JP2000066445A - 重合トナ―、およびその製造方法 - Google Patents

重合トナ―、およびその製造方法

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JP2000066445A
JP2000066445A JP14394199A JP14394199A JP2000066445A JP 2000066445 A JP2000066445 A JP 2000066445A JP 14394199 A JP14394199 A JP 14394199A JP 14394199 A JP14394199 A JP 14394199A JP 2000066445 A JP2000066445 A JP 2000066445A
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toner
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polymerizable monomer
monomer
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English (en)
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Norihiro Ogawa
徳大 小川
Takahiro Takasaki
貴裕 高崎
Kazuhiro Sato
一宏 佐藤
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐オフセット性を持たせる離型剤を含有する
トナーであって、低い定着温度をもち、高速印字に対応
でき、カラートナーに好適で、かつ、保存性、流動性に
優れ、高解像度で良好な画質を実現する重合トナー、お
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 離型剤として、少なくとも(a)コア用
重合性単量体に可溶な離型剤と、(b)難水溶性の疎水
性材料を水に分散させて分散液とした後、乾燥して調製
された離型剤との2種類を用い、更に、重合温度が
(a)コア用単量体に可溶な離型剤のASTM D34
18−82によって測定される吸熱ピーク温度以下の温
度下、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で、少なく
とも重合性単量体、着色剤、2種以上の離型剤を含有す
るコア用単量体等組成物を懸濁させ、重合開始剤を用い
て重合することにより、コア用着色微粒子を製造し、更
に、シェル用重合性単量体と重合開始剤を添加し、重合
することによってコア−シェル構造を有する重合トナー
を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合トナーとその
製造方法に関し、さらに詳しくは、電子写真法、静電記
録法等によって形成される静電潜像を現像するための重
合トナーとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置や静電記録装置等の画像形
成装置において形成される静電潜像は、先ず、現像剤に
より現像され、次いで、形成された現像剤像は、必要に
応じて紙等の転写材上に転写された後、加熱、加圧、溶
剤蒸気など種々の方式により定着される。
【0003】これらの装置で用いられるトナーは、一般
に、粉砕トナーと重合トナーのふたつに大別される。前
者は、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、離型剤
等を溶融混合して均一に分散させて組成物とした後、該
組成物を粉砕、分級することにより製造されるトナー
(粉砕法トナーともいう)である。後者は、重合性単量
体、着色剤、帯電制御剤、離型剤等を均一に溶解または
分散せしめた単量体等組成物を、分散安定剤を含有する
水または水を中心とする水系分散媒体中に投入し、液滴
粒子の粒径が一定になるまで撹拌し、ここに重合開始剤
を添加し、さらに高せん断力を有する混合装置を用いて
分散し、該単量体組成物を微小な液滴として造粒した
後、重合して得られるトナー(重合法トナーともいう)
である。
【0004】粉砕トナーは粒径が不均一であるため、ト
ナーの流動性、摩擦帯電性等に大きく影響し、また、小
粒径化が困難であると言われている。一方、重合法トナ
ーは、極めてシャープな粒径分布で小粒径トナーが得ら
れ、良好な電気特性、優れた解像度が期待できる。
【0005】さらに近年では、トナーが使用される電子
写真方式の複写機、プリンター等において、消費電力の
低減化が図られている。電子写真方式の中で、特にエネ
ルギーを消費する工程は、感光体から紙などの転写材上
にトナーを転写した後、定着する際のいわゆる定着工程
である。一般に、定着のために150℃以上の熱ロール
が使用され、そのエネルギー源として電気が使われてい
る。この熱ロール温度を下げることが、省エネルギーの
観点より求められている。また、複写枚数の高速化、印
字枚数の高速化が画像形成装置の複合化、パーソナルコ
ンピューターのネットワーク化が進む中で強く要求され
てきている。こうした高速複写機や高速プリンターにお
いては、短時間定着が必要になっている。
【0006】トナーの設計において、こうした画像形成
装置よりの要求に応えるには、トナーのガラス転移温度
を低下させれば良いが、ガラス転移温度を低下させる
と、トナーの保存中、あるいはトナーボックス中でトナ
ーがブロッキングを起して、凝集体となり、保存性の悪
いトナーになる。
【0007】電子写真方式によるカラートナーの場合、
通常3から4色のカラートナーを現像し、転写材に一度
に、あるいは3から4回分けて転写し、その後定着をし
ている。このことから、白黒画像に比べ定着するトナー
の層厚が厚くなり、また、重なる色が均一に溶融するこ
とが要求される。そのためには、トナーの定着温度付近
での溶融粘度を従来のものと比べて低く設計する必要が
ある。トナーの溶融粘度を低くする手法としては、従来
のトナー用樹脂に比べて、分子量を低くしたり、ガラス
転移温度を下げる等の手法があるが、いずれの手法を採
る場合でも、やはりブロッキングを起し易く、保存性の
悪いトナーになる。
【0008】このように、トナーの定着温度の低下、印
字速度の高速化およびカラー化に対応できる手法と保存
性とは逆の相関関係にあるが、この逆の相関関係を解決
する手法として、従来より、トナー粒子をガラス転移温
度の高いポリマーで被覆したコア−シェル構造の重合ト
ナー、いわゆるカプセルトナーが提案されている。
【0009】ところで、粉砕トナー、重合トナー共に、
加熱・加圧による定着工程をもつ画像形成方法において
は、加熱ローラー等の加熱体の表面にトナーの一部が付
着して、後続の転写紙等に定着されるオフセット現象の
問題を抱えている。この問題を解決するために、重合平
均分子量1000〜45000のポリオレフィン、脂肪
酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸部分ケン化エステ
ル、高級脂肪酸、高級アルコール、パラフィンワック
ス、多価アルコールエステル、脂肪酸アミドなどをオフ
セット防止剤として用いることが提唱されている(特開
昭56−87051号公報)。オフセット防止材(離型
剤ともいう)は、通常は、均一にトナー粒子内部に取り
込まれて、定着工程で加温・加圧されトナー粒子表面へ
と移行してその機能を発揮する。トナー粒子表面に離型
剤を付着させる方法には、トナーの流動性低下や画像の
低下が指摘されている。
【0010】離型剤は、通常、重合トナー製造に際して
用いる重合性単量体中で、均一に分散されて使用される
が、分子量の高いオレフィン系の離型剤は分散が困難で
ある。また、低分子量のパラフィン等の離型剤は単量体
に溶解されて、均一に分散されるが、トナー粒径の単量
体液滴を安定して製造するのが困難であり、こうした種
々の問題は小粒径のカプセル構造を有する重合トナーほ
ど大きな問題となった。実際、懸濁重合によってトナー
を製造する場合、これらのオフセット防止剤では十分な
効果が得られないことが問題とされている。特開昭60
−230663号公報においては、離型剤を更に細かく
する方法として、サンドミルで粉砕する方法が提示され
ている。
【0011】しかしながら、離型剤をこうした湿式粉砕
機でトナー粒径以下まで粉砕することは大変時間と手間
を要するばかりでなく、微細化に限度があり、粒径分布
が広くなるためトナー内に均一に取り込ませることが困
難であった。このほか、離型剤であるポリオレフィンワ
ックスを重合温度以上に加温して溶融し、重合性単量体
中に均一分散させた後、重合温度まで温度を下げて当該
ワックスを析出させる方法が特開昭63−173067
号公報に提唱されている。しかし、ワックスを溶解させ
る温度では重合性単量体組成物の液滴が小さくできない
ため、現在の微細画像を実現するトナーの製造には適さ
ない。これは、当該公報の実施例にて得られているトナ
ーの粒径は10μm前後であることからも伺える。
【0012】特開平6−161144号公報は、常温で
固形、かつ重合性単量体に不溶のいわゆるワックス類を
離型剤として重合性単量体100重量部当たり1〜7重
量部の割合で混合して重合させたトナーであって、トナ
ー粒子径とその内部に取り込まれたワックス粒子径との
関係を規定したトナーが、ワックスの分離がなく、フィ
ルミングやブラックスポット、かぶりのない画質に優れ
たトナーであることを示している。しかしながら、ここ
で提唱されているトナーは、離型剤量が少なく十分な定
着性は必ずしも期待できないものであった。
【0013】また、一方で、特開平5−197193号
公報には、離型剤またはそれを含む層の外側にさらに高
軟化点樹脂層を有するトナーが、流動性に優れ、低温で
の定着性に優れたトナーとして紹介されている。この公
報の記載によれば、トナーの製造において、重合性単量
体に不溶の離型剤の融点(軟化点)以上の温度で重合を
行っているが、このような重合方法では離型剤は重合時
に必ずしもトナー内部に球形で存在せず、粒子表面にも
露出する。当該公報では、このような問題を解消するた
めに高軟化点樹脂層(B層)を厚くしているが、このよ
うなトナーでは定着性が不十分となる。また、重合性単
量体に不溶の離型剤は定着性が不十分であり、定着性を
得るために、離型剤を当該公報実施例に記載されている
ほどに大量に用いると、光沢過剰となり良好な画質が得
られないという問題もあった。
【0014】特開平6−242633号公報では、離型
剤のエマルジョンを重合性単量体と共に重合開始剤存在
下で重合させてトナーを製造する方法が提案されてい
る。しかしながら、これらの方法は有機溶剤存在下での
トナー粒子の製造方法において、離型剤をエマルジョン
化して使用することの提案である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、我々
は、有機溶剤に代えて水系媒体を用いて懸濁重合するト
ナーの製造方法に、エマルジョン化した離型剤を使用し
たところ、トナー粒子の粒径がそろわず、保存性に劣る
トナーしか得ることができないとの知見を得た。このよ
うに微細化された離型剤は、精細画像に適した微細トナ
ー粒子の製造に欠かすことのできない要素となっている
が、微細トナー粒子の経済的な製造に最適な水系分散媒
体を用いた懸濁重合トナーの製造方法において、十分な
耐オフセット性や保存安定性を与える離型剤は得られて
いないというのが現状であった。
【0016】そこで本発明の目的は、耐オフセット性を
持たせる離型剤を含有するトナーであって、低い定着温
度による高速印字に対応でき、カラートナーに好適で、
かつ、保存性、流動性に優れ、高解像度を可能にする微
細粒子で良好な画質を実現する重合トナー、およびその
製造方法を提供することにある。
【0017】かかる従来技術の問題点を克服するために
鋭意研究した結果、本発明者らは、懸濁重合法によりカ
プセルトナー粒子を製造する方法であって、分散安定剤
を含有する水系分散媒体中で、少なくとも重合性単量
体、着色剤及び離型剤を含有するコア用単量体等組成物
を懸濁重合することにより、コア用着色微粒子を製造
し、更に、シェル用重合性単量体を添加し、重合するこ
とによって製造されるコア−シェル構造を有する重合ト
ナーにおいて、特定の2種類以上の離型剤を併用すると
これらの問題が解決することを見いだし、この知見に基
づいて、本発明を完成するに到った。
【0018】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれば
分散安定剤を含有する水系分散媒体中で、少なくともコ
ア用重合性単量体、着色剤、及び離型剤を含有するコア
用単量体等組成物を懸濁させ、重合開始剤を用いて重合
することにより、コア用着色微粒子を製造し、更に、シ
ェル用重合性単量体を添加し、重合することによって製
造されるコア−シェル構造の重合トナーであって、前記
離型剤が、(a)コア用重合性単量体に可溶な離型剤
と、(b)難水溶性の疎水性材料を水に分散させて分散
液とした後、乾燥して調製された離型剤とであることを
特徴とする重合トナーが提供され、好ましくは離型剤a
が、当該重合トナー中で、トナー断面の球形度に対する
離型剤断面の球形度比が1.0〜1.5、離型剤断面の
最大長径が、同一トナーの最大長の長径の0.3〜0.
7倍で存在することを特徴とする前記重合トナー、より
好ましくは離型剤aと、離型剤bとの割合が重量比基準
で(a)/(b)=99/1〜50/50である前記重
合トナーが提供される。
【0019】また、分散安定剤を含有する水系分散媒体
中で、少なくとも重合性単量体、着色剤、2種以上の離
型剤を含有するコア用単量体等組成物を懸濁させ、重合
開始剤を用いて重合することにより、コア用着色微粒子
を製造し、更に、シェル用重合性単量体を添加し、重合
することによってコア−シェル構造を有する重合トナー
を製造する方法であって、前記離型剤として、少なくと
も離型剤aと離型剤bとの2種類を用い、更に、重合温
度が(a)コア用重合性単量体に可溶な離型剤のAST
M D3418−82によって測定される吸熱ピーク温
度以下の温度であることを特徴とする前記重合トナーの
製造方法が提供される。
【0020】また、本発明によれば、以下のような好ま
しい実施態様が提供できる。 (1)上記の離型剤aが、多官能エステル化合物である
前記の重合トナー。 (2)上記の離型剤aが、ペンタエリスリトールと炭素
数10〜30個のカルボン酸からなるものである前記の
重合トナー。 (3)前記多官能エステル化合物が、ペンタエリスリト
ールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラ
パルミテート、及びペンタエリスリトールテトララウレ
ートからなる群より選択される1以上の化合物である前
記の重合トナー。 (4)前記離型剤bが、水に難水溶性の疎水性材料を分
散させて分散液とした後、乾燥したものを用い、かつ、
当該離型材料が、ASTM−D3418−82によって
測定される吸熱ピーク温度が30〜200℃のものある
ことを特徴とする前記重合トナー。 (5)難水溶性の疎水性材料がフィッシャートロプシュ
ワックスである前記重合トナー。 (6)離型剤bが、ASTM−D3418−82によっ
て測定される吸熱ピーク温度が30〜200℃である疎
水性化合物を離型材料として水に分散させて分散液とし
た後、乾燥したトナー用離型剤である前記重合トナー。 (7)水に分散された難水溶性の疎水性材料の体積平均
粒径が2μm以下である、前記重合トナー。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明のトナーは、懸濁重合法により製造されるトナー
の一つであり、コア−シェル構造を有する重合トナーで
あって、離型剤が、離型剤a、即ちコア用単量体に可溶
の離型剤と、離型剤b、即ち離型材料を水に分散させて
分散液とした後、乾燥して調製された離型剤とを含有す
ることを特徴とする重合トナーである。このようなトナ
ーは、懸濁重合法によるカプセルトナーを製造する方法
であればよく、例えば2段重合法によって製造すること
ができる。
【0022】2段重合法は、具体的には、分散安定剤を
含有する水系分散媒体中で、少なくとも重合性単量体、
着色剤、離型剤aおよびbを含有するコア用単量体等組
成物を懸濁させ、重合開始剤を用いて重合することによ
り、コア用着色微粒子を製造し、更に、シェル用重合性
単量体と重合開始剤を添加し、重合することによってコ
ア−シェル構造を有する重合トナーを製造する。この
際、離型剤aのASTMD3418−82によって測定
される吸熱ピーク温度以下に重合温度を設定するのが特
に好ましい。この方法によれば、実質的にトナー表面に
離型剤がブリードせず、トナー粒子内部に球形またはそ
れに準ずる形状で存在する本発明のトナーが、極めて効
率よく得られる。
【0023】離型剤aの吸熱ピークと重合温度との差
は、離型剤aが反応系内で溶融しない限り特に制限され
ないが、通常0.5〜60℃、好ましくは1〜50℃、
より好ましくは2〜45℃である。離型剤の吸熱ピーク
温度が高い(70℃以上)ものでは重合温度との差が大
きくても、重合温度自体が十分に高いので反応が効率よ
く進行するが、吸熱ピーク温度がさほど高くない(70
℃未満)場合では、余り重合温度を下げすぎると、重合
反応の進行が遅くなるので、吸熱ピーク温度と重合温度
との差は小さめになる。なお、ここで重合温度とは、少
なくともコア粒子を製造する際の重合温度であり、好ま
しくはトナー粒子製造に係わる重合反応時および後処理
における温度をいう。
【0024】(離型剤a)本発明で用いられる離型剤a
は、通常トナーの離型剤aとして用いられるもののう
ち、コア用重合性単量体に可溶なものである。ここで、
コア用重合性単量体に可溶とは、25℃で、コア用重合
性単量体100gに対して3g以上、好ましくは5g以
上溶解することを言い、コア用単量体の主成分である重
合性単量体に25℃で可溶で、軟化点(又は融点)がコ
ア用単量体の重合温度よりも高いものが、トナー単量体
中で離型剤aの形状を球形化させ、重合後もトナー表面
にブリードさせないので好ましい。離型剤aとして、コ
ア用重合性単量体に非可溶性の離型剤を用いる場合、1
度、コア用重合性単量体中で離型剤の融点以上に加温さ
せることによって、コア用重合性単量体中での球形化は
可能である。しかしながら温度を下げる段階とコア用単
量体が重合する段階で、トナー表面にブリードし易いた
め、コア用重合性単量体に非可溶性の離型剤では本発明
の十分な効果は得られない。
【0025】こうした離型剤aとしては3官能以上のア
ルコールとカルボン酸との縮合物である多官能エステル
化合物が好ましい。縮合は常法に従って行えばよく、カ
ルボン酸は反応性を高めるためにカルボン酸ハライドと
して反応に供しても良い。
【0026】3官能以上のアルコールとしては、グリセ
リン、ペンタエリスリトール、ペンタグリセロールなど
の脂肪族アルコール;フロログルシトール、クエルシト
ール、イノシトールなどの脂環式アルコール;トリス
(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどの芳香族アルコー
ル;D−エリトロース、L−アラビノース、D−マンノ
ース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ラム
ノース、サッカロース、マルトース、ラクトース、等の
糖;エリトリット、D−トレイット、L−アラビット、
アドニット、キシリットなどの糖アルコールなどを挙げ
ることができる。これらのうち、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトールが好適である。
【0027】カルボン酸としては、酢酸、酪酸、カプロ
ン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリ
ン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステ
アリン酸、マルガリン酸、アラキジン酸、セロチン酸、
メリシン酸、エリカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、オ
レイン酸、リノール酸、リノレン酸、ベヘニル酸、テト
ロル酸、キシメニン酸などの脂肪族カルボン酸;シクロ
ヘキサンカルボン酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキ
サヒドロテレフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロ
フタル酸などの脂環式カルボン酸;安息香酸、トルイル
酸、クミン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、トリメシン酸、トリメリト酸、ヘミメリト酸などの
芳香族カルボン酸等を挙げることができる。これらのう
ち、炭素数10〜30個、好ましくは13〜25個のカ
ルボン酸、特に該炭素数の脂肪族カルボン酸、より具体
的にはパルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸が好適
である。
【0028】本発明に用いる多官能エステル化合物にお
いて、3官能以上のアルコールと結合する複数のカルボ
ン酸が、異なるものであっても、同じものであってもよ
いが、好適には、複数のカルボン酸中の炭素数の最大値
と最小値との差が9以下、好ましくは5以下のものであ
る。具体的には、ペンタエリスリトールテトラステアレ
ート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペン
タエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリ
トールテトララウレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サラウレート、グリセロールトリアラキン酸などを挙げ
ることができる。
【0029】(離型剤b)本発明で用いられる離型剤b
は、通常トナーの離型剤として用いられる難水溶性の疎
水性材料(以下、離型材料という)を水に分散させてエ
マルジョンとした後、乾燥したものであるが、コア用重
合性単量体100gに対して3g未満、好ましくは2g
以下、より好ましくは1g以下しか溶解しない疎水性化
合物が挙げられ、具体的には、低分子量ポリエチレン、
低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの
低分子量ポリオレフィンワックス類や分子末端酸化低分
子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した
低分子量末端変性ポリプロピレンおよびこれらと低分子
量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分
子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低
分子量ポリエチレンおよびこれらと低分子量ポリプロピ
レンのブロックポリマーなどの末端変性ポリオレフィン
ワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロ
ウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マ
イクロクリスタリン、ペトリラクタムなどの石油系ワッ
クス及びその変性ワックス;モンタン、セレシン、オゾ
ケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュ
ワックスなどの合成ワックス;など1種あるいは2種以
上が例示される。
【0030】これらのうち、合成ワックス(特にシェル
・MDS社製の商品名「FT−100」、「FT−00
30」、「FT−0050」、「FT−0070」、
「FT−0165」、「FT−1155」、「FT−6
0S」などや、サゾール社製の商品名サゾールワックス
などといったフィッシャートロプシュワックス)や低分
子量ポリプロピレンワックスの「ビスコール660
P」、「ビスコール550P」(何れも商品名;三洋化
成社製)やマイクロクリスタリンワックスの「Hi−M
ic−3090」(日本精蝋社製)などが好ましく、な
かでも示差走査熱量計により測定されるDSC曲線にお
いて、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜200℃、好ま
しくは50〜180℃、60〜160℃の範囲にあるも
のが特に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D3
418−82によって測定された値である。
【0031】本発明においては、このような離型材料
を、常法により水に懸濁してエマルジョンを得、その
後、これを乾燥して離型剤bとする。エマルジョンの調
製方法は一般的なポリマーの水懸濁液の調製方法と同じ
方法が使用でき、例えば離型材料を乳化剤を含む水中に
投入、攪拌してエマルジョン化してもよいし、離型材料
を乳化剤を含む水中で加熱溶融してエマルジョン化して
もよい。分散方法の具体的な方法は、まず反応容器に水
を入れ、離型材料を水に対して5〜50重量%、好まし
くは5〜30重量%になるように添加し、更に必要に応
じて水に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.
5〜5重量%の乳化剤、老化防止剤0.01重量部ある
いは窒素を封入して、加熱し、離型材料の融点より少な
くとも10℃以上になるようにして強制撹拌しながら加
温し、離型材料が溶解、乳化後、冷却する方法が挙げら
れる。乳化剤を用いると離型材料が微細になるので好ま
しい。強制撹拌する装置としてはホモミキサー、ディス
パーミキサー、ホモジナイザー等が用いられる。
【0032】乳化剤は、水に溶解して表面張力を下げる
種々の界面活性剤を用いることができる。その具体例は
以下の通りである。ノニオン系のものとしては、ポリオ
キシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチ
レン(15)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(2
0)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(25)セチ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(30)セチルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(35)セチルエーテル、ポリ
オキシエチレン(40)セチルエーテル、ポリオキシエ
チレン(10)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレ
ン(15)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン
(20)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2
5)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(30)
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(35)ステ
アリルエーテル、ポリオキシエチレン(40)ステアリ
ルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエー
テル、ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル、
ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル、ポリオ
キシエチレン(25)オレイルエーテル、ポリオキシエ
チレン(30)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン
(35)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(4
0)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ノニ
ルフェノール、ポリオキシエチレン(15)ノニルフェ
ノール、ポリオキシエチレン(20)ノニルフェノー
ル、ポリオキシエチレン(25)ノニルフェノール、ポ
リオキシエチレン(30)ノニルフェノール、ポリオキ
シエチレン(35)ノニルフェノール、ポリオキシエチ
レン(40)ノニルフェノール、等が用いられ常温で固
体のものが特に好ましい。尚、( )内はカーボン数で
ある。
【0033】アニオン系のものとしては、モルホリンと
ラウリル酸、パルチミン酸、ステアリル酸、オレイン酸
等との石鹸、メチルモルホリンとウラリル酸、パルチミ
ン酸、ステアリル酸、オレイン酸等との石鹸、エチルモ
ルホリンとウラリル酸、パルチミン酸、ステアリル酸、
オレイン酸等との石鹸、等が挙げられる。
【0034】前述した離型材料のエマルジョン化によっ
て得られた離型材料分散液は、次に乾燥され、本発明で
用いる離型剤bとなる。乾燥条件は、離型材料に応じて
任意に設定することができるが、通常、30〜45℃
で、好ましくは30〜40℃、更に好ましくは30〜3
5℃で減圧乾燥するのがよい。乾燥時間は、105℃、
1時間の乾燥で乾燥前後の温度重量差(heat lo
ss)が5%以下、好ましくは1%以下、より好ましく
は0.5%以下、特に好ましくは0.3%以下となるま
でである。あるいは離型材料の融点よりも低い温度でス
プレー乾燥してもよく、また循環式乾燥機、例えばセイ
シン企業のフラシュジェットドライヤーやサーマルジェ
ットドライヤー等を用いることもできる。
【0035】本発明で用いられる離型剤bは、重合性単
量体に混合して直ちに重合しても良いが、更にトナー製
造に用いる1以上の単量体(例えばスチレン単量体な
ど)の、全部または一部と混合して、ビーズミルなどで
粉砕し、SALD−2000J(島津製作所社製)によ
って測定される体積平均粒径が、2μm以下、好ましく
は1.5μm以下、更に好ましくは1μm以下、0.0
5μm以上になるまで粉砕するとよい。粉砕に際して用
いる単量体の量は、離型剤bの5〜15倍(重量基
準)、好ましくは8〜12倍である。また、離型剤bの
粒径分布が狭いと重合性単量体組成物の液滴が安定し、
更にトナーの保存性も向上する。液滴の安定は、SAL
D−2000J(島津製作所社製)によって測定される
体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dpとの比Dv/Dp
で表わされる粒径分布が1.0〜3.0、好ましくは
1.0〜 2.5、より好ましくは1.0〜2.0であ
るとき得られる。
【0036】(コア粒子の製造方法)コア粒子の製造
は、上述した離型剤aおよびb(以下、まとめて単に離
型剤ということがある)を用い具体的には以下の方法に
より製造することができる。離型剤量は、重合性単量体
100重量部に対して0.1〜25重量部、好ましくは
0.5〜20重量部程度である。離型剤aと離型剤bの
併用の比率は、重量基準で通常99/1〜50/50、
好ましくは95/5〜55/45、より好ましくは90
/10〜60/40である。この比率で用いることによ
って、特に優れた定着性と耐オフセット性を得ることが
できる。更に、これらの離型剤の他に、通常使用され
る、離型剤a及びb以外のものを離型剤として併用する
こともできる。併用の割合は、重合性単量体100重量
部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部
以下であり、かつ離型剤の量に対して50重量%以下、
好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%
以下である。
【0037】コア用重合性単量体中に、着色剤、離型
剤、帯電制御剤、その他の添加剤等のコア用原材料をビ
ーズミル等の混合分散機で混合し、分散安定剤を含有す
る水媒体中に分散させ、懸濁液を攪拌し、液滴を形成す
る。離型剤は、aとbとをそれぞれ別々に任意の順番で
添加しても良いし、両者をあらかじめ混合したものを添
加しても良い。次いでそこに重合開始剤を添加し、更に
液滴をトナーの大きさまで小さくなるように造粒しコア
粒子を得る。造粒の方法は、特に限定されないが、高速
回転する回転子と、それを取り囲み且つ小孔または櫛歯
を有する固定子との間隙に流通させる方法が好適であ
る。
【0038】単量体組成物分散液の分散状態は、単量体
組成物の液滴の体積平均粒径が、1〜10μm、好まし
くは2〜9μm、より好ましくは3〜8μmの状態であ
る。液滴の粒径が大きすぎると、トナー粒子が大きくな
り、画像の解像度が低下するようになる。液滴の体積平
均粒径/数平均粒径は、1〜3、好ましくは1〜2であ
る。該液滴の粒径分布が広いと転写不良が生じ、かぶ
り、フィルミングなどの不具合が生じるようになる。液
滴は、好適には、その体積平均粒径±1μmの範囲に3
0体積%以上、好ましくは50体積%以上存在する粒径
分布のものである。
【0039】また、本発明においては、前記単量体組成
物分散液を得た後、重合反応器に仕込み、重合すること
が好ましい。具体的には、分散液調製用の容器でコア用
単量体組成物を水媒体に添加して単量体組成物分散液を
調製し、当該単量体組成物を別の容器(重合反応用容
器)に移送し、該容器に仕込み、重合する。従来の懸濁
重合法のごとく、分散液を重合反応器で得、そのまま重
合反応をさせる方法では、反応器内にスケールが生起
し、粗大粒子が多量に生成しやすくなる。
【0040】油溶性開始剤の添加時期は、コア用重合性
単量体中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤、その他の添
加剤を添加し、ビーズミル等により均一に分散させた単
量体等組成物を調製し、次いで、この混合液を水系分散
媒体中に投入し、良く撹拌して、液滴粒子が均一になっ
てから油溶性重合開始剤を添加、混合して、さらに高速
回転せん断型攪拌機を用いて、トナー粒子に近い粒径ま
で造粒した後、5〜120℃の温度で、好ましくは35
〜95℃の温度で懸濁重合する。これより低い温度で
は、触媒活性が高い重合開始剤を用いることになるの
で、重合反応の管理が困難になる。逆にこれより高い温
度では、離型剤がトナー表面にブリードし易く成るの
で、保存性が悪くなる。
【0041】(コア用重合性単量体)本発明に用いるコ
ア用重合性単量体の最も好ましい例として、モノビニル
系単量体を挙げることができる。具体的にはスチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単
量体;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル酸
またはメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、
ブチレン等のモノオレフィン系単量体;塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニル
エーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニル
ケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビ
ニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル
化合物;等のモノビニル系単量体が挙げられる。これら
のモノビニル系単量体は、単独で用いてもよいし、複数
の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらモノビニ
ル系単量体のうち、スチレン系単量体またはアクリル酸
もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
【0042】本発明に用いるコア用重合性単量体は、ガ
ラス転移温度が、通常60℃以下、好ましくは、40〜
60℃の重合体を形成しうるものである。ガラス転移温
度が高すぎると定着温度が高くなり、低すぎると、保存
性が低下する。通常、コア用単量体は1種または2種以
上を組み合わせて使用することが多い。
【0043】使用する単量体が1種類の場合には、当該
単量体から形成されるホモポリマーのTgを、本発明に
おける重合体のTg(計算Tg)と定義する。例えば、
ポリスチレンのTgは、100℃であるから、スチレン
を単独で使用する場合には、該単量体は、Tgが100
℃の重合体を形成するという。使用する単量体が2種類
以上あって、生成する重合体がコポリマーの場合には、
使用する単量体の種類と使用割合に応じて以下の式に従
ってコポリマーのTgを算出する。 100/Tg=W1/T1+W2/T2+W3/T3+
…… ただし、 Tg:共重合体のガラス転移温度(絶対温度) W1、W2、W3……:共重合体組成物中における特定
の単量体の重量(%) T1、T2、T3……:その単量体からなるホモポリマ
ーのガラス転移温度(絶対温度)
【0044】更に架橋性単量体を用いることはホットオ
フセット改善に有効である。架橋性単量体は、2以上の
重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有する単量体で
ある。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン、およびこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合
物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カ
ルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニ
ルエーテル等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を
有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋
性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合
わせて用いることができる。使用量は、コア用単量体1
00重量部当たり、0〜2.0重量部、好ましくは、
0.1〜1.0重量部である。
【0045】(分子量調整剤)必要に応じて用いられる
分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカ
プタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等
のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。
これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途
中に添加することができる。分子量調整剤は、単量体1
00重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好
ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0046】(滑剤・分散助剤)本発明においては、着
色剤のトナー粒子中への均一分散等を目的として、オレ
イン酸、ステアリン酸等の脂肪酸あるいはNa、K、C
a、Mg、Zn等の金属からなる脂肪酸金属塩、シラン
系またはチタン系カップリング剤等の分散助剤;などを
使用してもよい。このような滑剤や分散剤は、着色剤の
重量を基準として、通常、1/1000〜1/1程度の
割合で使用される。
【0047】(帯電制御剤)本発明で用いられる帯電制
御剤は、一般的に用いられる正帯電性又は負帯電性の帯
電制御剤を用いることが可能である。例えば、カルボキ
シル基又は含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含
金属染料、ニグロシン等が挙げられる。より具体的に
は、スピロンブラックTRH(保土谷化学社製)、T−
77(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリ
エント化学社製)、ボントロンE−84(オリエント化
学社製)、ボントロンN−01(オリエント化学社
製)、コピーブルー−PR(ヘキスト社製)、4級アン
モニウム塩含有樹脂、スルホン酸基含有樹脂等の帯電制
御樹脂を挙げることができる。上記帯電制御剤は、コア
用単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10
重量部、好ましくは0.03〜5重量部を用いる。
【0048】(コア用重合開始剤)ラジカル重合開始剤
としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過
硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸
塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−1,1−ビ
ス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピ
オアミド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニ
トリル)等のアゾ化合物;イソブチリルパーオキサイ
ド、2,4−ジ−クロロベンゾイルパーオキサイド、
3,5,5’−トリメチルヘキサノイルパーオキサイ
ド;等のジアシルパーオキサイド系、ビス(4−t−ブ
チルシクロヘキシル)パーオキシジ−カーボネート、ジ
−n−プロピルパーオキシジ−カーボネート、ジ−イソ
プロピルパーオキシジ−カーボネート、ジ−2−エトキ
シエチルパーオキシジ−カーボネート、ジ(2−エチル
エチルパーオキシ)ジ−カーボネート、ジ−メトキシブ
チルパーオキシジ−カーボネート、ジ(3−メチル−3
−メトキシブチルパーオキシ)ジ−カーボネート;等の
パーオキシジ−カーボネート類、(α、α−ビス−ネオ
デカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミ
ルパーオキシネオデカノエート、1,1’,3,3’−
テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−
シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカ
ノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、
t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシル
パーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、メチルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオ
キシド、アセチルパーオキシド、ジクミルパーオキシ
ド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシ
ド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
t−ブチルパーオキシイソフタレート等の過酸化物類な
どを例示することができる。
【0049】また、これら重合開始剤と還元剤とを組み
合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。これ
らのうち、油溶性ラジカル開始剤、特に、10時間半減
期の温度が40〜80℃、好ましくは45〜80℃で且
つ分子量が300以下の有機過酸化物から選択される油
溶性ラジカル開始剤、特にt−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエートやt−ブチルパーオキシネオデカ
ノエートが臭気などの揮発成分による環境破壊が少ない
ことから好適である。
【0050】トナー製造のための重合開始剤の使用量
は、水媒体基準で通常、0.01〜3重量%である。
0.01重量%未満では、重合速度が遅く、3重量%超
過では、分子量が低くなるので好ましくない。
【0051】(マクロモノマー)また、本発明では、保
存性、オフセット性と低温定着性とのバランスを良くす
るためにマクロモノマーを単量体として用いることが好
ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端にビニル重合
性官能基を有するもので、数平均分子量が、通常、1,
000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーであ
る。数平均分子量が小さいものを用いると、重合体粒子
の表面部分が柔らかくなり、保存性が低下するようにな
る。逆に数平均分子量が大きいものを用いると、マクロ
モノマーの溶融性が悪くなり、定着性が低下するように
なる。
【0052】マクロモノマーは、前記モノビニル系単量
体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高
いガラス転移温度を有するものが好適である。なお、マ
クロモノマーのTgは、通常の示差熱計(DSC)等の
測定機器で測定される値である。
【0053】本発明に用いるマクロモノマーの具体例と
しては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エス
テル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して得ら
れる重合体、ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマ
ー、特開平3−203746号公報の第4頁〜第7頁に
開示されているポリマー末端に重合性二重結合を有し、
任意の繰り返し構造単位を有するものなどを挙げること
ができる。
【0054】これらマクロモノマーのうち、高いガラス
転移温度を有する、特にスチレン及びメタクリル酸エス
テルまたはアクリル酸エステルを組み合わせて重合して
得られる重合体が、本発明に好適である。マクロモノマ
ーを使用する場合、その量は、モノビニル系単量体10
0重量部に対して、通常、0.01〜1重量部、好適に
は0.03〜0.8重量部である。
【0055】(着色剤)黒色着色剤として、カーボンブ
ラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッ
ケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化
鉄ニッケル等の磁性粒子;などを挙げることができる。
カーボンブラックを用いる場合、一次粒径が20〜40
nmであるものを用いると良好な画質が得られ、またト
ナーの環境への安全性も高まるので好ましい。カラート
ナー用着色剤としては、ネフトールイエロS、ハンザイ
エロG、C.I.ピグメントイエロ、C.I.バットイ
エロ、エオシンレーキ、C.I.ピグメントレッド、
C.I.ピグメントバイオレット、C.I.バットレッ
ド、フタロシアニンブルー、C.I.ピグメントブル
ー、C.I.バットブルー、C.I.アシッドブルー等
が挙げられる。これら着色剤は、ビニル系単量体100
重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましく
は1〜20重量部の割合で用いられる。
【0056】(分散安定剤)本発明に用いる分散安定剤
は、難水溶性金属化合物のコロイドを含有するものが好
適である。難水溶性金属化合物としては、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、などの硫酸塩;炭酸バリウム、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、などの炭酸塩;りん
酸カルシウムなどのりん酸塩;酸化アルミニウム、酸化
チタンなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げ
ることができる。これらのうち、難水溶性の金属水酸化
物のコロイドを含有する分散剤は、重合体粒子の粒径分
布を狭くすることができ、画像の鮮明性向上するので好
適である。
【0057】難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有す
る分散剤は、その製法による制限はないが、水溶性多価
金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整することによ
って得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、特に
水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属塩との水相
中の反応により生成する難水溶性の金属水酸化物のコロ
イドを用いることが好ましい。
【0058】本発明に用いる難水溶性金属化合物のコロ
イドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累
積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の9
0%累積値)が1μm以下であることが好ましい。
【0059】分散剤は、前記の単量体組成物100重量
部に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用す
る。この割合が0.1重量部より少ないと、充分な重合
安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成し易
くなる。逆に、20重量部を越えると、水溶液粘度が大
きくなって、重合安定性が低くなる。
【0060】本発明においては、必要に応じて、水溶性
高分子を含有する分散剤を用いることができる。水溶性
高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチ
ルセルロース、ゼラチン等を例示することができる。本
発明においては、界面活性剤を使用する必要は無いが、
帯電特性の環境依存性が大きくならない範囲で懸濁重合
を安定に行うために使用することができる。
【0061】本発明のトナーの製法によって、コア粒子
の体積平均粒径が、通常、1〜10μm、好ましくは2
〜9μm、より好ましくは3〜8μmが得られる。ま
た、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)が、
通常、1.7以下、好ましくは1.5以下、より好まし
くは1.3以下のものが得られる。
【0062】本発明において重合体粒子は、前記コア粒
子にシェル用重合性単量体を重合して得る。
【0063】(シェル用重合性単量体)本発明において
用いるシェル用重合性単量体は、コア粒子を構成する重
合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有す
る重合体を得るものである。シェル用重合性単量体を組
成する単量体として、スチレン、メチルメタクリレート
などのガラス転移温度が80℃を超える重合体を形成す
る単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わ
せて使用することができる。シェル用重合性単量体から
得られる重合体(以下、シェル用重合体ということがあ
る)は、そのガラス転移温度が少なくともコア粒子用単
量体からなる重合体のガラス転移温度よりも高くなるよ
うに設計する必要がある。シェル用重合体のガラス転移
温度は、重合トナーの保存安定性を向上させるために、
通常、50℃超過120℃以下、好ましくは60℃超過
110℃以下、より好ましくは80℃超過105℃以下
である。コア粒子を形成する重合体とシェル用重合体と
の間のガラス転移温度の差は、通常、10℃以上、好ま
しくは20℃以上、より好ましくは30℃以上であり、
ここでシェル用重合体の方が高いTgである。
【0064】シェル用重合性単量体は、コア粒子の数平
均粒子径よりも小さい液滴とすることが好ましい。シェ
ル用重合性単量体の液滴の粒径が大きくなると、シェル
が均一に付着できないので、保存性が低下傾向になる。
シェル用重合性単量体を小さな液滴とするには、シェル
用重合性単量体と水系分散媒体との混合物を、例えば、
超音波乳化機などを用いて、微分散処理を行う。得られ
た水分散液をコア粒子の存在する反応系へ添加すること
が好ましい。
【0065】シェル用重合性単量体の液滴には、帯電制
御剤を存在させることもできる。ここで用いる帯電制御
剤としては、前記コアで使用されるものと同じ物が用い
られる。帯電制御剤の使用量は、シェル用重合性単量体
100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、
好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0066】シェル用重合性単量体をコア粒子の存在下
に重合する具体的な方法としては、前記コア粒子を得る
ために行った重合反応の反応系にシェル用重合性単量体
を添加して継続的に重合する方法、又は別の反応系で得
たコア粒子を仕込み、これにシェル用重合性単量体を添
加して段階的に重合する方法などを挙げることができ
る。シェル成分用単量体は反応系中に一括して添加する
か、またはプランジャポンプなどのポンプを使用して連
続的もしくは断続的に添加することができる。
【0067】(シェル用重合開始剤)シェル用重合性単
量体の重合に際して、重合開始剤を添加することができ
る。特に重合性開始剤として、水溶性のラジカル開始剤
を用いると、コア−シェル型重合体粒子を容易に得るこ
とができる。これは、シェル用重合性単量体の添加の際
に水溶性ラジカル開始剤を添加すると、シェル用重合性
単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性ラジカ
ル開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体(シェル)を
形成しやすくなるからであると考えられる。
【0068】ここで用いる重合開始剤は、コア用重合性
単量体の重合に用いることができるものと同様である
が、前述したアゾ系開始剤やクメンパーオキシド等の油
溶性開始剤とレドックス触媒の組合せなどが好ましい例
として挙げることができる。重合開始剤の量は、水系媒
体基準で、通常、0.01〜1重量%である。
【0069】本発明の重合トナーにおいて用いられるコ
ア粒子用単量体とシェル用重合性単量体との重量比率
は、通常、80/20〜99.9/0.1である。シェ
ル用重合性単量体の割合が過小であると、保存性改善効
果が小さく、逆に、過大であると、定着温度の低減の改
善効果が小さくなる。
【0070】本発明のコア−シェル構造の重合トナーは
重合体粒子となるが、その体積平均粒子径が、通常、1
〜10μm、好ましくは2〜9μm、より好ましくは3
〜8μmで、粒径分布(体積平均粒子径/個数平均粒子
径)が、通常、1.7以下、好ましくは1.5以下、更
に好ましくは1.3以下の粒径分布がシャープな球形の
微粒子である。
【0071】本発明のコア−シェル構造の重合トナーに
おいて、シェルの平均厚みが、0.001〜1.0μ
m、好ましくは0.003〜0.5μm更に好ましくは
0.005〜0.2μmであると考えられる。厚みが大
きくなると定着性が低下し、小さくなると保存性が低下
する。なお、本発明のトナー構造は、コア部のすべてが
シェルで覆われている必要はない。重合トナーのコア粒
子径、及びシェルの厚みは、電子顕微鏡により観察でき
る場合は、その観察写真から無作為に選択した粒子の大
きさ及びシェル厚みを直接測ることにより得ることがで
き、電子顕微鏡でコアとシェルとを観察することが困難
な場合は、コア粒子の粒径及びシェルを形成する単量体
の量から算定することができる。
【0072】このような方法によって製造されるトナー
中の離型剤aの断面形状は、球形で、トナー断面の球形
度に対する離型剤a断面の球形度比が好ましくは1.0
〜1.5であり、1.0〜1.3に入るのが特に好まし
い。球形度比は1.5より大きいと離型剤がトナー表面
にブリードし易く、流動性、保存性が低下することがあ
る。同様に、離型剤a断面形状の最大長径の、同一トナ
ーの最大長の長径に対する比(以下、長径の比という)
はトナー長径の0.7〜0.3倍が好ましく、特に好ま
しくは0.6〜0.4倍である。0.7倍を超えると離
型剤aがトナー表面にブリードし易く、流動性と保存性
が低下することがある。ここで球形度比及び長径比は、
後述する実施例に記載の方法により測定された値であ
る。
【0073】(外添剤)必要に応じて、本発明の方法に
よって製造されるトナーに外添剤を混合することができ
る。外添剤としては、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げら
れる。無機粒子としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウ
ム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。有機樹
脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、ア
クリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸
エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル
共重合体粒子、コアがメタクリル酸エステル重合体で、
シェルがスチレン重合体で形成されたコア−シェル型粒
子、コアがスチレン共重合体で、シェルがメタクリル酸
エステル重合体で形成されたコア−シェル型粒子などが
挙げられる。これらのうち、無機酸化物粒子、特に二酸
化ケイ素粒子が好適である。また、これらの粒子表面を
疎水化処理することができ、疎水化処理された二酸化ケ
イ素粒子が特に好適である。外添剤の量は、特に限定さ
れないが、トナー粒子100重量部に対して、通常、
0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜6重量部であ
る。
【0074】外添剤は2種以上を組み合わせて用いても
良い。外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子
径の異なる2種の無機酸化物粒子または有機樹脂粒子を
組み合わせる方法が好適である。外添剤の付着は、通
常、外添剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーなどの
混合機に入れて攪拌して行う。
【0075】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて、本発
明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。なお、部および%
は、特に断りのない限り重量基準である。本実施例で
は、以下の方法で評価した。
【0076】(粒径)粒子の体積平均粒径(dv)及び
粒径分布即ち体積平均粒径と平均粒径(dp)の測定値
から、その比(dv/dp)を算出した。トナーのコア
粒子径(コア粒径)はマルチサイザー(コールター社
製)により測定した。このマルチサイザーによる測定
は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンI
I、濃度10%、測定粒子個数:50000個の条件で
行った。離型剤bの体積平均粒径(dv)は、乾燥前の
分散液の状態で測定された値であり、この測定はSAL
D−2000J(島津製作所社製)によって行った。具
体的にはスチレン中に分散した離型剤bを超音波洗浄器
で3分間分散させ、予めスチレンで満たした、測定用の
石英セルに分散させた離型剤を滴下させ、サラダの吸光
度で0.1〜0.2になるように離型剤の滴下量を調節
し、その後レーザーを2秒間照射するという条件で行っ
た。
【0077】(シェル厚み)シェルの厚みが厚ければマ
ルチサイザーや電子顕微鏡で測定が可能であるがシェル
の厚みが薄い今回の場合には以下の式を用いて算定し
た。 x=r(1+s/100ρ)1/3 −r (1) 但しr:シェル用重合性単量体を添加前のコア粒径(マ
ルチサイザーの体積粒径:μm)の半径、x:シェル厚
み(μm)、s:シェル用重合性単量体の添加部数(コ
ア単量体100重量部に対し)、ρ:シェル樹脂の密度
(ここでは1g/cmとして計算した。)
【0078】(トナー断面球形度に対する離型剤a断面
の球形度比:球形度比)重合したトナーを水系包埋剤で
包埋し、凍結法で超薄切片を作製し、コロジオン膜貼り
付きメッシュに切片を載せて、透過型電子顕微鏡を用い
て観察する。合計50個のサンプルを観察して、長径
(dtl)と短径(dts)を測定して、トナー断面の
球形度(dtl/dts)を求め、同様に、離型剤a断
面の球形度(dll/dls)を求め、以下の式より、
この比の平均値を算出した。 球形度比=離型剤断面の球形度/トナー断面の球形度=
(dll/dls)/(dtl/dts)
【0079】(トナー断面の最長径に対する離型剤a断
面の最長径の倍率:長径の比)離型剤aの断面の球形度
と同様にして、離型剤aの断面の最長径(dll)と同
じトナー(dtl)の最長径を測定し、合計50個のサ
ンプルから(dll/dtl)この倍率を算出し、平均
を求めた。
【0080】(吸熱ピーク温度)ASTM D3418
−82に準拠して測定した。DSC曲線は、温度速度1
0℃/分で昇温させたとき測定されるものである。使用
した示差走査熱量計は、セイコー電子工業社製「SSC
5200」である。
【0081】(加熱減量)離型剤を105℃で1時間乾
燥させたときの、乾燥前後の重量差から算出された値を
乾燥前の重量で割った値の100分率(単位:%)であ
る。
【0082】(体積固有抵抗)トナーの体積固有抵抗
は、誘電体損測定器(商品名:TRS−10型、安藤電
気社製)を用い、温度30℃、周波数1kHzの条件下
で測定した。 (帯電量)市販のプリンター(8枚機)に現像剤を入
れ、1昼夜、23℃、50%相対湿度の環境下に放置
後、ハーフトーンの印字パターンを5枚印字し、その
後、現像ローラ上の現像剤を吸引式帯電量測定装置に吸
引し、帯電量と吸引量から単位重量当たりの帯電量を測
定した。
【0083】(定着温度)市販の非磁性一成分現像方式
のプリンター(8枚機)の定着ロール部の温度を変化で
きるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行
った。定着試験は、改造プリンターの定着ロールの温度
を変化させて、それぞれの温度での現像剤の定着率を測
定し、温度−定着率の関係を求めることにより行った。
定着率は、改造プリンターで印刷した試験用紙における
黒ベタ領域の、テープ剥離操作前後の画像濃度の比率か
ら計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID
前、テープ剥離後の画像濃度をID後とすると、定着率
は、次式から算出することができる。 定着率(%)=(ID後/ID前)×100 ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘
着テープ(住友スリーエム社製スコッチメンディングテ
ープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付
着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テー
プを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、マ
クベス社製反射式画像濃度測定機を用いて測定した。こ
の定着試験において、定着率80%に該当する定着ロー
ル温度を現像剤の定着温度とした。 (オフセット温度)定着温度と同様に定着温度を変え
て、黒ベタを印字させ、オフセットの発生した時の定着
ロール温度をオフセット温度とした。
【0084】(流動性)目開きが各々150μm、75
μm及び45μmの3種の篩をこの順に上から重ね、一
番上の篩上に測定する現像剤を4g精秤して乗せる。次
いで、この重ねた3種の篩を、粉体測定機(細川ミクロ
ン社製、商品名「Powder Tester」)を用
いて、振動強度4の条件で、15秒間振動した後、各篩
上に残った現像剤の重量を測定する。各測定値を以下の
式に入れて、流動性の値を算出する。1サンプルにつき
3回測定し、その平均値を求めた。算出式: a=(150μm篩に残った現像剤重量(g))/4g
×100 b=(75μm篩に残った現像剤重量(g))/4g×
100×0.6 c=(45μm篩に残った現像剤重量(g))/4g×
100×0.2 流動性(%)=100−(a+b+c)
【0085】(保存性)現像剤を密閉可能な容器に入れ
て、密閉した後、該容器を55℃の温度に保持した恒温
水槽の中に沈める。8時間経過した後、恒温水槽から容
器を取り出し、容器内の現像剤を42メッシュの篩上に
移す。この際、容器内での現像剤の凝集構造を破壊しな
いように、容器内から現像剤を静かに取り出し、かつ、
注意深く篩上に移す。この篩を、前記の粉体測定機を用
いて、振動強度4.5(目盛)の条件で、30秒間振動
した後、篩上に残った現像剤の重量を測定し、凝集現像
剤の重量とした。最初に容器に入れた現像剤の重量に対
する凝集現像剤の重量の割合(重量%)を算出した。1
サンプルにつき3回測定し、その平均値を保存性の指標
とした。
【0086】(環境依存性)前述の改造プリンターを用
いて、35℃×80RH%(H/H)環境および10℃
×20RH%(L/L)の各環境下で初期から連続印字
を行い、反射濃度計(マクベス製)で印字濃度が1.3
以上で、かつ、白色度計(日本電色製)で測定した非画
像部のカブリが10%以下の画質を維持できる連続印字
枚数を調べ、以下の基準で現像剤による画質の環境依存
性を評価した。 ○:上記画質を維持できる連続印字枚数が10000以
上、 △:上記画質を維持できる連続印字枚数が5000以
上、10000未満、 ×:上記画質を維持できる連続印字枚数が5000未
満。
【0087】(耐久性)前述の改造プリンターで、23
℃×50RH%室温環境下で、初期から連続印字を行
い、反射濃度計(マクベス製)で測定した印字濃度が
1.3以上で、かつ、白色度計(日本電色製)で測定し
た非画像部のカブリが10%以下の画質を維持できる連
続印字枚数を調べ、以下の基準で現像剤による画質の耐
久性を評価した。 ○:上記画質を維持できる連続印字枚数が10000以
上、 △:上記画質を維持できる連続印字枚数が5000以
上、10000未満、 ×:上記画質を維持できる連続印字枚数が5000未
満。
【0088】[参考例1]ジャケット付き反応容器に水
100部を入れ、離型材料(天然ガス系フィッシャート
ロプシュワックス、シェル・MDS社製、商品名「FT
−100」)を20部とポリオキシエチレン(20)セ
チルエーテル3部を添加し、窒素下で130℃まで加
温、ホモミキサーで強制的に撹拌してエマルジョン化し
た。体積平均粒径(dv)を測定した結果、0.45μ
mであった。この離型材料を急速に冷却後、減圧乾燥機
に入れ、35℃減圧条件で、脱水、乾燥して離型剤b−
1を得た。
【0089】[参考例2]参考例1のうちで、離型材料
として「FT−100」の代わりに三洋化成工業の離型
材料「ビスコール660P」(商品名)を160℃でエ
マルジョン化し、その後、乾燥して離型剤b−2とし
た。この離型材料のエマルジョン状態での体積平均粒径
(dv)は0.44μmであった。
【0090】[参考例3]離型剤をマイクロクリスタリ
ンワックス(日本精蝋社製、商品名「Hi−Mic−3
090」)4部を125℃でエマルジョン化し、その
後、乾燥して離型剤b−3を得た。この離型材料のエマ
ルジョン状態での体積平均粒径(dv)は0.45μm
であった。
【0091】[実施例1]スチレン80.5部及びn−
ブチルアクリレート19.5部からなるコア用単量体
(得られる共重合体の計算Tg=55℃)と、カーボン
ブラック(三菱化学社製、商品名「#25」)7部、帯
電制御剤(保土ケ谷化学社製、商品名「スピロンブラッ
クTRH」)1部、ジビニルベンゼン0.3部、ポリメ
タクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業
社製、商品名「AA6」、Tg=94℃)0.5部、ペ
ンタエリスリトールテトラミリステート(30℃での上
記コア用重合性単量体100gに対する溶解量(以下、
溶解度という)は10g以上である)15部と参考例1
で得た離型剤b−1、2部をそれぞれ添加、混合した
後、メディア型分散機により、均一分散した。コア用重
合性単量体組成物の調製はすべて室温で行った。
【0092】他方、室温で、イオン交換水250部に塩
化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.5部を溶解し
た水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム
(水酸化アルカリ金属)5.8部を溶解した水溶液を撹
拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド
(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製し
た。この分散液の調製はすべて室温で行った。上記コロ
イドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定器(日
機装社製)で測定したところ、粒径は、D50(個数粒
径分布の50%累積値)が0.36μmで、D90(個
数粒径分布の90%累積値)が0.80μmであった。
このマイクロトラック粒径分布測定器による測定におい
ては、測定レンジ=0.12〜704μm、測定時間=
30秒、媒体=イオン交換水の条件で行った。
【0093】上記により得られた水酸化マグネシウムコ
ロイド分散液に、室温で、上記コア用重合性単量体組成
物を投入し、液滴が安定するまで撹拌し、そこに重合開
始剤としてt−ブチルパーオキシ−ネオデカノエート
(日本油脂社製、商品名「パーブチルND」)6部添加
後、エバラマイルダー(荏原製作所社製、商品名「MD
N303V型」)を用いて15,000rpmの回転数
で30分間高剪断撹拌して、単量体混合物の液滴を造粒
した。この造粒した単量体混合物の水分散液を、撹拌翼
を装着した10Lの反応器に入れ、60℃で重合反応を
開始させ、重合転化率がほぼ100%に達したときに、
サンプリングし、コアの粒径を測定した。この結果、体
積平均粒径(dv)は6.4μmであり、体積平均粒径
(dv)/個数平均粒径(dp)は1.28であった。
次に、室温で、メチルメタクリレート(計算Tg=10
5℃)3部と水30部を超音波乳化機にて微分散化処理
して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。シェル
用重合性単量体の液滴の粒径は、得られた液滴を1%ヘ
キサメタリン酸ナトリウム水溶液中に濃度3%で加え、
マイクロトラック粒径分布測定器で測定したところ、D
90が1.6μmであった。前記シェル用重合性単量体
及び水溶性開始剤(三菱ガス化学社製、過硫酸アンモニ
ウム)0.3部を蒸留水65部に溶解し、これを反応器
に入れ、4時間重合を継続した後、反応を停止し、pH
9.5のトナー粒子の水分散液を得た。
【0094】上記により得たコア−シェル型重合体粒子
の水分散液を、室温で、撹拌しながら、硫酸により系の
pHを4以下にして酸洗浄(25℃、10分間)を行
い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水5
00部を加えて再スラリー化し水洗浄を行った。その
後、再度、脱水と水洗浄を、室温で、数回繰り返し行っ
て、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で一昼
夜乾燥を行い、重合体粒子を得た。
【0095】この重合トナーは体積平均粒径(dv)は
6.5μmであり、体積平均粒径(dv)/個数平均粒
径(dp)は1.30であった。またシェル用重合性単
量体量とコア粒径から算定したシェル厚は0.03μm
で、球形度比rtl/rtsは1.2、DSC測定では
63℃の吸熱ピークが現れた。
【0096】上記により得られたコア−シェル型重合体
粒子100部に、室温で、疎水化処理したコロイダルシ
リカ(日本アエロジル社製、商品名「R−202」)
0.6部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合し
て重合トナーを調製した。このようにして得られた重合
トナーの体積固有抵抗を測定したところ、11.3lo
gΩ・cmであった。上記により得られた重合トナーを
用いて定着温度を測定したところ125℃であった。ま
た、このトナーの保存性、流動性は、非常に良好であっ
た。結果を表1に示した。その他の画像評価では、画像
濃度が高く、カブリ、ムラの無い、解像度の極めて良好
な画像が得られた。
【0097】[実施例2]実施例1において、使用した
ペンタエリスリトールテトラミリステートをペンタエリ
スリトールテトラパルミテート(溶解度は10g以上、
吸熱ピークは65℃。)に代えた他は、実施例1と同様
にして重合体粒子及びトナーを得た。その結果を表1に
示す。
【0098】[実施例3]実施例1において、使用した
ペンタエリスリトールテトラミリステートをペンタエリ
スリトールテトララウレート(溶解度は10g以上、吸
熱ピークは53℃。)に、重合開始剤を1,1’,3,
3’−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート
(日本油脂社製、商品名「パーオクタND」)に、重合
温度を50℃に代えた他は実施例1と同様にして重合体
粒子及びトナーを得た。得られた重合体粒子及びトナー
の評価結果を表1に示す。
【0099】[比較例1]実施例1において、使用した
ペンタエリスリトールテトラミリステートを、予めスチ
レン中でビーズミルを用いて湿式粉砕した数平均分子量
2200の低分子量ポリプロピレン(溶解度は1g未
満、吸熱ピークは65℃。)に代えた他は同様にして重
合体粒子及びトナーを得た。得られた重合体粒子及びト
ナーの評価結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
【0101】[実施例4]実施例1において、使用した
離型剤b−1の代わりに参考例2で得たb−2を用いた
こと以外は実施例1と同様にしてトナーを製造し、評価
した。結果を表2に示す。
【0102】[実施例5]実施例1において、使用した
離型剤b−1の代わりにb−2を用い、ペンタエリスリ
トールテトラミリステートの量を10部に代えた他は、
実施例4と同様の方法によってトナーを製造し、評価し
た。結果を表2に示す。
【0103】[実施例6]実施例1において、使用した
離型剤b−1の代わりにb−2を用い、ペンタエリスリ
トールテトラミリステートの料を20部に代えた他は、
実施例4と同様の方法によってトナーを製造し、評価し
た。結果を表2に示す。
【0104】[比較例2]離型剤a−1の代わりに、エ
マルジョン化などの処理をしていないパラフィンワック
ス、300部をスチレン2700部に混合した分散液を
ウイリーA.バコフェン社製のダイノーミル(「KDL
−PILOT」、内容量1.4リットル)を用いて6時
間粉砕し、体積平均粒径が2.7μm(粒径分布Dv/
Dp=6.8)になったものを15部になるように用い
た以外は実施例4と同様にトナーを製造し、評価した。
この結果、定着温度は140℃、オフセット温度が21
0℃で定着マージンは問題なかったが、その画像評価結
果は、初期は問題が無いが、3千枚印字後、離型剤によ
るブレードフィルミングよる白筋が発生し、実用に耐え
得ないものであった。結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】[実施例7]実施例1において、使用した
離型剤b−1の代わりにb−3を4部用いたこと以外は
実施例1と同様にしてトナーを製造し、評価した。結果
を表3に示す。
【0107】[実施例8]実施例2において、使用した
離型剤b−1の代わりにb−3を1部用いたこと以外は
実施例1と同様にしてトナーを製造し、評価した。結果
を表3に示す。
【0108】[比較例3]離型剤a−1の代わりに、エ
マルジョン化などの処理をしてないビスコール660P
を実施例1と同様にして粉砕したが10μmと粒径が大
きく実際に用いることはできなかった。この結果は表3
に示す。
【0109】[実施例9]カーボンブラック7部の代わ
りに、イエロー顔料(クラリアント社製、商品名「to
ner yellow HG VP2155」)5部、
また帯電制御剤(保土ケ谷化学社製、商品名「スピロン
ブラックTRH」)1部の代わりに、極性樹脂(モノマ
ー組成:スチレン87部、ブチルアクリレート10部、
2−アクリルアミド−2―メチルプロパンスルホン酸3
部、重量平均分子量:21000)1部用いた他は実施
例1と同様に実施してトナーを製造し、評価した。結果
は表3に示す。
【0110】
【表3】
【0111】[比較例4]離型剤b−1の代わりに、参
考例1で用いた離型材料「FT−100」(シェル・M
DS社製、天然ガス系フィッシャートロップシュワック
ス)を乾燥処理しないで、コア用重合性単量体100部
に直接20部(ワックス2部、水18部)添加し、その
後ジビニルベンゼンやカーボンブラック等のトナー用の
配合剤を添加した他は実施例1と同様に実施した。結果
は表4に示す。
【0112】[比較例5]離型剤b−2の代わりに、参
考例2で用いた離型材料「ビスコール660P」(三洋
化成工業社製、低分子量ポリプロピレンワックス)を乾
燥処理しないで、コア用重合性単量体100部に直接2
0部(ワックス2部、水18部)添加し、その後ジビニ
ルベンゼンやカーボンブラック等のトナー用の配合剤を
添加した他は実施例2と同様に実施した。結果は表4に
示す。
【0113】[比較例6]離型剤b−3の代わりに、参
考例3で用いた離型材料「Hi−Mic−3090」
(日本精蝋社製、マイクロクリスタリンワックス)を乾
燥処理しないで、コア用重合性単量体100部に直接1
0部(ワックス2部、水18部)添加し、その後ジビニ
ルベンゼンやカーボンブラック等のトナー用の配合剤を
添加した他は実施例3と同様に実施した。結果は表4に
示す。
【0114】
【表4】
【0115】以上の実施例及び比較例から判るように、
画像評価では、任意の離型剤を組み合わせることによっ
て画像濃度が高く、カブリ、ムラの無い、解像度の極め
て良好な画像が得られた。
【0116】
【発明の効果】本発明の重合トナーは、低い定着温度と
良好な耐オフセット性を有し、しかも保存性に優れてお
り、高速印刷用画像形成装置に好適に使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散安定剤を含有する水系分散媒体中
    で、少なくともコア用重合性単量体、着色剤、及び離型
    剤を含有するコア用単量体等組成物を懸濁させ、重合開
    始剤を用いて重合することにより、コア用着色微粒子を
    製造し、更に、シェル用重合性単量体を添加し、重合す
    ることによって製造されるコア−シェル構造の重合トナ
    ーであって、 前記離型剤が、(a)コア用重合性単量体に可溶な離型
    剤と、(b)難水溶性の疎水性材料を水に分散させて分
    散液とした後、乾燥して調製された離型剤とであること
    を特徴とする重合トナー。
  2. 【請求項2】 (a)コア用重合性単量体に可溶な離型
    剤が、重合トナー中で、トナー断面の球形度に対する離
    型剤断面の球形度比が1.0〜1.5、離型剤断面の最
    大長径が、同一トナーの最大長の長径の0.3〜0.7
    倍で存在することを特徴とする請求項1記載の重合トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 (a)コア用重合性単量体に可溶な離型
    剤と、(b)難水溶性の疎水性材料を水に分散させて分
    散液とした後、乾燥して調製された離型剤との割合が重
    量比基準で(a)/(b)=99/1〜50/50であ
    る請求項1または2記載の重合トナー。
  4. 【請求項4】 分散安定剤を含有する水系分散媒体中
    で、少なくとも重合性単量体、着色剤、及び2種以上の
    離型剤を含有するコア用単量体等組成物を懸濁させ、重
    合開始剤を用いて重合することにより、コア用着色微粒
    子を製造し、更に、シェル用重合性単量体を添加し、重
    合することによってコア−シェル構造を有する重合トナ
    ーを製造する方法であって、前記離型剤として、少なく
    とも(a)コア用重合性単量体に可溶な離型剤と、
    (b)難水溶性の疎水性材料を水に分散させて分散液と
    した後、乾燥して調製された離型剤との2種類を用い、
    更に、重合温度が(a)コア用重合性単量体に可溶な離
    型剤のASTM D3418−82によって測定される
    吸熱ピーク温度以下の温度であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の重合トナーの製造方法。
JP14394199A 1998-05-22 1999-05-24 重合トナ―、およびその製造方法 Pending JP2000066445A (ja)

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