JP2675881B2 - トナー用結着樹脂及びその製造方法 - Google Patents

トナー用結着樹脂及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法等に
用いられる乾式現像剤に使用されるトナーのトナー用結
着樹脂およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公
報等、多数の方法が知られているが、一般には光導電性
物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像
を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要
に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加
熱,圧力,加熱加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し
複写物を得るものである。またトナー画像を転写する工
程を有する場合には、通常残余のトナーを除去するため
の工程が設けられている。
電気的潜像をトナーを用いて可視化する現像方法は例
えば、米国特許第2,874,063号明細書に記載されている
磁気ブラシ法、同2,618,552号明細書に記載されている
カスケード現像法及び同2,221,776号明細書に記載され
ている粉末雲法、米国特許第3,909,258号明細書に記載
されている導電性の磁性トナーを用いる方法などが知ら
れている。
これらの現像法に適用するトナーとしては、従来、天
然あるいは合成樹脂中に染料・顔料を分散させた微粉末
が使用されている。例えば、ポリスチレンなどの結着樹
脂中に着色剤を分散させたものを1〜30μ程度に微粉砕
した粒子がトナーとして用いられている。磁性トナーと
してはマグネタイト等の磁性体粒子を含有せしめたもの
が用いられている。一方、いわゆる二成分現像剤を用い
る方式の場合には、トナーが通常ガラスビーズ、鉄粉な
どのキヤリアー粒子と混合されて用いられている。
今日、このような記録方法は、一般的な複写機だけで
なくコンピユーターの出力や、マイクロフイルムの焼付
けなどに広く利用されてきている。そのため、要求され
る性能もより高度になり、より小型化、より軽量化、よ
り低エネルギー化、より高速化、よりメンテナンスフリ
ー、よりパーソナルというようなさまざまの性能を同時
に要求されるようになってきた。これらを満足するため
に、トナーに対する要求も種々の面でより厳しくなって
きている。例えば、より小型化すると定着機、露光ラン
プなどの熱源が狭い所に押し込められるため、機内の温
度は高くなりやすい。そのためトナーのブロツキング性
はより向上しなければならない。また軽量化するために
は、定着ローラはより肉薄で、細く設計され、定着ロー
ラのクリーニング機構や、感光体のクリーニング機構
は、シンプルで軽いものになる方向に行くため、当然、
定着機にオフセツト防止用オイルなどの塗布装置はつけ
ない方向である。そのためトナーの定着性、耐オフセツ
ト性、感光体の耐クリーニング性を向上しなければなら
ない。また、より低エネルギー化より高速化するために
は、トナーの定着性は当然向上させねばならず、よりパ
ーソナル化するためには、信頼性を向上させる必要があ
り、ジヤムなど起さないことが重要となってくる。ジヤ
ムは一般に定着機のローラにコピー紙が巻き付く時起る
ことが多く、トナーの定着ローラ巻き付き性向上が必要
となってくる。しかしながら、第1図に示すようにトナ
ーの製造に要求される特性及びトナーそのものの諸特性
は相反するものが多い。
以上のような例をとって見ても、トナーに対する要求
はきびしいが、これらを同時に向上させなければ、要望
を満足することはできない。しかしながらこれらを実現
するために、例えば、画質やトナーの耐久性などの現像
特性、さらにトナーの生産効率を低下させては何の意味
もない。
これらは主にトナーの結着樹脂の性能による所が大で
ある。離型剤や、可塑剤、その他の添加剤によってこれ
らを改善しようという提案もあるが、これらは補助的で
ある。
この結着樹脂の改善について種々の方法が、提案され
ている。
例えば、特開昭56−158340号公報に、低分子量重合体
と高分子量重合体とよりなるトナーが提案されている
が、このバインダー樹脂は、実際には架橋成分を含有さ
せることが難しいため、より高性能に耐オフセツト性を
向上させるためには、高分子量重合体の分子量を大きく
するか、比率を増す必要がある。この方向は粉砕性を著
しく低下させる方向であり、実用上満足するものは得ら
れにくい。さらに低分子量重合体と架橋した重合体とを
ブレンドしたトナーに関し、特開昭58−86558号公報
に、低分子量重合体と不溶不融性高分子量重合体を主要
樹脂成分とするトナーが提案されている。その方法に従
えば、定着性、粉砕性の改良は行われると思われるが、
低分子量重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)が3.5以下と小さいこと、及び不溶不融性高分子量重
合体が40〜90wt%と大きいことにより、耐オフセツト性
と粉砕性を供に高性能で満足することが難しく、実際上
はオフセツト防止用液体の供給装置をもつ定着機でなけ
れば、定着性,耐オフセツト性,粉砕性を充分満足する
トナーを生成することは極めて困難である。さらに不溶
不融性高分子量重合体が、多くなるとトナー作成時の熱
混練で、溶融粘度が非常に高くなるため、通常よりはる
かに高温で熱混練するか、あるいは高いシエアで熱混練
しなければならなず、その結果、前者は他の添加剤の熱
分解によるトナー特性の低下、後者はバインダー樹脂の
分子の過度の切断が起り、当初の耐オフセツト性能が出
にくいという問題を有している。
また、特開昭60−166958公報に、数平均分子量500〜
1,500である低分子量のポリα−メチルスチレンの存在
下で重合して得られる樹脂組成物からなるトナーが提案
されている。
特に、該公報では数平均分子量(Mn)が9,000〜30,00
0の範囲が好ましいとあるが、耐オフセツト性をより向
上させるため、Mnを大きくしていくと、定着性およびト
ナー製造時の粉砕性が実用上問題となり、故に高性能に
耐オフセツト性と粉砕性を満足することは難しい。この
ようにトナー製造時における粉砕性の悪いトナーは、ト
ナー製造時の生産効率が低下する他、トナー特性とし
て、粗いトナー粒子が混入しやすいため、飛びちった画
像となる場合があり好ましくない。
また、特開昭56−16144公報に、GPCによる分子量分布
において、分子量103〜8×104及び分子量105〜2×106
のそれぞれの領域に少なくとも1つが極大値をもつ結着
樹脂成分を含有するトナーが提案されている。この場
合、粉砕性、耐オフセツト性、定着性、感光体へのフイ
ルミングや融着、画像性などがすぐれているが、さらに
トナーにおける耐オフセツト性及び定着性の向上が要望
されている。特に定着性をより向上させて、他の種々の
性能を保つかあるいは向上させつつ、今日の厳しい要求
に対応するのは、該樹脂ではむずかしい。
このような問題を解決する結着樹脂として特開昭63−
223014号公報に開示されているものがあるが、更なる高
耐久性,高信頼性を要求される現在では、十分な対応を
しきれなくなってきている。
また結着樹脂は現像性に与える影響も大きく、摩擦帯
電量が安定する様な結着樹脂が望まれている。
更に、耐オフセツト性が優れていても使用を続けてい
るうちに定着ローラが汚染され、耐オフセツト性の劣化
がもたらされることがある。
またこのような定着方法に於いて、定着性を向上させ
る為に酸成分を含有する結着樹脂の使用が特開昭55−13
4861号公報で提案されている。
しかしながら、この様な結着樹脂を用いたトナーは高
湿下での帯電不足、低湿下での帯電過剰を生じ易いなど
環境変動の影響を受け易い。また、かぶり、画像濃度な
ど十分な現像性が得られないこともある。
一方、酸無水物は帯電性を向上させる働きがあり、酸
無水物を含有する樹脂を応用した例として特開昭59−13
9053号公報、特開昭62−280758号公報等がる。これらは
酸無水物の単位を高密度に有する重合体を結着樹脂に希
釈させる方法をとっている。
これらの方法では酸無水物含有樹脂を結着樹脂中に均
一に分散させる必要があり、良好に分散させないと、ト
ナー粒子が帯電不均一となりかぶりなど現像性に悪影響
を及ぼす。
またこれらの方法では負帯電性が強く正荷電性トナー
には好ましくない。
従って、酸無水物の単位を結着樹脂中のポリマ鎖に共
重合により分散させ希釈させる方が、分散の問題を解消
し、均一な帯電性の得られるトナー粒子とすることがで
きる。この例として、特開昭61−123856号公報、特開昭
61−123857号公報等があり、これらのトナーは良好な定
着性,耐オフセツト性,現像性が得られる。
しかしながら、このようなトナーは、低湿下で高速機
等に適用すると、帯電過剰となり、かぶりや濃度低下を
生じることがある。
これは、これらのトナーに用いられる結着樹脂中の酸
無水物の単位は、均一に分散されているものの、その量
が多い為である。
以上のように、必要な項目について、高度に満足する
ものは、今だ提案されていない。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、種々の項目ですぐれた性能を同時に
満足するトナー用結着樹脂及びその製造方法を提供する
ことにある。
また、本発明の目的は、定着性がすぐれ、同時にオフ
セツト性、巻き付き性、ブロツキング性のすぐれた定着
ローラを汚すことのないトナー用結着樹脂及びその製造
方法を提供することである。
また本発明の目的は、粉砕性が良くトナーの生産効率
の良いトナー用結着樹脂及びその製造方法を提供するこ
とである。
また、本発明の目的は、粉砕時の装置内への耐融着性
または感光体などの耐融着性のすぐれたトナー用結着樹
脂及びその製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、現像性、特に画質、耐久性、
環境安定性などにおいて問題のないトナー用結着樹脂及
びその製造方法を提供することである。
〔発明の概要〕
本発明は、分子量10,000以下の樹脂成分の含有量が樹
脂全体を基準として5〜50重量%であり、樹脂成分が酸
無水物基(以下、「酸無水物ユニット」と称す場合もあ
る)、ジカルボキシル基及びカルボキシル基(以下、
「カルボン酸ユニット」と称す場合もある)を有し、酸
無水物基を加水分解した後の樹脂成分の全酸価AVTRが2
〜100mgKOH/gであり、酸無水物基に由来する全酸価AVTA
が全酸価AVTRの60%以下であることを特徴とするトナー
用結着樹脂に関する。
さらに、本発明は、ガラス転移点(Tg)≧50℃である
重合体を溶液重合で生成し、加熱処理により該重合体に
酸無水物基を生成させ、該重合体を重合性モノマーに溶
解して懸濁重合反応を行い、酸無水物基を加水分解し、
分子量10,000以下の成分が樹脂全体を基準として5〜50
重量%含有されており、酸無水物基、ジカルボキシル基
及びカルボキシル基を有し、酸無水物基を加水分解した
後の樹脂成分の全酸価AVTRが2〜100mgKOH/gであり、酸
無水物基に由来する全酸価AVTAが全酸価AVTRの60%以下
である樹脂を生成することを特徴とするトナー用結着樹
脂の製造方法に関する。
本発明の構成について説明する。
前記のような目的を同時に達成するため、種々のバイ
ンダー樹脂を用い、その構成と性能について、さまざま
の角度から鋭意検討した。その結果、バインダー樹脂が
特定の官能基を有し、THF可溶分の分子量分布が特定の
構成のときに達成できることを見出した。バインダー樹
脂をTHFなどの溶剤で溶かすと、不溶分と可溶分に分離
でき、可溶分は、GPCで分子量分布を測定することがで
きる。酸成分ユニツトを含有する結着樹脂のTHF可溶分
の分子量分布と定着可能温度が高いか低いかという性質
(以後、単に定着性という)、耐オフセツト性、粉砕
性、耐ブロツキング性について検討した。その結果、ま
ず、例えば、第2図のように、分子量分布での分子量約
10,000以下と約10,000以上の分子量分の働きの異なるこ
とを見い出した。すなわち、バインダー樹脂全体に対す
る分子量10,000以下の分子量を有する成分の含有割合
は、定着性あるいは耐オフセツト性よりも粉砕性に関係
していることが判明した。さらに、他の検討などからバ
インダー樹脂は、基本的には、THF不溶分が、主に耐オ
フセツト性、まきつき性、そしてTHF可溶分の分子量10,
000以下の成分が、主に粉砕性、ブロツキング性、感光
体への融着性、フイルミング性、そして粉砕装置内壁へ
の融着に影響を与え、さらに、THF可溶分の分子量10,00
0以上の成分が主に定着性を左右していることが判明し
た。そして、分子量10,000以下の成分の割合は、5〜50
wt%が良く、好ましくは10〜40wt%である。
上記の性能を効果的に発揮する為には、分子量2,000
〜100,000の領域にピークをもつことが好ましい。
更に、充分な性能を出すためには、さらに分子量15,0
00未満、2,000以上(好ましくは3,000〜12,000)にピー
クを有し、分子量15,000〜100,000(好ましくは20,000
〜80,000)の領域にピークもしくは肩を有することが好
ましく、2,000〜15,000未満にピークがなく分子量2,000
以下にピークがあるか、分子量10,000以下の成分の割合
が50wt%以上であると、耐ブロツキング性、感光体への
融着、フイルミング、粉砕装置内壁への融着などがやや
問題となる。分子量15,000未満にピークがなく、かつ分
子量15,000以上の領域にピークがあるか、特に分子量1
0,000以下の分子量分の割合が5wt%未満であると、粉砕
性が問題となることがあり、粗粒子の生成も問題となる
場合がある。さらに、好ましくは分子量2000〜15000未
満の領域にあるピークと、分子量15000〜100000の領域
にあるピークまたは肩との間隙は、分子量5000以上(好
ましくは10000以上)の差があるものが良い。
また分子量が15,000以上の領域にピークもしくは肩が
なく、分子量15,000未満の領域のみにピークがある場合
は、耐オフセツト性、感光体の融着、フイルミング、粉
砕装置内壁への融着が問題となる場合がある。分子量1
5,000〜100,000の領域にピークもしくは肩がなく、かつ
100,000を越えた領域にメインピークがあると粉砕性が
問題となることがある。
さらにTHF可溶分は、Mw/Mn≧5であることが必要であ
り、Mw/Mnが5未満になると耐オフセツト性が低下する
傾向が高まり問題となる。好ましくは、Mw/Mnが80以下
が良く、さらに好ましくは、10≦Mw/Mn≦60が良い。特
にMw/Mnが10≦Mw/Mn≦60だと粉砕性、定着性、耐オフセ
ツト性、画像性など種々の特性において、特にすぐれた
性能を示す。
そして更に樹脂中のTHF不溶分は5〜70wt%(好まし
くは10〜60wt%)あることが好ましい。THF不溶分は5wt
%未満だと耐オフセツト性、マキツキ性が問題となり、
70wt%を越える場合だとトナー製造時の熱混練による分
子鎖切断などの劣化の問題などを生じる。好ましくは、
10〜60wt%(さらに、好ましくは15〜50wt%)が良い。
また、THF可溶分の分子量分布の分子量1万以下の樹
脂成分のガラス転移点Tg1と樹脂全体のガラス転移点Tgt
を比較したとき、Tg1≧Tgt−5の関係になると、定着
性、粉砕性、感光体への融着、フイルミング性、粉砕装
置内壁への融着性、耐ブロツキング性など、より良好に
なることを見い出した。
ここでいうTg1とは次の方法により測定されたもので
ある。温度25℃にて、THFを毎分7mlの流速にて流し、樹
脂組成物中のTHF可溶成分の濃度約3mg/mlのTHF試料溶液
を3ml程度分子量分布測定装置に注入し、分子量1万以
下の成分を分取する。分取の後、溶媒を減圧留去し、さ
らに90℃雰囲気中減圧で24時間乾燥する。分子量1万以
下の成分が20mg程度得られるまで上記操作を行い、この
後に示差走査熱量測定法によりTgを測定し、この値をTg
1とする。尚、Tg(ガラス転移点)は、示差熱分析測定
装置DSC−7(Perkin Elmer社製)を用いASTM D3418−
82法に準じて測定した。
分取用カラムとしては、TSKgel G2000H,TSKgel G2500
H,TSKgel G3000H,TSKgel G4000H(供に東洋曹達工業
(株)等が用いられる。
本発明ではTSKgel G2000HとTSKgel G3000Hを組み合せ
て用いた。
また樹脂のTgであるTgtはその後示差熱量測定法によ
り求める。
本発明の最も好ましい態様は、第3図に示すように、
THF可溶分のGPC分子量において、分子量15,000〜100,00
0の領域にある最も高いピークの高さをh2とし、分子量
2,000〜15,000未満の領域にある最も高いピークの高さ
をh1とすると、h1/h2の比が0.4〜4.0/1である樹脂また
は樹脂組成物である。また、さらにTHF可溶分の数平均
分子量について2,000≦Mn≦14,000が好ましい。Mn<2,0
00だと、オフセツト性などが問題となり14,000>Mnだと
粉砕性及び定着性が問題となってくる。
本発明でのTHF不溶分とは、樹脂組成物中のTHFに対し
て不溶性となったポリマー成分(実質的に架橋ポリマ
ー)の重量割合を示し、架橋成分を含む樹脂組成物の架
橋の程度を示すパラメータとして、使うことができる。
THF不溶分とは、以下のように測定された値をもって定
義する。
すなわち、樹脂サンプル(24メツシユパス、60メツシ
ユオンの粉体)0.5〜1.0gを秤量し(W1g)、円筒瀘紙
(例えば、東洋瀘紙製No.86R)に入れてソツクスレー抽
出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを用いて6時間
抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレー
トした後、100℃で数時間真空乾燥しTHF可溶樹脂成分量
を秤量する(W2g)。樹脂のTHF不溶分は、下記式から求
められる。
以上の操作で得られた溶媒可溶成分の蒸発乾固物はTH
F(テトラヒドロフラン)に溶解させ、サンプル処理フ
イルターを通過させた後、GPCの試料とする。
本発明において、THF可溶分のGPC(ゲルバーミエーシ
ヨンクロマトグラフイ)によるクロマトグラムのピーク
又は/およびシヨルダーの分子量は次の条件で測定され
る。
すなわち、40℃のヒートチヤンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料
濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試料溶
液を50〜200μ注入して測定する。試料の分子量測定
にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分
散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数
値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の
標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Che
mical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が
6×102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×10
5,3.9×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、
少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるの
が適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を
用いる。
なお、カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を
適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラム
を複数組合せるのが良く、例えば、Waters社製のμ−st
yragel500,103,104,105の組み合せや、昭和電光社製のs
hodex KF−80Mや、KF−801,803,804,805の組み合せや、
KA−802,803,804,805の組み合わせ、あるいは東洋曹達
製のTSKgelG1000H,G2000H,G25000H,G3000H,G4000H,G500
0H,G6000H,G7000H,GMHの組み合せが好ましい。
本発明の分子量10000以下のバインダー樹脂に対する
重量%はGPCによるクロマトグラムの分子量10000以下を
切りぬき、分子量10000以上の切りぬきとの重量比を計
算し、前記のTHF不溶分の重量%を使い、全体のバイン
ダー樹脂に対する重量%を算出する。
本発明の結着樹脂は、カルボン酸ユニツト含有するこ
とを特徴とするが、これらの官能基は、現像性,定着
性,耐ブロツキング性,耐オフセツト性の向上,融着防
止,定着ローラ汚染防止に働く。そして、カルボキシル
基及び酸無水物基は、トナーの帯電性に与える影響が大
きい。例えば、ポリマ鎖中にカルボキシル基がある場合
は弱い負帯電付与能力がある。
しかしながら、カルボキシル基の密度が増加すると親
水性が増加し、空気中の水に電荷を放出する様になり、
増加に従いこの傾向が顕著になる。
一方、酸無水物ユニツトは負帯電付与能力があるが、
電荷を放出する能力はない。これらの官能基をもつ結着
樹脂は、負帯電性であるので負帯電性トナーに好ましい
が、荷電制御剤の選択によって正荷電性トナーに用いる
こともできる。
つまり、荷電制御剤の帯電付与能力が、官能基の帯電
付与能力に打ち勝てば、これらの官能基は電荷の放出だ
けを行う様になる。
従って、トナーの帯電性の安定化の為にはこれらの官
能基の割合が重要であり、適度な比にすることが好まし
い。すなわち、カルボキシル基は電荷放出に働くととも
に帯電付与にも働く。
一方、酸無水物ユニツトは帯電付与のみに特に有効に
働く。カルボキシル基が多く存在する場合には電荷放出
が多くなり、トナーの帯電量が不足し、十分な画像濃度
が得られにくくなる。この傾向は高湿下では顕著にな
る。
一方酸無水物ユニツトが多く存在する場合にはトナー
の帯電量が過剰となりかぶりの増加などが見られ、特に
低湿下に於いてはこの傾向が強まり画像濃度低下を引き
起こす。
そこで適度の割合で、これらの官能基を存在させるこ
とで帯電の付与、放出のバランスをとることができ、ト
ナーの帯電性を安定化させ、環境変動による帯電性への
影響を最小限に押えることが可能になる。つまり、酸無
水物ユニツトの存在で帯電付与するとともに、カルボキ
シル基の存在で電荷の放出を行い帯電過剰を防止する。
以上の目的を達成する為に、本発明の結着樹脂は、以下
のようなものであることも好ましい。酸無水物ユニツト
を加水分解して測定した全酸価は、2〜100mgKOH/gで好
ましくは、5〜70mgKOH/gであり、更に好ましくは、5
〜50mgKOH/gである。全酸価が2mgKOH/g未満の場合は良
好な定着性が得にくく、100mgKOH/gを超える場合には、
トナーの帯電性をコントロールしにくくなる。また酸無
水物ユニツトに由来する全酸価が10mgKOH/g以下である
ことも好ましい。更に好ましくは、8mgKOH/gである。10
mgKOH/gを超える場合には、トナーが帯電過剰となり易
く、低湿下での濃度低下、かぶりなどを生じる様にな
る。更に酸無水物ユニツトに由来する全酸価が結着樹脂
全体の全酸価の60%(好ましくは、50%以下更に好まし
くは40%以下)以下であることも好ましい。60%を超え
る場合には、電荷の付与と放出のバランスがとれなくな
り、帯電付与能力が勝ち、帯電過剰となり易くなる。ま
た、酸無水物ユニツトは、赤外吸収スペクトルに於いて
酸無水物に由来する吸収ピーク(約1750〜1850cm-1)が
認められる程度存在すれば充分なトナーの摩擦帯電安定
性が得られる。従って、荷電制御剤を併用する場合でも
より均一な摩擦帯電性が得られ、荷電制御剤単独で荷電
制御するよりも摩擦帯電安定性が良好であり、耐久によ
る濃度の安定、かぶりの低減がもたらされる。また、カ
ルボキシル基を有する結着樹脂は、その臨界表面張力か
ら紙への親和性が強く、定着性向上に働き、また、定着
ローラの表面層に使用されるフツ素樹脂、シリコーンゴ
ムに対しては離型性が良いので耐オフセツトに効き、そ
して定着ローラを汚すこともない。更に、カルボキシル
基間の水素結合により、耐ブロツキング性向上、融着防
止に働く。本発明の結着樹脂中にジカルボキシル基があ
る場合は、二つのカルボキシル基が互いに接近して存在
する為、単独に存在するカルボキシル基に比較し、紙へ
の親和性がより効果的に働き、定着性を向上させること
ができる。また重合体低分子量成分は、定着性向上に働
く反面、耐ブロツキング性を悪化させる原因となり、ポ
リマ鎖の熱による動きがその主要因として考えられる。
ここで、ジカルボキシル基が存在すると、ジカルボキシ
ル基間の水素結合は、単独のカルボキシル基間の水素結
合より強固なものとなりポリマ鎖の動きをより効果的に
抑えることができる。従って、Tg付近以下の温度では、
ポリマ鎖のからみがくずれにくく、トナーが通常使用さ
れる状態では、ブロツキング、融着を生じにくくなる。
しかしながら、Tgを超えた高い温度では、ジカルボキシ
ル基間の水素結合は、切断され、定着時の温度では、ポ
リマ鎖は充分な動きがとれ、変形し、ぬれやすくなり定
着性には影響はない。更に、定着後は、ジカルボキシル
基はセルロースとより強固な水素結合を形成し、良好な
定着性を示す様になる。以上のことは、同一Tgの結着樹
脂の場合、ジカルボキシル基が存在する場合には、定着
性向上と耐ブロツキング性、融着防止の両立を果たすこ
とができ、特に低分子量成分に含まれる時にその効果は
大きい。
一方、ジカルボキシル基と金属化合物を熱などによっ
て反応させ、架橋させると、耐ブロツキング性、融着防
止の効果はより顕著なものとなり、単独のカルボキシル
基と金属化合物の反応よりも効果は大きい。これは、ジ
カルボキシル基が金属にキレートを形成することができ
るので、キレート効果、結晶場安定化エネルギー等によ
り、架橋反応を、効率的に行い、安定した高分子錯体を
形成することができ、架橋がより効果的に働くからであ
る。架橋が耐ブロツキング性、融着防止に働く作用は、
前述のジカルボキシル基の水素結合の場合と同様に考え
られる。しかしながら上記の、架橋に従って定着性を悪
化させることはない。理由は明らかでないが、Tg付近以
下の温度(約50〜60℃)では、架橋によりポリマ鎖を固
定しているが、Tgを超える温度(約60〜70℃)からは、
単独のカルボキシル基の金属架橋の様に、比較的自由な
動きがとれ定着性に与える影響は小さいものと考えられ
る。更に、本発明の金属架橋はごく一部反応しているだ
けでもその効果が大きいので、定着性に与える影響は全
くないものと考えられる。
従って、定着性、耐ブロツキング性、融着防止にラチ
チユードが広いトナーとすることができるので、トナー
を使用する状況に応じて(例えば、高速機、小型機な
ど)、より優先させたいトナー性能を、使用する結着樹
脂のTgの調整により容易に設計することができる。例え
ば、定着性を優先させる場合は、Tgを低目に設定すれば
良く、非常に良好な定着性が得られると共に、必要な耐
ブロツキング性が得られる。逆に、耐ブロツキング性を
優先させる場合は、Tgを高目に設定すればよく、非常に
優れた耐ブロツキング性が得られると共に、必要な定着
性は得られるものである。またカルボキシル基、ギカル
ボキシル基、酸無水物基は金属塩或は金属錯体の金属イ
オンを介して各々相互作用し、種々の高分子錯体を形成
すると考えられる。
従って、本発明のトナー用樹脂中には、これら結合強
度の異なる種々の高分子錯体による架橋及び重合性架橋
剤による強固な架橋を形成することができる。従って、
本発明の結着樹脂を用いたトナーは適度な粘弾性を有す
る様になり、耐オフセツト性が向上すると共に定着クリ
ーニング部材からのトナーの流出も効果的に防止でき
る。従って、本発明の結着樹脂の最も好ましい形態とし
ては、カルボキシル基、ジカルボキシル基、酸無水物基
の三つの官能基を有していることである。これら三者の
共存によって、前述の種々の作用を効果的に発揮し、ト
ナーとして最も好ましい性能をもつようになる。
本発明に樹脂の構成成分としては一般的にトナー用樹
脂として用いられるもので前述の分子量分布になし得、
カルボン酸を有するものならば種々のものを用いること
が出来るが、なかでもビニル系単量体を利用したビニル
系重合体、ビニル系共重合体、及び該重合体と該共重合
体の組成物が好ましかった。
本発明の特徴とする結着樹脂を得る為には、ビニル系
重合体のモノマとして以下のものを用いることができ
る。例えば、マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレ
イン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、及びこれら
の無水物;フマル酸、メタコン酸、ジメチルフマル酸;
などの不飽和二塩基酸、無水物モノマ。更に上記不飽和
二塩基酸のモノエステル。また、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、ケイヒ酸及びこれらの無水物;上記
α,β−不飽和酸間の無水物及び、低級脂肪酸との無水
物;などのα,β−不飽和酸、これらの無水物モノマ。
アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニ
ルアジピン酸及びこれらの無水物、モノエステル。これ
らの中でも、マレイン酸、フマル酸、コハク酸構造をも
つ二塩基酸のモノエステル類が本発明の結着樹脂を得る
モノマとして特に好ましく用いられる。更にビニル重合
体のコモノマーとしては、次のようなものが挙げられ
る。
例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、
p−フエニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジ
クロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチル
スチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチ
ルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシル
スチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のスチレン及
びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソ
ブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフイン類;ブタ
ジエン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、臭化ビニル、沸化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸フエニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレン脂
肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチ
ル、アクリル酸フエニルなどのアクリル酸エステル類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル
イソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメ
チルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペ
ニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−
ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフ
タリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘
導体;前述のα,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸の
ジエステル類;のビニル系モノマが単独もしくは2つ以
上で用いられる。
これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−ア
クリル系共重合体となるようにモノマの組み合わせが好
ましい。
また架橋性モノマとしては主として2個以上の重合可
能な二重結合を有するモノマが用いられる。
本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応じて以下に
例示する様な架橋性モノマーで架橋された重合体であっ
てもよい。
芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニルベンゼン、
ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれたジアクリ
レート化合物類、例えば、エチレングリコールジアクリ
レート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4
−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び
以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代え
たもの;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類、例えば、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール
#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアク
リレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアク
リレートに代えたもの;芳香族基及びエーテル結合を含
む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ポリ
オキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
エニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン
(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)プロパ
ンジアクリレート、及び、以上の化合物のアクリレート
をメタアクリレートに代えたもの;更には、ポリエステ
ル型ジアクリレート化合物類、例えば、商品名MANDA
(日本化薬)が掲げられる。多官能の架橋剤としては、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロー
ルエタントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリ
レート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合
物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;ト
リアリシアヌレート、トリアリルトリメリテート;等が
挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマ成分100重量%に対し
て、0.01〜5重量%程度(更に好ましくは0.03〜3重量
%程度)用いることが好ましい。
これらの架橋性モノマのうち、トナー用樹脂に、定着
性、耐オフセツト性の点から好適に用いられるものとし
て、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、
芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリ
レート化合物類が挙げられる。
本発明の樹脂を製造する時の開始剤、溶剤の種類及び
反応条件の選択は本発明の目的とする樹脂を得る為に重
要な要素である。開始剤としては例えはベンゾイルパー
オキシド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t
−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシ
ド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロ
ピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t
−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾ及
びジアゾ化合物などが利用できる。
更に本発明の樹脂は成分として含まれる単量体の種類
や組成によってかなり異なったガラス転移点の値を示し
はするが、ガラス転移点は40〜80℃の範囲のものが有効
である。更に好ましくはガラス転移点は50〜65℃が耐ブ
ロツキング性及び定着性の点で好ましい。ガラス転移点
が40℃よりも低くなると、トナー保存中の熱凝集ケーキ
ングが非常に起り易くなり、また、複写機中での凝集ト
ラブルが発生し易くなる。逆にガラス転移点が80℃を超
える場合にはやはり熱定着効率が悪くなる。
本発明の結着樹脂を製造する方法においては、第1番
目の樹脂を溶液重合で作り、重合性モノマ中に第1番目
の樹脂を溶解し、この時他の樹脂を同時に溶解してもよ
く、該樹脂及び架橋剤の存在下で該重合成モノマを懸濁
重合する。懸濁重合用のモノマ100重量部に対し、第1
番目の樹脂は5〜100重量部、好ましくは10〜80重量部
溶解することが良く、また懸濁重合の際には架橋剤を懸
濁重合をするモノマに対して、約0.1〜2.0wt%用いるの
が好ましい。これらの条件は、開始剤の種類、反応温度
により若干の変動は許容される。
該第1番目の重合体をモノマに溶解し、懸濁重合し該
結着樹脂を得る場合と、第1番目の重合体を溶解しない
で懸濁重合した重合体と、第1番目の重合体を単純に混
合したブレンド重合体と異なることが知見されている。
前者はTHF可溶分のGPCのクロマトグラムにおいて高分
子量分が後者よりやや多くブロードになるという点であ
る。前者は分子量30万以上が樹脂全体の3〜25wt%とな
り後者より明らかに多くなっている。これは、溶解した
第1番目の重合体が懸濁重合に影響を与え、このことが
重合体が均一に混合しているというメリツト以上の効果
を出していると考えられる。より詳細に、添付図面のGP
Cチヤートを参照しながら説明する。
添付図面の第4図は、後述の実施例1で得られた樹脂
組成物のTHF可溶分のGPCのチヤートを示している。第5
図は、実施例1における第1の重合である溶液重合で調
整された共重合体のGPCのチヤートを示している。該共
重合体はTHFに可溶であり、重合単量体であるスチレン
モノマ及びアクリル酸n−ブチルモノマ等に可溶であ
り、分子量5700にメインピークを有していた。第6図
は、該共重合体を添加しない以外は同様の条件で第2の
重合で調整される第2の共重合体を懸濁重合で生成した
もののTHF可溶分のGPCのチヤートを示している。第2の
共重合体は、分量50,000メインピークを有していた。
第7図は、第5図のチヤートと第6図のチヤートを組
み合わせたものである。
第8図は、第4図のチヤートと第7図のチヤート(実
線部分を破線で示した)を組み合わせて示したものであ
る。第8図からも明白な如く、本発明に係る実施例1で
得られた樹脂組成物は、別個に重合した第1の共重合体
と第2の共重合体を単に混合したものと異なるGPCチヤ
ートを有していた。特に高分子量側に、第2の共重合体
単独では生成していなかった高分子成分が生成している
ことが知見される。この高分子量成分は、第2段目の重
合である懸濁重合時に、第1段目の溶液重合で調製され
た共重合体が存在している為に、該共重合体が重合調整
剤の如き働きをし、その結果第2の共重合体のTHF不溶
分とTHF可溶分の合成が調整されたと考えられる。本発
明に係る樹脂組成物は、THF不溶分、THF可溶な高分子量
成分、THF可溶な中間分子量成分及びTHF可溶な低分子量
成分が均一に混合されている。
さらに、本発明においてトナーのTHF可溶分のGPCにお
いて分子量30万以上の成分がバインダー樹脂を基準とし
て5〜30重量%(好ましくは10〜30重量%)含有し得る
ものが良い。また、トナーのTHF可溶分のGPCにおいて分
子量30万以上(好ましくは50万以上)に明確なピークを
有するものがより耐オフセツト性及び耐巻き付性の改良
という点で好ましい。
本発明に係わる、溶液重合及び懸濁重合に関して以下
に述べる。
溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、トルエ
ン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコー
ル、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマーの場合
はキシレン、トルエンまたはクメンが好ましい。重合生
成するポリマーによって適宜選択される。また開始剤
は、ジ−tertブチルパーオキサイド、tert−ブチルパー
オキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4ジメチルバレロニトリル)等がモノマー100重量部
に対して0.05重量部以上(好ましくは0.1〜15重量部)
の濃度で用いられる。反応温度としては、使用する溶
媒、開始剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃
〜230℃でおこなうのが良い。溶液重合においては溶媒1
00重量部に対してモノマー30重量部〜400重量部で行う
のが好ましい。
また、溶液重合後の溶媒留去を加熱して行うと、ジカ
ルボン酸、ジカルボン酸モノエステルの無水化を行うこ
とができ結着樹脂中に酸無水物ユニツトを設けることが
できる。そして、この時の加熱、留去条件により無水化
をコントロールできる。懸濁重合においては、水系溶媒
100重量部に対してモノマー混合物100重量部以下(好ま
しくは10〜90重量部)でおこなうのが良い。使用可能な
分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
ルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いら
れ、水系溶媒に対するモノマー量等で適当量があるが、
一般に水系溶媒100重量部に対し0.05〜1重量部で用い
られる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する
開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべきで
ある。また開始剤の種類としては、水に不溶あるいは難
溶のものであれば、用いることが可能であるが、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキ
シヘキサノエート等が、モノマー100重量部に対し0.1〜
10重量部で用いられる。
また、水系溶媒100重量部に対し分散剤を0.05〜3.0重
量部を用い、ホモミキサー、超音波分散機のような乳化
機でエマルジヨン粒径を体積平均粒径で100μ以下に
し、なるべく均一化することが好ましい。
そして、この懸濁重合時に先に生成された酸無水物ユ
ニツトの一部は開環し、ジカルボン酸基となり、結着樹
脂中にこの官能基を設けることができる。
更に、エマルジヨン粒径、重合条件、後処理条件で無
水物の開環をコントルールでき、特にエマルジヨン粒径
を100μ以下にそろえると開環具合が均一化でき、より
好ましいものである。
ところで、酸無水物ユニツト及びジカルボン酸基の生
成を確認するためには、赤外吸収を利用することができ
る。酸無水物基のカルボニルのIR吸収ピークは約1750〜
1850cm-1に現われるので、各重合前後の吸収ピークの増
減により酸無水物化、開環ジカルボン酸化が確認でき
る。ジカルボン酸及びジカルボン酸無水物モノマーは交
互重合性が強いが本発明の製造方法では無水物ジカルボ
ン酸などの官能基をランダムに分散させたビニル系共重
合体を得ることができる。つまり、ジカルボン酸モノエ
ステルモノマを用い溶液重合法によってビニル系共重合
体を得、このビニル系共重合体をモノマ中に溶解させ、
懸濁重合法によって結着樹脂を得る方法である。この方
法では、溶液重合後の溶媒留去時に、留去条件によりジ
カルボン酸モノエステル部を脱アルコール開環無水化さ
せることができ酸無水物が得られ、懸濁重合時には酸無
水物基が加水分解開環し、ジカルボン酸が得られる。こ
の様にして得られる結着樹脂は酸無水物基、カルボキシ
ル基、ジカルボキシル基が結着樹脂中にランダム、かつ
均一に分散されているので、定着性向上、耐ブロツキン
グ性の向上、帯電性の均一化がより効果的に発揮され
る。
本発明の樹脂を用いたトナー中には上記結着樹脂成分
の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、該結
着樹脂成分の含有量より少ない割合で以下の化合物を含
有させてもよい。
例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フエノール樹
脂、低分子量ポリエチレン又は低分子量ポリプロピレン
の如き脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹
脂、塩素化パラフイン、パラフインワツクスなどであ
る。
本発明に於ける結着樹脂中の官能基の定性及び定量は
赤外吸収スペクトル、JIS K−0070の酸価測定、加水
分解酸価測定(全酸価測定),該磁気共鳴スペクトル等
を応用する方法が一例として挙げられる。
例えば、赤外吸収に於いては1780cm-1付近に無水物基
のカルボニルに由来する吸収ピークが現われるので酸無
水物基の存在は確認される。
また、JIS K−0070の酸価測定(以下JIS酸価と記
す)では酸無水物は理論値(酸無水物をジカルボン酸と
しての酸価をもつものとする)の約50%が測定される。
一方、全酸価測定では、ほぼ理論値通り測定される。
従って全酸価とJIS酸価との差は、理論値の約50%で酸
無水物は二塩基酸として測定されるので、1g当りの酸無
水物に由来する全酸価は求められる。
具体例を挙げれば、マレイン酸モノオクチルエステル
を酸成分として用いた場合は、まず溶液重合で、マレイ
ン酸モノオクチル共重合体を合成する。この共重合体の
JIS酸価、全酸価を測定することで無水物基に由来する
全酸価は求められる。この共重合体を更にモノマ中に溶
解し、懸濁重合を行うと、一部開環する。このように得
られた結着樹脂のJIS酸価、全酸価を測定することで、
残留した無水物に由来する全酸価は求められ、結着樹脂
全体の全酸価中に占める無水物基に由来する全酸価の割
合も求められる。
すなわち、酸無水物基に由来する全酸価をAVTAとし、
結着樹脂全体の全酸価をAVTRとし、結着樹脂全体のJIS
酸価をAVJRとすると、AVTA=2(AVTR−AVJR)となる。
またAVTAのAVTRに占める百分率(%)は(AVTA/AVTR
×100で表される。
尚、本発明に於いて全酸価は、以下のようにして求め
られる。サンプル樹脂2gをジオキサン30mlに溶解させ、
これに、ピリジン10ml、ジメチルアミノピリジン20mg、
水3.5mlを加え攪拌しながら4時間加熱環流する。冷却
後1/10N KOH・THF溶液でフエノールフタレインを指示
薬として中和適定して得られた酸価値を全酸価とする。
1/10N KOH・THF溶液の調製は次のように行う。KOH1.5g
を約3mlの水で溶解し、これにTHF200mlと水30mlを加
え、攪拌する。静置後、溶液が分離していたら少量のメ
タノールを、溶液が濁っていたら少量の水を加えて均一
な透明溶液にし、1/10N HCl標準溶液で標定する。
本発明の結着樹脂を使用して磁性トナーを調製すると
きには、トナー中に磁性微粒子を含有させる。磁性微粒
子としては磁性を示すか磁化可能な材料であればよい。
この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねている。本発
明の磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、ヘマタイト、フエライト等の酸化鉄;鉄、コバ
ルト、ニツケルのような金属或いはこれらの金属のアル
ミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステ
ン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等が
挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2μm、好まし
くは0.1〜0.5μm程度のものが好ましく、トナー中に含
有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200
重量部、好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重
量部が良い。
又、10Ke印加での磁気特性が抗磁力20〜150e飽
和磁化50〜200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのものが望
ましい。
本発明に係る二成分トナー、非磁性一成分トナーに使
用し得る着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が
挙げられる。トナー着色剤は周知であって、例えば顔料
としてカーボンブラツク、アリニンブラツク、アセチレ
ンブラツク、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ロ
ーダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロ
シアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。これ
らは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が
用いられ、樹脂100重量部に対し0.1〜20重量部、好まし
くは1〜10重量部の添加量が良い。又同様の目的で、更
に染料が用いられる。例えばアゾ系染料、アントラキノ
ン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料等があり樹
脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜1
0重量部の添加量が良い。
更に本発明の結着樹脂を用いたトナーを、二成分系現
像剤として用いる場合にはキヤリア粉と混合して用いら
れる。この場合には、トナーとキヤリア粉との混合比は
トナー濃度として0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重
量%、更に好ましくは3〜5重量%が望ましい。
本発明に使用しうるキヤリアとしては、公知のものが
全て使用可能であり、例えば鉄粉、フエライト粉、ニツ
ケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこ
れらの表面をフツ素系樹脂、ビニル系樹脂或はシリコン
系樹脂等で処理したものなどが挙げられる。
本発明の結着樹脂はトナー化する際、金属化合物で架
橋させても良い。
本発明の結着樹脂と架橋反応しうる金属化合物として
は、例えば、次の金属イオンを含むものが使用できる。
例えば1価金属イオンには、Na+,Li+,Cs+,Ag+,Hg+,Cu+
などがあり、2価の金属イオンにはBe2+,Mg2+,Ca2+,Hg
2+,Sn2+,Pb2+,Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+などである。
また、3価のイオンとしては、Al3+,Sc3+,V3+,Fe3+,Co
3+,Ni3+,Cr3+,Y3+などがある。上記のような金属イオン
を含む化合物が良好な結果を与える。これらの化合物中
の金属イオンがより容易に重合体中のカルボキシル基と
結合しやすいためと推察される。
金属化合物のうちでも有機金属化合物が重合体との相
溶性や分散性に優れ、金属化合物との反応による架橋が
重合体中でより均一に進むので、より優れた結果を与え
る。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質があ
る。
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効でモノア
ゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロ
キシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体があ
る。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モ
ノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステ
ル類、ビスフエノール等のフエノール誘導体類である。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質があ
る。
例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;
トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4
−ナフトスルフオン酸塩、テトラブチルアンモニウムテ
トラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及び
これらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及
びこれらのレーキ顔料。トリフエニルメタン染料及びこ
れらのレーキ顔料。(レーキ化剤としては、りんタング
ステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブ
デン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フエリシ
アン化物、フエロシアン化物など)高級脂肪酸の金属
塩、アセチルアセトン金属錯体。ジブチルスズオキサイ
ド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズ
オキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチル
スズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキ
シルスズボレートなどのジアルガノスズボレート等であ
り、これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いるこ
とができる。これらの中でも、ニグロシン系、四級アン
モニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられ
る。
本発明に係るトナーに於いては、帯電安定性、現像
性、流動性、耐久性向上の為、シリカ微粉末を添加する
ことが良い。
本発明に用いられるシリカ微粉末は、BET法で測定し
た窒素吸着による比表面積が30m2/g以上(特に50〜400m
2/g)の範囲内のものが良好な結果を与える。トナー100
重量部に対してシリカ微粉体0.01〜8重量部、好ましく
は0.1〜5重量部使用するのが好ましい。
又、本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要に応
じ、疎水化、帯電性コントロール、などの目的でシリコ
ーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオ
イル、各種変性シリコーンオイル、シランカツプリング
剤、官能基を有するシランカツプリング剤、その他の有
機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤で併
用して処理されていることも好ましい。
他の添加剤としては、例えばテフロン、ステアリン酸
亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化
ビニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム、炭化ケイ
素、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン
酸ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタ
ン、酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎
水性のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例え
ばカーボンブラツク、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化
スズ等の導電性付与剤、又逆極性の白色微粒子及び黒色
微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明に係るトナーを作製するには結着樹脂、着色剤
としての顔料、又は染料、磁性体、必要に応じて荷電制
御剤、その他の添加剤等をヘンシエルミキサー、ボール
ミル等の混合機により充分混合してから加熱ロール、ニ
ーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶
融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中に
金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せし
め、冷却固化後粉砕及び分級を行って本発明に係るとこ
ろのトナーを得ることが出来る。
更に必要に応じ所望の添加剤をヘンシエルミキサー等
の混合機により充分混合しトナーを得ることができる。
上述した結着樹脂、磁性微粒子、着色剤、荷電制御剤
等から作成したトナーは、現像器内でうける負荷に対し
て強い耐性を有し、耐久試験において破砕されて劣化す
ることはなかった。
定着補助剤として、エチレン系オレフイン重合体を結
着樹脂とともに用いても良い。
ここでエチレン系オレフイン単重合体もしくはエチレ
ン系オレフイン共重合体として適用するものには、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体、ポリエチレン骨格を有するア
イオノマーなどがあり、上記共重合体においてはオレフ
インモノマーを50モル%以上(より好ましくは60モル%
以上)含んでいるものが好ましい。
次に、本発明に係る樹脂を用いた現像剤を適用する電
子写真法について説明する。
電気的潜像をトナーを用いて現像する工程には、前述
の磁気ブラシ法、カスケード現像法、粉末雲法、米国特
許第3,909,258号明細書に記載されている導電性の磁性
トナーを用いる方法、特開昭53−31136号公報に記載さ
れている高抵抗の磁性トナーを用いる方法などがある。
本発明に係る樹脂を用いた現像剤は磁性微粒子を含有さ
せた、いわゆる一成分系現像剤を用いる現像方法にも適
している。現像画像を被転写部材に転写する工程にはコ
ロナ転写方式、バイアス転写方式などの静電転写方式な
どが用いられる。
さらに本発明の結着樹脂を使用したトナーにおいて、
感光層もしくは絶縁層上の残余のトナーを除去する工程
には、ブレードクリーニング方式、フアーブラシクリー
ニング方式などが適用されるが、特にブレードクリーニ
ング方式に適している。
また被転写部材上の粉像は該部材上に定着される必要
があるが、そのための方法としては、加熱定着方法、溶
剤定着方式、フラツシユ定着方式、ラミネート定着方式
などを用いうるが、特に加熱ローラ定着方式に適してい
る。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、こ
れは本発明を何ら限定するものではない。
実施例 1 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。これに上記の混合物をクメン還流下で6時間かけ
て滴下した。更にクメン還流下(146℃〜156℃)で重合
を完了し、減圧下でクメンを除去しながら200℃まで昇
温した。
得られた共重合体(a)はTHFに溶解し、Mw=6,200、
Mn=2,600、Mw/Mn=2.38、GPCのメインピーク5,700、Tg
=60.8℃であった。GPCによる分子量分布を第5図に示
す。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.12重量部を溶解した水170重量部を加え、エマルジヨ
ン粒径が100μ以下、となる様にホモミキサーで乳化
し、懸濁分散液とした。水50重量部を入れ窒素置換した
反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で6時
間懸濁重合反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥
し、結着樹脂組成物Aを得た。該組成物Aは、THF不溶
分とTHF可溶分が均一に混合しており、且つ、共重合体
(a)が均一に混合していた。なお、本合成例において
は、THF不溶分の測定は以下のように行った。すなわ
ち、サンプル0.5gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(東洋濾
紙製No.86R、28×100mm)に入れてソックスレー抽出器
にかけ、溶媒としてTHF200mlを用い、約4分の1回の割
合でTHFを流出させて6時間抽出した。抽出終了後、THF
可溶分をエバポレートした後、100℃で真空乾燥し、可
溶樹脂成分量(W2g)を求め、サンプル中のTHF不溶分を
下記の式より算出した。
THF不溶分=(W1−W2)/W1×100(%) 得られた樹脂組成物AのTHF不溶分(24メツシユパ
ス、60メツシユオンの樹脂組成物粉体を使用)は、29wt
%であった。また、THF可溶分の分子量分布を測定した
ところ、7,200、46,000の位置にピークを有し、Mn=6,1
00、Mw=145,000、Mw/Mn=23.8、分子量1万以下が25wt
%であった。さらに、樹脂のTgは、56.3℃であり、GPC
により分取された1万以下の成分のガラス転移点Tg
1は、60.5℃であった。
THF可溶分のGPCクロマトグラムを第4図に示す。
尚、各樹脂及び樹脂組成物の分子量に関わる特性は下
記方法で測定した。
GPC測定用カラムとしてShodex K F−80Mを用い、
GPC測定装置(ウオーターズ社製150CALC/GPC)の40℃の
ヒートチヤンバーに組み込みTHF流速1ml/min、検出器は
RIの条件下、試料(THF可溶分の濃度約0.1重量%)を20
0μ注入する事でGPCを測定した。分子量測定の検量線
としては分子量0.5×103,2.35×103,10.2×103,35×1
03,110×103,200×103,470×103,1200×103,2700×103,
8420×103の10点の単分散ポリスチレン基準物質(ウオ
ーターズ社製)のTHF溶液を用いた。
共重合体(a)のIR吸収スペクトルを第9図に示し、
結着樹脂組成物AのIR吸収スペクトルを第10図に示す。
共重合体(a)をスチレン−アクリル系共重合体で3/10
に希釈して測定したものを第11図に示す。
酸無水物のカルボニルに由来する吸収ピーク(1780cm
-1)は樹脂Aのものは希釈混合したものに比べ強度が減
少しており、一部、無水物からジカルボン酸へと開環し
たことが認められる。また、結着樹脂組成物の全酸価、
JIS酸価、酸無水物に由来する全酸価、酸無水物分の樹
脂全体の全酸価に対する割合等とその他の諸物性を第1
表、第2表に示す。
実施例 2 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で6時間かけて滴下し
た。
更にクメン還流下(146℃〜156℃)で重合を完了し、
加熱、減圧してクメンを除去した。得られた共重合体
(b)はMw=9,900、Mw/Mn=2.52、GPCのチヤートにお
いて分子量9,700の位置メインピークを有し、Tg=60.7
℃であった。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳化
させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素置換
した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で
6時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、
結着樹脂組成物Bを得た。この樹脂組成物の諸物性は第
1表、第2表に示す。
実施例 3 反応器にキシレン200重量部を入れ、還流温度まで昇
温した。下記混合物をキシレン還流下で6時間かけて滴
下した。
さらにキシレン還流下(135〜145℃)で重合を完了
し、加熱、減圧してキシレンを除去した。得られた共重
合体(c)はMw=12,000、Mw/Mn=3.75、分子量5,800の
位置にメインピークを有し、Tg=60.2℃であった。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳化
させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素置換
した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で
6時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、
結着樹脂組成物Cを得た。諸物性は第1表、第2表に示
す。
実施例 4 反応器にキシレン200重量部を入れ、還流温度まで昇
温した。下記混合物をキシレン還流下で6時間かけて滴
下した。
さらにキシレン還流下(135〜145℃)で重合を完了
し、加熱、減圧してキシレンを除去した。得られた共重
合体(d)はMw=3,800、Mw/Mn=2.57、ピーク=3,40
0、Tg=59.7℃であった。
上記混合物に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.
12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳化さ
せた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ窒素置換した
反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で6時
間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、結着
樹脂組成物Dを得た。諸物性は第1表、第2表に示す。
実施例 5 反応器にクメン150重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で6時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了し、
加熱、減圧してクメンを除去した。得られた共重合体
(e)は、Mw=6,200、Mw/Mn=2.12、分子量4,700の位
置にメインピークを有し、Tg=62.1℃であった。
上記混合物に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.
12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳化さ
せた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素置換し
た反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で6
時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、結
着樹脂組成物Eを得た。諸物性は第1表、第2表に示
す。
実施例 6 上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳化
させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素置換
した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で
6時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、
結着樹脂組成物Fを得た。諸物性は第1表、第2表に示
す。
実施例 7 上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳化
させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素置換
した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で
6時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し結
着樹脂組成物Gを得た。諸物性は第1表、第2表に示
す。
比較例 1 上記混合物に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.
12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳化さ
せた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素置換し
た反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で6
時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し結着
樹脂Hを得た。諸物性は第1表、第2表に示す。
比較例 2 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で6時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了し、
加熱、減圧してクメンを除去した。得られた共重合体
(i)は、Mw=4,100、Mw/Mn=2.63、分子量4,600の位
置にメインピークを有し、Tg=59.3℃であった。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳化
させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素置換
した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で
6時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、
結着樹脂組成物Iを得た。諸物性は第1表、第2表に示
す。
実験例 1 上記材料をヘンシエルミキサーで前混合した後、130
℃で2軸混練押出機によって溶融混練を行った。混練物
を放冷後、カツターミルで粗粉砕した後、ジエツト気流
を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更に風力分級機を用
いて分級し、体積平均粒径11.0μmの黒色微粉体(トナ
ー)を得た。
このトナー原料の粉砕性は非常に良く粉砕粒度が体積
平均径11μのトナーを得るのに処理量で4.0Kg/hrの値で
あった。また、粉砕機内の融着はなかった。
このトナー100重量部に疎水性乾式シリカ0.4重量部を
混合した現像剤を市販の電子写真複写機NP−8580(キヤ
ノン製)に入れ画像性と、定着性について評価した。
100,000枚耐久を行ったが安定して画像濃度の高い良
好な画像が得られ、定着ローラが汚れることもなかっ
た。さらに定着性も非常に良く、オフセツト性、巻き付
き性も良好であった。さらに感光体へのフイルミング、
融着もなく耐ブロツキング性も優れていた。
100,000枚耐久後、引き続き、32.5℃ 85%RH下、15℃
10%RH下の順で1日以上放置し、それぞれの環境に充
分になじませてから、各50,000枚耐久を行ったが、常温
常湿(20℃〜25℃、50%RH〜70%RH)の環境と同様良好
な画像が得られ何のトラブルもなかった。
評価結果については第3表、第4表に示す。
実験例 2〜7 結着樹脂B、C、D、E、F、Gを用いる他は、実験
例1と同様にしてトナーを得、実験例1と同様の評価を
行った結果を第3表、第4表に示す。
比較実験例 1及び2 結着樹脂H、Iを用いる他は、実験例1と同様にして
トナーを得、実験例1と同様の評価を行った結果を第3
表、第4表に示す。
評価方法 トナー原料の粉砕性は、ジエツト気流を用いた2m3/mi
nの微粉砕機で、5Kg/cm2のエアー圧での、単位時間での
処理量を目安とした。同時に、微粉砕機の内壁を観察
し、融着の有無を調べた。
定着性と、オフセツト性、巻き付き性及び画像性、耐
久性については、キヤノン製複写機、NP−8580を用いて
調べた。
ブロツキング性は、約10gのトナーを100ccのポリカツ
プに入れ、50℃で3日放置した時の凝集度の変化で調べ
た。凝集度は細川ミクロン社製のパウダーテスターによ
り測定した。ブロツキング性の指標は室温放置品と50℃
/3日放置品の凝集度差にした。
定着性とオフセツト性、巻き付き性及び画像性、耐久
性の評価は以下の手順で行った。
定着性は、低温低湿度環境(15℃、10%)にて、評価
機を1晩放置し評価機及びその内部の定着器が完全に低
温低湿度環境になじんだ状態から、連続200枚の複写画
像を取り、その複写画像の200枚目を定着性の評価に用
いた。定着性の評価は画像をシンボル紙で往復10回約10
0g荷重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率
(%)で評価した。
特にオフセツト性は、定着ローラのクリーニング機構
を取りはずし、何枚の複写で画像が汚れるかあるいはロ
ーラが汚れるかということを耐複写枚数で評価した。
又、連続して複写を行った際のクリーニングウエーヴ
の汚れの状況によってはクリーニングウエーヴに一度と
られたトナーが上ローラーに転移し、複写物を汚染する
ことがあるので、これを評価するために定着ローラーの
クリーニング機構を通常の状態にもどし連続200枚の複
写画像をとった後、30秒間隔で複写画像を1枚づつ3分
迄とり、画像汚染が発生するかを調べ又、定着ローラー
のクリーニングウエーヴの汚れの状態を評価した。評価
は◎(優)、○(良)、△(可)、×(不可)である。
巻き付性は、全面黒画像を連続で30枚複写し、その時
に定着ローラーを通過した複写画像がそりかえるように
してカールすることがある場合、そのカール発生枚数を
巻き付き性の評価の指標とした。
〔発明の効果〕 本発明は特定の分子量分布、官能基を有するトナー用
結着樹脂及びその製造方法である為、次のような優れた
効果を発揮するものである。
(1)定着性がすぐれ、同時にオフセツト性、巻き付き
性、ブロツキング性のすぐれた定着ローラを汚すことの
ないトナー用結着樹脂及びその製造方法である。
(2)粉砕性が良くトナーの生産効率の良いトナー用結
着樹脂及びその製造方法である。
(3)粉砕時の装置内への耐融着性または感光体などの
耐融着性のすぐれたトナー用結着樹脂及びその製造方法
である。
(4)現像性、特に画質、耐久性、環境安定性などにお
いて問題のないトナー用結着樹脂及びその製造方法であ
る。
【図面の簡単な説明】 添付図面中、第1図はトナーに要求される各特性の相関
関係を示す図であり、第2図は分子量10000以下の樹脂
成分の含有量とトナー特性との相関関係に関わるグラフ
を示し、第3図は本発明の樹脂組成物のTHF可溶分のGPC
のチヤートの一例を示す。 第4図は実施例1で使用した結着樹脂AのTHF可溶分のG
PCのチヤートを示し、第5図は実施例1で使用した共重
合体(a)のGPCのチヤートを示す。第6図は実施例1
で使用した二回目の重合に用いたモノマーを単独で懸濁
重合して得たもののTHF可溶分のGPCのチヤートを示す。
第7図は第5図と第6図のチヤートを組み合わせたもの
であり、第8図は第4図と第7図を比較説明するための
チヤートを示す。 第9図、第10図及び第11図は樹脂の赤外吸収スペクトル
のチヤートの一部を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 恭尚 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 田谷 真明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 海野 真 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 高木 誠一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−223014(JP,A) 特開 昭63−223662(JP,A) 特開 昭54−130029(JP,A) 特開 昭61−123857(JP,A) 特開 昭55−134861(JP,A) 特開 昭56−158340(JP,A) 特開 昭63−216063(JP,A) 特開 昭62−280758(JP,A)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量10,000以下の樹脂成分の含有量が樹
    脂全体を基準として5〜50重量%であり、樹脂成分が酸
    無水物基、ジカルボキシル基及びカルボキシル基を有
    し、 酸無水物基を加水分解した後の樹脂成分の全酸価AVTR
    2〜100mgKOH/gであり、 酸無水物基に由来する全酸価AVTAが全酸価AVTRの60%以
    下である ことを特徴とするトナー用結着樹脂。
  2. 【請求項2】該結着樹脂のTHF不溶分のゲルパーミエー
    ションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布に
    於いて、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≧5
    であり、分子量2,000〜100,000の領域にピークを少なく
    とも一つ有する請求項第1項のトナー用結着樹脂。
  3. 【請求項3】該結着樹脂のTHF可溶分のGPCによる分子量
    分布に於いてMw/Mn≧5であり、分子量2,000〜15,000未
    満の領域にピークを少なくとも一つ有し、分子量15,000
    〜100,000の領域にピーク又は肩を少なくとも一つ有す
    る請求項第1項のトナー用結着樹脂。
  4. 【請求項4】該結着樹脂のTHF可溶分が5〜70重量%で
    ある請求項第1項、第2項または第3項のトナー用結着
    樹脂。
  5. 【請求項5】ガラス転移点(Tg)≧50℃である重合体を
    溶液重合で生成し、 加熱処理により該重合体に酸無水物基を生成させ、 該重合体を重合性モノマーに溶解して懸濁重合反応を行
    い、 酸無水物基を加水分解し、 分子量10,000以下の成分が樹脂全体を基準として5〜50
    重量%含有されており、酸無水物基、ジカルボキシル基
    及びカルボキシル基を有し、酸無水物基を加水分解した
    後の樹脂成分の全酸価AVTRが2〜100mgKOH/gであり、酸
    無水物基に由来する全酸価AVTAが全酸価AVTRの60%以下
    である樹脂を生成する ことを特徴とするトナー用結着樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】該樹脂のTHF可溶分のGPCによる分子量分布
    に於いて、Mw/Mn≧5であり、分子量2,000〜100,000の
    領域にピークを少なくとも一つ有する請求項第5項のト
    ナー用結着樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】該樹脂のTHF可溶分のGPCによる分子量分布
    に於いて、Mw/Mn≧5であり、分子量2,000〜15,000未満
    の領域にピークを少なくとも一つ有し、分子量15,000〜
    100,000の領域にピーク又は肩を少なくとも一つ有する
    請求項第5項のトナー用結着樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】該重合体のGPCの分子量分布に於いて、分
    子量2,000〜15,000未満の領域にメインピークを有する
    請求項第5項,第6項または第7項のトナー用結着樹脂
    の製造方法。
  9. 【請求項9】該結着樹脂のTHF不溶分が5〜70重量%で
    ある請求項第5項,第6項,第7項または第8項のトナ
    ー用結着樹脂の製造方法。
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