JP2006215151A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 定着性に悪影響を及ぼさずに保存安定しと耐熱保管性に優れ、且つ、多数枚プリントしても高品質のトナー画像が安定して得られる静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】 コア部10にシェル層20を被覆してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コア部が着色剤12と樹脂A11を含有し、該シェル層が樹脂B21と無機微粒子22を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 図1
【解決手段】 コア部10にシェル層20を被覆してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コア部が着色剤12と樹脂A11を含有し、該シェル層が樹脂B21と無機微粒子22を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 図1
Description
本発明は、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
従来、電子写真の現像に用いられる静電荷像現像用トナーは、熱可塑性樹脂中に着色剤や荷電制御剤、及びその他添加剤を溶融混練し、次いで、粉砕、分級といった工程を経る粉砕法で作製されていた。
近年、電子写真方式の技術分野では、デジタル技術の進歩に伴い1200dpi(dpiは1インチ(2.54cm)当たりのドット数を表す)レベルの微少なドット画像を正確に再現させるレベルの技術が要求されるようになり、粉砕法ではこのような微少なドット画像再現には限界があった。
このような微少なドットの再現性の観点からトナーの粒子の小粒径化が望まれていた。
トナーの粒子の小径化の要望に対し、製造工程で種々の制限が加えられる重合トナーに代表されるケミカルトナーが衆目されており、着色剤やワックス等の含有成分の性能を効率よく発現できるトナーとしてコア・シェル構造のトナーの開発も進められている。
具体的には、懸濁重合による複数種類の樹脂成分よりなる相分離構造のトナーを懸濁重合法により作製するものや、樹脂粒子を凝集した複数種類の凝集粒子分散液を混合し凝集粒子同士を会合させた後、熱融着を行ってトナーを作製するもの等が挙げられる。又、コア・シェル構造として着色剤やワックス成分のトナーの粒子表面への露出を回避することにより、トナーの耐久性を向上させる技術が開始されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
又、重合トナーの粒子中への効率のよい外添剤添加方法を構築することにより、トナーの粒子表面から外添剤が離脱せず、外添剤添加により画像形成を促進させるようにした技術もありケミカルトナーの開発は日々発展している(例えば、特許文献3参照。)。
最近では、省エネルギーや省スペース化の要請から、低温定着或いはオイルレス定着対応した画像形成装置が求められており、このニーズに応えられるコア・シェル構造のトナーの開発も検討されている。良好な低温定着性やオイルレス定着性を発現させるためには、シェル層用樹脂として溶融しやすいものが求められているが、このような樹脂はこれらの課題を満足する反面、劣化し易く保存性を低下させる問題を有していた。一方、溶融しにくい硬い樹脂を用いると十分な定着性能が発現しにくくなるなど、良好な定着性能と安定した保存性能の両方を有するトナーの登場が待たれていた。
特開平5−341573号公報
特開2002−116574号公報
特開2001−281928号公報
本発明は、上記課題を鑑みなされたもので、定着性に悪影響を及ぼさずに保存安定性と耐熱保存性に優れたトナーとその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の課題は、下記構成を採ることにより達成される。
(請求項1)
コア部にシェル層を被覆してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コア部が着色剤と樹脂を含有し、該シェル層が樹脂と無機微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
コア部にシェル層を被覆してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コア部が着色剤と樹脂を含有し、該シェル層が樹脂と無機微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(請求項2)
前記コア部の樹脂のガラス転移温度が0℃〜55℃、前記シェル層の樹脂のガラス転移温度が55℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
前記コア部の樹脂のガラス転移温度が0℃〜55℃、前記シェル層の樹脂のガラス転移温度が55℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項3)
前記シェル層に含有する無機微粒子が、無機酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
前記シェル層に含有する無機微粒子が、無機酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項4)
前記無機微粒子が、酸化ケイ素又は酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
前記無機微粒子が、酸化ケイ素又は酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項5)
前記無機微粒子が、表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
前記無機微粒子が、表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項6)
前記無機微粒子の粒径が、1〜100nmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
前記無機微粒子の粒径が、1〜100nmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項7)
前記シェル層の厚さが、0.05〜0.5μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
前記シェル層の厚さが、0.05〜0.5μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項8)
コア部の表面に無機微粒子を含有する樹脂を被覆してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
コア部の表面に無機微粒子を含有する樹脂を被覆してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項9)
前記コア部の表面に、無機微粒子を含有した樹脂微粒子を凝集、融着させてシェル層を形成することを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
前記コア部の表面に、無機微粒子を含有した樹脂微粒子を凝集、融着させてシェル層を形成することを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項10)
前記コア部の表面に、無機微粒子を含有したラジカル重合性単量体を吸着させ、重合させることによりシェル層を形成することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
前記コア部の表面に、無機微粒子を含有したラジカル重合性単量体を吸着させ、重合させることによりシェル層を形成することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明によれば、ケミカル法(乳化重合・会合法)によるトナーの製造において、コア・シェル構造を構成させる場合に、シェル層に無機微粒子を含有することによりシェル層の界面を形成しやすくし、トナー画像の定着温度を変えること無く、長期間保管或いは高温で保管してもトナーの粒子同士が付着、凝集せずに安定した保管性能(保存安定性と耐熱保存性)を発現することを見出している。
又、安定した保管性能を発現することにより、トナー製品の保管や流通過程でトナーの性能を維持するための設備投資を行うようなコストアップを発生させることの無い経済性に優れたトナーを提供できるようになった。
更に、本発明によれば、シェル層の無機微粒子が外添剤としての役目も担うので、外添剤を添加しなくても或いは少量の外添剤の添加で有効に外添効果が得られる。外添剤の添加量が少なくなるためトナーの粒子表面から外添剤が離脱しにくくなり、離脱した外添剤により感光体表面やキャリア表面が汚染されることが無く、継続して安定した高品質のプリント画像を作製することが可能なトナーを提供できるようになった。
本発明は、シェル層に無機微粒子を含有したコア・シェル構造のトナーに関する。
樹脂粒子と着色剤粒子とを水系媒体中で凝集させてコア部を形成し、このコア部表面に樹脂を添加してシェル層を形成するコア・シェル構造のトナーは、低温定着対応にすると、シェル層とコア部との間で相溶性があるため界面が形成されず、トナーの保存性を確保することが難しかった。
本発明者等は、シェル層に無機微粒子を含有させることにより、低温での定着性を発現するとともに、保存安定性と耐熱保存性も向上させることができることを見出したのである。即ち、本発明では、シェル層に無機微粒子を含有させることでシェル化段階でシェル層が相溶化しなくなっていることを見出したのである。
シェル層に無機微粒子を含有させることでシェル層が相溶化しなくなった理由は明らかではないが、おそらく無機微粒子の静電的な作用によりシェル層を構成する樹脂の分子間引力が強化され、その結果、シェル層樹脂が相溶しにくくなったものと推測される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のトナーの粒子構造について説明する。
本発明のトナーの粒子構造は、コア部と該コア部上に少なくとも1層の無機微粒子を含有するシェル層を有するコア・シェル構造のものである。
図1は、本発明のトナーの粒子構造の一例を示す模式図である。
図1において、10はコア部、11は樹脂A、12は着色剤、20はシェル層、21は樹脂B、22は無機微粒子を示す。
図1に示すトナーの粒子構造は、樹脂Aと着色剤を有するコア部を樹脂Bと無機微粒子を有するシェル層で被覆したコア・シェル構造のものである。
コア・シェル構造について定義する。
コア・シェル構造とは、懸濁重合法や乳化重合法により調製された樹脂粒子を凝集剤を用いて着色剤粒子とを、凝集・融着させて得られたコア部表面に、後述するシェリング操作により、1層以上のシェル層を形成したものである。
コア部として用いられる樹脂粒子の凝集体粒子、更に、別途用意された、無機微粒子を含有した樹脂粒子分散液(ラテックスともいう)等を用いて、各粒子表面にシェリング操作が施され、前記コア部表面に無機微粒子を含有するシェル層が形成される。
ここで、シェル層が形成されるとは、コア部の外表面を覆う(被覆ともいう)層が前記コア部の外表面の表面被覆率が30表面積%以上である時にコア部表面にシェル層が形成されたと定義する。又、前記コア部の外表面の70表面積%以上が被覆されていることが好ましく、更に好ましくは、80表面積%以上である。
シェル層の膜厚は、耐オフセット性及び保存安定性と耐熱安定性向上の観点から、50〜500nmの範囲であることが好ましく、100〜300nmの範囲がより好ましい。
コア部径とシェル層(単一層でも複数層でもよい)厚さの比は、コア/シェル=100/1〜100/10の範囲が好ましく、更に好ましくは、100/3〜100/8の範囲である。
本発明では、シェル層の表面被覆率や膜厚は、トナー粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)写真より、着色剤(カーボンブラックやイエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料等)やワックス等の存在領域(コア部)を目視観察により確認し、トナー粒子の最表面から、コア部までの距離をランダムに十点測定し、その平均値からシェル層の膜厚を算出する。尚、TEM撮影を行うトナー粒子の数は、最低でも50個以上とする。
透過型電子顕微鏡を用いた撮影方法は、トナー粒子を測定する際に行う通常知られた方法を用いる、即ち、トナーの断層面を測定する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後、包埋し硬化させてもよく、粒径100nm程度のスチレン微粉末に分散させた後加圧成形した後、必要により得られたブロックを四三酸化ルテニウム、又は、四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、トナーの断層形態を写真撮影する。
ここで、透過型電子顕微鏡としては、例えば、LEM−2000型(トプコン社製)、JEM−2000FX(日本電子製)等が挙げられる。
〔無機微粒子〕
本発明に用いられる無機微粒子としては、無機酸化物、カーボンブラック、金属粒子等が挙げられるが、これらの中では無機酸化物が好ましい。
本発明に用いられる無機微粒子としては、無機酸化物、カーボンブラック、金属粒子等が挙げられるが、これらの中では無機酸化物が好ましい。
無機酸化物としては、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物が好ましく、中でも酸化チタン、酸化ケイ素が特に好ましい。
無機微粒子は、数平均一次粒径が1〜100nmのものが好ましく、5〜50nmのものがより好ましい。
ここで、数平均一次粒径とは、微粒子を透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析して求めた値である。
ここで数平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡観察によって2000倍に拡大し、100個の粒子を観察し、画像解析によって測定されたものを示す。
数平均一次粒径が、上記範囲の無機微粒子は、水中或いは樹脂中で均一に分散し易い性質有するので、シェル層中に均一に含有される結果、保存性や耐久性の向上に有効に寄与するものと考えられる。
又、本発明に用いられる無機微粒子は、表面処理剤で処理することにより、分散性がより向上するので好ましい。具体的には、無機微粒子の表面に存在する水酸基等の反応性基をカップリング剤と反応させる方法が挙げられる。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、或いはアルミニウムカップリング剤等が好ましい。
チタンカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリアシルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等が用いられる。
アルミニウムカップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が用いられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が用いられる。
又、酸化チタンでは、前記表面処理に先立ち、アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理(一次処理)を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子の表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理をいい、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。
前記酸化チタンのアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は以下のような湿式法で行うことができる。即ち、酸化チタン粒子(数平均一次粒径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いた時は水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
この様に、酸化チタン粒子の表面処理は前記一次処理とその後の反応性基をカップリング剤等を用いた二次処理の少なくとも2回以上の表面処理を行うことにより、酸化チタン粒子の表面処理が均一に行われ、該表面処理された酸化チタン粒子は分散性が良好で、且つ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
尚、前述のアルミナ及びシリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。又、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
尚、前記表面処理の金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
コア部を構成する樹脂Aは、ガラス転移温度(Tg1)が、0℃〜55℃の範囲のものが好ましく、20〜45℃の範囲のものがより好ましい。ここで、前記樹脂Aとは、ホモポリマ(単独重合体)でもコポリマ(共重合体)でもよく、又、1種類の樹脂でもよく、混合物でもよい。
コア部を被覆するシェル層を構成する樹脂Bは、ガラス転移温度(Tg2)が、50℃以上であることが好ましく、52〜58℃の範囲がより好ましい。ここで、前記樹脂Bとは、ホモポリマ(単独重合体)でもコポリマ(共重合体)でもよく、又、1種類の樹脂でもよく、混合物でもよい。
コア部を構成する樹脂Aのガラス転移温度(Tg1)は、シェル層を構成する樹脂Bのガラス転移温度(Tg2)よりも低いことが好ましい。
次に、ガラス転移温度の測定方法を説明する。
(ガラス転移温度の測定)
トナー粒子を構成する樹脂A、シェル層を構成する樹脂Bのガラス転移温度とは、DSCにて測定された値をいい、ベースラインと吸熱ピークの傾きとの交点をガラス転移温度とする。具体的には、示差走査熱量計を用い、100℃まで昇温しその温度にて3分間放置した後に降下温度10℃/分で室温まで冷却する。次いで、このサンプルを昇温速度10℃/分で測定した際に、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移温度として示す。ガラス転移温度の測定はパーキンエルマー社製の「DSC−7」を用いて行うことができる。
トナー粒子を構成する樹脂A、シェル層を構成する樹脂Bのガラス転移温度とは、DSCにて測定された値をいい、ベースラインと吸熱ピークの傾きとの交点をガラス転移温度とする。具体的には、示差走査熱量計を用い、100℃まで昇温しその温度にて3分間放置した後に降下温度10℃/分で室温まで冷却する。次いで、このサンプルを昇温速度10℃/分で測定した際に、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移温度として示す。ガラス転移温度の測定はパーキンエルマー社製の「DSC−7」を用いて行うことができる。
コア、シェル層に用いられる樹脂としては、下記に記載のような重合性単量体を重合して得られた重合体を用いることができる。
本発明に用いられる樹脂は少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られた重合体を構成成分として含むものであるが、前記重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
《静電荷像現像用トナーの製造方法》
本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明に係るトナー粒子は、懸濁重合法又は、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合させることにより、微粒の樹脂粒子(重合粒子ともいう)を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合(凝集、融着)させる乳化会合法により製造することが好ましい。
又、重合時には、上記の重合開始剤を目的に応じて使い分けて、特定の範囲のガラス転移温度や軟化温度を示す重合体を含む樹脂を合成できる。
会合の際には、トナー粒子の構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などが挙げられる。ここで会合とは樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
尚、懸濁重合、乳化重合においては水系媒体を用いるのが好ましく、水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
即ち、例えば懸濁重合法においては、重合性単量体中に着色剤や、必要に応じて離型剤、荷電制御剤、更に重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解或いは分散させる。この各種構成材料が溶解或いは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、更に乾燥してトナー粒子を調製する。
又、本発明に係るトナー粒子を製造する方法としては、樹脂粒子を水系媒体中で会合或いは融着させて調製して、コア部の形成を行わせる方法(コア部の形成時には、着色剤が共存していてもよいし、共存していなくてもよい)を挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。即ち、例えば上記のようにして乳化剤を用いて乳化重合した樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、或いは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、更に加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することによりトナーを形成する方法がある。尚、上記融着粒子の形成において凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
本発明においては、前記乳化重合により調製される樹脂粒子として多段重合法により得られる、多層構造を有する複合樹脂粒子を用いることが好ましい。本発明においては、該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集剤により凝集/融着する工程を経てトナーを得る(ここで、当該業者公知の外添剤を用いる場合もあるし、用いない場合もある、用いない場合はトナー粒子がそのまま、トナー粒子として使用される)ことが好ましい。
特に、二段重合法により得られる複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを凝集/融着する工程を経て得られるトナー粒子の場合には、前記複合樹脂粒子が、ピーク又はショルダー分子量が100,000〜1,000,000の高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、ピーク又はショルダー分子量が1,000〜50,000の低分子量樹脂から形成される外層(殻)とを有しており、前記中心部(核)に離型剤が含有されていることが好ましい。
又、三段重合法により得られる複合樹脂粒子と、着色剤粒子とを凝集/融着して得られるトナーの場合には、前記複合樹脂粒子は、ピーク又はショルダー分子量が100,000〜1,000,000の高分子量樹脂から形成される中心部(核)と、ピーク又はショルダー分子量が25,000〜150,000の樹脂から形成される中間層と、ピーク又はショルダー分子量が1,000〜50,000の低分子量樹脂から形成される外層(殻)とを有し、前記中間層に離型剤が含有されていることが好ましい。
本発明に係るコア部には、多層構造を有する「複合樹脂粒子」が好ましく用いられるが、ここで、前記複合樹脂粒子とは、樹脂からなる核粒子の表面を覆うように、当該核粒子を形成する樹脂とは分子量及び/又は組成の異なる樹脂からなる1又は2以上の被覆層が形成されている、いわゆる多層構造を有する樹脂粒子をいうものとする。
又、複合樹脂粒子の「中心部(核)」とは、複合樹脂粒子を構成する「核粒子」をいう。
又、複合樹脂粒子の「外層(殻)」とは、複合樹脂粒子を構成する「1又は2以上の被覆層」の内最外層をいう。
又、複合樹脂粒子の「中間層」とは、中心部(核)と外層(殻)の間に形成される被覆層をいうものとする。
ここで、上記の外層(殻)は、あくまでも複合樹脂粒子の外層であって、トナー粒子の最表面層ではない。トナー粒子の最表面層は、複合樹脂粒子の外層表面に更にシェリング操作により、シェル形成されたものである。シェルは、一層でも多層構成でもよい。
複合樹脂粒子の分子量分布は単分散ではなく、又、複合樹脂粒子は、通常、その中心部(核)から外層(殻)にかけて分子量勾配を有している。
又、本発明において、複合樹脂粒子を得るための「多段重合法」とは、単量体(n)を重合処理(第n段)して得られた樹脂粒子(n)の存在下に、単量体(n+1)を重合処理(第n+1段)して、当該樹脂粒子(n)の表面に、単量体(n+1)の重合体(樹脂粒子(n)の構成樹脂とは分散及び/又は組成の異なる樹脂)からなる被覆層(n+1)を形成する方法をいうものとする。
ここに、樹脂粒子(n)が核粒子である場合(n=1)には、「二段重合法」となり、樹脂粒子(n)が複合樹脂粒子である場合(n≧2)には、三段以上の多段重合法となる。
本発明において、「凝集/融着」とは、粒子の凝集と融着(粒子間の界面消失)とが同時に起こること、又は、凝集と融着とを同時に起こさせてもよい。
ここで、凝集とは、ラテックス粒子の分散安定性を低下させて、粒子同士が集まることを示し、熱による融着は、凝集には含まれない。即ち、凝集しても、粒子一つ一つの外形をとどめている状態である。
又、融着とは、熱の付与によりラテックス粒子を構成する樹脂が軟化し、粒子同士がくっつきあい、粒子同士の界面が消失する状態を表している。
凝集と融着とを同時に行わせるためには、複合樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度条件下において粒子(複合樹脂粒子、着色剤粒子)を凝集させる必要がある。
多段重合法によって得られる複合樹脂粒子中には、組成及び/又は分子量が異なる複数の樹脂が存在することになる。従って、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集/融着させることにより得られるトナーは、トナー粒子間において、組成、分子量、表面特性のバラツキが極めて小さい。
この様なトナー粒子間における組成・分子量・表面特性が均質であるトナーによれば、接触加熱方式による定着工程を含む画像形成方法において、画像支持体に対する良好な接着性(高い定着強度)を維持しながら、耐オフセット性及び巻き付き防止特性の向上を図ることができ、適度の光沢を有する画像を得ることができる。
本発明のトナーは、着色剤の不存在下において複合樹脂粒子を形成し、当該複合樹脂粒子の分散液に着色剤粒子の分散液を加え、当該複合樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集/融着させることにより調製されることが好ましい。
この様に、複合樹脂粒子の調製を着色剤の存在しない系で行うことにより、複合樹脂粒子を得るための重合反応が阻害されること無い。このため、本発明のトナーによれば、優れた耐オフセット性が損なわれることは無く、トナーの蓄積による定着装置の汚染や画像汚れを発生させることは無い。
又、複合樹脂粒子を得るための重合反応が確実に行われる結果、得られるトナー粒子中に単量体やオリゴマーが残留するようなことは無く、当該トナーを使用する画像形成方法の熱定着工程において、異臭を発生させることは無い。
更に、得られるトナー粒子の表面特性は均質であり、帯電量分布もシャープとなるため、鮮鋭性に優れた画像を長期にわたり形成することができる。
次に本発明のトナーの作製に用いられる化合物について説明する。
《連鎖移動剤》
複合樹脂粒子を構成する樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
複合樹脂粒子を構成する樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
《重合開始剤》
本発明に用いられる重合開始剤について説明する。
本発明に用いられる重合開始剤について説明する。
複合樹脂粒子を得るためのラジカル重合開始剤は、水溶性のラジカル重合開始剤であれば適宜使用することができる。
ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に、上記のラジカル性重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせレドックス系開始剤とすることができる。レドックス系開始剤を用いることにより、重合活性が上昇して重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であれば特に限定されないが、例えば50〜90℃の範囲とされる。但し、過酸化水素と還元剤(アスコルビン酸等)との組み合わせなどの常温開始の重合開始剤を用いることにより、室温又はそれ以上の温度で重合することも可能である。
《界面活性剤》
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
前述のラジカル重合性単量体を使用して重合を行うためには、界面活性剤を使用して水系媒体中に油滴分散を行う必要がある。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性界面活性剤を好適なものの例として挙げることができる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム等)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等)が挙げられる。
又、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができる。
複合樹脂粒子の質量平均粒径(分散粒子径)は、10〜1000nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは30〜300nmの範囲とされる。
この質量平均粒径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定された値である。
トナーを構成する樹脂成分(複合樹脂粒子により導入される樹脂)のガラス転移温度(Tg)は48〜74℃の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは52〜65℃である。又、当該樹脂成分の軟化温度は95〜140℃の範囲にあることが好ましい。
《着色剤》
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
又、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
又、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
又、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。又、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
《離型剤》
トナー粒子に含有される離型剤の含有量は、トナー粒子全体に対し1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜15質量%が更に好ましい。
トナー粒子に含有される離型剤の含有量は、トナー粒子全体に対し1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましく、3〜15質量%が更に好ましい。
離型剤としては、公知のワックス、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を用いることができ、好ましい離型剤としては下記一般式で表されるエステル系化合物を挙げることができる。
一般式
R1−(OCO−R2)n
式中、nは1〜4の整数を表し、好ましくは2〜4、より好ましくは3〜4であり、特に好ましくは4である。
R1−(OCO−R2)n
式中、nは1〜4の整数を表し、好ましくは2〜4、より好ましくは3〜4であり、特に好ましくは4である。
R1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。
R1:炭素数=1〜40、好ましくは1〜20、より好ましくは2〜5
R2:炭素数=1〜40、好ましくは16〜30、より好ましくは18〜26
以下に、上記一般式で表されるエステル化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
R2:炭素数=1〜40、好ましくは16〜30、より好ましくは18〜26
以下に、上記一般式で表されるエステル化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
《トナー粒子へ外添剤処理》
本発明のトナーは、上記トナー粒子をそのまま用いることもできるが、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤をトナー粒子に混合して使用しても良い。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
本発明のトナーは、上記トナー粒子をそのまま用いることもできるが、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤をトナー粒子に混合して使用しても良い。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては必要に応じて疎水化処理したものを用いても良い。具体的なシリカ微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
又、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
これら外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
《トナー粒子へ滑剤処理》
本発明のトナーには、上記トナー粒子をそのまま用いることもできるが、必要に応じてクリーニング性、転写性の向上の目的でトナー粒子に滑剤を混合して用いても良い。滑剤としては、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
本発明のトナーには、上記トナー粒子をそのまま用いることもできるが、必要に応じてクリーニング性、転写性の向上の目的でトナー粒子に滑剤を混合して用いても良い。滑剤としては、例えばステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウムなどの塩等の高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。
これら滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
(現像剤)
本発明のトナーは、一成分現像剤、非磁性一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
本発明のトナーは、一成分現像剤、非磁性一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れにも使用することができる。又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子に代表される従来から公知の材料を用いることができるが、特に好ましくはフェライト粒子もしくはマグネタイト粒子である。上記キャリアの体積平均粒径は15〜100μmのものが好ましく、20〜80μmのものがより好ましい。
キャリアの体積基準分布のメディアン径D50の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)を用いて測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているコーティングキャリア、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
又、キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=1:1〜50:1の範囲が好ましい。
次に、本発明に用いられる画像形成方法について説明する。
本発明のトナーは、トナー像が形成された転写材を、定着装置を構成する加熱部材間を通過させて定着する接触型定着方式の画像形成装置に好適に使用される。
図2は、本発明に用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。
図2において、1は半導体レーザ光源、2はポリゴンミラー、3はfθレンズ3、4は感光体ドラム、5は帯電器、6は現像器、7は転写器、9は分離器(分離極)、Pは転写材、10は定着装置、11はクリーニング器、12は帯電前露光(PCL)、13はクリーニングブレードを示す。
感光体ドラム4はアルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)を形成してなるものである。
図2において、図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2により、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静電潜像を作る。感光体ドラム4は、予め帯電器5により一様帯電され、像露光のタイミングに合わせて時計方向に回転を開始している。
感光体ドラム面上の静電潜像は、現像器6により現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬送されてきた転写材Pに転写器7の作用により転写される。更に感光体ドラム4と転写材Pは分離器(分離極)9により分離されるが、現像像は転写材Pに転写担持されて、定着装置10へと導かれ定着され、装置外へ搬出される。
感光体面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電される。
本発明に用いられる転写材とは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写体或いは転写紙と通常呼ばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
又、クリーニングブレード13は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウレタンゴムが最も良く用いられる。これは感光体に圧接して用いられるため熱を伝え易いので解除機構を設け、画像形成動作を行っていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《無機微粒子》
無機微粒子としては、以下の4種を準備した。
《無機微粒子》
無機微粒子としては、以下の4種を準備した。
無機微粒子A:「NX90」(日本アエロジル社製)
(平均一次粒径20nmの表面処理された酸化ケイ素)
無機微粒子B:「R976」(日本アエロジル社製)
(平均一次粒径7nmの表面処理れた酸化ケイ素)
無機微粒子C:「STT−550」(チタン工業社製)
(平均一次粒径40nmの表面処理された酸化チタン)
有機微粒子:「MP−300」(綜研化学社製)
(平均一次粒径100nmのアクリル樹脂(比較品))。
(平均一次粒径20nmの表面処理された酸化ケイ素)
無機微粒子B:「R976」(日本アエロジル社製)
(平均一次粒径7nmの表面処理れた酸化ケイ素)
無機微粒子C:「STT−550」(チタン工業社製)
(平均一次粒径40nmの表面処理された酸化チタン)
有機微粒子:「MP−300」(綜研化学社製)
(平均一次粒径100nmのアクリル樹脂(比較品))。
《コア部用ラテックス1の調製》
下記のように、第1段重合、第2段重合、次いで、第3段重合を行い、多層構造を有する「コア部用ラテックス1」を調製した。
下記のように、第1段重合、第2段重合、次いで、第3段重合を行い、多層構造を有する「コア部用ラテックス1」を調製した。
(1)第1段重合
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、下記式(1)で表されるアニオン系界面活性剤4gをイオン交換水3040gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、下記式(1)で表されるアニオン系界面活性剤4gをイオン交換水3040gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
式(1)
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10gをイオン交換水400gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン528g、n−ブチルアクリレート204g、メタクリル酸68g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル24.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
C10H21(OCH2CH2)2OSO3Na
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10gをイオン交換水400gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン528g、n−ブチルアクリレート204g、メタクリル酸68g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル24.4gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
第1段重合で精製した「ラテックス(1H)」の重量平均分子量(Mw)は14000であった。
(2)中間層の形成(第2段重合)
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン95g、n−ブチルアクリレート36g、メタクリル酸9g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル0.59gからなる単量体混合液に、離型剤として、「例示化合物(19)」77gを添加し、90℃に加温し溶解させて「単量体溶液」を調製した。
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン95g、n−ブチルアクリレート36g、メタクリル酸9g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル0.59gからなる単量体混合液に、離型剤として、「例示化合物(19)」77gを添加し、90℃に加温し溶解させて「単量体溶液」を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(上記式(1))1gをイオン交換水1560mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である「ラテックス(1H)」を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック社製)により、前記「単量体溶液」を8時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。尚、乳化粒子の粒子径は284nmであった。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)5gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行い、ラテックスを得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
前記「ラテックス(1HM)」を乾燥し、走査型電子顕微鏡で観察したところ、ラテックスに取り囲まれなかった例示化合物(19)を主成分とする粒子(400〜1000nm)が観察された。第2段重合で精製した「ラテックス(1HM)」のMwは80000であった。
(3)外層の形成(第3段重合)
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)6.8gをイオン交換水265mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン231.8g、n−ブチルアクリレート94.8g、メタクリル酸24g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル7.45gからなる「単量体混合液」を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア部用ラテックス1」を得た。第3段重合で外層形成に用いられた重合体のMwは18000であった。「コア部用ラテックス1」を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は122nmであった。尚、得られた「コア部用ラテックス1」の樹脂のガラス転移温度は45℃であった。
上記の様にして得られた「ラテックス(1HM)」に、重合開始剤(KPS)6.8gをイオン交換水265mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン231.8g、n−ブチルアクリレート94.8g、メタクリル酸24g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル7.45gからなる「単量体混合液」を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア部用ラテックス1」を得た。第3段重合で外層形成に用いられた重合体のMwは18000であった。「コア部用ラテックス1」を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は122nmであった。尚、得られた「コア部用ラテックス1」の樹脂のガラス転移温度は45℃であった。
《コア部用ラテックス2の調製》
「コア部用ラテックス1」の調製において、外層形成(第3段重合)に用いた、スチレンを215.7g、n−ブチルアクリレートを110.5g、メタクリル酸を24.5g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを8.0gに変更した以外は同様にして、「コア部用ラテックス2」を調製した。尚、得られた「コア部用ラテックス2」の樹脂のガラス転移温度は40℃であった。
「コア部用ラテックス1」の調製において、外層形成(第3段重合)に用いた、スチレンを215.7g、n−ブチルアクリレートを110.5g、メタクリル酸を24.5g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを8.0gに変更した以外は同様にして、「コア部用ラテックス2」を調製した。尚、得られた「コア部用ラテックス2」の樹脂のガラス転移温度は40℃であった。
《シェル用ラテックス1の調製》
上記の「コア部用ラテックス1」の第1段重合において、スチレンを544g、n−ブチルアクリレートを188g、メタクリル酸を68g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを24.4gに変更した「単量体混合液」に、更に「無機微粒子A」を40g添加した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い「シェル用ラテックス1」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス1」の樹脂のガラス転移温度は55℃であった。
上記の「コア部用ラテックス1」の第1段重合において、スチレンを544g、n−ブチルアクリレートを188g、メタクリル酸を68g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを24.4gに変更した「単量体混合液」に、更に「無機微粒子A」を40g添加した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い「シェル用ラテックス1」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス1」の樹脂のガラス転移温度は55℃であった。
《シェル用ラテックス2、3の調製》
「シェル用ラテックス1」の調製において用いた「無機微粒子A」を、「無機微粒子B」、「無機微粒子C」に変更した以外は同様にして「シェル用ラテックス2」、「シェル用ラテックス3」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス2」と「シェル用ラテックス3」のガラス転移温度は54℃であった。
「シェル用ラテックス1」の調製において用いた「無機微粒子A」を、「無機微粒子B」、「無機微粒子C」に変更した以外は同様にして「シェル用ラテックス2」、「シェル用ラテックス3」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス2」と「シェル用ラテックス3」のガラス転移温度は54℃であった。
《シェル用ラテックス4の調製》
上記の「コア部用ラテックス1」の第1段重合において、スチレンを544g、n−ブチルアクリレートを188g、メタクリル酸を68g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを24.4gに変更した単量体混合液に、更に「無機微粒子A」を40g添加した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、「シェル用ラテックス4」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス4」の樹脂のガラス転移温度は53℃であった。
上記の「コア部用ラテックス1」の第1段重合において、スチレンを544g、n−ブチルアクリレートを188g、メタクリル酸を68g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステルを24.4gに変更した単量体混合液に、更に「無機微粒子A」を40g添加した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、「シェル用ラテックス4」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス4」の樹脂のガラス転移温度は53℃であった。
《シェル用ラテックス5の調製》(比較用)
「シェル用ラテックス4」の調製において用いた「無機微粒子A」を、前述の「有機微粒子」に変更した以外は同様にして「シェル用ラテックス5」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス5」の樹脂のガラス転移温度は53℃であった。
「シェル用ラテックス4」の調製において用いた「無機微粒子A」を、前述の「有機微粒子」に変更した以外は同様にして「シェル用ラテックス5」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス5」の樹脂のガラス転移温度は53℃であった。
《シェル用ラテックス6の調製》(比較用)
「シェル用ラテックス4の調製」において用いた「無機微粒子A」を、添加しなかった以外は同様にして「シェル用ラテックス6」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス6」の樹脂のガラス転移温度は53℃であった。
「シェル用ラテックス4の調製」において用いた「無機微粒子A」を、添加しなかった以外は同様にして「シェル用ラテックス6」を調製した。尚、得られた「シェル用ラテックス6」の樹脂のガラス転移温度は53℃であった。
《トナー粒子の作製例》
下記のようにして、トナー粒子を作製した。
下記のようにして、トナー粒子を作製した。
《トナー粒子1の作製》
(1)着色剤分散液1の調製
前記式(1)で表されるアニオン性界面活性剤90gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)400.0gを徐々に添加し、次いで、攪拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理して「着色剤分散液1」を調製した。
(1)着色剤分散液1の調製
前記式(1)で表されるアニオン性界面活性剤90gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)400.0gを徐々に添加し、次いで、攪拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理して「着色剤分散液1」を調製した。
この「着色剤分散液1」における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(2)(凝集・融着)会合粒子の調製:コア部形成
「コア部用ラテックス1」420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと「着色剤分散液1」200gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11.0に調整した。
「コア部用ラテックス1」420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと「着色剤分散液1」200gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温した。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、個数平均粒径が4〜7μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に、熟成処理として液温度98℃にて6時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させ、「コア部」を形成させた。
(3)シェリング操作(シェルの形成)
次いで、「シェル用ラテックス1」96gを添加し、3時間にわたり加熱攪拌を継続し、コア部表面に「シェル用ラテックス1」のラテックス粒子を融着させ、シェル層を形成させた。
次いで、「シェル用ラテックス1」96gを添加し、3時間にわたり加熱攪拌を継続し、コア部表面に「シェル用ラテックス1」のラテックス粒子を融着させ、シェル層を形成させた。
ここで、塩化ナトリウム40.2gを加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、攪拌を停止した。生成した塩析、凝集、融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア・シェル構造を有する「トナー粒子1」を得た。
尚、トナー粒子作製において、前記、凝集工程のpH、「シェル用ラテックス1」の添加タイミング、攪拌強度を制御することにより、分散状態を制御し、更に、液中分級により、粒径及び粒度分布等を任意に調整できる。
《トナー粒子2、3の作製》
「トナー粒子1」の作製において用いた「コア部用ラテックス1」、「シェル用ラテックス1」を、表1に記載のコア部用ラテックス、シェル用ラテックスに、シェル層の膜厚を変更した以外は同様にして「トナー粒子2〜7」を作製した。
「トナー粒子1」の作製において用いた「コア部用ラテックス1」、「シェル用ラテックス1」を、表1に記載のコア部用ラテックス、シェル用ラテックスに、シェル層の膜厚を変更した以外は同様にして「トナー粒子2〜7」を作製した。
《トナー粒子8の作製》
「トナー粒子1」の作製において、「シェル層」の形成工程を行わなかった以外は同様にして「トナー粒子8」を作製した。
「トナー粒子1」の作製において、「シェル層」の形成工程を行わなかった以外は同様にして「トナー粒子8」を作製した。
表1に、上記で作製した各トナー粒子の詳細を示す。
《トナーの調製》
上記で調製した「トナー粒子1〜8」に、それぞれ疎水性シリカ(数平均一次粒径=12nm、疎水化度=68)を1.0質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1〜8」調製した。本発明のトナーを「実施例1〜5」、比較例のトナーを「比較例1〜3」とする。
上記で調製した「トナー粒子1〜8」に、それぞれ疎水性シリカ(数平均一次粒径=12nm、疎水化度=68)を1.0質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1〜8」調製した。本発明のトナーを「実施例1〜5」、比較例のトナーを「比較例1〜3」とする。
《現像剤の調製》
次いで、上記調製した各トナーに対して、シリコン樹脂を被覆した体積基準分布のメディアン径D50が50μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が6質量%の現像剤1〜8を各々調製した。
次いで、上記調製した各トナーに対して、シリコン樹脂を被覆した体積基準分布のメディアン径D50が50μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が6質量%の現像剤1〜8を各々調製した。
《評価》
上記で作製したトナーについて、下記の項目を評価した。尚、現像剤は各トナーに対応したものを用いた。
上記で作製したトナーについて、下記の項目を評価した。尚、現像剤は各トナーに対応したものを用いた。
(目視評価)
〈保存安定性〉
上記調製した各トナー2gをサンプル管に取り、タッピングデンサーで500回振とうした後、55℃、35%RHの環境下で2時間放置した。次いで、48メッシュの篩いに入れ、一定の振動条件で篩い、メッシュ上の残留したトナー量の比率(質量%)を測定し、これをトナー凝集率とし、下記のようにトナー保存性をランク評価した。
〈保存安定性〉
上記調製した各トナー2gをサンプル管に取り、タッピングデンサーで500回振とうした後、55℃、35%RHの環境下で2時間放置した。次いで、48メッシュの篩いに入れ、一定の振動条件で篩い、メッシュ上の残留したトナー量の比率(質量%)を測定し、これをトナー凝集率とし、下記のようにトナー保存性をランク評価した。
◎:トナー凝集率が15質量%未満である(保存性が極めて良好)
○:トナー凝集率が15〜45質量%である(保存性が良好)
△:トナー凝集率が46〜60質量%である(実用可)
×:トナー凝集率が60質量%を越える(実用不可)。
○:トナー凝集率が15〜45質量%である(保存性が良好)
△:トナー凝集率が46〜60質量%である(実用可)
×:トナー凝集率が60質量%を越える(実用不可)。
〈耐熱保管性〉
上記調製した各トナー100gを200mlのビーカーに入れ、55℃、90%RHの条件下で24時間放置した後、目開き45μmのフルイで篩い、フルイ上に残った凝集物の量(割合)でトナー保管安定性を評価した。
上記調製した各トナー100gを200mlのビーカーに入れ、55℃、90%RHの条件下で24時間放置した後、目開き45μmのフルイで篩い、フルイ上に残った凝集物の量(割合)でトナー保管安定性を評価した。
評価基準
◎:フルイ上の量が、5%未満で凝集非常に少なく優良(断熱梱包材全く無しで夏場に輸送を行っても凝集物の発生無し)
○:フルイ上の量が、5〜30%未満で凝集量少なく良好(ダンボール梱包のみで夏場に輸送を行っても凝集物の発生無し)
×:フルイ上の量が、30%以上で凝集量が多く実用上問題(保冷輸送の必要有り)。
◎:フルイ上の量が、5%未満で凝集非常に少なく優良(断熱梱包材全く無しで夏場に輸送を行っても凝集物の発生無し)
○:フルイ上の量が、5〜30%未満で凝集量少なく良好(ダンボール梱包のみで夏場に輸送を行っても凝集物の発生無し)
×:フルイ上の量が、30%以上で凝集量が多く実用上問題(保冷輸送の必要有り)。
(画像評価)
画像評価用の評価機としては、市販の複合機「Sitios7165」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用いた。
画像評価用の評価機としては、市販の複合機「Sitios7165」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用いた。
〈定着性〉
定着性の評価は、常温常湿(20℃、50%RH)の環境で行った。
定着性の評価は、常温常湿(20℃、50%RH)の環境で行った。
上記評価機の定着器の加熱ローラ表面温度を、紙温度が100〜150℃の範囲で10℃刻みで変化するように変更し、各変更温度でトナー画像を定着して定着画像を作製した。尚、プリント画像の作製に当たっては、A4版の普通紙(坪量64g/m2)を使用した。
定着して得られたプリント画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて定着率により評価した。
具体的には、トナー付着量が0.6mg/cm2である2.54cm角のベタ黒プリント画像を作製した後、「スコッチメンディングテープ」(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。
定着率が95%以上得られた定着温度を定着可能温度とする。尚、画像濃度の測定には反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
評価基準
◎:紙温度120℃以下での定着が可能
○:紙温度140℃以下での定着が可能
×:紙温度140℃以下での定着ができない。
◎:紙温度120℃以下での定着が可能
○:紙温度140℃以下での定着が可能
×:紙温度140℃以下での定着ができない。
〈定着オフセット〉
定着オフセットの評価は、低温低湿(10℃、20%RH)の環境で、画素率5%の線画原稿を用いて行った。同環境にて調湿されたA3版の上質紙(65g/m2)で連続1000枚のプリントを行い、1000枚のプリント後の画像上及び熱ロール表面を直接目視観察し、プリント画像及び熱ロール表面に発生したトナー付着によるオフセットの程度で評価した。
定着オフセットの評価は、低温低湿(10℃、20%RH)の環境で、画素率5%の線画原稿を用いて行った。同環境にて調湿されたA3版の上質紙(65g/m2)で連続1000枚のプリントを行い、1000枚のプリント後の画像上及び熱ロール表面を直接目視観察し、プリント画像及び熱ロール表面に発生したトナー付着によるオフセットの程度で評価した。
評価基準
◎:画像上及び熱ロール表面ともにオフセットの発生が見られず良好
○:画像上には見られないが熱ロールにはオフセットが発生しているが実用問題ない
×:画像上にオフセットによる汚れが発生し実用上問題有り。
◎:画像上及び熱ロール表面ともにオフセットの発生が見られず良好
○:画像上には見られないが熱ロールにはオフセットが発生しているが実用問題ない
×:画像上にオフセットによる汚れが発生し実用上問題有り。
評価結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明の「実施例1〜5」は何れの評価項目も優れているが、本発明外の「比較例1〜3」は少なくとも何れかの評価項目に問題が有ることがわかる。
10 コア部
11 樹脂A
12 着色剤
20 シェル層
21 樹脂B
22 無機微粒子
11 樹脂A
12 着色剤
20 シェル層
21 樹脂B
22 無機微粒子
Claims (10)
- コア部にシェル層を被覆してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コア部が着色剤と樹脂を含有し、該シェル層が樹脂と無機微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 前記コア部の樹脂のガラス転移温度が0℃〜55℃、前記シェル層の樹脂のガラス転移温度が55℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記シェル層に含有する無機微粒子が、無機酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記無機微粒子が、酸化ケイ素又は酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記無機微粒子が、表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記無機微粒子の粒径が、1〜100nmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記シェル層の厚さが、0.05〜0.5μmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- コア部の表面に無機微粒子を含有する樹脂を被覆してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記コア部の表面に、無機微粒子を含有した樹脂微粒子を凝集、融着させてシェル層を形成することを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記コア部の表面に、無機微粒子を含有したラジカル重合性単量体を吸着させ、重合させることによりシェル層を形成することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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Legal Events
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