JP3752877B2 - 静電荷像現像用トナー、及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電性、現像性に優れ、形成画像に、かぶり・飛散り等が発生せず、電子写真法による画像形成の際に好適に用いられる静電荷像現像用トナー及び該静電荷像現像用トナーを効率的に製造する方法、該静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤、及び該静電荷像現像用トナーを用いて好適に画像を形成する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法等のように、静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在各種の分野で広く利用されている。前記電子写真法においては、帯電工程、露光工程等を経て感光体上に静電荷像を形成し、トナー粒子を含有する現像剤を用いて前記静電荷像を現像し、転写工程、定着工程等を経て前記静電荷像が可視化される。
【0003】
前記現像剤には、トナー粒子及びキャリア粒子を含有してなる二成分系現像剤と、磁性トナー粒子又は非磁性トナー粒子を含有してなる一成分系現像剤とが知られている。前記現像剤におけるトナー粒子は、通常、混練粉砕法により製造される。この混練粉砕法は、熱可塑性樹脂等を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤等と共に溶融混練し、冷却後にこの溶融混練物を微粉砕し、これを分級して所望のトナー粒子を製造する方法である。なお、前記混練粉砕法により製造されたトナー粒子には、流動性やクリーニング性等を改善する目的で、さらに必要に応じてその表面にさらに無機及び/又は有機の微粒子が添加されたりする。
【0004】
前記混練粉砕製法により製造されるトナー粒子の場合、通常、その形状は不定型であり、その表面組成は均一でない。使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により、トナー粒子の形状や表面組成は微妙に変化するものの、意図的にこれらを所望の程度に制御することは困難である。また、特に粉砕性の高い材料を用いて前記混練粉砕法により製造されたトナー粒子の場合、現像機内での種々の剪断力等の機械力等により、さらに微粉化されたり、その形状が変化されたりすることがしばしば起こる。その結果、前記二成分系現像剤においては、微粉化されたトナー粒子がキャリア表面へ固着して前記現像剤の帯電劣化が加速されたり、前記一成分系現像剤においては、粒度分布が拡大し、微粉化されたトナー粒子が飛散したり、トナー形状の変化に伴い現像性が低下し、画質の劣化が生じたりするという問題がある。
【0005】
トナー粒子の形状が不定型である場合、流動性助剤を添加しても流動性が十分でなく、使用中に剪断力等の機械力により、前記流動性助剤の微粒子がトナー粒子における凹部へ移動してその内部への埋没し、経時的に流動性が低下したり、現像性、転写性、クリーニング性等が悪化したりするという問題がある。また、このようなトナーをクリーニング処理により回収して再び現像機に戻して再利用すると、画質の劣化が生じ易いという問題がある。これらの問題を防ぐため、さらに流動性助剤の量を増加することも考えられるが、この場合、感光体上への黒点の発生や流動性助剤の粒子飛散を招くという問題がある。
【0006】
一方、ワックスなどの離型剤を内添してなるトナーの場合、熱可塑性樹脂との組み合せによっては、トナー粒子の表面に前記離型剤が露出することがある。特に高分子量成分により弾性が付与された、やや粉砕されにくい樹脂と、ポリエチレンのような脆いワックスとを組み合せてなるトナーの場合、トナー粒子の表面にポリエチレンの露出が多く観られる。このようなトナーは、定着時の離型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、トナー粒子の表面のポリエチレンが、現像機内での剪断力等の機械力により、トナー粒子から脱離し容易に現像ロールや感光体やキャリア等に移行するため、これらの汚染が生じ易くなり、現像剤としての信頼性が低下するという問題がある。
【0007】
このような事情の下、近年、粒子の形状及び表面組成を意図的に制御したトナーを製造する手段として、特開昭63−282752号公報や特開平6−250439号公報において、乳化重合凝集法が提案されている。前記乳化重合凝集法は、乳化重合により樹脂分散液を調製し、一方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を調製し、これらを混合する混合工程と、トナー粒径に相当する凝集粒子を形成する凝集工程と、該凝集粒子を加熱することによって融合する融合工程とを含む方法である。この乳化重合凝集法によると、加熱温度条件を選択することにより、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することができる。
しかし、この乳化重合凝集法の場合、トナー粒子表面とトナー粒子内部とが同じ組成となってしまうため、トナー粒子の表面組成を制御することは困難である。また、トナー粒子にある程度の帯電性を与えることはできるものの、均一且つ安定した帯電性を付与することは困難である。
【0008】
前述のように、電子写真プロセスにおいて、様々な機械的ストレス下でトナーの性能を安定に維持・発揮させるには、トナー粒子表面に離型剤が露出するのを抑制したり、トナー粒子の表面硬度を高めたり、トナー粒子の機械的強度をより高め、かつ、トナー粒子に十分な帯電性を付与することが必要となる。なお、前記離型剤は、トナー粒子表面に露出すると種々の問題を招き得るが、定着時におけるトナーの性能を考慮すると、トナー粒子の表面近傍に存在することが望ましい。
【0009】
一方、近年高画質化への要求が高まり、特にデジタルフルカラーの複写機・プリンターにおいては、従来の白黒機に比べ、多量の現像剤を転写させる必要があり、また、小径のドット径に対応させる必要もある。従って、トナーの均一帯電性、持続性、強度及び粒度分布のシャープ化を十分に向上させる必要がある。
しかし、従来の乳化重合凝集法においては、分散剤として使用される界面活性剤や表面露出着色剤が帯電性に影響してしまうため、安定した帯電性を維持できないという問題がある。
【0010】
前記問題を解決するため、トナー表層を樹脂層で被覆する方法が提案されている(特開昭62−73277号、特開平3−35660号の各公報)。
しかし、これらの方法では、着色剤の帯電性への影響は、防止することはできるものの、帯電制御性を有する成分を殆ど含有させることができず、また、トナー自体の強度を上げることは困難であるという問題がある。
【0011】
また、前記問題を解決するため、電荷制御樹脂粉末をメカノケミカル的にトナーに付着させて、マイクロカプセル化する方法が提案されている(特開昭64−62666号公報)。
しかし、乳化重合凝集法によるトナーの製造に適用するには煩雑であり、また、トナーの機械的強度を上げることも困難であるという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、帯電性、現像性に優れ、かぶり及び飛散等が発生せず、信頼性の高い静電荷像現像用トナー及び該静電荷像現像用トナーの効率的な製造方法、該静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像剤、及び該静電荷像現像用トナーを用いて好適に画像を形成する画像形成方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも着色剤を含有する芯部と、少なくとも樹脂と帯電助剤とを含有し、前記芯部を覆う外殻とを有してなり、平均体積粒子分布(GSDv)が、1.28以下であるトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記芯部が、極性を有する分散剤中に少なくとも着色剤粒子及び樹脂粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液を調製した後、着色剤粒子分散液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製することにより得られ、前記トナーが、前記凝集粒子分散液中に、帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を少なくとも分散させてなる微粒子分散液を添加混合して、凝集粒子に帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成した後、付着粒子を加熱して融合することにより得られることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
<2> 極性を有する分散剤中に少なくとも着色剤粒子及び樹脂粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液を調製する分散液調製工程、前記着色剤粒子分散液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する凝集粒子形成工程、前記凝集粒子分散液中に、帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を少なくとも分散させてなる微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記帯電助剤微粒子及び前記樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成する付着粒子形成工程、及び、前記付着粒子を加熱して融合する融合工程と、を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
<3> 前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有することを特徴とする静電荷像現像剤である。
<4> 潜像担持体上に、潜像を形成する潜像形成工程と、該潜像担持体に形成した潜像をトナーを用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、を含む画像形成方法において、該トナーが、前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法である。
【0014】
さらに、本発明においては、以下の態様が好ましい。
<5> トナー粒子が、帯電助剤を0.05〜5重量%含有する前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<6> 帯電助剤の粒子のメジアン径が、50〜500nmである前記<1>又は<5>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<7> トナー粒子の形状係数SFが、105〜150である前記<1>及び<5>から<6>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<8> 着色剤粒子分散液が、無機金属塩を含有する前記<2>に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、分散液調製工程と、凝集粒子形成工程と、付着粒子形成工程と、融合工程とを含む。
前記分散液調製工程は、極性を有する分散剤中に少なくとも着色剤粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液を調製する工程である。前記凝集粒子形成工程は、前記着色剤粒子分散液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程である。前記付着粒子形成工程は、前記凝集粒子分散液中に、帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を少なくとも分散させてなる微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記帯電助剤微粒子及び前記樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程である。前記融合工程は、前記凝集粒子を加熱して融合する工程である。
【0016】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法では、前記分散液調製工程において、極性を有する分散液中に着色剤粒子等が均一に分散されて着色剤粒子分散液が調製される。前記凝集粒子形成工程においては、前記着色剤分散液中に均一に分散する着色剤粒子等がヘテロ凝集し、凝集粒子が形成される。前記ヘテロ凝集は、例えば、前記着色剤分散液中に含まれる分散剤の極性と逆極性の凝集剤を該凝集粒子形成工程において添加することにより、添加される側(前記着色剤分散液)と添加する側(前記凝集剤)との間の極性のバランスのズレが補填される際に生ずる。
前記付着粒子形成工程においては、前記凝集粒子を母粒子として、その表面に、前記凝集粒子が分散する凝集粒子分散液中に添加混合した微粒子分散液に含まれる帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子が付着し、付着粒子が形成される。
前記融合工程においては、前記付着粒子中の樹脂が溶融し、融合し、芯部と外殻とを有するトナー粒子が形成される。
【0017】
以下に、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法における各工程について説明する。
(分散液調製工程)
分散液調製工程は、極性を有する分散剤中に少なくとも着色剤粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液を調製する工程である。
【0018】
前記着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、及びトナー中での分散性の観点から適宜選択され、該着色剤としては、例えば、公知の黒色顔料、黄色顔料、橙色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、緑色顔料、白色顔料、体質顔料及び染料などが挙げられる。
【0019】
前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイトなどが挙げられる。
【0020】
前記黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNGGなど挙げられる。
【0021】
前記橙色顔料としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネトオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGKなどが挙げられる。
【0022】
前記赤色顔料としては、例えば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキなど挙げられる。
【0023】
前記青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、などが挙げられる。
【0024】
前記紫色顔料としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレトレーキなどが挙げられる。
【0025】
前記緑色顔料としては、例えば、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGなどが挙げられる。
【0026】
前記白色顔料としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等などが挙げられる。
【0027】
前記体質顔料としては、例えば、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイトなどが挙げられる。
【0028】
前記染料としては、例えば、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料が挙げられ、具体的には、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルーなどが挙げられる。
【0029】
これらの着色剤は、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく
、また、固溶体の状態で使用してもよい。
【0030】
前記着色剤粒子の平均粒径(メジアン径)(以下、本発明において、単に「メジアン径」と称することがある。)としては、0.5μm以下が好ましく、0.02μm以下がより好ましい。
前記メジアン径が0.5μmを超えると、可視光の乱反射を防ぐことができず、また、粗大粒子が存在した場合、着色力、色再現性、OHP透過性に悪影響し、後述の凝集粒子形成工程において前記樹脂粒子と該着色剤粒子とが凝集しないか、あるいは凝集しても融合時に脱離してしまうことがあり、得られる静電荷像現像用トナーの品質が劣化することがある点で好ましくない。一方、前記メジアン径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記メジアン径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
また、前記着色剤粒子としては、最大粒径が1μm以下、好ましくは0.7μm以下のものを99%以上含む着色剤粒子であるのが好ましい。このような着色剤粒子を用いると、遊離粒子の発生を抑制することができる点で有利である。
【0031】
前記着色剤粒子分散液における前記着色剤粒子の含有量としては、前記着色剤粒子分散液中に、後述の樹脂粒子が含有・分散されている場合には、該樹脂粒子100重量部に対して1〜20重量部添加されるのが好ましいが、前記着色剤として、磁性体(黒色顔料)を用いた場合は、前記樹脂粒子100重量部に対して30〜100重量部添加されるのが好ましい。
【0032】
前記着色剤粒子分散液には、前記着色剤粒子及び樹脂粒子のほか、所望により種々のその他の粒子が添加・分散されていてもよい。前記その他の粒子は、前記着色剤粒子分散液中に、直接添加することによって分散されてもよい。また、前記その他の粒子を、極性を有する分散剤中に添加・分散して粒子分散液を調製した後、該粒子分散液と前記着色剤粒子分散液とを混合することによって分散されていてもよい。
本発明において、樹脂粒子、極性を有する分散剤中に添加・分散して樹脂粒子分散液を調製した後、該樹脂粒子分散液と前記着色剤粒子分散液とを混合することによって、前記着色剤粒子分散液中に分散されるのが特に好ましい。
【0033】
前記樹脂微粒子における樹脂としては、例えば、熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
これらの樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合により樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。
前記ビニル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなどのビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料となるモノマーが挙げられる。本発明においては、前記樹脂粒子が、前記ビニル系モノマーをモノマー成分として含有するのが好ましい。本発明においては、これらのビニル系モノマーの中でも、ビニル系樹脂の形成反応の容易性等の点でビニル系高分子酸がより好ましく、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を解離基として有する解離性ビニル系モノマーが、重合度やガラス転移点の制御の点で特に好ましい。
【0035】
前記樹脂粒子のメジアン径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。
前記メジアン径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子が発生し、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記メジアン径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記メジアン径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
【0036】
前記樹脂粒子分散液における前記樹脂粒子の含有量としては、通常5〜60重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。また、凝集粒子が形成された際の凝集粒子分散液中における前記樹脂粒子の含有量としては、50重量%以下であればよく、2〜40重量%程度であるのが好ましい。
【0037】
前記着色剤粒子と前記樹脂粒子との組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜自由に選択することができる。
【0038】
前記粒子分散液に含まれるその他の粒子としては、特に制限はなく目的に応じ適宜選択することができ、例えば、離型剤粒子、磁性体粒子、帯電助剤粒子、無機粒子、滑剤粒子、研磨材粒子などが挙げられる。
【0039】
前記離型剤粒子としては、ASTMD3418−8に準拠して測定される主体極大ピークが、50〜140℃の数値範囲にある物質が好ましい。
前記主体極大ピークが、50℃未満である場合には、定着時に、オフセットが生じ易くなることがあり、一方、140℃を超える場合には、定着温度高くなるため、定着画像表面の平滑性が悪くなって、該定着画像の光沢性を損なうことがある。
なお、前記主体極大ピークは、DSC走査型熱量計装置(パーキンエルマー社製:DSC−7)を用いて測定した値である。前記装置DSC走査型熱量計装置の検出部の温度補正においては、インジウム及び亜鉛の融点を用い、熱量の補正においては、インジウムの融解熱を用いて行い、又、サンプルとしては、アルミニウム製のパンを用い、比較対照用として空パンを装着して、昇温速度10℃/minで測定を行った。
【0040】
前記離型剤粒子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;及びそれらの変性物などの粒子が挙げられる。
【0041】
なお、上述のワックス類は、水中に、イオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基等の高分子電解質と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて処理すると、容易に1μm以下に粒子化され得る。
【0042】
前記離型剤粒子の含有量としては、前記着色剤粒子分散液に前記樹脂粒子が添加されている場合には、前記樹脂粒子に対し、5〜30重量%添加・分散されるのが、帯電性及び耐久性の観点から、好ましい。
【0043】
前記磁性体粒子としては、磁場中で磁化される物質、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物の磁性体の粒子などが挙げられる。
【0044】
前記帯電助剤粒子としては、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などの粒子が挙げられる。なお、本発明における帯電助剤粒子としては、凝集時や融合時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
【0045】
前記無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。
【0046】
前記滑剤粒子としては、例えば、エチレンビスステアラミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩の粒子などが挙げられる。
【0047】
前記研磨材粒子としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどの粒子が挙げられる。
【0048】
上述の各粒子のメジアン径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。
前記メジアン径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子が発生し、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記メジアン径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記メジアン径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
【0049】
前記着色剤粒子分散液、及び前記その他の粒子分散液中に含まれる、極性を有する分散剤としては、例えば、極性界面活性剤を含有する水系媒体などが挙げられる。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記極性を有する分散剤における前記極性界面活性剤の含有量としては、一概に規定することはできず、目的に応じて適宜選択することができる。
【0050】
前記極性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0051】
なお、本発明においては、これらの極性界面活性剤と、非極性界面活性剤とを併用することできる。前記非極性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0052】
前記樹脂粒子分散液は、例えば、以下のようにして調製される。即ち、前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、前記ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
前記樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
【0053】
前記分散の手段としては、特に制限はないが、例えば、回転剪断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどのそれ自体公知の分散装置が挙げられる。
【0054】
前記着色剤粒子分散液及び、前記その他の粒子分散液等は、例えば、前記着色剤粒子等の粒子を前記極性を有する分散剤中に添加し、前記分散の手段を用いて分散させることにより調製される。
【0055】
前記分散液調製工程において、着色剤粒子分散液中に前記その他の粒子を添加・分散させる場合には、前記分散剤の極性、即ち着色剤粒子分散液を構成する前記着色剤粒子分散液、及び前記その他の粒子分散液等に含まれる極性を有する分散剤の極性を総て同極性とすることができる。この場合、この点を考慮し、前記極性を有する分散剤を選択する必要がある。
【0056】
(凝集粒子形成工程)
前記凝集粒子形成工程は、前記着色剤分散液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程である。
前記凝集粒子は、例えば、前記着色剤粒子分散液中に含まれる極性の分散剤と逆(反対)極性の極性を有する凝集剤を該着色剤粒子分散液中に含有させることにより該着色剤粒子分散液中に形成することができる。
【0057】
上述の極性を有する分散剤として例示したもの、即ち、前記極性を有する凝集剤としては、無機金属塩や前記極性界面活性剤そのもの又はそれを含有する水系媒体などが挙げられる。本発明においては、前記無機金属塩が好ましい。
前記無機金属塩としては、ポリ水酸化アルミニウム、硫酸亜鉛、塩化第2鉄、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどが挙げられる。これらの中でも、多価金属塩が好ましく、特に、アルミニウム化合物が好ましい。また、これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記凝集剤は前記着色剤粒子分散液中に初期の段階から含有されていてもよく、凝集粒子形成時に前記着色剤粒子分散液に含有されていればよい。一般的には、凝集粒子形成時に前記着色剤粒子分散液中に添加し、含有させることができる。
【0058】
前記凝集剤の添加・混合は、前記着色剤分散液中に前記樹脂粒子が分散している場合には、前記樹脂のガラス転移点以下の温度で行うのが好ましい。この温度条件下で前記混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。
【0059】
前記混合は、例えばそれ自体公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて行うことができる。
【0060】
ここで形成される凝集粒子の体積平均粒子径としては、特に制限はないが、通常、得ようとする静電荷像現像用トナーの体積平均粒子径と同じ程度になるように制御される。前記制御は、例えば、温度と前記攪拌混合の条件とを適宜設定・変更することにより容易に行うことができる。
以上の凝集粒子形成工程により、静電荷像現像用トナーの体積平均粒子径とほぼ同じ体積平均粒子径を有する凝集粒子が形成され、該凝集粒子を分散させてなる凝集粒子分散液が調製される。なお、本発明において、前記凝集粒子は「母粒子」と称されることがある。
【0061】
(付着粒子形成工程)
前記付着粒子形成工程は、極性を有する分散剤中に帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を分散させてなる微粒子分散液を前記凝集粒子分散液中に添加混合して前記凝集粒子に前記帯電助剤微粒子及び前記樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程である。前記帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子は、前記凝集粒子分散液中に、直接添加されてもよい。また、前記帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を、極性を有する分散剤中に添加・分散して微粒子分散液を調製した後、該微粒子分散液と前記凝集粒子分散液とを混合することによって添加されてもよい。この場合、前記帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子は、それぞれ、別々の分散剤中に添加・分散させてもよいし、同じ分散剤中に添加・分散させてもよい。
なお、前記微粒子は、前記凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、本発明においては「追加粒子」と称されることがある。
【0062】
前記極性を有する分散剤は、上述の通りである。
前記帯電助剤微粒子は、トナーの帯電性及び現像性の向上、画像形成後のかぶりの防止を目的として添加され、前記帯電助剤としては、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄又はクロム等の金属の錯体からなる染料;トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電助剤が挙げられるが、凝集や合一の際の安定性に影響するイオン強度の制御及び廃水汚染の減少の観点より、水に溶解し難いものが好ましい。これらの帯電助剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0063】
前記微粒子分散液中における前記帯電助剤微粒子のメジアン径としては、50〜500nmが好ましい。
前記メジアン径が、50nm未満の場合には、前記帯電助剤微粒子の分散性が悪くなるため、トナー粒子の形成が困難となることがある。また、前記メジアン径が、500nmを超える場合には、前記帯電助剤微粒子を、後述のトナー粒子外殻中に均一に存在させ難くなることがある。
【0064】
前記微粒子分散液中における前記帯電助剤微粒子の配合量としては、0.05〜40重量%が好ましい。
前記配合量が、前記数値範囲外である場合には、トナー粒子間の帯電性が不均一になることがある。
【0065】
前記樹脂微粒子としては、上述した樹脂粒子と同じである樹脂微粒子が挙げられる。また、前述のように、樹脂微粒子を帯電助剤微粒子とは別の溶剤中に分散させた後に、前記凝集粒子分散液と混合する場合の、樹脂微粒子分散液としては、上述した樹脂粒子分散液と同じである樹脂微粒子分散液が挙げられる

【0066】
本発明においては、前記帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子の他、所望により、その他の微粒子を追加粒子として前記凝集粒子分散液中に添加・混合して前記凝集粒子に付着させることができる。前記その他の微粒子としては、着色剤粒子と同じである着色剤微粒子、無機粒子等と同じである無機微粒子等が挙げられる。前記微粒子分散液の調製の手法としては、前記着色剤粒子分散液及び前記その他の粒子分散液等と同様である。
【0067】
前記帯電助剤微粒子以外の微粒子のメジアン径としては、通常1μm以下であり、0.01〜1μmであるのが好ましい。
前記メジアン径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子が発生し、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、前記メジアン径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、樹脂微粒子による層構造を形成する点で有利である。なお、前記メジアン径は、例えばコールターカウンターなどを用いて測定することができる。
【0068】
前記微粒子の体積としては、得られる静電荷像現像用トナーの体積分率に依存し、得られる静電荷像現像用トナーの体積の50%以下であるのが好ましい。前記微粒子の体積が得られる静電荷像現像用トナーの体積の50%を超えると、前記微粒子が前記凝集粒子に付着・凝集せず、前記微粒子による新たな凝集粒子が形成されてしまい、得られる静電荷像現像用トナーの組成分布や粒度分布の変動が著しくなり、所望の性能が得られなくなることがある。
【0069】
前記微粒子分散液は、上述の微粒子を1種単独で分散させてなる微粒子分散液であってもよいし、2種以上の微粒子を併用して分散させてなる微粒子分散液であってもよい。後者の場合、併用する微粒子の組み合わせとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0070】
前記微粒子分散液における前記その他の微粒子の含有量としては、通常5〜60重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。
前記含有量が前記範囲外であると、静電荷像現像用トナーの内部から表面にかけての構造及び組成の制御が十分でないことがある。また、凝集粒子が形成された際における、凝集粒子分散液中の凝集粒子の含有量は、通常40重量%以下である。
【0071】
前記微粒子分散液を前記凝集粒子分散液中に添加・混合する方法としては、特に制限はなく、例えば、徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、前記微粒子(追加粒子)を添加・混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られる静電荷像現像用トナーの粒度分布をシャープにすることができる。
なお、複数回に分割して段階的に添加混合を行うと、前記凝集粒子の表面に段階的に前記微粒子による層が積層され、静電荷像現像用トナーの粒子の内部から外部にかけて構造変化や組成勾配をもたせることができ、粒子の表面硬度を向上させることができ、しかも、後述の融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基又は酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品質の改善が可能となる点で有利である。
【0072】
前記凝集粒子に前記微粒子を付着させる条件としては、例えば以下の通りである。
即ち、温度としては、前記凝集粒子中に含まれる樹脂粒子又は付着させる樹脂微粒子の樹脂のガラス転移点以下の温度であり、室温程度であるのが好ましい。ガラス転移点以下の温度で加熱すると、前記凝集粒子と前記微粒子とが付着し易くなり、その結果、形成される付着粒子が安定し易くなる。
処理時間としては、前記温度に依存するので一概に規定することはできないが、通常5分〜2時間程度である。
なお、前記付着の際、前記微粒子分散液が添加・混合された前記凝集粒子分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着粒子が形成され易い点で有利である。
【0073】
本発明において、この付着粒子形成工程が行われる回数としては、1回であってもよいし、複数回であってもよい。前者の場合、前記凝集粒子の表面に前記微粒子(追加粒子)による層が1層のみ形成されるのに対し、後者の場合、前記微粒子分散液として2種以上用意しておけば、前記凝集粒子の表面にこれらの微粒子分散液に含まれる微粒子(追加粒子)による層が積層形成される。後者の場合、複雑かつ精密な階層構造を有する静電荷像現像用トナーを得ることができ、静電荷像現像用トナーに所望の機能を付与し得る点で有利である。
【0074】
付着粒子形成工程が複数回行われる場合、前記凝集粒子に対し、最初に付着させる微粒子と、次以降に付着させる微粒子とは、いかなる組み合わせであってもよく、静電荷像現像用トナーの用途等に応じて適宜選択することができる。
【0075】
付着粒子形成工程が複数回行われる場合、前記微粒子を添加混合する毎に、前記微粒子と前記凝集粒子とを含有する分散液を、第1工程における凝集粒子中の樹脂のガラス転移点以下の温度で加熱する態様が好ましく、この加熱の温度が段階的に上昇される態様がより好ましい。このようにすると、遊離粒子の発生を抑制することができる点で有利である。
【0076】
以上の付着粒子形成工程により、前記凝集粒子形成工程で調製された凝集粒子に前記微粒子を付着させてなる付着粒子が形成される。なお、付着粒子形成工程を複数回行った場合には、前記凝集粒子形成工程で調製された凝集粒子に、前記微粒子が複数回付着させてなる付着粒子が形成される。したがって、付着粒子形成工程において、前記凝集粒子に、適宜選択した微粒子を付着させることにより、所望の特性を有する静電荷像現像用トナーを自由に設計し、製造することができる。
【0077】
(融合工程)
前記融合工程は、前記付着粒子を加熱して融合する工程である。
【0078】
前記加熱の温度としては、前記付着粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜該樹脂の分解温度であればよい。したがって、前記加熱の温度は、前記樹脂微粒子の樹脂の種類に応じて異なり、一概に規定することはできないが、一般的には前記付着粒子に含まれる樹脂のガラス転移点温度〜180℃である。
なお、前記加熱は、それ自体公知の加熱装置・器具を用いて行うことができる。
【0079】
前記融合の時間としては、前記加熱の温度が高ければ短い時間で足り、前記加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、前記融合の時間は、前記加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には30分〜10時間である。
【0080】
(その他の工程)
本発明においては、融合工程の終了後に得られた静電荷像現像用トナーを、適宜の条件で洗浄、乾燥等することができる。なお、得られた静電荷像現像用トナーの表面に、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機粒体や樹脂粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
【0081】
以上の融合工程により、前記凝集粒子(母粒子)の表面に前記微粒子(追加粒子)が付着したままの状態で、前記付着粒子が融合されると、前記凝集粒子(母粒子)は芯部を形成し、前記微粒子(追加粒子)は外殻を形成して、本発明の静電荷像現像用トナーが製造される。
【0082】
融合・合一後、任意の洗浄工程、固液分離工程、及び乾燥工程を経て、本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。
前記洗浄工程においては、帯電性を向上させる観点より、十分にイオン交換水による置換洗浄を行うのが好ましい。
前記固液分離工程における分離方法としては、特に制限はなく、生産性の観点から、吸引濾過法や加圧濾過法などの公知のろ過方法が好ましく挙げられる。
前記乾燥工程における乾燥方法としては、特に制限はなく、生産性の観点から、凍結方法、フラッシュジェット乾燥方法、流動乾燥方法、及び振動型流動乾燥方法などの公知の乾燥方法が好ましく挙げられる。
【0083】
<静電荷像現像用トナー>
、本発明の静電荷像現像用トナーは、前記本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法によって製造され、トナー内部からトナー表面にかけての組成、物性が不連続に変化している構造、即ち、芯部と、外殻とからなる構造を有してなる。
【0084】
前記外殻は、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、一般にその層数は前記本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法における付着粒子形成工程を行った回数と同じである。
【0085】
前記静電荷像現像用トナーは、前記着色剤粒子が均一に存在しているので、帯電性、現像性に優れ、形成画像におけるかぶり発生を防止することができる。また、環境条件に影響を受けず前記諸性能、特に帯電性を安定に発揮・維持するので、信頼性が高い。
前記静電荷像現像用トナーは、前記本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法により製造されるので、混練粉砕法等により製造される場合と異なり、その体積平均粒子径が小さく、しかもその粒度分布がシャープである。
【0086】
前記静電荷像現像用トナー粒子の体積平均粒子径としては、2〜9μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。
前記体積平均粒子径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になり易く、現像性が低下する場合があり、9μmを超えると、画像の解像性が低下する場合がある。
【0087】
前記静電荷像現像用トナーの粒度分布としては、その指標として、累積分布のD16%、D84%を用いて、GSDv(GSDv=(体積D84/体積D16)0.5 )、又は、GSDP(数GSDP=(数D84/数D16)0.5 )を簡易的に用いることができる。前記GSDvとしては、1.28以下が好ましく、1.24以下がより好ましい。
前記GSDvが、1.28を超える場合には、選択現像などにより、現像性が経時的に悪化することがある。
【0088】
尚、前記静電荷像現像用トナーの粒度分布指標は、コールターカウンターTAII(日科機社製)、マルチサイザーII(日科機社製)等の測定器を用いて測定される粒度分布において、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小径側から累積分布を描き、体積平均粒度分布指標(GSDV)においては、累積16%となる粒径を「体積D16%」、累積50%となる粒径を「体積D50%」と定義し、数平均粒度分布指標(GSDP)においては、累積16%となる粒径を「数D16%」、累積50%となる粒径を「数D50%」と定義した。
【0089】
前記静電荷像現像用トナーの帯電量としては、−10〜−40μC/gが好ましく、−15〜−35μC/gがより好ましい。
前記帯電量が、−10μC/gを超える場合には、かぶり(背景部汚れ)が発生し易くなり、−40μC/g未満である場合には、画像濃度が低下し易くなる。
前記静電荷像現像用トナーの夏場(高温多湿)における帯電量と冬場(低温低湿)における帯電量との比率としては、0.5〜1.5が好ましく、0.7〜1.3が好ましい。
前記比率が、前記好ましい範囲外であると、トナーの帯電性の環境依存性が強く、該帯電性の安定性に欠けるため、実用上好ましくないことがある。
【0090】
前記外殻における前記帯電助剤粒子の含有量としては、トナー粒子に対し、0.05〜5重量%含有されているのが好ましい。
前記含有量が、0.05重量%未満の場合には、トナー粒子の帯電性が十分でないことがあり、5重量%を超える場合には、それに見合う効果が得られないことがある。
尚、前記外殻は、体積平均粒子径2〜9μmのトナー粒子においては、通常、該トナー粒子の表面から1000nm以内の範囲を占める。
【0091】
前記帯電助剤粒子のメジアン径としては、50〜500nmが好ましい。
前記メジアン径が、50nm未満の場合には、帯電性向上効果が十分でない
ことがある一方、前記メジアン径が、500nmを超える場合には、前記帯電性向上効果が均一に現れないことがある。
尚、前記外殻における前記帯電助剤粒子のメジアン径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)により、観察・測定することができる。
【0092】
前記トナー粒子の形状係数SFとしては、画像形成性の観点から、105〜150が好ましい。
前記形状係数SFが、105未満の場合には、トナーの飛散りが増加し易くなることがある一方、150を超える場合には、均一な画質の画像を得難くなることがある。
【0093】
尚、前記形状係数SFは、形状係数の平均値(周囲長の2乗/投影面積)×100として、例えば以下のように求められる。即ち、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナー粒子について、周囲長の2乗/投影面積を求め、それらの平均値を算出する。
【0094】
前記トナー粒子が前記離型剤を含有する場合、離型剤粒子のメジアン径としては、50〜3000nmが好ましい。
前記メジアン径が、上記数値範囲内であれば、オイルレス定着性が十分となり、優れた帯電性及び画像耐久性を得ることができる。
【0095】
本発明の静電荷像現像用トナーは、一成分現像方式、二成分現像方式のどちらで用いられてもよいが、後述のように樹脂被覆キャリアと組み合わせた二成分現像方式で用いられるのが好ましい。キャリアとして樹脂被膜キャリアを使用することにより、トナーの小粒径化による帯電の立ち上がりや帯電分布の悪化、及び帯電量の低下からくる地汚れや濃度ムラを改善することができる。
【0096】
<静電荷像現像剤>
本発明の静電荷像現像剤は、前記本発明の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含み、更に、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有する。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、フェライト、マグネタイト等の表面を樹脂で被膜したキャリア、又は、溶融混錬及び重合法により作製した樹脂分散型キャリア及びそれらの表面に樹脂で被膜したキャリアなどが挙げられる。
【0097】
前記キャリアには、所望により、被膜層を設けることができる。該被膜層に用いられる樹脂としては、当業界で使用され得る任意の樹脂から選択することができ、その樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。キャリアのマトリックス樹脂に使用する代表的な樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等のポリビニル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
前記静電荷像現像剤において、前記本発明の静電荷像現像用トナーと、キャリアとの混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0098】
<画像形成方法>
前記本発明の静電荷像現像用トナーは、従来公知の画像形成方法、即ち、潜像担持体上に、潜像を形成する潜像形成工程と、該潜像担持体に形成した潜像をトナーを用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写体上に転写して転写画像を形成する転写工程と、を含む画像形成方法に、好適に用いることができる。
前記各工程は、それ自体公知の工程であり、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。なお、前記画像形成方法は、それ自体公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
【0099】
前記現像工程において用いられる現像剤としては、前記本発明の静電荷像現像用トナーを含有していれば特に制限はなく、一成分系現像剤、二成分系現像剤のいずれでもよいが、前記本発明の静電荷像現像剤が好ましい。
【0100】
前記画像形成方法においては、前記転写工程の後、さらに、前記転写画像を定着する定着工程を含む態様が好ましく、所望により、クリーニング工程、リサイクル工程等の各工程をも含めることができる。
【0101】
前記クリーニング工程は、トナー画像を形成する際の余分な静電荷像現像用トナーを回収する工程である。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像用トナーを現像剤層に移す工程である。
クリーニング工程とリサイクル工程とを含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
前記本発明の静電荷像現像用トナーを用いた本発明の画像形成方法によれば、帯電性、現像性に優れ、かぶり、飛散りがなく、高画質の画像を形成することができる。
【0102】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、本実施例においては、「重量平均分子量(Mw)」を単に「Mw」と、「ガラス転移点(Tg)」を単に「Tg」と、「重量部」を単に「部」と称した。
【0103】
−樹脂粒子分散液1の調製−
スチレン82部と、n−ブチルアクリレート18部と、アクリル酸2部とからなるモノマー液を、イオン交換水150部中にアニオン性界面活性剤(第1工業製薬社製:ネオゲンRK)2.5部を用いて分散し、これに過硫酸アンモニウム1部を加えて、70℃で6時間乳化重合を行い、Mwが35000、Tgが58℃、メジアン径が157nmの樹脂粒子が分散した、樹脂粒子分散液1を調製した。
【0104】
−樹脂粒子分散液2の調製−
樹脂粒子分散液1の調製において、スチレン80部と、n−ブチルアクリレート20部と、アクリル酸1部とからなるモノマー液を用い、イオン交換水を160部とし、アニオン性界面活性剤を2.4部とした外は、樹脂粒子分散液1と同様にして、Mwが30000、Tgが60℃、メジアン径が178nmの樹脂粒子が分散した、樹脂粒子分散液2を調製した。
【0105】
−樹脂粒子分散液3の調製−
樹脂粒子分散液1の調製において、スチレン80部と、n−ブチルアクリレート20部と、アクリル酸1.5部とからなるモノマー液を用い、イオン交換水を180部とし、アニオン性界面活性剤を2.5部とした外は、樹脂粒子分散液1と同様にして、Mwが25000、Tgが59℃、メジアン径が181nmの樹脂粒子が分散した、樹脂粒子分散液3を調製した。
【0106】
−着色剤粒子分散液の調製−
・カーボンブラック・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20部
(キャボット社製:モーガルL)
・アニオン性界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・3部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・77部
以上を混合し、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて発振周波数28kHzで10分間分散を行って、メジアン径が128nmの着色剤粒子が分散した着色剤粒子分散液を調製した。
【0107】
−離型剤粒子分散液の調製−
・パラフィンワックス・・・・・・・・・・・・・・・・・・30部
(日本精蝋(株)製:HNP0190、融点85℃)
・アニオン性界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・0.75部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・69.25部
以上を95℃に加熱して、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて発振周波数28kHzで30分間分散を行って、メジアン径が550nmである離型剤を分散させてなる離型剤粒子分散液(アニオン性)を調製した。
【0108】
−帯電助剤微粒子分散液1の調製−
・帯電助剤(アゾ系錯体)・・・・・・・・・・・・・・・・10部
(保土々谷化学社製:T77)
・アニオン性界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・3部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87部
以上を混合し、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて発振周波数28kHzで30分間分散を行って、メジアン径が301nmである帯電助剤微粒子を分散させてなる帯電助剤微粒子分散液1を調製した。
【0109】
−帯電助剤微粒子分散液2の調製−
・帯電助剤(ホウ素系化合物)・・・・・・・・・・・・・・10部
(日本カーリット社製:LR147)
・アニオン性界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・3部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87部
以上を混合し、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて発振周波数28kHzで30分間分散を行って、メジアン径が315nmである帯電助剤微粒子を分散させてなる帯電助剤微粒子分散液2を調製した。
【0110】
−帯電助剤微粒子分散液3の調製−
・帯電助剤(サリチル酸系錯体)・・・・・・・・・・・・・10部
(オリエント化学社製:E84)
・アニオン性界面活性剤・・・・・・・・・・・・・・・・・・3部
(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)
・イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・87部
以上を混合し、超音波洗浄機(本田電子社製、W−113)を用いて発振周波数28kHzで30分間分散を行って、メジアン径が350nmである帯電助剤微粒子を分散させてなる帯電助剤微粒子分散液3を調製した。
【0111】
(実施例1)
<分散液調製工程>
樹脂粒子分散液1・・・・・・・・・・ 234g
着色剤粒子分散液・・・・・・・・・・・ 30g
離型剤分散液 ・・・・・・・・・・・ 20g
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて混合し、分散して着色剤粒子分散液を調製した。この着色剤粒子分散液においては、粒子が均一に分散していた。
【0112】
<凝集粒子形成工程>
得られた着色剤粒子分散液に凝集剤としてのポリ水酸化アルミニウム(浅田化学社製、商品名:Paho2S)を0.5g添加し、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら50℃まで加熱して30分間保持し、凝集粒子分散液を得た。得られた凝集粒子分散液を、コールターカウンター(コールター社製:マルチサイザー2)にて観察すると体積平均粒子径が約4.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。その後、更に前記凝集粒子分散液の温度を56℃まで上げて1時間保持し、前記と同様にして、体積平均粒子径が約5.3μmである凝集粒子が形成された凝集粒子分散液を得た。
【0113】
<付着粒子形成工程>
得られた凝集粒子分散液に、帯電助剤微粒子分散液1を30g添加した後、樹脂粒子分散液1を26g添加し、体積平均粒子径が5.8μmの付着粒子が形成された付着粒子分散液を得た。
【0114】
<融合工程>
その後、前記付着粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK)3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら97℃まで加熱し、4時間保持した。
そして、冷却後、反応生成物(トナー粒子)をろ過し、pH12.0の水酸化ナトリウム溶液で洗浄した後、イオン交換水にて3回洗浄を行った。その後、得られたトナー粒子を6時間凍結・乾燥させることにより、続いて24時間真空乾燥を行って、静電荷像現像用トナーを得た。
【0115】
《測定・評価》
<体積平均粒子径、GSDV及びSF値の測定>
得られた静電荷像現像用トナーにつき、コールターカウンターを用いてそのトナー粒子の体積平均粒子径を測定した。また、体積粒度分布の指標であるGSDVを及びトナー粒子の形状係数SFを測定した。また、透過型電子顕微鏡を用いて得られた静電荷像現像用トナーの断面を観察したところ、トナー粒子の表層付近に、帯電助剤粒子が分散されていた。得られたトナー粒子の体積平均粒子径、GSDV、形状係数SF、及び帯電助剤粒子のメジアン径を表1に示した。
【0116】
<帯電性の測定・評価>
(トナー帯電量の環境依存性の測定・評価)
得られたトナー粒子について、東芝ケミカル社製ブローオフトライボ帯電量測定機を用いて、夏場環境(28℃、相対湿度85%)及び冬場環境(10℃、相対湿度30%)における帯電量の測定を行った。結果を表1に示した。
【0117】
(現像剤帯電量の安定性の評価)
次に、この静電荷像現像用トナー50gに対し、疎水性シリカ(TS720:キャボット製)1.5gを添加し、サンプルミルにより混合した。次に、メタアクリレート(総研化学社製)を1%コートしたメジアン径が50μmであるフェライトキャリアに対しトナー濃度が5重量%となるようにガラス瓶に秤量し、ボールミル上で5分間混合して静電荷像現像剤を作製した。
得られた静電荷像現像剤を画像形成装置(富士ゼロックス(株)製:Able1302αの改造機)に入れ、28℃、相対湿度90%の環境下における前記静電荷像現像剤の初期の帯電量を前記と同様の測定方法によって測定した。 また、前記画像形成装置によって1万枚のランニングテストを行った後の前記静電荷像現像剤の帯電量を同様に測定した。
さらに、以下の基準に従って、帯電量の安定性を評価した。結果を表1に示した。
【0118】
[評価基準]
○・・・ランニングテスト前後における帯電量の変化が5μc/g以下である。
△・・・ランニングテスト前後における帯電量の変化が5〜10μc/gである。
×・・・ランニングテスト前後における帯電量の変化が10μc/g以上である。
【0119】
<現像性の測定・評価>
前記と同様の画像形成装置(富士ゼロックス(株)製:Able1302αの改造機)を用い、前記と同様の条件において、前記静電荷像現像剤の初期の反射濃度及び1万枚のランニングテストを行った後の前記静電荷像現像剤の反射濃度を測定した。なお、前記反射濃度の値は、反射濃度測定機(X−rite社製:938 Spectrodensitometer)を用い、チャート上のソリッドサンプルの反射濃度を測定することにより得た。さらに、以下の基準に従って、現像性を評価した。結果を表1に示した。
【0120】
[評価基準]
○・・・ランニングテスト前後における反射濃度の変化が0.15以下である。
△・・・ランニングテスト前後における反射濃度の変化が0.15〜0.3である。
×・・・ランニングテスト前後における反射濃度の変化が0.3以上である。
【0121】
<かぶり・飛散りの評価>
前記と同様の画像形成装置画像形成装置(富士ゼロックス(株)製:Able1302αの改造機)により画像を形成した後、地肌部(非画像部)の反射濃度を目視にて観察し、以下の基準に従って評価し、その結果を表1に示した。
[評価基準]
○・・・・・・・かぶり・飛散りが全く観察されない
△・・・・・・・かぶり・飛散りが若干観察される
×・・・・・・・かぶり・飛散りがかなり観察される
【0122】
(比較例1)
実施例1において、凝集粒子形成工程においては、着色剤粒子分散液を、57℃まで加熱して30分間保持して、体積平均粒子径が5.5μmの凝集粒子を形成し、付着粒子形成工程においては、帯電助剤微粒子分散液1を添加せず、体積平均粒子径が5.7μmの付着粒子を形成したほかは、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得、実施例1と同様に測定・評価を行った。
【0123】
(実施例2)
実施例1において、分散液調製工程においては、樹脂粒子分散液2を189g用い、凝集粒子形成工程においては、凝集剤として硫酸亜鉛を1.5g添加し、着色剤粒子分散液を59℃まで加熱して30分間保持して、体積平均粒子径が5.4μmの凝集粒子を形成し、付着粒子形成工程においては、樹脂粒子分散液2を21g用い、帯電助剤分散液2を用いて体積平均粒子径が6.0μmの付着粒子を形成したほかは、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得、実施例1と同様に測定・評価を行った。
【0124】
(比較例2)
実施例2において、凝集粒子形成工程においては、着色剤粒子分散液を加熱した温度で1時間保持して、体積平均粒子径が5.4μmの凝集粒子を形成し、付着粒子形成工程においては、帯電助剤微粒子分散液2を添加せず、体積平均粒子径が5.7μmの付着粒子を形成したほかは、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得、実施例2と同様に測定・評価を行った。
【0125】
(実施例3)
実施例1において、分散液調製工程においては、樹脂粒子分散液3を189g用い、凝集粒子形成工程においては凝集剤として塩化第2鉄を1.5g添加し、着色剤粒子分散液を58℃まで加熱して30分間保持して、体積平均粒子径が5.4μmの凝集粒子を形成し、付着粒子形成工程においては、樹脂粒子分散液3を21g用い、帯電助剤分散液3を20g用いて体積平均粒子径が6.0μmの付着粒子を形成したほかは、実施例1と同様にして静電荷像現像用トナーを得、実施例1と同様に測定・評価を行った。
【0126】
【表1】
Figure 0003752877
【0127】
表1から明らかなように、本発明の静電荷像現像用トナーは、帯電性、現像性に優れ、特に、長期(1万枚ランニングテスト後)に亘ってこれらの特性を良好に維持することができる。一方、比較例1及び2では、トナー帯電量の環境依存性が大きく、現像剤帯電量も一万枚印字後には、初期画像と比べて反射濃度が低下し、かぶり飛び散りの発生も多い。
また、混練・粉砕法によって製造したトナー粒子に、これらの実施例で用いた帯電助剤を外添剤として添加しても、前記帯電助剤は、現像中のストレスによって前記トナー粒子から脱離してしまうため、本発明のような帯電性向上効果を得ることはできない。
【0128】
【発明の効果】
本発明によれば、帯電性、現像性に優れ、かぶり及び飛散等が発生せず、信頼性の高い静電荷像現像用トナー及び該静電荷像現像用トナーの効率的な製造方法、該静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像剤、及び該静電荷像現像用トナーを用いて好適に画像を形成する画像形成方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 少なくとも着色剤を含有する芯部と、少なくとも樹脂と帯電助剤とを含有し、前記芯部を覆う外殻とを有してなり、平均体積粒子分布(GSDv)が、1.28以下であるトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、前記芯部が、極性を有する分散剤中に少なくとも着色剤粒子及び樹脂粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液を調製した後、着色剤粒子分散液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製することにより得られ、前記トナーが、前記凝集粒子分散液中に、帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を少なくとも分散させてなる微粒子分散液を添加混合して、凝集粒子に帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成した後、付着粒子を加熱して融合することにより得られることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 極性を有する分散剤中に少なくとも着色剤粒子及び樹脂粒子を分散させてなる着色剤粒子分散液を調製する分散液調製工程、前記着色剤粒子分散液中において凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する凝集粒子形成工程、前記凝集粒子分散液中に、帯電助剤微粒子及び樹脂微粒子を少なくとも分散させてなる微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記帯電助剤微粒子及び前記樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成する付着粒子形成工程、及び、前記付着粒子を加熱して融合する融合工程と、を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有することを特徴とする静電荷像現像剤。
  4. 潜像担持体上に、潜像を形成する潜像形成工程と、該潜像担持体に形成した潜像をトナーを用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程と、該トナー画像を転写材上に転写して転写画像を形成する転写工程と、を含む画像形成方法において、該トナーが、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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