JP4065675B2 - 電子写真用現像剤及び画像形成方法と装置 - Google Patents

電子写真用現像剤及び画像形成方法と装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用現像剤及び画像形成方法と装置であり、特に電子写真法のごとき画像形成方法に使用されるキャリア、トナー、該トナーとキャリアを使用する現像剤、該トナーと現像を使用する画像形成方法及び該トナーと現像剤を使用する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法に使用される二成分系現像剤は、トナーとキャリアより構成されており、キャリアは現像ボックス内でトナーと混合撹拌され、トナーに所望の電荷を与え、電荷を帯びたトナーを感光体上の静電潜像に運び、トナー像を形成させる担体物質である。キャリアは、マグネットロール上に残り、再び現像ボックスに戻って新たなトナーと再び混合撹拌され繰り返し使用される。従って、キャリアとしては、使用期間中、トナーに対しあらゆる環境下で絶えず所望の帯電特性を得られることが要求される。
【0003】
しかしながら、従来の現像剤は、撹拌によりキャリア同志の衝突、または現像ボックスとキャリア間の摩擦等により2つの問題が生じる。一つはキャリア表面にトナーが融着し、スペント化が起こる。また、他方ではキャリア表面の被覆樹脂層の剥離、脱落によるキャリア抵抗変化が起こり、初期段階の画像に比べ、耐刷後は、画像の劣化(画像濃度不足、画像上カブリ不良等)を招いている。また、撹拌による現像剤(キャリア)劣化だけでなく、耐刷時の環境変動により、高温高湿時では帯電量が低下し、トナー飛散や画像上カブリ不良が発生する。また、低温低湿時では、逆に、帯電量が上昇し、画像濃度不足の問題が発生し、最終的には現像剤の寿命が短くなるのが現状である。特にフルカラー用キャリアとしては、従来の複写機、プリンター等に比べ、印字部分よりベタ部分が大きいため、トナーの感光体への移行量も多く、キャリアの耐久性がさらに要求されてきている。
【0004】
このようなスペント化、耐刷時の環境変動により、帯電の安定化を図るため、種々の樹脂を被覆する方法が提案されているが、未だ満足のゆくものは得られていない。すなわち、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂で被覆されたキャリアは臨界表面張力が低く、キャリア表面にトナーが融着するスペント化が起こり難く、現像剤として寿命が長いといわれているが、逆にトナーとキャリアの帯電能力が弱いため、トナー飛散が多く、機内の汚染、ひいては画像上の欠焔を招き、総合的評価では寿命が短いものであった。
【0005】
また、撹拌によるキャリア同志の衝突、または現像ボックスとキャリア間の摩擦等によるキャリア表面の被覆樹脂層の剥離、脱落による画像の劣化(画像濃度不足、画像上カブリ不良等)に対しては、樹脂被覆層の密着性向上のため、シランカップリング剤を用いられることが提案されている(特開昭60−19156号公報参照)。しかしながら、被覆層の密着性向上はあるものの、種々の環境条件下での帯電量変動により、トナー飛散、画像上のカブリが発生するという問題点を有する。
【0006】
一方、キャリア芯材とシリコーン樹脂との密着性向上のため、シランカップリング剤で処理したキャリア芯材の表面に、シリコーン樹脂からなる被覆層を設けたキャリア等も提案されている(特開昭62−121463号公報参照)。しかるに、このものはキャリア最表面に有効なアミノ基を有するアミノシランカップリング剤の成分がないため、負極性トナーに対し、十分な帯電能力がなく、耐刷時トナーの飛散が生じ、いぜん満足のいくものは得られなかった。
【0007】
また、近年、アミノシランカップリング剤を含有した樹脂層において、2層コートし、中間層と最外層の椒脂の成分または添加剤を変更したものがある(特開平5−72815号公報、特開平5−134467号公報参照)。さらに、シリコーン樹脂層の厚さ方向に対しシランカップリング剤等について、濃度勾配をつけるキャリアが記載されている(特開平5−204189号公報参照)。これらのキャリアは、キャリア樹脂層中のそれぞれの構成成分が均一でないため、特にシリコーン樹脂コートキャリアにおいて放置における経時変化が生じ、樹脂層中の最外層と中間層の硬化にズレが生じ、製造時に当初のトナーとの帯電特性と経時させた後におけるトナーとの帯電特性において大きな差が生じたり、また、導電性物質を添加したものにおいては、高湿時、帯電量が低下し、さらに、耐刷時において樹脂層間の剥離、脱落が生じた場合、キャリアの抵抗変化が大きく最終評価では耐久性があるものとはいえない。
【0008】
一方、上記のような従来のアミノシランカップリング剤を用いた樹脂コートキャリアにおいて、アミノシランカップリング剤が被膜樹脂に対し、3重量%程度またはそれ以下の含有するものが殆どであり、多いものでも特開昭61−140951号公報に記載されているように樹脂中に5重量%迄である。
【0009】
近年、プリンター等の印字部分の多い伝票等に変わり、バーコード等のベタ部の多い画像、グラフィックデザイン等の画像を均一に再現する要求が増えてきており、特にフルカラー等では印字部分よりベタ部分のほうが多く、著しくトナーの消費量および補給量が増加する。電子写真現像プロセスにおいて、あらゆる環境条件の中で、絶えずトナーは所望の帯電特性を維持することが望まれているが、近年の高トナー消費、補給系現像条件では、現状において満足の行くものは得られていない。従って、従来のキャリアおよび現像剤では、スペント化を防止し、キャリア被覆層の密着性向上には改善が認められ、アミノシランカップリング剤を用いることにより、若干のトナーへの帯電付与能力は認められるものの、特に高温高湿条件下におけるトナーの立上り帯電特性の良好なものはない。近年のベタ部分の多いプリンターやフルカラー機に用いられる高解像度のための小粒径トナーおよび高トナー濃度への帯電付与能力は十分ではなく、耐刷時の補給されたトナーに対し、瞬時に帯電量を立上げることができず、最終的に十分な耐久性を得られていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、反面、シリコーン樹脂は、コア材との接着性が悪く、コア材から剥離し易く、又、一般に、機械的強度が弱いという欠点もあり、長時間使用していくうちに、摩耗、剥れ、クラックの発生等に起因してコア材表面から欠落する場合があり、その優れた特性を失なって複写性能が低下する等、長期使用に対する寿命の面では満足できるものではなかった。又、上記で述べた樹脂コートキャリアは、樹脂のみでの帯電能力(飽和帯電量)が低く、同時に、帯電立ち上り特性も不充分であるため、地肌部へのカブリが発生したり、エッジ効果が強くなる等、画質の低下が生じる場合もあった。
【0011】
本発明の目的は、上記した従来技術の問題を解決し、高い現像能力を有し、キャリア表面上にトナー膜が形成される所謂スペント化が有効に防止され、しかも、優れた特性が長期間の使用によっても損なわれることのない耐久性のあるキャリア及び、このキャリアと組み合わせることにより各環境下において、優れた特性が長期間持続するトナーとからなる電子写真用現像剤及び画像形成方法と装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、トナー及びキャリアを有する二成分系の電子写真用現像剤において、前記トナーは外添剤として磁性粉を有し、また、前記キャリアは、樹脂コートされた真比重6.0〜8.0である磁性キャリアであり、かつ、コート樹脂がフェニル基を有する架橋剤とアミノシランカップリング剤とを含有したシリコーン系樹脂であり、前記コート樹脂における架橋剤の含有量は、架橋剤を含むシリコーン樹脂全体の全官能基のうち、フェニル基の占める割合が1.0〜5.0個数%となる量であり、前記コート樹脂におけるアミノシランカップリング剤含有割合は5〜20重量%である電子写真用現像剤である。
【0015】
更に、本発明は、キャリア芯材に対するシリコーン系樹脂の被覆量がキャリア芯材に対して7.0〜8.0重量%である電子写真用現像剤である。
【0016】
また、本発明は、コート樹脂により被覆された磁性キャリアの体積基準の50%平均粒子径が40〜80μmである電子写真用現像剤である。
【0017】
そして、本願発明は、トナー粒子は外添剤として磁性微粉体と混合されており、該磁性微粉体は、形状が八面体で、表面に少なくともアミノシラン基を有するマグネタイトであり、かつ該磁性微粉体は、トナー粒子に対して1〜3重量%含まれる電子写真用現像剤である。
【0018】
更に、本発明は、上記の電子写真用現像剤を使用する画像形成方法である。
【0019】
また、本発明は、上記に記載の電子写真用現像剤を使用する画像形成装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
本発明の電子写真用現像剤及び画像形成方法と装置の概要及び実施例について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本発明の画像形成装置の説明図である。図2は、実施例の電子写真用現像剤の評価結果を説明する図表である。
【0021】
本発明の概要について説明する。本発明は、トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤であり、バインダー樹脂と磁性体微粒子とを少なくとも有する磁性キャリアコア粒子と、該粒子表面に設けられた樹脂被覆層とからなる磁性樹脂コートキャリアであって、上記バインダー樹脂がシリコーン系樹脂であり、且つ、上記樹脂被覆層が、フェニル基を有する架橋剤とアミノシランカップリング剤とを含有し、更に、磁性キャリアの体積基準の50%平均粒径が40〜80μmであり、真比重が6.0〜8.0であるキャリアと、アミノシラン基を有するマグネタイト等を外添剤として使用するトナーの2つから構成されている二成分系現像剤である。本発明では、キャリア芯(コア)材を、フェニル基を有する架橋剤とアミノシランカップリング剤とを含有するシリコーン系樹脂で被覆する。なお、抵抗、帯電制御のため、導電性カーボン等を樹脂中に添加してもよい。
【0022】
シリコーン系樹脂に用いられる架橋剤としては、一般に次の5種類が用いられ、これらの構造式中のRとしては、メチル基、アリル基、フェニル基及びこれらの誘導体が挙げられ、更にはそれぞれの型の遊離基が付加した4官能基型のものが挙げられる。
(1)脱アルコール型架橋剤
【化1】
【0023】
(2)脱酢酸型架橋剤
【化2】
【0024】
(3)脱オキシム型架橋剤
【化3】
【0025】
(4)脱アミド型架橋剤
【化4】
【0026】
(5)脱アセトン型架橋剤
【化5】
【0027】
そして、これらのシリコーン系樹脂用架橋剤の作用としては、下記式
【化6】
で示される分子量数百から数万のシリコーンベースポリマーの末端OH基と、触媒及び水の存在下反応して、下記式
【化7】
(ただし、P、P、Pは、メチルシリコーンポリマーを表す。)
のように、ベースポリマーを3次元的に架橋させることにある。本発明で用いるシリコーン系樹脂用のフェニル基を有する架橋剤とは、上記構造式中のRがフェニル基であるものを示し、これらの中でも(1)脱アルコール型と(3)脱オキシム型が好ましく用いられ、さらに反応性等を考慮すると、(1)脱アルコール型が最も好ましい。
【0028】
このフェニル基を有する架橋剤の含有量としては、架橋剤を含むシリコーン樹脂全体の全官能基Rのうち、フェニル基の総数は1.0〜5.0個数%が好ましい。なお、フェニル基の総数が1.0個数%未満の場合は、フェニル基の個数が少なすぎてフェニル基を含むことに起因する効果が得られない。また、5.0個数%を超えると、フェニル基が過剰となって流動性が悪くなり、硬化膜の耐久性も低下する。本発明のキャリアを用いる静電荷像二成分系乾式現像方式において、フェニル基を有する架橋剤の作用としては、官能基として含まれているフェニル基がメチル基等に比べ非常に大きいものであるため、メチルシリコーンベースポリマーを架橋してキャリアの被覆層を形成した場合、フェニル基と架橋したシリコーンベースポリマー間で、これらの立体的干渉を避けるために、シリコーンベースポリマーはキャリア芯(コア)材側に配向し、その上側にフェニル基が配向することによって、被覆層が平滑になっている。また、フェニル基は非常に親油性が大きいため、高温高湿環境下において、シリコーンベースポリマーに対する湿気の作用を小さくでき、その結果、常温常湿環境下と高温高湿環境下の現像剤の帯電量及び流動性の差を小さくさせている。一方、メチル基等の官能基を有する従来から用いられている架橋剤を含有するメチルシリコーンポリマーの被覆層においては、メチル基等の官能基が小さいものであり、シリコーンベースポリマーは官能基の立体的障害を受け難いため、シリコーンベースポリマーは、3次元的に配列し凹凸のある被覆層を形成しており、また、この硬化膜を高温高湿下に晒した場合、シリコーンベースポリマーは、直接湿気の影響を受けることになり、常温常湿下と高温高湿下の現像剤の帯電量及び流動性の差が大きくなって現れる。また、ベースレジンとして、メチルフェニルシリコーンポリマーの被覆層においては、フェニル基はフェニル基同士の立体的干渉を避けるために、フェニル基は硬化物中にランダムに配置され、フェニル基の多い部分は膜が厚く、少ない部分は膜が薄く、被覆層全体でみれば、非常に凹凸の大きいものとなっている点が、フェニル基を有する架橋剤を含有するメチルシリコーンポリマーと大きく異なっており、現像剤の帯電量や流動性等において同様の効果は得られない。
【0029】
次に、シリコーン系樹脂に用いられるアミノシランカップリング剤について説明する。被覆樹脂中のアミノシランカップリング剤の含有割合は、14〜18重量%が好ましい。アミノシランカップリング剤の含有割合が14重量%未満では、アミノ基の含有量が少なすぎ高湿下でのトナーとの帯電能力が十分に得られない。また、18重量%を超えると、逆に低湿下で帯電量の絶対値が上昇し画像濃度の低下を招いてしまう。また、必要以上にアミノシランカップリング剤を被覆樹脂中に含有させると、樹脂中の層間剥離等を引き起こし、耐久性が得られない。
【0030】
一般のアミノシランカップリング剤は、下記の一般式で表わすことができる。
【化8】
但し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、フェニレン基、R、Rは炭素数1〜2のアルキル基、R、Rは水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、アミノメチル基、アミノエチル基またはアミノフェニル基等、nは2または3である。
【0031】
本発明で用いられるアミノシランカップリング剤は、下記式で示される。
【化9】
但し、Rは炭素数1〜4のアルキレン基、R、Rは炭素数1〜2のアルキル基、nは2または3である。すなわち、本発明ではアミノシランカップリング剤では、上記一般式(化8)におけるR、Rはいずれも水素であるため、1級アミンである。
【0032】
他方、メチル基、エチル基、フェニル基等で置換された2級または3級のアミンでは極性が弱く、トナーとの帯電立上り特性に対して効果が少ない。また、R、Rが、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノフェニル基になると、シランカップリング剤の最先端は、1級アミンであるが、シランから伸びる直鎖の有機基の中のアミノ基は、トナーとの立上り帯電特性に寄与せず、逆に高湿時に水分の影響を受けるため、最先端のアミノ基により初期のトナーとの帯電能力は有するものの、耐刷時に帯電能力が下がり、最終的には寿命が短いものとなる。一例としてN−β−(アミノエチル)−Y−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0033】
は炭素数1〜4のアルキレン基、R、Rは炭素数1〜2のアルキル基が用いられ、中でもRは炭素数3のアルキレン基、R、Rは炭素数2のアルキル基の組合せが最も好適である。またRはフェニレン基よりも脂肪族系のアルキレン基のほうがその構造上、シリコーン系樹脂中、特にメチルシリコーン系樹脂に適している。R、Rについては、Rは少なくともn=2であることが必要で、最も好ましくはn=3である。これはシリコーン系樹脂または変性シリコーン系樹脂中のベースレジンと反応し、強固にアミノシランカップリング剤が密着するためである。
【0034】
シリコーン系樹脂としては、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂であればよく市販品としては、信越化学社製KR−271、KR−255、東レ・ダウコーニングシリコーン社製SR−2410、SR−2406、SR−2411、東芝シリコーン社製TSR−127B、TSR−144等があり、また必要に応じ触媒等を添加してもよい。また、変性シリコーン系樹脂としては、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等による変性シリコーン樹脂が使用でき、市販品としては、信越化学社製KR−206(アルキッド樹脂変性)、KR−9706(アクリル樹脂変性)、ES−1001N(エポキシ樹脂変性)、東レ・ダウコーニングシリコーン社製SR−2101(アルキッド樹脂変性)等がある。また、好ましくはストレートシリコーン樹脂であり、特にメチルシリコーン系樹脂のほうが被膜強度の面から好ましい。また、上記シリコーン系樹脂の被覆方法としては、シリコーン系樹脂を溶剤に希釈し、キャリア芯材の表面に被覆するのが一般的である。ここに用いられる溶剤は、上記シリコーン系樹脂に可溶なものであればよく、トルエン、キシレン、セロソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール等が挙げられる。また、キャリア芯材表面に、溶剤で希釈された樹脂を被覆する方法は、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、混練法等により塗布され、その後、溶剤を揮発させる。なお、このような溶剤を用いた湿式法ではなく、乾式法によってキャリア芯材表面に樹脂粉を被覆することも可能である。
【0035】
上記シリコーン系樹脂をキャリア芯材表面に被覆後、焼付する場合は、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリーキルン式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼付でもよい。焼き付けの温度は使用するシリコーン系樹脂により異なるが、充分架橋、硬化が進む温度まで上げる必要がある。
【0036】
このようにして、キャリア芯材表面にシリコーン系樹脂が被覆、焼付けされた後、冷却され、解砕、粒度調整を経てシリコーン系樹脂被覆キャリアが得られる。
【0037】
本発明で用いられるキャリアの芯材は鉄粉系キャリアが望ましい。これは、本発明のカートリッジの現像スリーブとドクタープレードとのクリアランスが1.0mm以上と広いためである。このような広いクリアランスは、カートリッジ自体の精度がラフで良いため生産コストがかからないと言うメリットがある。その反面、現像剤の穂が長くなりキャリア付着が発生しやすくなる。また、本カートリッジは、その回転部材のギヤ配置の簡素化、低コスト化のためスリーブの回転方向とドラムの回転方向が逆である。このため、いっそう現像剤の穂に対するストレスが大きくキャリア付着が発生しやすい現像システムとなっている。この様な現像システムにおいて、例えば特公昭56−52305号公報に記載されているフェライトキャリアは、飽和磁化が低く、担体粒子を小粒径化してゆくとキャリア付着が発生し、感光体及びクリーニングブレードに傷を生ぜしめ、この部材の耐久性を著しく短くする欠点がある。このため、より磁力の強い鉄粉系キャリアが本発明に適することになる。現在、一般に実用化されている鉄粉系キャリアは、その外見的形状により次の二種類に分類される。その一つは、形の定まらない不規則な形状を有するものである。これは特公昭55−40863号公報に記載されている様に、原料鉄粉を焼結、粉砕、分級してなるため、不定形鉄粉担体となり、形状異方性によって現像磁場において磁束密度が高く穂が硬くなり、Solid部(べた黒部)にハキ目(トナー剥離部分)が生じ易い。また、現像剤の搬送の過程で「割れ」や「欠け」が発生しやすく、これらが感光体表面を損傷し、結果的に画像を悪化させる。さらに現像剤の流動性が悪く、現像剤の劣化を早めたり、搬送の過程での現像ローラーにかかるトルクが大きくなるという欠点を有している。他の一つは、球形あるいは球形に近い粒状の形をもった一般的にアトマイズ鉄粉と呼ばれているもので、本発明に好ましく使用されているものである。この場合、形状が球形に近いため、不定形鉄粉の持っ不具合が無く優れた特性を持つことになる。しかし、不定形キャリアに比べて比表面積が小さくなるため、本発明のような小粒径トナーを用いた現像においては、帯電付与能力が低下する。このため、トナーの比表面積に準じたキャリア比表面積が必要となり、粒子径を小さくする必要がある。本願トナーに適するキャリア粒子径は、80μm以下が好ましい。しかし、キャリア粒子径が40μm以下になると、流動性が悪化し帯電不良、スペント増加等の不具合発生原因の1つとなる。従って、キャリア粒子径としては、その重量平均粒径が40乃至80μmのものが好ましい。また、本発明のトナーとの比重差を考慮した混合撹拌性を最適とするためには、キャリアの真比重は6.0以上が好ましい。しかし、真比重が8.0を超えると、ドラムの摺擦力が増加し画質劣化を招く原因の1つとなる。従って、キャリア真比重としてはその6.0〜8.0のものが好ましい。
【0038】
上記シリコーン系樹脂の上記キャリア芯材に対する被覆量としては、キャリア芯材に対して5.0〜10.0重量%が好ましい。これは、被覆量が5.0重量%未満であるとコート樹脂がキャリア芯材を完全に覆うことが出来なくなり、その耐久性に劣るためである。また、10.0重量%を超えるとキャリアの抵抗値が高くなりすぎて良好な現像特性が得られなくなる為である。
【0039】
さらに、本トナーにおいては、低温・低湿環境下における帯電安定性向上のため、トナー粒子に磁性微粉体を外添することが好ましい。これは、本発明に於けるキャリアの特性と密接に関係している。本発明によるキャリアは、その優れた帯電特性により帯電の立ち上がりが早く、常にトナーに多量な電荷を供給している。これらの電荷が一定量以上蓄積されると、チャージアップによる画像濃度低下が問題となる為である。トナー表面に磁性徴粉体を添加すると、現像剤としてその表面抵抗値を下げ過剰な電荷をリークさせることにより常に適切な飽和電荷量を維持するためである。そのため、磁性微粉体をトナー100重量部に対して1〜3重量部使用するのが好ましい。外添する磁性微粉体の量が1重量部に満たない場合はトナー表面抵抗値を有効に低下させることが出来ないし、3重量部より多い場合、ドラム表面への融着現象を引き起こすおそれがある。
【0040】
本発明のトナーに用いられる磁性微粉体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素の如き元素を含む磁性を有する金属酸化物がある。これらの磁性微粉体の重量平均粒径は、好ましくは0.05〜0.30μmである。重量平均粒径が0.05μmより小さい場合、OPC感光体表面を適度に削り常にフレッシュな面を維持する研磨効果が少なくなるため好ましくない。また、重量平均粒径が0.30μmより大きい場合は、本発明のように少量の磁性微粉体を均一分散させトナー表面抵抗を低下させるための必要個数が少なくなり好ましくない。また、本発明に用いられる磁性徴粉体の構成する磁性微粒子の形状としては、八面体、六面体、球形が挙げられる。
【0041】
さらに本発明の課題をより高度なレベルで満足させるためには、該磁性微粉体を構成する磁性微粒子は少なくともアミノシラン基を有し、電気抵抗が1×10〜9×10であることが好ましい。電気抵抗が1×10未満の場合、磁性微粉体粒子の表面アミノシラン基の存在が非常にまばらな状態であるため、耐湿性が低下し表面抵抗が環境特性を受けやすくなるため高温・高湿環境下のカブリ、飛散を生じやすくなる。また電気抵抗が9×10より大きい場合、本発明の目的であるチャージリーク効果が劣る結果となる。
【0042】
本発明のトナー粒子は、ワックスを含有している。ワックスとしては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体長鎖カルボン酸及びその誘導体、長鎖アルコール及びその誘導体が挙げられる。誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物を含む。
【0043】
本発明で好ましく用いられるワックスは、低分子量ポリプロピレンワックスが望ましく、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による数量平均分子量(Mn)が6000〜8000であることが好ましい。
【0044】
一般的に、従来の混練条件において、混練機から混練物が吐出した直後における混練温度が混練状態を知る重要なパラメーターである。PPワックスの軟化点に対して15〜30℃高い混練温度においてワックスの結着樹脂への分散性は良好であり、かつこの様な湯合においては、結着樹脂と磁性微粉体との濡れ性も良好となり、本発明の課題がより良好に達成できる。
【0045】
本発明で用いられる着色剤としては一般に染料、顔料、カーボンブラックなどで、このような着色剤としては、例えば、ニクロシン染料、カーマイン染料、各種の塩基性染料、酸性染料、油性染料、アントラキノン染料のような染料;ベンジジン系黄色有機顔料、キナントリン系有機顔料、ローダミン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタンなどがあるが、好ましく用いられる着色剤としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラックをあげることができる。これらカーボンブラックの中でも樹脂中での分散性に優れた1次粒子径が15〜30nmのものが望ましく、また、トナー生産時において他の原材料特性を損なうことのない酸性(pH7以下)のものが望ましい。さらに、本発明であるトナーには着色成分として磁性微粒子が添加されているため、カーボンブラックの添加量は少量で良く、樹脂100重量部当たりに対して3〜7重量部でその機能を充分満足することが可能である。
【0046】
本発明のトナーに使用される結着樹脂について説明する。本発明に使用されるトナーの結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
【0047】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルへキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体:塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルへキシルケトンのようなビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテルが挙げられる。これらのビニル単量体が単独もしくは組合せてスチレンモノマーとともに用いられる。架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これら架橋剤は単独もしくは混合して使用される。
【0048】
また、スチレン系樹脂は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)において、重量平均分子量(Mw)が15×10〜25×10、数平均分子量(Mn)が2×10〜4×10であり、軟化点が145℃〜165℃のものが良い。
【0049】
本発明のトナーには、荷電制御剤として有機金属化合物を用いることが好ましい。有機金属化合物のうちでも、特に気化性や昇華性に富む有機有機化合物を配位子や対イオンとして含有するものが有用である。このような有機金属化合物としては、次に示した一般式で表わされるアゾ系金属錯体がある。。
【化10】
(但し、MはCr、Co、Ni、Mn、Fe等の配位中心金属、Arはアリール基、ナフチル基、X、X´、Y、Y´は、O、CO、NH、NR(Rは炭素数1〜4のアルキル基)Aは、水素、ナトリウム,カリウム、アンモニア、脂肪族アンモニウムを表す。)
この様なアゾ系金属錯体の中でも中心金属にCrを含有する荷電制御剤を用いることが好ましい
【0050】
荷電制御剤は、トナー100重量部に対して0.5〜3重量部の範囲で添加されるのが好ましい。トナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、トナー粒子に無機微粉体を外添することが好ましい。これは、本発明に於けるドラムカートリッジの構成と密接に関係している。通常のカートリッジにおいては、クリーニング部材により回収されたトナーは感光体ドラム上とは反対の重力方向に自重により回収されスパイラル部材などによりボックスに回収されている。本発明のドラムカートリッジは、近来の小型化傾向によりクリーニングスペースも小型化されている。そのため、クリーニング部材により回収されたトナーは感光体ドラムを圧接されながらボックスに回収される構造となっている。このため、より磁性微粉体のドラム融着が顕著となる。かかる不具合をなくすためには、トナー自体の流動性を向上させドラムとの摩擦係数を低減させる必要がある。このため、本ドラムカートリッジの様な構造では、通常より多量な無機微粉体を外添し上記のような不具合を未然に防止している。ただし、この様な微粉体は通常強い負帯電性を持っており、過剰な外添はトナー全体のチャージアップを引き起こし画像濃度低下といった不具合を発生させる要因の1つとなる。従って、無機微粉体の添加量としては、トナー100重量部に対して無機微粉体0.3〜1重量部使用するのが良い。
【0051】
無機微粉体としては、例えばシリカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体等が挙げられる。特に、BET法で測定した窒素吸着により比表面積が90〜150m/g)の範囲内の無機微粉体が良好な結果を与える。また、無機微粉体は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理されていることも好ましい。処理剤は2種類以上使用しても良い。特に、シリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粉体が好ましい。
【0052】
他の添加剤としては、例えばテフロン(登録商標)、ステアリン酸亜鉛、ポリフッ化ビニリデン、シリコーンオイル粒子(約40%のシリカ含有)の如き滑剤が好適に用いられる。また、酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤が好ましく用いられ、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。また、ケーキング防止剤;カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズの如き導電性付与剤;トナー粒子と逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いても良い。
【0053】
次に、トナー粒子の製造方法について説明する。本発明に用いられる混練機としては、近年のトナーの量産化に対応して、エクストルーダーを用いて混練することが好ましい。特に二軸エクストルーダーが品質安定性及び量産性の観点から好ましい混練機である。具体例としては、TEM−100B(東芝機械製)、PCM−87(池貝鉄工製)等が挙げられる。
【0054】
本発明において、トナー粒子を生成するための溶融混練工程において、結着樹脂、磁性微粉体及びワックスを少なくとも有する混合物を、混練機により下記条件にて製造する。
混練温度:樹脂及びワックスの軟化点温度+15℃〜30℃
回転数:150〜210rpm
供給量:80〜140kg/hr
得られた混練物は、従来知られている方法で圧延冷却、粗砕、ジェット気流による微粉砕、分級が行なわれ、トナー粒子が得られる。
【0055】
本発明の電子写真用現像剤を使用する画像形成方法の一例について説明する。チャージャーにより電圧を印加され、静電荷像保持体(感光ドラム)の表面を負極性に帯電し、レーザー光による露光によりイメージスキャニングによりデジタル潜像を形成し、ドクターブレード及び磁石を内包しているトナー担持体(現像スリーブ)を具備する現像器のトナーで、該潜像を反転現像する。現像部において感光ドラム1の導電性基体は接地され、現像スリーブにはバイアス印加手段により直流バイアスが印加されている。転写紙が搬送されて転写部にくると、ローラ転写手段により転写紙の背面(感光ドラム側と反対面)から電圧印加手段で帯電することにより、感光ドラムの表面上の現像画像(トナー像)が転写チャージャーによって転写紙上に転写される。感光ドラムから分離された転写紙は、加熱加圧ローラ定着器により転写紙上のトナー画像を定着するために定着処理される。
【0056】
転写工程後の感光ドラムに残留するトナーは、弾性プレードによりクリーニングされ回収ボックスに回収される。クリーニング手段によるクリーニング後の感光ドラムは、再度、帯電手段による帯電工程から始まる工程が繰り返される。
【0057】
感光ドラムは感光層及び導電性基体を有する。トナー担持体である非磁性円筒の現像スリーブは、現像部において感光ドラムの表面と逆方向に進むように回転する。現像スリーブの内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネットロール)が回転しないように配されている。現像器内のトナーと現像剤は非磁性円筒面上に塗布され、キャリアとの摩擦によって、トナーは、例えばマイナスのトリボ電荷が与えられる。
【0058】
現像部において、現像スリーブに直流バイアスをバイアス手段により印加しても良い。この直流バイアスは−400V〜−500Vであれば良い。
【0059】
現像部におけるトナーの移転に際し、感光ドラム表面の静電的及びバイアスの作用によってトナーは静電像側に移転する。
【0060】
感光ドラムはアルミニウムの如き導電性金属で形成されている導電性基層と、その外面に形成した光導電層とを基本構成層とするものであり、時所定の周速度(プロセススピード)で回転される。帯電チャージャーにより感光ドラムの表面が所定の極性・電位に帯電される。次いで、画像露光により静電荷像が形成され、現像手段により静電荷像はトナー画像として順次可視化されていく。
【0061】
次に、本発明の画像形成装置について、図1を用いて説明する。画像形成装置は,帯電手段1、感光体ドラム2、転写手段3、現像スリーブ4、定着手段5を備えており、プロセスカートリッジを有している。プロセスカートリッジは、少なくとも現像手段と潜像保持体とが個別にカートリッジ化されたものであり、画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置)に着脱可能に構成されている。
【0062】
現像手段、ドラム状の静電荷像保持体(感光ドラム)、クリーニングブレードを有するクリーニング手段、一次帯電手段としての帯電チャージャーを一体としたプロセスカートリッジが図1に例示される。
【0063】
本発明では、現像手段は、現像剤層厚規制手段としてのドクターブレードとトナー容器内にトナーを有し、該トナーを用い、現像時にはバイアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラムとトナー担持体としての現像スリーブとの間に所定の電界が形成されて現像工程が実施される。この現像工程を好適に実施するためには、感光ドラムと現像スリーブとの間の距離が調整される。
【0064】
上記では、現像手段、潜像保持体、クリーニング手段及び一次帯電手段の4つの構成要素を一体的にカートリッジ化した実施形態について説明したが、本発明においては、現像手段と静電荷像保持体とが別々にカートリッジ化されたものであればよい。
【0065】
本発明について、以下の実施例に基づいてより具体的に説明する。
実施例1を説明する。
キャリア
(i)芯材:アトマイズ鉄粉(関東電化工業社製)
(a)平均粒径60μm
(b)真比重 7.0
(ii)コート樹脂シリコーン系樹脂(商品名:SR−2411、固形分20重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
(a)コート量 7.5重量%
(iii)添加剤1
(a)フェニル架橋剤(トリメトキシフェニルシラン)
(b)添加量 シリコーン樹脂全体の全官能基Rのうち、フェニル基の総数が3個数%
(iv)添加剤2
(a)アミノシランカップリング剤(Y−アミノプロピルメチルジメトキシシラン)
(b)添加量 10重量%
キャリア芯材に、シリコーン樹脂全体の全官能基Rのうち、フェニル基の総数が3個数%になるように調製したフェニル架橋剤(トリメトキシフェニルシラン)を有するシリコーン系樹脂(商品名:SR−2411、固形分20重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)の固形分に対し、Y−アミノプロピルメチルジメトキシシランを8重量%混合し、トルエン溶剤に溶解させ、流動床を用いてキャリア芯材に対し、0.7重量%コーティングし、さらに200℃で2時間焼付を行い、上記樹脂によって被覆されたキャリアを得た。
トナー
(i)結着樹脂100重量部
(a)スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体(共重合重量比=80:20)
(b)重量平均分子量(Mw) 20万
数平均分子量 (Mn) 3000
(c)軟化点 155℃
(d)酸価 0.2KOHmg/mg
(e)残存モノマー量 500ppm
(ii)磁性微粉体3重量部
(a)重量平均粒径R:0.20μm
(b)磁性微粒子の形状:八面体
(iii)負荷電制御剤1.5重量部
(a)前記式(a)で示されるモノアゾ錯体
(b)1次粒子径:7μm
(iv)ワックス2重量部
(a)低分子量ポリプロピレン
(b)軟化点:155℃
(c)軟化点の測定方法:DSC吸熱ピーク温度
(v)カーボンブラック6重量部
(a)pH:3
(b)1次粒子径:30μm
上記材料(図2のトナー処方1)をへンシェルミキサーで混合して混合物を得、得られた混合物を二軸エクストルーダー(機種名「PCM−65(池貝鉄工製)」に導入し、スクリューの回転数180(rpm)、設定温度100℃、混合物の供給量110kg/hrで混合物の溶融混練をおこなった。混練直後の混練物の温度は、180℃であった。練物をハンマーミルで1mm以下に粗粉砕し、得られた粗粉砕物を、ジェット気流を用いた衝突式気流粉砕機で微粉砕し微粉砕物を得た。トナー粒子の重量平均粒径(D50)は8.2μmであった。
【0066】
得られたトナー粒子100重量部と、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルとで表面処理している疎水性シリカ微粉体(BET比表面積120m/g)0.55重量部とアミノシラン基を有するマグネタイト2.0部とを混合して、負摩擦帯電性のトナーを調製した。
【0067】
添付の図に示す画像形成方法でトナーの評価をおこなうために、1200dpiの解像性を有する反転現像方法で静電荷像を現像するレーザビームプリンタ(商品名AR−270、定着温度180℃、シャープ株式会社製)用のプロセスカートリッジの現像器にトナーを導入し、プロセスカートリッジをレーザビームプリンタに装着し、各環境下において画出し試験をおこなった。
評価結果を図2に示す。
【0068】
評価方法を説明する。
(a)画像濃度
初期(2枚目)、200,000枚目のベタ黒画像の画像濃度をマクベス濃度計により測定した。画像濃度測定は、直径55mmの黒円を含む原稿を用いて、3枚複写し得られたコピーサンプルの黒部をマクベス濃度計にて測定しそれらを平均した値で評価する。
評価基準は、以下のようである。
5:1.4以上
4:1.3〜1.4
3:1.2〜1.3
2:1.0〜1.2
1:1.0以下
【0069】
(b)カブリ
“白度計’’(ハンター白度計、日本電色工業社製)を用い、あらかじめプリント前の転写紙の白色度を測定し、プリントされた白色画像部の白色度との差を求め、その差が最大となる値を示した。カブリ濃度測定法は、A4サイズの白紙を予め白度計(ハンター白度計、日本電色工業社製)にて白度を測定しその値を第1測定値とする。次に、直径55mmの白円を含む原稿を用いて、3枚複写し得られたコピーサンプルの白部を前述の白度計にて測定しこの値を第2測定値とする。第2測定値の値を第1測定値から差し引いた値をカブリの値とする。
評価基準は、以下のようである。
5:0.4以下
4:0.6〜0.4
3:0.8〜0.6
2:1.0〜0.8
1:1.0以上
【0070】
(c)1200dpiのドット画像
1インチ当り600個のドット潜像を形成し得る画出し条件で、ワンドットのトナー画像を形成し、トナー画像を拡大して目視により5段階に評価した。
5:優
4:良
3:普通
2:やや悪い
1:悪い(トナーの飛び散りの発生がみられたり、ドットの画像の形状がいびつである)
【0071】
(d)帯電の環境変動
現像剤を5℃、15%の環境下で24時間保管後の帯電量(QLL)および35℃、85%の環境下で24時間保管後の(QHH)を求め、その差△Q
△Q=QLL−QHH(μc/g)
を求め、ランク付けを行うことにより、帯電の環境変動を評価した。
5:△Q=3μc以内
4:△Q=3μcを超え、5μc以内
3:△Q=5μcを超え、7μc以内
2:△Q=7μcを超え、12μc以内
1:△Q=12μcを超える
帯電量の測定は、細川ミクロン社製E−SPART ANALYZERまたはこれと同等の装置を用いて求めた。
【0072】
(e)帯電の立上り性
新規トナーを補給した現像剤を、現像機内にて撹拌混合し、補給トナーに対する帯電付与速度を撹拌時間における帯電量変動値から求め、ランク付けを行うことにより、帯電の立上り性を評価した。
5:帯電立上り性評価において、非常に良好なレベル
4:帯電立上り性評価において、問題のないレベル
3:帯電立上り性評価において、実用上使用可能なレベル
2:帯電立上り性評価において、問題があり、使用できないレベル
1:問題があり、実用上使用できないレベル
【0073】
総合評価は上記各評価の平均値とした。
他の実施例について、各種条件及び評価結果の関係を図1に示す。
【0074】
なお、実施例1〜5は、トナーは外添剤として磁性粉を有し、また、キャリアは、樹脂コートされた真比重6.0〜8.0である磁性キャリアであり、かつ、コート樹脂がフェニル基を有する架橋剤とアミノシランカップリング剤とを含有したシリコーン系樹脂である電子写真用現像剤の例である。
【0075】
実施例7、8及び参考例6、9は、キャリアのコート樹脂における架橋剤は、フェニル基の占める割合が0.2から15個数%である電子写真用現像剤の例である。
【0076】
実施例10〜13は、キャリアのコート樹脂は、アミノシランカップリング剤の含有割合が5〜20重量%である電子写真用現像剤の例である。
【0077】
実施例14〜17は、キャリア芯材に対するシリコーン系樹脂の被覆量がキャリア芯材に対して7.0〜8.0重量%である電子写真用現像剤の例である。
【0078】
実施例18〜21は、コート樹脂により被覆された磁性キャリアの体積基準の50%平均粒子径が40〜80μmである電子写真用現像剤の例である。
【0079】
実施例22〜25は、トナー粒子は外添剤として磁性微粉体と混合されており、磁性微粉体は、形状が八面体で、表面に少なくともアミノシラン基を有するマグネタイトを1〜3重量%有する電子写真用現像剤の例である。
【0080】
以上実施例等で説明したように、トナーに外添剤として少なくとも磁性粉を有しており、かつ、コート樹脂がフェニル基を有する架橋剤とアミノシランカップリング剤を含有したシリコーン系樹脂であるキャリアからなる二成分系現像剤を用いることにより、環境安定性に優れ、耐刷時に補給されるトナーに対し、瞬時に帯電能力を付与させることができ、かつ、長期にわたって適切な飽和帯電量を維持する耐久性のあるキャリアおよびトナーからなる現像剤を得ることができる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、高い現像能力を有し、キャリア表面上にトナー膜が形成される所謂スペント化が有効に防止され、しかも、優れた特性が長期間の使用によっても損なわれることのない耐久性のあるキャリア及び、このキャリアと組み合わせることにより各環境下において、優れた特性が長期間持続するトナーとからなる電子写真用現像剤及び画像形成方法と装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の説明図。
【図2】実施例の電子写真用現像剤の評価結果を説明する図表。
【符号の説明】
1 帯電手段
2 感光体ドラム
3 転写手段
4 現像スリーブ
5 定着手段

Claims (6)

  1. トナー及びキャリアを有する二成分系の電子写真用現像剤において、
    前記トナーは外添剤として磁性粉を有し、また、前記キャリアは、樹脂コートされた真比重6.0〜8.0である磁性キャリアであり、かつ、コート樹脂がフェニル基を有する架橋剤とアミノシランカップリング剤とを含有したシリコーン系樹脂であり、前記コート樹脂における架橋剤の含有量は、架橋剤を含むシリコーン樹脂全体の全官能基のうち、フェニル基の占める割合が1.0〜5.0個数%となる量であり、前記コート樹脂におけるアミノシランカップリング剤含有割合は5〜20重量%であることを特徴とする電子写真用現像剤。
  2. キャリア芯材に対するシリコーン系樹脂の被覆量がキャリア芯材に対して7.0〜8.0重量%である請求項1記載の電子写真用現像剤。
  3. コート樹脂により被覆された磁性キャリアの体積基準の50%平均粒子径が40〜80μmである請求項1又は2に記載の電子写真用現像剤。
  4. トナー粒子は外添剤として磁性微粉体と混合されており、該磁性微粉体は、形状が八面体で、表面に少なくともアミノシラン基を有するマグネタイトであり、その量は1〜3重量%である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤を使用する画像形成方法
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤を使用する画像形成装置
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