JP4072385B2 - 画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤 - Google Patents

画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法あるいは静電印刷法などに用いられる定着装置において、定着体がオイル塗布機構及び部材等の定着補助部材を接触して具備しない画像形成方法、該画像形成方法に好適に用いることのできるトナーおよび二成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されているように多数の方法が知られている。電子写真法では、一般に光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーにより現像して可視像とし、必要に応じて紙などの記録材(転写材)にトナーを転写させた後、熱・圧力により記録材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。そして、転写されず感光体上に残ったトナーは種々の方法によりクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
上述の電子写真法に用いられる現像剤は、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂又はエポキシ樹脂等の結着樹脂に着色剤や荷電制御剤さらにはワックス成分を加え溶融混練し、均一に分散させた後、所定の粒度に粉砕し、さらに過剰の微粉及び粗粉を分級機を用いて除去する、所謂粉砕法によって製造されてきた。
【0004】
一方、特公昭36−10231号公報、特公昭43−10799号公報及び特公昭51−14895号公報により、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法が提案されている。懸濁重合法とは、重合性単量体、着色剤及び重合開始剤、更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を、均一に溶解または分散させて単量体組成物を調製した後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、たとえば水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る方法である。
【0005】
この製造方法は、粉砕工程を経ないためトナー粒子に脆性を付与させる必要がなく、更に従来の粉砕法では使用することが困難であった低軟化点物質を多量に使用することができることから材料の選択幅が広がる。またトナー粒子表面に疎水性の材料であるワックス成分や着色剤が露出しづらく、このためトナー担持部材、感光体、転写ローラー及び定着器への汚染が生じにくいという特徴を有しており、最近注目されている。
【0006】
近年このような電子写真法を用いた複写装置は、より小型化、より軽量化そしてより高速化、より高信頼性化の方向にあり、これらの性能が厳しく追及されてきている。また、単なる一般に言うオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機ということだけでなく、コンピューターの出力としてのデジタルプリンターあるいはグラフィックデザイン等の高細密画像のコピー用に使われてから久しい。さらには、環境対応、省エネ対応等への配慮も必要となってきている。
【0007】
ユーザーの欲求を満たす上で最も重要であり技術的に困難な工程の中に定着工程がある。
【0008】
定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は、加熱させたローラーやフィルムあるいはベルトによる圧着加熱方式である。
【0009】
圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料(シリコーンゴムやフッ素樹脂)で表面を形成した加熱体の表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過させることにより定着を行うものである。この方法は、加熱体の表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら、上記方法では、熱ローラー等の加熱体表面とトナー像とが溶融状態で加圧接触するためにトナー像の一部が加熱体表面に付着・転移し、次の被定着シートを汚すことがある(オフセット現象)。そのため加熱体に対してトナーが付着しないようにすることは、必須条件の一つとされている。
【0010】
このような問題に対しこれまでに、低温時の定着性と高温時の耐オフセット性を両立すべく、種々のトナーが提案されている。例えば、特開昭63−225244号公報〜63−225246号公報では、低温定着性,耐高温オフセット性、耐ブロッキング性を向上させる目的で2種の非線状ポリエステルを含有してなるトナーが開示されている。しかしながら、プロセススピードが低速から高速まで適用できる定着温度領域の広い、耐オフセット性に優れたトナーを製造するためには、後述の画像特性と併せて未だ改良すべき課題を残している。
【0011】
この様な定着にまつわる問題は、白黒の画像形成方法に比べてフルカラーの画像形成方法の方が顕著である。フルカラーの画像形成は色材の3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のトナー又はそれに黒色トナーを加えた4色のトナーを用いて色再現を行うものであり、多色面像を紙上に定着し、またはオーバーヘッドプロジェクターシート(OHT)に定着し、色再現・透過性を満足しなくてはならない。
【0012】
このためトナー層を充分に溶融して画像表面を平滑にすることが要求され、オフセットを防止する目的で、定着体に例えばシリコーンオイル等のオイルを供給し、定着体表面をオイルで均一に被覆する方法が現在の主流となっている。
【0013】
しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑になるという問題点を有しており、小型で安価なシステムを設計する上での阻害因子となっている。さらに、プレゼンテーション用としての必要性が増しているオーバーヘッドプロジェクターを利用するオーバーヘッドプロジェクターシート(OHT)においては、紙と異なりオイル吸収能力が低いため、定着後のOHT表面のべたつきが問題となっている。このような背景からオイルレス又はオイルの塗布量の少ない定着が可能なフルカラートナーが強く求められている。
【0014】
このような状況に鑑み、カラートナーにおいても、トナー中に離型剤を含有させることにより、オイルレス又はオイル少量塗布を達成している。
【0015】
これまでに、特開平6−59502号公報、特開平8−54750号公報等で、離型剤含有トナーの弾性率を規定することで、オイルレス定着を可能とする出願がなされている。該公報らは確かに150℃、170℃という定着設定温度近傍での粘弾性を規定することにより、OHPの透明性と耐高温オフセット性を両立させる方法として効果を上げている。しかし連続通紙時の加熱体の温度低下が激しくなる高速定着の場合の低温時の定着不良、所謂低温オフセット現象や、排紙・積載不良等の定着に関する点、及び長期的に安定した現像性を供する点に対し、若干の課題を有している。
【0016】
上記の排紙・積載不良に関して記述する。オイルレス又はオイル少量塗布の場合の課題として、転写紙の排紙側先端が定着ニップ通過後に定着体方向に引っ張られた形で排紙される。この場合、多数排紙した紙の積載不良の問題を生じる。また、上記現象のレベルが悪い場合、転写紙が定着体に巻きつき、排紙不良を引き起こす。この排紙不良を防ぐために、分離爪等の部材を接触又は非接触で定着ローラーに当接することが行われている。しかし、上記分離爪を定着ローラーに接触させる場合、分離爪等に滞留したオフセットトナーで、定着ローラーへの接触圧が増大し、定着体表面を傷つけてしまい、その部分の定着性が低下することで定着画像に他の部分とのグロス差を生じ、定着画像の品位がその部分のみ異なる。さらには、分離爪部に滞留したトナーはあるタイミングで剥がれ落ち、加圧体まで転移し、出力画像の裏面を汚す所謂裏汚れを発生する。その現象を低減させるために、シリコーンオイル等を含浸させたウエッブ等を定着ローラーに当接させることが試みられているが、前述の様に定着器の小型化・低コスト化に反する。この巻きつき現象は、トナーと定着体の親和性が高いほど起こるものであり、定着構成としては定着スピードが大きくなればなるほど、また定着温度が下がるほど悪化傾向にある。
【0017】
またフルカラー画像のグロスに対する市場の要求も変化してきており、従来は高グロスの画像のみが好まれていたのに対し、最近では、自然なしっとりとした質感の中〜低グロスの画像の方が適する場合も増えてきている。また、グロスの温度安定性に対しても要求が高まっている。例えば装置を小型化するほど定着器の熱容量は小さくなり、その場合定着させるトナー画像を定着器に通した際に、加熱ローラーの温度が低下してしまうため、定着画像の先端と後端部での定着時にかかる熱量に差が生じ、グロスに差が生じてしまう現象が起こりやすい。また小サイズ紙連続プリント直後にそれよりも大きいサイズのプリントをした場合、小サイズ紙の通紙部と非通紙部で温度差が生じ、同様の現象が起こりやすく問題となる。特に全面ベタのフルカラー画像の場合、非常に違和感がある。その際のブラック画像は、カラートナーよりも若干低グロスのほうが画像の質感として好まれる。というのは、ブラックトナーは文字画像として多く使用されるため、高グロスであると、ギラついた文字となり、品位に欠ける。逆に他の色よりもあまりにもグロスが低いと、黒の部分だけ沈んだ色となり、好ましくない。
【0018】
このように特にフルカラートナーに使用するブラックトナーは、上記多岐にわたるカラー画質の要求を満足させるシステムに適応しなければならない上に、解決しなければならない問題が多々ある。一般的に非磁性ブラックトナーの着色剤は、カーボンブラックを用いることが主流である。しかし着色剤としてカーボンブラックを使用した場合、カーボンブラックの特性による下記のような多くの課題を有している。
【0019】
第一に、カーボンブラックは他の顔料と比較して一次粒径が小さく、比表面積が大きいため、非常に分散し難く、トナー粒子表面に偏在したり、遊離カーボンブラックが生じやすい。カーボンブラックは粘着性の高い微粉体であるため、遊離カーボンブラックの存在は、トナーの流動性の低下を招き、良好な摩擦帯電の妨げとなり、特にハーフトーン画像の再現性が落ちる。また、カーボンブラックの分散が十分になされていない場合には、十分な画像濃度が得られないといった問題も生じる。
【0020】
第二に、カーボンブラックは導電性があるために、トナー表面に存在した場合には電荷がリークしやすく、このようなトナーを用いて画像形成を行うと、かぶりやトナー飛散が生じたりしてしまう。
【0021】
これまでに、カーボンブラックの現像特性を維持するためにトナーの誘電正接を規定した発明がなされている。このような発明では、トナーの帯電性をコントロールすることで、現像性を維持させる目的ではある程度良好な効果を発揮しているものの、基本的に定着性の観点からは十分ではなく、他の問題も生じている。
【0022】
特開平6−167832号公報、特開平6−167833号公報、特開平6−167834号公報においては、トナーの誘電正接値を0.02以下にする発明がなされているが、離型剤が添加されていないため、オイルレス定着時の離型性を確保するには不十分である。また、特開平8−334925号公報ではグラフトカーボンを用いているため、安価なトナー製造には適さない。また、上記トナーは正帯電性トナーであるため、フルカラー用のブラックトナーとしては好ましくない。
【0023】
特開平9−34159号公報には、カーボン粒径が30nm以下でありトナーへの添加量を3〜10部とする旨の記載がある。該公報は、確かに現像性の安定化は図れるものの、オイルレス定着時の定着性確保という点では若干の課題を有する。また、特開平9−34174号公報ではpH7未満の酸性カーボンを使用している。該公報も、確かに現像性の安定化は図れるものの、オイルレス定着時の定着性確保という点では若干の課題を有する。
【0024】
特開平9−244294号公報ではポリアルキレン微粒子含有トナーが規定されているが、良好な定着性を維持するには不十分である。
【0025】
重合法によるトナーの製造の場合、カーボンブラックは表面にキノン基等の、重合性単量体の重合を阻害する官能基を持つために重合速度が小さくなる。よって、重合度が上がらず、造粒時に粒子が不安定となり、凝集・合一を引き起こし、粒子として取り出すのが困難になる。粉砕トナーにおいても、カーボンブラックは架橋阻害性があり、他の色に比べて高分子量体の生成が不十分となり易い。これを解決するべく、熱架橋性の高い物質を多量に添加することが行われているが、該物質は帯電性に影響を与えるものが多く、多量添加は好ましくない。
【0026】
これらの問題点を解決するために、例えば重合阻害性に対しては、特開昭56−116044号公報のように、表面をグラフト化したカーボンブラックを使用する方法や、特開昭63−210849号公報のように、アルミニウムカップリング剤で表面処理したカーボンブラックを使用する方法等が提案されている。しかしながら、これらの方法はカーボンブラックを表面処理する工程が煩雑で手間が掛かり、製造費用がかさむため、工業的には困難である。
【0027】
カーボンブラックの分散性を改善する点に関する出願としては、特開昭64−35457号公報及び特開平1−145664号公報等があるが、未だ十分に解決されたとは言えない状況である。
【0028】
一方、更なる高画質化という観点から、近年、感光体上に静電潜像を形成する過程において、小径レーザービームなどを用い、感光体へ露光を行う技術が発達して静電潜像が細密化してきている。これに伴い、静電潜像に対して忠実に現像を行い、より高画質出力を得るため、トナー粒子及びキャリア粒子ともに小径化が進んでいる。特に、トナーの平均粒子径を小さくして画質を改善することがしばしば行われている。
【0029】
トナーの平均粒子径を小さくすることは、画質特性のうち、特に粒状性や文字再現性をより良くするための有効な手段であるが、特定の画質項目、特に耐久画出し時のかぶり、トナー飛散において改善すべき課題を有している。
【0030】
この原因としては、まず第一に、長期にわたる使用によってトナーの外添剤劣化や、スリーブやキャリア等の帯電付与部材がトナーや外添剤により汚染される、即ちスペントがおこり、結果としてトナーの帯電が低下して起こることが挙げられる。この現象はトナーを小径化することによって生じやすくなる。より詳細に説明すると、摩擦帯電は、一成分系ではトナーとスリーブの間の、二成分系ではトナーとキャリアの間の接触・衝突などの物理的外力によりなされるため、どうしてもトナーと帯電付与部材(スリーブ・キャリア)の双方にダメージを与えてしまう。例えば、トナーにおいては、その表面に添加される外添剤がトナー中に埋め込まれたり、トナー成分が脱落したりする。帯電付与部材においては、外添剤を含むトナー成分により汚染されたり、帯電を適正に安定化させるために帯電付与部材上にコートされたコート成分が摩耗したり、破壊されたりする。これらのダメージは、複写回数が増えるにしたがって、現像剤の初期特性が維持できなくなり、地かぶりや機内汚れ、画像濃度の変動を引き起こす原因となる。この現象は、特に静電潜像の画素単位が細密化するほど目立ちやすいものとなる。
【0031】
第二に、画像面積比率の高い原稿を用いた場合において、トナーが大量に帯電付与部材上に供給される場合、供給された際にトナーが均一に帯電されるまでに時間がかかり、未帯電トナーが現像に寄与することによって上記の問題を生じる。この現象は、トナーを小径化し、流動性が低下した際に顕著に起こる現象である。このような画像欠陥は、フルカラーでの多色重ね合わせ像を形成する場合に、特に改善を要する。この問題は帯電付与部剤の帯電系列・抵抗に関する検討が中心となっていたが、未だ解決されていない。
【0032】
二成分系現像剤に使用される磁性キャリアとしては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、または磁性体微粒子を結着樹脂中に分散させた樹脂コートキャリアが知られている。これらのキャリアコア材の表面に樹脂を被覆した樹脂コートキャリアを用いる現像剤は、抵抗を適性化することができ、帯電制御性が優れ、環境依存性や経時安定性の改善が比較的容易であるため、好ましく用いられている。
【0033】
上記したような小粒径トナーに対する帯電の不十分さを解決するために、特に二成分系ではキャリアの小粒径化も好適な手段であるが、キャリアの比表面積の増大に伴い、耐スペント性の悪化を引き起こし易くなる。
これらの問題については、用いるキャリア量を増やすこと等が行われているものの、複写機あるいはプリンター本体の小型化に反するものであり実用的ではない。
【0034】
上記、定着工程、現像工程以外にも、ユーザーの要求を満たすためには、さまざまな技術的課題が発生している。
感光体のクリーニング工程については、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラークリーニング等の手段が用いられていた。該手段は力学的に感光体上の転写残トナーを掻き落とすか、またはせき止めて廃トナー容器へと転写残トナーを捕集するものであった。よって、このような手段を構成する部材が感光体表面に押し当てられることに起因し、問題が生じやすかった。例えば、クリーニング部材を強く押し当てることにより感光体表面が摩耗されるということが挙げられる。
【0035】
また、クリーニング手段を具備するために装置全体が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を目指すときのネックになっていた。さらに、エコロジーの観点からは、廃トナーの出ないシステムが待望されている。
【0036】
上述の問題点を解決するために、例えば特公平5−69427号公報に、現像兼クリーニング又は、クリーナーレスと呼ばれる技術を採用した画像形成装置が提案されている。該画像形成装置では感光体一回転につき一画像を形成し、転写残留トナーの影響が同一画像に現れないようにしている。特開昭64−20587号公報、特開平2−259784号公報、特開平4−50886号公報、特開平5−165378号公報では、転写残留トナーを散らし部材により感光体上に散らし、非パターン化することで、一画像につき感光体同一表面が複数回利用される場合でも、画像上で顕在化しにくい方法を提案している。
【0037】
このような、小型化、環境対応化という観点に加え、プリント物または複写物に対し、高速でかつ高画質なもの多数枚安定して出力することへのユーザーの欲求が今まで以上に強まっているのが現状である。
【0038】
高画質化のためにトナーを小粒径化すると、潜像担持体上の転写残トナーをクリーニングするシステムにおいては、クリーニング不良を発生し易くなる。一方クリーナーレスシステムでは、かぶりトナーによる転写残トナーが増大し、その存在により帯電部位での潜像担持体の帯電を阻害し、更なるかぶりの悪化等を引き起こし、高品位な画像を提供できなくなる。
【0039】
帯電工程に関しては、高画質化対応及びオゾンを発生させない意味からの環境対応として、感光体の帯電手法として従来のコロナ帯電にかわり、ローラーやキャリアによる接触帯電方式が主流となってきた。中でも長期にわたり十分に潜像担持体を帯電させるといった観点から、直流の帯電に交流を重畳し印加する帯電方式が用いられている。
【0040】
上記方式は、長期にわたり高画質化を維持できるものの、交流成分を印加することで、帯電部位に介在したトナーが帯電部材もしくは潜像担持体に強固に付着しやすい。トナーが潜像担持体に付着した場合、所謂トナー融着となり、帯電部材に付着した場合、帯電不良を引き起こし、両者とも付着部分に応じた画像欠陥となる。
【0041】
このような潜像担持体周りでの問題は、定着に有利な離型剤を大量に含有させた低軟化なトナーほど生じ易い。
【0042】
以上のように、低コスト・小型・高速マシンを達成しうるオイル塗布機構を有さないシステムにおける定着性と、画像品位を長期にわたり満足できる画像形成方法及びそれに適合したトナー及び現像剤が未だ提供できていない現状にある。
【0043】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、オイル塗布機構及び部材等の定着補助部材を接触して具備しない定着システムにおいて、カーボンブラックを含有するトナーを用いた場合にも、良好な定着性を有し、プリント物の面内及び多数枚複写した後の画像グロスを安定させることができ、高画質な画像を安定して形成することができる画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤を提供することを課題とする。
【0044】
本発明は、オイル塗布機構及び部材等の定着補助部材を接触して具備しない定着システムにおいて、カーボンブラックを含有するトナーを用いた場合にも、多数枚の連続排紙時も紙つまりを起こすことなく良好な排紙特性を満足する画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤を提供することを課題とする。
【0045】
本発明は、さらに、潜像担持体上の転写残トナーをクリーニングするシステムを持たない、所謂クリーナーレスシステムにおいても、良好な定着性を有し、画像グロスが安定した高画質な画像を形成することができ、且つ定着画像の排紙時のトラブルのない画像形成方法、トナーおよび二成分現像剤を提供することを課題とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、トナーの物性および離型剤のトナー中の含有量に着目し、これらを特定のものとすることにより、良好な定着性を有し、定着画像の排紙時のトラブルを防ぎ、高画質な画像を安定して得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0047】
すなわち、本発明は、静電潜像を担持する感光体表面を帯電手段によって帯電する帯電工程と、前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤に含まれるトナーを前記感光体表面の静電潜像に供給して前記静電潜像を可視化してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写材上に転写する転写工程と、定着体と該定着体に圧接された加圧体により形成されるニップ部に転写材を通過させることにより前記トナー像を前記転写材上に加熱接触圧着させる定着工程とを少なくとも有し、上記各工程が繰り返されて画像形成が繰り返し行われる画像形成方法であって、
前記定着体はオイル塗布機構および前記定着体に接触する定着補助部材を有さず、
前記トナーは結着樹脂とカーボンブラックと離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する非磁性ブラックトナーを含み、
前記トナーは、少なくとも、重合性単量体、カーボンブラック、離型剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得られる重合トナーであって、前記トナーを製造する際に、前記カーボンブラックを前記重合性単量体に分散させる工程として、少なくとも重合性単量体とカーボンブラックとをメディア混合してマスターバッチを調製する工程を有し、前記マスターバッチの展色グロスが40〜65であり、
前記トナーは質量平均粒径が3.5〜9.5μmであり、
前記トナーの(誘電損率ε”/誘電率ε’)で表される損失正接tanδが、周波数5×10Hzにおいて0.008〜0.018であり且つ周波数10Hzにおいて0.006〜0.016であり、
前記トナーの質量平均分子量(Mw)が200000〜900000であり、前記トナーのカーの流動性指数が55〜98であり且つカーの噴粒性指数が70〜98であり、
前記離型剤は前記トナー粒子100質量部中に2〜20質量部含有されることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0048】
また、本発明は、感光体表面に担持された静電潜像を可視化するためのトナーであって、静電潜像を担持する感光体表面を帯電手段により帯電する帯電工程と、前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤に含まれるトナーを前記感光体表面の静電潜像に供給して前記静電潜像を可視化してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写材上に転写する転写工程と、オイル塗布機構および接触する定着補助部材を有さない定着体と該定着体に圧接された加圧体により形成されるニップ部に転写材を通過させることにより前記トナー像を前記転写材上に加熱接触圧着させる定着工程とを少なくとも有し、上記各工程が繰り返されて画像形成が繰り返し行われる画像形成方法に用いられ、
結着樹脂とカーボンブラックと離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する非磁性ブラックトナーを含み、
少なくとも、重合性単量体、カーボンブラック、離型剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得られる重合トナーであって、
前記トナーを製造する際に、前記カーボンブラックを前記重合性単量体に分散させる工程として、少なくとも重合性単量体と着色剤とをメディア混合してマスターバッチを調製する工程を有し、前記マスターバッチの展色グロスが40〜65であり、
質量平均粒径が3.5〜9.5μmであり、
(誘電損率ε”/誘電率ε’)で表される損失正接tanδが、周波数5×10Hzにおいて0.008〜0.018であり且つ周波数10Hzにおいて0.006〜0.016であり、
質量平均分子量(Mw)が200000〜900000であり、
カーの流動性指数が55〜98であり且つカーの噴粒性指数が70〜98であり、
前記離型剤は前記トナー粒子100質量部中に2〜20質量部含有されることを特徴とするトナーに関する。
【0049】
さらに、本発明は、感光体表面に担持された静電潜像を可視化するためのトナーと、キャリアとからなる二成分現像剤であって、
静電潜像を担持する感光体表面を帯電手段により帯電する帯電工程と、前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記トナーを前記感光体表面の静電潜像に供給して前記静電潜像を可視化してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写材上に転写する転写工程と、オイル塗布機構および接触する定着補助部材を有さない定着体と該定着体に圧接された加圧体により形成されるニップ部に転写材を通過させることにより前記トナー像を前記転写材上に加熱接触圧着させる定着手段とを少なくとも有し、上記各工程が繰り返されて画像形成が繰り返し行われる画像形成方法に用いられ、
前記トナーは結着樹脂とカーボンブラックと離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する非磁性ブラックトナーを含み、
前記トナーは少なくとも、重合性単量体、カーボンブラック、離型剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得られる重合トナーであって、
前記トナーを製造する際に、前記カーボンブラックを前記重合性単量体に分散させる工程として、少なくとも重合性単量体と着色剤とをメディア混合してマスターバッチを調製する工程を有し、前記マスターバッチの展色グロスが40〜65であり、
前記トナーの質量平均粒径が3.5〜9.5μmであり、
前記トナーの(誘電損率ε”/誘電率ε’)で示される損失正接tanδが、周波数5×10Hzにおいて0.008〜0.018であり且つ周波数10Hzにおいて0.006〜0.016であり、
前記トナーの質量平均分子量(Mw)が200000〜900000であり、前記トナーのカーの流動性指数が55〜98であり且つカーの噴粒性指数が70〜98であり、
前記離型剤は前記トナー粒子100質量部中に2〜20質量部含有されることを特徴とする二成分現像剤に関する。
【0050】
【発明の実施の形態】
本発明は、電子写真法や静電印刷法等の画像形成方法であって、紙などの転写材上にトナー像を定着させる定着工程において、定着体にシリコーンオイルを塗布せず、定着体に接触する分離爪等の定着補助手段を有しない画像形成方法に関する。本発明は、上記画像形成方法に用いられるトナーが(a)結着樹脂とカーボンブラックと離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する非磁性ブラックトナーを含み、(b)質量平均粒径が3.5〜9.5μmであり、(c)(誘電損率ε"/誘電率ε')で表される損失正接tanδが、周波数5×104Hzにおいて0.008〜0.018であり且つ周波数105Hzにおいて0.006〜0.016であり、(d)質量平均分子量(Mw)が200000〜900000であり、(e)カーの流動性指数が55〜98であり且つカーの噴粒性指数が70〜98であり、(f)離型剤は前記トナー粒子100質量部中に2〜20質量部含有されることを特徴とする。
【0051】
これまで、特開2001−142258号公報に示すように、アルカリ金属、有機金属化合物をトナーに好適に含有させてカーボンブラックの分散性を向上させることで、非磁性ブラックトナーの高着色力化及び均一迅速帯電化が達成されていた。しかし、このような方法は、高速かつ完全なオイルレス定着システムに対しては若干の課題を有していることが、本発明者等による後の検討により明らかになったのである。
【0052】
そこで本発明者らは、鋭意検討の結果、上記非磁性ブラックトナーを含むトナー及び二成分現像剤が、上記したような定着体にシリコーンオイルを塗布せず、定着体に接触する分離爪等の定着補助手段を有しない画像形成方法に好適に適用し得ることを見出した。
【0053】
このような定着工程を有する画像形成方法において、前述したような、転写紙などの転写部材の排紙側先端が定着ニップ通過後に定着体方向に引っ張られることに起因する排紙・積載不良に対し、トナーの観点からの解決手段として、定着時に良好に離型剤をトナーと定着体の間に介在させ、離型性をアップさせることが必要となる。
【0054】
この目的を達成するためには、カーボンブラックを着色剤として含有する非磁性ブラックトナーの場合、カーボンブラックをトナー中に良好に分散させた上でトナー近傍に存在させ、且つトナー粒子の分子量を適正にコントロールすることが重要であるとわかった。
【0055】
この理由は、明確にはわからないが、本発明者等は以下のように考えている。第一に、カーボンブラックのトナー中における存在状態について述べる。一般にカーボンブラックは親油性を有しており、その度合いはカーボンブラックのもつストラクチャー構造の大きさにより異なってくる。また、トナーに含有される離型剤も例外でなく、カーボンブラックとの相溶性を有している。そのため、カーボンブラックの存在状態は、定着時において離型剤がトナー表面へ染み出す速度を左右し、離型剤のトナー・定着体間の介在量に影響を及ぼすことが明らかとなっている。
【0056】
トナー中に凝集した状態でカーボンブラックが存在すると、離型剤はカーボンブラックの凝集体に取り込まれ、定着体表面に良好に析出し得なくなり、十分な離型効果が得られず、定着巻きつき性あるいは高温オフセット性が悪くなる。
【0057】
カーボンブラックがトナー中に均一に微分散された場合、上記傾向は弱まるが定着工程で必要な離型性を発揮するためには十分ではない。すなわち、トナー中でカーボンブラックが微分散されかつ表面近傍に存在することで、カーボンブラックに若干相溶した離型剤も、トナー表面近傍に存在することができ、定着時に離型剤をトナー表面に染み出し得る好ましい構成となる。さらに、この構成は、カーボンブラックと離型剤の相溶性から、定着時以外での離型剤のトナー表面存在量を極めて抑制することができ、現像性の悪化や帯電付与部材・感光体への汚染を良好に抑制しうる作用効果も得られる。
【0058】
第二に、トナー粒子の分子量を適正化させる必要性に関して記載する。トナー粒子の熱溶融性があまりにも大きいと、定着時に離型剤がトナーから定着体表面に染み出す以前に、トナー粒子自体が溶融しやすくなる。この結果、各トナー粒子の熱溶融によって、各トナー粒子中に存在する離型剤が粒子間を超えて再凝集しやすくなり、定着体表面に介在しにくくなる。このため定着体が低温になった場合に、転写紙の排紙・積載性を満足させることが困難となるばかりでなく、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。また、トナーのメカニカルな強度が劣り、長期耐久使用での現像性の悪化や感光体融着等の他の弊害も生じるのである。
【0059】
そのための解決手段として、本発明の下記物性を有したトナーが好ましいとの結果に到達した。
【0060】
すなわち、本発明の画像形成方法に用いられる本発明のトナーは、(誘電損率ε"/誘電率ε')で表される損失正接tanδが、周波数5×104Hzにおいて0.008〜0.018であり且つ周波数105Hzにおいて0.006〜0.016であり、質量平均分子量(Mw)が、200000〜900000であることを特徴とする。上記物性を有するトナーは、定着時に瞬時に離型剤をトナー表面に染み出させることができるため、転写材の定着体への巻きつきを良好に解決した上で、低温定着性、高温オフセット性を満足できることがわかった。また、トナーの損失正接tanδを上記範囲に制御することで、定着時以外はカーボンブラック起因の現像性低下を極力抑えた上で、離型剤のトナー表面の存在量を抑制することができ、且つトナーの分子量を上記範囲としているために、トナー粒子の弾性も良好に維持でき、長期耐久使用においても感光体や帯電付与部材を汚染させることなく、良好な画像を提供し得るものとなる。
【0061】
また、カーボンブラックの分散性の度合いを示す指標として、「カーボンブラックの特性と最適配合および利用技術(技術情報協会発行)」の241頁に示されるように、誘電損率ε"と誘電率ε'の比で表される損失正接tanδがある。この値が小さいほど、カーボンブラックの分散性が良好であることを示している。
【0062】
上述のように、本発明のトナーは周波数5×104Hzにおける損失正接tanδ(5×104Hz)が0.008〜0.018であり、105Hzにおける損失正接tanδ(105Hz)が0.006〜0.016以下であることを特徴とする。損失正接tanδ(5×104Hz)およびtanδ(105Hz)を上記範囲とすることにより、定着工程において離型剤の離型効果を良好に発揮できる程度にカーボンブラック及び離型剤のトナー中における存在状態を調整することができる。
【0063】
なお、上記tanδ(5×104Hz)は0.009〜0.017であることが好ましく、0.01〜0.016であることがより好ましい。また、tanδ(105Hz)は0.007〜0.015以下であることが好ましく、0.08〜0.014であることがより好ましい。
【0064】
tanδ(5×104Hz)が0.008より小さくかつtanδ(105Hz)が0.006より小さい場合、定着時に離型剤を良好にトナー表面に染み出させることが困難となり、巻きつきの問題を良好に解決し得ない。また、低温定着性、高温オフセット性も満足できない。
【0065】
逆に、tanδ(5×104Hz)が0.018より大きくかつtanδ(105Hz)が0.016より大きい場合、カーボンブラックのトナー中における分散性が劣り、トナー表面近傍に不均一に存在することとなるため、トナーの帯電量分布がブロードとなり、高湿下での帯電量不足によるかぶり、飛散等の弊害が生じる。
【0066】
また、上述のように、本発明のトナーは質量平均分子量(Mw)が200000〜900000であることを特徴とする。トナーの質量平均分子量は250000〜700000であることが好ましく、280000〜600000であることがより好ましい。
【0067】
質量平均分子量(Mw)が200000より小さいと、定着時に離型剤がトナーから定着体表面に染み出す以前に、トナー粒子自体が溶融しやすくなる。この結果、各トナー粒子の熱溶融によって、各トナー粒子中に存在する離型剤が粒子間を超えて再凝集しやすくなり、定着体表面に介在しにくくなる。このため定着体が低温になった場合に、転写紙の排紙・積載性を満足させることが困難となるばかりでなく、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。また、トナー粒子自体の弾性が低すぎ、高温オフセットを生じやすくなる。この現象は特に、トナーが熱を受け易いときに起こりやすく、水分量の少ない薄紙での両面印刷時でありかつ、トナー同士のバインド力が小さい両面印刷時の2面目のハーフトーン画像で起こり易い。
【0068】
逆に、質量平均分子量(Mw)が、900000より大きいと、高温時においても離型剤を良好に定着面に染み出させることができなくなり、離型性悪化によるオフセットを生じやすくなる。また、定着グロスも低下傾向にある。
【0069】
さらに、トナーの質量平均分子量(Mw)と個数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは2〜100であることが好ましく、4〜70以下であることがより好ましい。Mw/Mnが2未満の場合には、定着可能温度領域が極端に狭くなり、Mw/Mnが100を超える場合には、フルカラー画像を形成する際のブラックトナーとして用いる場合、画像上の黒色部が沈んだ感じになってしまい、フルカラー画像として違和感が生じるため、好ましくない。
【0070】
また、本発明のトナーの質量平均粒径は3.5〜9.5μmであることを特徴とする。トナーの質量平均粒径は好ましくは4.5〜9.0μmであり、より好ましくは5.0〜8.7μmである。トナーの質量平均粒径が3.5μmより小さいと過剰帯電を引き起こし、かぶりや画像濃度の低下といった弊害をもたらす。逆に、トナーの質量平均粒径が9.5μmより大きいと、ドラム上の微細な潜像を忠実に再現することが困難となり、現像画像の画質が劣ったものとなりやすい。
【0071】
本発明のトナーにおいて、本発明の効果を好適に発現し得るためには、カーの流動性指数が55〜98、好ましくは60〜95、より好ましくは65〜93であることが必要であり、カーの噴粒性指数が70〜98、好ましくは75〜95、より好ましくは78〜93であることが必要である。カーの流動性指数が55より小さく、噴粒性指数が70より小さい場合、トナー粒子の十分な帯電がなされず、画質の低下、特にハーフトーン画像の再現性が低下する。また、かぶりの発生も引き起こしやすい。さらに、二成分現像剤として使用する場合、現像器内へのトナー補給が不安定となり、トナー濃度の安定化が困難となる。この場合、トナー濃度が下がりすぎると画像濃度の低下を招き、トナー濃度が上がりすぎると、かぶりやトナー飛散を生じやすくなる。逆に、カーの流動性指数及び噴粒性指数が98を超えると、現像位置でのトナー飛散が極端に悪化する。また、このトナーを製造するにはトナー粒子の粒度分布を極端にシャープ化する必要があり生産性の点で収率を低下させることになり好ましくない。また、流動化剤を大量に添加する必要性も生じるため、定着性や部材汚染の点で好ましくない。
【0072】
上記定着工程においてトナーの離型性を十分に発揮させるためには、本発明の離型剤はトナー粒子100質量部中に2〜20質量部含有されることが必要である。離型剤の含有量は好ましくはトナー粒子100質量部中に4〜17質量部、より好ましくはトナー粒子100質量部中に6〜15質量部である。
【0073】
離型剤の含有量が2質量部より小さいと、定着時の離型剤効果が十分に発揮できず、定着体が低温になった場合に、転写紙の排紙・積載性を満足させることが困難となるばかりでなく、転写紙の巻きつきが起こりやすくなる。逆に20質量部より大きいと、離型剤による帯電付与部材や感光体への汚染が顕著となりかぶりや融着といった弊害を生じる。
【0074】
本発明の画像形成方法は、高画質化対応及びオゾンを発生させない意味からの環境対応として、感光体の帯電方法として従来のコロナ帯電にかわり、ローラーやキャリアによる接触帯電方式を用いることが好ましい。
【0075】
また、本発明の画像形成方法は、長期にわたり十分に感光体を帯電させるといった観点から、感光体表面と帯電手段との間に、直流成分に交流成分を重畳した振動電界を形成する帯電方式が好ましい。
【0076】
また、本発明の画像形成方法は、エコロジー及び本体小型化の観点から、静電潜像上の転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程をさらに有し、該帯電制御工程において帯電処理された転写残トナーを、現像部位に回収させる所謂現像同時クリーニング画像形成方法が好ましい。
【0077】
また、本発明のトナー粒子中に含有される、離型剤の含有量Aとカーボンブラックの含有量Bの比A/Bは、0.8〜2.2であることが好ましく、1.0〜2.0であることがより好ましい。
【0078】
A/Bが0.8より小さいと、定着時に良好に離型剤がトナー表面に染み出すことができず、定着時の巻きつきや高温オフセット性を改善し、低温定着性を良好に維持させることができない。
【0079】
逆に、A/Bが2.2より大きいと、一定の着色力を維持したトナーにおいては、トナー表面に露出する離型剤の量が増大し、帯電付与部材や感光体への汚染が顕著となりかぶりや融着といった弊害を生じる。
【0080】
本発明のトナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度は、0.950〜0.999であることが好ましく、0.960〜0.995であることがより好ましい。
【0081】
平均円形度が0.950未満の場合には、トナー形状がかなり不定形になるために、トナーの帯電量分布がブロードとなりやすく、さらに多数枚の複写を行うと、選択現像によりその分布がさらに広がる。そのため、かぶりや飛散等を起こし易くなる。また、連続通紙時のトナー転写効率が悪くなり、ベタ画像の濃度むらを起こし易くなる。さらにクリーナーレスシステムでは転写残トナー増による帯電不良を引き起こし、かぶり悪化等の弊害をもたらす。
【0082】
平均円形度が0.999を超える場合には、製造面において再現性、収率が著しく悪化し、コストアップにつながるばかりでなく、感光体や転写ベルト等のトナーのクリーニング性が不十分となる。
【0083】
本発明のトナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差は、0.010〜0.040であることが好ましく、0.015〜0.035であることがより好ましい。
【0084】
本発明のトナーの円形度の標準偏差が0.040を超える場合には、トナーの形状分布が拡がるために、均一転写性が悪化し、ベタ画像の濃度むらを起こし易くなる。またクリーナーレスシステムでは転写残トナー増による帯電不良を引き起こす。
【0085】
本発明のトナーの円形度の標準偏差が0.010未満の場合には製造面において、再現性、収率が著しく悪化し、コストアップにつながるばかりでなく、感光体や転写ベルト等のトナーのクリーニング性が不十分となる。
【0086】
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、ケトンワックス、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物等の誘導体が挙げられ、必要に応じて蒸留などしても構わない。
【0087】
また、下記一般構造式で示すエステルワックスが特に好ましい。
【0088】
【化1】
Figure 0004072385
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基であり且つR1とR2との炭素数の差が3以上である基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない)
【0089】
【化2】
Figure 0004072385
(式中、a及びbは0〜4の整数を示し、a+bは4であり、R1は炭素数が1〜40の有機基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない)
【0090】
【化3】
Figure 0004072385
(式中、a及びbは0〜3の整数を示し、a+bは3以下であり、R1及びR2は炭素数が1〜40の有機基であり且つR1とR2との炭素数の差が3以上である基を示し、R3は炭素数が1以上の有機基を示し、n及びmは0〜40の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。また、kは1〜3の整数である。)
【0091】
本発明のトナーに含有される離型剤の半値幅は、ASTM D3418−82に準拠して測定される。ここでいう吸熱ピークの半値幅とは、吸熱ピークにおけるベースラインからピークの高さの2分の1の吸熱チャートの温度幅である。離型剤の吸熱ピーク半値幅は15℃以下であることが好ましく、より好ましくは7℃以下である。
【0092】
上記半値幅が15℃を超える場合には、結晶性が高くないことから、離型剤の硬度も軟らかく、感光体や帯電ローラーへの汚染を促進させてしまう。
【0093】
また、本発明における離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値はASTM D3418−82に準拠して測定される。
【0094】
本発明で用いられる離型剤は、上記DSC曲線における吸熱ピーク値が50〜150℃の値を示す化合物であることが好ましく、60〜120℃の値を示す化合物であることがより好ましい。
【0095】
吸熱ピーク値が50℃未満であると離型剤の自己凝集力が弱い為に、トナー粒子の内部又は中心部を構成しづらく、トナー粒子の製造時にトナー粒子表面に離型剤が析出し、感光体や帯電ローラーを汚染しやすい。
【0096】
一方、吸熱ピークが150℃を超えると、定着時に離型剤が浸み出しにくく、低温時の定着性や、トナー現像量が多い2次色(レッド、グリーン、ブルー)の定着性が低下する。更に、直接重合方法によりトナー粒子を生成する場合には、重合性単量体組成物中への溶解性が低下し、水系媒体中での重合性単量体組成物のトナー粒子径サイズへの液滴の造粒中に離型剤が析出して造粒が困難となり好ましくない。
【0097】
離型剤の分子量としては、質量平均分子量(Mw)が300〜1,500のものが好ましい。300未満になると離型剤のトナー粒子表面への露出が生じ易く、現像性が悪化し、高温高湿環境下でかぶりが生じやすい。また、帯電ローラーの汚染も著しい。一方、離型剤の質量平均分子量が1,500を超えると低温定着性が低下しかつ、OHT透明性も悪化する。
【0098】
上記離型剤の質量平均分子量としては、400〜1,250の範囲のものが特に好ましい。更に、質量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以下になると、離型剤のDSC吸熱曲線の極大ピークがよりシャープになり、室温時のトナー粒子の機械的強度が向上し、定着時にはシャープな溶融特性を示す、特に優れたトナー物性が得られる。
【0099】
上記離型剤の針入度は15度以下、より好ましくは8度以下である。15度を超える場合には、離型剤の半値幅が15℃を超える場合と同様に、感光体や帯電ローラーの汚染を促進させてしまう。
【0104】
本発明のトナー粒子を重合方法で製造する際に用いられる、結着樹脂を構成する重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等のスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレート等のアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレート等のメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトン等のビニルケトンが挙げられる。
【0105】
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
【0106】
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
【0107】
上記した重合性単量体の重合の際に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。例えば、油溶性開始剤としては、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等のパーオキサイド系開始剤が挙げられる。
【0108】
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2'−アゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
【0109】
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0110】
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
【0111】
本発明のトナーは、荷電制御剤を含有しても構わない。トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
【0112】
さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。
【0113】
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。これらを単独で或いは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0114】
荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当たり0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0115】
トナー粒子が重合方法で製造されたトナーの場合には縮合系樹脂を添加しても良い。本発明で用いられる縮合系樹脂は例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、セルロースなどが挙げられる。より好ましくは材料の多様性からポリエステルが望まれる。結着樹脂100質量部当たり、0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0116】
また、トナーの結着樹脂として、上記したもの以外にトナーに用いられる一般的樹脂も好適に用いられる。特にカラートナーとして使用する際は、色の混色性、定着性等を考慮すると、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。結着樹脂としてポリエステル以外の樹脂成分を主成分とし、ポリエステル樹脂を副成分として用いる場合には、ポリエステル樹脂の酸価を5〜40mgKOH/gとすることが好ましく、トナーとしての酸価が5〜30mgKOH/gとなる様に調整することが好ましい。
【0117】
また重合法によるトナーの製造において、ポリエステル樹脂を添加する場合には、酸価が30mgKOH/gを超える場合には、ポリエステル相互間の親和力が強くなるために重合性単量体に溶解しにくくなり、均一な重合性単量体組成物を調製するのに時間がかかるようになるため好ましくない。
【0118】
本発明におけるトナーには、帯電安定性、現像性、流動性、部材付着抑制、耐久性向上の為、下記に示すような種々の微粉末を添加することが好ましい。
【0119】
本発明で用いられる滑剤としては、フッ素系樹脂粉末(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)などが挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデンが好ましい。
【0120】
荷電制御性粒子としては、金属酸化物(酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)・カーボンブラックなどが挙げられる。
【0121】
研磨剤としては、金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど)が挙げられる。中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。
【0122】
また、本発明のトナーは、流動性付与剤として、金属酸化物(シリカ、アルミナ、チタニア等)、カーボンブラック、フッ化カーボンなどの無機微粒子を、トナー粒子に外添して有する。特に、シリカ、アルミナ、チタニアの微粉体がトナーへの流動性付与の観点から好ましく用いられ、2種以上が併用されることも良好な形態である。
【0123】
上記無機微粒子は、疎水性、帯電性、さらには転写性を向上させる目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤を単独または併せて用いることによって、処理されていることが好ましい。
【0124】
上記無機微粒子は、高湿下での帯電安定性を考えると、疎水化されたものであることが好ましい。中でも、負帯電性トナーとするには、無機微粒子として負帯電性の高いシリカを含有させることが良好な形態をとる。さらに、交流成分を重畳した接触帯電系においては、外添剤の感光体へのフィルミングを誘発し易いこと、及び高い転写性を維持させるためには、シリコーンオイルで処理されたものであることが好ましい。
【0125】
本発明のトナーに添加される無機微粒子の総添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.6〜4.5質量部が好ましく、0.8〜3.5質量部がより好ましい。無機微粒子の総添加量が0.6質量部未満であると、トナーの流動性が不十分となり、帯電性の低下、トナー飛散を招き本発明の効果を充分に発揮し得ない場合がある。
【0126】
逆に、上記添加量が4.5質量部以上であると、過剰な流動性の高さから、特に高速マシンに適用する際、現像部からトナー飛散を生じ、画像欠陥となるばかりでなく、低温定着性に障害をきたすこともある。
【0127】
無機微粒子はBET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g以上(より好ましくは50〜400m2/g)の範囲内のものが少量で充分な流動性をトナーに与える観点から好ましい。
【0128】
他の添加剤としては、ケーキング防止剤;酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズの如き導電性付与剤;現像性向上剤が挙げられる。これらの添加剤の添加量としては、トナー100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜8質量部である。
【0129】
本発明において、トナーの体積固有抵抗値は、好ましくは1010〜1016Ω・cm、より好ましくは1012〜1016Ω・cm、さらに好ましくは1013〜1016Ω・cmであることが長期にわたって、トナーの帯電を安定化させる点で好ましく用いられる形態である。
【0130】
トナーの体積固有抵抗値が1010Ω・cm未満の場合には、特に高湿下においてトナーの帯電が低下しやすく、1016Ω・cmを超える場合には、特に低湿下で画像面積比率が2%以下のオリジナル原稿を連続プリントした際、画像濃度が低下しやすくなるため好ましくない。
【0131】
トナー粒子の形状は球形に近いことがよく、具体的にはトナー粒子の形状係数は、SF−1が好ましくは100〜150、より好ましくは102〜140、さらに好ましくは104〜130の範囲であり、SF−2が好ましくは100〜140、より好ましくは、102〜130、さらに好ましくは104〜120の範囲内であることが良い。
【0132】
トナーの形状係数SF−1が150を超える場合またはSF−2が140を超える場合には、トナーの転写効率の低下、トナーの再転写の増大、潜像担持体表面の磨耗量の増大が生じ易くなり好ましくない。
【0133】
トナーはより球形が好ましいが、完全に真球状となると、製造面において再現性、収率が著しく悪化し、コストアップにつながるばかりでなく、システムのマッチング上、感光体や転写ベルト等のトナーのクリーニング性が不十分となる場合もある。
【0134】
本発明のトナーは、上記のように球形に近いことが良いといった観点から、重合性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得られる重合トナーであることが好ましい。
【0135】
上記重合トナーを本発明のトナーとして用いる場合、カーボンブラックの分散性を高めるために、トナーの製造工程において着色剤を重合性単量体に分散させる工程として、重合性単量体と着色剤とをメディア混合してマスターバッチを調整する工程を有することが良い。
【0136】
マスターバッチ中のカーボンブラックの分散性を確認する方法として展色グロスが挙げられるが、この展色グロスは40〜65が好ましく、45〜60がより好ましい。
【0137】
上記展色グロスが40より小さいと、カーボンブラックが微分散された状態でトナー表面近傍に存在し得ないため、定着巻きつき性が悪化する。逆に、65より大きいと、カーボンブラックがトナー粒子中に微分散されてはいるもののカーボンブラックの表面存在量が増大し、帯電量の低下によるかぶり及びトナー飛散レベルが悪化する。
【0138】
本発明のトナーはトナーのみからなる(キャリアを有さない)一成分現像剤として用いられるものであっても、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤として用いられるものであってもよいが、本発明のトナーはフルカラーの画像形成方法にも好適に用いることができるため、二成分現像剤として好適に用いることができる。
【0139】
本発明に用いられるキャリアとしては、従来より二成分現像剤に用いられる公知のキャリアを用いることができ、特に限定されないが、磁性材料、又は磁性材料と非磁性材料の混合物からなる芯材粒子を、樹脂及び/またはシラン化合物からなるコート樹脂で被覆した樹脂コートキャリアが好ましい。特に、負帯電性のトナーと混合して用いる場合には、アミノシラン化合物をコート樹脂中に含有させることが好ましい。
【0140】
上記粒度分布を有する本発明のトナーは、キャリア粒子(キャリアを構成する粒子)の表面を汚染し易い傾向にあるので、これを予防する為にも芯材粒子の表面を樹脂で被覆したキャリアが好ましい。
【0141】
表面をコート樹脂で被覆したキャリアは、本発明のトナーを高速機に適用した際の耐久性に於いても利点があり、トナーの電荷を制御するという点でも優れている。
【0142】
キャリアのコート樹脂を形成する樹脂としては、例えばフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、シリコーン系化合物を好ましく用いることができる。
【0143】
コート樹脂としてフッ素系樹脂を用いる場合、例えば、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリトリフルオルクロルエチレン等のハロフルオロポリマー;ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオルプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオルクロルエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニルとフッ化ビニリデンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化単量体とのターポリマーの共重合体等のフルオロターポリマーが好ましく用いられる。
【0144】
上記フッ素系樹脂の質量平均分子量は、50,000〜400,000(より好ましくは100,000〜250,000)が好ましい。
【0145】
コート樹脂として上記フッ素系樹脂をそれぞれ単独で用いてもよいし、これら2種以上をブレンドしたものを用いてもよい。更には、これらに非フッ素系の重合体をブレンドして用いてもよい。
【0146】
非フッ素系の重合体としては、以下に挙げる様なモノマーの単重合体或いは、共重合体が用いられる。
【0147】
スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリル酸エチルモホリン、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸グリシジル、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸エチルモルホリン及びビニルピリジンのような1分子中に1個のビニル基を有するビニル系モノマー;ジビニルベンゼン;グリコールとメタクリル酸あるいはアクリル酸との反応生成物、例えばエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリットテトラメタクリレート、トリスメタクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート、トリスアクリロキシエチルホスフェート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、メタクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、ビスフェノール型エポキシ樹脂とメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物、アクリル酸グリシジルとメタクリル酸或いはアクリル酸のハーフエステル化物等の1分子中に2個以上のビニル基を有するビニル系モノマー;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル等のヒドロキシ基を有するビニル系モノマーを挙げることができる。
【0148】
これらのモノマーは、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等公知の方法で共重合される。これらの共重合体は、質量平均分子量が10,000〜70,000であるものが好ましい。またこの共重合体をメラミンアルデヒド架橋、或いはイソシアネート架橋させてもよい。
【0149】
フッ素系樹脂と他の重合体との質量基準のブレンド比は20〜80:80〜20が好ましく、特には40〜60:60〜40が好ましい。
【0150】
キャリアを被覆するコート樹脂としてのシリコーン系樹脂またはシリコーン系化合物としては、ジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等のポリシロキサンが用いられる。またアルキド変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、アクリル変性シリコーン等の変性シリコーン樹脂も使用可能である。変性の形態としては、ブロック共重合体、グラフト共重合体、くし形グラフト共重合体が挙げられる。
【0151】
上記コート樹脂の芯材粒子表面への塗布に際しては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はシリコーン系化合物(固形メチルシリコーンワニス、固形フェニルシリコーンワニス、固形メチルフェニルシリコーンワニス、固形エチルシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス等、シリコーン樹脂)をワニス状にしておいて芯材粒子をその内へ分散させる方法、或いはワニスを芯材粒子に噴霧する方法がとられる。
【0152】
上記コート樹脂の処理量は、被覆材の成膜性や耐久性の観点から、キャリア芯材に対し0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは0.6〜10質量%である。
【0153】
キャリアの体積平均粒径としては25〜55μm(好ましくは30〜50μm)のものが小粒径トナーとのマッチングにおいて好ましい。キャリアの体積平均粒径が25μm未満の場合、現像工程においてキャリアがトナーと共に潜像保持体上に転写され易くなり、潜像保持体やクリーニングブレードを傷つけ易くなる。一方、キャリアの体積平均粒径が55μmより大きいと、キャリアのトナー保持能力が低下し、ベタ画像が不均一となり、トナー飛散、かぶり等も発生し易くなる。
【0154】
本発明においては、トナー濃度が3〜12質量%(より好ましくは5〜10質量%)となるように、キャリアとトナーとを混合することが画像濃度、画像特性を良好に満足させる上で好ましい。
【0155】
本発明において、キャリアの比抵抗は、1×108〜1×1016Ω・cmであることが好ましく、1×109〜1×1015Ω・cmであることがより好ましい。キャリアの比抵抗が1×108Ω・cm未満であると、感光体表面へのキャリア付着を起こし易く、感光体に傷を生じさせたり、キャリアが直接紙上に転写されたりして画像欠陥を起こし易くなる。さらに、現像バイアスがキャリアを介してリークし、感光体ドラム上に描かれた静電潜像を乱してしまうことがある。
【0156】
キャリアの比抵抗が1×1016Ω・cmを超えると、エッジ強調のきつい画像が形成され易く、さらに、キャリア表面の電荷がリークしづらくなるため、チャージアップ現象による画像濃度の低下や、新たに補給されたトナーへの帯電付与ができなくなくなることによるかぶり及び飛散などを起こしてしまうことがある。さらに、現像器内壁等の物質と帯電してしまい、本来与えられるべきトナーの帯電量が不均一になってしまうこともある。その他、静電気的な外添剤付着などにより帯電量が低下し、かぶりや飛散等の画像欠陥を引き起こしやすい。
【0157】
キャリアの磁気特性は、1000/4π(kA/m)における磁化の強さが30〜60(Am2/kg)であるような低磁気力であることが好ましい。キャリアの磁化の強さが60(Am2/kg)を超えると、キャリア粒径にも関係するが、現像極での現像スリーブ上に形成される磁気ブラシの密度が減少し、穂長が長くなり、かつ剛直化してしまうためコピー画像上に掃き目ムラが生じやすく、特に多数枚の複写又はプリントによるトナーの耐久劣化が生じやすい。
【0158】
キャリアの磁化の強さが30(Am2/kg)未満では、キャリア微粉を除去してもキャリアの磁気力が低下して、感光体表面へのキャリア付着が生じやすく、トナー搬送性が低下し易い。
【0159】
キャリアの見かけ密度は2.3g/cm3以下が好ましい。見かけ密度が2.3g/cm3より大きいと、現像器内でのトナーへの圧縮が強まり、耐久使用における後半でのトナーの凝集性が大きくなりトナー飛散等の弊害を生じる。
【0160】
キャリアの形状係数SF−1及びSF−2は共に100〜130であることが好ましい。SF−1が130より大きいとトナーへの均一帯電が阻害され、SF-2が130より大きいとキャリアへのトナー粒子又は無機微粒子による汚染が顕著となる。そのため両者とも長期耐久使用におけるトナーへの帯電付与性能が低下し、トナー飛散、かぶり等の弊害を生じる。
【0161】
本発明に用いられるカーボンブラックは、好ましくは平均一次粒子径が13〜55nm、pHが7以上、揮発分が1%以下、DBP吸油量が20〜100ml/100g、トルエン抽出量が0.1%以下、フルイ残分が250ppm以下、嵩密度が650g/リットル以下である。
【0162】
上記のように、本発明に用いられるカーボンブラックは、平均一次粒子径が13〜55nmであることが好ましい。この平均一次径がより好ましくは25〜50nmであり、さらに好ましくは31〜45nmである。平均一次粒子径が13nmより小さいと、トナーへの均一な分散が困難であり、且つカーボンブラックのトナー表面への遊離が発生しやすくなる。逆にカーボンブラックの平均一次粒子径が55nmより大きい場合には、良好に分散しても着色力が不足し、着色力を上げるために多量に使用すると、トナーの帯電量が低下してしまう。
【0163】
本発明で用いられるカーボンブラックは、好ましくはpHが7以上であり、より好ましくは7.5〜10.5である。pHが7より小さいということは、カルボキシル基等の官能基が多く残存していることを意味する。この場合、カルボキシル基の会合が強くなり、カーボンブラックがトナー表面に存在しやすくなるため、高湿下でのベタ画像の均一性の低下等を引き起こす。逆に、pHが10.5より極端に大きいと、良好に分散された状態でトナー表面近傍に存在しないかもしくはカーボンブラックがトナー表面に遊離しやすくなるため、本発明の定着性を良好に維持させることができない。
【0164】
本発明で用いられるカーボンブラックは、好ましくは揮発分が0.1〜1%が好ましく、より好ましくは0.3〜0.8%である。揮発分が1%より大きいことは、カーボンブラック表面に多くの官能基が存在していることを意味する。このようなカーボンブラックを使用すると、重合法によるトナー製造時には重合を阻害されるばかりでなく、カーボンブラックがトナー表面に偏在しやすくなるため、高湿下でのベタ均一性の低下等を引き起こしやすくなる。逆に、0.1%より小さいと、重合法によるトナー製造時にはトナー表面近傍にカーボンブラックが存在しえないため、本発明における定着性を良好に維持させることができない。
【0165】
本発明で用いられるカーボンブラックは、DBP吸油量が20〜100ml/100gであることが好ましく、より好ましくは30〜60ml/100gである。吸油量が100ml/100gを超えると、カーボンブラックがトナー表面に存在しやすくなり、特に、高湿下でのトナーの転写性及び着色力の向上が困難になる。一方、吸油量が20ml/100g未満の場合には、トナー粒子中のカーボンブラックの分散性が充分ではなく、着色力の低下やトナーの帯電量の低下が生じやすくなる。
【0166】
さらに、本発明に用いられるカーボンブラックとしては、通常のトナーに使用されているものよりも比表面積及びトルエン抽出量が少ないものであることが好ましい。比表面積が小さく、トルエン抽出量が少ないカーボンブラックは、重合阻害性の官能基が少ないことから、重合阻害性が低く、重合法によってトナーを製造した場合においてもシャープな粒度分布を有するトナーが得られるようになる。
【0167】
よって、本発明に用いられるカーボンブラックは、窒素吸着による比表面積が100m2/g以下であることが好ましく、より好ましくは30〜90m2/g、さらに好ましくは40〜90m2/gであることが良く、さらに、トルエン抽出量が0.1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05%以下であることが良い。
【0168】
カーボンブラックの窒素吸着による比表面積が100m2/gよりも大きい場合には、重合阻害が生じやすくなる。さらに、カーボンブラックのトルエン抽出量が0.1%を超える場合には、カーボンブラック表面に重合阻害性の官能基が多数存在するため、重合法によりトナーの製造を行った場合、シャープな粒度分布を有するトナーを得ることが困難となり、またトナー表面にカーボンブラックが偏在するようになるため、高湿環境下での転写不良を生じやすくなる。
【0169】
本発明で用いられるカーボンブラックのフルイ残分は250ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。フルイ残分が250ppmを超えるということは、凝集したカーボンブラックが多く存在することを意味し、この凝集したカーボンブラックがトナー中に微分散しづらいというばかりでなく、トナー表面に遊離した状態になりやすい。この場合、高湿下での帯電量の低下やベタ均一性の低下を引き起こしやすくなる。
【0170】
本発明のカーボンブラックの嵩密度は650g/リットル以下であることが好ましく、より好ましくは500g/リットル以下である。嵩密度が650g/リットルを超えると、均一な分散が困難となり、且つトナー表面に遊離しやすくなる。この場合、高湿下での帯電量の低下等を引き起こしやすい。
【0171】
次に、本発明に係る各種測定方法について説明する。
【0172】
(1)カーボンブラックのDBP吸油量の測定
DIN 53601に準じて測定する。
【0173】
(2)カーボンブラックの窒素吸着による比表面積の測定
ASTM D 3037に準じて測定する。
【0174】
(3)カーボンブラックの揮発分の測定
DIN 53552に準じて測定する。
【0175】
(4)カーボンブラックの平均一次粒子径の測定
透過型電子顕微鏡で、トナーの断面を40,000倍の倍率で拡大写真をとり、一次粒子100個を無作為に選択し、平均一次粒子径を算出する。
【0176】
(5)カーボンブラックのトルエン抽出量の測定
DIN 53553に準じて測定する。
【0177】
(6)カーボンブラックのフルイ残分の測定
DIN ISO 787/18に準じて測定する。
【0178】
(7)カーボンブラックのpHの測定
DIN ISO 787/9に準じて測定する。
【0179】
(8)カーボンブラックの嵩密度の測定
DIN ISO 787/11に準じて測定する。
【0180】
(9)トナーの質量平均粒径(D4)及びトナーの粒度分布の測定
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンタTA−IIあるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続して測定を行う。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、粒径が2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出する。これらの値を用いて、質量基準(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)の質量平均粒径(D4)、4.0μm以下のトナーの個数%及び10.1μm以上のトナーの体積%を求める。
【0181】
(10)トナーの樹脂成分の分子量分布測定方法
トナーの樹脂成分の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定する。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いてトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去する。次に、必要により、トナーに含有されるワックスは溶解するが、樹脂成分は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルムを加え十分洗浄を行う。その後、THF(テトラヒドロフラン)に溶解し、得られた溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したものを測定サンプルとする。ウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し、標準ポリスチレン樹脂の検量線を用いて、該サンプルの分子量分布を測定する。
【0182】
得られた分子量分布から質量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を算出する。
【0183】
(11)トナーの誘電率および誘電正接の測定方法
4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1KHz及び1MHzの周波数で校正後、周波数5×104Hzと105Hzの誘電率の測定値から損失正接(tanδ)を算出する。
【0184】
トナー0.5〜0.7gを秤量し、34300kPa(350kgf/cm2)の荷重を2分間かけて、直径25mm、厚さ1mm以下(好ましくは、0.5〜0.9mm)の円盤状に成型し測定試料とする。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、固定する。その後、3.43N(350g)の荷重をかけた状態で、1Vの電圧を印加し、100〜106Hzの周波数範囲で、3回測定し平均値を算出する。
【0185】
(12)マスターバッチのグロス測定
マスターバッチをスポイトですくい取り、スーパーアート紙(金藤180kg80*160)上部に直線上に塗布した後、ワイヤーバー(#10)を用いて均一にアート紙上に塗布し、十分に乾燥した後測定する。グロス(光沢度)の測定には、日本電色社製VG−10型光沢度計を用いる。測定にあたっては、定電圧装置により6Vにセットし、次いで投光角度、受光角度をそれぞれ60度に合わせ、0点調整及び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に白紙を3枚重ね、その上に前記塗布試料を置き測定を行い、標示部に示される数値を%単位で読みとる。
【0186】
(13)トナーの酸価及び水酸基価の測定方法
基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
【0187】
<酸価>
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、次によって試験を行う。
【0188】
1)試薬
(a)溶剤
エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)を用い、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬として0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
【0189】
(b)フェノールフタレイン溶液
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mlに溶かす。
【0190】
(c)0.1mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液
水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
【0191】
2)操作
試料1〜20gを正確に量りとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これを0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
【0192】
3)計算式
次の式によって酸価を算出する。
【0193】
【数7】
Figure 0004072385
【0194】
上記式において、A:酸価(mgKOH/g)、B:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)、f:0.1mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター、S:試料(g)である。
【0195】
<水酸基価>
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作および計算式によって試験を行う。
【0196】
1)試薬
(a)アセチル化試薬
無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる。
【0197】
(b)フェノールフタレイン溶液
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mlに溶かす。
【0198】
(c)0.5mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液
水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとし、2〜3日間放置後ろ過する。標定はJISK 8006によって行う。
【0199】
2)操作
試料0.5〜2.0gを丸底フラスコに正確に量りとり、これにアセチル化試薬5mlを加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.5mol/リットル水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。
【0200】
3)次の式によって水酸基価を算出する。
【0201】
【数8】
Figure 0004072385
【0202】
上記式において、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の0.5mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の使用量(ml)、C:本試験の0.5mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の使用量(ml)、f:0.5mol/リットル水酸化カリウム−エチルアルコール溶液のファクター、S:試料(g)、D:酸価である。
【0203】
(14)トナーのカーの流動性指数及びカーの噴流性指数
カーの流動性指数及び噴流性指数は、パウダーテスターPT−R型(ホソカワミクロン株式会社製)を用い、「改訂 増補 粉体物性図説(粉体工学会 日本粉体工業技術協会編)」151〜155頁に記載の方法に準じて測定されるものであり、具体的には以下のような方法によって求められる。
【0204】
[カーの流動性指数の測定方法]
下記の4項目に関する測定を行い、下記換算表(表1)に基づき、各々の指数を算出する。その合計値を流動性指数とする。
A)安息角
B)圧縮度
C)スパチュラ角
D)凝集度
【0205】
【表1】
Figure 0004072385
【0206】
A)安息角測定方法
直径8cmの円板上に漏斗を介してトナーを落下させ、形成された円錐状の堆積層の角度を、分度器を用いて直接測定する。その際のトナーの供給は、漏斗の上に目開き608μm(24メッシュ)の篩いを配置し、その上にトナーを乗せ、振動を加え漏斗へ供給する。
【0207】
B)圧縮度測定方法
圧縮度Cは下記式により算出する。
【0208】
【数9】
C = 〔(ρP−ρA)/ρP〕×100
【0209】
ここで、ρ は嵩密度であり、直径5.03cm,高さ5.03cmの円筒容器へ目開き608μm(24メッシュ)の篩いを通して上方から均一に供給し、上面をすり切って秤量することによりρを得る。
【0210】
ρpはタッピング密度であり、上記ρA測定後の円筒容器に円筒状のキャップをはめ、この円筒容器の上縁まで粉体を加えてタップ高さ1.8cmのタッピングを180回行う。終了後、キャップを外して容器の上面で粉体をすり切って秤量し、この状態の密度をρPとする。
【0211】
C)スパチュラ角測定方法
22×120mmの金属製のスパチュラを、上下に昇降する受け皿のすぐ上に水平にセットし、その上に目開き608μm(24メッシュ)の篩を通過させた粉体を堆積させる。十分に堆積させた後、受け皿を静かに下げ、その時のスパチュラ上に堆積した粉体の側面の角度を▲1▼とする。次にスパチュラを支持するアーム上に重錐落下による衝撃を一回加えて再び測定した角度を▲2▼とする。上記▲1▼と▲2▼の平均値をスパチュラ角とする。
【0212】
D)凝集度測定方法
測定は3種類の目開きの篩を目開きの粗い方から上、中、下段に重ね、その上に2gの粉体を設置し、1mmの振幅で振動を加えた後の篩上の残存量から凝集度を算出する。用いる篩は嵩密度の値により決定する。
【0213】
嵩密度が0.4g/cm3未満の場合には、目開き355μm(40メッシュ)、263μm(60メッシュ)、154μm(100メッシュ)の篩を使用し、嵩密度が0.4g/cm3以上0.9g/cm3未満の場合には、目開き263μm(60メッシュ)、154μm(100メッシュ)、77μm(200メッシュ)の篩を使用し、嵩密度が0.9g/cm3以上である場合には、目開き154μm(100メッシュ)、77μm(200メッシュ)、43μm(325メッシュ)の篩を使用する。
【0214】
その際の振動時間T(sec)は、下記式より決定される。
【0215】
【数10】
T = 20+{(1.6−ρW)/0.016}
ρW = (ρP−ρA)×(C/100)+ρA
【0216】
凝集度は上、中、下段の振動後の残存量w1、w2、w3を測定し、下記式により求める。
【0217】
【数11】
Figure 0004072385
【0218】
[カーの噴流性指数測定方法]
下記の4項目に関する測定を行い、下記換算表(表2)に基づき、各々の指数を算出する。その合計値を噴流性指数とする。
E)流動性
F)崩壊角
G)差角
H)分散度
【0219】
【表2】
Figure 0004072385
【0220】
E)流動性
流動性は、流動性指数をそのまま用いる。
【0221】
F)崩壊角
崩壊角は、安息角を測定した後に、注入安息角ベースを乗せた短形バットに重錐落下による一定の衝撃を与えて、堆積層を崩壊させ、崩壊後の斜面の角度を崩壊角とする。
【0222】
G)差角
安息角と崩壊角の差を差角とする。
【0223】
H)分散度
内径98mm、長さ344mmのガラス円筒を通して上方から10gの粉体を一度に落下させて時計皿の上にたまった量wを測定して、下記式より求める。
【0224】
【数12】
分散度(%) = (10−w)×100/10
【0225】
(15)離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値、半値幅算出
ASTM D3418−82に準拠して測定される。測定試料は、2〜10mgの範囲内で正確に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜160℃の間で、昇温温度10℃/minで、常温常湿下で測定を行う。
【0226】
(16)離型剤の分子量測定
GPCにより次の条件で測定される。
【0227】
(GPC測定条件)
装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:GMH−MT30cm2連(東ソー社製)
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min
試料 :0.15%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0228】
(17)該離型剤の針入度測定
JIS K2235に準拠し測定される。測定温度は25℃とする。
【0229】
(18)キャリアの形状係数(SF−1、SF−2)測定
日立製作所FE−SEM(S−800)を用い、拡大倍率3000倍でトナー像を無作為に100個サンプリングし、その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い下式より算出し、得られた値を定義している。
【0230】
【数13】
SF−1 = {(MXLNG)2/AREA}×(π/4)×100
SF−2 = {(PERI)2/AREA}×(1/4π)×100
(MXLNG:絶対最大長、AREA:トナー投影面積、PERI:周長)
【0231】
このキャリアの形状係数SF−1は球形度合いを示し、100から大きくなるにつれて球形から徐々に不定形となる。SF−2は凹凸度合いを示し、100から大きくなるにつれてキャリアの表面の凹凸が顕著になる。この方法は、トナーにも適用可能である。
【0232】
(19)キャリア粒径の測定方法
キャリア粒径測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(ヘロス<HELOS>)を用いて、フィードエア圧力3bar、吸引圧力0.1barの条件で測定される。尚、キャリアの平均粒径とはキャリア粒子の体積基準による50%粒径を示す。
【0233】
(20)キャリア磁気特性の測定方法
キャリアの磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−35を用いて行う。測定としては、1000/4π(kA/m)の外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。円筒状のプラスチック容器にキャリア粒子が動かないように十分密になるようにパッキングし、この状態で磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の質量を測定して、磁化の強さ(Am2/kg)を求めた。
【0234】
二成分現像剤からキャリア物性を測定する場合は、コンタミノンN(界面活性剤)が1%含まれるイオン交換水にて現像剤を洗浄してトナーとキャリアとを分離した後、上記測定を行う。
【0235】
(21)キャリアの比抵抗測定方法
キャリアの比抵抗の測定は、真空理工(株)社製の粉体用絶縁抵抗測定器を用いて測定する。測定条件は、23℃、60%条件下に24時間以上放置したキャリアを直径20mm(0.283cm2)の測定セル中にいれ、120g/cm2の荷重電極で挟み、厚みを2mmとし、印加電圧を500Vで測定する。
【0236】
(22) キャリアの見かけ密度測定方法
JIS−Z02504に従って行う。
【0237】
(23)トナーの円形度およびトナーの円形度の標準偏差の測定方法並びに算出方法
フロー式粒子像測定装置FPIA−1000型(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
【0238】
【数14】
円相当径 = (粒子投影面積/π)1/2×2
【0239】
【数15】
Figure 0004072385
【0240】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0241】
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0242】
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0243】
【数16】
Figure 0004072385
【0244】
【数17】
Figure 0004072385
【0245】
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度cと円形度標準偏差SDcは、粒度分布の分割点iでの円形度(中心値)をci、頻度をfciとすると、次式から算出される。
【0246】
【数18】
Figure 0004072385
【0247】
【数19】
Figure 0004072385
【0248】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散手段としては、超音波分散機UH−50型(エスエムテー社製)に振動子として直径5mmのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上にならないように適宜冷却する。
【0249】
トナー粒子の形状測定には、フロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなるように上記分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いてトナー粒子の円相当径や円形度頻度分布等を求める。
【0250】
次に、本発明のトナーを用いた本発明の画像形成方法の一例を図面を参照しながら以下に説明する。
【0251】
本発明のトナーを使用する現像方法としては、例えば図1に示すような、トナーとキャリアとを有する二成分系の現像剤を用いる現像方法が挙げられる。このような現像方法においては、交番電界を印加しつつ、磁気ブラシが静電潜像を担持する感光体、例えば、感光ドラムに接触している状態で現像を行うことが好ましい。現像剤担持体(現像スリーブ)11と感光ドラムの距離(S−D間距離)Bは100〜800μmであることがキャリア付着防止及びドット再現性の向上において良好である。100μmより狭いと現像剤の供給が不十分になり、画像濃度が低くなりやすく、800μmを超えると磁極Sからの磁力線が広がるため磁気ブラシの密度が低くなり、ドット再現性に劣るようになりやすく、また磁性キャリアを拘束する力が弱まるためキャリア付着が生じやすくなる。
【0252】
交番電界のピーク間の電圧は300〜3000Vが好ましく、周波数は500〜10000Hzであることが好ましく、より好ましくは1000〜7000Hzであり、それぞれプロセスに応じて適宜選択して用いることができる。この場合、波形としては三角波、矩形波、正弦波、あるいはDuty比を変えた波形、断続的な交番重畳電界等種々選択して用いることができる。
【0253】
印加電圧が300Vより低いと十分な画像濃度が得られにくく、また非画像部のかぶりトナーを良好に回収することができない場合がある。また、5000Vを超える場合には、磁気ブラシを介して潜像を乱してしまい、画質低下を招く場合がある。
【0254】
また周波数が500Hzより低いと、プロセススピードにも関係するが、静電荷像担持体に接触したトナーが現像スリーブに戻される際に、十分な振動が与えられずかぶりが生じやすくなる。10000Hzを超えると、電界に対してトナーが追随できず画質の低下を招きやすい。
【0255】
良好に帯電したトナーを有する二成分系現像剤を使用することで、かぶり取り電圧(Vback)を低くすることができ、感光体の一次帯電を低めることができるために感光体寿命を長寿命化できる。Vbackは、現像システムにもよるが350V以下、より好ましくは300V以下、さらに好ましくは200V以下が良い。
【0256】
コントラスト電位としては、十分に画像濃度が出るように100〜500Vが好ましく用いられる。
【0257】
十分な画像濃度を得、ドット再現性に優れ、かつキャリア付着のない現像を行うためには、現像スリーブ11上の磁気ブラシと感光ドラムとの接触幅(現像当接幅C)を3〜8mmにすることが好ましい。現像当接幅Cが3mmより狭いと、十分な画像濃度とドット再現性を良好に満足することが困難となり、8mmより広いと、現像剤のパッキングが起き機械の動作を止めてしまったり、またキャリア付着を十分に抑えることが困難になったりする。現像当接幅の調整方法としては、現像剤規制部材15と現像スリーブ11との距離Aを調整したり、現像スリーブ11と感光ドラムとの距離Bを調整したりすることによって行うことができる。
【0258】
本発明の画像形成方法においては、本発明のトナーを含有する二成分現像剤を用い、特にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わせることで、トナーを介しての電荷注入の影響がなく、また潜像を乱すことなく現像を行うことができるため、ドット潜像に対して忠実な現像が達成される。更に転写工程においても微粉カットした粒度分布のシャープなトナーを用いることで高転写率が達成でき、したがって、ハーフトーン部の再現性及びベタ部の均一性に優れた画像形成を達成できる。
【0259】
さらに本発明のトナーを含有する現像剤は、現像器内でのトナーの帯電量変化が小さいため、初期の高画質化と併せて、多数枚の複写後においても画質の低下が抑制され、長期にわたり良好な画像形成が達成される。
【0260】
また、本発明で用いられるブラックトナーをフルカラー画像形成時に用いる場合、より引き締まったフルカラー画像を得るためには、併用する他のカラートナー、例えばマゼンタトナー、シアントナー及びイエロートナーによる現像をまず行い、ブラックトナーによる現像を最後に行うことで引き締まった画像を得ることができる。
【0261】
添付図面を参照しながら、さらに本発明の画像形成方法について説明する。
図1において、マグネットローラ21の有する磁力によって、磁性粒子23よりなる磁気ブラシを搬送スリーブ22の表面に形成し、この磁気ブラシを感光体(感光ドラム)の表面に接触させ、感光ドラムを帯電する。搬送スリーブ22には、図示されないバイアス印加手段により帯電バイアスが印加されている。帯電された感光ドラムに、図示されない露光装置によりレーザー光24を照射することにより、デジタルな静電荷像を形成する。感光ドラム上に形成された静電荷像は、マグネットローラ12を内包しており、図示されないバイアス印加装置によって現像バイアスが印加されている現像スリーブ11に担持された現像剤19中のトナー19aによって、現像される。
【0262】
現像装置4は、隔壁17により現像剤室R1、撹拌室R2に区画され、それぞれ現像剤搬送スクリュー13、14が設置されている。撹拌室R2の上方には、補給用トナー18を収容したトナー貯蔵室R3が設置され、貯蔵室R3の下部には補給口20が設けられている。
【0263】
現像剤搬送スクリュー13は回転することによって、現像剤室R1内の現像剤を撹拌しながら現像スリーブ11の長手方向に沿って一方向に搬送する。隔壁17には図の手前側と奥側に図示しない開口が設けられており、スクリュー13によって現像剤室R1の一方の開口に搬送された現像剤は、その一方側の隔壁17の開口を通って撹拌室R2に送り込まれ、現像剤搬送スクリュー14に受け渡される。スクリュー14の回転方向はスクリュー13と逆で、撹拌室R2内の現像剤、現像剤室R1から受け渡された現像剤及びトナー貯蔵室R3から補給されたトナーを撹拌、混合しながら、スクリュー13とは逆方向に撹拌室R2内を搬送し、隔壁17の他方の開口を通って現像剤室R1に送り込む。
【0264】
現像剤室R内の現像剤19は、マグネットローラ12の磁力により汲み上げられ、現像スリーブ11の表面に担持される。現像スリーブ11上に担持された現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない規制ブレード15に搬送され、そこで適正な層厚の現像剤薄層に規制された後、現像スリーブ11表面と感光ドラム表面とが対向する現像領域に至る。マグネットローラ12の現像領域に対応した部位には、磁極(現像極)Nが位置されており、現像極Nが現像領域に現像磁界を形成し、この現像磁界により現像剤が穂立ちして、現像領域に現像剤の磁気ブラシが生成される。そして磁気ブラシが感光ドラム1に接触し、反転現像法により、磁気ブラシに付着しているトナーおよび現像スリーブ11の表面に付着しているトナーが、感光ドラム上の静電荷像の領域に転移して付着し、静電荷像が現像されトナー像が形成される。
【0265】
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ11の回転にともない現像装置4内に戻され、磁極S1、S2間の反撥磁界により現像スリーブ11から剥ぎ取られ、現像剤室R1及び撹拌室R2内に落下して回収される。
【0266】
上記の現像を繰り返されることにより現像装置4内の現像剤19のT/C比(トナー19aとキャリア19bの混合比、すなわち現像剤中のトナー濃度)が減ったら、トナー貯蔵室R3からトナー18を現像で消費された量に見あった量で撹拌室R2に補給し、現像剤19のT/C比が所定量に保たれる。その容器4内の現像剤19のT/C比の検知には、コイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー28を使用する。該トナー濃度検知センサーは、図示されないコイルを内部に有している。
【0267】
現像スリーブ11の下方に配置され、現像スリーブ11上の現像剤19の層厚を規制する規制ブレード15は、アルミニウム又はSUS316等の非磁性材料で作製される非磁性ブレードと磁性ブレードの組み合わせが長期にわたり安定した規制を行うのに適している。その端部と現像スリーブ11面との距離は150〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは250〜900μmである。この距離が150μmより小さいと、磁性キャリアがこの間に詰まり現像剤層にムラを生じやすいと共に、良好な現像を行うのに必要な現像剤を塗布しにくく、濃度の薄いムラの多い現像画像が形成されやすい。現像剤中に混在している不用粒子による不均一塗布(いわゆるブレードづまり)を防止するためにはこの距離は250μm以上であることが好ましい。また1000μmより大きいと現像スリーブ11上へ塗布される現像剤量が増加し、感光ドラム1への磁性キャリア粒子の付着が多くなると共に、現像剤の循環が不十分となったり、規制ブレード15との摩擦が弱まったりするため、トナーのトリボが低下してしまい、かぶりが生じやすくなる。
【0268】
また、現像されたトナー画像は、搬送されてくる転写材(記録材)25上へ、バイアス印加手段26により転写バイアスが印加されている転写手段である転写ブレード27により転写され、転写材上に転写されたトナー画像は、図示されていない定着装置により転写材に定着される。転写工程において、転写材に転写されずに感光ドラム1上に残った転写残トナーは、帯電工程において、帯電を調整され、現像時に回収される。すなわち、この画像形成装置では転写残トナーを正規極性に帯電処理する帯電量制御工程と帯電工程とが同時に行われる。
【0269】
図2はフルカラー画像形成装置の概略図であり、以下に本発明の画像形成方法をフルカラー画像形成に適用した場合について説明する。
フルカラー画像形成装置本体には、第1画像形成ユニットPa、第2画像形成ユニットPb、第3画像形成ユニットPc及び第4画像形成ユニットPdが併設され、各々異なった色の画像が潜像形成、現像、転写のプロセスを経て転写材上に形成される。
【0270】
画像形成装置に併設される各画像形成ユニットの構成について第1の画像形成ユニットPaを例に挙げて説明する。
【0271】
第1の画像形成ユニットPaは、感光体としての直径30mmの電子写真感光体ドラム61aを具備し、この感光体ドラム61aは矢印a方向に回転する。62aは帯電手段としての一次帯電器であり、直径16mmのスリーブの表面に形成された磁気ブラシが感光ドラム61aの表面に接触するように配置されている。67aは、一次帯電器62aにより表面が均一に帯電されている感光体ドラム61aに静電荷像を形成するためのレーザー光であり、図示されていない露光装置により照射される。63aは、感光体ドラム61a上に担持されている静電荷像を現像してトナー画像を形成するための現像手段としての現像装置でありトナーを担持している。64aは、感光体ドラム61aの表面に形成されたトナー画像をベルト状の転写材担持体68によって搬送されてくる転写材(記録材)の表面に転写するための転写手段としての転写ブレードであり、転写バイアス印加手段60aによって転写バイアスが印加されている。
【0272】
現像によりトナーが消費され、T/C比が低下すると、その低下をコイルのインダクタンスを利用して現像剤の透磁率の変化を測定するトナー濃度検知センサー85aで検知し、消費されたトナー量に応じて補給用トナー65aを補給する。なお、トナー濃度検知センサー85aは図示されないコイルを内部に有している。
【0273】
本画像形成装置は、第1の画像形成ユニットPaと同様の構成で、現像装置に保有されるカラートナーの色の異なる第2の画像形成ユニットPb、第3の画像形成ユニットPc、第4の画像形成ユニットPdの4つの画像形成ユニットを併設するものである。例えば、第1の画像形成ユニットPaにイエロートナー、第2の画像形成ユニットPbにマゼンタトナー、第3の画像形成ユニットPcにシアントナー、及び第4の画像形成ユニットPdにブラックトナーをそれぞれ用い、各画像形成ユニットの転写部で各カラートナーの転写材上への転写が順次行われる。この工程で、レジストレーションを合わせつつ、同一転写材上に一回の転写材の移動で各カラートナーは重ね合わせられ、終了すると分離帯電器69によって転写材担持体68上から転写材が分離され、搬送ベルト等の搬送手段によって定着器に送られ、ただ一回の定着によって最終のフルカラー画像が得られる。
【0274】
定着器は、一対の直径40mmの定着ローラ71と直径30mmの加圧ローラ72とを有しており、定着ローラ71は、内部に加熱手段75及び76を有している。
【0275】
転写材上に転写された未定着のカラートナー画像は、この定着器70の定着ローラ71と加圧ローラ72との圧接部を通過することにより、熱及び圧力の作用により転写材上に定着される。
【0276】
図2において、転写材担持体68は無端のベルト状部材であり、このベルト状部材は、駆動ローラ80によって矢印e方向に移動するものである。79は転写ベルトクリーニング装置、81はベルト従動ローラ、82はベルト除電器である。83は転写材ホルダー内の転写材を転写材担持体68に搬送するための一対のレジストローラである。
【0277】
転写手段としては、上述した転写ブレードの他にも、ローラ状の転写ローラ等の転写材担持体の裏面側に当接して、転写バイアスを直接印加する転写手段を用いることが可能である。さらに、そのような接触転写手段に代えて一般的に用いられている転写材担持体の裏面側に非接触で配置されているコロナ帯電器から転写バイアスを印加して転写を行う非接触の転写手段を用いることも可能である。
【0278】
しかしながら、転写バイアス印加時のオゾンの発生量を制御できる点で接触転写手段を用いることが、より好ましい。
【0279】
次に、図3を参照しながら本発明の画像形成方法の他の一例を説明する。この図3は、本発明の画像形成方法を実施可能な他の画像形成装置の例を示す概略構成図である。この画像形成装置は、フルカラー複写機に構成されている。フルカラー複写機は、図3に示すように、上部にデジタルカラー画像リーダ部35、下部にデジタルカラー画像プリンタ部36を有する。
【0280】
画像リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーセンサー34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
【0281】
画像プリンタ部36において、感光体である感光ドラム41は、例えば有機光導電体のような感光体であり、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ドラム41の回りには、前露光ランプ51、一次帯電部材としてのコロナ帯電器42、潜像形成手段としてのレーザー露光光学系43、電位センサー52、色の異なる4個の現像器44Y、44C、44M、44K、ドラム上光量検知手段53、転写装置45Aおよびクリーニング器46が配置されている。
【0282】
レーザー露光光学系43において、リーダ部からの画像信号は、レーザー出力部(図示せず)にてイメージスキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザー光がポリゴンミラー43aで反射され、レンズ43bおよびミラー43cを介して感光ドラム41の面上に投影される。
【0283】
プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム41を矢印方向に回転させ、前露光ランプ51で除電した後に感光ドラム41を帯電器42により一様にマイナス帯電させて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム41上に潜像を形成する。
【0284】
次に、所定の現像器を動作させて感光ドラム41上の潜像を現像し、感光ドラム41上に本発明のトナーによる可視像、すなわちトナー像を形成する。現像器44Y、44C、44M、44Kは、それぞれの偏心カム54Y、54C、54M、54Kの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ドラム41に接近して、現像を行う。
【0285】
転写装置45Aは、転写ドラム45、転写帯電器45b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器45cおよびこれと対向する吸着ローラ45g、そして内側帯電器45d、外側帯電器45e、分離帯電器45hを有している。転写ドラム45は回転駆動可能に軸支され、その周囲の開口域に記録材(転写材)を担持する記録材担持体である転写シート45fが、転写ドラム45表面に巻設されている。転写シート45fにはポリカーボネートフィルム等のフィルムが使用される。
【0286】
記録材は、記録材カセット47a、47bまたは47cから記録材搬送系を通って転写ドラム5に搬送され、転写シート45f上に担持される。転写ドラム45上に担持された記録材は、転写ドラム45の回転にともない感光ドラム41と対向した転写位置に繰り返し搬送され、転写位置を通過する過程で、転写帯電器45bの作用により記録材上に感光ドラム41上のトナー像が転写される。
【0287】
上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)について繰り返し、転写ドラム45上の記録材上に4色のトナー像を重ねて転写したカラー画像が得られる。
【0288】
片面の画像形成の場合は、このようにして4色のトナー像を転写された記録材が、分離爪48a、分離押上げコロ48bおよび分離帯電器45hの作用により、転写ドラム45から分離して加熱定着装置49に送られる。この加熱定着装置49は、内部に加熱手段を有する加熱定着ローラ49aと加圧ローラ49bによって構成されている。加熱部材としてのこの加熱定着ローラ49aと加圧ローラ49bとの圧接部を記録材が通過することにより記録材上に担持されているフルカラー画像が記録材に定着される。すなわち、この定着工程によりトナーの混色、発色および記録材への固定が行われて、フルカラーの永久像とされたのちトレイ50に排紙され、1枚のフルカラー複写が終了する。他方、感光ドラム41は、表面の残留トナーをクリーニング器46で清掃して除去された後、再度、画像形成工程に供せられる。
【0289】
本発明においては、潜像担持体に形成された静電荷像を現像したトナー像を、中間転写体を介して記録材に転写し、画像形成を行うことも可能である。
【0290】
すなわち、この画像形成方法は、静電荷像担持体に形成された静電荷像を現像することによって形成したトナー像を中間転写体に転写する工程、及び、中間転写体に転写されたトナー像を記録材に転写する工程を有するものである。
【0291】
図4を参照しながら、中間転写体を用いた画像形成方法の一例を具体的に説明する。図4に示す装置システムにおいて、現像装置94はシアン現像器94−1、マゼンタ現像器94−2、イエロー現像器94−3、ブラック現像器94−4からなり、それぞれにシアントナーを有するシアン現像剤、マゼンタトナーを有するマゼンタ現像剤、イエロートナーを有するイエロー現像剤及びブラックトナーを有するブラック現像剤が導入されている。レーザー光等の潜像形成手段93によって静電荷像保持体としての感光体91上に静電潜像が形成される。磁気ブラシ現像方式、非磁性一成分現像方式又は磁性ジャンピング現像方式の如き現像方式によって、感光体91に形成された静電荷像をこれらの現像剤によって現像し、各色トナー像が感光体91に形成される。感光体91は導電性基体91b及び導電性基体上に形成されたアモルファスセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、有機光導電体、アモルファスシリコン等の光導電絶縁物質層91aを持つ感光ドラムまたは感光ベルトである。感光体91は図示しない駆動装置によって矢印方向に回転する。感光体91としては、アモルファスシリコン感光層又は有機感光層を有する感光体が好ましく用いられる。
【0292】
有機感光層としては、感光層が電荷発生物質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単一層型でもよく、又は、電荷輸送層を電荷発生層を成分とする機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0293】
有機感光層の結着樹脂はポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂がクリーニング性が良く、クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤のフィルミングが起こりにくい。
【0294】
帯電工程では、コロナ帯電器を用いる感光体91とは非接触タイプの方式と、ローラのような接触帯電部材を用いる接触タイプの方式があり、いずれのものも用いられる。効率的な均一帯電、シンプル化、低オゾン発生化のために図4に示す如く接触方式のものが好ましく用いられる。
【0295】
一次帯電部材としての帯電ローラ92は、中心の芯金92bとその外周面上に形成された導電性弾性層92aとを基本構成とするものである。帯電ローラ92は、感光体91面に押圧力をもって圧接され、感光体91の回転に伴い従動回転する。
【0296】
帯電ローラを用いた時の好ましいプロセス条件としては、ローラの当接圧が4.9〜490N/m(5〜500g/cm)で、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いたときには、交流電圧が0.5〜5kVpp、交流周波数が50〜5000Hz、直流電圧が絶対値で0.2〜5kVである。
【0297】
この他の接触帯電部材としては、帯電ブレードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。これらの接触帯電部材は、高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減したりするといった効果がある。
【0298】
接触帯電部材としての帯電ローラ及び帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、フッ素アクリル樹脂が適用可能である。
【0299】
感光体上のトナー像は、電圧(例えば、絶対値で0.1〜5kV)が印加されている中間転写体95に転写される。中間転写体95は、パイプ状の導電性芯金95bと、その外周面に形成された中抵抗の弾性体層95aとからなる。芯金95bは、プラスチックの表面に導電層(例えば導電性メッキ)を設けたものでも良い。
【0300】
中抵抗の弾性体層95aは、シリコーンゴム、テフロン(登録商標)ゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンの3元共重合体)の如き弾性材料に、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化ケイ素等の導電性付与材を配合分散して電気抵抗値(体積抵抗値)を105〜1011Ωcmの中抵抗に調整したソリッドあるいは発泡肉質の層である。
【0301】
中間転写体95は、感光体91に対して並行に軸受けさせて感光体91の下面部に接触させて配設してあり、感光体91と同じ周速度で矢印の方向に回転する。
【0302】
感光体91の面に形成担持された第1色のトナー像が、感光体91と中間転写体95とが接する転写当接部を通過する過程で中間転写体95に対する印加転写バイアスによって、中間転写体95の外面に対して順次に中間転写されていく。
【0303】
中間転写体95に転写されなかった感光体91上の転写残トナーは、感光体用クリーニング部材98によってクリーニングされ感光体用クリーニング容器99に回収される。
【0304】
中間転写体95に対して並行に軸受けさせて中間転写体95の下面部に接触させて転写手段が配設され、転写手段97は例えば転写ローラ又は転写ベルトである。転写手段97は直接中間転写体95と接触するように配設されていても良く、またベルト等が中間転写体95と転写手段97との間に接触するように配置されても良い。
【0305】
転写ローラの場合、中心の芯金97bとその外周面上に形成された導電性弾性層97aとを基本構成とするものである。
【0306】
中間転写体及び転写ローラとしては、一般的な材料を用いることが可能である。中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値よりも転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値をより小さく設定することで転写ローラへの印加電圧が軽減でき、転写材上に良好なトナー像を形成できると共に転写材の中間転写体への巻き付きを防止することができる。特に中間転写体の弾性層の体積固有抵抗値が転写ローラの弾性層の体積固有抵抗値より10倍以上であることが特に好ましい。
【0307】
中間転写体及び転写ローラの硬度は、JIS K−6301に準拠し測定される。本発明に用いられる中間転写体は、10〜40度の範囲に属する弾性層から構成されることが好ましく、一方、転写ローラの弾性層の硬度は、中間転写体の弾性層の硬度より硬く41〜80度の値を有するものが中間転写体への転写材の巻き付きを防止する上で好ましい。中間転写体と転写ローラの硬度が逆になると、転写ローラ側に凹部が形成され、中間転写体への転写材の巻き付きが発生しやすい。
【0308】
転写手段97は中間転写体95と等速或いは周速度に差をつけて回転される。転写材96は中間転写体95と転写手段97との間に搬送されると同時に、転写手段97にトナーが有する摩擦電荷と逆極性のバイアスを転写バイアス手段から印加することによって中間転写体95上のトナー像が転写材96の表面側に転写される。
【0309】
転写材96に転写されなかった中間転写体上の転写残トナーは、中間転写体用クリーニング部材100によってクリーニングされ中間転写体用クリーニング容器102に回収される。転写材96に転写されたトナー像は、加熱定着装置101により転写材96に定着される。
【0310】
転写ローラの材質しては、帯電ローラと同様のものを用いることができ、好ましい転写プロセス条件としては、ローラの当接圧が2.94〜490N/m(0.3〜50kg/m)、より好ましくは19.6〜294N/mであり、直流電圧が、絶対値で0.2〜10kVである。
【0311】
当接圧力としての線圧が2.94N/m未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良の発生が起こりやすくなるため好ましくない。
【0312】
接触一成分現像方法としては、非磁性トナーを用いて、例えば図5に示すような現像装置を用いて現像することが可能である。
【0313】
現像装置110は、本発明のトナーを有する一成分現像剤118を収容する現像容器111、現像容器111に収納されている一成分現像剤118を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体112、現像剤担持体上に現像剤を供給するための供給ローラ115、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード116、現像容器111内の現像剤118を撹拌するための撹拌部材117を有している。
【0314】
現像剤担持体112としては、ローラ基体112a上に、発泡シリコーンゴムの如き弾性を有するゴム又は樹脂の如き弾性部材によって形成された弾性層112bを有する弾性ローラを用いることが好ましい。
【0315】
この弾性ローラ112は、静電荷像保持体としての感光体ドラム119の表面に圧接して、弾性ローラ表面に塗布されている一成分現像剤118により感光体に形成されている静電潜像を現像すると共に、転写後に感光体上に存在する不要な一成分現像剤118を回収する。
【0316】
接触一成分現像法において、現像剤担持体は実質的に感光体表面と接触している。これは、現像剤担持体から現像剤を除いたときに現像剤担持体が感光体と接触しているということを意味する。このとき、現像剤を介して、感光体と現像剤担持体との間に働く電界によってエッジ効果のない画像が得られると同時にクリーニングが行われる。現像剤担持体としての弾性ローラ表面或いは、表面近傍が電位を持ち感光体表面と弾性ローラ表面間で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラの弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つか、又は導電性ローラの表面層に薄層の誘電層を設ける方法も利用できる。さらには、導電性ローラ上に感光体表面と接触する側の面を絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブ或いは、絶縁性スリーブで感光体と接触しない側の面に導電層を設けた構成も可能である。
【0317】
この一成分現像剤を担持する弾性ローラは、感光体ドラムと同方向に回転しても良いし、逆方向に回転しても良い。その回転が同方向である場合、弾性ローラの周速が、感光体ドラムの周速に対して100%(更には、103%)より大きいことが好ましい。100%以下であるとラインの鮮明性が悪いなどの画像品質に問題を生じやすい。周速の差が大きいほど、現像部位に供給される現像剤の量は多くなり、また静電潜像に対する現像剤の脱着頻度が多くなり、不要な部分の現像剤は掻き落とされ、必要な部分には現像剤が付与されるという繰り返しにより、静電潜像に忠実な画像が得られる。
【0318】
現像剤層厚規制部材116は、現像剤担持体112の表面に弾性力で圧接するものであれば、弾性ブレードに限られることなく、弾性ローラを用いることも可能である。
【0319】
弾性ブレード、弾性ローラとしては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBR等のゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼等の金属弾性体が使用できる。さらに、それらの複合体であってもよい。
【0320】
弾性ブレードの場合には、弾性ブレード上辺部側である基部は現像剤容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗して現像スリーブの順方向或いは逆方向にたわめた状態にしてブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリーブ表面に適度な弾性押圧をもって当接させる。
【0321】
供給ローラ115はポリウレタンフォーム等の発泡材より成り、現像剤担持体に対して、順又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、一成分現像剤の供給とともに、現像剤担持体上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。
【0322】
現像領域において、現像剤担持体上の一成分現像剤によって感光体の静電潜像を現像する際には、現像剤担持体と感光体ドラムとの間に直接及び/又は交流の現像バイアスを印加して現像することが好ましい。
【0323】
次に、図6に示す概略構成図に基づいて、一成分非磁性現像剤を用いた非接触ジャンピング現像方式について説明する。
【0324】
現像装置170は、非磁性トナーを有する非磁性一成分現像剤176を収容する現像容器171、現像容器171に収容されている非磁性一成分現像剤176を担持し、現像領域に搬送するための現像剤担持体172、現像剤担持体上に非磁性一成分現像剤を供給するための供給ローラ173、現像剤担持体上の現像剤層厚を規制するための現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174、現像容器171内の非磁性一成分現像剤176を撹拌するための撹拌部材175を有している。
【0325】
169は静電荷像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段によりなされる。172は現像剤担持体としての現像スリーブであり、アルミニウム或いはステンレスからなる非磁性スリーブからなる。
【0326】
現像スリーブは、アルミニウム、ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズを吹き付けて均一に荒らしたものや、鏡面処理したもの、或いは樹脂でコートしたものが良い。
【0327】
非磁性一成分現像剤176は現像容器171に貯蔵されており、供給ローラ173によって現像剤担持体172上へ供給される。供給ローラ173はポリウレタンフォーム等の発泡材より成り、現像剤担持体に対して、同方向又は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、現像剤の供給とともに、現像剤担持体172上の現像後の現像剤(未現像現像剤)の剥ぎ取りも行っている。現像剤担持体172上に供給された非磁性一成分現像剤は現像剤層厚規制部材としての弾性ブレード174によって均一且つ薄層に塗布される。
【0328】
弾性塗布ブレードと現像剤担持体との当接圧力は、現像スリーブ母線方向の線圧として2.94〜245N/m(0.3〜25kg/m)、好ましくは4.90〜118N/m(0.5〜12kg/m)が有効である。当接圧力が2.94N/mより小さい場合、非磁性一成分現像剤の均一な塗布が困難となり、非磁性一成分現像剤の帯電量分布がブロードとなりかぶりや飛散の原因となる。当接圧力が245N/mを超えると、非磁性一成分現像剤に大きな圧力がかかり、現像剤が劣化するため、現像剤の凝集が発生するなど好ましくない。また、現像剤担持体を駆動させるために大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧力を2.94〜245N/mに調整することで、本発明のトナーを用いた非磁性一成分現像剤の凝集を効果的にほぐすことが可能になり、さらに、非磁性一成分現像剤の帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
【0329】
現像剤層厚規制部材は、弾性ブレード、弾性ローラを用いることができ、これらは所望の極性に現像剤を帯電するのに適した摩擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましい。
【0330】
本発明において、上記現像剤層厚規制部材の材質としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレンブタジエンゴムが好適である。さらに、ポリアミド、ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の有機樹脂層を設けても良い。さらに、金属酸化物、カーボンブラック、無機ウィスカー、無機繊維の如きフィラーや荷電制御剤を導電性ゴム層或いは樹脂中に分散させると、適度の導電性、帯電付与性が得られ、非磁性一成分現像剤を適度に帯電させることができるため好ましい。
【0331】
この非磁性一成分現像方法において、ブレードにより現像スリーブ上に非磁性一成分現像剤を薄層コートする系においては、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ上の現像剤層の厚さを現像スリーブと静電荷像保持体との間隙βよりも小さくし、この間隙に交番電場を印加することが好ましい。即ち図6に示すバイアス電源177により、現像スリーブ172と静電荷像保持体169との間に交番電場又は交番電場に直流電場を重畳した現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ上から静電荷像保持体への非磁性一成分現像剤の移動を容易にし、更に良質の画像を得ることができる。
【0332】
次に定着工程の一例を説明する。厚さ2mmの中空のアルミニウムの芯金上に中間層としてシリコンゴム層を設け、該シリコンゴム層の上に20μm程度のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂を被覆して表層を形成している定着ローラと、ステンレスの芯金上にシリコンゴム層を設け、該シリコンゴム層の上に50μm程度のPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)チューブを被覆して表層を形成している加圧ローラーとで形成されるニップ部に、転写材を通過させることで、トナーを定着させる。
【0333】
【実施例】
以下、製造例及び実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。また実施例に記載されている「部」は、全て「質量部」を意味する。
【0334】
〈トナーの製造例1〉
スチレン単量体100部に対して、カーボンブラック(平均一次粒子径38nm、pH8.9、比表面積62m2/g、揮発分0.5%、DBP吸油量45ml/100g、トルエン抽出量0.1%、フルイ残分28ppm、嵩密度390g/リットル)20部、ジ−t−ブチルサリチル酸の亜鉛化合物2.0部、をハンディーミル及びアペックスミルを組み合わせて用い、粒径1.25mmのジルコニアビーズにて共に600rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、マスターバッチ分散液を調製した。このマスターバッチのグロス値は53.6であった。
【0335】
一方、イオン交換水355部に、0.1mol/リットルのNa3PO4水溶液225部を投入し、60℃に加温した後、クレアミキサー(エムテクニック社製)を用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.0mol/リットルのCaCl2水溶液34部を徐々に添加し、リン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を得た。
【0336】
次に、
・マスターバッチ分散液 50部
・スチレン単量体 32部
・n−ブチルアクリレート単量体 18部
・エステルワックス 14部
(総炭素数:32、半値幅:4℃、DSC吸熱ピーク:70℃)
・飽和ポリエステル樹脂 7部
(Mw:12500、Mw/Mn:3.0、Tg(ガラス転移温度):71℃、酸価:12.0、水酸基価:22.0)
・ジビニルベンゼン 0.225部
を60℃に加温し、撹拌して均一に溶解、分散した。これに重合開始剤2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0337】
そして、前記水系媒体をpH6に維持し、上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、クレアミキサー(エムテクニック社製)にて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、反応容器に移し、水系媒体中をpH6に維持し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃に昇温し、5時間反応させた。さらに、水溶性開始剤を添加して80℃に昇温し5時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウム化合物を溶解させた後、ろ過、水洗、真空下で乾燥をし、多段分割式分級機にて分級して、黒色トナー粒子を得た。
【0338】
得られた黒色トナー粒子100部に対して、粘度50csのシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ(BET法による比表面積が98m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーで外添した後、ターボスクリーナーで粗粒を除去し、質量平均粒径7.8μmの非磁性ブラックトナー(トナー1)を得た。このトナー1のA/Bは1.67であった。このトナーの物性値を測定したところ、誘電率測定によるtanδ(5×104Hz)は0.0133、tanδ(105Hz)は0.0106であった。さらに、トナーの質量平均分子量(Mw)は400,000、カーの流動性指数は76、カーの噴流性指数は86であった。トナー円形度は0.982、トナー円形度標準偏差は0.023であった。
【0339】
〈トナーの比較製造例1〉
トナーの製造例1において、水系媒体の製造時における0.1M−Na3PO4水溶液の使用量を600部、重合性単量体組成物の造粒時におけるクレアミキサーの回転数を13,000rpm、分級時の多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤の添加量を1.8質量部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、質量平均粒径3.3μmの比較用非磁性ブラックトナー(比較トナー1)を得た。
【0340】
〈トナーの比較製造例2〉
トナーの製造例1において、水系媒体の製造時における0.1M−Na3PO4水溶液の使用量を190部、重合性単量体組成物の造粒時におけるクレアミキサーの回転数を4300rpm、分級時の多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤の添加量を0.8質量部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、質量平均粒径10.6μmの比較用非磁性ブラックトナー(比較トナー2)を得た。
【0341】
〈トナーの製造例2〉
トナーの製造例1において、水系媒体の製造時における0.1M−Na3PO4水溶液の使用量を530部、重合性単量体組成物の造粒時におけるクレアミキサーの回転数を12000rpm、分級時の多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤の添加量を1.5質量部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、質量平均粒径4.2μmの非磁性ブラックトナー(トナー2)を得た。
【0342】
〈トナーの製造例3〉
トナーの製造例1において、水系媒体の製造時における0.1M−Na3PO4水溶液の使用量を280部、重合性単量体組成物の造粒時におけるクレアミキサーの回転数を5550rpm、分級時の多段分割式分級機の分級条件をそれぞれ変更し、外添剤の添加量を1.0質量部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、質量平均粒径9.3μmの非磁性ブラックトナー(トナー3)を得た。
【0343】
〈トナーの比較製造例3〉
トナーの製造例1において、カーボンブラックとして平均一次粒子径39nm、pH8.9、比表面積61m2/g、揮発分0.03%、DBP吸油量45ml/100g、トルエン抽出量0.02%、フルイ残分12ppm、嵩密度365g/リットルの物性を有するものを用い、添加量数を14部とし、マスターバッチ液の分散時間を180分とした以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、比較用黒色トナー(比較トナー3)を得た。このトナーの誘電損率ε"/誘電率ε'で示される損失正接tanδが、周波数5×104Hz、105Hzにおいて、tanδ(5×104Hz)が0.0068、tanδ(105Hz)が0.0051であった。
【0344】
〈トナーの比較製造例4〉
トナーの製造例1において、カーボンブラックとして平均一次粒子径32nm、pH8.9、比表面積63m2/g、揮発分0.8%、DBP吸油量43ml/100g、トルエン抽出量0.12%、フルイ残分43ppm、嵩密度385g/リットルの物性を有するものを用い、添加部数を28部とし、マスターバッチ液の分散時間を420分とした以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、比較用非磁性ブラックトナー(比較トナー4)を得た。このトナーの誘電損率ε"/誘電率ε'で示される損失正接tanδが、周波数5×104Hz、105Hzにおいて、tanδ(5×104Hz)が0.0189、tanδ(105Hz)が0.0173であった。
【0345】
〈トナーの製造例4〉
トナーの製造例1において、カーボンブラックとして平均一次粒子径38nm、pH9.1、比表面積61m2/g、揮発分0.18%、DBP吸油量45ml/100g、トルエン抽出量0.08%、フルイ残分26ppm、嵩密度389g/リットルの物性を有するものを用い、添加部数を18部とし、マスターバッチ液の分散時間を240分とした以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー4)を得た。このトナーの誘電損率ε"/誘電率ε'で示される損失正接tanδが、周波数5×104Hz、105Hzにおいて、tanδ(5×104Hz)が0.0085、tanδ(105Hz)が0.0063であった。
【0346】
〈トナーの製造例5〉
トナーの製造例1において、カーボンブラックとして平均一次粒子径35nm、pH9.0、比表面積62m2/g、揮発分0.7%、DBP吸油量42ml/100g、トルエン抽出量0.15%、フルイ残分34ppm、嵩密度412g/リットルの物性を有するものを用い、添加部数を24部とし、マスターバッチ液の分散時間を360分とした以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー5)を得た。このトナーの誘電損率ε"/誘電率ε'で示される損失正接tanδが、周波数5×104Hz、105Hzにおいて、tanδ(5×104Hz)が0.0175、tanδ(105Hz)が0.0155であった。
【0347】
〈トナーの比較製造例5〉
トナーの製造例1において、離型剤の添加量を1部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、比較用非磁性ブラックトナー(比較トナー5)を得た。
【0348】
〈トナーの比較製造例6〉
トナーの製造例1において、離型剤の添加量を42部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、比較用非磁性ブラックトナー(比較トナー6)を得た。
【0349】
〈トナーの製造例6〉
トナーの製造例1において、離型剤の添加量を6部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー6)を得た。
【0350】
〈トナーの製造例7〉
トナーの製造例1において、離型剤の添加量を36部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー7)を得た。
【0351】
〈トナーの比較製造例7〉
トナーの製造例1において、重合反応時における水溶性開始剤を添加する前の反応温度及び時間をそれぞれ64℃/3時間とし、重合開始剤の添加部数を7部とし、ジビニルベンゼンの添加量を0.05部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、比較用非磁性ブラックトナー(比較トナー7)を得た。このトナーのMwは160,000であった。
【0352】
〈トナーの比較製造例8〉
トナーの製造例1において、重合反応時における水溶性開始剤を添加する前の反応温度及び時間をそれぞれ59℃/6時間とし、重合開始剤の添加部数を2.2部とし、ジビニルベンゼンの添加量を0.4部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、比較用非磁性ブラックトナー(比較トナー8)を得た。このトナーのMwは1,150,000であった。
【0353】
〈トナーの製造例8〉
トナーの製造例1において、重合反応時における水溶性開始剤を添加する前の反応温度及び時間をそれぞれ63℃/4時間とし、重合開始剤の添加部数を3.4部とし、ジビニルベンゼンの添加量を0.18部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー8)を得た。このトナーのMwは230,000であった。
【0354】
〈トナーの製造例9〉
トナーの製造例1において、重合反応時における水溶性開始剤を添加する前の反応温度及び時間をそれぞれ60℃/6時間とし、重合開始剤の添加部数を2.4部とし、ジビニルベンゼンの添加量を0.35部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー9)を得た。このトナーのMwは820,000であった。
【0355】
〈トナーの比較製造例9〉
トナーの製造例1において、分級条件を変更して粒径が5.8μmのトナー粒子を得、添加する外添剤としてシリコーンオイル処理疎水性酸化チタン0.2部およびシリコーンオイル処理疎水性シリカ0.2部を用いた以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、比較用非磁性ブラックトナー(比較トナー9)を得た。このトナーのカーの流動性指数は48、カーの噴流性指数は60であった。
【0356】
〈トナーの製造例10〉
トナーの製造例1において、分級条件を変更して粒径が6.1μmのトナー粒子を得、添加する外添剤としてシリコーンオイル処理疎水性酸化チタン0.4部およびシリコーンオイル処理疎水性シリカ0.3部を用いた以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー10)を得た。このトナーのカーの流動性指数は57、カーの噴流性指数は72であった。
【0357】
〈トナーの製造例11〉
トナーの製造例1において、離型剤の添加量を8部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー11)を得た。このトナーに含有される、離型剤の含有量Aとカーボンブラックの含有量Bの比A/Bは0.97であった。
【0358】
〈トナーの製造例12〉
トナーの製造例1において、離型剤の添加量を18部に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、ブラックトナー(トナー12)を得た。このトナーに含有される、離型剤の含有量Aとカーボンブラック含有量Bの比A/Bは2.13であった。
【0363】
〈トナーの製造例15〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスを半値幅が16℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー15)を得た。
【0364】
〈トナーの製造例16〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスを半値幅が9℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー16)を得た。
【0365】
〈トナーの製造例17〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスをDSCピーク温度が49℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー17)を得た。
【0366】
〈トナーの製造例18〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスをDSCピーク温度が58℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー18)を得た。
【0367】
〈トナーの製造例19〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスを半値幅が11℃、DSCピーク温度が153℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー19)を得た。
【0368】
〈トナーの製造例20〉
トナーの製造例1において、含有させるエステルワックスを半値幅が12℃、DSCピーク温度が124℃のものに変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー20)を得た。
【0370】
〈トナーの製造例22〉
トナーの製造例1において、外添剤としてシリカに代わりに疎水化された酸化チタン(平均粒径;40nm)を用いた以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー22)を得た。
【0371】
〈トナーの製造例23〉
トナーの製造例1において、外添剤であるシリカの添加量を0.5部とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー23)を得た。
【0372】
〈トナーの製造例24〉
トナーの製造例1において、外添剤であるシリカの添加量を2.5部とし、さらに外添剤としてシリコーンオイルにより処理された疎水性酸化チタン(平均粒径;40nm)2.6部を用いた以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー24)を得た。
【0373】
〈トナーの製造例25〉
トナーの製造例1において、外添剤であるシリカの添加量を1.7部とし、さらに外添剤としてシリコーンオイルにより処理された疎水性酸化チタン(平均粒径;40nm)2.0部を用いた以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー25)を得た。
【0374】
〈トナーの製造例26〉
トナーの製造例1において、マスターバッチを作製せず、同一の原材料を用い、混合物の調整を下記のように行った以外は、上記製造例1と同様の方法を用いて非磁性ブラックトナー(トナー26)を得た。
・スチレン単量体 83部
・n−ブチルアクリレート単量体 17部
・カーボンブラック 10部
・エステルワックス 14部
・オキシカルボン酸系金属化合物 1部
・飽和ポリエステル樹脂 7部
・ジビニルベンゼン 0.225部
〈トナーの製造例27〉
トナーの製造例1において、マスターバッチ分散液の調製時に用いるジルコニアビーズの粒径を2mmに変更し、マスターバッチの分散時間を120分とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー27)を得た。この際のマスターバッチのグロス値は37であった。
【0375】
〈トナーの製造例28〉
トナーの製造例1において、マスターバッチ分散液の調製時に用いるジルコニアビーズの粒径を2mmに変更し、マスターバッチの分散時間を180分とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー28)を得た。この際のマスターバッチのグロス値は42であった。
【0376】
〈トナーの製造例29〉
トナーの製造例1において、マスターバッチの分散時間を600分とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー29)を得た。この際のマスターバッチのグロス値は63であった。
【0377】
〈トナーの製造例30〉
トナーの製造例1において、マスターバッチ分散液の調製時に用いるジルコニアビーズの粒径を1mmに変更し、マスターバッチの分散時間を720分とした以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、非磁性ブラックトナー(トナー30)を得た。この際のマスターバッチのグロス値は68であった。
【0378】
〈トナーの参考製造例1〜3〉
トナーの製造例1において、マスターバッチの分散時間を120分とし、カーボンブラックの代わりにキナクリドン顔料16部を使用した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、マゼンタトナー(トナー31)を製造した。同様に、カーボンブラックの代わりにフタロシアニン顔料13部およびジスアゾ系顔料を16部使用して、シアントナー(トナー32)およびイエロートナー(トナー33)を得た。
得られた各トナーの構成を表3および表4に、物性を表5に、それぞれ示す。
【0379】
【表3】
Figure 0004072385
【0380】
【表4】
Figure 0004072385
【0381】
【表5】
Figure 0004072385
【0382】
次に、用いたキャリアの製造例を示す。
Figure 0004072385
上記材料を四ツ口フラスコに入れ、撹拌混合しながら60分間で85℃まで昇温保持し、120分間反応、硬化させた。その後30℃まで冷却し500質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いでこれを減圧下(5mmHg)150〜180℃で24時間乾燥して、フェノール樹脂を結着樹脂とする磁性キャリアコア(A)を得た。
【0383】
得られた磁性キャリアコア(A)の表面にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン
【0384】
【化4】
Figure 0004072385
の5質量%トルエン溶液を塗布した。
【0385】
磁性キャリアコア(A)の表面は、0.3質量%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランで処理されていた。塗布中は、磁性キャリアコア(A)に剪断応力を連続して印加しながら、塗布しつつトルエンを揮発させた。磁性キャリアコア(A)の表面に
【0386】
【化5】
Figure 0004072385
が存在しているのが確認された。
【0387】
上記処理機内のシランカップリング剤で処理された磁性キャリア(A)を70℃で撹拌しながら、シリコーン樹脂 KR−221(信越化学工業(株)製)に、シリコーン樹脂固型分に対して4%のγ−アミノプロピルトリメトキシシランを添加し、シリコーン樹脂固型分として25%になるようトルエンで希釈した後、減圧下で添加して、樹脂被覆を行った。以後、2時間撹拌した後、窒素ガスによる雰囲気下で140℃2時間熱処理を行い、凝集をほぐした後、200メッシュ以上の粗粒を除去し、磁性キャリア1を得た。
【0388】
得られた磁性キャリア1の平均粒子径は34μmであり、電気抵抗値1×1013Ω・cm、1Kエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)42Am2/kg、みかけ密度は1.9g/cm3、SF−1が110であった。
【0389】
〈磁性キャリアの製造例2〉
磁性キャリアの製造例1において、上記マグネタイト1およびヘマタイト1の代わりにMg−Mn−Sn−Fe組成の芯材を使用した以外は上記製造例1と同様の方法を用いてシリコーン樹脂コートを行い、平均粒子径が44μmであり、電気抵抗値が1×1010Ω・cm、σ1000が58Am2/kg、見かけ密度2.4g/cm3、SF−1が147の磁性キャリア2を得た。
【0390】
〈磁性キャリアの製造例3〉
磁性キャリアの製造例1において、マグネタイト1とヘマタイトの1質量比を40/60に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア3を得た。このキャリアの1Kエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)は28Am2/kgであった。
【0391】
〈磁性キャリアの製造例4〉
磁性キャリアの製造例1において、マグネタイト1とヘマタイト2の質量比を95/5に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア4を得た。このキャリアの1Kエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)68Am2/kgであった。
【0392】
〈磁性キャリアの製造例5〉
磁性キャリアの製造例1において、マグネタイト1及びヘマタイト1の代わりにアルミナ含有マグネタイト微粒子(マグネタイト2)(個数平均粒径0.11μm、比抵抗値3×105Ω・cm)とα−Fe23微粒子(ヘマタイト2)(個数平均粒径0.30μm,比抵抗値6×109Ω・cm)を用い、マグネタイト2とヘマタイト2の質量比を65/35に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア5を得た。このキャリアの見かけ密度は2.7であった。
【0393】
〈磁性キャリアの製造例6〉
磁性キャリアの製造例1において、コア粒子造粒時の攪拌速度を5倍に変更し、マグネタイト1とヘマタイト1の質量比を65/35に変更した以外は上記製造例1と同様にし、磁性キャリア6を得た。このキャリアの平均粒径は22μmであった。
【0394】
〈磁性キャリアの製造例7〉
磁性キャリアの製造例1において、コア粒子造粒時の攪拌速度を0.4倍に変更し、マグネタイト1とヘマタイト1の質量比を65/35に変更した以外は上記製造例1と同様にし、磁性キャリア7を得た。このキャリアの平均粒径は58μmであった。
【0395】
〈磁性キャリアの製造例8〉
磁性キャリアの製造例1において、使用するヘマタイトをα−Fe23微粒子(ヘマタイト3)(個数平均粒径0.50μm、比抵抗値6×109Ω・cm)に変更し、マグネタイト1とヘマタイト3の質量比を65/35に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア8を得た。このキャリアのSF−1は137であった。
【0396】
〈磁性キャリアの製造例9〉
磁性キャリアの製造例1において、使用するマグネタイト及びヘマタイトをアルミナ含有マグネタイト微粒子(マグネタイト3)(個数平均粒径0.11μm、比抵抗値2×104Ω・cm)とα−Fe23微粒子(ヘマタイト4)(個数平均粒径0.30μm,比抵抗値5×107Ω・cm)に変更し、マグネタイト3とヘマタイト4の質量比を65/35に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア9を得た。このキャリアの電気抵抗値は1×107Ω・cmであった。
【0397】
〈磁性キャリアの製造例10〉
磁性キャリアの製造例1において、使用するマグネタイト及びヘマタイトをアルミナ含有マグネタイト微粒子(マグネタイト4)(個数平均粒径0.13μm、比抵抗値2×107Ω・cm)とα−Fe23微粒子(ヘマタイト5)(個数平均粒径0.30μm,比抵抗値5×1010Ω・cm)に変更し、マグネタイト4とヘマタイト5の質量比を65/35に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア10を得た。このキャリアの電気抵抗値は3×1016Ω・cmであった。
【0398】
〈磁性キャリアの製造例11〉
磁性キャリアの製造例1において、コートするシリコーン樹脂の量を0.8質量%に変更した以外は上記製造例1と同様の方法を用いて、磁性キャリア11を得た。このキャリアの電気抵抗値は8×1016Ω・cmであった。
得られた各磁性キャリアの構成および物性を表6に示す。
【0399】
【表6】
Figure 0004072385
【0400】
〈実施例1〉
画像形成装置として、市販のCP660(キヤノン社製)の定着速度を125mm/sとし、帯電部材をコロナ帯電とし、定着分離爪、ウエッブを排除し、定着ローラー温度検知センサーを非接触に変更したものを使用した。画像面積10%でありかつ、X−Rite社製504型反射濃度計で測定される画像濃度が1.5である直径20mmの円を5箇所設けたパターンを、23℃/相対湿度5%(N/L)、32.5℃/90%(H/H)の各環境で上記画像形成装置を用いてそれぞれ1万枚の通紙試験を行い、以下の評価方法に基づいて評価した。用いた現像剤の構成を表7に、用いた画像形成方法を表8に、得られた評価結果を表10に示す。表10からわかるように全てにおいて概ね良好な結果が得られた。
【0401】
(1)かぶり
N/L及びH/H環境下での耐久試験において、かぶりを測定した。方法としては、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を、グリーンフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製「REFLECTOMETER ODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、ベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。かぶり(%)は下記式から算出した。
【0402】
【数20】
かぶり(%)=Dr−Ds
【0403】
(2)画質
N/L及びH/H環境下での耐久試験において、オリジナル原稿を基準にして、階調性、ハイライト均一性及び細線再現性、画像濃淡について目視により下記の評価項目に従い総合的に評価した。
【0404】
A:優
B:良
C:普通
D:悪い
(3)トナー飛散
H/H環境で3万枚画出しした後のマシン内トナー飛散量を目視によって、以下の基準で総合的に評価した。
【0405】
A:トナー飛散が全くない
B:トナー飛散がほとんどない
C:若干トナー飛散があるが実使用上全く問題ないレベル
D:トナー飛散あり、耐久後半に画像を汚染する場合あり
E:トナー飛散あり、耐久前半から画像を汚染する場合あり
F:顕著なトナー飛散が生じる
G:トナーとキャリアが分離した状態でトナー飛散が激しく、実使用に耐えない
【0406】
(4)グロス測定
転写紙上に0.7mg/cm2のべた画像を載せ定着させた後、GLOSS SENSER PG−3D(NIPPON DENSHOKU IND. CO.,LTD)を用い、75°の角度で測定した。なおグロス値は、べた出力画像を縦・横で3分割ずつ(計9分割)し、そのブロックの中心を測定した平均値とした。また、面内グロス一様性は、その9点測定のMAX値とMIN値の差分とした。
【0407】
(5)定着ローラー巻きつき温度
HH環境下での耐久試験における初期に定着巻きつき確認を行った。EN100(64g紙)完全調湿紙に、転写紙先端から1mmの位置から、像のり量0.75mg/cm2のべた画像を載せ、定着させた。この時、定着温度を5℃ずつ低下させ定着させたとき、転写紙が定着ローラーに巻きつく温度を定着ローラー巻きつき温度とした。
【0408】
(6)高温オフセット性
NN(23.5℃、60%RH)環境下にてXx64g紙を用いて、評価を行った。ベタ白画像をA4縦置きで50枚通紙した後、A4横置きで先端から5cmの全域が画像濃度0.5のハーフトーン、それ以外がベタ白という画像を両面複写した。この際の白地部に現れるオフセットのレベルを目視により観察し、下記の評価項目に従い評価した。
【0409】
A:オフセットが全く発生しない。
B:A4縦置きで通紙した部分以外の端部に、うっすらとオフセットが発生したが、使用上問題となるレベルではない。
C:A4縦置きで通紙した部分以外の端部に、若干オフセットが発生した、実使用上ぎりぎりのレベルであるが、通常の複写においては問題とならない。
D:長手方向全域に、オフセットが発生し、実使用上問題となるレベル。
E:長手方向全域に1面目からオフセットが発生し、実使用に耐えない。
【0410】
(7)ドラム融着
HH環境下での1万枚耐久試験において、ドラム上融着を目視及びルーペで下記の評価項目に従い5段階評価した。
【0411】
○ :全く融着物が存在しない。
○△:ドラム上に0.1mm径以下の融着物が数点存在するが、画像上全く問題ない。
△ :ドラム上に0.1〜0.4mm径の融着物が数点存在し、画像上うっすら発生しているものの実使用上問題となるレベルではない。
△×:ドラム上に0.4mm径より大きい融着物が10点以上存在し、画像上も発生。問題となるレベル。
× :ドラム上に0.4mm径より大きい融着物が全面に存在し、画像上も多数発生。問題となるレベルであり実使用に耐えない。
【0412】
(8)ドラムクリーニング不良
HH環境下での1万枚耐久試験において、ドラム上クリーニング不良を目視及びルーペで下記の評価項目に従い5段階評価した。
【0413】
○ :全くクリーニング不良が発生していない。
○△:ドラム上に0.1mm幅以下のクリーニング不良が数本存在するが、軽微なレベルであり、画像上全く問題ない。
△ :ドラム上にクリーニング不良が数本存在し、画像上うっすら発生しているものの実使用上問題となるレベルではない。
△×:ドラム上にクリーニング不良が10点以上存在し、画像上も発生。問題となるレベル。
× :ドラム上にクリーニング不良によるスジが全面に存在し、画像上も多数発生。問題となるレベルであり実使用に耐えない。
【0414】
〈実施例2〜28、31、32、及び34、参考例29〜30、及び33
表7に示す現像剤2〜43を用い、表8および表9に示す画像形成方法に従い評価条件を変更して、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表10および表11に示す。
【0415】
〈実施例35〜46〉
表7に示す磁性キャリア92質量部とトナー8質量部をV型混合機で混合し、二成分現像剤とした。この二成分現像剤を用いて、画像形成装置として、市販のデジタル複写機CP2150(キヤノン製)を図7の現像装置及び帯電装置が入れられるよう改造し、定着スピードを155mm/sとし、定着装置を加熱ローラー、加圧ローラーともに表層をPFAで1.2μm被覆したローラーに変更し、オイル塗布機構等の加圧ローラー以外の全ての接触部材を除去した構成に改造した。
【0416】
上記二成分現像剤および画像形成装置を用い、表9に示す画像形成方法に従い評価条件を変更して、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表11に示す。
【0417】
〈比較例1〜12〉
表7の現像剤1及び比較現像剤1〜9を用い、表9の画像形成方法に従い評価条件を変更して、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表11に示す。
【0418】
【表7】
Figure 0004072385
【0419】
【表8】
Figure 0004072385
【0420】
【表9】
Figure 0004072385
【0421】
【表10】
Figure 0004072385
【0422】
【表11】
Figure 0004072385
【0423】
【発明の効果】
本発明によれば、カーボンブラック含有の非磁性ブラックトナーにおいて、カーボンブラックのトナー粒子中における存在状態、すなわちトナーの損失正接、トナーの分子量設計、離型剤の添加量を適正化させることで、オイルレスの定着方法を用いた画像形成においても転写材の巻きつき及び高温オフセット性の問題がなく、良好な画像形成を行うことができる。さらに、本発明によれば、トナーを上記構成とすることにより融着、現像安定性を増し、クリーナーレスシステムにも適用した場合においても、高耐久・高画質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法が好適に用いられる画像形成装置の一例を表す模式図。
【図2】本発明の画像形成方法を適用したフルカラー画像形成装置の一例を示す模式図。
【図3】本発明の画像形成方法を適用したフルカラー画像形成装置の一例を示す模式図。
【図4】本発明の画像形成方法を適用したフルカラー画像形成装置の一例を示す模式図。
【図5】一成分接触現像方法を本発明の画像形成方法に適用した場合の画像形成装置の模式図。
【図6】一成分非接触現像方法を本発明の画像形成方法に適用した場合の画像形成装置の模式図。
【図7】本発明の画像形成方法を適用したフルカラー画像形成装置の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 感光体(感光ドラム)
2 帯電ローラー
3 露光装置
4 現像装置
4b、11 現像剤担持体(現像スリーブ)
4c、12 マグネットローラ
4f、13、14 現像剤搬送スクリュー
4d、15 規制ブレード
5 転写ローラー
7 補助ブラシ(正規極性化のため)
17 隔壁
18 補給用トナー
4e、19 現像剤
19a トナー
19b キャリア
20 補給口
21 マグネットローラ
22 搬送スリーブ
23 磁性粒子
L、24 レーザー光
25 転写材(記録材)
26 バイアス印加手段
27 転写ブレード
28 トナー濃度検知センサー

Claims (62)

  1. 静電潜像を担持する感光体表面を帯電手段によって帯電する帯電工程と、前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤に含まれるトナーを前記感光体表面の静電潜像に供給して前記静電潜像を可視化してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写材上に転写する転写工程と、定着体と該定着体に圧接された加圧体により形成されるニップ部に転写材を通過させることにより前記トナー像を前記転写材上に加熱接触圧着させる定着工程とを少なくとも有し、上記各工程が繰り返されて画像形成が繰り返し行われる画像形成方法であって、
    前記定着体はオイル塗布機構および前記定着体に接触する定着補助部材を有さず、
    前記トナーは結着樹脂とカーボンブラックと離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する非磁性ブラックトナーを含み、
    前記トナーは、少なくとも、重合性単量体、カーボンブラック、離型剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得られる重合トナーであって、前記トナーを製造する際に、前記カーボンブラックを前記重合性単量体に分散させる工程として、少なくとも重合性単量体とカーボンブラックとをメディア混合してマスターバッチを調製する工程を有し、前記マスターバッチの展色グロスが40〜65であり、
    前記トナーは質量平均粒径が3.5〜9.5μmであり、
    前記トナーの(誘電損率ε”/誘電率ε’)で表される損失正接tanδが、周波数5×10Hzにおいて0.008〜0.018であり且つ周波数10Hzにおいて0.006〜0.016であり、
    前記トナーの質量平均分子量(Mw)が200000〜900000であり、
    前記トナーのカーの流動性指数が55〜98であり且つカーの噴粒性指数が70〜98であり、
    前記離型剤は前記トナー粒子100質量部中に2〜20質量部含有されることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記帯電工程は接触帯電方式により前記感光体表面を帯電する工程であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
  3. 前記帯電工程において、前記感光体表面と前記帯電手段との間に、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界が形成されることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成方法。
  4. 前記転写工程後に前記感光体表面に残留する転写残トナーを、後の現像工程においてトナーが供給される現像部位に回収させるべく、前記帯電工程の前に正規極性に帯電処理する帯電量制御工程をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  5. 前記トナーの質量平均粒径が4.5〜9μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記トナーの損失正接tanδが、周波数5×10Hzにおいて0.009〜0.017であり且つ周波数10Hzにおいて0.007〜0.015であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  7. 前記トナーの質量平均分子量(Mw)が250000〜700000であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  8. 前記トナーのカーの流動性指数が60〜95であり且つ前記カーの噴粒性指数が75〜95であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  9. 前記離型剤が前記トナー粒子100質量部中に4〜17質量部含有されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  10. 前記トナー粒子に含有される、離型剤の含有量Aとカーボンブラックの含有量Bの比が下記式を満足することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成方法。
    Figure 0004072385
  11. 前記トナー粒子に含有される、離型剤の含有量Aとカーボンブラックの含有量Bの比が下記式を満足することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成方法。
    Figure 0004072385
  12. 前記トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.950〜0.999であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  13. 前記トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.960〜0.995であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  14. 前記トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差が0.010〜0.040であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  15. 前記トナーのフロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差が0.015〜0.035であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  16. 前記離型剤の吸熱ピークにおける半値幅が15℃以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  17. 前記離型剤の吸熱ピークにおける半値幅が7℃以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  18. 前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が50〜150℃であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  19. 前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が60〜120℃であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  20. 前記無機微粒子が、それぞれ疎水化処理されたシリカ、チタニア、アルミナから選ばれる1種類以上を含有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  21. 前記無機微粒子が疎水化処理されたシリカを少なくとも含有することを特徴とする請求項1〜20のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  22. 前記疎水化処理されたシリカがシリコーンオイルで疎水化されたものであることを特徴とする請求項20または21記載の画像形成方法。
  23. 前記トナーは前記トナー粒子100質量部に対して前記無機微粒子を0.6〜4.5質量部有することを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  24. 前記トナーは前記トナー粒子100質量部に対して前記無機微粒子を0.8〜3.5質量部有することを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  25. 前記マスターバッチの展色グロスが45〜60であることを特徴とする請求項1〜24のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  26. 前記現像剤がトナーとキャリアとからなる二成分現像剤であることを特徴とする請求項1〜25のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  27. 前記キャリアは1000/4π[kA/m]における磁化の強さが30〜60[Am/kg]であることを特徴とする請求項26記載の画像形成方法。
  28. 前記キャリアは見かけ密度が2.3g/cm以下であることを特徴とする請求項26または27記載の画像形成方法。
  29. 前記キャリアは平均粒径が25〜55μmであることを特徴とする請求項26〜28のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  30. 前記キャリアは形状係数SF−1が100〜130であることを特徴とする請求項26〜29のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  31. 前記キャリアは比抵抗が1×10〜1×1016Ω・cmであることを特徴とする請求項26〜30のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  32. 前記キャリアが樹脂コートキャリアであることを特徴とする請求項26〜31のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  33. 前記樹脂コートキャリアはキャリア粒子と該キャリア粒子を被覆するコート樹脂とを含み、前記コート樹脂は、前記キャリア粒子100質量部に対して0.6質量部以上添加されることを特徴とする請求項26〜32のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  34. 該キャリアが磁性体分散型樹脂キャリアであることを特徴とする請求項26〜33のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  35. 前記トナーは、少なくともイエロー系着色剤を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤を含有するシアントナーと、少なくともカーボンブラックを含有する前記ブラックトナーとから構成されるフルカラートナーであることを特徴とする請求項1〜34のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  36. 感光体表面に担持された静電潜像を可視化するためのトナーであって、
    静電潜像を担持する感光体表面を帯電手段により帯電する帯電工程と、前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤に含まれるトナーを前記感光体表面の静電潜像に供給して前記静電潜像を可視化してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写材上に転写する転写工程と、オイル塗布機構および接触する定着補助部材を有さない定着体と該定着体に圧接された加圧体により形成されるニップ部に転写材を通過させることにより前記トナー像を前記転写材上に加熱接触圧着させる定着工程とを少なくとも有し、上記各工程が繰り返されて画像形成が繰り返し行われる画像形成方法に用いられ、
    結着樹脂とカーボンブラックと離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する非磁性ブラックトナーを含み、
    少なくとも、重合性単量体、カーボンブラック、離型剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得られる重合トナーであって、
    前記トナーを製造する際に、前記カーボンブラックを前記重合性単量体に分散させる工程として、少なくとも重合性単量体と着色剤とをメディア混合してマスターバッチを調製する工程を有し、前記マスターバッチの展色グロスが40〜65であり、
    質量平均粒径が3.5〜9.5μmであり、
    (誘電損率ε”/誘電率ε’)で表される損失正接tanδが、周波数5×10Hzにおいて0.008〜0.018であり且つ周波数10Hzにおいて0.006〜0.016であり、
    質量平均分子量(Mw)が200000〜900000であり、
    カーの流動性指数が55〜98であり且つカーの噴粒性指数が70〜98であり、
    前記離型剤は前記トナー粒子100質量部中に2〜20質量部含有されることを特徴とするトナー。
  37. 前記帯電工程は接触帯電方式により前記感光体表面を帯電する工程であることを特徴とする請求項36記載のトナー。
  38. 前記帯電工程において、前記感光体表面と前記帯電手段との間に、直流成分に交流成分を重畳させた振動電界が形成されることを特徴とする請求項36または37記載のトナー。
  39. 前記画像形成方法において、前記転写工程後に前記感光体表面に残留する転写残トナーを、後の現像工程においてトナーが供給される現像部位に回収させるべく、前記帯電工程の前に正規極性に帯電処理する帯電量制御工程をさらに有することを特徴とする請求項36〜38のいずれか一項に記載のトナー。
  40. 前記質量平均粒径が4.5〜9μmであることを特徴とする請求項36〜39のいずれか一項に記載のトナー。
  41. 前記損失正接tanδが、周波数5×10Hzにおいて0.009〜0.017であり且つ周波数10Hzにおいて0.007〜0.015であることを特徴とする請求項36〜40のいずれか一項に記載のトナー。
  42. 前記質量平均分子量(Mw)が250000〜700000であることを特徴とする請求項36〜41のいずれか一項に記載のトナー。
  43. 前記カーの流動性指数が60〜95であり且つ前記カーの噴粒性指数が75〜95であることを特徴とする請求項36〜42のいずれか一項に記載のトナー。
  44. 前記離型剤が前記トナー粒子100質量部中に4〜17質量部含有されることを特徴とする請求項36〜43のいずれか一項に記載のトナー。
  45. 前記トナー粒子に含有される前記離型剤の含有量Aと前記カーボンブラックの含有量Bの比が下記式を満足することを特徴とする請求項36〜44のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 0004072385
  46. 前記トナー粒子に含有される前記離型剤の含有量Aと前記カーボンブラックの含有量Bの比が下記式を満足することを特徴とする請求項36〜45のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 0004072385
  47. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.950〜0.999であることを特徴とする請求項36〜46のいずれか一項に記載のトナー。
  48. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける平均円形度が0.960〜0.995であることを特徴とする請求項36〜46のいずれか一項に記載のトナー。
  49. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差が0.010〜0.040であることを特徴とする請求項36〜48のいずれか一項に記載のトナー。
  50. フロー式粒子像測定装置で計測される個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおける円形度の標準偏差が0.015〜0.035であることを特徴とする請求項36〜48のいずれか一項に記載のトナー。
  51. 前記離型剤の吸熱ピークにおける半値幅が15℃以下であることを特徴とする請求項36〜50のいずれか一項に記載のトナー。
  52. 前記離型剤の吸熱ピークにおける半値幅が7℃以下であることを特徴とする請求項36〜50のいずれか一項に記載のトナー。
  53. 前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が50〜150℃であることを特徴とする請求項36〜52のいずれか一項に記載のトナー。
  54. 前記離型剤のDSC吸熱曲線における吸熱ピーク値が60〜120℃であることを特徴とする請求項36〜52のいずれかに記載のトナー。
  55. 前記無機微粒子が、それぞれ疎水化処理されたシリカ、チタニア、アルミナから選ばれる1種類以上を含有することを特徴とする請求項36〜54のいずれか一項に記載のトナー。
  56. 前記無機微粒子が疎水化処理されたシリカを少なくとも含有することを特徴とする請求項36〜55のいずれか一項に記載のトナー。
  57. 前記疎水化処理されたシリカがシリコーンオイルで疎水化されたものであることを特徴とする請求項36〜56のいずれか一項に記載のトナー。
  58. 前記トナー粒子100質量部に対して前記無機微粒子を0.6〜4.5質量部有することを特徴とする請求項36〜57のいずれか一項に記載のトナー。
  59. 前記トナー粒子100質量部に対して前記無機微粒子を0.8〜3.5質量部有することを特徴とする請求項36〜57のいずれか一項に記載のトナー。
  60. 前記マスターバッチの展色グロスが45〜60であることを特徴とする請求項36〜59のいずれか一項に記載のトナー。
  61. 少なくともイエロー系着色剤を含有するイエロートナーと、少なくともマゼンタ系着色剤を含有するマゼンタトナーと、少なくともシアン系着色剤を含有するシアントナーと、少なくともカーボンブラックを含有する前記ブラックトナーとから構成されるフルカラートナーであることを特徴とする請求項36〜60のいずれか一項に記載のトナー。
  62. 感光体表面に担持された静電潜像を可視化するためのトナーと、キャリアとからなる二成分現像剤であって、
    静電潜像を担持する感光体表面を帯電手段により帯電する帯電工程と、前記帯電された感光体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記トナーを前記感光体表面の静電潜像に供給して前記静電潜像を可視化してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を転写材上に転写する転写工程と、オイル塗布機構および接触する定着補助部材を有さない定着体と該定着体に圧接された加圧体により形成されるニップ部に転写材を通過させることにより前記トナー像を前記転写材上に加熱接触圧着させる定着手段とを少なくとも有し、上記各工程が繰り返されて画像形成が繰り返し行われる画像形成方法に用いられ、
    前記トナーは結着樹脂とカーボンブラックと離型剤とを少なくとも含有するトナー粒子と、無機微粒子とを有する非磁性ブラックトナーを含み、
    前記トナーは少なくとも、重合性単量体、カーボンブラック、離型剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で懸濁重合して得られる重合トナーであって、
    前記トナーを製造する際に、前記カーボンブラックを前記重合性単量体に分散させる工程として、少なくとも重合性単量体と着色剤とをメディア混合してマスターバッチを調製する工程を有し、前記マスターバッチの展色グロスが40〜65であり、
    前記トナーの質量平均粒径が3.5〜9.5μmであり、
    前記トナーの(誘電損率ε”/誘電率ε’)で示される損失正接tanδが、周波数5×10Hzにおいて0.008〜0.018であり且つ周波数10Hzにおいて0.006〜0.016であり、
    前記トナーの質量平均分子量(Mw)が200000〜900000であり、
    前記トナーのカーの流動性指数が55〜98であり且つカーの噴粒性指数が70〜98であり、
    前記離型剤は前記トナー粒子100質量部中に2〜20質量部含有されることを特徴とする二成分現像剤。
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