JP3696050B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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JP3696050B2 JP2000156217A JP2000156217A JP3696050B2 JP 3696050 B2 JP3696050 B2 JP 3696050B2 JP 2000156217 A JP2000156217 A JP 2000156217A JP 2000156217 A JP2000156217 A JP 2000156217A JP 3696050 B2 JP3696050 B2 JP 3696050B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法のごとき画像形成方法における静電荷像を現像してトナー画像を形成するためのトナー、該トナーを使用する現像剤、該トナーを有するプロセスカートリッジ、該現像剤を使用する画像形成装置・方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、複写機およびレーザビームプリンタなどのように電子写真技術を用いる画像形成装置の機能が多用化し、より一層の画像の高精細化および高画質化が求められている。このような画像形成装置には、より粒子径の細かいトナーを使用する傾向にある。トナーの粒径を小径化してキャリアを高抵抗化した場合、画像の高精細化は達成されるが、画像濃度低下およびカブリ現象が発生しやすくなる。また脱落した磁性微粉体による感光体ドラムへの融着がしばしば問題となる。
【0003】
前述の問題を解決する手段として、特開平11−194533号公報において、トナー内での原材料相互間での分散性を向上させ、トナー粒子表面上に存在する磁性微粉体の存在状態を制御されたトナー、および該トナーの製造方法が提案されている。提案されている方法では、添加する磁性粉量が多いので、必ずしも最適な材料分散が得られず、感光体ドラムへの磁性微粉の融着、低温および低湿環境においてカブリが発生し、帯電不良の原因となっていた。
【0004】
特開平8−123083号公報において、送りスクリュ部とニーディング部とを有するスクリュ押出機を用いて、トナー材料を溶融混練する際の温度条件を規定するトナーの製造方法が提案されている。体積平均粒径(d50)7.15〜7.23μmのトナーの製造方法が記載されている。該製造方法において、トナーの平均粒径をより小さく、たとえば5μmにする場合には、トナー粒子表面から磁性微粒子が遊離しやすく、遊離した磁性微粒子の数が増加する傾向が高くなる。
【0005】
前記公報においては、さらに押出機における混練物の出口側の温度を低く設定している。この温度条件は、発熱した混練物を押出機中で強制冷却するための条件であり、一般的に温度制御が困難な場合が多く、負荷が大きく実生産上の工程管理が難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記問題を解決するために、トナーおよび現像剤の構成材料ならびに構成材料比を最適化する提案は、使用される画像形成装置におけるプロセスカートリッジによっては本来の性能を発揮できない不具合がある。またトナー性能を向上するためにトナーの製造方法を最適化する提案は、使用材料の構成比の最適化が不充分であるので、最終的に製造されるトナーの性能も不充分である。さらに最適化した構成材料および構成比で、最適な製造方法によってトナーおよび現像剤を生産する提案では、使用されるプロセスカートリッジによって、トナーおよび現像剤の設計性能を最大限に発揮できない場合がある。
【0007】
本発明の目的は、環境に左右されることなく高品質の画像が得られるトナー、該トナーを使用する現像剤、該現像剤を有するプロセスカートリッジ、ならびに該現像剤を使用する画像形成装置・方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、磁性キャリアと混合して用いられるトナー粒子を有し、
前記トナー粒子は、
少なくとも結着樹脂、および
79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における残留磁化σr〔Am2/k
g〕と飽和磁化σs〔Am2/kg〕とが、
0.05<σr/σs<0.25
の関係を満たしている磁性微粉体とを含有し、
重量平均粒径が7.5〜10.5μmであり、かつ真比重が1.1〜1.3であり、
前記トナー粒子に、表面に少なくともアミノシラン基を有する八面体形状の磁性微粒子が外添され、
前記外添される磁性微粒子は、第1および第2外添磁性微粉体A,Bから成り、
第1外添磁性微粉体Aは、
0.05<σr/σs<0.25
の関係を満たし、
トナー粒子100重量部に対して1.5〜2.5重量部、
重量平均粒径0.05〜0.30μm、
比電気抵抗r〔Ω・cm〕が
1×103<r<9×103
であり、
第2外添磁性微粉体Bは、
σr/σs<0.10
の関係を満たし、
トナー粒子100重量部に対して0.5〜1.5重量部、
重量平均粒径0.30〜0.60μm、
比電気抵抗r〔Ω・cm〕が
1×108<r<9×108
であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【0009】
本発明に従えば、各環境下において、カブリおよび帯電不良が発生し難く、高画像濃度の画像を形成することができるトナーを提供することができる。
また、チャージアップによる画像濃度低下を防止することができる。
また、第1外添磁性微粉体Aを使用することによって、磁気的拘束力を効果的に作用させることができ、高温および高湿環境下においてトナー飛散およびカブリを防ぐことができ、また効果的にトナー表面抵抗を下げることができ、さらにドラム表面への融着現象を防ぎ、しかもドラム表面を適度に削って常にフレッシュな面を維持する研磨効果を得ることができ、少量の磁性微粉体を均一分散させるための必要個数を確保することができ、さらにチャージリーク効果が劣ることを防ぐ。
第2外添磁性微粉体Bを使用することによって、磁気的拘束力による凝集を防ぎ、ドラム表面を適度に削って常にフレッシュな面を維持してドラム表面への融着を防止する研磨効果を保ち、ドラムへの磁性粉融着防止効果を維持し、トナー表面抵抗の低下を防ぎ、チャージリークを生ぜず、トナー飛散およびカブリを防ぎ、トナー表面へ静電的に付着させることができる。
【0010】
【0011】
特に高温および高湿環境下でカブリの発生を良好に防止し、耐久複写による画像濃度低下を防止して画像濃度を維持することができる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
また本発明は、前記トナー粒子は、79.58kA/m(1Kエルステッド)の磁界下における飽和磁化が0.1〜3.0〔Am2/kg〕であることを特徴とする。
本発明に従えば、ドラム融着を効果的に防止することができる。
【0023】
【0024】
【0025】
また本発明は、前記トナー粒子は、比電気抵抗が200×109〜350×109Ω・mであることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、トナー材料の分散性を適度に高めて現像性を低下することがない。
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
また本発明は、前記トナー微粒子は、荷電制御剤として、分子骨格にCr、Fe、CoまたはNiのうちの1種が含まれる含金属アゾ化合物を含有していることを特徴とする。
本発明に従えば、帯電性を制御することができる。
【0031】
前記含金属アゾ化合物は、1次粒子径が6〜10μmであり、帯電性を有効に制御することができる。
【0032】
また本発明は、前記含金属アゾ化合物は、トナー100重量部に対して0.5〜4重量部含有されていることを特徴とする。
本発明に従えば、帯電性を有効に制御することができる。
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
また本発明は、樹脂で被覆され、重量平均粒径が40〜80μmであり、かつ真比重が6.0〜8.0である磁性キャリアと、請求項1〜27のうちのいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーとを含有することを特徴とする静電荷現像剤用現像剤である。
本発明に従えば、帯電不良および画質劣化を防止することができる。
【0049】
また本発明は、前記磁性キャリアは、79.58kA/m(1Kエルステッド)の磁界下における磁化σ〔Am2/kg〕が、80<σ<120であることを特徴とする。
【0050】
本発明に従えば、キャリア付着の発生によって感光体ドラムおよびクリーニングブレードなどの部材の耐久性を短縮することを防ぐことができる。
【0051】
また本発明は、前記磁性キャリアは、79.58kA/m(1Kエルステッド)の磁界下における残留磁化σr〔Am2/kg〕が、σr<1であることを特徴とする。
【0052】
本発明に従えば、キャリア付着の発生によって感光体ドラムおよびクリーニングブレードなどの部材の耐久性を短縮することを防ぐことができる。
【0053】
また本発明は、前記磁性キャリアは、表面がシリコーン樹脂で被覆された球形の鉄粉キャリアであって、該シリコーン樹脂は、オルガノシロキサン結合のみから成るストレートシリコン、または少なくともアルキド、ポリエステル、エポキシおよびウレタンのうちの1種で変性したシリコーン樹脂であることを特徴とする。
本発明に従えば、帯電不良を有効に防止することができる。
【0054】
また本発明は、前記静電荷像現像用トナーは、静電荷像現像用現像剤中に6.5〜9.5重量%含有されていることを特徴とする。
本発明に従えば、磁性キャリアとの混合撹拌性を最適にすることができる。
【0055】
本発明は、静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムの表面を一様に帯電する帯電手段と、静電潜像を形成するために感光体を露光する露光手段と、静電潜像を前述の静電荷像現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録紙に転写する転写手段と、転写されなかったトナーを回収するクリーニング手段と、記録紙にトナー像を定着する定着手段とを含む画像形成装置に着脱可能に備えられるプロセスカートリッジであって、前記感光体ドラム、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段から成り、現像手段は、トナー、現像剤、トナーの穂立ちを形成する現像スリーブ、および穂立ち高さを制限するドクタブレードを含み、クリーニング手段は、転写されずに感光体上に残存しているトナーを除去するクリニングブレードを含み、前記現像スリーブとドクタブレードとが1.0〜2.5mmの間隔をあけ、感光体ドラムと現像スリーブとが1.0〜3.0mmの間隔をあけて、それぞれ近接設置されていることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0056】
本発明に従えば、現像工程を好適に実施することができるとともに、カブリの発生が少なく帯電不良が発生し難いプロセスカートリッジを提供することができる。
【0057】
本発明は、静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムの表面を一様に帯電する帯電手段と、静電潜像を形成するために帯電された感光体の露光領域を露光する露光手段と、少なくともトナー、現像剤、現像スリーブおよびドクタブレードを有し、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録紙に転写する転写手段と、転写されたトナー像を記録紙に定着する定着手段と、転写されずに感光体上に残存しているトナーを除去するクリニングブレードを有してトナーを回収するクリーニング手段とを備え、前記現像剤は、請求項28〜32のうちのいずれか1つに記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
【0058】
本発明に従えば、現像工程を好適に実施することができるとともに、カブリの発生が少なく帯電不良が発生し難い画像形成装置を提供することができる。
【0059】
また本発明は、前記感光体ドラム、帯電手段およびクリーニング手段から成るドラムカートリッジ、および前記現像手段から成る現像カートリッジが、それぞれ着脱可能に装着されていることを特徴とする。
【0060】
本発明に従えば、現像工程を好適に実施することができるとともに、カブリの発生が少なく帯電不良が発生し難い画像形成装置を提供することができる。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
本発明は、感光体ドラムの表面を一様に帯電する帯電工程と、静電潜像を形成するために帯電された感光体の露光領域を露光して静電潜像を形成する露光工程と、形成された静電潜像を、前述の静電荷像現像用現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録紙に転写する転写工程と、転写されたトナー像を記録紙に定着する定着工程と、転写されずに感光体上に残存しているトナーを除去するクリニングブレードによってトナーを回収するクリーニング工程とを含むことを特徴とする画像形成方法である。
【0068】
本発明に従えば、各環境下において、カブリの発生が少なく、帯電不良の発生し難い画像形成方法を提供することができる。
【0069】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態による静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」とも称する。)は、少なくとも結着樹脂および磁性微粉体を含有し、必要に応じてワックス、荷電制御剤および着色剤などの添加剤を含有するトナー粒子に、第1および第2外添磁性微粉体A,Bから成る磁性微粒子などが外添されて構成されている。
【0070】
前記トナー粒子の重量平均粒径は、7.5〜10.5μmである。感光体ドラム上の1ドット単位の静電荷潜像を忠実に再現するには、トナーの重量粒径が10.5μm以下である必要がある。ただし重量平均粒径が7.5μm以下になると、後述する本発明の画像形成方法において使用する場合には、トナー飛散が増大する結果となる。トナーの重量粒径が低下するに従って静電気力に支配されない粒子が増加するからである。現像スリーブと感光体ドラムとのクリアランスが1mm以下と狭い場合、前述のトナー飛散は少ないが、後述する本発明のプロセスカートリッジにおいては、前記クリアランスが1mm以上となるので、トナーの重量粒径の低下の影響がより顕著となり、トナー飛散が増大する。
【0071】
トナー粒子には、外添剤が外添される。この場合、通常、トナーの重量平均粒径は、トナー粒子の重量平均粒径と実質的に同一の値を示すので、トナー粒子の重量平均粒径をトナーの重量平均粒径とみなすことができる。
【0072】
トナー粒子の重量平均粒径は、コールターカウンタ法によって測定する。コールターカウンタ法による測定装置としては、たとえばコールターカウンタTA−IIまたはコールターマルチサイザ(コールター社製)が用いられる。電解水溶液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。
【0073】
測定方法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。測定試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置において、アパーチャとして100μmアパーチャを用いて、トナー粒子の体積および個数を測定し、体積分布および個数分布を算出する。算出した体積分布および個数分布から、トナー粒子の重量基準の重量平均粒径(D4)を求める。
【0074】
チャンネルとしては、2.00以上2.52μm未満、2.52以上3.17μm未満、3.17以上4.00μm未満、4.00以上5.04μm未満、5.04以上6.35μm未満、6.35以上8.00μm未満、8.00以上10.08μm未満、10.08以上12.70μm未満、12.70以上16.00μm未満、16.00以上20.20μm未満、20.20以上25.40μm未満、25.40以上32.00μm未満、および32.00以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30未満の粒子を対象とする。
【0075】
トナー粒子の真比重は、1.1〜1.3である。トナー粒子の真比重が、小さくなると、磁性キャリアとの比重差が大きくなりすぎて混合効率の低下を招き、補給トナーの帯電不良によるトナー飛散およびカブリを引き起こす原因となり、大きくなると、現像スリーブの回転に従ってより強い遠心力を受けるからである。トナー粒子またはトナーの真比重は、比重計ピクノメーターセルを用いて測定を行った。
【0076】
前記磁性微粉体は、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における残留磁化σr〔Am2/kg〕と飽和磁化σs〔Am2/kg〕との関係、すなわち磁性微粉体の磁気力(σr/σs)が0.25未満であることが好ましい。
【0077】
本発明のトナーが好ましく用いられる現像方法として、トナーおよび現像剤担持体である現像スリーブ内にマグネットロールが設置され、このマグネットロールの磁力でトナーおよび現像剤を保持し、キャリア上で摩擦帯電を行い、帯電したトナーで静電荷像保持体である感光体ドラムの静電荷像を現像する方法が挙げられる。このような現像方法において、前述の重量平均粒径7.5〜10.5μmのトナー粒子を用いる場合、高温および高湿環境下でのカブリ、耐久時 耐久使用によるベタ黒濃度が薄くなる現象、および低温および低湿環境下での磁性微粉体のドラム融着現象が生じやすくなる。
【0078】
これらの問題は磁性微粉体の磁気力(σr/σs)をコントロールすることで効果的に解決することが可能である。トナーに磁気力を与えることによって、高温および高湿環境下でトナーの摩擦帯電量が低くなって起こるカブリの発生を良好に防止し、長期使用による画像濃度低下を防止して画像濃度を維持することができる。
【0079】
磁気力(σr/σs)が0.25以上の磁性微粉体を用いる場合には、磁気的拘束力が効果的に作用しないので、高温および高湿環境でのカブリ現象、長期使用によるベタ黒濃度薄現象、ならびに低温および低湿環境でのドラム融着現象が生じやすくなる。磁性微粉体の磁気力(σr/σs)が0.05未満の場合には、逆に磁気的拘束力が支配的となり、前述の全環境において画像濃度低下を招きやすいので好ましくない。磁性微粉体の磁気力(σr/σs)は、0.1〜0.2の範囲にあることがより好ましい。磁気特性はVSMP−1−10(東英工業社製)を用いて、外部磁場79.58kA/mで測定した。
【0080】
また低温および低湿環境では、溶融混練条件および磁性微粉量最適化して、トナー担持体である現像スリーブ表面の磁性微粉量をコントロールすることによって、感光体ドラムへの磁性粉融着を防止することが可能となる。これによって高温および高湿環境においても、摩擦帯電量の高いトナーが選択的に現像されやすくなり、カブリを抑制することができる。
【0081】
前記磁性微粉体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウムおよびケイ素などの元素を含み、磁性を有する金属酸化物を用いることができる
【0082】
前記磁性微粉体の形状としては、八面体、六面体および球形などが挙げられる。分散過程における自転を防ぎ高分散にするには、より物理的剪断力を受けやすい八面体形状のものが画像濃度とカブリのラチチュード(許容範囲)を広く取り得るため好ましい。
【0083】
前記磁性微粉体は、さらに本発明の課題をより高度なレベルで満足させるためには、少なくともアミノシラン基を有し、比電気抵抗rが1×103<r<9×103〔Ω・cm〕であることが好ましい。比電気抵抗が1×103〔Ω・cm〕以下の場合、磁性微粒子の表面アミノシラン基の存在が非常にまばらな状態であるので、トナー材料混練時に結着樹脂と磁性微粉体との濡れ性が低下し、トナー製造においてトナー粒子から磁性微粉体が離脱しやすくなり、脱離した磁性微粉体が原因となって感光体ドラムへの磁性粉融着が生じやすくなる。比電気抵抗が9×103〔Ω・cm〕より大きい場合、トナー全体が高抵抗化してチャージアップによる画像濃度低下を引起こす原因となる。より好ましい比電気抵抗の範囲は3×103〜5×103〔Ω・cm〕である。
【0084】
前記磁性微粉体は、トナー粒子中に1〜10重量%含有されていることが好ましい。1重量%より少ない場合は、重量平均粒径7.5〜9.5μmのトナー粒子においては、カブリ現象の発生を抑制することが困難となり、10重量%より多い場合は、磁気拘束力が支配的となって画像濃度が低下したり、脱落する磁性粉が増加して感光体ドラムへの磁性粉融着が発生しやすくなる。
【0085】
より好ましくは、トナー粒子中の磁性微粉体の含有量は、1〜5重量%である。磁性微粉体の含有量が多いとトナーの真比重が大きくなり、現像スリーブの回転に従ってより強い遠心力を受ける。この遠心力が磁力と静電気力とを合わせた力よって大きくなるので、トナーは飛散することになる。また磁性微粉体の含有量が少ない場合、トナーの真比重は小さくなって磁性キャリアとの比重差が大きくなりすぎるため混合効率の低下を招き、補給トナーの帯電不良によるトナー飛散およびカブリを引起こす原因の1つとなる。
【0086】
前記ワックスとしては、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックスおよびその誘導体、長鎖カルボン酸およびその誘導体、ならびに長鎖アルコールおよびその誘導体が挙げられる。誘導体としては、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物とを含む。
【0087】
前記ワックスのうち、低分子量ポリプロピレンワックスがより好ましく、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による数量平均分子量(Mn)が6000〜8000であることが好ましい。混練時における結着樹脂との分散性を良好にすることができるからである。
【0088】
ワックス、特に、前記ポリプロピレンワックスは、その軟化点より15〜30℃高い温度で、トナー材料の混練時において、結着樹脂への分散性が良好となる。混練機を用いてトナー材料が混練される際の混練条件において、混練機からトナー材料が混練された混練物が吐出された混練直後における混練物の温度は、混練状態を知る重要なパラメータである。そこで混練直後の混練物の温度が、ワックスの軟化点に対して15〜30℃高くなる混練状態とする。この混練状態では、結着樹脂と磁性微粉体との濡れ性も良好となるので、前述のように感光体ドラムへの磁性粉融着をより有効に防ぐことができる。
【0089】
前記結着樹脂としては、たとえば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレンおよびポリビニルトルエンなどのスチレン置換体の単重合体、スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポル酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロインデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。架橋したスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0090】
前記スチレン共重合体としては、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体およびスチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などが挙げられる。
【0091】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとして、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよびアクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸またはその置換体、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチルおよびマレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸ならびにその置換体、塩化ビニル、酢酸ビニルおよび安息香酸ビニルのようなビニルエステル、エチレン、プロピレンおよびブチレンのようなエチレン系オレフィン、ビニルメチルケトンおよびビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン、ならびにビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルおよびビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらのビニル単量体は、単独で、または組合わせてスチレンモノマーとともに用いられる。
【0092】
架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。たとえば、ジビニルベンゼンおよびジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートおよび1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィドおよびジビニルスルホンなどのジビニル化合物、ならびに3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これら架橋剤は単独または混合して使用される。
【0093】
さらにスチレン系樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量(Mw)が15×104以上25×104以下であり、GPCによる数平均分子量(Mn)が2×103以上4×103以下であることが好ましい。MwおよびMnが前記範囲内であれば、画像濃度低下を防止することができる。
【0094】
また樹脂の酸化はその表面官能基に関連し、酸性基が多いものほど酸化は大きくなり樹脂の帯電性は負極側になる傾向がある。しかし、これら酸性基はアゾ系金属錯体に作用し、その有効成分を失活させる原因となる。このため前記結着樹脂は、酸価1.0KOHmg/g未満が望ましい添加量となる。
【0095】
さらに前記結着樹脂は、後述する混練物温度との関係で軟化点が145〜165℃であることが好ましい。
【0096】
前記荷電制御剤としては、有機金属化合物を用いることが好ましい。有機金属化合物のうち、特に気化性および昇華性に富む有機化合物を配位子または対イオンとして含有する有機金属化合物が有用である。このような有機金属化合物として、含金属アゾ化合物であるアゾ系金属錯体がある。アゾ系金属錯体のうち、中心金属にCrを含有する下記の一般式(I)および(II)に示すような荷電制御剤を用いることがより好ましい。
【0097】
【化1】
Figure 0003696050
【0098】
[式中、XはNH4+,Na,Hを表す。]
【0099】
【化2】
Figure 0003696050
【0100】
[式中、XはCl,Br,SONH,SOCH,SOを表し、Aは炭素数8〜16の直鎖または枝分かれした1個の酸素原子によって中断されていてもよいアルキルアンモニウムを表す。]
【0101】
前記荷電制御剤は、トナー100重量部に対して0.5〜4重量部の範囲(後述の表1、特にトナー処方23,24を参照)で添加されることが好ましい。
【0102】
前記着色剤としては、一般に染料、顔料およびカーボンブラックなどがあり、具体例としては、ニクロシン染料、カーマイン染料、各種の塩基性染料、酸性染料、油性染料およびアントラキノン染料のような染料、ならびにベンジジン系黄色有機顔料、キナントリン系有機顔料、ローダミン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、酸化亜鉛および酸化チタンなどがある。より好ましく用いられる着色剤として、ファーネスブラック、アセチレンブラックおよびサーマルブラックなどのカーボンブラックを挙げることができる。
【0103】
前記カーボンブラックのうち、樹脂中での分散性に優れた1次粒子径が15〜30nmであり、トナー製造時に、他のトナー材料の特性を損なうことのない酸性、すなわちpH7以下のカーボンブラックが望ましい。前記トナーには着色成分の働きをも果たす磁性微粒子が添加されているので、カーボンブラックの添加量は少量でもよく、結着樹脂100重量部に対して3〜7重量部でその機能を充分満足することが可能である。
【0104】
前記トナー粒子には、無機微粉体を外添し、トナーの帯電安定性、現像性、流動性および耐久性を向上することが好ましい。通常のカートリッジにおいてはクリーニング部材により回収されたトナーは、感光体ドラムとは反対の重力方向に自重により回収され、スパイラル部材などによってボックスに回収される。本発明によるドラムカートリッジは、近来の小型化傾向によってクリーニングスペースも小型化されている。小型化によって、クリーニング部材により回収されたトナーは、感光体ドラムを圧接されながらボックスに回収される構造となっているので、より感光体ドラムへの磁性粉融着が顕著となる。かかる不具合をなくすためには、トナー自体の流動性を向上させ、ドラムとの摩擦係数を低減させる必要がある。
【0105】
本発明によるドラムカートリッジのような構造では、通常より多量な無機微粉体を外添することによって、摩擦係数を低減させて、前述のような磁性粉融着を未然に防止している。ただし、このような微粉体は通常強い負帯電性を持っており、過剰な外添はトナー全体のチャージアップを引起こし、画像濃度を低下する要因の1つとなる。無機微粉体の添加量としては、トナー100重量部に対して無機微粉体0.3〜1重量部を使用することが好ましい。
【0106】
また無機微粉体の1次粒子径は、感光体ドラムへの磁性粉融着を有効に防止するため、10〜20nmであることが好ましい。
【0107】
前記無機微粉体としては、たとえばシリカ微粉体、酸化チタン微粉体およびアルミナ微粉体などが挙げられる。特に、ベット(BET)法で窒素吸着により測定した比表面積90〜150m2/gの範囲内にある無機微粉体が、前述の磁性粉融着を良好に防止する。必要に応じ、無機微粉体は疎水化および帯電性制御の目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤およびその他の有機ケイ素化合物などの処理剤で処理されることも好ましい。特に、シリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粉体が好ましい。前記処理剤は2種類以上併用してもよい。
【0108】
前記ワックス、荷電制御剤および着色剤以外に、トナー粒子が含有するその他の添加剤としては、たとえばテフロン、ステアリン酸亜鉛およびポリフッ化ビニリデン、約40%のシリカ含有のシリコーンオイル粒子などの滑剤が用いられる。酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムなどの研摩剤が好ましく用いられ、中でもチタン酸ストロンチウムは特に好ましい研磨剤である。ケーキング防止剤、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモンおよび酸化スズなどの導電性付与剤、ならびにトナー粒子と逆極性の白色微粒子および黒色微粒子による現像性向上剤を少量用いてもよい。
【0109】
前記無機微粉体以外に、トナー粒子にはさらに磁性微粒子を外添する。デジタル複合機の機能の中で特にファックスの場合、一般的に印字の濃度が低いのでチャージアップによる画像濃度低下がしばしば問題となっている。原稿濃度が標準より6%以上高い場合、現像剤中へは適度にトナーが補給されてトナーが現像剤中を循環するので問題は発生しにくい。原稿濃度が標準より1%以下と低い場合、現像剤中へのトナー補給は少なく攪拌のみ繰返されるので、チャージアップによる画像濃度低下が発生する。かかる不具合をなくすためには、現像剤の表面抵抗値を下げ、過剰な電荷をリークさせる必要がある。
【0110】
本発明におけるディジタル複合機の使用形態では、磁性微粒子を外添することによって、トナー粒子の表面抵抗値を下げて、前述のような画像濃度低下の発生を未然に防止している。しかし前述のように、トナー粒子は磁性微粒子を内部に含有しているので、わずかではあるがエージングによる磁性微粉体の離脱があり、ライフ後半においてかなりの量が現像剤中に蓄積される。外添剤として磁性微粒子を過剰に添加することは、ライフ後半における感光体ドラムへの磁性粉融着を引起こす原因となる。
【0111】
前述の問題は、粒径と、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における磁性微粉体の残留磁化σr〔Am2/kg〕と飽和磁化σs〔Am2/kg〕との関係によって示される磁性微粉体の磁気力(σr/σs)とが異なる2種類の外添磁性微粉体AおよびBから成る磁性微粒子を、トナー粒子に外添することによって解消する。
【0112】
トナー粒子100重量部に対して、磁気力(σr/σs)が0.05<σr/σs<0.25の外添磁性微粉体Aを1.5〜2.5重量部使用し、磁気力(σr/σs)がσr/σs<0.10の外添磁性微粉体Bを0.5〜1.5重量部使用することが好ましい。
【0113】
外添磁性微粉体Aのσr/σsが0.25以上の場合には、磁気的拘束力が効果的に作用しないので、外添剤単独で離脱しやすくなり、特に高温および高湿環境下においてトナー飛散およびカブリを生じやすくなる。σr/σsが0.05以下の場合には、磁気的拘束力が支配的となり、外添剤がトナー表面から離脱して現像スリーブ表面に拘束され、効果的にトナー表面抵抗を下げることができないので好ましくない。さらに外添磁性微粉体Aが0.05<σr/σs<0.25の範囲にあっても、トナー粒子100重量部に対して、1.5重量部未満の場合は、トナー表面抵抗値を有効に低下させることができず、2.5重量部を超える場合、ドラム表面への融着現象を引起こすおそれがある。
【0114】
外添磁性微粉体Bのσr/σsが0.10以上の場合には、残留磁化が支配的となり、外添剤同士の磁気的拘束力による凝集により外添剤の効果を発揮することができなくなる。さらに外添磁性微粉体Bがσr/σs<0.10であっても、トナー粒子100重量部に対して、0.5重量部未満の場合、感光体ドラムへのOPC感光体ドラム表面を適度に削って常にフレッシュな面を維持することによって、OPC感光体ドラム表面への融着を防止する研磨効果が低くて感光体ドラムへの磁性粉融着防止効果が低く、かつトナー表面抵抗値を有効に低下させることができず、1.5重量部以上の場合、研磨効果は増加するものの表面抵抗値が下がりすぎてチャージの過剰リークを引起こし、トナー飛散およびカブリの原因となるおそれがある。
【0115】
磁気特性はVSMP−1−10(東英工業社製)を用いて、外部磁場79.58kA/mで測定を行った。
【0116】
前記磁性微粉体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウムおよびケイ素などの元素を含んで磁性を有する金属酸化物を用いる。これらの金属酸化物を用いる外添磁性微粉体AおよびBの重量平均粒径は、各々0.05〜0.30μmおよび0.30〜0.60μmである。
【0117】
外添磁性微粉体Aの重量平均粒径が0.05μmより小さい場合、OPC感光体ドラム表面を適度に削って常にフレッシュな面を維持する研磨効果が少なくなるので好ましくない。重量平均粒径が0.30μmより大きい場合は、後述するように本発明によるトナーにおいては少量の磁性微粉体を均一分散させて用いるので、均一分散させるための必要個数が少なくなり好ましくない。
【0118】
外添磁性微粉体Bの重量平均粒径が0.30μmより小さい場合、OPC感光体ドラム表面への融着を防止する研磨効果が少なくなるため好ましくない。また、重量平均粒径が0.60μmより大きい場合は、トナー表面へ静電気的に付着させることが難しくなるため好ましくない。
【0119】
前記外添磁性微粉体を構成する磁性微粒子の形状としては、八面体、六面体および球形が挙げられる。
【0120】
前記外添磁性微粉体Aは、さらに本発明の課題をより高度なレベルで満足させるため、少なくともアミノシラン基を有し、比電気抵抗rが1×103<r<9×103〔Ω・cm〕であることが好ましい。比電気抵抗が1×103〔Ω・cm〕以下の場合、磁性微粒子の表面アミノシラン基の存在が非常にまばらな状態であるので、耐湿性が低下し表面抵抗が環境特性を受けやすくなるため高温・高湿環境下にカブリおよび飛散を生じやすくなる。比電気抵抗が9×103〔Ω・cm〕より大きい場合、チャージリーク効果が劣る結果となる。
【0121】
前記外添磁性微粉体Bについても、さらに本発明の課題をより高度なレベルで満足させるため、少なくともアミノシラン基を有し、比電気抵抗rが1×108<r<9×108〔Ω・cm〕であることが好ましい。比電気抵抗が1×108〔Ω・cm〕以下の場合、磁性微粒子の表面アミノシラン基の存在が非常にまばらな状態であるので、耐湿性が低下し表面抵抗が環境特性を受けやすくなり高温および高湿環境下でカブリおよび飛散を生じやすく、比電気抵抗が9×108〔Ω・cm〕より大きい場合、チャージリーク効果が劣る結果となる。
【0122】
以上のように構成される静電荷像現像用トナーは、キャリアとともに静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」とも称する。)を構成する。
【0123】
前記キャリアは、鉄粉系キャリアが望ましい。本発明によるプロセスカートリッジの現像スリーブとドクターブレードとのクリアランスが1.0mm以上と広いからである。このような広いクリアランスは、プロセスカートリッジ自体の精度がラフでよいので生産原価がかからないという利点がある。その反面、現像剤の穂が長くなりキャリア付着が発生しやすくなる。
【0124】
本発明によるプロセスカートリッジは、その回転部材のギヤ配置の簡素化および低コスト化のため、スリーブの回転方向とドラムの回転方向とが逆である。このため一層現像剤の穂に対するストレスが大きく、キャリア付着が発生しやすい現像システムとなっている。このような現像システムにおいて、たとえば特公昭56−52305号公報に記載されているフェライトキャリアは、飽和磁化が低く、キャリア粒子を小粒径化していくとキャリア付着が発生し、感光体ドラムおよびクリーニングブレードに傷を生ぜしめ、これらの部材の耐久性を著しく短縮する欠点がある。このため、本発明によるプロセスカートリッジには、より磁力の強い鉄粉系キャリアが適することになる。
【0125】
前記キャリアは、前述の理由から、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における磁性微粉体の残留磁化σ〔Am2/kg〕が80<σ<120で、残留磁化σr〔Am2/kg〕が1未満であることが好ましい。
【0126】
現在、一般に実用化されている鉄粉系キャリアは、外見的形状によって2種類に分類される。そのうちの1つの種類は、形の定まらない不規則な形状を有する鉄粉系キャリアである。特公昭55−40863号公報に記載されているように、原料鉄粉を焼結、粉砕、分級すると、不定形鉄粉キャリアとなり、形状異方性によって現像磁場において磁束密度が高く穂が硬くなり、画像形成された紙上のソリッド(solid)部(ベタ黒部)に、トナー剥離部分であるハキ目が生じやすい。また前記形状異方性によって、現像剤の搬送過程では「割れ」および「欠け」が発生しやすく、これらが感光体ドラム表面を損傷し、結果的に画像を悪化させる。さらに前記形状異方性によって、現像剤の流動性が悪く、現像剤の劣化を早めたり、搬送過程での現像ローラにかかるトルクが大きくなるという欠点を有している。
【0127】
もう1つの種類は、球形または球形に近い粒状の形を持った一般的にアトマイズ鉄粉と呼ばれている鉄粉系キャリアであり、本発明による静電荷像現像用現像剤に好ましく使用される。該アトマイズ鉄粉は、形状が球形に近いので不定形鉄粉の持つ不具合がなく、優れた特性を持つ。不定形キャリアに比べて比表面積が小さくなるので、本発明によるトナーのように小粒径のトナーを用いた現像においては、帯電付与能力が低下する。このためトナーの比表面積に準じたキャリア比表面積が必要となり、キャリア粒子径を小さくする必要がある。
【0128】
本発明によるトナーに適するキャリア粒子径は80μm以下であるが、キャリア粒子径が40μm以下になると、流動性が悪化し、帯電不良およびスペント増加などの不具合発生原因の1つとなる。したがって、本発明の静電荷像現像用現像剤に用いるキャリアとしては、その重量平均粒径が40〜80μmのものが好ましい。
【0129】
前記キャリアの真比重は、本発明によるトナーとの比重差を考慮した混合攪拌性を最適にするためには、6.0以上が好ましい。真比重が8.0を超えると感光体ドラムの摺擦力が増加し、画質劣化を招く原因の1つとなる。したがって、前記キャリアの真比重は6.0〜8.0が好ましい。
【0130】
したがって、本発明にて得られるコートキャリアの芯材としては、鉄、フェライトキャリアなどの強磁性体が用いられる。かかるキャリア材料としては、鉄、ニッケル、コバルト等の金属と亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、ビスマス、ベリリウム、マンガン、セレン、タングステン、ジルコニウム、バナジウム、バナジウム等の金属との合金あるいは混合物、酸化物、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物、窒化クロム、窒化バナジウム等の窒化物、炭化ケイ素、炭化タングステン等の炭化物との混合物および強磁性フェライト、並びにこれらの混合物等が挙げられる。
【0131】
前記芯材には絶縁性皮膜として樹脂をコートすることが望ましい。これらの芯材を被覆する樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、スチレン(メタ)アクリル樹脂など、従来から使用されている樹脂が使用可能であるが、より好ましくはシリコーン系樹脂である。シリコーン樹脂としては、シリコーンワニス(TSR115,TSR114,TSR102,TSR103,YR3061,TSR110,TSR116,TSR117,TSR108,TSR109,TSR180,TSR181,TSR187,TSR144およびTSR165など:東芝社製、KR271,KR272,KR275,KR280,KR282,KR267,KR269,KR211およびKR212など:信越シリコーン社製)、アルキッド変性シリコーンワニス(TSR184およびTSR185など:東芝社製)、エポキシ変性シリコーンワニス(TSR194およびYS54など:東芝社製)、ポリエステル変性シリコーンワニス(TSR187など:東芝社製)、アクリル変性シリコーンワニス(TSR170および171など:東芝社製)、ウレタン変性シリコーンワニス(TSR175など:東芝社製)、反応性シリコーン樹脂(KA1008,KBE1003,KBC1003,KBM303,KBM403,KBM503,KBM602,KBM603など:信越シリコーン社製)などがある。
【0132】
つぎにトナーおよび現像剤の製造方法について説明する。
トナーの製造に用いる混練機としては、近年のトナーの量産化に対応して、エクストルーダを用いて混練することが好ましい。特に2軸エクストルーダが品質安定性および量産性の観点から好ましい混練機である。具体例としては、TEM−100B(東芝機械製)およびPCM−87(池貝鉄工製)などが挙げられる。
【0133】
トナー粒子を生成するための溶融混練工程において、少なくとも結着樹脂、磁性微粉体およびワックスを有するトナー材料混合物を、前記混練機によって以下の条件にて混練して混練物を得る。
【0134】
混練温度:結着樹脂またはワックスの軟化点温度+15℃〜30℃
回転数:150〜210rpm
供給量:80〜140kg/hr
【0135】
得られた混練物は、従来公知の方法で圧延冷却、粗砕、ジェット気流による微粉砕、分級を行い、トナー粒子が得られる。
【0136】
得られたトナー粒子における磁性微粉体およびワックスの分散性については、トナー粒子の誘電体損失(tanδ)および抵抗値Rを測定することによって知ることができる。一般的にトナー粒子中のトナー材料の分散性が悪い場合、誘電体損失(tanδ)の値は大きく、抵抗値Rは小さくなる。分散性がよい場合、誘電体損失(tanδ)の値は小さく抵抗値Rは大きくなる。ただし、あまりにも高分散になった場合、抵抗値Rが上昇して現像性低下を引起こす。前記トナー粒子において、1.5×10 −3 <tanδ<4.0×10 −3 および200×10 <R<350×10 [Ω・cm]が好ましい。
【0137】
誘電体損失(tanδ)は、誘電体損測定装置(TRS−10T型:安藤電気社製)を用いて測定した。測定方法としては、まず得られたトナー粒子から錠剤成形器を用いて約1.5mmφ程度の測定用サンプルを作成する。次に前記サンプルを固体用電極内部に装着し、電極を恒温槽の中にプラグインする。測定装置の測定モードをゼロバランスモードに設定し、測定周波数に応じてPATIO値を決定し、平衡の操作を行う。このときのコンダクタンスの値をRoとする。さらに測定モードを換えて零平衡と同様に平衡操作を行う。このときの静電容量をCx、コンダクタンスをR1とする。
【0138】
tanδは前記測定値を用いて以下のように求めることができる。誘電体を空気で置換えたときの静電容量である幾何学的静電容量をCoとすると、誘電率(ε1)は、
誘電率(ε1)=Cx/Co …(1)
より求められ、角周波数ωは周波数f(Hz)によってω=2πfで示され、コンダクタンスGxは、Gx=PATIO値×(R1−Ro)で示されるので、誘電損率(ε2)は、
誘電損率(ε2)=Gx/ωCo …(2)
より求められる。
【0139】
tanδは、
tanδ=ε2/ε1 …(3)
にて示され、式(3)に、式(1)および式(2)を代入すると、tanδは、
Gx/ωCx=PATIO値×(R1−Ro)/2πfCx …(4)
と表され、各測定値をそれぞれ代入してtanδを求めた。周波数1kHzで測定し、それに応じたPATIO値は1×10-9であった。
【0140】
以上のようにして分散性を評価したトナー粒子に、前記無機微粉体を含む外添剤を従来公知の方法によって外添してトナーを得た。得られたトナーは、前記キャリアとともに撹拌混合し、現像剤を得た。現像剤中のトナー濃度は、磁性キャリアとの混合撹拌性を最適にするため、6.5〜9.5重量%であることが好ましい。
【0141】
つぎに得られたトナーおよび現像剤を使用する画像形成方法の一例について説明する。
【0142】
図1は、本発明による画像形成装置の構成の一例を示す断面図である。図2は、図1の一部を拡大して示す断面図である。該画像形成装置は、帯電チャージャ1を有する帯電部と、レーザユニット3を有する露光部と、現像器6および感光体ドラム2を有する現像部と、ローラ転写手段を有する転写部と、クリーニング手段を有するクリーニング部とを含む。
【0143】
帯電部では、帯電チャージャ1により電圧を印加され、静電荷像担持体である感光体ドラム2の表面に負極性に帯電する。レーザユニット3からのレーザ光による露光によって、イメージスキャニングにより感光体ドラム2の表面にデジタル潜像を形成し、ドクタブレード14および磁石であるマグネットロール4を内包しているトナー担持体である現像スリーブ5を具備する現像器6の現像剤7中のトナーで、該潜像を反転現像する。現像部において感光体ドラム1の導電性基体は接地され、現像スリーブ5にはバイアス印加手段により直流バイアスが印加されている。転写紙8が搬送されて転写部にくると、ローラ転写手段9によって感光体ドラム2側と反対面になる転写紙の背面から電圧印加手段で帯電することにより、感光体ドラムの表面上の現像画像であるトナー像が転写チャージャによって転写紙上に転写される。感光体ドラム2から分離された転写紙8は、加熱加圧ローラ定着器において、加熱ローラおよび加圧ローラによって転写紙8上のトナー画像を定着するために定着処理される。
【0144】
転写工程後の感光体ドラム2に残留するトナーは弾性のクリーニングブレード12によりクリーニングされ、回収ボックスに回収される。クリーニング手段によるクリーニング後の感光体ドラム2は、再度、帯電手段であるチャージャ1による帯電工程から始まる工程が繰返される。
【0145】
感光体ドラム2は、感光層および導電性基体を有する。トナー担持体である非磁性円筒の現像スリーブ5は、現像部において感光体ドラム2の表面と逆方向に進むように回転する。現像スリーブ5の内部には、磁界発生手段である多極永久磁石からなるマグネットロールが回転しないように配されている。現像器6内のトナーと現像剤7は現像スリーブ5の非磁性円筒面上に塗布され、現像剤7中のキャリアとの摩擦によって、現像剤7中のトナーには、たとえばマイナスのトリボ電極が与えられる。
【0146】
前記現像部においてバイアス手段によって印加する直流バイアスは−400〜−500Vであればよい。現像部におけるトナーの移転に際し、感光体ドラム2表面の静電的およびバイアスの作用によってトナーは静電像側に移転する。
【0147】
感光体ドラム2は、アルミニウムなどの導電性金属で形成されている導電性基層と、その外面に形成した光導電層とを基本構成層とし、所定の周速度のプロセススピードで回転される。感光体ドラムの表面は帯電チャージャによって所定の極性および電位に帯電される。次いで、現像露光により静電荷像が形成され、現像手段により静電荷像はトナー画像として順次可視化されていく。
【0148】
つぎに本発明によるプロセスカートリッジについて説明する。
本発明によるプロセスカートリッジは、少なくとも現像手段と静電荷像保持体とが個別にカートリッジ化されて構成され、たとえば複写機、レーザビームプリンタおよびファクシミリ装置などの画像形成装置本体に着脱可能に装着されている。
【0149】
図2に示すように、現像手段である現像器6、ドラム状の静電荷像保持体である感光体ドラム2、クリーニングブレード12を有するクリーニング手段および1次帯電手段としての帯電チャージャ1を一体としたプロセスカートリッジ13が例示される。本実施形態のプロセスカートリッジ13では、現像手段は、現像剤層厚規制手段としてのドクターブレード14とトナー容器内にトナーを有し、該トナーを用い、現像時にはバイアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光体ドラムとトナー担持体としての現像スリーブとの間に所定の電界が形成されて現像工程が実施される。この現像工程を好適に実施するために、感光体ドラムと現像スリーブとの間の距離(DSD)が1.0〜3.0mm、およびドクタブレードと現像スリーブとの間の距離(DG)が1.0〜2.5mmに調整される。
【0150】
前述のように、プロセスカートリッジとして、現像手段、静電荷像保持体、クリーニング手段および1次帯電手段の4つの構成要素を一体的にカートリッジ化した実施形態について説明したが、本発明によるプロセスカートリッジは、現像手段と静電荷像保持体とが別々にカートリッジ化されたものであればよい。
【0151】
(実施例61,62,63,67,68,69(後述の表9参照)および比較例1〜60,64,65,66(後述の表5,6,9参照)
本発明を以下の実施例および比較例に基づいてより具体的に説明する。
表1に示すトナー処方によって各種トナーを製造した。
【0152】
【表1】
Figure 0003696050
【0153】
表1に示すように、結着樹脂、磁性微粉体、ワックス、荷電制御剤(CCA)およびカーボンブラック(CB)を用いて、まずトナー粒子を得た。
【0154】
結着樹脂としては、前述の例示した樹脂であって、表1に示す重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、軟化点〔℃〕および酸価〔KOHmg/mg〕を有する樹脂100重量部を用いた。ちなみにトナー処方1の結着樹脂は、スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(共重合重量比=80:20)であった。
【0155】
磁性微粉体としては、アミノシラン基を有し、表1に示すσr/σs、抵抗値(r×103)〔Ω・cm〕、重量平均粒径〔nm〕および磁性微粒子の形状を有する磁性微粉体を、表1に示す添加量〔重量部〕用いた。
【0156】
ワックスとしては、表1に示す軟化点〔℃〕および数平均分子量(Mn×103)を有するポリプロピレン(PP)またはポリエチレン(PE)を、表1に示す添加量〔重量部〕用いた。なお、ワックスの軟化点は、DSC吸熱ピーク温度によって測定した。
【0157】
荷電制御剤(CCA)としては、表1に示す1次粒子径〔μm〕、および前記一般式(1)で示すようなモノアゾ錯体であって中心金属に表1に示す金属種を有する負荷電制御剤を、表1に示す添加量〔重量部〕用いた。
【0158】
カーボンブラック(CB)としては、表1に示す1次粒子径〔nm〕およびpHを有するCBを、表1に示す添加量〔重量部〕用いた。
【0159】
前記材料をヘンシェルミキサで混合して混合物を得た。得られた混合物を2軸エクストルーダ(機種名「PCM−65」:池貝鉄工社製)に導入し、表2に示す混練条件、すなわち設定温度〔℃〕、スクリュの回転数〔rpm〕および混合物の供給量(吐出量)〔kg/hr〕で混合物を溶融混練した。混練直後の混練物の温度は、表2の混練物温度〔℃〕であった。混練物をハンマーミルで1mm以下に粗粉砕し、得られた粗粉砕物をジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機で微粉砕し、微粉砕物を得た。微粉砕物を分級して以下の表5に示す重量平均粒径(D50)〔μm〕のトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の物性を以下の表5に示す。
【0160】
【表2】
Figure 0003696050
【0161】
トナー物性は、前述のようにして、真比重は比重計ピクノメータセルを用い、飽和磁化はVSMP−1−10(東英工業社製)を用い、誘電体損失(tanδ)はTRS−10T(安藤電気社製)を用いて、それぞれ測定した。
【0162】
得られたトナー粒子100重量部と、表1に示すBET比表面積〔m2/g〕および1次粒子径〔nm〕を有する外添剤であって表1に示す添加量〔重量部〕の外添剤とを混合し、トナー処方1〜39の負摩擦帯電性のトナーを調製した。外添剤としては、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルとで表面処理している疎水性シリカ微粉体、または表面処理していないシリカ微粉体を用いた。
【0163】
調製されたトナー処方1〜39のトナーは、表3に示すキャリアとともに撹拌混合して現像剤を得た。
【0164】
【表3】
Figure 0003696050
【0165】
【表4】
Figure 0003696050
【0166】
以上のようにして、表1のトナー処方、表2の混練条件および表3のキャリア物性の各条件で得られた現像剤を、図1および図2に示した画像形成装置に用い、表4の現像条件で行った画出し試験についての評価結果を表5および表6の比較例1〜36,37〜60に示す。600dpiの解像性を有する反転現像方法で静電荷像を現像するレーザビームプリンタ(商品名AR−160:シャープ社製)用のプロセスカートリッジの現像器にトナーを導入し、プロセスカートリッジをレーザビームプリンタに装着し、各環境下において画出し試験を行った。画出し試験において形成された画像について、画像濃度、カブリ度、ドラム融着、画質およびトナー消費量を、以下の測定方法によって評価した。
【0167】
(a)画像濃度測定方法
直径55mmの黒円を含む原稿を用いて、初期(2〜4枚目)および20K(200,000〜200,002枚目)に3枚ずつ複写し、得られたベタ黒画像の画像濃度(ID)をマクベス濃度計によって測定し、3枚の平均を以下の5段階に評価した。
【0168】
5:1.4以上
4:1.3以上1.4未満
3:1.2以上1.3未満
2:1.0以上1.2未満
1:1.0未満
【0169】
(b)カブリ濃度測定法
予め画像形成前のA4サイズの白紙の白度を、白度計(ハンター白度計、日本電色工業社製)にて測定し、その値を第1測定値とする。次に、直径55mmの白円を含む原稿を用いて3枚複写し、得られたコピーサンプルの白部を前述の白度計にて測定し、その平均値を第2測定値をする。第2測定値の値を第1測定値から差引いた値をカブリの値(BG)とし、以下の5段階に評価した。カブリの値は初期および20Kにおいて測定した。
【0170】
5:0.4未満
4:0.4以上0.6未満
3:0.6以上0.8未満
2:0.8以上1.0未満
1:1.0以上
【0171】
(c)ドラム融着
ドラム融着とは、感光体ドラムに微粉体などの付着物が付着することをいう。
【0172】
200,000枚耐久複写を行った後、A4サイズのベタ黒画像上に生ずるOPC感光体ドラムに付着した付着物に起因する白点の発生程度によって、ドラム融着の程度を以下の5段階に評価した。
【0173】
5:全く発生しなかった。
3:数点発生が見られるが、実用上問題なし。
1:発生が数十点と多く、実用上問題あり。
ランク4はランク5と3の中間レベルとし、ランク2はランク3と1の中間レベルとした。
【0174】
(d)600dpiのドット画像
1インチあたり600個のドット潜像を形成し得る画出し条件で、ワンドットのトナー画像を形成し、トナー画像を拡大して目視により5段階に評価した。
【0175】
5:優
4:良
3:普通
2:やや悪い
1:悪い(トナーの飛散りの発生が見られたり、ドットの画像の形状がいびつである)
【0176】
(e)トナー消費量
A4サイズの黒ベタ率6%の原稿を用いて20000枚耐久複写を行った後、耐久複写前後の現像器内のトナーの消費量を測定し、以下の5段階に評価した。
【0177】
5:25g/1000枚未満
4:25g/1000枚以上30g/1000枚未満
3:30g/1000枚以上35g/1000枚未満
2:35g/1000枚以上40g/1000枚未満
1:40g/1000枚以上
前記各評価の平均値を算出して総合評価とした。
【0178】
【表5】
Figure 0003696050
【0179】
【表6】
Figure 0003696050
【0180】
また、表7に示すトナー処方によって各種トナーを製造した。
【0181】
【表7】
Figure 0003696050
【0182】
表7に示すように、結着樹脂および内添磁性微粉体を用いて、前述の表1のトナー処方によるトナー粒子と同様にして、表9に示すトナー物性を有するトナー粒子を得た。なお、混練条件は表2の混練条件1を採用した。結着樹脂としては、前述の例示した樹脂であって、表1に示す重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、軟化点〔℃〕および酸価〔KOHmg/mg〕を有するスチレン−アクリル(St−Ac)樹脂またはポリエチレン(PE)樹脂100重量部を用いた。磁性微粉体としては、アミノシラン基を有し、表1に示すσr/σs、抵抗値(r×103)〔Ω・cm〕、重量平均粒径〔nm〕および磁性微粒子の形状を有する磁性微粉体を、表1に示す添加量〔重量部〕用いた。
【0183】
得られたトナー粒子100重量部と、表7に示す添加量の外添磁性微粉体Aおよび外添磁性微粉体Bとを混合し、トナー処方41〜46のトナーを調製した。
【0184】
調製されたトナー処方41〜46のトナーは、表9に示すキャリア種のキャリアとともに撹拌混合して現像剤を得た。
【0185】
【表8】
Figure 0003696050
【0186】
以上のようにして、表7のトナー処方および表9のキャリア種の各条件で得られた現像剤を、図1および図2に示した画像形成装置に用い、表8の現像条件で行った画出し試験についての評価結果を表9の実施例61,62,63,67,68,69および比較例64,65,66に示す。600dpiの解像性を有する反転現像方法で静電荷像を現像するレーザビームプリンタ(商品名AR−160:シャープ社製)用のプロセスカートリッジの現像器にトナーを導入し、プロセスカートリッジをレーザビームプリンタに装着し、各環境下において画出し試験を行った。画出し試験において形成された画像について、前述の表5および表6の評価結果と同様にして、画像濃度、カブリ度、ドラム融着、画質およびトナー消費量を測定して評価した。
【0187】
【表9】
Figure 0003696050
【0188】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、構成材料および構成比を最適化すること、および最適化された原材料を最適な方法で製造することによって、結着樹脂と磁性微粉体との濡れ性および原材料相互間の分散性などが良好となり、環境に左右されることなく高品質の画像が得られるトナーおよび現像剤を提供することができる。
トナー粒子に含有される磁性微粉体の79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における飽和磁化σsに対する残留磁化σrの比σr/σsを、0.05<σr/σs<0.25とすることによって、高温および高湿環境下でトナーの摩擦対電量が低くなって起こるカブリの発生を良好に防止し、長期使用による画像濃度低下を防止して画像濃度を維持することができるようになり、また低温および低湿環境でのドラム融着現象を防ぐことができるようになる。
トナー粒子に含有される磁性微粉体は、その表面に少なくともアミノシラン基を有する八面体形状であり、これによって分散過程における自転を防ぎ高分散し、画像濃度とカブリのラチチュード(許容範囲)を広く取ることができる。比電気抵抗rを、1×10〜9×10Ω・cmとすることによって、トナー材料混練時に結着樹脂と磁性微粉体の濡れ性の低下を防ぎ、トナー製造時においてトナー粒子から磁性微粉体が離脱しやすくなることを防ぎ、離脱した磁性微粉体が原因となって感光体ドラムへの磁性粉融着が生じやすくなることを防ぎ、またトナー全体が高抵抗化してチャージアップによる画像濃度低下を引起こすことを防ぐことができる。
【0189】
また本発明によれば、前記トナーおよび現像剤を使用して、各環境下において高品質の画像が得られる画像形成装置および画像形成方法を提供することができる。
【0190】
また本発明によれば、前記トナーおよび現像剤の性能が最大限発揮できるプロセスカートリッジを組み合わせることによって、各環境下において濃度が高く、カブリが少なく、ドラム融着の発生のない画像を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による画像形成装置の構成の一例を示す断面図である。
【図2】 図1の一部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 帯電手段
2 感光体ドラム
5 現像スリーブ
12 クリーニングブレード
13 プロセスカートリッジ
14 ドクタブレード

Claims (14)

  1. 磁性キャリアと混合して用いられるトナー粒子を有し、
    前記トナー粒子は、
    少なくとも結着樹脂、および
    79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における残留磁化σr〔Am2/kg〕と飽和磁化σs〔Am2/kg〕とが、
    0.05<σr/σs<0.25
    の関係を満たしている磁性微粉体とを含有し、
    重量平均粒径が7.5〜10.5μmであり、かつ真比重が1.1〜1.3であり、
    前記トナー粒子に、表面に少なくともアミノシラン基を有する八面体形状の磁性微粒子が外添され、
    前記外添される磁性微粒子は、第1および第2外添磁性微粉体A,Bから成り、
    第1外添磁性微粉体Aは、
    0.05<σr/σs<0.25
    の関係を満たし、
    トナー粒子100重量部に対して1.5〜2.5重量部、
    重量平均粒径0.05〜0.30μm、
    比電気抵抗r〔Ω・cm〕が
    1×103<r<9×103
    であり、
    第2外添磁性微粉体Bは、
    σr/σs<0.10
    の関係を満たし、
    トナー粒子100重量部に対して0.5〜1.5重量部、
    重量平均粒径0.30〜0.60μm、
    比電気抵抗r〔Ω・cm〕が
    1×108<r<9×108
    であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記トナー粒子は、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における飽和磁化が0.1〜3.0〔Am2/kg〕であることを特徴とする請求項1記
    載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記トナー粒子は、比電気抵抗が200×109〜350×109Ω・mであることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記トナー粒子は、荷電制御剤として、分子骨格にCr、Fe、CoおよびNiのうちのいずれか1種が含まれる含金属アゾ化合物を含有し、
    前記含金属アゾ化合物は、1次粒子径6〜10μmの粉砕物であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記含金属アゾ化合物は、トナー100重量部に対して0.5〜4重量部含有されていることを特徴とする請求項4記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 樹脂で被覆され、重量平均粒径が40〜80μmであり、かつ真比重が6.0〜8.0である磁性キャリアと、請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーとを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  7. 前記磁性キャリアは、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における磁化σ〔Am2/kg〕が、
    80<σ<120
    であることを特徴とする請求項6記載の静電荷像現像用現像剤。
  8. 前記磁性キャリアは、79.58kA/m(1kエルステッド)の磁界下における残留磁化σr〔Am2/kg〕が、
    σr<1
    であることを特徴とする請求項7記載の静電荷像現像用現像剤。
  9. 前記磁性キャリアは、表面がシリコーン樹脂で被覆された球形の鉄粉キャリアであって、
    該シリコーン樹脂は、オルガノシロキサン結合のみから成るストレートシリコン、または少なくともアルキド、ポリエステル、エポキシおよびウレタンのうちの1種で変性したシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項6〜8のうちの1つに記載の静電荷像現像用現像剤。
  10. 前記静電荷像現像用トナーは、静電荷像現像用現像剤中に6.5〜9.5重量%含有されていることを特徴とする請求項6〜9のうちの1つに記載の静電荷像現像用現像剤。
  11. 静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラムの表面を一様に帯電する帯電手段と、静電潜像を形成するために感光体を露光する露光手段と、静電潜像を請求項6〜10のうちのいずれか1つに記載の静電荷像現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録紙に転写する転写手段と、転写されなかったトナーを回収するクリーニング手段と、記録紙にトナー像を定着する定着手段とを含む画像形成装置に着脱可能に備えられるプロセスカートリッジであって、
    前記感光体ドラム、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段から成り、現像手段は、トナー、現像剤、トナーの穂立ちを形成する現像スリーブ、および穂立ち高さを制限するドクタブレードを含み、クリーニング手段は、転写されずに感光体上に残存しているトナーを除去するクリニングブレードを含み、前記現像スリーブとドクタブレードとが1.0〜2.5mmの間隔をあけ、感光体ドラムと現像スリーブとが1.0〜3.0mmの間隔をあけて、それぞれ近接設置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 静電潜像が形成される感光体ドラムと、
    感光体ドラムの表面を一様に帯電する帯電手段と、
    静電潜像を形成するために帯電された感光体の露光領域を露光する露光手段と、
    少なくとも、現像剤、現像スリーブおよびドクタブレードを有し、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    トナー像を記録紙に転写する転写手段と、
    転写されたトナー像を記録紙に定着する定着手段と、
    転写されずに感光体上に残存しているトナーを除去するクリニングブレードを有してトナーを回収するクリーニング手段とを備え、
    前記現像剤は、請求項6〜10のうちのいずれか1つに記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記感光体ドラム、帯電手段およびクリーニング手段から成るドラムカートリッジ、および前記現像手段から成る現像カートリッジが、それぞれ着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項12記載の画像形成装置。
  14. 感光体ドラムの表面を一様に帯電する帯電工程と、
    静電潜像を形成するために帯電された感光体の露光領域を露光して静電潜像を形成する露光工程と、
    形成された静電潜像を、請求項6〜10のうちのいずれか1つに記載の静電荷像現像用現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像工程と、
    トナー像を記録紙に転写する転写工程と、
    転写されたトナー像を記録紙に定着する定着工程と、
    転写されずに感光体上に残存しているトナーを除去するクリニングブレードによってトナーを回収するクリーニング工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
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