JP2008299010A - 静電荷像現像用トナー、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する着色樹脂粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、上記離型剤が、エステルワックス、及び石油ワックスを含有し、当該離型剤が共晶を形成していることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし
Description
近年、上記画像形成装置に対する、消費エネルギーの低減化、及び印刷の高速化の要請の高まりに伴い、低い定着温度でも高い定着率を維持できるトナー(低温定着性に優れたトナー)の設計が求められている。
上記離型剤が、エステルワックス、及び石油ワックスを含有し、当該離型剤が共晶を形成していることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
上記離型剤が、エステルワックス、及び石油ワックスを含有し、当該離型剤が共晶を形成していることを特徴とするものである。
湿式法の中でも好ましい(A)懸濁重合法を採用し、または乾式法の中でも代表的な(B)粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行なわれる。
(1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、及び特定の特性を有する共晶を形成した離型剤、さらに必要に応じて帯電制御剤等のその他の添加物を混合、溶解して重合性単量体組成物の調製を行なう。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いて行なう。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
上記2成分のワックスを含有する離型剤は、重合性単量体、着色剤、及びその他の添加物と混合、溶解する前に、あらかじめ共晶を形成させる。
上記共晶(共融混合物)の吸熱ピーク温度(融点Tm)が、上記範囲未満である場合には、トナーの保存性が低下し、定着ロールにトナーが融着するホットオフセット現象が生じ、印字性能に悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記共晶(共融混合物)の吸熱ピーク温度(融点Tm)が、上記範囲を超える場合には、トナーの低温定着性が低下し、定着時に定着ロールの温度を高温に設定する必要があり、消費エネルギーの低減化の要請に応えられない場合がある。
これらの中でも、脂肪族モノアルコール、及び脂肪族多価アルコールが好ましく、脂肪族多価アルコールがより好適である。
これらの中でも、脂肪族カルボン酸が好適である。
上記エステルワックスの溶解度が、上記範囲から外れる場合には、トナーの低温定着性、及び保存性のバランスが損なわれる場合がある。
上記石油ワックスの溶解度が、上記範囲を超える場合には、トナーの低温定着性、及び保存性のバランスが損なわれる場合がある。
なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパミエーションクロマトグラフ(GPC)法によってGPC測定装置を用いて測定される値である。
上記エステルワックスと石油ワックスとの含有割合が、上記範囲から外れる場合には、耐ホットオフセット性、及び低温定着性のバランスが損なわれる場合がある。
また、発明では、上記した共晶を形成した離型剤と共に、他の離型剤を併用して用いることもできる。
上記他の離型剤の具体例としては、分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレンおよびこれらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレンおよびこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマーなどの末端変性ポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの天然ワックス;等が挙げられる。
なお、上記他の離型剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用して用いてもよい。
本発明では、全離型剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常3〜25重量部、好ましくは5〜20重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜8重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
上記(1)重合性単量体組成物の調製工程により得られた重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所社製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(特殊機化工業社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系分散媒体中へ分散された後、液滴形成前に、添加されても良いが、重合性単量体組成物へ添加されても良い。
上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)により得られた、所望の懸濁液(重合性単量体組成物の液滴を含有する水系分散媒体)を、加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液が得られる。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、60〜98℃であることがより好ましい。また、本発明における重合時間は、1〜20時間であることが好ましく、2〜15時間であることがより好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、本重合工程においても上記(2)懸濁液を得る工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行ないながら重合反応を進行させてもよい。
コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、トナーの定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)とシェル用重合開始剤を添加し、重合を行なうことでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
本発明において用いるシェル用重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。
上記(3)重合工程後に得られる着色樹脂粒子の水分散液は、常法に従い、洗浄、濾過、脱水、及び乾燥の一連の操作を、必要に応じて数回繰り返し行なわれることが好ましい。
使用した分散安定化剤が、酸に可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子水分散液へ酸を添加し、一方、使用した分散安定化剤が、アルカリに可溶な無機化合物である場合、着色樹脂粒子水分散液へアルカリを添加する。
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行なわれる。
先ず、着色剤、結着樹脂、特定の特性を有する離型剤、及びさらに必要に応じて帯電制御剤やその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、ヘンシェルミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー、フォールバーグ等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
前述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法により着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
上記着色樹脂粒子の体積平均粒径Dvが、上記範囲未満である場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなる場合がある。一方、上記着色樹脂粒子の体積平均粒径Dvが、上記範囲を超える場合には、得られる画像の解像度が低下する場合がある。
上記着色樹脂粒子の粒径分布(Dv/Dp)が、上記範囲を超える場合には、トナーの流動性が低下し、カブリ等による画質の劣化が起り易くなる場合がある。
なお、着色樹脂粒子の体積平均粒径Dv、及び個数平均粒径Dpは、粒径測定機を用いて測定される値である。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.6μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式1よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式2より平均円形度(Ca)を求める。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
上記円形度及び平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」、「FPIA−2100」、「FPIA−3000」等を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子の平均円形度が上記範囲未満の場合、印字の細線再現性が悪くなる虞がある。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常0.1〜6重量部、好ましくは0.2〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
上記工程を経て得られるトナーは、上記特定の特性を有する共晶を形成した離型剤を用いることにより、トナーの保存性(耐ブロッキング性)、耐ホットオフセット性、及び低温定着性のバランスを最適化させることができ、印刷時に得られる画像の濃度ムラを少なくさせることができると共に、多枚数の連続印刷を行なっても、カブリ等による画質の劣化が起こり難く印字耐久性にも優れるトナーである。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
測定試料(離型剤)を、試料用ホルダーに6〜8mgを計量し、示差走査熱量分析機(セイコーインスツル社製、商品名:RDC−220)を用いて、−20℃〜100℃まで10℃/分で昇温する条件で測定を行ない、DSC曲線を得た。
離型剤(エステルワックス、及び石油ワックスの2成分含有)のDSC測定で得られたDSC曲線においては、ショルダーを有さず、且つ、1つの吸熱ピークから吸熱ピーク温度(融点Tm)を特定できる場合、共晶形成が行われたと判定した。
測定試料(着色樹脂粒子)を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mlを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dp)を測定し、粒径分布(Dv/Dp)を算出した。
(3−1)保存性
トナー10gを密閉可能な容器(ポリエチレン製、容量:100ml)に入れて、密閉した後、当該容器を55℃の温度に保持した恒温水槽の中に沈めた。8時間経過した後、恒温水槽から当該容器を取り出し、容器内のトナーを42メッシュの篩上へ置いた。この際、容器内でのトナーの凝集構造を破壊しないように、容器内からトナーを静かに取り出し、注意深く篩上に移して置くようにする。トナーを置いた篩を、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名:パウダテスタPT−R)を用いて、振幅1mmの条件で、30秒間振動させた後、篩上に残留したトナーの重量を測定し、凝集トナーの重量とした。最初に容器に入れたトナーの重量に対する凝集トナーの重量の割合(重量%)を算出した。
なお、1サンプルにつき上記測定を3回行ない、凝集トナーの重量の割合(重量%)を算出し、その平均値を保存性の指標とした。
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターの定着ロール部の温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行った。定着試験は、黒ベタ(印字濃度100%)を印字して、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃ずつ変化させて、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度−定着率の関係を求めて行った。
定着率は、黒ベタ(印字濃度100%)の印字領域においてテープ剥離を行ない、テープ剥離前後の画像濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、下記計算式3により算出できる。
計算式3:
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD914)を用いて測定した。
この定着試験において、定着率が80%を超える最低の定着ロールの温度をトナーの最低定着温度とした。
上記最低定着温度における黒ベタ(印字濃度100%)の印字領域について、画像の濃度ムラ(ベタムラ)の有無を目視にて観察した。
画像の濃度ムラがほぼ無いレベルを○、画像の濃度ムラが少しあるレベルを△、画像の濃度ムラがかなりあるレベルを×として評価した。
上記(3−2)最低定着温度の測定と同様の改造プリンターを用いて、ホットオフセット試験を行った。ホットオフセット試験は、定着ロール部の温度を150℃から10℃ずつ230℃まで変化させて、黒ベタ(印字濃度100%)、及び白ベタ(印字濃度0%)の印字領域を有する印字パターンを印刷し、それぞれの温度で、白ベタ(印字濃度0%)の印字領域に印字汚れが認められた際に、定着ロールにトナーの融着が発生のしていないかホットオフセット現象の有無を目視にて観察した。
このホットオフセット試験において、定着ロールにトナーの融着が発生した最低の設定温度を、ホットオフセット温度とした。
なお、表2中、ホットオフセット温度が、「230℃以上」と記載されているものは、定着ロールの温度が230℃の時点でもホットオフセット現象の発生がなかったことを示す。
耐久印字試験には、市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(沖データ社製、商品名:ML−5400、印刷スピード:A4サイズ24枚/1分)を用い、現像装置のトナーカートリッジに、トナーを充填した後、印字用紙をセットした。温度23℃、湿度50%の常温常湿(N/N)環境下で、24時間放置した後、同環境下にて、5%印字濃度で17,000枚まで連続印字を行なった。
1,000枚毎に黒ベタ印字(印字濃度100%)を行ない、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD914)を用いて黒ベタ画像の印字濃度を測定した。さらに、その後、白ベタ印字(印字濃度0%)を行ない、白ベタ印字の途中でプリンターを停止させ、現像後の感光体上における非画像部のトナーを、粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させた後、剥ぎ取り、それを印字用紙に貼り付けた。次に、その粘着テープを貼り付けた印字用紙の白色度(B)を、白色度計(日本電色社製、商品名:ND−1)で測定し、同様にして、未使用の粘着テープだけを印字用紙に貼り付け、その白色度(A)を測定し、この白色度の差(B−A)をカブリ値とした。この値が小さい方が、カブリが少なく良好であることを示す。
印字濃度が1.3以上で、且つカブリ値が5%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べた。
(製造例1)
エステルワックス(ヘキサグリセリンオクタベヘネート、日本油脂社製、商品名:WEP7)80部、及び石油ワックス(パラフィンワックス、日本精鑞社製、商品名:PW150)20部をビーカーに入れ、オイルバスを用いて溶融するまで加熱し、溶融混合物を得た。得られた溶融混合物を、氷水の中へ投入して急速に冷却を行なうことによって、凝固体の共融混合物を得て、さらに風乾を行ない、離型剤Aを得た。
DSC測定することにより、離型剤Aが共晶を形成していることを確認した。
製造例1において、エステルワックスの添加量を85部に、石油ワックスの種類及び添加量を、マイクロクリスタリンワックス(日本精鑞社製、商品名:Hi−Mic−1045)15部に変更したこと以外は、製造例1と同様に離型剤を製造し、離型剤Bを得た。
DSC測定することにより、離型剤Bが共晶を形成していることを確認した。
製造例1において、エステルワックスの種類を、ペンタエリスリトールテトラパルミテート(日本油脂社製、商品名:WEP4)に変更したこと以外は、製造例1と同様に離型剤を製造し、離型剤Cを得た。
DSC測定することにより、離型剤Cが共晶を形成していることを確認した。
モノビニル単量体としてスチレン76部及びn−ブチルアクリレート24部(これらの単量体を共重合して得られた共重合体の計算Tg=60℃)、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:♯25B)6部、帯電制御剤として帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:FCA−1001−NS、スチレン/アクリル樹脂)1部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン1.2部、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.5部を、攪拌装置で攪拌、混合した後、さらにメディア式分散機により、均一に分散させた。ここに、離型剤として製造例1で製造した離型剤A10部を添加し、混合、溶解して、重合性単量体組成物を得た。
離型剤の種類を、製造例2で製造した離型剤Bに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを作製し、試験に供した。
離型剤の種類を、製造例3で製造した離型剤Cに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを作製し、試験に供した。
離型剤の種類及び添加量を、石油ワックスであるパラフィンワックス(日本精鑞社製、商品名:PW150)1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを作製し、試験に供した。
離型剤の種類を、エステルワックスであるペンタエリスリトールテトラステアレート(日本油脂社製、商品名:WEP6)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2のトナーを作製し、試験に供した。
離型剤の種類及び添加量を、エステルワックスであるペンタエリスリトールテトラステアレート(日本油脂社製、商品名:WEP6)8部、石油ワックスであるパラフィンワックス(日本精鑞社製、商品名:PW150)1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3のトナーを作製し、試験に供した。
離型剤の種類及び添加量を、エステルワックスであるペンタエリスリトールテトラステアレート(日本油脂社製、商品名:WEP6)8部、天然ガス系ワックスであるフィッシャートロプシュワックス(日本精鑞社製、商品名:FT−100)1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例4のトナーを作製し、試験に供した。
各実施例及び比較例で作製したトナーの試験結果を、表1に示す。
表1に記載されている試験結果より、以下のことが分かる。
比較例1のトナーは、離型剤の成分としてエステルワックスを用いなかったことに起因し、耐ホットオフセット性、及び印字耐久性は良好であり、画像の濃度ムラはほぼ無いレベルであったものの、保存性、及び低温定着性が共に不良であるトナーであった。
Claims (5)
- 結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有する着色樹脂粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、
上記離型剤が、エステルワックス、及び石油ワックスを含有し、当該離型剤が共晶を形成していることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記エステルワックスと石油ワックスとの含有割合(エステルワックスの含有量:石油ワックスの含有量)が、20:80〜95:5であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記エステルワックス、及び石油ワックスの溶解度が、30℃でのスチレン100gに対して、それぞれ5〜80g以上、及び5g以下であることを特徴とする請求項1又2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記着色樹脂粒子が、コアシェル構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 重合性単量体、着色剤、及び離型剤を含有する重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させて、上記重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び上記懸濁液を重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
上記離型剤が、エステルワックス、及び石油ワックスを含有し、当該離型剤が共晶を形成していることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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