JP7183679B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents

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本開示は、電子写真法、静電記録法、及び静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられる重合トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)の製造方法に関する。
一般的な電子写真法に用いられるトナーにおいては、着色樹脂粒子表面に離型剤が配合されることにより、トナーが離型効果を発揮する。特に、湿式トナーにおいては、その製造工程において、離型剤が重合性単量体組成物の液滴表面に集まることにより、得られる着色樹脂粒子の表面に離型剤が多く分布する。離型剤としては、脂肪酸や脂肪酸塩、又は脂肪酸エステル(ワックス)等が広く利用されてきた。
例えば、特許文献1には、離型剤として、エステルワックスと石油ワックスが共晶を形成したものを含む静電荷像現像用トナーが開示されている。特許文献1には、このようなトナー組成によって、得られるトナーの保存性(耐ブロッキング性)、耐ホットオフセット性、及び低温定着性のバランスを最適化させることができるとの記載がある。
特許文献2には、多官能エステル化合物、フィッシャートロプシュワックス及び着色剤を含有する着色重合体粒子からなるコア粒子が、該コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する重合体からなるシェルで被覆されているコアシェル型構造の重合トナーが開示されている。特許文献2において、このようなトナーは、保存性に優れ、通常より低温で定着ができ、非オフセット幅が広く、印字特性に優れ、さらに高速印字又は高速複写しても定着性に優れるとの記載がある。
特許文献3には、非磁性トナーであって、結着樹脂100重量部に対し低軟化点物質5乃至40重量部を含有し、トナーのTHF不溶分の物性及びトナーの貯蔵弾性率をそれぞれ所定の範囲内とし、トナーのメルトインデックス(温度125℃,荷重5kg)の10分間での吐出量が0.5乃至15gであるトナーが開示されている。特許文献3において、このような非磁性トナーは、現像性が良好で、低温定着性、耐オフセット性に優れ、オーバーヘッドプロジェクター用フィルム(OHP)画像の透明性に優れた高画質の画像が得られるとの記載がある。
特開2008-299010号公報 特開平11-218960号公報 特開平10-282822号公報
しかし、特許文献1に記載のトナーはグロスが不十分であるという問題がある。また、特許文献2に記載のトナーは、グロスの問題に加え、低温定着性も不十分である。特許文献3に記載の技術では、低温定着性、グロス及び保存性のバランスが良好なトナーを得ることが難しい。
本開示の課題は、低温定着性及び耐熱保存性に優れ、軟化剤のブリード発生が起こりにくい重合トナーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、特定の軟化剤を用いることにより、上述の問題を解決出来ることを見出した。
すなわち本開示の重合トナーの製造方法は、水系媒体中で、少なくとも重合性単量体の重合を行い、結着樹脂、着色剤及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子を得る工程を含む重合トナーの製造方法であって、前記軟化剤として、ペンタエリスリトールとモノカルボン酸とのエステル化反応による生成物であり、前記エステル化反応に用いられるモノカルボン酸は、ベヘン酸、アラキジン酸及びステアリン酸を含有し、かつ当該モノカルボン酸100質量%あたり、ベヘン酸の含有割合が60~80質量%であり、アラキジン酸の含有割合が5~15質量%であり、かつステアリン酸の含有割合が15~25質量%である、エステルワックスを用いることを特徴とする製造方法である。
本開示においては、前記軟化剤の添加量が、前記重合性単量体100質量部に対して、3~25質量部であってもよい。
本開示においては、前記重合性単量体組成物が、前記軟化剤としてさらに炭化水素ワックスを含有していてもよい。
本開示においては、前記炭化水素ワックスが2種以上のワックス分子を含み、前記炭化水素ワックス中に最も多く含まれるワックス分子の炭素数は35~55であり、前記炭化水素ワックスの融点は60~85℃であってもよい。
本開示においては、前記炭化水素ワックスがパラフィンワックスであってもよい。
上記の如き本開示によれば、軟化剤として前記エステルワックスを含むことにより、低温定着性及び耐熱保存性に優れ、軟化剤のブリード発生が起こりにくい静電荷像現像用トナーが提供される。
本開示の重合トナーの製造方法は、水系媒体中で、少なくとも重合性単量体の重合を行い、結着樹脂、着色剤及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子を得る工程を含む重合トナーの製造方法であって、前記軟化剤として、ペンタエリスリトールとモノカルボン酸とのエステル化反応による生成物であり、前記エステル化反応に用いられるモノカルボン酸は、ベヘン酸、アラキジン酸及びステアリン酸を含有し、かつ当該モノカルボン酸100質量%あたり、ベヘン酸の含有割合が60~80質量%であり、アラキジン酸の含有割合が5~15質量%であり、かつステアリン酸の含有割合が15~25質量%である、エステルワックスを用いることを特徴とする。
以下、本開示の着色樹脂粒子の製造方法、当該製造方法により得られる着色樹脂粒子、当該着色樹脂粒子を用いたトナーの製造方法及び本開示のトナーについて、順に説明する。
1.着色樹脂粒子の製造方法
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別される。本開示において、画像再現性等の印字特性に優れたトナーかつ比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が用いられ、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子エマルションを得て、着色剤分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本開示の着色樹脂粒子は、重合法を採用して製造することができるが、重合法の中でも好ましい懸濁重合法を採用し、以下のようなプロセスにより製造される。
(A)懸濁重合法
(A-1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、着色剤、及び軟化剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤及び分子量調整剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いて行う。
本開示で重合性単量体は、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα-メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
ホットオフセット改善及び保存性改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコールにカルボン酸が2つ以上エステル結合したエステル化合物;N,N-ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本開示では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1~5質量部、好ましくは0.3~2質量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、得られるトナーの保存性と低温での定着性とのバランスを良好にできる。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素-炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000~30,000の反応性の、オリゴマーまたはポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある。)よりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーは、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.03~5質量部、さらに好ましくは0.05~1質量部用いる。
本開示では、着色剤を用いるが、カラートナーを作製する場合、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの着色剤を用いることができる。
ブラック着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等の染料及び顔料が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料、染料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、186、213、及び214、並びにC.I.ソルベントイエロー98等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料、染料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントレッド31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、237、238、251、254、255、269及びC.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
本開示では、各着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。着色剤の量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは1~10質量部である。
本開示においては、軟化剤として、特定のエステルワックスを用いる。
本開示に使用されるエステルワックスは、ペンタエリスリトールとモノカルボン酸とのエステル化反応による生成物である。当該エステル化反応に使用されるモノカルボン酸は、ベヘン酸(CAS No.112-85-6,CH(CH20COOH)、アラキジン酸(CAS No.506-30-9,CH(CH18COOH)、及びステアリン酸(CAS No.57-11-4,CH(CH16COOH)を含有する。当該エステル化反応においては、その原料であるモノカルボン酸(以下、原料モノカルボン酸と称する場合がある。)が混合物であるため、その結果として得られるエステルワックス(本開示のトナーに使用されるエステルワックス)も混合物である。
原料モノカルボン酸が、比較的炭素数の大きいベヘン酸を含むことによって、得られるトナーにおける軟化剤のブリードを抑制できる。また、原料モノカルボン酸が、比較的炭素数の小さいアラキジン酸及びステアリン酸を含むことによって、エステルワックスと結着樹脂との相溶性を向上させることができ、得られるトナーの粒径の粗大化を抑制することができる。
前記エステル化反応に使用されるモノカルボン酸100質量%あたり、ベヘン酸の含有割合が60~80質量%であり、アラキジン酸の含有割合が5~15質量%であり、かつステアリン酸の含有割合が15~25質量%である。これら3種類のモノカルボン酸の含有割合がそれぞれ上記範囲内であることにより、得られるエステルワックスと結着樹脂との相溶性を向上させることができ、かつトナーにおける軟化剤のブリードの発生を抑制できる。
ベヘン酸の含有割合は、好適には65~78質量%であり、より好適には70~75質量%である。
アラキジン酸の含有割合は、好適には6~14質量%であり、より好適には7~12質量%である。
ステアリン酸の含有割合は、好適には16~22質量%であり、より好適には17~20質量%である。
混合物であるエステルワックス中に実際に含まれる軟化剤の種類は、測定によりその存在比を求めることも可能である。
エステル化反応は公知の方法により実施することができる。エステル化反応の例は以下の通りである。
温度計、窒素導入管、攪拌機、ディーンスタークトラップ及びジムロート冷却管を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール、ベヘン酸、アラキジン酸及びステアリン酸を加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ20時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得る。ペンタエリスリトール、ベヘン酸、アラキジン酸及びステアリン酸の混合比は、上記エステルワックスが得られるよう適宜調整する。このエステル化粗生成物について、脱酸及び水洗を適宜行うことにより、目的とするエステルワックスが得られる。
エステルワックスの添加量は、重合性単量体100質量部に対して、好適には1~25質量部であり、より好適には5~23質量部であり、さらに好適には8~20質量部、特に好適には12~18質量部である。エステルワックスの当該含有量が1~25質量部であることにより、優れた低温定着性及び耐熱保存性の効果、並びに軟化剤のブリード発生を抑制できる効果が、よりバランスよく得られる。
エステルワックスの融点は、65~85℃であってもよく、70~80℃であってもよい。エステルワックスの融点が65℃以下であると、トナーの耐熱性が低下する。一方で融点が85℃を超えるとワックスをモノマーの溶解させる際に十分に溶けきらない、あるいは析出することで粗大粒子が発生する。エステルワックスの融点が65~85℃であることにより、低温定着性が良好となり且つワックスのブリードが抑制される。
エステルワックスの130℃における溶融粘度は、6~12m・Pa/sであってもよく、7.5~9.5m・Pa/sであってもよい。エステルワックスの130℃における溶融粘度が6~12m・Pa/sであることにより、低温定着性が良好となり且つワックスのブリードが抑制される。
本開示においては、軟化剤として、さらに炭化水素ワックスを含有していてもよい。炭化水素ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。上記エステルワックスと併せて炭化水素ワックスを用いることにより、低温定着性と耐熱保存性のバランスがさらに良好となり、かつ軟化剤のブリードをより効率的に抑制することが可能となる。
これらの炭化水素ワックスの中でも、パラフィンワックスがより好ましい。市販のパラフィンワックスとしては、例えば、HNP-10(商品名、日油社製、最も多く含まれるワックス分子の炭素数:45、融点:72℃)、及びHNP-11(商品名、日油社製、最も多く含まれるワックス分子の炭素数:32、融点:68℃)を採用することができる。
炭化水素ワックスが2種以上のワックス分子を含み、前記炭化水素ワックス中に最も多く含まれるワックス分子の炭素数は35~55であり、前記炭化水素ワックスの融点は60~85℃であってもよい。
当該炭化水素ワックス中に最も多く含まれるワックス分子の炭素数は、好適には36~54であり、より好適には40~50である。当該炭化水素ワックスの融点は、好適には64~84℃であり、より好適には69~79℃である。
このような炭化水素ワックスとしては、例えば、上記HNP-10(商品名、日油社製、最も多く含まれるワックス分子の炭素数:45、融点:72℃)が挙げられる。
炭化水素ワックスの添加量は、重合性単量体100質量部に対して、好適には1~20質量部であり、より好適には3~15質量部であり、さらに好適には5~10質量部である。炭化水素ワックスの当該含有量が1~20質量部であることにより、優れた低温定着性及び耐熱保存性の効果、並びに軟化剤のブリード発生を抑制できる効果が、よりバランスよく得られる。
本開示では、エステルワックス(及び好適には炭化水素ワックス)と共に、他の軟化剤を併用することもできる。他の軟化剤としては、例えば、低分子量ポリオレフィンワックスや、その変性ワックス;ホホバ等の植物系天然ワックス;オゾケライト等の鉱物系ワックス;等が挙げられる。
軟化剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して、好適には3~25質量部であり、より好適には6~23質量部であり、さらに好適には8~20質量部である。本開示における「軟化剤の添加量」とは、2種以上の軟化剤を併用する場合には、それら軟化剤の総添加量を意味する。
軟化剤の当該添加量が3~25質量部である場合には、得られるトナーが離型性、耐ホットオフセット性、及び耐熱保存性(耐ブロッキング性)に優れる。
本開示では、トナーの帯電性を向上させるため、帯電制御剤を用いる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができ、本開示の着色剤における分散性向上の観点から、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、負帯電性トナーを得る観点からは、負帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
帯電制御樹脂の重量平均分子量(Mw)は、テトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算値で、5,000~30,000の範囲内であり、好ましくは8,000~25,000の範囲内であり、より好ましくは10,000~20,000の範囲内である。
また帯電制御樹脂における4級アンモニウム基やスルホン酸塩基などの官能基を有する単量体の共重合割合は、0.5~12質量%の範囲内であり、好ましくは1.0~6質量%の範囲内であり、更に好ましくは1.5~3質量%の範囲内である。
本開示では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01~10質量部、好ましくは0.03~8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
その他の添加物として、重合して結着樹脂となる重合性単量体を重合する際に、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t-ドデシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン-4-チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’-ジメチル-N,N’-ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’-ジオクタデシル-N,N’-ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本開示では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01~10質量部、好ましくは0.1~5質量部の割合で用いることが望ましい。
(A-2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本開示では、重合性単量体、着色剤、及び軟化剤を含む重合性単量体組成物を、分散安定剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行う。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(大平洋機工社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサーMARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩:4,4’-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2’-アゾビス(2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ-t-ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t-ブチルパーオキシ-2-エチルブタノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルブタノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-t-ブチルパーオキシオキシイソフタレート、及びt-ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
有機過酸化物の中では、開始剤効率がよく、残留する重合性単量体も少なくすることができることから、パーオキシエステルが好ましく、非芳香族パーオキシエステルすなわち芳香環を有しないパーオキシエステルがより好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に添加されても良いが、水系媒体中へ分散される前の重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1~20質量部であり、さらに好ましくは0.3~15質量部であり、特に好ましくは1~10質量部である。
本開示において、水系媒体は、水を主成分とする媒体のことを言う。
本開示において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の無機化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。
上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。分散安定化剤の添加量は、重合性単量体100質量部に対して0.1~20質量部あることが好ましく、0.2~10質量部であることがより好ましい。
上記分散安定化剤の中でも、無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドが好ましい。無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることにより、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また、洗浄後の分散安定化剤残存量を少なくできるため、得られるトナーが画像を鮮明に再現することができ、更に環境安定性を悪化させない。
(A-3)重合工程
上記(A-2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、結着樹脂、着色剤、及び軟化剤を含む着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60~95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1~20時間であり、更に好ましくは2~15時間である。
重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、本重合工程においても上記(A-2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行いながら重合反応を進行させてもよい。
着色樹脂粒子は、そのままで、又は外添剤を添加してトナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点を有する物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上述した、上記着色樹脂粒子を用いて、コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’-アゾビス(2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’-アゾビス-(2-メチル-N-(1,1-ビス(ヒドロキシメチル)2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60~95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1~20時間であり、更に好ましくは2~15時間である。
(A-4)洗浄、ろ過、脱水、及び乾燥工程
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、常法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性の無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、ろ過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心ろ過法、真空ろ過法、加圧ろ過法等を挙げることができる。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
2.着色樹脂粒子
上述の(A)懸濁重合法、又は乳化重合凝集法等の重合法により着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)が好ましくは3~15μmであり、更に好ましくは5.5~6.5μmである。Dvが3~15μmである場合には、トナーの流動性が低下するおそれ、転写性悪化のおそれ、画像濃度低下のおそれ、画像の解像度が低下するおそれがいずれも小さい。
また、着色樹脂粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dp)との比(Dv/Dp)が、好ましくは1.0~1.3であり、更に好ましくは1.10~1.16である。Dv/Dpが1.0~1.3である場合には、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こるおそれがいずれも小さい。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分析計(ベックマン・コールター製、商品名:マルチサイザー)等を用いて測定することができる。
本開示の着色樹脂粒子の平均円形度は、画像再現性の観点から、0.960~1.000であることが好ましく、0.970~0.995であることがより好ましく、0.980~0.990であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.960未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
上記着色樹脂粒子は、そのままトナーとしてもよいし、又は着色樹脂粒子とキャリア粒子(フェライト、及び鉄粉等)との混合物をトナーとしてもよい。ただし、トナーの帯電性、流動性、保存性等を調整するために、高速攪拌機(例えば、商品名:ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)等)を用いて、着色樹脂粒子及び外添剤を混合し、1成分トナーとしてもよいし、着色樹脂粒子及び外添剤、さらにキャリア粒子を混合し、2成分現像剤としてもよい。
外添処理を行う攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、ホソカワミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行うことができる。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び/又は酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及び/又はメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ、及び/又は酸化チタンが好ましく、特にシリカからなる微粒子が好適である。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることが好ましい。
本開示では、外添剤を、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常、0.05~6質量部、好ましくは0.2~5質量部の割合で用いることが望ましい。外添剤の添加量が0.05質量部未満の場合には転写残が発生することがある。外添剤の添加量が6質量部を超える場合にはカブリが発生することがある。
3.本開示のトナー
上記工程を経て得られる本開示のトナーは、軟化剤として上記エステルワックスを含有することにより、低温定着性及び耐熱保存性に優れ、軟化剤のブリード発生が起こりにくいトナーである。
本開示のトナーにおけるブリード率は、5%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましく、0%であることがさらに好ましい。本開示における「ブリード率」とは、トナーから軟化剤が離脱する(ブリードする)割合を意味する。
ブリード率は、下記保管試験により測定される。
温度45℃、かつ湿度80%の環境下で20日保管した後のトナーをSEMにて観察する。倍率2,000倍の条件にて、トナーの画像を10枚撮影する。次に、撮影した各トナー画像について、当該画像中の全てのトナー粒子の数(A)と、当該画像中における、ワックスがブリードアウトしたトナー粒子の数(B)とを、それぞれ数える。その後、各トナー画像について、トナー粒子数(B)をトナー粒子数(A)により除し、さらに100を乗じた値を算出する。10枚のトナー画像について算出した当該値の平均を、そのトナーのブリード率(%)とする。
本開示のトナーのフローテスターにおける1/2流出温度T1/2は125~135℃であってもよい。前記1/2流出温度T1/2が当該範囲内であることにより、耐熱保存性と低温定着性とのバランスが良好となる。
本発明のトナーの、フローテスターにおける1/2流出温度T1/2は、好ましくは126~134℃であり、より好ましくは127~133℃である。
フローテスターにおけるトナーの1/2流出温度T1/2は、フローテスターを用いて測定した溶融粘度から算出できる。具体的には、まず、フローテスター(島津製作所製、商品名:CFT-500C等)を用いて、所定の開始温度、昇温速度、予熱時間、及び剪断応力の条件下で溶融粘度を測定する。次に、得られた溶融粘度から、トナーの1/2流出温度T1/2を求めることができる。
前記1/2流出温度T1/2は、例えば、架橋性単量体の添加量等により調節することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本開示を更に具体的に説明するが、本開示は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
1.エステルワックスの製造
[製造例1]
以下、ワックスa1の製造方法を説明する。なお、下記表1にワックスa1の原料モノカルボン酸の質量比を示す。
温度計、窒素導入管、攪拌機、ディーンスタークトラップ及びジムロート冷却管を備えた反応容器に、ペンタエリスリトール10部、ベヘン酸72部、アラキジン酸9部及びステアリン酸19部(モノカルボン酸全体でペンタエリスリトールの1.05モル当量)を加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ20時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。このエステル化粗生成物にトルエン10部及びイソプロパノール5部を添加し、エステル化粗生成物の酸価の1.5倍当量に相当する量の10%水酸化カリウム水溶液15部を加え、70℃で30分間攪拌した。30分間静置して水相部を除去して脱酸工程を終了した。次いで、得られた油相部にイオン交換水20部を加え、70℃で30分間攪拌した後、30分間静置して水相部を除去した。除去した水相部のpHが中性になるまで水洗を4回繰り返した。水洗後の油相部を180℃、1kPaの条件下で減圧して溶媒を留去し、ろ過を行い、最終目的物であるワックスa1を得た。
2.トナーの製造
[実施例1]
モノビニル単量体としてスチレン73部及びn-ブチルアクリレート27部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.45部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:♯25B)12部、帯電制御剤として正帯電性帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名:FCA-676P、4級アンモニウム塩含有スチレン/アクリル樹脂)5.0部、分子量調整剤としてt-ドデシルメルカプタン1.0部、マクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.1部、及び軟化剤としてワックスa1(融点:75.8℃、130℃における溶融粘度:9.1m・Pa/s)20部を、攪拌装置で攪拌、混合した後、さらにメディア式分散機により、均一に分散させることで、重合性単量体組成物を得た。
他方、室温下で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.0部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)7.0部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物を投入し、さらに攪拌して、そこへ重合開始剤としてt-ブチルパーオキシ-2-エチルブタノエート(化薬アクゾ社製、商品名:Torigonox27)4.4部を添加した後、高速乳化分散機(プライミクス社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)を用いて、12,000rpmの回転数で高速剪断攪拌して分散を行うことで、重合性単量体組成物の液滴形成を行った。
次いで、上記にて液滴形成された重合性単量体組成物の水分散液を、反応器上部から投入し、89℃に昇温して重合反応を行い、重合転化率が95%に達したときに、シェル用重合性単量体としてメチルメタクリレート1部、及びイオン交換水10部に溶解した水溶性重合開始剤である2,2'-アゾビス(2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド)(和光純薬社製、商品名:VA-086、水溶性)0.1部を添加した。さらに3時間、温度を90℃に維持して、重合を継続した後、水冷して反応を停止し、着色樹脂粒子の水分散液を得た。なお、着色樹脂粒子中に含まれる結着樹脂を構成する各単量体単位の割合は、仕込み量とほぼ同じ割合であった(後述する実施例2、比較例1~比較例4においても同様)。
上記着色樹脂粒子の水分散液に、pHが6.5以下となるまで硫酸を滴下することによって、攪拌しながら酸洗浄を行った。次いで、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化し、水洗浄処理(洗浄、濾過及び脱水)を室温(25℃)で数回繰り返し行って、得られた固形分を濾過分離した後、真空乾燥機の容器内に入れ、圧力30torr、温度50℃の条件下で、72時間真空乾燥を行うことにより、乾燥した着色樹脂粒子(平均円形度:0.987)を得た。
上記により得られた着色樹脂粒子100部に、疎水化処理された個数平均一次粒径が7nmのシリカ微粒子0.5部、及び疎水化処理されたBET比表面積が50m/gのシリカ微粒子1.2部を添加し、高速攪拌機(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて、混合攪拌して外添処理を行うことにより、実施例1の静電荷像現像用トナーを製造した。得られた静電荷像現像用トナーを用いて、後述する方法に従って、各測定、評価を行った。結果を表2に示す。
[実施例2、比較例1~比較例4]
実施例1において、軟化剤の種類及び添加量、並びにトナー組成を下記表2に記載した通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2、比較例1~比較例4のトナーを作製し、試験に供した。
なお、下記表2中、軟化剤の詳細は以下の通りである。
・ワックスx:ペンタエリスリトールテトラステアレート(融点:76.0℃、130℃における溶融粘度:5.5m・Pa/s)
・ワックスy:ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点:78.7℃、130℃における溶融粘度:9.3m・Pa/s)
なお、下記表1に各エステルワックスの原料モノカルボン酸の質量比を示す。
Figure 0007183679000001
3.トナー物性等の測定
上記実施例1~実施例2、比較例1~比較例4の静電荷像現像用トナー、並びにこれらのトナーの製造に用いた各着色樹脂粒子について物性を調べた。詳細は以下の通りである。
(1)体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dp)の測定、並びに粒径分布(Dv/Dp)の算出
着色樹脂粒子を約0.1g秤量し、ビーカーに取り、分散剤として界面活性剤水溶液(富士フイルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更に専用電解液(ベックマン・コールター社製、商品名:アイソトンII-PC)を10~30mL加え、20Wの超音波分散機で3分間分散させた後、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)を用いて、アパーチャー径;100μm、媒体;アイソトンII-PC、測定粒子個数;100,000個の条件下で、着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dp)を測定し、粒径分布(Dv/Dp)を算出した。測定及び算出結果を下記表2に示す。
(2)ブローオフ帯電量の測定
キャリア(パウダーテック社製、商品名:NZ-3)9.5gと、トナー0.5gを秤量し、容積100ccのガラス瓶に入れ、30分間、150回転/分の回転数で回転させた。次に、ブローオフメーター(京セラケミカル社製、商品名:TB-203)を用い、窒素ガスを4.5kPaの圧力でブローし、9.5kPaの圧力で吸引することにより、トナーのブローオフ帯電量(μQ/g)を測定した。測定は、温度23℃、相対湿度50%で行った。
(3)フローテスターによる測定
以下の方法により、トナーの軟化温度T、流動開始温度Tfb、1/2流出温度T1/2、及び流動終了温度Tendを測定した。
まず、トナーをフローテスター(島津製作所製、商品名「CFT-500C」)を用いて、下記条件で測定した。
開始温度=35℃、昇温速度=3℃/分、予熱時間=5分、シリンダー圧力=10.0kg・f/cm、ダイ直径=0.5mm、ダイ長さ=1.0mm、剪断応力=2.451×10Pa、試料投入量=1.0~1.3g。
次に、当該測定結果から、トナーの軟化温度T、流動開始温度Tfb、1/2流出温度T1/2、及び流動終了温度Tendを求めた。算出結果を下記表2に示す。
(4)トナーの保存性
トナー10gを100mLのポリエチレン製の容器に入れて密閉した後、所定の温度に設定した恒温水槽の中に該容器を沈め、8時間経過した後に取り出した。取り出した容器からトナーを42メッシュの篩の上にできるだけ振動を与えないように移し、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名:パウダテスタPT-R)にセットした。篩の振幅を1.0mmに設定して、30秒間、篩を振動させた後、篩上に残ったトナーの質量を測定し、これを凝集したトナーの質量とした。
この凝集したトナーの質量が0.5g以下になる最高温度(℃)を、保存性の指標とした。
4.トナーの評価
上記実施例1~実施例2、比較例1~比較例4の各トナーを評価した。詳細は以下の通りである。
(1)グロス評価
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターの定着ロール部の温度を変えられるように改造したプリンターを用い、当該プリンターの現像装置内のトナーカートリッジに、トナーを100g充填した後、印字用紙をセットした。
ベタ画像の紙面上トナー量が0.30(mg/cm)となるようにプリンターの調整を行った後、定着ロールの温度(定着温度)を170℃に設定し、5cm四方のベタ画像を用紙(Xerox社製、商品名:Vitarity)に印字した。得られた5cm四方のベタ画像を、グロスメーター(日本電色工業製、商品名:VGS-SENSOR)を用いて、入射角60°によりグロスの値を測定した。なお、グロスの値は、大きい程光沢感があることを示す。
(2)ホットオフセット発生温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターの定着ロール部の温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、ホットオフセット試験を行った。ホットオフセット試験は、定着ロール部の温度を150℃から5℃ずつ220℃まで変化させて、5cm四方のベタ画像を用紙(Xerox社製、商品名:Vitarity)に印字し、定着ロールにトナーの融着が発生していないかホットオフセット現象の有無を目視にて観察した。
このホットオフセット試験において、定着ロールにトナーの融着が発生した最低の設定温度を、ホットオフセット発生温度とした。
(3)最低定着温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターの定着ロール部の温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行った。
定着試験は、黒ベタ(印字濃度100%)を印字して、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃ずつ変化させて、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度-定着率の関係を求めて行った。
定着率は、黒ベタ(印字濃度100%)の印字領域においてテープ剥離を行い、テープ剥離前後の画像濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、下記計算式により算出できる。
計算式:
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810-3-18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、反射式画像濃度計(マクベス社製、商品名:RD914)を用いて測定した。
この定着試験において、定着率が80%を超える最低の定着ロールの温度をトナーの最低定着温度とした。
(4)保管試験
温度45℃、かつ湿度80%の環境下で20日保管した後のトナーをSEMにて観察した。倍率2,000倍の条件にて、トナーの画像を10枚撮影した。次に、撮影した各トナー画像について、当該画像中の全てのトナー粒子の数(A)と、当該画像中における、ワックスがブリードアウトしたトナー粒子の数(B)とを、それぞれ数えた。その後、各トナー画像について、トナー粒子数(B)をトナー粒子数(A)により除し、さらに100を乗じた値を算出した。10枚のトナー画像について算出した当該値の平均を、そのトナーのブリード率(%)とした。
上記実施例1~実施例2及び比較例1~比較例4のトナーの評価結果を、使用した軟化剤の種類及び添加量と併せて、下記表2に示す。下記表2中、比較例2及び比較例3については、後述するように保存性の点で問題が見られたため、保管試験は実施していない。
Figure 0007183679000002
上記表1の比較例4のデータ中、*は、得られたトナー粒子が粗大化したため測定及び評価ができなかったことを示す。
5.考察
以下、表2を参照しながら、トナー評価結果について検討する。
表2より、比較例1~比較例3のトナーは、軟化剤としてワックスxを含むトナーである。このようなトナーは、以下の通りトナー物性及びトナー評価にバラつきが生じる。まず、トナー組成中のスチレン量の割合が高いときは最低定着温度が155℃と高くかつブリード率が16.2%と高い(比較例1)。一方、トナー組成中のスチレン量の割合が低くジビニルベンゼン量の割合が高いときは、耐熱保存性の評価温度が54℃以下と低い(比較例2及び比較例3)。したがって、ペンタエリスリトールテトラステアレート(ワックスx)を用いた場合には、低温定着性及び耐熱保存性のバランスが十分ではなく、かつ軟化剤のブリードが生じ易い。
また、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(ワックスy)を使用した場合(比較例4)には、トナー粒子が粗大化した。これは、ワックスyにおける脂肪酸残基部分の分子量が大きすぎるため、ワックスyのスチレンモノマーに対する溶解性(相溶性)が十分ではなく、その結果、重合性単量体組成物の液滴安定性が低下したためと考えられる。
一方、表2より、実施例1~実施例2のトナーは、軟化剤としてワックスa1を含むトナーである。
表2より、実施例1~実施例2のグロスの値は5.2以上であり、ホットオフセット発生温度は200℃以上であり、最低定着温度は145℃以下であり、ブリード率は0%である。
したがって、ペンタエリスリトールとモノカルボン酸(ベヘン酸の含有割合が60~80質量%であり、アラキジン酸の含有割合が5~15質量%であり、かつステアリン酸の含有割合が15~25質量%である)とのエステル化反応による生成物を軟化剤として含む実施例1~実施例2のトナーは、低温定着性及び耐熱保存性に優れ、軟化剤のブリード発生が起こりにくい重合トナーであることが分かる。

Claims (5)

  1. 水系媒体中で、少なくとも重合性単量体の重合を行い、結着樹脂、着色剤及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子を得る工程を含む重合トナーの製造方法であって、
    前記軟化剤として、
    ペンタエリスリトールとモノカルボン酸とのエステル化反応による完全エステル化物であり、
    前記エステル化反応に用いられるモノカルボン酸は、ベヘン酸、アラキジン酸及びステアリン酸を含有し、かつ当該モノカルボン酸100質量%あたり、ベヘン酸の含有割合が60~80質量%であり、アラキジン酸の含有割合が5~15質量%であり、かつステアリン酸の含有割合が15~25質量%である、エステルワックスを用いることを特徴とする重合トナーの製造方法。
  2. 前記軟化剤の添加量が、前記重合性単量体100質量部に対して、3~25質量部であることを特徴とする請求項1に記載の重合トナーの製造方法。
  3. 記軟化剤としてさらに炭化水素ワックスを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の重合トナーの製造方法。
  4. 前記炭化水素ワックスが2種以上のワックス分子を含み、
    前記炭化水素ワックス中に最も多く含まれるワックス分子の炭素数は35~55であり、
    前記炭化水素ワックスの融点は60~85℃であることを特徴とする請求項3に記載の重合トナーの製造方法。
  5. 前記炭化水素ワックスがパラフィンワックスであることを特徴とする請求項3又は4に記載の重合トナーの製造方法。
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