JP2008014999A - 静電荷現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷現像用トナー及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性を確保しつつ、印字率が低く現像機内での滞留時間が長くなることによるトナー劣化を抑制した静電荷現像用トナー、及び該静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法を提供すること。
【解決手段】コア・シェル構造を有する静電荷現像用トナーにおいて、コアはガラス転移温度(Tg1)が20〜40℃の結着樹脂と着色剤、離型剤を含み、シェルはガラス転移温度(Tg2)が40〜60℃の結着樹脂からなり、Tg2−Tg1≧10℃の関係の関係を満たし、且つ平均円形度が0.960〜0.985である着色粒子と個数平均粒径が50〜200nmの有機微粒子とを含有することを特徴とする静電荷現像用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷現像用トナー、及び該静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法に関する。
複写機の低消費電力化に伴い、低温定着可能な静電荷現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)の開発が進められている。この低温定着化のための技術手段として、トナーのガラス転移温度(Tg)を低下させることにより、より低温でのトナーの融解・定着を可能にすることができる。しかしながらトナーの熱物性を低くすることにより凝集性・保存性が悪化し、機内での流動性の悪化や現像性の低下等、様々な副作用を引き起こすことが考えられるため、例えば、従来のようにトナー表面に無機微粒子を保持しようとするとその表面硬度差から無機微粒子はトナー表面に埋没してしまい、トナー表面の変化のために画像安定性が悪化してしまう。
一方、トナーは流動性の付与などトナーとして必要な機能を持たせるために外添剤を付与することが必須である。そのような外添剤として、例えば、小径のシリカ、チタニアなどが用いられる。
現在、画像のフルカラー化が進んでおり、それに伴って多種多様な印字パターンに対応することが望まれている。例えば、オフィスでは全色を用いる写真画像のようなものより、黒の文字画像に少量のカラー部分が入るというような画像ニーズが高い。このような場合には、ある色は高印字率でトナーが多量消費されていくのに対し、印字率の低い色はトナーが低消費の状態で現像機内で長時間撹拌されることにより、トナー表面にストレスを受け、外添剤の埋没による現像剤の劣化が生じる。特に低Tg化したトナーにおいては、樹脂の柔らかさ故に外添剤の埋没が発生しやすく、その結果トナーの転写率が大きく低下し、画像安定性が印字率により変動してしまう難点があった。
このようなストレスに対して、トナーへの外添剤埋没を抑制するために大粒径の無機微粒子を用いることが有効であることが開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。また、トナー転写性の向上のために外添剤として大粒径の樹脂粒子を用いることも開示されている。(例えば、特許文献4参照。)
しかしながら、低温定着用に設計されたトナーを低印字率で用いるような条件下においても、外添剤埋没を抑制しつつ、トナーの転写性を長期に亘って維持できるトナーを得ることはできなかったのである。
特開平7−28276号公報 特開平9−319134号公報 特開平10−312089号公報 特開2004−163612号公報
本発明の目的は、低温定着性を確保しつつ、印字率が低く現像機内での滞留時間が長くなることによるトナー劣化を抑制した静電荷現像用トナー、及び該静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
1.コア・シェル構造を有する静電荷現像用トナーにおいて、コアはガラス転移温度(Tg1)が20〜40℃の結着樹脂と着色剤、離型剤を含み、シェルはガラス転移温度(Tg2)が40〜60℃の結着樹脂からなり、Tg2−Tg1≧10℃の関係の関係を満たし、且つ平均円形度が0.960〜0.985である着色粒子と個数平均粒径が50〜200nmの有機微粒子とを含有することを特徴とする静電荷現像用トナー。
2.感光体上に形成されたトナー像を転写材に転写後、該感光体上に残留するトナーをクリーニング除去する画像形成方法において、該トナーが前記1に記載の静電荷現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
本発明により、低温定着性を満足すると共に、印字率が低く現像機内での滞留時間が長くともトナー劣化が少ない静電荷現像用トナー、及び該静電荷現像用トナーを用いる画像形成方法を提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者は、コア・シェル構造を有するトナーにおいて、コアはガラス転移温度(Tg1)が20〜40℃の結着樹脂と着色剤、離型剤を含み、シェルはガラス転移温度(Tg2)が40〜60℃の結着樹脂からなり、Tg2−Tg1≧10℃の関係の関係を満たし、且つ平均円形度が0.960〜0.985である着色粒子表面に、個数平均粒径が50〜200nmの有機微粒子を存在させることを特徴とする静電荷現像用トナーにより、現像機内での滞留時間が長くなることによるトナー劣化、特に具体的にはクリーニング性能が低下せず、高い転写性能を維持できることを見出し、本発明に到った次第である。
本発明のトナーはコア・シェル構造を有し、ガラス転移温度が20〜40℃のコアにガラス転移温度が40〜60℃のシェルを被覆するが、現像機内での撹拌による発熱と特に高温高湿下においてはコアのガラス転移点を超えるため、シェルによりコアを保護してもトナーは変形しやすい状態となり、ストレス耐性は低下する。
従来のようにトナー表面に50〜200nm程度の無機粒子を保持しようとすると、その表面硬度差から無機粒子はトナー内部に埋没してしまい、トナー表面同士が擦れ合うことから、シェル層が摩滅破壊されコアが浸み出し、本来有しているトナー機能を発現できない。そこで表面硬度差が小さく、絶縁体であるためにトナーとの付着性の高い樹脂粒子を選択することで、シェル層の摩滅破壊を抑制し、且つトナー表面の有機微粒子の存在状態変化を小さくでき、画像安定化を図ることができる。
該有機微粒子をトナー表面に安定に存在させるためには、トナー表面の凹凸を制御する必要があり、円形度としては0.960〜0.985が好ましい。円形度0.960未満ではトナー表面の凹部分に樹脂粒子が集中してしまい、感光体表面、転写部材表面との付着力を低減できない。円形度0.985を超えるとトナーの転写性は高いものの、感光体、転写部材でのクリーニングが低下し、トナーのすり抜けが発生してしまう。
本発明に係る個数平均粒径が50〜200nmである有機微粒子とは、具体的にはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA樹脂)、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン樹脂等が挙げられ、その添加量は0.5〜2.0質量部が好ましい。個数平均粒径が50nm未満ではトナー表面に埋没し、転写効率を長期に亘って維持することが難しい。一方、200nmを超えるとトナー表面に保持することが難しいのである。上記の問題に対して、70〜100nmであるとより効果が得られる。
〈有機微粒子の個数平均粒径〉
着色粒子に外添される有機微粒子の個数平均粒径は、具体的には下記の方法によって測定されるものである。
走査型電子顕微鏡にて3万倍写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置LUZEX AP(ニレコ製)にて、該写真画像のトナー表面に存在する外添剤について2値化処理し、有機微粒子1種につき100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均粒径とする。なお、有機微粒子がいくつかの凝集体としてトナー表面に存在する場合は、該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
また、レーザー回析散乱法を用いたMicrotrac法での測定も可能である。
〈着色粒子の平均円形度〉
着色粒子の円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散を1分行い分散した後、「FPIA−2100」を用い、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにてHPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。この範囲であれば、再現性のある同一測定値が得られる。下記式にて定義された円形度を測定した。
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、平均円形度は各粒子の円形度を足し合わせ、全粒子数で割り算して算出した値である。なお、トナーから脱離した外添剤のデータを拾わないために、円形度の測定には個数基準粒子径2μm以上の粒子の測定によるものとする。
〈ガラス転移温度〉
ガラス転移温度の算出方法として、本発明では以下のような理論ガラス転移温度を算出してもよい。ここで、理論ガラス転移温度とは、共重合体樹脂を構成するそれぞれの成分がホモポリマーを形成した場合のガラス転移温度にそれぞれの組成質量分率を乗じ、即ち加重平均して算出したものである。
即ち、理論ガラス転移温度Tg(絶対温度Tg′とする)は、共重合体樹脂を構成する成分のホモポリマーのガラス転移温度を用いて下記式(1)から算出される。
式(1) 1/Tg′=W1/T1+W2/T2+・・・+Wn/Tn
式中、W1、W2、・・・Wnは共重合体樹脂を構成する全重合性単量体に対する各重合性単量体の質量分率、T1、T2・・・Tnは各重合性単量体を用いて形成されるホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度)を示す。
ガラス転移温度は、示差熱量分析装置(DSC)により測定することができる。測定装置としては、パーキンエルマー社製のDSC−7を挙げられる。
ガラス転移温度の具体的な測定方法は、例えば、昇温・冷却条件として、−30℃で1分間放置後、10℃/minの条件で100℃まで昇温し(第一の昇温過程)、次いで100℃で1分間放置後、10℃/minの条件で0℃まで冷却する(第一の冷却過程)。この操作により前履歴を消去する。次いで、0℃で1分間放置後、10℃/minの条件で100℃まで昇温する(第二の昇温過程)。そして、セカンドヒート(第二の昇温)の吸熱ピーク温度を求め、Tgとする方法が挙げられる。
なお、ガラス転移温度Tgは測定時、ガラス転移領域におけるDSCサーモグラムのガラス転移点以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度と定める。
また、ガラス転移温度は原子間力顕微鏡を用いて測定することも可能である。即ち、原子間力顕微鏡のステージを0〜60℃まで加熱し、トナー切片やブロックの硬さが変化する温度をガラス転移温度としてよい。
本発明のトナーを作製する上で、トナー中のコア部とシェル層を形成する結着樹脂の分子量をそれぞれ特定範囲に設定することが好ましい。具体的には、コア部を構成する結着樹脂の重量平均分子量を5,000〜30,000、シェル層を構成する結着樹脂の重量平均分子量を10,000〜80,000、更にコア部を構成する結着樹脂の重量平均分子量を15,000〜28,000、シェル層を構成する結着樹脂の重量平均分子量を10,000〜50,000の範囲にそれぞれピーク分子量を設定することが好ましい。
次に、本発明で用いられる材料について説明する。
(有機微粒子以外の外添剤)
有機微粒子以外の外添剤としては、無機微粒子が挙げられる。
無機微粒子を構成する材料としては、各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等が挙げられる。更に、上記無機微粒子に疎水化処理を行ったものが好ましく用いられる。
また、外添剤として滑剤を使用してもよい。滑剤としては高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム等のリシノール酸金属塩等が挙げられる。
(樹脂)
本発明で用いられる結着樹脂のガラス転移温度は、コアは20〜40℃、シェルは40〜60℃であるが、ビニル系共重合体を構成する単量体の組成比を変えることにより制御することが可能であり、例えば、スチレンとメタクリル酸ブチルを用いて形成された共重合体樹脂ではスチレンの組成比を増大させ、メタクリル酸ブチルの組成比を減少させることによりガラス転移温度の値が上昇することが確認されている。
コア部を形成する結着樹脂及びシェル層を形成する結着樹脂は、スチレン−アクリル系共重合樹脂が好ましい。
コア部を形成する結着樹脂を作製する単量体には、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き下げる重合性単量体を共重合することが好ましい。
コア部を形成する共重合体樹脂における上記重合性単量体の共重合体比は、8〜80質量%であり、9〜70質量%が好ましい。
また、これらの重合性単量体は、上記の他に酸、酸無水物、あるいはビニルカルボン酸金属塩の形態を有するものであってもよい。
また、本発明では、スチレン系単量体を併用してコア部を形成する共重合体樹脂を形成してもよい。
シェル層を形成する結着樹脂を作製する単量体には、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き上げる重合性単量体を共重合することが好ましい。シェル層を形成する共重合体樹脂における上記重合性単量体の共重合体比は、8〜80質量%であり、9〜20質量%が好ましい。
また、これらの重合性単量体は上記の他に酸無水物、あるいはビニルカルボン酸金属塩の形態を有するものであってもよい。
(重合性単量体)
本発明のトナーを構成する樹脂を得るための重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、特に酸性基を有するラジカル重合性単量体から選ばれた少なくとも1種類の単量体を使用することが好ましい。また、必要に応じて架橋剤を使用することもできる。かかるラジカル重合性単量体としては、例えば、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を挙げることができる。
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体及びその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等のカルボン酸基含有単量体;スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等のスルホン酸基含有単量体が挙げられる。酸性基を有するラジカル重合性単量体の全部または一部は、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩またはカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。使用する単量体(単量体混合物)に占める酸性基を有するラジカル重合性単量体の割合としては0.1〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜15質量%である。
トナーの耐ストレス性等の特性を改良する為に、ラジカル重合性の架橋剤を添加して前記ラジカル重合性単量体と共重合させてもよい。かかるラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有する化合物が挙げられる。使用する単量体(単量体混合物)に占めるラジカル重合性架橋剤の割合としては0.1〜10質量%であることが好ましい。
(連鎖移動剤)
樹脂の分子量を調整する為には、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(ラジカル重合開始剤)
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は、水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等のアゾ系化合物、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用してもよい。レドックス系開始剤を用いることで重合活性が上昇し、重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
(界面活性剤)
前記ラジカル重合性単量体を使用して乳化重合を行う際、使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものではないが、下記のイオン性界面活性剤が好適に用いられる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができるが、必要に応じて前述したイオン性界面活性剤と併用して重合を行ってもよい。
本発明において、これらは主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的、例えば、会合粒子の分散剤等の目的で使用してもよい。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用可能で、具体的には、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。含有量は、樹脂(結着樹脂)100質量部に対し1〜20質量部が好ましい。
(離型剤)
本発明ではトナーに適度な離型性を付与し、オフセットの発生を防止するためにトナーの中に離型剤(以下、ワックスともいう)を含有させることが好ましい。前記離型剤はその融点が40〜150℃のものが好ましく、50〜110℃のものがより好ましい。
上記範囲内に融点を有することにより、定着温度を低温に設定しても良好な定着性が得られるとともに、良好な耐オフセット性や耐久性が得られることが確認されている。
なお、離型剤の融点は示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。即ち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば、(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
本発明に用いることができる離型剤としては、例えば、固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスが好ましく用いられる。
本発明では、下記一般式で表されるエステル系化合物が特に好ましい。
1−(OCO−R2n
式中、nは1〜4の整数で、好ましくは2〜4、より好ましくは3〜4、更に好ましくは4である。R1、R2は各々置換基を有してもよい炭化水素基を示す。R1は炭素数1〜40、好ましくは1〜20、更に好ましくは2〜5がよい。R2は炭素数1〜40、好ましくは16〜30、更に好ましくは18〜26がよい。
また、本発明では、離型剤を後述する界面活性剤や分散剤を用いて水系媒体中で加熱撹拌してなる分散液を用いてトナーの形成を行うものであってもよい。この場合、例えば、離型剤を乳化して作製されるワックスエマルジョンを作製し、樹脂粒子を凝集させる時に着色剤分散液とともに凝集させて添加することが可能である。
(荷電制御剤)
本発明のトナーは、必要に応じて荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えば、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられ、具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、アゾ系金属錯塩化合物のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。この中でもアゾ系金属錯塩化合物が好ましく、例えば、特開2002−351150号公報の段落0009〜0012に開示されるものが好ましく用いられる。
本発明において、荷電制御剤の使用量は結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、0.1〜2質量部の範囲で用いられる。好ましくは0.2〜5質量部の範囲がよい。
本発明では、荷電制御剤をトナー表面近傍に含有させることが好ましい。即ち、トナー表面近傍に含有させることによりトナーに帯電性を効果的に付与するとともに、トナー表面に荷電制御剤を露出させない様に含有させてトナーの流動性を確保することが可能である。
具体的な含有方法としては、例えば、トナーを構成する樹脂粒子への荷電制御剤の添加量を制御する方法が挙げられる。即ち、トナーの表面近傍を構成する樹脂粒子に多めに荷電制御剤を添加しておき、荷電制御剤を添加していない樹脂粒子でトナー表面を形成する様に樹脂粒子を凝集させる方法や、荷電制御剤を含有させた樹脂粒子を凝集させた後、凝集粒子表面に荷電制御剤を含有していない樹脂成分でカプセル化する方法が挙げられる。
樹脂粒子内へ含有させる方法としては、結着樹脂とともに混練し、その分散径を調節、脱離したりする場合は水相側に添加し、凝集工程や乾燥工程時にトナーに組み込んでも構わない。
本発明のトナーは上記材料を用い、下記の方法により有効に製造され得る。
本発明のトナーの製造方法の一例としては、前記ラジカル重合性単量体を用いて樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程、水系媒体中で樹脂微粒子分散液、着色剤微粒子分散液等を混合し、各微粒子を融着させてトナー(会合粒子)を得る会合・融着工程、トナーの分散液から当該トナーを濾別し、当該トナーから界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程、洗浄処理されたトナーを乾燥する乾燥工程から構成される。以下に、各工程の概要について説明する。
(重合工程)
重合工程は、水系媒体(界面活性剤及びラジカル重合開始剤の水溶液)中にラジカル重合性単量体溶液の液滴を形成させ、前記ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において乳化重合反応を進行させる。なお、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。重合温度は重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択してもよいが、例えば、50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤、例えば、過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いることで室温またはそれ以上の温度で重合することも可能である。
(塩析/融着(会合・融着)工程)
会合・融着工程は、前記重合工程により得られた樹脂微粒子分散液に着色剤微粒子分散液等を水系媒体中にて混合し、各微粒子を塩析により会合させ、更に加熱することにより融着させる。当該工程においては、樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに、離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子なども同時に融着させてもよい。
着色剤微粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザーや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。
各微粒子を塩析・融着させる方法としては、樹脂微粒子や着色剤微粒子等が存在している水系媒体中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加した後、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上に加熱することによって行われる。ここで用いられる塩析剤としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられ、アルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を挙げることができるが、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられる。また塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
塩析剤を添加する際の前記分散液混合液の温度範囲としては、樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
(濾過・洗浄工程)
濾過・洗浄工程は、上記の工程で得られたトナーの分散液から当該トナーを濾別する濾過処理と、濾別されたトナーから共存する界面活性剤や塩析剤などを除去する洗浄処理とを行うものである。ここで、濾過処理方法としては遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(乾燥工程)
乾燥工程は、洗浄処理されたトナーを乾燥処理する工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが好ましく使用される。乾燥処理されたトナーの水分は5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理されたトナー同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(外添剤混合工程)
本発明のトナーは上記トナーをそのまま用いることもできるが、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で、所謂外添剤をトナーに混合して使用する。有機微粒子の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
(現像剤)
本発明のトナーは、一成分現像剤、非磁性一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれにも使用することができる。また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子に代表される従来から公知の材料を用いることができるが、特に好ましくはフェライト粒子、もしくはマグネタイト粒子である。上記キャリアの個数平均粒径は15〜100μmのものが好ましく、20〜80μmのものがより好ましい。
キャリアの体積基準分布のメディアン径D50の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)を用いて測定することができる。
キャリアは磁性粒子が更に樹脂により被覆されているコーティングキャリア、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させた、いわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
また、キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=1:1〜50:1の範囲が好ましい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の「部」とは「質量部」のことである。
実施例1
〔コア用樹脂粒子の調製〕
《コア用樹脂粒子1の調製》
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器において、スチレン90.8部、n−ブチルアクリレート72.7部、メタクリル酸12.3部の混合液に離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)を93.8部添加し、80℃に加温し溶解した。
一方、アニオン系界面活性剤(下記構造式1)2.9部をイオン交換水1340部に溶解させた界面活性剤溶液を調製した。
この界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散「クレアミックス」(エムテクニック社製)により、上記重合性単量体溶液を2時間混合分散させ、分散粒子(245nm)を有する乳化粒子を含む乳化液を調製した。
次いで、イオン交換水1460部を添加した後、重合開始剤(過硫酸カリウム)6部をイオン交換水142部に溶解させた開始剤溶液と、n−オクチルメルカプタン1.5部とを添加し、温度を80℃とした後、この系を80℃にて3時間に亘り加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子C1」とする。
(2)第2段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂粒子C1」に、過硫酸カリウム5.1部をイオン交換水197部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下にスチレン274.1部、n−ブチルアクリレート168.6部、メタクリル酸5.2部、n−オクチルメルカプタン6.6部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間に亘り加熱撹拌することにより第2段重合(外層の形成)を行った後、28℃まで冷却し、「コア用樹脂粒子1」を得た。
なお、コア用樹脂粒子1の重量平均分子量は21,300であった。「コア用樹脂粒子1」を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は180nmであった。また、この樹脂粒子のTgは20.1℃、SP値は10.10であった。
《コア用樹脂粒子2の調製》
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器にアニオン系界面活性剤(下記構造式1)4部をイオン交換水3040部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
(構造式1) C1021(OCH2CH22SO3Na
この界面活性剤溶液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10部をイオン交換水400部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン532部、n−ブチルアクリレート200部、メタクリル酸68部、n−オクチルメルカプタン16.4部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間に亘り加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子A1」とする。
(2)第2段重合(中間層の形成)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン101.1部、n−ブチルアクリレート62.2部、メタクリル酸12.3部、n−オクチルメルカプタン1.75部からなる単量体混合液に、離型剤として、パラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)93.8部を添加し、90℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(上記構造式1)3部をイオン交換水1560部に溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に樹脂粒子A1の分散液である「樹脂粒子A1」を固形分換算で32.8部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記ワックスの単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径340nmを有する乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に過硫酸カリウム6部をイオン交換水200部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間に亘り加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を「樹脂粒子A2」とする。
(3)第3段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂粒子A2」に、過硫酸カリウム5.45部をイオン交換水220部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下、スチレン293.8部、n−ブチルアクリレート154.1部、n−オクチルメルカプタン7.08部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間に亘り加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア用樹脂粒子2」を得た。コア用樹脂粒子2の重量平均分子量は26,800であった。
「コア用樹脂粒子1」を構成する複合樹脂粒子(樹脂粒子)の質量平均粒径は125nmであった。また、この樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は28.1℃、溶解性パラメーターの値(SP値)は10.09であった。
《コア用樹脂粒子3の調製》
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器において、スチレン115.9部、n−ブチルアクリレート47.4部、メタクリル酸12.3部の混合液に離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)を93.8部添加し、80℃に加温し溶解した。
一方、アニオン系界面活性剤(上記構造式1)2.9部をイオン交換水1340部に溶解させた界面活性剤溶液を調製した。
この界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散「クレアミックス」(エムテクニック社製)により、上記重合性単量体溶液を2時間混合分散させ、分散粒子(245nm)を有する乳化粒子を含む乳化液を調製した。
次いで、イオン交換水1460部を添加した後、重合開始剤(過硫酸カリウム)6.1部をイオン交換水237部に溶解させた開始剤溶液と、n−オクチルメルカプタン1.8部とを添加し、温度を80℃とした後、この系を80℃にて3時間に亘り加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子C2」とする。
(2)第2段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂粒子C2」に、過硫酸カリウム3.8部をイオン交換水148部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下、スチレン300.9部、n−ブチルアクリレート146.9部、メタクリル酸3部、n−オクチルメルカプタン4.93部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間に亘り加熱撹拌することにより第2段重合(外層の形成)を行った後、28℃まで冷却し、「コア用樹脂粒子3」を得た。
なお、コア用樹脂粒子3の重量平均分子量は25,800であった。「コア用樹脂粒子3」を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は175nmであった。また、この樹脂粒子のTgは38.2℃、SP値は10.09であった。
《コア用樹脂粒子4の調製》
コア用樹脂粒子3の調製の第1段重合における、スチレン115.9部、n−ブチルアクリレート47.4部、イオン交換水237部をそれぞれスチレン132.8部、n−ブチルアクリレート36.4部、イオン交換水248部に変更した以外は、同様にして「コア用樹脂粒子4」を得た。この樹脂粒子のTgは45℃であった。
Figure 2008014999
〔シェル用樹脂粒子の調製〕
《シェル用樹脂粒子1の調製》
上記の「コア用樹脂粒子2」の第1段重合において、スチレンを528部、2−エチヘキシルアクリレートを208部、メタクリル酸を64部、n−オクチルメルカプタンを16.5部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、「シェル用樹脂粒子1」を調製した。
《シェル用樹脂粒子2の調製》
「シェル用樹脂粒子1」の調製において、スチレンを144部、メタクリル酸メチルを400部、2−エチルヘキシルメタクリレートを240部、メタクリル酸56部をイタコン酸16部、n−オクチルメルカプタンを8.0部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、「シェル用樹脂粒子2」を調製した。
《シェル用樹脂粒子3の調製》
「シェル用樹脂粒子1」の調製において、スチレンを585.6部、2−エチヘキシルアクリレートを138.4部、メタクリル酸を56部、n−オクチルメルカプタンを16.5部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、「シェル用樹脂粒子3」を調製した。
《シェル用樹脂粒子4の調製》
「シェル用樹脂粒子1」の調製において、スチレンを560部、2−エチヘキシルアクリレートを144部、メタクリル酸を96部、n−オクチルメルカプタンを16.5部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、「シェル用樹脂粒子4」を調製した。
《シェル用樹脂粒子5の調製》
上記の「コア用樹脂粒子2」の第1段重合において、スチレンを624部、2−エチヘキシルアクリレートを120部、メタクリル酸を56部、n−オクチルメルカプタンを16.4部に変更した単量体混合液を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行い、「シェル用樹脂粒子5」を調製した。
Figure 2008014999
〔有機微粒子の作製〕
《有機微粒子1(アクリル樹脂)の調製》
攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却器を備えた内容積2Lのセパラブルフラスコ中にイオン交換水828gを仕込み、窒素ガス気流下、一定の攪拌状態のもとで70℃に昇温し、30分間経過後に重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.6gを添加した。次に、イオン交換水54g、水に対する溶解度(25℃)が1質量%以下であるテトラメチロールプロパントリアクリレート36g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの16質量%水溶液18gをホモジナイザーにより乳化して得られた乳化分散液108gを一括添加した後、重合反応系の温度を70℃に維持し、約3時間重合反応を行った。
次に、イオン交換水126g、水に対する溶解度(25℃)が1質量%以下であるトリメチロールプロパントリアクリレート69g、エチレングリコールジメタクリレート28g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの16質量%水溶液15gをホモジナイザーにより乳化して得られた乳化分散液252gを、滴下ロートより滴下速度1g/分で滴下した。約4時間後に滴下を終了し、更に2時間重合反応を継続して、架橋樹脂微粒子エマルジョンを作製した。上記で得られた架橋樹脂微粒子エマルジョン中の架橋樹脂微粒子の平均粒子径を測定したところ、架橋樹脂微粒子の個数平均粒径は40nmであった。
次いで、凍結乾燥機を用いて上記で得られた架橋樹脂微粒子エマルジョンを凍結乾燥して、架橋樹脂微粒子からなる白色粉末状物を得た。
《有機微粒子2(アクリル樹脂)の調製》
上記有機微粒子1の調製における、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの16質量%水溶液を13質量%水溶液に変更する他は、同様にして有機微粒子2の調製を行った。
《有機微粒子3(アクリル樹脂)の調製》
上記有機微粒子1の調製における、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの16質量%水溶液を10質量%水溶液に変更する他は、同様にして有機微粒子3の調製を行った。
《有機微粒子4(アクリル樹脂)の調製》
上記有機微粒子1の調製における、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの16質量%水溶液を8質量%水溶液に変更する他は、同様にして有機微粒子4の調製を行った。
《有機微粒子5(アクリル樹脂)の調製》
上記有機微粒子1の調製における、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの16質量%水溶液を6質量%水溶液に変更する他は、同様にして有機微粒子5の調製を行った。
《有機微粒子6(メラミン樹脂)の調製》
メラミン樹脂はメラミンとホルマリンの反応で得られる。反応はメラミンとホルムアルデヒドの付加重合型反応、または縮合反応形態で行われ、メラミンとホルムアルデヒド(37%ホルマリン水溶液)を反応釜の中でアルカリ性触媒を加えて、pHを調整しながら加熱反応させ、メラミン樹脂粒子を得た。次いで、凍結乾燥機を用いて上記で得られたメラミン樹脂粒子を一昼夜かけて乾燥し、粒径93nmのメラミン樹脂粒子(有機微粒子6)を得た。
《有機微粒子7、8(PMMA樹脂)の調製》
メチルメタクリレート100部と蒸留水300部を入れ、重合開始剤として過硫酸カリウムとチオ硫酸ナトリウムからなるレドックス系重合開始剤を5×10-3mol/L、促進剤として硫酸銅を2.5×10-5mol/lになるように添加し、窒素気流下で65℃にて2時間反応させた。次いで、冷却後、限外濾過及び乾燥することによりの数平均一次粒子径115nmのポリメチルメタクリレート(PMMA)の粒子を得た(有機微粒子7)。
促進剤量を2.0×10-5mol/lに変更する他は、同様にして220nmのPMMA粒子を作製した(有機微粒子8)。
〔無機微粒子の作製〕
《シリカの調製》
攪拌機、滴下ロート、温度計をガラス製反応器にセットし、エタノールにアンモニア水を加え攪拌し、20℃に保った。次に、この溶液にテトラエトキシシランを60分間で滴下し反応させた。滴下終了後、更に20℃にて5時間攪拌を続けシリカゾル懸濁液を得た。次に、このシリカゾル懸濁液を加熱し、エタノールを除去した後、トルエンを加え更に加熱し、水を除去した。次に、懸濁液中のシリカ粒子に対して40%のヘキサメチルジシラザンを加えた後、120℃で2時間反応させシリカの疎水化処理を行った。
その後、懸濁液を加熱し、トルエンを除去し、乾燥させた後、目開き106μmの篩分網にて粗大粉を取り除き、平均一次粒子径120nmのシリカを得た。また、上記シリカをトルエンに溶解し、これにシリカ粒子に対し20%のヘキサメチルジシラザンを加え、120℃で1時間攪拌し、更に疎水化処理を行い、その後懸濁液を加熱し、トルエンを除去し、乾燥させた後、目開き200μmの篩分網にて粗大粉を取り除き、数平均一次粒子径120nmの疎水化シリカを得た。
Figure 2008014999
〔着色粒子の作製〕
《着色粒子1の作製》
(着色剤粒子分散液1の調製)
上記のアニオン系界面活性剤(上記構造式1)90部をイオン交換水1600部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、C.I.ピグメントブルー15:3、400部を徐々に添加し、次いで撹拌装置「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散処理を行い、「着色剤粒子分散液1」を調製した。
この「着色剤粒子分散液1」における着色剤粒子の粒子径を電気泳動光散乱計(ELS−800:大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
420.7部(固形分換算)の「コア用樹脂粒子2」とイオン交換水900部と「着色剤粒子分散液1」200部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン系(D50)が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、更に熟成処理として液温度70℃にて1時間に亘り加熱撹拌することにより融着を継続させ、「コア部1」を形成した。
「コア部1」の円形度を「FPIA2000」(システックス社製)にて測定したところ0.912であった。
(シェル層の形成(シェリング操作))
次いで、65℃において「シェル用樹脂粒子4」を96部添加し、更に塩化マグネシウム・6水和物2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、70℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間に亘り撹拌を継続し、「コア部1」の表面に「シェル用樹脂粒子4」の粒子を融着させた後、75℃で20分熟成処理を行い、シェル層を形成させた。
ここで、塩化ナトリウム40.2部を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有する「着色粒子1」を得た。
ガラス転移温度(Tg)は示差走査熱量計「DSC−200」(セイコー電子社製)を用い、測定する試料10mgを精密に秤量して、これをアルミニウムパンに入れ、リファレンスとしてアルミナをアルミニウムパンに入れたものを用い、昇温速度30℃/minで常温から200℃まで昇温させた後、これを冷却し、昇温速度10℃/minで10〜120℃の間で測定を行い、この昇温過程で20〜90℃の範囲におけるメイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
《着色粒子2〜8の作製》
「着色粒子1」の作製において用いた「コア用樹脂粒子2」、「シェル用樹脂粒子4」を、表4に記載のコア用樹脂粒子、シェル用樹脂粒子の組み合わせに変更した以外は、同様にして「着色粒子2〜8」を作製した。
Figure 2008014999
〔トナーの作製〕
《外添処理工程》
上記で調製した「着色粒子1〜8」に表5に記載の外添剤を1質量%と、その他に数平均一次粒子径12nmの疎水性シリカ1質量%と、数平均一次粒子径20nmの疎水性酸化チタン1.2質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して「トナー1〜12」を調製した。
〔現像剤〕
次いで、上記調製した各トナーに対してシリコン樹脂を被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が6%の「現像剤1〜12」を調製した。
〔評価〕
画像評価はプリント画像電子写真方式を採用する市販の複合機「bizhub Pro C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を使用して、A4版上質紙(64g/m2)に、画素率5%の黒色文字画像に画素率0.5%の青色べた部のある画像を5000枚プリントした。なお、黒色トナーには「bizhub Pro C500」の黒色トナーをそのまま使用し、シアントナーとしては上記に調製したトナーを順に装置に入れ替えて評価を行った。
〈転写率〉
1枚目及び5000枚目プリント後に、画素濃度が1.30のシアンべた画像(20mm×50mm)を形成し、下記式により転写率を求めて評価を行った。
転写率(%)=(転写材に転写されたトナーの質量/感光体上に現像されたトナーの質量)×100
なお、転写率が90%以上なら、画像濃度としても十分であり合格レベルである。
〈トナーすり抜け〉
5000枚プリント終了後にA3紙に連続10枚コピーを行い、ベタ白部でのトナーすり抜けの発生の有無で判定する。
〈カブリ〉
カブリ濃度の測定は、はじめに印字されていない白紙について、マクベス社製反射濃度計「RD−918」を用いて、20カ所の濃度を測定し、この平均値を白紙濃度とした。
次いで、連続印字した5000枚目の白地部分についても、同様に20カ所の濃度を測定し、この平均値から上記白紙濃度をカブリ濃度として求め、下記の基準に則り耐カブリ性の評価を行った。なお、◎〜△が合格レベルである。
◎:カブリ濃度が、0.003未満である
○:カブリ濃度が、0.003〜0.006未満である
△:カブリ濃度が、0.006〜0.010未満である
○:カブリ濃度が、0.010以上である。
〈低温定着性〉
上記評価機の定着装置の加熱ローラー表面温度を、紙表面温度が80〜150℃の範囲内で10℃刻みで変化するように変更し、5000枚プリント前に各変更温度でトナー画像を定着して定着画像を作成した。なお、プリント画像の作成に当たってはA4版サイズの上質紙(64g/m2)を使用した。
定着して得られたプリント画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて定着率により評価した。具体的には、シアントナーの付着量が0.6mg/cm2である2.54cm角のベタシアンプリント画像を作製した後、「スコッチメンディングテープ」(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。
定着率が95%以上得られた「転写材(紙)表面温度」を最低定着温度とする。なお、転写材(紙)表面温度は非接触温度計で測定した。なお、画像濃度は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)で測定した。
◎:最低定着温度100℃未満での定着が可能
○:最低定着温度100℃以上、130℃未満での定着が可能
×:最低定着温度130℃以上での定着が可能。
Figure 2008014999
表5において、本発明のトナーは転写率の変動はなく、またカブリ、感光体クリーニングすり抜けも無く良好な結果である。一方、比較例のトナー7〜12は転写率が全て悪化している。更にトナー7ではカブリ発生、トナー8では外添剤の埋没、トナー9では感光体クリーニングすり抜けが発生、トナー10では埋没の進行、トナー11ではトナー表面からの外添剤の脱離、トナー12では埋没の進行が観察された。

Claims (2)

  1. コア・シェル構造を有する静電荷現像用トナーにおいて、コアはガラス転移温度(Tg1)が20〜40℃の結着樹脂と着色剤、離型剤を含み、シェルはガラス転移温度(Tg2)が40〜60℃の結着樹脂からなり、Tg2−Tg1≧10℃の関係の関係を満たし、且つ平均円形度が0.960〜0.985である着色粒子と個数平均粒径が50〜200nmの有機微粒子とを含有することを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 感光体上に形成されたトナー像を転写材に転写後、該感光体上に残留するトナーをクリーニング除去する画像形成方法において、該トナーが請求項1に記載の静電荷現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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