JP2006071846A - 現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2成分現像剤を用いた現像装置にて、キャリア形状等を最適化することにより、履歴現象の発生を抑制すると共にトナースペント及びキャリアのコート剥がれを抑制した現像装置を提供する。
【解決手段】 潜像担持体1に対面配置した現像ロール4と、該現像ロール4に対面配置されキャリア8とトナー9からなる2成分現像剤により磁気ブラシを形成する磁気ロール4とを備え、前記現像ロール4には現像バイアス11が、前記磁気ロールには第2の直流バイアス12が夫々印加され、前記現像ロール上にトナー薄層を形成して潜像担持体上の潜像を現像する現像装置において、前記キャリア8の形状係数SF−1が105〜130の範囲内で、且つSF−2が110〜130の範囲内であり、好適には前記キャリア8の体積平均粒径が25〜70μmで、且つ前記トナー9の平均円形度が0.93以上である構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の画像形成装置における現像装置に関し、特に、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を使用して、現像ロール上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像担持体上の静電潜像に飛翔させ、該静電潜像を現像するようにした現像装置に関するものである。
電子写真方式を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機などの画像形成装置における現像方式には、トナーと磁性キャリアを用いた2成分現像方式、絶縁トナーや導電トナーを用いた1成分現像方式、磁性キャリアを用いて非磁性のトナーを帯電させる2成分現像剤を使用し、現像ロール上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像に飛翔させ、該潜像を現像するようにしたハイブリッド現像方式などがある。
2成分現像方式は、キャリアによるトナーの帯電性に優れ、長寿命化が可能であるとともにベタ画像の均一化などの利点がある反面、現像装置が大きく複雑になる、トナー飛散やキャリア引きが発生する、キャリアの特性の劣化によって画質が変化するなどの欠点がある。また1成分現像方式は、現像装置がコンパクトになってドット再現性に優れているが、現像ロールの劣化のために耐久性が低く、現像装置を交換するため消耗品価格が高価になる、選択現像が発生するなどの欠点を有している。
そこで近年は、これらの問題点を解決する技術として、1成分現像方式と2成分現像方式を組み合わせて、ドット再現性に優れ、長寿命化が可能で高速の画像形成が可能なハイブリッド現像方式が提案、実用化されている。
ハイブリッド現像方式は、静電潜像担持体(感光体)に対向して離間配置した現像ロールと、該現像ロールに対向配置した磁気ロールと、を備え、キャリアとトナーからなる2成分現像剤により前記磁気ロール上に磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシの先端を感光体に接触させるとともに、前記磁気ロールに印加した直流バイアス、及び前記現像ロールに印加した直流成分と交流成分が重畳された現像バイアスの作用により2成分現像剤のトナーを静電潜像担持体上の静電潜像部分に選択的に付着させて現像を行なう構成となっている。
しかしながら、このようなハイブリッド現像方式では、現像ロール上にトナーの消費領域と非消費領域とが生じると、そのロール上におけるトナーの付着状態とトナーの電位差にばらつきが生じる関係から、前の現像画像の一部が次の現像時に残像(ゴースト)として現れる現象、いわゆる履歴現象が発生してしまう。
この履歴現象を解決するために、例えば特許文献1(特開平11−231652号公報)には、現像ロール表面に当接してロール表面に付着残存するトナーを掻き取るトナー掻き取り手段を設けた現像装置が提案されている。
しかし、このように掻き取り手段を設けると、装置の複雑化、大型化を招くという問題が生じてしまう。また、トナーを掻き取る際に、トナーに凝集が発生することがあり、トナー凝集体を発生させ、画像欠陥を招くという問題もあった。
そこで、特許文献2(特開平7−92813号公報)では、ハイブリッド現像方式において、現像ロール上のトナーを除去でき、履歴現象の発生を抑制するために、キャリアの形状因子(SF−2)を130以上とする構成が開示されている。ここで、形状因子とは粒子の形状、表面状態を表す数値であり、SF−2は{(キャリアの周長)/(キャリアの投影面積)×1/4π×100}で算出され、粒子表面の凹凸の度合いを表す。即ち、SF−2が130以上のキャリアとは、凹凸の度合いが大きく、非球形のキャリアであることを意味する。
このように、2成分現像剤中のキャリアとして非球形のキャリアを用いることにより、キャリア同士の接触する割合が高くなり、互いに接触するキャリアを介して磁気ブラシの先端に位置するキャリアにまで電荷の注入が可能となる。そのため、磁気ロール上に形成される磁気ブラシにはその先端に位置するキャリアにまで電荷が注入され、現像ロールと磁気ロールとの間にトナーを移行させるための大きな電界を作用させることができ、現像ロール表面に十分な量のトナーを供給することができるため、確実に履歴現象を防止することが可能となる。
特開平11−231652号公報 特開平7−92813号公報
しかしながら、特許文献2に記載のようにキャリアを非球形状にすることにより、履歴現象の発生は防止できるが、キャリア表面の凹凸のために現像剤の流動性が低下してしまい、長期の耐刷によりトナースペント量が増加したり、キャリアのコート剥がれの発生が促進される等の問題が新たに発生してしまう。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、2成分現像剤を用いた現像装置において、キャリアの形状等を最適化することにより、現像ロール上のトナーを除去でき、履歴現象の発生を抑制するとともに、現像剤の劣化を防止してトナースペント及びキャリアのコート剥がれを抑制することができ、高画質を維持可能な現像装置を提供することを目的とする。
なお、ハイブリッド現像では画像形成の度に、キャリアとトナーで構成された磁気ロール上の2成分現像剤の磁気ブラシによって現像ロールにトナー層を形成し、現像終了後に現像ロールに残留したトナー層を磁気ブラシによって除去するため、キャリアとトナーの接触する機会が通常の2成分現像と比較して格段に多くなるため、キャリアの表面にトナーの成分が付着する所謂トナースペント量が多くなり、キャリア表面のコート層の剥がれも発生しやすくなる。本発明はこのようなハイブリッド現像で特に発生の目立つ不具合を解決することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明では、トナーとキャリアからなる2成分現像剤で磁気ロール上に磁気ブラシを形成し、該磁気ブラシでトナーの薄層を現像ロール上に形成した後、静電潜像担持体との間の空間に直流、交流バイアスを印加して現像する1成分非接触現像法によりトナーを静電潜像に飛翔させて現像を行なう構成とすることにより、コンパクトで実用性の高い現像システムを構築するとともに、従来技術で問題となっていた履歴現象、さらにはトナースペント及びコート剥がれの増大等の問題を解決できるようにした。
そこで、本発明は、静電潜像担持体に対向して離間配置した現像ロールと、該現像ロールに対面配置され、キャリアとトナーからなる2成分現像剤により表面に磁気ブラシを形成する磁気ロールと、を備え、前記現像ロールには第1の直流バイアスと交流バイアスからなる現像バイアスが、前記磁気ロールには第2の直流バイアスが夫々印加され、前記第1と第2の直流バイアスの電位差と前記交流バイアスにより前記現像ロール上にトナー薄層を形成して前記静電潜像担持体上の潜像を現像する現像装置において、
前記キャリアの形状係数SF−1が105〜130の範囲内であり、且つSF−2が110〜130の範囲内であることを特徴とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、後述する表1にも明らかなように以下の知見を得た。即ち、粒子の丸さの度合いを表す形状係数であるSF−1が105より小さい場合、流動性が高すぎるため磁気ブラシが適正に形成されない。またSF−1が130より大きい場合、流動性が低下しトナースペント量、コート剥がれが増加することが判った。従って、前記キャリアの形状係数SF−1を105〜130の範囲内とすることにより、磁気ブラシが適正に形成されるとともに、トナースペント量、コート剥がれを抑制することが可能となる。
また、粒子の凹凸度合いを表す形状係数であるSF−2が110より小さい場合、トナースペント量(キャリア表面に付着するトナー成分の量)が少なく、キャリア表面に設けたコート層の剥がれの発生は少ないが、キャリア表面の凹凸が少ないためトナー搬送量が減少し、履歴現象の発生が確認される。またSF−2が130より大きい場合、トナースペント量が多くなり、キャリア表面に設けたコート層の剥がれが多く発生する。従って、前記キャリアの形状係数SF−2を110〜130の範囲内とすることにより、履歴現象を防止するとともにトナースペント量を少なくし、キャリア表面に設けたコート層の剥がれを抑制することが可能となる。
また、前記キャリアの体積平均粒径が25〜70μmであることを特徴とする。
本発明によれば、体積平均粒径が70μmより小さいキャリアを使用するため、同重量のキャリアに比べて表面積が大きく、保持するトナー量が増大し、現像の際にトナー飛散や履歴現象が発生せず高画質が得られる。さらに、前記キャリアの体積平均粒径を25μm以上としているため、キャリアが静電潜像担持体に付着して流出する惧れがない。
そして、前記トナーの平均円形度が0.93以上であることを特徴とする。
前記トナーの平均円形度を0.93以上としているため、現像ロール上のトナーの除去が確実に行なわれ、履歴現象の発生を防止できる。
また、前記トナーの体積平均粒径が4〜8μmであることが好ましい。
前記トナーの体積平均粒径を8μm以下と比較的小粒径としているため、解像性が良好となるとともに、安定した帯電性を保持でき履歴現象等の不具合の発生を抑止でき、一方、体積平均粒径を4μm以上としているため、凝集力や付着力を抑制でき、高画質を得ることができる。
以上のように本発明によれば、現像ロール上のトナーを除去でき、履歴現象の発生を抑制することが可能で、さらにトナースペント量及びキャリアのコート剥がれを抑制しつつ、高画質を維持することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本実施例における現像装置は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の画像形成装置における現像装置であって、さらに本実施例では、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を使用して、現像ロール上に帯電されたトナーのみを保持させて静電潜像担持体上の静電潜像に飛翔させ、該静電潜像を現像するようにした現像装置であって、キャリアの形状等を最適化して、履歴現象の発生、トナースペント及びキャリアのコート剥がれを抑制することができる構成となっている。
まず、図1に示す本実施例に係る現像装置の概略構成図を参照して、現像装置の各部位の構成について説明する。
同図に示されるように、本実施例の現像装置は、潜像担持体(感光体)1に対向するごとく離間配置された現像ロール4と、該現像ロール4に対面配置された磁気ロール6と、を備えている。前記潜像担持体1、前記現像ロール4、及び前記磁気ロール6は夫々非接触で配置される。前記磁気ロール6の内部には磁石が備えられ、該磁石によってキャリア8とトナー9からなる2成分現像剤の磁気ブラシ10が形成され、該磁気ブラシ10により前記現像ロール4にトナーを供給する。
前記潜像担持体1の周囲には、帯電器3及び露光ユニット2等が周方向に順に配置されている。
また、前記磁気ロール6に第2の直流バイアス(Vdc2)を印加する第2の直流バイアス電源12が設けられ、該直流バイアスにより前記磁気ブラシ10から現像ロール4へトナー9を搬送するようになっている。
さらに、前記現像ロール4に現像バイアスを印加する現像バイアス電源11が設けられている。該現像バイアス電源11は、直流バイアス電源11aと交流バイアス電源11bとからなり、直流成分(DC)と交流成分(AC)とが重畳された現像バイアスを前記現像ロール4に印加する。
前記磁気ブラシ10により前記現像ロール4上にはトナー薄層5が形成されており、前記現像バイアスを印加することにより、該トナー薄層5のトナー9を飛翔させて現像を行なうようになっている。
また、前記磁気ロール6に隣接して規制ブレード7が配設されており、該規制ブレード7により磁気ブラシ10の厚さを規制している。
前記潜像担持体(感光体)1の材料としては、アモルファスシリコン(a−Si)感光体、有機感光体(OPC)などを用いることができる。正帯電有機感光体(正OPC)は、オゾンなどの発生が少なくて帯電が安定しており、特に単層構造の正帯電有機感光体は、長期にわたる使用によって膜厚が変化した場合においても感光特性に変化が少なく、画質も安定するため長寿命のシステムには好適である。
露光ユニット2は、半導体レーザ、もしくはLEDを用いることができる。正帯電有機感光体を用いた場合は770nm付近の波長が有効であり、アモルファスシリコン感光体の場合は685nm付近の波長が有効である。
現像ロール4の最表面は、体積固有抵抗が均一な導電性のアルミニウム、SUS、導電樹脂被覆などからなるスリーブで構成する。そしてそのシャフト部には、直流バイアス電源11a、交流バイアス電源11bを接続し、回転する現像ロール4と潜像担持体1、及び磁気ロール6との間にこの直流と交流を重畳した現像バイアス11が作用するようにする。
磁気ロール6は、現像剤搬送体として内部に配設された磁石によってキャリア8とトナー9からなる2成分現像剤を磁気保持し、磁気ブラシ10を発生させてこの磁気ブラシ10の厚さを規制ブレード7によって規制しながら現像ロール4にトナー9を供給する。この現像ロール4へのトナー9の供給は、磁気ロール6に印加された第2の直流バイアス(Vdc2)12と、現像ロール4に印加されている第1の直流バイアス(Vdc1)11aとの電位差、及び交流バイアス11bによって行われる。
潜像担持体1と現像ロール4との間隔は、一例として約250μmとしてこの間にワイヤ電極等は用いない。通常この潜像担持体1と現像ロール4との間隔は、150から400μm、好ましくは200から300μmであり、この間隔が150μmより狭いとカブリの要因になり、400μmより広いとトナー9を潜像担持体1に飛翔させることが困難になって、十分な画像濃度を得ることができない。また、選択現像を発生させる要因になる。磁気ロール4と現像ロール6との間隔は0.3から1.5mm程度である。
次に、本実施例の現像装置に用いることができる2成分現像剤について説明する。
前記2成分現像剤はトナー9とキャリア8からなる。
前記キャリア8は、少なくとも結着樹脂と磁性粉を含み、さらに本実施例の特徴的な構成として、形状係数SF−1が105〜130の範囲内であり、且つSF−2が110〜130の範囲内であるキャリアを使用する。
さらに、前記キャリア8は、その体積平均粒径が25〜70μmであることが好適である。
前記形状係数は、キャリアの形状と表面状態を示すものであり、SF−1は粒子の丸さの度合いを示し、100に近い程より円形に近い形状であることを意味し、100を越えて大きくなる程非円形の度合いが顕著になる。SF−2は粒子の凹凸の度合いを示し、100に近い程より平らであることを意味し、100を超えて大きくなる程表面の凹凸が顕著になることを示す。これらの形状係数は下記の式により算出される。
SF−1=(キャリアの絶対最大長)/(キャリアの投影面積)*π/4*100
SF−2=(キャリアの周長)/(キャリアの投影面積)*1/4π*100
前記キャリア8のSF−1が105より小さい場合、流動性が高すぎるため磁気ブラシが適正に形成されない。またSF−1が130より大きい場合、流動性が低下しトナースペント量、コート剥がれが増加してしまう。従って、前記キャリアの形状係数SF−1を105〜130の範囲内とすることにより、磁気ブラシが適正に形成されるとともに、トナースペント量、コート剥がれを抑制することが可能となる。
また、前記キャリア8の形状係数であるSF−2が110より小さい場合、トナースペント量、コート剥がれの発生は少ないが、キャリア表面の凹凸が少ないためトナー搬送量が減少し、履歴現象が発生する。またSF−2が130より大きい場合、トナースペント量、コート剥がれが増大する。従って、前記キャリアの形状係数SF−2を110〜130の範囲内とすることにより、履歴現象を防止するとともにトナースペント量、コート剥がれを抑制することが可能となる。
また、前記キャリア8の体積平均粒径が70μmより小さいキャリアを使用するため、同重量のキャリアに比べて表面積が大きく、保持するトナー量が増大し、現像の際にトナー飛散や履歴現象を発生せず高画質が得られる。さらに、前記キャリアの体積平均粒径を25μm以上としているため、キャリアが静電潜像担持体に付着して流出する惧れがない。
前記結着樹脂は、キャリアの所望の特性、即ち粉体特性、電気特性、磁気特性、及び現像プロセスに合わせて従来より用いられている種々の樹脂化合物を単独或いは複数種類用いることができる。結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられる。この結着樹脂は、樹脂化合物を溶融して作製しても良いし、重合により樹脂を構成する重合体単量体を重合することによって得るようにしても良い。
前記磁性粉は、キャリアの所望の特性に合わせて従来より用いられている種々の磁性金属酸化物を単独或いは複数種類用いることができる。磁性粉としては、例えば、マグネタイトキャリア、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライトなどを用いることができる。
また、キャリア8は適正な抵抗値を上げない範囲で表面処理して用いても良い。
前記キャリア8の製法は、上記した形状係数を満足し得るものであれば特に限定されず、重合法及び粉砕法の何れを用いることもできる。
前記重合法は、結着樹脂を形成する重合性単量体に他の材料を混合して単量体系を得て、この単量体系を分散安定剤を含む水系媒体中に投入、撹拌して液滴粒子を形成し、この状態で重合開始剤等により重合してキャリア粒子を作製する懸濁重合法が好適に用いられる。尚、分散安定剤に代えて乳化剤を用いる乳化重合法を用いることもできる。
前記粉砕法は、結着樹脂を溶融し、溶融した結着樹脂と他の材料を混練し、結着樹脂を冷却固化し、粉砕、熱処理等による形状処理をし、分級する方法等が用いられる。
前記トナー9は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、さらに適宜、電荷制御剤、離型剤、外添剤等を添加する。
さらに、前記トナー9の平均円形度が0.93以上であり、且つ該トナー9の体積平均粒径が4〜8μmであることが好適である。
前記トナーの平均円形度を0.93以上としているため、現像ロール上のトナーの除去が確実に行なわれ、履歴現象の発生を防止できる。
さらにまた、前記トナーの体積平均粒径を8μm以下と比較的小粒径とすることが好ましく解像性が良好となるとともに、安定した帯電性を保持でき履歴現象等の不具合が発生せず、一方、体積平均粒径を4μm以上とすることが好ましく、凝集力や付着力を抑制でき、高画質を得ることができる。
前記結着樹脂は、トナーの所望の特性、即ち摩擦帯電性、熱的特性、機械的特性に合わせて従来より用いられている種々の樹脂化合物を単独或いは複数種類用いることができる。結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル、エポキシ、ポリアミド、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール等が使用でき、特にポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂等が好適に使用できる。
この結着樹脂は、樹脂化合物を溶融して作製しても良いし、樹脂を構成する重合体単量体を重合することによって得るようにしても良い。
前記着色剤(染顔料)は、摩擦帯電性を有する黒トナー用には、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラックを用いることが好ましい。この黒色系着色剤の他に、必要に応じて黄色系着色剤、赤色系着色剤、青色系着色剤を使用でき、これらの着色剤は当該分野で公知のものを使用することができる。
前記電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電性を制御するものであり、正帯電トナーにはニグロシン染料、脂肪酸金属塩、第4級アンモニウム塩等の電子供与性物質が、また負帯電トナーには、アゾ系含金属染料、塩素化パラフィン、塩素化ポリエステルなどの電子受容性物質が用いられる。また、これらの代わりに帯電制御樹脂を用いてもよい。尚、結着樹脂或いは着色剤(カーボンブラック)等の材料により帯電制御することもできる。
前記離型剤は、クリーニング特性の向上、定着オフセット防止、キャリアへのトナースペント防止などの機能を備えており、熱ローラ定着用トナーでは、オフセット防止剤として低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等を用いることができる。
前記外添剤は、トナーの流動性、摩擦帯電性、クリーニング特性、キャリアへのトナースペント防止、などを目的としてトナー表面に添加される。コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化ケイ素、またはステアリン酸亜鉛等が使用できる。
またトナー9とキャリア8の混合割合は、キャリア8およびトナー9の合計量に対しトナーを5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%とすると良い。トナー9の混合割合が5重量%未満であると、トナーの帯電量が高くなって十分な画像濃度が得られなくなり、20重量%を超えると今度は十分な帯電量が得られなくなるため、トナーが現像器から飛散して画像形成装置内を汚染したり、画像上にトナーカブリが生じる。
上記した現像装置を用いて評価試験を行なった結果を以下に示す。
本評価試験に用いたキャリアの製法は次の通りである。まず、スチレン70重量部、ブチルメタクリレート20重量部、ジビニルベンゼン6重量部、ジエチレングリコールジメタクリレート4重量部、四三酸化鉄(BL−100 チタン工業製)100重量部、四三酸化鉄(BL−200 チタン工業製)100重量部、チタネートカップリング剤(KR−TTS 味の素製)0.5重量部、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)6重量部、トルエン 20重量部を混合して、軟らかいペースト状とした。
次に蒸留水600重量部にリン酸三カルシウム14重量部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部を分散させ、この分散液に上記混合物を加えてTKホモミキサー(特殊機化工業製)高粘度用脚部を改造したミキサーを用いて回転数5400rpmで12分間攪拌することにより懸濁液を得た。この懸濁液をセパラブルフラスコに移し、窒素雰囲気下、温度80℃、回転数250rpmで攪拌しながら、5時間反応させることにより重合を完了させた。その後、重合物を濾過し、希酸処理を行い、減圧乾燥させることにより、キャリア粒子を得た。
ミキサーの回転数を低くしたとき、SF−1が大きくなり、回転数を4000rpmから7000rpmとした以外は同様にして、異なるSF−1のキャリアを得ることができる。
リン酸三カルシウムの添加量を多くするとき、SF−2が大きくなり、リン酸三カルシウムの添加量を4重量部から40重量部とした以外は同様にして、異なるSF−2のキャリアを得ることができる。このようにして表1にSF−1とSF−2を示す実施例1〜6、比較例1〜6のキャリアを得た。
次に、トナーおよび現像剤製法の一例を以下に示す。スチレン80重量部、2-エチルヘキシルメタクリレート20重量部、カーボンブラック5重量部及び低分子量ポリプロピレン3部、電荷制御剤(ボントロンN−07)2部、ジビニルベンゼン(架橋剤)1部の混合溶液に重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を2重量部を加え、それを精製水400重量部に加え、更に懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム5重量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1重量部を加え、TKホモミキサ(特殊機化工業社製)を用いて、回転数7000rpmで20分間攪拌し、窒素雰囲気下、70℃、100rpmで10時間重合反応させ、体積平均粒径6.5μmの球形トナーを得た。
前記トナーに対して、シリカ微粒子(REA200)を0.2重量%をヘンシェルミキサー(3000rpm、2min)で添加させ、得られたトナーをキャリアに対して5重量%となるようにボールミル等で20分混合して2成分現像剤のサンプルを得た。
前記2成分現像剤のサンプルは、実施例1〜実施例5では、キャリアの形状係数SF−1を105〜130の範囲内、SF−2を110〜130の範囲内のキャリアを用い、比較例1〜4では、キャリアの形状係数SF−1を105以下又は130以上、SF−2を110以下又は130以上のキャリアを用いた。尚、何れの場合もキャリアの平均粒径は25〜70の範囲内、トナーの平均円形度は0.93以上とした。キャリアの平均粒径は、体積平均粒径を示す。
尚、本実施例において、キャリアの形状係数の測定は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して例えばニレコ社製画像解析装置(LuzexIII)に導入し解析を行い、上記した形状係数の式により算出して得た。
また、該キャリアの平均粒径の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置((株)堀場製作所)LA−500により測定した。前記トナーの円形度は、フロー式粒子像分析装置(シスメックス(株))FPIA−2100により測定した。
サンプルの評価は、京セラミタ(株)製のカラープリンタ(商品名「FS−5016」)に、前記作製した現像剤を搭載して、印字率5%で20万枚耐刷を行った。耐刷後の画像で、ドット再現性、現像ゴーストを確認した。耐刷後の現像剤を500メッシュの篩いにのせ、吸引によりトナーとキャリアを分離した。分離した2gのキャリアと20gのトルエンを混合し30分間撹拌し、トルエンを除去した後、100℃で1時乾燥した。カーボンアナライザー(堀場製作所EMYA−110)でトナースペント量、キャリアのコート残存量を測定した。
尚、現像条件は以下の通りとした。
・S/D(周速比):1.5 M/S:1.5
S/Mギャップ:0.4mm、D/Sギャップ:0.25mm
・磁気ロール(M)
DC:通紙時400V(300V−500V) 紙間0V、
材質:アルミ、径:φ16mm、
Rz:15μm−20μm サンドブラスト処理
・現像ロール(S)
DC:100V、
AC:1600V(p−p) 3000Hz 30%duty 矩形波、
材質:アルミ、径:φ16mm、Rz:2μm以下
・静電潜像担持体(D)
400V(暗電位) 80V(明電位)、径:φ30mm
上記した現像条件において、評価試験を行なった結果を下記表1に示す。
Figure 2006071846
上記表1において、ドット再現性の評価については、潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにくい小径(50μm)の孤立ドットパターンの画像を出力して行ない、以下の判定基準で評価した。
A:欠損2個以下/100個
B:欠損3〜5個/100個
C:欠損6〜10個/100個
D:欠損11個以上/100個
履歴現象の評価は目視により、以下の判定基準で評価した。
○:ほとんど目立たない
△:わずかに目立つ
×:目立つ
トナースペント量の評価は、以下の判定基準で評価した。
○:0.10%以下
△:0.10を越えて0.25%以下
×:0.25%以上
コート残存量の評価は、以下の判定基準で評価した。
○:75%以上
×:74以下
このように、上記した表2から明らかなように実施例1から実施例6では何れもドット再現性が良好で、現像ゴースト(履歴現象)は殆ど発生しないという良好な結果となった。また、何れの実施例でもトナースペント量が0.1以下となり、問題のない値となった。さらに、コート残存量は何れも75%以上と良好な結果となった。
これに対して、比較例1ではキャリアの形状係数SF−2が130を越える値を有するキャリアを用い、比較例2ではキャリアの形状係数SF−1が130を越える値を有するキャリアを用いて夫々評価を行なっているが、何れの場合も、ドット再現性が悪く、さらに現像ゴーストが発生するという結果となった。また、トナースペント量が多く、かつコート残存量も低くなった。
比較例3ではキャリアの形状係数SF−1が105未満のキャリアを用いて評価を行なっており、これによれば、ドット再現性は非常に悪く、現像ゴーストが発生し、さらにトナースペント量も比較的多く生じた。
比較例4ではキャリアの形状係数SF−2が110未満のキャリアを用いて評価を行っており、これによれば、ドット再現性は良好であったものの、現像ゴーストの発生がみられ、トナースペント量も比較的多く生じた。
このように、前記評価結果から明らかなように、キャリアの形状係数SF−1を105〜130の範囲内とし、且つSF−2を110〜130の範囲内とすることにより、履歴現象の発生を抑制できるとともに、トナースペント及びキャリアのコート剥がれを抑制し、高画質を得ることができる現像装置を提供することが可能となる。
本発明の正帯電性磁性一成分トナーは、電子写真法又は静電印刷法を利用した複写機、プリンタ、ファクシミリ、それらの複合機等の画像形成装置における現像装置の全てにおいて適用することが可能である。
本発明の実施例1に係る現像装置の概略構成図である。
符号の説明
1 潜像担持体
4 現像ロール
5 トナー薄層
6 磁気ロール
8 キャリア
9 トナー
10 磁気ブラシ
11 現像バイアス電源
11a 第1の直流バイアス電源
11b 交流バイアス電源
12 第2の直流バイアス電源

Claims (3)

  1. 静電潜像担持体に対向して離間配置した現像ロールと、該現像ロールに対面配置され、キャリアとトナーからなる2成分現像剤により表面に磁気ブラシを形成する磁気ロールと、を備え、前記現像ロールには第1の直流バイアスと交流バイアスからなる現像バイアスが、前記磁気ロールには第2の直流バイアスが夫々印加され、前記第1と第2の直流バイアスの電位差と前記交流バイアスにより前記現像ロール上にトナー薄層を形成して前記静電潜像担持体上の潜像を現像する現像装置において、
    前記キャリアの形状係数SF−1が105〜130の範囲内であり、且つSF−2が110〜130の範囲内であることを特徴とする現像装置。
  2. 前記キャリアの体積平均粒径が25〜70μmであることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記トナーの平均円形度が0.93以上であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
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