JP2006235028A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法 Download PDF

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秀昭 植田
Mitsutoshi Nakamura
光俊 中村
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昇 上田
Yasuharu Saida
靖治 齋田
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Abstract

【課題】 定着性に悪影響を及ぼさずに保存安定しと耐熱保管性に優れ、且つ、多数枚プリントしても高品質のトナー画像が安定して得られる静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】 コア部にシェル層を被覆してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コア部とシェル層に結晶性物質を含有し、該結晶性物質のDSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー及びそのトナーの製造方法に関する。
複写機やプリンター等の電子写真方式による画像形成技術の分野は、デジタル化技術の進展に伴って急激に普及しており、使用台数を大幅に伸ばしてきている。
総じて、近年の電子写真技術開発は、以下の4つのポイントに集約され,精力的な研究開発が進められている。
(1)画像形成装置をコンパクト化すること
(2)画像形成装置を高速化すること
(3)高品質のカラー画像形成を実現すること
(4)稼動時の消費電力を低減化すること(省電力化)
ここで、上記の課題(1)〜(3)を解決させるには、小径のローラーを高速回転させて画像形成を行なっても、トナー飛散による画像汚染や、トナー融着による現像ローラーの劣化といった問題を発生させないようにしなければならないという難しさがある。これらの課題に対し、帯電性の揃ったトナーを設計することにより、トナーの帯電速度を速め、荷電保持能を高める技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)
又、(4)の省電力化にあっては、ネット環境の進展によるオフィスでのプリンター使用の高頻度化やプリンターやファクシミリ等のデジタル機器のホームユース化といった時代の趨勢によるオフィスや家庭内での使用拡大に伴い、定格電力や電力コストを削減することは不可避の課題となっている。
又、電子写真方式の画像形成技術の新たな分野への拡大には、電子写真方式では印刷のように版を起こす手間がなく、必要な時に必要な部数だけの文書作成を高速で行なえるというプリントオンデマンド(POD)領域への展開が期待されている。
しかしながら、現状の画像形成技術では、スピードでは優れるものの使用可能な紙種が限られ、あらゆる紙に画像形成を行なえるものではなかった。例えば、薄紙の場合にはしわが発生しやすく、一般塗工光沢紙では水蒸気噴出による画像欠陥(ブリスタ)発生の問題があった。又、製本時の丁合精度や紙種の影響を受けずに美しいカラー画像形成を行なえるような色再現性を発現させることが困難であった。
これらの課題を達成させるために、前述の特許文献1のように重合トナーに代表されるケミカルトナーが注目され、トナー粒子構造をダイナミックに制御してこれらの課題を解消するトナーを設計することが試みられてきた。例えば、樹脂と着色剤を含有する樹脂粒子表面に別の樹脂粒子を融着させて樹脂層を形成してトナーの表面を改質することにより着色剤のトナー表面への露出を抑え、高湿環境下での安定した画像形成が可能なトナーの技術や、トナー含有成分の分散状態や占有状態を製造工程で制御して粒子を形成し、温湿度等の環境因子からの影響を受けにくくしたトナーの技術が挙げられるものの未だ充分ではなかった(例えば、特許文献2、3及び4参照。)。
殊に、トナー粒子表面を樹脂で被覆してトナーの性能向上を図る技術は、以前より提案されていたが、保管時及び輸送時の耐熱保管性の改良が十分ではなかった。又、安定した帯電速度や電荷保持性を長期にわたり維持することも不十分であった。
特開2004−54240号公報 特開2002−116574号公報 特開2002−351142号公報 特開平10−26842号公報
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、小型、高速出力の複写機やプリンター、ファクシミリといった電子写真方式の画像形成装置に使用される静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう)に関し、以下の課題を解消することを目的とするものである。
即ち、本発明は、帯電速度、電荷保持能を格段に向上させ、現像装置を小型化しても良好で安定したトナー画像を出力し、低い温度でトナー画像を転写材に定着が行なえるようにするとともに、トナーを保管或いは輸送する時に保冷や断熱梱包しなくてもトナー粒子同士が凝集することのない優れた耐熱保管性を有する静電荷像現像用トナーを提供することを目的とするものである。
又、本発明は、低い定着温度でトナー画像の定着を行なっても、充分な定着強度を有し、ムラのない均一な光沢性を有する美しい仕上がりの画像を形成することが可能な静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、光沢塗工紙、厚紙或いは薄紙等、従来技術ではトナー画像形成がとても難しかった紙種に対して安定した画像形成を行なうことが可能な静電荷像現像用トナーを提供することを目的とするものである。即ち、トナー画像を形成することが可能な紙種の選択幅を拡大することにより、わざわざ版を起こす手間もいらず、必要な部数だけのプリントが行なえるプリントオンデマンド方式の画像形成技術を展開させることが可能な静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
本発明の課題は、下記構成を採ることにより達成される。
(請求項1)
コア部にシェル層を被覆してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コア部とシェル層に結晶性物質を含有し、該結晶性物質のDSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(請求項2)
前記結晶性物質のDSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であり、該吸熱ピークの半値幅が5〜15℃であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項3)
前記コア部とシェル層に含有する結晶性物質の量が、異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項4)
前記結晶性物質が、パラフィン系化合物又はエステル系化合物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項5)
前記シェル層に含有する結晶性物質の溶融開始温度が、50℃以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項6)
前記コア部とシェル層に含有する結晶性物質の組成が、異なることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項7)
前記コア部ではコア部の樹脂100部に対して結晶性物質を5〜20質量部含有、シェル層ではシェル層の樹脂100部に対して結晶性物質を1〜10質量部含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項8)
トナーの円形度が、0.93〜0.99であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
(請求項9)
DSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であるの結晶性物質と着色剤と樹脂とを含有するコア部を形成する工程、その表面にDSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であるの結晶性物質を含有するシェル層を形成する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項10)
前記結晶性物質を含有する樹脂粒子と着色剤粒子を塩析/融着してコア部を形成する工程、その表面に前記結晶性物質を含有する樹脂粒子を塩析/融着してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項11)
前記結晶性物質の粒子、樹脂の粒子及び着色剤粒子を塩析/融着してコア部を形成する工程、その表面に結晶性物質を含有する樹脂粒子を塩析/融着してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(請求項12)
前記結晶性物質及び着色剤を含有する着色樹脂粒子の表面に結晶性物質を含有する樹脂粒子を塩析/融着してコア部を形成する工程、その表面に結晶性物質を含有する樹脂粒子を塩析/融着してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明によれば、帯電速度、電荷保持能を格段に向上させ、現像装置を小型化しても良好で安定したトナー画像を出力し、低い温度でトナー画像を転写材に定着が行なえるとともに、トナーを保管或いは輸送する時に保冷や断熱梱包しなくてもトナー粒子同士が凝集することのない優れた耐熱保管性を有するトナーを提供することを可能にした。
即ち、本発明で得られたトナーは、高速の現像処理に対応可能な帯電速度を有し、しかも、定着時の低温定着性と保管時の耐熱保管性とを両立することを可能にした。
又、熱定着時の溶融が進み、色再現領域が広がり、感光体表面、現像ローラー表面、溶融したトナーが接触する部材の表面へのフィルミング(融着)の発生が抑えられる。
さらに、薄紙に画像形成を行なっても定着しわを発生させず、コート紙や厚紙に画像形成を行なった時に均一な光沢性を有するムラのない美しい仕上がりのプリントが得られるように、画像形成に使用可能な紙種の幅が拡大することを可能にした。
本発明のトナーは、80〜200nmの切片としたトナー片を、透過型電子顕微鏡で80kVの加速電圧にて観察すると、トナーの外縁部に相対的に電子を透過しやすい領域(シェル層)を有していることが観察されるものである。
トナーの外縁部、即ち、トナー表面近くに電子を透過しやすい性質の層を存在させ、その部分に結晶性物質を有することにより、低温での良好な定着性能と保管時の耐熱保管性の向上を両立させることが可能なトナーが得られることを見出したのである。
本発明では、トナーの表面に近い領域に電子を透過しやすいシェル層を有し、その層中に結晶性物質を有する構成のトナーであるが、これは着色剤と結晶性物質を含有する樹脂粒子(コア部)の周りに電子を透過しやすい性質の結晶性物質を含有する樹脂微粒子を凝集させることにより、この領域(シェル層)を形成するものである。
本発明のトナーは、安定した電荷保持性能を有することが確認されている。このように、安定した電荷保持性能を発現する理由は明らかではないが、おそらく、本発明のトナーは、トナー表面における電荷密度が一定レベルに到達した後、コア部とシェル層の間で電荷が移動可能なことにより、トナー表面に常に一定レベルの電荷を保持させることができるためと推測される。即ち、本発明のトナーは、電荷が発生しトナーにおける電荷密度が一定のレベルに到達すると、コア部にも電荷が移動してトナー全体で電荷が保持されるものと推測される。そして、コア部に移動した電荷はシェル層に移動可能なので、トナー表面の電荷密度が低下してもすぐにシェル層に電荷が移動してきてトナー表面の電荷密度を維持するものと推測される。
一方、従来のトナーでは、電荷はトナーの最表面にのみ蓄積されるだけで、粒子内部への電荷の移動は起きない。そして、トナー表面の電荷密度が低下してもそれを補うだけの電荷を有していないので電荷保持性能が低減するものと推測される。
結晶性物質は構成する樹脂とは非相溶の物質が用いられる。結晶性物質と樹脂が非相溶のため、シェル層では結晶性物質がドメインを形成して存在するために表面の電荷に対して悪影響を及ぼさないと考えられる。
本発明のトナーが低温での定着性と保管時の耐熱保管性の二つの作用を両立できるようになった理由は明らかでないが、おそらく、コア部とシェル層は、分子レベルで非相溶であるため、トナー内部のコア部が低軟化温度、低ガラス転移温度の樹脂で構成されていても、シェル層を構成する樹脂はコア部を構成する樹脂の影響でガラス転移温度の低下や可塑化といった現象を発生させないものと推測される。その結果、本発明のトナーは、低温での定着性と耐熱保管性の二つの作用を両立できるようになったものと推測される。
結晶性物質は樹脂に非相溶の状態でシェル層に入っているため、結晶性物質の耐熱性が良好であればシェル層自体の耐熱性も保てると考えられる。
本発明に用いられる結晶性物質について説明する。
本発明では、上記問題を解決するために、コア・シェル構造を有するトナーのコア部とシェル層の中に本発明に係る結晶性物質を含有させることを特徴としている。
本発明に用いられる結晶性物質は、DSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃のものである。
又、本発明で用いられる結晶性物質は、定着むらを防止するために吸熱ピークの半値幅が5〜15℃のものであることが好ましい。
又、本発明で用いられる結晶性物質は、DSCによる吸熱ピークの開始温度(溶融開始温度)が50℃以上であることが好ましい。上記溶融開始温度を有することにより、定着温度を低温に設定しても良好な定着性が得られるとともに、良好な耐オフセット性や耐久性が得られる。
ここで、結晶性物質の第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)は示差熱量分析装置(DSC)にて測定された値を云い、具体的には、0℃から200℃まで10℃/minの条件で昇温(第一昇温過程)したときに測定される吸熱ピークの最大ピークを示す温度を吸熱ピーク(P1)とする。
吸熱ピーク(P1)の具体的な測定装置としては、示差熱量分析装置(DSC)、具体的にはパーキンエルマー社製の「DSC−7」を挙げることができる。示差熱量分析装置(DSC)による吸熱ピーク(P1)の具体的な測定方法は、昇温・冷却条件としては、0℃にて1分間放置した後、10℃/minの条件で200℃まで昇温し、その際に測定される最大の吸熱ピークを示す温度を第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)とする。
又、吸熱ピークの半値幅は、ベースラインに対する吸熱ピークの高さの1/2の位置にベースラインと平行な線を引き、吸熱ピーク前後のDSC曲線との交点位置から温度を読みとることで求める。
又、結晶性物質の溶融開始温度は、示差熱量分析装置(DSC)によって求めることができる。即ち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば10℃/minで加熟したときの吸熱ピークの吸熱開始温度を溶融開始温度とする。
上記吸熱特性を有する結晶性物質としては、パラフィン系化合物又はエステル系化合物を挙げることができる。
具体的に化合物を挙げると、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドを挙げることができ、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸(酸無水物及び酸塩化物を含む)とを反応させて得られる脂肪族ポリアミド、脂肪族ポリエステルが好ましい。ここに、結晶性物質を調製するために使用されるジカルボン酸及びジオールは分岐鎖(主鎖の骨格よりアルキル基からの炭素数1以上の骨格があるもの)のないものが好ましい。
又、離型機能を有する結晶性物質として、低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を挙げることができる。
又、結晶性物質として結晶性ポリエステルも挙げることがで、結晶性ポリエステルとしては、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸(酸無水物及び酸塩化物を含む)とを反応させて得られるポリエステルが好ましい。
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等を挙げることができる。
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、これらの酸無水物或いは酸塩化物を挙げることができる。
特に好ましい結晶性ポリエステルとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができ、これらのうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステルが最も好ましい。
本発明では、コア部とシェル層に含有する結晶性物質の量が異なることが好ましい。
又、コア部とシェル層に含有する結晶性物質の組成が異なることが好ましい。
又、コア部は結晶性物質をコア部の樹脂100質量部に対して5〜20質量部、シェル層は結晶性物質をシェル層の樹脂100質量部に対して結晶性物質を1〜10質量部含有していることが好ましい。
シェル層に含有する結晶性物質の溶融開始温度は、50℃以上であることが好ましい。
上記溶融開始温度を有することにより、定着温度を低温に設定しても良好な定着性が得られるとともに、良好な耐オフセット性や耐久性が得られることが確認されている。
尚、結晶性物質の溶融開始温度は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。即ち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの吸熱ピークの吸熱開始温度を溶融開始温度度する。
本発明のトナーは、コア・シェル構造を有し、着色剤、結晶性物質及び樹脂を含有するコア部の表面に結晶性物質と樹脂を含有するシェル層を被覆したものである。
又、本発明のトナーの製造方法は、着色剤、結晶性物質及び樹脂を含有するコア部を形成する工程、コア部の表面に結晶性物質及び樹脂を含有する樹脂粒子を塩析/融着(会合・凝集)してシェル層を形成する工程を有するものである。
以下、本発明のトナーについて詳細に説明する。
〔本発明のトナーの構造〕
最初に、本発明のトナーの構造について具体的に説明する。
図1は、本発明のトナーの構造の一例を示す模式図である。
図1において、Tはトナー、Aはコア部、Bはシェル層、1はコア部の結晶性物質、2はシェル部の結晶性物質を示す。
図1−(a)は、結晶性物質及び樹脂を含有するシェル層Bが樹脂、着色剤及び結晶性物質を含有するコア部A表面の一部を被覆しているトナーTを示す。図1−(b)は、シェル層Bがコア部Aに入り込んだ状態でコア部を被覆しているトナーTを示す。図1−(c)は、シェル層Bがコア部A表面の全面を被覆しているトナーTを示す。
本発明のトナーは、トナー表面から1μm以内の領域にシェル層が存在することが好ましい。
シェル層の厚さは1μm以下が好ましく、0.08〜1.00μmがより好ましく、0.12〜0.40がさらに好ましい。
又、シェル層は、必ずしもトナー表面を完全に被覆していなくてもトナー表面から1μm以内の領域にシェル層が存在すれば本発明の課題を解消することが確認されており、トナー表面の40〜100%、好ましくは50〜95%を被覆することで、低温での定着性と保管時の耐熱保管性を両立することができる。
又、シェル層の一部が、コア部の内部に入り込んでいても本願の効果は発現する。
〔トナーの構造の検知〕
本発明のトナーは、コア・シェル構造を有するものである。コア・シェル構造は透過型電子顕微鏡で観察したとき、着色剤を含有するコア部が着色剤を含有しないシェル層より相対的に透過光を透過しにくいのでコア・シェル構造を検知できる。
コア・シェル構造の検知は、トナーを80〜200nmの切片とし、これを透過型電子顕微鏡装置(TEM)観察して行うことができる。本発明では、10,000倍の倍率で10個以上のトナーの投影面からトナー内におけるコア部とシェル層を透過型電子顕微鏡写真の結果により算出することができる。尚、観察の倍率は、トナー1個の断面構造が判る範囲で調整可能である。
透過型電子顕微鏡装置(TEM)としては、「H−9000NAR」(日立製作所社製)、「JEM−200FX」(日本電子社製)等を挙げることができる。
透過型電子顕微鏡による観察方法は、トナーを測定する際に行なわれる通常の方法で行なわれる。例えば、以下のような手順で行なわれる。まず、観察用の資料を作製する。常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを充分分散させた後、包埋し、硬化させてブロックを作製する。作製したブロックをダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い、厚さ80〜200nmの薄片状に切り出して測定用試料を作製する。次に、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナーの断面形態の写真撮影をする。当該写真からトナー中における樹脂組成を目視で確認する。必要に応じて画像処理装置「ルーゼックスF」(ニコレ社製)で撮影された画像情報を演算処理して、トナー内における層厚を測長することも可能である。
又、測定用試料は場合によっては四酸化ルテニウム、又は四三酸化オスミウム等で染色しても良い。
〔本発明のトナーの実現〕
次に、本発明のトナーを実現させる手段について説明する。
透過型電子顕微鏡で80kVの加速電圧にて観察したときに、トナー外縁部に相対的に電子を透過し易いシェル層を有し、その部分に結晶性物質を有する本発明のトナーは、以下の条件を満足することで実現するものである。
(a)コア部は着色剤を有するが、シェル層には着色剤を有さない
(b)コア部とシェル層は結晶性物質を含有する。
〔溶解度パラメーター値〕
本発明では、トナー中のシェル層を形成する樹脂は、コア部の樹脂と相溶せず、しかも、シェル層を形成する樹脂はコア部と十分な接着性を有している。
シェル層を形成する樹脂がコア部との間で非相溶性を発現させるには、シェル層を形成する樹脂の溶解度パラメーター値(以下、SP値とも云う。)とコア部を形成する樹脂の溶解度パラメーター値の差を適切な範囲にすることで実現される。
具体的には、コア部を形成する樹脂のSP値とシェル層を形成する樹脂のSP値の差は、0.2〜1.0が好ましい。
溶解度パラメーター値(SP値)は、物質の凝集エネルギーの大きさを表わす数値で、Feorsによって提案された方法「Polym.Eng.Sci.,Vol14,P147(1974)」にしたがって、原子又は原子団の蒸発エネルギー及びモル体積をそれぞれΔer、Δviとすると、結着樹脂の溶解度パラメーター値σは、下記式(1)により算出される。
式(1)
σ=(ΣΔer/ΣΔvi)1/2
又、各ビニル系共重合体の溶解度パラメーター値は、各成分の溶解度パラメーター値とモル比の積により算出されるものである。例えば、共重合体樹脂をX、Yの2種類の単量体より構成されるものと仮定したとき、各単量体の質量組成比をx、y(質量%)、分子量をMx、My、溶解度パラメーター値をSPx、SPyとすると、各単量体比はx/Mx(モル%)、y/My(モル%)となる。ここで、共重合体樹脂のモル比をCとすると、C=x/Mx+y/Myと表わされ、この共重合体樹脂の溶解度パラメーター値Spは下記式(2)のようになる。
式(2)
Sp=〔(x×SPx/Mx)+(y×SPy/My)〕×1/C
尚、各単量体の溶解度パラメーター値SPx、SPyは、前述の式(1)により算出されるもので、具体的な値としてはポリマーハンドブック(ワイリー社刊)第4版等の文献に記載されているものを利用すると良い。
尚、溶解度パラメーター値は、ビニル系共重合体を構成する単量体の組成比を変えることにより制御することが可能であり、例えば、スチレンとメタクリル酸メチルを用いて形成された共重合体樹脂では、スチレンの組成比を減少させ、メタクリル酸メチルの組成比を増大させることにより溶解度パラメーターの値が低下する傾向を有していることが確認されている。
又、高分子材料の溶解度パラメーターの概要については、独立行政法人「物質・材料研究機構」提供のデーターベース PolyInfo(http://polymer.nims.go.jp)に記載の溶解度パラメーターの項目(http://polymer.nims.go.jp/guide/guide/p5110.html)を参照するとよい。
本発明では、前述したようにコア部と前記シェル層に含有される樹脂の溶解度パラメーター値は、シェル層がコア部より高く、その差が0.2〜1.0であるときに安定した非相溶性が発現され好ましい。
このように、本発明のトナーでは、シェル層とコア部を形成する樹脂は双方の溶解度パラメーター値(SP値)がある程度の差を有することにより、コア部とシェル層の間で非相溶性を発現するものである。
又、本発明のトナーでは、コア部のSP値とシェル層のSP値との差が上記範囲であるときに両者の間で良好な接着性が発現され好ましい。コア部の表面と良好な接着性を確保する方法は、例えばシェル層を構成する樹脂とコア部を構成する樹脂の重合体単量体の種類を後述する例示化合物から選定し、両者のSP値差を上記の範囲にすることで可能になる。但し、例示化合物は、達成手段を明らかにするために示すものであって、これらに限定されるものではない。
〔ガラス転移温度〕
本発明のトナーを作製するためには、シェル層に含有される樹脂のガラス転移温度が50℃〜70℃であり、コア部に含有される樹脂のガラス転移温度は−20℃〜45℃であることが好ましい。
ガラス転移温度は、示差熱量分析装置(DSC)による測定が代表的であり、具体的な測定装置としてパーキンエルマー社製のDSC−7等が挙げられる。
ガラス転移温度の具体的な測定方法は、例えば、昇温・冷却条件として、−30℃で1分間放置後、10℃/minの条件で100℃まで昇温し(第一の昇温過程)、次いで100℃で1分間放置後、10℃/minの条件で0℃まで冷却する(第一の冷却過程)。この操作により前履歴を消去する。次いで、0℃で1分間放置後、10℃/minの条件で100℃まで昇温する(第二の昇温過程)。そして、セカンドヒート(第二の昇温)の吸熱ピーク温度を求め、Tgとする方法が挙げられる。
尚、ガラス転移温度Tgは、測定時、ガラス転移領域におけるDSCサーモグラムのガラス転移点以下のベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度と定める。
又、ガラス転移温度は、原子間力顕微鏡を用いて測定することも可能である。即ち、原子間力顕微鏡のステージを−30〜80℃まで温度を変化し、トナー切片やブロックの硬さが変化する温度をガラス転移温度Tgとしてよい。
さらに、ガラス転移温度の算出方法として、本発明では以下のような理論ガラス転移温度を算出してもよい。ここで、理論ガラス転移温度とは、共重合体樹脂を構成するそれぞれの成分が、ホモポリマーを形成した場合のガラス転移温度にそれぞれの組成質量分率を乗じ、即ち加重平均して算出したものである。
即ち、理論ガラス転移温度Tg(絶対温度Tg′とする)は、共重合体樹脂を構成する成分のホモポリマーのガラス転移温度を用いて下記式(3)から算出される。
式(3)
1/Tg′=W1/T1+W2/T2+・・・+Wn/Tn
(式中、W1、W2、・・・Wnは共重合体樹脂を構成する全重合性単量体に対する各重合性単量体の質量分率、T1、T2・・・Tnは各重合性単量体を用いて形成されるホモポリマーのガラス転移温度(絶対温度)を示す。)
尚、本発明のトナーでは、理論ガラス転移温度の値や示差熱量分析装置で得られる測定結果、或いは原子間力顕微鏡での結果に多少の差異を生ずることもあるが、この件については本発明の技術思想を否定したり結果に影響を与えるものではない。
又、本発明のトナーは、前述した因子の他に、シェル層とコア部を形成する樹脂の分子量と軟化点温度を以下に記載のように設定することが好ましい。
〔分子量〕
本発明のトナーを作製する上で、トナー中のシェル層とコア部を形成する樹脂の分子量をそれぞれ特定範囲に設定することが好ましい。具体的には、コア部を構成する樹脂の分子量を5,000〜30,000、シェル層を構成する樹脂の分子量を10,000〜80,000の範囲にそれぞれピーク分子量を有するように分子量を設定することが好ましい。
コア部及びシェル層を構成する樹脂は、複数種類のビニル系共重合体樹脂より形成されるものであるが、シェル層を構成する樹脂は、トナーの強度を保持するために上記範囲にピーク分子量を有することが好ましい。
上記ピーク分子量は、テトラヒドロフラン(THF)をカラム溶媒として用いたゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)法により測定することが可能である。
具体的には、測定試料を1mgに対してTHFを1ml加え、室温下にてマグネチックスターラーを用いて撹拌を行ない、充分に溶解させる。次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSKguardcolumnの組み合わせなどを挙げることができる。
検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、或いはUV検出器が好ましく用いられる。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を測定して作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いることが好ましい。
〔軟化点(軟化温度)〕
本発明のトナーの軟化点(Tsp)は、75〜98℃であることが好ましく、転写材表面の温度が100℃以下でも定着することが可能である。これは、本発明のトナーでは、シェル層の比率をトナーに対して2〜30質量%としているので、軟化点に影響を与える度合いが少なく、トナーの保存性を向上させて定着性を良好にすることが可能になっている。したがって、本発明のトナーは、水蒸気の発生による画像欠陥や転写材の変形(カール)の発生のない温度での定着を可能にしている。
又、トナーの軟化点の制御は、例えば、樹脂粒子形成に用いる樹脂を構成する単量体の種類や共重合体の単量体組成比をコントロールする方法や、連鎖移動剤の量のコントロールして重合度を制御する方法、或いはトナーに添加する結晶性物質等、定着助剤の種類や量を調整する方法等が挙げられ、これらを組み合わせることにより目的の軟化点を有するトナーが得られる。一例を示すと、特定の樹脂において分子量と軟化点の関係をプロットして軟化点を制御する方法が挙げられる。
トナーの軟化点の測定方法は、例えばフローテスターCFT−500〔(株)島津製作所社製〕を用い、試料をあらかじめ9.2メッシュパス(目開き2.0mm)、32メッシュオン(目開き0.5mm)の粒度に揃えた後、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより20kg/cm2の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、降下量5mmに対する温度を軟化点とするものが挙げられる。
次に、本発明で用いられる材料について説明する
《コア部及びシェル層を形成する樹脂》
コア部を形成する樹脂及びシェル層を形成する樹脂は、スチレン−アクリル系共重合樹脂が好ましい。
コア部を形成する樹脂を作製する単量体には、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き下げる重合性単量体を共重合することが好ましい。
コア部を形成する共重合体樹脂における上記重合性単量体の共重合体比は、8〜80質量%であり、9〜70質量%が好ましい。
又、これらの重合性単量体は、上記の他に、酸、酸無水物、或いはビニルカルボン酸金属塩の形態を有するものであってもよい。
又、本発明では、スチレン系単量体を併用してコア部を形成する共重合体樹脂を形成しても良い。
シェル層を形成する樹脂を作製する単量体には、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリル酸等の共重合体のガラス転移温度(Tg)を引き上げる重合性単量体を共重合することが好ましい。
シェル層を形成する共重合体樹脂における上記重合性単量体の共重合体比は、8〜40質量%であり、9〜20質量%が好ましい。
又、これらの重合性単量体は、上記の他に、酸無水物、或いはビニルカルボン酸金属塩の形態を有するものであってもよい。
又、本発明では、スチレン系単量体を併用してシェル層を形成する共重合体樹脂を形成しても良い。
本発明のトナーを構成する樹脂を得るための重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、特に酸性基を有するラジカル重合性単量体から選ばれた少なくとも1種類の単量体を使用することが好ましい。又、必要に応じて架橋剤を使用することもできる。かかるラジカル重合性単量体としては、例えば芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を挙げることができる。
芳香族系ビニル単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体及びその誘導体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。
モノオレフィン系単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
ジオレフィン系単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。
ハロゲン化オレフィン系単量体としては、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等が挙げられる。
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等のカルボン酸基含有単量体;スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等のスルホン酸基含有単量体が挙げられる。酸性基を有するラジカル重合性単量体の全部又は一部は、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩又はカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。使用する単量体(単量体混合物)に占める酸性基を有するラジカル重合性単量体の割合としては0.1〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜15質量%である。
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等のカルボン酸基含有単量体;スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オクチル等のスルホン酸基含有単量体が挙げられる。酸性基を有するラジカル重合性単量体の全部又は一部は、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩又はカルシウムなどのアルカリ土類金属塩の構造であってもよい。使用する単量体(単量体混合物)に占める酸性基を有するラジカル重合性単量体の割合としては0.1〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜15質量%である。
トナーの耐ストレス性等の特性を改良する為に、ラジカル重合性の架橋剤を添加して前記ラジカル重合性単量体と共重合させても良い。かかるラジカル重合性架橋剤としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の不飽和結合を2個以上有する化合物が挙げられる。使用する単量体(単量体混合物)に占めるラジカル重合性架橋剤の割合としては0.1〜10質量%であることが好ましい。
樹脂の分子量を調整する為には、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばオクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、及びスチレンダイマー等が使用される。
本発明に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、4,4′−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等のアゾ系化合物、パーオキシド化合物等が挙げられる。
更に上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用してもよい。レドックス系開始剤を用いることで、重合活性が上昇し重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
前記ラジカル重合性単量体を使用して乳化重合を行う際、使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のイオン性界面活性剤が好適に用いられる。
イオン性界面活性剤としては、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム、3,3−ジスルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウムなど)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などが挙げられる。
又、ノニオン性界面活性剤も使用することができる。具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等を挙げることができるが、必要に応じて前述したイオン性界面活性剤と併用して重合を行っても良い。
本発明において、これらは、主に乳化重合時の乳化剤として使用されるが、他の工程又は使用目的、例えば会合粒子の分散剤等の目的で使用してもかまわない。
《着色剤》
本発明に用いられる着色剤について説明する。
本発明に用いられるトナーに使用される着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用可能で、具体的には、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。含有量は、樹脂(結着樹脂)100質量部に対し1〜20質量部が好ましい。
《結晶性物質》
前記の結晶性物質を用いる。
《荷電制御剤》
本発明に用いられる荷電制御剤について説明する。
本発明に用いられるトナーは、必要に応じて荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばフッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられ、具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、アゾ系金属錯塩化合物のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEGVP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。この中でも、アゾ系金属錯塩化合物が好ましく、例えば特開2002−351150号公報の段落0009〜0012に開示されるものが好ましく用いられる。
本発明において、荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、0.1〜2質量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5質量部の範囲がよい。
本発明では、荷電制御剤をトナー表面近傍に添加させることが好ましい。即ち、トナー表面近傍に添加することによりトナーに帯電性を効果的に付与するとともに、トナー表面に荷電制御剤を露出させない様に添加してトナーの流動性を確保することが可能である。
具体的な含有方法としては、例えばトナーを構成する樹脂粒子への荷電制御剤の添加量を制御する方法が挙げられる。即ち、トナーの表面近傍を構成する樹脂粒子に多めに荷電制御剤を添加しておき、荷電制御剤を添加していない樹脂粒子でトナー表面を形成する様に樹脂粒子を凝集させる方法や、荷電制御剤を含有させた樹脂粒子を凝集させた後、凝集粒子表面に荷電制御剤を含有していない樹脂成分でカプセル化する方法が挙げられる。
樹脂粒子内への添加方法としては、結着樹脂とともに混練し、その分散径を調節するのが好ましいが、水系媒体中に乳化したときに、油相の分散相から水相側へ溶出したり、脱離したりする場合は水相側に添加し、凝集工程や乾燥工程時にトナーに組み込んでも構わない。
《外添剤》
本発明に用いられる外添剤について説明する。
本発明で得られたトナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に、5〜200nmであることが好ましい。又、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に、0.01〜2.0質量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
これらのうち、帯電性や転写性、更にクリーニング性を維持しつつ、すべり定着性を補助する観点からは、一次粒子径50〜200nmのシリカ又はチタン微粒子からなる外添剤が特に好ましい。
ここで、一次粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)又はFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)により測定できる。又、粒子が針状や多面体粒子の場合は、前記粒子の長径をもって一次粒子径とする。
この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は、表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコンオイル、変性シリコンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることができる。ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭く、一次粒子径が0.01〜1μmのものが好ましい。
以上のような材料からなるトナーは以下の方法によって有効に製造され得る。
本発明のトナー製造方法の一例としては、前記ラジカル重合性単量体を用いて樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程、水系媒体中で樹脂微粒子分散液、着色剤微粒子分散液等を混合し、各微粒子を融着させてトナー(会合粒子)を得る会合・融着工程、トナーの分散液から当該トナーを濾別し、当該トナーから界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程、洗浄処理されたトナーを乾燥する乾燥工程から構成される。以下に、各工程の概要について説明する。
重合工程は、水系媒体(界面活性剤及びラジカル重合開始剤の水溶液)中に、ラジカル重合性単量体溶液の液滴を形成させ、前記ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において乳化重合反応を進行させる。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが例えば50℃から90℃の範囲が用いられる。但し、常温開始の重合開始剤例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組み合わせを用いることで室温又はそれ以上の温度で重合することも可能である。
会合・融着工程は、前記重合工程により得られた樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液等を水系媒体中にて混合し、各微粒子を塩析により会合させ、さらに加熱することにより融着させる。当該工程においては、樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに、ワックス微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子なども同時に融着させてもよい。
着色剤微粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザーや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。又、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。
各微粒子を塩析・融着させる方法としては、樹脂微粒子や着色剤微粒子等が存在している水系媒体中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加した後、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上に加熱することによって行われる。ここで用いられる塩析剤としては、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が挙げられ、アルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等が、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどを挙げることができるが、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられる。又塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
塩析剤を添加する際の前記分散液混合液の温度範囲としては、樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
濾過・洗浄工程は、上記の工程で得られたトナーの分散液から当該トナーを濾別する濾過処理と、濾別されたトナーから共存する界面活性剤や塩析剤などを除去する洗浄処理とを行うものである。ここで、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
乾燥工程は、洗浄処理されたトナーを乾燥処理する工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などが好ましく使用される。乾燥処理されたトナーの水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
本発明のトナーはフルカラー画像形成装置において使用されるフルカラートナーとして使用されても、又はモノクロ画像形成装置において使用されるモノクロトナーとして使用されてもよいが、フルカラートナーとして使用されることが好ましい。フルカラー画像形成装置においては一般に転写性の悪化による中抜けの発生が顕著であるが、本発明のトナーをフルカラートナーとして用いると、良好な帯電環境安定性を維持しながら転写性の悪化を有効に防止できるためである。フルカラー画像形成装置においては1〜4のトナー層が重なってなるベタ画像が形成される場合が多く、当該ベタ画像においては重なるトナー層の数が異なる領域が混在するため、重なるトナー層の数が多いほど転写圧が高くなり、転写性の悪化による中抜けの発生が顕著になると考えられる。
又、本発明のトナーは、いかなるタイプの定着装置を有する画像形成装置に使用されてもよいが、ローラー等の定着部材に塗布される離型用オイルの量が低減されたタイプの定着装置、即ち離型用オイルの塗布量が4mg/m2以下の定着装置、特に離型用オイルを塗布しないタイプの定着装置を有する画像形成装置に使用されることが好ましい。そのような定着装置を有する画像形成装置に使用される従来のトナーは高温オフセットの発生を防止するために一般に結晶性物質を含有し、粒子表面に結晶性物質が露出し易いために転写性の悪化による中抜けの発生が顕著であるが、本発明のトナーは結晶性物質が粒子表面に露出する確率が低減されるので、良好な帯電環境安定性を維持しながら転写性の悪化を有効に防止できるためである。
以上より、本発明のトナーはオイルレス定着用のフルカラートナーとして使用される場合に、最も有効に本発明の効果を発揮することができる。即ち、本発明のトナーはオイルレス定着装置を有するフルカラー画像形成装置に使用されても、良好な帯電環境安定性を維持しながら転写性の悪化を有効に防止できる。
本発明のトナーは負帯電性トナーであることが好ましく、キャリアと混合した2成分現像剤、又はキャリアを用いない1成分現像剤の何れの現像剤として使用されてもよい。
得られた乾燥後のトナーの粉体と外添剤とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化し、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、ヘンシェルミキサー(三井鉱山)、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等が挙げられる。
《トナーの円形度》
本発明に用いられるトナーはトナーの円形度の平均値が0.94〜0.99のトナーであり且つ円相当径の平均値が2.6〜7.4μmである。好ましくはトナーの平均値が0.95〜0.98であり、円相当径の平均値が3.4〜6.6μmにある。このようなトナーを用いることにより回収された未転写トナーを含むトナーを、上部から導入させ下部から気体を吐出させる構造を有するトナー中間室を通過させる際に、より効率よく正常なトナーとトナー中に含まれる紙粉や、破壊されたトナー、凝集したトナー、遊離した外添剤等の不純物との分離を行うことができる。これにより、従来のトナーに比べトナー中の不純物を効率よく取り除くことができるので、紙粉等の発生の多いような記録媒体を用いたとしても、白抜けや黒点が発生せずに十分に満足のできる画像を形成することができる。又、未定着トナーを再利用することで省資源で低コスト化も達成している。
円形度の平均値は、粒径1μm以上のトナー2000個以上を測定したとき、下記式より求まる値である。
円形度=(相当円の周囲長)/(トナー投影像の周囲長)
=2π×(粒子の投影面積/π)1/2/(トナー投影像の周囲長)
ここで、相当円とは、トナー投影像と同じ面積を有する円のことであり、円相当径とは、該相当円の直径のことである。
尚、上記円形度の測定方法としては、FPIA−2000(シスメック社製)により測定することができる。この時、円相当径は下式で定義される。
円相当径=2×(粒子の投影面積/π)1/2
次に、本発明に用いられる画像形成方法及びその装置について説明する
本発明のトナーは、トナー像が形成された転写材を、定着装置を構成する加熱部材間を通過させて定着する接触型定着方式の画像形成装置に好適に使用される。
以下、画像形成装置、定着装置について説明する。
図2は、本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。
図2において、1は半導体レーザー光源、2はポリゴンミラー、3はfθレンズ3、4は感光体ドラム、5は帯電器、6は現像器、7は転写器、9は分離器(分離極)、Pは転写材、10は定着装置、11はクリーニング器、12は帯電前露光(PCL)、13はクリーニングブレードを示す。
感光体ドラム4はアルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)を形成してなるものである。
図2において、図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザー光源1から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2により、図2の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静電潜像を作る。感光体ドラム4は、予め帯電器5により一様帯電され、像露光のタイミングに合わせて時計方向に回転を開始している。
感光体ドラム面上の静電潜像は、現像器6により現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬送されてきた転写材Pに転写器7の作用により転写される。更に感光体ドラム4と転写材Pは分離器(分離極)9により分離されるが、現像像は転写材Pに転写担持されて、定着装置10へと導かれ定着され、装置外へ搬出される。
感光体面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電される。
本発明で用いられる転写材とは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写体或いは転写紙と通常呼ばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
又、クリーニングブレード13は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウレタンゴムが最も良く用いられる。これは感光体に圧接して用いられるため熱を伝え易く、本発明においては解除機構を設け、画像形成動作を行っていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
図3は、本発明で用いられる定着装置(加圧ローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。
図3に示す定着装置10は、加熱ローラー71と、これに当接する加圧ローラー72とを備えている。尚、図3において、17は転写材(転写紙)P上に形成されたトナー像である。
加熱ローラー71は、フッ素樹脂又は弾性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包している。
芯金81は、金属から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金81を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属或いはこれらの合金を挙げることができる。
芯金81の肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層82の表面を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)及びPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつき易く、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
又、被覆層82を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
被覆層82を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
又、弾性体からなる被覆層82の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
加熱部材75としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラー72は、弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成されてなる。被覆層84を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの各種軟質ゴム及びスポンジゴムを挙げることができ、被覆層84を構成するものとして例示したシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムを用いることが好ましい。
又、被覆層84の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
又、定着温度(加熱ローラー10の表面温度)は70〜210℃、定着線速は80〜640mm/secが好ましい。又、加熱ローラーのニップ幅は8〜40mm、好ましくは11〜30mmに設定する。
尚、加熱ローラーは、シリコンオイルを1プリンント当たり0.3mg以下塗布して用いても良いが、オイルレスで用いても良い。
図4は、本発明で用いられる定着装置(ベルトと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
図4に示す定着装置10は、ニップ幅を確保するためにベルトと加熱ローラーを用いたタイプのもので、定着ローラー601とシームレスベルト11、及びシームレスベルト11を介して定着ローラー601に押圧される圧力パッド(圧力部材)12a、圧力パッド(圧力部材)12b、前記潤滑剤供給部材40とで主要部が構成されている。
定着ローラー601は、金属製のコア(円筒状芯金)10aの周囲に耐熱性弾性体層10b、及び離型層(耐熱性樹脂層)10cを形成したものであり、コア10aの内部には、加熱源としてのハロゲンランプ14が配置されている。定着ローラー601の表面の温度は温度センサー15によって計測され、その計測信号により、図示しない温度コントローラーによってハロゲンランプ14がフィードバック制御されて、定着ローラー601の表面が一定温度になるように調整される。シームレスベルト11は、定着ローラー601に対し所定の角度巻き付けられるように接触し、ニップ部を形成している。
シームレスベルト11の内側には、低摩擦層を表面に有する圧力パッド12がシームレスベルト11を介して定着ローラー601に押圧される状態で配置されている。圧力パッド12は、強いニップ圧がかかる圧力パッド12aと、弱いニップ圧がかかる圧力パッド12bとが設けられ、金属製等のホルダー12cに保持されている。
更にホルダー12cには、シームレスベルト11がスムーズに摺動回転するようにベルト走行ガイドが取り付けられている。ベルト走行ガイドはシームレスベルト11内面と摺擦するため摩擦係数が低い部材が望ましく、且つ、シームレスベルト11から熱を奪いにくいように熱伝導の低い部材が良い。尚、シームレスベルトのベルト部材の具体例としては、ポリイミド製を挙げることができる。
図4は、本発明で用いられる定着装置(ソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
図4に示す着装置10は、定着ニップを確保するとともに、転写材の巻き付きを防止し、画質に優れるソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプのもので、加熱ローラー部材として加熱ローラー601と、ソフトローラー部材としてのソフトローラー17bを用い、加熱ローラー601の内部に加熱部材としてのハロゲンランプ14を備えたものである。
加熱ローラー601とソフトローラー17bとの間にニップ部Nを形成し、ニップ部Nを通して熱と圧力とを加えることにより、転写材P上のトナー像を定着するものである。上記において、ソフトローラー17bの内部にも加熱部材としてのハロゲンランプ14(不図示)を配設するようにしても良い。
《転写材》
本発明で用いられる転写材とは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙と通常呼ばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙(例えば光沢塗工紙)、市販されている和紙やハガキ用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下に実施例により本発明を説明するが本発明はこれらに限定されない。尚、以下の「部」とは「質量部」を表す。
《コア部用樹脂粒子》
(コア部用樹脂粒子1の調製)
下記のように、第1段重合、第2段重合、次いで、第3段重合を行ない、多層構造を有する「コア部用樹脂粒子1」を調製した。
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lのセパラブルフラスコに下記で示されるアニオン系界面活性剤(1)4部をイオン交換水3040部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
(1):C1021(OCH2CH22OSO3Na
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム)10部をイオン交換水400部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン532部、n−ブチルアクリレート200部、メタクリル酸68部、n−オクチルメルカプタン16.4部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行ない、樹脂粒子を調製した。これを樹脂粒子A1とする。
第1段重合で調製した樹脂粒子A1の重量平均分子量Mwは16500であった。
(2)第2段重合(中間層の形成)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン115.9部、n−ブチルアクリレート47.4部、メタクリル酸12.3部、n−オクチルメルカプタン1.75部からなる単量体混合液に、結晶性物質として、例示化合A93.8部を添加し、90℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、上記アニオン系界面活性剤(1)3部をイオン交換水1560部に溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、樹脂粒子A1の分散液である樹脂粒子A1を固形分換算で28部添加した後、循環経路を有する機械式分散機(クレアミックス:エムテクニック社製)により、前記結晶性物質含有の単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径284nmを有する乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5部をイオン交換水200部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行ない、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を樹脂粒子A2とする。
第2段重合で調製した樹脂粒子A2のMwは43000であった。
(3)第3段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた樹脂粒子A2に、過硫酸カリウム6.8部をイオン交換水265部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン338.1部、n−ブチルアクリレート109.7部、n−オクチルメルカプタン7.2部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行なった後、28℃まで冷却し、「コア部用樹脂粒子1」を得た。尚、第3段重合で外層形成に用いられた重合体のMwは24000であった。
「コア部用樹脂粒子1」を構成する複合樹脂粒子(コア部)の質量平均粒径は125nmであった。
(コア部用樹脂粒子2の調製)
「コア部用樹脂粒子1」の調製において、第2段重合(中間層形成)に用いた例示化合物Aを例示化合物B90.5質量部に、スチレンを365.0部、n−ブチルアクリレート145.2部、メタクリル酸27.1部、n−オクチルメルカプタン9.6部に変更した以外は同様にして、「コア部用樹脂粒子2」を調製した。
(コア部用樹脂粒子3の調製)
「コア部用樹脂粒子1」の調製において、第2段重合(中間層形成)に用いた例示化合物Aを含有しないこと以外は同様にして、「コア部用樹脂粒子3」を調製した。
表1に、得られたコア部用樹脂粒子の物性値等を示す。
Figure 2006235028
ここで、各々の樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は、第1段〜第3段重合によって得られたコアの分子量である。
《シェル層用樹脂粒子》
(シェル層用樹脂粒子1の調製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lのセパラブルフラスコにおいて、スチレン137.1部、2−エチルへキシルアクリレート26.4部、メタクリル酸12.3部の混合液に結晶性物質として例示化合物Cを9.3部添加し、80℃に加温し、溶解した。
一方、撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けたセパラブルフラスコに上記アニオン系界面活性剤(1)2.9部をイオン交換水1340部に溶解させた界面活性剤溶液を調製した。
この界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、上記重合性単量体溶液を2時間混合分散させ、分散粒子(185nm)を有する乳化粒子を含む乳化液を調製した。
次いで、イオン交換水1460部を添加した後、重合開始剤(過硫酸カリウム)6部をイオン交換水142部に溶解させた開始剤溶液と、n−オクチルメルカプタン1.1部とを添加し、温度を80℃とした後、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌することによって重合を行ない、「シェル層用樹脂粒子1」を調製した。
上記重合で調製した「シェル層用樹脂粒子1」のMwは39600であった。又、この樹脂粒子のTgは53.0℃であった。
(シェル層用樹脂粒子2の調製)
「シェル層用樹脂粒子1」の調製において、スチレンを123.1部、2−エチルへキシルアクリレート31.6部、メタクリル酸12.3部、結晶性物質として例示化合物D15部を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行ない、「シェル層用樹脂粒子2」を調製した。
(シェル層用樹脂粒子3の調製)
「シェル層用樹脂粒子1」の調製において、スチレンを120.4部、2−エチルへキシルアクリレート30.4部、メタクリル酸12.3部、結晶性物質として例示化合物E8.0部を用いた以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行ない、「シェル層用樹脂粒子3」を調製した。
(シェル層用樹脂粒子4の調製)
「シェル層用樹脂粒子1」の調製において、例示化合物Cの添加量を19.6部としたこと以外は同様にして「シェル層用樹脂粒子4」を調製した。
(シェル層用樹脂粒子5の調製)
「シェル層用樹脂粒子1」の調製において、スチレンを120.4部、2−エチルヘキシルアクリレート31.6部、メタクリル酸12.3部、結晶性物質として例示化合物A14.5部を用いた以外は同様にして「シェル層用樹脂粒子5」を調製した。
(シェル層用樹脂粒子6の調製)
「シェル層用樹脂粒子1」の調製において、結晶性物質として例示化合物Cを含有しないこと以外は同様にして「シェル層用樹脂粒子6」を調製した。
表2に得られ樹脂粒子の物性等を示す。
Figure 2006235028
《トナーの作製例》
下記のようにして、トナー1〜12を作製した。
〈トナー1の作製〉
(着色剤の分散液1の調製)
上記に記載のアニオン性界面活性剤(1)90部をイオン交換水1600部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)400部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置(クリアミックス:エムテクニック社製)を用いて分散処理を行ない、「着色剤粒子の分散液1」を調製した。
この「着色剤粒子の分散液1」中の着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱計(ELS−800:大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(凝集・融着工程)(コア部の形成)
420.7部(固形分換算)の「コア部用樹脂粒子1」と、イオン交換水900部と「着色剤の分散液1」200部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11に調製した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温した。その状態で、「コールターカウンターTA−II」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子のメディアン粒径が5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、更に、熟成処理として液温度90℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、「コア部1」を形成させた。
(シェリング操作)(シェル層の形成)
次いで、反応液の温度を80℃に冷却し、「シェル層用樹脂粒子1」を46部添加し、3時間にわたり撹拌を継続し、「コア部1」の表面に、「シェル層用樹脂粒子1」の樹脂粒子を融着させた後、90℃に昇温して20分熟成処理を行ない、シェル層を形成させた。
ここで、塩化ナトリウム40.2部を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コアと前記コア上にシェル層を有する「トナー1」を得た。
尚、トナー作製において、前記、凝集工程のpH、「シェル層用樹脂粒子1」の添加タイミング、撹拌速度を制御することにより、粒子径、円形度を調整した。
〈トナー2〜7、10、11の作製〉
「トナー1」の作製において用いた「コア部用樹脂粒子1」、「シェル層用樹脂粒子1」を、表1に記載のコア部用樹脂粒子、シェル層用樹脂粒子に変更した以外は同様にして「トナー2〜7、10、11」を作製した。
〈トナー12の作製〉
「トナー1」の作製において、シェリング操作(シェル層の形成)を行わない以外は同様にして「トナー12」を作製した。
〈トナー8の作製〉
(トナーバインダーの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに減圧状態で3時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて1時間反応した。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と2時間反応させてイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。次いでプレポリマー(1)267部とイソホロンジアミン14部を50℃で2時間反応させ、重量平均分子量34000のウレア変性ポリエステル(1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで10〜15×1.33×102Paの減圧で5時間反応して、ピーク分子量3700の変性されていないポリエステル(a)を得た。ウレア変性ポリエステル(1)200部と変性されていないポリエステル(a)800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解、混合し、トナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。一部減圧乾燥し、トナーバインダー(1)を単離した。分析の結果、ガラス転移温度Tgは51℃であった。
(トナーの作製)
ビーカー内に前記のトナーバインダー(1)の酢酸エチル/MEK溶液240部、例示化合物A10部、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)8部を入れ、60℃にて「TK式ホモミキサー」(特殊機化工業社製)を用いて12000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させてトナー材料溶液を得た。
ビーカー内にイオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ均一に溶解した。次いでこれを60℃に昇温し、「TK式ホモミキサー」(特殊機化工業社製)で12000rpmに撹拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10分間撹拌した。次いでこの混合液を撹拌棒及び温度計付のフラスコに移し、30℃まで昇温して減圧下で溶剤を除去し、濾別、洗浄し着色樹脂微粒子(コア部)の分散液を得た。
上記着色微粒子(コア部)の懸濁液1000ml(固形分濃度25質量%)に上記アニオン系界面活性剤(1)を4部添加し、「TK式ホモミキサー」(特殊機化工業社製)で10000rpmに撹拌し5分間分散させた後、加熱冷却装置、濃縮装置、及びシェル剤仕込み装置を備えた反応フラスコに入れた。次いで、「シェル層用樹脂粒子1」を25部添加した後、塩化マグネシウム・6水和物2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液20部を、撹拌下、300℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて60℃まで昇温した。3時間にわたり撹拌を継続し、コア部の表面に、「シェル層用樹脂粒子1」の粒子を融着させた後、70℃に昇温して20分熟成処理を行ない、シェル層を形成させた。次に、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部上にシェル層を有する「トナー8」を得た。この粒子のメディアン粒径(D50)は5.6μmであった。
〈トナー9の作製〉
「TKホモミキサー」(特殊機化工業社製)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び原料・助剤仕込み装置を備えた反応フラスコに、イオン交換水325部とリン酸ソーダ41部をイオン交換水250部に溶解させた溶液を仕込み、12000rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この溶液に、塩化カルシウム3.9部をイオン交換水31部に溶解させた溶液を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤リン酸カルシウムを含む水系連続相を調製した。
次に、スチレン75.5部、n−ブチルアクリレート24.5部、ジビニルベンゼン0.1部、2−メルカプトエチルオクタン酸エステル3部、カーボンブラック5部、例示化合物B8部、Cr系染料「TRH」(保土ヶ谷化学社製)2部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6部、からなる単量体混合液を均一に混合した。
次いで、前記水系連続相中に上記単量体混合液を、窒素気流下、80℃で「TKホモミキサー」(特殊機化工業社製)で10000rpmで10分間撹拌し、造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しながら、80℃で5時間反応させ、無水炭酸ナトリウム4部を系内に添加した後、更に2時間反応を継続した。反応終了後、30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。生成した懸濁重合粒子を濾過し、イオン交換水中に分散させ、溶液のpHが1.6になるまで1N希塩酸を添加し、リン酸カルシウムを溶解させた。その後、この懸濁重合粒子(コア部)をイオン交換水で繰り返し洗浄した。分析の結果、この粒子のガラス転移温度は46℃であった。
上記コア部の懸濁液1000ml(固形分濃度25質量%)に上記アニオン系界面活性剤(1)を4部添加し、TK式ホモミキサーで10000rpmに撹拌し5分間分散させた後、加熱冷却装置、濃縮装置、及びシェル剤仕込み装置を備えた反応フラスコに入れた。次いで、「シェル層用樹脂粒子2」を20部添加した後、塩化マグネシウム・6水和物2部をイオン交換水1000部に溶解した水溶液25部を、撹拌下、300℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて60℃まで昇温した。3時間にわたり撹拌を継続し、コア部の表面に、シェル層用樹脂粒子1の粒子を融着させた後、70℃に昇温して20分熟成処理を行ない、シェル層を形成させた。次に、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した融着粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有する「トナー8」を得た。この粒子の粒子のメディアン粒径(D50)は5.7μmであった。
円形度は、「相当円の周囲長/粒子投映像の周囲長」で表される。平均円形度はフロー式粒子像解析装置「FPIA−2000」(シスメックス社製)を用いて水分散系で測定した。
ガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計「DSC−200」(セイコー電子社製)を用い、測定する試料10mgを精密に秤量して、これをアルミニウムパンに入れ、リファレンスとしてアルミナをアルミニウムパンに入れたものを用い、昇温速度30℃/minで常温から200℃まで昇温させた後、これを冷却し、昇温速度10℃/minで20〜120℃の間で測定を行い、この昇温過程で30〜90℃の範囲におけるメイン吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー「807−IT型」(日本分光工業社製)を用いて測定した。カラム温度を40℃に保ちながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを1kg/cm2で流し、測定する試料30mgをテトラヒドロフラン20mlに溶解し、この溶液0.5mgを上記のキャリア溶媒とともに装置内に導入して、ポリスチレン換算により求めた。
表3に、トナーを作製に用いたコア部とシェル層の組成を示す。
Figure 2006235028
表4に、トナーの物性値を示す。
Figure 2006235028
《外添剤処理工程》
上記で調製した「トナー1〜12」に、それぞれ疎水性シリカ(数平均一次粒径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1〜12」を調製した。尚、得られたトナーの「トナー1〜9」を「実施例1〜9」、「トナー10〜12」を「比較例1〜3」とする。
《現像剤の調製》
次いで、上記調製した各トナーに対して、シリコン樹脂を被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを混合し、それぞれトナー濃度が6質量%の「現像剤1〜12」調製した。
《評価》
上記で得られた「実施例1〜9」と「比較例1〜3」を用いて下記の評価を行なった。尚、評価基準の◎と○を合格、△と×を不合格とする。
(帯電量)
帯電量は、所定の帯電量に帯電させたフィルムに接触させ、下記で作製した現像剤を用い、フィルムに付着するトナー質量を測定することによりトナーの帯電量(Q/M)を求めた。尚、帯電量(Q/M)は、−40〜−45Q/Mが好ましい。
帯電量測定用の現像剤は、上記で得られたトナーと上記フェライトキャリアとを5:95の質量比率で混合することによって評価用の現像剤を調製した。この現像剤30gを容量50mlのポリエチレン瓶に入れ、1200rpmで90分間回転することにより現像剤を撹拌した。所定の帯電量に帯電させたフィルムに接触させ、フィルムに付着するトナー質量を測定することによりトナーの帯電量(Q/M)を求めた。
(目視評価)
〈耐熱保管性〉
上記調製した各トナー100gを200mlのビーカーに入れ、55℃、90%RHの条件下で24時間放置した後、目開き45μmのフルイで篩い、フルイ上に残った凝集物の量(割合)でトナー保管安定性を評価した。
評価基準
◎:フルイ上の量が、5質量%未満で凝集非常に少なく優良(断熱梱包材全く無しで夏場に輸送を行っても凝集物の発生無し)
○:フルイ上の量が、5〜30質量%未満で凝集量少なく良好(ダンボール梱包のみで夏場に輸送を行っても凝集物の発生無し)
×:フルイ上の量が、30質量%以上で凝集量が多く実用上問題(保冷輸送の必要有り)。
(画像評価)
〈定着オフセット〉
市販のデジタル複写機「Sitios9331」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の定着装置を改造し、下記条件にて画像オフセットの評価を行なった。
定着装置はヒートローラーに接触しているクリーニング機構等を全て外し、ヒートローラーへは何も接触しないように改造した。複写環境は常温常湿(25℃、55%RH)に設定し、装備されている定着用のヒートローラーの表面温度(ローラーの中心部で測定)を140℃〜170℃の範囲で、5℃刻みで変化させ、各表面温度において、搬送方向に直交する位置に5mm幅のベタ黒帯状画像を有するA4サイズの普通紙を縦送りで搬送定着した後、搬送方向に直交する位置に5mm幅のベタ黒帯状画像と20mm幅のハーフトーン画像を有するA4サイズの普通紙(64g/m2)を横送りで搬送し、得られたサンプルについて、定着オフセットに起因する画像汚れ(画像オフセット)及びヒートローラー表面のトナー汚れを目視観察し、下記の基準により定着オフセトの評価を行なった。
評価基準
◎:画像汚れ、トナー汚れともに、全く発生は認められない
○:画像汚れ、トナー汚れともに、ほぼ発生は認められない
△:画像汚れは無いが、トナー汚れが認められる
×:画像汚れ、トナー汚れともに発生が認められる。
〈画質〉
市販のデジタル複写機「Sitios9331」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)の現像装置に、上記で得られたトナーと現像剤を順次入れて、ハーフトーン画像を有する写真原稿を、光沢塗工紙(三菱製紙(株)製、特菱アート、75g/m2)にプリントした。画質の評価は、プリント初期100枚の画像を目視で行った。
評価基準
◎:ハーフトーン画像の再現性が、写真原稿同等で非常にきれい
○:ハーフトーン画像の再現性が、良好で実用上問題なし
△:ハーフトーン画像の再現性が、一部で悪くガサツキ有り実用上問題
×:ハーフトーン画像の再現性が、プリント全体で悪く実用上問題。
〈定着性〉
定着性の評価は、常温常湿(20℃、50%RH)の環境で行った。
上記評価機の定着器の加熱ローラー表面温度を、紙温度が100〜150℃の範囲で10℃刻みで変化するように変更し、各変更温度でトナー画像を定着してプリント画像を作製した。尚、プリント画像の作製に当たっては、A4版の普通紙(64g/m2)を使用した。
定着して得られたプリント画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いて定着率により評価した。
具体的には、トナー付着量が0.6mg/cm2である2.54cm角のベタ黒プリント画像を作製した後、「スコッチメンディングテープ」(住友3M社製)で剥離する前後の画像濃度を測定し、画像濃度の残存率を定着率として求めた。
定着率が95%以上得られた定着温度を定着可能温度とする。尚、画像濃度の測定には反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
評価基準
◎:紙温度120℃以下での定着が可能
○:紙温度140℃以下での定着が可能
×:紙温度140℃以下での定着ができない。
〈薄紙の定着しわ〉
転写材として40g/m2の薄紙を用い、ソリッド画像を20枚(A4版)プリントアウトした。得られたプリント20枚に定着で発生した定着しわの状態を目視で評価した。
評価基準
◎:定着しわの発生が無かった
○:定着しわの発生が、2枚以下であった
×:定着しわの発生が、2枚よりも多くあった。
評価結果を表5に示す。
Figure 2006235028
表5から明らかなように、本発明の「実施例1〜9」は何れの評価項目も優れているが、本発明外の「比較例1〜3」は少なくとも何れかの評価項目に問題が有ることがわかる。
本発明のトナーの構造の一例を示す模式図である。 本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。 本発明で用いられる定着装置(加圧ローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。 本発明で用いられる定着装置(ベルトと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。 本発明で用いられる定着装置(ソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
符号の説明
T トナー
A コア部
B シェル層
1 コア部の結晶性物質
2シェル部の結晶性物質

Claims (12)

  1. コア部にシェル層を被覆してなるコア・シェル構造を有する静電荷像現像用トナーにおいて、該コア部とシェル層に結晶性物質を含有し、該結晶性物質のDSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記結晶性物質のDSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であり、該吸熱ピークの半値幅が5〜15℃であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記コア部とシェル層に含有する結晶性物質の量が、異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記結晶性物質が、パラフィン系化合物又はエステル系化合物であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記シェル層に含有する結晶性物質の溶融開始温度が、50℃以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記コア部とシェル層に含有する結晶性物質の組成が、異なることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記コア部ではコア部の樹脂100部に対して結晶性物質を5〜20質量部含有、シェル層ではシェル層の樹脂100部に対して結晶性物質を1〜10質量部含有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. トナーの円形度が、0.93〜0.99であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. DSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であるの結晶性物質と着色剤と樹脂とを含有するコア部を形成する工程、その表面にDSCによる第一昇温過程での吸熱ピーク(P1)が50〜100℃であるの結晶性物質を含有するシェル層を形成する工程を有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  10. 前記結晶性物質を含有する樹脂粒子と着色剤粒子を塩析/融着してコア部を形成する工程、その表面に前記結晶性物質を含有する樹脂粒子を塩析/融着してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  11. 前記結晶性物質の粒子、樹脂の粒子及び着色剤粒子を塩析/融着してコア部を形成する工程、その表面に結晶性物質を含有する樹脂粒子を塩析/融着してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  12. 前記結晶性物質及び着色剤を含有する着色樹脂粒子の表面に結晶性物質を含有する樹脂粒子を塩析/融着してコア部を形成する工程、その表面に結晶性物質を含有する樹脂粒子を塩析/融着してシェル層を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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