JP2008040207A - 二成分現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温定着によっても十分な定着強度で定着され、また長期間にわたって高い均一性でトナーが帯電され、その結果、長期間にわたって良好な画質の画像を形成することのできる二成分現像剤を提供することにある。
【解決手段】 二成分現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有するトナーと、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなるキャリアとからなるものであって、前記トナーに含有される離型剤が、融点が60〜100℃、かつ、動粘度が4〜20mm2 /sであるものよりなると共に、前記キャリアが、形状係数SF−1が1.0〜1.2、形状係数SF−2が1.1〜2.5、体積基準のメジアン径が10〜100μmであるものよりなることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる二成分現像剤に関する。
最近、電子写真法による画像形成装置の省エネルギー化の要請において、当該画像形成装置において電力を最も消費する定着装置における消費エネルギーを低下させるために、低い定着温度で定着させる低温定着が進められている。低温定着を達成するためには、トナーに含有される離型剤として、融点の低いものを用いることが提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
しかしながら、融点の低い離型剤のうち動粘度がある範囲にあるものを含有するトナーによる二成分現像剤を使用した場合に、離型剤がトナーからキャリア表面に移行し、その結果、現像剤が早期に劣化してトナーの帯電性が低下してしまうという問題がある。
特開2000−321815号公報 特開2000−275908号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、低温定着によっても十分な定着強度で定着され、また長期間にわたって高い均一性でトナーが帯電され、その結果、長期間にわたって良好な画質の画像を形成することのできる二成分現像剤を提供することにある。
本発明者らがこの原因を究明した結果、キャリアとの摩擦によるズリ応力によって発生する微小な熱エネルギーによって、トナーの表面に露出している離型剤が当該キャリア表面に移行して付着してしまう、いわゆるキャリア汚染が発生することが判明した。
この課題を解決するために鋭意検討した結果、離型剤として動粘度が特定の範囲にあるものを使用することによってキャリア汚染を抑制することができることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
本発明の二成分現像剤は、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有するトナーと、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなるキャリアとからなる二成分現像剤であって、
前記トナーに含有される離型剤が、融点が60〜100℃、かつ、動粘度が4〜20mm2 /sであるものよりなると共に、
前記キャリアが、形状係数SF−1が1.0〜1.2、形状係数SF−2が1.1〜2.5、体積基準のメジアン径が10〜100μmであるものよりなることを特徴とする。
本発明の二成分現像剤によれば、トナーに含有される離型剤が特定の動粘度を有するものよりなるために、基本的に、離型剤が全体として低融点でありながら低温定着によっても十分な定着強度で定着される。そして、離型剤が特定の動粘度を有するものであることに加え、キャリアが特定の形状を有する樹脂分散型のキャリア(以下、「特定の樹脂分散型キャリア」ともいう。)よりなり、この特定の樹脂分散型キャリアが高い耐久性を有するものであるために、長期間にわたってキャリア汚染が抑制されて高い均一性でトナーが帯電され、その結果、長期間にわたって安定して良好な画質の画像を形成することができる。
キャリア汚染が抑制される理由としては明確ではないが、理由の一つとしては、キャリアとのズリ応力による熱エネルギーによってトナーの表面または表面近傍に存在する離型剤がある程度溶融しても、その粘度が特定の範囲に制限されるので、キャリア表面に対する移行が抑制され、結局、キャリア汚染が抑制されたものと推定される。
また、他の理由としては、以下のように考えることができる。
まず、キャリアについて、その形状係数SF−1が1.0〜1.2であることによって、当該キャリアがトナーに与えるストレスを極小化することができる。これは、キャリアはトナーに摩擦帯電を与えるものであってトナーとキャリアとを互いに接触させることにより摩擦されるものであるところ、トナーとの摩擦帯電の際にキャリアの形状が不定形であるとその凸部がトナーへのズリ応力の付与部としても作用するためにトナー表面が磨砕され、トナー表面の成分がキャリアへ移行する現象が発生しやすくなってしまうが、形状係数SF−1を上記の範囲内にすることで、キャリアのトナーへのズリ応力の付与を極小化することができるからである。一方、キャリアの形状をその形状係数SF−1が1.0〜1.2であるような真球状にすると、摩擦帯電に寄与する部分が低減されてトナーへの帯電付与能が低いものとなってしまうところ、その形状係数SF−2が1.1〜2.5と適度に不定形化されてその表面に微細な凹凸が形成されていることによって、十分なトナーへの帯電付与能が得られる。
また、キャリアの体積基準のメジアン径が10〜100μmであることによって、当該キャリア自体が有する衝突エネルギーが低減され、その結果、当該キャリアがトナーに与えるストレスをより低減させることができる。
さらに、その内部に樹脂を含有せず単なるフェライト粒子や鉄粉粒子により形成されたキャリアは、その内部が高硬度の構造であるために当該キャリア自体によるトナーとの応力を吸収して緩和させることができないが、本発明に係るキャリアのように樹脂分散型キャリアとして構成されることによって、その内部が比較的軟質なものとして構成され、これにより、当該キャリア自体によってトナーとの応力を緩和させることができ、結局、キャリアについて高い耐久性が得られるものと推察される。
そして、上記のようなキャリアを用いることによって、トナーとキャリアの接触時における衝突エネルギーが低減されると共に発生した応力が当該キャリアによって緩和され、その結果、これらの力の作用によるトナーの離型剤のキャリアへの移行を抑制することができたものと推察される。
以上のように、トナーにおける離型剤について、離型剤自体の構成によってキャリア表面への移行が抑制されることに加えて、トナーおよびキャリアの接触時の応力がキャリアの構成によって軽減されるため、十分にキャリア汚染が抑制されるものと考えられる。
以下、本発明の二成分現像剤について詳細に説明する。
本発明の二成分現像剤は、以下に詳細を示す特定の離型剤を含有するトナーと、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなる、特定の形状を有する樹脂分散型のキャリア(以下、「特定の樹脂分散型キャリア」ともいう。)とが混合されてなるものである。
〔トナー〕
本発明の二成分現像剤を構成するトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有し、離型剤が、下記の条件を満たすものである。
〔離型剤〕
この離型剤は、その動粘度が4〜20mm2 /s、好ましくは8〜15mm2 /sであって、かつ、その融点が60〜100℃、好ましくは65〜90℃であるものである。動粘度が4mm2 /s未満の離型剤を用いた場合は、低温定着によっても十分な定着強度で定着することができるものの、離型剤の溶融粘度が低下してしまうために、キャリア汚染の発生が促進されてしまうおそれがある。一方、動粘度が20mm2 /sよりも大きい離型剤を用いた場合は、キャリア汚染を抑制することはできるものの、低温定着によって十分な定着強度で定着することができず、その結果、低温オフセット現象などが発生するおそれがある。
ここに、離型剤の動粘度とは、100℃においてJIS K 2283に記載の懸垂液面形形式のウベローデ粘度計により測定することによって得られる値をいう。
ただし、動粘度が2〜10mm2 /sである場合は粘度計番号1、粘度計定数0.01の粘度計を使用し、動粘度が10mm2 /sより大きく30mm2 /s以下である場合は粘度計番号1C、粘度計定数0.03の粘度計を用いて測定を行った。
また、離型剤の融点は、離型剤吸熱ピークのピークトップの温度を表し、例えば「DSC−7示差走査カロリメーター」(パーキンエルマー製)、「TAC7/DX熱分析装置コントローラー」(パーキンエルマー製)などを用いて測定することができる。
具体的には、離型剤4.00mgを小数点以下2桁まで精秤してアルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットし、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行った。リファレンスの測定には、空のアルミニウム製パンを用いた。
離型剤としては、カルナバワックス、ライスワックス、モンタンワックスなどの天然ワックス;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン系ワックス;フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素系ワックス;モノエステルワックス、多価エステルワックスおよびこれらの縮合型エステルワックスなどのエステル系ワックス;アミド系ワックス;ケトン系ワックスなどを挙げることができる。
これらのワックスは、1種でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上のワックスの中でも、特に、気化成分を発生させにくく、かつ動粘度が低いという観点から、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モノエステルワックスが好ましく用いられる。
マイクロクリスタリンワックスとしては、例えば、日本精鑞(株)製の「HNP−0190」、「HI−MIC−1045」、「HI−MIC−1070」、「HI−MIC−1080」、「HI−MIC−1090」、「HI−MIC−2045」、「HI−MIC−2065」、「HI−MIC−2095」などが挙げられる。
マイクロクリスタリンワックスとしては、重量平均分子量600〜800の低分子量のものであって特に数平均分子量が300〜1,000のものが好ましく、400〜800のものがより好ましい。また、重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/Mnは1.01〜1.20であることが好ましい。
本発明の二成分現像剤を構成するトナーの離型剤は、以上の2種以上のものの混合物であってもよいが、混合物の離型剤吸熱ピークのピークトップが2つ以上ある場合においては、それぞれのピークトップがともに60〜100℃であるものを用いる必要がある。
トナーにおける離型剤の添加量は、後述する結着樹脂に対して1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がさらに好ましい。
〔トナーの製造方法〕
このようなトナーを製造する方法としては、特に限定されるものではなく、粉砕法、懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法その他の公知の方法などを挙げることができる。
〔懸濁重合法〕
懸濁重合法は、以下のように行われる。すなわち、ラジカル重合性単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分、およびラジカル重合開始剤を添加し、次いでサンドグラインダーなどによってラジカル重合性単量体中にこれらを溶解あるいは分散させ、均一な単量体分散液を調製し、次いで、あらかじめ分散安定剤が添加された水系媒体中に前記単量体分散液を添加し、ホモミキサーや超音波分散などによって単量体分散液を水系媒体中に分散させ、油滴を形成させる。この油滴の粒径は最終的にトナーの粒径となるため、所望の粒径になるように制御して分散させる。分散される油滴の大きさとしては、体積基準のメジアン径にて3〜10μmとすることが好ましい。その後、加熱して重合処理し、重合反応終了後、分散安定剤を除去し、洗浄、乾燥することにより着色粒子を得、必要に応じて外添剤を添加、混合してトナー粒子を得ることができる。
〔結着樹脂〕
トナーを構成するトナー粒子が粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、トナーを構成する結着樹脂として、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの結着樹脂に離型剤や着色剤などを添加し、二軸混練機などを使用して混練し、次いで粉砕および分級することにより、トナー粒子を得ることができる。
一方、トナーを構成するトナー粒子が懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法などによって製造される場合には、トナーを構成する各樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
〔界面活性剤〕
トナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るために使用する界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、スルフォン酸塩(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルフォン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。これらの界面活性剤はトナーを乳化重合法によって得る場合に乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
〔分散安定剤〕
トナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法によって製造する場合には、容易に除去できる無機化合物よりなる分散安定剤を使用することもできる。分散安定剤としては、例えばリン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、親水性コロイダルシリカなどを挙げることができ、特にリン酸三カルシウムが好ましい。この分散安定剤は、塩酸などの酸によって容易に分解されるので、トナー粒子の表面から簡単に除去することができる。
〔重合開始剤〕
トナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。
懸濁重合法を用いる場合においては油溶性ラジカル重合開始剤を用いることができ、油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
〔連鎖移動剤〕
トナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマーなどが使用される。
〔着色剤〕
トナーを構成する着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。以下に、具体的な着色剤を示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックや、マグネタイト、フェライトなどの磁性粉が挙げられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
以上の着色剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
着色剤としては、表面改質されたものを使用することもできる。その表面改質剤としては、従来公知のものを使用することができ、具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤などを好ましく用いることができる。
〔荷電制御剤〕
トナーを構成するトナー粒子中には、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
〔トナー粒子の粒径〕
トナー粒子の粒径は、体積基準のメジアン径3〜10μmのものが好ましい。この粒径は、懸濁重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、油滴の分散径を調節することによって制御することができる。
体積基準のメジアン径が3〜10μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、50μmのアパーチャーで、2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いて測定することができる。
〔外添剤〕
このようなトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナなどの無機酸化物粒子を使用することが好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形のものを使用することができる。この有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。
これらの外添剤の添加割合は、トナーにおいて0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%となる割合である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔キャリア〕
二成分現像剤を構成するキャリアは、形状係数SF−1が1.0〜1.2、形状係数SF−2が1.1〜2.5、体積基準のメジアン径が10〜100μmである特定形状を有する、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなる特定の樹脂分散型キャリアである。
〔磁性体微粉末〕
特定の樹脂分散型キャリアを構成する磁性体微粉末としては、例えば鉄、式a):MO・Fe23で示されるフェライト、式b):MFe24で示されるマグネタイトなどの金属または金属酸化物、これらの金属または金属酸化物とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の磁性材料からなる微粉末を用いることができる。ただし、式a)、b)において、Mは、例えばMn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、Cd、Liなど2価あるいは1価の金属であり、これらは単独でまたは複数種類を組み合わせて用いることができる。
磁性体微粉末の具体例としては、例えばマグネタイト、γ酸化鉄、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ca−Mg系フェライト、Li系フェライト、Cu−Zn系フェライトなどを例示できる。
特定の樹脂分散型キャリアにおける磁性体微粉末の含有量は、40〜99質量%、好ましくは50〜70質量%であることが好ましい。
これらの磁性体微粉末は数平均一次粒子径が0.1〜0.5μmであるものであることが好ましい。この数平均一次粒子径は、10,000倍に拡大した電子顕微鏡写真を使用し、磁性体微粉末100個のフェレ方向径を測定し、その算術平均値をいう。
また、上記の磁性体微粉末と共に、磁気特性の調整などを目的としてMg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Sn、Ba、Pbなどの非磁性金属を単独であるいは複数を用いた非磁性金属酸化物粉末を用いることができる。非磁性金属酸化物の具体例としては、例えばAl23、SiO2、CaO、TiO2、V25、CrO2、MnO2、Fe23、CoO、NiO、CuO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2系などを挙げることができる。
これら非磁性金属酸化物粉末は数平均一次粒子径が0.1〜1.0μmであるものであることが好ましい。
特定の樹脂分散型キャリアにおける非磁性金属酸化物粉末の含有量は、10〜60質量%、好ましくは20〜40質量%であることが好ましい。
磁性体微粉末は、親油性および疎水性を向上させる観点から、その表面を各種のカップリング剤や高級脂肪酸類などの親油化処理剤で親油化処理して用いてもよい。
親油化処理剤の添加量としては、磁性体微粉末100質量部当たり0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.2〜6質量部である。
〔結着樹脂〕
特定の樹脂分散型キャリアを構成する結着樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、具体的には、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの種々のものを挙げることができ、特に、フェノールホルムアルデヒド樹脂が好ましい。
結着樹脂としては、樹脂自体でネットワークが形成されて当該結着樹脂の剥離や分散される磁性体微粉末のキャリアからの脱離を抑制することができるために、一部または全部が3次元的に架橋された状態の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。すなわち、このような架橋性の結着樹脂を用いることにより、キャリア自体の硬度を高くすることができてキャリアを高い耐久性を有するものとすることができるので、多数回の画像形成を行った場合にもトナーとの衝突においてもキャリアを形成する結着樹脂が剥離してトナーへ移行してその表面を汚染することがない。
〔キャリアの製造方法〕
このような特定の樹脂分散型キャリアは、例えば、いわゆる重合法によって製造することができる。
特定の樹脂分散型キャリアが重合法によって製造されたものとすることにより、真球に近い形状が得られてキャリア汚染が抑制されると共に表面の均一性が得られて高い帯電付与性が得られる。また、製造時に容易に形状制御をすることができる。
特定の樹脂分散型キャリアを構成する結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂である場合は、例えば、原料モノマーであるフェノール類およびアルデヒド類、並びに磁性体微粉末を、コロイド状のリン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、親水性シリカなどの分散安定剤を含有する水系媒体中に添加して溶解または分散させ、塩基性触媒の存在下において重合処理(付加縮合反応)を行うことにより、得ることができる。
同様にして、原料モノマーとしてメラミンおよびアルデヒド類を用いることによりメラミン樹脂を得ることができ、また、原料モノマーとしてビスフェノール類およびエピクロルヒドリンを用いると共に塩基性触媒を添加しないことにより、エポキシ樹脂を得ることができ、原料モノマーとして尿素およびアルデヒド類を用いると共に塩基性触媒を添加しないことにより尿素樹脂を得ることができる。
〔塩基性触媒〕
結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂またはメラミン樹脂である場合に用いる塩基性触媒としては、例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミンおよびジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミンなどのアルキルアミン類が挙げられる。これら塩基性触媒は、例えばフェノール類1モルに対して0.02〜0.3モル添加されることが好ましい。
結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂である場合に用いるフェノール類としては、フェノール、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールAなどのアルキルフェノール類、およびベンゼン核またはアルキル基の一部または全部が塩素原子または臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類などのフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられるが、高い粒子形状性が得られることから特にフェノールが好ましい。
結着樹脂がフェノールホルムアルデヒド樹脂である場合に用いるアルデヒド類としては、ホルマリンまたはパラホルムアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒドおよびフルフラールなどが挙げられるが、ホルムアルデヒドが好ましい。
また、特定の樹脂分散型キャリアは、いわゆる懸濁重合法によっても製造することができる。すなわち、ラジカル重合性モノマー中に磁性体微粉末を分散させ、次いで、ラジカル重合開始剤を添加してキャリア重合用組成物を調製し、その後、このキャリア重合用組成物を、コロイド状のリン酸三カルシウム、水酸化マグネシウム、親水性シリカなどの分散安定剤を含有し、好ましくは少量のアニオン性界面活性剤が添加された水系媒体中に油滴として分散させてラジカル重合処理を行うことによって、得ることができる。分散の際の油滴の粒径は、体積基準のメジアン径で10〜100μm、好ましくは15〜80μmとされる。この分散の際の油滴の粒径は、得られる特定の樹脂分散型キャリアの粒径となる。
〔ラジカル重合性モノマー〕
懸濁重合法によって特定の樹脂分散型キャリアを得るためのラジカル重合性モノマーとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系モノマーを挙げることができる。これらのビニル系モノマーは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔ラジカル重合開始剤〕
懸濁重合法によって特定の樹脂分散型キャリアを得るためのラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などの油溶性重合開始剤を挙げることができる。
〔連鎖移動剤〕
また、キャリア重合用組成物中は、得られる特定の樹脂分散型キャリアを構成する結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤が添加されたものであってもよい。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素およびα−メチルスチレンダイマーなどが使用される。
本発明において、特定の樹脂分散型キャリアは、最適な帯電性および帯電量、並びに高い耐久性を得る観点から、キャリア粒子の表面を、トナーの帯電量に合わせて適宜に選択したコート樹脂などでコーティングしたものとすることもできる。
キャリア粒子をコート樹脂によりコーティングする場合は、コア粒子となるキャリア粒子に対して、コート樹脂が好ましくは0.1〜10質量%、さらに好ましくは0.3〜5質量%の範囲となるようにコーティングされたものとすることが好ましい。
また、コート樹脂によるコーティングは、得られるキャリアの形状係数SF−1,SF−2が、前述の数値になるよう、コート量やコートの状態を調節する必要がある。
〔コート樹脂〕
コート樹脂としては、熱可塑性または熱硬化性の絶縁性樹脂を好適に使用することができる。具体的には、例えば、熱可塑性の絶縁性樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル酸共重合体などのアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートなどの芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂などを挙げることができる。
また、熱硬化性の絶縁性樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、具体的には、無水マレイン酸−テレフタル酸−多価アルコールの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。
これらのコート樹脂は、単独でも2種以上を組み合わせて使用することもでき、また、熱可塑性の絶縁性樹脂に硬化剤などを混合して硬化させてコート樹脂としてもよい。
これらのコート樹脂を特定の樹脂分散型キャリア粒子をコア粒子としてコーティングする方法としては、コート樹脂を有機溶剤に溶解もしくは分散させてコート溶液を調製し、これをキャリア粒子に塗布する方法や、単に粉体状にしたコート樹脂とキャリア粒子とを混合させて付着させる方法などが挙げられる。
そして、本発明の二成分現像剤を構成するキャリアは、形状係数SF−1が1.0〜1.2であり、かつ、形状係数SF−2が1.1〜2.5であるキャリア粒子よりなる。
ここに、形状係数SF−1とは、キャリア粒子の球形度を示す指数であり、真球の場合にSF−1=1となる。また、形状係数SF−2とは、キャリア粒子の表面の微細な凹凸の程度を示す指数であり、凹凸のない平滑面である場合にSF−2=1となる。
キャリアについて、その形状係数SF−1が1.0〜1.2であることによって、当該キャリアがトナーに与えるストレスを極小化することができる。これは、トナーとの摩擦帯電の際にキャリアの形状が不定形であるとその凸部がトナーへのズリ応力の付与部としても作用するためにトナー表面が磨砕され、トナー表面の成分がキャリアへ移行する現象が発生しやすくなるところ、形状係数SF−1を上記の範囲内にすることで、キャリアのトナーへのズリ応力の付与を極小化することができるからである。
また、キャリアの形状をその形状係数SF−1が1.0〜1.2であるような真球状にすると、摩擦帯電に寄与する部分が低減されてトナーへの帯電付与能が低いものとなってしまうところ、その形状係数SF−2が1.1〜2.5と適度に不定形化されてその表面に微細な凹凸が形成されていることによって、十分なトナーへの帯電付与能が得られる。
〔キャリアの形状係数〕
キャリア粒子の形状係数SF−1,SF−2は、日立製作所(株)製のフィールドエミッション走査電子顕微鏡「S−4500」により、キャリア粒子の拡大写真をランダムに100個撮影し、これをニコレ社製の画像処理解析装置「Luzex3」を用いて解析し、さらに下記の式(SF−1),式(SF−2)によって導出される形状係数の平均値を求めることにより、測定することができる。
式(SF−1):SF−1={(MXLNG)2/(AREA)}×(π/4)
式(SF−2):SF−2={(PERI)2/(AREA)}×(1/4π)
ただし、上記式(SF−1),式(SF−2)において、MXLNGはキャリア粒子の最大径、AREAはキャリア粒子の投影面積、PERIはキャリア粒子の周囲長を、それぞれ表す。
ここに、最大径とは、キャリア粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となるキャリア粒子の幅をいう。また、投影面積とは、キャリア粒子の平面上への投影像の面積をいう。
〔キャリアの粒径〕
また、本発明の二成分現像剤を構成する特定の樹脂分散型キャリアは、その体積基準のメジアン径が10〜100μmであり、好ましくは15〜80μmである。特定の樹脂分散型キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
特定の樹脂分散型キャリアの体積基準のメジアン径が10μm未満である場合は、キャリア粒子の分布において微粒子の存在率が高くなり、それらのキャリア粒子はキャリア1粒子当たりの磁化の強さが小さくなるため、キャリア粒子が感光体に現像されやすくなる。また、特定の樹脂分散型キャリアの体積基準のメジアン径が100μmを超えると、キャリア粒子の比表面積が小さくなり、トナー保持力が弱くなるため、トナー飛散が発生する。また、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪く好ましくない。
また、特定の樹脂分散型キャリアは、その磁化の強さが1キロエルステッドの磁場中において20〜300emu/cm3 の範囲であることが好ましい。
本発明の二成分現像剤におけるトナーおよびキャリアの混合比率は、二成分現像剤におけるトナー濃度が3〜20質量%、好ましくは4〜15質量%であることが好ましい。
〔画像形成方法〕
本発明の二成分現像剤を用いる画像形成方法としては、特に限定されるものではなく、一般的な方法を採用することができる。現像方式としては、接触方式および非接触方式のいずれをも採用することができる。
また、本発明の二成分現像剤はストレスを受けにくいものであるために、感光体に残留したトナーをクリーニング装置によって回収し現像器に戻して再使用する、いわゆるトナーリサイクル方式に好適に使用できる。
さらに、本発明の二成分現像剤は劣化が少ないものであって長期間にわたって安定した現像を行うことができることから、フルカラーの画像形成に好適に使用できる。このとき、イエロー、マゼンタ、シアン、黒色の各々に係る4種類のカラー現像器と、1つの感光体とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像器および感光体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法も用いることができる。
本発明の二成分現像剤をフルカラーの画像形成に適用した場合、長期間にわたって安定した現像が行われることにより、得られるカラー画像の色安定性が長期間にわたって維持される。
〔定着方法〕
以上の画像形成方法における定着方式としては、特に限定されないが、本発明の二成分現像剤は、例えば熱圧定着方式、熱ロール定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式などの接触加熱方式の画像形成方法に好適に用いることができる。
特に、定着温度が、転写材の表面温度において100〜200℃、好ましくは120〜180℃となる温度とされる比較的低温の定着温度、すなわち、具体的には転写材の種類によっても異なるが、定着ニップ部における定着部材の表面温度で120〜200℃において定着する画像形成方法に好適に使用することができる。
〔転写材〕
以上の画像形成方法において画像が形成される転写材としては、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以上の二成分現像剤によれば、トナーに含有される離型剤が特定の動粘度を有するものよりなるために、基本的に、離型剤が全体として低融点でありながら低温定着によっても十分な定着強度で定着される。そして、離型剤が特定の動粘度を有するものであることに加え、キャリアが特定の形状を有する樹脂分散型のキャリアよりなり、この特定の樹脂分散型キャリアが高い耐久性を有するものであるために、長期間にわたってキャリア汚染が抑制されて高い均一性でトナーが帯電され、その結果、長期間にわたって安定して良好な画質の画像を形成することができる。
以下に、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<キャリアの製造例1>
数平均一次粒子径0.24μmのマグネタイト粉(FeO・Fe23)と、個数平均粒径0.60μmのα−Fe23粉に対し、各々5.5質量%のシランカップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、撹拌容器内にて100℃において、高速で混合撹拌し、各々の金属酸化物微粉末の親油化処理を行い、親油化マグネタイト粉Aおよび親油化α−酸化鉄粉Aを調製した。
次いで、上記の親油化マグネタイト粉A60質量部、親油化処理したα−酸化鉄粉A40質量部、フェノール10質量部、ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)6質量部よりなる組成物(1)を、フラスコ中の28質量%NH4OH水溶液を含有する水系媒体に添加し、混合撹拌しながら40分間で85℃まで昇温し、この温度を維持しながら3時間熱硬化反応させ、続いて、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾し、その後、5mmHg以下の減圧下において60℃で乾燥することにより、キャリア粒子〔a〕を得た。
このキャリア粒子〔a〕をコア粒子として、トルエンを溶媒として10質量%のシリコーン樹脂材料を含有するコート溶液を調製し、このコート溶液に剪断応力を連続して加えながら溶媒を揮発させて、コート樹脂量が1.0質量%となるよう、コア粒子表面に被覆し、次いで、200℃において1時間キュアし、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、表面にシリコーン樹脂がコーティングされた特定の樹脂分散型キャリア〔A〕を得た。
この特定の樹脂分散型キャリア〔A〕は、体積基準のメジアン径で34μmであり、形状係数SF−1は1.04、形状係数SF−2は1.51であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは129emu/cm3であった。
ここに、体積基準のメジアン径は、湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定したものであり、形状係数SF−1、SF−2は、日立製作所(株)製のフィールドエミッション走査電子顕微鏡「S−4500」により、キャリア粒子の拡大写真をランダムに100個撮影し、これをニコレ社製の画像処理解析装置「Luzex3」を用いて解析し、さらに上記の式(SF−1),式(SF−2)によって導出される形状係数の平均値を求めることにより測定したものである。また、磁化の強さは、振動磁場型磁気特性自動記録装置「BHV−30」(理研電子(株)製)を用いて測定したものである。
<キャリアの製造例2>
組成物(1)の代わりに上記の親油化処理したマグネタイト粉100質量部、フェノール10質量部、ホルムアルデヒド溶液(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)6質量部よりなる組成物(2)を使用したことの他はキャリアの製造例1と同様にしてキャリア粒子〔b〕を得、このキャリア粒子〔b〕をコア粒子として、コート樹脂量が1.5質量%となるようにしたことの他はキャリアの製造例1と同様にして特定の樹脂分散型キャリア〔B〕を得た。この特定の樹脂分散型キャリア〔B〕の体積基準のメジアン径は39μmであり、形状係数SF−1は1.10、形状係数SF−2は1.15であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは218emu/cm3であった。
<キャリアの製造例3>
親油化したマグネタイト粉として、数平均一次粒子径0.25μmのマグネタイト粉(FeO・Fe23)に対し、4.5質量%のシランカップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、撹拌容器内にて100℃において、高速で混合撹拌し、金属酸化物微粒子の親油化処理を行うことにより得られる親油化マグネタイト粉Bを用いたことの他はキャリアの製造例2と同様にして、キャリア粒子〔c〕を得、このキャリア粒子〔c〕をコア粒子として、キャリアの製造例1と同様にして特定の樹脂分散型キャリア〔C〕を得た。この特定の樹脂分散型キャリア〔C〕の体積基準のメジアン径は41μmであり、形状係数SF−1は1.04、形状係数SF−2は1.95であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは220emu/cm3であった。
<キャリアの製造例4>
親油化マグネタイト粉A60質量部、および親油化α−酸化鉄粉40質量部を、スチレン8質量部、2−エチルヘキシルアクリレート2質量部およびジビニルベンゼン1質量部よりなるラジカル重合性単量体組成物中に分散させ、その後、ラジカル重合開始剤(ラウロイルパーオキサイド)0.3質量部を添加してキャリア形成用溶液を形成させた。
一方、高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)とバッフル板を備えた2L用の4つ口フラスコ中にイオン交換水600質量部と0.1モル/LのNa3PO4水溶液500質量部を投入し、65℃に加温し、回転数を14000rpmに調整した状態で、1.0モル/LのCaCl2水溶液70質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系媒体を調製した。次いで、キャリア形成用溶液を添加し、高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)にて14000prmの撹拌によって水系媒体中に油滴を形成させた。その後、撹拌器をプロペラ撹拌羽根に換え、75℃に昇温した状態で8時間重合反応を行い、冷却し、塩酸を加えて分散安定剤を除去し、濾過、水洗、乾燥することにより、特定の樹脂分散型キャリア〔d〕を得た。
この特定の樹脂分散型キャリア〔d〕をコア粒子として、キャリアの製造例1と同様にして特定の樹脂分散型キャリア〔D〕を得た。この特定の樹脂分散型キャリア〔D〕の体積基準のメジアン径は44μmであり、形状係数SF−1は1.05、形状係数SF−2は1.31であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは129emu/cm3であった。
<比較用キャリアの製造例1>
焼結法で調製された形状係数SF−1が1.3、形状係数SF−2が2.52のLiフェライト粒子の表面にシリコーン樹脂をコートした比較用のキャリア〔E〕を得た。このキャリアの体積基準のメジアン径は45μmであった。
<比較用キャリアの製造例2>
ポリエステル樹脂(軟化点=150℃)100質量部に数平均一次粒子径が0.24μmのマグネタイト粉900質量部を添加し、二軸押し出し機にて溶融混練し、次いで機械式粉砕機にて粉砕し、体積基準のメジアン径が38μmである粉砕物を得た。これを瞬間的熱処理装置にて180℃の熱を5秒間加えて球形化処理を行い、次いでキャリアの製造例1と同様に表面にシリコーン樹脂をコートすることにより、比較用キャリア〔F〕を得た。この比較用キャリア〔F〕の体積基準のメジアン径は39μm、形状係数SF−1は1.02、形状係数SF−2は1.04であった。また、1キロエルステッドにおける磁化の強さは218emu/cm3 であった。
<トナーの製造例Bk1>
高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)とバッフル板を備えた2L用の4つ口フラスコ中に、イオン交換水600質量部および0.1モル/LのNa3PO4水溶液500質量部を投入し、65℃に加温し、回転数を12000rpmに調整した状態で、1.0モル/LのCaCl2水溶液70質量部を徐々に添加し、微小な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系媒体を調製した。
一方、スチレン78質量部、2−エチルヘキシルアクリレート22質量部、カーボンブラック7質量部、表1に示される離型剤2の10質量部を混合させ、これをアトライター(三井金属社製)を用いて3時間分散処理した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を添加することにより、トナー形成用重合性単量体組成物を調製した。
このトナー形成用重合性単量体組成物を、上記の水系媒体中に添加し、内温65℃のN2雰囲気下において、高速撹拌器の回転数を12000rpmに維持しながら15分間撹拌してトナー粒子を造粒し、その後、撹拌器をプロペラ撹拌羽根に換え、撹拌羽根の回転数とバッフル板の角度により、粒子形状を制御しながら同温度で10時間保持して重合処理を完了させ、その後、懸濁液を冷却し、次いで希塩酸を添加して分散安定剤を除去し、さらに水洗浄を数回繰り返した後、乾燥させ、トナー粒子(Bk1)を得た。
このトナー粒子(Bk1)は、体積基準のメジアン径が6.5μm、ピーク分子量が14000、分子量分布(Mw/Mn)が8、軟化点温度が125℃のものであった。
ここに、体積基準のメジアン径はコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、50μmのアパーチャーで、2.0〜40μmの範囲における粒径分布を用いて測定したものであり、ピーク分子量および分子量分布(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定したものであり、また、軟化点温度は、高化式フローテスターによって測定したものである。
このトナー粒子(Bk1)100質量部と、シリコンオイルで処理したシリカ微粒子(BET比表面積:140m2/g)1.5質量部とをヘンシェルミキサーで乾式混合することにより、黒色のトナーBk1を得た。
なお、このトナー粒子(Bk1)について、シリカ微粒子の添加によっては、その形状および粒径は変化しなかった。
<トナーの製造例Y1〜C1>
着色剤としてカーボンブラックの代わりにそれぞれC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントレッド122、およびC.I.ピグメントブルー15:3を用いたことの他はトナーの製造例Bk1と同様にしてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンに係るトナーY1,M1,C1を得た。
<トナーの製造例Bk2〜C7>
離型剤として、表1に示す離型剤3〜8を用い、表2に示すようにその組成を変更したものを使用したことの他はトナーの製造例Bk1と同様にしてトナーBk2〜トナーC7を得た。ただし、トナーBk2〜Bk7は着色剤としてカーボンブラックを用い、トナーY2〜Y7は着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を用い、トナーM2〜M7は着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を用い、トナーC2〜C7は着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:3を用いた。
<トナーの製造例Bk8>
ピーク分子量14000、ガラス転移点温度(Tg)50℃、軟化点温度123℃のスチレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体100質量部と、カーボンブラック7質量部と、表1に示される離型剤3の12質量部を混合した離型剤組成物とを混合し、この混合物を二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を分級し、体積基準のメジアン径が6.9μmの着色粒子Bk8を得、この着色粒子Bk8にトナーの製造例Bk1と同様にしてシリカを添加混合し、黒色のトナーBk8を得た。
<トナーの製造例Y8〜C8>
着色剤としてカーボンブラックの代わりにそれぞれC.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントレッド122、およびC.I.ピグメントブルー15:3を用いたことの他はトナーの製造例Bk8と同様にしてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンに係るトナーY8,M8,C8を得た。
<比較用トナーの製造例Bk9〜C10>
離型剤組成物として、表1に示す離型剤1,9を用い、表3に示すようにその組成を変更したものを使用したことの他はトナーの製造例Bk1と同様にして比較用のトナーBk9〜トナーC10を得た。ただし、トナーBk9,Bk10は着色剤としてカーボンブラックを用い、トナーY9,Y10は着色剤としてC.I.ピグメントイエロー74を用い、トナーM9,M10は着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を用い、トナーC9,C10は着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:3を用いた。
<二成分現像剤の製造例Bk1〜C13>
トナーBk1〜C8および比較用のトナーBk9〜C10、並びにキャリアA〜Dおよび比較用のキャリアE,Fを用い、表4に示す組み合わせにおいて、トナー濃度が6%となるよう混合することにより、二成分現像剤Bk1〜C8および比較用の二成分現像剤Bk9〜C13を調製した。
<実施例1〜8、比較例1〜5>
以上のようにして得られた二成分現像剤Bk1〜C8および比較用の二成分現像剤Bk9〜C13を表5に示される組み合わせにおいて使用し、デジタル複写機「bizhub PRO C350」(コニカミノルタ社製)に以下の定着装置を搭載したものを用いて、高温高湿環境下(温度32℃、湿度85%RH)において画素率が各色5%であるフルカラー画像を、1枚間欠モードにて5万枚形成させ、最後にベタ黒画像を1枚形成する実写テストを行い、初期(1枚目)および5万枚目について、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用して絶対反射濃度を測定すると共に下記のようにカブリ濃度を測定し、さらに初期(1枚目)および5万枚目について、色差計「CM−2002」(ミノルタ社製)を用いてそれぞれの画像のL*** 色空間図から色再現範囲の面積を測定し、初期(1枚目)の色再現範囲面積を100としたときの5万枚目の色再現範囲面積を算出し、さらに、最後に形成するベタ黒画像について下記のようにコスリ定着性を評価した。結果を表5に示す。
〔定着装置〕
図1に示したような接触加熱方式のものであり、その具体的構成は、下記のとおりである。円筒状の鉄からなる芯金〔31b〕(内径30mm、肉厚0.6mm、全幅310mm)の表面を、PFAチューブよりなる被覆層〔31c〕によって厚み50μmで被覆してなり、中央部にヒーター〔31a〕を内蔵する加熱ローラ〔31〕と、円筒状の鉄からなる芯金〔32a〕(内径30mm、肉厚1.0mm)の表面を、スポンジ状シリコーンゴムよりなる被覆層〔32b〕(アスカーC硬度48°、厚み2mm)で被覆してなる加圧ローラ〔32〕とが、150Nの総荷重により当接されて3.6mm幅の定着ニップ部Nが形成されたものである。なお、図1において、Tは転写材P上に形成されたトナー像であり、33は、分離爪である。
そして、この定着装置〔30〕の定着温度を140℃に制御し、印字の線速を160mm/secに設定した条件で使用した。
〔カブリ濃度の評価〕
印字されていない白紙について、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、白紙濃度とする。そして、カブリ濃度測定対象の画像の白地部分について、同様に20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。カブリ濃度が0.005以下であれば、カブリは実用的に問題ないといえる。
〔コスリ定着性〕
50001枚目に形成したベタ黒画像について、下記のメンディングテープ剥離法による定着強度の測定を行って定着率を算出した。
(メンディングテープ剥離法)
1)ベタ黒画像における絶対反射濃度D0 を測定する。
2)メンディングテープ「No.810−3−12」(住友3M社製)を、ベタ黒画像に軽く貼り付ける。
3)1kPaの圧力でメンディングテープの上を3.5回往復擦り付ける。
4)180℃の角度、200gの力でメンディングテープを剥がす。
5)剥離後の絶対反射濃度D0 を測定する。
6)下記式(ii)に基づいて定着率を算出する。
式(ii);定着率(%)=D1/D0 ×100
なお、絶対反射濃度の測定には、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
表5の結果から明らかなように、本発明の二成分現像剤に係る実施例1〜8においては、5万枚の画像形成を経ても形成される画像に十分な画像濃度が得られ、また、カブリ濃度の変化は小さく、色再現範囲の変化も小さく、さらに、長期間にわたって十分なコスリ定着性が得られることが確認された。
実施例1〜8、および比較例1〜5において用いた画像形成装置に搭載される定着装置を示す説明用断面図である。
符号の説明
30 定着装置
31 加熱ローラ
31a ヒーター
31b 芯金
31c 被覆層
32 加圧ローラ
32a 芯金
32b 被覆層
33 分離爪
T トナー像
N 定着ニップ部
P 転写材

Claims (1)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有するトナーと、結着樹脂に磁性体微粉末が分散されてなるキャリアとからなる二成分現像剤であって、
    前記トナーに含有される離型剤が、融点が60〜100℃、かつ、動粘度が4〜20mm2 /sであるものであると共に、
    前記キャリアが、形状係数SF−1が1.0〜1.2、形状係数SF−2が1.1〜2.5、体積基準のメジアン径が10〜100μmであるものであることを特徴とする二成分現像剤。
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