JPWO2005091081A1 - トナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤、該トナー粒子の製造方法及び該現像剤を用いた画像形成方法 - Google Patents

トナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤、該トナー粒子の製造方法及び該現像剤を用いた画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2005091081A1
JPWO2005091081A1 JP2006511342A JP2006511342A JPWO2005091081A1 JP WO2005091081 A1 JPWO2005091081 A1 JP WO2005091081A1 JP 2006511342 A JP2006511342 A JP 2006511342A JP 2006511342 A JP2006511342 A JP 2006511342A JP WO2005091081 A1 JPWO2005091081 A1 JP WO2005091081A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
toner particles
spherical
toner
developer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006511342A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4572897B2 (ja
Inventor
明秀 萩野
明秀 萩野
伊賀 隆志
隆志 伊賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Publication of JPWO2005091081A1 publication Critical patent/JPWO2005091081A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4572897B2 publication Critical patent/JP4572897B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0827Developers with toner particles characterised by their shape, e.g. degree of sphericity

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

球状粒子の一部が平面で切り取られた球欠形状を示すトナー粒子であり、完全な球状粒子とした場合の最大径をL1とし、球状粒子の一部が平面で切り取られて形成された弦の中間位置から球状粒子の中心を通って球欠形状を示すトナー粒子の弧に到達するまでの直線の長さをL2としたとき、L2/L1の平均値で表される異形化度が0.20〜0.95であるトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤、該トナー粒子の製造方法、及び該現像剤を用いた画像形成方法。

Description

本発明は、電子写真法や静電記録法等によって感光体上に形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用現像剤に関する。また、本発明は、該静電荷像現像用現像剤に含有されるトナー粒子の製造方法に関する。さらに、本発明は、該静電荷像現像用現像剤を用いた画像形成方法に関する。
電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において、感光体上に形成された静電潜像は、トナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤によって現像されている。現像により感光体上に形成されたトナー像は、紙やOHPシートなどの被転写材上に転写された後、加熱、加圧、溶剤蒸気などにより、被転写材上に定着される。トナー粒子は、一般に、結着樹脂中に、カーボンブラックや顔料、染料などの着色剤と、帯電制御剤や離型剤などのその他の成分とを含有させた着色樹脂粒子(着色重合体粒子ともいう)である。トナー粒子に流動化剤などの外添剤を付着させたり、トナー粒子とキャリア粒子とを併用したりすることにより、静電荷像現像用現像剤としている。静電荷像現像用現像剤は、電子写真用現像剤または単にトナーと呼ばれることがある。
トナー粒子は、一般に、粉砕法または重合法により製造されている。粉砕法では、一般に、熱可塑性樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤などの各成分を溶融混合して樹脂組成物とした後、粉砕し、次いで、分級することにより、トナー粒子を製造している。しかし、粉砕法では、小粒径化に限度があることに加えて、粒径分布が広いトナー粒子が生成しやすい。
近年、静電荷像現像用現像剤を用いた両像形成方法において、画像の高解像度化や画像形成の高速化が求められているが、粉砕トナー(pulverized toner)では、これらの要求を十分に満足させることが困難であった。
これらの粉砕法における問題点を克服するために、重合法によるトナー粒子の製造方法について、多くの提案がなされている。重合法には、懸濁重合法、乳化重合・凝集法など様々な手法が開発されている。例えば、懸濁重合法では、一般に、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を懸濁重合することにより、着色重合体粒子としてトナー粒子を得ている。重合法によれば、重合工程またはその後の凝集工程などにより、直接、粒状の重合トナー(polymerized toner)を製造することができる。
重合トナーは、重合条件を調整することにより、トナー粒子の小粒径化を図ることが可能であり、しかも粒径分布をシャープにすることができるため、画像の高解像度化への要求を満足させることができる。重合トナーは、重合性単量体や添加剤成分の種類を選択したり、コア−シェル構造にしたりすることにより、溶融特性を改善することができるため、画像形成の高速化への要求を満足させることができる。
重合トナーは、一般に、球状の粒子として得られるため、流動性に優れ、被転写材への転写性にも優れるという利点を有しているが、その反面、クリーニング性が十分ではないという問題がある。そこで、重合トナーのクリーニング性を改善する幾つかの方法が提案されている。
例えば、特開昭62−266557号公報には、重合性単量体系を水相中で重合して得られるトナーの製造方法であって、重合性単量体系に難水溶性無機微粒子を含有させ、得られたトナーの表面部に露出した無機微粒子を化学的方法により除去して、不定形トナーを得ることを特徴とするトナーの製造方法が開示されている。この文献には、該製造方法によれば、全体としては球形であるが、多数の凹部を有するトナーが得られたと記載されている。
しかし、本発明者らが特開昭62−266557号公報に記載の製造方法に従って、炭酸亜鉛粉末や炭酸カルシウム粉末の如き難水溶性無機微粒子を使用したところ、これらの難水溶性無機微粒子は、重合性単量体よりも親水性が高いために、重合性単量体系(すなわち、重合性単量体組成物)中に包含されず、その多くが水系分散媒体中に移行することが判明した。
上記のような状態で重合を行っても、形成されたトナー粒子の表面部に存在する難水溶性無機微粒子の数が少量となるため、不定形トナーが得られないか、クリーニング性が十分に改善されたトナーを得ることができない。また、特開昭62−266557号公報の実施例には、分散安定剤としてシリカ微粒子を含有する水系分散媒体中で懸濁重合を行ったことが記載されている。しかし、分散安定剤としてシリカ微粒子を使用すると、得られるトナーの粒径分布が広くなり、かぶりが発生し易くなる。
特開平7−114212号公報には、重合性単量体と、当該重合性単量体に対する親和性を高めた難水溶性の無機微粒子とを含むモノマー相を、水性分散媒中に液滴状に懸濁分散させた状態で、重合性単量体を重合させてトナー粒子を得た後、このトナー粒子の表面の無機微粒子を化学的に除去して凹部を形成することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法が開示されている。該製造方法は、特開昭62−266557号公報に記載の製造方法における前記問題を解決し、トナー粒子の表面に凹部を確実に形成することを目的とするものである。
前記特開平7−114212号公報には、無機微粒子を種々のカップリング剤で処理することにより、無機微粒子の重合性単量体への親和性を高めることが記載されている。しかし、無機微粒子をカップリング剤で処理する方法は、無機微粒子の重合性単量体への親和性の程度を制御することが難しい。無機微粒子の重合性単量体への親和性が高くなりすぎると、無機微粒子が生成トナー粒子の内部に埋没するため、化学的な除去処理を行っても、凹部を有するトナーを形成することが困難になる。また、多量のカップリング剤で処理した無機微粒子を用いると、カップリング剤がトナー特性に影響を及ぼし、画像特性が低下する傾向を示す。
他方、カップリング剤で処理した無機微粒子の重合性単量体への親和性が低いと、無機微粒子が重合性単量体の液滴から水性分散媒中に移行し、生成トナー粒子の表面部に存在する無機微粒子の数が少量となるため、トナー粒子に凹部を形成することが困難になる。さらに、特開平7−114212号公報の実施例では、懸濁安定剤(分散安定剤)として未処理の第三リン酸カルシウム粉末を使用しているが、分散安定剤として第三リン酸カルシウムを使用すると、トナーの粒径分布が広くなり、かぶりが発生し易くなることがある。
特開2003−177571号公報には、少なくとも重合性単量体、着色剤及び金属酸化物粒子を含有する重合性単量体組成物を、難水溶性金属水酸化物を含有する水性媒体中に分散させ、次いで重合させることによりトナー粒子を得、このトナー粒子の表面部に露出した金属酸化物粒子を化学的方法により除去するトナーの製造方法が開示されている。この方法によれば、表面に多数の微小な凹部を有し、粒径分布がシャープな球状のトナー粒子を得ることができる。しかし、この方法により得られたトナー粒子は、表面の凹部が小さいため、クリーニング性が十分ではなく、さらなる改良が求められていた。
本発明の目的は、クリーニング性に優れたトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤を提供することにある。
特に、本発明の目的は、クリーニングブレードなどのクリーニング手段によるクリーニング性に優れることに加えて、耐久印字試験でも印字濃度の実質的な低下がなく、かぶりも発生し難いトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤を適用することにある。
本発明の他の目的は、重合法により、前記諸特性に優れたトナー粒子を製造する方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、前記諸特性に優れたトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤を用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは、従来の手法によって得られる重合トナーが表面に多数の微小な凹部を形成した球状粒子であり、そして、球状粒子である限り、そのような微小な凹部構造を確実に形成しただけでは、クリーニング性を顕著に改善する上で限界のあることに思い至った。
そこで、本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、表面に微小な凹部を形成した球状のトナー粒子ではなく、球状粒子の一部が平面で切り取られた球欠(spherical segment)形状を有するトナー粒子に想到した。
従来、この技術分野で使用されている市販の無機微粒子は、加熱減量が極めて低く、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.2重量%未満、多くの場合0.1重量%以下であった。本発明者らは、高湿環境下に保持して、加熱減量を0.2〜20重量%となるように吸湿処理した金属酸化物粒子を利用する方法に想到した。
より具体的には、水系分散媒体中で、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.2〜20重量%の範囲内にある金属酸化物粒子の存在下に重合することにより、球状粒子の一部が平面で切り取られた球欠形状を有するトナー粒子の得られることを見出した。球欠形状を示すトナー粒子の一例の走査型電子顕微鏡写真を図3に示す。球欠形状を有するトナー粒子は、表面に微小な凹部を形成した従来のトナー粒子(図4)とは明らかに異なる構造を有するものである。
このような球欠形状を有し、特定の異形化度を有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤を用いて、電子写真装置により画像形成を行ったところ、クリーニング性が顕著に改善され、しかも連続印字を行っても、印字濃度の実質的な低下がなく、かぶりも発生し難いことを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、球状粒子の一部が平面で切り取られた球欠形状を示すトナー粒子であり、完全な球状粒子とした場合の最大径をLとし、球状粒子の一部が平面で切り取られて形成された弦の中間位置から球状粒子の中心を通って球欠形状を示すトナー粒子の弧に到達するまでの直線の長さをLとしたとき、L/Lの平均値で表される異形化度が0.20〜0.95であるトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤が提供される。
また、本発明によれば、水系分散媒体中で、重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.2〜20重量%の範囲内にある金属酸化物粒子の存在下に重合して、着色重合体粒子を得る工程を含む球欠形状を有するトナー粒子の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、感光体上に残留するトナーをクリーニング手段によってクリーニングする工程を含む画像形成方法において、静電荷像現像用現像剤が、球状粒子の一部が平面で切り取られた球欠形状を示すトナー粒子であり、完全な球状粒子とした場合の最大径をLとし、球状粒子の一部が平面で切り取られて形成された弦の中間位置から球状粒子の中心を通って球欠形状を示すトナー粒子の弧に到達するまでの直線の長さをLとしたとき、L/Lの平均値で表される異形化度が0.20〜0.95であるトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤である画像形成方法が提供される。
図1は、球欠形状を有するトナー粒子の代表例について、球状粒子とした場合の最大径Lと、弦の中間位置から球状粒子の中心を通って球欠形状を示すトナー粒子の弧に到達するまでの直線の長さLとを測定する方法を示す説明図である。
図2は、他の球欠形状のトナー粒子について、LとLとを測定する方法を示す説明図である。
図3は、実施例1により製造された球欠形状を有するトナー粒子の走査型電子顕微鏡写真で撮影した粒子投影画像である。
図4は、比較例1により製造された表面に微小な凹部を有するトナー粒子の走査型電子顕微鏡写真で撮影した粒子投影画像である。
本発明の静電荷像現像用現像剤は、球欠形状のトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤である。トナー粒子は、結着樹脂中に、着色剤と、必要に応じて、帯電制御剤や離型剤など各種添加剤成分とを含有させた着色樹脂粒子(着色重合体粒子)である。本発明の静電荷像現像用現像剤は、トナー粒子の他に、種々の外添剤を含有することができる。外添剤は、トナー粒子の表面に付着して、流動性や研磨性を高める機能を発揮する。本発明の静電荷像現像用現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子とを併用した二成分現像剤とすることができる。着色剤として磁性粉を使用すれば、磁性トナー粒子とすることができる。これらの中でも、本発明の静電荷像現像用現像剤は、トナー粒子と外添剤とを含有する非磁性一成分現像剤とすることが好ましい。
1.球欠形状のトナー粒子
本発明で使用するトナー粒子は、球状粒子の一部が平面で切り取られた形状である球欠形状を示す。本発明で使用するトナー粒子が球欠形状を示すことは、走査型電子顕微鏡で撮影した粒子投影画像を観察することにより確認することができる。図3は、本願明細書の実施例1で調製したトナー粒子について、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した粒子投影画像(電子顕微鏡写真)である。図3から明らかなように、本発明のトナー粒子は、基本的には球状であるものの、その一部が平面で切り取られた形状を有している。
他方、図4は、本願明細書の比較例1で調製したトナー粒子について、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した粒子投影画像である。比較例1のトナー粒子は、前記特開2003−177571号公報に開示されている製造方法により調製したものであり、表面に微小な凹部が形成されているものの、全体的には球状を保持している。したがって、本発明の球欠形状のトナー粒子は、表面に微小な凹部を形成した従来のトナー粒子とは異なる構造を有するものであることが明らかである。
本発明で使用する球欠形状のトナー粒子は、球状粒子の一部が平面で切り取られた形状を有するものであればよく、平面で切り取られた部分が粒子の内部に少し窪んだ構造を有するものであってもよい。
本発明で使用する球欠形状のトナー粒子は、走査型電子顕微鏡により撮影した粒子投影画像の画像解析により、トナー粒子の最大径をLとし、球状粒子の一部が平面で切り取られて形成された弦の中間位置から球状粒子の中心を通って球欠形状を示すトナー粒子の弧に到達するまでの直線の長さをLとして、球欠形状の切り取られた面がほぼ見えないものを任意に選択した100個のトナー粒子について比L/Lを算出したとき、その平均値で表される異形化度が0.20〜0.95の範囲内にあるトナー粒子である。
図1及び2を参照しながら、以下に、L及びLの測定方法について説明する。図1には、球状粒子の一部が平面で切り取られた形状を有し、その切り取られた部分が球状粒子の最大径より小さな部分であるような球欠形状のトナー粒子1について、その断面形状が示されている。存在する弧3から、存在しない弧3′を含む球状粒子を想定することができる。球欠形状のトナー粒子1が、このように完全な球状粒子であると仮定した場合、その中心4を決定することができる。さらに、該中心4を通る直線を引くことにより、弧3に到達する2つの点c及びdを決定し、それによって、完全な球状粒子とした場合の直径を測定することができる。多くの場合、完全な球状粒子とした場合の直径がトナー粒子の最大径Lである。上述の球状粒子の想定は、トナー粒子が球状粒子から少しゆがんだ形状をしている場合、あるいは表面に凹凸がある場合には、トナー粒子の投影画像と等積となるように、弧3を円の一部に近似することにより行う。
球欠形状のトナー粒子1の弦2の中間位置aから、完全な球状粒子と仮定した場合の中心4を通って、弧3に到達した点bまでの直線の長さをLとする。これにより、比L/Lを算出することができる。
図2には、球状粒子の一部が平面で切り取られた形状を有し、その切り取られた部分が球状粒子の最大径より大きな部分であるような球欠形状のトナー粒子1について、その断面形状が示されている。存在する弧3から、存在しない弧3′を含む球状粒子を想定することができる。球欠形状のトナー粒子1が、このように完全な球状粒子であると仮定した場合、その中心4を決定することができる。この場合、中心4は、球欠形状のトナー粒子の中にはない。さらに、該中心4を通る直線を引くことにより、弧3′に到達する2つの点c及びdを決定し、それによって、完全な球状粒子とした場合の直径を測定することができる。
完全な球状粒子と仮定した場合の中心4から球欠形状のトナー粒子1の弦2の中間位置aを通って、弧3に到達した点bまでの直線の長さをLとする。これにより、比L/Lを算出することができる。
比L/Lの算出と平均値(異形化度)の測定は、実際には、走査型電子顕微鏡を用いてトナー粒子の写真撮影を行い、この写真を画像解析ソフトにより画像解析することにより、実施することができる。異形化度の測定法については、後記の実施例において詳述する。
本発明の静電荷像現像用現像剤に用いるトナー粒子の異形化度は、0.20〜0.95、好ましくは0.40〜0.95、より好ましくは0.50〜0.95、最も好ましくは0.50〜0.93である。多くの場合、トナー粒子の異形化度を0.60以上とすることが望ましい。トナー粒子の異形化度が小さくなりすぎると、トナー粒子の流動性及び転写性が低下する。トナー粒子の異形化度が大きくなりすぎると、クリーニング性の改善効果が不十分となる。
本発明の静電荷像現像用現像剤に用いるトナー粒子は、前記の異形化度に加えて、特定の平均円形度を有するものであることが望ましい。平均円形度は、トナー粒子の形状を定量的に表すひとつの手段である。円形度は、下記式により算出することができる。
円形度=L/L
(式中、Lは、粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは、粒子の投影像の周囲長を示す。)
平均円形度は、東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて、懸濁液中に分散しているトナー粒子のLとLとを測定し、平均値を算出することにより測定することができる。平均円形度の測定方法は、後記の実施例において詳述する。平均円形度は、トナー粒子形状の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には、1.0を示し、表面形状が複雑になるほど、平均円形度は小さな値を示す。
本発明の静電荷像現像用現像剤に用いるトナー粒子の平均円形度は、好ましくは0.930以上、より好ましくは0.940以上、さらに好ましくは0.950以上である。多くの場合、トナー粒子の平均円形度を0.960以上とすることが望ましい。トナー粒子の平均円形度の上限値は、好ましくは0.975、より好ましくは0.973である。従来の重合法により得られるトナー粒子の平均円形度は、0.975を超えている。トナー粒子の平均円形度が小さすぎると、トナー粒子の流動性及び転写性が低下する。トナー粒子の平均円形度が大きくなりすぎると、クリーニング性の改善効果が不十分となる。
本発明の静電荷像現像用現像剤に用いるトナー粒子の体積平均粒径dvは、特に限定されないが、好ましくは3〜10μm、より好ましくは4〜9μm、さらに好ましくは5〜8μmである。本発明のトナー粒子の体積平均粒径が上記範囲内にあると、流動性、転写性、印字濃度、解像度が良好であり、高精細な画像を形成することができる。本発明のトナー粒子の体積平均粒径が上記範囲内にあると、カスレ、かぶり、トナー飛散などを抑制することができる。トナー粒子の体積平均粒径が小さすぎると、画像形成装置内でのトナー飛散が起こりやすくなる。トナー粒子の体積平均粒径が大きすぎると、高精細な画像を形成することが困難になる。
本発明の静電荷像現像用現像剤に用いるトナー粒子は、体積平均粒径dvと個数平均粒径dpの比dv/dpで表される粒径分布が1.30以下であることが好ましく、1.25以下であることがより好ましい。多くの場合、トナー粒子の粒径分布を1.20以下にすることができる。トナー粒子の粒径分布の下限値は、1.00である。トナー粒子の粒径分布が上記範囲内にあることによって、転写性や印字濃度、解像度の低下を抑制することができ、カスレの発生も防ぐことができる。
本発明の静電荷像現像用現像剤に用いるトナー粒子は、着色樹脂粒子(着色重合体粒子)からなるコア粒子の表面を重合体層(シェル)で被覆したコア−シェル構造(カプセル構造)とすることができる。コア粒子の形状は、球欠形状である。また、シェルは、薄い被覆層であるため、コア−シェル構造のトナー粒子も球欠形状を有している。
コア−シェル構造のトナー粒子におけるシェルの平均厚みは、通常0.001〜1.0μm、好ましくは0.003〜0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μmである。シェルの厚みは、電子顕微鏡により観察できる場合には、電子顕微鏡写真から無作為に抽出したトナー粒子のシェルの厚みを直接測定することにより得ることができる。電子顕微鏡でコア粒子とシェルとを明瞭に区別することが困難な場合には、コア粒子の体積平均粒径と、シェル材料の使用量とに基づいて、シェルの厚みを算出することができる。シェルの厚みが大きくなりすぎると、定着性が低下し、小さくなりすぎると保存性が低下する。コア−シェル構造のトナー粒子は、そのコアのすべての表面がシェルで覆われている必要はなく、コア表面の一部がシェルで覆われていればよい。
コア−シェル構造のトナー粒子(カプセルトナー)では、低軟化点物質を含有するコア粒子を、それより高い軟化点を有する物質で内包化することにより、低温定着性と保存性とのバランスを取ることができる。トナー粒子の保存性と低温定着性を高度にバランスさせるには、コア粒子を構成する樹脂成分(重合体成分)のガラス転移温度を低くし、シェルを構成する樹脂成分(重合体成分)のガラス転移温度をそれより高く設計することが好ましい。具体的には、例えば、コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度を30〜60℃とし、シェルを構成する重合体成分のガラス転移温度を70〜105℃に設計することが好ましい。
コア−シェル構造のトナー粒子において、コアとシェルとの重量比率は特に限定されないが、通常80/20〜99.9/0.1、好ましくは90/10〜99.8/0.2、より好ましくは95/5〜99.7/0.3である。シェルの割合を上記範囲内とすることにより、トナー粒子の保存性と低温定着性を兼備させることができる。
2.トナー粒子の構成成分
本発明の静電荷像現像用現像剤に用いるトナー粒子は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤、その他の添加剤を含有していてもよい。結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、環化イソプレンゴム等の従来からトナー粒子の技術分野において広く用いられている樹脂を挙げることができる。結着樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、通常5,000〜50,000、好ましくは7,000〜30,000である。結着樹脂は、重合法により形成されたトナー粒子の重合体成分であることが好ましい。
着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、磁性粉、オイルブラックなどに加えて、広範な種類の顔料及び/または染料を用いることができる。カーボンブラックは、一次粒径が20〜40nmの範囲にあると、画像形成におけるかぶりの発生問題やトナー製造時の作業環境安全上の問題を抑制できるので好ましい。
フルカラー用のトナー粒子を得る場合、通常、着色剤としてそれぞれイエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を使用する。
イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体例としては、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、90、93、97、120、138、155、180、181、185及び186が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体例としては、C.I.ピグメントレッド31、48、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、及びC.I.ピグメントバイオレット19が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物とその誘導体、アントラキノン化合物等が利用できる。具体例としては、C.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、及び60が挙げられる。
着色剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。着色剤として磁性粉を用いる場合には、結着樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の割合で用いられる。
トナー粒子の帯電性を向上させるために、正帯電性または負帯電性を持つ各種帯電制御剤を用いることができる。帯電制御剤としては、従来からトナー粒子の技術分野で使用されている種々の帯電制御剤を用いることができる。より具体的には、例えば、ボントロンN01(オリエント化学工業社製)、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業社製)、スピロンブラックTRH(保土ケ谷化学工業社製)、T−77(保土ケ谷化学工業社製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−81(オリエント化学工業社製)、ボントロンE−84(オリエント化学工業社製)、COPY CHARGE NX(クラリアント社製)、COPY CHARGE NEG(クラリアント社製)等の帯電制御剤が含まれる。
帯電制御剤として、米国特許第4,840,863号明細書、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に従って製造した4級アンモニウム(塩)基含有共重合体;米国特許第4,950,575号明細書、特開平3−15858号公報などの記載に従って製造したスルホン酸(塩)基含有共重合体などの帯電制御樹脂を用いることができる。帯電制御樹脂は、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり、高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナー粒子を得ることができるので好ましい。これらの共重合体(帯電制御樹脂)中に含有される4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基を有する単量体単位の結合量は、通常0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。これらの基の含有量が上記範囲内にあると、トナー粒子の帯電量を制御しやすくなり、かぶりの発生を少なくすることができる。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、通常40〜80℃、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45〜70℃である。帯電制御樹脂のガラス転移温度が低すぎると、トナー粒子ひいては該トナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤の保存性が悪くなり、逆に高すぎると、定着性が低下することがある。
帯電制御剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明では、トナー粒子の離型性を向上させ、トナーの耐ホットオフセット性を改善するために、各種離型剤を含有させることができる。離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化合物などが挙げられる。
これらの離型剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの離型剤の中でも、合成ワックス(特に、フィッシャートロプシュワックス)、石油系ワックス、多官能エステル化合物が好ましい。
多官能エステル化合物の中でも、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜120℃、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜80℃の範囲にあるペンタエリスリトールエステルや、同吸熱ピーク温度が50〜80℃の範囲にあるジペンタエリスリトールエステルなどの多価エステル化合物が、低温定着性と耐オフセット性とをバランスさせる上で好ましい。それらの中でも、分子量が1000以上で、スチレン100重量部に対し25℃で5重量部以上溶解し、酸価が10mg/KOH以下のものは、定着温度の低下に顕著な効果を示すので特に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定された値である。
離型剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。
3.静電荷像現像用現像剤
本発明の静電荷像現像用現像剤は、上記特定のトナー粒子を含有するものであれば、非磁性一成分現像剤、磁性一成分現像剤、非磁性二成分現像剤、磁性二成分現像剤などとして利用することができる。これらの中でも、トナー粒子と外添剤とを含有する非磁性一成分現像剤が好ましい。
本発明の静電荷像現像用現像剤は、トナー粒子の流動性や感光体の研磨性を向上させるために、外添剤を含有することが好ましい。外添剤としては、無機粒子及び/または有機樹脂粒子が挙げられる。外添剤として添加するこれらの粒子は、トナー粒子の体積平均粒径よりも、平均粒径が小さいものである。
外添剤として使用する無機粒子としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムが挙げられる。有機樹脂粒子としては、例えば、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがメタクリル酸エステル重合体でシェルがスチレン重合体で形成されたコアシェル型粒子が挙げられる。これらの中でも、二酸化ケイ素粒子や酸化チタン粒子などの無機酸化物粒子が好ましく、これらの表面を疎水化処理した無機酸化物粒子がより好ましく、疎水化処理した二酸化ケイ素粒子が特に好ましい。
外添剤は、それぞれ単独で使用することができるが、所望により、2種以上を組み合わせて使用することができる。外添剤の使用量は、特に限定されないが、トナー粒子100重量部に対して、通常0.1〜6重量部である。外添剤は、トナー粒子と共にヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて撹拌することによって、トナー粒子の表面に付着または一部埋め込ませる。
4.トナー粒子の製造方法
本発明のトナー粒子は、前述した特定の形状を有するものであればよく、その製造方法には特に制限はないが、以下に説明する製造方法によれば、所望の形状と構造、体積平均粒径及び粒径分布を有するトナー粒子を容易に製造することができる。
すなわち、本発明の球欠形状を有するトナー粒子は、水系分散媒体中で、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.2〜20重量%の範囲内にある金属酸化物粒子の存在下に重合する工程を含む製造方法により容易に得ることができる。金属酸化物粒子は、水系分散媒体中に予め存在させるか、重合性単量体組成物中に予め存在させる。所望により、金属酸化物粒子を水系分散媒体と重合性単量体組成物の両方の中に予め存在させてもよい。
本発明の製造方法では、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.2〜20重量%、好ましくは0.3〜10重量%、より好ましくは0.3〜7重量%の範囲内にある金属酸化物粒子を使用する点に重要な技術的意義を有している。一般に市販されている金属酸化物粒子は、水分などの揮発性成分や低分子量物の含有量が極めて少なく、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.2重量%を下回り、多くの場合0.1重量%またはそれ以下である。
金属酸化物粒子としては、難水溶性であるが、重合後の化学的方法で除去できるもの、例えば、酸またはアルカリで溶解して除去できるものが好ましい。金属酸化物粒子の具体例としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
金属酸化物粒子を105℃の乾燥機で2時間乾燥したときに減少する重量の殆どは水分である。そのため、前記範囲内の加熱減量を有する金属酸化物粒子を調製するには、その種類、粒径及び粒子の表面処理の有無によって多少条件は異なるものの、恒温恒湿機内に載置して、温度、湿度及び時間を制御することにより、吸湿させる方法が好ましく採用される。例えば、協和化学工業社製の酸化マグネシウム粒子「パイロキスマ5301」(登録商標)は、加熱減量が0.1重量%であるが、温度35℃、湿度85%の恒温恒湿機内に1週間保持することにより、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量を5重量%に上げることができる。同様に、酸化マグネシウム粒子(協和化学社製、商品名「パイロキスマ5301」)を、温度35℃、湿度85%の恒温恒湿機中に5時間保持することにより、その加熱減量を0.5重量%に調節することができる。加熱減量の上限は、20重量%であり、これを超える加熱減量を有する金属酸化物粒子を、恒温恒湿機を用いた吸湿法により調製することは困難である。
水系分散媒体中に、分散安定剤として難水溶性金属水酸化物を含有させる場合には、この難水溶性金属水酸化物を構成する金属元素と金属酸化物粒子を構成する金属元素とが同種であることが好ましい。例えば、分散安定剤として水酸化マグネシウムコロイドを用いる場合には、金属酸化物粒子として酸化マグネシウム粒子を用いることが好ましい。
金属酸化物粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜5μmである。金属酸化物粒子の平均粒径は、レーザ回折/散乱法により測定することができる。具体的には、島津製作所製「島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−3000」を用いて、イオン交換水中に分散させた金属酸化物粒子の粒度分布を測定し、平均粒径(メディアン径)を算出する方法を採用することができる。一般に、金属酸化物粒子などの平均粒径は、レーザ回折/散乱法により測定されており、また、他の測定法を用いても同等の結果が得られるため、市販品については、カタログ値を用いることもできる。
金属酸化物粒子の使用量は、重合性単量体100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは0.5〜20重量部、特に好ましくは1〜10重量部である。
金属酸化物粒子として、加熱減量が0.2重量%未満のものを用いると、比較例1及び図4に示すように、表面に多数の微小な凹部が形成された球状のトナー粒子しか得ることができない。このようなトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤は、クリーニング性が十分ではない。
驚くべきことに、加熱減量を0.2〜20重量%に調節した金属酸化物粒子の存在下に重合性単量体組成物の重合を行うと、図3に示すように、球欠形状を有するトナー粒子の得られることが見出された。このような球欠形状のトナー粒子は、水系分散媒体中での重合性単量体組成物の重合反応が十分に進行した段階で観察することができる。したがって、水系分散媒体中で、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、加熱減量が0.2〜20重量%の金属酸化物粒子の存在下に重合し、重合性単量体の転化率が90〜100%、好ましくは約100%に達したときに、球欠形状の着色重合体粒子の生成が観察される。この着色重合体粒子をコア粒子とし、シェル用重合性単量体を加えて、さらに重合反応を継続すると、薄い重合体層(シェル)によって被覆されたコア−シェル構造を有し、かつ、球欠形状のトナー粒子を得ることができる。
重合後、金属酸化物粒子は、酸処理またはアルカリ処理などの化学的方法により溶解させて除去することができる。この際にも、トナー粒子から金属酸化物粒子が溶解除去されることにより、球欠形状が形成されることがあり得る。
金属酸化物粒子の加熱減量が小さすぎると、重合性単量体組成物中に含有させた金属酸化物粒子がトナー粒子中に埋没して、球欠形状のトナー粒子を得ることができない。また、金属酸化物粒子の加熱減量が小さすぎると、金属酸化物粒子を水系分散媒体中に存在させても、トナー粒子の形状を球欠形状にすることができない。
金属酸化物粒子の平均粒径が小さすぎても、大きすぎても、所望の球欠形状のトナー粒子を得ることが困難になる。金属酸化物粒子の使用量が少なすぎても、多すぎても、所望の球欠形状のトナー粒子を得ることが困難になる。
本発明のトナー粒子の製造方法について、さらに詳細に説明する。重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じて離型剤及び帯電制御剤などの添加剤をビーズミルなどのメディア型分散機を用いて均一に混合して、重合性単量体組成物を調製する。分散安定剤として難水溶性無機塩や難水溶性無機水酸化物などの難水溶性無機化合物を含有する水分散媒体中に、該重合性単量体組成物を添加した後、攪拌して一次液滴を形成する。一次液滴の体積平均粒径は、通常50〜1000μm、好ましくは100〜500μmである。次いで、重合開始剤を添加した後、高速回転する攪拌機を用いて、所望のトナー粒子の粒径となるように攪拌速度及び時間を調整して、さらに小さな二次液滴を形成する。二次液滴の体積平均粒径は、目的とするトナー粒子の体積平均粒径と略一致させる。重合開始剤は、重合性単量体組成物中に添加してもよいが、早期重合を防ぐために、比較的安定な一次液滴を形成した後に、水系分散媒体中に添加し、攪拌しながら重合性単量体組成物からなる液滴中に移行させることが好ましい。
液滴を形成するときの水系分散媒体の温度は、通常10〜55℃、好ましくは20〜45℃の範囲内に調整する。105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.2〜20重量%である金属酸化物粒子は、重合性単量体組成物中または水系分散媒体中に含有させる。重合性単量体組成物の調製の容易さや、重合性単量体組成物の液滴の形成の容易さなどの観点からは、金属酸化物粒子を水系分散媒体中に存在させることが好ましい。
水系分散媒体中に分散した液滴が沈降しない程度の攪拌を維持しながら、所定の温度に昇温して重合を開始し、重合転化率がほぼ100%になるまで重合反応を行う。重合転化率が低すぎると、未反応の重合性単量体が残留し易くなるため、好ましくない。コア−シェル構造のトナー粒子を得る場合には、重合転化率が好ましくは98%以上になってから、さらにシェル用重合性単量体とシェル用開始剤を添加して重合を継続する。重合温度は、通常40〜120℃、好ましくは50〜100℃である。重合時間は、通常1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。
重合反応後、必要に応じて、水分散液からトナー定着時に臭気の原因となる未反応の重合性単量体及び開始剤由来の副生成物である揮発性有機化合物を除去する。さらに、重合時に分散安定剤として使用した難水溶性無機化合物及び金属酸化物粒子を化学的に除去するために、アルカリ洗浄または酸洗浄を行う。その後、水洗浄と脱水を繰り返し行い、そして乾燥することによって、トナー粒子を回収する。乾燥温度は、通常20〜60℃、好ましくは30〜50℃である。減圧下に加熱して乾燥してもよい。
重合性単量体としては、モノビニル単量体、架橋性単量体、マクロモノマーを挙げることができる。この重合性単量体が重合して、結着樹脂成分となる。
モノビニル単量体の具体例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体が挙げられる。ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリルまたはメタクリルを意味する。
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらモノビニル単量体の中でも、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル系単量体との組み合わせが好適に用いられる。
モノビニル単量体と共に、架橋性単量体を用いると、耐ホットオフセット性を向上させることができるので好ましい。架橋性単量体は、重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を2以上有する単量体である。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;ジビニルエーテル等のビニル基を2個有する化合物;ペンタエリスリトールトリアクリルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート等のビニル基を3個以上有する化合物を挙げることができる。
架橋性単量体の使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常2重量部以下、好ましくは、0.1〜1.5重量部である。
モノビニル単量体と共に、マクロモノマーを用いると、保存性と低温定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分子量が、通常1000〜30000のオリゴマーまたはポリマーである。数平均分子量が上記範囲にあると、低温定着性及び保存性のバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマー分子鎖の末端に有るビニル重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることができ、共重合のしやすさの観点からメタクリロイル基が好ましい。
マクロモノマーは、前記モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有するものが好ましい。マクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して得られる重合体;ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマーなどを挙げることができる。これらの中でも、親水性のもの、特にメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独で、またはこれらを組み合わせて重合して得られるマクロモノマーが好ましい。
マクロモノマーの使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。
水系分散媒体には、通常、分散安定剤を含有させる。好ましい分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の難水溶性無機塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の難水溶性無機水酸化物;などの難水溶性無機化合物を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で用いても、あるいは2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、特に難水溶性無機水酸化物コロイドは、トナー粒子の粒径分布を狭くすることができ、洗浄後に分散安定剤が残存することが少なく、画像を鮮明に再現できるので好ましい。難水溶性無機水酸化物コロイドの製造方法は、特に限定されないが、水溶性多価無機化合物の水溶液のpHを7以上に調整することによって得られる難水溶性無機水酸化物コロイド、特に水溶性多価無機化合物とアルカリ金属水酸化物との水相中の反応により生成する難水溶性無機水酸化物コロイドが好ましい。
水溶性多価無機化合物としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、銅、マンガン、ニッケル、スズなどの多価金属の塩酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが上げられる。pHを調整するために、アンモニア水を併用してもよい。難水溶性金属水酸化物などの難水溶性無機化合物としては、前述したように金属酸化物粒子と同種の金属を含有する化合物を使用することが好ましい。したがって、金属酸化物粒子として、酸化マグネシウムを使用する場合には、分散安定剤として、水酸化マグネシウムがより好ましく、水酸化マグネシウムのコロイドが特に好ましい。
分散安定剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部である。この割合が上記範囲にあることで、十分な重合安定性が得られ、重合時におけるトナー粒子の凝集が抑制され、所望の粒径のトナー粒子を得ることができるので好ましい。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−〔1,1′−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオアミド]、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類などを例示することができる。
これらの重合開始剤の中でも特に、使用する重合性単量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて水溶性の重合開始剤をこれと併用することもできる。
重合開始剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、より好ましくは0.5〜10重量部である。
重合開始剤は、重合性単量体組成物中に予め添加するか、水系分散媒体中での重合性単量体組成物の液滴形成工程の途中で、水系分散媒体中に添加し、液滴中に移行させる。
重合に際して、分子量調整剤を添加することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類を挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。
分子量調整剤の使用量は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
コア−シェル構造のトナー粒子(コアシェル型トナー粒子)は、着色重合体粒子(コア粒子)の重合終了後の反応系に、シェルを形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)を添加して、重合反応を継続することによって製造することができる。シェル用重合性単量体は、反応系中に一括して添加しても、またはプランジャポンプなどのポンプを使用して連続的もしくは断続的に添加してもよい。
コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度を30〜60℃とし、シェルを構成する重合体成分のガラス転移温度を70〜105℃に設計することが好ましい。シェル用重合性単量体としては、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどのガラス転移温度が70℃以上、好ましくは80℃以上の重合体を形成することができる単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。シェル重合性単量体は、前記したシェルの厚みが得られるような使用量で用いられる。
シェル用重合性単量体を添加する際に、シェル用開始剤として、水溶性のラジカル開始剤を添加することがコアシェル型トナー粒子を得やすくなるので好ましい。シェル用重合性単量体の添加の際に水溶性ラジカル開始剤を添加すると、シェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性ラジカル開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体(シェル)を形成しやすくなると考えられる。
水溶性ラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2′−アゾビス(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤;クメンパーオキシド等の油溶性開始剤とレドックス触媒の組み合せ;などを挙げることができる。
水溶性ラジカル開始剤の使用量は、シェル用単量体100重量部に対して、通常、1〜50重量%、好ましくは2〜20重量%である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。「部」及び「%」は、特に断りのない限り、重量基準である。
物性の測定方法は、以下のとおりである。
(1)体積平均粒径dv及び粒径分布dv/dp
トナー粒子の体積平均粒径dv及び粒径分布dv/dpは、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径=100μm、媒体=イソトンII、濃度=10%、測定粒子個数=100,000個の条件で行った。
具体的には、トナー粒子5〜20mgをビーカーに取り、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸0.1〜1mlを加え、さらにイソトンIIを0.5〜2ml加える。トナー粒子がよく湿潤した後、さらにイソトンIIを10〜30ml加え、超音波分散器で1〜3分間分散させ、上記の測定を行った。
(2)異形化度
走査型電子顕微鏡(日立株式会社、型番「S−3000N」)を用いて、トナー粒子が画面内に5〜10個程度となるように調節して、複数枚の写真を撮影した。これらの写真に投影されたトナー粒子のうちの任意の100個について、画像解析ソフトScion Image(Scion Corporation社製)を用いて画像解析を行った。各球欠形状のトナー粒子について、完全な球状粒子とした場合の最大径Lと、弦の中間位置から球状粒子の中心を通って弧まで達する直線の長さLとの比L/Lを算出した。その100個の値を平均して、トナー粒子の異形化度とした。微小な凹部を有する球状トナー粒子、及び球状トナー粒子についても、上記方法に従って、異形化度を測定した。
(3)平均円形度
トナー粒子の形状を定量的に表す他の方法として、平均円形度を挙げることができる。円形度は、下記式により算出することができる。
円形度 a=L/L
(式中、Lは、粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは、粒子の投影像の周囲長を示す。)
具体的には、容器に水150mlを入れ、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩0.3mlを加え、さらにトナー粒子0.5gを加える。トナー粒子を含有する水系懸濁液を、超音波分散器を用いて約1〜3分間分散処理を行い、各トナー粒子を十分に分散させる。水量を調節して、懸濁液中のトナー粒子濃度を3000〜10000個/μlに調節する。東亜医用電子製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000を用いて、懸濁液中に分散しているトナー粒子のLとLとを測定し、上記式により平均円形度(平均値)を求めた。
平均円形度は、トナー粒子形状の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合には、1.0を示し、表面形状が複雑になるほど、平均円形度は小さな値を示す。
(4)加熱減量
JIS K 5101に従って、秤量した直径5cmのアルミニウム皿に酸化マグネシウム3gを精秤し、105℃の乾燥機で2時間乾燥した。乾燥後、アルミニウム皿と共に酸化マグネシウムをデシケータに入れ、室温まで冷却し、そして、アルミニウム皿ごと秤量した。乾燥前と乾燥後の重量差に基づいて、酸化マグネシウムの加熱減量(重量%)を求めた。
(5)クリーニング性
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷速度=24枚/分)を改造し、ゴム製のクリーニングブレードを取り付け、これに被転写材としてコピー用紙をセットした。このプリンターの現像装置に評価するトナーを入れ、温度23℃及び湿度50%の常温常湿環境(N/N環境)下で一昼夜放置した。次に、初期から5%濃度で連続印字を行い、1000枚毎に感光体と帯電ロールを観察して、トナーの付着による筋が発生するまでの枚数を調べた。この枚数が多いほど、クリーニング性が良好であることを示す。なお、表中に「≧50000」とあるのは、50000枚の連続印字で、トナー付着による筋が発生しなかったことを示す。
(6)印字濃度及びかぶり
前述したプリンターに被転写材としてコピー用紙をセットし、現像装置にトナーを入れ、温度23℃及び湿度50%のN/N環境下で一昼夜放置後、5%濃度で初期から連続印字を行い、10枚目、20000枚目、及び50000枚目の印字時にベタ印字と白ベタ印字を行った。
印字濃度は、ベタ印字したコピー用紙について、カラー反射型濃度計(マクベス社製、機種名「RD918」)を用いて測定した。
白ベタ印字を行った後、現像後で転写前の感光体上にあるトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、スコッチメンディングテープ810−3−18)で剥ぎ取り、それを新しい印字用紙に貼り付けた。この粘着テープを貼り付けた印字用紙の色調Bを、前記分光色差計で測定した。同様にして、粘着テープだけを貼り付けた印字用紙の色調Aを標準サンプルとして測定した。これら2つの色調をL空間の座標として表し、色差ΔEを算出した。この色差ΔEをカブリ値とした。この値の小さい方が、カブリが少ないことを示す。
実施例1
1.コア用重合性単量体組成物の調製工程
スチレン80.5部及びn−ブチルアクリレート19.5部からなるコア用重合性単量体、ポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」、Tg=94℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部、t−ドデシルメルカプタン1.2部、C.I.ピグメントレッド122(クラリアント社製)5部、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名「FCA−1001−NS」)1部、及びジペンタエリスリトールヘキサミリステート(最大吸熱ピーク=66.2℃、分子量=1514)6部を、メディア型分散機を用いて湿式粉砕を行い、コア用重合性単量体組成物を調製した。
2.水系分散媒体の調製工程
イオン交換水250部に塩化マグネシウム10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。該水酸化マグネシウムコロイド分散液に、平均粒径が2.9μmで、比表面積が1.5m/gの酸化マグネシウム粒子(協和化学社製、商品名「パイロキスマ5301」)5部及び四ホウ酸ナトリウム・10水和物1部を添加し、分散させた。
この酸化マグネシウム粒子は、予め温度35℃、湿度85%の恒温恒湿機中に1週間保持して、その加熱減量を5%に調節したものである。
このようにして、分散安定剤として水酸化マグネシウムコロイドを含有し、金属酸化物粒子として加熱減量が5%の酸化マグネシウム粒子を含有する水系分散媒体を調製した。
3.シェル用重合性単量体の水分散液の調製工程
メチルメタクリレート2部と水65部を混合して、シェル用重合性単量体の水分散液を得た。
4.コア用重合性単量体組成物の液滴形成工程
撹拌槽中に、上記で調製した水系分散媒体(水酸化マグネシウムコロイド量=4.0部)とコア用重合性単量体組成物とを投入し、攪拌してコア用重合性単量体組成物の一次液滴を形成した。より具体的には、該一次液滴の粒径が安定するまで攪拌を継続して、該一次液滴を含有する分散液を調製した。この分散液にt−ブチルパーオキシイソブチレート(日本油脂社製、商品名「パーブチルIB」)6部を添加した。
次いで、該分散液を、15000rpmで回転する高剪断力撹拌装置であるエバラマイルダー(登録商標)(荏原製作所社製:商品名「MDN303V」)中に導入し、滞留時間3秒で通過させた。通過させた分散液を、インナーノズルを経て、元の撹拌槽内に噴出速度0.5m/sで戻すことにより、分散液を撹拌槽とエバラマイルダーとの間を循環させた。インナーノズル先端が撹拌槽中の分散液の液面下50mmに位置するように調整し、かつ、循環回数が10回となるようにした。エバラマイルダーの周囲には冷却用ジャケットが取り付けてあり、その中に約15℃の冷却水を流通させた。このようにして、コア用重合性単量体組成物の微細な二次液滴を形成させた。
5.重合工程
コア用重合性単量体組成物の微細な二次液滴が分散された分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、昇温して重合を開始した。重合温度が95℃で一定となるように温度制御を行った。コア用重合性単量体の重合転化率がほぼ100%に達するまで重合反応を継続した。
前記シェル用重合性単量体の水分散液に、水溶性ラジカル開始剤(和光純薬社製、商品名「VA−086」、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕)0.3部を溶解した後、該水分散液を反応器内に投入した。4時間重合を継続した後、重合反応を停止し、コアシェル型トナー粒子を含有する水分散液を得た。
6.後処理工程
上記で得られたトナー粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸を添加して、25℃で10分間、酸洗浄を行い、水分散液のpHを5.5にした。この後、水洗浄を数回繰り返した。次いで、水分散液を濾過脱水し、乾燥して、トナー粒子を回収した。
7.トナー粒子
このようにして得られたトナー粒子は、体積平均粒径dvが6.6μmで、粒径分布dv/dpが1.18であった。このトナー粒子の走査型電子顕微鏡像を撮影したところ、図3に示すように、球欠形状を示す粒子であった。このトナー粒子の異形化度は、0.75であった。
8.非磁性一成分現像剤
トナー粒子100部に、疎水化処理したコロイダルシリカ(日本アエロジル社製、商品名「RX−200」)1部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、非磁性一成分現像剤(単に「トナー」と呼ぶ)を調製した。このトナーの画像評価結果を表1に示す。
実施例2
酸化マグネシウム粒子を水系分散媒体中に添加する代わりに、コア用重合性単量体組成物中に添加したこと以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の走査型電子顕微鏡像は、図3と同様の球欠形状を示す粒子であった。このトナー粒子を用いて、実施例1と同様にして非磁性一成分現像剤(トナー)を作成した。トナー粒子及びトナーの特性の測定結果を表1に示す。
実施例3
加熱減量5%の酸化マグネシウム粒子を、加熱減量0.5%の酸化マグネシウム粒子に代えたこと以外は、実施例2と同様にしてトナー粒子を得た。この酸化マグネシウム粒子は、酸化マグネシウム粒子(協和化学社製、商品名「パイロキスマ5301」)を、温度35℃、湿度85%の恒温恒湿機中に5時間保持して、その加熱減量を0.5%に調節したものである。得られたトナー粒子の走査型電子顕微鏡像は、図3と同様の球欠形状を示す粒子であった。このトナー粒子を用いて、実施例1と同様にして非磁性一成分現像剤(トナー)を作成した。トナー粒子及びトナーの特性の測定結果を表1に示す。
実施例4
酸化マグネシウム粒子の添加量を5重量部から7重量部に変えたこと以外は、実施例2と同様にしてトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の走査型電子顕微鏡像は、図3と同様の球欠形状を示す粒子であった。このトナー粒子を用いて、実施例1と同様にして非磁性一成分現像剤(トナー)を作成した。トナー粒子及びトナーの特性の測定結果を表1に示す。
実施例5
酸化マグネシウム粒子の添加量を5重量部から3重量部に変えたこと以外は、実施例2と同様にしてトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の走査型電子顕微鏡像は、図3と同様の球欠形状を示す粒子であった。このトナー粒子を用いて、実施例1と同様にして非磁性一成分現像剤(トナー)を作成した。トナー粒子及びトナーの特性の測定結果を表1に示す。
比較例1
加熱減量5%の酸化マグネシウムを、加熱減量0.1%の酸化マグネシウム粒子に代えたこと以外は、実施例2と同様にしてトナー粒子を得た。この酸化マグネシウム粒子は、市販の酸化マグネシウム粒子(協和化学社製、商品名「パイロキスマ5301」)であり、加熱減量を増大させるために恒温恒湿機中で保持しなかったものである。得られたトナー粒子の走査型電子顕微鏡像は、図4に示すように、トナー粒子の表面に多数の微小凹部を有する球状粒子であり、球欠形状を有するものではなかった。このトナー粒子を用いて、実施例1と同様にして非磁性一成分現像剤(トナー)を作成した。トナー粒子及びトナーの特性の測定結果を表1に示す。
比較例2
酸化マグネシウム粒子を使用しなかったこと以外は、実施例2と同様にしてトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の走査型電子顕微鏡像は、トナー粒子の表面に凹部を有さない球状粒子であった。このトナー粒子を用いて、実施例1と同様にして非磁性一成分現像剤(トナー)を作成した。トナー粒子及びトナーの特性の測定結果を表1に示す。
Figure 2005091081
表1に示す実験結果より、以下のことがわかる。
加熱減量が0.2%未満の酸化マグネシウム粒子(金属酸化物粒子)の存在下に懸濁重合して得られた比較例1のトナー粒子は、異形化度が0.95を超える球状粒子であり、その表面に多数の微小凹部を有するものの、クリーニング性が不十分であり、印字特性も不十分である。
金属酸化物粒子を使用しないで製造した比較例2のトナー粒子は、球状粒子であり、クリーニング性及び印字特性が劣悪である。
これに対して、加熱減量が大きくなるように調節した酸化マグネシウム粒子(金属酸化物粒子)の存在下に懸濁重合して得られた実施例1〜5のトナー粒子は、球欠形状を示す粒子であり、クリーニング性に優れ、50000枚の連続印字を行っても、印字濃度の低下がなく、かぶりも発生し難いことが分かる。
本発明の静電荷像現像用現像剤は、クリーニング性に優れ、初期画像及び連続印字後の耐久画像にも優れており、電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置を用いた画像形成方法における現像剤として利用することができる。
本発明の製造方法によれば、球欠形状を有し、クリーニングブレードなどのクリーニング手段によるクリーニング性に優れることに加えて、耐久印字試験でも印字濃度の実質的な低下がなく、かぶりも発生し難いトナー粒子を製造することができる。このトナー粒子は、静電荷像現像用現像剤に含有させるトナー粒子として利用される。

Claims (20)

  1. 球状粒子の一部が平面で切り取られた球欠形状を示すトナー粒子であり、完全な球状粒子とした場合の最大径をLとし、球状粒子の一部が平面で切り取られて形成された弦の中間位置から球状粒子の中心を通って球欠形状を示すトナー粒子の弧に到達するまでの直線の長さをLとしたとき、L/Lの平均値で表される異形化度が0.20〜0.95であるトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤。
  2. 異形化度が、0.40〜0.95である請求項1記載の静電荷像現像用現像剤。
  3. 該トナー粒子の平均円形度が、0.930〜0.975である請求項1記載の静電荷像現像用現像剤。
  4. 該トナー粒子の体積平均粒径dvが、3〜10μmである請求項1記載の静電荷像現像用現像剤。
  5. 該トナー粒子の体積平均粒径dvと個数平均粒径dpの比dv/dpが、1.30以下である請求項1記載の静電荷像現像用現像剤。
  6. 該トナー粒子が、着色重合体粒子からなるコア粒子の表面が重合体層で被覆されたコア−シェル構造を有する請求項1記載の静電荷像現像用現像剤。
  7. 水系分散媒体中で、重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.2〜20重量%の範囲内にある金属酸化物粒子の存在下に重合して、着色重合体粒子を得る工程を含む球欠形状を有するトナー粒子の製造方法。
  8. 金属酸化物粒子が、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量が0.3〜10重量%の範囲内にあるものである請求項7記載の製造方法。
  9. 金属酸化物粒子を水系分散媒体中に予め存在させる請求項7記載の製造方法。
  10. 金属酸化物粒子を重合性単量体組成物中に予め存在させる請求項7記載の製造方法。
  11. 水系分散媒体が、分散安定剤として、難水溶性無機化合物を含有するものである請求項7記載の製造方法。
  12. 金属酸化物粒子が、酸またはアルカリに溶解するものである請求項7記載の製造方法。
  13. 金属酸化物粒子が、0.1〜20μmの範囲内の平均粒径を有するものである請求項7記載の製造方法。
  14. 金属酸化物粒子の割合が、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜30重量部である請求項7記載の製造方法。
  15. 金属酸化物粒子が、酸化マグネシウム粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化鉄粒子、またはこれらの2種以上の混合物である請求項7記載の製造方法。
  16. 金属酸化物粒子が、吸湿処理により、105℃の乾燥機で2時間乾燥したときの加熱減量を0.2〜20重量%の範囲内に調節したものである請求項7記載の製造方法。
  17. 前記着色重合体粒子の存在下にシェル用重合性単量体を重合する工程をさらに有し、着色重合体粒子からなるコア粒子の表面を重合体層で被覆したコア−シェル構造のトナー粒子を生成させる請求項7記載の製造方法。
  18. 生成トナー粒子を含有する水系分散媒体を酸またはアルカリで洗浄する工程をさらに有する請求項7記載の製造方法。
  19. 球欠形状のトナー粒子が、球状粒子の一部が平面で切り取られた球欠形状を示すトナー粒子であり、完全な球状粒子とした場合の最大径をLとし、球状粒子の一部が平面で切り取られて形成された弦の中間位置から球状粒子の中心を通って球欠形状を示すトナー粒子の弧に到達するまでの直線の長さをLとしたとき、L/Lの平均値で表される異形化度が0.20〜0.95であるトナー粒子である請求項7記載の製造方法。
  20. 感光体上に残留するトナーをクリーニング手段によってクリーニングする工程を含む画像形成方法において、静電荷像現像用現像剤が、球状粒子の一部が平面で切り取られた球欠形状を示すトナー粒子であり、完全な球状粒子とした場合の最大径をLとし、球状粒子の一部が平面で切り取られて形成された弦の中間位置から球状粒子の中心を通って球欠形状を示すトナー粒子の弧に到達するまでの直線の長さをLとしたとき、L/Lの平均値で表される異形化度が0.20〜0.95であるトナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤である画像形成方法。
JP2006511342A 2004-03-23 2005-03-23 トナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤、該トナー粒子の製造方法及び該現像剤を用いた画像形成方法 Expired - Fee Related JP4572897B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004084616 2004-03-23
JP2004084616 2004-03-23
PCT/JP2005/005984 WO2005091081A1 (ja) 2004-03-23 2005-03-23 トナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤、該トナー粒子の製造方法及び該現像剤を用いた画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2005091081A1 true JPWO2005091081A1 (ja) 2008-02-07
JP4572897B2 JP4572897B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=34993873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006511342A Expired - Fee Related JP4572897B2 (ja) 2004-03-23 2005-03-23 トナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤、該トナー粒子の製造方法及び該現像剤を用いた画像形成方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4572897B2 (ja)
WO (1) WO2005091081A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000066445A (ja) * 1998-05-22 2000-03-03 Nippon Zeon Co Ltd 重合トナ―、およびその製造方法
JP2003177571A (ja) * 2001-12-10 2003-06-27 Nippon Zeon Co Ltd トナー及びトナーの製造方法
JP2004037784A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2004070304A (ja) * 2002-06-10 2004-03-04 Seiko Epson Corp トナーの製造方法、トナーおよびトナー製造装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000066445A (ja) * 1998-05-22 2000-03-03 Nippon Zeon Co Ltd 重合トナ―、およびその製造方法
JP2003177571A (ja) * 2001-12-10 2003-06-27 Nippon Zeon Co Ltd トナー及びトナーの製造方法
JP2004070304A (ja) * 2002-06-10 2004-03-04 Seiko Epson Corp トナーの製造方法、トナーおよびトナー製造装置
JP2004037784A (ja) * 2002-07-03 2004-02-05 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4572897B2 (ja) 2010-11-04
WO2005091081A1 (ja) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6562535B1 (en) Toner for development of electrostatic image
JP2008058620A (ja) 非磁性一成分静電荷像現像用トナーの製造方法
US6342328B1 (en) Toner for development of electrostatic charge image and method for producing the same
JP2004151638A (ja) 静電荷像現像用カラートナー
JP2003322997A (ja) 静電荷像現像用トナー
US20080038655A1 (en) Toner for Developing Electrostatic Latent Image
JP2009086331A (ja) グリーントナー
JP2007171272A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JP4557855B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP4670812B2 (ja) 重合トナー及びその製造方法
JP3440983B2 (ja) 重合トナー及びその製造方法
JP3841160B2 (ja) トナー及びトナーの製造方法
JP4337548B2 (ja) 静電荷像現像用現像剤
JP6715227B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2004294751A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP4867499B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JPWO2005083527A1 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2006221203A (ja) トナーの製造方法
JP4572897B2 (ja) トナー粒子を含有する静電荷像現像用現像剤、該トナー粒子の製造方法及び該現像剤を用いた画像形成方法
JP4393179B2 (ja) 磁性トナーの製造方法
JP2004004506A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2007322687A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2005201985A (ja) トナーとその製造方法
JP3979216B2 (ja) トナー
JP2007178954A (ja) 静電荷像現像用イエロートナー及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100623

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20100623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4572897

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees