JPH03152556A - トナー用結着樹脂及びその製造方法 - Google Patents

トナー用結着樹脂及びその製造方法

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JPH03152556A
JPH03152556A JP1291795A JP29179589A JPH03152556A JP H03152556 A JPH03152556 A JP H03152556A JP 1291795 A JP1291795 A JP 1291795A JP 29179589 A JP29179589 A JP 29179589A JP H03152556 A JPH03152556 A JP H03152556A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法等に用
いられる乾式現像剤に使用されるトナーのトナー用結着
樹脂およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,69
1号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭
43−24748号公報等、多数の方法が知られている
が、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により
感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー
を用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画
像を転写した後、加熱、圧力。
加熱加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得
るものである。またトナー画像を転写する工程を有する
場合には、通常残余のトナーを除去するための工程が設
けられている。
電気的潜像をトナーを用いて可視化する現像方法は例え
ば、米国特許第2,874,063号明細書に記載され
ている磁気ブラシ法、同2,618,552号明細書に
記載されているカスケード現像法及び同2.221,7
76号明細書に記載されている粉末雲法、米国特許第3
,909,258号明細書に記載されている導電性の磁
性トナーを用いる方法などが知られている。
これらの現像法に適用するトナーとしては、従来、天然
あるいは合成樹脂中に染料・顔料を分散させた微粉末が
使用されている。例えば、ポリスチレンなどの結着樹脂
中に着色剤を分散させたものを1〜30μ程度に微粉砕
した粒子がトナーとして用いられている。磁性トナーと
してはマグネタイト等の磁性体粒子を含有せしめたもの
が用いられている。一方、いわゆる二成分現像剤を用い
る方式の場合には、トナーが通常ガラスピーズ、鉄粉な
どのキャリアー粒子と混合されて用いられている。
今日、このような記録方法は、−船釣な複写機だけでな
くコンピューターの出力や、マイクロフィルムの焼付け
などに広く利用されてきている。
そのため、要求される性能もより高度になり、より小型
化、より軽量化、より低エネルギー化、より高速化、よ
りメンテナンスフリー、よりパーソナルというようなさ
まざまの性能を同時に要求されるようになってきた。こ
れらを満足するために、トナーに対する要求も種々の面
でより厳しくなってきている。例えば、より小型化する
と定着機、露光ランプなどの熱源が狭い所に押し込めら
れるため、機内の温度は高くなりゃすい。そのためトナ
ーのブロッキング性はより向上しなければならない。
また軽量化するためには、定着ローラはより肉薄で、細
く設計され、定着ローラのクリーニング機構や、感光体
のクリーニング機構は、シンプルで軽いものになる方向
に行くため、当然、定着機にオフセット防止用オイルな
どの塗布装置はっけない方向である。そのためトナーの
定着性、耐オフセット性、感光体の耐クリーニング性を
向上しなければならない。また、より低エネルギー化よ
り高速化するためには、トナーの定着性は当然向上させ
ねばならず、よりパーソナル化するためには、信頼性を
向上させる必要があり、ジャムなど起さないことが重要
となってくる。ジャムは一般に定着機のローラにコピー
紙が巻き付く時起ることが多く、トナーの定着ローラ巻
き付き性向上が必要となってくる。しかしながら、第1
図に示すようにトナーの製造に要求される特性及びトナ
ーそのものの緒特性は相反するものが多い。
以上のような例をとって見ても、トナーに対する要求は
きびしいが、これらを同時に向上させなければ、要望を
満足することはできない。しかしながらこれらを実現す
るために、例えば、画質やトナーの耐久性などの現像特
性、さらにトナーの生産効率を低下させては何の意味も
ない。
これらは主にトナーの結着樹脂の性能による所が大であ
る。離型剤や、可塑剤、その他の添加剤によってこれら
を改善しようという提案もあるが、これらは補助的であ
る。
この結着樹脂の改善について種々の方法が、提案されて
いる。
例えば、特開昭56−158340号公報に、低分子量
重合体と高分子量重合体とよりなるトナーが提案されて
いるが、このバインダー樹脂は、実際には架橋成分を含
有させることが難しいため、より高性能に耐オフセット
性を向上させるためには、高分子量重合体の分子量を太
き(するか、比率を増す必要がある。この方向は粉砕性
を著しく低下させる方向であり、実用上満足するものは
得られにくい。さらに低分子量重合体と架橋した重合体
とをブレンドしたトナーに関し、特開昭58−8655
8号公報に、低分子量重合体と不溶不融性高分子量重合
体を主要樹脂成分とするトナーが提案されている。その
方法に従えば、定着性、粉砕性の改良は行われると思わ
れるが、低分子貴重、合体の重量平均分子ffi/数平
均分子量(M w / M n )が3.5以下と小さ
いこと、及び不溶不融性高分子量重合体が40〜90w
t%と大きいことにより、耐オフセット性と粉砕性を供
に高性能で満足することが難しく、実際上はオフセット
防止用液体の供給装置をもつ定着機でなければ、定着性
、耐オフセット性。
粉砕性を充分満足するトナーを生成することは極めて困
難である。さらに不溶不融性高分子量重合体が、多くな
るとトナー作成時の熱混練で、溶融粘度が非常に高くな
るため、通常よりはるかに高温で熱混練するか、あるい
は高いシェアで熱混練しなければならなず、その結果、
′前者は他の添加剤の熱分解によるトナー特性の低下、
後者はバインダー樹脂の分子の過度の切断が起り、当初
の耐オフセツト性能が出にくいという問題を有している
また、特開昭60−166958公報に、数平均分子量
500〜1.500である低分子量のポリα−メチルス
チレンの存在下で重合して得られる樹脂組成物からなる
トナーが提案されている。
特に、該公報では数平均分子量(M n )が9,00
0〜30,000の範囲が好ましいとあるが、耐オフセ
ット性をより向上させるため、Mnを大きくしていくと
、定着性およびトナー製造時の粉砕性が実用上問題とな
り、故に高性能に耐オフセット性と粉砕性を満足するこ
とは難しい。このようにトナー製造時における粉砕性の
悪いトナーは、トナー製造時の生産効率が低下する他、
トナー特性として、荒いトナーが混入しやすいため、飛
びちった画像となる場合があり好ましくない。
また、特開昭56−16144公報に、GPCによる分
子m分布において、分子量10’〜8 X 10’及び
分子量105〜2 X 10’のそれぞれの領域に少な
くとも1つが極大値をもつ結着樹脂成分を含有するトナ
ーが提案されている。この場合、粉砕性、耐オフセット
性、定着性、感光体へのフィルミングや融着、画像性な
どがすぐれているが、さらにトナーにおける耐オフセッ
ト性及び定着性の向上が要望されている。特に定着性を
より向上させて、他の種々の性能を保つかあるいは向上
させつつ、今日の厳しい要求に対応するのは、該樹脂で
はむずかしい。
このような問題を解決する結着樹脂として特開昭63−
223014号公報に開示されているものがあるが、更
なる高耐久性、高信頼性を要求される現在では、十分な
対応をしきれなくなってきている。
また結着樹脂は現像性に与える影響も大きく、摩擦帯電
量が安定する様な結着樹脂が望まれている。
更に、耐オフセット性が優れていても使用を続けている
うちに定着ローラが汚染され、耐オフセット性の劣化が
もたらされることがある。
またこのような定着方法に於いて、定着性を向上させる
為に酸成分を含有する結着樹脂の使用が特開昭55−1
34861号公報で提案されている。
しかしながら、この様な結着樹脂を用いたトナーは高湿
下での帯電不足、低湿下での帯電過剰を生じ易いなど環
境変動の影響を受は易い。また、かぶり、画像濃度など
十分な現像性が得られないこともある。
一方、酸無水物は帯電性を向上させる働きがあり、酸無
水物を含有する樹脂を応用した例として特開昭59−1
39053号公報、特開昭62−280758号公報等
がる。これらは酸無水物の単位を高密度に有する重合体
を結着樹脂に希釈させる方法をとっている。
これらの方法では酸無水物含有樹脂を結着樹脂中に均一
に分散させる必要があり、良好に分散させないと、トナ
ー粒子が帯電不均一となりかぶりなど現像性に悪影響を
及ぼす。
またこれらの方法では負帯電性が強く正荷電性トナーに
は好ましくない。
従って、酸無水物の単位を結着樹脂中のポリマ鎖に共重
合により分散させ希釈させる方が、分散の問題を解消し
、均一な帯電性の得られるトナー粒子とすることができ
る。この例として、特開昭61−123856号公報、
特開昭61−123857号公報等があり、これらのト
ナーは良好な定着性、耐オフセット性、現像性が得られ
る。
しかしながら、このようなトナーは、低湿下で高速機等
に適用すると、帯電過剰となり、かぶりや濃度低下を生
じることがある。
これは、これらのトナーに用いられる結着樹脂中の酸無
水物の単位は、均一に分散されているものの、その量が
多い為である。
以上のように、必要な項目について、高度に満足するも
のは、今だ提案されていない。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、種々の項目ですぐれた性能を同時に満
足するトナー用結着樹脂及びその製造方法を提供するこ
とにある。
また、本発明の目的は、定着性がすぐれ、同時にオフセ
ット性、巻き付き性、ブロッキング性のすぐれた定着ロ
ーラを汚すことのないトナー用結着樹脂及びその製造方
法を提供することである。
また本発明の目的は、粉砕性が良くトナーの生産効率の
良いトナー用結着樹脂及びその製造方法を提供すること
である。
また、本発明の目的は、粉砕時の装置内への耐融着性ま
たは感光体などの耐融着性のすぐれたトナー用結着樹脂
及びその製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、現像性、特に画質、耐久性、環
境安定性などにおいて問題のないトナー用結着樹脂及び
その製造方法を提供することである。
〔発明の概要〕
本発明は、分子量10,000以下の成分の含有量が樹
脂全体を基準として5〜50重量%であり、酸無水物ユ
ニット及びカルボン酸ユニットを有することを特徴とす
るトナー用結着樹脂を提供するものである。
さらに、本発明は、7g250℃である重合体を溶液重
合で生成し、加熱処理により、該重合体に酸無水物ユニ
ットを生成させ、該重合体を重合性モノマーに溶解し、
該重合体の存在下で懸濁重合反応をおこなって酸無水物
ユニットを加水分解させ該トナー用結着樹脂を製造する
ことを特徴とする方法を提供するものである。
本発明の構成について説明する。
前記のような目的を同時に達成するため、種々のバイン
ダー樹脂を用い、その構成と性能について、さまざまの
角度から鋭意検討した。その結果、バインダー樹脂が特
定の官能基を有し、THF可溶分の分子量分布が特定の
構成のときに達成できることを見出した。バインダー樹
脂をTHFなどの溶剤で溶かすと、不溶分と可溶分に分
離でき、可溶分は、GPCで分子量分布を測定すること
ができる。
酸成分ユニットを含有する結着樹脂のTHF可溶分の分
子量分布と定着可能温度が高いか低いかという性質(以
後、単に定着性という)、耐オフセット性、粉砕性、耐
ブロッキング性について検討した。
その結果、まず、例えば、第2図のように、分子量分布
での分子量的10,000以下と約10,000以上の
分子量分の働きの異なることを見い出した。すなわち、
バインダー樹脂全体に対する分子量io、oo。
以下の分子量を有する成分の含有割合は、定着性あるい
は耐オフセット性よりも粉砕性に関係していることが判
明した。さらに、他の検討などからバインダー樹脂は、
基本的には、THF不溶分が、主に耐オフセット性、ま
きつき性、モしてTHF可溶分の分子fi 10,00
0以下の成分が、主に粉砕性、ブロッキング性、感光体
への融着性、フィルミング性、そして粉砕装置内壁への
融着に影響を与え、さらに、THF可溶分の分子fi 
10,000以上の成分が主に定着性を左右しているこ
とが判明した。そして、分子量10,000以下の成分
の割合は、5〜50wt%が良く、好ましくは10〜4
0wt%である。
上記の性能を効果的に発揮する為には、分子量2.00
0〜100,000の領域にピークをもつことが好まし
い。
更に、充分な性能を出すためには、さらに分子量、フィ
ルミング、粉砕装置内壁への融着などががあるか、特に
分子量10,000以下の分子量分の割合が5wt%未
満であると、粉砕性が問題となることがあり、粗粒子の
生成も問題となる場合があピークがある場合は、耐オフ
セット性、感光体のの領域にピークもしくは肩がなく、
かつ100,000を越えた領域にメインピークがある
と粉砕性が問題となることがある。
にピークがなく分子量2,000以下にピークがあるか
、分子量10,000以下の成分の割合が50wt%以
上であると、耐ブロッキング性、感光体への融が必要で
あり、Mw / Mnが5#手になると耐オフセット性
が低下する傾向が高まり問題となる。好ましくは、Mw
 / Mnが80以下が良く、さらに好ましくは、IO
≦Mw/Mn≦60が良い。特にMw/Mnが105M
 W / M n≦60だと粉砕性、定着性、耐オフセ
ット性、画像性など種々の特性において、特にすぐれた
性能を示す。
そして更に樹脂中のTHF不溶分は5〜70wt%(好
ましくは10〜60wt%)あることが好ましい。
THF不溶分は5 w t%未満だと耐オフセット性、
マキツキ性が問題となり、70wt%を越える場合だと
トナー製造時の熱混練による分子鎖切断などの劣化の問
題などを生じる。好ましくは、10〜60wt%(さら
に、好ましくは15〜50wt%)が良い。
また、THF可溶分の分子量分布の1万以下の分子量分
の樹脂のガラス転移点Tglと樹脂全体のガラス転移点
Tgtを比較したとき、Tgl≧Tgt−5の関係にな
ると、定着性、粉砕性、感光体への融着、フィルミング
性、粉砕装置内壁への融着性、耐ブロッキング性など、
より良好になることを見い出した。
ここでいうTglとは次の方法により測定されたもので
ある。温度25℃にて、THFを毎分7mlの流速にて
流し、樹脂組成物中のTHF可溶成分の濃度的3mg/
mj!のTHF試料溶液を3mj!程度分子量分布測定
装置に注入し、分子量1万以下の成分を分取する。分取
の後、溶媒を減圧留去し、さらに90℃雰囲気中減圧で
24時間乾燥する。分子量1万以下の成分が20mg程
度得られるまで上記操作を行い、この後に示差走査熱量
測定法によりTgを測定し、この値をTglとする。尚
、Tg(ガラス転移点)は、示差熱分析測定装置DSC
−7(PerkinE l m e r社製)を用いA
STM  D3418−82法に準じて測定した。
分取用カラムとしては、TSKgel  G2000H
TSKgel G2500H,TSKgel G300
0H,TSKgelG4000H(供に東洋曹達工業■
)等が用いられる。
本発明ではTSKgel G2000HとTSKgel
 G3000Hを組み合せて用いた。
また樹脂のTgであるTgtはその後示差熱量測定法に
より求める。
本発明の最も好ましい態様は、第3図に示すように、T
HF可溶分のGPC分子量において、分子量15、 O
o。
セミ−日〜100 、000の領域にある最も高いピー
ク15、ooO米漏 の高さをh2とし、分子量2 、000 = H#医日
の領へ 域にある最も高いピークの高さをり、とすると、h、/
h2の比が0.4〜4.071である樹脂またはで数時
間真空乾燥しT HF可溶樹脂成分量を秤量する(W2
g)。樹脂のT)(F不溶分は、下記式から求められる
平均分子量について2,000≦Mn≦転母余転が好ま
題となってくる。
本発明でのTHF不溶分とは、樹脂組成物中のTHFに
対して不溶性となったポリマー成分(実質的に架橋ポリ
マー)の重量割合を示し、架橋成分を含む崩脂組成物の
架橋の程度を示すパラメータとして、使うことができる
。T HF不溶分とは、以下のように測定された値をも
って定義する。
すなわち、樹脂サンプル(24メツシユバス、60↑ メツシュオンの粉体)0.5〜1.0gを秤量しくWI
g)、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No、86R)に
入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF1
00〜200mA’を用いて6時間抽出し、溶媒によっ
て抽出された可溶成分をエバボレートした後、100℃
以上の操作で得られた溶媒可溶成分の蒸発乾固物はTH
F (テトラヒドロフラン)に溶解させ、サンプル処理
フィルターを通過させた後、GPCの試料とする。
本発明において、THF可溶分のGPC(ゲルパーミェ
ーションクロマトグラフィ)によるクロマトグラムのピ
ーク又は/およびショルダーの分子量は次の条件で測定
される。
すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
 (テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する
。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量
分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製
された検量線の対数値とカウント数との関係から算出し
た。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例
えば、Pressure  Chemical  Co
、製あるいは、東洋ツーダニ業社製の分子量が6xlO
”、  2.1xlO”。
4X103. 1.75X10’、  5.lX10’
、  1.lX10’。
3.9X10’、8.6XIO’、2X10’、4.4
8X10’のものを用い、少な(とも10点程度の標準
ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出
器にはR1(屈折率)検出器を用いる。
なお、カラムとしては、10”〜2 X 10’の分子
量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲ
ルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Water
s社製のp −styrage1500. 10’、 
 10’、  10’の組み合せや、昭和電光社製の5
hodex  KF−80Mや、KF−801,803
,804,805の組み合せや、KA−802,803
,804,805の組み合わせ、あるいは東洋曹達製の
TSKgeJGloooH,G2000H。
G25000H,G3000H,G4000.H,G5
000H。
G6000H,G7000H,CMHの組み合せが好ま
しい。
本発明の分子fi10000以下のバインダー樹脂に対
する重量%はGPCによるクロマトグラムの分子量10
000以下を切りぬき、分子量i oooo以上の切り
ぬきとの重量比を計算し、前記のTHF不溶分の重量%
を使い、全体のバインダー樹脂に対する重量%を算出す
る。
本発明の結着樹脂は、カルボン酸ユニット含有すること
を特徴とするが、これらの官能基は、現像性、定着性、
耐プロツキ;/グ性、耐オフセット性の向上、融着防止
、定着リーラ汚染防止に働く。
そして、カルボキシル基及び酸無水物基は、トナーの帯
電性に与える影響が大きい。例えば、ポリマ鎖中にカル
ボキシル基がある場合は弱い負帯電付与能力がある。
しかしながら、カルボキシル基の密度が増加する様にな
り、4この傾向が顕著になる。
一方、酸無水物ユニットは負帯電付与能力があるが、電
荷を放出する能力はない。これらの官能基をもつ結着樹
脂は、負帯電性であるので負荷電性トナーに好ましいが
、荷電制御剤の選択によって正荷電性トナーに用いるこ
ともできる。
つまり、荷電制御剤の帯電付与能力が、官能基の帯電付
与能力に打ち勝てば、これらの官能基は電荷の放出だけ
を行う様になる。
従って、トナーの帯電性の安定化の為にはこれらの官能
基の割合が重要であり、適度な比にすることが好ましい
。すなわち、カルボキシル基は電荷放出に働くとともに
帯電付与にも働く。
一方、酸無水物ユニットは帯電付与のみに特に有効に働
く。カルボキシル基が多く存在する場合には電荷放出が
多くなり、トナーの帯電量が不足し、十分な画像濃度が
得られにくくなる。この傾向は高湿下では顕著になる。
一方酸無水物ユニットが多く存在する場合にはトナーの
帯電量が過剰となりかぶりの増加などが見られ、特に低
湿下に於いてはこの傾向が強まり画像濃度低下を引き起
こす。
そこで適度の割合で、これらの官能基を存在させること
で帯電の付与、放出のバランスをとることができ、トナ
ーの帯電性を安定化させ、環境変動による帯電性への影
響を最小限に押えることが可能になる。つまり、酸無水
物ユニットの存在で帯電付与するとともに、カルボキシ
ル基の存在で電荷の放出を行い帯電過剰を防止する。以
上の目的を達成する為に、本発明の結着樹脂は、以下の
ようなものであることも好ましい。酸無水物ユニットを
加水分解して測定した全酸価は、2〜100 m g 
K OH/gで好ましくは、5〜70 m g K O
H/ gであり、更に好ましくは、5〜50 m g 
K OH/ gである。全酸価が2 m g K OH
/ g未満の場合は良好な定着性が得に((,100m
 g K OH/ gを超える場合には、トナーの帯電
性をコントロールしにくくなる。また酸無水物ユニット
に由来する全酸価がl Om g K OH/g以下で
あることも好ましい。更に好ましくは、8 m g K
 OH/ gである。10 m g K OH/ gを
超える場合には、トナーが帯電過剰となり易(、低湿下
での濃度低下、かぶりなどを生じる様になる。更に酸無
水物ユニットに由来する全酸価が結着樹脂全体の全酸価
の60%(好ましくは、50%以下更に好ましくは40
%以下)以下であることも好ましい。60%を超える場
合には、電荷の付与と放出のバランスがとれなくなり、
帯電付与能力が勝ち、帯電過剰となり易くなる。また、
酸無水物ユニット度存在すれば充分なトナーの摩擦帯電
安定性が得られる。従って、荷電制御剤を併用する場合
でもより均一な摩擦帯電性が得られ、荷電制御剤単独で
荷電制御するよりも妾≠4摩擦帯電安定性が良好であり
、耐久による濃度の安定、かぶりの低減がもたらされる
。また、カルボキシル基を有する結着樹脂は、その臨界
表面張力から紙への親和性が強く、定着性向上に働き゛
、また、定着ローラの表面層に使用されるフッ素樹脂、
シリコーンゴムに対しては離型性が良いので耐オフセッ
トに効き、そして定着ローラを汚すこともない。更に、
カルボキシル基間の水素結合により、耐ブロツキング性
向上、融着防止に働く。本発明の結着樹脂中にジカルボ
キシル讐基がある場合は、二つのカルボキシル基が互い
に接近して存在する為、単独に存在するカルボキシル基
に比較し、紙への親和性がより効果的に働き、定着性を
向上させることができる。また重合体低分子量成分は、
定着性向上に働(反面、耐ブロッキング性を悪化させる
原因となり、ポリマ鎖の熱による動きがその主要因とし
て考えられる。ここで、ジカルボキシル基が存在すると
、ジカルボキシル基間の水素結合は、単独のカルボキシ
ル基間の水素結合より強固なものとなりポリマ鎖の動き
をより効果的に抑えることができる。従って、Tg付近
以下の温度では、ポリマ鎖のからみがくずれにくく、ト
ナーが通常使用される状態では、ブロッキング、融着を
生じにく(なる。しかしながら、Tgを超えた高い温度
では、ジカルボキシル基間の水素結合は、切断され、定
着時の温度では、ポリマ鎖は充分な動きがとれ、変形し
、ぬれやすくなり定着性には影響はない。更に、定着後
は、ジカルボキシル基はセルロースとより強固な水素結
合を形成し、良好な定着性を示す様になる。以上のこと
は、同−Tgの結着樹脂の場合、ジカルボキシル基が存
在する場合には、定着性向上と耐ブロッキング性、融着
防止の両立を果たすことができ、特に低分子量成分に含
まれる時にその効果は大きい。
一方、ジカルボキシル基と金属化合物を熱などによって
反応させ、架橋させる七、耐ブロッキング性、融着防止
の効果はより顕著なものとなり、単独のカルボキシル基
と金属化合物の反応よりも効果は大きい。これは、ジカ
ルボキシル基が金属にキレートを形成することができる
ので、キレート効果、結晶場安定化エネルギー等により
、架橋反応を、効率的に行い、安定した高分子錯体を形
成することができ、架橋がより効果的に働くからである
。架橋が耐ブロッキング性、融着防止に働く作用は、前
述のジカルボキシル基の水素結合の場合と同様に考えら
れる。しかしながら上記の、架橋に従って定着性を悪化
させることはない。理由は明らかでないが、Tg付近以
下の温度(約50〜属架橋の様に、比較的自由な動きが
とれ無修傘赤゛     定着性に与える影響は小さい
ものと考えられる。更に、本発明の金属架橋はご(−部
反応しているだけでもその効果が大きいので、定着性に
与える影響は全くないものと考えられる。
従って、定着性、耐ブロッキング性、融着防止にラチチ
ュードが広いトナーとすることができるので、トナーを
使用する状況に応じて(例えば、高速機、小型機など)
、より優先させたいトナー性能を、使用する結着樹脂の
Tgの調整により容易に設計することができる。例えば
、定着性を優先させる場合は、Tgを低目に設定すれば
良(、非常に良好な定着性が得られると共に、必要な耐
ブロッキング性が得られる。逆に、耐ブロッキング性を
優先させる場合は、Tgを高目に設定すればよく、非常
に優れた耐ブロッキング性が得られると共に、必要な定
着性は得られるものである。またカルボキシル基、ジカ
ルボキシル基、酸無水物基は金属塩或は金属錯体の金属
イオンを介して各々相互作用し、種々の高分子錯体を形
成すると考えられる。
従って、本発明のトナー用樹脂中には5、これら結合強
度の異なる種々の高分子錯体による架橋及び重合性架橋
剤による強固な架橋を形成することができる。従って、
本発明の結着樹脂を用いたトナーは適度な粘弾性を有す
る様になり、耐オフセット性が向上すると共に定着クリ
ーニング部材からのトナーの流出も効果的に防止できる
。従って、本発明の結着樹脂の最も好ましい形態として
は、カルボキシル基、ジカルボキシル基、酸無水物基の
三つの官能基を有していることである。これら三者の共
存によって、前述の種々の作用を効果的に発揮し、トナ
ーとして最も好ましい性能をもつようになる。
本発明に樹脂の構成成分としては一般的にトナー用樹脂
として用いられるもので前述の分子量分布になし得、カ
ルボン酸を有するものならば種々のものを用いることが
出来るが、なかでもビニル系単量体を利用したビニル系
重合体、ビニル系共重合体、及び該重合体と該共重合体
の組成物が好ましかった。
本発明の特徴とする結着樹脂を得る為には、ビニル系重
合体のモノマとして以下のものを用いることができる。
例えば、マレイン酸、シトラコン酸、ジメチルマレイン
酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、及びこれらの無
水物;フマル酸、メタコン酸、ジメチルフマル酸;など
の不飽和二塩基酸、無水物モノマ。更に上記不飽和二塩
基酸のβ−不飽和酸間の無水物及び、低級脂肪酸との無
水物;などのα、β−不飽和酸、これらの無水物モノマ
。アルケニルマロン酸、′アルケニルグルタル酸、アル
ケニルアジピン酸及びこれらの無水物、モノエステル。
これらの中でも、マレイン酸、フマル酸、コハク酸構造
をもつ二塩基酸のモノエステル類が本発明の結着樹脂を
得るモノマとして特に好ましく用いられる。更にビニル
重合体のコモノマーとしては、次のようなものが挙げら
れる。
例えばスチレン、0−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p
−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジ
クロルスチレン、p−エチルスチレン、2.4−ジメチ
ルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p −tert
−ブチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−n
−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n
−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のス
チレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン
類;ブタジェン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニル、滓化ビニルなどのハロゲン
化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンジ
ェ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタ
クリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエ
チル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メ
チレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n
−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−ク
ロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エス
テル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル
、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;
ビニルメチルケトン、ビニルへキシルケトン、メチルイ
ソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニル
ピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインド
ール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;
ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタ
クリル酸誘導体;前述のα、β不飽和酸のエステル、二
塩基酸の″シ會ステル類;のビニル系モノマが単独もし
くは2つ以上で用いられる。
これらの中でも、スチレン系共重合体、スチレン−アク
リル系共重合体となるようなモノマの組み合わせが好ま
しい。
また架橋性モノマとしては主として2個以上の重合可能
な二重結合を有するモノマが用いられる。
本発明に用いられる結着樹脂は、必要に応じて以下に例
示する様な架橋性モノマで架橋された重合体であっても
よい。
芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれたジアクリレ
ート化合物類、例えば、エチレングリコールジアクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1
.4−ブタンジオールシアクリ!−1・−ト、1.5−
ベンタンジオールジアクリレート、1.6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタアク
リレートに代えたもの;エーテル結合を含むアルキル鎖
で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチ
レングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレン
グリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリ
レートをメタアクリレートに代えたちの;芳香族基及び
エーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物
類、例えば、二 ポリオキシ、チレン(2) −2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシ
エチレン(4) −2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物の
アクリレートをメタアクリレートに代えたちの;更には
、ポリエステル型ジアクリレート化合物類、例えば、商
品名MANDA (日本化薬)が掲げられる。多官能の
架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメ
タンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート
、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレート
に代えたちのニトリアリシアヌレート、トリアリルトリ
メリテート;等が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマ成分100重量%に対し
て、0.O1〜5重量%程度(更に好ましくは0.03
〜3重量%程度)用いることが好ましい。
これらの架橋性モノマのうち、トナー用樹脂に、定着性
、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして
、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳
香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレ
ート化合物類が挙げられる。
本発明の樹脂を製造する時の開始剤、溶剤の種類及び反
応条件の選択は本発明の目的とする樹脂を得る為に重要
な要素である。開始剤としては例えばベンゾイルパーオ
キシド、1.1−ジ(t−ブチルパーオキシ) −3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,
4−ジ(t−ブチルパーキシ)バレレート、ジクミルパ
ーオキシド、α。
α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)ベ
ンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチル
パーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニ
ロリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾ及びジアゾ
化合物などが利用できる。
更に本発明の樹脂は成分として含まれる単量体の種類や
組成によってかなり異なったガラス転移点の値を示しは
するが、ガラス転移点は40〜80℃の範囲のものが有
効である。更に好ましくはガラス転移点は50〜65℃
が耐ブロッキング性及び定着性の点で好ましい。ガラス
転移点が40℃よりも低くなると、トナー保存中の熱凝
集ケーキングが非常に起り易くなり、また、複写機中で
の凝集トラブルが発生し易くなる。逆にガラス転移点が
8000を超える場合にはやはり熱定着効率が悪くなる
本発明の結着樹脂を製造する方法においては、第1番目
の樹脂を溶液重合で作り、重合性モノマ中に第1番目の
樹脂を溶解し、この詩仙の樹脂を同時に溶解してもよく
、該樹脂及び架橋剤の存在下で該重合成モノマを懸濁重
合する。懸濁重合用のモノマ100重量部に対し、第1
番目の樹脂は5〜100重量部、好ましくは10〜80
重量部溶解することが良(、また懸濁重合の際には架橋
剤を懸濁重合をするモノマに対して、約0.1〜2.0
wt%用いるのが好ましい。これらの条件は、開始剤の
種類、反応温度により若干の変動は許容される。
該第1番目の重合体をモノマに溶解し、懸濁重合し該結
着樹脂を得る場合と、第1番目の重合体を溶解しないで
懸濁重合した重合体と、第1番目の重合体を単純に混合
したブレンド重合体と異なることが知見されている。
前者はTHF可溶分のGPCのクロマトグラムにおいて
高分子量分が後者よりやや多(ブロードになるという点
である。前者は分子量30万以上が樹脂全体の3〜25
wt%となり後者より明らかに多くなっている。これは
、溶解した第1番目の重合体が懸濁重合に影響を与え、
このことが重合体が均一に混合しているというメリット
以上の効果を出していると考えられる。より詳細に、添
付図面のGPCチャートを参照しながら説明する。
添付図面の第4図は、後述の実施例1で得られた樹脂組
成物のTHF可溶分のGPCのチャートを示している。
第5図は、実施例1における第1の重合である溶液重合
で調整された共重合体のGPCのチャートを示している
。該共重合体はTHFに可溶であり、重合単量体である
スチレンモノマ及びアクリル酸n−ブチルモノマ等に可
溶であり、分子量5700にメインピークを有していた
。第6図は、該共重合体を添加しない以外は同様の条件
で第2の重合で調整される第2の共重合体を懸濁重合で
生成したもののTHF可溶分のGPCのチャートを示し
ている。第2の共重合体は、分量50,000メインピ
ークを有していた。
第7図は、第5図のチャートと第6図のチャートを組み
合わせたものである。
第8図は、第4図のチャートと第7図のチャート(実線
部分を破線で示した)を組み合わせて示したものである
。第8図からも明白な如く、本発明に係る実施例1で得
られた樹脂組成物は、別個に重合した第1の共重合体と
第2の共重合体を単に混合したものと異なるGPCチャ
ートを有していた。特に高分子量側に、第2の共重合体
単独では生成していなかった高分子成分が生成している
ことが知見される。この高分子量成分は、第2段目の重
合である懸濁重合時に、第1段目の溶液重合で調整され
た共重合体が存在している為に、該共重合体が重合調整
剤の如き働きをし、その結果第2の共重合体のT I−
I F不溶分とTHF可溶分の合成が調整されたと考え
られる。本発明に係る樹脂組成物は、THF不溶分、T
HF可溶な高分子量成分、THF可溶な中間分子量成分
及びT HF可溶な低分子量成分が均一に混合されてい
る。
さらに、本発明においてトナーのTHF可溶分のGPC
において分子fi30万以上の成分がバインダー樹脂を
基準として5〜30重量%(好ましくは10〜30重量
%)含有し得るものが良い。また、トナーのTHF可溶
分のGPCにおいて分子量30万以上(好ましくは50
万以上)に明確なピークを有するものがより耐オフセッ
ト性及び耐巻き付性の改良という点で好ましい。
本発明に係わる、溶液重合及び懸濁重合に関して以下に
述べる。
溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、ト酉t ルエン、クメン、香酸セロソルブ、イソプロピルアルコ
ール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマーの場
合はキシレン、トルエンまたはクメンが好ましい。重合
生成するポリマーによって適宜選択される。また開始剤
は、ジーtertブチルパーオキサイド、tert−ブ
チルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイ
ド、2.2’ −アゾビスイソブチロニトリル、2.2
’−アゾビス(2゜4ジメチルバレロニトリル)等がモ
ノマー100重量部に対して0.05重量部以上(好ま
しくは0.1〜15重量部)の濃度で用いられる。反応
温度としては、使用する溶媒、開始剤、重合するポリマ
ーによって異なるが、70℃〜230℃でおこなうのが
良い。溶液重合においては溶媒100重量部に対してモ
ノマー30重量部〜400重量部で行うのが好ましい。
また、溶液重合後の溶媒留去を加熱して行うと、ジカル
ボン酸、ジカルボン酸モノエステルの無水化を行うこと
ができ結着樹脂中に酸無水物ユニットを設けることがで
きる。そして、この時の加熱、留去条件により無水化を
コントロールできる。懸濁重合においては、水系溶媒1
00重量部に対してモノマー混合物100重量部以下(
好ましくは10〜90重量部)でおこなうのが良い。使
用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルアルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が
用いられ、水系溶媒に対するモノマー量等で適当量があ
るが、一般に水系溶媒100重量部に対し0.05〜1
重量部で用いられる。重合温度は50〜950Cが適当
であるが、使用する開始剤、目的とするポリマーによっ
て適宜選択すべきである。また開始剤種類としては、水
に不溶あるいは難溶のものであれば、用いることが可能
であるが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ter
t−ブチルパーオキシヘキサノエート等が、モノマー1
00重量部に対し0.1〜10重量部で用いられる。
また、水系溶媒100重量部に対し分散剤を0.05〜
3.0重量部を用い、ホモミキサー、超音波分散機のよ
うな乳化機でエマルジョン粒径を体積平均粒径で100
μ以下にし、なるべく均一化することが好ましい。
そして、この懸濁重合時に先に生成された酸無水物ユニ
ットの一部は開環し、ジカルボン酸基となり、結着樹脂
中にこの官能基を設けることができる。
更に、エマルジョン粒径、重合条件、後処理条件で無水
物の開環をコンドルールでき、特にエマルジョン粒径を
100μ以下にそろえると開環具合が均一化でき、より
好ましいものである。
ところで、酸無水物ユニット及びジカルボン酸基の生成
を確認するためには、赤外吸収を利用す収ピークは約≠
*%m−’ 藷に現われるので、各重合前後の吸収ピー
クの増減により酸無水物化、開環−ジカルボン酸化が確
認できる。ジカルボン酸及びジカルボン酸無水物モノマ
ーは交互重合性が強いが本発明の製造方法では無水物ジ
カルボン酸などの官能基をランダムに分散させたビニル
系共重合体を得ることができる。つまり、ジカルボン酸
モノエステルモノマを用い溶液重合法によってビニル系
共重合体を得、このビニル系共重合体をモノマ中に溶解
させ、懸濁重合法によって結着樹脂を得る方法である。
この方法では、溶液重合後の溶媒留去時に、留去条件に
よりジカルボン酸モノエステル部を脱アルコール閉環無
水化させることができ酸無水物が得られ、懸濁重合時に
は酸無水物基が加水分解開環し、ジカルボン酸が得られ
る。この様にして得られる結着樹脂は酸無水物基、カル
ボキシル基、ジカルボキシル基が結着樹脂中にランダム
、かつ均一に分散されているので、定着性向上、耐ブロ
ッキング性の向上、帯電性の均一化がより効果的に発揮
される。
本発明の樹脂を用いたトナー中には上記結着樹脂成分の
他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、該結着
樹脂成分の含有量より少ない割合で以下の化合物を含有
させてもよい。
例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン
、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、
ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、
低分子量ポリエチレン又は低分子量ポリプロピレンの如
き脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、
塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどである。
本発明に於ける結着樹脂中の官能基の定性及び定量は赤
外吸収スペクトル、JIS  K−0070の酸価測定
、加水分解酸価測定(全酸価測定)、該磁気共鳴スペク
トル等を応用する方法が一例として挙げられる。
例えば、赤外吸収に於いては1780cm’付近に無水
物基のカルボニルに由来する吸収ピークが現われるので
酸無水物基の存在は確認される。
また、JIS  K−0070の酸価測定(以下JIS
酸価と記す)では酸無水物は理論値(酸無水物をジカル
ボン酸としての酸価をもつものとする)の約50%が測
定される。
一方、全酸価測定では、はぼ理論値通り測定される。従
って全酸価とJIS酸価との差は、理論値の約50%で
酸無水物は二塩基酸として測定されるので、1g当りの
酸無水物に由来する全酸価は求められる。
具体例を挙げれば、マレイン酸モノオクチルエステルを
酸成分として用いた場合は、まず溶液重合で、マレイン
酸モノオクチル共重合体を合成する。この共重合体のJ
IS酸価、全酸価を測定することで無水物基に由来する
全酸価は求められる。この共重合体を更にモノマ中に溶
解し、懸濁重合を行うと、一部間環する。このように得
られた結着樹脂のJIS酸価、全酸価を測定することで
、残留した無水物に由来する全酸価は求められ、結着樹
脂全体の全酸価中に占める無水物基に由来する全酸価の
割合も求められる。
すなわち、酸無水物基に由来する全酸価をA V t^
とし、結着樹脂全体の全酸価をA V TRとし、結着
樹脂全体ノJIS酸価をA V JRとすると、AVT
A=2(AVTR−A V JR)となる。またAVT
A (7) AVTRl、:占める百分率(%)は(A
VTA/ AVTR) X 100 ”C表される。
尚、本発明に於いて全酸価は、以下のようにして求めら
れる。サンプル樹脂2gをジオキサン30m1に溶解さ
せ、これに、ピリジン10m1.ジメチルアミノピリジ
ン20 m g 、水3.5ml!を加え撹拌しながら
4時間加熱環流する。冷却後1/ION  KOH・T
HF溶液でフェノールフタレインを指示薬として中和適
定して得られた酸価値を全酸価とする。l/ION  
KOH−THF溶液の調製は次のように行う。
KOHl、5gを約3 m lの水で溶解し、これにT
HF200mI!と水30m1を加え、撹拌する。静置
後、溶液が分離していたら少量のメタノールを、溶液が
濁っていたら少量の水を加えて均一な透明溶液にし、1
/ION  HCI標準溶液で標定する。
本発明の結着樹脂を使用して磁性トナーを調製するとき
には、トナー中に磁性微粒子を含有させる。磁性微粒子
としては磁性を示すか磁化可能な材料であればよい。こ
の場合、磁性材料は着色剤の役割をかねている。本発明
の磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタ
イト、ヘマタイト、フェライト等の酸化、鉄;鉄、コバ
ルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属のアル
ミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン
、バナジウムのような金属の合金及びその混合物等が挙
げられる。
これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2μm、好まし
くは0.1〜065μm程度のものが好ましく、トナー
中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し
約20〜200重量部、好ましくは樹脂成分100重量
部に対し40〜150重量部が良い。
又、10KOe印加での磁気特性が抗磁力20〜150
0 es飽和磁化50〜200emu/g、残留磁化2
〜20 e m u/gのものが望ましい。
本発明に係る二成分トナー、非磁性−成分トナーに使用
し得る着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙
げられる。トナー着色剤は周知であって、例えば顔料と
してカーボンブラック、アリニンブラック、アセチレン
ブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ロー
ダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシ
アニンブルー、インダンスレンブル−等がある。これら
は定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が用
いられ、樹脂100重量部に対し0゜1〜20重量部、
好ましくは命〜lO重量部の添加量が良い。又同様の目
的で、更に染料が用いられる。例えばアゾ系染料、アン
トラキノン系染料、キサンチン系染料、メチン系染料等
があり樹脂100重量部に対0 し、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜気重量部
の添加量が良い。
更に本発明の結着樹脂を用いたトナーを、二成分系現像
剤として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられ
る。この場合には、トナーとキャリア粉との混合比はト
ナー濃度としてo4〜50重量%、好ましくは0.5〜
lO重量%、更に好ましくは3〜5重量%が望ましい。
本発明に使用しうるキャリアとしては、公知のものが全
て使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケ
ル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスピーズ等及びこれ
らの表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂或はシリコン系
樹脂等で処理したちのなどが挙げられる。
本発明の結着樹脂はトナー化する際、金属化合物で架橋
させても良い。
本発明の結着樹脂と架橋反応しうる金属化合物としては
、例えば、次の金属イオンを含むものが使用できる。m
例えば1価金属イオンには、Na”。
L i” 、  Cs” 、  A g” 、  Hg
” 、 Cu+などがあり、2価の金属イオンにはB 
e” + M g” + Ca” * Hg” + S
 n” *P b”、  Mn”、  Fe”、  C
o”、  Ni”、  Zn”十などである。また、3
価のイオンとしテハ、A 1g+ 、  S C3+。
y3+ 、  p el 、  Co3+ 、  Nと
、  cr”、  y”+などがある。
上記のような金属イオンを含む化合物が良好な結果を与
える。これらの化合物中の金属イオンがより容易に重合
体中のカルボキシル基と結合しやすいためと推察される
金属化合物のうちでも有機金属化合物が重合体との相溶
性や分散性に優れ、金属化合物との反応による架橋が重
合体中でより均一に進むので、より優れた結果を与える
右 トナーを負無電性に制御するものとして下記物質がある
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効でモノアゾ
金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキ
シカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体がある
。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ
及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル
類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類である。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある
例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;ト
リブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−
ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテト
ラフルオロポレートなどの四級アンモニウム塩、及びこ
れらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及び
これらのレーキ顔料。トリフェニルメタン染料及びこれ
らのレーキ顔料。(レーキ化剤としては、りんタングス
テン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデ
ン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フエリシア
ン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金属塩、
アセチルアセトン金属錯体。ジブチルスズオキサイド、
ジオクチルスズオキサイド、ジシクロへキシルスズオキ
サイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズ
ボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシル
スズボレートなどのジオルガノスズボレート等であり、
これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることが
できる。これらの中でも、ニグロシン系、四級アンモニ
ウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
本発明に係るトナーに於いては、帯電安定性、現像性、
流動性、耐久性向上の為、シリカ微粉末を添加すること
が良い。
本発明に用いられるシリカ微粉末は、BET法で測定し
た窒素吸着による比表面積が30 d/g以上(特に5
0〜400rrr/g)の範囲内のものが良好な結果を
与える。トナー100重量部に対してシリカ微粉体0.
01〜8重量部、゛好ましくは0.1〜5重量部使用す
るのが好ましい。
又、本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要に応じ、
疎水化、帯電性コントロール、などの目的でシリコーン
オイル、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル
、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、
官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケ
イ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤で併用し
て処理されていることも好ましい。
他の添加剤としては、例えばテフロン、ステアリン酸亜
鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビ
ニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム、炭化ケイ素
、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸
ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタン、
酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性
のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例えばカ
ーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ
等の導電性付与剤、又逆極性の白色微粒子及び黒色微粒
子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明に係るトナーを作製するには結着樹脂、着色剤と
しての顔料、又は染料、磁性体、必要に応じて荷電制御
剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミ
ル等の混合機により充分混合してから加熱ロール、ニー
グー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、
捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属
化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷
却固化後粉砕及び分級を行って本発明に係るところのト
ナーを得ることが出来る。
更に必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の
混合機により充分混合しトナーを得ることができる。
上述した結着樹脂、磁性微粒子、着色剤、荷電制御剤等
から作成したトナーは、現像器内でうける負荷に対して
強い耐性を有し、耐久試験において破砕されて劣化する
ことはなかった。
定着補助剤として、エチレン系オレフィン重合体を結着
樹脂とともに用いても良い。
ここでエチレン系オレフィン単重合体もしくはエチレン
系オレフィン共重合体として適用するものには、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル
アクリレート共重合体、ポリエチレン骨格を有するアイ
オノマーなどがあり、上記共重合体においてはオレフィ
ンモノマーを50モル%以上(より好ましくは60モル
%以上)含んでいるものが好ましい。
次に、本発明に係る樹脂を用いた現像剤を適用する電子
写真法について説明する。
電気的潜像をトナーを用いて現像する工程には、前述の
磁気ブラシ法、カスケード現像法、粉末雲法、米国特許
箱3,909,258号明細書に記載されている導電性
の磁性トナーを用いる方法、特開昭53−31136号
公報に記載されている高抵抗の磁性トナーを用いる方法
などがある。本発明に係る樹脂を用いた現像剤は磁性微
粒子を含有させた、いわゆる−成分系現像剤を用いる現
像方法にも適している。現像画像を被転写部材に転写す
る工程にはコロナ転写方式、バイアス転写方式などの静
電転写方式などが用いられる。
さらに本発明の結着樹脂を使用したトナーにおいて、感
光層もしくは絶縁層上の残余のトナーを除去する工程に
は、ブレードクリーニング方式、ファーブラシクリーニ
ング方式などが適用されるが、特にブレードクリーニン
グ方式に適している。
また被転写部材上の粉像は該部材上に定着される必要が
あるが、そのための方法としては、加熱定着方法、溶剤
定着方式、フラッシュ定着方式、ラミネート定着方式な
どを用いうるが、特に加熱ローラ定着方式に適している
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は本発明を何ら限定するものではない。
実施例 1 で6時間かけて滴下した。更にクメン還流下(146℃
〜156°C)で重合を完了し、減圧下でクメンを除去
しながら200°Cまで昇温した。
得られた共重合体(a)はTHFに溶解し、Mw6、 
200、M n = 2 、600、M w / M 
n = 2 、38、GPCのメインピーク5. 70
0、Tg=60.8℃であった。GPCによる分子量分
布を第5図に示す。
反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。これに上記の混合物をクメン還流下上記混合溶液
に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.12重量部
を溶解した水170重量部を加え、エマルジョン粒径が
100μ以下、となる様にホモミキサーで乳化し、懸濁
分散液とした。水50重量部を入れ窒素置換した反応器
に上記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で6時間
懸濁重合反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾燥し
、結着樹脂組成物Aを得た。該組成物Aは、THF不溶
分とTHF可溶分が均一に混合しており、且つ、共重合
体(a)が均一に混合していた。得られた樹脂組成物A
のTHF不溶分(24メツシユパス、60メツシユオン
の樹脂組成物粉体を使用)は、29wt%であった。ま
た、THF可溶分の分子量分布を測定し23.8、分子
量1万以下が25wt%であった。さC らに、樹脂のTgは、56 、3Aであり、GPCによ
り分取された1万以下の成分のガラス転移点Tg+は、
60.5℃であった。
THF可溶分のGPCクロマトグラムを第4図に示す。
尚、各樹脂及び樹脂組成物の分子量に関わる特性は下記
方法で測定した。
GPC測定用カラムとして5hodex  K  F−
80Mを用い、GPC測定装置(ウォーターズ社製15
0cALC/GPC)の40℃のヒートチャンバーに組
み込みTHF流速1rrl/min、検出器はRIの条
件下、試料(THF可溶分の濃度的0.1重量%)を2
00μl注入する事でGPCを測定した。分子量測定の
検量線としては分子量0.5X103.2.35X10
”、  10゜2X103.35X10”、  ll0
XIO”、 200X10’、 470XIO3,12
00X10”、2700XIO”、8420X10”の
10点の単分散ポリスチレン基準物質(ウォーターズ社
製)のTHF溶液を用いた。
共重合体(a)のIR吸収スペクトルを第9図に示し、
結着樹脂組成物AのIR吸収スペクトルを第10図に示
す。共重合体(a)をスチレン−アクリル系共重合体で
3/10に希釈して測定したものを第11図に示す。
酸無水物のカルボニルに由来する吸収ピーク(1780
cm−’ )は樹脂Aのものは希釈混合したものに比べ
強度が減少しており、一部、無水物からジカルボン酸へ
と開運したことが認められる。また、結着樹脂組成物の
全酸価、JIS酸価、酸無水物に由来する全酸価、酸無
水物分の樹脂全体の全酸価に対する割合等とその他の諸
物性を第1表、第2表に示す。
実施例 2 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で6時間かけて滴下し
た。
更にクメン還流下(146°C−156°C)で重合を
完了し、加熱、減圧してクメンを除去した。得られた共
重合体(b)はMw=9,500、M w / M n
 ==+ 2.52、GPCのチャートにおいて分−9,700の
位置メインピークを有し、Tg=60.7℃であった。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0
.12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に
乳化させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒
素置換した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70
〜95℃で6時間反応させた。
反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、結着樹脂組成物Bを
得た。この樹脂組成物の諸物性は第1表、第2表に示す
実施例 3 反応器にキシレン200重量部を入れ、還流温度まで昇
温した。下記混合物をクメン還流下で6時間かけて滴下
した。
さらにキシレン還流下(135〜145℃)で重合を完
了し、加熱、減圧してキシレンを除去した。得られた共
重合体(C)はMw=12,000、M w / M 
n3.75、分子量5,800の位置にメインピークを
有し、Tg=60.2℃であった。
え、充分に乳化させた懸濁分散液とした。水50重置部
を入れ、窒素置換した反応器に上記分散液を添加し、反
応温度70〜95℃で6時間反応させた。
反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、結着樹脂組成物Cを
得た。諸物性は第1表、第2表に示す。
実施例 4 反応器にキシレン200重量部を入れ、還流温度まで昇
温した。下記混合物をクメン還流下で6時間かけて滴下
した。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0
.12重量部を溶解した水170重量部を加さらにキシ
レン還流下(135〜145℃)で重合を完了し、加熱
、減圧してクメンを除去した。得られた共重合体(d)
はM w = 3 、800、M w / M n=2
.57、ピーク=3,400、Tg=59.7℃であっ
た。
上記混合物に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.
12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳
化させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ窒素置
換した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜9
5℃で6時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、乾
燥し、結着樹脂組成物りを得た。諸物性は第1表、第2
表に示す。
実施例 5 反応器にクメン150重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で6時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了
し、加熱、減圧してクメンを除去した。得られた共重合
体(e)は、M w = 6 、200、M w / 
M n2.12、分子fi4,700の位置にメインビ
ークを有し、Tg=62.1℃であった。
上記混合物に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.
12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳
化させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素
置換した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜
95℃で6時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、
乾燥し、結着樹脂組成物Eを得た。諸物性は第1表、第
2表に示す。
実施例 6 添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。
反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、結着樹脂組成物Fを
得た。諸物性は第1表、第2表に示す。
実施例 7 上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0
.12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に
乳化させた懸濁分散液とした。水50重1部を入れ、窒
素置換した反応器に上記分散液を上記混合溶液に、ポリ
ビニルアルコール部分ケン化物0.12重量部を溶解し
た水170重量部を加え、充分に乳化させた懸濁分散液
とした。水50重量部を入れ、窒素置換した反応器に上
記分散液を添加し、反応温度70〜95℃で6時間反応
させた。
反応終了後、濾別、脱水、乾燥し結着樹脂組成物Gを得
た。諸物性は第1表、第2表に示す。
比較例 1 さらにクメン還流下(146〜156°C)で重合を完
了し、加熱、減圧してクメンを除去した。得られた共重
合体(i)は、M w = 4 、100、Mw/Mn
2.63、分子量4,600の位置にメインピークを有
し、Tg=59.3℃であった。
上記混合物に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0.
12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に乳
化させた懸濁分散液とした。水50重量部を入れ、窒素
置換した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70〜
95℃で6時間反応させた。反応終了後、濾別、脱水、
乾燥し結着樹脂Hを得た。諸物性は第1表、第2表に示
す。
比較例 2 反応器にクメン200重量部を入れ、還流温度まで昇温
した。下記混合物をクメン還流下で6時間かけて滴下し
た。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0
.12重量部を溶解した水170重量部を加え、充分に
乳化させた懸濁分散液とした。水50重足部を入れ、窒
素置換した反応器に上記分散液を添加し、反応温度70
〜95℃で6時間反応させた。
反応終了後、濾別、脱水、乾燥し、結着樹脂組成物■を
得た。諸物性は第1表、第2表に示す。
実験例 I 上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、130
℃で2軸混練押出機によって溶融混線を行った。混練物
を放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更に風力分級機を用
いて分級し、体積平均粒径11.0μmの黒色微粉体(
トナー)を得た。
このトナー原料の粉砕性は非常に良く粉砕粒度が体積平
均径11μのトナーを得るのに処理量で4 、0 K 
g /’ h rの値であった。また、粉砕機内の融着
はなかった。
このトナー・・100重量部に疎水性乾式シリカ0.4
重量部を混合した現像剤を市販の電子写真複写機NP−
8580(キャノン製)に入れ画像性と、定着性につい
て評価した。
100.000枚耐久を行ったが安定して画像濃度の高
い良好な画像が得られ、定着ローラが汚れることもなか
った。さらに定着性も非常に良く、オフセット性、巻き
付き性も良好であった。さらに感光体へのフィルミング
、融着もな(耐ブロッキング性も優れていた。
100.000枚耐久後、引き続き、32.5℃ 85
%RH下、15℃ 10%RH下の順で1日以上放置し
、それぞれの環境に充分になじませてから、各50,0
00枚耐久を行ったが、常温常湿(20℃〜25℃、5
0%RH〜70%RH)の環境と同様良好な画像が得ら
れ何のトラブルもなかった。
評価結果については第3表、第4表に示す。
実験例 2〜7 結着樹脂B、C,DSE、FSGを用いる他は、実験例
1と同様にしてトナーを得、実験例1と同様の評価を行
った結果を第3表、第4表に示す。
比較実験例 1及び2 結着樹脂H,Iを用いる他は、実験例1と同様にしてト
ナーを得、実験例1と同様の評価を行った結果を第3表
、第4表に示す。
評価方法 トナー原料の粉砕性は、ジェット気流を用いた2 td
 / m i nの微粉砕機で、5Kg/crrrのエ
アー圧での、単位時間での処理量を目安とした。同時に
、微粉砕機の内壁を観察し、融着の有無を調べた。
定着性と、オフセット性、巻き付き性及び画像性、耐久
性については、キャノン製複写機、NP−8580を用
いて調べた。
ブロッキング性は、約10gのトナーを100ccのポ
リカップに入れ、50℃で3日放置した時の凝集度の変
化で調べた。凝集度は線用ミクロン社製のパウダーテス
ターにより測定した。ブロッキング性の・指標は室温放
置品と50℃/3日放置品の凝集度差にした。
定着性とオフセット性、巻き付き性及び画像性、耐久性
の評価は以下の手順で行った。
定着性は、低温低湿度環境(15℃、10%)にて、評
価機を1晩放置し評価機及びその内部の定着器が完全に
低温低湿度環境になじんだ状態から、連続200枚の複
写画像を取り、その複写画像の200枚目を定着性の評
価に用いた。定着性の評価は画像をシンボル紙で往復l
O回約100g荷重でこすり、画像のはがれを反射濃度
の低下率(%)で評価した。
特にオフセット性は、定着ローラのクリーニング機構を
取りはずし、何枚の複写で画像が汚れるかあるいはロー
ラが汚れるかということを耐複写枚数で評価した。
又、連続して複写を行った際のクリーニングウエーヴの
汚れの状況によってはクリーニングウエーヴに一度とら
れたトナーが上ローラーに転移し、複写物を汚染するこ
とがあるので、これを評価するために定着ローラーのク
リーニング機構を通常の状態にもどし連続200枚の複
写画像をとった後、30秒間隔で複写画像を1枚づつ3
分迄とり、画像汚染が発生するかを調べ又、定着ローラ
ーのクリーニングウエーヴの汚れの状態を評価した。評
価は◎(優)、○(良)、△(可)、×(不可)である
巻き付き性は、全面黒画像を連続で30枚複写し、その
時に定着ローラーを通過した複写画像がそりかえるよう
にしてカールすることがある場合、そのカール発生枚数
を巻き付き性の評価の指標とした。
〔発明の効果〕
本発明は特定の分子量分布、官能基を有するトナー用結
着樹脂及びその製造方法である為、次のような優れた効
果を発揮するものである。
(1)本4呑4ト廿;、定着性がすぐれ、同時にオフセ
ット性、巻き付き性、ブロッキング性のすぐれた定着ロ
ーラを汚すことのないトナー用結着樹脂及びその製造方
法である。
(2)オキ光団圭=ニー粉砕性が良(トナーの生産効率
の良いトナー用結着樹脂及びその製造方法である。
(3)         粉砕時の装置内への耐融着性
または感光体などの耐融着性のすぐれたトナー用結着樹
脂及びその製造方法である。
(4)         現像性、特に画質、耐久性、
環境安定性などにおいて問題のないトナー用結着樹脂及
びその製造方法である。
【図面の簡単な説明】
添付図面中、第1図はトナーに要求される各特性の相関
関係を示す図であり、第2図は分子量10000以下の
樹脂成分の含有量とトナー特性との相関関係に関わるグ
ラフを示し、第3図は本発明の樹脂組成物のTHF可溶
分のGPCのチャートの一例を示す。 第4図は実施例1で使用した結着樹脂AのTHF可溶分
のGPCのチャートを示し、第5図は実施例1で使用し
た共重合体(a)のGPCのチャートを示す。第6図は
実施例1で使用した二回目の重合に用いたモノマーを単
独で懸濁重合して得たもののTHF可溶分のGPCのチ
ャートを示す。第7図は第5図と第6図のチャートを組
み合わせたものであり、第8図は第4図と第7図を比較
説明するためのチャートを示す。 第9図、第1O図及び第11図は樹脂の赤外吸収スペク
トルのチャートの一部を示す図である。 第 2 ロ 糸占羞本責す脂φn1jJ−9−tqρρeL・スTn
 雪すイ1(THFFfJanGPc jBり’%?9
/)mtllU)第 U 巳 罰 う 圏 51o。 ↓ zab@イ日す W、ρ00 イ氏lh壬1」イ14 rSlづ)ごト】E伺す イ6/汗)1ンイロク Lo3(令)t−3 Lo3 〔会F1 第 ワ 図 5θθlθ ノ ↓ 浦64ツJ量イθす 巻6プ)1【イ剣 A’づ)Ntイ日リ ィすhイ)シー3トイ日ソ LocIC分)!〕 Lol[介卸1 第 国 高ブチ2ト!ンイ日・] 仏分壬量イ則 Log(令)引 000 500 llI−1 2000 1500 −1 000 tso。 手続補正書(自発) 平成 3年 1月29日 1、事件の表示 平成1年特許願第291795号 2、発明の名称 トナー用結着樹脂及びその製造方法 3、補正をする者 住所 名称 事件との関係     特許出願人 東京都大田区下丸子3−3O−2 (100)  キャノン株式会社 代表者 山 路 敬 三 4、代理人 5、補正の対象 明  細  書 6、補正の内容 本願明細書中、第57頁5行目の「混合していた。」の
次に下記記載を加入する。 [なお、本合成例においては、THF不溶分の測定は以
下のように行った。すなわち、サンプル0.5gを秤量
しく Wlg )、円筒濾紙(東洋濾紙製No、86R
。 28x100mm)に入れてソックスレー抽出器にかけ
、溶媒としてT HF 200 m lを用い、約4分
に1回の割合でTHFを流出させて6時間抽出した。抽
出終了後、THF可溶分をエバボレートした後、100
℃で真空乾燥し、可溶樹脂成分量(Wz g )を求め
、サンプル中のTHF不溶分を下記の式より算出した。 THF不溶分= (Wl−Wl) /W、 X 100
  (%)」居 所 〒146 東京都大田区下丸子3−30−2

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)分子量10,000以下の樹脂成分の含有量が樹
    脂全体を基準として5〜50重量%であり、樹脂成分が
    酸無水物ユニット及びカルボン酸ユニットを有すること
    を特徴とするトナー用結着樹脂。
  2. (2)該結着樹脂のTHF可溶分のゲルパーミエーショ
    ンクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布に於
    いて、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≧
    5であり、分子量2,000〜100,000の領域に
    ピークを少なくとも一つ有する請求項第1項のトナー用
    結着樹脂。
  3. (3)該結着樹脂のTHF可溶分のGPCによる分子量
    分布に於いてMw/Mn≧5であり、分子量2,000
    〜15,000未満の領域にピークを少なくとも一つ有
    し、分子量15,000〜100,000の領域にピー
    ク又は肩を少なくとも一つ有する請求項第1項のトナー
    用結着樹脂。
  4. (4)該結着樹脂のTHF不溶分が5〜70重量%であ
    る請求項第1項、第2項また第3項のトナー用結着樹脂
  5. (5)ガラス転移点(Tg)≧50℃である重合体を溶
    液重合で生成し、加熱処理により該重合体に酸無水物ユ
    ニットを生成させ、該重合体を重合性モノマーに溶解し
    て懸濁重合反応を行い、酸無水物ユニットを加水分解し
    、分子量10,000以下の成分が樹脂全体を基準とし
    て5〜50重量%含有されており、酸無水物ユニット及
    びカルボン酸ユニットを有する樹脂を生成することを特
    徴とするトナー用結着樹脂の製造方法。
  6. (6)該樹脂のTHF可溶分のGPCによる分子量分布
    に於いて、Mw/Mn≧5であり、分子量2,000〜
    100,000の領域にピークを少なくとも一つ有する
    請求項第5項のトナー用結着樹脂の製造方法。
  7. (7)該樹脂のTHF可溶分のGPCによる分子量分布
    に於いて、Mw/Mn≧5であり、分子量2,000〜
    15,000未満の領域にピークを少なくとも一つ有し
    、分子量15,000〜100,000の領域にピーク
    又は肩を少なくとも一つ有する請求項第5項のトナー用
    結着樹脂の製造方法。
  8. (8)該重合体のGPCの分子量分布に於いて、分子量
    2,000〜15,000未満の領域にメインピークを
    有する請求項第5項、第6項または第7項のトナー用結
    着樹脂の製造方法。
  9. (9)該結着樹脂のTHF不溶分が5〜70重量%であ
    る請求項第5項、第6項、第7項または第8項のトナー
    用結着樹脂の製造方法。
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