JP6250637B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、及びプリンター等の、電子写真法を利用した画像形成装置の現像に用いることが出来る静電荷像現像用トナーに関するものである。
従来、電子写真装置、静電記録装置等において、電気的潜像又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、潜像をトナーで現像して、トナー像を形成する。トナー像は、通常、紙等の記録媒体上に転写された後、加熱等の方法で定着される。静電荷像現像に使用されるトナーは、一般に、結着樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、その他の添加剤を含有する着色樹脂粒子である。
乾式現像方式における定着方式としては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ヒートローラー方式が広く一般に用いられている。また、近年は、省エネルギー化を図るため、定着時にトナーに与える熱エネルギーを低くするためにトナーの低温定着化が要求されている。この要求を達成するためには、トナーの溶融開始温度を低下させて、定着温度を低下させることが必須の技術的達成事項であると考えられる。
また、定着装置の改良がさらに進み、トナー像と接触する側のローラーの厚みを薄くすることによって熱エネルギー効率が高められ、立ち上げ時間の大幅な短縮が可能となっている。しかしながら、比熱容量が小さくなったために、記録媒体が通った部分と通らなかった部分の温度差が大きくなり、定着ローラーへのトナーの付着が発生する。このため、定着ローラーが1周した後、記録媒体上の非画像部にトナーが定着する、いわゆるホットオフセット現象が発生する。したがって、低温定着性と共に、耐ホットオフセット性に対するトナーへの要求もますます厳しくなっている。
トナーの耐ホットオフセット性を向上させるために離型剤(軟化剤)をトナー中に含有させることが必須となっており、そのような離型剤は、溶融粘性が低く、樹脂との分離性に優れるといった特性が望まれる。一般に、トナーに用いられる離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィン類等に代表される炭化水素系ワックス等が知られている。
一方、合成エステルワックスを離型剤として用いたトナーも提案されている。例えば、特許文献1には、少なくとも結着樹脂、着色剤及びエステルワックスを含有している静電荷像現像用トナーにおいて、特定のエステルワックスを特定量含有するトナーが開示され、OHPフィルムの定着画像の透明性が向上すること、定着性や耐オフセット性に優れることも開示されている。特許文献2には、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナーであって、離型剤として特定構造のモノエステル化合物と炭化水素化合物を含有するトナーが開示され、低温で定着され、形成される定着画像において帯状やスジ状の画像欠陥を発生させないことも開示されている。
特許文献3には、離型剤、結着樹脂及び着色剤を含有するトナーにおいて、離型剤の動粘度や融点等を特定範囲としたトナーが開示され、低温定着性及び耐汚染性に優れることも開示されている。特許文献4には、結着樹脂、エステルワックス及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、エステルワックスのGC/MS分析において測定される特定時間に検出される成分を特定範囲としたトナーが開示され、高速画像形成時においても、良好な定着特性を示し、機内汚染も抑制し、長期にわたってグロスむらのない画像が得られることも開示されている。特許文献5には、結着樹脂及び離型剤を含有するトナー材料が有機溶媒に溶解乃至分散されている液を水系媒体中に乳化乃至分散させることにより製造されるトナーにおいて、離型剤として特定融点のモノエステルと分岐構造を有するエリスリトールワックスからなる合成エステルワックスと特定融点の炭化水素ワックスとを特定比率に混合したものを用いたトナーが開示され、離型性、低温定着性に優れ、且つ汚染性が低いことも開示されている。
しかしながら、前記特許文献の方法で得られたトナーでは、近年の省エネルギー化の要求に伴い、定着温度の低下と耐熱保存性のバランスが不十分な場合があった。
特開平8−50368号公報 特開2007−206179号公報 特開2011−138120号公報 特開2012−78809号公報 特開2012−18249号公報
本発明の課題は、耐熱保存性と低温定着性のバランスに優れ、且つ耐ホットオフセット性に優れるトナーを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、静電荷像現像用トナーを構成する着色樹脂粒子に、軟化剤として特定構造のモノエステル化合物を少なくとも2種混合したものを特定量含有させることにより、上述の問題を解決出来ることを見出した。
即ち、本発明によれば、結着樹脂、着色剤、及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記軟化剤として、下記式(1)の構造を有するモノエステル化合物Aを95〜99質量%の割合で、下記式(2)の構造を有するモノエステル化合物Bを1〜5質量%の割合で、それぞれ含有し、且つ、結着樹脂100質量部に対して、前記軟化剤を10〜30質量部含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
−COO−R 式(1)
(上記式(1)中、Rは炭素数17〜23の直鎖アルキル基を示し、Rは炭素数16〜22の直鎖アルキル基を示し、さらに、RとRとの合計炭素数が39である。)
−COO−R 式(2)
(上記式(2)中、Rは炭素数15〜21の直鎖アルキル基を示し、Rは炭素数16〜22の直鎖アルキル基を示し、さらに、RとRとの合計炭素数が35〜37である。)
本発明においては、前記軟化剤の融点が60〜75℃であることが好ましい。
本発明においては、前記軟化剤の酸価が1.0mgKOH/g以下であり、且つ、前記軟化剤の水酸基価が10mgKOH/g以下であることが好ましい。
上記の如き本発明の静電荷像現像用トナーによれば、軟化剤として、上記式(1)の構造を有するモノエステル化合物A、及び上記式(2)の構造を有するモノエステル化合物Bをそれぞれ特定の割合で含有し、且つ、結着樹脂100質量部に対して軟化剤を特定の割合で含有することにより、耐熱保存性と低温定着性のバランスに優れ、且つ耐ホットオフセット性に優れるトナーが提供される。
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤、及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記軟化剤として、下記式(1)の構造を有するモノエステル化合物Aを95〜99質量%の割合で、下記式(2)の構造を有するモノエステル化合物Bを1〜5質量%の割合で、それぞれ含有し、且つ、結着樹脂100質量部に対して、前記軟化剤を10〜30質量部含有することを特徴とする。
−COO−R 式(1)
(上記式(1)中、Rは炭素数17〜23の直鎖アルキル基を示し、Rは炭素数16〜22の直鎖アルキル基を示し、さらに、RとRとの合計炭素数が39である。)
−COO−R 式(2)
(上記式(2)中、Rは炭素数15〜21の直鎖アルキル基を示し、Rは炭素数16〜22の直鎖アルキル基を示し、さらに、RとRとの合計炭素数が35〜37である。)
以下、本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)について説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、及び特定の軟化剤、並びに外添剤を含有する。
以下、本発明に用いられる着色樹脂粒子の製造方法、当該製造方法により得られる着色樹脂粒子、当該着色樹脂粒子を用いた本発明のトナーの製造方法及び本発明のトナーについて、順に説明する。
1.着色樹脂粒子の製造方法
一般に、着色樹脂粒子の製造方法は、粉砕法等の乾式法、並びに乳化重合凝集法、懸濁重合法、及び溶解懸濁法等の湿式法に大別され、画像再現性等の印字特性に優れたトナーが得られ易いことから湿式法が好ましい。湿式法の中でも、ミクロンオーダーで比較的小さい粒径分布を持つトナーを得やすいことから、乳化重合凝集法、及び懸濁重合法等の重合法が好ましく、重合法の中でも懸濁重合法がより好ましい。
上記乳化重合凝集法は、乳化させた重合性単量体を重合し、樹脂微粒子エマルションを得て、着色剤分散液等と凝集させ、着色樹脂粒子を製造する。また、上記溶解懸濁法は、結着樹脂や着色剤等のトナー成分を有機溶媒に溶解又は分散した溶液を水系媒体中で液滴形成し、当該有機溶媒を除去して着色樹脂粒子を製造する方法であり、それぞれ公知の方法を用いることができる。
本発明の着色樹脂粒子は、湿式法、または乾式法を採用して製造することが出来る。湿式法の中でも好ましい懸濁重合法を採用し、以下のようなプロセスにより行われる。
(A)懸濁重合法
(A−1)重合性単量体組成物の調製工程
まず、重合性単量体、着色剤、及び軟化剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物の調製を行う。重合性単量体組成物を調製する際の混合には、例えば、メディア式分散機を用いて行う。
本発明で重合性単量体は、重合可能な官能基を有するモノマーのことをいい、重合性単量体が重合して結着樹脂となる。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、及びメタクリロニトリル等のニトリル化合物;アクリルアミド、及びメタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルが、好適に用いられる。
ホットオフセット改善及び保存性改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の2個以上の水酸基を持つアルコールに炭素−炭素二重結合を有するカルボン酸が2つ以上エステル結合したエステル化合物;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.1〜5質量部、好ましくは0.3〜2質量部の割合で用いることが望ましい。
また、さらに、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、得られるトナーの保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマー又はポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と称することがある。)よりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。マクロモノマーは、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部用いることが望ましい。
本発明では、着色剤を用いるが、カラートナーを作製する場合、ブラック、シアン、イエロー、マゼンタの着色剤を用いることができる。
ブラック着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、並びに酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等を用いることができる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17:1、及び60等が挙げられる。
イエロー着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、93、97、120、138、155、180、181、185、186、及び213等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられ、C.I.ピグメントレッド31、48、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、237、238、251、254、255、269及びC.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
本発明では、各着色剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。着色剤の量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部である。
本発明に用いられる着色樹脂粒子は、軟化剤として、下記式(1)の構造を有するモノエステル化合物Aを95〜99質量%の割合で、下記式(2)の構造を有するモノエステル化合物Bを1〜5質量%の割合で、それぞれ含有する。
−COO−R 式(1)
(上記式(1)中、Rは炭素数17〜23の直鎖アルキル基を示し、Rは炭素数16〜22の直鎖アルキル基を示し、さらに、RとRとの合計炭素数が39である。)
−COO−R 式(2)
(上記式(2)中、Rは炭素数15〜21の直鎖アルキル基を示し、Rは炭素数16〜22の直鎖アルキル基を示し、さらに、RとRとの合計炭素数が35〜37である。)
〜Rは全て同じ基であってもよいし、一部が同じ基であってもよいし、全て互いに異なる基であってもよい。
〜Rが上述した範囲より大きい場合には、トナーの定着性が悪化する。一方、R〜Rが上述した範囲より小さい場合には、トナーの耐熱保存性が悪化する。
式(1)に示すモノエステル化合物Aにおいて、原料脂肪酸における炭素数(すなわちRの炭素数に1を加えた炭素数)と、原料アルコールにおける炭素数(すなわちRの炭素数)との差は、0〜6であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、4〜6であることが更に好ましい。また、式(2)に示すモノエステル化合物Bにおいて、原料脂肪酸における炭素数(すなわちRの炭素数に1を加えた炭素数)と、原料アルコールにおける炭素数(すなわちRの炭素数)との差は、0〜6であることが好ましく、2〜6であることがより好ましく、4〜6であることが更に好ましい。
上記式(1)で示されるモノエステル化合物Aとして、具体的には、ステアリン酸ベヘニル(C1735−COO−C2245)、エイコサン酸エイコシル(C1939−COO−C2041)、ベヘン酸ステアリル(C2143−COO−C1837)、及びリグノセリン酸ヘキサデシル(C2347−COO−C1633)等が挙げられる。これらのモノエステル化合物の中でも、モノエステル化合物Aは、ステアリン酸ベヘニル、及びベヘン酸ステアリルがより好ましい。
上記式(2)で示されるモノエステル化合物Bとして、具体的には、パルミチン酸エイコシル(C1531−COO−C2041)、ステアリン酸ステアリル(C1735−COO−C1837)、エイコサン酸ヘキサデシル(C1939−COO−C1633)、パルミチン酸ベヘニル(C1531−COO−C2245)、ステアリン酸エイコシル(C1735−COO−C2041)、エイコサン酸ステアリル(C1939−COO−C1837)、ベヘン酸ヘキサデシル(C2143−COO−C1633)等が挙げられる。これらのモノエステル化合物の中でも、モノエステル化合物Bは、パルミチン酸ベヘニル、及びパルミチン酸エイコシルがより好ましい。
軟化剤において、モノエステル化合物Aが99質量%よりも多すぎる場合には、低温定着性が悪化する場合があり、一方、モノエステル化合物Bが5質量%よりも多すぎる場合には、保存性や耐ホットオフセット性が悪化する場合がある。
軟化剤は、モノエステル化合物Aを95.5〜98.5質量%の割合で、モノエステル化合物Bを1.5〜4.5質量%の割合で、それぞれ含有することがより好ましい。
上記軟化剤の水酸基価は、通常10mgKOH/g以下であることが好ましく、6mgKOH/g以下であることがより好ましく、3mgKOH/g以下であることが更に好ましい。水酸基価が10mgKOH/gより大きいと、保存性が悪化する場合がある。なお、軟化剤の水酸基価は、日本工業標準調査会(JICS)制定の規準油脂分析手法である、JIS K 0070に準拠して測定される値である。
上記軟化剤の酸価は、1.0mgKOH/g以下であることが好ましく、0.6mgKOH/g以下であることがより好ましく、0.3mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価が1.0mgKOH/gより大きいと、保存性が悪化する場合がある。なお、軟化剤の酸価は、日本工業標準調査会(JICS)制定の規準油脂分析手法である、JIS K 0070に準拠して測定される値である。
上記軟化剤は、上述した酸価及び水酸基価の条件をいずれも満たすことがより好ましい。
軟化剤の含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常10〜30質量部である。2種類以上の軟化剤を用いる場合には、着色樹脂粒子100質量部に対して、全ての軟化剤の総含有量が通常10〜30質量部である。当該含有量が10質量部未満である場合には、軟化剤が少なすぎる結果、低温定着性が悪くなるおそれがある。一方、当該含有量が30質量部を超える場合には、軟化剤が多すぎる結果、保存性が悪くなるおそれがある。
軟化剤の含有量は、着色樹脂粒子100質量部に対して、10〜25質量部であることが好ましく、12〜22質量部であることがより好ましく、15〜20質量部であることがさらに好ましい。
軟化剤の融点は60〜75℃であることが好ましい。軟化剤の融点が60℃未満である場合には、トナーが耐熱保存性に劣るおそれがある。また、軟化剤の融点が75℃を超える場合には、低温定着性が悪化する場合がある。
軟化剤の融点は、63〜72℃であることがより好ましく、65〜70℃であることがさらに好ましい。
軟化剤の融点は、例えば、示差走査熱量分析機(セイコーインスツル社製、商品名:RDC−220)等を用いて、特定の温度範囲において100℃/分で昇温する条件で測定を行い、得られたDSC曲線のピークのトップを融点(TmD)とすることができる。
上記軟化剤に使用されるモノエステル化合物A及びBの製造方法としては、酸化反応による合成法、カルボン酸及びその誘導体からの合成、マイケル付加反応に代表されるエステル基導入反応、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、酸ハロゲン化物とアルコール化合物からの反応、エステル交換反応等が挙げられる。これらモノエステル化合物の製造には適宜触媒を用いることもできる。触媒としては、エステル化反応に用いる一般の酸性又はアルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物等が好ましい。エステル化反応後、再結晶、蒸留等により目的生成物を精製してもよい。
モノエステル化合物A及びBの製造方法の典型例は以下の通りである。なお、本発明に用いられるモノエステル化合物A及びBの製造方法は、以下の典型例に限定されない。
まず、反応容器に、原料となるアルコールとカルボン酸を加える。アルコールとカルボン酸のモル比は、目的とする軟化剤の化学構造に合わせて適宜調整する。すなわち、モノエステル化合物の場合は、アルコール:カルボン酸=1:1のモル比となるようにアルコールとカルボン酸を混合する。なお、脱水縮合反応における反応性等を考慮して、アルコールとカルボン酸のうちいずれか一方を、上記比より若干過剰に加えてもよい。
次に、混合物を適宜加熱し、脱水縮合反応を行う。脱水縮合反応により得られるエステル化粗生成物に対し、塩基性水溶液、及び適宜有機溶媒を加え、未反応のアルコール及びカルボン酸を脱プロトン化し水相に分離する。あとは、適宜水洗、溶媒留去、及びろ過を行うことにより、所望のモノエステル化合物A又はBが得られる。
その他の添加物として、トナーの帯電性を向上させるために、正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては、一般にトナー用の帯電制御剤として用いられているものであれば、特に限定されないが、帯電制御剤の中でも、重合性単量体との相溶性が高く、安定した帯電性(帯電安定性)をトナー粒子に付与させることができることから、正帯電性又は負帯電性の帯電制御樹脂が好ましく、さらに、正帯電性トナーを得る観点からは、正帯電性の帯電制御樹脂がより好ましく用いられる。
正帯電性の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩、トリアミノトリフェニルメタン化合物及びイミダゾール化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのポリアミン樹脂、並びに4級アンモニウム基含有共重合体、及び4級アンモニウム塩基含有共重合体等が挙げられる。
負帯電性の帯電制御剤としては、Cr、Co、Al、及びFe等の金属を含有するアゾ染料、サリチル酸金属化合物及びアルキルサリチル酸金属化合物、並びに、好ましく用いられる帯電制御樹脂としてのスルホン酸基含有共重合体、スルホン酸塩基含有共重合体、カルボン酸基含有共重合体及びカルボン酸塩基含有共重合体等が挙げられる。
本発明では、帯電制御剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜8質量部の割合で用いることが望ましい。帯電制御剤の添加量が、0.01質量部未満の場合にはカブリが発生することがある。一方、帯電制御剤の添加量が10質量部を超える場合には印字汚れが発生することがある。
また、その他の添加物として、重合して結着樹脂となる重合性単量体を重合する際に、分子量調整剤を用いることが好ましい。
分子量調整剤としては、一般にトナー用の分子量調整剤として用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;等が挙げられる。これらの分子量調整剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100質量部に対して、通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いることが望ましい。
(A−2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本発明では、少なくとも重合性単量体、着色剤、及び軟化剤を含む重合性単量体組成物を、分散安定剤を含む水系媒体中に分散させ、重合開始剤を添加した後、重合性単量体組成物の液滴形成を行う。液滴形成の方法は特に限定されないが、例えば、(インライン型)乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:マイルダー)、高速乳化分散機(プライミクス株式会社製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行う。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩:4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシジエチルアセテート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルブタノエート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中で、残留重合性単量体を少なくすることができ、印字耐久性も優れることから、有機過酸化物を用いるのが好ましい。
有機過酸化物の中でも、開始剤効率がよく、残留する重合性単量体も少なくすることができることから、パーオキシエステルが好ましく、非芳香族パーオキシエステルすなわち芳香環を有しないパーオキシエステルがより好ましい。
重合開始剤は、前記のように、重合性単量体組成物が水系媒体中へ分散された後、液滴形成前に添加されても良いが、水系媒体中へ分散される前の重合性単量体組成物へ添加されても良い。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部であり、さらに好ましくは0.3〜15質量部であり、特に好ましくは1〜10質量部である。
本発明において、水系媒体とは、水を主成分とする媒体のことを言う。
本発明において、水系媒体には、分散安定化剤を含有させることが好ましい。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の無機化合物や、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機化合物が挙げられる。上記分散安定化剤は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤の中でも、無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドが好ましい。無機化合物、特に難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることにより、着色樹脂粒子の粒径分布を狭くすることができ、また、洗浄後の分散安定化剤残存量を少なくできるため、得られるトナーが画像を鮮明に再現することができ、且つ環境安定性が優れたものとなる。
(A−3)重合工程
上記(A−2)のようにして、液滴形成を行い、得られた水系分散媒体を加熱し、重合を開始し、着色樹脂粒子の水分散液を形成する。
重合性単量体組成物の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
着色樹脂粒子は、そのまま外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(又は、「カプセル型」ともいう)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点を有する物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上述した、上記着色樹脂粒子を用いて、コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、アクリロニトリル、及びメチルメタクリレート等の、Tgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の、過硫酸金属塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]又はその水和物等の、アゾ系開始剤;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100質量部に対して、好ましくは、0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、更に好ましくは60〜95℃である。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、更に好ましくは2〜15時間である。
(A−4)洗浄、ろ過、脱水、及び乾燥工程
重合により得られた着色樹脂粒子の水分散液は、重合終了後に、公知の方法に従い、ろ過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
なお、洗浄、濾過、脱水、及び乾燥の一連の操作の前に、着色樹脂粒子の水分散液について、ストリッピング処理工程を設けてもよい。
ストリッピング処理時の水系分散液の温度は、60〜95℃であることが好ましい。当該温度が低すぎる場合には、十分なストリッピング効果が得られず、分散安定化剤や重合性単量体等がトナーに残るおそれがある。当該温度が高すぎる場合には、水系分散液中の水が蒸発し過ぎ、後の処理が困難となるおそれがある。
ストリッピング処理には、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガスを用いることが好ましい。不活性ガスの流量は、0.2〜1.0m/(hr・kg)とすることが好ましい。当該流量が少なすぎる場合には、十分なストリッピング効果が得られず、分散安定化剤や重合性単量体等がトナーに残るおそれがある。当該流量が多すぎる場合には、水系分散液中の水が蒸発し過ぎ、後の処理が困難となるおそれがある。
ストリッピング処理時間は、1〜24時間とすることが好ましい。
上記の洗浄の方法としては、分散安定化剤として無機化合物を使用した場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸、又はアルカリの添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去することが好ましい。分散安定化剤として、難水溶性の無機水酸化物のコロイドを使用した場合、酸を添加して、着色樹脂粒子水分散液のpHを6.5以下に調整することが好ましい。添加する酸としては、硫酸、塩酸、及び硝酸等の無機酸、並びに蟻酸、及び酢酸等の有機酸を用いることができるが、除去効率の大きいことや製造設備への負担が小さいことから、特に硫酸が好適である。
脱水、ろ過の方法は、種々の公知の方法等を用いることができ、特に限定されない。例えば、遠心ろ過法、真空ろ過法、加圧ろ過法等を挙げることができる。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。
(B)粉砕法
粉砕法を採用して着色樹脂粒子を製造する場合、以下のようなプロセスにより行われる。
まず、結着樹脂、着色剤、及び軟化剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物を混合機、例えば、ボールミル、V型混合機、FMミキサー(:商品名)、高速ディゾルバ、インターナルミキサー等を用いて混合する。次に、上記により得られた混合物を、加圧ニーダー、二軸押出混練機、ローラ等を用いて加熱しながら混練する。得られた混練物を、ハンマーミル、カッターミル、ローラミル等の粉砕機を用いて、粗粉砕する。更に、ジェットミル、高速回転式粉砕機等の粉砕機を用いて微粉砕した後、風力分級機、気流式分級機等の分級機により、所望の粒径に分級して粉砕法による着色樹脂粒子を得る。
なお、粉砕法で用いる結着樹脂、着色剤、及び軟化剤、さらに必要に応じて添加される帯電制御剤等のその他の添加物は、前述の(A)懸濁重合法で挙げたものを用いることができる。また、粉砕法により得られる着色樹脂粒子は、前述の(A)懸濁重合法により得られる着色樹脂粒子と同じく、in situ重合法等の方法によりコアシェル型の着色樹脂粒子とすることもできる。
結着樹脂としては、他にも、従来からトナーに広く用いられている樹脂を使用することができる。粉砕法で用いられる結着樹脂としては、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、及びエポキシ樹脂等を例示することができる。
2.着色樹脂粒子
上述の(A)懸濁重合法、又は(B)粉砕法等の製造方法により、着色樹脂粒子が得られる。
以下、トナーを構成する着色樹脂粒子について述べる。なお、以下で述べる着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む。
着色樹脂粒子の体積平均粒径(Dv)は、好ましくは4〜12μmであり、更に好ましくは5〜10μmである。Dvが4μm未満である場合には、トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、画像濃度が低下したりする場合がある。Dvが12μmを超える場合には、画像の解像度が低下する場合がある。
また、着色樹脂粒子は、その体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、好ましくは1.0〜1.3であり、更に好ましくは1.0〜1.2である。Dv/Dnが1.3を超える場合には、転写性、画像濃度及び解像度の低下が起こる場合がある。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、粒度分析計(ベックマン・コールター製、商品名:マルチサイザー)等を用いて測定することができる。
本発明の着色樹脂粒子の平均円形度は、画像再現性の観点から、0.96〜1.00であることが好ましく、0.97〜1.00であることがより好ましく、0.98〜1.00であることがさらに好ましい。
上記着色樹脂粒子の平均円形度が0.96未満の場合、印字の細線再現性が悪くなるおそれがある。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。
3.本発明のトナーの製造方法
本発明においては、上記着色樹脂粒子を、外添剤と共に混合攪拌して外添処理を行うことにより、着色樹脂粒子の表面に、外添剤を付着させて1成分トナー(現像剤)とする。
なお、1成分トナーは、さらにキャリア粒子と共に混合攪拌して2成分現像剤としてもよい。
外添処理を行う攪拌機は、着色樹脂粒子の表面に外添剤を付着させることができる攪拌装置であれば特に限定されず、例えば、FMミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、スーパーミキサー(:商品名、川田製作所社製)、Qミキサー(:商品名、日本コークス工業社製)、メカノフュージョンシステム(:商品名、ホソカワミクロン社製)、及びメカノミル(:商品名、岡田精工社製)等の混合攪拌が可能な攪拌機を用いて外添処理を行うことができる。
外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、及び/又は酸化セリウム等からなる無機微粒子;ポリメタクリル酸メチル樹脂、シリコーン樹脂、及び/又はメラミン樹脂等からなる有機微粒子;等が挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましく、無機微粒子の中でも、シリカ、及び/又は酸化チタンが好ましく、特にシリカからなる微粒子が好適である。
なお、これらの外添剤は、それぞれ単独で用いることもできるが、2種以上を併用して用いることができる。中でも粒径の異なる2種以上のシリカを併用することが好ましい。
本発明では、外添剤を、着色樹脂粒子100質量部に対して、通常、0.05〜6質量部、好ましくは0.2〜5質量部の割合で用いることが望ましい。外添剤の添加量が0.05質量部未満の場合には転写残が発生することがある。外添剤の添加量が6質量部を超える場合にはカブリが発生することがある。
4.本発明のトナー
上記工程を経て得られる本発明のトナーは、耐熱保存性及び低温定着性のバランスに優れ、耐ホットオフセット性に優れるトナーである。
耐熱保存性の指標としては、例えば、以下の方法により決定した耐熱温度が挙げられる。
所定量のトナーを容器に入れて密閉した後、当該容器を所定の温度条件下放置する。所定時間経過後、容器からトナーを篩の上に移し、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名:パウダテスタPT−R)等にセットする。所定の振幅の条件下で所定時間振動した後、篩上に残ったトナーの質量を測定し、これを凝集したトナーの質量とする。この凝集したトナーの質量が所定の閾値以下となる最大の温度を、そのトナーの耐熱温度に決定する。
低温定着性の指標としては、例えば、以下の方法により決定した最低定着温度が挙げられる。
所定のプリンターを用いて、所定の温度におけるトナーの定着率を測定する。定着率は、当該プリンターにより試験用紙に印刷した黒ベタ領域の、所定のテープ剥離操作前後の画像濃度の比率から計算する。即ち、テープ剥離前の画像濃度をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、次式から算出することができる。なお、画像濃度は、反射型濃度計(マクベス社製、商品名:RD918)等を用いて測定する。
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
この定着試験において、定着率が所定の閾値以上となる定着温度を、そのトナーの最低定着温度に決定する。
耐熱温度は、55℃以上であることが好ましい。耐熱温度が55℃未満である場合には、高熱にさらされた場合にブロッキングが生じやすく、輸送後の品質が保証できなくなるおそれがある。また、耐熱温度が高く、いくら耐熱保存性に優れていたとしても、最低定着温度が高すぎる場合には、画像形成装置で定着させるときに多大なエネルギーを必要とすることから環境の観点から好ましくない。
本発明のトナーのフローテスターにおける軟化温度Tsは55〜70℃であることが好ましい。フローテスターにおけるトナーの軟化温度Tsが55℃未満である場合には、保存性が悪くなるおそれがある。一方、当該軟化温度Tsが70℃を超える場合には、低温定着性が悪くなる(定着下限温度が高くなる)おそれがある。
本発明のトナーの、フローテスターにおける軟化温度Tsは、より好ましくは56〜67℃であり、さらに好ましくは57〜65℃である。軟化温度Tsは、重合性単量体の組成、重合開始剤の量、分子量調整剤の量により制御できる。
本発明のトナーのフローテスターにおける流動開始温度Tfbは80〜115℃であることが好ましい。フローテスターにおけるトナーの流動開始温度Tfbが80℃未満である場合には、耐ホットオフセット性が悪くなる(ホットオフセット温度が低くなる)おそれがある。一方、当該流動開始温度Tfbが115℃を超える場合には、低温定着性が悪化するおそれがある。
本発明のトナーの、フローテスターにおける流動開始温度Tfbは、より好ましくは85〜110℃であり、さらに好ましくは90〜105℃である。流動開始温度Tfbは、重合性単量体の組成(中でも特に架橋性単量体の量)、重合開始剤の量、分子量調整剤の量により制御できる。
本発明のトナーのフローテスターにおける1/2法での溶融温度Tmは100〜145℃であることが好ましい。フローテスターにおけるトナーの1/2法での溶融温度Tmが100℃未満である場合には、耐ホットオフセット性が悪化するおそれがある。一方、当該溶融温度Tmが145℃を超える場合には、低温定着性が悪化するおそれがある。
本発明のトナーの、フローテスターにおける1/2法での溶融温度Tmは、より好ましくは120〜140℃であり、さらに好ましくは127〜138℃である。溶融温度Tmは、軟化剤の添加量や架橋性重合性単量体の添加量等により制御できる。
本発明のトナーのガラス転移温度は44〜60℃であることが好ましい。ガラス転移温度が44℃未満である場合には、保存性が悪くなるおそれがある。一方、ガラス転移温度が60℃を超える場合には、低温定着性が悪くなる(定着下限温度が高くなる)おそれがある。
本発明のトナーのガラス転移温度は、より好ましくは46〜58℃であり、さらに好ましくは47〜54℃である。ガラス転移温度は、重合性単量体の組成、重合開始剤の量、分子量調整剤の量により制御できる。
フローテスターにおけるトナーの軟化温度Ts、流動開始温度Tfb、及び1/2法での溶融温度Tmは、フローテスターを用いて測定した溶融粘度から算出できる。具体的には、まず、フローテスター(島津製作所製、商品名:CFT−500C)等を用いて、所定の開始温度、昇温速度、予熱時間、及び剪断応力の条件下で溶融粘度を測定する。次に、得られた溶融粘度から、トナーの軟化温度Ts、流動開始温度Tfb、及び1/2法での溶融温度Tmを求めることができる。
トナーのガラス転移温度は、例えば、ASTM D3418−97に準拠して測定できる。具体的には、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、商品名:DSC6220)等を用いて試料を昇温速度10℃/分で昇温し、その過程で得られたDSC曲線よりガラス転移温度を求めることができる。
トナーの数平均分子量(Mn)は、5,000〜20,000が好ましく、7,000〜15,000がより好ましく、8,000〜10,000が更に好ましい。トナーの数平均分子量が大きすぎると、低温定着性が悪化するおそれがあり、逆に数平均分子量が小さすぎると、耐熱保存性が悪化するおそれがある。
トナーの重量平均分子量(Mw)は、100,000〜300,000が好ましく、150,000〜260,000がより好ましく、200,000〜230,000が更に好ましい。トナーの重量平均分子量が大きすぎると、低温定着性が悪化するおそれがあり、逆に重量平均分子量が小さすぎると、耐熱保存性が悪化するおそれがある。
トナーの分子量分布(Mw/Mn)は、10〜40が好ましく、15〜35がより好ましく、17〜23が更に好ましい。トナーの分子量分布が大きすぎると、低温定着性及び保存性が悪化するおそれがあり、逆に分子量分布が小さすぎると、耐ホットオフセット性が悪化するおそれがある。
トナーの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)を用いたゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)によって測定されるポリスチレン換算により求めることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
1.モノエステル化合物の合成
モノエステル化合物の合成に使用するカルボン酸は、市販の純度95〜98%の試薬を、熱エタノール/水により再結晶し、予め純度100%とした。
同様に、モノエステル化合物の合成に使用するアルコールは、市販の純度95〜98%の試薬を、熱エタノール/水、又はアセトン/水により再結晶し、予め純度100%とした。
[合成例1]
温度計、窒素導入管、攪拌機、ディーンスタークトラップ及びジムロート冷却管を備えた反応容器に、ベヘニルアルコール100部及びステアリン酸79.8部(ベヘニルアルコールの1.05モル当量)を加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
このエステル化粗生成物にトルエン20部及びイソプロパノール25部を添加し、エステル化粗生成物の酸価の1.5倍当量に相当する量の10%水酸化カリウム水溶液190部を加え、70℃で30分間攪拌した。30分間静置して水層部を除去して脱酸工程を終了した。次いで、20部のイオン交換水を入れて70℃で30分間攪拌した後、30分間静置して水層部を除去した。除去した水層のpHが中性になるまで水洗を4回繰り返した。エステル層を180℃、1kPaの条件下で減圧して溶媒を留去し、ろ過を行い、最終目的物であるステアリン酸ベヘニル1を952.3g得た。脱酸処理に供したエステル化粗生成物に対する収率は95.2%であった。
[合成例2]
上記合成例1と同様の反応容器及び原料を用い、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ5時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、ステアリン酸ベヘニル2を合成した。
[合成例3]
上記合成例1と同様の反応容器を用い、エイコシルアルコール、及びエイコサン酸をエイコシルアルコールの1.05モル当量加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、エイコサン酸エイコシルを合成した。
[合成例4]
上記合成例1と同様の反応容器を用い、ステアリルアルコール、及びベヘン酸をステアリルアルコールの1.05モル当量加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、ベヘン酸ステアリルを合成した。
[合成例5]
上記合成例1と同様の反応容器を用い、ベヘニルアルコール、及びパルミチン酸をベへニルアルコールの1.05モル当量加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、パルミチン酸ベヘニルを合成した。
[合成例6]
上記合成例1と同様の反応容器を用い、ベヘニルアルコール、及びミリスチン酸をベへニルアルコールの1.05モル当量加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、ミリスチン酸ベヘニルを合成した。
[合成例7]
上記合成例1と同様の反応容器を用い、ステアリルアルコール、及びステアリン酸をステアリルアルコールの1.05モル当量を加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、ステアリン酸ステアリルを合成した。
[合成例8]
上記合成例1と同様の反応容器を用い、ステアリルアルコール、及びパルミチン酸をステアリルアルコールの1.05モル当量加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、パルミチン酸ステアリルを合成した。
[合成例9]
上記合成例1と同様の反応容器を用い、ベヘニルアルコール、及びエイコサン酸をベヘニルアルコールの1.05モル当量加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、エイコサン酸ベヘニルを合成した。
[合成例10]
上記合成例1と同様の反応容器を用い、テトラコシルアルコール、及びパルミチン酸をテトラコシルアルコールの1.05モル当量加え、窒素気流下220℃で、反応により生じる水を留去しつつ15時間常圧で反応を行って、エステル化粗生成物を得た。
あとは、上記合成例1と同様に脱酸工程以降を行うことにより、パルミチン酸テトラコシルを合成した。
2.軟化剤の製造
[製造例1]
上記合成例1のステアリン酸ベヘニル1、及び上記合成例5のパルミチン酸ベヘニルを、(ステアリン酸ベヘニル1):(パルミチン酸ベヘニル)=98.0質量%:2.0質量%の割合で混合し、軟化剤Aを製造した。
[製造例2〜製造例8]
製造例1において、モノエステル化合物の種類及び混合割合を表1に示す通りに変更したこと以外は、製造例1と同様にして、軟化剤B〜Hを製造した。
3.トナー原材料の特性
(1)軟化剤の融点
試料用ホルダーに軟化剤試料6〜8mgを計量し、示差走査熱量分析機(セイコーインスツル社製、商品名:RDC−220)を用いて、−200℃〜1,000℃まで100℃/分で昇温する条件で測定を行い、DSC曲線を得た。当該DSC曲線のピークのトップを融点(TmD)とした。
(2)軟化剤の酸価及び水酸基価
軟化剤A〜軟化剤Hの酸価及び水酸基価は、日本工業標準調査会(JICS)制定の規準油脂分析手法である、JIS K 0070に準拠して測定した。
軟化剤A〜軟化剤Hの測定及び評価結果を、各モノエステル化合物の含有割合と併せて表1に示す。なお、軟化剤A〜軟化剤Dについては、下記表1のモノエステル化合物1及び2が、それぞれ本発明におけるモノエステル化合物A及びBに相当する。
Figure 0006250637
4.静電荷像現像用トナーの作製
[実施例1]
モノビニル単量体としてスチレン73部及びn−ブチルアクリレート27部、ブラック着色剤としてカーボンブラック(三菱化学製、商品名:#25B)7部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.75部、帯電制御剤としてスチレン/アクリル樹脂(藤倉化成株式会社製、商品名:FCA−592P)0.38部、分子量調整剤としてテトラエチルチウラムジスルフィド1部、及びマクロモノマーとしてポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名:AA6、Tg=94℃)0.25部を、通常の攪拌装置で攪拌及び混合した後、メディア型分散機により、均一分散した。ここに、上記製造例1で製造した軟化剤A(融点:70℃)を20部添加、混合、及び溶解して、重合性単量体組成物を得た。重合性単量体組成物の調製はすべて室温下で行った。
他方、攪拌槽において、室温下で、イオン交換水250部に塩化マグネシウム7.4部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム4.1部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液(水酸化マグネシウム3.0部)を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温下で、上記重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製、商品名:パーブチルO)5部を添加後、インライン型乳化分散機(太平洋機工社製、商品名:マイルダー)を用いて、15,000rpmの回転数で高剪断攪拌して重合性単量体組成物の液滴形成を行った。
上記重合性単量体組成物の液滴が分散した水酸化マグネシウムコロイド分散液を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、89℃まで昇温して温度が一定となるように制御し、重合反応を行った。次いで、重合転化率が98%に達したときに、系内温度を75℃に冷却し、75℃に到達して15分後に、シェル用重合性単量体としてメチルメタクリレート3部、及びイオン交換水10部に溶解した2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]四水塩(和光純薬社製、商品名:VA086)0.36部を添加した。更に3時間重合を継続した後、反応を停止し、pH9.5の着色樹脂粒子の水分散液を得た。
この後、着色樹脂粒子の水分散液を80℃とし、窒素ガス流量0.6m/(hr・kg)で5時間ストリッピング処理を行った後、水分散液を25℃まで冷却した。次いで、得られた水分散液を、25℃にて攪拌しながら、硫酸により系のpHを6.5以下にして酸洗浄を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化し水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を、数回繰り返し行って、固形分を濾過分離した後、乾燥機に入れ、温度40℃で12時間乾燥した。
上記により得られた着色樹脂粒子100部に、疎水化された個数平均一次粒径が7nmのシリカ微粒子0.7部、疎水化された個数平均一次粒径が50nmのシリカ微粒子1部を添加し、高速攪拌機(日本コークス工業社製、商品名:FMミキサー)を用いて混合して、実施例1の静電荷像現像用トナーを製造した。試験結果を表2に示す。
[実施例2〜実施例6、比較例1〜比較例4]
実施例1において、軟化剤の種類又は添加量を表2に示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜実施例6及び比較例1〜比較例4の静電荷像現像用トナーを作製した。得られた各静電荷像現像用トナーの特性を表2に示す。
5.着色樹脂粒子及びトナーの特性評価
上記実施例1〜実施例6及び比較例1〜比較例4のトナー、並びにトナーに使用した着色樹脂粒子について、特性を調べた。詳細は以下の通りである。
(1)着色樹脂粒子の体積平均粒径Dv及び粒径分布Dv/Dn
着色樹脂粒子の体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dn、及び粒径分布Dv/Dnを粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、分散媒体:アイソトンII(:商品名)、濃度10%、測定粒子個数:100,000個の条件で行った。
具体的には、着色樹脂粒子サンプル0.2gをビーカーに取り、その中に分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フイルム社製、商品名:ドライウエル)を加えた。そこへ、更に分散媒体を2mL加え、着色樹脂粒子を湿潤させた後、分散媒体を10mL加え、超音波分散器で1分間分散させてから上記の粒径測定器による測定を行った。
(2)着色樹脂粒子の軟化温度(Ts)、流動開始温度(Tfb)及び1/2法での溶融温度(Tm)
着色樹脂粒子1.0〜1.3gを高架式フローテスター(島津製作所製、商品名:CFT−500C)に入れ、下記の測定条件で、軟化温度(Ts)、流動開始温度(Tfb)及び1/2法での溶融温度(Tm)を測定した。
測定開始温度:40℃、昇温速度:3℃/分、予熱時間:5分、シリンダー圧力:10kgf/cm、ダイス直径:0.5mm、ダイス長さ1.0mm、剪断応力:2.451×10Pa
(3)着色樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)
着色樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)の測定は、以下の方法により行った。
乾燥によって得られた着色樹脂粒子を約10mg精秤し、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、商品名:DSC6220)を用い、ASTM D 3418−97に従って、精秤した測定試料をアルミニウムパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウムパンを用い、測定温度範囲0〜150℃の間で、昇温速度10℃/分の条件下で、着色樹脂粒子のガラス転移温度を測定した。
(4)着色樹脂粒子の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)
着色樹脂粒子の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で求めた。具体的には以下の方法を用いて行った。
(a)試料調製
着色樹脂粒子約10mgを5mLのテトラヒドロフラン溶媒に溶解し、250℃、16時間放置後、0.45μmメンブランフィルターを通して試料とした。
(b)測定条件
温度:350℃、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1.0mL/min、濃度:0.2wt%、試料注入量:100μL
(c)カラム
東ソー(株)製、GPC TSKgel MultiporeHXL−M(30cm×2本)を用いた。分子量Mw1,000〜300,000間のLog(Mw)‐溶出時間の一次相関式が0.98以上の条件で測定した。
(5)トナーの特性評価
(a)最低定着温度及びホットオフセット温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(印刷速度:20枚/分)の定着ロールの温度を変化できるように改造したプリンターを用いて、定着試験を行った。定着試験は、改造プリンターの定着ロールの温度を5℃刻みで変化させ、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定した。
定着率は、改造プリンターで試験用紙に印刷した黒ベタ領域の、テープ剥離操作前後の画像濃度の比率から計算した。即ち、テープ剥離前の画像濃度をID(前)、テープ剥離後の画像濃度をID(後)とすると、定着率は、次式から算出することができる。
定着率(%)=(ID(後)/ID(前))×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分(黒ベタ領域)に粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。また、画像濃度は、反射型濃度計(マクベス社製、商品名:RD918)を用いて測定した。
この定着試験において、定着率が80%以上になる最低定着ロール温度をトナーの最低定着温度とした。
次に、更に温度を上げていき、ホットオフセットが発生するまでの温度を測定した。
最低定着温度の測定と同様の改造プリンターを用いて、ホットオフセット試験を行った。ホットオフセット試験は、定着ロール部の温度を150℃から5℃ずつ230℃まで変化させて、黒ベタ(印字濃度100%)、及び白ベタ(印字濃度0%)の印字領域を有する印字パターンを印刷し、それぞれの温度で、白ベタ(印字濃度0%)の印字領域に印字汚れが認められるか、定着ロールにトナーの融着が発生(ホットオフセット現象)しているかの有無を目視にて観察した。
このホットオフセット試験において、印字汚れまたは定着ロールにトナーの融着が発生した最低の設定温度を、ホットオフセット発生温度とした。重合トナーのホットオフセット発生温度としては、210℃を超えることが、耐熱性の点で好ましい。
なお、定着ロールの温度が230℃の時点でもホットオフセット現象の発生がなかった場合は、表2中でホットオフセット発生温度を、「230<」と表記する。
(b)耐熱保存性
トナー10gを密閉した容器に入れて、密閉した後、所定の温度に設定した恒温水槽の中に該容器を沈め、8時間経過した後に取り出した。取り出した容器からトナーを42メッシュの篩の上にできるだけ振動を与えないように移し、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名:パウダテスタPT−R)にセットした。篩の振幅を1.0mmに設定して、30秒間振動した後、篩上に残ったトナーの質量を測定し、これを凝集したトナーの質量とした。
この凝集したトナーの質量が0.5g以下になる最大の温度を、耐熱温度として耐熱保存性の指標とした。
実施例1〜実施例6、及び比較例1〜比較例4の静電荷像現像用トナーの測定及び評価結果を表2に示す。
Figure 0006250637
6.トナー評価のまとめ
以下、表1及び表2を参照しながら、トナー評価について検討する。
まず、比較例1のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例1のトナーは、ステアリン酸ベヘニル1(90質量%)及びミリスチン酸ベヘニル(10質量%)を含む軟化剤Eを20部含有する。表1より、軟化剤Eの融点は63℃、酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は1.5mgKOH/gである。
表2より、比較例1のトナーは、最低定着温度が125℃である。したがって、比較例1のトナーについては、少なくとも低温定着性に問題は見られない。
しかし、比較例1のトナーは、ホットオフセット温度が180℃と低く、耐熱温度が54℃と低い。特に、比較例1のホットオフセット温度は、今回評価したトナー中、最も低い。
以上より、ステアリン酸ベヘニル1(モノエステル化合物A)を95質量%よりも少なく含み、さらに脂肪酸側Rの炭素数が15未満であるミリスチン酸ベヘニルを含む軟化剤Eを用いた比較例1のトナーは、耐ホットオフセット性に劣り、耐熱保存性にも乏しいことが分かる。
続いて、比較例2のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例2のトナーは、ステアリン酸ステアリル(98質量%)及びパルミチン酸ステアリル(2質量%)を含む軟化剤Fを20部含有する。表1より、軟化剤Fの融点は60℃、酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は1.0mgKOH/gである。
表2より、比較例2のトナーは、最低定着温度が120℃である。したがって、比較例2のトナーについては、少なくとも低温定着性に問題は見られない。
しかし、比較例2のトナーは、ホットオフセット温度が200℃と低く、耐熱温度が53℃と低い。特に、比較例2の耐熱温度は、今回評価したトナー中、最も低い。
以上より、脂肪酸側Rの炭素数とアルコール側Rの炭素数との和が39未満であるステアリン酸ステアリルを95質量%以上含み、且つ、脂肪酸側Rの炭素数とアルコール側Rの炭素数との和が35未満であるパルミチン酸ステアリルを5質量%以下含む軟化剤Fを用いた比較例2のトナーは、耐ホットオフセット性に劣り、耐熱保存性に乏しいことが分かる。
次に、比較例3のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例3のトナーは、エイコサン酸ベヘニル(98質量%)及びステアリン酸ベヘニル1(2質量%)を含む軟化剤Gを20部含有する。表1より、軟化剤Gの融点は75℃、酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は0.8mgKOH/gである。
表2より、比較例3のトナーは、ホットオフセット温度が230℃を超え、耐熱温度が61℃である。したがって、比較例3のトナーについては、少なくとも耐ホットオフセット性及び耐熱保存性に問題は見られない。
しかし、比較例3のトナーは、最低定着温度が140℃と高い。比較例3の最低定着温度は、今回評価したトナー中、最も高い。
以上より、脂肪酸側Rの炭素数とアルコール側Rの炭素数との和が39を超えるエイコサン酸ベヘニルを95質量%以上含み、且つ、脂肪酸側Rの炭素数とアルコール側Rの炭素数との和が37を超えるステアリン酸ベヘニル1を5質量%以下含む軟化剤Gを用いた比較例3のトナーは、低温定着性に劣ることが分かる。
続いて、比較例4のトナーについて検討する。表1及び表2より、比較例4のトナーは、パルミチン酸テトラコシル(98質量%)及びパルミチン酸ベヘニル(2質量%)を含む軟化剤Hを20部含有する。表1より、軟化剤Hの融点は72℃、酸価は0.1mgKOH/g、水酸基価は1.2mgKOH/gである。
表2より、比較例4のトナーは、最低定着温度が135℃である。したがって、比較例4のトナーについては、少なくとも低温定着性に問題は見られない。
しかし、比較例4のトナーは、ホットオフセット温度が190℃と低く、耐熱温度が54℃と低い。
以上より、アルコール側Rの炭素数が22を超えるパルミチン酸テトラコシルを含む軟化剤Hを用いた比較例4のトナーは、耐ホットオフセット性及び耐熱保存性に劣ることが分かる。
一方、実施例1〜実施例6のトナーは、表1及び表2より、軟化剤A〜Dのいずれか1つを12〜25部含有する。軟化剤A〜Dは、ステアリン酸ベヘニル1、エイコサン酸エイコシル、又はベヘン酸ステアリルのいずれか1つを96〜98質量%、パルミチン酸ベヘニルを2〜4質量%、それぞれ含有する。表1より、軟化剤A〜Dの融点は66〜73℃、酸価はいずれも0.1mgKOH/g、水酸基価は0.7〜0.8mgKOH/gである。
表2より、実施例1〜実施例6のトナーは、最低定着温度が135℃以下と低く、ホットオフセット温度がいずれも230℃を超え、耐熱温度が56℃以上と高い。
したがって、軟化剤として、上記式(1)の構造を有するモノエステル化合物Aを95〜99質量%の割合で、上記式(2)の構造を有するモノエステル化合物Bを1〜5質量%の割合で、それぞれ含有し、且つ、結着樹脂100質量部に対して、軟化剤を10〜30質量部含有する本発明のトナーは、耐熱保存性と低温定着性のバランスに優れ、且つ耐ホットオフセット性に優れることが分かる。
以下、軟化剤の添加量のみが異なる実施例1(添加量:20部)、実施例5(添加量:12部)、及び実施例6(添加量:25部)を比較する。
表2より、実施例5のトナーは、実施例1のトナーと比較して、耐熱保存性にやや優れるが、低温定着性にやや劣る。また、実施例6のトナーは、実施例1のトナーと比較して、低温定着性にやや優れるが、耐熱保存性にやや劣る。
以上の結果から、軟化剤の添加量が多いほど、低温定着性にやや優れるが耐熱保存性にやや劣ることになり、その逆として、軟化剤の添加量が少ないほど、耐熱保存性にやや優れる一方、低温定着性にやや劣ると推測される。

Claims (3)

  1. 結着樹脂、着色剤、及び軟化剤を含有する着色樹脂粒子、並びに外添剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、
    前記軟化剤として、下記式(1)の構造を有するモノエステル化合物Aを95〜99質量%の割合で、下記式(2)の構造を有するモノエステル化合物Bを1〜5質量%の割合で、それぞれ含有し、且つ、
    結着樹脂100質量部に対して、前記軟化剤を10〜30質量部含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    −COO−R 式(1)
    (上記式(1)中、Rは炭素数17〜23の直鎖アルキル基を示し、Rは炭素数16〜22の直鎖アルキル基を示し、さらに、RとRとの合計炭素数が39である。)
    −COO−R 式(2)
    (上記式(2)中、Rは炭素数15〜21の直鎖アルキル基を示し、Rは炭素数16〜22の直鎖アルキル基を示し、さらに、RとRとの合計炭素数が35〜37である。)
  2. 前記軟化剤の融点が60〜75℃であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記軟化剤の酸価が1.0mgKOH/g以下であり、且つ、前記軟化剤の水酸基価が10mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
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