JP2009192722A - 二成分現像剤、並びにそれを用いた画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

二成分現像剤、並びにそれを用いた画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間の使用を経ても、二成分現像剤の流動性が極端に低下することにより生じる帯電不良や搬送不良が発生しない二成分現像剤及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】トナーとキャリアとから構成され、前記トナーは、離型剤を含有する体積平均粒径が4〜9μmの着色樹脂粒子と、該着色樹脂粒子100重量部に対して0.1〜1重量部の割合で該着色樹脂粒子の表面に固着された個数平均粒径が50〜300nmの六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子と、個数平均粒径が20〜150nmの外添剤とを含んでなり、前記キャリアは、フェライト粒子と該フェライト粒子の表面を被覆する樹脂層とを含んでなり、該キャリアの体積平均粒径は25〜60μmであることを特徴とする二成分現像剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、二成分現像剤に関し、また該二成分現像剤を用いる電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置は、一般に、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電、及び定着の各工程を担う装置から構成される。例えば、回転駆動される感光体の表面は、帯電装置によって均一に帯電され、帯電した感光体表面にレーザ光が照射されて(すなわち、露光されて)静電潜像が形成される。続いて、感光体上の静電潜像は、現像装置によってトナー像として現像される。感光体上に形成されたトナー像は転写装置によって転写材上に転写される。転写されたトナー像は、定着装置によって加熱されて転写材上に固定される。感光体表面上に残ったトナーはクリーニング装置により除去され、所定の回収部に回収されると共に、クリーニングされた後の感光体表面は除電装置により残留電荷が除去され、次の画像形成に備える。
感光体上の静電潜像を現像する現像剤としては、トナーのみからなる一成分現像剤やトナーとキャリアとからなる二成分現像剤が一般に用いられる。一成分現像剤はキャリアを使用しないことから、トナーとキャリアを均一に混合するための撹拌機構などを必要とせず現像装置をシンプルにできるといった利点を有するが、トナーの帯電量が安定し難い等の欠点がある。二成分現像剤は、トナーとキャリアを均一に混合するための撹拌機構などを必要とすることから、現像装置が複雑になるといった欠点を有するが、帯電量の安定性や高速機への適合性に優れることから、高画質画像形成装置(特にカラー画像形成装置)や高速画像形成装置によく使用されている。
また、カラー画像形成装置においても、定着装置でのオフセットを防止してメンテナンス性を高めるために、モノクロ画像形成装置と同様に、シリコーンオイル等の離型剤を使用しない定着方式が主流になってきており、これに対応するため、カラートナーとしてトナー中にワックス等の離型剤を添加したトナーが使用されるようになってきた。
更に、近年においては高画質化に対するユーザーの要望に応えるため、着色樹脂粒子の体積平均粒径が5〜9μmといった小粒径トナーがよく使用されている。このような小粒径トナーはドットの再現性を大幅に改良し、高解像度化や粒状感の低減といった高画質化に有効であるが、流動性が低いことから均一なトナー帯電量を得ることが難しいので、その使用は必ずしも高画質化に繋がっていなかった。
二成分現像剤の流動性を悪化させることなく高画質を得るために、例えば、特開2006−98615号公報(特許文献1)には、大粒径外添剤を含む小粒径トナーと、小粒径キャリアとを組み合わせた二成分現像剤が開示されている。
しかしながら、小粒径トナーを用いた二成分現像剤の流動性は、大粒径外添剤の添加により高められるが、オイルレス定着性を高めるために離型剤をトナー中に添加すると、長期間の使用により極端に低下する。このため、二成分現像剤が現像槽中の撹拌ローラでスムーズに撹拌・搬送されず、帯電不良による画像上のカブリや搬送不良による画像上の白抜けやカブリなどの不具合が発生する。
特開2006−98615号公報
上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、長期間の使用を経ても、二成分現像剤の流動性が極端に低下することにより生じる帯電不良や搬送不良が発生しない二成分現像剤及び画像形成装置を提供することにある。
長期間使用後の帯電不良や搬送不良について調査した結果、20〜150nmの外添剤が着色樹脂粒子(トナー粒子)表面から離脱して、キャリア表面の樹脂層に徐々に半埋没した状態で蓄積し、それらが核となってトナー表面に又は遊離状態で存在する低融点ワックスのフィルミングが加速され、最終的には、キャリア表面が低融点ワックスで被覆されることにより、二成分現像剤の流動性が失われることが判明した。
したがって、前記課題を解決するため、トナーとキャリアから構成され、前記トナーは離型剤を含有する体積平均粒径が4〜9μmの着色樹脂粒子と、該着色樹脂粒子100重量部に対して0.1〜1重量部の割合で該着色樹脂粒子の表面に固着された個数平均粒径が50〜300nmの六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子と、個数平均粒径が20〜150nmの外添剤とを含んでなり、前記キャリアは、フェライト粒子と該フェライト粒子の表面を被覆する樹脂層とを含んでなり、該キャリアの体積平均粒径は25〜60μmであることを特徴とする二成分現像剤が提供される。
また、現像剤として上記の二成分現像剤を用いることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法が提供される。
本発明によれば、着色樹脂粒子(トナー粒子)の表面に固着した個数平均粒径が50〜300nmの六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子が、キャリア表面の樹脂層に一部埋没した状態で存在する外添剤の剥離を促し、外添剤の蓄積によるキャリア表面の汚染を防止する。その結果、長期間の使用を経ても、二成分現像剤の流動性低下に起因する現像剤の帯電不良、搬送不良や撹拌不良が発生し難く、長期にわたってカブリや白抜けのない画像が得られる。
本発明の二成分現像剤の1つの実施形態において、フェライト粒子表面の樹脂層は熱硬化ストレートシリコーン樹脂から構成される。本実施形態によれば、キャリアの表面エネルギーを低くすることが可能となり、外添剤やワックスが付着し難くなる。また、熱可塑性樹脂に比べて硬度が高く、外添剤が埋没し難い特性を持つため、トナー及び/又はトナー外添剤のキャリア表面への付着力が抑えられる。その結果、現像剤の流動性の低下が更に抑制される。
本発明の二成分現像剤の別の1つの実施形態において、キャリアは、1×109〜1×1014Ω・cmの体積抵抗率を有する。本実施形態によれば、キャリア表面へのトナー及び/又はトナー外添剤の静電付着力が抑えられる。その結果、現像剤の流動性の低下が更に抑制される。
本発明の二成分現像剤の更に別の1つの実施形態において、樹脂層は導電剤を含有する。本実施形態によれば、キャリア表面の電気抵抗を下げることによりトナー及び/又はトナー外添剤のキャリア表面への静電付着力が抑えられる。その結果、現像剤の流動性の低下が更に抑制される。
本発明の二成分現像剤の更に別の1つの実施形態において、外添剤は、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子である。本実施形態によれば、外添剤の表面が疎水性に優れるので、高湿環境下においても高い流動性が得られ、高湿環境下におけるキャリア表面への付着力が抑えられる。その結果、現像剤の流動性の低下が抑制される。
本発明の二成分現像剤の更に別の1つの実施形態において、前記着色樹脂粒子は、1.5〜1.9m2/gのBET比表面積を有する。本実施形態によれば、外添剤が着色樹脂粒子表面の凹部にはまり込むことが少なく、外添剤を均一に表面に付着させることができる。その結果、現像剤の流動性の低下が更に抑制される。加えて、着色樹脂粒子の表面が適度な凹凸を有することから、ブレードクリーニング性に優れ、クリーニング不良に起因する黒筋などの発生が抑えられる。
本発明の二成分現像剤の更に別の1つの実施形態において、キャリア表面における着色樹脂粒子での被覆率が40〜70%である。本実施形態によれば、着色樹脂粒子(トナー粒子)のキャリアへの均一な混ざり込みが可能となる。その結果、現像剤の流動性の低下が更に抑制される。
<二成分現像剤>
以下に、本発明の現像剤についてより詳細に説明する。
本発明の現像剤はトナーとキャリアとから構成される二成分現像剤である。
トナーは、離型剤を含有する体積平均粒径が4〜9μmの着色樹脂粒子と、該着色樹脂粒子100重量部に対して0.1〜1重量部の割合で該着色樹脂粒子の表面に固着された個数平均粒径が50〜300nmの六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子と、個数平均粒径が20〜150nmの外添剤とを含んでなる。キャリアは、フェライト粒子と該フェライト粒子の表面を被覆する樹脂層とを含んでなる。キャリア(樹脂被覆フェライト粒子)の体積平均粒径は25〜60μmである。
着色樹脂粒子の体積平均粒径が4〜9μmであることは、本発明の二成分現像剤が高画質画像を形成する上で重要な役割を果たす。着色樹脂粒子の体積平均粒径が9μm以下であることにより、ドット再現性が向上し、より高解像度の高画質画像が達成できる。一方、着色樹脂粒子の体積平均粒径が4μm以上であることにより、凝集し難くなり均一に帯電し易くなるので、カブリや画像濃度不良等の問題が生じ難くなる。
個数平均粒径が20〜150nmの外添剤は、撹拌時のストレスによって着色樹脂粒子に埋没し難く、またトナー表面に凹凸性を持たすことが可能となるため、転写効率を向上させる効果が得られるとともに、現像剤の流動性を高めることができる。
トナー表面に固着した状態で存在する個数平均粒径が50〜300nmの六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子は、長期間の撹拌時ストレスによって、トナー表面から離脱しキャリア表面へ移行した外添剤の剥離を促し、外添剤によるキャリア表面の汚染を防止するため、二成分現像剤の流動性低下を防止することができる。六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子の個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡を用いて200個について測定した粒径から求める。
アルミナ微粒子の付着状態が、トナー表面を自由に動き回ることができる程度の弱い状態であると、徐々にアルミナ微粒子がトナー表面からキャリア表面に移行し、堆積(埋没)していく。キャリア表面でのアルミナ微粒子の存在率が高くなると、感光体ドラムやキャリアの磨耗が激しくなり、感光体ドラムやキャリアの寿命が短くなるので、固着していることが必要である。
なお、本発明において、着色樹脂粒子に「固着」しているアルミナ微粒子は次のようにして定量する:1リットルの水中に、トナー100gと界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を5ml加えトナー懸濁液とする。このトナー懸濁液を超音波分散機(100W)で1分間分散処理した後、トナーをろ過し乾燥させる。乾燥後のトナーの表面に残留するアルミナ微粒子を、蛍光X線分析装置(XPS)で定量する。
アルミナ微粒子の固着量は、着色樹脂粒子100重量部に対して0.1〜1重量部であることが重要である。アルミナ微粒子の固着量が0.1重量部以下では外添剤を剥離する効果が十分に得られず、1重量部以上では感光体の過度な磨耗を促進するためである。
個数平均粒径が50〜300nmの六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子は、任意の公知の技術により作製してもよいが、市販品、例えばバイコウスキー社の製品(商品名:バイカロックス 0.3CR、0.1CR、0.05CR)を使用してもよい。
本発明の二成分現像剤において、キャリアは、フェライト粒子から選択されるコア粒子と該コア粒子の表面に設けられた樹脂の被覆層とから構成される体積平均粒径が25〜60μmの被覆コア粒子であることは、本発明の二成分現像剤が高画質画像を形成する上で重要な役割を果たす。被覆コア粒子の体積平均粒径が25μm以上であることにより、必要な磁力が容易に発生し、感光体へのキャリア付着に起因する画像の白抜けが発生し難くなり、60μm以下であることにより、十分な比表面積が得られ、小粒径トナー(例えば、体積平均粒径が4〜9μmのトナー)の帯電量を安定化させ易くなる。
本発明の二成分現像剤は、ナウターミキサーなどの混合機でトナーとキャリアとを混合することによって作製できる。通常、キャリア100重量部に対してトナー3〜15重量部の割合で混合される。
また、本発明の二成分現像剤において、キャリア表面における着色樹脂粒子(トナー粒子)での被覆率は、40〜70%であることが好ましい。40%未満になると十分な画像濃度を得ることが難しくなり、70%を超えると攪拌ローラにおける補給されたトナーの混ざり込みが不十分となり、帯電不良による画像上のカブリが発生し易くなる。
ここで、キャリア表面における着色樹脂粒子の被覆率は、次式より求まる値とする:被覆率=(二成分現像剤中に含有される着色粒子の総断面面積)/(二成分現像剤中に含有されるキャリアの総比表面積)×100。総断面面積及び総比表面積は、体積平均粒径から球形モデルで算出できる。
次に、本発明の二成分現像剤の作製に用いられるトナー及びキャリアの材料、作製方法等について説明する。
(トナー)
トナーは、六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子を固着した着色樹脂粒子表面に、外添剤を、例えばヘンシェルミキサなどの気流混合機を用いて、外添することによって作製できる。
着色樹脂粒子表面へのアルミナ微粒子の固着方法としては、アルミナ微粒子を一部埋没状態で着色樹脂粒子(トナー粒子)表面に固定させることが可能である限り特に制限されず、例えば機械的エネルギー付与装置を用いるメカノケミカル手法を用いることができる。機械的エネルギー付与装置としては、ハイブリダイザー((株)奈良機械製作所製)、自由ミル((株)奈良機械製作所製)、オングミル(ホソカワミクロン(株)製)、クリプトロン(川崎重工(株)製)等が使用できる。また、気流混合機も、撹拌羽根の先端速度を高めることにより使用できる。
アルミナ微粒子を固着する際には、固着を促進するために、加温してもよく、更にその後に冷却してもよい。温度制御方法としては、例えば、混合/固着室内に設置された温度計により該室内の循環空気の温度を測定しながら、該混合/固着室又は装置全体の周囲に設置したジャケットに加温/冷却媒体(例えば、水、オイル)を循環させる。
着色樹脂粒子は、混練粉砕法や重合法などの公知の方法によって作製できる。一例として、混練粉砕法においては、バインダー樹脂、着色剤及び離型剤、任意に、帯電制御剤その他の添加剤を、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル、Q型ミキサなどの混合機により混合し、得られる原料混合物を二軸混練機、一軸混練機などの混練機により70〜180℃程度の温度にて溶融混練し、得られる混練物を冷却固化し、固化物をジェットミルなどのエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことにより作製できる。
本発明において、着色樹脂粒子の体積平均粒径は、コールターカウンター法により求まる値とする。コールターカウンター法による体積平均粒径の測定は、例えば、コールター社製のコールターカウンターで100μmのアパチャーを用いて行うことができる。
具体的には、測定装置として、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いることができる。電解液は一級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては前記電解液水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を、0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパチャーとして100μmアパチャーを用い、トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。
着色樹脂粒子として、体積抵抗率が1×109〜2×1011Ω・cmの着色樹脂粒子を使用できる。このような着色樹脂粒子は、バインダー樹脂中に、カーボンブラックや酸化チタンなどの導電剤を適宜添加することによって得られる。特に、黒トナーに限定されるが、導電剤として吸油量が90〜170ml/100gのカーボンブラックは、バインダー樹脂中への分散性に優れ、体積抵抗率が安定し易いことから好ましい。
着色樹脂粒子の体積抵抗率の測定は下記の手順で行う。まず、気温25℃、湿度50%の環境下において、24時間放置した後の着色樹脂粒子を2枚の銅板電極の間に挟み、プレス圧力が100kg/cm2で、銅板電極間距離が8mm〜10mmとなる圧紛体を作製した。次に、電界強度として500V/cmの電圧を印加し、15秒後の抵抗を測定し、その値を着色樹脂粒子の体積抵抗率とした。
着色樹脂粒子のBET比表面積は、1.5〜1.9m2/gであることが好ましい。BET比表面積が1.9m2/g以下であると、外添剤が凹部に入り込み過ぎることなく、外添剤をより均一に表面に付着させることが容易にできる。その結果、外添剤のもつコロ効果(流動性を良くする効果)やスペーサ効果(電荷のリークを防ぐ)がより十分に発揮され、カブリやトナー飛散が更に発生し難くなる。1.5m2/g以上であることで着色樹脂粒子表面が平滑になり過ぎず、クリーニング不良の発生がより少なくなり、その結果カブリの発生も更に少なくなる。
BET比表面積の制御方法として、公知の方法が使用でき、例えば、高速で着色樹脂粒子を円筒状の配管の中を回転させて角をとる方法や、熱気流中で瞬間的にトナーを溶融させるサフュージョンシステムなどの方法がある。BET比表面積の測定値は、BET比表面積測定装置ジェミニ2360(島津製作所(株)製)を用いた3点測定法で得られた測定値とする。
本発明において、バインダー樹脂としては、公知の各種スチレン・アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などが使用できるが、特に線形又は非線形のポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、機械的強度(微粉が発生し難い)、定着性(定着後に紙から剥離し難い)、及び耐ホットオフセット性を同時に充足できる点で優れている。
ポリエステル樹脂は、2価以上の多価アルコールと多塩基酸からなるモノマー組成物を重合することにより得られる。
ポリエステル樹脂の重合に用いられる2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、その他を挙げることができる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その他を挙げることができる。
2価の多塩基酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル、又はn−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類若しくはアルキルコハク酸類を挙げることができる。
3価以上の多塩基酸としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、及びこれらの無水物などを挙げることができる。
本発明において、着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料や染料を使用できる。
具体的には、黒トナー用には、カーボンブラックやマグネタイトなどが挙げられる。
イエロートナー用には、C.I.ピグメント・イエロー1、同3、同74、同97、同98等のアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー12、同13、同14、同17等のアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー93、同155等の縮合モノアゾ系黄色顔料;C.I.ピグメント・イエロー180、同150、同185等のその他黄色顔料、C.I.ソルベント・イエロー19、同77、同79、C.I.ディスパース・イエロー164等の黄色染料などが例示できる。
マゼンタトナー用には、C.I.ピグメント・レッド48、同49:1、同53:1、同57、同57:1、同81、同122、同5、同146、同184、同238;C.I.ピグメント・バイオレット19等の赤色又は紅色顔料;C.I.ソルベント・レッド49、同52、同58、同8等の赤色系染料などが例示できる。
シアントナー用には、C.I.ピグメント・ブルー15:3、同15:4等の銅フタロシアニン及びその誘導体の青色系染顔料;C.I.ピグメント・グリーン7、同36(フタロシアニン・グリーン)等の緑色顔料などが例示できる。
これら着色剤の添加量としては、バインダー樹脂100重量部に対して1〜15重量部の範囲内であることが好ましく、2〜10重量部の範囲内がさらに好ましい。
離型剤としては、当該分野において使用され得る任意の離型剤(例えば、ワックス)を使用できる。ワックスとしては、公知の各種ワックスが使用できるが、具体的にはポリプロピレン、ポリエチレン等の合成ワックスやパラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体等の石油系ワックス及びその変成ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックスなどを挙げることができる。これらワックスをトナー中に含有させることにより、定着ローラ又は定着ベルトに対するトナーの離型性を高めることができ、定着時の高温・低温オフセットを防止することができる。
これらワックスの添加量としては、特に制限されないが、一般的には、バインダー樹脂100重量部に対して1〜5重量部の範囲内が好ましい。
着色樹脂粒子はまた帯電制御剤を含んでもよい。帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤が使用できるが、具体的には負帯電性を付与する帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸又はその誘導体のクロム/亜鉛/アルミニウム/ホウ素錯体又は塩化合物、ナフトール酸又はその誘導体のクロム/亜鉛/アルミニウム/ホウ素錯体又は塩化合物、ベンジル酸又はその誘導体のクロム/亜鉛/アルミニウム/ホウ素錯体又は塩化合物、長鎖アルキル カルボン酸塩、長鎖アルキル スルフォン酸塩などを挙げることができる。(上記で、「クロム/亜鉛/アルミニウム/ホウ素錯体又は塩化合物」は、クロム錯体又はクロム塩化合物、亜鉛錯体又は亜鉛塩化合物、アルミニウム錯体又はアルミニウム塩化合物、又はホウ素錯体又はホウ素塩化合物を意味する。)
正荷電性トナー用帯電制御剤としては、ニグロシン染料及びその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩等の誘導体などを挙げることができる。
これらの帯電制御剤の添加量としては、バインダー樹脂100重量部に対して0.1重量部〜20重量部の範囲内がより好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲内がさらに好ましい。
トナーには、個数平均粒径が20〜150nmの外添剤に加えて、初期流動性を更に高める目的で、一次粒径(個数平均粒径)が5〜18nmの小粒径外添剤を追加してもよい。
本発明において、外添剤の個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて外添剤を撮影し、得られた画像から任意に100個の外添剤の粒径を測定し、得られた粒径の平均値を意味する。
外添剤及び小粒径外添剤として、具体的には、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子などの無機微粒子や、無機微粒子をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの表面処理剤で処理(特に疎水化処理)することによって得られる粒子を用いることができる。シランカップリング剤としてヘキサメチルジシラザンを用いてシリカ微粒子を処理して得られる外添剤は、疎水性に優れ、高湿環境下においても高い流動性が得られるので好ましい。ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子はまた、抵抗が高く、高湿環境下においてもトナーの帯電量が安定する点でも好ましい。
アルミナ微粒子を除く外添剤の添加量としては、着色樹脂粒子100重量部に対して0.5〜2重量部の範囲内が好ましい。添加量が少なすぎると、外添剤の効果が得られ難く、逆に添加量が多すぎると定着性が低下するため、外添剤によって着色樹脂粒子表面が適度に覆われる程度の被覆率(例えば、20%〜80%)となるように、外添剤を添加することが好ましい。ここでいう「被覆率」は、次式により求まる値とする:被覆率=(着色樹脂粒子に含有される外添剤の総断面面積)/(着色樹脂粒子の総比表面積)×100。なお、総断面面積及び総比表面積は、体積平均粒径から球形モデルで算出できる。
(キャリア)
キャリアは、フェライト粒子から選択される粒子をスプレー法や流動床法、及びニーダーコーター法など公知の方法により樹脂で被覆することによって作製できる。具体的には、樹脂をトルエンやキシレンなどに溶解した有機溶媒溶液中にコア粒子を浸漬させる浸漬法、樹脂の有機溶媒溶液をコア粒子に噴霧するスプレー法、コア粒子を流動エアにより浮遊させた状態で該樹脂の有機溶媒溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でコア粒子と該樹脂の有機溶媒溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。該樹脂の有機溶媒溶液には、必要に応じて、該樹脂とともに抵抗値制御用の導電剤が添加されてもよい。コア粒子表面に被覆された樹脂は、固定式加熱装置又はオーブンにおいて180〜280℃に加熱して熱硬化させてもよい。
キャリアの体積平均粒径としては、小さすぎると、現像時に現像ローラから感光体にキャリアが移動することにより、得られる画像に白抜けが発生し、大きすぎるとドット再現性が悪くなり、画像が粗くなるので、25〜60μmの範囲内であることが好ましい。
本発明において、キャリアの体積平均粒径は、レーザ回折散乱法により求まる値とする。レーザ回折散乱法による体積平均粒径の測定は、例えば、粒度分布測定装置MT3300(日機装(株)製)を用いて行うことができる。
また、キャリアの飽和磁化は、低いほど感光体と接する磁気ブラシが柔らかくなるので、静電潜像に忠実な画像が得られるが、低すぎると、感光体表面にキャリアが付着し白抜け現象が発生し易くなる一方、高すぎると、磁気ブラシの剛直化により静電潜像に忠実な画像が得られ難くなるので、30〜100emu/gの範囲内であることが好ましい。
本発明においては、飽和磁化は、東英工業株式会社製のVSMP−1を取扱説明書に従って用いて測定した値をいう。
さらに、キャリアの体積抵抗率は、1×109〜1×1014Ω・cmが好ましい。キャリアの体積抵抗率がこの範囲内にあることにより、キャリア表面へのトナー及び/又はトナー外添剤の静電付着力が抑えられ、フィルミングの発生を少なくできる。加えて、画像のエッジ効果や、トナーの帯電上昇、並びに感光体へのキャリア付着が抑えられ、画像の白抜けが防止される。
本発明において、キャリアの体積抵抗率はブリッジ法で測定した値をいう。キャリアの抵抗値は、気温25℃、湿度50%の環境条件下、2.0mmの間隙を設けて設置される幅30mm、高さ10mmの2枚の銅板電極間に0.2gのキャリアを充填し、N極とS極が対向するように各銅板電極の外側に配置される2つの磁石(220mT)の磁力線によって、キャリアによるブリッジを形成させた状態で、500Vの電圧印加の30秒後に測定する。
コア粒子としては、公知のフェライト粒子が使用できる。具体的には、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライトなどを挙げることができる。
これらのフェライト粒子は、公知の方法で作製できる。例えば、Fe23とMg(OH)2などのフェライト原料を混合し、この混合粉を加熱炉で加熱して仮焼する。得られた仮焼品を冷却後、振動ミルで平均粒径が約2μm以下の粒子となるように粉砕し、粉砕粉に分散剤と水を加えてスラリーを作製する。このスラリーを湿式ボールミルで湿式粉砕し、得られる懸濁液をスプレードライヤーで造粒乾燥することによって、平均体積粒径が約25〜60μmのフェライト粒子を作製することができる。
被覆用の樹脂としては、公知の樹脂材料が使用できる。具体的には、シリコーン樹脂やアクリル樹脂などを挙げることができるが、表面エネルギーが低く、外添剤やワックスが付着し難い熱硬化性ストレートシリコーン樹脂を用いることがより好ましい。熱硬化性ストレートシリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂及びメチルハイドロジェンシリコーン樹脂が挙げられ、下記に示すように、Si原子に結合する水酸基同士が加熱脱水反応などによって架橋して硬化する公知のシリコーン樹脂である。
Figure 2009192722
〔式中、複数のRは同一又は異なって1価の有機基を示す。〕
1価の有機基Rは、例えばメチル基、フェニル基、エチル基、プロピル基であり得るが、メチル基が好ましい。Rがメチル基である架橋型(熱硬化)シリコーン樹脂は架橋構造が緻密であることから、撥水性、耐湿性などの良好なキャリアが得られる。ただし、架橋構造が緻密になりすぎると、樹脂被覆層が脆くなる傾向があるので、架橋型シリコーン樹脂の分子量の選択が重要である。
また、架橋型シリコーン樹脂中の珪素と炭素の重量比(Si/C)が0.3〜2.2であることが好ましい。Si/Cが0.3未満では、樹脂被覆層の硬度が低下し、キャリア寿命などが低下するおそれがある。Si/Cが2.2を超えると、キャリアのトナーに対する電荷付与性が温度変化による影響を受け易くなり、樹脂被覆層が脆化するおそれがある。ストレートシリコーン樹脂の数平均分子量は、例えば4000〜20000であり、好ましくは8000〜15000である。
熱硬化性ストレートシリコーン樹脂は、ストレートシリコーン樹脂から適宜選択できる。熱硬化性ストレートシリコーン樹脂としては公知のものが使用でき、例えば、商品名:SR2405、SR2406、SR2410、SR2411(以上、東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:TSR115、TSR114、TSR102、TSR103、YR3061、TSR110、TSR116、TSR117、TSR108、TSR109、TSR180、TSR181、TSR187、TSR144、TSR165(以上、GE東芝シリコーン(株)製)や、商品名:KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR267、KR269、KR211、KR212(以上、信越化学工業(株)製)などが挙げられる。樹脂の添加量としては、コア粒子100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
樹脂の被覆層には、キャリアの体積抵抗率値を制御するために、導電剤を含ませてもよい。導電剤としては、例えば、酸化ケイ素、アルミナ、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの導電剤が挙げられる。これらの導電剤の中でも、作製安定性、コスト、電気抵抗の低さという観点からカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が90〜170ml/100gの範囲にあるものが、作製安定性に優れる点で好ましい。また、一次粒径(走査型電子顕微鏡を用いて例えば約200個を測定した個数平均値)として50nm以下のものが分散性に優れるため特に好ましい。導電剤は1種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。導電剤の添加量としては、樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、現像剤として上記で説明した本発明に係る二成分現像剤を用いる限り特定の方法に限定されず、二成分現像剤を用いる電子写真方式の画像形成方法をいずれも採用できる。
例えば、本発明の画像形成方法は、感光体の表面を均一に帯電させ;帯電した感光体表面を画像情報に従って露光して該画像情報に対応する静電潜像を形成し;感光体表面に形成された静電潜像を本発明に係る前述の二成分現像剤を用いて現像し;現像された像(トナー像)を転写材に転写し;転写材上でトナー像を定着させ(固定し);感光体表面に残留するトナーを除去・回収し;感光体表面に残留する電荷を除去することを含んでなる単色画像又は多色画像の形成方法であり得る。
本発明の画像形成方法は、例えば、下記で説明する画形成装置を用いて実施できる。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、現像剤として前述の本発明に係る二成分現像剤を用いる限り、他の構成について特定のものに限定されず、二成分現像剤を用いる電子写真方式の画像形成装置の構成として公知のものをいずれも採用できる。
例えば、本発明の画像形成装置は、表面に静電潜像が形成される感光体と、感光体表面を帯電させる帯電装置と、感光体表面に静電潜像を形成する露光装置と、本発明に係る二成分現像剤を収容し且つ感光体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、感光体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、感光体表面を清浄化するクリーニング装置と、トナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを含んで構成され得る。
本発明の画像形成装置は、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機であり得る。
本発明の画像形成装置について図を参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一形態の構成を簡略化して示す配置側面図である。例示されている画像形成装置は、4つの画像形成ユニット1〜4を備えるタンデム方式のカラー画像形成装置である。このうち、参照符号1にて示すのが、黒トナー画像を形成するための第1画像形成ユニット1であり、参照符号2にて示すのが、シアントナー画像を形成するための第2画像形成ユニット2、参照符号3にて示すのが、マゼンタトナー画像を形成するための第3画像形成ユニット3、参照符号4にて示すのが、イエロートナー画像を形成するための第4画像形成ユニット4である。
これら4つの画像形成ユニット1〜4の上方には、中間転写ベルト(無端ベルト)5が配設されている。中間転写ベルト5は、2つの支持ロール6に架け渡され、矢印Rにて示す方向に回転するようになっている。以降、中間転写ベルト5の回転方向に対し、二次転写ローラ8が配置されている二次転写位置(記録媒体への画像の転写位置)を基準として、上流及び下流を表現する。中間転写ベルト5の材料としては、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂に電子伝導性導電剤を適当量含有させたものが使用できる。
4つの画像形成ユニット1〜4は、上流側から、第1画像形成ユニット1(ブラック)、第2画像形成ユニット2(シアン)、第3画像形成ユニット3(マゼンタ)、第4画像形成ユニット4(イエロー)の順に配置されている。
中間転写ベルト5の内側には、各画像形成ユニット1〜4で形成された単色トナー画像を中間転写ベルト5上に転写する一次転写ローラ7が、画像形成ユニット1〜4のそれぞれの感光体ドラムに対向するように設けられている。各画像形成ユニット1〜4で形成された単色トナー画像は、中間転写ベルト5上に重なり合うように転写され、1つのカラー画像を形成する。
中間転写ベルト5の回転方向Rの第4画像形成ユニット4(イエロー)より下流側には、中間転写ベルト5上に形成されたカラー画像を用紙(記録媒体)に転写する二次転写ローラ8が配設されている。
中間転写ベルト5の回転方向Rの二次転写ローラ8より下流側であって第1画像形成ユニット1より上流側には、中間転写ベルト5の表面をクリーニングするためのベルトクリーニングユニット10が設けられている。ベルトクリーニングユニット10は、中間転写ベルト5に接触配置されるベルトクリーニングブラシ11と、ベルトクリーニングブレード12とを有している。ベルトクリーニングブレード12は、ベルトクリーニングブラシ11の下流側に配置される。
画像形成ユニット1〜4の下方には、用紙を収容するトレー14が配設されている。トレー14内の用紙は、複数の給紙ローラ13にて、二次転写ローラ8が中間転写ベルト5と対向する二次転写位置まで搬送される。矢印Pにて、用紙の搬送方向を示す。
用紙の搬送方向Pの二次転写ローラ8より下流側には、用紙に転写されたカラー画像を用紙上に定着するための定着ユニット15が設けられている。定着ユニット15の更に下流側には、カラー画像が定着された用紙を画像形成装置から排出する排紙ローラ13aが設けられている。
上記のような構成において、画像形成ユニット1〜4で形成されたそれぞれの単色トナー画像は、中間転写ベルト5上へ順次転写されて、中間転写ベルト5上に1つのカラー画像が形成される。中間転写ベルト5上のカラー画像は、二次転写位置において、給紙ローラ13にて搬送される用紙へと二次転写され、その後、定着ユニット15にて用紙に定着される。カラー画像が定着された用紙は、排紙ローラ13aにて画像形成装置から排出される。一方、二次転写後、用紙に転写さないまま中間転写ベルト5上に残ったトナーは、ベルトクリーニングユニット10にて取り除かれる。
図2は、図1に示す第1画像形成ユニット1を示している。なお、第2画像形成ユニット2、第3画像形成ユニット3、及び第4画像形成ユニット4の構成は、実質的に同じ構成である。したがって、第2画像形成ユニット2、第3画像形成ユニット3、及び第4画像形成ユニット4の構成の詳細な説明は省略する。
感光体ドラム16の周囲には、感光体ドラム16を帯電させる帯電器17、感光体ドラム16上に静電潜像を書き込む露光器18、感光体ドラム16上の静電潜像を可視化する現像装置19、一次転写後に感光体ドラム16上に残留するトナーを含む残留物を除去する感光体ドラムクリーナ20が配置される。
帯電器17は、例えばスコロトロン帯電器からなり、感光体ドラム16に対しコロナ放電を行って感光体ドラム16を所定の電位に帯電させる。なお、コロトロン帯電器や、帯電ローラや帯電ブラシを用いた接触型帯電器より構成することもできる。
露光器18は、例えばレーザ露光器からなり、画像信号に応じたレーザ走査による露光を行い、帯電器17によって帯電された感光体ドラム16の表面電位を変化させることで、画像情報に応じた静電潜像を形成する。露光器としては、LEDアレイ装置等も用いることができる。
現像装置19は、現像槽27内部に本発明に係る二成分現像剤を収容し、現像剤に含まれるトナーにて、感光体ドラム16表面の静電潜像を現像する。二成分現像剤は、トナーの帯電量が安定するように、現像槽27内で撹拌機構によりトナーとキャリアとを均一に混合される。
感光体ドラムクリーナ20は、クリーニングブレード21と、クリーナハウジング22と、シール23とを備えている。
クリーニングブレード21は、感光体ドラム16の回転方向Rdに対してカウンタ方向に圧接配置され、感光体ドラム16表面の残留物を掻き取るものである。クリーナハウジング22は、掻き取られた残留物を収容するもので、クリーニングブレード21はクリーナハウジング22に取り付けられている。シール23は、クリーナハウジング22内部をシールするもので、感光体ドラム16の回転方向Rdのクリーニングブレード21より上流側において、一端がクリーナハウジング22に固定されると共に、他端が感光体ドラム16に接触配置されている。
図3は、図2に示した現像装置19をより詳細に説明する図である。
現像装置19は、本発明に係る二成分現像剤31(以下、単に現像剤と称することもある)が収容される現像槽27を備えており、現像槽27には、感光体ドラム16の外周面に臨む位置に開放部30が設けられている。
現像槽27内部であって、開放部30に臨む位置には、外周面に現像剤を担持して搬送することで感光体ドラム16に現像剤を供給し、前記静電潜像を現像するための現像ローラ24が設けられている。現像ローラ24は、感光体ドラム16の外周面と所定の間隙を設けて配置されている。
現像ローラ24は、複数の周方向位置に断面形状が長方形の棒磁石からなる磁極N1、N2、N3及び磁極S1、S2が離隔して放射状に配置された多極着磁の多極着磁部材25と、多極着磁部材25に回転自在に外嵌された非磁性のスリーブ26とを備えている。
多極着磁部材25は両端部が現像槽27の両側壁に非回転に支持されており、磁極N1(ピーク値110mT)は感光体ドラム16の回転中心に向かう位置に、磁極S1(ピーク値=−78mT)は磁極N1から上流側例えば59°の位置に、磁極N2(ピーク値=56mT)は磁極N1から上流側例えば117°の位置に、磁極N3(ピーク値=42mT)は磁極N1から上流側例えば224°の位置に、磁極S2(ピーク値=−80mT)は磁極N1から上流側例えば282°の位置にそれぞれ配置されている。
スリーブ26の感光体ドラム16外周面との最近接位置より現像剤搬送方向(スリーブ回転方向)上流側には、スリーブ26に担持される現像剤層の厚みを規制して、現像剤の静電潜像への搬送量を規制する規制部材28が設けられている。規制部材28は、スリーブ26表面に対して所定の間隔を隔てて配置されている。
現像槽27内部であって、現像ローラ24に臨む位置には、現像槽27内部の現像剤31を撹拌すると共に現像ローラ24へと供給する撹拌部材29が、回転自在に設けられている。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<トナー>
実施例及び比較例の二成分現像剤中のトナーを、以下に示す方法で作製した。
・バインダー樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキシド、テレフタル酸又は無水トリメリット酸を単量体として重縮合して得られるポリエステル樹脂:HB-7140、花王(株)製;ガラス転移温度64℃、軟化温度115℃) 100重量部
・着色剤(C.I.ピグメント・ブルー15:3;Colorte×Blue D904、山陽色素(株)製) 5重量部
・帯電制御剤(ホウ素化合物:LR−147、日本カーリット(株)製) 2重量部
・炭化水素系ワックス(パラフィンワックスHNP−9、日本精蝋(株)製;融点75℃) 2.5重量部
上記トナー材料をヘンシェルミキサにて10分間混合した後、混練分散処理装置(ニーディックスMOS140−800:三井鉱山(株)製)で140℃にて溶融混練分散処理した。その混練物を冷却固化後にカッティングミルで粗粉砕し、次いでジェット式粉砕機(IDS−2型:日本ニューマチック工業(株)製)によって微粉砕した後、風力分級機(MP−250型:日本ニューマチック工業(株)製)を用いて分級を行うことによって体積平均粒径が6.5±0.1μm、BET比表面積が1.8±0.1m2/g、体積抵抗率が2×1010Ω・cmとなる着色樹脂粒子を得た。体積平均粒径はコールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター(株)製)で測定した。
得られた着色樹脂粒子100重量部と、個数平均粒径が50nmのアルミナ微粒子(立方晶アルミナ;バイカロックス 0.05CR:バイコウスキー社製)0.5重量部を、ジャケットを備える気流混合機(ヘンシェルミキサ:三井鉱山(株)製)に投入し、水温40℃の水をジャケットに循環させながら、撹拌羽根の先端速度を40m/秒で10分間撹拌した。
次に、水温15℃の水をジャケットに循環させて気流混合機内を冷却した後、さらに個数平均粒径が12nmのヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ微粒子(R−8200、日本アエロジル(株)製)1重量部と、個数平均粒径が110nmのヘキサメチルジシラザンで表面処理したシリカ微粒子(X−24、信越アステック(株)製)1.5重量部を気流混合機内に投入し、撹拌羽根の先端速度を15m/秒で2分間撹拌することによって負帯電性のトナーT1を作製した。
外添剤の個数平均粒径及び添加量、アルミナ微粒子の個数平均粒径及び添加量が異なる点を除いて、トナーT1と同様の方法で、表1に示すトナーT2〜T26を作製した。
また、トナーT1に使用したものと同様の材料及び方法ではあるが体積平均粒子が異なる着色樹脂粒子を用いて表1に示すトナーT27及びT28を作製した。
Figure 2009192722
<キャリア>
実施例及び比較例の二成分現像剤中のキャリアは、次に示す方法により作製した。
フェライト原料MgO(含有量:3%)、MnO(20%)及びFe23(77%)をボールミルにて混合した後、ロータリーキルンにて900℃で仮焼し、得られた仮焼粉を、湿式粉砕機により粉砕媒体としてスチールボールを用いて平均粒径2μm以下にまで微粉砕した。
得られたフェライト微粉末をスプレードライ方式により造粒し、造粒物を1300℃で焼成した。焼成後、クラッシャを用いて解砕し、体積平均粒径(レーザ回折散乱法による)が約40μm、体積抵抗率が1×107〜1×108Ω・cm(キャリアに関して上述したブリッジ法による)のフェライト成分からなるコア粒子を得た。
次にコア粒子を被覆するための被覆用塗液として、コア粒子100重量部に対して熱硬化性ストレートシリコーン樹脂(数平均分子量:12000;KR271、信越化学工業(株)製)2.5重量部と、熱硬化性ストレートシリコーン樹脂100重量部に対してカーボンブラック(一次粒径25nm、吸油量150ml/100g)5重量部とをトルエンにて溶解及び分散し、被覆用塗液を調製した。
調製した被覆用塗液を、スプレー被覆装置(SPIRA COTA(登録商標)、岡田精工(株)製)で60分間コーティングすることによりトルエンを完全に蒸発除去し、前記フェライト成分からなるコア粒子に被覆した。その後、240℃に加熱して熱硬化性ストレートシリコーン樹脂を硬化させてキャリアC1(体積平均粒径40μm)を作製した。
コア粒子の体積平均粒径、被覆用樹脂の種類と添加量が異なる点を除いて、キャリアC1と同様の方法で、表2に示すキャリアC2〜C13を作製した。なお、キャリアC9には、熱可塑性スチレンアクリル樹脂として、スチレン-ブチルメタクリレート共重合体(数平均分子量:5.2×104、ガラス転移点:78℃)を用い、キャリアC10には、熱可塑性スチレンアクリル樹脂として、スチレン-メチルメタクリレート-ブチルメタクリレート共重合体(数平均分子量:4.8×104、ガラス転移点:90℃)を用いて作製した。
Figure 2009192722
<二成分現像剤>
トナー(T1〜T28)とキャリア(C1〜C13)とを混合することにより、表3に示す実施例1〜24及び比較例1〜16の二成分現像剤を作製した。トナーとキャリアの混合については、キャリア表面におけるトナー粒子での被覆率が表3に示す値となるようなトナー量とキャリア量(混合比)を決定し、ナウターミキサー(VL−0、ホソカワミクロン(株)製)にて40分間撹拌混合することにより行った。
Figure 2009192722
<画像評価>
作製した二成分現像剤について、図1に示す画像形成装置(デジタルフルカラー複合機:MX-4500N、シャープ(株)製の改造機)を用いて連続プリントテストを行った。連続プリントテストは、画像形成装置の4つの画像形成ユニットのうち画像形成ユニット1のみを用い、これに実施例及び比較例の二成分現像剤を充填して行った。画像形成装置の現像条件として、感光体の周速を400mm/秒、現像ローラの周速560mm/秒、感光体と現像ローラのギャップを0.45mm、現像ローラと規制ブレードのギャップを0.4mmに設定し、ベタ画像(100%濃度)における紙上のトナー付着量が0.5mg/cm2、非画像部におけるトナー付着量が最も少なくなる条件に、感光体の表面電位及び現像バイアスをそれぞれ調整した。試験紙として、A4サイズの電子写真用紙(マルチレシーバー:シャープドキュメントシステム(株)製)を使用した。
紙の上に記録されるプリント画像のカバレージが5%となるテキスト画像での50K(50,000)枚のプリントテストの前後に、トナー帯電量の測定、画像濃度とカブリの評価、搬送不良の評価を行った。
トナー帯電量については、吸引式小型帯電量測定装置(210HS−2A:トレックジャパン(株)製)を用いて測定した。その際、初期と50K後の帯電量差が5μC/g未満であれば良好とし、5以上8μC/g未満であればやや不良とし、8μC/g以上であれば不良とした。
画像濃度については、一辺が2.4cmのベタ画像(100%濃度)を紙上の中央部1ヶ所にプリントし、反射濃度計(マクベス社製:RD918)を用いて測定した。その際、画像濃度が初期と50K後の両方とも1.3以上(紙の繊維がトナーで完全に覆われた状態)であれば良好とし、初期と50K後のどちらか一方でも1.2以上1.3未満であればやや不良とし、初期と50K後のどちらか一方でも1.2未満(紙の繊維がトナーで不十分にしか覆われていない状態)であれば不良とした。
カブリ濃度については、非画像部(0%濃度)の濃度を次の手順により算出した。白度計(Z−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM:日本電色工業(株)製)を用いて、プリント前の紙の白色度W1及びプリント後の紙の非画像部における白色度W2を測定し、両者の白色度の差(W1−W2)をカブリ度として求めた。カブリ濃度が初期と50K後の両方とも0.6未満(肉眼ではカブリがほとんど見えない状態)であれば良好とし、初期と50K後のどちらか一方でも0.6以上1.0未満であればやや不良とし、初期と50K後のどちらか一方でも1.0以上(肉眼ではカブリが明確に見える状態)であれば不良とした。
搬送不良の評価については、一辺が2.4cmのベタ画像(100%濃度)を紙上の中央部1ヶ所と中央部より画像形成装置の前後方向10cmの位置に各1ヶ所の計3ヶ所にプリントし、前記反射濃度計(マクベス社製:RD918)を用いて測定した。その際、3ヶ所の画像濃度差が初期と50K後の両方とも0.1未満であれば良好とし、初期と50K後のどちらか一方でも0.1以上0.2未満であればやや不良とし、初期と50K後のどちらか一方でも0.2以上であれば不良とした。
<結果>
連続プリントテスト結果を表3に示す。
実施例1〜24に示されるように、本発明の二成分現像剤の連続プリントテストにおいては、50K枚の画像形成後にも、帯電不良や搬送不良は無く、良好な画像濃度とカブリの無い画像が得られた。ただし、実施例15〜22については、画像濃度もしくはカブリの初期と50K後の変動がやや大きい結果となった。
一方、比較例1〜16においては、帯電不良や搬送不良による画像上のかぶりや白抜けが発生した。
本発明の画像形成装置の一実施形態を示す図である。 本発明の画像形成装置における画像形成ユニットの一形態を示す拡大図である。 本発明の画像形成装置における現像装置の一態様を示す拡大図である。
符号の説明
1〜4 第1〜第4画像形成ユニット、5 中間転写ベルト、6 支持ロール、7 一次転写ローラ、8 二次転写ローラ、10 ベルトクリーニングユニット、11 ベルトクリーニングブラシ、12 ベルトクリーニングブレード、13 給紙ローラ、13a 排紙ローラ、14 トレー、15 定着ユニット、16 感光体ドラム、17 帯電器、18 露光器、19 現像装置、20 感光体ドラムクリーナ、21 クリーニングブレード、22 クリーナハウジング、23 シール、24 現像ローラ、25 多極着磁部材、26 スリーブ、27 現像槽、28 規制部材、29 撹拌部材、30 開放部、31 二成分現像剤、N,S 磁極、R 中間転写ベルトの回転方向、P 用紙の搬送方向、Rd 感光体ドラム16の回転方向

Claims (9)

  1. トナーとキャリアとから構成され、前記トナーは、離型剤を含有する体積平均粒径が4〜9μmの着色樹脂粒子と、該着色樹脂粒子100重量部に対して0.1〜1重量部の割合で該着色樹脂粒子の表面に固着された個数平均粒径が50〜300nmの六方晶又は立方晶のアルミナ微粒子と、個数平均粒径が20〜150nmの外添剤とを含んでなり、前記キャリアは、フェライト粒子と該フェライト粒子の表面を被覆する樹脂層とを含んでなり、該キャリアの体積平均粒径は25〜60μmであることを特徴とする二成分現像剤。
  2. 前記樹脂層が熱硬化ストレートシリコーン樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の二成分現像剤。
  3. 前記キャリアが、1×109〜1×1014Ω・cmの体積抵抗率を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の二成分現像剤。
  4. 前記樹脂層が導電剤を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二成分現像剤。
  5. 前記外添剤が、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたシリカ微粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の二成分現像剤。
  6. 前記着色樹脂粒子が、1.5〜1.9m2/gのBET比表面積を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の二成分現像剤。
  7. 前記キャリアの表面において前記着色樹脂粒子での被覆率が40〜70%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の二成分現像剤。
  8. 現像剤として請求項1〜7のいずれか1項に記載の二成分現像剤を用いることを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
  9. 現像剤として請求項1〜7のいずれか1項に記載の二成分現像剤を用いることを特徴とする電子写真方式の画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012063636A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Ricoh Co Ltd トナーの製造方法及びトナー
JP2015004935A (ja) * 2013-06-24 2015-01-08 シャープ株式会社 二成分現像剤及びそれを用いた画像形成装置
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