JP3729718B2 - 静電荷像現像用トナーと画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーと画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法のごとき画像形成時における静電荷像を現像してトナー画像を形成するための静電荷像現像用トナーと画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機及びレーザービームプリンタのごとき電子写真技術を用いた画像形成装置の機能が多用化し、より一層の画像の高精細化、高画質化が求められている。それに伴いトナー粒子は、粒子径が従来以上に細かいものを使用する傾向にある。しかしトナー粒子の粒径を小径化した場合、トナー個々の材料分散性がよりいっそう求められていた。従来通りの分散性でトナー径を小粒径化した場合、画像の高精細化は達成されるが、帯電不良による画像濃度低下及びカブリ現象が発生しやすくなる。また、飛散したトナーによる機内汚れがしばしば問題となっていた。
【0003】
従来より、上記の様な問題点及び、トナーの流動性向上、帯電量の環境依存性等を図る為に、トナー粒子に疎水性シリカと酸化チタンを併用して外添剤として使用することが特開平11−272008号で知られている。この発明では、BET比表面積の異なる2種の外添剤を混合したものを使用しており、BET比表面積の小さい(粒子径の大きい)外添剤により、BET比表面積の大きい(粒子径の小さい)外添剤がトナーへ埋め込まれるのを防止し、それにより両者の外添剤のトナー粒子への埋め込まれを防止し、それぞれの外添剤の特性を発揮出来るとされている。
【0004】
しかしながら、この方法では2種の外添剤を混合した状態で外添されることから、BET比表面積の小さい方の外添剤(酸化チタン)がトナー粒子の外側に突出してくる面積が少なく、酸化チタン本来の特性である帯電量の均一化が安定して得ることが難しくなってくる。又、本発明で使用している鉄粉系のキャリアにおいては、一成分方式、又は、フェライト系のキャリアを用いた方式と比べ現像機内でのトナー粒子にかかるシェアが大きくなり(キャリアの比重が大きいため)現像機内でのトナー粒子への外添剤の埋め込まれの発生が増加する傾向にある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述のごとき問題を解決できる静電荷像現像用トナーであって、特にトナー粒子への外添剤の埋め込まれの発生を防止して、長期にわたってトナーの帯電量の均一化に優れた静電荷像現像用トナー、及び、該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために種々検討の結果、トナー粒子表面にBET比表面積の大きい疎水性シリカを付着させた後から疎水性シリカよりもBET比表面積が小さい酸化チタンを外添付着することで前記課題が解決できることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、結着樹脂、帯電制御剤、着色剤、及び磁性微粉体を少なくともトナー粒子中に含有している静電荷像現像用トナーであって、該トナー粒子の真比重(g/cc)が1.1〜1.3であり、該トナー粒子の表面には少なくともBET比表面積の大きい疎水性シリカを付着させた後から疎水性シリカよりもBET比表面積が小さい酸化チタンを外添付着させて、酸化チタンがトナー粒子の表面に突出する面積が大きくなるようにしたことを特徴とする静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
【0007】
上記本発明におけるトナー粒子は、重量平均粒径が7.5乃至10.5μmで、疎水性シリカのBET比表面積が100〜180m2/gであり、酸化チタンのBET比表面積が50〜100m2/gであることが好ましい。
上記本発明におけるトナーには磁性微粉体が10重量%以下の範囲で含有され、磁性微粉体の重量平均粒径は0.05〜0.30μmであり、磁性微粉体の構成する磁性微粒子の形状としては、八面体形状であることが好ましい。
また上記本発明におけるトナー粒子は、79.58kA/m(1Kエルステッド)の磁界下における飽和磁化{σs(Am2/kg)}と磁性微粉体の残留磁化{σr(Am2/kg)}との関係が下記条件を満足していることが好ましい。
σr/σs<0.25
さらに上記本発明におけるトナー粒子は、その誘電体損失{tanδ(×10-3)}と電気抵抗{R(×10+9)}が、下記条件を満足していることが好ましい。
1.5<tanδ<4.0、 200<R<350
【0008】
本発明の画像形成方法は、上記の静電荷像現像用トナーに磁性キャリアを混合した二成分系現像剤として、マグネットが設置された現像剤担持体表面に帯電付着させ、静電荷像保持体上の静電荷像へ上記トナーを付着させて現像させることを特徴とする。
この場合、静電荷像保持体とトナーを保有する現像剤担持体のクリアランスが1mm以上で画像形成装置本体に着脱可能なカートリッジとして組み込まれた画像形成装置において使用されることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
先ず、本発明の静電荷像現像用トナーの真比重が1.1〜1.3であり、重量平均粒子径は7.5〜10.5μmが好ましい。ここでトナー粒子又はトナーの真比重は比重計ピクノメーターセルを用いて測定できる。またトナー粒子又はトナーの重量平均粒径は、コールターカウンター法により測定できる。コールターカウンター法による測定装置としては、例えばコールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)が用いられる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。その測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を、0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。
【0010】
試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチヤーとして100μmアパーチヤーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。それから、トナー粒子又はトナーの重量基準の重量平均粒径(D4)を求める。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。上記測定法において、トナー粒子に外添剤が外添されていても、トナーの重量平均粒径は、トナー粒子の重量平均粒径と実質的に同一の値を通常は示す。
【0011】
ここで感光体ドラム上の1ドット単位の静電荷潜像を忠実に再現するにはトナーの重量平均粒径は11μm以下、好ましくは10.5〜7.5μmが好ましい。但し、重量平均粒径が7.5μm以下になると本願発明の現像システムにおいてはトナー飛散が増大する結果となる。これはトナー粒子径が低下するに従って静電気力に支配されない粒子が増加するためである。通常、現像スリーブと感光体ドラムのクリアランスが1mm以下と狭い場合、上述の上記トナーの飛散は少ないが、本発明の画像形成装置本体に着脱可能なカートリッジにおいては上記クリアランスが1mm以上となるためその影響がより顕著となるためである。
【0012】
また、本発明のトナーの真比重(g/cc)は1.1〜1.3である。ここで真比重が1.1以下では磁性キャリアとの比重差が大きくなりすぎるため、混合効率の低下を招き、補給トナーの帯電不良によるトナー飛散、カブリを引起す原因の一つとなる点で好ましくない。また真比重が1.3以上では現像スリーブの回転に従って強い遠心力を受ける。この遠心力が磁力と静電気力を合わせた力より大きくなるとトナーは飛散することになる点で好ましくない。かかる真比重の調整は、トナー中に含有させる磁性微粉体や顔料等の配合量によって行うことができる。
【0013】
かかる本発明のトナーにおいては、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における飽和磁化〔σs(Am2/kg)〕が、0.1<σs<3.0の条件を満足していることが好ましい。飽和磁化σsが0.1Am2/kg以下では磁気拘束力が弱くカブリ現象を抑制できない点で好ましくない。飽和磁化σsが3.0Am2/kg以上では、磁気拘束力が支配的となり画像濃度が薄くなる点で好ましくない。
またこの場合、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における磁性微粉体の残留磁化〔σr(Am2/kg)〕と飽和磁化〔σs(Am2/kg)〕の関係がσr/σs<0.25であることが好ましい。
【0014】
本発明のトナーが好ましく用いられる現像方法としては、トナー及び磁性キャリアを混合した二成分現像剤とし、現像剤担持体内にマグネットが設置され、このマグネットでトナー及び磁性キャリアの二成分現像剤を保持し、現像担持体(キャリア)上で摩擦帯電を行ない、帯電したトナーを静電荷像保持体の静電荷像に付着して現像する方法が挙げられる。このような現像方法においては、本発明のトナーを構成する重量平均粒子径が7.5〜10.5μmのトナーを用いた場合、高温・高湿度環境下におけるカブリ、トナー飛散等によるマシン機内の汚れ現象が生じ易くなる。これらの問題においては、磁性微粉体の磁気力(σr/σs)をコントロールすることで、解決することが可能となり、また低温・低湿環境下においても、摩擦帯電量の高いトナーが選択的に現像されるのでカブリ、トナー飛散等を抑制することが可能となる。しかし、低温・低湿環境下においては、帯電量の上昇により黒ベタ部の濃度かすれや濃度ムラ、転写効率の減少等の問題が発生する。本発明では、酸化チタンを外添剤として使用していることから低温・低湿環境下での帯電量の上昇を抑制することが可能となり上記問題点の更なる改善も可能となる。
【0015】
さらに、溶融混練条件、磁性微粉量の最適化によりトナー担持体表面の磁性微粉量をコントロールすることで低温・低湿環境の耐久時における感光体ドラムへの磁性粉融着を防止することが可能となる。トナー粒子は磁気力σr/σsが0.25以上の磁性微粉体を用いた場合には、磁気的拘束力が効果的に作用しないため、高温・高湿環境下においてカブリやすく、耐久時のベタ黒濃度薄現象が生じ易く、低温・低湿環境下においてはドラム融着現象が生じ易くなる。また、σr/σsが0.05未満の場合には、逆に磁気的拘束力が支配的となり、全環境において画像濃度低下を招きやすいので好ましくない。より好ましい磁気力σr/σsとしては、0.1〜0.2の範囲の場合である。なお、磁気力σr/σsは磁性微粉体の種類及び添加量によって調整することができる。本発明において、磁気特性はVSMP−1−10(東英工業社製)を用いて、外部磁場79.58kA/mで測定を行なったものである。
【0016】
本発明のトナーには磁性微粉体が10重量%以下の範囲で含有される。ここで用いられる磁性微粉体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素の如き元素を含む磁性を有する金属酸化物がある。これらの磁性微粉体の重量平均粒径は、好ましくは0.05〜0.30μmである。重量平均粒径が0.05μmより小さい場合、物理的剪断力によっては分散不良傾向にあり、トナーの磁力が均一でなく磁界方向によって磁気拘束力に差が出来るため好ましくない。また、重量平均粒径が0.30μmより大きい場合は、本発明のように少量の磁性微粉体を均一分散させるための必要個数が少なくこれも磁気拘束力のバラツキが大きくなり好ましくない。また、本発明に用いられる磁性微粉体の構成する磁性微粒子の形状としては、八面体、六面体、球形等が挙げられる。分散過程における自転を防ぎ高分散にするにはより物理的剪断力を受けやすい八面体形状のものが画像濃度とカブリのラチチュードを広くとり得るため好ましい。
【0017】
さらに本発明の課題をより高度なレベルで満足させるためには、該磁性微粉体を構成する磁性微粒子は少なくともアミノシラン基を有し、電気抵抗が1×103〜9×103であることが好ましい。電気抵抗が1×103以下の場合、磁性微粉体粒子の表面アミノシラン基の存在が非常にまばらな状態であるため、混練時結着樹脂と磁性微粉体との濡れ性が低下し、トナー製造時にトナー粒子から磁性微粉体が離脱し易くなり、この遊離した磁性微粉体を原因としたドラム融着が生じ易くなる。また電気抵抗が9×103より大きい場合、トナー全体が高抵抗化しチャージアップによる濃度低下を引き起こす原因となる。より好ましい抵抗範囲は3×103〜5×103である。
【0018】
トナー粒子中の磁性微粉体の含有量は10重量%以下、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%が望ましい。1重量%より少ない場合は重量平均粒径7.5〜10.5μmのトナー粒子においては、カブリ現象の発生を抑制することが困難となり、10重量%より多い場合は、磁気拘束力が支配的となり画像濃度薄、脱落磁性粉が増加しドラム融着が発生しやすくなる。これは磁性微粉体の含有量が多いとトナーの真比重が1.3以上に大きくなり、前記した如く現像スリーブの回転に従ってより強い遠心力を受けてトナーは飛散することになる。また磁性微粉体含有量が少ない場合、トナーの真比重は1.1以下に小さくなり、前記した如く二成分現像剤としての磁性キャリアとの比重差が大きくなりすぎて混合効率の低下を招き補給トナーの帯電不良によるトナー飛散、カブリを引き起こす原因の1つとなる。
【0019】
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、帯電制御剤、着色剤及び磁性微粉体からなる原材料を溶融混練・冷却固化後に粉砕し分級処理したトナー素材粒子に、外添剤としてBET比表面積が100〜180m2/gの疎水性シリカを外添され、その上にBET比表面積が50〜100m2/gの酸化チタンが外添されているものである。
ここで使用する疎水性シリカは、BET比表面積が100〜180m2/gであるのが好ましい。本発明のように現像機内でのトナー粒子にかかる剪断力が大きい場合には、より小粒径の外添剤が好まれ、粒径の大きい外添剤の埋め込まれを防止することが可能となる。シリカの疎水性処理法としては、シリカ表面をメチル化、エチル化などにより疎水化することで、トナー表面に水分が吸着しにくくなり、流動性が良好で帯電が安定する。外添量としては、トナー100部に対して0.1〜5部、好ましくは0.2〜1.0部である。
【0020】
本発明のトナーに外添剤として使用する酸化チタンは、湿式法で作成された酸化チタンであり、且つ、BET比表面積が50〜100m2/gであるのが好ましい。本発明の酸化チタンは通常の湿式法により製造されており、溶媒中で化学反応を経て製造される。酸化チタンの外添量としては、トナー100部に対して0.1〜2.0部、好ましくは0.1〜1.0部である。酸化チタンを本発明でのトナー粒子に外添することにより、トナーの帯電量の分布領域が酸化チタンを外添剤として使用していないトナー及びBET比表面積が50〜100m2/gの範囲外の酸化チタンを外添しているトナーと比較しシャープ化(図1参照)し、そのことにより環境特性を含め画像濃度、かぶり、トナー飛散等の問題が改善され、安定したトナーを提供する事が可能となった。例えば図1は、酸化チタンをトナー100部に0.8部外添したものと酸化チタンを外添していない場合を比較するために、E−SPART装置を用いて帯電させたトナー粒子の帯電量(μc/g)を横軸に、それに相当するトナー粒子個数の分布を縦軸に示したグラフである。酸化チタンをトナー表面に外添する事により、各トナー粒子に外添されている酸化チタンが接触することで帯電がリークされ、分布が狭くなりシャープ化されている。
【0021】
また、外添の順番としては、疎水性シリカの後に酸化チタンを外添することが重要である。疎水性シリカが外添された後に酸化チタンが外添されることにより、酸化チタンがトナー粒子の表面に突出する面積が大きくなり、酸化チタンの特性を十分に得ることができる。また、疎水性シリカを外添し流動性の良くなったトナー粒子に酸化チタンを外添する事により、流動性の悪いトナー粒子に酸化チタンを外添する場合よりも均一に外添することができ、両者の外添剤のトナー粒子への埋め込まれも防止することができる。かかる外添剤を混合する方法としては特に限定されないが、バッチ式の乾式高速撹拌機などが望ましい。
【0022】
本発明のトナー粒子には、適宜ワックスを含有させることが好ましい。ワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フイツシヤートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフインワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体、長鎖カルボン酸及びその誘導体,長鎖アルコール及びその誘導体が挙げられる。誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物を含む。
【0023】
本発明で好ましく用いられるワックスは、低分子量ポリプロピレンワックスが望ましくゲルバーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による数量平均分子量(Mn)が6000〜8000であることが好ましい。
一般的に従来の混練条件において、混練機から混練物が吐出した直後における混練温度が混練状態を知る重要なパラメーターである。PPワックスの軟化点に対して15〜30℃高い混練温度においてワックスの結着樹脂への分散性は良好であり、かつこの様な場合においては、結着樹脂と磁性微粉体との濡れ性も良好となり、本発明の課題がより良好に達成できる。
【0024】
本発明で用いられる着色剤としては一般に染料、顔料、カーボンブラックなどでこのような着色剤としては、例えば、ニグロシン染料、カーマイン染料、各種の塩基性染料、酸性染料、油性染料、アントラキノン染料のような染料;ベンジジン系黄色有機顔料、キナントリン系有機顔料、ローダミン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタンなどがある。好ましく用いられる着色剤としてはフアーネスブラック、アセチレンブラック、サーマル、ブラックなどのカーボンブラックをあげることができる。これらカーボンブラックの中でも樹脂中での分散性に優れた1次粒子径が15〜30nmのものが望ましく、またトナー生産時において他の原材料特性を損なうことのない酸性(pH7以下)のものが望ましい。さらに本発明であるトナーには着色成分として磁性微粒子が添加されているためカーボンブラックの添加量が少量で良く、樹脂100重量部当たりに対して3〜7重量部でその機能を充分満足することが可能である。
【0025】
本発明のトナーに使用される結着樹脂について以下に述べる。
本発明に使用されるトナーの結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン;ポリーP−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−P−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体等が挙げられる。
【0026】
またその他の樹脂を適宜添加しても良い。例えばその他の樹脂としては;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メフクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルアチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0027】
なおスチレン系共重合体を製造する場合のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルへキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体:塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフイン;ビニルメチルケトン、ビニルへキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。
【0028】
これらのビニル単量体が単独もしくは組合せてスチレンモノマーとともに用いられる。また架橋されたスチレン系樹脂をうるための架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフイド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これら架橋剤は単独もしくは混合して使用される。またスチレン系樹脂は、ゲルバーミェーションクロマトグラフィ(GPC)において重量平均分子量(Mw)が、15×104〜25×104、数平均分子量(Mn)が、2×103〜4×103が良い。さらにスチレン系樹脂は軟化点が145℃〜165℃が良い。
【0029】
本発明のトナーには、帯電(又は荷電)制御剤として有機金属化合物を用いることが好ましい。有機金属化合物のうちでも、特に気化性や昇華性に富む有機有機化合物を配位子や対イオンとして含有するものが有用である。このような、有機金属化合物としては、次に示した一般式で表わされるアゾ系金属錯体がある。この様なアゾ系金属錯体の中でも中心金属にCrを含有する下記化学構造式(1)又は化学構造式(2)に示すような帯電制御剤を用いることが好ましい。帯電制御剤は、トナー100重量部に対して0.5〜3重量部の範囲で添加されるのが好ましい。
【0030】
【化1】
Figure 0003729718
【0031】
【化2】
Figure 0003729718
【0032】
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、トナー粒子に前記した疎水性シリカと酸化チタンの他に無機微粉体を外添することが好ましい。これは本発明に於けるドラムカートリッジの構成と密接に関係している。通常のカートリッジにおいてはクリーニング部材により回収されたトナーは感光体ドラム上とは反対の重力方向に自重により回収されスパイラル部材などによりボックスに回収されている。本発明のドラムカートリッジは近来の小型化傾向によりクリーニングスペースも小型化されている。そのためクリーニング部材により回収されたトナーは感光体ドラムを圧接されながらボックスに回収される構造となっている。このためより磁性微粉体のドラム融着が顕著となる。
【0033】
かかる不具合をなくすためにはトナー自体の流動性を向上させドラムとの摩擦係数を低減させる必要がある。このため本ドラムカートリッジの様な構造では通常より多量な無機微粉体を外添し上記のような不具合を未然に防止している。ただしこの様な微粉体は通常強い負帯電性を持っており過剰な外添はトナー全体のチャージアップを引き起こし画像濃度低下といった不具合を発生させる要因の1つとなる。しかし、本発明では上記無機微分体の他に酸化チタンを外添している事からトナーの流動性を向上させたまま帯電量の制御も可能となる事から上記のような画像濃度低下も防止可能となる。
従って無機微粉体の添加量としてはトナー100重量部に対して無機微粉体0.3〜1重量部使用するのが良い。
【0034】
無機微粉体としては、例えばシリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体等が挙げられる。特に、BET法で測定した窒素吸着により比表面積が100〜180m2/gの範囲内の無機微粉体が良好な結果を与える。また、無機微粉体は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されていることも好ましい。処理剤は2種類以上使用しても良い。特に、シリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粉体が好ましい。
【0035】
本発明のトナーによる画像形成方法においては、磁性キャリヤ100重量部に対して、本発明のトナー1〜10重量部を混合した二成分系現像剤として使用することが好ましい。この場合に用いられる磁性キャリアとしては鉄粉系キャリアが望ましい。これは本発明の画像形成方法に好適なプロセスカートリッジにおける現像スリーブ(現像剤担持体)とドクターブレードとのクリアランスが1.0mm以上と広いためである。このような広いクリアランスはカートリッジ自体の精度がラフで良いため生産コストがかからないと言うメリットがある。その反面、現像剤担持体上の現像剤の穂が長くなりキャリア付着が発生しやすくなる。また、本カートリッジはその回転部材のギヤ配置の簡素化、低コスト化のためスリーブの回転方向とドラムの回転方向が逆である。このためいっそう現像剤の穂に対するストレスが大きくキャリア付着が発生しやすい現像システムとなっている。この様な現像システムにおいて例えば特公昭56−52305号公報に記載されているフェライトキャリアは、飽和磁化が低く、担体粒子を小粒径化してゆくとキャリア付着が発生し、感光体及びクリーニングブレードに傷を生ぜしめ、この部材の耐久性を著しく短くする欠点がある。このためより磁力の強い鉄粉系キャリアが本発明に適することになる。
【0036】
現在、一般に実用化されている鉄粉系キャリアは、その外見的形状により次の二種類に分類される。その一つは、形の定まらない不規則な形状を有するものである。これは特公昭55−40863号公報に記載されている様に、原料鉄粉を焼結、粉砕、分級してなるため、不定形鉄粉担体となり、形状異方性によって現像磁場において磁束密度が高く穂が硬くなり、Solid部(べた黒部)にハキ目(トナー剥離部分)が生じ易い。また、現像剤の搬送の過程で「割れ」や「欠け」が発生しやすく、これらが感光体表面を損傷し、結果的に画像を悪化させる。さらに現像剤の流動性が悪く、現像剤の劣化を早めたり、搬送の過程での現像ローラーにかかるトルクが大きくなるという欠点を有している。
【0037】
他の一つは、球形あるいは球形に近い粒状の形をもった一般的にアトマイズ鉄粉と呼ばれているもので本発明に好ましく使用されているものである。この場合、形状が球形に近いため不定形鉄粉の持つ不具合が無く優れた特性を持つことになる。しかし不定形キャリアに比べて比表面積が小さくなるため本発明のような小粒径トナーを用いた現像においては帯電付与能力が低下する。このためトナーの比表面積に準じたキャリア比表面積が必要となり粒子径を小さくする必要がある。本願トナーに適するキャリア粒子径は80μm以下が好ましい。しかし、キャリア粒子径が40μm以下になると流動性が悪化し帯電不良、スペント増加等の不具合発生原因の1つとなる。従ってキャリア粒子径としてはその重量平均粒径が40乃至80μmのものが好ましい。また、本発明のトナーとの比重差を考慮した混合撹拌性を最適とするためにはキャリアの真比重は6.0以上が好ましい。しかし、真比重が8.0を超えるとドラムの摺擦力が増加し画質劣化を招く原因の1つとなる。従ってキャリア真比重としてはその6.0〜8.0のものが好ましい。
【0038】
このキャリアには絶縁性皮膜として樹脂コートをすることが望ましい。コートに使用することのできる樹脂としては従来から使用されている全てのものが使用可能であるが、より好ましくはシリコーン系樹脂である。シリコーン樹脂としては、シリコーンワニス(東芝製TSR l15、TSR l14、TSR lO2、TSR lO3、YR 3061、TSR llO、TSR l16、TSR l17、TSR lO8,TSR lO9、TSR 180、TSR 181、TSR187、TSR 144、TSR 165、信越シリコーン社製KR 271、KR 272、KR 275、KR 280、KR 282、KR 267、KR 269、KR 211、KR 212など)、アルキッド変性シリコーンワニス(東芝製TSR 184,185など)、エポキシ変性シリコーンワニス(東芝製TSR 194、YS 54など)、ポリエステル変性シリコーンワニス(東芝製TSR 187など)、アクリル変性シリコーンワニス(東芝製TSR 170,171など)、ウレタン変性シリコーンワニス(東芝製TSR 175など)、反応性シリコーン樹脂(信越シリコーン社製KAl008、KBEl003、KBCl003、KBM 303、KBM 403、KBM 503、KBM 602、KBM 603など)などがある。
【0039】
次に、トナー粒子の溶融混練による製造方法について説明する。本発明に用いられる混練機としては、近年のトナーの量産化に対応して、エクストルーダーを用いて混練することが好ましい。特に二軸エクストルーダーが品質安定性及び量産性の観点から好ましい混練機である。具体例としては、TEM−100B(東芝機械製)、PCM−87(池貝鉄工製)等が挙げられる。本発明において、トナー粒子を生成するための溶融混練工程において、結着樹脂,磁性微粉体及びワックスを少なくとも有する混合物を、混練機により下記条件にて製造する。
混練温度:樹脂の軟化点温度+15℃〜30℃
回転数:150〜210rpm
供給量:80〜140kg/hr
得られた混練物は、従来知られている方法で圧延冷却、粗砕、ジェット気流による微粉砕、分級が行なわれトナー粒子が得られる。
【0040】
ここでトナー粒子中の磁性微粉体及びワックスの分散性については、トナーの誘電体損失(tanδ)および電気抵抗値(R)を測定することにより知ることができる。一般的にトナー中の材料成分の分散性が悪い場合tanδの値は大きく、Rは小さくなる。また、分散性が良い場合tanδの値は小さく抵抗値Rは大きくなる。ただしあまりにも高分散になった場合、トナー抵抗値が上昇し現像性低下を引き起こす。ここでトナーのtanδや抵抗値Rは材料、特には樹脂及びカーボンブラックの選定、混合条件や溶融混練の条件などで分散性を変化させることで調整できる。本発明のトナーにおいてはtanδ(×10-3)と抵抗値R(10+9)は下記条件とすることが好ましい。
1.5<tanδ<4.0、 200<R<350が好ましい。
【0041】
以下に誘電体損失(tanδ)の測定法について説明する。
先ず誘電体換測定装置(TSR・10T型、安藤電気社製)を用いて測定した。測定方法としては、まず、得られたトナーから錠剤成形器を用いて約1.5mm程度の測定用サンプルを作成する。次に上記サンプルを固体用電極内部に装着し、電極を恒温槽の中にプラグインする。測定装置の測定モードをゼロバランスモードに設定し、測定周波数に応じてPATIO値を決定し、平衝の操作を行う。このときのコンダクタンスの値をR0とする。さらに測定モードを替えて零平衡と同様に平衡操作を行う。このときのキャパシタンスをCx、コンダクタンスR’とする。tanδは上記測定値を用いて次のように求めることができる。
【0042】
まず、誘電率(ε’)=Cx/C0……(1)
ここで、C0は誘電体を空気で置き換えたときの静電容量である幾何学的静電容量である。一方、誘電損率(ε”)を次式により求める。
誘電損率(ε”)=Gx/ωC0……(2)
ここで、ωは角周波数であり、ω=2πf(fは周波数Hz)、Gxはコンダクタンスで、Gx=PATIO値×(R’−Ro)で示される。
tanδは、tan=ε”/ε’……(3)
にて示され、(3)式に(1)式及び(2)式を代入すると、tanδは、Gx/ωGx=PATIO値×(R’−Ro)/2πfCxと表わされ、測定した各測定値をそれぞれ代入してtanδを測定した。本願での測定方法は、測定周波数1kHzで行い、それに応じたPATIO値は1×109であった。
【0043】
本発明の外添剤であるBET比表面積の実測は、例えばQUANTACHROME社製比表面積計オートクレーブ1を使用した場合、測定方法の例としては次のようなものがある。外添剤の微粒子(疎水性シリカ又は酸化チタン)約0.3gをセル中に秤取し、温度40℃、真空度1.0×10-3mmHgで1時間以上脱気処理を行う。その後、液体窒素により冷却した状態で窒素ガスを吸着し多点法により値を求める。
【0044】
本発明のトナーを使用する画像形成方法の一例を添付図2にて説明する。
先ず帯電チャージャー2により電圧を印加され、静電荷像保持体(以下、感光ドラムと称する)1の表面を負極性に帯電し、レーザー光発生手段3による露光によるイメージスキヤニングによりデジタル潜像を感光ドラム1上に形成しておき、磁石を内包しているトナー担持体(現像スリーブ)4上には、現像剤層厚規制手段としてのドクターブレード5及び現像剤供給ローラ6を具備する現像器7中からの現像剤(トナーと磁性キャリヤの二成分)8が静電付着されて、感光ドラム1と該現像スリーブ4が近接し、感光ドラム1上の潜像をトナーで反転現像する。この際、現像部において感光ドラム1の導電性基体は接地(図示せず)され、一方現像スリーブ4にはバイアス印加手段9により直流バイアスが印加されている。転写紙Pが搬送されて転写部にくると、ローラ転写手段10により転写紙Pの背面(感光ドラム1側と反対面)から電圧印加手段11で帯電することにより、感光ドラム1の表面上の現像画像(トナー像)がローラ転写手段10によって転写紙P上に転写される。
【0045】
感光ドラム1から分離された転写紙Pは、加熱加圧ローラ定着器12により転写紙P上のトナー画像を定着するために定着処理される。転写工程後の感光ドラム1に残留するトナーは弾性ブレード13によりクリーニングされ回収ボックス14に回収される。かかるクリーニング手段によるクリーニング後の感光ドラム1は、再度、帯電チャージャー2による帯電工程から始まる工程が繰り返される。感光ドラム1は感光層及び導電性基体を有する。トナー担持体である非磁性円筒の現像スリーブ4は、現像部において感光ドラム1の表面と逆方向に進むように回転する。現像スリーブ4の内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネットロール)が回転しないように配されている。現像器7内の現像剤(トナーと磁性キャリア)8は現像剤供給ローラ6から非磁性円筒面4の面上に塗布され、現像スリーブ4の表面とドクターブレード5との塗付摩擦によって、トナー現像剤8は、例えばマイナスのトリボ電荷が与えられる。
【0046】
現像部において現像スリーブ4に直流バイアスをバイアス手段により印加しても良い。この直流バイアスは−400V〜−500Vであれば良い。現像部におけるトナーの移転に際し、感光ドラム表面の静電的及びバイアスの作用によってトナーは静電像側に移転する。感光ドラム1はアルミニウムの如き導電性金属で形成されている導電性基層と、その外面に形成した光導電層とを基本構成層とするものであり、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転される。帯電チャージャー2により感光ドラム1の表面が所定の極性・電位に帯電される。次いで、画像露光3により静電荷像が形成され、現像スリーブ4からの現像手段により静電荷像はトナー画像として順次可視化されていく。
【0047】
次に本発明の画像形成装置におけるプロセスカートリッジについて説明する。本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも現像手段と潜像保持体とが個別に一体的にカートリッジ化されたものであり、画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置)に着脱可能に構成されている。ここで、現像スリーブからの現像手段、ドラム状の静電荷像保持体(感光ドラム)、クリーニングブレードを有するクリーニング手段、一次帯電手段としての帯電チャージャー等を組み合わせ一体とするプロセスカートリッジが一実施形態例として例示される。
【0048】
かかる実施形態では、現像手段は、現像剤層厚規制手段としてのドクターブレードとトナー容器内にトナーと磁性キャリヤからなる現像剤を有し、該現像剤を用い、現像時にはバイアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラムとトナー担持体としての現像スリーブとの間に所定の電界が形成されて現像工程が実施される。この現像工程を好適に実施するためには、感光ドラムと現像スリーブとの間の距離が1mm以上に調整される。上記では、現像手段、潜像保持体、クリーニング手段及び一次帯電手段の4つの構成要素を一体的にカートリッジ化した実施形態について説明したが、本発明においては、現像手段と静電荷像保持体とが別々にカートリッジ化されたものであればよく、特に限定されない。
【0049】
【実施例】
本発明を以下の実施例により具体的に説明する。
なお、実施例で使用したトナー物性の評価方法と評価基準を下記に示す。
【0050】
評価方法
(a)画像濃度
初期(2枚目)、200,000枚日のベタ黒画像の画像濃度をマクベス濃度計により測定した。
(画像濃度測定法)
直径55mmの黒円を含む原稿を用いて、3枚複写し得られたコピーサンプルの黒部をマクベス濃度計にて測定しそれらを平均した値。
(評価基準)
○:1.3以上
△:1.1〜1.3
×:1.1以下
【0051】
(b)コピーカブリ
“白度計"を用い、あらかじめプリント前の転写紙の白色度を測定し、プリントされた白色画像部の白色度との差を求め、その差が最大となる値を示した。
(カブリ濃度測定法)
A4サイズの白紙を予め“白度計"(ハンター白度計、日本電色工業社製)にて白度を測定しその値を第1測定値とする。次に直径55mmの白円を含む原稿を用いて、3枚複写し得られたコピーサンプルの白部を前述の白度計にて測定しこの値を第2測定値とする。第2測定値の値を第1測定値から差し引いた値をカブリの値とする。
(評価基準)
○:0.4以下
△:0.8〜0.4
×:0.8以上
【0052】
(c)トナー消費量
原稿濃度6%のチャートを使用し連続コピーにより1000枚毎にトナーの消費量を計算した。
(評価基準)
○:30g以下
△:30〜35g
×:35g以上
【0053】
(d)トナー飛散
原稿濃度6%のチャートを使用し連続コピー20000枚後のトナー飛散状態を確認した。
(評価基準)
○:マシン機内のトナー飛散による汚れ発生なし。
△:マシン機内のトナー飛散は若干あるが実用上(コピー)に影響無し。
×:マシン機内にトナー飛散による汚れが発生し、コピーに影響無を及ぼすレベル。
【0054】
実施例1(トナー処方1)
(i)結着樹脂100重量部
(a)スチレンーアクリル酸n−ブチル共重合体(共重合重量比=80:20)
(b)重量平均分子量(Mw)20万、 数平均分子童(Mn)3000
(c)軟化点155℃
(d)酸化 0.2KOHmg/mg
(e)残存モノマー量 500ppm
【0055】
(ii)磁性微粉体3重量部
(a)重量平均粒径R:0.20μm
(b)磁性微粒子の形状:八面体
(c)σr/σs:0.15〔−〕
(d)r=4×103〔Ω・cm〕
(iii)負荷電制御剤1.5重量部
(a)前記化学構造式(1)で示されるモノアゾ錯体
(b)1次粒子径:7μm
【0056】
(iv)ワックス2重量部
(a)低分子量ポリプロピレン
(b)軟化点:155℃
(c)軟化点の測定方法:DSC吸熱ピーク温度
(v)カーボンブラック6重量部
(a)pH:3
(b)1次粒子径:30μm
【0057】
外添処方(疎水性シリカ)
(a)シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルとで表面処理
(b)BET比表面積80〜140m2/g
外添処方(酸化チタン)
(a)BET比表面積30〜120m2/g
(b)抵抗値5.5×1010(Ω・cm)
【0058】
上記材料をヘンシェルミキサーで混合して混合物を得、得られた混合物を二軸エクストルーダー(機種名「PCM−65(池貝鉄工製)」)に導入し、スクリューの回転数180(rpm)、設定温度100℃、混合物の供給量110kg/hrで混合物の溶融混練をおこなった。混練直後の混練物の温度は、180℃であった。混練物をハンマーミルで1mm以下に粗粉砕し、得られた粗粉砕物をジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機で微粉砕し微粉砕物を得た。トナー粒子の重量平均粒径(D50)は8.2μmであった。得られたトナー粒子100重量部、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルとで表面処理している疎水性シリカ微分体(BET比表面積140m2/g)0.55重量部を先に外添し、その上から酸化チタン(BET比表面積70m2/g)0.8重量部を外添付着して、負摩擦帯電性のトナー(処方1)を調整した。
【0059】
前記した画像形成方法でのトナー処方1の評価をおこなうために、600dpiの解像性を有する反転現像方法で静電荷像を現像するレーザビームプリンタ(商品名AR−160、定着温度160℃、シャープ株式会社製)用のプロセスカートリッジの現像器にトナーと磁性キャリアを前者8重量部、後者100重量部の割合で配合した二成分系現像剤として導入し、プロセスカートリッジをレーザビームプリンタに装着し、各環境下において画出し試験をおこなった。さらに、1200dpiの解像度を有するように改造したレーザビームプリンタを使用してドット潜像の画質等について上記の評価方法で評価した結果を表1に示す。
【0060】
その他の実施例(トナー処方2〜20)
上記の実施例1におけるトナー材料、外添剤等を変化させて、トナー粒子の真比重、外添剤のBET比表面積、外添条件(但し処方13と14以外は、全て疎水性シリカを先に外添し、その上から酸化チタンを外添付着させたものである)、飽和磁化、誘電体損失等を下記のように種々変化させたトナー処方(処方2〜20)の差異によるトナー物性と画質等を同様に評価した。
【0061】
(1)実施例(処方2〜処方5)
トナー真比重の差異による評価確認の処方一覧と評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003729718
【0063】
(2)実施例(処方6〜処方11)
外添剤のBET比表面積の差異による評価確認の処方一覧と評価結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
Figure 0003729718
【0065】
(3)実施例(処方12〜処方14)
外添剤の外添条件の差異による評価確認の処方一覧と評価結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
Figure 0003729718
【0067】
(4)実施例(処方15〜処方17)
トナー粒子の飽和磁化の差異による評価確認の処方一覧と評価結果を表4に示す。
【0068】
【表4】
Figure 0003729718
【0069】
(5)実施例(処方18〜処方20)
トナー粒子の誘電体損失(tanδ)の差異による評価確認の処方一覧と評価結果を表5に、トナー粒子の電気抵抗値の差異による評価確認の処方一覧と評価結果を表6に示す。
【0070】
【表5】
Figure 0003729718
【0071】
【表6】
Figure 0003729718
【0072】
【発明の効果】
本発明のトナー表面には、外添剤として疎水性シリカが外添され、さらにその上から酸化チタンが外添されていることによって、酸化チタンがトナー粒子の外側に突出してくる面積が多くなり、酸化チタンの特性である帯電量の均一化の特性が安定して得られることから、高温・高湿環境下及び低温・低湿環境下を含む各環境において、画像濃度低下、かぶり、トナー飛散等の問題の発生しないトナーと画像形成方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化チタンを外添剤として使用した場合と使用しない場合のトナーの帯電量の分布領域を示すグラフである。
【図2】本発明のトナーを用いる電子写真装置の画像形成方法の概略説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電チャージャー
3 レーザー光発生手段
4 現像スリーブ
5 ドクターブレード
6 現像剤供給ローラ
7 現像器
8 トナー現像剤
9 バイアス印加手段
10 ローラ転写手段
11 電圧印加手段
12 加熱加圧ローラ定着器
13 弾性ブレード
14 回収ボックス

Claims (6)

  1. 結着樹脂、帯電制御剤、着色剤、及び磁性微粉体を少なくともトナー粒子中に含有している静電荷像現像用トナーであって、該帯電制御剤は中心金属がクロム原子のアゾ系化合物からなるものであり、該トナー粒子の真比重(g/cc)が1.1〜1.3であり、該トナー粒子の表面には100〜180m2/gのBET比表面積を有する疎水性シリカを付着させた後に50〜100m2/gのBET比表面積を有する酸化チタンを外添付着させることにより、酸化チタンが該トナー粒子の表面に突出する面積が大きくなるようにしたことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. トナーには磁性微粉体が10重量%以下の範囲で含有され、磁性微粉体の重量平均粒径は0.05〜0.30μmであり、磁性微粉体の構成する磁性微粒子の形状としては、八面体形状である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. トナー粒子は、79.58kA/m(1Kエルステッド)の磁界下における飽和磁化{σs(Am2/kg)}と磁性微粉体の残留磁化{σr(Am2/kg)}との関係が下記条件を満足している請求項1乃至2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
    σr/σs<0.25
  4. トナー粒子は、その誘電体損失{tanδ(×10-3)}と電気抵抗{R(×10+9)}が、下記条件を満足している請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
    1.5<tanδ<4.0, 200<R<350
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーに磁性キャリアを混合した二成分系現像剤として、マグネットが設置された現像剤担持体表面に帯電付着させ、静電荷像保持体上の静電荷像へ上記トナーを付着させて現像させることを特徴とする画像形成方法。
  6. 静電荷像保持体とトナーを保有する現像剤担持体のクリアランスが1mm以上であって、該現像剤担持体が、画像形成装置本体に対して着脱可能なカートリッジに組み込まれて使用されることを特徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
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