でき、初期的にも実使用に耐え得ない
【0443】
(3)グロス測定
転写紙上に0.7mg/cmのべた画像を載せ定着させた後、GLOSS SENSERPG−3D(NIPPON DENSHOKU IND. CO.,LTD)を用い、75°の角度で測定した。なおグロス値は、べた出力画像を縦・横で3分割ずつ(計9分割)し、そのブロックの中心を測定した平均値とした。測定は、1枚目、7枚目、1万枚目とし、グロス変化としては初期値から1万枚目の値を差し引いたものとして判定した。
【0444】
(4)面内グロス一様性
上記グロス測定における、9点測定のMAX値とMIN値の差分とし下記の基準に従い5段階評価した。
【0445】
A:グロス差分が0.3未満
B:グロス差分が0.3以上0.5未満
C:グロス差分が0.5以上0.7未満
D:グロス差分が0.7以上1.0未満
E:グロス差分が1.0以上
【0446】
(5)定着ローラー巻き付き特性評価
HH環境にて、Xx64g紙(坪量64g)を用い、先端1mmの部分から0.65mg/cmのトナーのり量のベタ画像を長手方向全域に印字した。この画像の定着温度を200℃から5℃おきに低下させた際に、紙が定着ローラーに巻き付いて通常の排紙ができなくなる温度を、定着ローラー巻き付き温度として評価した。
【0447】
(6)カブリ
NL及びHH環境下での通紙試験において、カブリを測定した。方法としては、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を各色の補色のフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式
【0448】
【数19】
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
【0449】
から算出し、下記基準に従い評価した。
【0450】
A:0.4%未満
B:0.4%〜0.8%未満
C:0.8%〜1.2%未満
D:1.2%〜1.6%未満
E:1.6%〜2.0%未満
F:2.0%以上
【0451】
(7)感光体ドラム融着
HH環境下での1万枚通紙試験において、感光体ドラム及び画像上への融着物の発生の有無を目視及びルーペで観察し、下記基準に従い5段階評価した。
【0452】
○:全く融着物が存在しない。
○△:ドラム上に0.1mm径以下の融着物が数点存在するが、画像上全く問題ない。
△:ドラム上に0.1〜0.4mm径の融着物が数点存在し、画像上にもうっすら発生しているものの実使用上問題となるレベルではない。
△×:ドラム上に0.4mm径より大きい融着物が10点以上存在し、画像上も発生。問題となるレベル。
×:ドラム上に0.4mm径より大きい融着物が全面に存在し、画像上も多数発生。問題となるレベルであり実使用上耐えない。
【0453】
(8)ドラムクリーニング不良
NL環境下での1万枚耐久試験において、ドラムクリーニング不良を目視及びルーペで観察し、下記基準に従い5階評価した。
【0454】
○:全くドラムクリーニング不良が存在しない。
○△:ドラム上に0.5mm長さ以下のドラムクリーニング不良が数点存在するが、画像上全く問題ない。
△:ドラム上に0.5〜1mm長さのドラムクリーニング不良が数点存在し、画像上うっすら発生しているものの実使用上問題となるレベルではない。
△×:ドラム上に1〜2mm長さのドラムクリーニング不良が数点存在し、画像上も発生。問題となるレベル。
×:ドラム上に2mm長さより長いドラムクリーニング不良が数点以上存在し、画像上も多数発生。問題となるレベルであり実使用上耐えない。
【0455】
(9)画質
NL及びHH環境下での通紙試験において、オリジナル原稿を基準にして、階調性、ハイライト均一性(ガサツキ度合い)、細線再現性、について目視で総合的に5段階評価した。
【0456】
A:優
B:良
C:普通
D:悪い
E:極悪
【0457】
(10)画質(ハーフトーンムラ)
HH環境下での1万枚の耐久試験後、24時間放置した直後にハーフトーン(画像濃度0.6〜0.7)の画像を出力し、転写ムラ(ハーフトーンムラ)の評価を下記の5段階の目視判断にて行った。
【0458】
○:ハーフトーンムラが全くなく、良好な画像
○△: 若干、転写抜けの部分が存在し、ハーフトーンムラとして確認できるが、問題とはならないレベル
△: 転写抜けの部分が存在し、ハーフトーンムラとして確認できるが、実使用上許容できるレベル
△×:ハーフトーンムラとして明らかにわかり、実使用上許容できない
×:ハーフトーンムラが激しく、使用に耐えない
【0459】
〈実施例2〉
実施例1において、定着温度検出手段をフィルムで赤外線を吸収しその温度を感熱素子で検知するものに変更した以外は上記実施例と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。初期のグロス変化もほとんど無く、実施例1と同様の良好な画像が得られた。
【0460】
〈実施例3〉
実施例2において、帯電手段を20μmのCu−Znフェライト粒子による注入帯電方式に変更し、帯電器に600Vの直流電圧を印加した以外は上記実施例2と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。1万枚通紙後のかぶりが若干発生しているものの、実使用上問題となるレベルではなかった。他の画像特性は実施例1と同様の良好なものであった。
【0461】
〈実施例4〉
実施例3において、帯電方式を600Vの直流成分に1kVの交流成分を印加する方式に変更した以外は上記実施例3と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。全ての画像特性において良好な結果が得られた。
【0462】
〈実施例5〉
実施例3において、帯電手段を直径12mmの帯電ローラーによる接触帯電方式に変更し、帯電ローラーに1kVの直流電圧を印加した以外は上記実施例3と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。1万枚通紙後のかぶりが若干発生しているものの、実使用上問題となるレベルではなかった。他の画像特性は実施例1と同様の良好なものであった。
【0463】
〈実施例6〉
実施例5において、帯電方式を600Vの直流成分に1kVの交流成分を印加する方式に変更した以外は上記実施例5と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおり全ての画像特性において良好な結果が得られた。
【0464】
〈実施例7〉
実施例6において、感光ドラムのクリーニングブレードを除去した以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。1万枚後のかぶりが若干発生しているものの、実使用上問題となるレベルではなかった。他の画像特性は実施例1と同様の良好なものであった。
【0465】
〈実施例8〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.2を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおりトナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れ等が若干確認され、初期と耐久後のグロス変化も若干大きいものの、実使用上問題となるレベルではなかった。また、かぶり、ドラム融着、ドラムクリーニング不良に関しても若干発生傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0466】
〈実施例9〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.3を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおり画質(ラインの再現性)に関して若干悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1と同等以上の良好なものであった。
【0467】
〈実施例10〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.4を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおりトナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れ等が若干確認され、初期と耐久後のグロス変化も若干大きいものの、実使用上問題となるレベルではなかった。また、かぶりに関しても若干悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0468】
〈実施例11〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.5を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。耐久後半の転写性が悪化傾向にあり、耐久後の面内グロス一様性及び画質(ハーフトーンムラ:表9中「HTムラ」と表記)が若干悪化傾向にはあるものの、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0469】
〈実施例12〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.6を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。耐久後半の転写性がわずかながら悪化しており、画質(ハーフトーンムラ)が極わずか確認できるものであるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0470】
〈実施例13〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.7を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおりトナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れ等が若干確認され、耐久後の面内グロス一様性及び初期と耐久後のグロス変化が若干大きいものの、実使用上問題となるレベルではなかった。また、かぶり、ドラム融着、画質(ハーフトーンムラ)に関しても若干悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0471】
〈実施例14〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.8を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおり、かぶり、ドラム融着、画質(ハーフトーンムラ)に関して、わずかに悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0472】
〈実施例15〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.9を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおりトナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れ等が若干悪く、耐久後の面内グロス一様性及び初期と耐久後のグロス変化も若干大きいものの、実使用上問題となるレベルではなかった。また、かぶり、ドラム融着、画質(ハーフトーンムラ)に関しても若干悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0473】
〈実施例16〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.10を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおり、かぶり、ドラム融着、画質(ハーフトーンムラ)に関して、わずかに悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0474】
〈実施例17〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.11を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおりトナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れ等が若干悪いものの、実使用上問題となるレベルではなかった。また、定着ローラーまきつき温度が高い傾向にはあるが、実使用上許容できる範囲にとどまった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0475】
〈実施例18〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.12を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおり定着ローラーまきつき温度が高い傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。また、かぶり、ドラム融着、ドラムクリーニング不良、画質に関しても若干悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0476】
〈実施例19〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.13を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおり、トナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れ等が若干確認され、耐久後の面内グロス一様性及び初期と耐久後のグロス変化が若干大きいものの、実使用上問題となるレベルではなかった。また、定着ローラー巻き付き温度も若干高く、かぶり、ドラム融着、ドラムクリーニング不良、画質(ハーフトーンムラ)に関しても若干悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0477】
〈実施例20〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤N0.14を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおり、トナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れ等がわずかに確認され、耐久後の面内グロス一様性及び初期と耐久後のグロス変化が若干大きいものの、実使用上問題となるレベルではなかった。また、定着ローラー巻き付き温度もわずかに高く、かぶり、ドラム融着、ドラムクリーニング不良、画質(ハーフトーンムラ)に関してもわずかに悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0478】
〈実施例21〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに現像剤No.15を用いた以外は上記実施例6と同様にして評価を行った。その結果を表8および表9に示す。表に示すとおり、定着ローラー温度検知部材汚れ等がわずかに確認され、耐久後の面内グロス一様性及び初期と耐久後のグロス変化が若干大きいものの、実使用上問題となるレベルではなかった。また、かぶり、画質(ハーフトーンムラ:表中HTムラ)に関してもわずかに悪化傾向にはあるが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例1とほぼ同様のものであった。
【0479】
〈実施例22〉
画像形成装置として、市販のカラー複写機CP2150(キヤノン製)に図3に示すように中間転写体を導入し、図11に示す現像装置及び帯電装置、帯電量制御装置が入れられるよう改造し、図2に示す現像バイアスを使用したものを用いた。また、定着装置を加熱ローラー、加圧ローラーともに表層をPFAで1.2μm被覆したローラーに変更し、オイル塗布機構を完全に除去し、非接触の定着温度検知手段を用いた構成に改造した。
【0480】
帯電部材はローラー帯電部材を用い、直流及び交流を印加して感光ドラムを帯電させた。感光ドラムとしては、積層型感光層を有しポリカーボネートを結着樹脂とする有機感光ドラムを用いた。評価画像としては、A4紙におけるべた画像面積比率が30%の高印字パターンを用い、23℃/相対湿度5%(N/L)、32.5℃/90%(H/H)の各環境でそれぞれ1万枚の通紙試験を行い、実施例1と同様の評価方法に基づいて評価した。
【0481】
現像剤としては現像剤No.19を用いた。その評価結果を表8および表9に示す。1万枚後の面内グロスが若干一様ではなく、かぶりも若干確認できるものの、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、優れた特性を示していた。
【0482】
〈実施例23〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.20を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。全ての画像特性において良好な結果が得られた。
【0483】
〈実施例24〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.21を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。NL環境下で、感光ドラム上に若干キャリア付着が生じており、わずかにドラム融着及びクリーニング不良が発生していたが、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0484】
〈実施例25〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤N0.22を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。耐久後のかぶり及びNL環境下での画質に関して、悪化傾向にあるものの、実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0485】
〈実施例26〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.23を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。耐久後のかぶりが若干悪化傾向にあるものの、実用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0486】
〈実施例27〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.24を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。NL環境下で、感光ドラム上に若干キャリア付着が生じており、わずかにドラム融着及びクリーニング不良が発生していたが、実使用上問題となるレベルではなかった。また、トナー飛散及び定着ローラー温度検知部材汚れ等がわずかに確認されたものの、実使用上OKレベルであった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0487】
〈実施例28〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.25を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。耐久融後の画質が初期に比べ若干劣るものの、実使用上許容できるレベルであった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0488】
〈実施例29〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.26を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。このキャリアのSF−1が137と大きいために、キャリアへのトナースペント、外添剤付着性が高く、耐久後半のトナーの帯電性能が低下し、耐久後のトナー飛散及び定着ローラー温度検知部材汚れ等をわずかに生じるに至った。しかしそのレベルは、実使用上許容できるレベルであった。また、耐久前後のグロス変化も大きく、かぶりも悪化傾向にはあったが, 実使用上問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0489】
〈実施例30〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.27を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。このキャリアの抵抗が低いがゆえに、かぶりが若干悪化傾向にあったが、実使用上問題のないレベルであった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0490】
〈実施例31〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.28を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。このキャリアの抵抗が高いがゆえに、トナー飛散及び定着ローラー温度検知部材汚れ等をわずかに生じ、耐久前後のグロス変化度合いも若干大きいものであったが、問題となるレベルではなかった。また、耐久後半の画質及びかぶりが若干悪化傾向にあったが、実使用上許容できるレベルであった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0491】
〈実施例32〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.29を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。この現像剤のA/Bが0.09と低いがゆえに、トナーの帯電性能が低く、トナー飛散及び定着ローラー温度検知部材汚れ等をわずかに生じるに至った。そのため、耐久前後のグロス変化度合いも若干大きいものであったが、問題となるレベルではなかった。また、耐久後半のかぶりが若干悪化傾向にあったが、実使用上許容できるレベルであった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0492】
〈実施例33〉
実施例22において、現像剤No.19の代わりに現像剤No.30を用いた以外は上記実施例22と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。この現像剤のA/Bが0.413と高いがゆえに、トナーの帯電性能が高すぎ、NLでのかぶり及び画質が若干劣るものであったが、問題となるレベルではなかった。その他の画像特性に関しては、実施例23とほぼ同様のものであった。
【0493】
〈実施例34〉
実施例6において、現像剤No.1に加えて現像剤No.16、17、18を用い、各現像容器にそれぞれの現像剤を収容して、フルカラー画像で同様の評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。グロス、かぶり、画質に関してはブラックトナーで評価し、飛散等は全色の総合評価とした。その全てにおいて、ほぼ良好な画像特性が得られた。
【0494】
〈実施例35〉
実施例23において、現像剤No.1に加えて現像剤No.31、32、33を用い、各現像容器にそれぞれの現像剤を収容して、フルカラー画像で同様の評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。グロス、かぶり、画質に関してはブラックトナーで評価し、飛散等は全色の総合評価とした。その全てにおいて,ほぼ良好な画像特性が得られた。
【0495】
〈実施例36〉
実施例35において、感光ドラムのクリーニング装置を除去した以外は上記実施例35と同様に評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。その全てにおいて,ほぼ良好な画像特性が得られた。
【0496】
〈比較例1〉
実施例6において、実施例1で使用した定着温度検知手段を、定着体の長手方向中央部に接触して配置した以外は上記実施例6と同様に評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。1万枚の通紙試験にて、定着ローラーは温度検知手段の接触部位が削れ、その部分がスジ画像として現れ、実使用に耐えるものではなかった。
【0497】
〈比較例2〉
比較例1において、定着体長手方向の端部から20mmの部分に定着温度検知手段を接触して配置した以外は上記比較例1と同様に評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。初期の連続複写にて、定着ローラーの温度を十分に検知できないため、初期のグロス値が17.2から9.7までと大幅な低下を生じ、実使用に耐えるものではなかった。
【0498】
〈比較例3〉
比較例1において、実施例3で使用した定着温度検知手段を、定着体長手方向の端部から20mmの部分に非接触で配置した以外は上記比較例1と同様に評価した。初期の連続複写にて、定着ローラーの温度を十分に検知できないため、初期のグロス値が17.1から8.9までと大幅な低下を生じ、実使用に耐えるものではなかった。
【0499】
〈比較例4〉
実施例6において、現像剤No.1の代わりに比較現像剤No.1を用いた以外は、上記実施例6と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。表に示すとおりトナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れが著しく、初期と耐久後のグロス変化も大きく、実使用上に耐えないレベルであった。また、かぶり、ドラム融着、ドラムクリーニング不良に関しても発生し、実使用上問題となるレベルであった。
【0500】
〈比較例5〉
比較例4において、比較現像剤No.1の代わりに比較現像剤No.2を用いた以外は上記比較例4と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。表に示すとおり耐久後の画質特に細線再現性が著しく悪いものであり、実使用上問題となるレベルであった。
【0501】
〈比較例6〉
比較例4において、比較現像剤No.1の代わりに比較現像剤No.3を用いた以外は上記比較例4と同様にして評価を行った。その評価結果を表8および表9に示す。表に示すとおりトナー飛散、定着ローラー温度検知部材汚れ等が著しく、初期と耐久後のグロス変化も大きいものであり、実使用上問題となるレベルであった。また、かぶり及びドラム融着、画質に関しても極めて悪化しており、実用上許容できるレベルではなかった。
【0502】
【表7】
Figure 2004126234
【0503】
【表8】
Figure 2004126234
【0504】
【表9】
Figure 2004126234
【0505】
【発明の効果】
本発明によれば、同一プリント物の面内及び多数枚複写した後の画像グロスを安定させることができ、また、低速から高速複写機又はプリンタに至るまで、小粒径化してもハーフトーン部分においてすぐれた定着性を示し、かつ、長期にわたって安定して良画質のコピー画像を得ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の一例を示す部分的模式図
【図2】実施例1で用いた交番電界を示す図
【図3】本発明の画像形成方法が好適に用いられるフルカラー画像形成装置の概略図
【図4】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略的説明図
【図5】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略的説明図
【図6】本発明の画像形成方法を接触一成分現像方法に適用した画像形成装置の例を示す概略的説明図
【図7】本発明の画像形成方法を非接触一成分現像方法に適用した画像形成装置の例を示す概略的説明図
【図8】本発明の画像形成方法が好適に用いられる定着装置の例を示す概略説明図
【図9】本発明の画像形成方法が好適に用いられる定着装置の例を示す概略的説明図
【図10】本発明におけるトナーの分散度を測定する装置の概略説明図
【図11】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の他の例を示す概略的説明図
【符号の説明】
1、61a 感光体(感光ドラム)
2 帯電手段
2a ステンレス製導電性支持体
2e 帯電ローラー圧接部材(バネ)
3 露光装置
4、63a 現像装置
4a 現像容器
4b、11 現像剤担持体(現像スリーブ)
4c、12 マグネットローラ
4f、13、14 現像剤搬送スクリュー
4d、15 規制ブレード
5 転写ローラー
6 定着装置
7 帯電量制御手段
8 非接触サーミスタ
17 隔壁
18 補給用トナー
19 現像剤
19a トナー
19b キャリア
20 補給口
21 マグネットローラ
22 搬送スリーブ
23 磁性ブラシ
24、67a、L レーザー光
25、92、P、S 転写材(記録材)
26 バイアス印加手段
27 転写ブレード
28 トナー濃度検知センサー
62a 一次帯電器
64a 転写ブレード
65a 補給用トナー
68 転写材担持体
69 分離帯電器
70 定着器
71、95 定着ローラー
72、96 加圧ローラー
75、76 加熱手段
79 転写ベルトクリーニング装置
80 駆動ローラ
81 ベルト従動ローラ
82 ベルト除電器
83 レジストローラ
85 トナー濃度検知センサー
91 非接触温度検知センサー
93 画像通紙域
94 非画像通紙域
97 ハロゲンヒーター
98 搬送体
99 転写材上の未定着トナー
100 制御装置
a 帯電部
b 露光部
c 現像部
d 転写部
e 帯電量制御部
S1、S2、S3、S4 電圧印加装置

Claims (58)

  1. 感光体表面を帯電させる帯電工程と、
    前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
    現像ユニット中のトナーを含む現像剤と、感光体との間の電界の作用により、前記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を、中間転写体を介してまたは介さずに、転写材上に転写する転写工程と、
    定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有し、
    前記定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知し、
    前記トナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、
    前記トナーの重量平均粒径D4が5〜10μmであり、且つ粒径が4μm以下のトナーのトナー全体に対する個数%が25%以下であり、
    前記トナーのカーの流動性指数が50〜98であり、且つカーの噴粒性指数が65〜98であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記非接触型の温度検知手段は、定着体から放出される赤外線を検知する感熱素子と、雰囲気温度を検知する感熱素子とを有することを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記帯電工程は接触帯電方式により帯電を行う工程であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。
  4. 前記現像工程は、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記各工程が繰り返されることによって画像形成が行われ、前記転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程を経た後に帯電工程が行われ、前記現像工程において前記転写残トナーが回収されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記トナーの重量平均粒径D4が5.5〜9μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記トナーの粒径が4μm以下のトナーの、トナー全体に対する個数%が15%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 前記トナーのカーの流動性指数が60〜95であり、カーの噴粒性指数が75〜95であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記トナーの、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が、0.950〜0.999であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 前記トナーの、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が、0.960〜0.995であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  11. 前記トナーの、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差が、0.010〜0.040であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  12. 前記トナーの、フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差が、0.015〜0.035であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  13. 前記離型剤の吸熱ピークの半値幅が15℃以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  14. 前記離型剤の吸熱ピークの半値幅が7℃以下であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  15. 前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が、50〜150℃であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  16. 前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が、60〜120℃であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  17. 前記無機微粒子がそれぞれ疎水化処理されたシリカ、チタニア、アルミナから選ばれる1種類以上を含有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  18. 前記無機微粒子は、前記トナー粒子100質量部に対して0.5〜4.5質量部含有されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  19. 前記無機微粒子は、前記トナー粒子100質量部に対して0.8〜3.5質量部含有されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  20. 前記トナーは、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーを有するフルカラートナーであることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  21. 前記感光体をトナー各色毎に個別に有することを特徴とする請求項20記載の画像形成方法。
  22. 前記現像剤がトナーとキャリアとからなる二成分現像剤であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  23. 前記キャリアは、1000/4π[kA/m]における磁化の強さが、30〜60[Am/kg]であることを特徴とする請求項22記載の画像形成方法。
  24. 前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする請求項22または23記載の二成分系現像剤。
  25. 前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする請求項22〜24のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  26. 前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする請求項22〜25のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  27. 前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする請求項22〜26のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  28. 前記トナーの重量平均粒径Aとキャリアの体積平均粒径Bとが下記式(1)を満足することを特徴とする請求項22〜27のいずれか一項に記載の画像形成方法。
    Figure 2004126234
  29. 前記キャリアは磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする請求項22〜28のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  30. 感光体表面に担持された静電潜像を可視化するためのトナーであって、
    (I)感光体表面を帯電させる帯電工程と、(II)前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、(III)現像ユニット中のトナーを含む現像剤と、感光体との間の電界の作用により、前記静電潜像にトナーを供給し静電潜像を可視化することによりトナー像を形成する現像工程と、(IV)前記トナー像を、中間転写体を介して又は介さずに、転写材上に転写する転写工程と、(V)定着体とこの定着体に押圧された加圧体とにより形成されるニップ部に、前記転写材を通過させて、前記トナー像を前記転写材に加熱接触圧着させる定着工程とを有し、前記定着工程において前記定着体は加圧体のみを接触部材として具備し、且つ定着体の温度を制御するために、定着体の長手方向における長さをLとした時の、定着体両端からL/6の部分以外の位置に備えられた非接触型の温度検知手段により、定着体の表面近傍の温度をこの定着体の表面温度として検知する画像形成方法に適用され、
    前記トナーは、結着樹脂と着色剤と離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有し、
    前記トナーの重量平均粒径D4が5〜10μmであり、且つ粒径が4μm以下のトナーのトナー全体に対する個数%が25%以下であり、
    前記トナーのカーの流動性指数が50〜98であり、且つカーの噴粒性指数が65〜98であることを特徴とするトナー。
  31. 前記非接触型の温度検知手段は、定着体から放出される赤外線を検知する感熱素子と、雰囲気温度を検知する感熱素子とを有することを特徴とする請求項30記載のトナー。
  32. 前記帯電工程は接触帯電方式により帯電を行う工程であることを特徴とする請求項30または31記載のトナー。
  33. 前記現像工程は、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界を印加して現像を行う工程であることを特徴とする請求項30〜32のいずれか一項に記載のトナー。
  34. 前記各工程が繰り返されることによって画像形成が行われ、前記転写工程後に感光体表面に残留した転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程を経た後に帯電工程が行われ、前記現像工程において前記転写残トナーが回収されることを特徴とする請求項30〜33のいずれか一項に記載のトナー。
  35. 前記重量平均粒径D4が5.5〜9μmであることを特徴とする請求項30〜34のいずれか一項に記載のトナー。
  36. 前記粒径が4μm以下のトナーの、トナー全体に対する個数%が15%以下であることを特徴とする請求項30〜35のいずれか一項に記載のトナー。
  37. 前記カーの流動性指数が60〜95であり、前記カーの噴粒性指数が75〜95であることを特徴とする請求項30〜36のいずれか一項に記載のトナー。
  38. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.950〜0.999であることを特徴とする請求項30〜37のいずれか一項に記載のトナー。
  39. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.960〜0.995であることを特徴とする請求項30〜38のいずれか一項に記載のトナー。
  40. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度標準偏差が0.010〜0.040であることを特徴とする請求項30〜39のいずれか一項に記載のトナー。
  41. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度標準偏差が0.015〜0.035であることを特徴とする請求項30〜40のいずれか一項に記載のトナー。
  42. 前記離型剤の吸熱ピークの半値幅が15℃以下であることを特徴とする請求項30〜41のいずれか一項に記載のトナー。
  43. 前記離型剤の吸熱ピークの半値幅が7℃以下であることを特徴とする請求項30〜42のいずれか一項に記載のトナー。
  44. 前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が、50〜150℃であることを特徴とする請求項30〜43のいずれか一項に記載のトナー。
  45. 前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が、60〜120℃であることを特徴とする請求項30〜44のいずれか一項に記載のトナー。
  46. 前記無機微粒子がそれぞれ疎水化処理されたシリカ、チタニア、アルミナから選ばれる1種類以上を含有することを特徴とする請求項30〜45のいずれか一項に記載のトナー。
  47. 前記無機微粒子は、前記トナー粒子100質量部に対して0.5〜4.5質量部含有されることを特徴とする請求項30〜46のいずれか一項に記載のトナー。
  48. 前記無機微粒子は、前記トナー粒子100質量部に対して0.8〜3.5質量部含有されることを特徴とする請求項30〜47のいずれか一項に記載のトナー。
  49. 前記トナーは、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーを有するフルカラートナーであることを特徴とする請求項30〜48のいずれか一項に記載のトナー。
  50. 前記感光体をトナー各色毎に個別に有することを特徴とする請求項49記載のトナー。
  51. 請求項30〜48のいずれか一項に記載のトナーと、キャリアとからなる二成分現像剤。
  52. 前記キャリアは、1000/4π[kA/m]における磁化の強さが、30〜60[Am/kg]であることを特徴とする請求項51記載の二成分現像剤。
  53. 前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする請求項51または52記載の二成分系現像剤。
  54. 前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする請求項51〜53のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  55. 前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする請求項51〜54のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  56. 前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする請求項51〜55のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  57. 前記トナーの重量平均粒径Aとキャリアの平均粒径Bとが下記式(1)を満足することを特徴とする請求項51〜56のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
    Figure 2004126234
  58. 前記キャリアは磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする請求項51〜57のいずれか一項に記載の二成分現像剤。
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