JP2000321815A - トナー - Google Patents

トナー

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JP2000321815A
JP2000321815A JP2000064787A JP2000064787A JP2000321815A JP 2000321815 A JP2000321815 A JP 2000321815A JP 2000064787 A JP2000064787 A JP 2000064787A JP 2000064787 A JP2000064787 A JP 2000064787A JP 2000321815 A JP2000321815 A JP 2000321815A
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博之 藤川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーに対する過剰な可塑作用を防止し、有
効な可塑効果を与え、定着性、保存性、流動性、耐久性
及び耐融着性に優れたトナーを提供することにある。 【解決手段】 結着樹脂及びワックスAを含有する樹脂
組成物を有するトナーであって、該ワックスAが、n
(ノルマル)−パラフィンを92質量%以上含有し、炭
素数の異なる複数のn−パラフィン成分を含有してお
り、DSCで測定される吸熱曲線において最大吸熱ピー
クのピークトップ温度が70〜90℃であり、該最大吸
熱ピークのピーク半値幅が12℃以下であることを特徴
とするトナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、トナージェット法に用いられるトナーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法が知られているが、一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷
潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、
必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、
加熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより定着し
た複写物を得るものである。そして、感光体上に転写せ
ず残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述
の工程が繰り返される。
【0003】例えばトナー像を紙などのシートに定着す
る工程に関して種々の方法や装置が開発されている。例
えば、熱ローラーによる圧着加熱方式や、フィルムを介
して加熱体に加圧部材を密着させる加熱定着方法があ
る。
【0004】加熱ローラー定着方式やフィルムを介した
加熱定着方式は、トナーに対して離型性を有する材料で
表面を形成した熱ローラー或いはフィルムの表面に、被
定着シートのトナー像面を接触させながら通過せしめる
ことにより定着を行うものである。この方法は熱ローラ
ーやフィルムの表面と被定着シートのトナー像とが接触
するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱
効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことがで
き、電子写真複写機又はプリンタにおいて非常に有効で
ある。しかしながら、上記方法では、熱ローラーやフィ
ルム表面とトナー像とが溶融状態で接触するためにトナ
ー像の一部が定着ローラーやフィルム表面に付着し、転
移し、次の被定着シートにこれが再転移してオフセット
現象を生じ、被定着シートを汚すことがある。熱定着ロ
ーラーやフィルム表面に対してトナーが付着しないよう
にすることが、加熱定着方式では重要である。
【0005】従来より、定着ローラー表面にトナーを付
着させない目的で、ローラー表面をトナーに対して離型
性の優れた材料(例えば、シリコーンゴムや弗素系樹脂
など)で形成し、さらにその表面にオフセット防止及び
ローラー表面の疲労を防止するためにシリコーンオイル
の如き離型性の良い液体の薄膜でローラー表面を被覆す
ることが行われている。しかしながら、この方法はトナ
ーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、
オフセット防止用液体を供給するための装置が必要なた
め、定着装置が複雑になるという問題点を有している。
【0006】これは小型化、軽量化と逆方向であり、し
かもシリコーンオイルが熱により蒸発し、機内を汚染す
る場合がある。そこでシリコーンオイルの供給装置を用
いないで、かわりにトナー中から加熱時にオフセット防
止液体を供給しようという考えから、トナー中に低分子
量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンなどの離型剤
を添加する方法が提案されている。
【0007】また、低温領域から高温領域にかけて、よ
りワックス添加の効果を発揮させるために2種類以上の
ワックスを含有するトナーが、特公昭52−3305号
公報、特開昭58−215659号公報、特開昭62−
100775号公報、特開平4−124676号公報、
特開平4−299357号公報、特開平4−35815
9号公報、特開平4−362953号公報、特開平6−
130714号公報、特開平6−332244号公報に
開示されている。
【0008】しかしながら、これらのトナーにおいて
も、何らかの問題点を有していた。例えば、耐高温オフ
セット性は優れているが低温定着性が今一歩であった
り、耐低温オフセット性や低温定着性には優れている
が、耐ブロッキング性にやや劣り、現像性が劣化するな
どの弊害があったり、低温時と高温時の耐オフセット性
が両立できなかったりしていた。
【0009】これらを改良するものとして特開平8−2
78662号公報、特開平8−334919号公報、特
開平8−334920号公報、特開平10−10487
5号公報、特開平10−161347号公報等に開示さ
れている如く、優れたトナーが提案されている。またこ
れらの公報においては低融点のワックスを使用すること
で優れた定着性が得られている。低融点のワックスはそ
の可塑効果により定着性が向上するが、その弊害として
流動性、耐ブロッキング性に影響があり、その使用にあ
る程度制限されていた。
【0010】ところが、電子写真法を用いた複写機又は
プリンターにおいては、システム化、高機能化、高速化
されてきている。トナーは定着時における溶融時の特性
ばかりでなく、常温時の粉体特性などの様々な特性が要
求される。高速化に伴い現像器中、クリーナー中でのト
ナーの動きをよりよくし、現像スリーブや感光ドラムヘ
の耐融着性を向上させるためにさらなる改善が望まれて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題点を解決したトナーを提供することにあ
る。
【0012】すなわち、本発明の目的は、定着性に優れ
たトナーを提供することにある。
【0013】更に、本発明の目的は、トナーの保存安定
性、流動性に優れクリーナーにおいてトナー詰まりやク
リーニング不良を発生しないトナーを提供することにあ
る。
【0014】更に、本発明の目的は、トナーの保存安定
性、流動性に優れ、現像器においてトナーの動きが安定
し現像安定性の得られるトナーを提供することにある。
【0015】更に、本発明の目的は、耐融着性に優れ、
現像スリーブ融着、感光ドラム融着が良好に抑制された
トナーを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂及び
ワックスAを含有する樹脂組成物を有するトナーであっ
て、該ワックスAが、n(ノルマル)−パラフィンを9
2質量%以上含有し、炭素数の異なる複数のn−パラフ
ィン成分を含有しており、DSCで測定される吸熱曲線
において最大吸熱ピークのピークトップ温度が70〜9
0℃であり、該最大吸熱ピークのピーク半値幅が12℃
以下であることを特徴とするトナーに関する。
【0017】
【発明の実施の形態】トナーにおいては、結着樹脂中に
ワックス成分が溶解することで、様々な作用を発揮し、
いろいろな挙動を取ることが出来るようになる。ワック
ス成分がトナーの定着に合わせ、適度な温度で溶融し、
粘度が低くなれば、ワックス成分は結着樹脂中を移動で
きるようになり、可塑効果を顕わしたり、トナー粒子表
面に出て界面効果を発揮できるようになる。トナーの溶
融時には、ワックス成分の可塑効果、離型効果及び剥離
効果が顕われ、トナーの定着性が向上し、定着部材への
トナーのオフセットや汚染が防止され、定着器での巻き
付きや紙詰まり等のトラブルも回避できる。
【0018】本発明は、DSCで測定される吸熱曲線に
おいて最大吸熱ピークのピークトップ温度が70〜90
℃であるワックスAを有することを特徴とし(より好ま
しくは75〜90℃、特に好ましくは75〜85℃であ
る)、該ワックスを含有することにより、大きな可塑効
果が得られるために大幅に定着性が向上する。このよう
なワックスAは溶融粘度が低いことと、結着樹脂成分と
相分離する作用が働く為にトナー粒子表面近傍に存在し
やすいことなどから、トナー粒子表面の可塑効果が、大
きく、トナー保存性、トナー流動性、トナー融着、現像
耐久性、クリーニング安定性に影響を有する。そして7
0℃未満になると耐ブロッキング性や保存性が低下し、
90℃を超えると大きな定着性向上効果が望めない。
【0019】また、構造的に分岐構造があるi(イソ)
−パラフィン構造であるあるいはナフテン構造(シクロ
パラフィン構造)炭化水素や芳香族炭化水素が存在する
と、より可塑作用が大きくなってしまうので、本発明に
係るワックスは、直鎖構造であるn(ノルマル)−パラ
フィン構造をとる炭化水素の含有率が92質量%以上で
あることを特徴とし、保存性、流動性、耐融着性、耐久
現像性、クリーニング安定性に影響を与えることなく、
定着性向上を図ることができる。n−パラフィン含有率
は好ましくは93質量%以上であり、更に好ましくは9
4質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上で
あって、弊害を生ずることなくより優れた定着性向上効
果が得られる。92質量%未満であると流動性、保存
性、耐融着性、耐久現像性のいずれかに影響が出て、こ
のワックスの使用に限界が生じ、定着性向上効果を十分
に享受することができなくなる。
【0020】本発明に係るワックスは、DSCで測定さ
れる吸熱曲線の最大吸熱ピークの半値幅が12℃以下で
あることを特徴とし、トナーの保存性と定着性のバラン
スをとることができる。好ましくはこの半値幅が10℃
以下で、更に好ましくは8℃以下である。この半値幅を
持つワックスにより可塑効果が効率的に発揮されるの
で、少量の添加量でも優れた定着性向上効果を得ること
が出来る。またワックスの添加量を増加することによる
現像性の低下や、耐ブロッキング性の低下、流動性悪化
から生じるクリーニングトラブル、ドラム融着等の発生
が抑制されているため、ワックス成分を増量することで
更なる定着性向上が望める。半値幅が12℃を超える
と、保存性あるいは定着性のいずれかに影響が出て、保
存性と定着性とが両立されたトナーを得ることが困難に
なる。
【0021】また、DSCで測定される吸熱ピークにお
いて始点オンセット温度が50℃以上で、終点オンセッ
ト温度が100℃以下であることが、これらの効果を高
くする上で好ましい。始点オンセット温度が50℃未満
であると、保存性に劣るようになり、終点オンセット温
度が100℃を超えると定着性向上効果が小さくなる。
【0022】上述のような効果をより強く発揮するには
始点オンセット温度が55℃以上、終点オンセット温度
が95℃以下であることが好ましく、更に好ましくは、
始点オンセット温度が60℃以上、終点オンセット温度
が90℃以下である。
【0023】本発明における可塑効果は、トナーの溶融
粘度を下げ、トナーの定着性を上げるのは勿論のこと、
本発明では、トナー表面近傍の可塑効果がより大きいの
で、表面近傍のトナーの溶融粘度はより下がり、記録媒
体へのアンカー効果が働き、定着性向上に大きく貢献す
る。その一方で過剰な可塑作用は発生しないため、耐ブ
ロッキング性に優れ、保存性に優れた、使いこなしやす
いトナーとすることができるのである。
【0024】また、従来の低温定着性に優れたトナーで
は、トナーがクリーナーでのクリーニングブレードある
いはスリーブ上でドクターブレードで摩擦されると一部
が溶け、トナー融着を発生することがあった。この様な
場合においても、本発明のトナーは、可塑効果をある程
度でセーブできるため融着の発生を抑さえることができ
る。
【0025】更に本発明のトナーは流動性が良好である
ため、クリーナー中でのトナーの動きが安定し、クリー
ナー中にトナーが詰まりクリーナーを破損したり、特定
部位のトナーの滞留量が増加しクリーニング不良等が発
生したりすることなく、定着性の優れたトナーとするこ
とができる。また現像器、トナーホッパー中でのトナー
の動きが安定し、トナーの補給、補給前後のトナーの混
合が良好で現像性の安定化がもたらされる。このよう
に、クリーナー、現像器での安定性が増すので、定着性
の向上と相まって高速機などにおける耐久安定性が向上
するのである。
【0026】本発明に用いられるワックスAとしては、
次のようなものが利用できる。
【0027】好ましく用いられるワックスAとしては、
高分子量ポリオレフィン重合時に得られる低分子量副生
成物を精製したポリオレフィン;チーグラー触媒、メタ
ロセン触媒の如き触媒を用いて重合したポリオレフィ
ン;パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワッ
クス;石炭、天然ガス等を原料としてジントール法、ヒ
ドロコール法、アーゲ法等により合成される合成炭化水
素ワックス;炭素数1個の化合物をモノマーとする合成
ワックス;水酸基、カルボキシル基などの官能基を有す
る炭化水素系ワックス;炭化水素系ワックスと官能基を
有する炭化水素系ワックスとの混合物がある。
【0028】また、これらのワックスを、プレス発汗
法、溶剤法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出
法、融液晶析法を用いて分子量分布をシャープにしたも
のや低分子量固形脂肪酸、低分子量固形アルコール、低
分子量固形化合物、その他の不純物を除去したものが好
ましく用いられる。
【0029】更に好ましく用いられるのは、パラフィン
ワックス、フィッシャートロプシュワックス、メタロセ
ン触媒を用いて合成されたポリエチレン、ポリエチレン
重合時に得られる低分子量副生物の蒸留精製物である。
【0030】分散性の観点からパラフィンワックス、フ
ィッシャートロプシュワックスが特に好ましく用いら
れ、顕著な定着性向上効果が得られ、現像性に優れる様
になる。
【0031】また、n−パラフィンの平均炭素数が30
〜55個であることが好ましく、更に好ましくは32〜
50個であり、特に34〜45個であることで、定着性
向上と、保存性、流動性のバランスをとることができ
る。30個未満では、保存性、流動性に劣り、55個を
超えると定着性向上効果が減少する様になる。
【0032】本発明においては、プレス発汗法、溶剤
法、再結晶法、真空蒸留法、超臨界ガス抽出法、融液晶
析法等を利用し精製、分留を精度よく行うことでn−パ
ラフィン率の高いワックスとすることができる。なかで
も、ワックスに対する貧溶剤を用いて精製を行う溶剤法
を応用した方法が好ましい。たとえば、ベンゼンもしく
はトルエンとケトン(アセトンまたはメチルエチルケト
ン);メチルイソブチルケトン;液化プロパン;トリク
ロロエチレンとベンゼン;ジクロロエタンとジクロロメ
タンの如き溶剤が用いられる。
【0033】例えば、次のような方法が応用できる。原
料ワックスに溶剤を加えて加熱し、ワックス成分を完全
に溶解した後、冷却機で冷却してワックスを結晶化させ
る。目的とするワックスのDSC最大級熱ピークのピー
クトップ温度に応じて、所定の温度まで冷却し、ろ過す
る。このとき、温度制御を厳密に行い、冷却速度に時間
をかけることでイソパラフィン、ナフテン、芳香族等を
分離して、n−パラフィン率を高めることができる。さ
らに、ワックスのケークを溶剤で洗い、油分、イソパラ
フィン、ナフテン、芳香族等を分離する。この工程を繰
り返し、n−パラフィン率を高くすることができる。最
終的に、溶剤回収装置で溶剤を分離して、ワックスを得
る。さらにこのあと、必要に応じて、水素精製、活性白
土処理、脱臭処理を行う。また原料ワックスは、真空蒸
留、ガス抽出、融液晶析を用いて、予め分子量分布を狭
くしたものが、n−パラフィン率を高める上で好まし
い。
【0034】従来より、DSC最大級ピークのピークト
ップ温度が65℃未満であるような低融点のワックスは
従来の溶剤法においてもn−パラフィン率を高めること
ができたが、70℃以上のものは困難であり、特に75
℃以上の高融点のものは困難であった。従来の蒸留等の
方法のみでは、分子量に関して分留できるが、イソパラ
フィン、ナフテン分を十分に減らすことが難しかった。
【0035】この溶剤法に好ましく用いられる原料ワッ
クスとしては、石油ワックスから得られるスラックワッ
クスやパラフィンワックス、エチレン重合時に得られる
重合副生成物、メタロセンを触媒として重合される低分
子量のポリエチレン、石炭や天然ガスを原料として得ら
れるフィッシャートロプシュワックスなどがある。
【0036】また本発明のワックスAは、JIS K
2283−3.8で測定される100℃における動粘度
において20mm2/s以下であることが好ましく、更
に好ましくは1〜10mm2/s以下で好ましい可塑効
果が得られる。
【0037】また本発明のワックスAは、JIS K
2235−5.4で測定される25℃における針入度に
おいて10以下であることが好ましく、更に好ましくは
8以下であることで、過剰な可塑効果を防止できる。
【0038】本発明のトナーにおいては、これらのワッ
クスAの含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.
2〜20質量部で用いられ、中でも0.5〜10質量部
で用いるのが効果的である。
【0039】本発明におけるDSC測定では、例えば、
パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。
【0040】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで
降温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
各温度の定義は次のように定める。
【0041】・最大吸熱ピークのピークトップ温度 ベースラインからの高さが最も高いピークのピークトッ
プ温度。
【0042】・最大吸熱ピークの半値幅 最大吸熱ピークの、ベースラインからピークトップまで
の高さの2分の1の高さにおけるピークの温度幅 ・吸熱ピークの始点オンセット温度 昇温時曲線の微分値が最大となる点における曲線の接線
とベースラインとの交点の温度 ・吸熱ピークの終点オンセット温度 昇温時曲線の微分値が最小となる点における曲線の接線
とベースラインとの交点の温度
【0043】n−パラフィン含有率はガスクロマトグラ
フの定量分析により求めることができる。例えば島津製
作所製のGC−17Aが利用でき、カラムは液相:ジメ
チルシロキサン、膜厚:0.25μm、内径×長さ=
0.25mm×15mを、検出器はFIDを使用する。
【0044】測定条件としては、キャリアガスとしてヘ
リウムを用いる。温度条件はカラム恒温槽はイニシャル
60℃で40℃/minで昇温し、160℃にし、その
後15℃/minで昇温し、350℃とし、その後7℃
/minで昇温し445℃として4分ホールドする。気
化室はイニシャル70℃で250℃/minで昇温し、
445℃として0.1分ホールドする。検出器は445
℃にホールドする。試料はヘプタンを溶媒とし、0.1
質量%の濃度に調整する。
【0045】標準物質として炭素数20,24,28,
30,32,36,40,44のn−パラフィンを用
い、リテンションタイムの内挿、外挿により、n−パラ
フィン成分の各炭素数別のピーク面積を求める。これが
各炭素数別含有量で試料全体に対し含有率をもとめ質量
%で表すことができる。各ノルマル成分ピーク間の他の
ピークは非ノルマル成分(例えばイソパラフィン)とし
て扱う。n−パラフィン率は試料全成分中のn−パラフ
ィン含有率で質量%で表示し、全ピーク面積中における
n−パラフィン成分の面積率に相当する。
【0046】平均炭素数は、n−パラフィンの分布で質
量平均により次式から算出される。
【0047】 平均炭素数C=(1/n)×Σ Ci・Fi (nは100、Ciは炭素数、Fiは炭素数Ciの含有
量の百分率を表す。)
【0048】またn−パラフィンの炭素数分布の標準偏
差Sが0.5〜10であることが好ましく、さらには
1.0〜8.0であることが好ましく、更に好ましくは
1.5〜6.0でバランスのとれた可塑効果が得られ
る。標準偏差が0.5未満であるn−パラフィン、特に
成分が単一の純パラフィンに近いものは結晶性が高くな
り、トナー中に微分散させるのが難しくなる。また標準
偏差が10を超える場合は可塑作用が大きくなり耐ブロ
ッキング性に影響を及ぼす様になる。標準偏差は次式で
算出される。
【0049】
【外1】
【0050】更に本発明では、炭素数の増減に伴い、含
有量が連続的に変化する(炭素数の一つおきに含有量の
多寡が現われず、炭素数の連続増減とともに含有量がス
ムーズに推移する様態)炭化水素ワックスが好ましく、
常温時の硬さと溶融時の低粘度を同時に高度に実現で
き、優れた保存性,粉体特性と定着性を両立できる。
【0051】また本発明においては離型作用を補うため
に他のワックスBを併用して用いてもよい。これらのワ
ックスBとしては、好ましくは最大吸熱ピークのピーク
トップ温度が90〜150℃である。例えば次のような
ワックスがあげられる。モンタンワックス及びその誘導
体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フ
ィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオ
レフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及
びその誘導体の如きワックスで、誘導体には酸化物や、
ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性
物を含む。その他、アルコールワックス、脂肪酸ワック
ス、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトンワッ
クス、硬化ひまし油及びその誘導体、植物系ワックス、
動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタムであ
る。
【0052】中でも好ましく用いられるワックスBは、
オレフィンを高圧下でラジカル重合あるいはチーグラー
触媒・メタロセン触媒を用いて重合した低分子量のポリ
オレフィン及びこの時の副生成物、高分子量のポリオレ
フィンを熱分解して得られる低分子量のポリオレフィ
ン、一酸化炭素・水素からなる合成ガスから触媒を用い
て得られる炭化水素の蒸留残分、あるいはこれらを水素
添加して得られる合成炭化水素などから得られるワック
スが用いられ、酸化防止剤が添加されていてもよい。あ
るいは、直鎖状のアルコールワックス、脂肪酸ワック
ス、酸アミドワックス、エステルワックスあるいは、モ
ンタン系誘導体である。また、脂肪酸等の不純物を予め
除去してあるものも好ましい。
【0053】これらのワックスから、プレス発汗法、溶
剤法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶化(例え
ば、融液晶析及び結晶ろ別)等を利用して、ワックスを
分子量により分別したワックスBも本発明に好ましく用
いられる。また分別後に、酸化やブロック共重合、グラ
フト変性を行なってもよい。
【0054】これらのワックスBの含有量は、結着樹脂
100質量部に対し、前述のワックスAと併せて総量で
0.5〜20質量部で用いることができ、好ましくは
1.0〜15質量部で用いるのが効果的である。
【0055】本発明のトナーに使用される結着樹脂とし
ては、下記の重合体の使用が可能である。
【0056】例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の
単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重
合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル
共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノ
ール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレ
イン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸
ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、
キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、
クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。
好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体もしく
はポリエステル樹脂がある。
【0057】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル、アクリルアミドのような二重
結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例え
ば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチ
ル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカ
ルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;例え
ばエチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系
オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキ
シルケトンのようなビニルケトン類;例えばビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルのようなビニルエーテル類が挙げられる。これ
らのビニル単量体は、単独もしくは2つ以上用いられ
る。
【0058】スチレン系単重合体またはスチレン系共重
合体は架橋されていてもよく、また混合樹脂でもかまわ
ない。
【0059】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンの
ような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような
二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルア
ニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビ
ニルスルホンのようなジビニル化合物;および3個以上
のビニル基を有する化合物が挙げられる。これら架橋剤
は単独もしくは混合物として用いられる。
【0060】該スチレン系共重合体の合成方法として
は、塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法及び乳化重合
法のいずれでも良い。
【0061】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることも
できるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。
溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利
用して、また開始剤量や反応温度を調節することで低分
子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、GP
Cのクロマトグラムにおいて分子量5,000〜10万
の領域に分子量の極大値を有する低分子量のスチレン系
重合体を得る時には好ましい。
【0062】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコール、ベンゼンが用いられる。スチレンモノマー
混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好まし
い。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0063】反応温度としては、使用する溶媒、開始
剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃〜23
0℃で行なうのが良い。溶液重合においては、溶媒10
0質量部に対してモノマー30質量部〜400質量部で
行なうのが好ましい。
【0064】更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を
混合することも好ましく、数種の重合体をよく混合でき
る。
【0065】また、GPCのクロマトグラムにおいて分
子量100,000以上の領域に分子量の極大値を有す
る高分子量のスチレン系重合体や架橋スチレン系重合体
を得る重合法としては、乳化重合法や懸濁重合法が好ま
しい。
【0066】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
なう方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行なわれる相(重合体と単量体からなる油
相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、そ
の結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。
さらに、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重
合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造におい
て、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容
易であること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の
製造方法として優れた方法である。
【0067】しかし、添加した乳化剤のため生成重合体
が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操
作が必要であるので懸濁重合が簡便な方法である。
【0068】懸濁重合においては、水系溶媒100質量
部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは1
0〜90質量部)で行なうのが良い。使用可能な分散剤
としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコー
ル部分ケン化物、リン酸カルシウムの如き水に対して不
溶又は難溶の分散剤が用いられ、水系溶媒に対するモノ
マー量等に応じて異なるが、一般に水系溶媒100質量
部に対して0.05〜1質量部で用いられる。重合温度
は50〜95℃が適当であるが、使用する重合開始剤、
目的とするポリマーによって適宜選択すべきである。ま
た、重合開始剤の種類としては、水に不溶或は難溶のも
のであれば用いることが可能である。
【0069】これらの重合法において使用する重合開始
剤としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、クミンパーピバレート、t−ブチルパーオキ
シラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブ
チロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカ
ルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチル
パーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−
ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパ
ーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソ
フタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパ
ーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパー
オキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキ
シヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオ
キシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−
ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−
ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−
ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブ
チルパーオキシ)シランが挙げられる。これらの重合開
始剤は単独あるいは併用して使用できる。
【0070】その使用量はモノマー100質量部に対
し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量
部)の濃度で用いられる。
【0071】次に、ポリエステル樹脂の組成について説
明する。
【0072】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式
(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0073】
【外2】 (式中、Rはエチレンまたはプロピレン基を示し、xお
よびyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの
平均値は0〜10である。)
【0074】また式(B)で示されるジオール類;
【0075】
【外3】 (式中、R’は−CH2CH2−又は
【0076】
【外4】 を示し、x’及びy’は0以上の整数であり、かつ、
x’+y’の平均値は0〜10である。)が挙げられ
る。
【0077】2価の酸成分としては、例えばフタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベン
ゼンジカルボン酸類、又はその無水物又はその低級アル
キルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類、又はその無
水物、又はその低級アルキルエステル;n−ドデセニル
コハク酸、n−ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハ
ク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、
又はその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン
酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン
酸類、又はその無水物、又はその低級アルキルエステル
の如きジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0078】また、架橋成分としても働く3価以上のア
ルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ま
しい。
【0079】3価以上の多価アルコール成分としては、
例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロ
ール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、
1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタン
トリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオ
ール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,
3,5−トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
【0080】また、3価以上の多価カルボン酸成分とし
ては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼ
ントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボ
ン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサン
トリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル
−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレン
カルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテト
ラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水
物、低級アルキルエステル;次式
【0081】
【外5】 (式中、Xは炭素数1以上の側鎖を1個以上有する炭素
数1〜30のアルキレン基又はアルケニレン基を示す)
で表わされるテトラカルボン酸、又はその無水物、又は
その低級アルキルエステルの如き多価カルボン酸類及び
その誘導体が挙げられる。
【0082】全成分のモル数のうち、アルコール成分と
しては40〜60mol%であることが好ましく、より
好ましくは45〜55mol%であり、酸成分としては
60〜40mol%であることが好ましく、より好まし
くは55〜45mol%である。
【0083】また3価以上の多価の成分は、全成分中の
1〜60mol%であることが好ましい。
【0084】上記のアルコール成分及び酸成分を用い
て、通常一般に知られている縮重合を行うことによりポ
リエステル樹脂を得ることができる。
【0085】本発明のトナー中には上記結着樹脂成分の
他に、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合で以下の
化合物を含有させてもよい。例えばシリコーン樹脂、ポ
リウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブ
チラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノ
ール樹脂、2種以上のα−オレフィンの共重合体などが
挙げられる。
【0086】本発明のトナーに用いられる結着樹脂のガ
ラス転移点(Tg)は好ましくは45〜80℃、より好
ましくは50〜70℃である。
【0087】本発明において、結着樹脂及びトナーのG
PCによるクロマトグラムの分子量分布は次の条件で測
定される。
【0088】すなわち、40℃のヒートチャンバ中でカ
ラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒と
してTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定
する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分
子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により
作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算
出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分
子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10
点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なおカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラム
を複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製
のshodex GPC KF−801,802,80
3,804,805,806,807,800Pの組み
合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H
(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H
(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H
(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H
(HXL)、TSKguardcolumnの組み合わせ
を挙げることができる。
【0089】また、試料は以下のようにして作製する。
【0090】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がな
くなるまで)、更に12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45
〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−
5、東ソー社製、エキクロディスク25CR、ゲルマン
サイエンスジャパン社製などが利用できる)を通過さ
せたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹
脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0091】本発明に用いられる結着樹脂は、GPCに
より測定される重量平均分子量(Mw)が4,000〜
50,000(好ましくは5,000〜30,000)
の低分子量樹脂とMwが100,000以上(好ましく
は150,000以上)の高分子量樹脂、あるいはテト
ラヒドロフラン(THF)不溶分(ゲル成分)となった
架橋成分を有する樹脂、あるいはゲル成分となった樹脂
を共に用いることが好ましい。低分子量樹脂と高分子量
樹脂あるいはゲル成分含有樹脂を溶媒中で湿式混合して
もよいし、トナー製造時に乾式混合することも出来る。
更に、低分子量の樹脂の中にゲル成分となった樹脂ある
いはゲル成分を分散させた樹脂でもよい。また低分子量
樹脂存在下で、高分子量樹脂、ゲル成分含有樹脂、ゲル
成分を合成してもよい。また高分子量樹脂、ゲル含有樹
脂、ゲル成分存在下で低分子量樹脂を合成してもよい。
また、他の分子量を持つ樹脂と混合して用いてもよい。
【0092】本発明のトナーには荷電制御剤を含有する
ことが好ましい。
【0093】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記の物質がある。
【0094】例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等に
よるニグロシン変成物;トリブチルベンジルアンモニウ
ム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テト
ラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四
級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニ
ウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリ
フェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化
剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、
りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン
酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物)
高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオク
チルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド
の如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレー
ト、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボ
レートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化
合物、イミダゾール化合物が挙げられる。これらを単独
で或いは2種類以上組合せて用いることができる。これ
らの中でも、トリフェニルメタン化合物、イミダゾール
化合物、カウンターイオンがハロゲンイオンでない四級
アンモニウム塩が好ましく用いられる。
【0095】また一般式(1)
【0096】
【外6】 で表わされるモノマーの単重合体又は前述したスチレ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き
重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用
いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結
着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0097】特に下記一般式(2)で表わされる化合物
が正荷電性制御剤として本発明の構成においては好まし
い。
【0098】
【外7】
【0099】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0100】例えば有機金属化合物、キレート化合物が
有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金
属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイ
カルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイ
ドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及
びその無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノ
ール誘導体類などがある。
【0101】また次に示した一般式(3)で表わされる
アゾ系金属化合物が好ましい。
【0102】
【外8】
【0103】特に中心金属としてはFe又はCrが好ま
しく、アリール基の有する置換基としてはハロゲン原
子、アルキル基、アニリド基が好ましい。またカウンタ
ーイオンの異なる金属化合物の混合物も好ましく用いら
れる。
【0104】あるいは次の一般式(4)に示した塩基性
有機酸金属化合物も負荷電性制御剤として好ましい。
【0105】
【外9】
【0106】特に中心金属としてはFe,Cr,Si,
Zn又はAlが好ましく、一般式(4)のAとしてはベ
ンゼン環及びナフタレン環が好ましく有する置換基とし
てはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲン原
子が好ましく、カウンターイオンとしては水素イオン、
アンモニウムイオン、脂肪族アンモニウムイオンが好ま
しい。
【0107】電荷制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー内部に添加する方法と外添する方法があ
る。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の
種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造
方法によって決定されるもので、一義的に限定されるも
のではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対し
て0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量
部の範囲で用いられる。
【0108】本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ
磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は
着色剤の役割をかねることもできる。本発明において、
磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイ
ト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバ
ルト、ニッケルのような金属或はこれらの金属と、アル
ミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステ
ン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が
挙げられる。
【0109】これらの磁性材料は平均粒子径が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μmのものが好ましい。
トナー中に含有させる量としては結着樹脂100質量部
に対し20〜200質量部が好ましく、特に好ましくは
結着樹脂100質量部に対し40〜150質量部が良
い。
【0110】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の顔料又は染料があげられる。トナーの着色剤
としては、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリ
ンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロ
ー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレ
ーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレ
ンブルーが挙げられる。これらは定着画像の光学濃度を
維持するのに必要充分な量が用いられ、結着樹脂100
質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜
10質量部の添加量が良い。また同様の目的で、更に染
料が用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系
染料、キサンテン系染料、メチン系染料があり結着樹脂
100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは
0.3〜10質量部の添加量が良い。
【0111】本発明のトナーにおいては、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上の為、シリカ、アルミナ、
チタニアの如き微粉末を添加することが好ましい。
【0112】本発明に用いられるシリカ、アルミナ、チ
タニアの微粉末は、BET法で測定した窒素吸着による
比表面積が20m2/g以上(特に30〜400m2
g)の範囲内のものが良好な結果を与える。トナー10
0質量部に対してこれらの微粉体を0.01〜8質量部
用いることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量
部使用するのが良い。
【0113】また、該微粉末は、必要に応じ、疎水化、
帯電性コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各
種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性
シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有
するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物
の如き処理剤で、あるいは種々の処理剤を併用して処理
されていることも好ましい。
【0114】また、現像性、耐久性を向上させるために
次の無機粉体を添加することも好ましい。マグネシウ
ム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジ
ルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、
アンチモンの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン
酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金
属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸ア
ルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;ア
パタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素
の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイト
の如き炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタ
ン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムが好まし
い。
【0115】更に次のような滑剤粉末を添加することも
できる。テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニリデ
ン、フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸
亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如
き脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸およびアミ
ノ酸誘導体が挙げられる。
【0116】また近年はトナー粒径の小径化が進んでき
ており、高精細・高解像の画像を得るという観点から、
トナーの重量平均粒径が10μm以下であることが好ま
しい。特に重量平均粒径6.0μm以下のトナーにおい
てはその効果は顕著であり、極めて高精細な画像が得ら
れる。重量平均粒径は3.0μm以上である方が十分な
画像濃度が得られて好ましい。一方でトナーの低温定着
化や小粒径化が進むと流動性や保存性が悪化しやすくな
るが、本発明のトナーは、過度の可塑効果が抑えられる
ので、耐ブロッキング性、流動性に優れ、現像器やクリ
ーナー内の耐久により生じるトラブルが抑制される。
【0117】本発明のトナーの重量平均粒径は、コール
ターマルチサイザーIIE(コールター社製)を用い、
電解液はISOTON R−II(1%NaCl水溶
液、コールターサイエンティフィックジャパン社製)を
用いて測定する。測定法としては、前記電解水溶液10
0〜150ml中に分散剤として界面活性剤を0.1〜
5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料
を懸濁した電解液は超音波分散機で約1〜3分間分散処
理を行い、前記測定装置により、体積、個数を測定し
て、体積平均粒径を算出する。
【0118】重量平均粒径が6.0μmより大きい場合
は100μmアパーチャーを用い2〜60μmの粒子を
測定し、重量平均粒径3.0〜6.0μmの場合は50
μmのアパーチャーを用い1〜30μmの粒子を測定
し、重量平均粒径3.0μm未満の場合は30μmアパ
ーチャーを用い0.6〜18μmの粒子を測定する。
【0119】本発明のトナーは、キャリアと併用して二
成分現像剤として用いることができ、二成分現像方法に
用いる場合のキャリアとしては、従来知られているもの
がすべて使用可能であるが、具体的には、表面酸化また
は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロ
ム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物の
平均粒径20〜300μmの粒子が使用される。
【0120】また、それらキャリア粒子の表面に、スチ
レン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ
素系樹脂、ポリエステル樹脂の如き樹脂を付着または被
覆させたものが好ましく使用される。
【0121】本発明に係るトナーを作製するには結着樹
脂、ワックス、必要に応じて、金属化合物、着色剤とし
ての顔料又は染料、磁性体、荷電制御剤、その他の添加
剤等を、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ボー
ルミル、ナウターミキサー等の混合機により充分混合し
てから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き
熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せし
めた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶
解せしめ、冷却固化後、ジェットミル、ターボミル、ク
リプトロン、イノマイザの如き粉砕機を用いて粉砕
し、;エルボージェット、ターボプレックス、ディスパ
ージェンセパレータの如き分級機を用いて、分級を行っ
て本発明に係るトナーを得ることが出来る。
【0122】さらに必要に応じ所望の添加剤をスーパー
ミキサーやヘンシェルミキサーの如き混合機により充分
混合し、本発明に係るトナーを得ることができる。
【0123】また、トナーを作製するにあたり、本発明
の効果を得るためにはワックス類を結着樹脂中に均一に
分散することが好ましい。分散状態が不均一であった
り、遊離のワックス類が存在するような場合には、トナ
ーの性能を十分に発揮しきれないことがある。均一な分
散状態にするには、トナー作製時の溶融混練をする前
に、予めワックス類と樹脂類を溶融混練したものを結着
樹脂として用いて、次工程の溶融混練に供する方法が利
用できる。更に、樹脂を溶剤中に溶解させワックスを溶
剤中に湿式混合し、脱溶剤後、乾燥・粉砕をしたものを
結着樹脂として用いて、トナー溶融混練工程に入る方法
も利用できる。また、ワックス類を混合する際に溶剤温
度をあげ、ワックス類を溶融状態で混合することも利用
できる。
【0124】
【実施例】以下、具体的実施例によって、本発明を説明
する。
【0125】実施例に用いられるワックスAについて表
1に示す。
【0126】
【表1】
【0127】ワックス1におけるDSCの測定結果を図
1に示す。
【0128】実施例に用いられるワックスは以下のよう
にして製造した。
【0129】ワックス4、5は、原油から得られたスラ
ックワックスを従来の溶剤法により精製を行って得られ
たものである。
【0130】例えばワックス4は以下のように製造し
た。溶剤にはトルエンとメチルエチルケトンの混合溶剤
を用い、80℃にて原料ワックスを溶解し、0.2℃/
minで68℃まで冷却し1時間保持した後、濾過し
た。濾別したワックスを新しい混合溶剤で2回洗浄した
後、ワックスを取り出し、溶剤を溶剤回収装置にて分離
し、水素化精製を行ってワックス4を得た。ワックス4
のガスクロマトグラムの摸式図を図2に示す。
【0131】このときの濾液を75℃にてワックスを溶
解し、0.2℃/minで58℃まで冷却し1時間保持
した後、濾過した。濾別したワックスを新しい混合溶剤
で2回洗浄した後、ワックスを取り出し、溶剤を溶剤回
収装置にて分離し、水素化精製を行ってワックス5を得
た。
【0132】ワックス2、3は上記溶剤法実施時に、温
度管理をより厳密に制御し、溶剤洗浄工程を増やしてそ
れぞれの条件を変えて精製を行った。
【0133】例えばワックス2は以下のように製造し
た。80℃にて原料ワックスを溶解して0.2℃/mi
nで75℃まで、0.1℃/minで68℃まで冷却し
1時間保持した後、濾過した。濾別したワックスを新し
い混合溶剤で3回洗浄した後、ワックスを取り出し、溶
剤を溶剤回収装置にて分離し、水素化精製を行ってワッ
クス2を得た。
【0134】ワックス3は以下のようにして製造した。
80℃にて原料ワックスを溶解して0.1℃/minで
75℃まで冷却し、ここで1時間保持した後、濾別し
た。このときの濾液を80℃でワックスを溶解し、0.
2℃/minで75℃まで、0.1℃/minで66℃
まで冷却し1時間保持した後、濾過した。濾別したワッ
クスを新しい混合溶剤で3回洗浄した後、ワックスを取
り出し、溶剤を溶剤回収装置にて分離し、水素化精製を
行ってワックス3を得た。
【0135】ワックス13は、ワックス4を原料に用い
て製造した。溶剤にはメチルイソブチルケトンを用い、
80℃にてワックス4を溶解して0.2℃/minで7
5℃まで、0.1℃/minで69℃まで冷却し1時間
保持した後、濾過した。濾別したワックスを新しい溶剤
で3回洗浄した後、ワックスを取り出し、溶剤を溶剤回
収装置にて分離し、水素化精製を行ってワックス13を
得た。ワックス13のガスクロマトグラムの摸式図を図
3に示す。
【0136】ワックス1、6、7、8、14、15は石
炭または天然ガスを原料とした市販のフィッシャートロ
プシュワックスを真空蒸留し、蒸留条件を変更して異な
る留分のものを原料に用い、ワックス13と同様の方法
を用い、制御温度、洗浄回数を変更して精製して得た。
【0137】ワックス9は石炭を原料にフィッシャート
ロプシュ法で得られる炭化水素を真空蒸留して得られた
フィッシャートロプシュワックスである。
【0138】ワックス10はメタロセンを触媒にして得
られるポリエチレンを原料に、ワックス13と同様な方
法を用いて、制御温度、洗浄回数を変更して得られたも
のである。
【0139】ワックス11、12は従来のチーグラー法
で製造されたポリエチレンである。
【0140】次に、結着樹脂を以下の如く調製した。
【0141】懸濁重合法で重合開始剤として2,2−ビ
ス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ
ル)プロパンを用いたスチレン−ブチルアクリレート−
ジビニルベンゼン共重合体A(St/BA/DVB=8
0/20/0.01、Tg=67℃、Mw=1,02
0,000)を作製した。ついで、溶液重合法で重合開
始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイドを用いたスチ
レン−ブチルアクリレート−モノブチルマレート共重合
体B(St/BA/MBM=80/15/5、Tg=6
1℃、Mw=15,000)を作製した。共重合体Bを
70質量部に対し共重合体Aを30質量部を溶液中で混
合したものを結着樹脂1とした。
【0142】懸濁重合法で重合開始剤として2,2−ビ
ス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ
ル)プロパンを用いたスチレン−ブチルアクリレート共
重合体C(St/BA=80/20、Tg=67℃、M
w=820,000)を作製した。ついで、溶液重合法
で重合開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイドを用
いたスチレン−ブチルアクリレート共重合体D(St/
BA=85/15、Tg=61℃、Mw=15,80
0)を作製した。共重合体Dを70質量部に対し共重合
体Cを30質量部を溶液中で混合したものを結着樹脂2
とした。
【0143】 <実施例1> ・結着樹脂1 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 100質量部 ・モノアゾ鉄化合物 2質量部 ・ワックス1 6質量部 上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、11
0℃に設定した二軸混練押出機にて混練した。得られた
混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ジェット
気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コアンダ効果を
利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径
6.8μmの負帯電性磁性トナー粒子を得た。このトナ
ー粒子100質量部に負帯電性疎水性シリカ1.0質量
部をヘンシェルミキサーで外添混合し、重量平均粒径
6.8μmの磁性トナー1を得た。
【0144】この磁性トナー1の定着試験、画像耐久試
験の結果を表2に示す。その結果、良好な定着特性、耐
久特性が得られた。試験方法は次の通りである。
【0145】[定着試験]市販のレーザービームプリン
ターLBP−930EX(キヤノン(株)社製)の定着
器を外部へ取り外し、プリンター外でも動作し、定着温
度を任意に設定可能にし、プロセススピードを100m
m/secとなるように改造した外部定着器を用い、2
3℃,60%RHの環境で、未定着画像を担持している
80g/m 2紙を通紙することにより定着性を評価し
た。130〜180℃の温度範囲で5℃おきに温調し
て、各々の温度で未定着画像の定着を行い、得られた画
像を4.9kPaの加重をかけたシルボン紙で往復5回
摺擦し、摺擦前後の画像濃度低下率が10%以下になる
点を定着開始温度とした。この温度が低いほど定着性に
優れている。画像濃度の測定はマクベス濃度計(マクベ
ス社製)でSPIフィルターを使用して反射濃度を測定
することにより行った。
【0146】[画像耐久試験]磁性トナー1を、市販の
プリンターLBP−930EX(キヤノン社製)を用い
て、32.5℃,80%RHの環境で15,000枚の
プリント試験を行った。その結果、画像濃度が高く濃度
ムラのない画像が得られた。その詳細は表2に記す。画
像濃度は、15,000枚プリント試験終了時の画像を
用いて、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィ
ルターを使用して、反射濃度の測定を行い、5mm角の
画像を測定し、5点平均で算出した。濃度ムラは、1
5,000枚プリント試験終了後にベタ画像を出力し、
該ベタ画像の濃度を測定し面内の最高濃度と最低濃度と
の濃度差により評価した。トナーカートリッジ内の動き
が悪くなると濃度ムラが発生する。ランク分けは以下の
ように行った。表には試験中の最悪値を表示する。 A:濃度差0.05未満 B:濃度差0.05以上0.10未満 C:濃度差0.10以上0.15未満 D:濃度差0.15以上
【0147】また、廃トナーのブリッジング、容器・部
材付着、ケーキング、融着などによるクリーニングトラ
ブルに伴う、クリーニング不良、感光体ドラム融着に由
来する画像欠陥を、プリント試験を通して評価した。ラ
ンク分けは以下のように行った。 A:画像異常の発生はない B:非画像部にクリーニング不良、融着が発生したが画
像には影響ない C:クリーニング不良、融着が発生するが、消失し、そ
の頻度は低い D:クリーニング不良、融着が発生し、消失しないこと
もある
【0148】試験終了後、スリーブ融着の有無を調査し
た。ランク分けは以下の通りである。 A:スリーブ融着なし B:わずかに融着するが画像に影響なし C:融着があり、わずかに画像に影響あり D:スリーブ融着による画像異常の発生がある
【0149】[耐ブロッキング性評価試験]トナー20
gをポリコップに入れ50℃の恒温槽に5日間放置し、
その後のトナー状態を目視にて評価する。ランク分けは
以下の通りである。 A:固まりは見られずさらさらしている B:多少凝集は見られるがすぐほぐれる C:ダマが見られるが簡単に崩れる D:固まりが見られ、容易にほぐれない
【0150】<実施例2〜10>ワックス1の代わりに
ワックス2,3,6,7,8,10,13,14,15
を用いる以外は実施例1と同様にして磁性トナー2〜1
0を得、評価した。磁性トナー2〜10の評価結果を表
2に示す。
【0151】<比較例1>ワックス1の代わりにワック
ス4を用いる以外は実施例1と同様にして重量平均粒径
6.5μmの磁性トナー11を得、評価した。磁性トナ
ー11の評価結果を表2に示す。スリーブ融着にやや劣
った。
【0152】<比較例2>ワックス1の代わりにワック
ス5を用いる以外は実施例1と同様にして重量平均粒径
6.6μmの磁性トナー12を得、評価した。磁性トナ
ー12の評価結果を表2に示す。画像耐久性に劣った。
【0153】<比較例3>ワックス1の代わりにワック
ス9を用いる以外は実施例1と同様にして重量平均粒径
6.4μmの磁性トナー13を得、評価した。磁性トナ
ー13の評価結果を表2に示す。画像耐久性に劣った。
【0154】<比較例4>ワックス1の代わりにワック
ス11を用いる以外は実施例1と同様にして重量平均粒
径6.7μmの磁性トナー14を得、評価した。磁性ト
ナー14の評価結果を表2に示す。画像耐久性、耐ブロ
ッキング性に劣った。
【0155】<比較例5>ワックス1の代わりにワック
ス12を用いる以外は実施例1と同様にして重量平均粒
径6.7μmの磁性トナー15を得、評価した磁性トナ
ー15の評価結果を表2に示す。定着性に劣った。
【0156】 <実施例11> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス1 5質量部 ・フィシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク98.9℃) 2質量部 上記材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、11
0℃に設定した二軸混練押出機にて混練した。得られた
混練物を冷却しカッターミルで粗粉砕した後、ジェット
気流を用いた粉砕機を用いて微粉砕し、コアンダ効果を
利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径
6.5μmの正帯電性磁性トナー粒子を得た。このトナ
ー粒子100質量部に正帯電性疎水性シリカ1.0質量
部をヘンシェルミキサーで外添混合し、重量平均粒径
6.5μmの磁性トナー16を得た。
【0157】また、この磁性トナー16の定着試験、画
像耐久試験の結果を表3に示す。その結果、良好な定着
特性、耐久特性が得られた。試験方法は次の通りであ
る。
【0158】[定着試験]市販の電子写真複写機GP−
605(キヤノン(株)社製)の定着器を外部へ取り外
し、複写機外でも動作し、定着温度を任意に設定可能に
し、プロセススピードを300mm/secとなるよう
に改造した外部定着器を用い、23℃,60%RHの環
境で、未定着画像を担持している80g/m 2紙を通紙
することにより定着性を評価した。140〜190℃の
温度範囲で5℃おきに温調して、各々の温度で未定着画
像の定着を行い、得られた画像を4.9kPaの加重を
かけたシルボン紙で往復5回摺擦し、摺擦前後の画像濃
度低下率が10%以下になる点を定着開始温度とした。
この温度が低いほど定着性に優れている。画像濃度の測
定はマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルタ
ーを使用して反射濃度を測定することにより行った。
【0159】[画像耐久試験]磁性トナー13を、市販
の電子写真複写機GP−605(キヤノン社製)を用い
て、32.5℃,80%RHの環境で100,000枚
の複写試験を行った。その結果、画像濃度が高く濃度ム
ラのない画像が得られた。その詳細は表3に記す。画像
濃度は、100,000枚の複写試験終了時の画像を用
いて、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィル
ターを使用してヽ反射濃度を測定を行い、5mm丸の画
像を測定し、5点平均で算出した。濃度ムラは、10
0,000枚複写終了後にベタ画像を出力し、該ベタ画
像の濃度を測定し面内の最高濃度と最低濃度との濃度差
により評価した。現像器内の動きが悪くなるあるいはト
ナーホッパーからの補給にムラができると濃度ムラやカ
ブリが発生する。濃度ムラのランク分けは以下のように
行った。表には試験中の最悪値を表示する。 A:濃度差0.05未満 B:濃度差0.05以上0.10未満 C:濃度差0.10以上0.15未満 D:濃度差0.15以上
【0160】カブリは反射濃度計(リフレクトメーター
モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて行
い、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、画像形
成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drを
カブリ量としてカブリの評価を行った。カブリのランク
分けは以下のように行った。表には試験中の最悪値を表
示する。 A:0.5未満 B:0.5以上1.0未満 C:1.0以上1.5未満 D:1.5以上
【0161】また、廃トナーのブリッジング、容器・部
材付着、ケーキング、融着などによるクリーニングトラ
ブルに伴う、クリーニング不良、感光体ドラム融着に由
来する画像欠陥を評価した。ランク分けは以下のように
行った。 A:画像異常の発生はない B:非画像部にクリーニング不良、融着が発生したが画
像には影響ない C:クリーニング不良、融着が発生するが、消失し、そ
の頻度は低い D:クリーニング不良、融着が発生し、消失しないこと
もある
【0162】[耐ブロッキング性評価試験]トナー20
gをポリコップに入れ50℃の恒温槽に5日間放置し、
その後のトナー状態を目視にて評価する。ランク分けは
以下の通りである。 A:固まりは見られずさらさらしている B:多少凝集は見られるがすぐほぐれる C:ダマが見られるが簡単に崩れる D:固まりが見られ、容易にほぐれない
【0163】 <実施例12> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス2 5質量部 ・フィシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク92.5℃) 2質量部 上記材料を用いる以外は実施例11と同様にして重量平
均粒径6.8μmの磁性トナー17を得た。また、この
磁性トナー17の定着試験、画像耐久試験の結果を表3
に示す。
【0164】 <実施例13> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス3 5質量部 ・ポリプロピレンワックス(最大吸熱ピーク135.5℃) 2質量部 上記材料を用いる以外は実施例11と同様にして重量平
均粒径6.7μmの磁性トナー18を得た。また、この
磁性トナー18の定着試験、画像耐久試験の結果を表3
に示す。
【0165】 <実施例14> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス6 5質量部 ・ポリプロピレンワックス(最大吸熱ピーク137.8℃) 2質量部 上記材料を用いる以外は実施例11と同様にして重量平
均粒径6.5μmの磁性トナー19を得た。また、この
磁性トナー19の定着試験、画像耐久試験の結果を表3
に示す。
【0166】 <実施例15> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス7 5質量部 ・ポリエチレンワックス(最大吸熱ピーク102.4℃) 2質量部 上記材料を用いる以外は実施例11と同様にして重量平
粒均6.6μmの磁性トナー20を得た。また、この磁
性トナー20の定着試験、画像耐久試験の結果を表3に
示す。
【0167】 <実施例16> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス8 5質量部 ・ポリエチレンワックス(最大吸熱ピーク112.6℃) 2質量部 上記材料を用いる以外は実施例11と同様にして重量平
均粒径6.4μmの磁性トナー21を得た。また、この
磁性トナー21の定着試験、画像耐久試験の結果を表3
に示す。
【0168】 <実施例17> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μm) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス10 5質量部 ・ポリエチレンワックス(最大吸熱ピーク125.8℃) 2質量部 上記材料を用いる以外は実施例11と同様にして重量平
均粒径6.4μmの磁性トナー22を得た。また、この
磁性トナー22の定着試験、画像耐久試験の結果を表3
に示す。
【0169】 <実施例18> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μ) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス13 4質量部 ・スチレン変成ポリプロピレンワックス (最大吸熱ピーク132.7℃) 3質量部 上記材料を用い実施例11と同様にして重量平均粒径
5.7μmの磁性トナー23とした。また、この磁性ト
ナー23の定着試験、画像耐久試験の結果を表3に示
す。
【0170】 <実施例19> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μ) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス14 4質量部 ・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク105.4℃)3質量部 上記材料を用い実施例11と同様にして重量平均粒径
5.8μmの磁性トナー24とした。また、この磁性ト
ナー24の定着試験、画像耐久試験の結果を表3に示
す。
【0171】 <実施例20> ・結着樹脂2 100質量部 ・マグネタイト(平均径0.2μ) 90質量部 ・トリフェニルメタンレーキ化合物 2質量部 ・ワックス15 4質量部 ・アルコールワックス(最大吸熱ピーク102.3℃) 3質量部 上記材料を用い実施例11と同様にして重量平均粒径
5.7μmの磁性トナー25とした。また、この磁性ト
ナー25の定着試験、画像耐久試験の結果を表3に示
す。
【0172】
【表2】
【0173】
【表3】
【0174】
【発明の効果】本発明によれば、前述したようなn−パ
ラフィン含有率の高い、低融点シャープメルトワックス
を用いることで、定着性に優れ、更には粉体特性や保存
性に優れたトナーを提供することができる。
【0175】本発明は、トナーの保存安定性、流動性に
優れ、クリーナーにおいてトナー詰まりやクリーニング
不良を発生しないトナーを提供することができる。
【0176】本発明は、トナーの保存安定性、流動性に
優れ、現像器においてトナーの動きが安定し現像安定性
の得られるトナーを提供することができる。
【0177】本発明は、耐融着性を与え、現像スリーブ
融着、感光ドラム融着を防止するトナーを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワックス1のDSCチャートを示すグラフであ
る。
【図2】ワックス4に関するガスクロマトグラムの測定
結果の模式図である。
【図3】ワックス13に関するガスクロマトグラムの測
定結果の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 雅己 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 小堀 尚邦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 CA13 CA14 EA03 EA07 EA10

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及びワックスAを含有する樹脂
    組成物を有するトナーであって、 該ワックスAが、n(ノルマル)−パラフィンを92質
    量%以上含有し、炭素数の異なる複数のn−パラフィン
    成分を含有しており、DSCで測定される吸熱曲線にお
    いて最大吸熱ピークのピークトップ温度が70〜90℃
    であり、該最大吸熱ピークのピーク半値幅が12℃以下
    であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 該ワックスAは、DSCで測定される吸
    熱曲線において、始点オンセット温度が50℃以上であ
    り、終点オンセット温度が100℃以下であることを特
    徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 該ワックスAは、DSCで測定される吸
    熱曲線において、始点オンセット温度が55℃以上であ
    り、終点オンセット温度が95℃以下であることを特徴
    とする請求項1に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 該ワックスAは、DSCで測定される吸
    熱曲線において、始点オンセット温度が60℃以上であ
    り、終点オンセット温度が90℃以下であることを特徴
    とする請求項1に記載のトナー。
  5. 【請求項5】 該ワックスAは、DSCで測定される吸
    熱曲線において、最大吸熱ピークのピークトップ温度
    が、75〜90℃であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該ワックスAは、DSCで測定される吸
    熱曲線において、最大吸熱ピークのピークトップ温度
    が、75〜85℃であることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 該ワックスAが、n−パラフィンを93
    質量%以上含有していることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 該ワックスAが、n−パラフィンを94
    質量%以上含有していることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 該ワックスAは、DSCで測定される吸
    熱曲線において、最大吸熱ピークのピーク半値幅が10
    ℃以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    かに記載のトナー。
  10. 【請求項10】 該ワックスAは、DSCで測定される
    吸熱曲線において、最大吸熱ピークのピーク半値幅が8
    ℃以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    かに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 該ワックスAが、パラフィンワックス
    又はフィッシャートロプシュワックスであることを特徴
    とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトナー。
  12. 【請求項12】 該ワックスAの含有するn−パラフィ
    ンの平均炭素数が、30〜55個であることを特徴とす
    る請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 該ワックスAの含有するn−パラフィ
    ンの炭素数分布の標準偏差Sが0.5〜10であること
    を特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナ
    ー。
  14. 【請求項14】 該ワックスAは、100℃における動
    粘度が20mm2/sec以下であることを特徴とする請求
    項1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 【請求項15】 該ワックスAは、25℃における針入
    度が10以下であることを特徴とする請求項1乃至16
    のいずれかに記載のトナー。
  16. 【請求項16】 該ワックスが、最大吸熱ピークのピー
    クトップ温度が90℃より高く、150℃以下であるワ
    ックスBを含有することを特徴とする請求項1乃至15
    のいずれかに記載のトナー。
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