JP3647194B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法,静電記録法,静電印刷法等において形成される静電荷像を現像するための静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載されている如く多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧力,加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得るものであり、そして感光体上に転写せず残ったトナーは種々の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返される。
【0003】
近年この様な複写装置は、単なる一般にいうオリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機というだけでなく、コンピューターの出力としてのプリンターにも使われるようになり、用途が多様化してきている。
【0004】
その結果、連続高速複写時及び長期使用後の画像安定性、細線及び微小ドットの高解像性などが厳しく追及されるようになった。そのため、複写装置も複雑かつ高機能化してきているが、その反面小型化、省電力化への要求も高まってきている。
【0005】
例えばトナー像を紙などのシートに定着する工程に関して種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱定着ローラーによる圧着加熱方式である。
【0006】
熱定着ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に、被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。しかしながら上記方法では、熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着,転移し、次の被定着シートにこれが再転移して所謂オフセット現象を生じ、被定着シートを汚すことがある。
【0007】
このようなトナー付着を防止する目的で、従来より定着ローラー表面をトナーに対して離型性の優れた材料、例えばシリコーンゴムや弗素系樹脂などで形成することが行われている。これらの材料は確かにトナーの溶融状態での定着ローラー表面への付着に対しては効果があるが、表面が静電的に帯電しやすく、トナーの静電的付着力によるオフセット(静電オフセット)を発生しやすい。
【0008】
静電オフセットの発生メカニズムの概略を以下に説明する。
【0009】
上述したシリコーンゴムや弗素系樹脂などの定着ローラー表面を形成する材料は、低表面エネルギーであるが、トナー像の被定着シートへの圧着過程において静電的に帯電する。これらの材料は通常負帯電性を示し、トナーとして正帯電性のものを使用する場合には定着ローラー表面とトナーとの間に静電的付着力が働き、被定着シート上の正帯電性トナーが定着ローラー表面に付着,転移する。この現象が静電オフセットのメカニズムであると考えられる。
【0010】
トナーとして負帯電性のものを使用した場合でも、定着ローラー表面との帯電量の差が大きい場合には同様の現象が発生する。また、高画像濃度を得るためにトナー像支持体上にトナーを嵩高く載せる場合にも静電オフセット現象を発生しやすい。
【0011】
この静電オフセット現象の対策として被定着シート上トナー像の電荷を定着前もしくは定着中にコントロールする手段を設けることも考えられるが、画像形成装置の小型化,軽量化と相反する上、コストの上昇を伴なうため、トナーによって改良することが好ましい。
【0012】
更に、静電オフセット現象の対策として定着ローラーへの離型性オイルの供給もしくはオフセットしたトナーを巻き取り式の例えばウェブの如き部材を用いた装置でクリーニングする装置を設ける手段もあるが、やはり画像形成装置の小型化,軽量化及びコストの上昇、信頼性の向上等を考慮すると、トナーによって改良することが望ましい。
【0013】
これに対し、特開昭55−134681号公報、特開昭56−65147号公報及び特開平3−229263号公報等には、酸価を有するバインダー樹脂を用いたトナーが開示されており、これらは静電オフセットにある程度の効果が期待されるものの、正帯電性トナーとして用いた場合には帯電性の低下に起因する現像性の劣化、また負帯電性トナーとして用いた場合にはチャージアップに起因する現像性の悪化といった課題を残している。
【0014】
また、熱定着ローラーの更なる問題点として、熱ローラー表面にトナーが固着し、蓄積して熱ローラー表面を汚し、その汚れた部分が被定着シート上の画像の白抜けを発生させることがある。この現象は、いわゆるオフセット現象とは異なり、トナーが良好に定着している場合にも発生し、特にライン画像を連続して複写したときに顕著に現れる。このようなトナー付着を防止することも熱ローラー定着の必須条件の一つとされている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した静電荷像現像用トナーを提供するものである。以下に本発明の目的を列挙する。
【0016】
本発明の目的は、耐静電オフセット性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0017】
本発明の目的は、耐定着ローラー汚れに優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0018】
本発明の目的は、耐高温オフセット性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0019】
本発明の目的は、画像濃度が高い静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0020】
本発明の目的は、長時間の使用で性能の変化のない静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0021】
本発明の目的は、耐ブロッキング性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0022】
本発明の目的は、感光体へのトナー融着を起こさない静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段及び作用】
少なくとも結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーのGPC(ジェルパーメーションクロマトグラフィ)により測定されたクロマトグラムにおいて、
(A)分子量10000未満の領域
(B)分子量70000を超える領域
(C)分子量10000〜70000の領域
のそれぞれの領域において、
(A)の成分が酸価(Ava)0〜15であり、
(B)の成分が酸価(Avb)5〜25であり、
(C)の領域の成分中に、共役ジエン系モノマーをモノマー単位として有する重合体を5〜40wt%含有し、
Avb>Ava
であり、該トナー中のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が5〜40wt%であることを特徴とすることにより、前記目的を達成するものである。
【0024】
更に、該トナーのGPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、
(A)の成分が酸価(Ava)1〜10であり、
(B)の成分が酸価(Avb)7〜22である静電荷像現像用トナーであることが好ましい。
【0025】
更に、該トナーのGPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、(A)、(B)、(C)各々の成分が30〜50:5〜35:35〜55(面積比)の比率で配合されている静電荷像現像用トナーであることが好ましい。
【0026】
更に本発明に関して詳しく説明する。
【0027】
本発明の特徴は、特定の分子量領域に特定の酸価を有し、特定の分子量領域に共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂を特定の割合で有し、結着樹脂成分中にテトラヒドロフラン(THF)不溶分を特定の割合で有する静電荷像現像用トナーを用いることにある。
【0028】
本発明のトナーのGPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、分子量10000未満の成分(A)が酸価(Ava)0〜15(好ましくは酸価1〜10)であり、分子量70000を超える成分(B)が酸価(Avb)5〜25(好ましくは7〜22)であることにより、トナーの帯電量を制御し、定着ローラーとトナーとの電位差によって生じる静電オフセットを防止することができる。酸価を有することでトナーの臨界表面張力が上がって定着ローラーとなじみにくくなり、トナーがオフセットを起こしにくくなる。
【0029】
分子量10000未満の成分(A)の酸価が15を超えると、トナーの帯電量が不安定になり、正帯電性トナーの場合はトナー帯電量の低下に伴う画像濃度の低下を引き起こし、また、負帯電性トナーの場合はチャージアップに伴う現像性の低下が発生する。
【0030】
分子量70000を超える成分(B)は、トナー中での存在比が分子量10000未満の成分(A)と比べて比較的少ない。そのために、分子量10000未満の成分と比べてより多くの酸価を持たせてもトナーの帯電性にさほど影響を及ぼさないで耐静電オフセット性に効果を与えることができる。分子量70000を超える成分の酸価が5未満だと、耐静電オフセット性への効果が小さくなる。分子量70000を超える成分の酸価が25を超えるとトナーの帯電量が不安定になり、正帯電性トナーの場合はトナー帯電量の低下に伴う画像濃度の低下を引き起こし、また、負帯電性トナーの場合はチャージアップに伴う現像性の低下が発生する。
【0031】
また、該トナーが酸価を有することにより、トナーの定着ローラーへの付着に起因する画像白抜けを防止することができる。長期間被定着シートを定着ローラーによって定着し続けた時にローラー上にトナーが蓄積されることはある程度避けられないが、その時にトナーが酸価を有することにより、トナーがローラーに付着しても剥がれやすくなり、定着画像に影響を及ぼすほどのトナー付着を防止することができるのである。
【0032】
更に、本発明のトナーのGPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、分子量10000未満の成分(A)の酸価(Ava)と分子量70000を超える成分(B)の酸価(Avb)の関係が、
Avb>Ava
であることにより、トナーの低分子量成分と高分子量成分の相溶性を高めることができる。本発明における分子量70000を超える成分やTHF不溶分は架橋構造を有しているため酸基が表面に現れにくい。逆に分子量10000未満の成分は個々の分子鎖が小さいために、常に分子中の酸基が分子表面に現れた状態となる。そこで分子量10000未満の成分が分子量70000を超える成分よりも酸価が大きいと、実際に分子表面に現れている酸基の比較としては酸価の数値以上の差となり、結果として両者の相溶性を悪化させることになる。よって、Ava>Avbの場合はトナー中の低分子量成分と高分子量成分の相溶性の悪化によってトナーの帯電が不均一になり、画像上にカブリが発生しやすくなる。
【0033】
また、このようなことから、分子量70000を超える成分は耐オフセット性に効果を有するためには、ある程度酸価は必要であるが、分子構造上その効果は大きいものとすることができる。一方、帯電性への悪影響を抑えることができるので、酸価を大きくすることが可能である。
【0034】
更に、本発明のトナー中のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が5〜40wt%であることによりトナーの弾性を高めることができ、耐高温オフセット性が向上する。本発明のTHF不溶分とは、トナー中の結着樹脂成分の内、THFによるソックスレー抽出を12時間行った時の残分を示す。即ち、トナー中の結着樹脂成分中の超高分子量分子成分及び高架橋分子成分が主成分となる。THF不溶分が5wt%未満だと、耐高温オフセット性に十分な効果を及ぼさない。THF不溶分が40wt%を超えると、トナーが硬くなりすぎて感光体に傷を付けてしまい、感光体へのトナー融着を起こす。
【0035】
更に、本発明のトナーのGPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、分子量10000〜70000の領域(C)の成分中に、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂成分を5〜40wt%含有することにより、トナーの現像性を高めることができる。すなわち、本発明において酸価を有することにより生じる現像性の低下を、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂によってカバーすることができる。
【0036】
(C)の領域の成分中の共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂成分の含有量が5wt%未満だと、トナーに十分な帯電量を持たせることができなくなり、画像濃度が低下する。
【0037】
(C)の領域の成分中の共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂成分の含有量が40wt%を超えると、トナーの耐熱性が低下し、耐ブロッキング性が悪化する。これは、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂は弾性が強く、定着性に劣るためTgを低めに設定する必要があり、そのために耐熱性に比較的劣ることによる。
【0038】
すなわち、本発明のトナーが、酸価を有することと、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂を含有することと、THF不溶分を含有することによる相乗効果を説明すると以下の様になる。
【0039】
まず、酸価を有することによってトナーの耐静電オフセット性が向上する。しかし、トナーの現像特性は若干劣るようになる。そこで共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂によって現像性の低下を補う。ところが共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂を用いた場合、定着性の低下を防止しようとすると保存性に劣るようになり、トナーの耐ブロッキング性を低下させることがあるが、トナーが酸価を有することにより、トナー表面にあらわれている酸基がトナー粒子同士の物理的な吸着を防ぎ、耐ブロッキング性に効果をもたらす。
【0040】
また、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂は、酸価を有する成分と相溶しにくいが、THF不溶分がトナー中に存在するためにトナーに外部からのシェアがかけやすくなり、結果としてトナー中に含まれる成分全ての分散性を向上させることができる。
【0041】
また、本発明において分子量10000〜70000の領域に共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂を含有させる理由は、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂は分子量10000未満の領域に含有させた場合は、トナーの耐ブロッキング性を低下させてしまい、また、分子量70000を超える領域に含有させた場合はトナーの定着性が低下したり、トナーが硬くなってトナーの製造効率を悪化させたりすることによる。
【0042】
更に、本発明においては該トナーのGPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、(A)、(B)、(C)各々の成分が30〜50:5〜35:35〜55(面積比)の比率で配合されていることが好ましい。上記関係が成り立つことにより、酸価を有する成分と共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂とを、より均一にトナー中に分散させることが可能となり、トナーの耐久使用時の劣化が緩和され、長期使用においてもより良好な画像濃度を得ることができる。上記比率をはずれた場合には、トナーを長期使用することによって特定の分子量領域の成分を多く含むトナー粒子の比率が増大し、トナーの帯電性が不均一になり、画像濃度が低下する場合がある。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明においては、上記酸価を満足させるために、結着樹脂に酸価を含有させることが好ましい。酸価を有する結着樹脂としては極性官能基としてカルボキシル基、酸無水物基及び/又は、その部分エステル化によって形成された酸価を有する結着樹脂等がある。
【0044】
本発明に用いられる酸価を有する結着樹脂としては、モノマー単位として、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,イタコン酸,シトラコン酸,ジメチルマレイン酸及びこれらの酸無水物及び/またはその部分エステル化物を有する単重合体或いは、これらと、オレフィン系もしくはビニル系モノマーとの共重合体、末端もしくは側鎖にカルボキシル基を有するポリエステル、及びロジン変性樹脂、オレフィン系酸化物等がある。
【0045】
共重合に使用できるモノマーの例としては、アクリル酸類,メタクリル酸類の誘導体として、アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチル,アクリル酸オクチル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸n−テトラデシル,アクリル酸n−ヘキサデシル,アクリル酸ラウリル,アクリル酸シクロヘキシル,アクリル酸ジエチルアミノエチル,アクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアクリル酸エステル類が挙げられ、同様にメタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸アミル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸オクチル,メタクリル酸デシル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸シクロヘキシル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステル類が挙げられる。スチレン類としては、スチレン,α−メチルスチレン,ビニルトルエン,クロルスチレンなどが挙げられる。
【0046】
また、架橋性モノマーとしては主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えばジビニルベンゼン,ジビニルナフタレンなどのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなどのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
【0047】
ポリエステル樹脂としては、その組成は以下の通りである。
【0048】
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(I)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0049】
【化1】
Figure 0003647194
【0050】
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
【0051】
また(II)式で示されるジオール類;
【0052】
【化2】
Figure 0003647194
【0053】
(式中、R’は−CH2CH2−又は
【0054】
【化3】
Figure 0003647194
であり、x’,y’は0以上の整数であり、かつ、x’+y’の平均値は0〜10である。)
が挙げられる。
【0055】
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0056】
また、架橋成分としても働く3価以上のアルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
【0057】
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0058】
また、本発明における3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;
次式
【0059】
【化4】
Figure 0003647194
【0060】
(式中、Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基)で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0061】
本発明に用いられる酸価を有する結着樹脂の調製法は樹脂により異なるが、アクリル酸や、メタクリル酸等を含むビニル系の共重合体では従来より知られている塊状重合などの重合法に従って行なえばよいが、モノマー比を変えることにより、またエステル化の度合いを変えることにより、酸価調節が行なえる。
【0062】
一方、ポリエステルのような縮合系樹脂ではジオールとジカルボン酸の量比を変化させるほかに重合が進むにつれて、末端のカルボキシル基の量比が減少することから、重合度を調節することにより酸価の調整が行なえる。
【0063】
また、オレフィン系樹脂、特にポリエチレンでは、融点近くまで、温度を上げると、空気中で、空気をよく溶かした水中でより速やかに酸化がおこり、ポリエチレン酸化物を得られるので、適宜酸価を検査しつつ酸化反応を進めていけばよい。
【0064】
本発明中、該酸価は以下の方法により求める。
【0065】
<各成分の分取>
[装置構成]
LC−908(日本分析工業株式会社製)
JRS−86(同社;リピートインジェクタ)
JAR−2(同社;オートサンプラー)
FC−201(ギルソン社;フラクッションコレクタ)
[カラム構成]
JAIGEL−1H〜5H(20φ×600mm:分取カラム)
[測定条件]
温度:40℃
溶媒:THF
流量:5ml/min
検出器:RI
【0066】
試料は、予め重合体成分以外の添加剤を分離しておく。分取方法としては、分子量が5×104となる溶出時間を予め測定し、その前後で低分子重合体成分及び高分子重合体成分を分取する。分取したサンプルから溶剤を除去し酸価測定用試料とする。
【0067】
<酸価の測定>
1)試料の粉砕品0.1〜0.2gを精秤し、その重さをW(g)とする。
2)20cc三角フラスコに試料を入れ、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液10ccを加え溶解する。
3)指示薬としてフェノールフタレインのアルコール溶液を数滴加える。
4)0.1規定のKOHのアルコール溶液を用いてフラスコ内の溶液をビュレットを用いて滴定する。この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とする。同時にブランクテストをし、この時のKOH溶液の量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。
【0068】
【数1】
Figure 0003647194
【0069】
本発明に用いられる、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂としては、モノマー単位としてブタジエンやイソプレン,クロロプレン等の誘導体の単独重合体、或いはこれらと、ビニル系モノマー又は/及び架橋性モノマーとの共重合体等が挙げられる。
【0070】
本発明において、結着樹脂及びトナーの結着樹脂成分中のTHF不溶分は次の条件で測定される。
【0071】
トナーサンプル0.5〜1.0gを秤量し、(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを用いて12時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中の磁性体或いは顔料の如き樹脂成分以外の重量を(W3g)とする。THF不溶分は下記式から求められる。
【0072】
【数2】
Figure 0003647194
【0073】
本発明において、トナー及び結着樹脂のGPCによるクロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0074】
すなわち、40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なおカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。
【0075】
また、試料は以下のようにして作製する。
【0076】
試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0077】
本発明に係るトナー中には上記結着樹脂成分の他に、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合で以下の化合物を含有させてもよい。例えばシリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
【0078】
本発明のトナーにはワックスを含有することが好ましい。本発明のトナーに含有されるワックスは、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類などの、飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0079】
好ましく用いられるワックスは、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又はその他の触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー、アルキレンポリマーを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精製したもの、一酸化炭素,水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは、これらを水素添加して得られる合成炭化水素などから、特定の成分を抽出分別したワックスが用いられ、酸化防止剤が添加されていてもよい。あるいは、直鎖状のアルコール、脂肪酸、酸アミド、エステルあるいは、モンタン系誘導体である。また、脂肪酸等の不純物を予め除去してあるものも好ましい。
【0080】
中でも好ましいものは、エチレンなどのオレフィンを重合したもの及びこの時の副生成物、フィッシャートロプシュワックスなどの炭素数が数千くらいまでの炭化水素を母体とするものが良い。また、炭素数が数百くらいまでの末端に水酸基をもつ長鎖アルキルアルコールも好ましい。更に、アルコールにアルキレンオキサイドを付加したものも好ましく用いられる。
【0081】
そして、これらのワックスから、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶化(例えば、融液晶析及び結晶ろ別)等を利用して、ワックスを分子量により分別し、分子量分布をシャープにしたワックスは、必要な融解挙動範囲の成分が占める割合が多くなるので更に好ましい。
【0082】
本発明においては、該ワックスを結着樹脂100重量部に対して好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部の範囲で用いられる。
【0083】
本発明のトナーには荷電制御剤を含有することが好ましい。
【0084】
トナーを正荷電性に制御するものとして下記の物質がある。
【0085】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式(III)
【0086】
【化5】
Figure 0003647194
で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0087】
特に下記一般式(IV)で表わされる化合物が本発明の構成においては好ましい。
【0088】
【化6】
Figure 0003647194
[式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基または、置換もしくは未置換のアリール基を表わす。R7,R8,R9は、各々互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基を表わす。A-は、硫酸イオン、硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸イオン、水酸イオン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機りん酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう酸イオン、テトラフルオロボレートなどの陰イオンを示す。]
【0089】
トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。
【0090】
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
【0091】
また次に示した一般式(V)で表わされるアゾ系金属錯体が好ましい。
【0092】
【化7】
Figure 0003647194
【0093】
特に中心金属としてはFe、Crが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基、アニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
【0094】
あるいは次の一般式(VI)に示した塩基性有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発明に使用できる。
【0095】
【化8】
Figure 0003647194
【0096】
特に中心金属としてはFe,Cr,Si,Zn,Alが好ましく、置換基としてはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲンが好ましく、カウンターイオンは水素、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。
【0097】
電荷制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で用いられる。
【0098】
本発明のトナーにおいては、帯電安定性,現像性,流動性,耐久性向上の為、シリカ微粉末を添加することが好ましい。
【0099】
本発明に用いられるシリカ微粉末は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2 /g以上(特に30〜400m2 /g)の範囲内のものが良好な結果を与える。トナー100重量部に対してシリカ微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用するのが良い。
【0100】
また、該シリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、あるいは種々の処理剤で併用して処理されていることも好ましい。
【0101】
また、現像性、耐久性を向上させるために次の無機粉体を添加することも好ましい。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンなどの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;アパタイトなどリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素などのケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトなどの炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムなどが好ましい。
【0102】
更に次のような滑剤粉末を添加することもできる。テフロン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;フッ化カーボンなどのフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸およびアミノ酸誘導体が挙げられる。
【0103】
本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等が挙げられる。
【0104】
これらの強磁性体は平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0105】
本発明のトナーに使用し得る着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料があげられる。トナーの着色剤としては、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部の添加量が良い。また同様の目的で、更に染料が用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料があり樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の添加量が良い。
【0106】
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製するには結着樹脂、ワックス、金属塩ないしは金属錯体、着色剤としての顔料、又は染料、磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行って本発明に係るところのトナーを得ることが出来る。
【0107】
さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、本発明に係る静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0108】
また、トナーの体積平均粒径(Dv)は、2.5μm乃至6.0μmであることが好ましい。体積平均粒径(Dv)が2.5μm未満の場合は、十分な画像濃度が得られ難い。体積平均粒径(Dv)が6.0μmより大きい場合は、より高精細な画像形成が困難である。
【0109】
トナーの粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてコールターカウンターのマルチサイザーを用いて行った。
【0110】
すなわち、測定装置としてはコールターカウンターのマルチサイザーII型(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し、電解液は特級または1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、アパーチャーとして、トナー粒径を測定するときは、100μmアパーチャーを用いて測定する。トナーの体積,個数を測定して、体積分布と、個数分布とを算出した。それから本発明に係わる体積分布から求めた重量基準の重量平均径及び体積平均粒径を体積分布から求める。
【0111】
本発明のトナーは、キャリアと併用して二成分現像剤として用いることができ、二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものがすべて使用可能であるが、具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金または酸化物などの平均粒径20〜300μmの粒子が使用される。
【0112】
またそれらキャリア粒子の表面に、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂等の物質を付着または被覆させたもの等が好ましく使用される。
【0113】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは、本発明をなんら限定するものではない。「部」は「重量部」を意味する。
【0114】
(結着樹脂合成例1)
四つ口フラスコ内にキシレン300部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させる。この還流下で、スチレン81.5部、アクリル酸n−ブチル16部、マレイン酸モノブチル2.5部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド2部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持し重合を完了した後、脱溶剤し結着樹脂1を得た。この結着樹脂1のGPC及び酸価測定を行ったところ、ピーク分子量12000、酸価8.2であった。得られた結着樹脂1をジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、平均粒径(D50)が310μmの結着樹脂微粉末1を得た。
【0115】
(結着樹脂合成例2〜4)
結着樹脂合成例1と同様に、マレイン酸モノブチル、スチレン、アクリル酸n−ブチル量及び開始剤量を調整し、結着樹脂2〜4を得た。そのピーク分子量及び酸価の値を表1に示す。
【0116】
(結着樹脂合成例5)
四つ口フラスコ内にキシレン300部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させる。この還流下で、スチレン81.4部、アクリル酸n−ブチル16部、メタクリル酸2.6部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド1.5部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持し重合を完了した後、脱溶剤し結着樹脂5を得た。この結着樹脂5のGPC及び酸価測定を行ったところ、ピーク分子量18000、酸価17.1であった。得られた結着樹脂5をジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、平均粒径(D50)が320μmの結着樹脂微粉末5を得た。
【0117】
(結着樹脂合成例6)
四つ口フラスコ内にキシレン300部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させる。この還流下で、スチレン84部、アクリル酸n−ブチル16部及びジ−tert−ブチルパーオキサイド2.1部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持し重合を完了した後、脱溶剤し結着樹脂6を得た。この結着樹脂6のGPC及び酸価測定を行ったところ、ピーク分子量10000、酸価0であった。得られた結着樹脂6をジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、平均粒径(D50)が330μmの結着樹脂微粉末6を得た。
【0118】
(結着樹脂合成例7)
四つ口フラスコ内に脱気水180部とポリビニルアルコールの2重量%水溶液20部を投入した後、スチレン75.18部、アクリル酸n−ブチル20部、マレイン酸モノブチル4.6部、ジビニルベンゼン0.22部、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.2部及びベンゾイルパーオキサイド0.5部の混合液を加え、撹拌し懸濁液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、90℃まで昇温して重合を開始した。同温度に12時間保持して重合を完了した。反応終了後の懸濁液に、得られた結着樹脂7の酸価(15.0)の6倍当量のNaOH水溶液を投入し、2時間撹拌を行った。その後結着樹脂7を濾別し、水洗、乾燥した後、GPC及び酸価測定を行ったところ、ピーク分子量150000、酸価14.8であった。得られた結着樹脂7をジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、平均粒径(D50)が280μmの結着樹脂微粉末7を得た。
【0119】
(結着樹脂合成例8、10、12)
結着樹脂合成例7と同様に、マレイン酸モノブチル、スチレン、アクリル酸n−ブチル、ジビニルベンゼン量及び開始剤量を調整し、結着樹脂8、10、12を得た。そのピーク分子量及び酸価の値を表1に示す。
【0120】
(結着樹脂合成例9)
四つ口フラスコ内に脱気水180部とポリビニルアルコールの2重量%水溶液20部を投入した後、スチレン77部、アクリル酸n−ブチル20部、メタクリル酸2.7部、ジビニルベンゼン0.30部、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.23部及びベンゾイルパーオキサイド0.48部の混合液を加え、撹拌し懸濁液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、90℃まで昇温して重合を開始した。同温度に12時間保持して完了した。反応終了後の懸濁液に得られた結着樹脂9の酸価(17.8)の6倍当量のNaOH水溶液を投入し、2時間撹拌を行った。その後結着樹脂9を濾別し、水洗、乾燥した後、GPC及び酸価測定を行ったところ、ピーク分子量200000、酸価17.6であった。得られた結着樹脂9をジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、平均粒径(D50)が290μmの結着樹脂微粉末9を得た。
【0121】
(結着樹脂合成例11)
結着樹脂合成例9と同様に、メタクリル酸、スチレン、アクリル酸n−ブチル、ジビニルベンゼン量及び開始剤量を調整し、結着樹脂11を得た。そのピーク分子量及び酸価の値を表1に示す。
【0122】
(結着樹脂合成例13)
四つ口フラスコ内に脱気水180部とポリビニルアルコールの2重量%水溶液20部を投入した後、スチレン80部、アクリル酸n−ブチル20部、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.1部及びベンゾイルパーオキサイド1部の混合液を加え、撹拌し懸濁液とした。フラスコ内を十分に窒素で置換した後、90℃まで昇温して重合を開始した。同温度に12時間保持して重合を完了し、結着樹脂13を得た。その結着樹脂13を濾別し、水洗、乾燥した後、GPC及び酸価測定を行ったところ、ピーク分子量480000、酸価0であった。得られた結着樹脂13をジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、平均粒径(D50)が320μmの結着樹脂微粉末13を得た。
【0123】
(結着樹脂合成例14)
スチレン88部、ブタジエン12部、ジビニルベンゼン0.3部、脂肪酸ナトリウム5部、イオン交換樹脂で脱塩された水200部を混合し、重合器であるオートクレーブ中に入れる。その後n−ドデシルメルカプタン3.5部、K223 0.2gを加え、50℃で15時間乳化重合させ、スチレン−ブタジエン−ジビニルベンゼン共重合体(結着樹脂14)を得た。ピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。また、結着樹脂14のTgは51℃であった。結着樹脂14をジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、平均粒径(D50)が100μmの結着樹脂微粉末14を得た。
【0124】
(結着樹脂合成例15)
スチレン86部、ブタジエン14部、ジビニルベンゼン0.25部、脂肪酸ナトリウム5部、イオン交換樹脂で脱塩された水200部を混合し、重合器であるオートクレーブ中に入れる。その後n−ドデシルメルカプタン3.5部、K223 0.2gを加え、50℃で15時間乳化重合させ、スチレン−ブタジエン−ジビニルベンゼン共重合体(結着樹脂15)を得た。ピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。また、結着樹脂15のTgは49℃であった。結着樹脂15をジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、平均粒径(D50)が110μmの結着樹脂微粉末15を得た。
【0125】
<実施例1>
結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹の含有量が23wt%になるように結着樹脂1 60部と結着樹脂 20部と結着樹脂14 20部を混合し、さらに四三酸化鉄(平均粒径0.2μm) 80部と正荷電性制御剤(トリフェニルメタンレーキ顔料) 2部とポリエチレンワックス 6部を加えて予備混合した後、110℃に設定した二軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕粉をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径7.0μm,体積平均粒径6.3μmの正荷電性磁性トナーを得た。このトナー100部と正荷電性疎水性コロイダルシリカ微粉末を0.8部とを混合(外添)してトナー粒子表面にコロイダルシリカ微粉末を有する正荷電性磁性トナー1を調製した。
【0126】
結着樹脂1と結着樹脂7を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。また、トナー1のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0127】
このトナー1の耐静電オフセット試験、耐高温オフセット試験、感光体トナー融着試験、耐ブロッキング試験、定着ローラー汚れ試験及び現像性試験を行った。
【0128】
その結果、良好な耐静電オフセット性が得られた。また、耐高温オフセット性も良好な結果が得られた。また、感光体トナー融着も起こらなかった。また、耐ブロッキング性においても問題はなかった。定着ローラー汚れも起こらなかった。画像濃度も高く、カブリもほとんど見られなかった。その結果を表4に示す。
【0129】
トナー評価の試験方法は次の通りである。
【0130】
耐静電オフセット試験
市販の電子写真複写機NP6750(キヤノン株式会社製、PTFE樹脂で形成された表面層を有する熱定着ローラーを具備)の感光ドラムを負帯電性a−Siにして、正帯電性トナーを使用できるように、バイアス電源等を改造した複写機に約300gの上記トナーを投入し、画像の前半半分が1cmの幅に0.2mm幅のラインが15本被転写材進行方向に対して垂直に描かれていて、画像の後半半分が白地の静電オフセット試験用チャートを用いて連続1000枚の画出しを行い、目視にて静電オフセットの評価を行った。
◎ 全くみられない。
○ 白地部にごく一部にかすかに見られる。
△ 白地部に広範囲に現れる。
× 白地部に著しく現れる。
【0131】
耐高温オフセット試験
市販の電子写真複写機NP6750(キヤノン株式会社製、PTFE樹脂で形成された表面層を有する熱定着ローラーを具備)の感光ドラムを負帯電性a−Siにして、正帯電性トナーを使用できるように、バイアス電源等を改造した複写機の定着器を取り外した改造機に上記トナーを投入し、未定着画像を得た。一方、NP6750から取り外した定着器を改造して温度可変の熱定着ローラー外部定着器とし、これを用いて未定着画像の耐高温オフセット性試験を行った。
【0132】
外部定着器のニップを8.5mm、プロセススピードを400mm/sに設定し、100℃〜245℃の温度範囲で5℃おきに温調して、各々の温度で未定着画像の定着を行い、定着温度を上げ、オフセットのでない最高温度を高温オフセットフリー終点とした。
【0133】
現像性及び感光体トナー融着試験
約300gのトナーを用いて電子写真複写機NP6750(キヤノン株式会社製、PTFE樹脂で形成された表面層を有する熱定着ローラーを具備)の感光ドラムを負帯電性a−Siにして、正帯電性トナーを使用できるように、バイアス電源等を改造した複写機により20000枚の画出し試験を実施した。初期及び20000枚画出し後の画像濃度及びカブリ融着を評価した。同様に、20000枚画出し後の感光体及びベタ黒画像から感光体へのトナー融着の評価を行った。
【0134】
画像濃度は「マクベス反射濃度計」を用いて、原稿濃度が0.10の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
【0135】
カブリは、リフレクトメーター(東京電色(株)製)により測定した転写紙の白色度と、ベタ白をプリント後の転写紙の白色度との比較から算出した。
【0136】
感光体トナー融着は目視により評価した。
◎ 感光体上にトナー融着が全く見られない。
○ 感光体上に微かにトナーの融着が見られるが、画像上には現れない。
△ ベタ黒画像上に白い点の画像抜けが現れる。
× ベタ黒画像上に白い点から流れ星状の画像抜けが現れる。
【0137】
定着ローラー汚れ試験
現像性試験と同様の画出し試験を、格子模様(縦、横共に1cmあたりに0.2mm幅のラインが2本描かれている)の複写チャートを用いて実施し、20000枚画出し後の定着ローラー上のトナー付着量及びベタ黒画像の白抜けの評価を行った。
◎ 定着ローラー上に汚れが全く見られない。
○ 定着ローラー上にトナー付着によるラインが微かに見られるが、画像上には現れない。
△ ベタ黒画像にライン状の白抜けが5cmの幅に1本程度の割合で見られる。
× ベタ黒画像上に複写チャートのライン数に相当する数のライン状の白抜けが見られる。
【0138】
耐ブロッキング性試験
約10gのトナーを100ccポリコップに入れ、50℃で3日放置した後、目視で評価した。
◎ 凝集物は見られない。
○ 凝集物は見られるが容易に崩れる。
△ 凝集物は見られるが振れば崩れる。
× 凝集物をつかむことができ容易に崩れない。
【0139】
<実施例2>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が31wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー2を調製し、評価を行った。結着樹脂2と結着樹脂8を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー2の評価結果を表4に、また、トナー2のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0140】
<実施例3>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が15wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー3を調製し、評価を行った。結着樹脂4と結着樹脂9を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー3の評価結果を表4に、また、トナー3のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0141】
<実施例4>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が18wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー4を調製し、評価を行った。結着樹脂1と結着樹脂11を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー4の評価結果を表4に、また、トナー4のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0142】
<実施例5>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が11wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー5を調製し、評価を行った。結着樹脂4と結着樹脂11を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー5の評価結果を表4に、また、トナー5のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0143】
<実施例6>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が27wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー6を調製し、評価を行った。結着樹脂3と結着樹脂10を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー6の評価結果を表4に、また、トナー6のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0144】
<実施例7>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が24wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー7を調製し、評価を行った。結着樹脂1と結着樹脂8を90:10の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー7の評価結果を表4に、また、トナー7のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0145】
<実施例8>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が36wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー8を調製し、評価を行った。結着樹脂3と結着樹脂8を65:35の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー8の評価結果を表4に、また、トナー8のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0146】
<実施例9>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が8wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー9を調製し、評価を行った。結着樹脂1と結着樹脂11を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー9の評価結果を表4に、また、トナー9のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0147】
<実施例10>
トナーの重量平均粒径を6.3μm、体積平均粒径を5.7μmとした以外は実施例1と同様にしてトナー16を調製し、評価を行った。トナー16の評価結果を表4に、また、トナー16のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。現像性評価において、トナー1と比べてより高精細な画像が得られた。
【0148】
<比較例1>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が9wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー10を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較して初期及び20000枚画出し後の画像濃度が低くなっていた。また、20000枚画出し後に感光体トナー融着に起因する画像白抜けが発生した。結着樹脂4と結着樹脂12を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー10の評価結果を表4に、また、トナー10のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0149】
<比較例2>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が31wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー11を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較して初期及び20000枚画出し後の画像のカブリ抑制が悪かった。また、耐静電オフセット性、耐高温オフセット性が劣っていた。また、20000枚画出し後に定着ローラー汚れに起因する画像白抜けが発生した。また、耐ブロッキング性が若干劣化していた。結着樹脂3と結着樹脂13を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー11の評価結果を表4に、また、トナー11のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0150】
<比較例3>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が11wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー12を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較して初期及び20000枚画出し後の画像濃度が低くなっていた。結着樹脂5と結着樹脂11を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー12の評価結果を表4に、また、トナー12のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0151】
<比較例4>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が28wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー13を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較して耐静電オフセット性、耐高温オフセット性が劣っていた。また、20000枚画出し後に定着ローラー汚れに起因する画像白抜けが発生した。また、耐ブロッキング性が若干劣化していた。結着樹脂6と結着樹脂13を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー13の評価結果を表4に、また、トナー13のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0152】
<比較例5>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が3wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー14を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較して初期及び20000枚画出し後の画像濃度が低くなっていた。また、画像のカブリ抑制も悪かった。結着樹脂4と結着樹脂11を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー14の評価結果を表4に、また、トナー14のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0153】
<比較例6>
結着樹脂の種類及び混合比を替え、さらに結着樹脂中の分子量10000〜70000の領域における、共役ジエン系モノマーから合成された結着樹脂の含有量が44wt%になるように混合した以外は実施例1と同様にしてトナー15を調製し、評価を行った。実施例1のトナーと比較して耐高温オフセット性が劣っていた。また、耐静電オフセット性も劣っていた。また、20000枚画出し後に定着ローラー汚れに起因する画像白抜けが発生した。また、耐ブロッキング性が劣化していた。結着樹脂3と結着樹脂10を75:25の重量比で混合してGPCで測定したピーク分子量及び重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を表2に示す。トナー15の評価結果を表4に、また、トナー15のGPC及び酸価測定結果を表3に示す。
【0154】
【表1】
Figure 0003647194
【0155】
【表2】
Figure 0003647194
【0156】
【表3】
Figure 0003647194
【0157】
【表4】
Figure 0003647194
【0158】
【発明の効果】
本発明により、耐静電オフセット性、耐高温オフセット性、耐感光体トナー融着、耐定着ローラー汚れ、耐ブロッキング性に優れ、高い画像濃度が得られる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる結着樹脂14のGPCパターンの説明図である。
【図2】本発明のトナー1(実施例1)のGPCパターンの説明図である。
【図3】本発明のトナー7(実施例7)のGPCパターンの説明図である。

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーのGPC(ジェルパーメーションクロマトグラフィ)により測定されたクロマトグラムにおいて、
    (A)分子量10000未満の領域
    (B)分子量70000を超える領域
    (C)分子量10000〜70000の領域
    のそれぞれの領域において、
    (A)の成分が酸価(Ava)0〜15であり、
    (B)の成分が酸価(Avb)5〜25であり、
    (C)の領域の成分中に、共役ジエン系モノマーをモノマー単位として有する重合体を5〜40wt%含有し、
    Avb>Ava
    であり、該トナー中のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が5〜40wt%であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 該トナーのGPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、
    (A)の成分が酸価(Ava)1〜10であり、
    (B)の成分が酸価(Avb)7〜22であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 該トナーのGPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、(A)、(B)、(C)各々の成分が30〜50:5〜35:35〜55(面積比)の比率で配合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 該トナーは、体積平均粒径2.5〜6.0μmを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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